(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項2から4までのいずれかに記載の有孔プレートであって、前記第2の孔(304)の各々の前記液体供給空洞が、50μmから80μmの範囲の直径を有する、有孔プレート。
請求項1から5までのいずれかに記載の有孔プレートであって、前記有孔プレート(300)は、3つ以上の同心の円筒形を含み、前記複数の第1の孔(302)および前記複数の第2の孔(304)の各々が、前記有孔プレート(300)にほぼ直円柱の部分を描く、有孔プレート。
請求項9に記載の方法であって、前記第1の材料(712)および前記第2の材料(720)が、前記エアロゾル化した液体に対する耐性を有する電気めっき可能な材料を含む、方法。
【背景技術】
【0002】
[0002]薬物送達、特に患者の肺系統への薬物送達の応用では、液体噴霧器は、エアロゾルの霧状ミストを患者に送達できるという点で有利である。そのような噴霧器装置の目標は、吐出される液滴の一貫性のある液滴サイズおよび/または流量および/または速度を確実にして、深い肺などの肺系統の標的部分への送達を最大化することである。
【0003】
[0003]一部の液体噴霧器は、有孔プレート(AP:aperture plate)、メッシュプレート、または振動プレートなどの多孔プレートを使用し、エアロゾルの微細なミストを送達するために、これらのプレートを通じて液体が押し出される。特に、振動メッシュ式液体噴霧器は、振動メッシュ式液体噴霧器が、肺送達に適した液滴サイズおよび液滴サイズの範囲を含む微細なエアロゾルミストを送達することができ、それは比較的高い効率および信頼性で行うことができるという点において、ジェット噴霧器または超音波噴霧器などの他のタイプのエアロゾル化デバイスよりも有利である。そのような振動メッシュ噴霧器は小さいものであってもよく、大きいおよび/または外部の電源を必要とせず、患者の肺系統に外部からのガスを導入しないことが有利である。
【0004】
[0004]液状薬の肺送達向けに製造された有孔プレートは、しばしば、サイズが約1〜6μmである液滴(時には粒子とも呼ばれる)を生成するように大きさが決定される孔を有するようになされている。好都合には、有孔プレートは、約4〜30μLである液体の体積が約1秒未満の時間内に生成されるように、少なくとも約1,000個の孔を備えてもよい。このようにして、十分な容量をエアロゾル化することができる。約1〜6μmの有孔プレートの孔のサイズが有用であるが、これは、この粒子サイズの範囲が、肺系統の中へのエアロゾル液滴の堆積プロファイルを可能にするからである。より詳細には、約1〜4μmのサイズの範囲が、有用であるが、これは、この粒子サイズの範囲が、より高い有効量の送達、および付随的な治療上の利益を伴って(時には肺野と呼ばれる気管支および細気管支を含む)深い肺の中へのエアロゾル液滴の堆積プロファイルを可能にするからである。約6μmより大きい粒子のサイズの範囲は、肺の肺野の中への液体の適切な拡散を減少させ得る。したがって、適切な孔のサイズの範囲の提供、および孔のサイズ分布の制御、それによって液体の液滴のサイズ分布の制御が、当業界での関心事である。適切な孔のサイズを有する有孔プレートを一貫性を持って確実に製造するためのコスト効率のよい製造プロセスの開発が、有孔プレートを生産するために典型的に使用される電鋳技術にとっての課題になっている。
【0005】
[0005]電鋳は、インクジェットプリンタ産業においてこれが幅広く使用されてきたようによく確立しためっき技術である。典型的には、そのようなデバイスは、(いくつのかの例では、約10μm以上の)大きい幾何学的形状の孔を有する。典型的な電鋳プロセスでは、金属成形プロセスが、マンドレルと呼ばれるベースフォーム上への電着物を通じて薄い部分を形成するために使用される。基本的な電鋳プロセスでは、電解槽が、金属化(すなわち、金属の薄層が堆積される)ガラスまたはステンレス鋼などの電気めっき可能な金属をパターン付き伝導面へ堆積させるのに使用される。めっきした材料が、所望の厚さまで構築されると、電鋳部分は、マスター基板から剥離される。このプロセスは、マスターの十分な再現性をもたらし、したがって良好な反復性、および(約10μmを超える)より大きい幾何学的形状の孔のためのプロセス制御を伴って生産することを可能にする。マンドレルは、通常、ステンレス鋼などの導電性材料で作製される。電鋳されている対象は、最終製品の永久部分であってもよく、または一時的なものであって、金属製型枠、すなわち「電鋳」だけを残して後で除去されてもよい。
【0006】
[0006]しかし、電鋳プロセスは、多くの点で弱点がある。電鋳は、欠点の影響をとても受けやすく、マンドレル表面(例えば、支持基板の表面)における欠陥は、結果として得られる有孔プレートの品質に悪い影響を与える。結果として、高い製造歩留まりおよびプロセスの一貫性は、達成しにくいままである。典型的な有孔プレートの製造歩留まりは約30%であり、プロセスのばらつきのために、100%の下流組立ラインの検査が必要とされ得る。
【0007】
[0007]従来技術による電鋳有孔プレートの断面図、および典型的なプロセスの流れが、
図1Aおよび
図1Bにそれぞれ示される。従来、
図1Aに示されるように、有孔プレート102は、特定の直径および間隔を有するドーム形パターン104のアレイ上のめっき材料の3次元成長によって形成される。ドームパターン104は、リソグラフィによってパターン形成され、次いでステンレス鋼のマンドレル上で熱処理される。ドーム形構造104は、後続のめっきのための絶縁層として働くに過ぎず、孔の幾何学的形状の正確で精密な制御を妨げる。ドーム形構造104の直径および高さは、このプロセスによって生産される有孔プレート102のおよその孔106のサイズおよび形状を決定する。孔106のサイズはめっき時間によって決定されるので、ドーム形構造104の間の間隔またはピッチは、最終的な有孔プレート102の厚さを決定する時のファクタであり、すなわち、より長いめっき時間によってより小さい孔106のサイズになる。結果として、従来の電鋳有孔プレート102についての有孔プレートの穴の密度は、任意の所与のプレートの厚さについて固定される。流量は、有孔プレートの孔(または穴)の密度に比例するので、電鋳に関する穴の密度の制限は、より大きい流量の送達のために有孔プレートの直径を増大させることを必要とする。「孔の密度」によって、有孔プレートの単位正方形あたりの孔の個数、例えばmm
2あたりの孔の個数などが意味される。これは、製造コストおよび製造歩留まりにかなり負の影響があり、例えば、コストがより高くなる可能性があると共に、歩留まりがより低くなる可能性がある。また、特に医学的応用では、デバイス全体が、配置と空間の両方の要求のためにできるだけ小さくなると共に、電力消費を最小にするように、有孔プレートの直径を最小にすることがしばしば好ましい。
【0008】
[0008]従来技術の電鋳プロセスに関する別の制限因子は、孔のサイズの制御である。
図2A〜
図2Dに示されるように、より小さい孔202を実現するために、有孔プレートの穴の閉塞の危険が、(先細りの孔の範囲の近くの拡散制限因子により)大きく増加する。3次元成長は、直線水平成長γ
Hと直線垂直成長γ
Lの両方を有する。大きい孔202のサイズ(典型的には約10μmを超える)では、孔202のサイズが比較的よく制御されることを可能にする水平成長γ
Hと垂直成長γ
Lの間のほぼ直線関係がある。しかし、孔202のサイズがより小さい寸法に達すると、この直線性は、もはや保持できず、孔202のサイズの制御が困難になる。典型的には、この非直線性は、約10μm以下の、例えば、9μm、または8μm、または7μm、または6μmより小さい孔のサイズで始まる。
図2A〜
図2Dに見られるように、各図において時間(t)の値によって示されるように、成長時間が長くなるにつれて、層204はより厚くなり、対応する孔202はより小さくなる。厚さ204および孔202のサイズは、3次元成長中、相互に関係付けられので、最終的な所望の孔202のサイズが実現されることになる場合、めっきプロセス中、めっきの状態は、監視および修正されなければならず、これはいつもうまくいくわけではない。場合によっては、
