(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガス流モジュールは、実質的に前記プリントヘッドの前記底面と前記基板との間の中間点における前記間隙の領域中で約0.25m/秒〜約1.5m/秒の速度においてガス流を提供するように構成される、請求項1に記載のシステム。
前記ガス流モジュールは、前記プリントヘッドの長さに沿って20%以内の一様性を有する速度においてガス流を提供するように構成される、請求項1に記載のシステム。
前記プリントヘッドに対する前記基板の運動の方向に対して垂直な方向における前記ガス流モジュールの幅は、前記プリントヘッドに対する前記基板の運動の方向に対して垂直な方向における前記プリントヘッドの幅よりも大きい、請求項1に記載のシステム。
前記プリントバーは、前記プリントバーの縁と最外プリントヘッドを受容するように構成される前記プリントバー上の場所との間に非印刷領域を含む、請求項26に記載のシステム。
前記ガス流モジュールは、前記プリントバーの長さに沿って20%以内の一様性を有する速度においてガス流を提供するように構成される、請求項26に記載のシステム。
前記プリントヘッドに対する前記基板の運動の方向に対して垂直な方向における前記ガス流モジュールの幅は、前記プリントヘッドに対する前記基板の運動の方向に対して垂直な方向における前記プリントバーの幅よりも大きい、請求項26に記載のシステム。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一般的側面では、システムは、プリントヘッドの底面に形成される複数のノズルを含む、プリントヘッドを含む。ノズルは、基板上に液体を放出するように構成される。本システムは、プリントヘッドに対する基板の運動に対応する方向にプリントヘッドの底面と基板との間の間隙を通してガス流を提供するように構成される、ガス流モジュールを含む。
【0004】
実施形態は、以下の特徴のうちの1つまたはそれを上回るものを含むことができる。
【0005】
ガス流モジュールは、間隙にガスを注入するように構成される、1つまたはそれを上回るガスノズルを含む。ある場合には、1つまたはそれを上回るガス流ノズルは、ノズルと交互配置される。ある場合には、1つまたはそれを上回るガス流ノズルは、伸長ノズルを含む。ある場合には、伸長ノズルは、ノズルプレートに対して約0〜45°または基板の運動の方向と垂直である方向に対して約45〜90°の角度で配置される。ある場合には、伸長ノズルの幅は、約1〜8mmである。ある場合には、各伸長ノズルは、プリントヘッドの底面に形成されるノズルの列と実質的に平行に配列される。ある場合には、ガス流ノズルのうちの少なくとも1つは、複数の孔を含む。
【0006】
ガス流モジュールは、第1のガス流モジュールである。本システムは、第2のガス流モジュールを含む。第1のガス流モジュールは、第1の方向に間隙を通してガス流を提供するように構成され、第2のガス流モジュールは、第1の方向と反対の第2の方向に間隙を通してガス流を提供するように構成される。本システムは、第1のガス流モジュールが間隙を通してガス流を提供することを可能にするように構成される、第1の弁と、第2のガス流モジュールが間隙を通してガス流を提供することを可能にするように構成される、第2の弁とを含む。第1のガス流モジュールは、プリントヘッドの第1の側面上に位置付けられ、吸引を間隙に印加するように構成される、第1の吸引モジュールを含む。第2のガス流モジュールは、第1の側面と反対のプリントヘッドの第2の側面上に位置付けられ、吸引を間隙に印加するように構成される、第2の吸引モジュールを含む。
【0007】
ガス流モジュールは、ノズルが基板上に液体を放出する方向に実質的に対応する方向にガス流を提供するように位置付けられる。
【0008】
ガス流モジュールは、複数のプリントヘッドのそれぞれのためのガス流を提供するように構成される。
【0009】
ガス流モジュールは、ガス源からガスを受容するように構成されるコネクタを含む。
【0010】
ガス流モジュールは、間隙を通して低密度ガス流を提供するように構成される。ある場合には、低密度ガスは、ヘリウムを含む。
【0011】
ガス流モジュールは、ノズルの上流に位置付けられる。
【0012】
ガス流モジュールは、吸引を間隙に印加するように構成される。
【0013】
ガス流モジュールは、ノズルの下流に位置付けられる。ある場合には、ガス流モジュールは、ガス流モジュールを通したガス流路が間隙を通したガス流路より低いように位置付けられる。ある場合には、ガス流モジュールは、プリントヘッドの底面より幅が広い。ある場合には、間隙の外側縁は、プリントヘッドの少なくとも一部に沿って密閉される。
【0014】
ガス流モジュールは、ノズルの上流に位置付けられる、第1のガス流モジュールである。本システムは、ノズルの下流に位置付けられる、第2のガス流モジュールを含む。
【0015】
第1のガス流モジュールは、間隙にガスを注入するように構成される、第1のガス流モジュールである。本システムは、吸引を間隙に印加するように構成される、第2のガス流モジュールを含む。
【0016】
プリントヘッドの底面と基板との間の間隙は、少なくとも約5mm等の少なくとも約3mmである。
【0017】
本システムは、間隙への入口に配置される入口バッフルもしくは間隙からの出口に配置される出口バッフルのうちの1つまたはそれを上回るものを含む。ある場合には、入口バッフル、出口バッフル、または両方の長さは、プリントヘッドの底面と基板との間の間隙の高度より少なくとも5倍大きい。
【0018】
本システムは、吸引を基板の裏面に印加するように構成される吸引発生器を含む。
【0019】
ガス流モジュールは、実質的にプリントヘッドの底面と基板との間の中間点における間隙の領域中で約0.25m/秒〜約1.5m/秒の速度においてガス流を提供するように構成される。
【0020】
ガス流モジュールは、プリントヘッドの長さに沿って20%以内の一様性を有する速度においてガス流を提供するように構成される。
【0021】
ガス流モジュールは、間隙に進入することに先立って、それを通ってガスが流動する、拡散器を備える。ある場合には、拡散器は、蛇行チャネルまたは多孔質材料を含む。
【0022】
一般的側面では、システムは、複数のプリントヘッドを受容するように構成される、プリントバーを含む。プリントヘッドは、基板上に液体を印刷するように構成される。本システムは、プリントヘッドに対する基板の運動に対応する方向に各プリントヘッドの底面と基板との間の間隙を通してガス流を提供するように構成される、ガス流モジュールを含む。
【0023】
実施形態は、以下の特徴のうちの1つまたはそれを上回るものを含むことができる。
【0024】
本システムは、プリントバーに取り付けられた複数のプリントヘッドを含む。
【0025】
プリントバーは、プリントバーの縁と最外プリントヘッドを受容するように構成されるプリントバー上の場所との間に非印刷領域を含む。
【0026】
ガス流モジュールは、伸長ノズルを含む。
【0027】
ガス流モジュールは、プリントバーの中に形成される。
【0028】
ガス流モジュールは、間隙にガスを注入するように構成される。
【0029】
ガス流モジュールは、吸引を間隙に印加するように構成される。
【0030】
ガス流モジュールは、プリントヘッドの上流に位置付けられる、第1のガス流モジュールである。本システムは、プリントヘッドの下流に位置付けられる、第2のガス流モジュールを含む。
【0031】
ガス流モジュールは、間隙にガスを注入するように構成される、第1のガス流モジュールである。本システムは、吸引を間隙に印加するように構成される、第2のガス流モジュールを含む。
【0032】
ガス流モジュールは、プリントバーの長さに沿って20%以内の一様性を有する速度においてガス流を提供するように構成される。
【0033】
ガス流モジュールは、ガス流モジュールを通したガス流路が間隙を通したガス流路より低いように位置付けられる。
【0034】
ガス流モジュールは、プリントバーの底面より幅が広い。
【0035】
間隙の外側縁は、プリントバーの少なくとも一部に沿って密閉される。
【0036】
本システムは、複数のプリントバーと、各ガス流モジュールが、複数のプリントバーのうちの1つに対応する、複数のガス流モジュールとを含む。
【0037】
一般的側面では、方法は、プリントヘッドの底面と基板との間の間隙を通して低密度ガス流を提供するステップと、プリントヘッドの底面に形成される複数のノズルから、間隙を通して基板上に液体を放出するステップとを含む。
【0038】
実施形態は、以下の特徴のうちの1つまたはそれを上回るものを含むことができる。
【0039】
低密度ガスは、ヘリウムを含む。
【0040】
低密度ガスを提供するステップは、間隙を通して低密度ガスを流動させるステップを含む。ある場合には、本方法は、プリントヘッドに対する基板の運動に対応する方向に低密度ガスを流動させるステップを含む。ある場合には、本方法は、間隙への入口に配置される入口バッフルもしくは間隙からの出口に配置される出口バッフルのうちの1つまたはそれを上回るものを通して、低密度ガスを流動させるステップを含む。
【0041】
低密度ガスを提供するステップは、1つまたはそれを上回るガスノズルから間隙に低密度ガスを注入するステップを含む。
【0042】
低密度ガスを提供するステップは、低密度ガスを含有する環境内にプリントヘッドの底面を配置するステップを含む。
【0043】
本方法は、吸引を間隙に印加するステップを含む。
【0044】
本方法は、吸引を基板の裏面に印加するステップを含む。
【0045】
ガス流を提供するステップは、実質的にプリントヘッドの底面と基板との間の中間点における間隙の領域中で約0.25m/秒〜約1.5m/秒の速度においてガス流を提供するステップを含む。
【0046】
ガス流を提供するステップは、プリントヘッドの長さに沿って20%以内の一様性を有する速度においてガス流を提供するステップを含む。
【0047】
間隙を通してガス流を提供するステップは、プリントヘッドが基板に対して第1の方向に移動するときに、間隙を通して第1の方向にガス流を提供するステップと、プリントヘッドが、基板に対して第2の方向であって、第1の方向と反対の第2の方向に移動するときに、間隙を通して第2の方向にガス流を提供するステップとを含む。
【0048】
本明細書で説明されるアプローチは、以下の利点のうちの1つまたはそれを上回るものを有することができる。プリントヘッドの下の非定常空気流によって引き起こされる画像欠陥の発生(例えば、木目欠陥)が、低減させられることができる。ノズルプレート上のインクの蓄積に起因する持続可能性欠陥の発生が、低減させられることができる。定常印刷条件に到達する時間が、短縮されることができる。
【0049】
他の特徴および利点が、以下の説明から、および請求項から明白である。
本明細書は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
プリントヘッドの底面に形成される複数のノズルを含むプリントヘッドであって、上記ノズルは、基板上に液体を放出するように構成される、プリントヘッドと、
上記プリントヘッドに対する上記基板の運動に対応する方向に上記プリントヘッドの上記底面と上記基板との間の間隙を通してガス流を提供するように構成される、ガス流モジュールと、
を備える、システム。
(項目2)
上記ガス流モジュールは、上記間隙にガスを注入するように構成される、1つまたはそれを上回るガスノズルを備える、項目1に記載のシステム。
(項目3)
上記1つまたはそれを上回るガスノズルのそれぞれは、上記プリントヘッドの上記底面に対して約0〜45°の角度で配置される、項目2に記載のシステム。
(項目4)
上記ガス流モジュールは、第1のガス流モジュールであり、さらに第2のガス流モジュールを備え、
上記第1のガス流モジュールは、第1の方向に上記間隙を通してガス流を提供するように構成され、上記第2のガス流モジュールは、上記第1の方向と反対の第2の方向に上記間隙を通してガス流を提供するように構成される、
項目1に記載のシステム。
(項目5)
上記第1のガス流モジュールが上記間隙を通してガス流を提供することを可能にするように構成される、第1の弁と、
