(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
本実施形態は、複数種類の原料をそれぞれ計量し混合したブレンド材を、成形機に供給するための計量混合装置に本発明の計量ホッパーを採用した一例である。本実施形態における原料には、例えば、樹脂ペレット、粉砕材、マスターバッチ、添加剤、顔料などの粉粒体が採用されているが、粉粒体であれば特にその種類は限定されない。また、成形機以外の例えば、包装装置などにブレンド材を供給する場合は、原料にゲル又はペーストが採用されてもよい。さらに、原料は、食品、調味料、医薬品などに用いられる液体であってもよい。つまり、本発明の計量ホッパーは、撹拌しない状態では分子レベルで分散し合わない複数の原料(撹拌した場合は分子レベルで分散し合ってもし合わなくてもよい)、又は、撹拌しないと分子レベルで分散し合わない複数の原料について、計量することが可能である。撹拌しないと分子レベルで分散し合わない複数の原料としては、比重の異なる液体同士(例えば水と油と乳化液など)が挙げられる。
【0022】
図1及び
図2に示すように、計量混合装置1は、2つの供給ホッパー2と、2つのスクリューフィーダ3と、計量ホッパー4と、混合ユニット5と、ブレンド材タンク6と、制御部10と、操作部11とを含んでいる。
【0023】
供給ホッパー2の上部には、原料輸送流路7と吸引流路8が接続されている。供給ホッパー2の内部上方には、吸引流路8に原料が吸い込まれるのを防止するためのフィルタ21が設けられている。供給ホッパー2は、原料輸送流路7を介して原料タンク(図示省略)に接続されているとともに、吸引流路8を介して吸引ブロア(図示省略)に接続されている。吸引ブロアを作動させることで、供給ホッパー2の内部の空気が吸引されて、原料タンクから原料輸送流路7を介して供給ホッパー2に原料が気力輸送される。2つの供給ホッパー2のうち、一方の供給ホッパー2a(
図1中右側)には粉粒体からなる原料G1(第1原料)が貯留され、他方の供給ホッパー2b(
図1中左側)には原料G1とは異なる粉粒体からなる原料G2(第2原料)が貯留される。このように2つの供給ホッパー2a,2bには、互いに異なる種類の原料G1,G2が貯留される。
【0024】
スクリューフィーダ3は、各供給ホッパー2の下部に設けられている。スクリューフィーダ3は、供給ホッパー2の下部側壁から斜め上方に延びる円筒状の搬送管31と、搬送管31の内部に配置された螺旋型のスクリュー32と、スクリュー32を回転駆動するモータ33とを有する。各供給ホッパー2内の原料G1,G2は、モータ33の駆動によりスクリュー32が回転することで、搬送管31の先端開口から外部に押し出される。搬送管31の先端には、先端開口を開閉するための排出弁34が設けられている。この排出弁34は、搬送管31の内側から押圧されることで開状態となる。
【0025】
計量ホッパー4は、2つのスクリューフィーダ3の搬送管31の先端の下方に配置されており、各スクリューフィーダ3から投入された各原料G1,G2を計量する。そして、計量した各原料G1,G2を混合ユニット5に排出する。なお、計量ホッパー4の詳細については、後述する。
【0026】
混合ユニット5は、計量ホッパー4の下方に配置されている。混合ユニット5は、混合ホッパー51と、撹拌羽根52と、排出弁53と、排出弁53を駆動するエアシリンダ54と、撹拌羽根52を回転駆動するモータ55とを有する。混合ホッパー51の上端には、計量ホッパー4から排出された原料G1,G2を受け入れるための開口が形成されている。撹拌羽根52は、モータ55の駆動より、混合ホッパー51に供給された原料G1,G2を撹拌し混合する。また、混合ホッパー51の下端には、混合した原料G1,G2を排出するための開口が形成されている。排出弁53は、エアシリンダ54の駆動により、混合ホッパー51の下端開口を開閉する。
【0027】
ブレンド材タンク6は、混合ホッパー51の下方に配置されている。ブレンド材タンク6は、タンク本体61と、スライドゲート62とを有する。タンク本体61は、下方に向かって先細りとなる先細り形状を有し、上端には混合ホッパー51から排出されたブレンド材(原料G1,G2が混合されたもの)を受け入れるための開口が形成されている。また、タンク本体61の下端には、ブレンド材を排出するための開口が形成されている。スライドゲート62は、手動で操作されることでタンク本体61の下端開口を開閉する。また、タンク本体61の下端は、スライドゲート62を介してブレンド材輸送流路64に接続されている。このブレンド材輸送流路64は、成形機(図示省略)に接続されている。
【0028】