図2Dに示されるように、層を成長させ過ぎ、これによって孔202が閉じることにより、有孔プレートの成長が失敗する可能性がある。めっき厚204は、この加工技術の固有の制限によりめっき層にわたって、場合によっては10%を超えて、変動する可能性があることが当技術分野でよく知られている。この場合も、これにより、最終的な有孔プレートの厚さ204と孔202のサイズの両方を制御することが非常に困難になる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0024]以下の説明は、本発明の一般的な原理を説明するためになされるものであり、本明細書中にクレームした本発明の概念を限定することを意味しない。さらに、本明細書に記載の特定の特徴は、様々な可能な組み合わせおよび置換ごとに他の記載した特徴と組み合わせて使用されてもよい。
【0015】
[0025]本明細書に特段の定めがない限り、全ての用語は、本明細書からほのめかされる意味、ならびに当業者によって理解される意味、および/または辞書、論文などに定義される意味を含めて、その最も広い可能な解釈が与えられることになる。
【0016】
[0026]本明細書で用いられる場合、用語「液体」は、単相溶液、多相溶液、乳濁液、またはナノ分散液を指し得る。
[0027]本明細書で用いられる場合、用語「円筒」(および「円筒形の」)は、直円柱の部分を含む幾何学的図形を指すが、文脈から明らかでない限り、他の断面形状が、本明細書中で言及される円筒を含むことができる。また、円筒の半径は、必ずしも円筒形状全体にわたって均一でなければならない必要はなく、いくつかの実施形態では、例えば上部から底部まで変化してある程度の先細りになり得る。
【0017】
[0028]本明細書および添付の特許請求の範囲に使用されるとき、単数形「a」、「an」および「the」は、特段の定めのない限り、複数を含むことにも留意しなければならない。
【0018】
[0029]一般的な一実施形態によれば、有孔プレートを製造する方法は、解放可能なシード層を基板上に堆積させるステップと、所望の孔のパターンに対するネガパターンを有する第1のパターン付きフォトリソグラフィ・マスクを解放可能なシード層上に施すステップと、第1のマスクによって画定される、解放可能なシード層の露出部分上に第1の材料を電気めっきするステップと、第1の空洞に対するネガパターンを有する第2のフォトリソグラフィ・マスクを第1の材料上に施すステップと、第2のマスクによって画定される、第1の材料の露出部分上に第2の材料を電気めっきするステップと、両マスクを除去するステップと、解放可能なシード層をエッチングして第1の材料および第2の材料を解放するステップとを含む。第1の材料および第2の材料は、液体をエアロゾル化するのに用いるための有孔プレートを形成する。
【0019】
[0030]別の一般的な実施形態によれば、液体をエアロゾル化するのに用いるための有孔プレートは、複数の孔を有し、フォトリソグラフィ・プロセスによって形成される特徴を有する第1の材料と、第1の材料中の複数の孔の上に第1の空洞を有する、第1の材料上の第2の材料であって、フォトリソグラフィ・プロセスによって形成される特徴を有する第2の材料とを備える。第1の材料および第2の材料は、有孔プレートを形成する。
【0020】
[0031]さらに別の一般的な実施形態では、液体のエアロゾル化に用いるのに適合された有孔プレートは、a)解放可能なシード層を基板上に堆積させるステップと、b)所望の孔のパターンに対するネガパターンを有する第1のパターン付きフォトリソグラフィ・マスクを解放可能なシード層上に施すステップと、c)第1のマスクによって画定される、解放可能なシード層の露出部分上に第1の材料を電気めっきをして、第1の材料を貫く複数の孔を有するほぼ平坦な構造を形成するステップと、d)複数の孔上に位置する第1の空洞に対するネガパターンを有する第2のフォトリソグラフィ・マスクを第1の材料上に施すステップと、e)第1の材料の露出部分上に、第2のマスクによって画定される第2の材料を電気めっきするステップと、f)両マスクを除去するステップと、g)解放可能なシード層をエッチングして、第1の材料および第2の材料を解放するステップとを含むプロセスによって生産される。
【0021】
[0032]1つまたは複数の実施形態によれば、特定の液滴サイズおよび液滴サイズ分布に適合するように精密に定められた孔のサイズおよび形状で有孔プレートを作製するプロセスが示される。また、本発明の光画成法は、液滴サイズおよび/またはサイズ分布からの流量の切り離しを可能にする。したがって、本発明は、流量ならびに液滴サイズおよび/またはサイズ分布が、互いに独立して対応および制御できる有孔プレートの生産を可能にするものであり、これは、従来技術を超える別の重要な利点である。加えて、本明細書に記載の実施形態は、製造プロセスから費用がかかる大きな労力を要する手動プロセスのステップ(例えば、手動のハーベスティングおよびパンチング)を解放することによって大量生産できる拡張性をもたらす。従来技術の方法は、支持基板(例えば、マンドレル)から最終的なめっきした材料を剥離するための「ハーベスティング」と呼ばれる手動プロセスを使用し、次いで有孔プレートとして使用されるシート材料を所望の直径に打ち抜く。
【0022】
[0033]1つまたは複数の実施形態によれば、振動メッシュ噴霧器などの液体噴霧器のための有孔プレート、メッシュ、多孔プレート等を製造する方法は、精密な孔のサイズの定義および制御をもたらすフォトリソグラフィ・プロセスを含む。有孔プレートを作製するこのフォトリソグラフィ法は、エアロゾル化した製剤の送達などの幅広い様々な液体送達応用の送達のために、1つまたは複数の実施形態では、所望の仕様に適合するようにパラメトリックに制御された有孔プレートを提供することができる。さらに、光画成プロセスは、プロセスの歩留まりを著しく改善するかなりの潜在性を有し、したがって製造コストを下げるかなりの潜在性をもたらす。
【0023】
[0034]いくつかの実施形態によれば、半導体プロセス技術を本発明の製造方法に適用して、フォトマスクの設計によって有孔プレートを製造するための完全に自動化可能なプロセスの流れを可能にすることができる。また、ステンレス鋼の基板に限定されるのに代わって、より従来のシリコンウェハが、リリース層およびウェットエッチングリリースプロセスなどのリリース層を除去するためのエッチングプロセスを利用するちょうどよいリリースプロセスと共に、使用することができる。
【0024】
[0035]次に
図3A〜
図3Bを参照すると、一実施形態によるフォトリソグラフィ・プロセスによって形成される有孔プレート300の断面図および上面図が示される。
図3Aに見られるように、有孔プレート300は、複数の孔302と、空洞304と、側壁306とを含む。好ましい実施形態によれば、有孔プレート300は、液体をエアロゾル化するために用いられる。有孔プレート300は、そこに、すなわち第1の材料308に複数の孔302を有する第1の材料308を備える。第1の材料308は、孔302の高さと同じ厚さΦ
3を有する層である。第1の材料308は、滑面、よく制御された直径(Φ
1、Φ
4)およびピッチ(Φ
5)、一様な寸法等などのフォトリソグラフィ・プロセスによる形成に起因する1つまたは複数の特徴を有する。有孔プレート300は、(第1の材料308と同じ材料または異なる材料を含み得る)第2の材料310も含み、この第2の材料310は、第1の材料308上に直接的または間接的に配置されており、第1の材料308が孔302を形成でき、第2の材料310が空洞304を画定すると共に側壁306を形成できるようになっている。第2の材料310によって画定される空洞304は、第1の材料308中の複数の孔302上に位置する。第2の材料310は、空洞304の深さと同じ厚さ、例えばΦ
2−Φ
3を有する層である。第2の材料310は、前述の通りフォトリソグラフィ・プロセスによって形成されことに起因する1つまたは複数の特徴も有する。
【0025】
[0036]一手法では、第1の材料308の複数の孔302の各々は、約1μmから約5μmの間の直径Φ
