特許第6235727号(P6235727)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235727
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】ベンガラ顔料の製造
(51)【国際特許分類】
   C01G 49/06 20060101AFI20171113BHJP
   C02F 9/02 20060101ALI20171113BHJP
   C02F 9/04 20060101ALI20171113BHJP
   C02F 9/14 20060101ALI20171113BHJP
   C09C 1/24 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   C01G49/06 A
   C02F9/02
   C02F9/04
   C02F9/14
   C09C1/24
【請求項の数】26
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2016-552652(P2016-552652)
(86)(22)【出願日】2013年11月8日
(65)【公表番号】特表2016-539071(P2016-539071A)
(43)【公表日】2016年12月15日
(86)【国際出願番号】CN2013086804
(87)【国際公開番号】WO2015066905
(87)【国際公開日】20150514
【審査請求日】2016年6月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】505422707
【氏名又は名称】ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー
(73)【特許権者】
【識別番号】516133788
【氏名又は名称】ランクセス・スペシャルティ・ケミカルズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルデマー・ツァプリク
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン・キシュケヴィッツ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング・エーラート
(72)【発明者】
【氏名】フアジュン・リー
【審査官】 森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−008990(JP,A)
【文献】 特表2007−534841(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/045608(WO,A1)
【文献】 特表平11−512021(JP,A)
【文献】 特開平03−126625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01G 49/00 − 49/16
C02F 9/02
C02F 9/04
C02F 9/14
C09C 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも
a)鉄と硝酸との反応によって硝酸鉄(II)溶液を製造し、それによって第1窒素酸化物含有流れを生成する工程であって、その後、このようにして製造された前記硝酸鉄(II)溶液からあらゆる未反応の鉄を分離する工程を含んでもよい、工程
b)鉄と硝酸との反応によって水性ヘマタイト核懸濁液を製造し、それによって第2窒素酸化物含有流れを生成する工程であって、その後、このようにして製造された前記水性ヘマタイト核懸濁液からあらゆる未反応の鉄を分離する工程を含んでもよい、工程
c)I.工程b)からの前記水性ヘマタイト核懸濁液を、少なくとも1つの酸素含有ガスの存在下で工程a)からの硝酸鉄(II)溶液および少なくとも1つのアルカリ性沈澱剤と反応させることによって、および/または
II.工程b)からの前記水性ヘマタイト核懸濁液を、工程a)からの硝酸鉄(II)溶液、鉄、および少なくとも1つの酸素含有ガスと反応させることによって、ヘマタイト顔料懸濁液を製造し、
それによって第3窒素酸化物含有流れを生成する工程、
d)前記水性ヘマタイト顔料懸濁液中に存在するヘマタイト顔料を水相から単離する工程、
e)工程b)からの前記第2窒素酸化物含有流れを酸化し、それによって酸化された第2窒素酸化物含有流れを生成する工程、
f)前記第1窒素酸化物含有流れおよび/または前記第3窒素酸化物含有流れおよび/または工程e)からの前記酸化された第2窒素酸化物含有流れを水性洗浄相と接触させ、それによって予備精製ガス流れおよび硝酸に富む洗浄相を生成する工程、
)触媒の存在下または不存在下で、200〜1400℃の温度に加熱することによって工程f)からの前記予備精製ガス流れから一酸化二窒素および/またはナイトラスガスを除去し、それによって精製ガス流れを生成する工程
を含む、ベンガラ顔料の製造方法。
【請求項2】
h)少なくともアンモニウム化合物および/または亜硝酸塩化合物および/または硝酸塩化合物を、工程d)からの前記水相から除去し、それによって精製廃水を精製する工程であって、塩に富む廃水を生成してもよい工程をさらに含む、請求項1に記載のベンガラ顔料の製造方法。
【請求項3】
i)工程f)において形成された硝酸に富む洗浄相を工程a)、b)および/もしくはc)に戻す工程、ならびに/または
j)工程g)からの加熱された精製ガス流れを利用して工程f)からの前記予備精製ガス流れを予熱し、予熱された、予備精製ガス流れおよび冷却された、精製廃ガスを形成する工程
の1つもしくは複数をさらに含む、請求項1または2に記載のベンガラ顔料の製造方法。
【請求項4】
工程a)において硝酸の1モル当たり0.4〜10モルの鉄を、60℃以下の温度で反応して硝酸鉄(II)溶液を与える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のベンガラ顔料の製造方法。
【請求項5】
工程b)において前記硝酸への前記鉄の暴露時の反応温度が、少なくとも90℃である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のベンガラ顔料の製造方法。
【請求項6】
工程b)が、少なくとも
i)60〜120℃の温度を有する鉄と水との混合物を提供する工程、
ii)工程i)からの前記混合物に硝酸を添加する工程を含み、
iii)その後、このようにして製造された水性ヘマタイト核懸濁液からあらゆる未反応の鉄を分離する工程を含んでもよく
ここで、前記水性ヘマタイト核懸濁液中に存在するヘマタイト核が、100nm以下の粒径およびDIN 66131に従って測定される、40m/g〜150m/gの比BET表面積を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のベンガラ顔料の製造方法。
【請求項7】
工程ii)において工程i)からの前記混合物への希硝酸の添加が、硝酸の前記添加の終了後120分未満内に少なくとも15℃だけ反応混合物が温まるような添加の速度で行われる、請求項6に記載のベンガラ顔料の製造方法。
【請求項8】
工程c)の変形Iにおいて、前記反応中の温度が70〜100℃であり、工程a)からの前記硝酸鉄(II)溶液および少なくとも1つのアルカリ性沈澱剤が計量供給され、反応混合物が、前記ベンガラ顔料が所望の色合いを達成するまで、少なくとも1つの酸素含有ガスで酸化される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のベンガラ顔料の製造方法。
【請求項9】
工程c)の変形IIにおいて、前記ヘマタイト顔料懸濁液が、70〜100℃の温度での前記ヘマタイト核懸濁液と鉄および硝酸鉄(II)溶液との反応によって、そして前記ベンガラ顔料が所望の色合いを達成するまで、1時間当たりおよび懸濁液の1リットル当たり、0.2〜100リットルの少なくとも1つの酸素含有ガスでの酸化によって製造される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のベンガラ顔料の製造方法。
【請求項10】
工程d)において前記懸濁液中に存在する前記ベンガラ顔料の単離が、濾過および/または沈降および/または遠心分離によって成し遂げられ、フィルターケーキの洗浄および前記フィルターケーキのその後の乾燥を含んでもよく、ならびに/または、1つもしくは複数のスクリーニング工程が、前記ベンガラ顔料が前記水相から単離される前に実施されてもよい、請求項1〜9のいずれか一項に記載のベンガラ顔料の製造方法。
【請求項11】
工程d)において少なくとも1つの硫酸塩が、スクリーニング中にもしくはスクリーニング後におよび/または単離中にもしくは単離前に前記ヘマタイト顔料懸濁液に添加される、請求項1〜10のいずれか一項に記載のベンガラ顔料の製造方法。
【請求項12】
工程e)において工程b)からの前記第2窒素酸化物含有流れが酸化のために、1つもしくは複数の触媒および/または高エネルギー放射線の存在下または非存在下で、少なくとも1つの酸化剤と接触させられる、請求項1〜11のいずれか一項に記載のベンガラ顔料の製造方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの酸化剤が、空気、酸素、オゾンおよび/または過酸化水素である、請求項12に記載のベンガラ顔料の製造方法。
【請求項14】
前記高エネルギー放射線がUV放射線である、請求項12に記載のベンガラ顔料の製造方法。
【請求項15】
工程b)からの前記第2窒素酸化物含有流れが、1〜2000g/mのナイトラスガス(g/m NOとして計算される)および/または0.5〜2000g/mの一酸化二窒素を含有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載のベンガラ顔料の製造方法。
【請求項16】
工程f)後に得られた前記酸化された第2窒素酸化物含有流れが、工程f)前に存在する一酸化窒素の元のフラクションの50%以下を含有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載のベンガラ顔料の製造方法。
【請求項17】
工程g)において工程f)からの予備精製ガス流れが、担体に適用され得る、1つもしくは複数の触媒の存在下で、アンモニアと、または分解してアンモニアを与える化合物と接触させられる、請求項1〜16のいずれか一項に記載のベンガラ顔料の製造方法。
【請求項18】
工程g)において前記精製廃ガスが、0.001〜0.3g/mのナイトラスガス(NOとして計算される)、および/または0.001〜0.3g/mの一酸化二窒素の濃度を有する、請求項1〜17のいずれか一項に記載のベンガラ顔料の製造方法。
【請求項19】
工程h)において、鉄含有化合物および/または硫黄含有化合物と伴に又は伴わずに、アンモニウム化合物、硝酸塩化合物、または亜硝酸塩化合物が、酸化的沈澱および/または脱窒および/または凝固および/または凝集および/または沈降および/または濾過および/または限外濾過および/または逆浸透によって工程d)からの前記水相から除去される、請求項2〜18のいずれか一項に記載のベンガラ顔料の製造方法。
【請求項20】
工程g)において、本発明の方法の工程f)に従って得られた前記予備精製ガス流れの温度が250〜500℃に上げられ、その後800〜1400℃に上げられる、請求項1〜19のいずれか一項に記載のベンガラ顔料の製造方法。
【請求項21】
工程c)および/または工程d)が、硫酸塩を使用して実施され、そして工程h)において得られた前記塩に富む廃水が工程c)および/または工程d)へリサイクルされる、請求項1〜20のいずれか一項に記載のベンガラ顔料の製造方法。
【請求項22】
少なくとも
・ 少なくとも1つの反応装置(1)と、
・ 少なくとも1つの反応装置(2)と、
・ 少なくとも1つの反応装置(3)と、
・ 少なくとも1つのスクラバー(4)(ここで、
(a)前記少なくとも1つの反応装置(1)が、少なくとも1つのライン(L−3a)を介して前記少なくとも1つのスクラバー(4)または(6)と連通しており、
(b)前記少なくとも1つの反応装置(3)が、少なくとも1つのライン(L−3b)を介して前記少なくとも1つのスクラバー(4)または(6)と連通しており、
(c)前記少なくとも1つの反応装置(2)が、少なくとも1つのライン(L−4)を介して少なくとも1つの酸化ユニット(5)と連通しており、前記少なくとも1つの酸化ユニット(5)が少なくとも1つのライン(L−5)を介して前記少なくとも1つのスクラバー(4)または(6)と連通している)と、