操作部11は、運転開始/停止スイッチと、各供給ホッパー2から計量ホッパー4に投入する原料G1,G2の質量(目標量)を設定できる質量設定部などを有する。
【0029】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及び、ROM(Read Only Memory)などを含んでいる。制御部10は、モータ33,55と、ロードセル43(後述する)と、操作部11と、エアシリンダ42(後述する)と、エアシリンダ54とに接続されている。制御部10は、操作部11及びロードセル43から送られる信号に基づいて、2つの供給ホッパー2に貯留された原料G1,G2を所定の配合比率で計量ホッパー4に供給するようにモータ33を制御する。また、制御部10は、計量ホッパー4で各原料G1,G2を計量した後、当該原料G1,G2を混合ホッパー51に排出するように、エアシリンダ42を制御する。また、制御部10は、ブレンド材を生成し、当該ブレンド材をブレンド材タンクに排出するように、モータ55及びエアシリンダ54を制御する。
【0030】
次に、計量ホッパー4の詳細の構成について、以下に説明する。
計量ホッパー4は、
図1に示すように、ホッパー本体41と、エアシリンダ42と、ロードセル43とを有する。ロードセル43は、ホッパー本体41に投入される各原料G1,G2の質量を計測する。
【0031】
ホッパー本体41は、
図3及び
図4に示すように、鉛直方向に延在する四角筒状の本体部44と、蓋部45とを有する。本体部44の上端開口は、上方に開口し、スクリューフィーダ3から原料G1,G2が投入される投入口44aである。本体部44の下端開口は、下方に開口し、原料G1,G2を排出する排出口44bである。排出口44bは、
図4に示すように、その全体が水平方向に対して一方向に傾斜して形成されている。つまり、排出口44bは、
図4中左側端部が右側端部よりも上方に位置するように、傾斜している。なお、
図3〜
図9に示す第1及び第2方向は、水平且つ互いに直交する方向である。第1方向は、
図4において、本体部44の左及び右側側面に沿った方向に平行である。本実施形態における排出口44bは、その全体が傾斜した傾斜部として構成されているが、一部だけが傾斜する傾斜部を有していてもよい。
【0032】
蓋部45は、排出口44bよりも一回りサイズの大きい平板部材であり、排出口44b全体を覆うことが可能に構成されている。蓋部45は、
図4(a)に示すように、左側端部が若干折り曲げられている。この折り曲げ部は、蓋部45が排出口44bを閉塞する閉塞位置(後述する)に配置された状態において、本体部44に近づくように折り曲げられている。また、蓋部45は、第2方向に沿う両側面の右側端部近傍に、第1方向に突出する一対の突起45aを有する。本体部44は、一対のブラケット46を有する。一対のブラケット46は、本体部44の
図4中右側側面の下端近傍に配置されている。一対のブラケット46には、排出口44bの下端近傍に、第1方向に貫通する孔46aが形成されている。また、一対のブラケット46は、第1方向に関して、蓋部45を挟んで配置され、孔46aに突起45aが挿通されている。これにより、蓋部45が一対のブラケット46によって回動可能に支持される。このときの蓋部45の回転中心は、排出口44bの下端近傍に配置される。
【0033】
蓋部45の折り曲げ部とは反対側の端部には、一対のブラケット47が形成されている。一対のブラケット47には、第1方向に貫通する孔47aが形成されている。一対のブラケット47は、エアシリンダ42のロッド42bの先端部と連結ピン42cによって回動可能に連結されている。
【0034】
また、本体部44は、一対のブラケット48を有する。一対のブラケット48は、本体部44の
図4中右側側面に配置されている。一対のブラケット48には、第1方向に貫通する孔48aが形成されている。一対のブラケット48は、エアシリンダ42のシリンダ本体42aと連結ピン42dによって回動可能に連結されている。
【0035】
エアシリンダ42(状態変更機構)は、ロッド42bを伸縮させることで蓋部45を閉塞位置と開放位置との間において回動させる。閉塞位置は、
図4(a)に示す位置であって、蓋部45が排出口44b全体を覆って排出口44bを閉塞させる。本実施形態において、蓋部45は、閉塞位置にあるときに本体部44と当接しているが、原料G1,G2の粒径よりも小さな隙間を介して、本体部44と離隔していてもよい。要するに蓋部45は、閉塞位置において、ホッパー本体41に投入された原料G1,G2が排出口44bから漏れ出さないように排出口44bを閉塞しておればよい。このように蓋部45が閉塞位置にあるときは、ホッパー本体41に投入された原料G1,G2を貯留することが可能な貯留可能状態となる。開放位置は、
