(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
シャープペンシルは周知のとおり、筆記の進行と共に筆記芯が偏減りするために、描線の太さが変化するという問題を抱えている。
そこで、本件出願人は筆記芯に加わる筆記圧を利用して、筆記芯を除々に一方向に回転させることができる回転駆動機構を備えたシャープペンシルについて、先に提案をしている。
【0003】
このシャープペンシルによると、一画文字を書くたびに筆記芯が僅かに一方向に回転駆動されるので、軸筒を筆記面(紙面)に対して40〜80度程度傾けた状態で筆記することで、筆記芯の先端部は常に円錐形状にとがった状態に保たれる。これにより、常にほぼ同一の線幅をもって筆記をすることが可能となる。
【0004】
前記したシャープペンシルにおいては、書き進むにしたがって前記した回転駆動機構から筆記芯に至る構成要素の一部が除々に回転するので、この回転状態を積極的にユーザに見せるようにしたシャープペンシルについても本件出願人は提案をしており、これは特許文献1および2などに開示されている。
これによると、筆記しつつ回転駆動機構による回転動作を確認することができるので、ユーザに対して興味もしくは書く楽しみを抱かせることができ、シャープペンシルとしての製品の差別化にも貢献できるなど、独自の作用効果を果たすことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記した特許文献1および2に開示されたシャープペンシルにおいては、前記した回転駆動機構による回転動作が、透明素材により構成された軸筒の一部を介して視認できるように構成されている。
したがって、軸筒の透明素材を介して視認できる回転部材はその大きさに制限があり、しかも透明素材を介して見るために、前記した回転動作を確認し難いという問題がある。
また回転動作として見える部材が、軸筒を保持する手指により隠されて、見える角度が限定される場合もあり、このために前記した独自の作用効果を充分に発揮させることは難しい。
【0007】
この発明は、前記した問題点に着目してなされたものであり、シャープペンシルの軸筒を把持する手指による影響を受けることなく、筆記芯の回転動作を直接的に見ることができ、筆記中において前記回転動作を確実に把握することが可能なシャープペンシルを提供しようとするものである。しかも必要に応じて回転動作の表示部材、すなわち回転表示体を取り外すことを可能にしたシャープペンシルを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した課題を解決するためになされたこの発明に係るシャープペンシルは、軸筒内に筆記芯を一方向に回転駆動させる回転駆動機構が備えられたシャープペンシルであって、前記軸筒外に露出して配置され、
前記筆記芯をガイドする先端パイプに挿通される貫通孔が形成され、前記貫通孔を利用して、前記筆記芯の回転と同方向に回転する回転表示体
が、前記先端パイプに対して着脱可能に装着
されたことを特徴とする。
【0009】
この場合
、前記回転表示体は、回転方向に沿った外形形状が変化するように構成されていることが望ましい。
【0010】
加えて前記回転表示体は、前記した貫通孔が穿設されて前記先端パイプの軸方向に直交する面を備えた中央部材と、この中央部材に対して前記軸筒方向に向かって折り曲げられた折曲げ部材とが、一体に形成された構成を好適に採用することができる。
さらに折り曲げ部材は可変する事もでき、使用者の好みの角度に調整が可能となる。
【0011】
さらに軸筒内に配設されたチャックの前後動により筆記芯の解除と把持を行うことで、前記筆記芯を前方に繰り出すことができるように構成され、前記筆記芯が受ける筆記圧による筆記芯の後退動作および筆記圧の解除による筆記芯の前進動作を受けて回転カムを一方向に回転駆動させる回転駆動機構が備えられ、前記回転カムの回転運動を前記筆記芯に伝達させるように構成したシャープペンシルであって、前記軸筒外に露出して配置され、前記回転カムの回転運動に連動して回転する構成を好適に採用することができる。
【発明の効果】
【0012】
