特許第6235786号(P6235786)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235786
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】冷却ユニット、および照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20171113BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20171113BHJP
   F21S 8/10 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   H05K7/20 H
   F21S2/00 377
   F21S2/00 375
   F21S8/10 531
   F21S8/10 532
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-64525(P2013-64525)
(22)【出願日】2013年3月26日
(65)【公開番号】特開2014-192232(P2014-192232A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2016年2月3日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隆芳
【審査官】 馬場 慎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−274298(JP,A)
【文献】 特開2012−243795(JP,A)
【文献】 特開2012−190800(JP,A)
【文献】 特表2011−505702(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
F21S 2/00
F21S 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風体を回転可能に支持するフレームを有する送風装置と、
収容部を有するヒートシンクと、
を備えており、
前記フレームは、
前記送風体を回転可能に支持する第1支持部と、
前記第1支持部より延びる第2支持部と、
前記第2支持部において、前記送風体の回転軸の方向から見て当該送風体に対向しない位置に設けられた第1軸形成部材と、
を備えており、
前記ヒートシンクは、前記第1軸形成部材と係合して回動軸を形成する第2軸形成部材を備えており、
前記第1軸形成部材と前記第2軸形成部材の一方は、前記回動軸の方向に延びる軸体であり、
前記第1軸形成部材と前記第2軸形成部材の他方は、前記軸体を受容する溝を有する軸受であり、
前記フレームが前記収容部の外側において前記回動軸を中心として回動可能に支持されることにより、前記送風装置は、前記送風体が前記収容部の外側に配置される第1位置と、前記送風体が前記収容部内に収容される第2位置との間で変位可能とされており、
前記溝は、前記回動軸と交差する向き、かつ前記第2位置にある前記送風体の前記回転軸と平行な向きに開口している、
冷却ユニット。
【請求項2】
前記送風装置は、前記第1支持部より前記2支持部の延びる方向とは異なる向きに延び、前記ヒートシンクに固定される第3支持部を備え、
前記第3支持部は、前記回転軸の方向から見て前記送風体と対向しない位置まで延びている、請求項1に記載の冷却ユニット。
【請求項3】
半導体発光素子と、
前記半導体発光素子から出射された光を通過させる透光部材と、
前記半導体発光素子に隣接して配置され、収容部を有するヒートシンクと、
送風体を回転可能に支持するフレームを有する送風装置と、
を備えており、
前記フレームは、
前記送風体を回転可能に支持する第1支持部と、
前記第1支持部より延びる第2支持部と、
前記第2支持部において、前記送風体の回転軸の方向から見て当該送風体に対向しない位置に設けられた第1軸形成部材と、
を備えており、
前記ヒートシンクは、前記第1軸形成部材と係合して回動軸を形成する第2軸形成部材を備えており、
前記第1軸形成部材と前記第2軸形成部材の一方は、前記回動軸の方向に延びる軸体であり、
前記第1軸形成部材と前記第2軸形成部材の他方は、前記軸体を受容する溝を有する軸受であり、
前記フレームが前記収容部の外側において前記回動軸を中心として回動可能に支持されることにより、前記送風装置は、前記送風体が前記収容部の外側に配置される第1位置と、前記送風体が前記収容部内に収容される第2位置との間で変位可能とされており、
前記溝は、前記回動軸と交差する向き、かつ前記第2位置にある前記送風体の前記回転軸と平行な向きに開口している、