4を有することができる。別の手法では、複数の孔302の近くの第1の材料308の厚さΦ
3は、約5μmから約10μmの間であり得る。
【0026】
[0037]
図3Aに示されるように、一実施形態では、側壁306の高さΦ
2は、約40μmから約80μmの間とすることができ、例えば、約60μm、65μm等である。別の実施形態では、空洞304の幅Φ
1は、約50μmから80μmの間とすることができ、例えば、約60μm、65μm等である。好ましい実施形態では、側壁306の高さΦ
2は、空洞304の幅Φ
1に対応し得る。1つまたは複数の実施形態では、孔302の1つまたは複数のピッチΦ
5(孔と孔の間で測定した距離)は、約2μmから20μmの間、もしくは約4μmから10μmの間、または中間の任意の値もしくは範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、ピッチの選択は、有孔プレートの流量および/または機械的強度に影響を与えるまたは効果をもたらす。いくつかの実施形態では、ピッチの選択は、振動数などの力学的考察の関数である。
【0027】
[0038]次に
図3Bを参照すると、
図3A中の線3Bから見た、一実施形態による有孔プレート300の上面図が示される。
図3Bを再び参照すると、星形の孔のパターンが示されるが、必要に応じて、円形、正方形、三角形、または自由な形態等などの任意の形状または構成が用いられてもよい。本発明のプロセスは、従来技術による有孔プレートに形成され得るものよりもかなり多数の孔302を有孔プレート300に形成すること可能にする。これは、様々な実施形態による本明細書に記載のプロセスによるものであり、それによって、所望の液体送達の結果を実現するために、必要に応じて、孔のパターン、孔の密度、孔の形状、および孔のサイズの定義においてより自由かつ精密であることを可能にする。また、本明細書に記載の実施形態は、孔のサイズが有孔プレートの厚さに依存しないので、より大きい割合の有孔プレートの範囲を利用することができる。言い換えれば、厚さは、有孔プレートの厚さが孔のサイズに相互に関係付けられる従来技術の電鋳によって製造される有孔プレートとは対照的に、孔のサイズから切り離される。したがって、粒子のサイズおよび/または粒子のサイズ分布の制御を維持しつつより大きいスループットの潜在的な利益を有する、有孔プレートの面積の単位あたりより多くの孔302が可能である。いくつかの実施形態では、孔の個数302は、mm
2あたり約1個の孔から約1000個の孔であってもよい。霧状の液状薬の肺送達向けの典型的なサイズの有孔プレート(すなわち、20mm
2)については、孔の個数は、約50から約25,000、または約300から約10,000、または任意の数の範囲またはそれらの間の値の範囲であってもよい。
図3Bは、10,000以上の孔が形成され得る個性を示す。約20mm
2の有孔プレートを有する噴霧器装置の一実施形態では、孔は、500個から5,000個、例えば1,000個から3,000個、またはそれらの間の任意の範囲もしくは値に達し得る。有孔プレートに形成できる孔の個数の実際的な下限はないが(例えば、1が最小である)、本発明のプロセスは、mm
2あたり500または1,000以上などの非常に増加した個数を可能にする。
【0028】
[0039]1つまたは複数の実施形態では、(放出口とも呼ばれる)孔の出口開口は、約0.5μmから約10μmの範囲の直径を有することができ、いくつかの実施形態では、孔の出口開口は、直径が約1μmから約6μm、約1μmから約4μm、約1μmから約3μm等、またはそれらの間の任意の範囲もしくは値の範囲にわたり得る。孔のサイズの分布は、任意の所望の最小サイズから任意の所望の最大サイズの範囲とすることができ、様々な実施形態によれば、孔のサイズ同士の間の標準偏差は必要とされない。一実施形態では、上記のプロセスは、有利なことに、従来技術のプロセスよりも孔のサイズに対してより良く制御することが可能であり、したがって有孔プレートは、0.5μm、0.4μm、0.3μm、0.2μm、0.1μm等などの孔のとても小さい出口開口吐ともに確実および反復可能に生産することができる。加えて、本明細書に示される実施形態によれば、プロセスは、所望の孔のサイズを実現する際により良い制御精度、したがってよりきっちりした制御範囲、すなわち、より鋭い分布曲線を可能にする。しかし、本明細書に示される実施形態は、孔が、同じ有孔プレート中に3μmの孔のセットおよび1μmの孔のセットなどの互いに異なるサイズを有するように意図的に形成されてもよい有孔プレートももたらすことに留意されたい。
【0029】
[0040]本発明の実施形態によれば、孔302の直径Φ
4、側壁306の高さΦ
2、複数の孔302の近くの第1の材料308の厚さΦ
3、空洞304の幅Φ
1、および/またはピッチΦ
5は、孔302を通じて液体をエアロゾル化するときに所望の流量、液滴サイズ、および液滴サイズ分布を与えるなど、独立して制御することができる。
【0030】
[0041]いくつかの実施形態によれば、第1の材料308および/または第2の材料310は、他の適切な材料の中で、Ni、Co、Pd、Pt、その合金、およびその混合物の少なくとも1つなどの任意の適切な材料を含んでもよい。適切な材料は、任意の電気めっき可能な材料であってもよく、いくつかのさらなる実施形態では、選ばれた材料は、有孔プレート300を用いてエアロゾル化される液体の化学的特性への耐性を有し得る。
【0031】
[0042]次に
図4A〜
図4Bを参照すると、一実施形態によるフォトリソグラフィ・プロセスによって形成される有孔プレート400の断面図および上面図が示される。
図4Aに見られるように、有孔プレート400は、複数の孔402と、第1の空洞404と、第2の空洞408と、側壁406とを含む。好ましい実施形態によれば、有孔プレート400は、液体をエアロゾル化するために用いることができる。
【0032】
[0043]有孔プレート400は、そこに、すなわち第1の材料に複数の孔402を有する第1の材料を含む。第1の材料410は、孔402の高さと同じ厚さΦ
cを有する層である。第1の材料410は、前述の通り、滑面、一様な成長等などのフォトリソグラフィ・プロセスによって形成されている特徴を有する。有孔プレート400は、(第1の材料410と同じ材料または異なる材料であり得る)第2の材料412も含み、この第2の材料412は、第1の材料410上に直接的または間接的に配置され、第2の材料412は、第1の材料410中の複数の孔402上に第1の空洞404を有する。第2の材料412は、第1の空洞404の深さΦ
eと同じ厚さを有する層である。第2の材料412も、前述の通りフォトリソグラフィ・プロセスによって形成されている特徴を有し、これによって滑面、よく制御された直径(Φ
3、Φ
d、Φ
f)およびピッチ(Φ
g)、一様な寸法等といった1つまたは複数の有益な特性になる。
【0033】
[0044]有孔プレート400は、第2の空洞408を有する第3の材料414も含み、第3の材料414は、第2の材料412上に配置され、空洞404および空洞408が互いに上に配置されるようになっている。第3の材料414は、第2の空洞408の深さと同じである厚さを有する層であり、例えば、Φ
b−(Φ
c+Φ
e)である。第3の材料414は、前述の通りフォトリソグラフィ・プロセスによって形成される特徴を有し、第2の空洞408は、第1の空洞404上にあり、第2の空洞408の内径Φ
aは、第1の空洞404の内径Φ
fよりも大きい。
【0034】
[0045]一手法では、第1の材料410の複数の孔402の各々は、約1μmから約5μmの間の直径Φ
dを有してもよい。別の手法では、複数の孔402の近くの第1の材料410の厚さΦ
cは、約5μmから約10μmの間、例えば約6μmであってもよい。
【0035】
[0046]
図4Aに示されるように、一実施形態では、側壁406の高さΦ
bは、約40μmから約80μmの間、例えば約60μm、65μm等であり得る。別の実施形態では、第1の空洞404の幅Φ
fは、約20μmから30μmの間、例えば約25μmであってもよい。別の実施形態では、第1の空洞404の深さΦ
