【実施例】
【0013】
実施例に係る間仕切パネルにつき、
図1から
図8を参照して説明する。
図1及び
図2に示される間仕切装置1,1,…は、オフィスや大会場、会議室等の室内空間を区画するものである。この間仕切装置1は、室内空間の天井面Rに架設されたレール4に吊支され、レール4によって形成される移動経路に沿って、順次間仕切位置に移動させられる間仕切パネル2により室内を仕切ることができるようになっている。尚、間仕切装置1の幅方向を左右方向とし、間仕切装置1を貫通する方向を前後方向とし、また間仕切装置1が室内空間に面する側を表側とし、間仕切装置1の内側を裏側または背面側として説明する。
【0014】
図1及び
図2に示されるように、間仕切パネル2は、パネル材51,51を表裏に有するパネル本体5を備えている。パネル本体5の内部上下端には、上部開口部材191と下部開口部材201が固定されている。そして、この上部開口部材191の底面部191aとパネル材51,51とにより囲われて、後述する進退機構28により天井面R及び床面Fに向けて延出可能な閉塞部材6が収納可能な空間である上部チャンネル部19が構成されている。同様に、下部開口部材201の底面部201aと前後両面のパネル材51,51とにより囲われて下部チャンネル部20が構成されている。
【0015】
図2に示されるように、上部開口部材191及び下部開口部材201は、側面部191b,191b及び側面部201b,201bを有し、側面部191b,191b及び側面部201b,201bに後述する突起片36,36が当接することにより閉塞部材6,7の上下方向の移動がガイドするようになっている。また、側面部191b,191b及び側面部201b,201bの開口側の端縁191c,191c及び端縁201c,201cは、内側に折り曲げられており、閉塞部材6,7が延出した際に前記突起片36,36が当接して閉塞部材6,7の抜出しを防止するようになっている。
【0016】
図1及び
図2に示されるように、パネル本体5は、垂直方向に延びる吊支部材23,23によりレール4に対して吊支されている。吊支部材23,23は、その下端が内部フレーム15の両端部近傍に固定されており、パネル本体5の上端部よりも上方に突出した上端部には、2つのローラ24,24が水平方向に回転自在に軸支されている。このローラ24,24がレール4内部の上下2つの通路25内にそれぞれ遊嵌されて、パネル本体5が移動経路に沿って移動可能に吊支されている。
【0017】
図2に示されるように、パネル材51は、スチール等の金属製の表面部材10と、表面部材10の裏側に所定の厚みを有して固定される裏当て材11と、から主に構成されている。この裏当て材11は、多孔質の部材である石膏ボードにより形成されており、吸音効果を有している。尚、この裏当て材11は、石膏ボードに限られないが、吸音効果若しくは防音効果を有する部材であることが好ましい。
【0018】
図3に示されるように、パネル本体5の左右端部には、パネル本体5の高さ方向に延び幅方向に突出する凸条部21を有する金属製の側部フレーム17と、凸条部21に対応する凹条部22を有する金属製の側部フレーム18とが、それぞれ設けられており、左右方向に隣接する間仕切パネル2同士の接触部分における音漏れ及び光漏れの発生を防止している。
【0019】
図2及び
図3に示されるように、パネル本体5の内部には、前記した上部開口部材191の底面部191aの下方、及び下部開口部材201の底面部201aの上方に、左右に延びる内部フレーム15,16が設けられている。また、前記金属製の側部フレーム17,18の内側には、内部フレーム15と内部フレーム16とを左右両端で繋ぐように、パネル本体5の高さ方向に延びる内部フレーム13,14が設けられており、これら内部フレーム13,14,15,16と、パネル材51,51とにより囲まれた空間内にグラスウールやスポンジ状のウレタン等で形成された吸音材12が充填されている。このようにパネル本体5は、その表裏に所定の厚みを有した裏当て材11,11を有していることに加え、パネル本体5内部の大部分に充填された吸音材12により遮音効果が高くなっている。また、