照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートシンクと送風装置を備える冷却ユニットに関する。また本発明は、当該冷却ユニットを備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の冷却ユニットとして、ヒートシンクの一部に収容部を区画形成し、回転可能な送風体を当該収容部内に配置した構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−3621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような冷却ユニットを組み立てるにあたって、送風体を収容部内に配置する工程には細心の注意が求められる。収容部を区画形成する壁や作業者の手が送風体の羽に接触することによって、送風体の軸受構造が損傷するおそれがあるためである。したがって、当該工程においては作業性の低下が避けられない。
【0005】
よって本発明の目的は、ヒートシンクと送風装置を備える冷却ユニットまたは照明装置の組立て作業性を向上させうる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために本発明がとりうる第1の態様は、冷却ユニットであって、
送風体を回転可能に支持するフレームを有する送風装置と、
収容部を有するヒートシンクとを備え、
前記フレームが前記収容部の外側において回動可能に支持されることにより、前記送風装置は、前記送風体が前記収容部の外側に配置される第1位置と、前記送風体が前記収容部内に収容される第2位置との間で変位可能とされている。
【0007】
上記の目的を達成するために本発明がとりうる第2の態様は、照明装置であって、
半導体発光素子と、
前記半導体発光素子から出射された光を通過させる透光部材と、
前記半導体発光素子に隣接して配置され、収容部を有するヒートシンクと、
送風体を回転可能に支持するフレームを有する送風装置とを備え、
前記フレームが前記収容部の外側において回動可能に支持されることにより、前記送風装置は、前記送風体が前記収容部の外側に配置される第1位置と、前記送風体が前記収容部内に収容される第2位置との間で変位可能とされている。
【0008】
上記のような構成によれば、作業者は、送風装置の一部とヒートシンクの一部を係合させて回動軸を形成し、当該回動軸を中心にして送風装置を回動させるのみで、送風体を収容部内に収容させることができる。
【0009】
前記送風体は、中心部より放射状に延びる複数の羽を有している構成としてもよい。この場合、前記フレームは、前記中心部を回転可能に支持する第1支持部と、前記第1支持部より延びる第2支持部と、前記第2支持部において、前記中心部の回転軸の方向から見て前記複数の羽に対向しない位置に設けられた第1軸形成部材とを備える。前記ヒートシンクは、前記第1軸形成部材と係合して回動軸を形成する第2軸形成部材とを備える。前記送風装置は、前記第1位置と前記第2位置との間で、前記回動軸を中心に回動可能とされている。
【0010】
上記のような構成によれば、回動操作の間に収容部の縁が送風体の羽に接触することがない。作業者は、収容部と羽の接触に注意を払う必要がなく、組み立て作業性を向上させることができる。また送風体の軸受構造が損傷することによる性能劣化を防止することができる。
【0011】
前記送風装置は、前記第1支持部より前記2支持部の延びる方向とは異なる向きに延び、前記ヒートシンクに固定される第3支持部を備える構成としてもよい。ここで前記第3支持部は、前記回転軸の方向から見て前記複数の羽と対向しない位置まで延びている。
【0012】
このような構成によれば、作業者は、第3支持部を掴んで送風装置を回動させることができ、当該回動操作中に作業者の手が羽に触れることがない。したがって、羽に触れることによる送風体の軸受構造の損傷防止を確実にすることができる。
【0013】
前記第1軸形成部材は、前記回動軸の方向に延びる軸体である構成としてもよい。この場合、前記第2軸形成部材は、前記軸体が挿入される溝を有する軸受である。このような構成によれば、ヒートシンクの成形コストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る冷却ユニットを示す分解斜視図である。
図2】冷却ユニットの組立て方法を説明する図である。
図3】冷却ユニットを備える照明装置の構成例を模式的に示す図である。
図4】冷却ユニットにおける送風装置の変形例を示す斜視図である。