図4(b)に示す位置であって、蓋部45が本体部44から大きく離隔し排出口44bを開放させるとともに、蓋部45に原料G1,G2が残留しない位置である。このように蓋部45が閉塞位置から開放位置に配置されるときは、原料G1,G2をホッパー本体41から排出することが可能な排出可能状態となる。エアシリンダ42は、ホッパー本体41の状態を貯留可能状態および排出可能状態のいずれかに変更させる。
【0036】
以下、計量混合装置1の動作について説明する。
制御部10は、操作部11から運転開始信号を受けると、まず、一方のスクリューフィーダ3のモータ33を回転させる。これにより、スクリュー32が回転して、供給ホッパー2a内の原料G1が搬送管31から排出される。つまり、原料G1が計量ホッパー4に上方から投入される。このとき、蓋部45は、閉塞位置に配置されており、ホッパー本体41が貯留可能状態をとる。また、このとき、
図5(a)に示すように、原料G1がホッパー本体41の下端側、すなわち、排出口44bの下端側であって第2方向に関して蓋部45の略中央から右側部分にかけて堆積される。原料G1の投入量は少量であるため、蓋部45全体に堆積しない。換言すると、ホッパー本体41は、先に投入される原料G1が蓋部45全体に堆積しないように、構成されている。
【0037】
制御部10は、モータ33の運転開始後、ロードセル43の計量値が、操作部11によって設定された目標量に達した時点で、モータ33の運転を停止させると共に、ロードセル43の計量値をゼロにリセットする。
【0038】
その後、上述と同様に、制御部10が、他方のスクリューフィーダ3のモータ33を回転させ、供給ホッパー2b内の原料G2を計量ホッパー4に上方から投入する。このとき、
図5(a)に示すように、原料G2が原料G1上及び排出口44bの上端側であって蓋部45の原料G1が堆積していない部分に堆積される。そして、制御部10は、ロードセル43の計量値が、先に計量した原料G1の計量値に基づく原料G2の所望量に達した時点で、モータ33の運転を停止させると共に、ロードセル43の計量値をゼロにリセットする。ここでいう所望量とは、先に計量した原料G1の計量値が目標値に対して増減していた場合に、その増減分を、原料G2の目標値に対して配合比率に応じて増減させた値である。なお、本実施形態においては、
図5(a)に示すように、最初に投入される原料G1は、後から投入される原料G2よりも配合比率が非常に小さいため、量が原料G2より大幅に少ない。換言すると、原料G2は本体部44の鉛直方向中央よりも上側まで投入され、原料G1よりも非常に多い。
【0039】
計量ホッパー4で各原料G1,G2の計量が終了すると、制御部10は、エアシリンダ42を制御して、蓋部45を閉塞位置から開放位置に移動させる。このとき、蓋部45は、
図5(b)に示すように、排出口44bの上端から下端に向けて順に開く。このため、ホッパー本体41内の原料G1,G2のうち、排出口44bの上端近傍にある原料G2から混合ホッパー51に排出されていく。なお、
図5(b)に示すように、蓋部45が閉塞位置から開放位置へと半分程度の距離を回動したときは、原料G1は、まだ、蓋部45上に残留し、原料G2の大半が混合ホッパー51に排出されている。
図5(b)では、ホッパー本体41内に原料G2がほとんど残っていないが、蓋部45の回動速度が速いと、蓋部45が閉塞位置から開放位置へと半分程度の距離を回動した時点でホッパー本体41内に原料G2が残っている場合がある。そして、蓋部45が開放位置に到達するときには、
図5(c)に示すように、ホッパー本体41内のすべての原料G1,G2が排出される。このように計量ホッパー4から混合ホッパー51に原料G1,G2が排出される際は、ホッパー本体41に後に投入された原料G2の少なくとも一部が、先に投入された原料G1よりも先に、ホッパー本体41から混合ホッパー51へと排出される。
【0040】
制御部10は、以上の動作を1回又は複数回繰り返し、所定量の原料G1,G2を混合ホッパー51へ供給する。なお、混合ユニット5の排出弁53は、ブレンド材を排出するとき以外はエアシリンダ54によって閉じられている。このため、計量ホッパー4から排出された原料G1,G2は、混合ホッパー51内に貯留される。この後、制御部10は、モータ55を制御して、撹拌羽根52を所定時間だけ回転させ、混合ホッパー51内の原料G1,G2を混合する。こうして、ブレンド材が生成される。上述したように混合ホッパー51には、最初に原料G2の少なくとも一部が供給され、この後、原料G2よりも量が少ない原料G1が供給される。このため、混合ホッパー51内において原料G1が原料G2上に貯留される。