・ 少なくとも1つの廃ガス精製ユニット(9)、および少なくとも1つのヒーター(8)であって、前記少なくとも1つの廃ガス精製ユニット(9)が少なくとも1つのライン(L−8)を介して少なくとも1つのヒーター(8)と連通しており、前記少なくとも1つのヒーター(8)が少なくとも1つのライン(L−7)を介して前記少なくとも1つのスクラバー(4)または(6)と連通している廃ガス精製ユニット(9)、およびヒーター(8)と
を含む、ベンガラ顔料の製造装置。
【請求項23】
少なくとも1つのライン(L−10)を介して少なくとも1つの反応装置(3)または少なくとも1つの単離手段(34)と連通している、少なくとも1つの廃水精製ユニット(10)をさらに含む、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
少なくとも1つのライン(L−6a)を介して前記少なくとも1つのスクラバー(4)、少なくとも1つのライン(L−6b)を介して前記少なくとも1つのスクラバー(6)、少なくとも1つのライン(L−7)を介して前記少なくとも1つのヒーター(8)、および少なくとも1つのライン(L−9)を介して前記少なくとも1つの廃ガス精製ユニット(9)と連通している、少なくとも1つの熱交換器(7)をさらに含む、請求項22または23に記載の装置。
【請求項25】
少なくとも1つのライン(L−10)を介して少なくとも1つの廃水精製ユニット(10)と、そして少なくとも1つのライン(L−32)を介して少なくとも1つの反応装置(3)と連通している少なくとも1つの単離手段(34)をさらに含む、請求項22〜24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
ベンガラ顔料を製造するための請求項22〜25のいずれか一項に記載の装置の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硝酸塩を使ったPenniman法(硝酸塩法または直接レッド法とも呼ばれる)によるベンガラ顔料の改善された製造方法におよびこの方法を実施するための装置に、およびまた硝酸塩を使ったPenniman法によるベンガラ顔料を製造するためのプラントの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化鉄は、工業の多くの分野で用いられている。それらは、例えば、セラミックス、建材、プラスチック、インク、ペイントおよび紙において着色顔料として使用されており、様々な触媒または支持材用の基礎原料として役立ち、そして汚染物質を吸着するまたは吸収することができる。磁性酸化鉄は、磁気記憶媒体、トナーもしくは強磁性流体において、または例えば、磁気共鳴断層撮影用の造影剤としてなどの医療用途において用途を見いだしている。
【0003】
酸化鉄は、鉄塩の水性沈澱および加水分解反応によって得ることができる(非特許文献1)。沈澱法による酸化鉄顔料は、空気の存在下での鉄塩溶液およびアルカリ性化合物から製造される。反応を目標に合わせて制御することによって、細分されたゲータイト、マグネタイトおよびマグへマイト粒子を製造することがこのようにしてまた可能である。しかしながら、この方法によって製造された赤色顔料は、比較的低い彩度を示し、それ故建材工業において主に用いられる。
【0004】
α−Fe変態に対応する、細分されたヘマタイトの水性製造は、しかしながら、はるかにより複雑である。熟成工程を用いる結果として、核原料として、マグへマイト変態、γ−Fe、またはレピドクロサイト変態、γ−FeOOHの細分された酸化鉄を添加して直接水性沈澱によってヘマタイトを製造することがまた可能である[(特許文献1);(特許文献2);(特許文献3)]。
【0005】
ベンガラ顔料のさらなる製造方法は、Penniman法である((特許文献4);(特許文献5);(特許文献6);(特許文献7);(特許文献8))。その方法では、酸化鉄顔料は、鉄塩および酸化鉄核を添加して金属鉄を溶解させ、酸化させることによって製造される。希硝酸が鉄に高温で作用する方法がその結果、(非特許文献2)に開示された。これは、ヘマタイト核懸濁液を生成する。その懸濁液は、赤色顔料の懸濁液を形成するために従来法で作り上げられ、顔料は、必要ならば、それ自体お決まりである方法で、この懸濁液から単離される。しかしながら、この方法によって製造された赤色顔料の彩度は、市販の130−グレード製品の彩度と同様に、比較的低く、これらの顔料はそれ故建材工業において主に使用される。(特許文献7)は、核、すなわち、100nm以下の粒径を有する細分された酸化鉄を生成する目的のための高温での希硝酸への鉄の暴露を包含する、Penniman法の変形を開示している。鉄と硝酸との反応は、複雑な反応であり、実験条件次第で、鉄の不動態化を、それ故に反応停止をもたらすか、溶解した硝酸鉄の形成を伴って鉄の溶解をもたらすかのどちらかであり得る。両反応経路とも望ましいものではなく、細分されたヘマタイトの製造は、ある種の条件下でのみ成し遂げられる。(特許文献7)は、細分されたヘマタイトの製造のためのそのような条件を記載している。鉄はそこでは、90〜99℃の温度で希硝酸と反応させられる。(特許文献9)は、核の、すなわち、100nm以下の粒径を有する細分されたヘマタイトの生成の反応工程が改善されているベンガラ顔料の製造方法を記載している。
【0006】
明度の大きな変動がある高グレードベンガラの直接製造を可能にする、これらの本質的に効率的な方法は、それにもかかわらず次の欠点に悩まされる:
1.窒素が+1〜+5の異なる酸化数を有し得る、式NOの窒素酸化物の排出。窒素酸化物は、有毒であり得るし(例は、ナイトラスガスNO.NOおよびNであり、一般に「NO」としても特定される);それらは、スモッグを発生させ、UV照射下に大気オゾン層を破壊し、そして温室効果ガスである。一酸化二窒素は特に、おおよそ300倍二酸化炭素よりも強い温室効果ガスである。一酸化二窒素は、さらに、最強のオゾンキラーであると現在では考えられている。硝酸を使ったPenniman法の場合には、ナイトラスガスNOおよびNO、ならびにその上一酸化二窒素がかなりの量で形成される。
2.硝酸を使ったPenniman法は、かなりの量の硝酸塩、亜硝酸塩およびアンモニウム化合物を含有する、窒素含有廃水を生じさせる。
3.硝酸を使ったPenniman法は、それが大量の水溶液を外部エネルギー供給によって60℃〜120℃の温度に加熱しなければならないことを伴うので、非常にエネルギー集約的である。さらに、酸化剤としての酸素含有ガスの反応混合物への導入の結果として、エネルギーが、反応混合物から除去され(スチームストリッピング)、熱の形態で再び供給されなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,421,878号明細書
【特許文献2】欧州特許第0645437号明細書
【特許文献3】国際公開第2009/100767号パンフレット
【特許文献4】米国特許第1,327,061号明細書
【特許文献5】米国特許第1,368,748号明細書
【特許文献6】米国特許第2,937,927号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第1106577A号明細書
【特許文献8】米国特許第6,503,315号明細書
【特許文献9】国際公開第2013/045608号パンフレット
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,VCH Weinheim 2006,Chapter 3.1.1.Iron Oxide Pigments,pp.61−67
【非特許文献2】SHEN,Qing;SUN,Fengzhi;Wujiyan Gongye 1997,(6),5−6(CH),Wujiyan Gongye Bianjib,(CA 128:218378n)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本目的はそれ故、一方ではベンガラ顔料が高収率で広い色のスペクトルで製造され、他方では環境に放出される窒素含有副生成物のフラクションが最小限にされる状態で、上述の欠点を回避する効率的な、かつ、環境にやさしいベンガラ顔料の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成し、そしてまたその上この方法を工業的規模で実施することができる装置を提供するベンガラ顔料の製造方法が今見いだされた。
【0011】
本発明の方法は、少なくとも
a)鉄と硝酸との反応によって硝酸鉄(II)溶液を製造し、それによって第1窒素酸化物含有流れを生成し、任意選択的にその後、このようにして製造された硝酸鉄(II)溶液からいかなる未反応の鉄をも分離する工程、
b)鉄と硝酸との反応によって水性ヘマタイト核懸濁液を製造し、それによって第2窒素酸化物含有流れを生成し、任意選択的にその後、このようにして製造されたヘマタイト核懸濁液からいかなる未反応の鉄をも分離する工程、
c)I.工程b)からの水性ヘマタイト核懸濁液を、少なくとも1つの酸素含有ガスの存在下で工程a)からの硝酸鉄(II)溶液および少なくとも1つのアルカリ性沈澱剤と反応させることによって、および/または
II.工程b)からの水性ヘマタイト核懸濁液を、工程a)からの硝酸鉄(II)溶液、鉄、および少なくとも1つの酸素含有ガスと反応させることによって水性ヘマタイト顔料懸濁液を製造し、
それによって第3窒素酸化物含有流れを生成する工程、
d)水性ヘマタイト顔料懸濁液中に存在するヘマタイト顔料を水相から単離する工程、
e)工程b)からの第2窒素酸化物含有流れを酸化し、酸化された第2窒素酸化物含有流れを生成する工程、
f)第1窒素酸化物含有流れおよび/または第3窒素酸化物含有流れおよび/または工程e)からの酸化された第2窒素酸化物含有流れを水性洗浄相と接触させ、それによって予備精製ガス流れおよび硝酸に富む洗浄相を生成する工程、
g)任意選択的に少なくとも1つの触媒の存在下で、200〜1400℃の、好ましくは少なくとも1つの触媒の存在下で250〜500℃および/または触媒の不在下で800〜1400℃の温度に加熱することによって工程f)からの予備精製ガス流れから一酸化二窒素および/またはナイトラスガスを除去し、それによって精製ガス流れを生成する工程
を含む。
【0012】
好ましい一実施形態では本発明の方法は、工程a)〜g)に付け加えて
h)少なくともアンモニウム化合物および/または亜硝酸塩化合物および/または硝酸塩化合物、非常にとりわけ少なくともアンモニウム化合物、硝酸塩化合物および亜硝酸塩化合物を、当業者にそれ自体公知の方法を用いて、工程d)からの水相から除去し、精製廃水および任意選択的に塩に富む廃水を生成する工程を含む。
【0013】
さらなる好ましい実施形態では、本発明の方法は、工程a)〜g)またはa)〜h)に付け加えて
i)工程f)において形成された硝酸に富む洗浄相を工程a)、および/もしくはb)および/もしくはc)に戻す工程、ならびに/または
j)工程g)からの加熱された精製ガス流れを利用して工程f)からの予備精製ガス流れを予熱し、予熱された、予備精製ガス流れおよび冷却された、精製廃ガスを形成する工程
の1つもしくは複数の工程を含む。
【0014】
この時点で、本発明の範囲は、一般的であろうと好ましい範囲に規定されるものであろうと、上に示されるおよび下に述べられるそれらの成分、値の範囲および/またはプロセスパラメータのすべての所望のそして可能な組み合わせを包含することが指摘されてもよい。
【0015】
使用される鉄は一般に、ワイヤ、シート、釘状のもの、小塊または粗いやすり屑の形態の鉄を含む。その場合に個々の一片は、任意の所望の形状のものであり、約0.1ミリメートル〜約10ミリメートル以下の厚さ(例えば、ワイヤの直径またはシートの厚さとして測定される)を慣例上有する。本方法に使用されるワイヤ束のまたはシートのサイズは典型的には、実用性の見地で決定される。それ故に、一般にマンホールを通って、困難なしに、この出発原料を反応装置に装入することが可能でなければならない。そのような鉄は、何よりも、スクラップとして、または金属加工工業における副生成物として発生し、例は穿孔金属シートである。
【0016】
本発明の方法に使用される鉄は一般に、90%超の鉄含有量を有する。この鉄中に存在する不純物は慣例上、例えば、マンガン、クロム、ケイ素、ニッケル、銅、および他の元素などの外来金属である。しかしながら、高純度の鉄もまた、不都合なしに使用することができる。
【0017】