図5】冷却ユニットの変形例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付の図面を参照しつつ、本発明に係る実施形態の例について以下詳細に説明する。なお以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る冷却ユニット1を示す分解斜視図である。冷却ユニット1は、送風装置10を備えている。送風装置10は、送風体11とフレーム12を備えている。フレーム12は、送風体11を回転可能に支持している。
【0017】
送風体11は、中心部11aより放射状に延びる複数の羽11bを有している。フレーム12は、中心部11aを回転可能に支持する第1支持部12aを備えている。
【0018】
フレーム12は、第2支持部12bを備えている。第2支持部12bは、第1支持部12aより延びる一対の腕部を有している。一対の腕部の先端部は一体とされており、当該先端部には挿通孔12dが形成されている。
【0019】
フレーム12は、第3支持部12cを備えている。第3支持部12cは、第1支持部12aより第2支持部12bとは異なる向きに延びる一対の腕部を有している。一対の腕部は、送風体11の中心部11aの回転軸の方向から見て羽11bに対向しない位置まで延び、先端部は一体とされている。当該先端部には、挿通孔12eが形成されている。
【0020】
フレーム12は、軸体12fを備えている。軸体12fは、第2支持部12bの先端部に設けられている。より具体的には、送風体11の中心部11aの回転軸の方向から見て羽11bに対向しない位置に設けられている。
【0021】
軸体12fは、軸部12f1と一対の円板部12f2を備えている。一対の円板部12f2は、軸部12f1の軸方向両端部に設けられている。各円板部12f2の直径は、軸部12f1の直径よりも大きい。
【0022】
冷却ユニット1は、ヒートシンク20を備えている。ヒートシンク20は、基部21、複数の放熱板22、および収容部23を備えている。
【0023】
基部21および放熱板22は、熱伝導性の高い材料からなる。放熱板22は基部21より延びている。収容部23は、放熱板22により包囲されて区画形成された空間である。
【0024】
ヒートシンク20は、第1固定部24および第2固定部25を備えている。第1固定部24は、基部21における収容部23の外側に設けられている。第1固定部24には、ネジ孔24aが形成されている。第2固定部25は、基部21における収容部23の外側で、かつ収容部23を挟んで第1固定部24と反対側に設けられている。第2固定部25には、ネジ孔25aが形成されている。
【0025】
ヒートシンク20は、軸受26を備えている。軸受26は、第1固定部24に設けられた一対の軸受片26aを備えている。ネジ孔24aは、一対の軸受片26aの間に配置されている。各軸受片26aには、軸受溝26bが形成されている。
【0026】
上記のような構成を有する送風装置10をヒートシンク20に組み付ける方法を、図2を参照しつつ説明する。
【0027】
先ず図2の(a)に示すように、送風装置10の軸体12fをヒートシンク20の軸受26に係合させる。具体的には、軸体12fの軸部12f1を、軸受26の軸受溝26bに挿入する。これにより送風装置10のフレーム12は、ヒートシンク20の収容部23の外側において、軸受26により回動可能に支持される。換言すると、軸体12f(第1軸形成部材の一例)と軸受26(第2軸形成部材の一例)により、回動軸が形成される。
【0028】
このとき軸体12fの各円板部12f2の内側面は、対応する軸受片26aの外側面に当接し、軸部12f1の軸方向への変位を規制する。
【0029】
次に図2の(b)に示すように、形成された回動軸を中心に送風装置10を回動させる。図2の(c)に示すように、フレーム12の第3支持部12cの先端が、ヒートシンク20の第2固定部25に当接することにより、回動操作が終了する。
【0030】
このとき送風装置10の送風体11は、ヒートシンク20の収容部23に収容される。またフレーム12に形成された挿通孔12d、12eは、それぞれ第1固定部24のネジ孔24a、第2固定部25のネジ孔25aに対向するように配置される。
【0031】
すなわち、フレーム12が収容部23の外側において回動可能に支持されることにより、送風装置10は、送風体11が収容部23の外側に配置される図2の(a)に示す位置(第1位置の一例)と、送風体11が収容部23内に収容される図2の(c)に示す位置(第2位置の一例)との間で変位可能とされている。
【0032】
図示しないネジを、挿通孔12d、12eを通じてネジ孔24a、25aに螺合することにより、送風装置10がヒートシンク20に固定され、冷却ユニット1が完成する。
【0033】
