特許第6235680号(P6235680)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6235680
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】カーテン装置
(51)【国際特許分類】
   A47H 1/10 20060101AFI20171113BHJP
   A47H 1/04 20060101ALI20171113BHJP
   A47H 15/04 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   A47H1/10
   A47H1/04 A
   A47H1/04 Z
   A47H15/04
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-214747(P2016-214747)
(22)【出願日】2016年11月2日
【審査請求日】2017年1月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506284038
【氏名又は名称】穂高インテリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 政美
(72)【発明者】
【氏名】村上 良勝
【審査官】 佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】 実開平7−36870(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3123564(JP,U)
【文献】 実公昭30−12475(JP,Y1)
【文献】 実公昭8−16161(JP,Y1)
【文献】 実開平5−65285(JP,U)
【文献】 仏国特許出願公開第2890549(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47H 1/00− 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテンレールと、このカーテンレールに握持状にして連繋されるカーテンランナーとから成り、カーテンレールは、屈曲自在な可撓性あるレール芯材と、このレール芯材を包む包覆部と、包覆部に一体状に接続形成されていて、レール芯材の上方で対向配置されることで相互に接合されている起立脚部と、この起立脚部の上端縁から側方に折曲延設された取付部とを備え、カーテンランナーは、包覆部におけるスライド方向に沿った所定長さを備えた断面で溝形状のスライド案内部と、このスライド案内部に連繋されたカーテン吊り部とを備えて成ることを特徴とするカーテン装置。
【請求項2】
カーテンレールの包覆部、起立脚部、取付部は、所定の肉厚を有し、所定幅員の帯状を呈して可撓性あるシート材の折り曲げ、接合によって形成してある請求項1に記載のカーテン装置。
【請求項3】
帯状の合成樹脂製のシート材をその幅員方向でレール芯材を折曲部分で挟むように二つ折りし、二つ折りすることで相互に当接される当接部分の下部を接合固定し、上部を互いに逆方向に折り返して側面から見てほぼT字形を呈するように形成し、二つ折りした折曲部分をレール芯材を包む包覆部となし、接合部分を起立脚部となし、逆方向への折り返し部分を取付部となしてある請求項1または2に記載のカーテン装置。
【請求項4】
カーテンレールの取付部は、取付手段を介して取付箇所に取付可能にしてある請求項1乃至3のいずれかに記載のカーテン装置。
【請求項5】
取付手段は、取付部に付着した接着剤を剥離紙で被覆してある請求項4に記載のカーテン装置。
【請求項6】
取付部は、側方から中央部に向かった切れ目状のスリットによって彎曲状あるいは折曲状に形成されるようにしてある請求項1乃至5のいずれかに記載のカーテン装置。
【請求項7】
カーテンランナーのスライド案内部は、カーテンレールにおける起立脚部の肉厚に比し広く、レール芯材を包覆している包覆部の外形幅員に比し狭くなっている間隙である挟持部を有している請求項1乃至6のいずれかに記載のカーテン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として軽量なカーテンの取付に好適で、簡易に設置でき、しかも設置場所において、例えば出窓等でカーテンを取り付ける場合等の平面で湾曲した形態であっても、その彎曲態様に簡単に対応でき、またカーテンレールに沿って走行するカーテンランナーに車輪がないことでカーテン開閉時でも騒音を発生せず、静音であるようにしたカーテン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、窓における遮蔽、部屋における間仕切り等のために設置使用されるカーテンは、壁面、天井面等に取り付けられるカーテンレールと、このカーテンレールに沿ってスライド走行するようにカーテンレールに嵌め合わせられる車輪付カーテンランナーとから成り、カーテンランナーに吊り具を介してカーテンが吊り下げ支持されるようにしている。例えば特許文献1に示されるカーテンランナーであり、特許文献2に示されるカーテン装置等である。