eは、約20μmから30μmの間、例えば約25μmであってもよい。好ましい実施形態では、側壁406の高さΦ
bは、第1の空洞404および/または第2の空洞の幅Φ
fに対応し得る。
【0036】
[0047]次に
図4Bを参照すると、
図4A中の線4Bから見た、一実施形態による有孔プレート400の上面図が示される。
図4Bを再び参照すると、3つの孔402を有する孔のパターンが示されるが、必要に応じて、任意の形状および任意の個数の孔402が、生産されてもよい。好ましい実施形態によれば、孔402の直径Φ
d、側壁406の高さΦ
b、複数の孔402の近くの第1の材料410の厚さΦ
c、第2の空洞408の幅Φ
a、第1の空洞404の幅Φ
f、およびピッチΦ
gは、孔402を通じて液体をエアロゾル化するときに所望の流量および液滴サイズを与えるように互いに独立してそれぞれ制御することができる。
【0037】
[0048]いくつかの実施形態によれば、第1の材料410、第2の材料412、および/または第3の材料414は、任意の適切な材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、材料は、白金族金属から適切に選択することができる。いくつかの実施形態では、材料は、他の適切な材料の中で、Ni、Co、Pd、Pt、その合金、およびその混合物の少なくとも1つを含む。有孔プレート400は、高強度および/または耐腐食性の材料で構成することができる。一例として、プレート本体(例えば、第1の材料410、第2の材料412、および/または第3の材料414)は、ラジウムまたはパラジウムニッケル合金から構成されてもよい。パラジウムまたはパラジウムニッケル合金は、多くの腐食性材料、特に、医学的応用に使用され得る、例えば硫酸アルブテロールまたはイプラトロピウム溶液などの吸入療法により呼吸器系疾患を治療するための溶液に対して耐腐食性である。いくつかの実施形態では、第1の材料、第2の材料および/または第3の材料の少なくとも1つは、低い弾性率を有し、所与の振動振幅に対して低いストレスと成り得る。プレート本体を構成するのに使用できる他の材料には、ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、金、金合金などが含まれる。適切な材料は、任意の電気めっき可能な材料であってもよく、いくつかのさらなる実施形態では、選ばれた材料は、有孔プレート400と共に使用されるエアロゾル化した液体に不活性であり得、および/またはこのエアロゾル化した液体への耐化学性を有し得る。
【0038】
[0049]任意の一実施形態における有孔プレートの孔は、サイズが約0.5μmから約6μmである液滴を生産するために、約0.5μmから約6μmの範囲内のどこかに、直径を有する出口開口を有してもよい。他の実施形態では、ほぼ対応するサイズの液滴を生成するために、孔の出口開口(放出口とも呼ばれる)は、約1μmから約4μm、約1μmから約3μmなど、またはそれらの間の任意の範囲もしくは値の直径を有することができる。一般に、液滴サイズは、放出口のサイズにおよそ等しいが、出て行く液滴は、エアロゾル化される液体の表面張力および/またはレオロジー特性などの特性に応じて、わずかに大きくまたはわずかに小さく形成してもよく、その形態になってもよい。本明細書では、出口開口は、液滴が現れる開口を意味するように使用され、出口開口は、液体供給に対して下流または遠位と考えられることもあり得る。これは、液体供給開口とも呼ばれる入口開口と対比され、液体供給開口は、エアロゾル化される液体の供給に接触し、またはそこの近位にある開口である。したがって、液体供給開口は、出口開口よりも直径および/または面積が大きい。いくつかの実施形態では、液体供給開口は、それらの間の任意の範囲もしくは値を含めて直径が約20μmから約200μmのサイズの範囲であってもよい。
【0039】
[0050]1つまたは複数の実施形態では、(例えば、
図3Bおよび/または
図4Bに示されるように)孔は、(入口開口から出口開口へ見られるように)有孔プレート内に一連の同心のステップダウンした円筒形を描くように形成され得る。いくつかの実施形態では、
図3Bに示されるように、孔は、有孔プレート内で2つの同心の円筒を描くように形成されてもよい。そのような実施形態では、液体の入口開口は、直径が約20μmから約100μmとすることができ、出口開口は、直径が約0.5μmから約6μmとすることができる。いくつかの実施形態では、出口開口の直径は、入口開口の直径が約1%から約10%であってもよい。より詳細には、1つまたは複数の実施形態では、入口開口は、約50μmから約80μmの直径を含むことができ、出口開口は、約1μmから約4μmの直径を含むことができる。
【0040】
[0051]1つまたは複数の実施形態では、孔は、
図4Bに示されるように、3つの同心の円筒形として有孔プレートに形成することができる。1つまたは複数の実施形態によれば、3つ以上の同心の円筒形が、(1つまたは複数の)孔を描くために有孔プレート内で形をなすように使用され得る。そのような実施形態では、孔は、円筒形の入口開口、1つまたは複数の中間円筒形開口、および有孔プレートに形成される1つまたは複数の円筒形の出口開口を含む。これらの開口は、入口については約50μmから約200μm、中間開口については約10μmから約40μm、および出口開口については約1μmから約5μmをどこかに含む直径を有してもよい。開口に関する同心の円筒形の配置が、必ずしも開口が同軸であることを必要としないことに留意されたい。いくつかの実施形態では、例えば、
図3に示されるように、複数(2つ以上)の出口開口が、より大きい入口開口の直径内に形成されてもよい。したがって、典型的には、複数の孔302(出口開口)は、孔304(入口開口)によって外接されて囲まれる範囲内に形成される。これらの出口開口は、様々なパターン、構成、およびより大きい開口の軸に対しての位置に形成され得る。ほぼストレートサイド型(straight−sided)の孔が得られるが、孔の側壁のいくらかの角度が、リソグラフィプロセスにおいて光減衰により生じ得る。孔のサイズが減少するにつれて、この角度は、より目立つ傾向がある。一般に、所与の孔の側壁の角度は、液滴の放出性能に悪影響を与えず、いくつかの実施形態では、有益であり得る。
【0041】
[0052]いくつかの本明細書に記載の実施形態では、孔は、逆さのジグラット形状を有孔プレートに概して描く。特に、
図4によって記載される実施形態を参照するとき、ジグラット形状は注目に値する。ジグラット形状は、有孔プレートに機械的強度を与えるために使用することができ、有孔プレートが、振動メッシュ式噴霧器に使用でき、振動により有孔プレートに及ぼされる力に耐えることができるようになっている。有孔プレートの形状(例えば、ジグラット形状)は、結果として得られる液滴の特定のサイズまたはサイズ分布を与えるために必ずしも使用される必要はない。
【0042】
[0053]好都合には、様々な実施形態による本明細書に記載の有孔プレートは、(平坦またはほぼ平坦などの他の構成が適切であるが)前もって参照により組み込まれる米国特許第5,758,637号に概して記載されるように、ドームの形状に形成することができる。典型的には、有孔プレートは、液体をエアロゾル化するときに約45kHzから約200kHzの範囲の周波数で振動させられる。さらに、液体をエアロゾル化するときに、液体は、表面張力の力によって液体が後面に付着する有孔プレートの後面に接触して配置され得る。前もって参照により組み込まれる米国特許第5,164,740号、米国特許第5,586,550号、および米国特許第5,758,637号に概して記載されたように、孔プレートが振動すると、液体の液滴が、前面から放出される。
【0043】
[0054]次に
図6を参照すると、一実施形態による有孔プレートを製造する方法600が示される。様々な実施形態による方法600は、任意の所望の環境で実施することができ、
図6中に示される動作よりも多いまたは少ない動作を含んでもよい。
【0044】
