(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弾性シートは、前記支持部又は前記保持部の表面に設けられた凹部に一部が埋め込まれ、上部が前記支持部又は前記保持部の表面から突出していて、前記一対の基板の貼り合せの押圧力により前記弾性シートが垂直方向に収縮して前記上部が前記凹部内に後退し、前記弾性シートは前記遅延接触部と同じ高さとなることを特徴とする請求項1記載の基板貼合装置。
前記弾性シートは、前記第1又は第2の基板と接する際に、前記第1又は第2の基板との接触面が、前記接着層の前記第1又は第2の基板に付着する面と、略同じ又は小さい大きさを有することを特徴とする請求項1記載の基板貼合装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態(以下、実施形態と呼ぶ)について、図面を参照して具体的に説明する。基板を貼り合せて製造される表示装置用部材には、表示モジュールとカバーパネルを積層した部材のように表示機能を備えた部材も、カバーパネルとタッチパネルを積層した部材のようにその部材だけでは表示機能を備えていない部材も含まれる。実施形態では、表示装置用部材の製造装置の一例として、液晶表示パネルの製造装置(以下、単に「表示パネル製造装置」という)を用いる。また、基板貼合装置において貼り合せされる一対の基板の例として、液晶パネルと、液晶パネルをカバーする保護パネルを用いる。すなわち、液晶パネルと保護パネルを積層して貼り合せることによって、液晶表示パネルが構成される。
【0019】
[第1の実施形態]
[構成]
(表示パネル製造装置)
図1に示すように、表示パネル製造装置100は、塗布部1、貼り合せ部2、硬化部3及び搬送部4を備える。表示パネル製造装置100は、また、制御装置7を備えている。制御装置7は、各部を構成する装置の動作の制御や、基板の搬送タイミングの制御を行う。
【0020】
搬送部4は、液晶パネルS1及び保護パネルS2を各部へ搬送する搬送手段とその駆動機構から構成される。搬送手段は、たとえば、ターンテーブル、コンベア等が考えられるが、上記各部の間で基板を搬送可能なものであれば、どのような装置であってもよい。
【0021】
液晶パネルS1及び保護パネルS2は、ローダ5によって表示パネル製造装置100に搬入され、搬送部4で搬送される。搬送部4に沿って塗布部1、貼り合せ部2及び硬化部3が配置されており、不図示のピックアップ手段によって、液晶パネルS1及び保護パネルS2の各部への搬入及び搬出がなされる。各部での、以下に詳述する工程を経て、液晶表示パネルLが製造され、アンローダ6によって表示パネル製造装置100から搬出される。
【0022】
(塗布部)
塗布部1は、
図2に示すように、基板の表面に接着剤Rを塗布する接着剤塗布装置10を備える。接着剤Rの塗布は、液晶表示パネルを構成する液晶パネルS1と保護パネルS2のいずれか一方に行っても良く、あるいは双方に行っても良い。本実施形態では、液晶パネルS1の表面に接着剤Rを塗布する例について説明する。
【0023】
接着剤塗布装置10は、搬送部4で搬送され、不図示のピックアップ手段によって塗布部1に搬入された液晶パネルS1が載置されるステージ11と、ステージ11上に配置された塗布ユニット12とUV照射ユニット13を備える。
【0024】
塗布ユニット12は、液晶パネルS1に対して接着剤Rを塗布する。塗布ユニット12は、接着剤Rを収容するタンクTと、配管を介してタンクTに接続されたディスペンサ14とを備えている
。ディスペンサ14として、たとえば、先端にスリット
状のノズルを備えたスリットコータを用いることができる。ディスペンサ14は走査装置(図示せず)によってステージ11上を移動可能に構成され、タンクTに収容された接着剤Rを液晶パネルS1に吐出する。また、走査装置によって接着剤Rの塗布領域を調整可能である。また、塗布ユニット12は、不図示の進退駆動手段を備えており、塗布ユニット12をステージ11に対して進退可能に駆動する。もちろん、塗布ユニット12とステージ11が相対的に移動されれば良く、ステージ11が駆動されても良い。
【0025】