上記第2のガス流モジュールが上記間隙を通してガス流を提供することを可能にするように構成される、第2の弁と、
を備える、項目4に記載のシステム。
(項目6)
上記第1のガス流モジュールは、上記プリントヘッドの第1の側面上に位置付けられ、吸引を上記間隙に印加するように構成される、第1の吸引モジュールを備え、
上記第2のガス流モジュールは、上記第1の側面と反対の上記プリントヘッドの第2の側面上に位置付けられ、吸引を上記間隙に印加するように構成される、第2の吸引モジュールを備える、
項目4に記載のシステム。
(項目7)
上記ガス流モジュールは、上記間隙を通して低密度ガス流を提供するように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目8)
上記ガス流モジュールは、上記ノズルの上流に位置付けられる、項目1に記載のシステム。
(項目9)
上記ガス流モジュールは、吸引を上記間隙に印加するように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目10)
上記ガス流モジュールは、上記ノズルの下流に位置付けられる、項目1に記載のシステム。
(項目11)
上記間隙の外側縁は、上記プリントヘッドの少なくとも一部に沿って密閉される、項目10に記載のシステム。
(項目12)
上記ガス流モジュールは、上記ノズルの上流に位置付けられる、第1のガス流モジュールであり、
上記ノズルの下流に位置付けられる、第2のガス流モジュールをさらに備える、
項目1に記載のシステム。
(項目13)
上記第1のガス流モジュールは、上記間隙にガスを注入するように構成される、第1のガス流モジュールであり、
吸引を上記間隙に印加するように構成される、第2のガス流モジュールをさらに備える、
項目1に記載のシステム。
(項目14)
上記プリントヘッドの上記底面と上記基板との間の上記間隙は、少なくとも約3mmである、項目1に記載のシステム。
(項目15)
上記ガス流モジュールは、実質的に上記プリントヘッドの上記底面と上記基板との間の中間点における上記間隙の領域中で約0.25m/秒〜約1.5m/秒の速度においてガス流を提供するように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目16)
上記ガス流モジュールは、上記プリントヘッドの長さに沿って20%以内の一様性を有する速度においてガス流を提供するように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目17)
上記ガス流モジュールは、上記間隙に進入することに先立って、それを通って上記ガスが流動する、拡散器を備える、項目1に記載のシステム。
(項目18)
複数のプリントヘッドを受容するように構成されるプリントバーであって、上記プリントヘッドは、基板上に液体を印刷するように構成される、プリントバーと、
上記プリントヘッドに対する上記基板の運動に対応する方向に各プリントヘッドの底面と上記基板との間の間隙を通してガス流を提供するように構成される、ガス流モジュールと、
を備える、システム。
(項目19)
上記プリントバーは、上記プリントバーの縁と最外プリントヘッドを受容するように構成される上記プリントバー上の場所との間に非印刷領域を含む、項目18に記載のシステム。
(項目20)
上記ガス流モジュールは、上記プリントバーの中に形成される、項目18に記載のシステム。
(項目21)
上記ガス流モジュールは、上記間隙にガスを注入するように構成される、項目18に記載のシステム。
(項目22)
上記ガス流モジュールは、吸引を上記間隙に印加するように構成される、項目18に記載のシステム。
(項目23)
上記ガス流モジュールは、上記プリントヘッドの上流に位置付けられる、第1のガス流モジュールであり、
上記プリントヘッドの下流に位置付けられる、第2のガス流モジュールをさらに備える、
項目18に記載のシステム。
(項目24)
上記ガス流モジュールは、上記間隙にガスを注入するように構成される、第1のガス流モジュールであり、
吸引を上記間隙に印加するように構成される、第2のガス流モジュールをさらに備える、
項目18に記載のシステム。
(項目25)
上記ガス流モジュールは、上記プリントバーの長さに沿って20%以内の一様性を有する速度においてガス流を提供するように構成される、項目18に記載のシステム。
(項目26)
上記システムは、
複数のプリントバーと、
各ガス流モジュールが、上記複数のプリントバーのうちの1つに対応する、複数のガス流モジュールと、
を備える、項目18に記載のシステム。
(項目27)
プリントヘッドの底面と基板との間の間隙を通して低密度ガス流を提供するステップと、
上記プリントヘッドの上記底面に形成される複数のノズルから、上記間隙を通して上記基板上に液体を放出するステップと、
を含む、方法。
(項目28)
上記プリントヘッドに対する上記基板の運動に対応する方向に上記低密度ガスを流動させるステップを含む、項目27に記載の方法。
(項目29)
上記間隙への入口に配置される入口バッフルもしくは上記間隙からの出口に配置される出口バッフルのうちの1つまたはそれを上回るものを通して、上記低密度ガスを流動させるステップを含む、項目27に記載の方法。
(項目30)
上記低密度ガスを提供するステップは、上記1つまたはそれを上回るガスノズルから上記間隙に上記低密度ガスを注入するステップを含む、項目27に記載の方法。
(項目31)
吸引を上記間隙に印加するステップを含む、項目27に記載の方法。
(項目32)
ガス流を提供するステップは、実質的に上記プリントヘッドの上記底面と上記基板との間の中間点における上記間隙の領域中で約0.25m/秒〜約1.5m/秒の速度においてガス流を提供するステップを含む、項目27に記載の方法。
(項目33)
ガス流を提供するステップは、上記プリントヘッドの長さに沿って20%以内の一様性を有する速度においてガス流を提供するステップを含む、項目27に記載の方法。
(項目34)
上記間隙を通してガス流を提供するステップは、
上記プリントヘッドが上記基板に対して第1の方向に移動するときに、上記間隙を通して上記第1の方向にガス流を提供するステップと、
上記プリントヘッドが、上記基板に対して第2の方向に移動するときに、上記間隙を通して上記第2の方向にガス流を提供するステップであって、上記第2の方向は、上記第1の方向と反対である、ステップと、
を含む、項目27に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0051】
我々は本明細書で、インクジェットプリントヘッドと基板との間に大きな分離を伴って印刷するときに生じる、種々の印刷欠陥を軽減することができる、インクジェット印刷へのアプローチ(高高度インクジェット印刷と称される)を説明する。例えば、種々のタイプの欠陥の発生は、プリントヘッドと基板との間の間隙の中で、下流吸引、または空気もしくはヘリウム等の低密度ガス等の上流ガス流を提供することによって、低減させられることができる。本吸引または強制ガス流は、間隙の中でガス流のパターンを安定させることに役立ち、したがって、プリントヘッドから放出される液滴の変位を制御することに役立つことができる。
【0052】
図1および2は、基板110上に画像を印刷することが可能なインクジェットプリントヘッド100を含む、インクジェット印刷システム10の実施例を示す。プリントヘッド110は、プリントヘッド100の底面上でノズルプレート104に配列される、複数のノズル102を含む。例えば、ノズル102は、ノズルプレート104の中で複数の列106に配列されることができる。インク液滴108は、基板110上に印刷画像を形成するように、ノズル102のうちの1つまたはそれを上回るものから、ノズルプレート104と基板110との間の間隙112を通して、基板110上に噴出される。ある場合には、基板110は、プリントヘッド100が静止したままである間に、例えば、矢印109によって示されるように、印刷プロセス中にプリントヘッド100に対して移動する。ある場合には、基板110は、静止したままであり、プリントヘッド100は、基板110に対して移動する。ある場合には、基板110およびプリントヘッド100が両方とも移動する。
【0053】
基板110またはプリントヘッド100が印刷中に移動する方向である、プロセス方向へのインクジェット印刷システム10の解像度は、噴出周波数、プリントヘッドに対する基板の速度、およびプロセス方向への距離の単位あたりのノズルの数のうちの1つまたはそれを上回るもの等の要因、もしくは他の要因による影響を受け得る。プロセス方向に対して直角であるクロスプロセス方向では、解像度は、クロスプロセス方向への距離の単位あたりのノズルの数である。例えば、
図2は、ノズルプレート104の底面の図を示す。
図2の実施例では、プロセス方向(矢印200によって示される)は、ノズル102の列106に対して直角であり、クロスプロセス方向(矢印202によって示される)は、列106と平行である。いくつかの実施例では、プロセス方向およびクロスプロセス方向は、ノズル102の列106に対して異なる配向を有することができる。プロセス方向200は、矢印109(
図1)の方向と平行であり、クロスプロセス方向202は、矢印109の方向と垂直であり、また、
図1のページの面とも垂直である。
【0054】
インクジェット印刷は、基板110の上方の高い高度に位置付けられるプリントヘッド100を用いて行われることができる。例えば、間隙112の高度hは、約2mmを上回り、約3mmを上回り、約5mmを上回り、または別の高度にあり得る。間隙112の高度hは、ノズルプレート104の底面と基板110の頂面との間の垂直距離である。我々は、本アプローチを「高高度インクジェット印刷」と称することもあり、高度hは、「スタンドオフ」と称されることもある。高高度インクジェット印刷は、種々の技術的用途を有することができる。いくつかの実施例では、高高度インクジェット印刷は、その表面上に有意な高度変動を有する基板上に印刷するために使用されることができる。いくつかの実施例では、高高度インクジェット印刷は、織物上の印刷中の緩い繊維からの衝打等のプリントヘッドに衝打する物体からプリントヘッドを保護するために使用されることができる。
【0055】
高高度インクジェット印刷では、基板上に印刷される画像の質は、ノズルプレート104と基板110との間の間隙112の中のガス流のパターンによる影響を受け得る。例えば、ガス流パターンは、基板110上に印刷される画像に欠陥を生じさせ得る。ガス流のパターンは、間隙112の中のガスのクエット流による、ノズル102からのインク液滴流の高周波数噴出の効果による、またはこれら2つの要因の間の相互作用による、影響を受け得る。クエット流は、プリントヘッド100と基板110との間の速度差によって引き起こされる、間隙112の中のガスの層流である。例えば、基板が印刷プロセス中に矢印109の方向に沿って移動するとき、矢印114のセットによって示されるように、ガスの層流が確立される。基板110との界面におけるガスが、基板の速度と実質的に等しい速度で移動し、静止プリントヘッド100との界面におけるガスが、ゼロ速度を有し、実質的に線形の速度勾配が、プリントヘッド100と基板110との間に存在する。ガス流のパターンはまた、液滴が間隙112を通って基板110上に進行すると、プリントヘッド100から放出されるインクの連続液滴108への抗力による影響も受け得る。
【0056】
1つまたはそれを上回るサテライト液滴は、放出されたインク液滴108の後尾部が飛行中にちぎれるときに形成されることができる。サテライト液滴は、低い質量、したがって、低い運動量を有し、それらが飛行中に抗力を受けると、速度を急速に減少させる。サテライト液滴の速度が減少すると、サテライト液滴の運動量が減少し続け、サテライト液滴を、間隙112の中のガス流による変位の影響をより受けやすくする。ある場合には、サテライト液滴の変位は、印刷画像の欠陥につながり得る。サテライト液滴がちぎれた後に残留する大型インク液滴は、天然液滴と称される(主要液滴と呼ばれることもある)。天然液滴は、サテライト液滴より大きい質量および高い速度を有し、したがって、間隙112の中のガス流による変位の影響をあまり受けにくくあり得る。ある場合には、天然液滴の変位は、印刷画像の欠陥につながり得る。