図1に示されるように、上部チャンネル部19の下方、及び下部チャンネル部20上方における各進退機構28の周辺には、閉塞部材6,7が収容状態時における進退機構28の高さ分、吸音材12が充填されており、進退機構28周辺の遮音性が高くなっている。
【0020】
続いて、閉塞部材6,7について説明する。
図4に示されるように、間仕切パネル2の上部に設けられた閉塞部材6は、断面視コ字形状の筐体34と、上下方向に貫通する連通孔35a,35a,…が複数形成された微細穿孔板35と、吸音材12と、から主に構成されている。筐体34の底部341の前後縁には、筐体34の長手方向に連続する突起片36,36が外方向斜めに突起するように取り付けられている。この突起片36,36は、ゴムなどの弾性部材で形成されている。また、筐体34内部には、吸音材12が充填されている。この吸音材12は、筐体34の長手方向に分断されることなく連続している。
【0021】
筐体34の両側部342,342における筐体34の開口部側の端部には、張出部38,38が設けられており、張出部38,38の上部には長手方向に沿って嵌合溝38a,38aと、が形成されている。この嵌合溝38a,38aには、ゴム等の弾性材であるパッキン39が、外部にパッキン39の頭部39a(突出片)が露出するように嵌合しており、このパッキン39の頭部39aは、天井面Rと面一であり、天井面Rを共に構成するレール4の下面4a(
図8参照)に当接する緩衝材として機能する。
【0022】
また、張出部38,38下方には筐体34の両側部342,342の内側に突出する突部40,40が形成されており、張出部38,38の底面38b,38bと突部40,40とで形成された溝部40a,40aに微細穿孔板35が嵌合されるようになっている。このように、筐体34の開口部が微細穿孔板35で閉塞されることになるため、微細穿孔板35に複数穿設された連通孔35a,35a,…を介して筐体34の内部に充填された吸音材12が外部に露出することになる。尚、連通孔は、複数設けられることに限られず、1つであってもよく、また各連通孔の孔形状は、円形や楕円形のほかスリット形状であってもよい。
【0023】
また、
図4に示されるように、筐体34の底部341には、長孔341a,341aが長手方向に沿って形成されており、微細穿孔板35には、長孔341a,341aと略同一形状の長孔35b,35bが形成されている。また、吸音材12には、長孔341a,341aと長孔35b,35bとを上下方向に連通する貫通孔37,37が形成されている。
図1及び
図6に示されるように、組み立て時に長孔341a,341a、長孔35b,35b及び貫通孔37,37が上下に連通しており、これら長孔341a,341a、長孔35b,35b及び貫通孔37,37に吊支部材23,23が挿通された状態で、閉塞部材6が上部チャンネル部19に内嵌されている。これら長孔341a,341a、長孔35b,35b及び貫通孔37,37は、間仕切パネル2の幅方向に長寸の孔形状であるため、後述のように閉塞部材6が回動しても、筐体34、微細穿孔板35及び筐体34内の吸音材12が吊支部材23,23に対して干渉しないようになっている。
【0024】
また、間仕切パネル2の下部に設けられる閉塞部材7は、閉塞部材6と基本的に同一形状であるため、特に図示しないが、閉塞部材7側すなわち間仕切パネル2の下部には、吊支部材23,23が設けられていないため、閉塞部材7は上記した長孔341a,341a、長孔35b,35b及び貫通孔37,37の構成を有していない。
【0025】
図5に示されるように、上部チャンネル部19及び下部チャンネル部20内には、閉塞部材6,7を進退させる進退機構28,28,…が配設されている。閉塞部材6用の進退機構28と、閉塞部材7の進退機構28とは、上下対称をなす同一構成及び同一寸法(同形の部材)の進退機構28が用いられているため、ここでは閉塞部材6用の進退機構28の説明を行う。
【0026】