図2(A)に示すように、塗布ユニット12がステージ11上に進入し、ディスペンサ14のノズルから液晶パネルS1に接着剤Rを吐出する。このディスペンサ14を、走査装置によって走査することによって、液晶パネルS1の表面全体に、接着剤Rが行き渡るように供給していく。ただし、液晶パネルS1の外縁はわずかに残すように接着剤Rは塗布される。後述する貼り合せ部2における貼り合せの際に、接着剤Rが伸展して液晶パネルS1からはみ出すことを防ぐためである。なお、ディスペンサ14としてスリットコータを用いた場合、
図2(B)に示すように、外縁部に盛り上がりが生じる。塗布が完了すると、塗布ユニット12はステージ11上から退避する。
【0026】
UV照射ユニット13は、紫外線(UV)を発することができる1つまたは複数のランプやLED等から構成されており、ステージ11上に配置されている。
図2(C)に示すように、UV照射ユニット13は、液晶パネルS1の表面に塗布された接着剤Rに対して、UV照射を行う。
【0027】
本実施形態において、接着剤Rは紫外線(UV)硬化樹脂を用いる。そのため、UV照射によって接着剤Rは硬化する。ただし、この塗布部1におけるUV照射は、弱い照射強度で、あるいは酸素阻害が起きるように大気下で行われている。そのため、接着剤Rは、未硬化部分が残留した状態を広く含む、いわゆる仮硬化の状態となる。すなわち、UV照射ユニット13は表示パネル製造装置の仮硬化部として機能する。これによって、
図2(D)に示すように、液晶パネルS1の表面には、接着剤Rが仮硬化された、所定の厚みを有する接着層R1が形成される。なお、上述したようにディスペンサ14としてスリットコータを用いた場合には、接着層R1の上面側の外縁部は盛り上がり、そのすぐ内側には凹みが生じる。
【0028】
仮硬化の状態となることによって、接着層R1の流動が抑制され、後述する貼り合せまでの搬送等の時間や貼り合せにおいて、塗布形状のくずれやパネル外への接着層R1のはみ出しが防止される。なおかつ、未硬化部分が残留しているため、接着層R1の接着性やクッション性は維持される。
【0029】
ただし、仮硬化状態でも、接着層R1には若干の流動性が残る。上述したように、接着剤Rは液晶パネルS1の表面全体に行き渡るように塗布されるが、液晶パネルS1の縁部分をわずかに残すように塗布は行われる。これによって、後述の貼り合せにおいて、接着層R1はパネルのわずかに残った部分にも行き渡るとともにパネル外への過大なはみ出しが防止される。
【0030】
接着層R1が形成された液晶パネルS1は、不図示のピックアップ手段によって塗布部1から搬出され、搬送部4で搬送され、貼り合せ部2に搬入される。ここで、保護パネルS2も、貼り合せ部2に搬入される。液晶パネルS1と保護パネルS2の搬送タイミングは、貼り合せ部2で合流することができるように調整すれば良く、一つに限定されるものではない。
【0031】
例えば、保護パネルS2を液晶パネルS1と同時に表示パネル製造装置100に搬入するが、塗布部1は通過して先に貼り合せ部2に搬入する。そして、液晶パネルS1が塗布部1で接着剤Rを塗布されている間は、貼り合せ部2において待機していても良い。あるいは、保護パネルS2は、液晶パネルS1よりも後のタイミングで表示パネル製造装置100に搬入し、塗布部1での塗布が完了した液晶パネルS1と同じタイミングで貼り合せ部2に搬入するようにしても良い。
【0032】
(貼り合せ部)
貼り合せ部2は、
図3に示すように、液晶パネルS1と保護パネルS2を積層して貼り合せる基板貼合装置20を備える。基板貼合装置20は、チャンバ21内に下側プレート22と上側プレート23を対向配置した構成となっている。チャンバ21は上下動が可能であり、上方に移動すると下側プレート22と上側プレート23が外部に開放され液晶パネルS1と保護パネルS2が搬入可能となる。下方に移動すると下側プレート22と上側プレート23はチャンバ21内に収容され、チャンバ21内部に密閉空間が形成される。チャンバ21は不図示の排気手段によって内部圧力を調整可能となっている。つまり、液晶パネルS1と保護パネルS2が搬入されると、チャンバ21が下降して内部が密閉された上で減圧され、減圧雰囲気下で貼り合せが行われるようになっている。
【0033】