したがって、例えば、混合ホッパー51の底部や混合ホッパー51と撹拌羽根52との間などに微小な混合不良領域が存在していても、当該領域に原料G1が溜まりにくい。このように混合不良領域に量の少ない原料G1が溜まりにくいので、原料G1を原料G2中に効果的に分散させることができる。すなわち、原料G1,G2をムラなく混合させることが可能となる。この後、制御部10は、エアシリンダ54を制御し、所定時間だけ排出弁53を開く。こうして、混合ユニット5で生成されたすべてのブレンド材が、ブレンド材タンク6に排出され、計量混合装置1の動作が終了する。なお、成形機にブレンド材を輸送する場合は、手動でスライドゲート62を開く。この後、成形機から吸引することで、ブレンド材がブレンド材輸送流路64を介して成形機に気力輸送される。
【0041】
以上説明した本実施形態の計量ホッパー4によると、ホッパー本体41の状態が貯留可能状態から排出可能状態へと変更される際に、原料G1が原料G2の少なくとも一部よりも後にホッパー本体41から排出される。ホッパー本体41に投入された原料G1が原料G2よりも少ない(配合比率が小さい)場合、これら原料G1,G2を混合ユニット5でムラなく混合させることが可能となる。つまり、原料G1,G2をムラなく混合させるために、ホッパー本体41から量の多い(配合比率の高い)原料G2を原料G1よりも先に排出することができる。
【0042】
また、ホッパー本体41の蓋部45を閉塞位置から開放位置へと移動するだけで、ホッパー本体41の状態を貯留可能状態から排出可能状態へと変更することが可能となる。
【0043】
また、エアシリンダ42は、蓋部45を閉塞位置から開放位置へと移動させる際に、排出口44bの上端から下端に向けて順に開くように、蓋部45を移動させる。これにより、ホッパー本体41が原料G1,G2を貯留したときに、原料G1が排出口44bの下端側に溜まり、原料G2が原料G1上及び排出口44bの上端側に溜まる。このため、ホッパー本体41の状態を貯留可能状態から排出可能状態へと変更させる際に、原料G2を原料G1よりも先に排出することが可能となる。
【0044】
また、蓋部45は、本体部44に回動可能に支持されている。これにより、エアシリンダ42が蓋部45を回動させることで、ホッパー本体41の状態を変更することが可能となる。また、蓋部45の回転中心が、排出口44bの下端近傍にある。これにより、ホッパー本体41が排出可能状態、すなわち、蓋部45が開放位置に配置されていても、当該ホッパー本体41全体のサイズを比較的小さくすることが可能となる。
【0045】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態の計量ホッパー204は、ホッパー本体241の構成が第1実施形態のホッパー本体41と異なるだけで、これ以外は第1実施形態と同様である。なお、第1実施形態と同様な構成については、同符号を示し、説明を省略する。
【0046】
ホッパー本体241は、
図6に示すように、鉛直方向に延在する四角筒状の本体部244と、蓋部245とを有する。本体部244の上端開口は、上述と同様な投入口244aである。本体部244の下端開口は、下方に開口し、原料G1,G2を排出する排出口244bである。排出口244bは、
図6に示すように、左側配置された第1傾斜部244b1と、右側に配置された第2傾斜部244b2とを有している。第1傾斜部244b1は、左側端部が右側端部よりも上方に位置するように、傾斜している。第2傾斜部244b2は、左側端部が右側端部よりも下方に位置するように、傾斜している。排出口244bは、第2方向に関して、中央部分が最も下方に位置するように、第1傾斜部244b1の右側端部と第2傾斜部244b2の左側端部とが接続されている。なお、第1傾斜部244b1の左側端部は、第2傾斜部244b2の右側端部と同一高さレベルに配置されている。
【0047】
蓋部245は、排出口244bよりも一回りサイズの大きい平板部材であって、
図6(a)に示すように、当該平板部材が第2方向に関する中央部分で折り曲げられて構成されている。蓋部245は、排出口244b全体を覆うことが可能に構成されている。また、蓋部245も、一対の突起45aを有し、一対のブラケット46の孔46aに突起45aが挿通されることで、一対のブラケット46によって回動可能に支持される。このときの蓋部245の回転中心は、第2傾斜部244b2の上端近傍に配置される。また、蓋部245は、上述と同様に、一対のブラケット47を介してエアシリンダ42と回動可能に連結されている。このように、蓋部245も、上述の第1実施形態と同様に、閉塞位置(
図6(a)に示す位置)と開放位置(