[0055]動作602では、解放可能なシード層が、基板上に堆積される。好ましくは、解放可能なシード層は、金属、例えば導電性金属などのエッチング可能な材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、材料は、Al、Cu、Si、Ni、Au、Ag、鋼鉄、Zn、Pd、Pt等、黄銅、ステンレス鋼等などその合金、前述の混合物などの1つまたは複数である。いくつかの実施形態では、解放可能なシード層は、Au、Ti、Cu、Ag等、およびその合金のような導電性金属などのエッチング可能な導電性材料を含んでもよい。もちろん、任意の他の材料が、本説明を読むと当業者が理解するような解放可能なシード層に使用されてもよい。
【0045】
[0056]動作604では、第1のパターン付きフォトリソグラフィ・マスクが、解放可能なシード層上に施される。第1のパターン付きフォトリソグラフィ・マスクは、所望の孔のパターンに対するネガパターンを有する。
【0046】
[0057]孔のサイズは、フォトリソグラフィ・プロセスを通じて作製されるフォトリソグラフィ・マスクのパターン(フォトドット)によって精密に定められ得る。電鋳プロセスを使用する従来技術の方法に比べて、孔は、めっき材料の3次元成長によって形成される。
【0047】
[0058]一手法では、第1のパターン付きフォトリソグラフィ・マスクは、孔を約0.5μmから約6μmの間の直径を有する第1の材料に付与することができる。
[0059]動作606では、第1の材料は、解放可能なシード層の露出部分上に電気めっきされ、第1のマスクによって画定される。一手法では、いくつかの実施形態によれば、孔の近くの第1の材料は、約5μmから約10μmの間など、孔の直径から独立している厚さに形成することができる。
【0048】
[0060]第1のパターン付きフォトリソグラフィ・マスクの高さ、および孔の近くの第1の材料の厚さは、形成が完了した後に有孔プレートの性能を決定する際のファクタである。
図5Aは、本明細書に記載の方法によって生産される有孔プレートから孔の内部側を上から見下ろす図の走査型電子顕微鏡(SEM)のが画像を示す。見られるように、この孔の縁部が滑らかであり、形状はほぼ均一の形状である。
図5Aに示された孔は、第1のパターン付きフォトリソグラフィ・マスクの高さ未満だった厚さまで第1の材料をめっきすることによって生産され、それによって材料が均一に堆積されることを確実にする。
【0049】
[0061]次に
図5Bを参照すると、
図5Bは、本明細書に記載の方法によって生産される有孔プレートの内部側を上から見下ろす図のSEM画像であり、この方法のいくつかの利点は、人目をひくことである。この有孔プレートの孔は、
図5Aの孔と同じやり方でもたらされた。
図5Bに示される有孔プレートは、3つの平坦面を有し、それぞれの最も内側の面が、
図4A〜
図4Bに示される有孔プレートと同様に、次の最も近い最も外側の表面からへこまされる。再び
図5Bを参照すると、孔が配置およびサイズが精密に制御され、有孔プレートは、ほぼ垂直でほぼ滑らかな壁を有することが理解されよう。電鋳などの従来の製造方法に比べて、この精密な製造能力は、様々な実施形態による本明細書に記載の方法に有利である。
【0050】
[0062]いくつかの実施形態では、孔の近くの第1の材料の厚さ、およびエアロゾル化した液体の孔を通じての流量が、所望の値または範囲を実現するように制御されるように、孔の直径および孔のピッチは、(依存して、または独立して)選ばれ得る。
【0051】
[0063]別の実施形態では、孔の近くの第1の材料の厚さは、孔のパターン中の孔の配置密度から独立することができる。
[0064]動作608では、第2のフォトリソグラフィ・マスクが、第1の材料上に施される。第2のフォトリソグラフィ・マスクは、第1の空洞に対するネガパターンを有する。
【0052】
[0065]動作610では、第2の材料が、第1の材料の露出部分上に電気めっきされ、第2のマスクによって画定される。
[0066]一手法では、第1の材料および第2の材料は、同じ材料であってもよい。別の手法では、第1の材料および第2の材料は、エアロゾル化した液体に対する耐性を有する電気めっき可能な材料を含んでもよい。
【0053】
[0067]動作612では、両マスクが、当業界で知られた任意の技法によって除去される。一実施形態では、両マスクは、単一のステップで除去される。例えば、両マスクは、同時に除去される。
【0054】
[0068]動作614では、解放可能なシード層が、エッチングされて、めっきした材料を解放する。好ましいエッチングは、リリース層を除去する他の方法の間で、ウェットエッチングプロセスを含む。
【0055】
[0069]一実施形態では、方法600は、以下に説明するものなどのより多くの動作を含むことができる。
[0070]ある適宜の動作では、第3のフォトリソグラフィ・マスクが、第2の材料上に施されてもよく、第3のフォトリソグラフィ・マスクが、第2の空洞に対するネガパターンを有する。この第3のフォトリソグラフィ・マスクは、第1のマスクおよび第2のマスクが除去される前に施されてもよい。次いで、第3の材料は、第2の材料の露出部分M上に電気めっきされてもよく、第3のマスクによって画定される。全てのマスクは、電気めっきの完了後に除去することができる。第2の空洞は、第1の空洞上にあってもよく、第2の空洞の内径は、第1の空洞の内径より大きいものであり得る。
【0056】
[0071]いくつかの実施形態によれば、第1の材料、第2の材料、および/または第3の材料は、任意の適切な材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、材料は、白金族から適切に選択されてもよい。いくつかの実施形態では、材料は、他の適切な材料の中で、Ni、Co、Pd、Pt、およびその合金の少なくとも1つを含む。一実施形態では、第1の材料、第2の材料、および/または、第3の材料は、高強度および耐腐食性の材料を含んでもよい。一例として、第1の材料、第2の材料、および/または第3の材料は、パラジウムニッケル合金を含むことができる。そのような合金は、多くの腐食性材料、特に、医学的応用に使用され得る、例えば硫酸アルブテロールまたはイプラトロピウム溶液などの吸入療法により呼吸器系疾患を治療するための溶液に対して耐性がある。さらに、パラジウムニッケル合金は、低い弾性率を有し、したがって所与の振動振幅に対して低いストレスを有する。第1の材料、第2の材料、および/または第3の材料に使用できる他の材料には、パラジウム、パラジウムニッケル合金、ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、金、金合金などが含まれる。
【0057】
[0072]特定のサイズの範囲内に液滴を維持しつつ液滴の生産速度を高めるために、孔は、ある形状を有するように構成されてもよい。1つまたは複数の実施形態では、孔は、有孔プレートにジグラット形状を描くように形成することができる。この手法を用いて、有孔プレートは、(入口側から出口開口に向かって見られる)一連の同心のステップダウンした円筒として形成されてもよい。いくつかの実施形態では、有孔プレートは、2つの同心の円筒形として形成されてもよい。そのような実施形態では、液体の入口は、約50μmから約100μmであってもよく、出口開口は、約0.5μmから約6μmであってもよい。より詳細には、一実施形態では、入口開口は、約60μmから約80μmの直径を含んでもよく、出口開口は、約1μmから約4μmの直径を含んでもよい。
【0058】
[0073]1つまたは複数の実施形態によれば、有孔プレートは、3つ以上の同心の円筒形として形成されてもよい。そのような実施形態では、入口円筒、1つまたは複数の中間円筒、および内部に形成される放出口を有する出口プレートがある。いくつかの実施形態では、内部に形成される放出口の出口開口の直径は、入口開口の直径の約1%から約50%であり得る。いくつかの実施形態では、次のより小さい開口の直径は、次のより大きい開口の直径の約10%から約30%であり得る。例えば、直径は、入口については約50μmから約100μm、中間開口については約10μmから約30μm、および出口については約1μmから約5μmをどこかに含んでもよい。前述のいずれかにおいて、孔は、逆さのジグラット形状を有孔プレートに描く。そのような形状は、頑健な有孔プレートをもたらし、液滴サイズを維持しつつ流量を増加するなどの流量の利益を与えることができる。このようにして、有孔プレートは、吸入薬物送達の応用に関して特定の用途を見出すことができる。孔の壁は、ほぼストレートサイド型として説明することができ、すなわち孔の壁は、直円柱の幾何学的形状の部分を説明することも留意されたい。言い換えれば、孔の壁は、典型的には孔プレートの平面に垂直であり、またはドーム形有孔プレートの接線に垂直である。しかし、いくつかの実施形態では、孔の壁が、ある角度を持っていてもよく、および/または円錐形断面を帯びていることさえあってもよい。
