【文献】
LG Electronics,Candidate solutions for LAA operation,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #78bis R1-144042,2014年 9月27日,pp.1-6
【文献】
ZTE,Potential design for LAA UL transmission,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #80bis R1-151719,2015年 4月11日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、非ライセンスバンドでLTEを運用する無線通信システム(LTE−U)の運用形態の一例を示している。
図1に示すように、LTEを非ライセンスバンドで用いるシナリオとして、キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)、デュアルコネクティビティ(DC:Dual Connectivity)又はスタンドアローン(SA:Stand Alone)などの複数のシナリオが想定される。
【0016】
図1Aは、ライセンスバンド及び非ライセンスバンドを用いて、キャリアアグリゲーション(CA)を適用するシナリオを示している。CAは、複数の周波数ブロック(コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)、セルとも呼ぶ)を利用して広帯域化する技術である。
【0017】
図1Aに示す例では、ライセンスバンドを利用するマクロセル及び/又はスモールセルと、非ライセンスバンドを利用するスモールセルとがCAを適用する場合を示している。CAが適用される場合、1つの無線基地局のスケジューラが複数のCCのスケジューリングを制御する。このことから、CAは基地局内CA(intra-eNB CA)と呼ばれてもよい。
【0018】
この場合、非ライセンスバンドを利用するスモールセルは、DL伝送専用に用いるキャリアを用いてもよいし(シナリオ1A)、UL伝送及びDL伝送を行うTDDを用いてもよい(シナリオ1B)。なお、ライセンスバンドでは、FDD及び/又はTDDを利用することができる。
【0019】
また、ライセンスバンドと非ライセンスバンドを一つの送受信ポイント(例えば、無線基地局)から送受信する構成(Co-located)とすることができる。この場合、当該送受信ポイントは、ライセンスバンド及び非ライセンスバンドの両方を利用してユーザ端末と通信することができる。あるいは、ライセンスバンドと非ライセンスバンドを異なる送受信ポイント(例えば、一方を無線基地局、他方を無線基地局に接続されるRRH(Remote Radio Head))からそれぞれ送受信する構成(non-co-located)とすることも可能である。
【0020】
図1Bは、ライセンスバンド及び非ライセンスバンドを用いて、デュアルコネクティビティ(DC)を適用するシナリオを示している。DCは、複数のCC(又はセル)を統合して広帯域化する点はCAと同様である。CAでは、CC(又はセル)間がIdeal backhaulで接続され、遅延時間の非常に小さい協調制御が可能であることを前提している。これに対し、DCでは、セル間が遅延時間の無視できないNon−ideal backhaulで接続されるケースを想定している。
【0021】
したがって、デュアルコネクティビティでは、セル間が別々の基地局で運用され、ユーザ端末は異なる基地局で運用される異なる周波数のセル(又はCC)に接続して通信を行う。このため、デュアルコネクティビティが適用される場合、複数のスケジューラが独立して設けられ、当該複数のスケジューラがそれぞれの管轄する1つ以上のセル(CC)のスケジューリングを制御する。このことから、デュアルコネクティビティは基地局間CA(inter-eNB CA)と呼ばれてもよい。なお、デュアルコネクティビティにおいて、独立して設けられるスケジューラ(すなわち基地局)ごとにキャリアアグリゲーション(Intra-eNB CA)を適用してもよい。
【0022】
図1Bに示す例では、ライセンスバンドを利用するマクロセルと、非ライセンスバンドを利用するスモールセルとがDCを適用する場合を示している。この場合、非ライセンスバンドを利用するスモールセルは、DL伝送専用に用いるキャリアを用いることができる(シナリオ2A)。あるいは、UL伝送及びDL伝送を行うTDDを用いてもよい(シナリオ2B)。なお、ライセンスバンドを利用するマクロセルでは、FDD及び/又はTDDを利用することができる。
【0023】
図1Cに示す例では、非ライセンスバンドを用いてLTEを運用するセルが単体で動作するスタンドアローンを適用する場合を示している(シナリオ3)。スタンドアローンとは、CAやDCの適用無しで、端末との通信を実現できることを意味している。シナリオ3では、非ライセンスバンドはTDDバンドで運用することができる。
【0024】
また、上記
図1A、
図1Bに示すCA/DCの運用形態では、例えば、ライセンスバンドCCをプライマリセル(PCell)、アンライセンスバンドCCをセカンダリセル(SCell)として利用することができる。プライマリセル(PCell)とは、CA/DCを行う場合にRRC接続やハンドオーバを管理するセルであり、端末からのデータやフィードバック信号を受信するためにUL伝送も必要となるセルである。プライマリセルは、上下リンクともに常に設定される。セカンダリセル(SCell)とは、CA/DCを適用する際にプライマリセルに加えて設定する他のセルである。セカンダリセルは、下りリンクだけ設定することもできるし、上下リンクを同時に設定することもできる。
【0025】
なお、上記
図1A(CA)や
図1B(DC)に示すように、LTE−Uの運用においてライセンスバンドのLTE(Licensed LTE)があることを前提とした形態を、LAA(Licensed-Assisted Access)又はLAA−LTEとも呼ぶ。LAAでは、ライセンスバンドLTE及びアンライセンスバンドLTEが連携してユーザ端末と通信する。LAAにおいて、ライセンスバンドを利用する送信ポイント(例えば、無線基地局eNB)とアンライセンスバンドを利用する送信ポイントが離れている場合には、バックホールリンク(例えば、光ファイバやX2インタフェース等)で接続することができる。
【0026】
