特許第6235720号(P6235720)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6235720LED照明装置用の電力回路及び調光制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235720
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】LED照明装置用の電力回路及び調光制御方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20171113BHJP
【FI】
   H05B37/02 J
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-538589(P2016-538589)
(86)(22)【出願日】2015年4月29日
(65)【公表番号】特表2017-504934(P2017-504934A)
(43)【公表日】2017年2月9日
(86)【国際出願番号】CN2015077795
(87)【国際公開番号】WO2015196863
(87)【国際公開日】20151230
【審査請求日】2016年7月29日
(31)【優先権主張番号】201410288612.5
(32)【優先日】2014年6月24日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514280525
【氏名又は名称】チュージアン シェンフイ ライティング カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang Shenghui Lighting Co., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100120145
【弁理士】
【氏名又は名称】田坂 一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100140866
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 武史
(72)【発明者】
【氏名】ワン イエファ
(72)【発明者】
【氏名】リン リフン
(72)【発明者】
【氏名】シェン ジンシャン
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第103313469(CN,A)
【文献】 特開2014−057435(JP,A)
【文献】 特開2015−225825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/00−39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
代替電流(AC)電源サプライ、調光器、変換器、及び調光制御回路を含む、発光ダイオード(LED)照明装置用の電源回路であって、ここで、前記調光制御回路が、
前記変換器から出力される電圧信号を濾波し、当該濾波された電圧信号を出力するように構成される濾波ユニット、
前記濾波ユニットから出力される信号を受信し、前記信号を直流(DC)信号に整流し、及び当該DC信号を出力するように構成される整流ユニット、
前記整流ユニットから出力されるDC信号を受信し、当該受信されたDC電圧を必要とされるDC電圧に引き上げるように構成されるブースト変換ユニット、
前記ブースト変換ユニットにより引き上げられたDC電圧を制御するように構成される電圧フィードバック制御回路ユニット、
前記ブースト変換ユニットにより引き上げられたDC電圧を、前記LED照明装置により必要とされる電圧及び電流に変換するように構成される降圧変換ユニット、
前記ブースト変換ユニット、前記電圧フィードバック制御回路ユニット、及び前記降圧変換ユニットにそれぞれ接続され、入力電源及び出力電源がダイナミックにバランスがとられて光の点滅が発生しないように、前記ブースト変換ユニットにより引き上げられた特定点における電圧及び電圧波形に基づいて前記降圧変換ユニットにより必要とされる電流強度を自動的に調整するように構成される、デジタル制御ユニット、及び
電界効果トランジスタを含む補助回路を含み、ここで、
前記電界効果トランジスタのグリッド電極が前記デジタル制御ユニットに接続され、
前記電界効果トランジスタのドレイン電極が電気抵抗の第一端子に接続され、及び前記電気抵抗の第二端子が前記特定点に接続され、