【0003】
これらの特許文献1、2に示されるカーテンレール、車輪付カーテンランナー等はいずれも生地重量が比較的に嵩むカーテンを支持できるように、例えばスチールその他の金属素材によってカーテンレールが形成され、合成樹脂等でカーテンランナーが成型されており、断面で例えば角C字形を呈するカーテンレール内に走行可能なようにカーテンランナーがスライド自在に嵌め入れられている。ただ、カーテンレール自体は、その多くが剛性であるために、例えば平面で彎曲している出窓などに取り付ける等の取付形態を平面で彎曲させる場合には、その彎曲形態に合わせて予め製作しておいたり、折曲させたジョイント部材を介在させたりする必要があり、面倒である。
【0004】
このような点を解消すべく、平面で彎曲した形態での取付ができるように、カーテンレール自体を可撓性ある素材によって屈曲自在に形成し、この屈曲させた態様で固定支持しておいて車輪付カーテンランナーを嵌め合わせるようにしている。例えば特許文献3に示されるカーテンレール装置であり、特許文献4に示される屈曲自在かつ切断自在の遠隔操作電動カーテンレール等である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−222544号公報
【特許文献2】特開2007−215982号公報
【特許文献3】特開2000−245618号公報
【特許文献4】特開2014−61254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ただ、このような屈曲性・可撓性ある素材によってカーテンレールを形成すると、構造が複雑で大掛かりなものとなり、重量も大きく、またその素材故に車輪付カーテンランナーを使用せざるを得ず、その車輪が走行するときにはその走行音が生じる。そればかりでなく、重量的に嵩張るカーテン素材を吊り下げる場合にカーテンレール自体が歪形してしまうと、カーテンランナーにおける車輪がスムーズに走行せず、またカーテンレールから外れてしまうこともある。そればかりでなく、取付現場に合わせて彎曲させて取り付けるに際し、カーテンレールの彎曲状態の一時的な保持と、その彎曲状態を維持したままでの支持部材による支持固定が必要であるから、取付作業自体も手間が掛かり面倒である。
【0007】
そこで本発明は上述したような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、壁面、天井面その他に極めて容易に取り付けることができ、しかも例えば家屋において膨出状に形成された出窓等の屋内側でその膨出態様に沿って例えば平面で彎曲形態となるように簡単に屈曲形成でき、更には従来のように車輪を備えたカーテンランナーではなく、スライド走行させるようにしたことで騒音が発生せず、静音性を保持できるのであり、特に比較的に軽量なカーテンの設置に好適で、しかも特別な専門業者等に依頼することなく、特別な工具等も要せずに簡単に設置できるようにしたカーテン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、後述する発明を実施するための形態における使用符号を付記して説明すると、カーテンレール1と、このカーテンレール1に握持状にして連繋されるカーテンランナー10とから成り、カーテンレール1は、屈曲自在な可撓性あるレール芯材2と、このレール芯材2を包む包覆部4と、包覆部4に一体状に接続形成されていて、レール芯材2の上方で対向配置されることで相互に接合されている起立脚部5と、この起立脚部5の上端縁から側方に折曲延設された取付部6とを備え、カーテンランナー10は、包覆部4におけるスライド方向に沿った所定長さを備えた断面で溝形状のスライド案内部11と、このスライド案内部11に連繋されたカーテン吊り部12とを備えて成ることを特徴とする。
カーテンレール1の包覆部4、起立脚部5、取付部6は、所定の肉厚を有し、所定幅員の帯状を呈して可撓性あるシート材3の折り曲げ、接合によって形成することができ、また、帯状の合成樹脂製のシート材3をその幅員方向でレール芯材2を折曲部分で挟むように二つ折りし、二つ折りすることで相互に当接される当接部分の下部を接合固定し、上部を互いに逆方向に折り返して側面から見てほぼT字形を呈するように形成し、二つ折りした折曲部分をレール芯材2を包む包覆部4となし、接合部分を起立脚部5となし、逆方向への折り返し部分を取付部6となして構成することができる。
