特許第6235898号(P6235898)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235898
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】配管穴塞ぎ構造
(51)【国際特許分類】
   F16L 55/17 20060101AFI20171113BHJP
【FI】
   F16L55/17
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-266330(P2013-266330)
(22)【出願日】2013年12月25日
(65)【公開番号】特開2015-121297(P2015-121297A)
(43)【公開日】2015年7月2日
【審査請求日】2016年12月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000150615
【氏名又は名称】株式会社長谷工コーポレーション
(73)【特許権者】
【識別番号】597064045
【氏名又は名称】株式会社長谷工コミュニティ
(74)【代理人】
【識別番号】100067448
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 スミ子
(74)【代理人】
【識別番号】100167117
【弁理士】
【氏名又は名称】打越 佑介
(74)【代理人】
【識別番号】100186886
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 嗣畝子
(72)【発明者】
【氏名】伏谷 篤
【審査官】 杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−130289(JP,U)
【文献】 実開昭61−054588(JP,U)
【文献】 特開2000−326409(JP,A)
【文献】 特開2009−264392(JP,A)
【文献】 特開平06−300173(JP,A)
【文献】 特公昭38−002177(JP,B1)
【文献】 実開昭62−022394(JP,U)
【文献】 特開2000−146078(JP,A)
【文献】 特開2007−078162(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0008149(US,A1)
【文献】 実開昭58−025891(JP,U)
【文献】 特開平10−047740(JP,A)
【文献】 特開昭49−004218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 55/16
F16L 55/168
F16L 55/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設の配管にあいた穴を塞ぐための配管穴塞ぎ構造であって、
締付バンドと、内側弾性板と、穴塞用弾性板と、締付手段とを備えてなり、
上記締付バンドは、上記穴を覆う幅の帯状の金属板によって上記配管の外周面に沿う方向に湾曲形成されていると共に、弾性変形及び/又は塑性変形により、その湾曲方向の両端部の間隔を開閉することにより、上記配管の外周面に装着されるように形成されており、
上記内側弾性板は、上記穴を覆う幅の帯状のゴム弾性を有する板によって形成されたものであり、上記締付バンドの内周面に沿って設けられており、
上記穴塞用弾性板は、上記穴より大きな広がりを有するゴム弾性を有する板によって形成されたものであり、上記内側弾性板の内面に沿って設けられており、
上記締付手段は、上記締付バンドに縮径方向の締付力を作用させることで上記穴塞用弾性板を上記配管における上記穴の周囲に押し付けるようになっていることを特徴とする配管穴塞ぎ構造。
【請求項2】
上記締付バンドは、その湾曲方向の一端部に外周面から外方に突出する第1のフランジを有し、その湾曲方向の他端部を上記一端部の内周面に沿って挿入した状態における当該他端部に近い位置に上記第1のフランジに相対するように外周面から外方に突出する第2のフランジを有しており、
上記締付手段は、上記第1及び第2の各フランジに形成された貫通孔に挿通されたボルトと、このボルトに螺合するナットとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の配管穴塞ぎ構造。
【請求項3】
上記内側弾性板は、上記締付バンドの内周面における湾曲方向の少なくとも一の部分に接着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の配管穴塞ぎ構造。
【請求項4】
上記穴塞用弾性板は、上記配管の外周面に当たる面に剥離紙を有する両面テープが接着されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の配管穴塞ぎ構造。
【請求項5】
上記締付バンドは、ステンレス鋼によって形成され、