【0059】
[0074]一手法によれば、有孔プレートは、手動のスタンピングの手続きを必要としない完全に自動プロセスで形成することができる。
[0075]次に
図7A〜
図7Lを参照すると、この方法が、概略的に説明される。
【0060】
[0076]
図7A〜
図7Bでは、解放可能なシード層704が、基板702上に堆積される。好ましい実施形態では、基板702は、Siを含んでもよく、解放可能なシード層704が、任意のエッチング可能な導電性金属を含んでもよい。
【0061】
[0077]
図7C〜
図7Eでは、第1のパターン付きフォトリソグラフィ・マスク710は、解放可能なシード層704上に施される。第1のパターン付きフォトリソグラフィ・マスク710は、所望の孔のパターンに対するネガパターンを有し、スピンコーティングフォトレジスト706によって形成することができ、所望のパターンを有するフォトマスク708を適用して、フォトレジスト706の除去部分を露出させ、当技術分野で知られた現像液の使用などによって、当技術分野で知られている任意の方法によって露出部分を解消し、このようにして第1のマスク710を生成する。
【0062】
[0078]
図7Fでは、第1の材料712は、解放可能なシード層の露出部分704上に電気めっきされ、パターンは、第1のマスクによって画定される。
[0079]
図7G〜
図7Iでは、第2のフォトリソグラフィ・マスク714は、第1の材料712上に施される。第2のフォトリソグラフィ・マスク714は、第1の空洞に対するネガパターンを有する。第2のフォトリソグラフィ・マスク714は、スピンコーティングフォトレジスト716によって形成することができ、所望のパターンを有するフォトマスク718を施し、フォトレジスト716の除去部分を露出させ、当技術分野で知られた現像液の使用などによって、当技術分野で知られている任意の方法によって露出部分を解消し、このようにして第2のマスク714を生成する。
【0063】
[0080]
図7Jでは、第2の材料720は、第1の材料の露出部分712上に電気めっきされ、パターンが、第2のマスクによって画定される。次いで、第2のマスク714および第1のマスク710は、当技術分野で知られている任意の技法によって除去され、
図7Kに示されるような構造に
なり、第1のマスク710の跡に第1の孔730が形成され、また第2のマスク714の跡に第2の孔(液体供給空洞)732が形成される。次いで、解放可能なシード層704は、エッチングされて
取り除かれ、
図7Lに示されるような構造になる。好ましいエッチングは、ウェットエッチングプロセスを含む。リリース層を除去するのに適した方法であり得る他のエッチングプロセスは、プラズマエッチング、および光化学エッチングを含む。
【0064】
[0081]好ましい実施形態では、第1の材料および第2の材料は、液体をエアロゾル化するのに用いるための有孔プレートを振動メッシュ噴霧器に形成してもよい。これらの実施形態では、孔のサイズおよび孔のパターンの密度が、独立して制御することができるので、光画成法は、液滴サイズから独立して流量の制御を可能にする。
【0065】
[0082]例えば、液体エアロゾル発生器の流量は、孔の合計数に比例していることが予期される(これにより孔のサイズを組み合わせたとき、孔の総面積になる)。これは、孔のパターンの密度が必要なめっき厚によって制限される従来技術を超える別の重要な利点である。結果として、本明細書に開示した有孔プレートを作製する方法は、幅広い様々な液状製剤の送達のための所望の仕様に適合するようにパラメトリックに制御された有孔プレートを提供することができる。
【0066】
[0083]一実施形態によれば、本明細書に記載の方法によって生産される有孔プレートは、様々なサイズの孔、様々なドメイン、様々な形状、様々なプロファイル、様々な幾何学的形状等を含むことができる。例えば、有孔プレートは、円形のパターンで配置された複数の孔を含む1つまたは複数のドメインを、楕円形、三角形または四辺形のパターンなどの非円形のパターンで配置された複数の孔を含む1つまたは複数のドメインと共に含むことができる。異なるドメイン中の孔は、約1μmから約5μmの間の種々の直径などの異なるまたは同一の範囲を有してよい。
【0067】
[0084]孔は、有孔プレートの範囲のあたりに一様な分散、一様でない分散をさらに含んでもよく、または異なるドメインにおけるように一様な分散と一様でない分散の両方であってもよい。別の実施形態では、有孔プレートは、第1のドメインを内側部分に有する孔と、第2のドメインを外側部分に有する孔とを含んでもよい。さらに、本明細書に記載のフォトリソグラフィのプロセスは、種々のパターンまたは幾何学的形状で有孔プレート自体の生産を可能にする。したがって、有孔プレートは、例えば、円形、楕円形、正方形、および/または星形であるように容易に形成することができる。いくつかの実施形態では、タブまたは突出部は、有孔プレート上に形成されてもよく、それを用いて噴霧器の製造を助ける。もちろん、本説明を読むと当業者が理解するような、任意の他の孔の配置、孔のサイズ、孔のドメイン、孔のプロファイル等が、本明細書に記載の方法を用いて生産されてもよい。
[0085]2つ以上の層の変位が、良好な位置合わせのゆとりをもたらすので、本明細書に開示した方法は、層同士の間の厳密な位置合わせ公差を必要としない。有孔プレートを作製する電鋳プロセスを超えるさらなる利点は、光画成の孔のサイズが、めっき厚とは関係ないことを含む。したがって、光画成プロセスを用いることによってプロセス制御の改善、および製造歩留まりの改善の可能性の改善を可能にする。めっき厚に対する孔のサイズの依存は、従来の電鋳プロセスについて歩留まりロスの重要な因子であったが、今では、本明細書に記載の技法を用いれ避けることができる。また、最終的な所望の有孔プレートの幾何学的形状を実現するために、多層プロセスが使用されてもよいが、これは、従来の有孔プレートの形成技法を用いて可能ではなかった。
【0068】
[0086]有孔プレートは、本明細書に記載のプロセスを用いて構築されており、これらの有孔プレートからのエアロゾル試験データは、性能比較のために以下表1に表される。表1は、本明細書中の実施形態による3つの光画成有孔プレート、および従来技術による3つの電鋳有孔プレートの試験結果を示す。
【0070】
[0087]表1では、TCAGは、チューブコアエアロゾル発生器の試料が試験されたことを示し、VMDは、有孔プレートから出る液滴のサイズに基づいて決定される体積メジアン径を示し、GSDは、幾何標準分布を示し、(D
84/D
50)の計算であり、スパンは、(D
90−D
10)/D
50の計算のスパンを示し、ただしDは、液滴サイズ分布の(添え字の数字によって示される)パーセンタイルでの液滴サイズであり、これは、マルバーン光散乱装置などの光散乱技法によって測定されたものであった。例えば、光画成ユニットP35については、光散乱法は、D
10=1.414μm、D
50=2.607μm、D
84=4.038μm、D
90=4.844μm、そしてGSD=D
84/D
50=1.549を測定する。電鋳ユニットF007については、光散乱法は、D
10=1.585μm、D
50=4.245μm、D
84=8.052μm、D
90=8.935μm、そしてGSD=D
84/D
50=1.897を測定する。
【0071】
[0088]比較によれば、光画成ユニットの液滴サイズ分布は、同じ値D
50を考えるときの電鋳のものについての液滴サイズ分布よりも79%狭く、このことは、エアロゾル化した薬剤の制御された液滴サイズがより良いことと、肺に送達された投与量がより効果的であったことを示す。