カーテンレール1の取付部6は、取付手段8を介して取付箇所に取付可能にして構成することができる。
取付手段8は、取付部6に付着した接着剤9aを剥離紙9bで被覆して構成することができる。
取付部6は、側方から中央部に向かった切れ目状のスリット6aによって彎曲状あるいは折曲状に形成されるようにして構成することができる。
カーテンランナー10のスライド案内部11は、カーテンレール1における起立脚部5の肉厚に比し広く、レール芯材2を包覆している包覆部4の外形幅員に比し狭くなっている間隙である挟持部13を有して構成することができる。
【0009】
以上のように構成された本発明に係るカーテン装置にあって、屈曲自在で可撓性あるカーテンレール1は、可撓性あるレール芯材2の屈曲性によって取付箇所の取り付け状況に対応して直線状に、湾曲状あるいは折曲状で取り付け可能にしており、平面的に直線状、湾曲状あるいは折曲状の取付形態となり、取付箇所において開閉案内されるカーテンC等の取付形態に対応させる。
カーテンレール1は、レール芯材2を挟み込んだ二つ折りによる包覆部4、相互に当接される当接部分による起立脚部5、折り返される取付部6を形成させる帯状のシート材3によることで、起立脚部5、取付部6は包覆部4と共にレール芯材2の屈曲自在性に追随する。
取付部6における切れ目状のスリット6aは、取付部6の面に沿った側方にカーテンレール1が屈曲されるときの内側ではその両脇部分の重ね合わせあるいは切除によって、外側では拡開させることでカーテンレール1自体の屈曲状況に自在に対応させる。
取付手段8において、取付部6の接着剤9aは、被覆してある剥離紙9bの剥離によって露出されることで取付面に対して、カーテンレール1自体を接着取付させる。
カーテンランナー10は、溝形状のスライド案内部11がカーテンレール1における包覆部4に握持状に連繋されていることで、カーテンレール1の設置態様の直線状、湾曲状あるいは折曲状によるカーテンCの走行経路に沿って、カーテン吊り部12によってカーテンCの荷重を支持して抜け落ちや脱落されることなくスムーズに走行移動させる。
カーテンランナー10の挟持部13は、カーテンレール1の包覆部4を包覆したままで起立脚部5に直接に装着可能にさせ、またスライド走行によって車輪走行時のような騒音等を生じさせない。
【発明の効果】
【0010】
以上に説明した本発明により、カーテンレール1自体を取付部6の取付手段8によって壁面、天井面その他に極めて容易に取り付けることができ、しかも例えば平面で直線状、湾曲状あるいは折曲状を呈するようにカーテンレール1自体を自在に屈曲させた態様で取付設置できる。また、カーテンランナー10には車輪を設けておらず、カーテンレール1にスライド走行することで騒音を発生せず、カーテンCの開閉時でも静音性を保持できるのであり、特に比較的に軽量なカーテンCの吊り下げ設置に好適であり、カーテンレール1自体は取付手段8による例えば接着等の作業で簡単に取付可能であるから、特別な専門業者等に依頼することなく、また特別な工具等も要せずに簡単に設置できる。
【0011】
すなわちこれは本発明において、カーテンレール1は、屈曲自在な可撓性あるレール芯材2を包む包覆部4に接続形成されて、対向配置されることで相互に接合されている起立脚部5、この起立脚部5から側方に折曲延設された取付部6を備え、カーテンランナー10は、所定長さを備えた断面で溝形状のスライド案内部11に連繋されたカーテン吊り部12を備えて成るからである。これによって、取付面におけるカーテンCの設置形態に対応した直線状、湾曲状、折曲状による取付状況の選定調整、自在な屈曲配置形態に対応追随してスライド走行するカーテンランナー10によって支持したスムーズなカーテンCの開閉操作を実現できる。
【0012】
また、カーテンレール1は、所定幅員の帯状の可撓性あるシート材3を二つ折りして、その折曲部分にて可撓性あるレール芯材2を包覆してなる包覆部4、この包覆部4に接続されて、対向する互いの当接部分を接合固定してなる起立脚部5、起立脚部5を側方に折り返してなる取付部6を備えて成ることで、カーテンCの設置形態に対応させてレール芯材2自体の直線状、湾曲状、折曲状等の屈曲によってカーテンレール1を所定面に取付手段8によって、カーテンCの設置態様に対応して自在に取り付けることができる。
【0013】
カーテンレール1の取付部6における取付手段8は、例えば取付部6のネジ止めによることも可能であり、またこのネジ止めによる場合に限らず、取付部6に付着した接着剤9aを剥離紙9bで被覆してあることで、剥離紙9bの剥離によって露出された接着剤9aを取付面等に接着させることでカーテンレール1自体を取付固定でき、特別な工具その他を要せずに簡単に取付作業を行うことができる。