図6(b)中二点鎖線で示す位置)との間において移動可能に構成されている。
【0048】
この計量ホッパー204においても、各原料G1,G2を計量する際は、上述の第1実施形態と同様に、ホッパー本体241に原料G1から先に投入される。原料G1の計量が終了すると、ホッパー本体241に原料G2が投入され、計量される。このとき、
図6(a)に示すように、原料G1が排出口244bの下端(第1及び第2傾斜部244b1,244b2の接続部)側であって、第2方向に関して蓋部245の略中央部分に堆積される。そして、原料G2は、原料G1上及び排出口244bの上端側であって蓋部245の原料G1が堆積していない部分に堆積される。なお、本実施形態においても、
図6(a)に示すように、最初に投入される原料G1は、後から投入される原料G2よりも配合比率が非常に小さいため、量が原料G2より大幅に少ない。換言すると、原料G2は本体部244の鉛直方向中央よりも上側まで投入され、原料G1よりも非常に多い。
【0049】
この後、計量ホッパー204から計量した各原料G1,G2を排出する際は、
図6(b)に示すように、エアシリンダ42によって、蓋部245が閉塞位置から開放位置に移動される。このとき、蓋部245は、
図6(b)に示すように、第1傾斜部244b1の上端から下端、第2傾斜部244b2の下端から上端に向けて順に開く。このため、ホッパー本体241内の原料G1,G2のうち、排出口244bの第1傾斜部244b1の上端近傍にある原料G2から混合ホッパー51に排出されていく。なお、
図6(b)に示すように、蓋部245が閉塞位置から開放位置へと半分程度の距離を回動したときは、原料G1は、まだ、蓋部245上に残留し、原料G2の大半が混合ホッパー51に排出されている。そして、蓋部245が開放位置に到達するときには、ホッパー本体41内のすべての原料G1,G2が排出される。このように計量ホッパー204から混合ホッパー51に原料G1,G2が排出される際は、第1実施形態と同様に、ホッパー本体241に後に投入された原料G2の少なくとも一部が、先に投入された原料G1よりも先に、ホッパー本体241から混合ホッパー51へと排出される。このため、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。また、同様な構成を有する部分については、同様な効果が得られる。
【0050】
第2実施形態の変形例として、蓋部245の第1傾斜部244b1に対向する第1部分だけが、回動可能に構成されていてもよい。つまり、蓋部245の第2傾斜部244b2と対向する第2部分が本体部244に固定される。そして、蓋部245の下端部分(第2部分の左側端部)に、第1部分の回動中心が配置される。また、第1部分は、エアシリンダの駆動によって、第1傾斜部244b1を閉塞する閉塞位置と第1傾斜部244b1を開放する開放位置との間において、移動可能に構成される。
【0051】
この変形例において、計量された原料G1,G2を排出する際は、第1部分が閉塞位置から開放位置に回動する。このとき、蓋部245の第1部分が、排出口244bの第1傾斜部244b1の上端から下端に向けて順に開く。このため、第2実施形態と同様に、第1傾斜部244b1の上端近傍にある原料G2から混合ホッパー51に排出されていく。このため、第1及び第2実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、本変形例においては、蓋部245を閉塞位置から開放位置へ移動させる際に、蓋部245の第1部分を回動させていたが、当該第1部分の閉塞位置における傾斜方向に沿って、第1部分を斜め下方にスライドさせてもよい。これにおいても同様の効果を得ることができる。
【0052】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態の計量ホッパー304は、ホッパー本体341の構成が第1実施形態のホッパー本体41と異なるだけで、これ以外は第1実施形態と同様である。なお、第1実施形態と同様な構成については、同符号を示し、説明を省略する。
【0053】
ホッパー本体341は、
図7に示すように、鉛直方向に延在する円筒状の本体部344と、蓋部345とを有する。本体部344は、大径部346aと、直径が大径部346aよりも小さい小径部346bと、接続部346cとを有する。大径部346aの上端開口は、上述と同様な投入口344aである。接続部346cは、直径が下方に向かうに連れて小さくなり、大径部346aの下端と小径部346bの上端とを接続している。小径部346bの下端開口は、下方に開口し、原料G1,G2を排出する排出口344bである。本実施形態における排出口344bは水平方向に延在している。