【0072】
[0089]表1から分かり得るように、本明細書に記載の方法によって生産される有孔プレート(P35、P42、P43)は、従来生産された(従来技術の)有孔プレート(F007、F038、F044)よりも小さいGSDを有する。より小さい液滴サイズ(1〜2μm近く)は、深い肺の送達を対象にするにはとても望ましいと考えられる。より小さいGSDは、有孔プレートによって生成される液滴サイズのより狭い分布に対応し、これは、肺への効果的な標的化送達(targeted delivery)にとって望ましい特性である。
【0073】
[0090]試験を受けて表1にまとめたユニットは、「ハイブリッド」有孔プレートである。ここで、「ハイブリッド」は、孔および有孔プレートの幾何学的形状が、フォトリソグラフィのプロセスによって画定されるが、有孔プレートは、Siまたはいくつかの他の基板材料の代わりに、ステンレス鋼の基板に作製され、基板から収穫されることを意味する。
【0074】
[0091]本明細書に記載の方法によって作製される第1のプロトタイプは、期待できる結果を示す。第1のプロトタイプは、平均液滴サイズ3.3μmで1.2mL/分の流量まで送達する。比較のために、典型的な電鋳有孔プレートデバイスは、より大きい平均液滴サイズ4.6μmで0.3mL/分の流量しか送達しない。光画成有孔プレートは、流量0.4mL/分でいっそう小さい液滴サイズの約2.7μmを送達することもできる。これは、従来技術の電鋳プロセスを用いて製造される有孔プレートを超えるかなりの改善である。際立った改善は、VMDがより小さい液滴サイズの送達、および例えば光画成有孔プレートについてのGSDおよびスパン対電鋳のもので、より狭いサイズ分布を実現することで達成される。孔のサイズ、孔の形状、および/またはサイズ分布の制御のさらなる改善は、ステンレス鋼の基板が高品質Si基板に置き換えられる十分な光画成のプロセスで期待される。したがって、より精密に制御された孔のサイズは、表1の結果に示される本発明のフォトリソグラフィのプロセスから実現することができる。
【0075】
[0092]いくつかの実施形態によれば、有孔プレートは、約4μLから約30μLの液体の体積が、約1000個の孔を有する有孔プレートを用いて約1秒未満の時間内でエアロゾル化できるように構築され得る。さらに、本発明の有孔プレートによるエアロゾル化に起因する液滴サイズおよび液滴サイズ分布は、多くの実施形態における約40%または50%または60%、70%または80%または90%または95%または98%または99%より大きい(例えば、深い肺に到達する液滴の量である)吸入可能量(respirable fraction)に成り得る。1つまたは複数の実施形態では、この吸入可能量は、前もって参照により組み込まれる米国特許第5,164,740号、米国特許第5,586,550号、および米国特許第5,758,637号に記載されたもののように、本発明の有孔プレートを圧電駆動型の振動メッシュ式噴霧器と共に用いることによって実現される。このようにして、薬剤は、エアロゾル化され、次いで患者によって効率的に吸い込まれ得る。
【0076】
[0093]次に
図8A〜
図8Bを参照すると、一実施形態による振動メッシュ式噴霧器が示される。
図8Aに示されるように、有孔プレート800は、球面、放物面、または任意の他の湾曲であり得るドーム形状にあるような湾曲を有するように構成することができる。もちろん、他の実施形態では、有孔プレート800は、ほぼ平坦であってもよく、
図8A〜
図8Bに示される構成に限定されない。有孔プレート800は、その大部分にわたってドーム部分808を有するように形成することができ、これは有孔プレート800の中心と同心であり得、したがってほぼ平坦な周辺リング部分812である有孔プレート800の一部を残す。有孔プレート800は、第1の面804と、第2の面806とを有し得る。
図8Bに示されるように、有孔プレート800は、内部を貫く複数の孔814も有することができる。第1の面804は、ドーム部分808の凹状側を含むこができ、第2の面806は、有孔プレート800のドーム部分808の凸状側を含むことができる。孔814は、第1の面804にある入口810に広い部分、および有孔プレート800の第2の面806にある放出口816に狭い部分を有するように先細りであってもよく、または入口810から放出口816までほぼ真っ直ぐであってもよい。
【0077】
[0094]典型的には、液体は、有孔プレート800の(液体供給側とも呼ばれる)第1の面804に配置され、そこで液体は、孔814の入口810に引き込まれることができ、エアロゾル化ミストまたはクラウド822として、有孔プレート800の第2の面806にある孔814の放出口816から放出される。
【0078】
[0095]有孔プレート800は、エアロゾルアクチュエータ802に取り付けられ、有孔プレート800は、それらを通じて孔810を画定する。これは、有孔プレート800のドーム部分808が、エアロゾルアクチュエータ802の孔810を通じて突出し、有孔プレート800の第2の面806上のほぼ平坦な周辺リング部分812は、エアロゾルアクチュエータ802の第1の面820に当接するようになされ得る。有孔プレート800がほぼ平坦である別の実施形態では、孔814が配置される有孔プレート800の部分は、エアロゾルアクチュエータ802の孔810に配置することができる。振動要素840が設けられてもよく、エアロゾルアクチュエータ802の第1の面820上に取り付けられてもよく、またはあるいは、エアロゾルアクチュエータ802の対向する第2の面830に取り付けられてもよい。有孔プレート800は、有孔プレート800の孔814を通じて第1の面804から第2の面806へ液体を引き出すように振動することができ、そこで液体は、孔814から霧状ミストとして放出される。
【0079】
[0096]いくつかの手法では、有孔プレート800は、振動要素840によって振動されてもよく、振動要素840は、好ましい実施形態では圧電素子であり得る。振動要素840は、エアロゾルアクチュエータ802に取り付けることができ、振動要素840の振動は、エアロゾルアクチュエータ802を通じて有孔プレート800に機械的に伝達することができるようになっている。振動要素840は、環状であってもよく、例えば同軸の配置で、エアロゾルアクチュエータ802の孔810を囲んでもよい。
【0080】
[0097]いくつかの実施形態では、回路860は、電源から電力を供給できる。回路860は、振動要素840、したがって有孔プレート800を振動させる働きをすることができるスイッチを含むことができ、およびこのやり方で実行されるエアロゾル化は、スイッチの動作の数ミリ秒以内で実現することができる。回路860は、コントローラ870、例えば、マイクロプロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)などを含んでもよく、これらは振動要素840に電力を供給して、エアロゾル化を行うための信号の数ミリ秒以内でエアロゾル化した液体を有孔プレート800から生じさせる。
【0081】
[0098]場合によっては、本明細書に記載の有孔プレートは、非振動応用で使用することができる。例えば、有孔プレートは、液体が孔を通じて押し出される非振動ノズルとして使用されてもよい。一例として、熱エネルギーまたは圧電エネルギーを用いて液体をノズルを通じて押し出す有孔プレートは、インクジェットプリンタと共に使用することができる。様々な実施形態による本明細書に記載の有孔プレートは、耐腐食性構造および潜在的により微細な孔のサイズのため、非振動ノズルとしてインクジェットプリンタと共に使用されるとき有利であり得る。本発明の有孔プレートは、非薬物送達医学的応用、燃料噴射、精密な液体の付着、およびエアロゾル化が有用であり、特に利益が高スループットと小さく、精密な液滴(粒子)サイズの組み合わせから実現される他の応用など、他の流体送達応用に適している可能性がある。多くの応用では、様々な実施形態による本明細書に説明されるような孔を製造する方法は、精密な液滴サイズの制御が、生産される有孔プレートの重要な点でない場合でも、コストおよび/または効率の利益をもたらすことができる。
