特許第6235784号(P6235784)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235784
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】フォリオ判紙の連の包装方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 11/16 20060101AFI20171113BHJP
   B65B 25/14 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   B65B11/16
   B65B25/14 A
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-52108(P2013-52108)
(22)【出願日】2013年3月14日
(65)【公開番号】特開2013-193794(P2013-193794A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2016年3月14日
(31)【優先権主張番号】61/611,826
(32)【優先日】2012年3月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513063361
【氏名又は名称】ペムコ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PEMCO Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア・チノッティ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ウルマー
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・ジェイ・ルー
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・リー・ランビー
【審査官】 長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−178316(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0272788(US,A1)
【文献】 特開平03−098869(JP,A)
【文献】 特公昭57−044525(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 11/16
B65B 25/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォリオ判紙の連の包装方法であって、
フォリオ判紙の連の前縁部が包装シートに到達する以前に包装シートに弛み又はデントが生じるように包装シートを予め弛ませるステップ、
包装シートを、その上方フラップ及び下方フラップがフォリオ判紙の連の後縁部に沿って曲折準備状況となるように包装シートを位置決めするステップ、
フォリオ判紙の連を曲折位置方向で包装シート内に駆動するステップ、
フォリオ判紙の連が曲折位置方向に順送する間、包装シートにバブル状部分を形成するステップ、
フォリオ判紙の連が曲折位置方向に順送する間、フォリオ判紙の連が曲折位置で停止した後に下方フラップがフォリオ判紙の連の下方の後縁部を越えて伸延するように包装シートをカットするステップ、
上方フラップをフォリオ判紙の連の頂部位置に保持するステップ、
フォリオ判紙の連の後縁部上に上方フラップ曲折部を形成するステップ、
包装シートの下方フラップの外側表面を真空を介して平坦に保持する間、包装シートの下方フラップの内側表面に糊材を塗布するステップ、
包装シートの下方フラップを上方に曲折すると同時に、真空を介して下方フラップの外側表面に力を付加して曲折中の下方フラップを平坦に維持するステップ、
包装シートの下方フラップの内側表面を包装シートの上方フラップの外側表面に固着するステップ、
フォリオ判紙の連を逆送させて下方フラップ側の糊材を上方フラップに押し付けてフォリオ判紙の連上に後縁部シームを形成するステップ、
を含む方法。
【請求項2】