前記したこの発明に係るシャープペンシルによると、筆記芯は回転駆動機構により一方向に回転駆動され、自身が受ける回転運動と筆記による摩耗とにより、先端部は常に円錐形状にとがった状態に保たれる。これにより書き進むにしたがって筆記芯が偏摩耗するのを防止することができ、常にほぼ同一の線幅をもって筆記をすることが可能となる。
【0013】
そして、前記回転駆動機構による回転運動に連動して回転する軸筒外に露出して配置された構成部材、例えば筆記芯をガイドする先端パイプに対して、回転表示体が着脱可能に装着された構成が採用されるので、ユーザは回転表示体を直接に見ることができる。
しかも回転表示体の大きさにも制限を受けることがなく、回転表示体は筆記の邪魔にならない程度の寸法に設定することができる。これによりユーザは筆記中における筆記芯の回転動作を確実に把握することが可能となる。
さらに前記回転表示体は、例えば先端パイプに対して着脱可能に装着されるので、ユーザの好みに応じて、容易に取り外すこともできる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明に係るシャープペンシル、特にシャープペンシルに外付けされる回転表示体について説明するが、先ずは筆記圧を受けて筆記芯を一方向に回転駆動させる回転駆動機構を備えたシャープペンシルの一例について、
図1および
図2に基づいて説明する。
図1および
図2はシャープペンシルの前半部を示したものであり、
図1はその主要部を破断して示した斜視図であり、また
図2は上半部を断面状態で示した側面図である。
【0016】
符号1はシャープペンシルの外郭を構成する軸筒を示しており、符号2は前記軸筒1の先端部に取り付けられた口先部を示している。前記軸筒1内の中心部には筒状の芯ケース3が同軸状に収容されており、この芯ケース3の先端部にはチャック4が連結されている。このチャック4には、その軸芯に沿って通孔4aが形成され、また先端部が三方に分割されて、分割された先端部がリング状に形成された締め具5内に遊嵌されるようにして装着されている。そして、リング状の前記締め具5は前記チャック4の周囲を覆うようにして配置された円筒状に形成された回転カム6の先端部内面に装着されている。
【0017】
前記口先部2より突出するようにして筆記芯をガイドする先端パイプ7が備えられ、この先端パイプ7の基端部は前記口先部2内に位置するスライダー8の先端部内面に、パイプ保持部材を介して嵌合により取り付けられている。前記スライダー8は、その基端部(後端部)側が大径となるように円筒部が連続した階段状に形成されており、その基端部内面は前記した回転カム6の先端部における周側面に嵌合されている。そして、前記スライダー8における内周面には、軸芯部分に通孔9aを形成したゴム製の保持チャック9が収容されている。
【0018】
前記した構成により、芯ケース3よりチャック4内に形成された通孔4a、前記保持チャック9の軸芯に形成された通孔9aを介して、前記先端パイプ7に至る直線状の芯挿通孔が形成されており、この直線状の芯挿通孔内に筆記芯(替え芯)が挿通される。そして、前記した回転カム6とチャック4との間の空間部には、コイル状のチャックスプリング10が配置されている。
【0019】
なお前記チャックスプリング10の一端部(後端部)は前記芯ケース3の端面に、また前記チャックスプリング10の他端部(前端部)は回転カム6内に形成された環状の端面に当接した状態で収容されている。したがって前記チャックスプリング10の作用により、回転カム6内のチャック4は後退する方向に付勢されている。
【0020】
図に示すシャープペンシルにおいては、軸筒1の後端部に配置された後述するノック部(ノックカバー)をノック操作することで、前記芯ケース3が軸筒1内において前進し、チャック4の先端部が締め具5から突出することで筆記芯の把持状態が解除される。そして、前記ノック操作の解除により、チャックスプリング10の作用により芯ケース3およびチャック4は軸筒1内において後退する。
【0021】
この時、筆記芯は保持チャック9に形成された通孔9aにおいて一時的に保持される。この状態でチャック4は後退してその先端部が前記締め具5内に収容されることで、筆記芯を再び把持状態にする。すなわち、前記したノック部(ノックカバー)のノック操作の繰り返しによるチャック4の前後動により筆記芯の解除と把持が行われ、これにより筆記芯はチャック4から順次前方に繰り出されるように作用する。