上記内側弾性板及び穴塞用弾性板は、ゴム板によって形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の配管穴塞ぎ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設の配管にあいた穴を塞ぐための配管穴塞ぎ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の配管穴塞ぎ構造としては、例えば図4に示すように、ヒンジ部101を介して揺動自在に設けられた一対の締付金具102と、この締付金具102の内側に設けられた止水用のゴム板103と、各締付金具102を近接する方向に締め付けるボルト104とを備えたものが知られている。各締付金具102は、所定の径の配管(図示せず)の外周面に沿うように湾曲形成された曲げ剛性の高いもので構成されている。ボルト104は、各締付金具102を互いに近接する方向に締め付けることで、ゴム板103を配管に押し付けるようになっている。
【0003】
上記のように構成された配管穴塞ぎ構造においては、締付金具102の曲げ剛性が高いことから、ゴム板103を配管に大きな力で押し付けることができる。このため、配管内の圧力が高い場合でも、当該配管内の水等の液体が穴から漏れるのを確実に防止することができるという利点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の配管穴塞ぎ構造においては、締付金具102の曲げ剛性が高いことから、当該締付金具102をヒンジ部101によって揺動自在に構成しなければ配管の外周面に嵌めることができず、よって構造が複雑になると共に、コスト高になるという問題があった。しかも、締付金具102の湾曲形状にほぼ一致するような径の配管にしか適用することができないことから、汎用性に乏しいという問題も有していた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、構造の簡素化及びコストの低減を図ることができ、かつ異なる径の配管に対しても適用可能な汎用性の高い配管穴塞ぎ構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、既設の配管にあいた穴を塞ぐための配管穴塞ぎ構造であって、締付バンドと、内側弾性板と、穴塞用弾性板と、締付手段とを備えてなり、上記締付バンドは、上記穴を覆う幅の帯状の金属板によって上記配管の外周面に沿う方向に湾曲形成されていると共に、弾性変形及び/又は塑性変形により、その湾曲方向の両端部の間隔を開閉することにより、上記配管の外周面に装着されるように形成されており、上記内側弾性板は、上記穴を覆う幅の帯状のゴム弾性を有する板によって形成されたものであり、上記締付バンドの内周面に沿って設けられており、上記穴塞用弾性板は、上記穴より大きな広がりを有するゴム弾性を有する板によって形成されたものであり、上記内側弾性板の内面に沿って設けられており、上記締付手段は、上記締付バンドに縮径方向の締付力を作用させることで上記穴塞用弾性板を上記配管における上記穴の周囲に押し付けるようになっていることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記締付バンドは、その湾曲方向の一端部に外周面から外方に突出する第1のフランジを有し、その湾曲方向の他端部を上記一端部の内周面に沿って挿入した状態における当該他端部に近い位置に上記第1のフランジに相対するように外周面から外方に突出する第2のフランジを有しており、上記締付手段は、上記第1及び第2の各フランジに形成された貫通孔に挿通されたボルトと、このボルトに螺合するナットとを備えていることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、上記内側弾性板は、上記締付バンドの内周面における湾曲方向の少なくとも一の部分に接着されていることを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、上記穴塞用弾性板は、上記配管の外周面に当たる面に剥離紙を有する両面テープが接着されていることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、上記締付バンドは、ステンレス鋼によって形成され、上記内側弾性板及び穴塞用弾性板は、ゴム板によって形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、締付バンドと、内側弾性板と、穴塞用弾性板と、締付手段とを備え、締付バンドは帯状の金属板によって湾曲形成されていると共に、弾性変形及び/又は塑性変形により、その湾曲方向の両端部の間隔を開閉することにより、配管の外周面に装着されるように形成され、内側弾性板はゴム弾性を有する板によって形成されたものであって締付バンドの内周面に沿って設けられ、穴塞用弾性板は配管の穴より大きな広がりを有するゴム弾性を有する板によって形成されたものであって内側弾性板の内面に沿って設けられ、締付手段は、締付バンドに縮径方向の締付力を作用させることで穴塞用弾性板を配管における穴の周囲に押し付けるようになっているので、従来例で示したヒンジ部を用いることなく、配管の外周に取り付けて、水等の液体が穴から漏れるのを防止することができる。しかも、締付バンドが曲げ剛性の低いもので構成されているので、異なる径の配管に対しても装着することができる。