進退機構28は、リンク部材29と上方の端部材41と下方の端部材42と捻りコイルバネ33とを備えて主に構成されている。上方の端部材41は、閉塞部材6の筐体34の底部341に固定されており、下方の端部材42は、上部開口部材191の底面部191aに固定されている。リンク部材29の一方側には、リンク部材29の長手方向を向く長孔31が穿設されており、この長孔31に、下方の端部材42に設けたピン32が遊嵌している。また、リンク部材29の他端は上方の端部材41に軸30により枢着されている。上方の端部材41には、軸部50が設けられており、この軸部50とピン32とに、互いを離間させるように付勢する付勢手段としての捻りコイルバネ33が張架されている。
【0027】
図1及び
図5(a)に示されるように、進退機構28における閉塞部材6の収納時には、
捻りコイルバネ33が軸部50とピン32とを互いに離間させるように付勢するため、閉塞部材6がパネル本体5に対し左右方向に移動しながら、閉塞部材6が上部チャンネル部19内に収納されることになる。
【0028】
閉塞部材6の左端が先行する間仕切パネル2と当接して、
図5(a)の状態から画面右方側に移動されると、
図5(b)に示されるように、リンク部材29は、捻りコイルバネ33の付勢力に抗して回動しながら立ち上がるようになるため、閉塞部材6を押し上げるように作用する。尚、図示しないが、下部の閉塞部材7の左端が先行する間仕切パネル2と当接して移動されると、閉塞部材6用の進退機構28と同様にリンク部材29が立ち上がり、閉塞部材7を押し下げるように作用する。
【0029】
進退機構28,28,…により閉塞部材6が押し上げられ、且つ閉塞部材7が押し下げられると、
図5(a)及び
図6に示されるように、捻りコイルバネ33の付勢力により閉塞部材6の上端に位置するパッキン39の頭部39aが天井面Rに圧接されるとともに、閉塞部材7の下端に位置するパッキン39の頭部39aが床面Fに圧接される。閉塞部材6及び閉塞部材7が天井面R及び床面Fに当接し、これらの延出が停止した以降は、ピン32が長孔31内を相対的に移動することにより軸部50がピン32の直上を通過する、すなわち死点を越えるまでリンク部材29が回動するようになる。
【0030】
図7に示されるように、閉塞部材6の上縁6aと、進退機構28における上方の端部材41及び閉塞部材6との固定位置と、の距離αが、パネル材51における裏当て材11の上縁11aと天井面Rとの距離βよりも大きくなるように設計されている。そのため、閉塞部材6の延出時において、進退機構28における上方の端部材41すなわち進退機構28の上端が裏当て材11,11で囲まれた上部チャンネル部19内に位置することになり、パネル本体5からは、吸音材12が充填されている閉塞部材6の一部のみが延出することになる。
【0031】
このように、各進退機構28,28,…は、閉塞部材6及び7の延出時及び収納時において、所定の厚みを有した裏当て材11,11との間に位置する上部チャンネル部19及び下部チャンネル部20内に常に位置することになるため、吸音材12が充填されない進退機構28周辺においても遮音性が高い。
【0032】
上述のように、各進退機構28は、常に、間仕切パネル2における遮音性の高い上部チャンネル部19及び下部チャンネル部20内に配置されていることに加え、閉塞部材6及び閉塞部材7の突出部分は、筐体34の長手方向に沿って連続して充填された吸音材12により、遮音効果が高くなっているため、その突出部分とパネル本体5とにより確実に遮音できる。換言すれば、間仕切パネル2により仕切られた区画間の音漏を、間仕切パネル2全体により確実に防止することができる。
【0033】
また、
図8に示されるように、閉塞部材6及び閉塞部材7が延出した状態において、前後のパッキン39,39の頭部39a,39aを透過するなどして前後のパッキン39,39の頭部39a,39aの間の空間43に侵入した音の一部は、微細穿孔板35の連通孔35a,35a,…を介して吸音材12に吸音されるため、音量を確実に減少させることができる。更に、空間43に侵入した音は、連通孔35a,35a,…を通じて筐体34に沿って連続した吸音材12に万遍なく到達するため、吸音材12が空間43に侵入した音を確実に吸音して音漏れを確実に減少させることができる。