ところで、既存のLTEでは、ライセンスバンドでの運用が前提となっているため、各オペレータに対して異なる周波数帯域が割当てられている。しかし、アンライセンスバンドは、ライセンスバンドと異なり特定の事業者のみの使用に限られない。アンライセンスバンドでLTEを運用する場合、異なるオペレータや非オペレータ間において、同期、協調及び/又は連携などがなされずに運用されることも想定される。この場合、アンライセンスバンドにおいて、複数のオペレータやシステムが同一周波数を共有して利用することとなるため、相互干渉が生じるおそれがある。
【0027】
このため、非ライセンスバンドにおいて運用されるWi−Fiシステムでは、LBT(Listen Before Talk)メカニズムに基づくキャリア検知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA:Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)が採用されている。具体的には、各送信ポイント(TP:Transmission Point)、アクセスポイント(AP:Access Point)、Wi−Fi端末(STA:Station)等が、送信を行う前にリスニング(CCA:Clear Channel Assessment)を実行し、所定レベルを超える信号が存在しない場合にのみ送信を行う方法等が用いられている。所定レベルを超える信号が存在する場合には、ランダムに与えられる待ち時間(バックオフ時間)を設け、その後再びリスニングを行う(
図2参照)。
【0028】
そこで、非ライセンスバンドで運用するLTE/LTE−Aシステム(例えば、LAA)においても、リスニング結果に基づいた送信制御を行うことが検討されている。なお、本明細書において、リスニングとは、無線基地局及び/又はユーザ端末が信号の送信を行う前に、他の送信ポイントから所定レベル(例えば、所定電力)を超える信号が送信されているか否かを検出/測定する動作を指す。また、無線基地局及び/又はユーザ端末が行うリスニングは、LBT(Listen Before Talk)、CCA(Clear Channel Assessment)等とも呼ばれることがある。以下の説明では、ユーザ端末が行うリスニングを単にLBTとも記載する。
【0029】
例えば、無線基地局及び/又はユーザ端末は、非ライセンスバンドセルにおいて信号を送信する前にリスニング(LBT)を行い、他システム(たとえば、Wi−Fi)や他オペレータが通信を行っているか確認する。リスニングの結果、他システムや別のLAAの送信ポイントからの受信信号強度が所定値以下である場合、無線基地局及び/又はユーザ端末は、チャネルがアイドル状態(LBT_idle)であるとみなし、信号の送信を行う。一方で、リスニングの結果、他システムや他のLAAの送信ポイントからの受信信号強度が所定値より大きい場合、チャネルがビジー状態(LBT_busy)であるとみなし、信号の送信を制限する。なお、信号送信の制限としては、DFS(Dynamic Frequency Selection)により別キャリアに遷移する、送信電力制御(TPC)を行う、又は、信号送信を待機(停止)することができる。以下の説明では、信号送信の制限として信号送信を待機(停止)する場合を例に挙げて説明する。
【0030】
このように、非ライセンスバンドで運用するLTE/LTE−Aシステムの通信においてLBTを適用することにより、他のシステムとの干渉等を低減することが可能となる。
【0031】
しかし、LTE/LTE−Aにおいてユーザ端末がLBT結果に基づいてUL送信を制御する場合、LBT動作(例えば、LBTタイミング等)をどのように制御するかが問題となる。
【0032】
LTE/LTE−Aシステム(例えば、ライセンスバンド)において、ユーザ端末は制御信号(例えば、PUCCH)とデータ信号(例えば、PUSCH)に加えて上り参照信号を送信する。上り参照信号として、ユーザ端末は、チャネル品質測定用の参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)を送信することができる。無線基地局は、ユーザ端末から送信されるSRSに基づいてULの品質を測定し、ULの品質に基づいてULスケジューリング等の制御を行うことができる。
【0033】
ユーザ端末が送信するSRSとして、周期的に送信する周期的SRS(Periodic SRS)と、無線基地局からのトリガにより非周期的に送信する非周期的SRS(Aperiodic SRS)がサポートされている。ユーザ端末は、上位レイヤで設定された所定周期に基づいて周期的SRS(P−SRS)の送信を制御する。また、ユーザ端末は、上位レイヤで設定されたSRSパラメータ(例えば、周期等)と、下り制御信号(DCI)で指示されるトリガに基づいて非周期的SRS(A−SRS)の送信を制御する。
【0034】
リスニング結果に基づいてPUSCH、PUCCH及びSRS等のUL信号の送信を制御する場合、どのようにリスニング動作を制御するかが問題となる。例えば、PUSCH及び/又はPUCCHの送信前に加えて、各SRSの送信前にリスニングを実施するように制御することが考えられる。しかし、周期的SRS(P−SRS)が短周期(例えば、2ms)に設定される場合、ユーザ端末はPUSCHやPUCCHの送信を行わなくても短周期でリスニングとSRS送信を繰り返すこととなる。その結果、ユーザ端末における消費電力が増大するおそれがある。
【0035】
一方、無線基地局側でULにおけるLBT結果を把握することが出来ない場合、無線基地局は、設定したSRSがユーザ端末から正しく送信されているか判断することが困難となる。特に、LBT結果がビジー状態(LBT_busy)となる確率は通信環境によって異なるため、無線基地局側でどの程度SRSが正しく送信されるか把握することが困難となる。このようにSRSが所定タイミングで正しく送信されない場合、無線基地局はUL品質測定を適切に行うことが出来なくなるおそれがある。
【0036】
そこで、本発明者等は、ユーザ端末が他の送信ポイントから送信される信号の検出/測定結果に基づいてUL送信を制御する場合に、リスニング動作(例えば、タイミング)及び/又はUL参照信号の送信動作を制御することを着想した。例えば、ユーザ端末は、上りデータ(PUSCH)及び/又は上り制御信号(PUCCH)の送信有無に応じて、上り参照信号(例えば、SRS)のリスニング動作及び/又は送信動作を制御する。
【0037】