【0012】
従って、構造が簡単になると共に、コストの低減を図ることができ、かつ汎用性の向上を図ることができる。
【0013】
また、締付バンドは弾性変形等の可能な曲げ剛性の低いものであるが、縮径時に締付バンドに発生する張力の作用により、内側弾性板及び穴塞用弾性板を配管の外周面に強力に押し付けることができる。この場合、穴塞用弾性板が内側弾性板の内面に設けられているので、配管における穴の周囲には穴塞用弾性板のみが当たる面圧の高い部分が生じることになる。
【0014】
従って、例えば下水用の配管に清掃用の治具を挿入するための比較的大きな穴を開けた場合でも、当該穴から排水等が外部に漏れるのを確実に防止することができる。しかも、金属製の締付バンドの内周面に沿って内側弾性板を設けているので、配管がポリ塩化ビニル等のプラスチック製のものであっても、その締付バンドによって配管に傷等の損傷が生じるのを防止することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、締付バンドはその湾曲方向の一端部に外周面から外方に突出する第1のフランジを有すると共に、その湾曲方向の他端部に近い位置に外周面から外方に突出する第2のフランジを有し、締付手段は第1及び第2の各フランジに形成された貫通孔に挿通されたボルトと、このボルトに螺合するナットとによって構成されているので、第1及び第2の各フランジを互いに近接させるべくボルト及びナットを締め付けることにより、締付バンドに縮径方向の張力を発生させて、穴塞用弾性板を配管の外周面に強力に押し付けることができる。
【0016】
即ち、締付バンドは曲げ剛性の小さなものではあるが、第1及び第2の各フランジと、ボルト及びナットとを備えた極めて簡単な構造による締付力発生装置によって、穴塞用弾性板を配管に大きな圧力で押し付けることができ、水等の液体が穴から漏れるのを確実に防止することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、内側弾性板は締付バンドの内周面における湾曲方向の少なくとも一の部分に接着されていればよいので、締付バンドと内側弾性板との接着に要する工数の低減を図ることができる。この場合、締付バンドの一端部の内周面と、内側弾性板との接着を避けることにより、その一端部と内側弾性板との間に当該締付バンドの他端部を挿入することができる。よって、締付バンドの他端部によって配管に傷が付くことも防止することができる。また、締付バンドと内側弾性板との接着箇所を一の部分(即ち、一ヶ所)に限定した場合には、締付バンドを屈曲変形する際の当該締付バンドと内側弾性板との相対変位が可能になるので、締付バンドの屈曲変形の自由度を向上させることができる利点がある。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、穴塞用弾性板は配管の外周面に当たる面に剥離紙を有する両面テープが接着されているので、当該剥離紙を剥がすことにより、穴塞用弾性板を配管に仮止めすることができる。従って、穴塞用弾性板を穴を覆うように配管に仮止めしてから、当該配管に締付バンド等を装着することができるので、穴を塞ぐ作業がより簡単になるという効果がある。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、締付バンドがステンレス鋼によって形成され、内側弾性板及び穴塞用弾性板がゴム板によって形成されているので、締付バンド、内側弾性板及び穴塞用弾性板の耐久性の向上を図ることができる。従って、例えば配管に穴あけて当該配管内の清掃を行った後、その穴を利用して例えば1〜2年の間隔で行われる次回の配管清掃の時までは、十分に排水等の液体の漏れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施例として示した配管穴塞ぎ構造を装着した後の配管を示す図であって、(a)は垂直方向及び水平方向のそれぞれの配管に配管穴塞ぎ構造を装着した状態を示す説明図であり、(b)は(a)におけるB方向からの矢視図であり、(c)は(a)におけるC方向からの矢視図である。
図2】同配管穴塞ぎ構造を示す図であって、(a)は内側ゴム板を有する締付バンドを示す斜視図であり、(b)は穴塞用ゴム板を示す正面図である。
図3】同配管穴塞ぎ構造を示す断面図である。
図4】従来例として示した配管穴塞ぎ構造であって、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を実施するための形態を一実施例に基づいて詳細に説明する。
【0022】