【0057】
高高度インクジェット印刷では、間隙112の中のガス流パターンは、ある時は、基板110上に印刷される画像に木目欠陥を誘発し得る。理論によって拘束されることなく、木目欠陥は、基板110またはプリントヘッド100の運動によって同伴されるクエット流とインク108の連続液滴への抗力によって引き起こされる空気流との間の相互作用により、間隙112の中で発生する非定常層ガス流によって引き起こされると考えられる。これら2つの流動の間の相互作用は、液滴108の上流の渦につながることが観察されている。渦の回転運動は、渦が間隙110の中で液滴流に沿って容易に移動し、局所的なより大きい渦に発展することを可能にする。これらの非定常流および局所的な渦は、わずかな濃縮液滴配置誤差、例えば、インク液滴が木目のように見えるパターンを形成するように印刷画像のある領域中でともにグループ化する、典型的には約10ミクロンから約2mmに及ぶ誤差を引き起こし得る。印刷線のアレイにおけるサテライト液滴木目欠陥の実施例が、
図3に示される。低いクロスプロセス解像度(例えば、100dpi未満またはそれと等しい)で低い高度(例えば、約6mm未満のh)において印刷するとき、木目欠陥は、主にサテライト液滴の変位によって引き起こされると考えられる。より高い高度(例えば、約7mmを上回るh)において低いクロスプロセス解像度で印刷するとき、木目欠陥は、サテライト液滴および天然液滴の両方の変位によって引き起こされると考えられる。天然液滴木目がサテライト木目よりも視覚的に優勢になるであろう高度は、液滴質量による影響を受け得る。より低い質量で放出される天然液滴は、間隙110の中で空気流によって飛行中により容易に変位させられ、したがって、より大きい天然液滴よりも容易に木目画像欠陥をもたらし得る。
【0058】
クロスプロセス解像度が増加すると、または放出されたインク液滴108のサイズが増加すると、基板上の隣接する液滴の間の非印刷面積が減少する。本非印刷面積の減少は、配置誤差がより容易に観察されることを可能にし、より低い高度(例えば、約6mm未満のh)において、天然液滴木目欠陥をサテライト木目欠陥よりも視覚的に優勢にさせ得る。天然液滴木目欠陥の実施例が、
図4に示される。
【0059】
木目欠陥および他のタイプの高高度印刷欠陥が生じる高度hは、天然液滴サイズ、サテライト液滴サイズ、液滴速度、印刷周波数、ノズル間隔、もしくは他のパラメータ等の1つまたはそれを上回るパラメータに基づいて変動し得る。例えば、高高度印刷欠陥の開始は、小さい液滴(例えば、約10ng未満)を用いて印刷するときに、より大きい液滴(例えば、10ngより大きい)を用いて印刷するときよりも低い高度で起こり得る。高高度印刷欠陥の開始は、各列(例えば、約100ノズル毎インチ)内の小さい間隙を用いて印刷するときに、より大きいノズル間隔(例えば、約50ノズル毎インチ)を用いて印刷するときよりも低い高度で起こり得る。
【0060】
図5を参照すると、いくつかの実施形態では、強制ガスモジュール500は、クエット流の方向に(例えば、矢印114の方向に)間隙112を通って流動するように、空気、ヘリウム、または別のガス(例えば、水素もしくはメタンガス)等のガスを注入する。いくつかの実施例では、強制ガスモジュール500は、プリントヘッド100の一部である。いくつかの実施例では、強制ガスモジュール500は、例えば、強制ガスモジュール500をプリントヘッドに取り付けること、またはプリントヘッドに隣接して強制ガスモジュール500を配置することによって、プリントヘッド100と組み合わせて使用されることができる、別個のモジュールである。理論によって拘束されることなく、間隙112を通してガスを強制的に流動させることにより、木目欠陥および他の印刷欠陥を引き起こし得る非定常流を安定させることに役立ち得ると考えられる。
【0061】
強制ガスモジュール500は、ガス源に接続されるガス供給ポート502を含む。ある場合には、ガス源は、環境であり得る。例えば、印刷システム10が通常大気中で操作される場合、ガス源は、空気であり得る。印刷システム10がヘリウム等のガスの環境内で操作される場合、ガス源は、(以下でさらに詳細に議論される)環境内のヘリウムであり得る。ある場合には、ガス源は、圧縮空気のキャニスタ、ヘリウム等の低密度ガスのキャスタ、または別のタイプのガス供給等のガス供給504であり得る。ガス供給ポート502は、間隙112にガスを注入する1つまたはそれを上回るガスノズル508にガスを分配する、マニホールド506にガスを供給する。
【0062】
ある場合には、各ガスノズル508は、単一の孔として実装されることができる。ある場合には、各ガスノズル508は、小さい孔のメッシュとして実装されることができる。少なくとも5つのインクジェットノズル102毎に、例えば、少なくとも20個のノズル毎に、少なくとも100個のノズル毎に、またはより多数のノズルに、1つのガスノズル508(例えば、単一の孔として、または小さい孔のメッシュとして実装される)があり得る。いくつかの実施例では、何千ものインクジェットノズル102のためにガスを供給する、1つのガスノズル508があり得る。ある場合には、強制ガスモジュール500はまた、フィルタ、スクリーン、またはガス流を調整するための他の構成要素等の他の構成要素を含むこともできる。
【0063】
ある場合には、ガスノズル508は、ガスノズル508によって注入されるガスが、基板110またはプリントヘッド100の運動によってプリントヘッド100の下に同伴されるように、インクジェットノズル102の上流に位置付けられることができる。ある場合には、ガスノズル508は、プリントヘッド100の下で発生する渦を含有することを支援するように、インクジェットノズル102に向かって角度を付けられる(例えば、下流に角度を付けられる)ことができる。ある場合には、ガスノズル508は、インクジェットノズル102と実質的に平行であり得、またはインクジェットノズル102から離れて角度を付けられることができる。
【0064】
理論によって拘束されることなく、ヘリウム等の低密度ガスを注入することにより、間隙112の中の非定常流を低減させることに役立ち得ると考えられる。低密度ガスとは、標準周囲温度および圧力(SATP)(例えば、約2℃および約1atm)において、空気より低い密度を有するガスを意味する。例えば、SATPにおけるヘリウムは、空気より低い密度を有する。空気で充填される低圧環境(例えば、0.8atm、0.5atm、0.3atm、または別の圧力における環境)は、SATPにおける空気より低い密度を有する。強制ヘリウム流は、間隙の中の非定常流を安定させ、したがって、強制空気が流動を安定させ得るのとほぼ同一の方法で、渦が不安定になることを制約することができる。加えて、低密度環境は、液滴抗力によって同伴される空気を低減させ、したがって、より小さい低速の渦をもたらすことができる。低密度環境は、ノズルプレートから基板への液滴飛行中に垂直抗力を低減させ、したがって、液滴速度の低減を低減させ、液滴がより高い運動量を維持することを可能にし得る。低密度環境は、プリントヘッドの下の直交流に、より低い水平抗力をインクへ及ぼさせることができ、順に、液滴上の配置誤差を低減させる。
【0065】
層クエット流の途絶および乱流の開始は、以下のように求められる無次元数である、レイノルズ数Reによって予測されることができ、
【化1】
式中、ρは、ガスの密度であり、Vは、ガスの速度であり、Lは、特徴的な長さであり、μは、ガスの動的粘度である。プリントヘッドの下の流動の場合、特徴的な長さLは、典型的には、間隙112の高度hとして定義される。
【0066】
約2300を下回るレイノルズ数が、典型的には、層流を示す一方で、約4000を上回るレイノルズ数は、乱流を示す。概して、インクジェット印刷用途では一般的ではないが、ある条件(例えば、高高度または高速流)下で乱流が起こる可能性がある。レイノルズ数は、ガスの動的粘度に対する間隙の中のガスの密度の比を減少させることによって、減少させられることができる。本比の逆数は、動粘性率として定義される。
【化2】
【0067】
したがって、間隙のレイノルズ数は、高い動粘性率を有するガスを間隙に注入することによって、減少させられることができる。例えば、ヘリウムは、空気より7倍高い動粘性率を有し、したがって、間隙にヘリウムを注入することにより、間隙のレイノルズ数を約7倍低減させることができる。間隙に低減したレイノルズ数があると、印刷間隙の中の乱流の可能性を依然として低減させながら、より高い高度において印刷が実行されることができる。
【0068】
ある場合には、高い高度において印刷するとき、小さい液滴およびサテライト液滴の運動は、間隙の中のガスによる液滴への抗力による影響を受け得る。小さいインク液滴が、それらの低い質量による低い初期運動量でプリントヘッド100から放出され、したがって、飛行中に速度を急速に減少させることができる。同様に、サテライト液滴は、それらが作成されるときに低い質量および低い速度を有し、したがって、低い初期運動量も有する。液滴速度が減少すると、液滴は、付加的運動量を失い、液滴を、間隙112の中のガス流パターンによる変位の影響を受けやすくさせる。
【0069】
間隙を通した層流を仮定すると、飛行中の液滴への抗力は、以下から計算されることができ、
【化3】
式中、Aは、球体として概算された液滴の断面積であり、C
Dは、シラー・ナウマン抗力係数である。
【化4】
重力は、ごくわずかと見なされることができ、ニュートンの第2法則から、減速率は、以下のように簡略化されることができる。
【化5】
【0070】
図6を参照すると、これらの方程式を使用して、空気中の印刷に関して、約10ng未満の質量を伴う液滴には特定の急速減少を伴って、液滴速度がプリントヘッドの下方の距離とともに急速に減少することが分かる。
図6のグラフを計算する際に、抗力係数C
Dは、インク液滴流を噴出するとき、間隙の中で生成されるスリップストリームによる抗力の低減に対処するように、15%だけ低減させられた。本15%抗力低減は、5〜10ng液滴について飛行中の速度低減を実験的に監視し、測定された液滴速度を計算された液滴速度と比較することによって、実験的に検証された。
【0071】
これらの計算は、低密度環境内の印刷が、インクの液滴に対する抗力の係数を低下させる、より低いレイノルズ数をもたらすことを実証する。より低い抗力係数は、順に、液滴によって被られる抗力(例えば、垂直抗力、水平抗力、または両方)を低下させる。小さい液滴およびサテライト液滴に対する抗力の影響は、木目および持続可能性欠陥に寄与する、液滴変位に寄与し得る。間隙を通してヘリウム等の低密度ガスを押進させることにより、以下で議論される
図7に示されるように、これらの欠陥を軽減することができる。低密度ガスは、ガスが各液滴により低い抗力を及ぼすことを意味する、低いレイノルズ数を有する。低減した抗力は、順に、小さい液滴およびサテライト液滴の変位を低減させ、より高い印刷の質につながる、より高い噴出速度につながり得る。
【0072】
いくつかの実施例では、ガスノズル508は、間隙の中で乱流または空気流速度の大きな変動等の擾乱を生成することなく、間隙112の中の非定常流を安定させるために十分なガスの速度を提供するように、サイズ、数、または両方が十分であり得る。ガスノズル508のサイズまたは数もまた、インク液滴への抗力を低減させ、したがって、液滴が速度を失うことを防止し、飛行中に液滴に及ぼされる側方抗力を低減させる、低密度印刷環境を提供するために十分であり得る。いくつかの実施例では、ガスノズル508のサイズ、数、または両方は、約0.5m/秒未満のガスが非定常流を安定させることができるようなものである。いくつかの実施例では、間隙112の中間点またはその周囲で(例えば、プリントヘッド100と基板110との中間で)非噴出条件中に測定されるガスの速度は、約0.25m/秒〜約1.5m/秒、例えば、約0.25m/秒〜約1.0m/秒、例えば、約0.5m/秒である。
【0073】
