特許第6235872号(P6235872)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235872
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】作業工具
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20171113BHJP
   B25B 21/00 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   B25F5/00 C
   B25B21/00 510A
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-231610(P2013-231610)
(22)【出願日】2013年11月7日
(65)【公開番号】特開2015-89611(P2015-89611A)
(43)【公開日】2015年5月11日
【審査請求日】2016年5月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】100105120
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 哲幸
(74)【代理人】
【識別番号】100106725
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 敏行
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩克
(72)【発明者】
【氏名】長田 高明
(72)【発明者】
【氏名】杉本 学
【審査官】 小川 真
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−253854(JP,A)
【文献】 特開2012−130989(JP,A)
【文献】 特開2012−135845(JP,A)
【文献】 特開2008−142862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/00
B25B 21/00
B25B 23/157
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端工具を所定の軸方向周りに回転駆動する作業工具であって、
工具本体と、
前記工具本体の先端領域において、先端工具の先端部が前記工具本体から突出するように当該先端工具を保持する回転軸と、
出力軸を備えたブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータを駆動するために作業者によって手動操作される操作部材と、
前記出力軸の回転を前記回転軸に伝達する回転伝達機構と、を有し、
前記回転軸は、前記軸方向に関して、前記工具本体の先端領域側の第1位置と、前記先端領域側から離間した第2位置の間を移動可能であり、
前記回転軸の前記軸方向に関する位置を検出する検出機構と、
前記検出機構が検出した前記回転軸の位置に応じて、前記ブラシレスモータの回転数を制御するコントローラと、
作業者が手動で操作可能な第1回転数設定部材と、を有し、
前記回転伝達機構は、前記回転軸が前記第1位置に位置する場合に、前記回転軸への前記出力軸の回転伝達を遮断し、前記回転軸が前記第2位置に位置する場合に、前記回転軸への前記出力軸の回転を伝達するように構成されており、
前記検出機構は、前記軸方向に関して、当該検出機構と前記先端領域が前記回転伝達機構を挟むように配置されており、
前記コントローラは、前記回転軸が前記第1位置に位置する場合に、前記ブラシレスモータを第1回転数で駆動する第1駆動モードと、前記回転軸が前記第2位置に位置する場合に、前記ブラシレスモータを前記第1回転数以上の第2回転数で駆動する第2駆動モードを有し、
前記コントローラは、前記操作部材が操作された後、前記軸方向に関する前記回転軸の位置に基づいて、前記第1駆動モードと前記第2駆動モードを切り替えて前記ブラシレスモータを駆動するように構成されており、
前記第1回転数は、前記第1回転数設定部材によって選択的に設定されるように構成されていることを特徴とする作業工具。
【請求項2】
請求項1に記載の作業工具であって、
前記回転軸は、前記出力軸と平行に前記出力軸からオフセットされて配置されていることを特徴とする作業工具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の作業工具であって、
前記軸方向に関して、前記回転軸と一体に移動する可動部材を有し、
前記可動部材は、前記回転軸に連結された基端部と、前記回転軸から突出した先端部を有し、
前記先端部は、前記軸方向に関して、前記回転伝達機構に対して前記先端領域側とは反対側に配置されていることを特徴とする作業工具。
【請求項4】
請求項に記載の作業工具であって、
前記回転伝達機構は、
前記出力軸に回転される駆動部と、
前記駆動部と係合可能な被動部と、を備え、
前記駆動部と前記被動部の係合によって、前記出力軸の回転が前記回転軸に伝達されるように構成されており、
前記可動部材は、前記駆動部を貫通して配置されていることを特徴とする作業工具。
【請求項5】
請求項3または4に記載の作業工具であって、
前記可動部材は、前記先端部側に設けられた磁石を有し、
前記検出機構は、前記磁石の磁界を検出することで、前記回転軸の位置を検出する磁気センサとして構成されていることを特徴とする作業工具。
【請求項6】
請求項3または4に記載の作業工具であって、