下側プレート22は、支持部として、プレート上に載置された基板を支持する。上側プレート23は、保持部として、基板を保持機構により保持する。本実施形態では、
図4(A)に示すように、下側プレート22に、接着剤Rが塗布された液晶パネルS1が支持され、上側プレート23に保護パネルS2が保持される場合を例として説明する。
【0034】
上側プレート23の保持機構として、たとえば、静電チャック、メカチャック、真空チャック、粘着チャック等、現在又は将来において利用可能なあらゆる保持機構が適用可能である。複数のチャックを併用することも可能である。上側プレート23には、駆動部として、昇降機構25が備えられている。この昇降機構25によって、上側プレート23は下側プレート22に接離可能に移動し、
図4(B)に示すように、上側プレート23に保持された保護パネルS2を下側プレート22に支持された液晶パネルS1に押し付けて積層する。液晶パネルS1と保護パネルS2は、液晶パネルS1の表面に形成された接着層R1を介して貼り合わされ、積層パネルS10が形成される。
【0035】
下側プレート22は、載置された液晶パネルS1の位置がずれないように、上側プレート23と同様の保持機構を備えていても良い。
図3に示すように、下側プレート22の、液晶パネルS1が載置される上面には断面視矩形の凹部22aが設けられている。この凹部22aには、弾性シート24が埋め込まれている。弾性シート24の厚みは、凹部22aの深さよりも大きくなっている。そのため、弾性シート24の上部が下側プレート22の表面から突出している。弾性シート24は、凹部22aから外れないように、両面テープや接着剤等を用いて凹部22aに取り付けても良い。あるいは、弾性シート24の下面を凹部22aの底面と同じ大きさとなるように構成し、凹部22aに嵌め込むようにして埋め込んでも良い。
【0036】
弾性シート24は、例えば、シリコンゴムやフッ素ゴム、ウレタンゴムなどの軟質樹脂により形成され、押圧によって収縮する。そのため、弾性シート24は、貼り合せの際に上側プレート23からの押圧力によって垂直方向に収縮していき、突出している上部は凹部22a内に押し込まれる。これによって、
図4(B)に示すように、弾性シート24は下側プレート22と同じ高さとなり、下側プレート22と共に一つの平坦面を構成する。
【0037】
弾性シート24は、液晶パネルS1の表面に形成された接着層R1と相似形状であり、かつ接着層R1と略同じか、それよりも小さくなるように決定される。具体的には、弾性シート24の上面、すなわち液晶パネルS1と接触する面の大きさが、接着層R1の液晶パネルS1に付着している側の面の大きさと略同じか小さくなるようにする。そして、液晶パネルS1が下側プレート22上に載置される際に、上から見て、下側プレート22上に配置された弾性シート24が、液晶パネルS1の表面に形成された接着層R1に概ね重なるように、液晶パネルS1の位置合わせが行われる。
【0038】
弾性シート24が接着層R1と略同じか、それよりも小さくなるように決定されているため、接着層R1が塗布されていない液晶パネルS1の外縁部分も、当然弾性シート24からはみ出すことになる。液晶パネルS1の外縁部分は、貼り合せの初期段階においては押圧されないことになるが、弾性シート24が収縮して凹部22a内に押し込まれると、外縁部分は下側プレート22の凹部22aを囲む部分に接触し、この部分に押圧されることになる。すなわち、下側プレート22の凹部22aを囲む部分は、前記弾性シート24が収縮した後にのみ、液晶パネルS1の外縁部分に接触する遅延接触部22bとして作用する。
【0039】
この弾性シート24と遅延接触部22bが貼り合せの際にどのように作用するかについて、
図5を用いてより具体的に説明する。
図5(A)は貼り合せの初期段階、
図5(B)は貼り合せの後期段階を示している。
【0040】
図5(A)に示すように、上側プレート23が下降し、両パネルを介して下側プレート22を押圧すると、下側プレート22から上側プレート23を押圧する反力が生じる。ここで、下側プレート22と液晶パネルS1の間には弾性シート24が介在しているため、反力は弾性シート24を介して、液晶パネルS1から接着層R1に伝達される。接着層R1は押圧力を受けて水平方向に伸展し、接着層R1の外縁部の盛り上がりも押し潰されて、パネル外縁に及ぶ。このとき、図中に破線の丸囲みで示しているように、液晶パネルS1の外縁部分は、弾性シート24に押圧されていない状態である。