木目欠陥の発生に対する間隙の中へガスを押進させることの影響は、プリントヘッド100と移動基板110との間の間隙112に空気またはヘリウムを注入することによって試験された。ガス流は、質量流コントローラ(Aalborg(登録商標) GFC Mass Flow Controller, Orangeburg, NY)によって制御された。クロスプロセス方向に100ドット毎インチ(dpi)およびプロセス方向に400dpiで離間され、長さ2400ピクセル(6インチ)である256本の線の画像パターンが、種々のスタンドオフ高度(h)において空気およびヘリウムの種々の流速を使用して印刷された。画像は、QE−30プリントヘッド(Fujifilm Dimatix, Lebanon, NH)を使用し、黒いセラミックインクを使用して印刷された。これらの強制ガス実験の主要試験パラメータは、以下の通りであった。
クロスプロセス印刷解像度:100dpi
液滴放出速度:7m/秒
周波数:8kHz
基板速度:0.5m/秒
波形:単一7μsパルス
スタンドオフ(h):3.8mm;5.1mm
ガス流速:0L/分(lpm);40lpm;60lpm;80lpm
液滴質量:33〜43ng
【0074】
これらの強制ガス実験で使用されるガス流速は、例えば、周囲環境に浪費される過剰なヘリウムにより、工業用途で使用され得るガス流速より有意に高い。
【0075】
図7は、空気およびヘリウムの種々の流速を使用して、5.1mmの高度から印刷されたパターンを示す。空気またはヘリウムのいずれか一方の中の印刷に関して、木目欠陥は、より高い流速において低減させられ、間隙の中への強制ガスの注入が、木目欠陥につながり得る間隙の中の非定常層流を安定させ得ることを示す。強制空気を用いて印刷するとき、木目欠陥が完全に排除される前に、霧化欠陥が高い流速(80lpm)において見られ、強制空気の速度が、プロセス方向への重度液滴抗力による大きな液滴配置誤差を引き起こすために十分に高かったことを示した。強制ヘリウムを用いて印刷するとき、木目欠陥は、空気中で印刷するときよりも大きい程度まで、有意に低減または排除された。類似動向が、3.8mmスタンドオフにおいて強制空気および強制ヘリウム印刷に観察された。これらの結果は、例えば、間隙の中で生じ得る非定常流を制御することによって、間隙112を通してガスを押進させることが、木目欠陥を低減させることに役立ち得ることを示す。
【0076】
図8を参照すると、いくつかの実施形態では、下流空気流モジュール800は、例えば、吸引ノズル802を通して吸引を印加することによって、間隙112から空気を引き出す。例えば、吸引ノズル802に吸引を印加させるために、真空発生器が使用されることができる。いくつかの実施例では、下流空気流モジュール800は、プリントヘッド100の一部である。いくつかの実施例では、下流空気流モジュール800は、例えば、下流空気流モジュール800をプリントヘッドに取り付けること、またはプリントヘッドに隣接して下流空気流モジュール800を配置することによって、プリントヘッド100と組み合わせて使用されることができる、別個のモジュールである。実験は、間隙112の下流に吸引を印加することにより、木目欠陥および他の印刷欠陥を引き起こし得る非定常流を安定させることに役立ち得ることを示している。加えて、下流吸引を印加することにより、間隙112の下流でサテライト液滴を引き出し、したがって、霧化等の欠陥の発生を低減させることができる。
【0077】
図9を参照すると、いくつかの実施形態では、強制空気モジュール500および下流空気流モジュール800は、強制空気モジュール500からの上流空気供給および下流吸引または真空が、間隙を通して堅調な空気流を誘発するように、ともに使用されることができる。
図9の実施例では、強制空気モジュール500および下流空気流モジュール800は、1つまたはそれを上回るプリントヘッド100を含むプリントバー120の下方の間隙の中で空気流を提供するために使用される。ある場合には、下流空気流モジュール800によって提供される吸引は、強制空気モジュール500からの上流強制空気注入によって支援される、間隙112の中の空気流の一次決定因子であり得る。各プリントバーのための供給および帰還ダクト(例えば、強制空気モジュール500および下流空気流モジュール800)を使用することは、複数のプリントバー120が相互に近接近して配置されるときに有利であり得る。いくつかの実施例では、専用供給および帰還ダクトは、各プリントバー120の下の空気流が別個に制御されることを確実にすることができ、1つのプリントバー120の下の空気流が、隣接プリントバーの下の空気流に影響を及ぼすことを防止することに役立ち得る。いくつかの実施例では、1つのプリントバー120の下の空気流は、少なくとも約10mm、少なくとも約15mm、少なくとも約20mm、約20mm、または別の距離の距離によって等、空気がプリントバーの間で通気することを可能にするために十分な距離によって、2つのプリントバーを分離することによって、隣接プリントバーの下の空気流に影響を及ぼすことを妨げられ得る。モジュール500、800のいずれか一方または両方は、プリントヘッド100の一部であり得、もしくは別個のモジュールであり得る。
【0078】
図10を参照すると、いくつかの実施形態では、バッフルが、間隙112への上流入口、間隙112からの下流出口において、または間隙の側面に沿って提供されることができる。例えば、
図10の実施例では、入口バッフル170が、間隙への入口において提供され、出口バッフル172が、間隙からの出口において提供される。ある場合には、入口バッフル170、出口バッフル172、または両方は、ノズルプレート104の表面と平面的であり、例えば、ノズルプレート104の表面の±0.5mm以内である。バッフル170、172の長さLは、間隙112の高度hより大きく、例えば、間隙112の高度より少なくとも5倍大きく、少なくとも10倍大きく、または10倍を上回って大きくあり得る。バッフル170、172は、間隙112の高度hより大きい、例えば、間隙112の高度より少なくとも2倍大きい、少なくとも5倍大きい、または5倍を上回って大きい量Eだけ、プリントヘッド100上の最後のノズル102を越えて延在することができる。いくつかの実施例では、バッフル170、172は、間隙の高度hとほぼ等しいまたは上回る、半径もしくは面取りrを有することができる。バッフルは、間隙の中のガス流を効率化し、したがって、間隙の中の非定常層流または乱流の可能性を低減させることに役立ち得る。
【0079】
図11A−11Cは、バッフルを伴わずに(
図11A)、入口バッフル172を伴って(
図11B)、ならびに入口バッフル172および出口174バッフル(
図11C)を伴って、3.8mmのスタンドオフにおいて強制空気を用いて印刷されたパターンを示す。木目欠陥は、単一の入口バッフルの使用によってわずかに低減させられ、入口および出口バッフルの両方の使用によってさらに低減させられた。これらの結果は、バッフルの存在が間隙の中のガス流を安定させ、したがって、木目欠陥を低減させることに寄与し得ることを示す。
【0080】
図12Aを参照すると、いくつかの実施形態では、強制ガスモジュール500は、プリントヘッド100と基板110との間の間隙112に進入する前に、それを通って注入されたガスが流動する、拡散器520を含む。拡散器520の存在は、ガスの速度をプリントバー120の長さに沿って実質的に一様にすることに役立つ。例えば、ガス速度の一様性は、例えば、プリントバー120の長さに沿って約20%以内であり得る。拡散器520は、強制ガスモジュール500のガス供給マニホールドプレート522の入口端に向かって形成されることができる。例えば、強制ガスモジュール500からの空気流は、1つまたはそれを上回る入口孔524を通って拡散器520まで流動することができる。いくつかの実施例では、拡散器520は、例えば、
図12Aに示されるように、蛇行チャネル等のチャネルであり得る。いくつかの実施例では、拡散器520は、多孔質アルミニウムまたは金属発泡体等の多孔質材料であり得る。ガスが蛇行チャネルに沿って、または多孔質材料を通って流動すると、ガス流が広がって拡散し、したがって、間隙の中のガス流の一様性を向上させることに役立つ。間隙内の空気流の任意の変動が、空気流にいくつかの液滴を他の液滴よりも変位させ得る。したがって、間隙内のガス流の高度な一様性が、印刷の質を向上させ、液滴配置誤差を低減させることができる。
【0081】
図12Bも参照すると、いくつかの実施例では、拡散器520の中への入口孔524は、約50〜200mmの距離によって離間されることができる。拡散器520の中への入口チャネル526は、約0.5〜2mm、例えば、約1mmの高度を有する。拡散器520は、約4〜15mm、例えば、約6mmの幅を有することができる。蛇行チャネル拡散器520は、2〜30枚のフィン、例えば、6枚のフィンまたは12枚のフィン等の複数のフィン528を含むことができる。各フィン528は、幅が約0.25〜1.5mm、例えば、幅が約0.7mmであり得、拡散器520を通した空気流チャネル530は、約0.25〜2mm、例えば、約0.65mmの高度を有することができる。
【0082】
図13を参照すると、空気流速度に対する拡散器の中のフィンの数(6枚または12枚のフィン)の影響が、20lpm、40lpm、および60lpmにおいて50mm入口孔間隔について測定された。
【0083】
再度、
図12Aおよび12Bを参照すると、強制ガスモジュール550は、プリントヘッド100と基板110との間の間隙にガスを注入する、単一の伸長スロット552(プレナムと称することもある)を含むことができる。伸長スロット552は、長方形のスロット、丸みを帯びた長方形のスロット、卵形または楕円形のスロット、もしくは別の伸長形状を伴うスロットであり得る。伸長スロット552の出口は、強制ガスモジュールのいかなる構成要素もノズルプレート104の底面の下方に突出しないように、ノズルプレート104と同一平面であり得る。伸長スロット552の寸法および位置は、プリントヘッド100と基板110との間の間隙112の中の空気流の速度ベクトルを制御することに寄与し得る。例えば、伸長スロット552は、間隙の中の空気流が基板110と実質的に平行であるように、定寸されて位置付けられることができる。伸長スロットの幅wは、約1〜8mm、例えば、約1〜6mm、例えば、約1〜4mm、例えば、約2mmであり得る。いくつかの実施例では、幅が広いスロット(例えば、約4mmを上回る)が、ガス流を周囲環境に浪費させ得る。いくつかの実施例では、狭いスロット(例えば、約1mm未満)が、流動の非一様性を増加させ得る。伸長スロット552は、約0〜45°、例えば、約10〜20°、例えば、約15°のノズルプレートに対する角度θで位置付けられることができる。伸長スロット552は、基板110の運動の方向と垂直である方向に対して約45〜90°の角度で位置付けられることができる。伸長スロットは、最も近いノズルから約20mm未満離れて位置付けられることができる。いくつかの実施例では、スロット552と最も近いノズルとの間の距離は、例えば、狭いプリントバー幅を維持するように、短縮され、または最小限にされることができる。
【0084】
図14を参照すると、空気流速度に対するプレナム幅(1mm幅、2mm幅、および4mm幅)の影響が、5mmの高度において長さ300mmのプレナムを使用して、60lpmにおける50mm入口孔間隔について測定された。
【0085】
図12Aおよび12Bに示される例示的実施形態では、拡散器520およびプレナム552は、ともに使用される。いくつかの実施例では、拡散器520またはプレナム552のいずれか一方が、独立して使用されることができる。いくつかの実施例では、拡散器またはプレナムもしくは両方が、例えば、下流空気流モジュール800の一部として、間隙112の出口端に位置付けられることができる。例えば、
図12Bの実施例では、下流空気流モジュール800は、間隙112の下流端におけるガスの指向性を向上させ、したがって、ガス消費量を低減させ、間隙112の中の空気流が隣接プリントバーの下の間隙の中の空気流に影響を及ぼす潜在性を低減させることに役立ち得る、下流プレナム554を含む。加えて、下流空気流モジュール800によって提供される空気流は、サテライト液滴を収集し、したがって、霧化または他の欠陥を低減させることに役立ち得る。
【0086】
いくつかの実施例では、基板速度は、木目欠陥の発生に影響を及ぼし得る。例えば、高速で基板を移動させることにより、間隙の中でより強いクエット流を誘発し、したがって、間隙の中の非定常流を低減させ、より少ない木目欠陥をもたらし得る。