前記可動部材と前記検出機構の間に介在して配置された介在部材を有し、
前記検出機構は、前記可動部材の移動に伴う前記介在部材の移動によって、前記介在部材に操作されるスイッチとして構成されていることを特徴とする作業工具。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか1項に記載の作業工具であって、
前記検出機構は、前記可動部材の軸線上以外の領域に配置されていることを特徴とする作業工具。
【請求項8】
請求項1〜のいずれか1項に記載の作業工具であって、
作業者が手動で操作可能な第2回転数設定部材を有し、
前記第2回転数は、前記第2回転数設定部材によって選択的に設定されるように構成されていることを特徴とする作業工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先端工具を回転駆動する作業工具に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2012−135845号公報には、ドライバビットを回転駆動するスクリュドライバが記載されている。このスクリュドライバにおいては、ドライバビットを保持するスピンドルが、長軸方向に移動可能に配置されている。そして、クラッチ検知機構がスピンドルの移動に伴うクラッチの係合状態を検知し、検知結果に基づいて制御部が駆動モータの駆動を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−135845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記スクリュドライバにおいては、クラッチ検知機構は、クラッチの径方向外側であって、モータの前方に設けられている。そのため、スピンドルの軸方向に関して、スクリュドライバの重心位置がドライバビットの先端側に近い位置に設定される。すなわち、作業工具の重心位置が前方に位置するため、作業工具を把持して所定の操作を行う作業者が作業工具を使いづらい。そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、作業工具の操作性向上のための技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、請求項1に記載された発明によって達成される。本発明に係る作業工具の好ましい形態によれば、先端工具を所定の軸方向周りに回転駆動する作業工具が構成される。作業工具は、工具本体と、工具本体の先端領域において、先端工具の先端部が工具本体から突出するように先端工具を保持する回転軸と、出力軸を備えたブラシレスモータと、ブラシレスモータを駆動するために作業者によって手動操作される操作部材と、出力軸の回転を回転軸に伝達する回転伝達機構と、を有する。回転軸は、軸方向に関して、工具本体の先端領域側の第1位置と、先端領域側から離間した第2位置の間を移動可能に構成されている。典型的には、第1位置は、作業時に被加工材に対向する作業工具の前方側として定義され、第2位置は、作業時に被加工材から離間する作業工具の後方側として定義される。
【0006】
作業工具は、さらに、回転軸の軸方向に関する位置を検出する検出機構と、検出機構が検出した回転軸の位置に応じて、ブラシレスモータの回転数を制御するコントローラと、作業者が手動で操作可能な第1回転数設定部材を有する。回転伝達機構は、回転軸が第1位置に位置する時に、回転軸への出力軸の回転伝達を遮断し、回転軸が第2位置に位置する時に、回転軸への出力軸の回転を伝達するように構成されている。また、検出機構は、軸方向に関して、当該検出機構と工具本体の先端領域が回転伝達機構を挟むように配置される。さらに、コントローラは、回転軸が第1位置に位置する場合に、ブラシレスモータを第1回転数で駆動する第1駆動モードと、回転軸が第2位置に位置する場合に、ブラシレスモータを第1回転数以上の第2回転数で駆動する第2駆動モードを有する。そして、コントローラは、操作部材が操作された後、軸方向に関する回転軸の位置に基づいて、第1駆動モードと第2駆動モードを切り替えてブラシレスモータを駆動する。第1回転数は、第1回転数設定部材によって選択的に設定される。
【0007】
本発明によれば、検出機構は、軸方向に関して、回転伝達機構に対して先端領域側とは反対側の領域に配置される。そのため、検知機構の配置に関して、作業工具の重心位置が先端領域とは反対側に近い位置に設定される。一般的な作業工具においては、作業者は、先端工具が配置される先端領域側とは反対側を把持して所定の加工作業を行う。したがって、作業工具の重心位置が作業者の把持領域側に設けられるため、作業工具の操作性が向上する。また、先端工具を回転駆動するためのモータとしてブラシレスモータが設けられているため、ブラシ付きモータに比べてモータの回転数としての第1回転数と第2回転数がより正確に制御される。更に、作業態様に応じて作業者がブラシレスモータの第1回転数を設定することができる
【0008】
本発明に係る作業工具の更なる形態によれば、回転軸は、出力軸と平行に出力軸からオフセットされて配置されている。したがって、検出機構が、回転伝達機構に対して先端領域側とは反対側に合理的に配置される。
【0009】
本発明に係る作業工具の更なる形態によれば、作業工具は、軸方向に関して、回転軸と一体に移動する可動部材を有する。当該可動部材は、回転軸に連結された基端部と、回転軸から突出した先端部を有する。そして、先端部は、軸方向に関して、回転伝達機構に対して先端領域側とは反対側に配置されている。典型的には、可動部材は長尺状部材として形成される。先端工具を保持する回転軸は、回転伝達機構より作業工具の先端領域側に配置されるため、回転軸に連接された可動部材は、典型的には、回転伝達機構を貫通して、先端部が回転伝達機構に対して先端領域側とは反対側に配置される。なお、可動部材が回転伝達機構を貫通することなく、軸方向に関して回転伝達機構の外側に配置されることで、先端部が回転伝達機構に対して先端領域側とは反対側に配置されてもよい。