【0034】
また、進退機構28,28,…は、閉塞部材6,7の左端が先行する間仕切パネル2と当接することにより、閉塞部材6,7が延出するように作動するようになっているため、例えば、外部から操作して進退機構28,28,…を作動させる特段の作動手段等を設ける必要がなく、進退機構28,28,…の作動にかかるスペースがコンパクトになっている。そのため、上部チャンネル部19及び下部チャンネル部20内における進退機構28,28,…の周辺により大きい範囲で吸音材12を充填することができるため、進退機構28周辺の遮音性能を向上させることができる。
【0035】
尚、進退機構28は、その一方の端部材41が閉塞部材6,7における筐体34の底部341に固定される態様に限定されない。例えば
図9に示されるように、閉塞部材61は、その筐体34’の側部342,342同士が、前記底部の代わりに側部342,342の中央部分に配置された架設体44,44により連結されており、これら架設体44に進退機構28における上方の端部材41が固定されている。
【0036】
このような場合であっても、閉塞部材6の上縁6aと架設体44,44との距離(すなわち閉塞部材6の上縁6aと、進退機構28における上方の端部材41及び閉塞部材6の固定位置と、の距離α)が、パネル材51における裏当て材11の上縁11aと天井面Rとの距離βよりも大きくなるように設計されているため、閉塞部材6の延出時において、進退機構28における上方の端部材41すなわち進退機構28の上端が裏当て材11,11で囲まれた上部チャンネル部19内に位置することになるとともに、パネル本体5からは、吸音材12が充填されている閉塞部材6の一部のみが延出することになる。
【0037】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0038】
例えば、前記実施例では、筐体34の内部に充填された吸音材12は、微細穿孔板35の連通孔35a,35a,…を介して外部に露出するようになっていたが、これに限られず、例えば、微細穿孔板を特段に設けず、吸音材12が筐体34の開口に亘り外部に露出されるようにしてもよい。
【0039】
また、前記実施例では、各進退機構28の下方の端部材42,42は、上部開口部材191の底面部191a及び下部開口部材201の底面部201aに対して固定されていたが、その固定箇所はチャンネル部内であれば、この態様に限定されず、例えば、各進退機構28の下方の端部材42,42が上部開口部材191及び下部開口部材201の側面部191b及び側面部201bに固定されてもよい。
【0040】
また、閉塞部材6の延出時において、進退機構28の上端が裏当て材11,11で囲まれた上部チャンネル部19内に位置することになる態様について説明したが、例えば、パネル材が高い遮音効果を発揮できる十分な厚みを有し、そのパネル材の内側に進退機構の上端が配置されていれば、必ずしも進退機構の上端が、チャンネル部内における裏当て材の内側に配置されることに限らない。
【0041】
また、前記実施例では、進退機構28を上部チャンネル部19及び下部チャンネル部20内にそれぞれ2つずつ設ける態様を想定して説明したが、これに限らず、進退機構28は、閉塞部材6,7の水平状態を保ったまま延出させることが可能であれば、上部チャンネル部19及び下部チャンネル部20内に配置される数が1つずつでもよいし、3つずつ以上複数設けられてもよい。
【0042】
また、前後両面の裏当て材11,11の間に吸音材12を充填していたが、これに限られず、例えば、裏当て材をハニカム構造とし、そのハニカム構造内に吸音材を充填してもよい。これにより、遮音性を有しながらもパネル材を軽量化することができる。
【0043】
また、上部側の閉塞部材6及び下部側の閉塞部材7は、同一寸法であったが、これに限らず、異なる形状に設計されてもよい。