【0087】
図15A(上面図)および15B(端面図)を参照すると、高速ビデオ撮像が、木目欠陥を引き起こし得る非定常流の発生を分析するために利用された。インク液滴22が基板28へ進行するにつれて、プリントヘッド26の中のノズル24から放出されたインク液滴22の位置を撮像するために、Photron(San Diego, CA)SA5高速カメラ20が使用された。インク液滴22は、撮像目的で光源30によって裏から照射された。プリントヘッド26と基板28との間の間隙の中のクエット流に脱イオン水の液滴34を播種するために噴霧器32を使用して、流動視覚化が達成された。ノズル24は、100dpiで離間され、印刷は、7m/秒の放出速度および8kHzにおいて実行された。プリントヘッド26と基板28との間のスタンドオフhは、5mmであって、基板は、0.5m/秒の速度で移動させられた。撮像中に取得された位置データは、印刷中の瞬間液滴速度および加速度を導出するために使用された。
【0088】
図16を参照すると、高速ビデオからの画像は、主要液滴の流れ50および主要液滴流50の上流で発生する大きい渦52の流線形を示す。画像は、プリントヘッドの下の流動に脱イオン水液滴を播種することによって得られた。画像内の線は、各流線経路上で測定された最大速度の輪郭を示す。渦は、プリントヘッド26と基板28との間の飛行時間の半分を上回って、高速ガス流を流れ50の中のインク液滴と相互作用させ、有意な液滴配置誤差につながり得る。理論によって拘束されることなく、基板またはプリントヘッド運動によって同伴されるクエット空気流および液滴抗力によって同伴される空気流の相互作用により、渦が発生すると考えられる。液滴空気流が基板に衝突すると、クエット流に対して流動する方向を変更し、したがって、渦の形成を引き起こす。
【0089】
図17を参照すると、高速ビデオ撮像はまた、基板28上の木目欠陥の発生中にサテライト液滴の経路を追跡するためにも使用された。カメラ20は、プリントヘッド26と基板28との間の飛行中にインク液滴の経路を捕捉するために、プリントヘッド26に垂直な視野角に再配置されることができる。本カメラ構成は、木目欠陥の飛行中発生についての洞察を与え得る、印刷中の天然液滴およびサテライト液滴の水平変位の監視を可能にする。
【0090】
図18を参照すると、高速ビデオからの画像は、画像の右側のサテライト液滴が天然液滴と整合させられていることを示す。(線54によって示される)画像の左側のサテライト液滴は、直交流によって天然液滴から変位させられ、サテライト液滴に印刷されないことを意図している領域を占有させる。ビデオの後続のフレームは、画像を横断して左から右に移動し、約5〜10Hzの反復周波数で周期的に繰り返す、サテライト液滴変位を示す。本周期的挙動は、印刷された基板上の木目欠陥の出現と相関させられることができる。
【0091】
ある場合には、高い高度において印刷するとき、ノズルプレートは、放出されたインクによって湿潤させられることができ、大きな軌道誤差を伴って、インク液滴を部分的閉塞ノズルから放出させ、もしくは1つまたはそれを上回るノズルがインク液滴を完全に放出することを防止する。放出されたインクによるノズルプレート上の1つまたはそれを上回るノズルの本部分もしくは完全閉塞に起因する印刷欠陥は、持続可能性欠陥と称される。
図19を参照すると、約0.5ng未満の質量を伴う非常に小さいサテライト液滴が豊富にあるときに、ノズルプレート湿潤が起こる。非常に小さいサテライトは、概して、10ng未満の主要液滴を噴出するプロセスにとって、より一般的であるが、いくつかのインクまたは噴出プロセスを用いてより大きい液滴を噴出するときにも起こり得る。非常に小さいサテライト液滴は、プリントヘッドの下の流動渦の中へ容易に捕捉されることができ、ノズルプレート104上に堆積させられる。ノズルプレート104上の堆積液滴は、ノズルプレート104上の1つまたはそれを上回る液溜まり80に融合することができる。液溜まり80は、部分的もしくは完全に、ノズル102のうちの1つまたはそれを上回るものを覆い隠すことができる。
【0092】
理論によって拘束されることなく、ノズルプレート湿潤は、小さいサテライト液滴がそれらの飛行経路の第1の部分において(例えば、最初の数ミリメートルにおいて)速度を急速に失い、したがって、運動量を失うときに、生じると考えられる。低運動量液滴は、液滴が堆積させられる、ノズルプレート104に戻るよう液滴を運搬する、間隙112の中の渦によって捕捉されることができる。
図20Aを参照すると、サテライト液滴の渦40の発生は、主要液滴42の連続列の中に示されている。
図20Bでは、ノズル噴出が停止しており、矢印44によって示されるように、渦が(画像の最上部における)ノズルプレートに向かってサテライト液滴を上に運搬することを可能にする。サテライト液滴は、ノズルプレート上に堆積させられ、そこで、ノズル102のうちの1つまたはそれを上回るものを閉鎖する液溜まり80に融合し、したがって、印刷の質を劣化させ、持続可能性欠陥を引き起こし得る。
【0093】
間隙112を通したガス流、例えば、強制ガスモジュール500(
図5)によって提供される上流強制ガス、または下流空気流モジュール800によって提供される下流吸引は、これらの持続可能性欠陥を軽減することに役立ち得る。理論によって拘束されることなく、間隙112を通したガス流は、上記で議論されるように、間隙112の中の非定常空気流を安定させ、したがって、ノズルプレートに戻るよう小さい液滴およびサテライト液滴を運搬することができる渦の形成を防止することに役立ち得ると考えられる。さらに、小さいサテライト液滴は、低い運動量を有し、したがって、強制ガスまたは下流吸引によって提供されるもの等の付加的下流によって、下流に運搬されることができる。これらの液滴が下流に運搬されるとき、より少ないインクがノズルプレート上に堆積させられ、したがって、プリントヘッドの持続可能性が向上させられることができる。
図21を参照すると、実施例では、強制空気が間隙に注入されるとき、いかなる渦も観察されない。むしろ、サテライト液滴46の集合が、強制空気によって下流に吹かれる。
【0094】
図22を参照すると、(合計2048個のノズルのうちの)部分または完全閉塞ノズルの数が、強制空気を伴う、および伴わない、種々のスタンドオフ高度について、時間の関数として示されている。高いスタンドオフ高度(3mmおよび5mm)において、有意により多くのノズルが、強制空気を伴わずに部分的または完全に閉塞される。対照的に、40L/分の強制空気の使用が、低いスタンドオフ高度(1.5mm)のものに相当する閉塞ノズルの数を削減する。印刷後のノズルプレートの画像が、強制空気を伴わない印刷後のノズルプレート上のインクの有意な溜まりを示す一方で、強制空気を伴う印刷後には、ノズルプレート上にインクがほぼ存在しない。これらの結果は、プリントヘッド100とノズルプレート102との間の間隙を通してガスを押進させることが、例えば、渦形成を低減させ、サテライト液滴を下流に運搬することによって、持続可能性欠陥を軽減することに役立ち得ることを示す。
【0095】
図23−25は、例えば、下流空気流モジュール800によって提供されるような(基板運動の方向への)真空速度と、例えば、強制空気モジュール500によって提供されるような(基板運動の方向への)空気供給速度との種々の組み合わせについて実行される、実験の結果を示す。これらの実験は、プリントヘッドの上流に供給される空気またはプリントヘッドの下流に供給される真空が、小さいサテライト液滴(例えば、<1ng)の放出により生じ得る湿潤欠陥等の印刷欠陥を低減させ得ることを示す。
【0096】
図23−25は、高い噴出周波数における長さ4分の持続可能性試験後の結果を示す。これらの実験は、蛇行拡散器を有する印刷システム、ならびに
図12Bに示される寸法および配向を有する入口プレナムを使用して、実行された。空気供給および真空速度は、非印刷条件でプリントヘッドの下の測定された中間間隙速度を表す。これらの実験の試験パラメータは、以下の通りであった。
プリントヘッドスタンドオフ:6mm
液滴質量:6.4ng
噴出周波数:50kHz
印刷デューティサイクル:80%
液滴放出速度:9m/秒
基板速度:1m/秒
印刷解像度:1200×1200dpi
【0097】
図23を参照すると、各ノズルの1本の線のパターンが、単一の画像内でプリントヘッドの中の2048個のノズルの全てを示すように印刷された。欠落した線は、長さ4分の試験後にノズルがもはや印刷していないことを示す。
図24を参照すると、4分の試験後のノズルプレートの湿潤が示されている。
図25を参照すると、各試験の開始(t=0分)および終了(t=4分)時の噴出の割合が示されている。印刷の質、ノズル湿潤、および噴出の割合は、空気流速度が増加すると向上し、真空は、噴出を防止することにより効果的であることが示されている。
【0098】
ある場合には、高い高度において印刷するときのインク液滴への抗力は、インク液滴を静止流動場の中へ噴出するとき、例えば、印刷が始動しているときに、インクジェット印刷システムの過渡応答に影響を及ぼし得る。スリップストリームは、プリントヘッドの中のノズルによる液滴流の一定の定常噴出によって確立される、間隙の中のガス流パターンである。スリップストリームが発生させられる前に、印刷が開始されるときに、最初のいくつかのインク液滴(例えば、最初の10〜20個のインク液滴)の速度の低減につながる、初期抗力が、これらの初期液滴に及ぼされ、初期液滴に変位誤差を受けさせる。スリップストリームが完全に発生させられた後、放出された液滴への抗力が、低減させられて安定させられ、後続の液滴が、実質的に一貫した速度で進行する。我々は、スリップストリームが発生する前の初期印刷周期を始動周期と称することもある。
【0099】
図26は、液滴質量および放出速度の種々の組み合わせについて、ノズルから放出される最初の50個の液滴の5mm間隙を横断する実験的飛行時間を示す。データは、例えば、
図17に示される構成で、高速カメラを使用して得られ、印刷は、10kHzにおいてSAMBA 3plプリントヘッドを使用して行われた。約20個の液滴がノズルから放出された後に、定常状態速度に到達した。6.6m/秒のより遅い初期速度で放出された液滴は、基板におけるそれらの低い最終速度(2.5m/秒)により、定常状態に達するまでより長くかかった。逆に、より大きい質量(10.7ng)を伴って放出された液滴は、飛行中の速度のより少ない減少により、より速く定常状態に到達することが観察された。20kHzおよび40kHzにおいて行われた付加的実験(図示せず)は、類似結果を生じさせた。
【0100】
スリップストリームが確立される前に初期液滴によって被られる抗力は、低密度環境内、例えば、ヘリウム環境内で印刷することによって低減させられることができる。例えば、強制ガスモジュール500(
図5)を使用して、例えば、間隙にヘリウムを注入することによって、初期液滴への抗力が低減させられることができ、したがって、定常状態液滴速度に達する時間を短縮する。
【0101】
図27を参照すると、いくつかの実施形態では、プリントバーアセンブリ150は、例えば、広い面積にわたって基板上で印刷を可能にするように、複数のプリントヘッド100を受容する。単一の強制ガスモジュール152は、各プリントヘッド100と基板との間の間隙を通って流動するように、空気、ヘリウム、または別のガス等のガスを注入し、したがって、プリントヘッド100のうちの1つまたはそれを上回るものの下で生じ得る非定常空気流を安定させることに役立つ。強制ガスモジュール152は、各プリントヘッドの下方の間隙にガスを注入する、1つまたはそれを上回るガスノズル154にガスを分配する、マニホールドにガスを供給する、ガス供給ポートを含むことができる。いくつかの実施例では、ガスノズルは、(例えば、
図27に示されるように)単一の伸長スロットである。いくつかの実施例では、ガスノズルは、間隙の中へ空気流を集合的に提供することができる、小さい孔の1つまたはそれを上回る列で形成されたフィルタスクリーンもしくはメッシュマトリクスとして実装される。
【0102】