前記電界効果トランジスタのソース電極がアースに接続され、及び
前記特定点における電圧が低下し、前記LED照明装置の最低誘導電圧に近接するとき、前記電気抵抗に対応する電気負荷が提供されるように、前記デジタル制御ユニットが前記電界効果トランジスタ用の高電気レベル駆動信号を提供する、電源回路。
【請求項2】
前記調光制御回路が、さらに、
前記デジタル制御ユニット及び前記降圧変換ユニットにそれぞれ接続され、
前記特定点における電圧をサンプリングし、及び
前記サンプリングされた電圧を、ノイズ干渉がなく、前記降圧変換ユニットの参照電圧値を変えるために用いられるアナログ電圧に変換する、
ように構成される電圧検知ユニット、
を含む、請求項1に記載の電源回路。
【請求項3】
前記調光制御回路が、さらに、
前記整流ユニット及び前記デジタル制御ユニットにそれぞれ接続され、入力電流の強度を制御するように構成される入力電流制御ユニットを含み、
ここで、前記特定点における電圧が低下し、前記LED照明装置の最低誘導電圧に近接するとき、前記デジタル制御ユニットが前記入力電流制御ユニットのスイッチを入れ、これにより更に調光プロセスを支援して当該調光プロセスをスムーズにする、
請求項1に記載の電源回路。
【請求項4】
LED照明装置用の調光制御方法であって、
LED照明装置の電源スイッチを入れること、
調光器が前記LED照明装置用の調光制御操作を実行するとき、ブースト変換ユニットにより引き上げられた特定点における電圧をサンプリングすること、
前記特定点における電圧をサンプリングすること、
前記特定点における電圧波形を確認すること、
前記特定点における電圧波形が予め設定された基準以上であるとき、前記電圧波形が前記予め設定された基準よりも小さくなるまで低下するように、デジタル制御ユニットにより制御信号を降圧変換ユニットに送信して電流を変えること、及び
前記特定点における電圧が低下し、前記LED照明装置の最低誘導電圧に近接するとき、電気負荷が電界効果トランジスタのドレイン電極と前記特定点の間に接続される電気抵抗を介して提供されるように、前記電界効果トランジスタのグリッド電極用の高電気レベル駆動信号を提供すること、
を含む、方法。
【請求項5】
さらに、
力電流が予め設定された値よりも小さいことを入力電流制御ユニットが検知するとき、内部回路のスイッチを入れ、前記入力電流を予め設定された値に自動的に維持すること、
を含む、請求項4の方法。
【請求項6】
前記サンプリングされた信号がノイズ干渉のないアナログ電圧信号に変換され、
当該アナログ電圧信号が前記降圧変換ユニットに伝送され、
前記アナログ電圧信号が、前記降圧変換ユニットの出力電流の参照電圧値を直接変化させ、及び
前記降圧変換ユニットの出力電流の参照電圧値が変化するとき、前記LED照明装置の電流が制御されるように、前記出力電流もこれにしたがい変化する、
請求項4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2014年6月24日に出願された中国特許出願CN201410288612.5に基づく優先権を主張し、この出願全体の開示及び内容は本発明に参照により取り込まれる。
【0002】
本願開示は、一般的に発光ダイオード(LED)照明技術の分野に関し、特に、LED照明装置用の電力回路及び調光制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
LED照明は、一般に、省エネルギー、環境保護、制御照明(controllable lighting)、固体状態照明、及び長期操作寿命における優位性を提供することができる。したがって、LED灯は、公共の、商業的な、及び/又は室内照明用に様々な領域で広範に用いられてきた。
【0004】
しばしばLED灯は、白熱灯、省電力灯、及びその他従来灯に類似して一般にデザインされた灯ヘッド(lamp-head)構造をもつことができる。おそらく、LED灯は、その他の従来灯を含む照明システムの元々の構成を変えずに簡単に搭載することにより、その他の従来灯に直接置き換わって用いることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、その他の従来灯を従来のLED灯に置き換えるとき、その他の従来灯は置き換えられたLED灯の調光特性(dimming feature)を実行する如何なる調光装置(dimmers)も含まないので、LED灯の調光特性を適用させることができない。そのような従来のシステムに調光装置を追加することにより、費用が上昇し、複雑で追加的な搭載が必要になり得る。