【0054】
蓋部345は、
図7(a)に示すように、上方に開口する容器状の本体345aと、本体345aを支持する支持部345bとを有する。本体345aの開口の直径は、小径部346bの直径よりも大きく形成されている。また、本体345aは、蓋部345を閉塞位置から開放位置へ移動させる際に、原料G1をすべて受け取ることが可能な容量に構成されている。本実施形態における本体345aの容量は、小径部346bにおける容量とほぼ等しくなるように、設定されている。支持部345bは、
図7(a)に示すように、本体345aの右側側面の下端から第2方向に延在して形成されている。また、支持部345bには、上述の一対の突起45aと同様の一対の突起345b1が形成されており、一対のブラケット46の孔46aに突起345b1が挿通されている。これにより、蓋部345が、一対のブラケット46によって回動可能に支持される。また、支持部345bには、上述と同様に、一対のブラケット47が形成されている。そして、この一対のブラケット47を介して、蓋部345がエアシリンダ42と回動可能に連結されている。このように、蓋部345も、上述の第1実施形態と同様に、閉塞位置(
図7(a)に示す位置)と、開放位置(
図7(b)中二点鎖線で示す位置)との間において移動可能に構成されている。
【0055】
この計量ホッパー304においても、各原料G1,G2を計量する際は、上述の第1実施形態と同様に、ホッパー本体341に原料G1から先に投入される。原料G1の計量が終了すると、ホッパー本体341に原料G2が投入され、計量される。このとき、
図7(a)に示すように、原料G1が小径部346bの下端(排出口344b)部分であって蓋部345の本体345a上に堆積され、原料G2が原料G1上に堆積される。なお、本実施形態においても、
図7(a)に示すように、最初に投入される原料G1は、後から投入される原料G2よりも配合比率が非常に小さいため、量が原料G2より大幅に少ない。より詳細には、原料G1は小径部346bの下端から中央やや下側まで投入される。原料G2は原料G1上から大径部346aの鉛直方向中央よりも上側まで投入され、原料G1よりも非常に多い。
【0056】
この後、計量ホッパー304から計量した各原料G1,G2を排出する際は、
図7(b)に示すように、エアシリンダ42によって、蓋部345が閉塞位置から開放位置に移動される。
図7(b)に示すように、蓋部345が閉塞位置から開放位置へと半分程度の距離を回動した時点では、原料G1及び原料G2の小径部346bにあるものの一部が蓋部345の本体345aに一時的に受け取られ、これ以外の原料G2が混合ホッパー51に排出されていく。そして、蓋部345が開放位置に到達するときには、ホッパー本体341内のすべての原料G1,G2が排出される。つまり、本体345aで受け取られていた原料G1及び原料G2の一部が本体345aから混合ホッパー51へ排出される。このように計量ホッパー304から混合ホッパー51に原料G1,G2が排出される際は、第1実施形態と同様に、ホッパー本体341に後に投入された原料G2の少なくとも一部が、先に投入された原料G1よりも先に、ホッパー本体341から混合ホッパー51へと排出される。このため、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。また、同様な構成を有する部分については、同様な効果が得られる。
【0057】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態の計量ホッパー404は、ホッパー本体441の蓋部445、及び、蓋部445を移動させる移動機構442の構成が第1実施形態のホッパー本体41の蓋部45及びエアシリンダ42と異なるだけで、これ以外は第1実施形態と同様である。なお、第1実施形態と同様な構成については、同符号を示し、説明を省略する。
【0058】
ホッパー本体441は、
図8に示すように、上述と同様な本体部44と、蓋部445とを有する。蓋部445は、排出口44bよりも一回りサイズの大きい平板部材であり、排出口44b全体を覆うことが可能に構成されている。本実施形態の蓋部445には、上述の蓋部45に形成されていた折り曲げ部が形成されていない。また、蓋部445の下面には、後述のピニオン442aが噛み合うラック(図示省略)が形成されている。また、本体部44には、蓋部445が排出口44bの傾斜方向に沿って移動可能なように、ガイド(図示省略)が形成されている。
【0059】
移動機構(状態変更機構)442は、ピニオン442aと、これを回転駆動するモータ(図示省略)とを有する。ピニオン442aは、蓋部445のラックに噛み合うように配置されている。これにより、モータによってピニオン442aが