【0010】
本形態によれば、回転軸と一体に移動する可動部材が設けられる。したがって、軸方向に関して回転伝達機構に対して先端領域側とは反対側の領域に配置される可動部材の先端部を検出機構が検出することで、回転軸の位置が検出される。
【0011】
本発明に係る作業工具の更なる形態によれば、回転伝達機構は、出力軸に回転される駆動部と、駆動部と係合可能な被動部と、を備えており、駆動部と被動部の係合によって、出力軸の回転が回転軸に伝達される。そして、可動部材は、駆動部を貫通して配置されている。すなわち、可動部材は、軸方向に関して駆動部を貫通する。
【0012】
本発明に係る作業工具の更なる形態によれば、可動部材は、先端部側に設けられた磁石を有する。そして、検出機構は、磁石の磁界を検出することで、回転軸の位置を検出する磁気センサとして構成されている。
【0013】
本形態によれば、検出機構として磁気センサを利用することで、可動部材に直接当接することなく回転軸の位置としての可動部材の位置が検出される。したがって、回転伝達機構の先端領域側とは反対側の領域において、検出機構としての磁気センサが合理的に配置される。
【0014】
本発明に係る作業工具の更なる形態によれば、作業工具は、可動部材と検出機構の間に介在して配置された介在部材を有する。そして、検出機構は、可動部材の移動に伴う介在部材の移動によって、介在部材に操作されるスイッチとして構成されている。なお、介在部材を利用することで、可動部材の移動量が介在部材によって増幅されて検出機構に伝達されることが好ましい。
【0015】
本形態によれば、検出機構は、可動部材によって機械的に操作されるスイッチが利用される。これにより、回転軸の位置が確実に検出される。
【0016】
本発明に係る作業工具の更なる形態によれば、検出機構は、可動部材の軸線上以外の領域に配置されている。したがって、検出機構が可動部材の軸線方向の移動を妨げない。また、軸線方向に関して、作業工具が小型化される。
【0017】
本発明に係る作業工具の更なる形態によれば、作業工具は、作業者が手動で操作可能な第2回転数設定部材を有し、第2回転数は、第2回転数設定部材よって選択的に設定される。
【0018】
本形態によれば、作業態様に応じて作業者がブラシレスモータの第2回転数を設定することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、操作性が向上された作業工具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】代表的な実施形態に係るスクリュードライバを示す側面図である。
図2】スクリュードライバの側断面図である。
図3図2の部分拡大断面図である。
図4図3においてスピンドルが後方に位置する状態を示す部分拡大断面図である。
図5】駆動回転数設定スイッチを示す斜視図である。
図6】スクリュードライバの制御系統を示すブロック図である。
図7】第1変形例に係るセンサを示す部分拡大図である。
図8】第2変形例に係るセンサを示す部分拡大図である。
図9】第3変形例に係るセンサを示す部分拡大図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
代表的な実施形態について、図1図6を参照して説明する。図1に示すように、作業工具の一例として、石膏ボードなどの被加工材に対してねじ締め作業を行うスクリュードライバ100が構成される。スクリュードライバ100は、本体部101、ハンドル107を主体として構成されている。
【0022】
図1に示すように、本体部101は、本体ハウジング103、ロケータ105およびハンドル107を主体として構成されている。図2に示すように、本体ハウジング103は、モータ110および駆動機構120を収容している。ロケータ105は、本体ハウジング103の先端領域に取り付けられている。ロケータ105は、本体ハウジング103に連接された基端部105bと、基端部105bに対して回動可能な先端部105aで構成されている。本体部101の先端領域において、工具ビット119が駆動機構120に着脱可能に装着される。この工具ビット119は、ロケータ105から突出し、ロケータ105に対して工具ビット119の長軸方向に相対移動可能に装着される。説明の便宜上、スクリュードライバ100において、工具ビット119が取り付けられる側(図1の右側)を前側、ハンドル107側(図1の左側)を後側と称する。ハンドル107の延在方向に関して、本体ハウジング103側(図1の上側)を上側、ハンドル107の先端側(図1の下側)を下側と称する。このスクリュードライバ100の前後方向が、本発明における「所定の軸方向」に関する実施構成例である。そのため、工具ビット119の長軸方向は、所定の軸方向に一致する。
【0023】
図1に示すように、ハンドル107の基端側領域は、本体ハウジング103の後端領域に連接されている。このハンドル107には、トリガ107aおよび切替スイッチ107bが設けられている。また、ハンドル107の先端側領域には、バッテリパック109が着脱可能に装着されるバッテリ装着部108が形成されている。トリガ107aが操作されることで、バッテリパック109から電流が供給されて、モータ110が駆動される。また、切替スイッチ107bが操作されることで、モータ110の出力軸111の回転方向が切り替えられる。すなわち、出力軸111は、正回転および逆回転のうちのどちらかの回転方向が選択されて駆動される。このトリガ107aが、本発明における「操作部材」に対応する実施構成例である。