本発明の方法の工程a)およびb)に使用される硝酸は好ましくは、10〜67重量%HNOの、好ましくは20〜67重量%HNOの濃度を有する。工程b)および/またはc)において、硝酸に加えて、例えば、塩酸または硫酸などの、別の酸が使用されることもまた可能である。好ましくは、硝酸は別としてさらなる酸はこれらのプロセス工程にまったく使用されない。これは、本発明の方法によって得られる水性ヘマタイト核懸濁液、およびヘマタイトが、非常に低い硫黄含有量および塩素含有量を有するという利点を有する。これは、ある種の反応に対して硫黄および塩素は公知の触媒毒を構成するので、触媒での使用にとって利点である。
【0018】
硝酸鉄(II)溶液は典型的には、50〜300g/lのFe(NOの濃度を有する(無水固体を基準とする数字)。Fe(NOに加えて、硝酸鉄(II)溶液はまた、0〜50g/lの量のFe(NOを含んでもよい。しかしながら、非常に低い量のFe(NOが有利である。
【0019】
窒素酸化物は、本発明の目的のためには一般式NOの窒素−酸素化合物である。この群には、一般式NOのナイトラスガス(NOとも呼ばれる)が含まれ、ここで、窒素は+1〜+5の異なる酸化数を有することができる。それらの例は、NO(一酸化窒素、m=1、酸化数+2)、NO(二酸化窒素、m=2、酸化数+4)、およびN(m=2.5、酸化数+5)である。NOは、その二量体Nと温度−および圧力依存性平衡にある(両方とも酸化数+IV)。以下、NOは、NOそれ自体におよびその二量体Nに言及するものとする。NO(一酸化二窒素、笑気ガス、m=0.5、酸化数+1)もまた一般式NOの窒素酸化物の群に属するが、ナイトライトガスの中にあると見なされない。
【0020】
本発明の方法の工程a)からの第1窒素酸化物含有流れ、または工程c)からの第3窒素酸化物含有流れは典型的には、1〜200g/mのナイトラスガス(g/m NOとして計算される)および/または0.5〜50g/mのNOを含有する。これらの流れ中のナイトラスガスおよび一酸化二窒素の量は、広い範囲内で変動し得る。本発明の方法の工程a)は一般に、少量のナイトラスガスおよび一酸化二窒素を生成し、それらは慣例上、これらの反応装置が慣例上閉鎖式であるので、反応装置中の反応混合物の上方に蓄積する。吸引または吹込みによる反応装置中への、外来空気とも呼ばれる、空気または、窒素などの、不活性ガスの導入は、第1窒素酸化物含有流れを生成する。
【0021】
本発明の方法の工程b)において、一般に、反応レジームによれば、工程a)の場合よりも著しく高い量のナイトラスガスおよび一酸化二窒素が生成し、これらの量は、これらの反応装置が閉鎖式である場合には反応装置中の反応混合物の上方に同様に蓄積するか、または、例えば、許容圧力を超えるときに、反応装置が開放式である場合には反応装置に連結されたライン中へ押し出される。吸引または吹込みによる反応装置中への、外来空気とも呼ばれる、空気または不活性ガス、例えば窒素の導入によって、定義されたレベルのナイトラスガスおよび一酸化二窒素の流れが次に発生し得る。これらの流れ中のナイトラスガスおよび一酸化二窒素の量はそのとき、反応中に形成されるこれらのガスの量に、および装置へ供給される外来空気の量に、および外来空気供給の継続時間に依存し、その結果としてさらなるプロセス工程に有利な所望のレベルに調節され得る。反応装置からの脱出後に第1および第2窒素酸化物含有流れを組み合わせること、または工程b)用の反応装置への外来空気の代用として第1窒素酸化物含有ガス流れを導入することが有利であり得る。得られた組み合わせ第1および第2窒素酸化物含有流れは典型的には、1〜50g/mのナイトラスガス(g/m NOとして計算される)および/または1〜50g/mの一酸化二窒素を含有する。
【0022】
本発明の方法の工程b)からの第2窒素酸化物含有流れは典型的には、1〜2000g/mのナイトラスガス(g/m NOとして計算される)、および0.5〜2000g/mの一酸化二窒素の濃度を有する。反応中の反応装置への少なくとも1つの酸素含有ガスの導入の結果として、第2窒素酸化物含有流れが発生する。ナイトラスガスおよび一酸化二窒素の量はその結果としてまた、少なくとも1つの酸素含有ガスの流量によって調節され得る。
【0023】
工程e)後に得られた酸化された第2窒素酸化物含有流れは典型的には、一酸化窒素の元のフラクション、すなわち、工程f)の前に存在するフラクションの50%以下、好ましくは30%未満、より好ましくは15%未満を含有する。
【0024】
工程b)において製造された水性ヘマタイト核懸濁液は典型的には、50〜300g/lのヘマタイト、好ましくは80〜150g/lのヘマタイトの濃度を有する。工程b)に従って製造された、そして水性ヘマタイト核懸濁液中に存在するヘマタイト核は、例えば、100nm以下の粒径および/または40m/g〜150m/gの比BET表面積を有する。このヘマタイト(α−Fe)はまた、他の相、例えば、ゲータイト(α−FeOOH)および/またはフェリハイドライト(5Fe・9HO)のフラクションを含有してもよい。
【0025】
変形Iにおける工程c)からの少なくとも1つのアルカリ性沈澱剤は、例えば、NaOH、KOH、NaCO、KCO、NHもしくはNHOH、または他のアルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物および炭酸塩、またはそれらの任意の所望の混合物である。アルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属炭酸塩を使用することが好ましく、NaOHを使用することが特に好ましい。
【0026】
変形IまたはIIにおける工程c)からの少なくとも1つの酸素含有ガスは、例えば、空気、酸素、NO、NO、O、または述べられたガスの混合物である。空気が好ましい。
【0027】
工程d)に従った水相からの水性ヘマタイト顔料懸濁液中に存在するヘマタイト顔料の単離は、好ましくは沈降、濾過または遠心分離によって成し遂げられる。除去される水相は、とりわけ、硝酸塩化合物、亜硝酸塩化合物およびアンモニウム化合物を含み、こうして典型的には、0.2〜10g/lの窒素、好ましくは0.2〜5g/lの窒素(各場合に元素状窒素に関して計算される)の総窒素含有量を有する。
【0028】
あるいは本発明に関連してベマタイド顔料とも言われる、本発明の方法によって得られるベンガラ顔料は、好ましくは80〜100重量%のα−Feを含有し、α−Feの結晶格子は、0〜10重量%の結晶水を含有する。本発明の方法によって得られるヘマタイトは、広い色のスペクトルを有する。ヘマタイトの色は、粒径、粒度分布、結晶水の量および/または外来原子の組み込みによって左右される。明度は、当業者に公知の方法によって測定される。
【0029】
水性洗浄相は典型的には、水または希硝酸、好ましくは希硝酸、より好ましくは循環搬送される硝酸である。
【0030】
硝酸に富む洗浄相は典型的には、1〜67重量%、好ましくは5〜67重量%のHNO含有量を有する。
【0031】
触媒は好ましくはあるいは、ナイトラスガスの分解用のおよび/または一酸化二窒素の分解用の触媒である。触媒の例は、活性炭、シリカゲル、モレキュラーシーブ、バナジウム−亜鉛触媒またはクロム−亜鉛触媒である。
【0032】
プレ浄化ガス流れは典型的には、20〜90℃の、好ましくは30〜80℃の温度を有し、ナイトラスガス(NOとして計算される)の元のフラクション、すなわち、工程f)の前に存在するフラクションの好ましくは50%以下、より好ましくは30%未満、非常に好ましくは15%未満を含む。
【0033】
予熱されたプレ浄化ガス流れは典型的には、250〜500℃の、より好ましくは300〜450℃の温度、および0.5〜20g/mのナイトラスガス(g/m NOとして計算される)、好ましくは0.5〜20g/mのナイトラスガス(g/m NOとして計算される)、および/または1〜40g/mのNOを有する。
【0034】
精製廃ガスは典型的には、150〜1500℃の、好ましくは150〜500℃の温度を有する。精製廃ガスは典型的には、0.001〜0.3g/mのナイトラスガス(g/mのNOとして計算される)、好ましくは0.005〜0.3g/mのナイトラスガス(NOとして計算される)、および/または0.001〜0.3g/mのNO、好ましくは0.005〜0.3g/mのNOを有する。
【0035】
冷却された精製廃ガスは典型的には、80℃〜450℃の、好ましくは150〜350℃の温度を有する。冷却された精製廃ガスは典型的には、0.001〜0.3g/mのナイトラスガス(g/mのNOとして計算される)、好ましくは0.005〜0.3g/mのナイトラスガス(NOとして計算される)、および/または0.001〜0.3g/mのNO、好ましくは0.005〜0.3g/mのNOを有する。
【0036】
精製廃水は、少ない残存量の溶解窒素化合物を含有するにすぎない。精製廃水は典型的には、0.2g/l以下の窒素、好ましくは0.1g/l以下の窒素、より好ましくは0.02g/l以下の窒素の総窒素含有量(各場合に元素状窒素に関して計算される)を有する。
【0037】
塩に富む廃水は典型的には、先行精製工程において除去された塩を含む。塩に富む廃水は好ましくは硫酸塩を含む。
【0038】
工程a)および/またはb)は、鉄と硝酸との反応のための当業者に公知の任意の方法によって行われてもよい。
【0039】
工程a)において、例えば、硝酸の1モル当たり0.4〜10モルの鉄が、硝酸鉄(II)溶液を与えるために、60℃以下、好ましくは10〜60℃の温度で反応させられる。過剰の鉄が使用される場合には、硝酸鉄(II)溶液は、未反応の鉄から容易に分離され得る。次のバッチにおいて、任意選択的に、さらなる鉄および/またはさらなる硝酸が添加される。
【0040】
本発明の方法の工程b)およびc)は、当業者に公知の任意の方法によって行われてもよい。工程b)およびc)は好ましくは、欧州特許出願公開第1106577A号明細書または国際公開第2013/045608号パンフレットの手順に従って実施される。
【0041】
これは、例えば、硝酸への鉄の暴露時の反応温度が少なくとも90℃、好ましくは90〜99℃である状態で、本発明の方法の工程b)を用いてヘマタイト核懸濁液を生み出すことによって成し遂げられる。
【0042】
工程b)の別の好ましい実施形態では、水性ヘマタイト核懸濁液は、硝酸が2〜6重量%HNOの濃度を有し、そして1.5〜16の鉄対硝酸(HNO)のモル反応比で使用される状態で、生み出される。工程b)のさらなる好ましい実施形態では、水性ヘマタイト核懸濁液は、硝酸が2〜15重量%HNOの濃度を有する状態で、生み出される。工程b)のさらなる好ましい実施形態では、鉄対硝酸(HNO)は、1.0〜16のモル反応比で使用される。
【0043】
工程b)のさらなる好ましい実施形態では、水性ヘマタイト核懸濁液は、水性ヘマタイト核懸濁液中に存在するヘマタイト核が100nm以下の粒径およびDIN 66131に従って測定される、40m/g〜150m/gの比BET表面積を有する状態で、製造され、その製造は、少なくとも
i)60〜120℃の温度を有する鉄と水との混合物を提供する工程、
ii)工程i)からの混合物に硝酸を添加する工程、および
iii)任意選択的にその後、このようにして製造された水性ヘマタイト核懸濁液からいかなる未反応の鉄をも分離する工程
を含む。
【0044】
さらなる好ましい実施形態では、工程ii)において、硝酸は、反応混合物が好ましくは、熱の外部供給なしでさえも、硝酸の添加の終了後の120分未満内に少なくとも15℃だけ温まるような速度で工程i)からの混合物に添加される。同様に好ましくは、工程ii)における反応混合物は、105〜160℃の最高温度に達する。同様に好ましくは、工程i)およびii)は、圧力容器で行われる。同様に好ましくは、工程ii)における硝酸の添加の終了後、工程iii)が実施される前に100℃未満への反応温度の低下が待たれる。
【0045】
工程c)の変形Iの好ましい一実施形態では、反応中の温度は、70〜100℃、好ましくは75〜90℃である。工程a)からの硝酸鉄(II)溶液および少なくとも1つのアルカリ性沈澱剤が計量供給され、反応混合物は、ベンガラ顔料が所望の色合いを達成するまで、少なくとも1つの酸素含有ガスで、好ましくは、1時間当たりおよび懸濁液の1リットル当たり、0.2〜100リットルの少なくとも1つの酸素含有ガス、好ましくは空気で酸化される。
【0046】
工程c)の変形IIの好ましい一実施形態では、ヘマタイト顔料懸濁液は、70〜100℃、好ましくは75〜90℃の温度でのヘマタイト核懸濁液と鉄および硝酸鉄(II)溶液との反応によって、およびベンガラ顔料が所望の色合いを達成するまで、1時間当たりおよび懸濁液の1リットル当たり、0.2〜100リットルの少なくとも1つの酸素含有ガス、好ましくは空気での酸化によって製造される。
【0047】