図8中時計回りに回転することで、蓋部445が閉塞位置(
図8(a)に示す位置)から開放位置(
図8(c)に示す位置)まで移動する。このように移動機構442は、蓋部445を閉塞位置から開放位置へと移動させる際に、排出口44bの上端から下端に向けて順に開くように蓋部445を移動させる。なお、ピニオン442aが逆回転することで、蓋部445が開放位置から閉塞位置に戻る。
【0060】
この計量ホッパー404においても、各原料G1,G2を計量する際は、上述の第1実施形態と同様に、ホッパー本体441に原料G1から先に投入される。原料G1の計量が終了すると、ホッパー本体441に原料G2が投入され、計量される。このとき、
図8(a)に示すように、原料G1が排出口44bの下端側であって、第2方向に関して蓋部445の略中央から右側部分にかけて堆積される。原料G2は、原料G1上及び排出口44bの上端側であって蓋部445の原料G1が堆積していない部分に堆積される。なお、本実施形態においても、
図8(a)に示すように、最初に投入される原料G1は、後から投入される原料G2よりも配合比率が非常に小さいため、量が原料G2より大幅に少ない。換言すると、原料G2は本体部44の鉛直方向中央よりも上側まで投入され、原料G1よりも非常に多い。
【0061】
この後、計量ホッパー404から計量した各原料G1,G2を排出する際は、
図8(b)及び
図8(c)に示すように、モータによるピニオン442aの回転によって、蓋部445が閉塞位置から開放位置に移動される。このとき、蓋部445は、
図8(b)に示すように、排出口44bの上端から下端に向けて順に開く。このため、ホッパー本体441内の原料G1,G2のうち、排出口44bの上端近傍にある原料G2から混合ホッパー51に排出されていく。そして、蓋部445が開放位置に到達するときには、
図8(c)に示すように、ホッパー本体441内のすべての原料G1,G2が排出される。このように計量ホッパー404から混合ホッパー51に原料G1,G2が排出される際は、第1実施形態と同様に、ホッパー本体441に後に投入された原料G2の少なくとも一部が、先に投入された原料G1よりも先に、ホッパー本体441から混合ホッパー51へと排出される。このため、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。また、同様な構成を有する部分については、同様な効果が得られる。
【0062】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
本実施形態の計量ホッパー504は、
図9に示すように、投入口541aを有するホッパー本体541と、ホッパー本体541を移動させる移動機構542とを有する。
【0063】
ホッパー本体541は、両端が封止された円筒部材を直径方向に略2分割した容器形状に構成されている。ホッパー本体541は、第2方向に沿う両側面に形成され、第1方向に沿って突出する一対の突起541b(
図9(a)参照:一方の突起541bのみ示す)を介して、計量混合装置の本体に回転可能に支持されている。一対の突起541bの一方の突起541bにはギア541cが固定されている。
【0064】
移動機構(状態変更機構)542は、ギア542aと、ギア542aを回転駆動するモータ(図示省略)とを有する。ギア542aは、ギア541cに噛み合うように配置されている。これにより、モータによってギア542aが
図9中時計回りに回転することで、ホッパー本体541が第1位置と第2位置との間において回動する。第1位置は、
図9(a)に示す位置であって、ホッパー本体541の投入口541aが上方を向く位置である。この第1位置にホッパー本体541があるときは、ホッパー本体541に原料G1,G2を投入可能であると共に投入された原料G1,G2を貯留することが可能な貯留可能状態となる。第2位置は、ホッパー本体541が第1位置から180°回転した
図9(c)に示す位置であって、投入口541aが下方を向く位置である。この第2位置にホッパー本体541があるときは、ホッパー本体541に投入されたすべての原料G1,G2を下方に排出することが可能な排出可能状態となる。なお、ホッパー本体541から投入されたすべての原料G1,G2を排出することが可能であれば、ホッパー本体541を第1位置から180°未満回転させた状態を第2位置としてもよい。移動機構542は、ホッパー本体541の状態を貯留可能状態および排出可能状態のいずれかに変更させる。
【0065】