【0022】
図1に示す前記した回転カム6は、その軸方向の中央部が径を太くした太径部になされ、その太径部の一端面(後端面)には第1のカム面6aが形成されており、太径部の他端面(前端面)には第2のカム面6bが形成されている。
一方、前記回転カム6の後端部には、円筒状の上カム形成部材13が回転カム6の後端部を覆うようにして軸筒1内に取り付けられており、前記上カム形成部材13の前端部には、前記回転カム6における第1のカム面6aに対峙するようにして固定カム面(第1の固定カム面ともいう。)13aが形成されている。
【0023】
さらに、
図1においては図示が省略され、
図2に示されているように、前記回転カム6の外側に下カム形成部材14が配置され、この下カム形成部材14は軸筒1側に取り付けられている。そして、下カム形成部材14には前記回転カム6における第2のカム面6bに対峙するようにして、固定カム面(第2の固定カム面ともいう。)14aが形成されている。
【0024】
図3および
図4は、
図1および
図2に基づいて説明したシャープペンシルの全体図を示したものであり、
図1および
図2に示した代表的な部分を同一符号で示している。
また
図3および
図4においては、筆記芯をガイドする先端パイプ7を利用して、後述する回転表示体31を装着した例を示している。
図3および
図4に示されたように円筒状に形成された前記上カム形成部材13の後端部内面には、円筒状のストッパー16が軸筒1内に嵌合されて取り付けられており、このストッパー16の前端部と、円筒状に形成されて軸方向に移動可能なトルクキャンセラー17との間にはコイル状のクッションスプリング18が装着されている。
【0025】
前記クッションスプリング18は、前記トルクキャンセラー17を前方に付勢ように作用し、この付勢力を受けた前記トルクキャンセラー17に押されて前記回転カム6は前方に押し出されるように構成されている。
【0026】
また、軸筒1の後端部側内面には、円筒状に形成されたノック棒21が軸方向にスライド可能に収容されており、このノック棒21は、前記ストッパー16との間に配置された軸スプリング22によって、軸筒の後方に向かって付勢されている。
そして、軸筒1の後端部においてクリップ23を一体に形成した筒体部23aが軸筒1内に嵌め込まれており、この筒体部23a内に形成された円環状の段部23bによって、前記ノック棒21が軸筒1の後端部側から抜け出るのを阻止するように構成されている。
【0027】
前記ノック棒21の後端部は環状に形成され、前記筒体部23aの後端部よりも若干後方に突出した状態に構成にされており、前記ノック棒21の後端部内面空間には消しゴム24が装着されている。そして、前記消しゴム24を覆うようにしてノック部を構成する透明もしくは半透明な樹脂素材により形成されたノックカバー25が、ノック棒21の後端部外周面を覆うようにして着脱可能に取り付けられている。
なお、前記ノック棒21における消しゴム24の装着位置には、筆記芯の補給口21aが形成されている。
【0028】
前記した構成において、前記ノックカバー25を例えば親指等により押し込むノック操作を行うと、ノック棒21を介して芯ケース3を前方に押し出すように作用する。これにより、前記したとおりチャック4が前進して筆記芯を先端パイプ7より繰り出させるように作用する。そして前記ノック操作の解除によりノック棒21は、チャックスプリング10の作用により後退し、ノック棒21はクリップ23を支持する筒体部23aの内面に形成された段部23bによって係止される。
【0029】
ところで、前記したシャープペンルの構成によると、チャック4が筆記芯を把持した状態で、前記回転カム6はチャック4と共に軸芯を中心にして回転可能となるように前記軸筒1内に収容されている。そして、シャープペンシルが不使用の状態(筆記芯に筆記圧が加わらない場合)においては、前記クッションスプリング18の作用により前記トルクキャンセラー17を介して回転カム6は前方に付勢されていて、
図1〜
図3に示す状態になされている。
【0030】
一方、シャープペンシルを使用した場合、すなわち先端パイプ7から突出している図示せぬ筆記芯に筆記圧が加わった場合には、前記チャック4はクッションスプリング18の付勢力に抗して後退し、これに伴って回転カム6も軸方向に後退する。したがって、