前記下方フラップが、フォリオ判紙の連が曲折位置で停止した後、フォリオ判紙の連の後縁部を短距離越えて伸延する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フォリオ判紙の連の後縁部上に上方フラップ曲折部を形成するステップが、サーボ起動式の上方曲折ユニットを介して上方フラップを曲折させるステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記サーボ起動式の上方曲折ユニットを介して上方フラップを曲折させるステップが、フォリオ判紙の連が上方中間コンベヤ及び下方中間コンベヤによりニップされる間、上方曲折ユニットを前記連の順送方向に垂直な方向に伸延させるステップを更に含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
上方曲折ユニットにより、上方フラップにおける包装シートの弛みを伸ばすステップを更に含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記包装シートの下方フラップを上方に曲折させるステップが、糊材を、上方曲折ユニットから離間した状態に真空を介して保持するステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記包装シートの下方フラップを上方に曲折させるステップが、下方フラップをサーボ起動式の下方曲折ユニットを介して曲折させるステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記包装シートを予め弛ませるステップが、包装シート上の2つのポイント位置で包装シートを弛ませるステップを含み、前記2つのポイント位置が、包装シート上における、フォリオ判紙の連の前端部の2つの前縁部の位置に隣り合い且つ平行な位置であり、フォリオ判紙の連が包装シート方向に順送し且つ包装シートと接触するとフォリオ判紙の連の2つの前縁部が包装シートの2つの弛ませた部分と接触し、かくして包装シートがフォリオ判紙の連上に容易に折り曲がる請求項1に記載の方法。
【請求項9】
フォリオ判紙の連に後縁部シームを形成する包装装置であって、
下方送りコンベヤ、上方送りコンベヤ、下方送りコンベヤ上に配置され上方送りコンベヤによりニップされたフォリオ判紙の連、を有する第1ステーション、
予め弛ませた包装シート、フォリオ判紙の連が包装シートを通して駆動される以前に包装シートを保持する真空ベルト対を含み、包装シート内にバブル状部分が形成された後に包装シートをカットするカット機構、を更に含む第2ステーション、
上方中間コンベヤ、下方中間コンベヤ、曲折位置、上方曲折ユニット、前記包装シートの下方フラップの内側表面に糊材を塗布する間に前記下方フラップの底部表面上に力を付加して下方フラップを平坦状態に維持する真空を有する下方曲折ユニット、を有する第3ステーション、
を含み、前記下方及び上方の各送りコンベヤが、フォリオ判紙の連を下流側又は上流側の方向に移動させる構成を有し、
前記予め弛ませた包装シートが、フォリオ判紙の前端部の2つの前縁部の位置に隣り合い且つ平行する、前記包装シートを予め弛ませる2つのポイント位置を有する装置。
【請求項10】
前記上方曲折ユニット及び下方曲折ユニットが2軸サーボにより制御される請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記上方中間コンベヤ及び下方中間コンベヤがサーボ起動及び制御され、前記上方及び下方の各中間コンベヤが、同期サーボモータを介して等速、等加速度、で動作し且つ等位置を有するようになっている請求項9に記載の装置。
【請求項12】
下方フラップの内側表面に糊材を塗布する横断方向糊付けユニットにして、サーボ制御され、且つ、空気圧を介して降下されて下方フラップから一定距離の位置に糊材を塗布する横断方向糊付けユニットを更に含む請求項9に記載の装置。
【請求項13】
下方曲折ユニットの真空が更に、下方フラップが上方フラップ曲折部に接着される際に糊材を上方曲折ユニットから離間した状態に保持する請求項9に記載の装置。
【請求項14】
上方曲折ユニットが曲折軸を含み、下方曲折ユニットが曲折軸を含み、各前記曲折軸が、上方曲折ユニットが下方に移動し且つ下方曲折ユニットが上方に移動する際に共に移動し、各曲折軸間に小間隙が維持される請求項9に記載の装置。