この計量ホッパー504においても、各原料G1,G2を計量する際は、上述の第1実施形態と同様に、ホッパー本体541に原料G1から先に投入される。なお、ホッパー本体541に原料G1,G2が投入される際は、ホッパー本体541が第1位置に位置付けられる。そして、原料G1の計量が終了すると、ホッパー本体541に原料G2が投入され、計量される。このとき、
図9(a)に示すように、原料G1がホッパー本体541の底部に堆積される。原料G2は、原料G1上に貯留される。なお、本実施形態においても、
図9(a)に示すように、最初に投入される原料G1は、後から投入される原料G2よりも配合比率が非常に小さいため、量が原料G2より大幅に少ない。換言すると、原料G2はホッパー本体541の鉛直方向中央よりも上側まで投入され、原料G1よりも非常に多い。
【0066】
この後、計量ホッパー504から計量した各原料G1,G2を排出する際は、
図9(b)及び
図9(c)に示すように、モータによるギア542aの回転によって、ホッパー本体541が第1位置から第2位置に移動される。このとき、ホッパー本体541は、
図9(b)に示すように、投入口541aが徐々に下方を向く。このため、ホッパー本体541内の原料G1,G2のうち、第1位置において上方にある原料G2から混合ホッパー51に排出されていく。なお、
図9(b)に示すように、ホッパー本体541の投入口541aが下方を向き始めたときは、原料G1は、まだ、ホッパー本体541内に残留し、原料G2の大半が混合ホッパー51に排出されている。そして、ホッパー本体541が第2位置に到達するときには、
図9(c)に示すように、ホッパー本体441内のすべての原料G1,G2が排出される。このように計量ホッパー504から混合ホッパー51に原料G1,G2が排出される際は、第1実施形態と同様に、ホッパー本体541に後に投入された原料G2の少なくとも一部が、先に投入された原料G1よりも先に、ホッパー本体541から混合ホッパー51へと排出される。このため、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。また、本実施形態においては、ホッパー本体541が容器状に構成され、ホッパー本体541に原料G1,G2を貯留する際は投入口541aが上向きになるようにホッパー本体541が配置され、ホッパー本体541から原料G1,G2を排出する際は投入口541aが下向きになるようにホッパー本体541を回動させる。このため、ホッパー本体541が各原料G1,G2を貯留したときに、原料G2が原料G1の上に溜まり、ホッパー本体541を回動させるだけで、原料G2を原料G1よりも先に排出することが可能となる。
【0067】
第5実施形態においては、ホッパー本体541の容器形状が、断面半円形形状であったが、例えば、断面が、三角形状、四角形状、台形形状など多角形形状であってもよい。この変形例の場合も、容器(ホッパー本体)から投入された原料G1,G2をすべて排出する際は、第1位置から適宜の角度まで回動させればよい。
【0068】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の第1〜第4実施形態及び第2実施形態の変形例においては、本体部44,244,344が、投入口44a,244a,344aから下方に向かうに連れて内側に傾斜する少なくとも1つの側壁を有していてもよい。これによると、投入口44a,244a,344aの開口面積を大きくすることが可能となり、原料G1,G2が投入しやすくなる。また、第1実施形態においてこのように傾斜する側壁を設ける場合、傾斜する側壁の下端が、排出口44bの上端に接続されていてもよく、排出口44bの下端に接続されていてもよい。
【0069】
また、上述の混合ユニット5においては、撹拌羽根52を回転させることで原料G1,G2をムラなく混合していたが、原料G1,G2を混合させることが可能であれば、どのような装置で混合してもよい。例えば、計量ホッパー4、204,304,404,504から排出された原料G1,G2を貯留するホッパーからブレンド材タンクに気力輸送して、ブレンド材タンク内で混合させてもよい。または、ブレンド材タンクに気力輸送する際に、その輸送流路中において混合させてもよい。また、計量ホッパー4、204,304,404,504から排出された原料G1,G2を貯留するホッパーから直接、成形機などに輸送して成形機において混合してもよい。または、成形機に輸送する輸送流路中に混合させてもよい。
【0070】
また、ホッパー本体41,241,341,441,541の状態を貯留可能状態及び排出可能状態のいずれかに変更する状態変更機構は、エアシリンダ42や移動機構442,542に限定されるものではなく、ホッパー本体を貯留可能状態と排出可能状態とに変更できれば、どのような機構から構成されていてもよい。