いくつかの実施例では、強制ガスモジュール152は、例えば、スタンピングプロセス、3次元印刷プロセス、射出成形プロセス、または別の加工プロセスによって、プリントバーアセンブリ150と一体的に形成されることができる。いくつかの実施例では、強制ガスモジュール152は、印刷中にプリントバーアセンブリ150に隣接して位置付けられ、またはプリントバーアセンブリ150に接続されることができる、別個のユニットであり得る。
【0103】
図28を参照すると、いくつかの実施形態では、各プリントバー252が基板110上に異なるカラーインクを印刷することが可能である、複数のプリントバー252を含む、印刷アセンブリ250を使用して、多色印刷が達成されることができる。例えば、各プリントバー252は、幅が約5〜20cm、例えば、幅が約5〜6cmであり得る。各プリントバー252は、対応する強制空気モジュール500から上流空気流256、対応する下流空気流モジュール800から下流吸引または真空258を提供することができる、専用空気流システムを提供される。いくつかの実施例では、隣接するプリントバー252の間の空間は、狭く、例えば、約50〜200mmである。例えば、隣接するプリントバー252の間の空間は、整合誤差等の他の誤差に対する印刷アセンブリの感受性を低減させるために、可能な限り小さく作製されることができる。本狭間隔に適合するために、各プリントバー252のための空気流システムは、ガスノズル(例えば、ガスノズル508)、スロット252、または吸引ノズル(例えば、吸引ノズル802)、もしくは両方等の空気流システムの構成要素が、隣接するプリントバー252の間の空間の中に嵌合することを可能にする寸法等の小さい寸法を有することができる。いくつかの実施例では、非機能的プリントヘッドが、空気流の悪影響を防止するように、印刷アセンブリ250の一方または両方の端部において提供されることができる。
【0104】
図29を参照すると、いくつかの実施例では、印刷アセンブリ350は、複数のプリントヘッド100を有する、プリントバー352を含む。印刷アセンブリ350はまた、吸引を各プリントヘッド100と基板(図示せず)との間の間隙に印加し、したがって、プリントヘッド100のうちの1つまたはそれを上回るものの下で生じ得る非定常空気流を安定させることに役立つ、単一の下流空気流モジュール360(吸引モジュールと称されることもある)も含む。いくつかの実施例では、1つのプリントヘッド100の下の空気流が、隣接プリントヘッド100の下の空気流に影響を及ぼすことを防止するために、プリントヘッドは、例えば、少なくとも約10mm、少なくとも約15mm、少なくとも約20mm、約20mmの距離、または別の距離によって、プロセス方向に沿って分離される。
【0105】
図30も参照すると、吸引モジュール360は、1つまたはそれを上回る出口ポート366を通して吸引源(図示せず)に接続される、真空マニホールド362を含むことができる。実施例では、吸引モジュール360は、それぞれ25mmの内径を伴う2つの出口ポート366を含むことができる。真空マニホールド362を通した流路は、流動入口370を介して各プリントヘッド100の下の間隙に接続される、流動チャンバ368を含むことができる。流路は、流動等化器372、入口プレナム374、または他の特徴等の流路に沿って空気流を制御、修正、もしくは成形する構成要素を含むことができる。吸引モジュール360は、カバープレート376によって完全または部分的に封入されることができ、流動入口370は、入口カバープレート378によって完全または部分的に封入されることができる。吸引モジュール360は、過剰なインクが吸引モジュール360から除去されることを可能にするように、1つまたはそれを上回るインク排出ポート380を含むことができる。
【0106】
いくつかの実施例では、吸引モジュール360は、真空マニホールド362の下で流動する空気の流動抵抗が、各プリントヘッド100と基板との間の間隙を通した流動抵抗より大きいように構成されることができる。本構成は、真空マニホールド362の中への空気流の大部分が上流方向から(例えば、プリントヘッド100の下から)引かれることを確実にすることに役立つ。ある場合には、真空マニホールド362の下の空気流路がプリントヘッド100の下の間隙より低い高度にあるように、吸引モジュールを位置付けることによって、真空マニホールド362の下の高い流動抵抗が達成されることができる。例えば、真空マニホールド362の下の空気流路は、プリントヘッド100の下の間隙の位置より約1mm〜約5mm低く、例えば、約2mm低くあり得る。ある場合には、例えば、真空マニホールド362がプリントヘッド100の幅より広いように、真空マニホールド362の幅を増加させることによって、真空マニホールド362の下の高い流動抵抗が達成されることができる。例えば、真空マニホールド362は、(約6mm〜約60mmの幅を有するプリントヘッドについて)幅約10mm〜幅約100mm、例えば、幅約60mmであり得る。ある場合には、下流空気流を低減させることができる空気流路内の1つまたはそれを上回る構成要素、例えば、ブラシ、エアナイフ、もしくは別の構成要素を含むことによって、真空マニホールド362の下の高い流動抵抗が達成されることができる。
【0107】
いくつかの実施例では、印刷アセンブリ350は、吸引モジュール360および上流強制ガスモジュールの両方を含むことができる。間隙の中の上流強制ガスの存在は、間隙の中の流体抵抗を低減させ、したがって、印刷システム350がより狭い真空マニホールド362を伴って実装されることを可能にし得る。
【0108】
表1を参照すると、印刷アセンブリ350の計算流体動力学(CFD)シミュレーションの結果が、プリントヘッド100の下方の間隙に対して真空マニホールド362の下の空気流路を陥凹させる役割と、真空マニホールド362の幅の役割とを実証する。「同一平面上」とは、真空マニホールドおよびプリントヘッドが基板からほぼ同一の距離にあることを意味する。これらのCFD結果は、真空マニホールド362の下の空気流路を陥凹させ、真空マニホールド362の幅を増加させることが、プリントヘッドの下から吸引モジュール360に引き込まれる空気流の割合に影響を及ぼし得ることを示す。
【0109】
依然として
図29を参照すると、いくつかの実施例では、印刷アセンブリ350は、プリントバー350の各端部上に非印刷区分390を含むように、プリントヘッド100を越えて延在する。非印刷区分390は、例えば、各端部上で長さ約150mmであり得る。非印刷区分390の存在は、プリントヘッド100の下の間隙の中の流動パターンに悪影響を及ぼし得る、端流効果を最小限にすることに役立ち得る。印刷アセンブリ350が吸引モジュール360および上流強制ガスモジュールの両方を伴って実装されるとき、間隙の中の低減した流体抵抗は、非印刷領域の長さが短縮されることを可能にすることができる。
【表1】
【0110】
図30を参照すると、いくつかの実施例では、印刷アセンブリ350は、間隙と流動入口370との間の接続を除いて、印刷アセンブリ350の長さに沿ってプリントヘッド100と基板との間の間隙を密閉する、シール392を含むことができる。シール392の存在は、プリントヘッド100の下の間隙の中の流動パターンに悪影響を及ぼし得る、端流効果を最小限にすることに役立ち得る。
【0111】
図31を参照すると、いくつかの実施例では、印刷アセンブリ350は、プリントバーの端部から空気流出を防止する、シール394を含むことができる。シール394は、プリントバーの端部に近いベクトルの空気速度の一様性を維持することによって、非印刷区分390の長さが短縮されることを可能にする。
【0112】
図32を参照すると、CFDシミュレーションの結果は、プリントバーの端部において、およびプリントバーの中心に向かっての両方で、プリントヘッドの下方の間隙の中の流動プロファイルに対するプリントヘッド100の下方の間隙を密閉することの影響を示す。
【0113】
図33を参照すると、いくつかの実施形態では、走査印刷アセンブリ700が、固定基板702上に印刷するために構成される。走査印刷アセンブリ700は、1つまたはそれを上回るプリントヘッドを含み、(走査と称されることもある)前後に移動することによって、固定基板702上に印刷することができる。走査印刷アセンブリ700が第1の方向に走査するとき(例えば、印刷アセンブリが
図33に示されるように右に走査するとき)、間隙112の中の空気流は、第1の方向に対して間隙112の上流に位置付けられる第1の強制ガスモジュール704によって、および間隙112の下流に位置付けられる第1の吸引モジュール706によって提供される。走査印刷アセンブリ700が方向を逆転するとき(例えば、印刷アセンブリが左に走査するとき)、間隙112の中の空気流は、第2の方向に対して間隙112の上流に位置付けられる第2の強制ガスモジュール708によって、および間隙112の下流に位置付けられる第2の吸引モジュール710によって提供される。
【0114】
印刷方向が変更されるときに、定常状態空気流が迅速に達成されることを可能にするために、ソレノイド弁等の弁のセットが、ガスおよび吸引モジュールに連結される。走査印刷アセンブリ700が右に走査することから左に走査することへ切り替わるとき、第1の強制ガスモジュール704は、弁714を閉鎖することによって無効にされ、第1の吸引モジュール706は、弁716を閉鎖することによって無効にされ、第2の強制ガスモジュール708は、弁718を開放することによって有効にされ、第2の吸引モジュール710は、弁720を開放することによって有効にされる。右に走査することから左に走査することへ方向を切り替えるためには、反対のことが起こる。本弁制御型切替は、間隙112の中の空気流パターンが迅速に定常状態に達することに役立ち、したがって、印刷アセンブリ700の走査方向が迅速に変更されることを可能にする。
【0115】
図33の実施例では、強制空気および吸引が両方とも、間隙112に印加される。強制空気および吸引の両方の存在は、2つの真空マニホールドおよび2つのノズルの存在によるものである、プリントヘッドの下の高い流体抵抗を克服することに役立ち得る。いくつかの実施例では、強制空気のみまたは吸引のみが、間隙112に印加されることができる。
【0116】
図34Aおよび34Bを参照すると、いくつかの実施形態では、空気または低密度ガスの層流が、液滴運動の方向に一貫した流動を提供するように、噴出の方向に確立されることができる。例えば、伸長孔として実装される層流スロット90が、ノズルプレート104の中のノズル102の1つまたはそれを上回る列106に隣接して提供されることができる。各層流スロット90は、噴出運動の方向への空気91の低速層流を提供し、したがって、最初に印刷された液滴への抗力を低減させ、定常状態液滴速度に達する時間を短縮することができる。例えば、層流スロット90は、環境または圧縮空気もしくはヘリウムのキャニスタ等のガス供給等のガス源に接続される、ガス供給ポート92によって供給されることができる。層流スロット90は、例えば、約2〜10mmの距離だけ、各列106の端部におけるノズル102を越えて延在することができる。
【0117】
図35Aおよび35Bを参照すると、いくつかの実施例では、各層流スロット90は、実質的に噴出運動の方向に空気の層流を集合的に提供し得る、小さい孔94の1つまたはそれを上回る列で形成される、フィルタスクリーンもしくはメッシュマトリクスとして実装されることができる。
【0118】
例えば、
図34Aおよび34Bに示されるような、いくつかの実施例では、単一の層流スロット90が、ノズルの複数の列106のために、例えば、ノズルの最大20列のために提供される。例えば、
図36に示されるような、いくつかの実施例では、層流スロット96が、ノズルの各列106のために、例えば、ノズルの各列の上流に提供される。例えば、層流スロット96は、各層流スロット96がノズルの対応する列106の上流にあるように、ノズルの列106の間に交互配置されることができる。
【0119】
層流スロット90、96は、例えば、ノズル102の約1mm以内に、インク液滴の飛行経路に沿って流動場を確立するために、ノズル102の列106に十分近く配置されることができる。空気または低密度ガスは、非定常流の発生を誘発することなく、噴出が生じる領域中で速度を増加させるために十分な速度において、層流スロット90、96を通して提供されることができる。例えば、空気またはガスは、約0.5m/秒〜約5m/秒の速度において提供されることができる。