【0024】
図2および図3に示すように、駆動機構120は、駆動ギア125、回転伝達ギア130、コイルスプリング145、スピンドル150を主体として構成されている。
【0025】
図3に示すように、駆動ギア125は、モータ軸111に取り付けられている。回転伝達ギア130は、駆動ギア125と係合して、モータ110に駆動される。なお、モータ110はブラシレスモータとして構成されている。このモータ110および出力軸111が、それぞれ本発明における「ブラシレスモータ」および「出力軸」に対応する実施構成例である。
【0026】
図3に示すように、回転伝達ギア130は、駆動部材131、支持シャフト134、被動部材135、およびボール138を主体として構成されている。支持シャフト134が、駆動部材131と被動部材135の回転中心領域を貫通し、駆動部材131と被動部材135は支持シャフト134によって同軸状に配置される。駆動部材131は、支持シャフト134に連結され、支持シャフト134と一体に回転する。一方、被動部材135は、支持シャフト134の外周に配置され、支持シャフト134に対して相対回転可能に保持される。なお、支持シャフト134の一端側(後端側)は、ベアリング140によって本体ハウジング103に支持されている。また、支持シャフト134の他端側(前端側)は、スピンドル150の内側に挿通され、ベアリング141によってスピンドル150に支持されている。
【0027】
駆動部材131の外周には、駆動ギア125と係合する被動ギア132が形成されている。被動部材135は、駆動部材131に対向するように配置されている。また、被動部材135のスピンドル150と対向する面(前側面)には、駆動カム137が形成されている。さらに、駆動カム137が形成された面は、コイルスプリング145によって付勢されている。すなわち、被動部材135は、駆動部材131に向かって付勢されている。
【0028】
図3に示すように、駆動部材131と被動部材135の間には、ボール138が配置されている。さらに、被動部材135は、コイルスプリング145によって、駆動部材131に向かって付勢されている。これにより、駆動部材131の回転が被動部材135にボール138を介して伝達される。
【0029】
図3に示すように、スピンドル150は、ビット保持部151、支持シャフト保持部155、フランジ156を主体として構成されている。ビット保持部151には、工具ビット119が着脱可能に装着される。支持シャフト保持部155の外側にはベアリング142が配置され、本体ハウジング103に支持される。また、支持シャフト保持部155の内側において、ベアリング141を介して支持シャフト134を支持する。スピンドル150の後端部には、支持シャフト保持部155からスピンドル150の径方向に突出するフランジ156が形成されている。フランジ156の被動部材135に対向する面(後側面)には、駆動カム137と係合する被動カム157が形成されている。フランジ156と被動部材135の間には、コイルスプリング145が介在状に配置されている。したがって、被動部材135が後方に向かって付勢され、スピンドル150が前方に向かって付勢される。このスピンドル150が、本発明における「回転軸」に対応する実施構成例である。
【0030】
モータ110が駆動されると、駆動ギア125が回転し、駆動ギア125と係合する被動ギア132が回転される。このとき、コイルスプリング145の付勢力によって、駆動部材131と被動部材135が互いに近接するように保持され、ボール138を介して、駆動部材131の回転が被動部材135に伝達される。すなわち、駆動部材131と被動部材135が一体に回転する。
【0031】
図3に示すように、工具ビット119がネジ等の被加工材に対して押圧されていない状態では、コイルスプリング145の付勢力によって、スピンドル150の被動カム157と、回転伝達ギア130の駆動カム137が離れて配置される。したがって、回転伝達ギア130の回転がスピンドル150に伝達されない。
【0032】
一方、図4に示すように、工具ビット119がネジに押圧されてコイルスプリング145の付勢力に抗してスピンドル150が後方に移動されると、スピンドル150の被動カム157が回転伝達ギア130の駆動カム137に係合する。これにより、回転伝達ギア130の回転がスピンドル150に伝達される。したがって、工具ビット119がネジを回転させるネジ締め作業を行う。この駆動カム137と被動カム157によって、本発明における「回転伝達機構」が構成される。
【0033】
スクリュードライバ100においては、典型的には、トリガ107aを操作することで、モータ110が駆動される。また、図2に示すように、ハンドル107にはトリガ107aを所定の位置で保持するためのトリガロック機構を構成するトリガロックスイッチ107cが設けられている。トリガロックスイッチ107cが操作されると、当該トリガロックスイッチ107cが操作された時点におけるトリガ107aの位置でトリガ107aが保持される。トリガロック機構については、便宜上説明を省略する。
【0034】
一般に、駆動カム137と被動カム157が係合することで回転が伝達される作業工具においては、駆動カム137と被動カム157が非係合状態から係合状態に切り替わる際に、駆動カム137が高回転数で回転していると、回転している駆動カム137と回転していない被動カム157の接触による摩耗が大きい。そのため、駆動カム137と被動カム157が係合する際には、駆動カム137が停止しているか、または低回転数で回転していることが好ましい。