【0014】
この取付部6自体に設けられる側方から中央部に向かうスリット6aによって湾曲状、折曲状に形成されるようにしてあることで、スリット6a自体の両脇部分の重ね合わせあるいは切除によって屈曲される内側部分となり、またスリット6aの拡開によって屈曲される外側部分となるように構成できる。しかもこのスリット6aの形成は取付現場における取付状況に対応して、例えば鋏その他の切断具にて切れ目として簡単に形成でき、屈曲形態に応じて現場施工で迅速に調整設定できる。
【0015】
カーテンランナー10のスライド案内部11に設けた挟持部13によって、カーテンランナー10をカーテンレール1に直接に挟み込ませるように装着でき、包覆部4を包覆した状態で起立脚部5によってスライドできるから、従来のカーテンランナーのように車輪を設ける必要がなく、カーテンC開閉時の静音性を保つことができる。
【0016】
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項それぞれにおいて付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付した。本発明は、これらの記載、図面中の符号等によって示された構造・形状等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明を実施するための一形態を示す斜視図である。
図2】同じく断面図で、その(a)は第1の実施の形態、(b)は第2の実施の形態、(c)は第3の実施の形態それぞれを示す。
図3】同じく平面で彎曲して設置される場合の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明を実施するための一形態を説明すると、図において示される符号1はカーテンレールであり、このカーテンレール1は、屈曲自在な可撓性あるレール芯材2と、このレール芯材2を包む包覆部4と、包覆部4に一体状に接続形成されていて、レール芯材2の上方で対向配置されることで相互に接合されている起立脚部5と、この起立脚部5の上端縁から側方に折曲延設された取付部6とを備えて成る。
【0019】
レール芯材2は、所定径例えば3〜5mm程度の直径となっている例えば可撓性ある金属製線材、合成樹脂製線材等から成り、自由な方向に手指によって自在に屈曲できるようになっている。このレール芯材2は、後述するカーテンランナー10が包覆部4を囲繞して握持状に嵌め合わせられるとき、後述するカーテンランナー10を脱落させることなく、スライド可能にして包覆部4を介在させて握持状に嵌め合わせていれば足りる外径を備えるものとしている。
【0020】
図示のように、包覆部4、起立脚部5、取付部6は、所定の肉厚を有し、所定幅員の帯状を呈している、可撓性ある例えば合成樹脂製のシート材3の折り曲げ、接合等によって形成されている。すなわち、帯状の合成樹脂製のシート材3をその幅員方向でレール芯材2を折曲部分で挟むように二つ折りし、二つ折りすることで相互に当接される当接部分の下部を例えば接着剤等によって接合固定し、上部を互いに逆方向に折り返して側面から見た全体がほぼT字形を呈するように形成する。二つ折りした折曲部分がレール芯材2を包む包覆部4となり、接合部分が起立脚部5となり、逆方向への折り曲げ部分が取付部6となる。
【0021】
包覆部4は、レール芯材2をきっちりと包み込むも、レール芯材2自体の屈曲性・可撓性を損なわないようにしている。
【0022】
起立脚部5は、接着剤等の接合剤7によって接合されていることでレール芯材2を包覆部4に封入閉塞してもおり、レール芯材2の屈曲に対応して例えば側方向に沿って左右のいずれの方向にも彎曲されるものとなっている。
【0023】
取付部6は、起立脚部5の上端縁で左右側方に張り出し状となっており、カーテンレール1自体を天井面に直接にあるいは壁面に固定した支持部材Sに連繋した架設レールR等の所定の取付面に取付手段8によって取付できるようにしている。取付手段8は、例えば図に示すように、取付部6に付着した接着剤9aを剥離紙9b等で被覆しておき、この剥離紙9bを剥離することで露出される接着剤9aによって接着することで取り付けられるようにしている。もとより、この取付手段8による取り付けは、接着剤9aによらずに例えばビス等によるねじ止めその他によることも可能であり、特に限定されない。
【0024】