【0082】
[0099]様々な実施形態を上述してきたが、それらは例として示されてきたものに過ぎず、限定ではないことを理解されたい。したがって、好ましい実施形態の広さおよび範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびその均等物に従ってのみ定められるべきである。
以上説明したように、本発明は以下の形態を有する。
[形態1]
有孔プレートを製造する方法であって、
解放可能なシード層を基板上に堆積させるステップと、
所望の孔のパターンに対するネガパターンを有する第1のパターン付きフォトリソグラフィ・マスクを前記解放可能なシード層上に施すステップと、
前記第1のマスクによって画定される、前記解放可能なシード層の露出部分上に第1の材料を電気めっきするステップと、
第1の空洞に対するネガパターンを有する第2のフォトリソグラフィ・マスクを前記第1の材料上に施すステップと、
前記第2のマスクによって画定される、前記第1の材料の露出部分上に第2の材料を電気めっきするステップと、
両マスクを除去するステップと、
前記解放可能なシード層をエッチングして前記第1の材料および前記第2の材料を解放するステップと
を含み、
前記第1の材料および前記第2の材料が、液体をエアロゾル化するのに用いるための有孔プレートを形成する、方法。
[形態2]
前記第1のパターン付きフォトリソグラフィ・マスクが、約1μmから約5μmの間の直径を有する前記第1の材料に孔を付与する、形態1に記載の方法。
[形態3]
前記孔の近くの前記第1の材料が、前記孔の直径から独立している厚さに形成される、形態1に記載の方法。
[形態4]
前記孔のピッチおよび前記孔の直径が、前記孔を通る前記エアロゾル化した液体の流量が制御されるように選ばれる、形態1に記載の方法。
[形態5]
第2の空洞に対するネガパターンを有する第3のフォトリソグラフィ・マスクを前記第2の材料上に施すステップと、
前記第3のマスクによって画定される露出エリア上に第3の材料を電気めっきするステップと、
3つのマスク全部を除去するステップと
をさらに含み、
前記第2の空洞が、前記第1の空洞上にあり、
前記第2の空洞の内径が、前記第1の空洞の内径より大きい、
形態1に記載の方法。
[形態6]
前記第1の材料、前記第2の材料、および前記第3の材料が、同じ材料である、形態5に記載の方法。
[形態7]
前記孔の近くの前記第1の材料の厚さが、前記孔のパターン中の前記孔の配置密度から独立している、形態1に記載の方法。
[形態8]
前記有孔プレートが、自動プロセスにおいて形成される、形態1に記載の方法。
[形態9]
前記第1の材料および前記第2の材料が、同じ材料である、形態1に記載の方法。
[形態10]
前記第1の材料および前記第2の材料が、前記エアロゾル化した液体に対する耐性を有する電気めっき可能な材料を含む、形態1に記載の方法。
[形態11]
液体をエアロゾル化するのに用いるための有孔プレートであって、
複数の孔を有し、フォトリソグラフィ・プロセスによって形成される特徴を有する第1の材料と、
前記第1の材料中の前記複数の孔の上に第1の空洞を有する、前記第1の材料上の第2の材料であって、フォトリソグラフィ・プロセスによって形成される特徴を有する第2の材料と
を備え、
前記第1の材料および前記第2の材料が、有孔プレートを形成する、有孔プレート。
[形態12]
前記第1の材料の前記複数の孔の各々が、約1μmから約5μmの間の直径を有する、形態11に記載の有孔プレート。
[形態13]
前記複数の孔の近くの前記第1の材料の厚さが、約5μmから約10μmの間である、形態11に記載の有孔プレート。
[形態14]
前記第1の材料および前記第2の材料が、Ni、Co、Pd、Pt、およびその合金の少なくとも1つを含む、形態11に記載の有孔プレート。
[形態15]
第2の空洞を前記第2の材料上に有する第3の材料
をさらに備え、
前記第3の材料が、電気めっきプロセスによって形成される特徴を有し、
前記第2の空洞が、前記第1の空洞上にあり、
前記第2の空洞の内径が、前記第1の空洞の内径よりも大きい、
形態11に記載の有孔プレート。
[形態16]
前記第1の材料および前記第2の材料が、エアロゾル化した液体に対する耐腐食性を有する電気めっき可能な材料を含む、形態11に記載の有孔プレート。
[形態17]
液体のエアロゾル化に用いるのに適合された有孔プレートであって、
a)解放可能なシード層を基板上に堆積させるステップと、
b)所望の孔のパターンに対するネガパターンを有する第1のパターン付きフォトリソグラフィ・マスクを前記解放可能なシード層上に施すステップと、
c)前記第1のマスクによって画定される、前記解放可能なシード層の露出部分上に第1の材料を電気めっきして、前記第1の材料を貫く複数の孔を有するほぼ平坦な構造を形成するステップと、
d)前記複数の孔上に位置する第1の空洞に対するネガパターンを有する第2のフォトリソグラフィ・マスクを前記第1の材料上に施すステップと、
e)前記第1の材料の露出部分上に、前記第2のマスクによって画定される第2の材料を電気めっきするステップと、
f)両マスクを除去するステップと、
g)前記解放可能なシード層をエッチングして、前記第1の材料および前記第2の材料を解放するステップと
を含むプロセスによって生産される液体のエアロゾル化に用いるのに適合された、有孔プレート。
[形態18]
前記第1の材料の前記複数の孔の各々が、約1μmから約5μmの間の直径を有する、形態17に記載の有孔プレート。
[形態19]
前記複数の孔の近くの前記第1の材料の厚さが、約5μmから約10μmの間である、
形態17に記載の有孔プレート。
[形態20]
前記第1の材料および前記第2の材料が、Ni、Co、Pd、Pt、およびその合金の少なくとも1つを含む、形態17に記載の有孔プレート。
[形態21]
前記第1の材料および前記第2の材料が、エアロゾル化した液体に対する耐腐食性を有する電気めっき可能な材料を含む、形態17に記載の有孔プレート。
[形態22]
前記プロセスが、
h)第2の空洞が、前記第1の空洞上に位置し、前記第2の空洞の内径が、前記第1の空洞の内径よりも大きい、前記第2の空洞に対するネガパターンを有する第3のフォトリソグラフィ・マスクを前記第2の材料上に施すステップと、
i)前記第3のマスク上で前記第2の材料の露出部分に第3の材料を電気めっきするステップと、
j)3つのマスク全部を除去するステップと
をさらに含む、形態17に記載の有孔プレート。
[形態23]
前記第1の材料、前記第2の材料、および前記第3の材料が、エアロゾル化した液体に対する耐腐食性を有する電気めっき可能な材料を含む、形態22に記載の有孔プレート。
[形態24]
液体をエアロゾル化するのに用いるための有孔プレートであって、
複数の第1の孔を有し、フォトリソグラフィ・プロセスによって形成される特徴を有する第1の材料であって、前記複数の第1の孔が、ほぼ円筒形形状を画定する第1の材料と、
前記第1の材料上にあり、前記第1の材料中の複数の第2の孔上に第1の空洞を有する第2の材料であって、前記第2の材料が、フォトリソグラフィ・プロセスによって形成される特徴を有し、前記複数の第2の孔が、ほぼ円筒形形状を画定する、第2の材料と
を備え、
前記第1の材料および前記第2の材料が、有孔プレートを形成する、有孔プレート。
[形態25]
前記複数の第1の孔および前記複数の第2の孔が、前記有孔プレートにジグラット形状を描く、形態24に記載の有孔プレート。
[形態26]
前記複数の第1の孔および前記複数の第2の孔の各々が、前記有孔プレートにほぼ直円柱の部分を描く、形態25に記載の有孔プレート。
[形態27]
複数の前記第1の孔が、前記複数の第2の孔の各々によって外接される範囲内で前記第1の材料に形成される、形態24に記載の有孔プレート。
[形態28]
前記複数の第1の孔および前記複数の第2の孔の各々が、前記有孔プレートにほぼ直円柱の部分を描く、形態27に記載の有孔プレート。
[形態29]
振動エネルギーを前記有孔プレートに与えるための振動要素をさらに備え、それによって約1μmから約6μmの間の液滴が放出される、形態24に記載の有孔プレート。