【0035】
一方、作業を行う際には、工具ビット119が比較的高い回転数で駆動される。そのため、作業を行うために駆動カム137と被動カム157が係合する際に、駆動カム137が停止していると、駆動カム137と被動カム157が係合した後にスピンドル150(工具ビット119)が所定の駆動回転数に達するまでのタイムラグを生じる。
【0036】
また一方で、作業者は、作業中に工具ビット119の回転数を調節しながらネジ締め作業を行う場合がある。そのような作業態様においては、作業者の意図をリアルタイムに反映してモータ110を駆動する必要がある。
【0037】
以上の様々な作業態様に対応すべく、本実施形態のスクリュードライバ100においては、駆動カム137と被動カム157の係合状態および非係合状態に基づいて、コントローラ180が、設定された駆動モードに応じてモータ110の回転数を制御するように構成されている。
【0038】
具体的には、駆動カム137と被動カム157の係合状態と非係合状態を検出するために、スピンドル150にスピンドル位置検出シャフト160が連結されている。このスピンドル位置検出シャフト160は、スピンドル150の支持シャフト保持部155から、支持シャフト134を貫通して、当該支持シャフト134の後方まで延在している。すなわち、スピンドル位置検出シャフト160は、スピンドル150と一体に移動および回転する。このスピンドル位置検出シャフト160の後端部には、磁石161が取り付けられている。磁石161は、N極とS極が前側と後側にそれぞれ配置されるように取り付けられている。このスピンドル位置検出シャフト160が、本発明における「可動部材」に対応する実施構成例である。
【0039】
回転伝達ギア130の後方には、磁気センサ162が配置されている。すなわち、ロケータ105の先端と磁気センサ162が回転伝達ギア130を挟むように、磁気センサ162が配置される。この磁気センサ162は、回転伝達ギア130の駆動部材131の後方において、スピンドル位置検出シャフト160の軸線上以外の上方位置に配置されている。磁気センサ162は、図6に示すように、コントローラ180に接続されている。また、コントローラ180には、トリガ107a、切替スイッチ107b、トリガロックスイッチ107c、アイドリング回転数設定ダイアル170、駆動回転数設定部171およびモータ110が接続されている。そして、コントローラ180は、磁気センサ162の検出結果に基づいて、スピンドル位置検出シャフト160を介して、スピンドル150の位置を検出する。すなわち、スピンドル150の前後方向の移動に伴う磁石161の磁界の変化に基づいて、スピンドル150の長軸方向の位置が検出される。この磁気センサ162が、本発明における「検出機構」に対応する実施構成例である。
【0040】
図3に示すように、コイルスプリング145に付勢されてスピンドル150がロケータ105の先端に近接した前方に位置する場合には、駆動カム137と被動カム157が係合しない。すなわち、駆動カム137と被動カム157が非係合状態(以下、カム非係合状態)である。このときのスピンドル150の位置(前方位置)が、本発明における「第1位置」に対応する実施構成例である。また、図4に示すように、工具ビット119が被加工材(ネジ)に押圧されて、スピンドル150がロケータ105の先端から離間した後方に位置する場合には、駆動カム137と被動カム157が係合する。すなわち、駆動カム137と被動カム157が係合状態(以下、カム係合状態)である。このときのスピンドル150の位置(後方位置)が、本発明における「第2位置」に対応する実施構成例である。
【0041】
磁気センサ162によって、スクリュードライバ100の前後方向における、スピンドル150の位置が検出され、駆動カム137と被動カム157の係合状態および非係合状態が検出される。換言すると、磁気センサ162によって、駆動カム137と被動カム157の係合状態および非係合状態が検出される。そして、コントローラ180は、カム係合状態、カム非係合状態、およびトリガ107aの操作に基づいて、以下の通り各駆動モードを選択してモータ110を駆動して、ネジ締め作業を行う。すなわち、トリガ107aを操作した状態で、スピンドル150(工具ビット119)が被加工材に対して押されることでカム非係合状態からカム係合状態に切り替わることによって、モータ110が所定の回転数で駆動されてスピンドル150(工具ビット119)が回転される。このように、スピンドル150(工具ビット119)が押されることによって、モータ110の回転がスピンドル150(工具ビット119)に伝達されて、工具ビット119が起動(回転)される機能を、「押込み起動」とも称する。
【0042】
(アイドリング駆動モード)
アイドリング駆動モードは、カム非係合状態においてアイドリング回転数でモータ110を駆動し、カム係合状態において駆動回転数(指令回転数とも称する)でモータ110を駆動する駆動モードである。すなわち、トリガ107aが操作され、磁気センサ162によってスピンドル150が前方位置に位置していることが検出されると、コントローラ180はアイドリング回転数でモータ110を駆動する。このアイドリング回転数、駆動回転数がそれぞれ、本発明における「第1回転数」、「第2回転数」に対応する実施構成例である。また、カム非係合状態において、アイドリング回転数でモータ110を駆動する駆動モードが、本発明における「第1駆動モード」に対応する実施構成例である。また、カム係合状態において、駆動回転数でモータ110を駆動する駆動モードが、本発明における「第2駆動モード」に対応する実施構成例である。