【0006】
本願開示のLED電力回路及び調光制御方法は、上記の1又は複数の課題及びその他の課題の解決に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願開示の1つの側面には、代替交流(AC)電源サプライ、調光器(dimmer)、変換器(transformer)、及び調光制御回路を含む、LED照明装置用の電源回路(power circuit)が含まれる。前記調光制御回路は、前記変換器から出力された電圧信号(voltage signal)を濾波し(filter)、当該濾波された信号を出力するように構成される濾波ユニット、及び前記濾波ユニットから出力された信号を受信し、前記信号を直流(DC)信号に整流し(rectify)、当該直流信号を出力するように構成される整流ユニットを含む。前記調光制御回路は、また、前記整流ユニットから出力されたDC信号を受信し、当該受信したDC電圧を必要なDC電圧に引き上げるように構成されるブースト変換ユニット(boost converter unit)、及び当該ブースト変換ユニットにより引き上げられたDC電圧を制御するように構成される電圧フィードバック制御回路ユニット(voltage feedback control circuit unit)を含む。さらに、前記調光制御回路は、前記ブースト変換ユニットにより引き上げられたDC電圧を、それぞれが前記ブースト変換ユニットに接続される前記LED照明装置及びデジタル制御ユニット(digital control unit)により必要とされる電圧と電流に変換するように構成される降圧変換ユニット(buck converter unit)を含み、前記電圧フィードバック制御回路ユニット及び前記降圧変換ユニットは、前記ブースト変換ユニット及び前記電圧波形(ripple)により引き上げられる特定点における電圧に基づいて、入力電力及び出力電力がダイナミックに均衡して光の点滅(light flicker)が発生しないように、前記降圧変換ユニットにより必要とされる電流強度に自動的に調整されるように構成される。
【0008】
本願開示のもう1つの側面には、LED照明装置用の調光制御方法が含まれる。当該方法には、LED照明装置の電源スイッチを入れることが含まれる。前記方法には、また、調光器が前記LED照明装置用の調光制御操作を実行するとき、ブースト変換ユニットにより引き上げられた特定点における電圧をサンプリングすることが含まれる。さらに、前記方法には、前記特定点における電圧をサンプリングし、前記特定点における電圧波形を確認することが含まれ、ここで前記特定点における前記電圧波形が予め設定された値以上のとき、デジタル制御ユニットは制御信号を降圧変換ユニットに送信して、前記特定点における前記電圧波形が前記予め設定された基準よりも小さくなるまで減少させるように電流を変化させる。
【0009】
当業者は、本願開示のその他の側面を、本願開示の記載、特許請求の範囲、及び図面に照らして理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下の図面は様々な開示の態様にしたがった説明のための単なる実例であり、本願発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0011】
図1】本願開示の様々な開示の態様にしたがった、LED電源回路の1例を示す構造図である。
【0012】
図2】本願開示の様々な開示の態様にしたがった、LED調光制御プロセスの1例のフローチャートを示す図である。
【0013】
図3】本願開示の様々な開示の態様にしたがった、電圧波形が予め設定された基準よりも大きいときの状態をしめすブロック図の1例を示す図である。
【0014】
図4】本願開示の様々な開示の態様にしたがった、電圧波形が予め設定された基準よりも小さいときの状態をしめすブロック図の1例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付図面に記載された本願開示態様の実例について、以下に詳細な説明を行う。可能な限り、全図面を通して、同一又は類似のものを言及するために同一の参照番号を用いる。
【0016】