この実施例で示す配管穴塞ぎ構造1は、図1に示すように、鉄筋コンクリート造等の集合住宅などの建築物に設置された排水管(下水の配管)Pの穴P1を塞ぐために、当該排水管Pに装着するようになっている。穴P1は、排水管P内の清掃を行う治具を挿入するためにあけられたものである。
【0023】
なお、清掃用の穴は、通常、開閉可能な蓋を有するものとして、排水管の所定の位置に設置されているが、このような穴が設置されていない場合には、排水管Pに清掃用の治具が入る比較的大きな円形の穴P1を開け、清掃後に当該穴P1を配管穴塞ぎ構造1で閉塞することになる。
【0024】
この配管穴塞ぎ構造1は、図2及び図3に示すように、締付バンド2と、内側ゴム板(内側弾性板)3と、穴塞用ゴム板(穴塞用弾性板)4と、締付手段としてのボルト5及びナット6とを備えている。
【0025】
締付バンド2は、穴P1を覆う幅の帯状のステンレス鋼板(金属板)によって形成されたものであり、断面円形状の排水管Pにおける外周面の周方向に沿う方向に湾曲形成されていると共に、弾性変形及び/又は塑性変形により、その湾曲方向の両端部2a、2bの間隔を開閉することにより、排水管Pの外周面に装着されるように形成されている。
【0026】
内側ゴム板3は、穴P1を覆う幅の帯状のゴム板(ゴム弾性を有する板)によって形成されたものであり、締付バンド2の内周面に沿って湾曲した状態に設けられている。一方、穴塞用ゴム板4は、穴P1より大きな広がりを有する略正方形状のゴム板(ゴム弾性を有する板)によって形成されたものであり、内側ゴム板3の内面に沿って湾曲するように設けられるようになっている。なお、内側ゴム板3及び穴塞用ゴム板4のゴムの材質としては、例えばニトリルゴム(NBR)が用いられている。
【0027】
ボルト5及びナット6は、締付バンド2に縮径方向の締付力を作用させることで穴塞用ゴム板4を排水管Pにおける穴P1の周囲に押し付けるようになっている。
【0028】
ここで、締付バンド2は、その湾曲方向の一端部2aに外周面から外方に突出する第1のフランジ21を有し、その湾曲方向の他端部2bを一端部2aの内周面に沿って挿入した状態における当該他端部2bに近い位置に第1のフランジ21に相対するように外周面から外方に突出する第2のフランジ22を有している。
【0029】
第1のフランジ21は、一端部2aの最端部を外側に折り曲げることにより形成したものであり、第2のフランジ22を向く面には補強板211がスポット溶接により固定されている。また、第2のフランジ22は、断面において略L字状に屈曲された脚部23を有するのもであり、その脚部23が締付バンド2の外周面にスポット溶接により固定されることにより、第1のフランジ21と対向するようになっている。第2のフランジ22にも、第1のフランジ21を向く面に補強板221がスポット溶接により固定されている。
【0030】
このように構成された第1及び第2の各フランジ21、22は、他端部2bが一端部2aの内周面に沿って挿入された状態において、ほぼ平行に対向するように形成されている。そして、各フランジ21、22及び補強板211、221には、ボルト5がそれぞれ挿入可能な貫通孔21a、22aが2つずつ形成されている。即ち、フランジ21及び補強板211には、2つの貫通孔21aが形成され、フランジ22及び補強板221にも、2つの貫通孔22aが形成されている。
【0031】
ボルト5は、図3に示すように、上記貫通孔21a、22aに挿入された状態で、その先端部から座金6aを介してナット6が螺合されることになる。このボルト5及びナット6は、これらの締付力により第1及び第2の各フランジ21、22を互いに近接する方向に変位させ、締付バンドを縮径する方向に締め付けることが可能になっている。
【0032】
内側ゴム板3は、締付バンド2の内周面における少なくとも一の部分(一ヶ所)に接着されている。即ち、この例において、内側ゴム板3は、その外面における湾曲方向の一端部3aが締付バンド2の第2のフランジ22に対応する部分の内周面に接着されていると共に、その外面における湾曲方向の略中央部3bが締付バンド2の内周面に接着されている。このため、締付バンド2の他端部2bは、当該締付バンド2の一端部2aと内側ゴム板3との間に挿入することが可能になっている。なお、内側ゴム板3は、一端部3a及び略中央部3bの何れか一方の部分(即ち、湾曲方向の一の部分)で締付バンド2の内周面に接着するようにしてもよい。
【0033】
穴塞用ゴム板4は、図2(b)及び図3に示すように、排水管Pにおける穴P1の周囲の外周面に当たる内面に剥離紙41aを有する両面テープ41が接着されている。即ち、両面テープ41は、穴塞用ゴム板4の内面における一対の対辺に沿って接着されており、剥離紙41aを剥がすことにより、排水管Pにおける穴P1の周囲の外周面に穴塞用ゴム板4を接着することが可能になっている。
【0034】