【0043】
アイドリング回転数は、作業者に手動で操作されるアイドリング回転数設定ダイアル170によって選択(設定)される。すなわち、作業者が作業態様に応じてアイドリング回転数を設定する。アイドリング回転数設定ダイアル170は、図1に示すように、ハンドル107上方に設けられている。アイドリング回転数としては、例えば、モータの定格回転数を100%と定義したときの、モータの定格回転数の30%,50%,100%の回転数が設定される。このアイドリング回転数設定ダイアル170が、本発明における「第1回転数設定部材」に対応する実施構成例である。
【0044】
一方、駆動回転数は、作業者に手動で操作される駆動回転数設定スイッチ171aによって選択(設定)される。すなわち、作業者が作業態様に応じて駆動回転数を設定する。駆動回転数設定スイッチ171aは、図5に示すように、バッテリ装着部108の上方に配置された駆動回転数設定部171に設けられている。駆動回転数としては、例えば、モータの定格回転数を100%と定義したときの、モータの定格回転数の10%〜100%の10%刻みの回転数が設定される。駆動回転数設定部171には、駆動回転数表示パネル171bが設けられている。そして、駆動回転数設定スイッチ171aによって設定された駆動回転数が、駆動回転数表示パネル171bに表示される。この駆動回転数設定スイッチ171aが、本発明における「第2回転数設定部材」に対応する実施構成例である。
【0045】
なお、アイドリング駆動モードにおいては、選択されたアイドリング回転数が選択された駆動回転数よりも高い場合には、コントローラ180は、選択された駆動回転数と同じ回転数をアイドリング回転数として設定する。そして、トリガ107aが操作されると、コントローラ180は、スピンドル150の位置に関わらず、選択された駆動回転数、換言すると駆動回転数と同じ回転数に設定されたアイドリング回転数でモータ110を駆動する。したがって、選択されたアイドリング回転数が選択された駆動回転数よりも高い場合には、前述の「押込み起動」が無効化される。
【0046】
以上のアイドリング駆動モードによって、カム非係合状態においてアイドリング回転数でモータ110が駆動されるため、モータ110の回転数がカム係合状態検出後に駆動回転数に達するまでのタイムラグが低減される。また、カム係合状態検出後には、所定の選択された駆動回転数でモータ110が駆動されて、スピンドル150が回転される。その結果、ネジ締め作業が行われる。したがって、作業者がモータ110の駆動回転数を選択して、スクリュードライバ100の出力を変更することができる。
【0047】
(非アイドリング駆動モード)
非アイドリング駆動モードは、カム非係合状態においてモータ110が駆動されず、カム係合状態において駆動回転数でモータ110が駆動される駆動モードである。すなわち、トリガ107aが操作されても、磁気センサ162によってスピンドル150が前方位置に位置していることが検出されると、コントローラ180はモータ110を駆動しない。一方、トリガ107aが操作され、磁気センサ162によってスピンドル150が後方位置に位置していることが検出されると、コントローラ180は、設定された駆動回転数でモータ110を駆動する。
【0048】
非アイドリング駆動モードでは、モータ110はアイドリング駆動されない。そのため、アイドリング回転数設定ダイアル170には、設定値として“OFF”が設けられている。そして、OFFが選択されることで、アイドリング回転数設定ダイアル170によるアイドリング回転数の設定が無効化される。換言すると、アイドリング回転数がモータの定格回転数の0%に設定される。駆動回転数は、アイドリング駆動モードと同様に、駆動回転数設定スイッチ171aによって設定される。
【0049】
以上の非アイドリング駆動モードによって、アイドリング駆動モードに比べて、モータ110のアイドリング駆動によって消費される電力が低減される。そして、非アイドリング駆動モードにおいても、アイドリング駆動モードと同様に、トリガ107aが操作されるとともにカム係合状態が検出されると、コントローラ180は、所定の選択された駆動回転数でモータ110が駆動されて、スピンドル150が回転される。その結果、ネジ締め作業が行われる。したがって、作業者がモータ110の駆動回転数を選択して、スクリュードライバ100の出力を変更することができる。
【0050】
なお、アイドリング駆動モードと非アイドリング駆動モードにおいては、トリガロックスイッチ107cを操作してトリガ107aが所定の位置に保持された状態で、作業者が工具ビット119を被加工材に押圧することで作業を行うこともできる。すなわち、作業者がトリガ107aを操作することなく、工具ビット119を被加工材に対して押圧することで、スピンドル150の位置に基づいて、コントローラ180がモータ110の駆動を制御する。
【0051】
(トリガ駆動モード)
上記のアイドリング駆動モードおよび非アイドリング駆動モードにおいては、トリガ107aが操作された時の駆動カム137と被動カム157の係合状態および非係合状態に基づいて、コントローラ180が所定の回転数でモータ110を駆動している。一方、トリガ駆動モードにおいては、トリガ107aの操作量(移動量)に基づいて、コントローラ180がモータ110の回転数を制御する。
【0052】
具体的には、トリガ駆動モードに切り替えるためのスイッチ(図示省略)が設けられており、当該スイッチによってトリガ駆動モードと、アイドリング駆動モードおよび非アイドリング駆動モードが切り替えられる。