本実施の形態の一態様として、PUSCH及び/又はPUCCH(以下、「PUSCH/PUCCH」とも記す)を送信する前、又はSRSを送信する前にLBTタイミングを設ける。また、SRSを送信するサブフレームにおいてPUSCH/PUCCHが送信されない場合、SRS送信用にLBTを行う。さらに、SRSを送信するサブフレームにおいてPUSCH/PUCCHが送信される場合、PUSCH/PUCCH送信用のLBTとSRS送信用のLBTを共有する。なお、PUSCH/PUCCH送信用のLBTタイミングとSRS用のLBTタイミングは、各サブフレームの同じ期間に設定してもよいし、異なる期間に設定してもよい。
【0038】
他の態様として、ユーザ端末は、SRSを送信するサブフレームにおいてPUSCH/PUCCHが送信される場合にSRSの送信を行い、PUSCH及びPUCCHが送信されないサブフレームにおいてSRSの送信を制限することができる。
【0039】
また、SRSを送信するサブフレーム(n)においてPUSCH及びPUCCHが送信されない場合であっても、次サブフレーム(n+1)においてPUSCH/PUCCHが送信される場合はSRSを送信するように制御することができる。この場合、次サブフレーム(n+1)で送信されるPUSCH/PUCCHの送信前に行うLBTと、サブフレーム(n)の最終シンボルに多重されるSRSのLBTを共有して行うことができる。
【0040】
以下に本実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では上り参照信号としてSRSを例に挙げて説明するが、本実施の形態はこれに限られない。また、以下の説明では、ライセンスバンドはLBTが設定されないキャリア、非ライセンスバンドはLBTが設定されるキャリアとして説明するが、本実施の形態はこれに限られない。例えば、ライセンスバンドをLBTが設定されるキャリアとしてもよい。つまり、本実施の形態は、LBTが設定されるキャリアであれば、ライセンスバンド又は非ライセンスバンドに関わらず適用することができる。
【0041】
(第1の態様)
第1の態様では、ULにおけるリスニング(LBT)タイミングをPUSCH/PUCCH送信と、SRS送信を考慮して制御する場合について説明する。
【0042】
図3に第1の態様におけるLBTのタイミングの一例を示す。
図3では、PUSCH/PUCCH送信の直前、又はSRS送信の直前でLBTを行う場合を示している。なお、ここでPUSCH/PUCCH送信の直前とは、PUSCH/PUCCHが割当てられる領域より前の領域(シンボル)を指す。例えば、PUSCH/PUCCHが割当てられるシンボルの一つ前のシンボルを少なくとも含む領域とすることができる。PUSCH/PUCCHが割当てられる領域より前の領域(シンボル)はPUSCH/PUCCHが割当てられるサブフレームと同じであってもよいし、一つ前のサブフレームであってもよい。SRS送信の直前も同様である。
【0043】
例えば、PUSCH/PUCCHを送信しSRSは送信しない場合、当該PUSCH/PUCCH送信を行う前(第1のタイミング)にLBTを実施する。この場合、PUSCH/PUCCHを送信するサブフレームの先頭領域(例えば、先頭シンボルを少なくとも含む領域)を用いてLBTを実施することができる。あるいは、PUSCH/PUCCHを送信するサブフレームより一つ前のサブフレームの末端領域(例えば、最終シンボルを少なくとも含む領域)を用いてLBTを実施してもよい。リスニングの結果、他の送信ポイントからの信号が検出されない場合(例えば、受信電力が所定値以下の場合)、ユーザ端末はPUSCH/PUCCHを送信する。
【0044】
また、PUSCH及びPUCCHの送信を行わず、SRSのみを送信するサブフレームでは、SRSの送信を行う前(第2のタイミング)にLBTを実施する。この場合、SRSが割当てられるシンボルの直前シンボルを含む領域を用いてLBTを実施することができる。リスニングの結果、他の送信ポイントからの信号が検出されない場合、ユーザ端末はSRSを送信する。
【0045】
また、PUSCH/PUCCHと、SRSとを送信するサブフレームでは、当該PUSCH/PUCCHの送信を行う前(第1のタイミング)にLBTを実施する。この場合、LBTのタイミングは、PUSCH/PUCCHを送信しSRSは送信しない場合と同一とすることができる。つまり、PUSCH/PUCCH送信用のLBTとSRS送信用のLBTを共有して(1回で)行うことが出来るため、LBT回数を低減することができる。
【0046】
このように、SRSが送信されるサブフレームにおいてPUSCH/PUCCHの送信を考慮してLBT動作(LBTタイミング等)を制御することにより、ULにおけるLBT回数を抑制することができる。これによりユーザ端末が受信(LBT)と送信を繰り返す回数または頻度を減らし、ユーザ端末のバッテリー消費や、LBT_busyを検出して通信に遅延が生じる確率を低減することができる。
【0047】
なお、複数のサブフレームにわたってUL信号を連続して送信する場合、当該連続送信の前(例えば、連続送信を行う直前)にLBTを1回行う構成としてもよい。例えば、PUSCH/PUCCHを送信するサブフレームより一つ前のサブフレームにおいて、SRSのみ送信する場合、当該SRSの送信を行う前(第2のタイミング)にLBTを実施することができる。この場合もPUSCH/PUCCH送信用のLBTとSRS送信用のLBTを共有して(1回で)行うことが出来るため、LBT回数を低減することができる。
【0048】
(第2の態様)
第1の態様では、PUSCH及びPUCCHを送信せずにSRSを送信するサブフレームにおいてSRSの送信前(第2のタイミング)でLBTを行う場合を示した。第2の態様では、LBTを行うサブフレームにおいて、PUSCH/PUCCH送信用のLBTタイミング(第1のタイミング)と、SRS送信用のLBTタイミング(第2のタイミング)とを同一に設定する場合について説明する。
【0049】
図4に第2の態様におけるLBTのタイミングの一例を示す。
図4では、PUSCH/PUCCHを送信しSRSを送信しない場合、SRSを送信しPUSCH及びPUCCHを送信しない場合、及び、PUSCH/PUCCHとSRSを送信する場合において、同じタイミングでLBTを実施する場合を示している。同じタイミングとは、同一の周期・時間オフセットで特定される領域を用いてLBTを行うことを指す。
【0050】