図1および
図2に示す回転カム6に形成されている円環状の第1のカム面6aは同じく円環状に形成された第1の固定カム面13aに接合して噛み合い状態になされる。
【0031】
前記第1のカム面6aは周方向に沿って連続的に鋸歯状になされており、また前記第1の固定カム面13aも周方向に沿って連続的に鋸歯状になされており、そのピッチは互いに同一となるように形成されている。
そして、対峙した状態の第1カム面6aと固定カム面13aは、軸方向においてカムの一歯に対して半位相(半ピッチ)ずれた関係となるように設定されており、前記したように第1のカム面6aが第1の固定カム面13aに接合して噛み合い状態になされることによって、回転カム6は第1カム面6aの一歯の半位相(半ピッチ)に相当する回転駆動を受ける。
【0032】
このようにして第1のカム面6aが第1の固定カム面13aに接合して噛み合い状態になされた状態においては、周方向に沿って連続的に鋸歯状にカム面が形成された回転カム6側の第2カム面6bと前記第2の固定カム面14aが、軸方向においてカムの一歯に対して半位相(半ピッチ)ずれた関係となるように設定されている。
【0033】
したがって一画の筆記が終わり、筆記芯に対する筆記圧が解かれた場合には、前記したクッションスプリング18の作用により回転カム6は軸方向に前進し、回転カム6に形成された第2カム面6bが、下カム形成部材14側の第2の固定カム面14aに噛み合う。これにより回転カム6は第2カム面6bの一歯の半位相(半ピッチ)に相当する回転駆動を再び受ける。
【0034】
以上のとおり、
図1〜
図3示したシャープペンシルによると、筆記圧を受けることによる回転カム6の軸方向への往復運動(クッション動作)に伴って、回転カム6は第1カム面6aおよび第2カム面6bの一歯(1ピッチ)に相当する回転駆動を受け、チャック4を介してこれに把持された筆記芯も同様に回転駆動される。
したがって、筆記芯は自身が受ける回転運動と筆記による摩耗とにより、先端部が常に円錐形状になされる。それ故、書き進むにしたがって筆記芯が偏摩耗するのを防止させることができ、安定した線幅による筆記が可能となる。
【0035】
以上のとおり、前記した構成のシャープペンシルは、第1カム面6aおよび第2カム面6bを備えた回転カム6、第1固定カム面13aを備えた上カム形成部材13、第2固定カム面14aを備えた下カム形成部材14、トルクキャンセラー17、クッションスプリング18、およびチャック4とにより、筆記芯の回転駆動機構を構成している。
【0036】
一方、前記した構成のシャープペンシルにおいては、口先部材2から突出する先端パイプ7およびスライダー8は、前記回転カム6の回転と共に、同方向に回転されるように作用する。
そこで、この実施の形態においては前記した軸筒1外に露出して配置され、前記回転カム6の回転運動に連動して回転する構成部材、すなわち先端パイプ7に対して、
図3および
図4に示したように回転表示体31が着脱可能に装着され、筆記芯の回転状態が確認できるように構成されている。
【0037】
図5は、シャープペンシルの先端部を拡大して示した斜視図であり、これは
図3および
図4に示した第1形態の回転表示体31について示したものである。
図5に示したように前記回転表示体31には、先端パイプ7に挿通される貫通孔31aが形成され、この貫通孔31aを利用して前記回転表示体31が、前記先端パイプ7に対して着脱可能に装着されている。
【0038】
この回転表示体31には、先端パイプ7の軸方向に直交する面を備えた中央部材31bが備えられ、この中央部材31bに前記した貫通孔31aが穿設されており、中央部材31bに対して軸筒1の方向に向かって折り曲げられた折曲げ部材31cが、中央部材31bに一体に成形されて傘状に構成されている。
そして折曲げ部材31cは、
図5に示されたように、円錐台状に形成されたカバー部材の一部が切除された形で4枚の折曲げ部材31cに分割され、これにより傘形の折曲げ部材31cは、回転方向に沿った外形形状が変化するように構成されている。
【0039】
前記した回転表示体31は、筆記動作に伴う前記回転カム6の回転運動により、筆記芯ならびに先端パイプ7およびスライダー8と共に一方向に回転される。