【0053】
トリガ駆動モードにおいては、トリガ107aが操作されていない時のトリガ操作量を0とし、トリガ107aが完全に引かれた時のトリガ操作量を1として、0から1の間で線形に変化するように各トリガ操作量が設定されている。そして、カム非係合状態が検出されると、コントローラ180は、アイドリング回転数設定ダイアル170によって設定されたアイドリング回転数に対して、トリガ操作量に対応する0から1の数値を乗じた回転数でモータ110を駆動する。一方、カム係合状態が検出されると、コントローラ180は、駆動回転数設定スイッチ171aによって設定された駆動回転数に対して、トリガ操作量に対応する0から1の数値を乗じた回転数でモータ110を駆動する。
【0054】
以上のトリガ駆動モードによって、モータ110の回転数がカム係合状態検出後に駆動回転数に対してトリガ操作量に対応した所定の回転数に達するまでのタイムラグが低減される。また、カム係合状態検出後には、トリガ操作量に対応した所定の回転数でモータ110が駆動されて、スピンドル150が回転される。その結果、ネジ締め作業が行われる。したがって、作業者がモータ110の最大駆動回転数を選択して駆動するとともに、トリガ107aによって駆動回転数を調節することができる。その結果、スクリュードライバ100の出力をより効果的に変更することができる。
【0055】
以上の各駆動モードによってネジ締め作業が行われることで、ネジが被加工材(木材等)にねじ込まれる。ねじ込まれるネジの移動に伴ってロケータ105の前面が被加工材に当接すると、工具ビット119を保持したスピンドル150が、コイルスプリング145の付勢力によってスクリュードライバ100の前方に向かって徐々に移動する。これにより、駆動ギア137と被動ギア157の係合が解除されて、スピンドル150に対するモータ110の回転の伝達が遮断される。その結果、被加工材に対して所定の深さまでネジがねじ込まれて、ネジ締め作業が終了する。なお、ネジがねじ込まれる所定の深さとしての、工具ビット119に保持されたネジ頭からロケータ105の前面の間の距離は、作業者によって変更可能である。すなわち、ロケータ105の先端部105aを基端部105bに対して回動させることで先端部105aがスクリュードライバ100の前後方向に移動し、これにより、ねじ込み深さが調節される。
【0056】
(ネジ外し作業)
被加工材にねじ込まれたネジを外すネジ外し作業の際には、スクリュードライバ100がネジを逆回転させることで、被加工材からネジを外す。すなわち、切替スイッチ107bが操作されることで、モータ110の回転方向が切り替わり、ネジ外し作業が行われる。なお、モータ110の回転方向がネジ外し作業用の回転方向に切り替えられると、アイドリング回転数および駆動回転数が、モータの定格回転数に設定される。
【0057】
以上の本実施形態においては、磁石161は、N極とS極が前側と後側にそれぞれ配置されるように、スピンドル位置検出シャフト160に取り付けられているが、これには限られない。例えば、図7に示す第1変形例のように、磁石161は、N極とS極がそれぞれ前後方向に沿って配置されていてもよい。そして、磁気センサ162は、スピンドル位置検出シャフト160の回転に伴う磁界の変化によって、スピンドル150が回転していることを検出することで、スピンドル150が後方位置に位置することが検出される。これにより、コントローラ180が駆動カム137と被動カム157が係合状態であることを検出してもよい。
【0058】
また、図8に示す第2変形例に示すように、磁気センサ162は、スピンドル位置検出シャフト160の軸線上に設けられていてもよい。
【0059】
また、図9に示す第3変形例のように、磁石および磁気センサを設けることなく、スピンドル150の位置を検出してもよい。具体的には、プッシュスイッチ163、プッシュスイッチ163を操作する操作板164、操作板164を付勢するバネ165が設けられている。操作板164は一端側の支点を中心に回動し、他端側においてプッシュスイッチ163を操作するように構成されている。そして、スピンドル位置検出シャフト160は、操作側の一端側(支点側)に当接する。スピンドル150の後方への移動によってバネ165の付勢力に抗して操作板164が押圧されて、プッシュスイッチ163が操作される。これにより、スピンドル150が後方位置に位置すること、すなわち駆動ギア137と被動ギア157の係合状態が検出される。なお、スピンドル位置検出シャフト160が操作板164の支点側に当接することで、てこの原理により、スピンドル150の移動が拡大されてプッシュスイッチ163に伝達される。したがって、スピンドル150の移動量を小さく設定することで、スクリュードライバ100が小型化される。この操作板164が、本発明における「介在部材」に対応する実施構成例である。
【0060】
以上の本実施形態および変形例によれば、コントローラ180は、各駆動モードを選択してモータ110を駆動するため、各作業態様に応じて作業者が自由に駆動モードを選択できる。したがって、ユーザフレンドリなスクリュードライバ100が提供される。
【0061】
また、磁気センサ162またはプッシュスイッチ163は回転伝達ギア130の後方に配置される。一般に作業工具において、ギアやシャフト等から構成される回転伝達機構の前方にはスピンドルが配置されるが、回転伝達機構の後方はデッドスペースとなる。そのため、スピンドル150の位置を検出する検出手段としての磁気センサ162やプッシュスイッチ163をデッドスペースに配置することで、当該デッドスペースが有効に利用される。
【0062】