また、この取付部6において、レール芯材2が彎曲・折曲されるとき、その彎曲等の方向に沿って、側方から中央部に向かって設けられる切り目状のスリット6aが例えば所定の鋏、ナイフ、カッター等の切断具等によって形成されるようにしてある。彎曲・折曲方向の内側ではこのスリット6aの両脇部分が重ね合わせられたり、鋭角三角形状に切除されたりし、彎曲・折曲方向の外側ではこのスリット6aが拡開されることで自在に彎曲状態あるいは折曲状態で取付できるものとなっている。
【0025】
一方、カーテンレール1の包覆部4にはカーテンランナー10がスライド可能にして嵌め合わせられるようになっており、このカーテンランナー10は、包覆部4におけるスライド方向に沿った所定長さを備えた断面で溝形状のスライド案内部11と、このスライド案内部11に連繋されたカーテン吊り部12とを備えて成り、従来のカーテンランナーと異なり車輪を有していない。
【0026】
スライド案内部11は、レール芯材2を包覆している断面でほぼ円形状の包覆部4の外面にしっくりと嵌め合うように断面でほぼC字形を呈し、包覆部4に沿ったスライド操作が円滑になるようにスライド方向で傾いたり、スライド中に離脱したりすることがないように少なくとも例えば3〜5mm程度あるいは10mm程度の包覆部4に沿った長さを有している。なお、これらの例示の長さに限定されるものではない。
【0027】
また、スライド案内部11は、カーテンレール1における起立脚部5の肉厚に比し広く、レール芯材2を包覆している包覆部4の外形幅員に比し狭くなっている切込、スリット状の間隙である挟持部13を有しており、包覆部4を囲繞するように装着されたときには、カーテンレール1における包覆部4、起立脚部5に沿って自在に走行移動できるようにしてある。スライドする移動走行によって歪むことなく、変形しないよう所定の例えば合成樹脂材にて形成されており、必要があれば挟持部13をやや強制的にでも拡開することで包覆部1の任位置に直接に装着できるようにすることもできる。
【0028】
カーテン吊り部12は、所定のカーテンCを吊り下げ支持するカーテンフックFを係合する係合構造を有している。例えば図2(a)に示されるように、スライド案内部11の底部下方にループ状にしてスライド案内部11と一体状に形成し、所定の吊り具Hが係合できるようにしてある。図2(b)に示されるように、スライド案内部11自体に例えばリング状部材を挿通係合させることでカーテン吊り部12とする。
【0029】
次にこれの使用の一例を説明すると、取付手段8における取付部6の剥離紙9bを剥離して露出させた接着剤9aを利用して所定面に接着するのであり、例えば天井面に直接に、あるいは壁面であれば、図2(c)に示されるように、例えば壁面に所定間隔毎に固着された支持部材Sに掛け渡した例えば平板状の架設レールRの下面に同様に取付手段8によって取付固定する。
【0030】
また、これらの取付面に対して湾曲状あるいは折曲状に取り付ける場合には、図3に示されるように、彎曲方向に沿って取付部6の内側で切れ目状に設けたスリット6aの両脇部分を重ね合わせるか切除させるかして取り付け、彎曲方向の外側では同じく設けたスリット6aを拡開して取り付ける。これらのスリット6aによる重ね合わせあるいは切除、拡開等の処理は、取り付ける箇所の状況に対応して適宜に選択調整される。
【0031】
このようにカーテンレール1自体が平面で彎曲・折曲した形態となることで、例えば彎曲状あるいは折曲状に形成されている窓枠であっても、これに対応して現場において自在に選定した取付を可能にしている。
【符号の説明】
【0032】
C…カーテン F…カーテンフック
S…支持部材 R…架設レール
1…カーテンレール 2…レール芯材
3…シート材 4…包覆部
5…起立脚部 6…取付部
6a…スリット 7…接合剤
8…取付手段 9a…接着剤
9b…剥離紙
10…カーテンランナー 11…スライド案内部
12…カーテン吊り部 13…挟持部
【要約】
【課題】軽量なカーテンの取付に好適で、簡易に設置でき、しかも設置場所において平面で湾曲状、折曲状等でもこれに対応して取付可能で、また静音性を保持可能にする。
【解決手段】カーテンレール1と、このカーテンレール1に握持状に連繋されるカーテンランナー10とから成る。カーテンレール1は、屈曲自在な可撓性のレール芯材2と、レール芯材2を包む包覆部4と、包覆部4に一体状に接続形成していて、レール芯材2の上方で対向配置して相互に接合した起立脚部5と、起立脚部5の上端縁から側方に折曲延設した取付部6とを備える。カーテンランナー10は車輪を有せず、包覆部4におけるスライド方向に沿った所定長さを備えた断面で溝形状のスライド案内部11と、このスライド案内部11に連繋したカーテン吊り部12とを備える。取付部6は、側方から中央部に向かった切れ目状のスリット6aによって平面で彎曲状、折曲状に形成可能にする。
【選択図】図1
図1
図2
図3