【請求項15】
糊材が前記小間隙を通過する請求項14に記載の装置。
【請求項16】
下方曲折ユニットが、紙連の裏側の垂直表面の不整部分の影響を無くすためのコンプライアント材を有する前側フェースを更に含み、フォリオ判紙の連が逆送されると糊材がフォリオ判紙の連と前記コンプライアント材との間で加圧される請求項9に記載の装置。
【請求項17】
フォリオ判紙の連の包装方法であって、
包装するフォリオ判紙の連を下流側方向に移動させるステップ、
包装シートがフォリオ判紙の連の前縁部に到達する以前に包装シートを予め弛ませるステップ、
包装シート内にバブル状部分を形成し、フォリオ判紙の連が曲折位置に向けて順送する間に、包装シートの下方フラップ及び上方フラップがフォリオ判紙の連が曲折位置で停止した後、フォリオ判紙の連の後縁部を越えて伸延するように包装紙をカットするステップ、
フォリオ判紙の連が曲折位置にある時に上方フラップでフォリオ判紙の連の後縁部上に上方フラップ曲折部を形成するステップ、
包装シートの下方フラップの底部表面を真空を介して平坦に保持する間、包装シートの下方フラップの頂部表面に糊材を塗布するステップ、
包装シートの下方フラップを上方に曲折させると同時に、糊材が上方フラップ曲折部の外側表面と接触するまで、下方フラップの対向する各表面上に対向する力が作用して曲折中の下方フラップが平坦状態に維持されるよう、下方フラップの底部表面に真空ユニットを介して力を付加するステップ、
下方フラップから上方フラップに糊材が加圧されてフォリオ判紙の連上に後縁部シームが形成されるよう、フォリオ判紙の連を逆送させて上流側方向に所定距離移動させるステップ、
フォリオ判紙の連を下流側方向に順送させてフォリオ判紙の連の包装を完了するステップ、
を含む方法。
【請求項18】
包装するフォリオ判紙の連を下流側方向に移動させるステップが、フォリオ判紙の連を上方送りコンベヤと下方送りコンベヤとの間で駆動するステップを含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
フォリオ判紙の連を逆送させるステップが、上方及び下方の各中間コンベヤを駆動するサーボモータに電子的にカップリングさせたサーボモータに対して逆送させる信号を送るステップを含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
フォリオ判紙の連の包装方法であって、
フォリオ判紙の連を下流側方向に移動させるステップ、
包装シートがフォリオ判紙の連の前縁部に到達する以前に包装シートを予め弛ませるステップ、
包装シートをカットする前で、しかしフォリオ判紙の連の前縁部が包装シートと接触した後で且つフォリオ判紙の連が曲折位置に到達する以前に包装シート内にバブル状部分を形成するステップ、
フォリオ判紙の連が曲折位置に到達した時に包装シートの第1フラップ及び第2フラップをフォリオ判紙の連の後縁部を越えて伸延させるステップ、
フォリオ判紙の連の第1フラップ又は第2フラップの一方を保持するステップ、
第1フラップ及び第2フラップの一方をフォリオ判紙の連の一部に保持させるステップ、
第1フラップ及び第2フラップの一方を曲折してフォリオ判紙の連の後縁部上に第1曲折部を形成するステップ、
第1フラップ及び第2フラップの他方における頂部表面及び底部表面の一方に対向する表面を真空を介して平坦に保持する間、前記第1フラップ及び第2フラップの他方における頂部表面及び底部表面の前記一方に糊材を塗布するステップ、
前記第1フラップ及び第2フラップの他方を曲折してフォリオ判紙の連の後縁部上に第2曲折部を形成すると同時に、第1フラップ及び第2フラップの他方における頂部表面及び底部表面の一方に対向する表面に真空を介して力を付加し、かくして第1フラップ及び第2フラップの一方を曲折中に平坦状態に維持するステップ、