例えば、SRSのみを送信する場合も、PUSCH/PUCCHを送信する場合に実施するLBTタイミング(例えば、割当てられるサブフレームの直前)と同一とする。この場合、UL信号の送信種別に関わらず、サブフレームにおけるLBTタイミングを一つに設定することができる。これにより、ユーザ端末がLBTを行う場合に、当該LBT処理を簡略化することが可能となる。なお、
図4では、あるサブフレームにおいてPUSCH及びPUCCHを送信せずにSRSのみ送信する場合には、LBTからSRS送信までの間にUL送信を行わない期間が生じる。
【0051】
また、複数のサブフレームに渡ってUL信号を連続して送信する場合、当該連続送信の前(例えば、連続送信を行う直前サブフレームの所定領域)に複数サブフレームのUL信号送信用のLBTを共有して行うことができる。
【0052】
このように、SRSが送信されるサブフレームにおいてPUSCH/PUCCHの送信を考慮してLBT動作を制御すると共に、サブフレームにおけるLBTタイミングを同一とすることにより、LBT回数を抑制すると共にLBT動作を簡略化することができる。
【0053】
(第3の態様)
第3の態様では、リスニング結果に基づいてUL送信を制御する場合に、UL参照信号(例えば、SRS)の送信を所定サブフレームに制限する場合について説明する。
【0054】
第3の態様におけるUL参照信号の送信制御方法の一例を
図5A示す。ユーザ端末は、上り参照信号(例えば、SRS)の送信を、PUSCH/PUCCHが送信されるサブフレームと同一サブフレームに制限する。つまり、ユーザ端末は、PUSCH/PUCCHが送信されるサブフレームにおいてのみSRSの送信を行う。
【0055】
この場合、ユーザ端末は、PUSCH/PUCCHが送信される前にLBTを行い、当該LBTの結果に基づいてPUSCH、PUCCH及びSRSの送信を制御する。つまり、同一サブフレームで送信するPUSCH、PUCCH及びSRS用のLBTを共用して(1回で)行うことができる。また、SRSの送信をPUSCH/PUCCH送信に応じて制御することにより、SRS送信用のみのLBTを省略することができる。
【0056】
なお、LBTのタイミングは、PUSCH/PUCCHの送信に基づいて行うことができる。具体的には、上記第1の態様におけるPUSCH/PUCCH送信用のLBTタイミング(第1のタイミング)、上記第2の態様におけるLBTタイミングを適用することができる。
【0057】
また、無線基地局は、ULにおけるSRS送信を既存のLTE/LTE−A(例えば、ライセンスバンド)と同様に設定・トリガ(Configure/Trigger)することができる。但し、ユーザ端末は、SRSが設定されている場合であっても、所定条件に基づいてSRSの送信又は非送信(Drop)を制御する。例えば、ULにおけるリスニング結果がLBT_idle、UL送信を行うサブフレームにPUSCH/PUCCH送信が存在し、且つ当該サブフレームでSRSの送信がある(トリガされている)場合に、ユーザ端末はSRSの送信を行うことができる。
【0058】
また、複数のサブフレームに渡ってPUSCH/PUCCHを連続して送信する場合、当該連続送信の前(例えば、連続送信を行う直前)にLBTを1回行う構成としてもよい。なお、
図5Aでは、各UL送信(連続する場合には先頭のUL送信)の前にLBTを行う場合を示しているが、本実施の形態はこれに限られない。ULにおけるLBTの結果がLBT_idleである場合、所定期間(バースト期間とも呼ぶ)に渡ってUL信号の送信を許容してもよい。この場合、バースト期間であればPUSCH及び/又はPUCCHが送信されないサブフレームにおいてSRSのみ送信する構成としてもよい。
【0059】
このように、PUSCH/PUCCHの送信有無に基づいてSRSの送信を限定/制限することにより、ULにおけるLBT回数を抑制すると共にLBT動作を簡略化することができる。
【0060】
また、PUSHC/PUCCH送信とSRS送信用のLBTタイミングを同一とする場合に、PUSCH/PUCCHの送信有無に基づいてSRSの送信を限定/制限することにより、LBTからSRS送信までの空白期間が生じることを抑制できる。これにより、LBTからSRS送信までの空白期間に他の送信ポイント(例えば、Wi−Fi等)で発生した信号と衝突すること(
図5B参照)を抑制することができる。
【0061】
また、無線基地局は、PUSCH/PUCCHの検出結果に基づいて、ユーザ端末から送信されるSRSがドロップされたか、あるいは正しく送信されたかを判断することができる。また、第3の態様を適用することにより、トラフィックが多いセル程適切にSRSを送信することが可能となり、より正確なリンクアダプテーション(Link adaptation)を行うことができる。
【0062】
<変形例>
なお、
図5Aでは、SRSの送信を同一セル・サブフレームでPUSCH/PUCCHが存在する場合に制限する例を示したが、これに限られない。例えば、PUSCH/PUCCHが送信されるサブフレーム(n)の一つ前のサブフレーム(n−1)のサブフレームでSRSが設定される場合に当該SRSを送信可能としてもよい。つまり、PUSCH/PUCCHが送信されないサブフレームであっても、次サブフレームでPUSCH/PUCCHが送信される場合には、SRSのみ送信することも可能である(
図6参照)。
【0063】
例えば、ULにおけるリスニング結果がLBT_idle、LBTタイミングでSRSの送信があり(トリガされており)、且つ直後のサブフレームにPUSCH/PUCCH送信がある場合、ユーザ端末はSRSの送信を行う。この場合、ユーザ端末は、サブフレーム(n−1)で送信するSRSと、次サブフレーム(n)で送信するPUSCH/PUCCHに対してLBTを共有して(1回で)行うことができる。
【0064】
<動作手順>
第3の態様における動作手順の一例を説明する。
【0065】
無線基地局は、ULでリスニング動作を行うユーザ端末(例えば、非ライセンスバンドに接続するユーザ端末)に対して、周期的SRS及び/又は非周期的SRSを設定する。つまり、LAAシステムを利用するユーザ端末は、非ライセンスバンドにおいても既存LTE/LTE−A(例えば、ライセンスバンド)と同様に周期的SRS及び/又は非周期的SRSが設定される。なお、無線基地局は、周期的SRS及び/又は非周期的SRSの設定を非ライセンスバンドに限られず、ライセンスバンドを利用して設定してもよい。
【0066】