工程c)の変形IIのさらなる好ましい実施形態では、工程b)からの水性ヘマタイト核懸濁液は、ベンガラ顔料を与えるために、工程a)からの硝酸鉄(II)溶液、および鉄、少なくとも1つの酸素含有ガスならびに、例えば硫酸鉄(II)および/またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属硫酸塩、好ましくは硫酸鉄(II)および/または硫酸ナトリウムのような、少なくとも1つの硫酸塩と反応させられる。反応の温度は、70〜100℃、好ましくは75〜90℃である。少なくとも1つの酸素含有ガスとして、好ましくは、空気が使用され、その量は好ましくは、ベンガラ顔料が所望の色合いに達するまで1時間当たりおよび懸濁液の1リットル当たり0.2〜50リットルの空気である。
【0048】
工程c)のさらなる好ましい実施形態では、工程b)からの水性ヘマタイト核懸濁液は、ベンガラ顔料を与えるために、工程a)からの硝酸鉄(II)溶液と、少なくとも、1つのアルカリ性沈澱剤、鉄、少なくとも1つの酸素含有ガスならびに任意選択的に、例えば硫酸鉄(II)および/またはアルカリ金属硫酸塩もしくはアルカリ土類金属硫酸塩、好ましくは硫酸鉄(II)および/または硫酸ナトリウムのような、少なくとも1つの硫酸塩と反応させられる。反応の温度は、70〜100℃、好ましくは75〜90℃である。少なくとも1つのアルカリ性沈澱剤はより好ましくは、酸素含有ガスの供給が続行されながら、例えば10g/l以下の鉄(II)イオンの残存濃度で、非常に好ましくは5g/l以下の鉄(II)イオンの残存濃度でのように、反応の終わりに、反応混合物に添加される。使用される酸素含有ガスは、その量が好ましくは、ベンガラ顔料が所望の色合いに達するまで1時間当たりおよび懸濁液の1リットル当たり0.2〜50リットルの空気であるという状態で、好ましくは空気を含む。
【0049】
少なくとも1つの酸素含有ガスの供給は、すべての好ましい実施形態で、工程b)からのヘマタイト核懸濁液、工程a)からの硝酸鉄(II)溶液、および鉄からなる反応混合物の加熱段階中にか、加熱段階の終了後にかのどちらかで、開始されてもよい。
【0050】
少なくとも1つの硫酸塩、例えば硫酸鉄(II)および/またはアルカリ金属硫酸塩もしくはアルカリ土類金属硫酸塩、好ましくは硫酸鉄(II)および/または硫酸ナトリウムが、溶液、懸濁液または固体の形態ですべての好ましい実施形態で使用されてもよい。固体はこの場合には、無水化合物のまたは結晶水を含有する異なる変態の形態にある。硫酸鉄(II)は好ましくは、水溶液の形態でまたは固体硫酸鉄(II)七水和物もしくはその懸濁液の形態で使用される。
【0051】
工程c)の別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの硫酸塩、例えば硫酸鉄(II)および/またはアルカリ金属硫酸塩もしくはアルカリ土類金属硫酸塩、好ましくは硫酸鉄(II)および/または硫酸ナトリウムは、酸素含有ガスの供給の開始前におよび/または開始後に反応混合物に添加される。これは、使用されなければならない硝酸鉄(II)溶液がより少ないという、そしてヘマタイト顔料懸濁液からの、反応中に形成された、ヘマタイト顔料の沈降が加速されるという利点を有する。これは、本発明の方法の工程d)におけるヘマタイト顔料のその後の単離を容易にする。
【0052】
本発明の方法の工程d)において、懸濁液中に存在するベンガラ顔料の単離は、好ましくは濾過および/または沈降および/または遠心分離によって、成し遂げられる。同様に好ましくは、フィルターケーキは洗浄され、その後フィルターケーキは乾燥させられる。同様に好ましくは、水相からのベンガラ顔料の単離の前に、1つもしくは複数のスクリーニング工程が、より好ましくは異なる網目サイズを使っておよび(数が)小さくなる網目サイズを使って、実施される。これは、この手段によって、さもなければヘマタイト顔料を汚染するであろう、外来物質、例えば金属片が、ヘマタイト顔料懸濁液から除去されるという利点を有する。
【0053】
水相からのヘマタイト顔料の単離のために、当業者に公知の方法のすべて、例えば、水相のその後の除去ありの沈降、または例えば膜フィルタープレスを用いるような、フィルタープレスを用いる濾過を実施することが可能である。
【0054】
工程d)の好ましい一実施形態では、少なくとも1つの硫酸塩、例えば硫酸鉄(II)および/またはアルカリ金属硫酸塩もしくはアルカリ土類金属硫酸塩、好ましくは硫酸鉄(II)および/または硫酸ナトリウムが、スクリーニング中にもしくはスクリーニング後におよび/または単離中にもしくは単離前にヘマタイト顔料に添加されてもよい。これは、ヘマタイト顔料懸濁液からのヘマタイト顔料の沈降が加速されるという利点を有する。これは、本発明の方法の工程d)におけるベンガラ顔料のその後の単離を容易にする。
【0055】
その後、任意選択的に、このようにして単離されたフィルターケーキまたは沈降物の少なくとも1つの洗浄がある。単離および/または洗浄後に、任意選択的に、このようにして単離されたベンガラ顔料は、例えばフィルター乾燥機、ベルト乾燥機、捏和乾燥機、スピンフラッシュ乾燥機、乾燥キャビネットまたは噴霧乾燥機で乾燥させられる。乾燥は好ましくは、ベルト乾燥機、プレート乾燥機、捏和乾燥機および/または噴霧乾燥機を用いて行われる。
【0056】
工程e)における、工程b)からの第2窒素酸化物含有流れの酸化は、例えば、第2窒素酸化物含有流れを、任意選択的に1つもしくは複数の触媒のおよび/または高エネルギー放射線、例えばUV放射線の存在下で、少なくとも1つの酸化剤と接触させることによって成し遂げられる。酸化剤は典型的には、空気、酸素、オゾンまたは過酸化水素、好ましくは空気である。
【0057】
酸化は、例えば20〜300℃の温度で行われる。
【0058】
酸化は、例えば0.08MPa〜2MPa(0.8〜20バール)の圧力で行われる。好ましくは酸化は、0.08MPa〜1MPa(0.8〜10バール)の圧力で行われる。典型的には酸化は、より高い圧力で加速される。第2窒素酸化物含有流れの酸化中の反応の1つは、NOへのNOの酸化である。
【0059】
工程f)において、第1窒素酸化物含有流れ−および、工程c)が変形IIに従って実施された場合に、その上第3窒素酸化物含有流れ−およびまた工程e)からの酸化された第2窒素酸化物含有流れは、プレ浄化ガス流れおよび硝酸に富む洗浄相を生成するために、水性洗浄相と接触させられる。この操作において、特に、NOは、工程a)およびc)の窒素酸化物含有流れから、または工程e)からの酸化された窒素酸化物含有流れから除去される。
【0060】
NOと水性洗浄相との反応によって、硝酸が形成され、だから水性洗浄相のHNO濃度は、所望の最終濃度に達するまで、NO含有流れのスクラビング中に連続的に上昇する。最終HNO濃度は好ましくは、10〜67重量%、より好ましくは20〜67重量%である。所望の最終HNO濃度に達したとき、形成された硝酸は、スクラブサーキットから取り出され、水にまたは所望の最終HNO濃度よりも下の硝酸に置き換えられる。
【0061】
本発明の方法の工程f)に従って得られたプレ浄化ガス流れは、工程f)の前に存在するNOの元のフラクションの例えば50%以下、好ましくは30%未満、より好ましくは15%未満を含有する。工程f)に使用される流れ中に存在するNOは、NOよりもはるかに少ない程度に水相に溶解するが、NO含有量は、一つには平衡反応または酸化によってスクラブ中でさえも変わる。NOは、NOよりも著しく低い程度に水相に可溶である。ガス流れのNO濃度へのスクラブの影響は典型的には、わずかであるにすぎない。
【0062】
工程g)は好ましくは、1つもしくは複数の触媒の存在下で実施される。対応するプロセスは、DeNOxプロセスあるいはSCR(選択接触還元)またはNSCR(非選択接触還元)プロセスとして当業者に十分に周知である。一酸化二窒素の熱分解法はまた、DeN2O(登録商標)プロセス名の下で公知である。
【0063】
プレ浄化ガス流れはここでは典型的には、任意選択的に少なくとも1つの担体に適用されていてもよい、1つもしくは複数の触媒の存在下で、アンモニアと、または分解してアンモニアを形成する化合物、例えば尿素と接触させられる。触媒は典型的には、二酸化チタン、五酸化バナジウムおよび酸化タングステンおよび/またはゼオライトおよび/または白金および/または他の金属酸化物を含む。ナイトラスガスおよびアンモニアはここでは共均化反応で反応して窒素および水を形成するか、またはアンモニアよりはむしろ尿素が使用される場合には窒素、二酸化炭素および水を形成する。同時に、使用される触媒に依存して、一酸化二窒素は、窒素および酸素へ熱分裂する(分解触媒作用)。しかしながら、一酸化二窒素はまた、触媒なしに、他の窒素酸化物の除去前または除去後に熱分裂し得る。この目的のためには、一酸化二窒素は、必要とされる温度に間接的にまたは直接加熱されてもよい。直接加熱は、一酸化二窒素を含有する廃ガスの存在下で、炭素質燃料、例えば天然ガスまたはガソリンの燃焼によって行われる。この場合には二酸化炭素および窒素が直接形成される。工程g)は好ましくは、一段階でおよび少なくとも1つの触媒の存在下でおよびアンモニアまたは分解してアンモニアを形成する少なくとも1つの化合物、例えば尿素の存在下で実施される。工程f)からのプレ浄化ガス流れは、この工程で250〜500℃、より好ましくは300〜450℃の温度に上げられる。
【0064】
別の実施形態では、工程g)は2段階で実施される。その場合には、工程f)からのプレ浄化ガス流れは、
i)250〜500℃、より好ましくは300〜450℃の温度に加熱され、その後
ii)800〜1400℃の温度に加熱される。
【0065】
この場合には、第1工程において、一酸化窒素および二酸化窒素などの窒素酸化物が分解される、接触DeNOx反応があり、第2工程において、一酸化二窒素の無触媒熱分解がある。
【0066】
本発明の方法の工程h)において、典型的には、鉄含有化合物、例えば鉄塩、とりわけ鉄(II)塩、および/または窒素含有化合物、例えばアンモニウム化合物、硝酸塩化合物もしくは亜硝酸塩化合物、および/または硫黄含有化合物、例えば硫酸塩化合物は、例えば酸化的沈澱および/または脱窒および/または凝固および/または凝集および/または沈降および/または濾過および/または限外濾過および/または逆浸透によって工程d)からの水相から除去される。浄化廃水は、反応装置での化学操作のためにまたは、例えば濾過操作用の洗浄水として、他の工程のために再び使用することができる。
【0067】
これらの目的のために、本発明の方法の工程d)からの廃水は、脱窒される、および/または少なくとも1つの凝固工程にかけられる、および/または少なくとも1つの凝集工程にかけられる、および/または少なくとも1つの沈降工程にかけられる、および/または少なくとも1つの濾過工程にかけられる、および/または少なくとも1つの限外濾過工程にかけられる、ならびに/または少なくとも1つの逆浸透工程によってさらに浄化される。
【0068】
工程d)からの水相からのアンモニウム化合物、亜硝酸塩化合物および硝酸塩化合物の除去は、例えば生物学的脱窒によるまたはAnammoxプロセスとして公知の方法によるように、様々な方法によって行われてもよい。
【0069】
生物学的脱窒の場合には、廃水に溶解した硝酸塩化合物は、特異的な微生物を用いて、嫌気条件下に、すなわち、酸素を排除して分子窒素に還元される。生物学的脱窒の特異的な一変形は、微生物が二酸化炭素の形態で、脱窒のために必要とされる炭素を吸収する、Anammoxプロセスである。他の方法では、微生物は、他の炭素源、例えばメタノールまたはエタノールなどのアルコールを与えられなければならない。
【0070】
廃水中に溶解したアンモニウム化合物および亜硝酸塩化合物はさらに、特異的な微生物を用いて、好気条件下に、すなわち、酸素の存在下で硝酸塩化合物へ酸化されてもよい(硝化)。硝化(好気性)および脱窒(嫌気性)の工程が組み合わせられてもよい。この目的のためには、それらは相次いで実施されてもよく、その場合に硝化は、脱窒の後に行われてもよい、および/または脱窒は、硝化の後に行われてもよい。好ましい実施形態では、硝化および脱窒の工程は、相次いで多数回実施される。これは、結果として、廃水中に溶解した窒素化合物の量をさらに低下させることができるという利点を有する。
【0071】
これに好ましくは、少なくとも1つの凝固および少なくとも1つの凝集が続く。この場合には、廃水中に懸濁した固形分は好ましくは、より大きい粒子へ集合させられ、凝集によって除去される。凝集工程において、あらかじめ凝固した粒子の凝集を促進する化学薬品が廃水に添加され;そのような化学薬品の例は、有機もしくは無機ポリマーである。これらの工程において、廃水中に存在する鉄イオもまた沈澱によって除去される。