【0120】
図37を参照すると、いくつかの実施形態では、吸引が、織物等の多孔質基板110の裏面に印加されることができる。基板の裏面に印加される吸引は、例えば、層流スロット96から下流に空気流を垂直に引き込むことに役立つように、基板を通して垂直に空気流を発生させることに役立ち得る。例えば、基板110は、真空チャック上に配置されることができる。基板の裏面に印加される吸引は、層流スロット96から注入されるガスによって確立される流動場を増進することができる。
図37の実施例では、層流スロット96が、ノズルの各列のために提供される。いくつかの実施例では、単一の層流スロット90によって提供される垂直流動場を増進するように、吸引が印加されることができる。垂直方向への流動場は、飛行中に液滴への抗力を低減させ、液滴速度の有意な損失を伴わずに、より高い高度から液滴の印刷を可能にする。
【0121】
どのようにして噴出条件がプリントヘッドの下のガス流に影響を及ぼすかを調査するために、高高度インクジェット印刷の計算流体動力学(CFD)シミュレーションが行われた。シミュレーションは、流体動力学シミュレーションプログラムであるANSYS(登録商標) CFX(ANSYS, Canonsburg, PA)を使用して、行われた。シミュレーションは、一列に位置付けられたノズルを伴う256ジェット静止プリントヘッドの半対称モデルとしてモデル化された。液滴流によって発生させられるインク液滴の噴出は、5mm間隙を横断して7m/秒および8kHzにおける40ngインク液滴の放出をシミュレートするように、粒子追跡モデルを使用してシミュレートされた。シミュレーションを行うために、メッシュが、流体領域を複数の長方形本体に細分することによって生成され、ANSYS(登録商標)multi−zoneメッシュ化法およびhex dominantメッシュ化法の組み合わせを用いてメッシュ化された。メッシュは、液滴経路を囲繞する領域中で50μmのサイズに精緻化され、2mmのサイズまで徐々に増大させられた。結果として生じるメッシュは、2.6Mモードおよび3.0M要素を生じさせた。
【0122】
モデルは、最初に、プリントヘッドの下にクエット流を発生させるように、定常状態分析として解かれた。基板が、0.5m/秒において移動する壁としてシミュレートされ、静止壁が、プリントヘッド表面に適用され、非壁表面が、1atmにおいて開口部としてモデル化された。これらの模擬条件を用いて、かつ5mmの間隙高度を用いて計算されたレイノルズ数は、乱流の開始を有意に下回る167であった。したがって、層流モデルが適用された。
【0123】
クエット流解の収束後、粒子注入が、各ノズル場所で追加され、7m/秒および8kHzにおいて42μmならびに40ng液滴を放出するように設定された。基板は、粒子が壁から跳ね返り、流動に付加的擾乱を引き起こすことを防止するために、全ての粒子を吸収するように構成された。実験的および計算的の両方で、流動が層流体制にあると判定されたため、シラー・ナウマン抗力モデルが粒子に適用された。過渡シミュレーションは、1E−5秒の時間ステップを使用して、100ミリ秒の合計持続時間にわたって解かれた。
【0124】
図38は、渦60が約50ミリ秒で実質的に完全に発生させられることを示す、t=50ミリ秒におけるCFD結果を示す。基板は、左から右に移動するにつれてシミュレートされる。過渡シミュレーションの結果は、概して、上記で説明される実験結果を確認した。
図39Aおよび39Bも参照すると、渦が液滴カーテンの長さに沿って転回し始めると、直交流が、クロスプロセス方向に液滴への(CFD結果において速度ベクトルとして視覚化される)力を開始し始める。これらの力は、上記で説明されるもの等の画像欠陥をもたらし得る、液滴配置誤差につながり得る。
図39Aは、t=50ミリ秒におけるプリントヘッドの3mm下方のCFD結果を示し、
図39Bは、時間t=1ミリ秒、25ミリ秒、50ミリ秒、75ミリ秒、および100ミリ秒におけるプリントヘッドの3mm下方の流動の過渡応答を示す。
【0125】
図40を参照すると、いくつかの実施形態では、高高度インクジェット印刷が、ヘリウム環境、低圧環境、または真空等の低密度ガス環境内で行われることができる。例えば、プリントヘッド100のうちのいくつかまたは全ては、真空、ヘリウム、もしくは別の低密度ガス、またはガスの組み合わせをその中に伴ってチャンバ70に封入されることができる。例えば、チャンバ70は、基板、プリントヘッド自体100、またはインクジェット印刷システムの別の部分を保持する、プレート71を封入することができる。低密度ガス環境内の印刷は、強制低密度ガスによって供給される利点の多くを提供し、さらに、低密度ガスのより少ない無駄をもたらす。
【0126】
図40の実施例では、ノズルプレート104の底面が、チャンバ70内のヘリウム環境に含有される。ヘリウムが、ガスキャニスタ等のガス源72からチャンバ70の内部に提供され、チャンバの中へのヘリウム流は、弁または質量流量コントローラ等のコントローラ74によって制御される。例えば、ヘリウム流は、チャンバ70内で標的圧力を維持するように制御されることができる。いくつかの実施例では、チャンバ70内の圧力は、周囲環境に対してわずかな陽圧でチャンバ70を維持するように、差圧測定を用いて制御されることができる。いくつかの実施例では、基板の周囲の低密度環境からガスを再生利用し、再生利用ガスをガス源72からのヘリウムと混合して、空気に対するヘリウムの所望の質量分率、例えば、少なくとも約0.5の質量分率を達成するために、圧縮機が使用されることができる。ヘリウム・空気混合物は、ガス供給ポート502を通して間隙112に供給されることができる。
【0127】
ある場合には、基板がプリントヘッド100の下の印刷面積に連続的に進入し、そこから退出することを依然として可能にしながら、基板110が、漏出を軽減するようにチャンバ70の中へ進入し、そこから退出する場所に、ブラシまたは可撓性ワイパ等の流量制限器76a、76bが位置することができる。
【0128】
いくつかの実施例では、ガス流モジュール500は、間隙112内のクエット流を増強するように、プリントヘッド100と基板110との間の間隙112に低密度ガス流を注入することができる。流量制御デバイス500は、間隙の中へ制御されたガス流を提供するように、ファン、ダクト、フィルタ、またはスクリーン等の構成要素を含むことができる。ガス流モジュール500は、無駄を低減させるために、チャンバ70内の低密度ガス環境からの再生利用ガスを使用することができる。いくつかの実施例では、いかなる低密度ガス流も間隙の中で提供されない。
【0129】
再度、
図2を参照すると、いくつかの実施形態では、木目欠陥、霧化欠陥、または両方の発生は、列106の中の隣接するノズル102の間の間隔d、隣接する列106の間の間隔w、もしくは両方を調節することによって、低減させられることができる。具体的には、一貫した天然印刷解像度を維持しながら、ノズル間隔dを縮小することにより、木目欠陥の発生を低減させることができる。理論によって拘束されることなく、ノズル間隔が増加すると、ノズルを通り過ぎる流動に対する抵抗が減少すると考えられる。本低減した抵抗は、順に、クエット流と液滴の運動によって同伴される流動との間の相互作用を低減させ、クエット流が、プリントヘッドと基板との間の間隙の中で発生し得る渦をより容易に安定させることを可能にする。
【0130】
木目欠陥の発生に対するノズル間隔および列間隔の影響を評価するために、線形モータスレッドプリンタを使用して、試験画像が印刷された。クロスプロセス方向に100ドット毎インチ(dpi)およびプロセス方向に400dpiで離間され、長さ2400ピクセル(6インチ)である256本の線の画像パターンが、種々のノズル間隔、印刷速度、および印刷周波数を使用して印刷された。画像は、10ミルフォトベース基板上に黒いセラミックインクを使用して印刷された。実験は、概して、Fujifilm Dimatix(Lebanon, NH)QE−30、PQ−M、またはQS−40プリントヘッドを使用し、ある実験は、SG−1024−MCまたはSAMBA 3plプリントヘッドを使用した。ノズル間隔実験の主要試験パラメータは、以下の通りであった。
クロスプロセスノズル間隔(d):0.25mm;0.5mm
クロスプロセス印刷解像度:100dpi;200dpi;400dpi
プロセス印刷解像度:400dpi
スタンドオフ(h):2.5mm〜5.1mm
液滴放出速度:7m/秒
周波数:4〜24kHz
基板速度:0.25〜1.51m/秒
液滴質量:33〜43ng(天然液滴);95〜110ng(マルチパルス)
【0131】
7m/秒において噴出するための駆動電圧が、各プリントヘッドについて判定され、液滴質量が記録された。各プリントヘッドが7m/秒において噴出していることを確実にするために、正規化液滴質量が、試験の全体を通して使用された。マルチパルス噴出では、ノズルからの液滴放出を制御する、プリントヘッドの中のアクチュエータが、インクのより大きい液滴の放出をもたらす、急速な一連の電気パルスを受ける。マルチパルス噴出は、単一のノズル直径からの異なる液滴サイズの噴出を可能にする。
【0132】
図41は、5.1mmのスタンドオフhについての木目欠陥の発生および重大性に対するクロスプロセスノズル間隔(d)の影響を示す。(0.25mmノズル間隔において、軽微な木目欠陥も3.5mmのスタンドオフhに観察された。結果は示されていない。)各ノズル間隔(0.25mmおよび0.5mm)に関して、噴出周波数および基板速度の組み合わせが、4〜24kHzにおいて試験され、各組み合わせは、400dpiのプロセス解像度を達成した(全ての結果が示されているわけではない)。
図41に示される画像は、QE−30(100ノズル毎インチ(npi))およびPQR−M(50npi)プリントヘッドを使用して印刷され、結果は、QSR−40(100npi)およびSG1024−MC(50npi)プリントヘッドを使用して検証された。
図41に示される画像は、同一の天然解像度に関して、隣接するノズルの間の間隔が増加させることが木目欠陥を軽減することに役立ち得ることを実証する。
【0133】
図41の画像は、基板速度および印刷周波数が増加させられると、木目欠陥の発生が減少することを示す。例えば、1m/秒の基板速度および16kHzの周波数において、木目欠陥の発生は、有意に低減させられた。理論によって拘束されることなく、より高い基板速度および印刷周波数における木目欠陥の本低減は、主に、より速い基板速度によって間隙の中に同伴されるガスの増加したクエット流によるものであると考えられる。液滴抗力は、噴出周波数が8kHzから16kHzまで増加すると、実質的に変化することが測定されず、したがって、噴出の周波数が木目欠陥の低減に有意な影響を及ぼさない場合があることを示す。
【0134】
例えば、いくつかの実施例では、木目欠陥は、列内の隣接するノズルの間に約0.5およびノズルの隣接する列の間に約1mmのノズル間隔を有することによって、低減させられ、または最小限にされることができる。木目欠陥はまた、例えば、流動方向の約10度以内に、流動方向に対して直角にノズルの列を位置付けることによって、低減させられることもできる。
【0135】
実施形態1は、プリントヘッドの底面に形成される複数のノズルであって、基板上に液体を放出するように構成されるノズルを含む、プリントヘッドと、プリントヘッドに対する基板の運動に対応する方向にプリントヘッドの底面と基板との間の間隙を通してガス流を提供するように構成される、ガス流モジュールとを備える、システムを対象とする。
【0136】
実施形態2は、ガス流モジュールが、間隙にガスを注入するように構成される、1つまたはそれを上回るガスノズルを備える、実施形態1を対象とする。
【0137】
実施形態3は、1つまたはそれを上回るガス流ノズルが、ノズルと交互配置される、実施形態2を対象とする。
【0138】
実施形態4は、1つまたはそれを上回るガス流ノズルが、伸長ノズルを備える、実施形態2または3を対象とする。
【0139】
実施形態5は、伸長ガスノズルが、プリントヘッドの底面に対して約0〜45°の角度で配置される、実施形態4を対象とする。
【0140】