ユーザ端末は、LBT動作が要求されるCC(又は非ライセンスバンドCC)において、LBTの結果に基づいてUL送信を制御する。具体的には、LBT結果がLBT_idleである場合に、ユーザ端末はPUSCH及び/又はPUCCHを送信する。
【0067】
また、ユーザ端末は、LBT結果がLBT_idleであった時のPUSCH及び/PUCCHの送信タイミング(例えば、送信サブフレーム)においてSRSが設定されている場合に、当該SRSの送信を行う。
【0068】
それ以外の場合(例えば、LBT結果がLBT_busyである場合、PUSCH及び/又はPUCCHの送信がない場合)、ユーザ端末はSRSの送信を行わない(ドロップする)ように制御する。これにより、PUSCH及び/又はPUCCH送信とSRS送信用に行うLBTを1回とすることが出来ると共に、無線基地局は、PUSCH及び/又はPUCCHの検出結果に基づいて、ユーザ端末から送信されるSRSがドロップされたか、あるいは正しく送信されたかを判断することができる。
【0069】
なお、ユーザ端末は、LBT結果がLBT_idleであった時のPUSCH及び/PUCCHの送信タイミング(例えば、送信サブフレーム)の直前のサブフレームにおいてSRSが設定されている場合に、当該SRSの送信を行ってもよい。
【0070】
(第4の態様)
第4の態様では、SRSをLBTが不要(LBT-exempt)となる長周期で送信する場合について説明する。
【0071】
LBTが要求されるシステムでは、送信周期が所定以下の信号に対してLBT結果に基づく送信制御が要求される。その一方で、送信周期が長周期(例えば、20ms以上)の信号に対してはLBTを不要(LBT-exempt)として制御することも想定される。
【0072】
したがって、第4の態様では、SRSの送信をLBTが不要となる長周期(例えば、20ms周期)で制御する(
図7参照)。これにより、SRS送信のDuty cycleを下げて、SRSをLBT非適用送信とすることができる。この場合、無線基地局及び/又はユーザ端末は、LBT動作が要求されるCC(又は非ライセンスバンドCC)において、SRSの送信を長周期(例えば、20ms以上の周期)に設定して制御することができる。
【0073】
なお、第4の態様を他の態様(第1〜第3の態様)と組み合わせて適用してもよい。この場合、LBT非適用となる長周期のSRSと、LBTを適用する周期的SRS及び/又は非周期的SRSとを組み合わせて利用することができる。
【0074】
(無線通信システムの構成)
以下、本実施の形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上記第1の態様〜第4の態様に係る無線通信方法が適用される。なお、上記第1の態様〜第4の態様に係る構成は、それぞれ単独で適用してもよいし、組み合わせて適用してもよい。
【0075】
図8は、本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成図である。なお、
図8に示す無線通信システムは、例えば、LTEシステム或いは、SUPER 3Gが包含されるシステムである。この無線通信システムでは、LTEシステムのシステム帯域幅を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。また、
図8に示す無線通信システムは、ライセンスバンドと非ライセンスバンド(LTE−U基地局)を有している。なお、この無線通信システムは、IMT−Advancedと呼ばれても良いし、4G、5G、FRA(Future Radio Access)と呼ばれても良い。
【0076】
図8に示す無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12a〜12cとを備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。例えば、マクロセルC1をライセンスバンドで利用し、スモールセルC2の少なくとも一つを非ライセンスバンド(LTE−U)で利用する形態が考えられる。また、マクロセルに加えてスモールセルC2の一部をライセンスバンドで利用し、他のスモールセルC2を非ライセンスバンドで利用する形態も考えられる。
【0077】
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、異なる周波数を用いるマクロセルC1とスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することができる。この場合、ライセンスバンドを利用する無線基地局11からユーザ端末20に対して、非ライセンスバンドを利用する無線基地局12に関する情報(アシスト情報)を送信することができる。また、ライセンスバンドと非ライセンスバンドでCAを行う場合、一つの無線基地局(例えば、無線基地局11)がライセンスバンドセル及び非ライセンスバンドセルのスケジューリングを制御する構成とすることも可能である。
【0078】
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrier等と呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHz等)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。無線基地局11と無線基地局12(又は、無線基地局12間)間は、有線接続(Optical fiber、X2インタフェース等)又は無線接続した構成とすることができる。
【0079】
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)等が含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
【0080】
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、eNodeB、マクロ基地局、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、Home eNodeB、RRH(Remote Radio Head)、マイクロ基地局、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでよい。
【0081】
無線通信システムにおいては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
【0082】
ここで、