【0072】
これに好ましくは、少なくとも1つの沈降が続き、沈降で凝集した粒子は、懸濁液の底部に沈降し、連続的にまたは不連続的に取り出すことができる。このようにして分離されたスラッジは、プレスし、乾燥させ、次に廃棄物再利用のために送ることができる。
【0073】
これに好ましくは、少なくとも1つの濾過が続く。この場合には、このように処理された廃水の水相は、1つもしくは複数の段階によって濾過される。これに好ましくは、少なくとも1つの限外濾過が続き、限外濾過で特有の膜が、0.1〜0.001μmの範囲の粒子−例えば、高分子物質、コロイド状物質、ポリマー物質−を水相から分離する。
【0074】
これに好ましくは、少なくとも1つの逆浸透が続く。ここで、イオンまたはより大きい分子は、半透膜に保持され、その結果ほぼ純粋な形態の水のみが半透膜を通過する。本発明の方法では、逆浸透は、塩、例えばリン酸塩、塩化物および/または硫酸塩を廃水から好ましくは分離し、塩は逆浸透後に塩に富む廃水中にある。好ましい一実施形態では、工程c)および/またはd)が、硫酸塩を使用して実施される場合には、塩に富む廃水は、工程c)および/または工程d)に戻される。これは、プロセス中に存在する硫酸塩が大部分再使用され、そして硫酸塩を外部原材料としてプロセスへ導入する必要がまったくないという利点を有する。
【0075】
本発明の方法の工程h)において浄化された廃水は、反応装置での化学操作のためにまたは、例えば濾過操作用の洗浄水として、他の工程のために再使用することができる。廃水浄化の代替手段として、述べられたアンモニウム化合物、亜硝酸塩化合物および硝酸塩化合物を含有する、工程d)からの廃水は、任意選択的に他の好適な成分とともにおよび/または逆浸透もしくは蒸発による濃縮後に、肥料として、単独でまたは混合物で、使用することができる。
【0076】
本発明の方法のさらなる好ましい実施形態では、工程j)において、典型的には200〜1400℃の、工程g)が少なくとも1つの触媒の存在下で実施された場合には、好ましくは250〜500℃の、工程g)が触媒の不在下で実施された場合には、好ましくは800〜1400℃の温度の、工程g)後に得られた加熱されたプレ浄化ガス流れは、工程f)からのプレ浄化ガス流れを予熱するために利用される。
【0077】
本発明は、本発明の方法を実施するために好適な装置をさらに包含する。この装置は図を用いて、より詳細に以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
図1】3つの反応装置、酸化ユニット、スクラバー、ヒーターおよび廃ガス浄化ユニットを有するシンプルな発明装置の描写を示す。
図2図1と比べるとさらなるスクラバー、熱交換器および廃水浄化ユニットをさらに有する発明装置の描写を示す。
図2a図2とは対照的に反応装置3と廃水浄化ユニット10との間に別個の単離手段34を有する発明装置の描写を示す。
図3】反応装置1の例示的な実施形態を示す。
図4】反応装置2の例示的な実施形態を示す。
図5】反応装置3の例示的な実施形態を示す。
図6】単離手段34の例示的な実施形態を示す。
図7】酸化ユニット5の例示的な実施形態を示す。
図7a】酸化ユニット5の例示的な実施形態を示す。
図8】スクラバー4または6の例示的な実施形態を示す。
図8a】スクラバー4または6の例示的な実施形態を示す。
図9】熱交換器7の例示的な実施形態を示す。
図10】ヒーター8の例示的な実施形態を示す。
図11】廃ガス浄化ユニット9の例示的な実施形態を示す。
図11a】廃ガス浄化ユニット9の例示的な実施形態を示す。
図11b】廃ガス浄化ユニット9の例示的な実施形態を示す。
図12】廃水浄化ユニット10の例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0079】
本発明の装置の一実施形態は、少なくとも
・ 少なくとも1つの反応装置(1)と、
・ 少なくとも1つの反応装置(2)、少なくとも1つの反応装置(3)と、
・ 少なくとも1つのスクラバー(4)、好ましくは2つのスクラバー(4および6)(ここで、
(a)少なくとも1つの反応装置(1)が、少なくとも1つのライン(L−3a)を介して少なくとも1つのスクラバー(4)または(6)と連通しており、
(b)少なくとも1つの反応装置(3)が、少なくとも1つのライン(L−3b)を介して少なくとも1つのスクラバー(4)または(6)と連通しており、
(c)少なくとも1つの反応装置(2)が、少なくとも1つのライン(L−4)を介して少なくとも1つの酸化ユニット(5)と連通しており、少なくとも1つの酸化ユニット(5)が少なくとも1つのライン(L−5)を介して少なくとも1つのスクラバー(4)または(6)と連通している)と、
・ 少なくとも1つの廃ガス浄化ユニット(9)、および少なくとも1つのヒーター(8)であって、少なくとも1つの廃ガス浄化ユニット(9)が、少なくとも1つのライン(L−8)を介して少なくとも1つのヒーター(8)と連通しており、そして少なくとも1つのヒーター(8)が少なくとも1つのライン(L−7)を介して少なくとも1つのスクラバー(4)または(6)と連通している廃ガス浄化ユニット(9)、およびヒーター(8)と
を含む。
【0080】
上に記載された装置に加えて、本発明の装置の代わりの一実施形態は、少なくとも1つのライン(L−10)を介して少なくとも1つの反応装置(3)と、または少なくとも1つの単離手段(34)と連通している少なくとも1つの廃水浄化ユニット(10)を含む。
【0081】
上記の装置の1つに加えて、本発明の装置の代わりの一実施形態は、少なくとも1つの熱交換器(7)、好ましくは少なくとも1つのライン(L−6a)を介して少なくとも1つのスクラバー(4)と、少なくとも1つのライン(L−6b)を介して少なくとも1つのスクラバー(6)と、少なくとも1つのライン(L−7)を介して少なくとも1つのヒーター(8)とおよび少なくとも1つのライン(L−9)を介して少なくとも1つの廃ガス浄化ユニット(9)と連通している熱交換器(7)を含む。
【0082】
上記の装置の1つに加えて、本発明の装置の代わりの一実施形態は、少なくとも1つの単離手段(34)、好ましくは、少なくとも1つのライン(L−10)を介して少なくとも1つの廃水浄化ユニット(10)とおよび少なくとも1つのライン(L−32)を介して少なくとも1つの反応装置(3)と連通している濾過手段(34)を含む。
【0083】
個々の装置およびその中で実施されるプロセス工程は、以下に詳細に記載される。
【0084】
現在のところ、本発明の範囲は、本発明の上記の方法とそれの好ましい実施形態との任意の組み合わせと組み合わせて、それの好ましい範囲を含めて、以下に示される装置の実施形態のすべての所望のおよび可能な組み合わせを包含することが指摘されてもよい。
【0085】
少なくとも1つの反応装置1で、工程a)において、硝酸鉄(II)溶液が、鉄と硝酸との反応によって製造され、第1窒素酸化物含有流れを生成する。
【0086】
少なくとも1つの反応装置1として、そのようなタイプの反応のための当業者に周知の種類の反応装置を用いることが可能である。水性硝酸鉄(II)溶液を与えるための鉄と硝酸との反応のための反応装置1は典型的には、鉄および硝酸原材料に対して、そしてまた硝酸鉄および窒素酸化物反応生成物に対しても耐性がある材料でできた反応容器を含む。シンプルな反応装置は、例えば、壁付きまたはタイル張りであり、そしてアースされている容器であってもよい。反応装置はまた、例えば、ガラスで、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの、耐硝酸性プラスチックで、スチール、エナメルスチール、プラスチック被覆もしくはワニス被覆スチール、および、例えば、材料番号1.44.01のステンレス鋼でできた反応容器を包含する。反応容器は好ましくは、ステンレス鋼、エナメルスチールで、より好ましくは材料番号1.44.01のステンレス鋼でできた容器である。
【0087】
反応容器は、開放式であっても閉鎖式であってもよい。本発明の好ましい実施形態では、反応容器は閉鎖式である。反応容器は典型的には、0〜150℃の温度に対しておよび0.05MPa(0.05メガパスカルは0.5バールに相当する)〜1.5MPa(1.5メガパスカルは15バールに相当する)の圧力に対して設計される。
【0088】
反応装置1の好ましい一実施形態は図3に示される。反応装置1は、少なくとも反応容器11、ミキサー12、冷却ユニット13、HNOおよび鉄用の入口111、第1窒素酸化物含有流れNOX−1用の出口112、ならびに硝酸鉄(II)溶液AQ−Fe(NO用の出口113を有する。代わりの一実施形態では、反応容器11における入口111および/または出口112および/または出口113はまた、それらが、同じ開口部によって、各個々の反応剤および/もしくは生成物用の1つの入口によって、またはそれらの任意の所望の組み合わせによって実現されるように設計され得る。図3による好ましい実施形態では、ミキサー12および冷却ユニット13は、その中を硝酸鉄(II)溶液が循環する、ラインL−11を介して、反応容器11と連通している。別の好ましい実施形態では、ミキサー12はまた、メカニカルミキサー、例えば反応容器11中のプロペラミキサーの形態をとってもよい。さらに好ましい実施形態では、冷却ユニット13は、例えば冷却ジャケットとして、または冷却コイルとして、反応容器11中に直接実現されてもよい。
【0089】
例として反応装置1での本発明の方法の工程a)の実施が以下の本文に記載される。本発明の方法の工程a)を実施するために、鉄、水およびHNO原材料は、入口111を通って反応容器11へ導入される。液相が鉄と接触するときに、発熱反応が始まる。典型的には、鉄および水が反応装置に装入される。硝酸は、発熱反応が許すならば、迅速に添加されても、10時間以下の期間にわたって添加されてもよい。反応温度はここでは、冷却手段13を用いて60℃未満に保持される。同時に液相は、ミキサー12によって混合され、鉄の周りに液相の一様な分配を生成する。ミキサー12は、反応混合物の液相中に乱流を生み出すのに役立ち、典型的には、硝酸鉄(II)溶液AQ−Fe(NOを循環搬送するポンプ、または、例えば、プロペラで液相を混合する、メカニカルミキサーである。転化率は、鉄に関連したHNOの量によって測定される。このようにして製造された硝酸鉄(II)溶液AQ-Fe(NOは、任意選択の貯蔵容器もしくは沈降容器(図1もしくは2には示されていない)に一時的に貯蔵されるか、および/または、好ましくは入口311と連動しているラインL−1を通って、少なくとも1つの反応装置3へ直接運ばれるかのどちらかである。
【0090】
反応装置2で、工程b)において、水性ヘマタイト核懸濁液が、鉄と硝酸との反応によって製造され、第2窒素酸化物含有流れを生成する。
【0091】
少なくとも1つの反応装置2として、そのようなタイプの反応のための当業者に周知の種類の反応装置を用いることが可能である。反応装置2は典型的には、原材料に対して耐性がある材料でできた1つもしくは複数の反応容器を含む。シンプルな反応容器は、例えば、壁付きまたはタイル張りであり、そしてアースされている容器であってもよい。反応装置は例えばまた、ガラス、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの、耐硝酸性プラスチック、スチール、例えばエナメルスチール、プラスチック被覆もしくはワニス被覆スチール、または、例えば、材料番号1.44.01のステンレス鋼でできた反応容器である。反応容器は、開放式であっても閉鎖式であってもよい。本発明の好ましい実施形態では、反応容器は閉鎖式である。反応容器は典型的には、0〜150℃の温度に対しておよび0.05MPa(0.05メガパスカルは0.5バールに相当する)〜1.5MPa(1.5メガパスカルは15バールに相当する)の圧力に対して設計される。
【0092】