【0041】
弾性シート24自体も、上側プレート23からの押圧力によって垂直方向に圧縮されて下降していくため、接着層R1にかかる圧力は均一に保たれる。そして、最終的には、
図5(B)に示すように、弾性シート24の突出していた上部が凹部22a内に収まる。これによって、弾性シート24と下側プレート22の凹部22aを囲む部分である遅延接触部22bは同じ高さとなり、フラットな面を形成する。貼り合せの初期段階では押圧されていなかった液晶パネルS1の外縁部分は、図中に破線の丸囲みで示しているように、遅延接触部22bに接触して支持される。すなわち、この遅延接触部22bがストッパーとなり、液晶パネルS1の過度の押し込みが防止される。
【0042】
さらに、液晶パネルS1全体にフラットな面となった下側プレート22の押圧力が伝達される。結果として、保護パネルS2と液晶パネルS1は、それぞれ上側プレート23と下側プレート22によって平行に押圧される。この仕上げとなる平行出しによって、歪みの少ない積層パネルS10が形成される。
【0043】
ここで、基板貼合装置20が弾性シート24を備えておらず、液晶パネルS1が下側プレート22上に直接載置された場合に、生じ得る事態について説明する。
図6(A)に示すように、液晶パネルS1にうねりやしなりがあってその表面が不均一な状態であった場合には、下側プレート22と液晶パネルS1の間にはわずかな隙間が生じる。この隙間によって、接着層R1に下側プレート22の押圧力が接着層R1に均一に伝達されない可能性がある。特に、上述したように、接着剤Rの塗布にスリットコー
タを用いた場合には、接着層R1の外縁部に盛り上がりが生じ、さらにその内側に凹んだ部分が生じることがある。この盛り上がりを十分に伸展できなければ、
図6(B)に示すように、盛り上がりの内側の凹んだ部分が残ってしまう可能性がある。特に、接着剤の塗布後貼り合せ前に仮硬化を行った場合、接着剤は伸展し難くなるので、その影響は顕著となる。
【0044】
上述したように、チャンバ21内部は減圧されているため、基板の間に空気が入り込むことは多くはないが、このように接着層R1を伸展しきれず凹んだ部分が残ると、気泡状の間隙(真空泡)が形成されることがある。なお、このような真空泡の多くは貼り合せ部2から搬出されて大気圧に戻されると、大気圧によって押し潰されて消滅するが、接着剤の状態、特に表面形状によっては潰しきれずに残るものもある。
【0045】
一方、大気下で貼り合せを行った場合には、接着層R1が伸展しきれず残った凹みの部分には、当然空気が存在し、さらにこの空気が反発力を持つことによって、気泡が発生する可能性がより高まる。なお、上述の気泡状の間隙すなわち真空泡や気泡を合わせて、本実施形態ではボイドとして表現する。
【0046】
一方、弾性シート24がある場合には、
図7(A)に示すように、弾性シート24が撓んでうねりやしなりに沿うため、下側プレート22の押圧力は、接着層R1全面に均一に伝達される。
図7(B)に示すように、接着層R1の外縁部は十分に伸展され、内側の凹んだ部分を含め均されて均一にされる。これによって、ボイドの発生が低減される。
【0047】
さらに、上述したように、弾性シート24は接着層R1と略同じか、それより小さい大きさとなっている。そして、液晶パネルS1は、上面から見て接着層R1が弾性シート24と概ね重なるように位置合わせされる。
【0048】
図8の比較例に示すように、弾性シート24が接着層R1より大きい
場合、液晶パネルS1の、接着層R1が形成されていない縁の部分が、弾性シート24によって余分に押し上げられる可能性がある。それによって、液晶パネルS1の縁の部分がしなって、接着層R1を内側に押す力が働く。これによって接着層R1のパネル外縁方向への伸展が阻害され、外縁部の盛り上がりが十分に押し潰されず、凹み部分が残り、ボイドが生じてしまう可能性がある。本実施形態では、弾性シート24を、接着層R1と略同じか、それより小さい大きさとすることで、外縁部に余分な力が働くことを防ぐことができる。