実施形態6は、伸長ガスノズルが、基板の運動の方向と垂直である方向に対して約45〜90°の角度で配置される、実施形態4または5を対象とする。
【0141】
実施形態7は、伸長ノズルの幅が、約1〜8mmである、実施形態4〜6のうちのいずれかを対象とする。
【0142】
実施形態8は、各伸長ノズルが、プリントヘッドの底面に形成されるノズルの列と実質的に平行に配列される、実施形態4〜7のうちのいずれかを対象とする。
【0143】
実施形態9は、ガス流ノズルのうちの少なくとも1つが、複数の孔を備える、実施形態2〜8のうちのいずれかを対象とする。
【0144】
実施形態10は、各ガスノズルが、プリントヘッドの底面に対して約0〜45°の角度で配置される、実施形態2〜9のうちのいずれかを対象とする。
【0145】
実施形態11は、各ガスノズルの幅が、約1〜8mmである、実施形態2〜10のうちのいずれかを対象とする。
【0146】
実施形態12は、ガス流モジュールが、第1のガス流モジュールであり、さらに、第2のガス流モジュールを備え、第1のガス流モジュールは、第1の方向に間隙を通してガス流を提供するように構成され、第2のガス流モジュールは、第1の方向と反対の第2の方向に間隙を通してガス流を提供するように構成される、先述の実施形態のうちのいずれかを対象とする。
【0147】
実施形態13は、第1のガス流モジュールが間隙を通してガス流を提供することを可能にするように構成される、第1の弁と、第2のガス流モジュールが間隙を通してガス流を提供することを可能にするように構成される、第2の弁とを備える、実施形態12を対象とする。
【0148】
実施形態14は、第1のガス流モジュールが、プリントヘッドの第1の側面上に位置付けられ、吸引を間隙に印加するように構成される、第1の吸引モジュールを備え、第2のガス流モジュールが、第1の側面と反対のプリントヘッドの第2の側面上に位置付けられ、吸引を間隙に印加するように構成される、第2の吸引モジュールを備える、実施形態12または13を対象とする。
【0149】
実施形態15は、第1のガス流モジュールが、プリントヘッドの第2の側面上に位置付けられ、間隙にガスを注入するように構成される、1つまたはそれを上回る第1のガス流ノズルを備え、第2のガス流モジュールが、プリントヘッドの第1の側面上に位置付けられ、間隙にガスを注入するように構成される、1つまたはそれを上回る第2のガス流ノズルを備える、実施形態14を対象とする。
【0150】
実施形態16は、ガス流モジュールが、ノズルが基板上に液体を放出する方向に実質的に対応する方向にガス流を提供するように位置付けられる、先述の実施形態のうちのいずれかを対象とする。
【0151】
実施形態17は、ガス流モジュールが、複数のプリントヘッドのそれぞれのためのガス流を提供するように構成される、先述の実施形態のうちのいずれかを対象とする。
【0152】
実施形態18は、ガス流モジュールが、ガス源からガスを受容するように構成されるコネクタを備える、先述の実施形態のうちのいずれかを対象とする。
【0153】
実施形態19は、ガス流モジュールが、間隙を通して低密度ガス流を提供するように構成される、先述の実施形態のうちのいずれかを対象とする。
【0154】
実施形態20は、低密度ガスが、ヘリウムを含む、実施形態19を対象とする。
【0155】
実施形態21は、ガス流モジュールが、ノズルの上流に位置付けられる、先述の実施形態のうちのいずれかを対象とする。
【0156】
実施形態22は、ガス流モジュールが、吸引を間隙に印加するように構成される、先述の実施形態のうちのいずれかを対象とする。
【0157】
実施形態23は、ガス流モジュールが、ノズルの下流に位置付けられる、先述の実施形態のうちのいずれかを対象とする。
【0158】
実施形態24は、ガス流モジュールを通したガス流路が、間隙を通したガス流路より低いように、ガス流モジュールが位置付けられる、実施形態23を対象とする。
【0159】
実施形態25は、ガス流モジュールが、プリントヘッドの底面より幅が広い、実施形態23または24を対象とする。
【0160】
実施形態26は、間隙の外側縁が、プリントヘッドの少なくとも一部に沿って密閉される、実施形態23〜25のうちのいずれかを対象とする。
【0161】
実施形態27は、ガス流モジュールが、ノズルの上流に位置付けられる第1のガス流モジュールであり、システムが、ノズルの下流に位置付けられる第2のガス流モジュールを含む、先述の実施形態のうちのいずれかを対象とする。
【0162】
実施形態28は、ガス流モジュールが、間隙にガスを注入するように構成される、第1のガス流モジュールであり、システムが、吸引を間隙に印加するように構成される、第2のガス流モジュールを含む、先述の実施形態のうちのいずれかを対象とする。
【0163】
実施形態29は、プリントヘッドの底面と基板との間の間隙が、少なくとも約3mmである、先述の実施形態のうちのいずれかを対象とする。
【0164】
実施形態30は、プリントヘッドの底面と基板との間の間隙が、少なくとも約5mmである、先述の実施形態のうちのいずれかを対象とする。
【0165】
実施形態31は、間隙への入口に配置される入口バッフルもしくは間隙からの出口に配置される出口バッフルのうちの1つまたはそれを上回るものを備える、先述の実施形態のうちのいずれかを対象とする。
【0166】
実施形態32は、入口バッフル、出口バッフル、または両方の長さが、プリントヘッドの底面と基板との間の間隙の高度より少なくとも5倍大きい、実施形態31を対象とする。
【0167】
実施形態33は、吸引を基板の裏面に印加するように構成される吸引発生器を備える、先述の実施形態のうちのいずれかを対象とする。
【0168】
実施形態3444は、ガス流モジュールが、実質的にプリントヘッドの底面と基板との間の中間点における間隙の領域中で約0.25m/秒〜約1.5m/秒の速度においてガス流を提供するように構成される、先述の実施形態のうちのいずれかを対象とする。
【0169】
実施形態35は、ガス流モジュールが、プリントヘッドの長さに沿って20%以内の一様性を有する速度においてガス流を提供するように構成される、先述の実施形態のうちのいずれかを対象とする。
【0170】
実施形態36は、ガス流モジュールが、間隙に進入することに先立って、それを通ってガスが流動する、拡散器を備える、先述の実施形態のうちのいずれかを対象とする。
【0171】
実施形態37は、拡散器が、蛇行チャネルを備える、実施形態36を対象とする。
【0172】
実施形態38は、拡散器が、多孔質材料を含む、実施形態36または37を対象とする。
【0173】
実施形態39は、複数のプリントヘッドであって、基板上に液体を印刷するように構成されるプリントヘッドを受容するように構成される、プリントバーと、プリントヘッドに対する基板の運動に対応する方向に各プリントヘッドの底面と基板との間の間隙を通してガス流を提供するように構成される、ガス流モジュールとを備える、システムを対象とする。
【0174】
実施形態40は、プリントバーに取り付けられた複数のプリントヘッドを備える、実施形態39を対象とする。
【0175】
実施形態41は、プリントバーが、プリントバーの縁と最外プリントヘッドを受容するように構成されるプリントバー上の場所との間に非印刷領域を含む、実施形態40を対象とする。
【0176】
実施形態42は、ガス流モジュールが、伸長ノズルを備える、実施形態39〜41のうちのいずれかを対象とする。
【0177】
実施形態43は、ガス流モジュールが、プリントバーの中に形成される、実施形態39〜42のうちのいずれかを対象とする。
【0178】
実施形態44は、ガス流モジュールが、間隙にガスを注入するように構成される、実施形態39〜43のうちのいずれかを対象とする。
【0179】
実施形態45は、ガス流モジュールが、吸引を間隙に印加するように構成される、実施形態39〜44のうちのいずれかを対象とする。
【0180】
実施形態46は、ガス流モジュールが、プリントヘッドの上流に位置付けられる、第1のガス流モジュールであり、システムが、プリントヘッドの下流に位置付けられる、第2のガス流モジュールを含む、実施形態39〜45のうちのいずれかを対象とする。
【0181】
実施形態47は、ガス流モジュールが、間隙にガスを注入するように構成される、第1のガス流モジュールであり、システムが、吸引を間隙に印加するように構成される、第2のガス流モジュールを含む、実施形態39〜46のうちのいずれかを対象とする。
【0182】
実施形態48は、ガス流モジュールが、プリントバーの長さに沿って20%以内の一様性を有する速度においてガス流を提供するように構成される、実施形態39〜47のうちのいずれかを対象とする。
【0183】
実施形態49は、ガス流モジュールを通したガス流路が、間隙を通したガス流路より低いように、ガス流モジュールが位置付けられる、実施形態39〜48のうちのいずれかを対象とする。
【0184】
実施形態50は、ガス流モジュールが、プリントバーの底面より幅が広い、実施形態39〜49のうちのいずれかを対象とする。
【0185】
実施形態51は、間隙の外側縁が、プリントバーの少なくとも一部に沿って密閉される、実施形態39〜50のうちのいずれかを対象とする。
【0186】
実施形態52は、システムが、複数のプリントバーと、各ガス流モジュールが複数のプリントバーのうちの1つに対応する、複数のガス流モジュールとを備える、実施形態39〜51のうちのいずれかを対象とする。
【0187】
実施形態53は、プリントヘッドの底面と基板との間の間隙を通して低密度ガス流を提供するステップと、プリントヘッドの底面に形成される複数のノズルから、間隙を通して基板上に液体を放出するステップとを含む、方法を対象とする。
【0188】
実施形態54は、低密度ガスが、ヘリウムを含む、実施形態53を対象とする。
【0189】
実施形態55は、低密度ガスを提供するステップが、間隙を通して低密度ガスを流動させるステップを含む、実施形態53または54を対象とする。
【0190】
実施形態56は、プリントヘッドに対する基板の運動に対応する方向に低密度ガスを流動させるステップを含む、実施形態55を対象とする。
【0191】
実施形態57は、間隙への入口に配置される入口バッフルもしくは間隙からの出口に配置される出口バッフルのうちの1つまたはそれを上回るものを通して、低密度ガスを流動させるステップを含む、実施形態55または56を対象とする。
【0192】
実施形態58は、低密度ガスを提供するステップが、1つまたはそれを上回るガスノズルから間隙に低密度ガスを注入するステップを含む、実施形態53〜57のうちのいずれかを対象とする。
【0193】
実施形態59は、低密度ガスを提供するステップが、低密度ガスを含有する環境内にプリントヘッドの底面を配置するステップを含む、実施形態53〜58のうちのいずれかを対象とする。
【0194】
実施形態60は、吸引を間隙に印加するステップを含む、実施形態53〜59のうちのいずれかを対象とする。
【0195】
実施形態61は、吸引を基板の裏面に印加するステップを含む、実施形態53〜60のうちのいずれかを対象とする。
【0196】
実施形態62は、ガス流を提供するステップが、実質的にプリントヘッドの底面と基板との間の中間点における間隙の領域中で約0.25m/秒〜約1.5m/秒の速度においてガス流を提供するステップを含む、実施形態53〜61のうちのいずれかを対象とする。
【0197】
実施形態63は、ガス流を提供するステップが、プリントヘッドの長さに沿って20%以内の一様性を有する速度においてガス流を提供するステップを含む、実施形態53〜62のうちのいずれかを対象とする。
【0198】
実施形態64は、間隙を通してガス流を提供するステップが、プリントヘッドが基板に対して第1の方向に移動するときに、間隙を通して第1の方向にガス流を提供するステップと、プリントヘッドが、基板に対して第2の方向であって、第1の方向と反対の第2の方向に移動するときに、間隙を通して第2の方向にガス流を提供するステップとを含む、実施形態53〜63のうちのいずれかを対象とする。
【0199】
前述の説明は、添付の請求項の範囲によって定義される、本発明の範囲を限定するのではなく、例証することを意図していると理解されたい。他の実装もまた、以下の請求項の範囲内である。