反応装置2の好ましい一実施形態は図4に示される。反応装置2は、少なくとも反応容器21、ミキサー22、冷却ユニット23、ヒーター24、FeおよびHNO用の入口211、第2窒素酸化物含有流れNOX−2用の出口212、ならびにまたヘマタイト核懸濁液S−Fe用の出口213を有する。代わりの一実施形態では、入口211および/または出口212および/または出口213はまた、それらが、同じ開口部によって、各個々の反応剤もしくは生成物用の1つの入口もしくは出口によって、またはそれらの任意の所望の組み合わせによって実現されるように設計され得る。図4による好ましい実施形態では、ミキサー22、冷却ユニット23およびヒーター24は、その中をヘマタイト核懸濁液が循環する、ラインL−21を介して、反応容器21と連通している。さらなる好ましい実施形態では、ミキサー22はまた、例えば反応容器11中のプロペラミキサーのような、メカニカルミキサーの形態で実現されてもよい。さらなる好ましい実施形態では、冷却ユニット23および/もしくはヒーター24は、例えば冷却ジャケットおよび/もしくは加熱ジャケットとして、または直接スチームの導入によってまたは冷却カートリッジもしくは加熱カートリッジとして、または冷水もしくは熱水の直接導入によって反応容器11において直接実現されてもよい。例として反応装置2での本発明の方法の工程b)の実施が本明細書で以下に記載される。本発明の方法の工程b)を実施するために、鉄、水およびHNO原材料は、入口211を通って反応容器21へ導入される。反応はここでは、工程b)の下で上に観察された通りに実施される。ヒーター24を用いて、鉄および水からなる反応混合物は、必要とされる反応温度に加熱される(この関連で、本発明の方法の工程b)の下での観察を参照されたい)。所望の出発温度に達したときに、HNOが、工程b)の下で記載されたように添加され、反応混合物の温度のさらなる上昇を引き起こす発熱反応を開始させる。別の好ましい実施形態では、同時に、液相は、ミキサー22によって混合され、鉄の周りに液相の一様な分配を生成する。ミキサー22は、反応混合物の液相中に乱流を生み出すのに役立ち、典型的には、ヘマタイト核懸濁液S−(Fe)を循環搬送するポンプ、または、例えば、プロペラで液相を混合する、メカニカルミキサーである。転化率は、鉄に関連したHNOの量によって、および反応中の温度分布によって測定される。反応の進行中に、HNOの濃度の着実な低下がある。このようにして製造されたヘマタイト核懸濁液S−(Fe)は、出口213を通って、任意選択の貯蔵容器もしくは沈降容器(図1、2もしくは4には示されていない)に一時的に貯蔵されるか、および/または出口213を通って、好ましくは入口311と連通しているラインL−2を通って反応装置3へ直接運ばれるかのどちらかである。未反応の鉄は、水および新鮮な鉄が再び添加される、次の反応まで反応容器21中にとどまる。
【0093】
少なくとも1つの反応装置3で、工程c)において、水性ヘマタイト顔料懸濁液は、
I.少なくとも1つの酸素含有の存在下での工程b)からの水性ヘマタイト核懸濁液と工程a)からの硝酸鉄(II)溶液および少なくとも1つのアルカリ性沈澱剤との反応によって、または
II.第3窒素酸化物含有流れを生成する、工程b)からの水性ヘマタイト核懸濁液と工程a)からの硝酸鉄(II)溶液、ならびに鉄および少なくとも1つの酸素含有ガスとの反応によって製造される。
【0094】
少なくとも1つの反応装置3として、そのようなタイプの反応のための当業者に周知の種類の反応装置を用いることが可能である。反応装置3は典型的には、原材料に対して耐性がある材料でできた1つもしくは複数の反応容器を含む。シンプルな反応装置は、例えば、壁付きまたはタイル張りであり、そしてアースされている容器であってもよい。反応装置は例えばまた、ガラス、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの、耐硝酸性プラスチック、スチール、例えばエナメルスチール、プラスチック被覆もしくはワニス被覆スチール、または、例えば、材料番号1.44.01のステンレス鋼でできた反応容器である。反応容器は、開放式であっても閉鎖式であってもよい。本発明の好ましい実施形態では、反応容器は閉鎖式である。反応容器は典型的には、0〜150℃の温度に対しておよび0.05MPa(0.05メガパスカルは0.5バールに相当する)〜1.5MPa(1.5メガパスカルは15バールに相当する)の圧力に対して設計される。
【0095】
反応装置3の好ましい一実施形態は図5に示される。反応装置3は、少なくとも反応容器31、ミキサー32、ヒーター33、硝酸鉄(II)溶液、ヘマタイト核懸濁液、酸素含有ガスおよび水用の入口311、第3窒素酸化物含有流れNOX−3用の出口312、ならびにヘマタイト顔料懸濁液用の出口313を有する。代わりの一実施形態では、反応容器311における入口311および/または出口312および/または出口313はまた、それらが、同じ開口部によって、各個々の反応剤および/もしくは生成物用の1つの入口もしくは出口によって、またはそれらの任意の所望の組み合わせによって実現されるように設計され得る。図5による好ましい実施形態では、ミキサー32およびヒーター33は、その中をヘマタイト顔料懸濁液が循環する、ラインL−31を介して、反応容器31と連通している。別の好ましい実施形態では、ミキサー32はまた、メカニカルミキサー、例えば反応容器31中のプロペラミキサーの形態をとってもよい。さらに好ましい実施形態では、ヒーター33は、例えば加熱ジャケット、加熱カートリッジおよび/もしくは加熱コイルとして、または熱水の直接吸入による直接蒸気導入によって、反応容器31において直接実現されてもよい。
【0096】
例として反応装置3での本発明の方法の工程c)の実施が以下に記載される。本発明の方法の工程c)を実施するために、「酸性沈澱」実施形態では、鉄、水、硝酸鉄(II)溶液およびヘマタイト核懸濁液原材料は、入口311を通って反応容器31へ導入される。ヒーター33は、70〜100℃、好ましくは75〜90℃の温度に反応混合物を加熱する(この関連で、本発明の方法の工程c)の下での観察を参照されたい)。同時に、1時間当たりおよび懸濁液の1リットル当たり0.2〜50リットルの空気での酸化によって、ヘマタイトはヘマタイト核上へ沈澱し、ベンガラ顔料が所望の色合いに達するまで、反応中に大きくなる(「酸性沈澱」実施形態)。別の好ましい実施形態では、同時に、液相は、ミキサー32によって混合され、鉄の周りに、反応が段々と進行するにつれて、懸濁したヘマタイト顔料を含む、液相の一様な分配を生成する。ミキサー32は、反応混合物の液相中に乱流を生み出すのに役立ち、典型的には、ヘマタイト顔料懸濁液PAQ−Feを循環搬送するポンプ、または、例えば、プロペラで液相を混合する、メカニカルミキサーである。このようにして製造されたヘマタイト顔料懸濁液PAQ−Feは、任意選択の貯蔵容器(図1、2、5もしくは6には示されていない)に一時的に貯蔵されるか、および/または出口313を通って、入口341と連通している、ラインL−32を通って単離手段34へ直接運ばれるかのどちらかである。
【0097】
少なくとも1つの単離手段34で、工程d)において、水性ヘマタイト顔料懸濁液中に存在するヘマタイト顔料は、好ましくはヘマタイト顔料懸濁液の濾過および/もしくは沈降ならびに/または濾過および/もしくは沈降によって得られたフィルターケーキの洗浄によって、水相から単離される。
【0098】
少なくとも1つの単離手段34として、そのような単離工程のための当業者に十分に周知の種類の手段を用いることが可能である。単離手段34は、反応装置3中に直接にまたは別個の設備として実現されてもよい。単離手段34が別個の設備として実現される場合には、それは、ラインL−32を介して反応装置3と連動している(図2aをまた参照されたい)。
【0099】
単離手段34の好ましい実施形態は図6に示される。単離手段34は、少なくともヘマタイト顔料懸濁液用の入口341、単離アセンブリ342、ヘマタイト顔料用の出口343、および廃水AQ−1用の出口344を有する。廃水AQ−1の内容物には、硝酸塩化合物、亜硝酸塩化合物およびアンモニウム化合物が含まれ、この廃水はそれ故典型的には、0.2〜10g/lの窒素、好ましくは0.2〜5g/lの窒素の総窒素含有量(各場合に元素状窒素を基準として計算される)を有する。代わりの一実施形態では、単離手段34における入口341および/または出口343および/または出口344はまた、それらが、同じ開口部によって、各個々の反応剤および/もしくは生成物用の1つの入口もしくは出口によって、またはそれらの任意の所望の組み合わせによって実現されるように設計され得る。さらなる代わりの実施形態では、単離手段34は、反応装置3中に統合されてもよく;この場合には、ラインL−10は、反応装置3と直接連通している(図2にまた描写されるように)。
【0100】
例として単離手段34での本発明の方法の工程d)の実施が以下に記載される。
【0101】
本発明の方法の工程b)を実施するために、ヘマタイト顔料懸濁液は、入口341によって単離アセンブリ342へ導入される。このアセンブリで固体成分は、液体成分から分離される。これの前に、任意選択的に1つもしくは複数のスクリーニング工程が、より好ましくは異なる網目サイズを使っておよび数が小さくなる網目サイズを使って、実施されることが可能である。液相からの顔料の分離は、例えば、濾過によって成し遂げられる。液相は分離され、そして任意選択的に、本明細書では以下まとめて廃水AQ−1と言われる、分離された固体の洗浄後に得られた洗浄液は、出口344を通ってラインL−10を通って廃水浄化ユニット10に運ばれる。湿ったフィルターケーキは、出口343を通って単離アセンブリ342から取り出され、その後乾燥させられる。代わりの実施形態では、ベンガラ顔料は、単離アセンブリ342中で直接乾燥させられ、次に、出口343なら乾燥形態で取り去られる。
【0102】
少なくとも1つの酸化ユニット5で、工程e)において、工程b)からの第2窒素酸化物含有流れが酸化される。
【0103】
少なくとも1つの酸化ユニット5として、そのようなタイプの反応のための当業者に十分に周知の種類の酸化ユニットを用いることが可能である。
【0104】
窒素酸化物を酸化するための酸化ユニット5は典型的には、任意選択的に1つもしくは複数の触媒をおよび/または高エネルギー放射線、例えばUV放射線を使って、その中で酸化されるべきガスを含む気相が酸化剤と接触させられるパイプラインまたは酸化容器、第2窒素酸化物含有流れ用の入口、酸化剤用の入口、酸化された第2流れ用の出口、任意選択的に高エネルギー放射線用のエネルギー源、例えばUVランプ、および/または任意選択的に少なくとも1つの触媒を有する。酸化剤は典型的には空気もしくは他の酸素含有ガス、オゾンまたは過酸化水素である。空気が好ましい。酸化触媒は典型的には、活性炭、シリカゲル、モレキュラーシーブ、バナジウム−亜鉛もしくはクロム−亜鉛触媒、または二酸化チタンである。さらなる好ましい実施形態では、酸化容器内に置かれた1つもしくは複数のUVランプが酸化を加速させ得る。酸化ユニット5は好ましくは、酸化されるべき流れが、強くそしてできるだけ長く、UV光で接触照射されるようなやり方でその中へUV発光体が取り付けられている、パイプラインであり、より好ましくはコイル状実施形態にある。
【0105】
酸化ユニット5の好ましい実施形態は、図7および7aに示される。酸化ユニット5は、少なくとも第2窒素酸化物含有流れ用の入口51、酸化された第2窒素酸化物含有流れNOX−2用の出口52、酸化剤用の入口55、および酸化容器56を有する。酸化ユニット5は任意選択的に、照射ユニット53、好ましくはUV照射ユニットおよび/または1つもしくは複数の酸化触媒54をさらに有する。代わりの一実施形態では、反応容器56における入口51および/または入口55および/または出口52はまた、それらが、同じ開口部によって、各個々の反応剤および/もしくは生成物用の出口のための1つの入口によって、またはそれらの任意の所望の組み合わせによって実現されるように設計され得る。
【0106】
例として酸化ユニット5での本発明の方法の工程e)の実施が以下に記載される。本発明の方法の工程e)を実施するために、反応装置2からの第2窒素酸化物含有流れNOX−2は、出口212によって、入口51と連通している、ラインL−4を通って酸化ユニット5に運ばれる。第2窒素酸化物含有流れNOX−2の酸化は、酸化容器56で行われる。20〜300℃の温度の第2窒素酸化物含有流れNOX−2の存在が酸化にとって有利である。酸化されるべき流れは、加熱によって酸化のために必要とされる温度にされるか、酸化されるべき流れは、先行操作工程の結果として、そのままで必要とされる温度を既に有するかのどちらかである。酸化は、一般に大気圧下で実施されるが、酸化剤におけるガスのより高い圧力によって加速されてもよい。典型的には酸化は、0.08MPa〜2MPa、好ましくは0.08MPa〜1MPaの圧力下で実施される。入口55を通って酸化剤は、酸化容器56へ注入される。酸化中に、第2窒素酸化物含有流れNOX−2中のNOは、NOへ酸化され、酸化された第2窒素酸化物含有流れNOX−2−OXを与える。酸化後に、酸化された第2窒素酸化物含有流れNOX−2−OXは出口52から、入口41または61と連通している、ラインL−5を通ってスクラバー4または6に運ばれる(図1を参照されたい)。
【0107】