【0049】
なお、弾性シート24を接着層R1より小さくした場合、接着層R1に弾性シート24によって押圧されない部分が生じることも考えられるが、上述したように、弾性シート24は凹部22aに埋め込まれており、貼り合せが進むと弾性シート24は下側プレート22の凹部22a内に押し込まれる。そして、液晶パネルS1の外縁部分が遅延接触部22bによって押圧される。すなわち、接着層R1は最終的には下側プレート22によって万遍なく押圧されるため、接着層R1の外縁部の盛り上がりも含めて十分に伸展させることができる。
【0050】
図9の比較例に示すように、弾性シート24が接着層R1よりも小さくかつ下側プレート22の凹部22a内に埋め込まれない場合は、液晶パネルS1の外縁部分がいつまでも押圧されない状態となってしまい、接着層R1の盛り上がりが十分に伸展されず、ボイドが発生してしまう可能性がある。
【0051】
ところで、本実施形態の目的から当然に導き出されることであるが、「略同じ」とは完全に同一である必要はない。液晶パネルS1の外縁部に余分な力がかかってボイドが生じる現象が起こらない程度であれば、誤差があってもよい。
【0052】
液晶パネルS1と保護パネルS2を貼り合せて形成された積層パネルS10は、不図示のピックアップ手段によって貼り合わせ部2から搬出され、搬送部4で搬送され、硬化部3に搬入される。
【0053】
[硬化部]
図10に示すように、硬化部3は、塗布部1において仮硬化された接着層R1を本硬化する硬化装置30を備える。硬化装置30は、積層パネルS10が載置されるステージ31と、ステージ31上に配置されたUV照射ユニット33を備える。UV照射ユニット33は、紫外線(UV)を発することができる1つまたは複数のUVランプやLED等から構成されている。UV照射ユニット33の照射強度は、塗布部1において仮硬化された接着層R1を完全に硬化するのに必要な紫外線を照射することができるように調節されている。もちろん、仮硬化を伴わない接着層を完全に硬化する場合も同様である。
【0054】
なお、表示パネル製造装置は、塗布部1、貼り合せ部2及び硬化部3の前後又はその間に別の工程を行っても良い。そのために、表示パネル製造装置は、例えば、塗布部1の前段又は貼り合せ部2の前段で基板の外観を撮像して位置合わせを行う位置合わせ部や、完成した液晶表示パネルを梱包するテーピングユニット等を備えても良い。
【0055】
[作用]
以上のような構成を有する本実施形態の作用を説明する。
【0056】
まず、
図1に示すように、液晶パネルS1及び保護パネルS2が、ローダ5によって表示パネル製造装置100に搬入され、搬送部4で搬送される。液晶パネルS1が不図示のピックアップ手段によって塗布部1に搬入され、
図2に示すように、接着剤塗布装置10のステージ11に載置される。
【0057】
液晶パネルS1がステージ11に載置されると、塗布ユニット12がステージ11上に進入する。タンクTに収容された接着剤Rがディスペンサ14を介して液晶パネルS1の表面に塗布される(
図2(A))。走査装置によってディスペンサ14を走査することによって、
図2(B)に示すように、接着剤Rは液晶パネルS1の縁の部分をわずかに残して全面に行き渡るように塗布される。接着剤Rの塗布が終わると、塗布ユニット12はステージ11上から退避する。
【0058】
次いで、UV照射ユニット13によって、接着剤Rに対してUV照射が行われ、接着剤Rは仮硬化の状態となる(
図2(C)及び(D))。これによって液晶パネルS1の表面に所定の厚みを有する接着層R1が形成される。
【0059】
接着層R1が形成された液晶パネルS1は、塗布部1から搬出され、再び搬送部4で搬送される。続いて、不図示のピックアップ手段によって貼り合せ部2に搬入され、
図3(A)に示すように、基板貼合装置20の下側プレート22に載置される。このとき、接着層R1が形成された表面が上を向くように載置される。保護パネルS2も貼り合せ部2に搬入され、上側プレート23に受け渡されて保持機構により保持される。このとき、チャンバ21は上方に移動しているため、下側プレート22と上側プレート23は開放されている。両パネルの搬送が完了するとチャンバ21は下方に位置するように駆動され、下側プレート22と上側プレート23をチャンバ21の内部に収容する。チャンバ21内部には密閉空間が形成され、図示しない排気手段によって密閉空間内が減圧される。