フォリオ判紙の連を逆送させて第1フラップ及び第2フラップの一方から糊材をフォリオ判紙の連上に押し付けて後縁部シームを形成するステップ、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紙の連を包装するための方法及びシステムに関し、詳しくは、後縁部にシームを形成するフォリオ判紙の連の包装方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば約8.5インチ(約21.6cm)×11インチ(約27.9cm)〜14インチ(約35.6cm)×20インチ(約50.8cm)までの範囲のディメンションを持つ標準サイズのカット紙の連は、代表的には、連底部にガース(girth)シーム(シール)を使用して包装される。この方法は包装速度を最大化させるためのものである。この方法では、図1に例示する如く、3ピース構造のエレベーター1で連2を下方からの包装紙内に押し込んで連2の周囲の3方の側面を包囲する。アンダーフォルドプレート4が上流側及び下流側の両方向から連2に接近して底部ガースシームを形成する。3ピース構造のエレベーター1が2つのステージに分離すると連2はその中央エリア5で支持され、アンダーフォルドが開始される。
【0003】
しかし、カット紙の連の前記包装方法はフォリオ判紙の連には適さない。なぜなら、フォリオ判紙の連はそのディメンションがカット紙の連のそれより、例えば、約36インチ(約91.44cm)×約52インチ(約132.1cm)の如くずっと大きいためである。かくして、カット紙の連の包装法ではフォリオ判紙の連の非支持分が過大となる。この問題を回避するため、伝統的なフォリオ判紙包装機では連の頂部に当業者には既知の種々の異なる方法でガースシームが配置される。しかしながら、フォリオ判紙の連の頂部にガースシームが存在することで新たな問題が生じる。詳しくは、ガースシームに用いる接着材が、各連の積層時に各連の頂部及び底部の各表面上の加圧点となるのである。この問題は、軽量紙の包装時に生じる場合がある。ガースシームは、多数積層したフォリオ判紙連の重量下に、多数の連の頂部位置の何枚かのシートに望ましからざる皺を生じさせ、そうでなければ損傷させ得る。更に、積層したフォリオ判紙の数連における各頂部のガースシームが集積してクラウニング効果が生じるため、パレット上に積載し得る連数が制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の如き従来問題を解決する、後縁部シームを形成するフォリオ判紙の連の包装装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、フォリオ判紙の連の包装方法及び装置が提供される。詳しくは、本発明の1実施例によれば、フォリオ判紙の連の包装方法であって、フォリオ判紙の連の前縁部が包装シートに到達するに先立ち、包装シートに弛みまたはデントが生じるように包装シートに予め弛み付けするステップ、包装シートの上方フラップ及び下方フラップをフォリオ判紙の連の後縁部に沿って曲折させるように前記包装シートを位置決めするステップ、フォリオ判紙の連を包装シート内に曲折位置方向で押し込むステップ、を含む方法が提供される。本方法には、フォリオ判紙の連が曲折位置に順送される間に包装シート内に包装バブルを形成するステップ、フォリオ判紙の連が曲折位置に順送する間に、フォリオ判紙の連が前記曲折位置で停止した後に包装シートの下方フラップがフォリオ判紙の連の下方の後縁部を超えて伸延するよう包装シートをカットするステップ、前記下方フラップをフォリオ判紙の連の頂部に保持するステップ、が更に含まれる。
【0006】
また、本方法には、フォリオ判紙の連の後縁部上に上方フラップを折込み形成するステップ、包装シートの下方フラップの内側表面に接着材を塗布し、その間、包装紙の下方フラップの外側表面を真空を介して保持するステップ、包装シートの下方フラップを上方に曲折し、その間同時に、下方フラップの底部表面に真空を介して力を付加して前記曲折中の下方フラップを維持するステップ、が含まれる。包装シートの下方フラップの内側表面が包装シートの上方フラップの外側表面に固着され、次いで、フォリオ判紙の連が逆送されて接着材が下方フラップから上方フラップにかけて加圧され、かくしてフォリオ判紙の連の後縁部上にシームが形成される。
【0007】
ある実施例ではフォリオ判紙が曲折位置で停止した後、下方フラップがフォリオ判紙の連の後縁部を短距離超えるよう伸延され得る。