また、磁気センサ162、プッシュスイッチ163がスピンドル位置検出シャフト160の軸線上以外の領域に配置される。そのため、作業工具としてのスクリュードライバ100の前後方向の長さを短くすることができる。すなわち、作業工具が小型化される。
【0063】
また、モータ110としてブラシレスモータが用いられているため、コントローラ180がモータ110の回転数を正確に制御することができる。とりわけ、各駆動モードに応じてモータ110の回転数を制御する作業工具において、ブラシレスモータを用いることは有効である。
【0064】
以上の実施形態および変形例においては、回転伝達機構として、駆動カム137と被動カム157の係合により、モータ110の回転をスピンドル150に伝達しているが、これには限られない。例えば、回転伝達機構としてコントローラ180に制御される電磁クラッチが設けられていてもよい。
【0065】
また、以上の実施形態および変形例においては、作業工具の一例としてスクリュードライバ100を用いて説明したが、先端工具を回転させる作業工具であれば、ドリルやハンマドリル等の作業工具に本発明を適用してもよい。
【0066】
上記発明の趣旨に鑑み、本発明に係る作業工具に関しては、下記の態様が構成可能である。
(態様1)
請求項1〜9のいずれか1項に記載の作業工具であって、
前記回転軸は、前記軸方向に関して、前記回転伝達機構より前記先端領域側に配置されており、
前記検知機構は、前記軸方向に関して、前記先端領域から前記回転伝達機構より離間して配置されていることを特徴とする作業工具。
(態様2)
請求項1〜9および態様1のいずれか1項に記載の作業工具であって、
前記操作部材は、トリガとして構成されており、
前記第1駆動モードにおいて、前記コントローラは、前記第1回転数を最大回転数として、前記トリガの移動量に基づいて回転数を変更して前記ブラシレスモータを駆動するように構成されていることを特徴とする作業工具。
(態様2)
請求項1〜9および態様1または2のいずれか1項に記載の作業工具であって、
前記操作部材は、トリガとして構成されており、
前記第2駆動モードにおいて、前記コントローラは、前記第2回転数を最大回転数として、前記トリガの移動量に基づいて回転数を変更して前記ブラシレスモータを駆動するように構成されていることを特徴とする作業工具。
【0067】
(本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係)
本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下の通り示す。なお、本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものであり、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。
スクリュードライバ100が、本発明の「作業工具」に対応する構成の一例である。
本体部101が、本発明の「工具本体」に対応する構成の一例である。
トリガ107aが、本発明の「操作部材」に対応する構成の一例である。
モータ110が、本発明の「ブラシレスモータ」に対応する構成の一例である。
出力軸111が、本発明の「出力軸」に対応する構成の一例である。
回転伝達ギア130が、本発明の「回転伝達機構」に対応する構成の一例である。
回転伝達ギア130が、本発明の「駆動部」に対応する構成の一例である。
駆動カム137が、本発明の「回転伝達機構」に対応する構成の一例である。
駆動カム137が、本発明の「駆動部」に対応する構成の一例である。
被動カム157が、本発明の「回転伝達機構」に対応する構成の一例である。
被動カム157が、本発明の「被動部」に対応する構成の一例である。
スピンドル150が、本発明の「回転軸」に対応する構成の一例である。
スピンドル位置検出シャフト160が、本発明の「可動部材」に対応する構成の一例である。
磁気センサ162が、本発明の「検出機構」に対応する構成の一例である。
操作板164が、本発明の「介在部材」に対応する構成の一例である。
アイドリング回転数設定ダイアル170が、本発明の「第1回転数設定部材」に対応する構成の一例である。
駆動回転数設定スイッチ171aが、本発明の「第2回転数設定部材」に対応する構成の一例である。
コントローラ180が、本発明の「コントローラ」に対応する構成の一例である。
【符号の説明】
【0068】
100 スクリュードライバ
101 本体部
103 本体ハウジング
105 ロケータ
107 ハンドル
107a トリガ
107b 切替スイッチ
107c トリガロックスイッチ
108 バッテリ装着部
109 バッテリパック
110 モータ
111 出力軸
119 工具ビット
120 駆動機構
125 駆動ギア
130 回転伝達機構
131 駆動部材
132 被動ギア
134 支持シャフト
135 被動部材
137 駆動カム
138 ボール
140 ベアリング
141 ベアリング
142 ベアリング
145 コイルスプリング
150 スピンドル
151 ビット保持部
152 ボール
153 リーフスプリング
155 支持シャフト保持部
156 フランジ
157 被動カム
160 スピンドル位置検出シャフト
161 磁石
162 磁気センサ
163 プッシュスイッチ
164 操作板
165 バネ
170 アイドリング回転数設定ダイアル
171 駆動回転数設定部
171a 駆動回転数設定スイッチ
171b 駆動回転数表示パネル
180 コントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9