図8に示す無線通信システムで用いられる通信チャネルについて説明する。下りリンクの通信チャネルは、各ユーザ端末20で共有されるPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)と、下りL1/L2制御チャネル(PCFICH、PHICH、PDCCH、拡張PDCCH)とを有する。PDSCHにより、ユーザデータ及び上位制御情報が伝送される。PDCCH(Physical Downlink Control Channel)により、PDSCHおよびPUSCHのスケジューリング情報等が伝送される。PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)により、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)により、PUSCHに対するHARQのACK/NACKが伝送される。また、拡張PDCCH(EPDCCH)により、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報等が伝送されてもよい。このEPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重される。
【0083】
上りリンクの通信チャネルは、各ユーザ端末20で共有される上りデータチャネルとしてのPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)と、上りリンクの制御チャネルであるPUCCH(Physical Uplink Control Channel)とを有する。このPUSCHにより、ユーザデータや上位制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクのチャネル状態情報(CSI)、送達確認信号(HARQ-ACK、A/N、又はACK/NACKとも呼ぶ)、スケジューリング要求(SR)等が伝送される。なお、チャネル状態情報には、無線品質情報(CQI)、プリコーディングマトリクス指標(PMI)、ランク指標(RI)等が含まれる。
【0084】
図9は、本実施の形態に係る無線基地局10(無線基地局11及び12を含む)の全体構成図である。無線基地局10は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103(送信部/受信部)と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インタフェース106とを備えている。
【0085】
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インタフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
【0086】
ベースバンド信号処理部104では、PDCPレイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御、例えば、HARQの送信処理、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理が行われて各送受信部103に転送される。また、下りリンクの制御チャネルの信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換等の送信処理が行われて、各送受信部103に転送される。
【0087】
また、ベースバンド信号処理部104は、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、報知情報等)により、ユーザ端末20に対して、当該セルにおける通信のための制御情報(システム情報)を通知する。当該セルにおける通信のための情報には、例えば、上りリンク又は下りリンクにおけるシステム帯域幅等が含まれる。また、ユーザ端末に対して、周期的SRSのパラメータ及び/又は非周期的SRSのパラメータに関する情報を上位レイヤシグナリングで通知してもよい。
【0088】
また、無線基地局10の送受信部103からユーザ端末に対して、リスニング(LBT)に関する情報(例えば、LBTサブフレーム、LBTシンボル、LBT周期のうちの一部又は全部)を送信することができる。また、TDDにおいてLBTを適用する場合、無線基地局10は、LBTに関する情報に加えて、UL/DL構成(又はHARQ-ACKタイミングを定めるUL/DL構成(DL-reference UL/DL configuration))に関する情報をユーザ端末に送信する。例えば、無線基地局10は、これらの情報を、ライセンスバンド及び/又は非ライセンスバンドを介してユーザ端末に通知する。また、無線基地局10は、LBT結果がLBT_idleである場合に、LBT_idleを通知する参照信号(DL−BRS)を送信してもよい。
【0089】
各送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。アンプ部102は、周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ101により送信する。なお、送受信部(送信部/受信部)103は、本発明に係る技術分野で用いられるトランスミッター/レシーバー、送受信回路(送信回路/受信回路)又は送受信装置(送信装置/受信装置)とすることができる。
【0090】
一方、上りリンクによりユーザ端末20から無線基地局10に送信されるデータについては、各送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部102で増幅され、各送受信部103で周波数変換されてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部104に入力される。
【0091】
ベースバンド信号処理部104では、入力されたベースバンド信号に含まれるユーザデータに対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インタフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
【0092】
図10は、本実施の形態に係る無線基地局10が有するベースバンド信号処理部104の主な機能構成図である。なお、
図10では、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