他の実施例では、フォリオ判紙の連の後縁部上に上方フラップを折込み形成するステップが、サーボ起動式の上方曲折ユニットを介して上方フラップを曲折させるステップを含み得、前記サーボ起動式の上方曲折ユニットを介して上方フラップを曲折させるステップが、フォリオ判紙の連が上方中間コンベヤ及び下方中間コンベヤによりニップされる間、上方曲折ユニットを下方に伸延させるステップを含み得る。
本方法には更に、上方曲折ユニットにより上方フラップにおける包装の弛みを取るステップが含まれ得る。
【0008】
加えて、前記包装シートの下方フラップを上方に曲折させるステップが、真空を介して接着材を上方曲折ユニットから離間させるよう保持するステップが更に含まれ得る。
また、前記包装シートの下方フラップを上方に曲折させるステップが、サーボ起動式の下方曲折ユニットを介して下方フラップを曲折させるステップを含み得る。
更には、予め前記包装シートに予め弛み付けして包装シートに弛みまたはデントを生じさせるステップが、包装シート上の2点位置に弛みを付ける弛み付けステップにして、前記2点位置が、包装シート上のフォリオ判紙の連の前端の2つの前縁部位置に隣り合い且つ平行な位置であり、前記フォリオ判紙が包装シートに向けて順送され且つ接触するとフォリオ判紙の連の前記2つの前縁部が包装シートの2つの弛み付け部分と接触し、かくして包装シートをフォリオ判紙上に容易に曲折可能となる弛み付けステップを含む。
【0009】
本発明の他の実施例では、フォリオ判紙の連の後縁部を形成するための包装装置であって、下方送りコンベヤ、上方送りコンベヤ、下方送りコンベヤ上に配置され、上方送りコンベヤによりニップされたフォリオ判紙の連、を含む装置が提供される。本装置は更に、予め弛み付けした包装シート、フォリオ判紙の連が包装シートを通して駆動される以前に包装シートを保持する一対の真空ベルト、を含む第2ステーションが含まれる。包装シート内に包装バブルが形成された後、包装シートをカットするカット機構も含まれる。装置は、上方中間コンベヤ、下方中間コンベヤ、曲折位置、上方曲折ユニット、下方曲折ユニット、をも含み、下方曲折ユニットは、下方フラップを平坦に維持するよう、下方フラップの底部表面上に力を付加する真空を有する。下方及び上方の各中間コンベヤはフォリオ判紙の連を下流側方向及び上流側方向に夫々移動させるよう構成される。
【0010】
本発明の更に他の方法実施例によれば、フォリオ判紙の連の包装方法であって、包装するフォリオ判紙の連を下流側方向に移動させるステップ、フォリオ判紙の連の前縁部が包装シートに到達する以前に包装シートに弛みが生じるよう包装シートに予め弛みを付ける弛み付けステップ、フォリオ判紙の連が曲折位置方向に順送する間、包装シート内に包装バブルを形成し、且つ、フォリオ判紙の連が曲折位置で停止するに先立ち、包装シートの下方及び上方の各フラップを紙連の後縁部を越えて伸延するよう包装シートをカットするステップ、を含む方法が提供される。本方法は更に、上方フラップを用いて、曲折位置のフォリオ判紙の連の後縁部上に上方フラップ曲げ部を形成するステップ、真空を用いて包装シートの下方フラップの底部表面を平坦に維持する間、包装シートの下方フラップの頂部表面に接着材を塗布するステップ、包装シートの下方フラップを上方に曲折させると同時に、接着材が上方フラップ曲げ部の外側表面上に接触するまで真空を介して下方フラップの底部表面に力を付加し、かくして下方フラップの対向する各表面上に、曲折中に下方フラップを平坦に維持する対向力を作用させるステップ、を含む。
【0011】
更に他の方法実施例によれば、フォリオ判紙の連の包装方法であって、包装するフォリオ判紙の連を下流側方向に移動させ、フォリオ判紙の連の前縁部が包装紙に到達する以前に包装シートに弛みが生じるよう包装シートに予め弛み付けするステップ、フォリオ判紙の連の前縁部が包装シートに到達した後、且つ、フォリオ判紙の連が曲折位置に到達する以前に包装シート内に包装バブルを形成するステップ、を含む方法が提供される。本方法は更に、フォリオ判紙の連が曲折位置に到達した次点で包装シートの第1及び第2の各フラップをフォリオ判紙の連の後縁部を越えて伸延させるステップ、第1及び第2の各フラップの一方をフォリオ判紙の連の一部に保持し、前記一方のフラップを曲折てフォリオ判紙の連の後縁部上に第1曲折部を形成するステップを含む。