図1は、本願開示の様々な開示の態様にしたがった、LED電源回路の1例を示す構造図である。本願開示において提供されるLED電源回路は、電子誘導変換器(electronic induction transformer)及び位相調光器(phase cut dimmer)に匹敵するLED電源回路である。図1に示されるように、前記LED電源回路は、代替の交流(AC)電源サプライ12、調光器14、変換器16、及び調光制御回路18を含むことができる。前記AC電源サプライ12、前記調光器14、及び前記変換器16は、広範に用いられる現存する構造であり得る。前記調光制御回路18は、濾波ユニット181、整流ユニット182、ブースト変換ユニット183、電圧フィードバック制御回路ユニット184、降圧変換ユニット185、デジタル制御ユニット186、電圧検知ユニット187、入力電流制御ユニット188、及び補助回路Q3を含むことができる。
【0017】
前記濾波回路181は、前記変換器により出力される電圧信号を濾波し、前記濾波された電圧信号を出力するように構成することができる。
【0018】
前記整流ユニット182は、前記濾波ユニットにより出力される信号を受信し、前記入力される信号を直流(DC)信号に整流するように構成することができる。
【0019】
前記ブースト変換ユニット183は、前記整流ユニットにより出力された信号を受信し、前記電圧を必要とされるDC電圧に引き上げるように構成することができる。前記ブースト変換器183は、その入力電圧よりも大きな出力電圧を備えるDC−to−DC電源変換器である。それは、少なくとも2つの半導体(ダイオード及びトランジスタ)と少なくとも1つのエネルギー保存部分、キャパシタ、インデューサー、又はこれら2つの組み合わせとを含むスイッチ−モード電源サプライ(switched-mode power supply (SMPS))の1つのクラスである。
【0020】
前記電圧フィードバック制御ユニット184は、前記ブースト変換ユニット183により引き上げられる電圧を制御するように構成することができる。
【0021】
前記降圧変換ユニット185は、前記ブースト変換ユニットにより引き上げられる電圧を前記LED照明装置により必要とされる電圧及び電流に変換するように構成することができる。前記降圧変換ユニットは、電圧ステップダウン及び電流ステップダウン変換器である。
【0022】
前記デジタル制御ユニット186は、前記ブースト変換ユニット、前記電圧フィードバック制御ユニット、及び前記降圧変換ユニットにそれぞれ接続される。前記LED照明装置の電流強度は、前記調光器の調光レベル及び前記調光レベルの位置する点P1における電圧に関連する。前記電圧及び点P1における電圧波形に基づいて、前記デジタル制御ユニットは前記降圧変換ユニットにより必要とされる電流を自動的に調整する。したがって、前記入力電源及び出力電源はダイナミックにバランスがとられ、光の点滅が発生しない。
【0023】
前記電圧検知ユニット187は、前記デジタル制御ユニット186及び前記降圧変換ユニット185に、それぞれ接続される。前記電圧検知ユニット187は、アナログ電圧信号が前記降圧変換ユニットの参照電圧を変化されることができ、当該アナログ電圧信号がノイズの干渉がなくスムーズである場合、点P1における電圧をサンプリングし、点P1における電圧を前記アナログ電圧信号に変換するように構成することができる。
【0024】
前記入力電流制御ユニット188は、前記整流ユニット182及び前記デジタル制御ユニット186に、それぞれ接続される。前記入力電流制御ユニット188は、前記入力電流強度を制御するように構成することができる。点P1における電圧が低下し、前記LED照明装置の最低誘導電圧に近くなるとき、前記デジタル制御ユニット186は、前記入力電流制御ユニットのスイッチを入れることができ、これにより更に、調光プロセス全体を援助して当該調光プロセスをよりスムーズにする。
【0025】
前記補助回路Q3は、電界効果トランジスタ(field effect transistor)を含む。当該電界効果トランジスタは、グリッド電極(grid electrode)、ドレイン電極(drain electrode)、及びソース電極(source electrode)を含む。前記電界効果トランジスタのグリッド電極は、デジタル制御ユニット186に接続される。前記電界効果トランジスタのドレイン電極は、電気抵抗を介して点P1に接続される。前記電界効果トランジスタのソース電極は、アースに接続される。点P1における電圧が低下し、前記LED照明装置の最低誘導電圧に近接するとき、前記デジタル制御ユニットは、低電圧条件下でシミュレートされた負荷が提供されるように、前記電界効果トランジスタ用の高電気レベル駆動信号(high electrical level driving signal)を提供する。