発熱体からの熱は、基部21を通じて放熱板22に伝達される。送風体11が回転すると、冷却用の気流が発生する。気流は、回転軸の方向に沿って収容部23へ流れ込み、放熱板22同士の間に形成された溝を通じて収容部23より流れ出す。放熱板22が発する熱は、当該気流とともに冷却ユニット1の外部に排出される。
【0034】
上記の構成を有する冷却ユニット1によれば、作業者は、送風装置10の一部(軸体12f)とヒートシンク20の一部(軸受26)を係合させて回動軸を形成し、当該回動軸を中心にして送風装置10を回動させるのみで、送風体11を収容部23内に収容させることができる。
【0035】
軸体12fが設けられている位置は、第2支持部12bにおいて送風体11の回転軸の方向から見て羽11bに対向しない位置であり、軸受26が設けられている位置は、収容部23の外側である。すなわち回動軸が形成される位置は収容部23の外側である。また収容部23を区画形成する放熱板22は、送風装置10の回動に伴う送風体11の移動軌跡の外側に位置している。
【0036】
したがって、回動操作の間に放熱板22が送風体11の羽11bに接触することがない。作業者は、放熱板22と羽11bの接触に注意を払う必要がなく、組み立て作業性を向上させることができる。また送風体11の軸受構造が損傷することによる性能劣化を防止することができる。
【0037】
第3支持部12cは、第2支持部12bとは異なる方向に、送風体11の回転軸の向きから見て羽11bと対向しない位置まで延びている。よって作業者は、第3支持部12cの先端(挿通孔12eが形成されている位置)を掴んで送風装置10を回動させることができ、当該回動操作中に作業者の手が羽11bに触れることがない。したがって、羽11bに触れることによる送風体11の軸受構造の損傷防止を確実にすることができる。
【0038】
軸体12fを軸受26と係合させると、軸受溝26bよりも幅の広い各円板部12f2内側面が対応する軸受片26aの外側面に当接し、軸部12f1の軸方向の変位を規制する。したがって、送風装置10の回動中においてフレーム12の回動軸方向の位置が規制され、送風体11が放熱板22に接触することを防止できる。
【0039】
図3の(a)は、上記のような冷却ユニット1を備える照明装置の一例として、車両に搭載される灯具50の構成を模式的に示している。灯具50は、半導体発光素子51、リフレクタ52、およびレンズ53を備えている。
【0040】
灯具50は、例えば前照灯装置60に装備される。前照灯装置60においては、ハウジング61に透光カバー62が装着されて灯室63を区画形成している。灯具50は、灯室63内に配置される。
【0041】
半導体発光素子51は、冷却ユニット1が備えるヒートシンク20の基部21に支持されている。半導体発光素子51としては、発光ダイオード、レーザダイオード、有機EL素子などが例示されうる。
【0042】
リフレクタ52は、回転楕円面を基調とする形状の反射面52aを有している。反射面52aにより反射された光は、レンズ53に向かって進行する。
【0043】
レンズ53(透光部材の一例)は、半導体発光素子51から出射され、リフレクタ52により反射された光を通過させる。符号Axは、レンズ53の光軸を示している。レンズ53を通過した光は、所定の配光パターンを形成しつつ、透光カバー62を通じて灯具50の前方を照明する。
【0044】
半導体発光素子51の発光に伴う熱は、ヒートシンク20の基部21を通じて放熱板22に伝達される。送風装置10の送風体11の回転に伴い発生する気流により、放熱板22より発する熱が冷却ユニット1の外部に排出される。
【0045】
図3の(b)は、上記のような冷却ユニット1を備える照明装置の別例として、家屋の壁や天井に設置される照明具70の構成を模式的に示している。照明具70は、半導体発光素子71、拡散レンズ72、およびハウジング73を備えている。拡散レンズ72はハウジング73に装着され、半導体発光素子71を収容する空間が区画形成される。
【0046】
半導体発光素子71は、冷却ユニット1が備えるヒートシンク20の基部21に支持されている。半導体発光素子71としては、発光ダイオード、レーザダイオード、有機EL素子などが例示されうる。
【0047】
拡散レンズ72(透光部材の一例)は、光透過性を有する材料中に微小な光反射体が分散されることにより、例えば乳白色の外観を呈する。半導体発光素子71から出射された光は、所定の拡散角を持ちつつ拡散レンズ72を通過し、照明具70の前方を照明する。
【0048】
半導体発光素子71の発光に伴う熱は、ヒートシンク20の基部21を通じて放熱板22に伝達される。送風装置10の送風体11の回転に伴い発生する気流により、放熱板22より発する熱が冷却ユニット1の外部に排出される。
【0049】
上記の実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは明らかである。