本方法は更に、第1及び第2フラップの他方における頂部表面及び底部表面の一方に対向する表面を真空を介して保持しつつ、第1及び第2フラップの他方における頂部表面及び底部表面の一方に接着材を塗布するステップ、前記第1及び第2の各フラップの他方を曲折てフォリオ判紙の連の後縁部上に第2曲折部を形成すると同時に、前記第1及び第2のフラップの他方における頂部及び底部の各表面の対向する一方の表面に真空を介して力を付加して前記曲折中の第1及び第2フラップの一方を平坦に維持するステップ、を含む。本方法は、フォリオ判紙の連を逆送させることで第1及び第2の各フラップの一方の接着材を加圧するプラテン様ツールとして有効利用し、かくしてフォリオ判紙の連上に後縁部シームを形成するステップも含む。
【発明の効果】
【0012】
前記従来問題を解決する、後縁部シームを形成するフォリオ判紙の連の包装装置及び方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】カットサイズ紙の連を包装してその底部上にガースシームを形成するための従来装置の断面図である。
図2】本発明に従うフォリオ判紙の連の包装装置の、前記連が第1ステーション上に配置され且つ包装シートに接近する状況での断面図である。
図3図2のフォリオ判紙の連の包装装置の、包装シートが連の周囲に部分的に配置され且つ曲折位置に移動する状況での断面図である。
図4図2のフォリオ判紙の連の包装装置の、フォリオ判紙の連曲折位置にある状況での断面図である。
図5図2のフォリオ判紙の連の包装装置の、上方曲折ユニットが降下して包装シートの上方フラップを保持する状況での断面図である。
図6図2のフォリオ判紙の連の包装装置の、上方曲折ユニットの一部が再降下され、かくして上方フラップを保持する状況での断面図である。
図7図2のフォリオ判紙の連の包装装置の、下方フラップの内側又は頂部頂面に接着材を塗布した状況での断面図である。
図8図2のフォリオ判紙の連の包装装置の、上方に移動する下方曲折ユニットを収受させるべく接着材塗布用の接着材ヘッドを上昇させた状況での断面図である。
図9図2のフォリオ判紙の連の包装装置の、下方曲折ユニットが上昇して下方フラップを上方フラップに抗して保持し、フォリオ判紙の連の方向を、下方フラップと上方フラップとの間で逆送させて接着材を加圧する状況での断面図である。
図10図2のフォリオ判紙の連の包装装置の、フォリオ判紙の連の後縁部位置に後方のガースシームが形成され、フォリオ判紙の連が下流側方向に順送して曲折サイクルを完了する状況での断面図である。
図11図2のフォリオ判紙の連の包装装置の、上方及び下方の各曲折ユニットがスタート位置に戻り、装置が包装するフォリオ判紙の連を受ける準備状態にある状況での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明のフォリオ判紙の連の後方にガースシームを形成する包装装置及び方法を説明する。GRMは、紙のみならずその他の特定製品を、代表的にはSBS及びSUS紙性の外側ラップ内に包装し得るフォリオ判紙の連である。本発明の後方ガース(RG)GRM(RG−GRM)式の包装サイクルには、紙連を自動包装してその縦方向の尾部又は後縁部上に接着材による主たるガースシームを形成する方法が含まれる。これにより、各連をパレット上に積層してもガースシームには圧力が掛からないため紙連のシートが保護(保護されない場合はある紙連の上部の数枚のシートが、それより上側の紙連の底面上のガースシームの圧力によるマーキングを生じて不良化する)され、また、クラウニング(紙連の安定性や積層数を制限し得る)が防止される。紙連のパレット上での安定性も向上する。以下に、後方ガースシームの自動形成法を説明する。
【0015】
詳しくは、図2を参照するに、フォリオ判紙の連12を自動包装する装置10が例示される。装置10は、下方送りコンベヤ(LINFC)16及び上方送りコンベヤ18を有する第1ステーション14を含む。連12は下方送りコンベヤ16上に配置され且つ上方送りコンベヤ(UINFC)18によりニップされる。
【0016】