【0093】
図10に示すように、無線基地局10は、測定部301と、UL信号受信処理部302と、制御部(スケジューラ)303と、DL信号生成部304と、マッピング部(割当て制御部)305と、を有している。
【0094】
測定部301(検出部)は、非ライセンスバンドにおいて他の送信ポイント(AP/TP)から送信される信号の検出/測定(LBT)を行う。具体的に、測定部301は、DL信号を送信する前等の所定タイミングで他の送信ポイントから送信される信号の検出/測定を行い、当該検出/測定の結果(LBT結果)を制御部303に出力する。例えば、測定部301は、検出した信号の電力レベルが所定の閾値以上であるか否かを判断して、当該判断結果(LBT結果)を制御部303に通知する。
【0095】
また、測定部301は、DLにおけるリスニングだけでなく、ULにおけるリスニングを行うことも可能である。ユーザ端末側でULにおけるリスニングを行う場合には、測定部301はDLにおけるリスニングのみ行えばよい。なお、測定部301は、本発明に係る技術分野で用いられる測定器又は測定回路とすることができる。
【0096】
UL信号受信処理部302は、ユーザ端末から送信されるUL信号(PUCCH、PUSCH、参照信号(SRS)等)に対して受信処理(例えば、複合処理や復調処理等)を行う。UL信号受信処理部302で取得した情報(例えば、上りリンクにおけるチャネル品質等)は制御部303に出力される。なお、UL信号受信処理部302は、本発明に係る技術分野で用いられる信号処理器又は信号処理回路とすることができる。
【0097】
制御部(スケジューラ)303は、PDSCHで送信される下りデータ信号、PDCCH及び/又は拡張PDCCH(EPDCCH)で伝送される下り制御信号(UL grant/DL assignment)の無線リソースへの割当て(送信タイミング)を制御する。また、制御部303は、システム情報(PBCH)、同期信号(PSS/SSS)、下り参照信号(CRS、CSI−RS等)の割当て(送信タイミング)の制御も行う。なお、制御部303は、本発明に係る技術分野で用いられるコントローラ、スケジューラ、制御回路又は制御装置とすることができる。
【0098】
制御部303は、測定部301から出力されるLBT結果に基づいて、非ライセンスバンドにおけるDL信号の送信を制御する。また、制御部303は、ユーザ端末から送信される上り品質測定用の参照信号(SRS)に基づいてULのスケジューリングを制御する。また、制御部303は、ユーザ端末から送信される参照信号に基づいて、PDCCHの割当てにおいて各端末に割り当てるCCE/ECCE数(アグリゲーションレベル)や符号化率等を決定することができる。
【0099】
ユーザ端末からフィードバックされる上り参照信号(SRS)は、ULにおけるLBT結果等に基づいて送信が制御されている。例えば、PUSCH/PUCCH送信の直前、又はSRS送信の直前にリスニングを行うことができる(
図3参照)。また、PUSCH/PUCCH送信の直前、又はSRS送信に対して1つの周期・時間オフセットを用いてリスニングを行うことができる(
図4参照)。
【0100】
また、SRSが同一セル・サブフレームでPUSCH/PUCCHの送信がある場合のみ、ユーザ端末からSRSが送信されると仮定して制御することができる(
図5A参照)。あるいは、SRSが送信されるサブフレームの次サブフレームでPUSCH/PUCCHの送信がある場合にユーザ端末からSRSが送信されると仮定して制御することができる(
図6参照)。あるいは、LBTが不要となる長周期においてユーザ端末からSRSが送信されると仮定して制御することができる(
図7参照)。
【0101】
DL信号生成部304は、制御部303からの指示に基づいてDL信号を生成する。DL信号としては、DL制御信号(PDCCH信号、EPDCCH信号、PSS/SSS信号、PBCH信号等)、下りデータ信号(PDSCH信号)、下り参照信号(CRS、CSI−RS、DM−RS等)等が挙げられる。また、DL信号生成部304は、DL−LBT結果がLBT_idleである場合にDL−BRSを生成してもよい。なお、DL信号生成部304は、本発明に係る技術分野で用いられる信号生成器又は信号生成回路とすることができる。
【0102】
また、マッピング部(割当て制御部)305は、制御部303からの指示に基づいて、DL信号のマッピング(割当て)を制御する。具体的に、マッピング部305は、測定部301から出力されるLBT結果によりDL信号が送信可能であると判断された場合、DL信号の割当てを行う。なお、マッピング部305は、本発明に係る技術分野で用いられるマッピング回路又はマッパーとすることができる。
【0103】
図11は、本実施の形態に係るユーザ端末20の全体構成図である。ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203(送信部/受信部)と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205とを備えている。
【0104】
下りリンクのデータについては、複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部202で増幅され、送受信部203で周波数変換されてベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部204でFFT処理や、誤り訂正復号、再送制御(Hybrid ARQ)の受信処理等がなされる。この下りリンクのデータの内、下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理等を行う。また、下りリンクのデータの内、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
【0105】
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御(Hybrid ARQ)の送信処理や、チャネル符号化、プリコーディング、DFT処理、IFFT処理等が行われて各送受信部203に転送される。
【0106】