【0026】
前記LED照明装置の電源回路の操作プロセスは以下のように記載される。初めに、前記濾波ユニット181は、前記変換器16から来る電圧信号を濾波し、当該濾波された電圧信号を前記整流ユニット182に出力する。次に、前記濾波電圧信号は前記整流ユニット182により整流され、DC信号に変換される。当該DC信号は、前記ブースト変換ユニット183に出力される。前記ブースト変換ユニット183は、前記電圧を必要とされる前記DC電圧に引き上げる。前記引き上げられたDC電圧は前記電圧フィードバック制御回路ユニットにより制御される。最後に、前記降圧変換ユニット185は、前記電圧を前記LED照明装置により必要とされる電圧及び電流に変換する。
【0027】
前記調光制御回路の調光制御プロセスは以下のように記載される。
【0028】
前記調光器が前記LED照明装置用の調光制御操作を実行するとき、前記調光レベルは点P1に位置することができる。前記ブースト変換ユニット183により引き上げられる点P1における電圧はサンプリングされ、前記電圧検知ユニット187に送信される。前記電圧検知ユニット187は前記サンプリングされた電圧信号を加工し、当該加工された電圧信号を前記降圧変換ユニット185に送信する。前記調光信号の受信後、前記降圧変換ユニット185は前記LED照明装置の電流を制御する。
【0029】
同時に、前記デジタル制御ユニット186は、また、点P1における電圧をサンプリングする。前記デジタル制御ユニットは点P1における電圧波形を確認する。もし点P1における電圧波形が大き過ぎるなら、前記電圧検知ユニット187により検知される電圧の変動は大き過ぎる。したがって、前記降圧変換ユニット185に伝達される電圧は不安定である可能性があり、前記LED照明装置の光の点滅が発生する可能性がある。
【0030】
図3は、本願発明の複数の態様にしたがった、電圧波形が予め設定された基準よりも大きいときの状態を記述する状態図を示す。図3に示されるように、もし電圧波形が予め設定された基準以上であるなら、前記デジタル制御ユニットは、前記降圧変換ユニットが前記電流を変化させることができるように前記降圧変換ユニットに前記信号を送信し続ける。図4は、本願開示の態様にしたがった、電圧波形が予め設定された基準よりも小さいときの状態を記述する状態図を示す。図4に示されるように、電圧波形は、前記電圧波形が前記予め設定された基準よりも小さくなるまで低下する。前記LED照明装置の電流強度は、前記調光器の調光レベル及び点P1における電圧に関係する。点P1における電圧及び前記電圧波形に基づいて、前記デジタル制御ユニット及び前記電圧検知ユニットは、前記降圧変換ユニットにより必要とされる電流を自動的に調整する。したがって、前記入力電源(すなわち、前記変換器の出力電源)及び前記出力電源(すなわち、前記LED照明装置の電源)はダイナミックにバランスを調整され、光の点滅が発生しない。
【0031】
前記電圧検知ユニットは点P1においてサンプリングされる電圧を受信し、当該サンプリングされる信号は濾波される。前記サンプリングされる信号のノイズ干渉は除去され、前記サンプリングされる信号の低周波数波形(low frequency ripple)は低下する。さらに、前記サンプリングされる信号は、スムーズでノイズ干渉のない前記アナログ電圧信号に変換される。前記アナログ電圧信号は、前記降圧変換ユニットに転送される。前記アナログ電圧信号は、前記降圧変換ユニットの出力電流の参照電圧値を直接変化させる。前記降圧変換ユニットの出力電流の参照電圧値が変化するとき、前記出力電流も、これにしたがって変化し、もって前記LED照明装置の電流を制御する。
【0032】
さらに、前記入力電流が予め設定された値よりも小さいことを前記入力電流制御ユニットが検知するとき、前記入力電流制御ユニットは前記内部回路のスイッチを入れ、自動的に前記入力電流を前記予め設定された値に維持する。したがって、低輝度の条件下で、前記変換器は連続的誘導モード(continuous conduction mode)にあり、前記調光点滅現象を低減させる。
【0033】
前記デジタル制御ユニットは点P1における電圧を検知することができる。点P1における電圧が低下し、前記LED照明装置の最低誘導電圧に近接するとき、前記デジタル制御ユニットは前記入力電流制御ユニットのスイッチを入れることができる。したがって、前記デジタル制御ユニットは前記電流強度を制御し、さらに、前記調光プロセスを援助して前記調光プロセスをよりスムーズにする。
【0034】