【0050】
上記の実施形態においては、放熱板22によって収容部23が区画形成されている。ヒートシンク20にとって必須の構成要素である放熱板22を収容部23の形成に利用しているため、ヒートシンク20を小型化できるだけでなく、送風体11の回転に伴い発生する気流の循環効率を高めることができる。
【0051】
しかしながら、収容23は、必ずしも放熱板22によって区画形成されることを要しない。少なくとも送風装置10の送風体11を収容可能である限りにおいて、ヒートシンク20の一部に形成された凹部を収容23として利用してもよい。
【0052】
軸体12fにおいて、一対の円板12f2は必ずしも設けられることを要しない。例えば図4に示す変形例に係る送風装置10Aが備える軸体12fAのように、一対の腕部12f3を、軸部12f1の軸方向両端部と第2支持部12bの一対の腕部を接続するように形成してもよい。
【0053】
軸体12fAをヒートシンク20の軸受26に係合させると、各腕部12f3の内側面は、軸受26の軸受片26aの外側面に当接し、軸部12f1の軸方向の変位を規制する。したがって、送風装置10Aの回動中においてフレーム12Aの回動軸方向の位置が規制され、送風体11がヒートシンク20の放熱板22に接触することを防止できる。また軸部12f1と第2支持部12bが一体とされるため、フレーム12Aの剛性を高めることができ、回動操作に伴う応力による変形や破損を防止することが可能である。
【0054】
上記の実施形態においては、送風装置10が備える軸体12fと、ヒートシンク20が備える軸受26により、送風装置10の回動軸が形成されている。このような構成によれば、ヒートシンク20の成形コストを抑制することができる。特に軸受溝26bの向きと放熱板22の延びる方向を一致させた場合に、抑制効果が顕著となる。
【0055】
しかしながら、回動軸を形成する軸体と軸受の関係は逆としてもよい。図5は、そのような変形例に係る冷却ユニット1Bを示している。上記の実施形態に係る冷却ユニット1と実質的に同一の構成要素には同一の参照番号を付与し、繰返しとなる説明は割愛する。
【0056】
送風装置10Bのフレーム12Bにおいては、第2支持部12bの先端に軸受12g(第1軸形成部材の一例)が設けられている。軸受12gは、第2支持部12bが延びる方向と直交する向きに延びる軸部12g1を備えている。軸部12g1の軸方向両端部には、それぞれ軸受片12g2が設けられている。各軸受片12g2には、軸受溝12g3が形成されている。
【0057】
ヒートシンク20Bの第1固定部24には、一対の壁27が形成されており、これらを接続するように軸体28(第2軸形成部材の一例)が延びている。送風装置10Bを図2の(a)に示す姿勢とし、軸受12gを軸体28に係合させることにより、回動軸を形成する。具体的には、軸体28が各軸受溝12g3に嵌入される。このとき各軸受片12g2の外側面は、各壁27の内側面に当接し、軸部12g1の軸方向への変位を規制する。
【0058】
その後は図2の(b)および(c)に示した場合と同様に、形成された回動軸を中心に送風装置10Bを回動させることにより、送風体11をヒートシンク20Bの収容部23内に収容する。
【0059】
ヒートシンク20(20B)の第2固定部25の位置は、収容部23を挟んで第1固定部24に対向する位置に限られない。第2固定部25は、送風体11を収容部23に収容した状態で送風装置10(10A、10B)を固定可能な限りにおいて、放熱板22のレイアウト等に応じ、収容部23の外側における適宜の箇所に配置しうる。フレーム12の第3支持部12cの延びる方向は、第2固定部25の位置に対応して変更される。
【0060】
灯具50においては、半導体発光素子51から出射された光がレンズ53を通過しうる限りにおいて、リフレクタ52の有無、配置、および形状は任意である。例えば、回転放物面を基調とする反射面を備えるリフレクタを用いるパラボラ光学系や、モノフォーカス光学系を採用しうる。
【0061】
照明具0においては、半導体発光素子1から出射された光を用いて所定の配光を行ないうる限りにおいて、レンズ2を適宜の光学部品(単なる透光部材、導光部材、散乱フィルタ等)で代えてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1、1B:冷却ユニット、10:送風装置、11:送風体、11a:中心部、11b:羽、12:フレーム、12a:第1支持部、12b:第2支持部、12c:第3支持部、12f:軸体、12g:軸受、20:ヒートシンク、23:収容部、26:軸受、28:軸体、50:灯具、51:半導体発光素子、53:レンズ、60:照明具、61:半導体発光素子、62:レンズ
図1
図2
図3
図4
図5