送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。その後、アンプ部202は、周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ201により送信する。また、UL−LBT結果がLBT_idleである場合、送受信部203はUL−BRSを送信することも可能である。なお、送受信部(送信部/受信部)203は、本発明に係る技術分野で用いられるトランスミッター/レシーバー、送受信回路(送信回路/受信回路)又は送受信装置(送信装置/受信装置)とすることができる。
【0107】
図12は、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204の主な機能構成図である。なお、
図12においては、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
【0108】
図12に示すように、ユーザ端末20は、測定部401(検出部)と、DL信号受信処理部402と、UL送信制御部403(制御部)と、UL信号生成部404と、マッピング部405と、を有している。なお、UL伝送におけるLBTを無線基地局側で行う場合には、測定部401を省略することができる。
【0109】
測定部401は、ULにおいて他の送信ポイント(AP/TP)から送信される信号の検出/測定(LBT)を行う。具体的に、測定部401は、UL信号を送信する直前等の所定タイミングで他の送信ポイントからの信号の検出/測定を行い、当該検出/測定結果(LBT結果)をUL送信制御部403に出力する。例えば、測定部401は、検出した信号の受信電力レベルが所定の閾値より大きいか否かを判断して、当該判断結果(LBT結果)をUL送信制御部403に通知する。なお、測定部401は、本発明に係る技術分野で用いられる測定器又は測定回路とすることができる。
【0110】
例えば、測定部401は、PUSCH/PUCCH送信の直前、又はSRS送信の直前にリスニングを行うことができる(
図3参照)。また、測定部401は、PUSCH/PUCCH送信の直前、又はSRS送信に対して1つの周期・時間オフセットを用いてリスニングを行うことができる(
図4参照)。
【0111】
具体的には、測定部401は、PUSCH/PUCCHの送信を行わないサブフレームでSRSの送信が設定される場合、当該SRS送信前の所定タイミングでリスニングを実施する。所定タイミングとしては、SRSが配置される直前のタイミング(SRSが配置されるシンボルの一つ前のシンボルを含むタイミング)、又はPUSCH/PUCCHの送信を行う場合に実施するリスニングタイミングと同じタイミングとすることができる。
【0112】
DL信号受信処理部402は、ライセンスバンド又は非ライセンスバンドで送信されるDL信号に対する受信処理(例えば、復号処理や復調処理等)を行う。例えば、DL信号受信処理部402は、下り制御信号(例えば、DCIフォーマット0、4)に含まれるULグラントを取得してUL送信制御部403に出力する。
【0113】
また、DL信号受信処理部402は、下り制御信号に含まれる非周期的SRS(A−SRS)のトリガ情報を検出した場合、UL送信制御部403に出力する。なお、DL信号受信処理部402は、本発明に係る技術分野で用いられる信号処理器又は信号処理回路とすることができる。
【0114】
UL送信制御部403は、ライセンスバンドと非ライセンスバンド(又は、LBT設定キャリアとLBT非設定キャリア)において、無線基地局に対するUL信号(ULデータ、UL制御信号、参照信号等)の送信を制御する。また、UL送信制御部403は、測定部401からの検出/測定結果(LBT結果)に基づいて、非ライセンスバンドにおける送信を制御することができる。つまり、UL送信制御部403は、無線基地局から送信されるUL送信指示(ULグラント)と、測定部401からの検出結果(LBT結果)を考慮して、非ライセンスバンドにおけるUL信号の送信を制御する。
【0115】
また、PUSCH/PUCCHの送信を行わないサブフレームでSRSの送信が設定される場合、UL送信制御部403は、当該サブフレームにおけるSRSの送信を行わないように制御することができる。また、UL送信制御部403は、リスニング結果に基づいてPUSCH/PUCCHを送信するサブフレームにおいてSRSが設定されている場合に当該SRSを送信するよう制御することができる(
図5A参照)。
【0116】
また、PUSCH/PUCCHの送信を行わないサブフレームでSRSの送信が設定され、且つ当該サブフレームの次サブフレームでPUSCH/PUCCHの送信を行う場合、UL送信制御部403は、LBT結果に基づいてSRSの送信を制御することができる(
図6参照)。また、SRSを所定周期(例えば、20ms)以上の長周期で送信する場合、UL送信制御部403は、リスニング結果に関わらずSRSを送信するように制御することができる(
図7参照)。
【0117】
UL信号生成部404は、UL送信制御部403からの指示に基づいてUL信号を生成する。UL信号としては、UL制御信号(PUCCH信号、PRACH信号等)、ULデータ信号(PUSCH信号)、参照信号(SRS、DM−RS等)等が挙げられる。また、UL−LBT結果がLBT_idleである場合、UL信号生成部404はUL−BRSを生成してもよい。なお、UL信号生成部404は、本発明に係る技術分野で用いられる信号生成器又は信号生成回路とすることができる。
【0118】
また、マッピング部(割当て制御部)405は、UL送信制御部403からの指示に基づいて、UL信号のマッピング(割当て)を制御する。具体的に、マッピング部405は、測定部401から出力されるLBT結果によりUL信号が送信可能であると判断された場合、UL信号の割当てを行う。なお、マッピング部405は、本発明に係る技術分野で用いられるマッピング回路又はマッパーとすることができる。
【0119】
なお、上述した説明では、非ライセンスバンドセルがLBTの結果に応じてDL信号の送信可否を制御する場合を主に示したが本実施の形態はこれに限られない。例えば、LBTの結果に応じて、DFS(Dynamic Frequency Selection)により別キャリアに遷移する、又は送信電力制御(TPC)を行う場合であっても適用することができる。
【0120】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。例えば、上述した複数の態様を適宜組み合わせて適用することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0121】
本出願は、2014年11月6日出願の特願2014−225677に基づく。この内容は、全てここに含めておく。