装置10は更に、一対の予備弛み付けポイント21a及び21bを有する予備弛み付けした包装シート21を有する第2ステーション20を含む。詳しくは、その一例において、弛みは包装シート21の、フォリオ版紙の連12の前縁部19の2つの各前縁19a、19bの位置に隣り合い且つ平行な2つの点位置に形成される。かくして、フォリオ版紙の連12が順送して包装シート21に接触すると、その2つの各前縁19a、19bが包装シート21の2つの弛み部21a、21bに接触し、かくして包装シート21は連12上に容易に折り曲がる。一対の真空ベルト15が、フォリオ版紙の連12が包装シート21を貫いて駆動される以前に包装シート21を保持する。各ポイント位置で包装シート21に予め弛み付けすることで、包装シート21にはフォリオ版紙の連12の前縁部19が包装シート21に到達する以前に弛み又はデントが生じる。
【0017】
図2に更に示すように、第2ステーション20は、包装シート21に以下に詳しく説明する包装バブル24(図3)の形成後に包装シート21をカットするカット機構17をも含む。包装シート21は、紙連12が包装シートを貫いて駆動され且つ包装シート21の後縁部25が曲折位置23に到達した際に包装シート21の上方フラップ26及び下方フラップ28(図4)の各々が容易に曲折られるように位置決めされる。この点は、包装シート21がその上縁部を紙連の後縁部25から、例えば約140mmの位置で紙連12の上面上で終端するように位置決めされる通常サイクルとは相違する。
【0018】
図3を参照するに、紙連12が、その後縁部25が曲折位置23に到達するまで、包装シート21を貫いて下流側に送られている。RG−GRM包装サイクルの間、紙連12は尚移動され、包装シート21がカット機構によりカットされる。これは、紙連12の後縁部25が曲折位置23に到達し且つ停止した後に下方フラップ28(図4)を紙連12の後縁部25を短距離、例えば20mm越えて伸延させるためである。この目的上、紙連12が曲折位置23に向けて順送する間に“包装バブル”24が形成される。
【0019】
図4を参照するに、装置10は第3ステーション30を更に含む。第3ステーション30は、上方中間コンベヤ32、下方中間コンベヤ34、曲折位置23、上方曲折ユニット36、下方曲折ユニット38、を更に含む。上方及び下方の各曲折ユニット36、38は、以下に詳しく説明するように同期される2軸サーボモータにより制御される。加えて、上方中間コンベヤ32と下方中間コンベヤ34とはサーボ起動及び制御され、また、同期サーボモータにより、等速、等加速度、等位置、においても動作するようになっている。ある実施例ではサーボモータはSIEMENS#1FK7042−5AF71−1UG0シンクロナスサーボモータであり、サーボドライブはSIEMENS#6SL3120−2TE13−0AA3SINIMICSであり、2軸サーボモジュールは3AMPSコンティニュアス、6AMPSピーク、1.6KWモジュールである。他の実施例ではモーションコントローラは、モーションコントローラを一体化したSIEMENS#6ES7317−6TK13−0AB0、S7−317T−2DP TECHNOLOGY CPU512KBである。
【0020】
下方曲折ユニット38は更に、曲折中の下方フラップ28の底部又は外側表面上に力を付加して下方フラップ28を平坦に維持する真空40を含む。詳しくは、ある実施例では真空40が、以下に詳しく説明する如く、上方フラップの曲折た外側表面に接着材が接触するまで、下方フラップ28の底部又は外側表面上に力を付加する。別法では下方フラップ28の表面上に吸引又は逆方向の力を付加して曲折中の下方フラップ28を平坦に維持する。紙連12の後縁部25が図4に示す如く曲折位置23に到達すると、上方フラップ26と下方フラップ28とが夫々下方及び上方に曲折又は形成準備状態となる。
【0021】
図5及び図6を参照するに、フォリオ版紙の連12の後縁部25上に上方フラップを曲折させるプロセスの一部が示される。詳しくは、図5に示す時間T1において、上方曲折ユニット36が降下して上方フラップ26を紙連12の頂部42に保持する。図6に示す時間T2において、上方曲折ユニット36のバー部分44が降下して上方フラップ26を下方に曲折して上方フラップ曲げ部を形成する。上方曲折ユニット36は、紙連12が装置10の第3ステーション30の上方及び下方の各中間コンベヤ32(UINTC)及び34(LINTC)により夫々ニップされる間、制御下にサーボ駆動されて下方に伸びる。上方曲折ユニット36のバー部分44は、曲折プロセス中に紙連12を後退しないよう保持するべく、縦方向案内部材46により助成され得る。