上記のように構成された配管穴塞ぎ構造1においては、締付バンド2と、内側ゴム板3と、穴塞用ゴム板4と、ボルト5及びナット6とを備え、締付バンド2は帯状のステンレス鋼板によって湾曲形成されていると共に、弾性変形及び/又は塑性変形により、その湾曲方向の両端部2a、2bの間隔を開閉することにより、排水管Pの外周面に装着されるように形成され、内側ゴム板3が締付バンド2の内周面に沿って設けられ、穴塞用ゴム板4が排水管Pの穴P1より大きな広がりを有するものであって内側ゴム板3の内面に設けられ、ボルト5及びナット6は、締付バンド2に縮径方向の締付力を作用させることで穴塞用ゴム板4を排水管Pにおける穴P1の周囲に押し付けるようになっているので、従来例で示したヒンジ部を用いることなく、排水管Pの外周に取り付けて、排水等が穴P1から漏れるのを防止することができる。しかも、締付バンド2が曲げ剛性の低いもので構成されているので、異なる径の排水管Pに対しても装着することができる。
【0035】
従って、構造の簡素化及び製造コストの低減を図ることができ、かつ汎用性の向上を図ることができる。
【0036】
また、締付バンド2は曲げ剛性の低いものであるが、当該締付バンド2を縮径する際に発生する張力の作用により、内側ゴム板3及び穴塞用ゴム板4を排水管Pの外周面に強力に押し付けることができる。この場合、穴塞用ゴム板4を内側ゴム板3の内面に設けていることから、排水管Pにおける穴P1の周囲に、穴塞用ゴム板4のみが当たる面圧の特に高い部分を生じさせることができる。
【0037】
従って、排水管Pに清掃用の比較的大きな穴P1をあけた場合であっても、排水等がその穴P1から外部に漏れるのを確実に防止することができる。しかも、締付バンド2の内周面に沿って内側ゴム板3を設けているので、排水管Pがポリ塩化ビニル等のプラスチック製のものであっても、ステンレス鋼製の締付バンド2によって当該排水管Pに傷等の損傷が生じるのを防止することができる。
【0038】
また、締付バンド2はその湾曲方向の一端部2aに第1のフランジ21を有し、その湾曲方向の他端部2bに近い位置に第2のフランジ22を有しているので、ボルト5及びナット6によって第1及び第2の各フランジ21、22を互いに近接させる方向に締め付けることにより、締付バンド2に縮径するための張力を発生させることができ、これにより穴塞用ゴム板4を排水管Pの外周面に強力に押し付けることができる。
【0039】
即ち、締付バンド2に設けた第1及び第2の各フランジ21、22と、ボルト5及びナット6とによる極めて簡単な構造の装置によって、穴塞用ゴム板4を排水管Pの外周面に大きな力で押し付けることができる。
【0040】
更に、内側ゴム板3は締付バンド2の内周面における少なくとも一の部分に接着すればよいので、締付バンド2と内側ゴム板3との接着に要する工数の低減を図ることができる。そして、この例では締付バンド2における一端部2aの内周面と内側ゴム板3との接着が避けられているので、その一端部2aと内側ゴム板3との間に締付バンド2の他端部2bを挿入することができる。よって、締付バンド2の他端部2bによって排水管Pに傷が付くのも防止することができる。
【0041】
なお、締付バンド2と内側ゴム板3とを湾曲方向の一の部分(一ヶ所)で接着した場合には、締付バンド2を湾曲方向に弾性変形及び/又は塑性変形させる際に、締付バンド2に対して内側ゴム板3が相対的に変位することが可能になるので、当該締付バンド2の湾曲変形の自由度を向上させることができるという利点がある。
【0042】
また、穴塞用ゴム板4は両面テープを利用して、穴P1を覆うように排水管Pの外周面に仮止めすることができる。従って、穴塞用ゴム板4を仮止めした上で、内側ゴム板3を有する締付バンド2を装着することができるので、穴P1を塞ぐ際の作業性の向上を図ることができる。
【0043】
一方、締付バンド2をステンレス鋼板で形成し、内側ゴム板3及び穴塞用ゴム板4をゴム板によって形成しているので、これらの部材の劣化を長期にわたって防止することができる。従って、排水管Pにあけた穴P1を利用して例えば1〜2年の間隔をおいて清掃を行う場合に、次回の清掃が行われるまでは、十分に余裕をもって、穴P1からの排水等の漏れを防止することができる。
【0044】
なお、上記実施例においては、締付バンド2としてステンレス鋼板による金属板を用いた例を示したが、この金属板としてはアルミニウム等の防食性を有する金属板であってもよい。また、内側ゴム板3及び穴塞用ゴム板4については、上述したニトリルゴム以外の他のゴム弾性を有する板によって形成してもよい。
【0045】
また、上記実施例においては、下水用の配管として排水管Pに配管穴塞ぎ構造1を適用した例を示したが、この配管穴塞ぎ構造1につては上水用等の他の配管の穴を塞ぐために用いてもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0046】
1 配管穴塞ぎ構造
2 締付バンド
2a 一端部
2b 他端部
3 内側ゴム板(内側弾性板)
4 穴塞用ゴム板(穴塞用弾性板)
5 ボルト(締付手段)
6 ナット(締付手段)
21 第1のフランジ
22 第2のフランジ
22a、22b 貫通孔
41 両面テープ
41a 剥離紙
P 排水管(配管)
P1 穴
図1
図2
図3
図4