そして、ユーザは筆記動作に伴って回転する回転表示体31を直接見ることができ、また回転表示体31は回転方向に沿った外形形状が変化するので、その回転状態を確実に把握することができる。
また、前記した回転表示体31は、先端パイプ7から引き抜くことで容易に取り外すことが可能であり、またユーザの好みに応じて容易に装着することも可能である。
【0040】
図6は、回転表示体31の第2の形態を示したものである。この第2の形態においては、先端パイプ7に装着される貫通孔31aが穿設された中央部材31bに対して、左右一対の折曲げ部材31cが対称位置に形成されている。
すなわち、
図5に示した第1形態は4枚の折曲げ部材31cが備えられたものであるのに対して、
図6に示した第2形態は2枚の折曲げ部材31cが備えられた構成が採用されている。この第2形態の回転表示体31においても前記した第1形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
図7は、回転表示体31の第3の形態を示したものである。この第3の形態においては、先端パイプ7が挿通される貫通孔31aが穿設された中央部材31bの外側に、折曲げ部材31cと、第2折曲げ部材31dとが一体に形成されている。そして、折曲げ部材31cの外側に軸に直交する円環状の面(段部)31eが形成され、この円環状の面31eを介して第2折曲げ部材31dが形成されている。
【0042】
この第3の形態においても円錐台状に形成されたカバー部材の一部を切り取った形状になされており、その切除部31fを介して、スライダー8と口先部2の先端部を見ることができる。
この
図7に示す回転表示体31によると、筆記動作に伴って筆記芯と共に前記した切除部31fが軸回りに回転移動するので、回転表示体31の回転状態を確実に把握することができ、前記した第1および第2の回転表示体と同様の作用効果を得ることができる。
【0043】
また
図8〜
図10は、回転表示体31の第4〜第6の形態をそれぞれ示したものであり、これらの回転表示体31は、いずれも前記スライダー8を覆う形態になされている。
図8に示す回転表示体31の第4の形態においては、先端パイプ7が挿通される貫通孔31aが穿設された中央部材31bの外側に、円錐台状の折曲げ部材31cが形成され、この折曲げ部材31cの外側に円環状の面(段部)31eを介して円錐台状の第2折曲げ部材31dが一体に形成されている。
そして、第2折曲げ部材31dに表面側の一部に三角形状の突出部31gが、回転表示体31と一体に形成されている。
【0044】
図9に示す回転表示体31の第5の形態においては、先端パイプ7が挿通される貫通孔31aが穿設された中央部材31bの外側に、スライダー8を覆う円錐台状の折曲げ部材31cが形成され、この折曲げ部材31cの外側に、周方向に等間隔をもって複数の翼状の突起31hが形成されている。
【0045】
さらに、
図10に示す回転表示体31の第6の形態においては、先端パイプ7が挿通される貫通孔31aが穿設された中央部材31bの外側に、スライダー8を覆う円錐台状の折曲げ部材31cが形成されると共に、この折曲げ部材31cの外側に円環状の面(段部)31eが形成されている。そして、円環状の面31eの周方向の一部に、三角形状に形成された軸方向への突出部31iが一体成形されている。
【0046】
前記
図8〜
図10に示した各回転表示体31の構成においても、前記した三角形状の突出部31g、翼状の突起31h、軸方向への突出部31iの存在により、回転表示体31の回転状態を確実に把握することができ、
図5〜
図7に示した各回転表示体31と同様の作用効果を得ることができる。
【0047】
なお、以上説明した回転表示体31は、いずれも筆記芯をガイドする先端パイプ7に取り付けられ、筆記動作に伴い回転駆動されるように構成されているが、この回転表示体31は、軸筒1外に露出して前記回転カム6の回転運動に連動して回転する他の構成部材に取り付けることもできる。
【0048】
例えば、
図3および
図4に示した構成において、芯ケース3の後端部にノック棒21が直結され、回転カム6の回転動作がノックカバー25に連動するシャープペンシルにおいては、前記ノックカバー25に対して回転表示体31を着脱可能に装着することで、同様の作用効果を期待することができる。