【0022】
図7を参照するに、時間T3において、下方フラップ28の頂部又は上部表面48に接着材が塗布される間、上方曲折ユニット36は上方フラップ26を下向きに保持し続ける。詳しくは、横断方向糊付けユニット50が空気圧により降下され、装置10を横断方向に移動して包装シート21の下方フラップ28の頂部又は上方表面48に、例えば下方フラップ28から一定距離の位置に接着材を塗布する。横断方向糊付けユニット50の糊付けヘッド52もまたサーボ制御される。接着材の塗布中に下方フラップ28の底部又は下方表面54は下方曲折ユニット38の真空40により平坦に保持される。
【0023】
図8及び図9を参照するに、フォリオ判紙の連の後縁部25上に下方フラップを曲折させるプロセスの一部が示される。詳しくは、図8に示す時間T4において、横断方向糊付けユニット50が下方曲折ユニット38の上昇移動を収受するよう持ち上げられる。図9に示す時間T5において、下方曲折ユニット38が持ち上げられ且つ上方曲折ユニット36とサーボマッチされ、かくして、包装シート21の下方フラップ28が紙連12の後縁部25に沿って上方に曲折られる。この下方曲折ユニット38の上方移動中、下方曲折ユニット38の真空40が、下方フラップ28が紙連12の後縁部25に到達するまで曲折中の下方フラップ28を平坦又はぴんと張った状態に保持する。上方及び下方の各曲折ユニット36、38を共にサーボ動作化することで、2つの曲折軸が共に移動し且つその間部分に小間隙が維持され得る。接着材はこの小間隙を通過し得、包装シート21の下方フラップ28を包装シート21の上方フラップ曲折部に固着する。
【0024】
図9を更に参照するに、紙連12は次いで逆送され、紙連12が上方フラップ曲折部と下方フラップ28との間の接着材を加圧するプラテン様ツールとして有効利用され、かくして紙連12の後縁部25上に後方ガースシーム56(図10)が形成される。言い換えると、フォリオ判紙の連12が、上流側方向、またはこの紙連12の移動方向とは逆方向に移動され、代表的には、フォリオ判紙の連12の包装プロセス中に順送される。詳しくは、下方曲折ユニット38が完全に持ち上げられると上方及び下方の各中間コンベヤ32、34が電子的に相互にギヤ駆動される。次いで紙連12の位置を短距離、例えば約5mm戻す位置移動コマンドを受ける。この逆方向移動により接着材が下方曲折ユニット38と紙連12内の紙との間で加圧される。図9に示すように、下方曲折ユニット38は更に、紙連12の裏側の垂直表面の不整部分の影響を無くすコンプライアント材60を接着した前方フェース58を含む。かくして、紙連12が逆送されると接着材が紙連12とコンプライアント材60との間で加圧される。
【0025】
図10を参照するに、後方ガースシーム56が完成され、包装された紙連12が下流側方向に戻して進められ、かくしてフォリオ判紙の連12の曲折サイクル又は包装が完了する。その後、上方及び下方の各曲折ユニット36、38はスタート位置又はホームポジションに復帰され、装置10は図11に示す如く、包装する別のフォリオ判紙の連の受け入れ準備状態となる。詳しくは、上方曲折ユニット36がサーボアクチュエータを介してそのスタート位置に上昇し、下方曲折ユニット38が別のサーボアクチュエータを介してそのスタート位置へと下降する。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0026】
10 装置
12 フォリオ判紙の連
14 第1ステーション
15 真空ベルト
17 カット機構
18 コンベヤ
19 前縁部
19a 前縁
20 第2ステーション
21a ポイント位置
21 包装シート
24 包装バブル
25 後縁部
26 上方フラップ
28 下方フラップ
30 第3ステーション
32 上方中間コンベヤ
34 下方中間コンベヤ
36 ユニット
38 ユニット
40 真空
42 頂部
44 バー部分
46 垂直方向案内部材
48 上方表面
50 ユニット
52 ヘッド
54 下方表面
56 ガースシーム
58 前方フェース
60 コンプライアント材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11