前記デジタル制御ユニットは、また前記補助回路Q3も制御する。点P1における電圧が低下し、前記LED照明装置の最低誘導電圧に近接するとき、前記デジタル制御ユニットは、低電圧条件下でシミュレートされた負荷が提供されるように、前記補助回路Q3の電界効果トランジスタ用の駆動信号を提供する。同時に、前記デジタル制御ユニットは、前記入力電流制御ユニット用の駆動信号を提供し、前記低電圧条件下で前記入力電流制御ユニットを制御してスイッチを入れる。したがって、前記低輝度条件下で、前記調光器は前記連続誘導モードになり、前記調光点滅現象を低減させる。
【0035】
図2は、本願の様々な開示の態様にしたがった、LED調光制御プロセスの1例のフローチャートを示す図である。図2に示されるように、前記プロセスは以下のステップを含むことができる。
【0036】
ステップ310:LED照明装置の電源スイッチが入れられる。
【0037】
ステップ311:調光器が前記LED照明装置用の調光制御操作を実行するとき、ブースト変換ユニットにより引き上げられる点P1における電圧はサンプリングされる。
【0038】
ステップ312:デジタル制御ユニットは点P1における電圧をサンプリングし、点P1における電圧波形を確認する。点P1における電圧波形が予め設定された基準以上なら、前記デジタル制御ユニットは、前記電圧波形が前記予め設定された基準よりも小さくなるまで点P1における電圧波形が低下するように、制御信号を降圧変換ユニットに送信し続けて前記電流を変える。
【0039】
ステップ313:入力電流制御ユニットが前記入力電流が予め設定された値よりも小さいことを検知するとき、前記入力電流制御ユニットが内部回路のスイッチを入れ、前記入力電流を前記予め設定された値に自動的に維持する。したがって、低輝度条件下で、前記調光器は連続誘導モードになり、前記調光点滅現象を低減させる。
【0040】
ステップ314:点P1における電圧が低下し、前記LED照明装置の最低誘導電圧に近接するとき、前記デジタル制御ユニットは、前記低電圧条件下でシミュレートされた負荷が提供されるように、補助回路Q3の電界効果トランジスタ用の高電気レベルの駆動信号を提供する。
【0041】
本願に開示される態様は単なる例示にすぎない。本願開示の態様のその他の応用、利点、変更、修飾、又は等価物は、当業者に明らかであり、本願開示の範囲内に包含されることが意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0042】
如何なる請求項及び/又は明細書の範囲の限定なしに、本願開示の態様の産業上の利用可能性及び特定の有利な効果を、実例を挙げて説明する。本願開示の態様の解決手段の様々な変更、修飾、又は等価物は当業者に明らかであり得、本願開示に含むことができる。
【0043】
LED照明装置の電源回路には、AC電源サプライ、調光器、変換器、及び調光制御回路が含まれる。前記調光制御回路には、前記変換器から出力される電圧信号を濾波するように構成される濾波ユニット、及び前記濾波ユニットから出力される信号を受信して当該信号をDC信号に整流するように構成される整流ユニットが含まれる。前記調光制御回路には、また、前記受信されるDC電圧を必要とされるDC電圧に引き上げるように構成されるブースト変換ユニット、及び前記ブースト変換ユニットにより引き上げられるDC電圧を制御するように構成される電圧フィードバック制御回路ユニットが含まれる。さらに、前記調光制御回路には、前記引き上げられたDC電圧を前記LED照明装置により必要とされる電圧及び電流に変換するように構成される降圧変換ユニット、及び前記降圧変換ユニットにより必要とされる電流強度に自動的に調整するように構成されるデジタル制御ユニットが含まれる。
【0044】
現存する技術と比較して、前記LED照明装置の調光プロセスはスムーズで点滅がない。前記入力電源(すなわち、前記変換器の出力電源)及び前記出力電源(すなわち、前記LED照明装置の電源)がダイナミックに均衡が図られて前記光の点滅現象が発生しないように、前記降圧変換ユニットにより必要とされる電流強度は自動的に調整される。
【符号の説明】
【0045】
12 AC電源サプライ
14 調光器
16 変換器
18 調光制御回路
181 濾波ユニット
182 整流ユニット
183 ブースト変換ユニット
184 電圧フィードバック制御回路ユニット
185 降圧変換ユニット
186 デジタル制御ユニット
187 電圧検知ユニット
188 入力電流制御ユニット
Q3 補助回路
図1
図2
図3
図4