少なくとも1つのスクラバー4および/または6で、工程f)に従って、第1窒素酸化物含有流れおよび、工程c)が変形IIに従って実施された場合には、その上第3窒素酸化物含有流れ、およびまた工程e)からの酸化された第2窒素酸化物含有流れが、プレ浄化ガス流れおよび硝酸に富む洗浄相を生み出すために水性洗浄相と接触させられる。
【0108】
少なくとも1つのスクラバー4および/または6として、そのような廃ガス浄化工程のための当業者に十分に周知の種類のスクラバーを用いることが可能である。スクラバー4または6は、第1窒素酸化物含有流れおよび/または酸化された第2窒素酸化物含有流れ用のおよび/または第3窒素酸化物含有流れ用の少なくとも1つの入口、水性洗浄相用の入口、HNOに富む洗浄相用の出口、およびプレ浄化ガス流れ用の出口を有する。
【0109】
スクラバー4または6は典型的には、その中で気相が液相と、好ましくは水性洗浄相と接触させられる、ガススクラバーである。気相の成分の1つは、気相から除去されるべきであるガスである。除去されるべきガスは、液相によく溶解するかまたは液相と反応して溶解反応生成物を与える。液相は典型的には、水、水性アルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物溶液、希過酸化水素溶液または硝酸である。
【0110】
液相は、ガススクラバーの底部にあるか、例えば、吹き付けまたは噴霧によって、液相の表面積を大きく増加させるような方法でガススクラバーの内部へ導入されるかのどちらかである。そのようなスクラバーの例は、スプレースクラバー、スプレー凝縮スクラバー、クロスフロースクラバーまたは向流スクラバーである。液相がガススクラバーの底部にある場合には、気相は、例えば特殊ノズルを用いる導入によってまたは2つの相のかなりの混合によって、気相が最大接触面積を有するような方法で液相中へ導入される。そのようなガススクラバーの例は、充填スクラバーである。
【0111】
水相として、水などの中性媒体または硝酸などの酸性媒体、またはそれらの混合物を使って操作されるスクラバー4および/または6が好ましい。これは、二酸化窒素または五酸化二窒素が、運転に戻すことができる、硝酸を生成するという利点を有する。
【0112】
スクラバー4または6の好ましい実施形態は、図8および8aに示される。一実施形態では、スクラバー4または6は、窒素酸化物含有流れ用のおよび/または酸化された第2窒素酸化物含有流れ用のおよび/または第3窒素酸化物含有流れ用の少なくとも1つの入口、スクラビング塔、水性洗浄相用の入口、硝酸に富む洗浄相用の出口、ならびにプレ浄化ガス流れ用の出口を有する。スクラバー4または6のさらなる実施形態は、水性洗浄相の入口とおよび硝酸に富む洗浄相用の出口と連通している調整弁をさらに有する。
【0113】
例としてスクラバー4または6での本発明の方法の工程f)の実施が以下に記載される。水性洗浄相WPは、入口412または612を通ってスクラビング塔41または61へ導入され、そこでそれは、スクラビング塔41または61の内部にわたって、好適な手段によって、細かく分配される。第1窒素酸化物含有流れNOX−1および/または酸化された第2窒素酸化物含有流れNOX−2−OXおよび/または第3窒素酸化物含有流れNOX−3は、入口411または611を通ってスクラビング塔41または61へ導入され、そこでそれらは、水性洗浄相WPと接触させられる。窒素酸化物含有流れNOX−1、NOX−2−OXおよび/またはNOX−3の接触後に生成した、硝酸に富む洗浄相WP−1は、ラインを通って容器に運ばれるか、および/または再び水性洗浄相WPとして入口412または612を通ってスクラビング塔へ運ばれ、そこでそれは、窒素酸化物含有流れNOX−1、NOX−2−OXおよび/またはNOX−3と再び接触させられる。これは、硝酸含有量が所望の値に達するまで、絶えず硝酸に富む洗浄相WP−1の硝酸含有量の増加をもたらす。それから、さらなる好ましい実施形態では、このようにして硝酸に富んだ洗浄相WP−1は、本発明の方法の工程i)に従って、工程a)および/またはb)および/またはc)に戻される。本方法のさらなる好ましい実施形態では、硝酸に富む洗浄相WP−1は、その次の使用まで1つもしくは複数の容器に貯蔵される。本方法のさらなる好ましい実施形態では、硝酸に富む洗浄相WP−1は、スクラビング塔41または61の出口414または614から運び出され、ラインL−41またはL−61を通って、そして入口412または612を通ってスクラビング塔へ再び運ばれる。水性洗浄相WPがラインL−41またはL−61に計量供給されることを可能にする、そして硝酸に富む洗浄相WP−1がラインL−41またはL−61から取り出されことを可能にする多岐弁がラインL−41またはL−61に組み入れられる。スクラバー4のさらなる実施形態では、入口411および/または入口412および/または出口413および/または出口414はまた、それらが、同じ開口部によって、各個々の反応剤および/もしくは生成物用の1つの入口もしくは出口によって、またはそれらの任意の所望の組み合わせによって実現されるように設計され得る。スクラバー6のさらなる実施形態では、入口611および/または入口612および/または出口613および/または出口614はまた、それらが、同じ開口部によって、各個々の反応剤および/もしくは生成物用の1つの入口もしくは出口によって、またはそれらの任意の所望の組み合わせによって実現されるように設計され得る。
【0114】
スクラブの後に、一実施形態では、プレ浄化ガス流れNOX−4は、出口413または613から、入口81と連通しているラインL−7を通って、ヒーター8に運ばれる(図1を参照されたい)。さらなる実施形態では、プレ浄化ガス流れNOX−4は、スクラブ後に、出口413または613から、入口71と連通している、ラインL−6aまたはL−6bを通って、熱交換器7に運ばれる(図2を参照されたい)。
【0115】
この装置の好ましい一実施形態では、熱交換器7は、スクラバー4および/または6とヒーター8との間に連結されている。
【0116】
熱交換器7で、工程g)i)において、本発明の方法の好ましい実施形態では、プレ浄化ガス流れは、250〜500℃の温度に、より好ましくは300〜450℃に予熱される。
【0117】
少なくとも1つの熱交換器として、そのようなプロセス工程のための当業者に十分に周知の種類の熱交換器を用いることが可能である。少なくとも1つの熱交換器7は、プレ浄化ガス流れ用の少なくとも入口、予熱されたプレ浄化ガス流れ用の出口、浄化廃ガス用の入口、および冷却された浄化廃ガス用の出口を有する。
【0118】
熱交換器7は典型的には、その中でより高い温度を有する流れからより低い温度を有する流れに熱の移行がある、または逆もまた同様である手段である。この熱の移行は、直接であっても、間接であっても半間接であってもよい。直接伝熱の典型的な例は、例えば、湿式冷却塔である。間接伝熱の典型的な例は、例えば、伝熱式熱交換器である。半間接伝熱の典型的な例は、例えば、サーマルホイールである。用いられる熱交換器は典型的には、管束またはプレート型熱交換器である。そのような熱交換器では、異なる流れの幾何学的通路は、向流に、並流にまたはクロスフローにあってもよい。
【0119】
熱交換器7の好ましい一実施形態は図9に示される。熱交換器7は、少なくともプレ浄化ガス流れNOX−4用の入口71、予熱されたプレ浄化ガス流れNOX−5用の出口72、浄化廃ガスG−1用の73用の入口、および冷却された浄化廃ガスG−EX用の出口74を有する。
【0120】
例として熱交換器7での本発明の方法の工程g)i)の実施が以下に記載される。プレ浄化ガス流れNOX−4は、スクラバー4の出口413および/またはスクラバー6の出口613から少なくとも1つのラインL−6aおよび/またはL−6bを通って熱交換器7における入口71に運ばれる。熱交換器7で、廃ガス浄化ユニット9(廃ガス浄化ユニット9の詳細な説明は以下で後に続く)の出口924からラインL−9を通って熱交換器7の入口73に運ばれる、浄化廃ガスG−1の熱は、プレ浄化ガス流れNOX−4を加熱するために利用される。このようにして予熱されたプレ浄化ガス流れ、NOX−5は、出口72を通って熱交換器7を出て、ラインL−7を通ってヒーター8の入口81に運ばれる。プレ浄化ガス流れNOX−4への浄化廃ガスG−1の熱の移動の結果として、浄化廃ガスG−1は冷却され、冷却された浄化廃ガスG−EXとして出口74を通って熱交換器7を出て、G−EXはその後、好ましくは煙突を通って、周囲空気に排出することができる。
【0121】
少なくとも1つのヒーターで、工程g)に従って、工程f)からのプレ浄化ガス流れは、200〜1400℃の温度に加熱される。これに関連して、窒素酸化物、好ましくは一酸化二窒素のいくらかは、プレ浄化ガス流れから既に除去されている。
【0122】
少なくとも1つのヒーター8として、そのような工程のための当業者に十分に周知の種類のヒーターを用いることが可能である。
【0123】
ヒーターは典型的には、流れの温度を上げる手段である。流れは、直接にまたは間接的に加熱されてもよい。直接ヒーターの例は、熱い燃焼ガスがそれらと混合されるガス流れの直接加熱をもたらすガスファンバーナーである。間接加熱手段は、例えば、加熱コイルなどの、電気加熱素子である。ヒーター8は典型的には、プレ浄化ガス流れ用の少なくとも1つの入口、予熱されたプレ浄化ガス流れ用の出口、加熱室および少なくとも1つの加熱素子、好ましくはファンバーナーを含む。
【0124】
ヒーター8の好ましい一実施形態は図10に示される。ヒーター8は、プレ浄化ガス流れNOX−4または予熱された、プレ浄化ガス流れNOX−5用の少なくとも1つの入口81、加熱されたプレ浄化ガス流れNOX−6用の少なくとも1つの出口82、少なくとも1つの加熱室83および少なくとも1つの加熱素子84、好ましくはガスファンバーナーを有する。
【0125】
例としてヒーター8での、本発明の方法の工程g)に従って200〜1400℃の温度へのプレ浄化ガス流れの加熱が以下に記載される。200〜1400℃の温度へのプレ浄化ガス流れの加熱を実施するために、一実施形態では(図1を参照されたい)、プレ浄化ガス流れNOX−4は、スクラバー4および/または6の出口413および/または613から、入口81と連通している、ラインL−7を通ってヒーター8の入口81に運ばれる。さらなる実施形態では(図2を参照されたい)、予熱された、プレ浄化ガス流れNOX−5は、熱交換器の出口72から、入口81と連通している、ラインL−7を通ってヒーター8の入口81に運ばれる。ガスファンバーナーによるプレ浄化ガス流れNOX−4のまたは予熱されたプレ浄化ガス流れNOX−5の直接加熱が好ましい。プレ浄化ガス流れNOX−4または予熱されたプレ浄化ガス流れNOX−5はここで、少なくとも1つの触媒の存在下で250〜500℃のおよび/または触媒の不在下で800〜1400℃の、廃ガス浄化ユニット10で必要とされる温度に加熱され、次に、加熱されたプレ浄化ガス流れNOX−6として、出口82を通ってヒーター8を出て、ラインL−8を通って廃ガス浄化ユニット9の入口911に運ばれる。
【0126】
少なくとも1つの廃ガス浄化ユニット9で、工程g)に従って、窒素酸化物は、任意選択的に触媒の存在下で、200〜1400℃の、好ましくは触媒の存在下で250〜500℃のまたは触媒の不在下で800〜1400℃の温度に加熱することによって工程f)からのプレ浄化ガス流れから除去され、浄化ガス流れを生成する。
【0127】
少なくとも1つの廃ガス浄化ユニット9として、そのような浄化操作のための当業者に十分に周知の種類の廃ガス浄化ユニットを用いることが可能である。
【0128】
廃ガス浄化ユニット9は典型的には、接触還元によって、例えば、ナイトラスガスなどの、望ましくないガス状物質を除去する手段、および/または1つもしくは複数の触媒上での熱分解によって一酸化二窒素を除去する手段である。これらの廃ガス浄化ユニットはまた、SCR(SCR=選択接触還元)反応装置とも呼ばれる。
【0129】
少なくとも1つの廃ガス浄化ユニット9は典型的には、少なくとも1つの反応装置、加熱されたプレ浄化ガス流れ用の少なくとも1つの入口、少なくとも1つの触媒、および浄化ガス流れ用の少なくとも1つの出口を有する。
【0130】
さらなる好ましい実施形態では、少なくとも1つの廃ガス浄化ユニット9は、加熱されたプレ浄化ガス流れ用の入口付きエバポレーター、尿素および/またはアンモニア用の液体分配器、ならびに尿素および/またはアンモニアに富む加熱された、プレ浄化ガス流れ用の、そして、この好ましい実施形態では、ラインを介して反応装置の入口に連通している出口をさらに有する。
【0131】