【0060】
そして、
図3(B)に示すように、上側プレート23が下側プレート22に向かって下降し、上側プレート23に保持されている保護パネルS2を、下側プレート22に支持されている液晶パネルS1に押し付ける。液晶パネルS1表面に形成された接着層R1は、液晶パネルS1を介して下側プレート22に押圧され、両パネルに密着することにより、両パネルを貼り合せる。貼り合せの際に、下側プレート22に取り付けられた弾性シート24によって、接着層R1が押圧され、ボイドの発生が低減される。
【0061】
液晶パネルS1と保護パネルS2の貼り合せが完了すると、減圧状態が解除され、チャンバを上方に移動し、密閉空間が開放される。積層パネルS10は、貼り合せ部2から搬出され、再び搬送部4で搬送される。続いて、不図示のピックアップ手段によって硬化部3へ搬入される。なお、貼り合せ部2から硬化部3への搬送の過程で、積層パネルS10を一定時間、大気中で放置しても良い。この放置時間において、積層パネルS10が大気圧によって押圧されて安定する。また、接着層R1にボイドが残留していても、十分な時間放置することによって、ボイドも低減させることができる。
【0062】
硬化部3においては、
図10に示すように、積層パネルS10はステージ31に載置され、UV照射ユニット33によって、仮硬化された接着層R1が完全に硬化するのに必要な強度の紫外線が照射され、接着層R1の本硬化が完了する。
【0063】
[効果]
(1)本実施形態の基板貼合装置20は、液晶パネルS1と保護パネルS2を、液晶パネルS1の表面に形成された接着層R1を介して貼り合わせるものであり、液晶パネルS1を支持する支持部としての下側プレート22と、保護パネルS2を液晶パネルS1に対向する位置において保持する保持部としての上側プレート23と、上側プレート23を駆動することにより接着層R1を介して液晶パネルS1と保護パネルS2を貼り合せる昇降機構25と、下側プレート22の表面上に設けられ、接着層R1と相似形状でかつ略同じ又は小さい大きさを有し、液晶パネルS1の接着層R1が形成された部分のみを押圧しながら収縮する弾性シート24と、弾性シート24が収縮した後にのみ前記第1又は第2の基板の外縁部分に接触する遅延接触部22bとを備える。
【0064】
弾性シート24が液晶パネルS1を介して接着層R1を押圧する。これによって、液晶パネルS1にうねり等が存在して不均一であっても、弾性シート24が不均一な液晶パネルS1に沿うことができるため、接着層R1を均一に押圧することができ、接着層R1が基板と密着して、ボイドの発生を低減することができる。弾性シート24は、また、接着層R1と相似形状でかつ略同じ又は小さい大きさを有し、液晶パネルS1の接着層R1のみが形成された部分を押圧するため、接着層R1が形成されていない部分に余分な力をかけずに押圧することができる。
【0065】
また、弾性シート24は押圧が進むと収縮し、液晶パネルS1の外縁部分は、下側プレート22の遅延接触部22bに接触する。この遅延接触部22bがストッパーとなり、液晶パネルS1の過度の押し込みが防止される。さらに、液晶パネルS1全体に下側プレート22の押圧力が伝達されることになるため、上側プレート23と下側プレート22による平行出しが可能となり、歪みの少ない積層パネルS10が形成される。これによって、品質の良好な積層パネルS10を製造することが可能な基板貼合装置及び表示パネル製造装置を提供することができる。
【0066】
(2)弾性シート24は、下側プレート22の表面に設けられた凹部22aに一部が埋め込まれ、上部が下側プレート22の表面から突出している。貼り合せの押圧力により弾性シート24が垂直方向に収縮して上部が凹部22a内に後退し、弾性シート24は遅延接触部22bと同じ高さとなる。
【0067】
弾性シート24の突出していた上部が凹部22a内に収まることで、液晶パネルS1は下側プレート22に接触し、遅延接触部22bに支持されることになる。これによって、液晶パネルS1の過度の押し込みを防止することができる。また、弾性シート24と下側プレート22が一体になってフラットな面を形成し、上側プレート23と共に、保護パネルS2と液晶パネルS1を平行に押圧するため、歪みの少ない積層パネルS10が形成することができる。