廃ガス浄化ユニット9の好ましい一実施形態は図11に示される。少なくとも1つの廃ガス浄化ユニット9は、少なくとも1つの反応装置92、加熱されたプレ浄化ガス流れNOX−6用の少なくとも1つの入口921、少なくとも1つの触媒922、および浄化ガス流れG−1用の少なくとも1つの出口924を有する。触媒922は、ナイトラスガスの分解用の触媒および/または一酸化二窒素の分解用の触媒のどちらかであってもよい。
【0132】
廃ガス浄化ユニット9のさらなる好ましい実施形態は図11aに示される。少なくとも1つの廃ガス浄化ユニット9は、加熱された、プレ浄化ガス流れNOX−6用の少なくとも1つの入口911付きエバポレーター91、尿素および/またはアンモニアU用の入口912、尿素および/またはアンモニアU用の液体分配器913、ならびに尿素および/またはアンモニアに富む加熱された、プレ浄化ガス流れNOX−7用の、そしてラインL−91を介して反応装置92の入口921に連通している出口をさらに有する。
【0133】
廃ガス浄化ユニット9のさらなる好ましい実施形態は図11bに示される。少なくとも1つの廃ガス浄化ユニット9は、触媒923をさらに有する。触媒923は、ナイトラスガスの分解用の触媒および/または一酸化二窒素の分解用の触媒のどちらかであってもよい。
【0134】
例として図11bに従って廃ガス浄化ユニット9を用いる本発明の方法の工程g)の実施が以下に記載される。本発明の方法の工程g)を実施するために、ヒーター8からの加熱されたプレ浄化ガス流れNOX−6は、出口82からラインL−8および入口911を通って廃ガス浄化ユニット9のエバポレーター91へ運ばれる。同時に、入口912を通って、アンモニアまたは尿素Uが、液体分配器913によってエバポレーター91中へスプレーされ、それによって加熱されたプレ浄化ガス流れNOX−6と混合される。アンモニアに富むまたは尿素に富むガス流れNOX−7は、エバポレーター9から出口914を通ってラインL91および入口921を通って反応装置92へ運ばれる。そこでアンモニアに富むまたは尿素に富むガス流れNOX−7は、触媒922および/または触媒923と接触させられる。ナイトラスガスおよび一酸化二窒素の量は、工程g)の下で上に記載されたようにこの段階で低下する。浄化流れG−1は、出口924を通って反応装置92を出て、ラインL−9および入口73を通って熱交換器7へ運ばれ、熱交換器で、本発明の方法の工程i)に従って、それは、その熱のいくらかをプレ浄化ガス流れNOX−4に与え、NOX−4は結果として予熱される。プレ浄化ガス流れNOX−4への浄化廃ガスG−1の熱の移行によって、浄化廃ガスG−1は冷却され、冷却された浄化廃ガスG−EXの形態で出口74を通って熱交換器7を出る。
【0135】
熱交換器7から出口74から出てくる冷却された浄化廃ガスG−EXは、ナイトラスガスおよび一酸化二窒素の少ない残留フラクションを含有するにすぎない。さらに、その中に蓄えられた熱の大部分は、本プロセスに、すなわち、プレ浄化ガス流れNOX−4に戻される。冷却された浄化廃ガスG−EXはそれ故、スタック、煙突または別の好適な手段を通って周囲空気に排出することができる。
【0136】
少なくとも1つの廃水浄化ユニット10で、工程h)に従って、アンモニウム化合物、亜硝酸塩化合物および硝酸塩化合物は、工程d)からの水相から除去される。少なくとも1つの廃水浄化ユニット10として、そのようなプロセス工程のための当業者に十分に周知の種類の廃水浄化ユニットを用いることが可能である。
【0137】
少なくとも1つの廃水浄化ユニット10で、工程h)に従って、アンモニウム化合物、亜硝酸塩化合物および硝酸塩化合物が工程d)からの水相から除去される。
【0138】
少なくとも1つの廃水浄化ユニット10として、そのような浄化工程のための当業者に十分に周知の種類の廃水浄化ユニットを用いることが可能である。少なくとも1つの廃水浄化ユニット10は、生物学的脱窒のための少なくとも1つのユニット、および/または凝固のためのユニットおよび/または凝集のためのユニットおよび/または沈降のためのユニットを有する。生物学的脱窒のためのユニットは典型的には、その中で浄化されるべき廃水が、微生物が望ましくも窒素含有不純物を変換させることができる条件下に微生物と接触させられる容器またはタンクである。
【0139】
凝固のためのユニットは典型的には、その中で浄化されるべき廃水が凝固剤と混合される容器またはタンクである。凝固剤は、廃水中に存在する不純物の部分上の電荷を中和させる化合物である。電荷の中和によって、細かく懸濁した粒子状固体は互いに付着することができる。この工程は、好ましくは高速ミキサーを用いて、好ましくは廃水と凝固剤との強力混合を必要とする。凝固剤は、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、塩化鉄、硫酸鉄、水酸化カルシウムまたはカチオン性高分子電解質、好ましくはポリアミンおよびポリ塩化アルミニウムである。
【0140】
凝集のためのユニットは典型的には、その中で浄化されるべき廃水が凝集剤と混合される容器またはタンクである。凝集剤は好ましくは、あらかじめ凝固した粒子の凝集を促進する有機もしくは無機ポリマー、より好ましくはポリアクリルアミドである。
【0141】
沈降のためのユニットは典型的には、その中で任意選択の浄化のための廃水が凝集剤と混合される容器またはタンクである。凝集剤は好ましくは、あらかじめ凝固した粒子の凝集を促進する有機もしくは無機ポリマー、より好ましくはポリアクリルアミドである。
【0142】
廃水浄化ユニット10の好ましい一実施形態は図12に示される。廃水浄化ユニット10は、生物学的脱窒のための少なくとも1つのユニット101、凝固、凝集および沈降のためのユニット102、ならびに濾過、限外濾過および逆浸透のためのユニット103を有する。生物学的脱窒のためのユニット101は、顔料懸濁液の製造から得られる廃水AQ−1用の少なくとも1つの入口1011、および廃水AQ−1の生物学的脱窒から得られる廃水AQ−2用の出口1012を有する。
【0143】
凝固、凝集および沈降のためのユニット102は、廃水AQ−2用の少なくとも1つの入口1021、ならびに廃水AQ−2の凝固、凝集および/または沈降から得られる廃水AQ−3用の出口1012を有する。
【0144】
濾過、限外濾過および逆浸透のためのユニット103は、廃水AQ−3用の少なくとも1つの入口1031、ならびに廃水AQ−3の濾過、限外濾過および逆浸透から得られる浄化廃水AQ−EX用の出口1032を有する。
【0145】
出口1012および入口1021は、ラインL−101を介して互いに連通している。出口1022および入口1031は、ラインL−102を介して互いに連通している。
【0146】
例として廃水浄化ユニット10での工程h)の実施が以下に記載される。
【0147】
本発明の方法の工程h)を実施するために、顔料懸濁液の製造からの廃水AQ−1は、反応装置3から単離手段34の出口343を通ってラインL−10および入口1011を通って生物学的脱窒のためのユニット101へ運ばれる。そこで、工程h)の下で記載されたように、廃水AQ−1中に存在するアンモニウム化合物は、好気性条件下に硝酸塩に酸化され、硝酸塩化合物は、その後の工程において、嫌気性条件下に、酵素的に還元されて分子窒素を形成し、浄化廃水AQ−2を生成する。
【0148】
このようにして浄化された廃水AQ−2は、出口1012を通ってユニット101を出て、ラインL−101〜入口1021を通って、凝固/凝集/沈降のためのユニット102へ運ばれ、そこでそれは、工程h)の下で記載されたようにさらに精製され、浄化廃水AQ−3を生成する。
【0149】
このようにして浄化された廃水AQ−3は、出口1022を通ってユニット102を出て、ラインL−102〜入口1031を通って、濾過、限外濾過および逆浸透のためのユニット103へ運ばれ、そこでそれは、工程h)の下で記載されたようにさらに精製され、浄化廃水AQ−EXを生成する。
【0150】
濾過/限外濾過/逆浸透のためのユニット103の出口1032から出てくる浄化廃水AQ−EXは今や、それが元々含有した不純物の小フラクションを含有するにすぎない。浄化廃水AQ−EXはそれ故、廃水下水道を通って廃水システムへ配送することができるか、または容器中に一時的に貯蔵し、その後水を必要とするプロセス工程の1つにそのうちに後ほど戻すことができる。
【0151】
本発明の方法およびその中で本発明の方法が行われる本発明の装置で、その結果、高品質で、高収率で、エネルギー効率的に、そしてナイトラスガス、一酸化二窒素、鉄含有化合物および硫黄含有化合物などの望ましくない反応生成物を含有する廃ガスおよび廃水を回避して、硝酸塩を使ったPenniman法によってベンガラ顔料を製造することが可能である。
【符号の説明】
【0152】
酸素含有ガス
AQ−1 ヘマタイト顔料懸濁液の製造からの廃水
AQ−2 廃水AQ−1の生物学的脱窒から得られた浄化廃水
AQ−3 廃水AQ−2の凝固、凝集および/または沈降後に得られた浄化廃水
AQ−4 塩に富む廃水
AQ−EX 浄化廃水
Fe
AQ−Fe(NO 硝酸鉄(II)溶液
P−Fe 顔料
S−Fe ヘマタイト核懸濁液
PAQ−Fe ヘマタイト顔料懸濁液
G−1 浄化廃ガス
G−EX 冷却された浄化廃ガス

HNO 硝酸
L−1〜L−x ライン1〜x
NOX−1 第1窒素酸化物含有流れ(硝酸鉄(II)溶液の製造からの廃ガス)
NOX−2 第2窒素酸化物含有流れ(ヘマタイト核懸濁液の製造からの廃ガス)
NOX−2−OX 酸化された第2窒素酸化物含有流れ(酸化された、ヘマタイト核懸濁液の製造からの廃ガス)
NOX−3 第3窒素酸化物含有流れ(ヘマタイト顔料懸濁液の製造からの廃ガス)
NOX−4 プレ浄化ガス流れ(NOX−1、NOX−2−OXおよびNOX−3のスクラビングから生じる廃ガス)
NOX−5 予熱されたプレ浄化ガス流れ(NOX−4の予熱から生じる廃ガス)
NOX−6 加熱されたプレ浄化ガス流れ(NOX−4またはNOX−5の加熱から生じる廃ガス)
NOX−7 Uに富むNOX−6
OXM 酸化剤
アンモニアまたは尿素
WP 水性洗浄相
WP−1 HNOに富む洗浄相WP
1 硝酸鉄(II)溶液を製造するための反応装置
11 反応容器
12 ミキサー
13 冷却ユニット
111 鉄、HNOおよびHO用の入口
112 NOX−1用の出口
113 硝酸鉄(II)溶液用の出口
2 ヘマタイト核懸濁液を製造するための反応装置
21 反応容器
22 ミキサー
23 冷却ユニット
24 ヒーター
211 鉄、HNOおよびHO用の入口
212 NOX−2用の出口
213 ヘマタイト核懸濁液用の出口
3 ヘマタイト顔料懸濁液を製造するための反応装置
31 反応容器
32 ミキサー
33 ヒーター
34 単離手段
311 硝酸鉄(II)溶液、ヘマタイト核懸濁液、酸素含有ガスおよび水用の入口
312 NOX−3用の出口
313 ヘマタイト顔料懸濁液用の出口
341 ヘマタイト顔料懸濁液用の入口
342 単離アセンブリ
343 ヘマタイト顔料用の出口
344 廃水AQ−1用の出口
4 スクラバー
41 スクラビング塔
42 弁
411 NOX―1、NOX−3および/またはNOX−2−OX用の入口
412 水性洗浄相WP用の入口
413 NOX−4用の出口
414 HNOに富む洗浄相WP−1用の出口
5 酸化ユニット
51 NOX−2用の入口
52 NOX−2−OX用の出口
53 照射ユニット
54 酸化触媒
55 酸化剤用の入口
56 酸化容器
6 スクラバー
61 スクラビング塔
62 弁
611 NOX−1、NOX−3および/またはNOX−2−OX
612 水性洗浄相WP用の入口
613 NOX−4用の出口
614 HNOに富む洗浄相WP−1用の出口
7 熱交換器
71 NOX−4用の入口
72 NOX−5用の出口
73 G−1用の入口
74 G−EX用の出口
8 ヒーター
81 NOX−4またはNOX−5用の入口
82 NOX−6用の出口
83 加熱室
84 加熱素子
9 廃ガス浄化ユニット
91 エバポレーター
92 反応装置
911 NOX−6用の入口
912 U用の入口
913 液体分配器
914 NOX−7用の出口
921 NOX−6またはNOX−7用の入口
922 触媒
923 触媒
924 G−1用の出口
10 廃水浄化ユニット
101 生物学的脱窒のためのユニット
102 凝固/凝集/沈降のためのユニット
103 濾過/限外濾過/逆浸透のためのユニット
1011 AQ−1用の入口
1012 AQ−2用の出口
1021 AQ−2用の入口
1022 AQ−3用の出口
1031 AQ−3用の入口
1032 AQ−EX用の出口
図1
図2
図2a
図3
図4
図5
図6
図7
図7a
図8
図8a
図9
図10
図11
図11a
図11b
図12