【0068】
なお、弾性シート24の下側プレート22の表面から突出する上部の長さは、接着剤Rの粘度、弾性シート24の硬度及び貼り合せる基板の種類を考慮して、接着剤Rが十分に伸展し、かつ基板の過度な押し込みが防止されるようにすることができるように、適宜選択することができる。
【0069】
(3)遅延接触部22bは、下側プレート22の表面とすると良い。下側プレート22に一体的に形成することで、省スペースとすることができる。もちろん、下側プレート22は弾性シート24と同じ大きさとし、遅延接触部22bを別体として設けても良い。
【0070】
(4)弾性シート24は、液晶パネルS1と接する際に、液晶パネルS1との接触面が、接着層R1の液晶パネルS1に付着する面と、略同じ又は小さい大きさを有するようにすると良い。これによって、液晶パネルS1の接着層R1が形成されていない部分には余分な力が掛からない。接着層R1は十分に伸展して液晶パネルS1と保護パネルS2に密着し、ボイドの発生を低減することができる。
【0071】
(4)本実施形態の表示パネル製造装置100は、上述の基板貼合装置20を貼り合せ部2として備える。さらに、液晶パネルS1の表面に接着剤Rを塗布して接着層R1を形成する接着剤塗布装置10を塗布部1として備え、貼り合せ部2において貼り合わされた積層パネルS10の接着層R1を硬化させる硬化装置30を硬化部3として備え、液晶パネルS1及び保護パネルS2を、塗布部1、貼り合せ部2及び硬化部3の間で搬送する搬送部4とを備える。
【0072】
上記(1)で述べたように、基板貼合装置20においてボイドの発生を低減することができるため、本実施形態の表示パネル製造装置100は、品質の良好な液晶表示パネルLを製造可能であり、かつ製造効率も向上することができる。
【0073】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について、
図11〜
図13を参照して説明する。なお、第1の実施形態の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付与し詳細な説明を省略する。
【0074】
弾性シート24は、貼り合せの際に押圧力を受けて垂直方向に収縮するが、素材によっては水平方向に伸展することもある。そこで、第2の実施形態では、
図11に示すように、弾性シート24が埋め込まれた下側プレート22の凹部22a内に、弾性シート24の水平方向への伸展を吸収する伸展吸収部22cが設けられている。具体的には、弾性シート24を収容する凹部22aが弾性シート24よりも大きくなるように構成されており、凹部22a内の弾性シート24が収容されていない部分が伸展吸収部22cとなっている。
【0075】
図12(A)に示すように、貼り合せの際、弾性シート24は上側プレート23からの押圧力によって垂直方向に圧縮されて下降していくが、同時に水平方向へ伸展する。この水平方向への伸展は、伸展吸収部22cに吸収される。そして、
図12(B)に示すように、弾性シート24の突出していた上部が凹部22a内に収まり、弾性シート24と遅延接触部22bは同じ高さとなる。
【0076】
弾性シート24が水平方向に伸展する場合に、伸展吸収部22cが無いと、弾性シート24は垂直方向へ収縮しきれずに凹部22aの外側、すなわち遅延接触部22bにはみ出してしまうおそれがある。弾性シート24が遅延接触部22bにはみ出してしまうと、弾性シート24と遅延接触部22bは同じ高さとならず、遅延接触部22bは、液晶パネルS1の過度の押し込みを防止するストッパーの役割を果たせないおそれがある。また、上側プレート23と下側プレート22の平行出しも行えない可能性がある。
【0077】
第2の実施形態では、下側プレート22の凹部22a内に、弾性シート24の水平方向への伸展を吸収する伸展吸収部22cを設けたことによって、弾性シート24が遅延接触部22bにはみ出すことを防止することができる。
【0078】
図13(A)〜(D)に、伸展吸収部22cの変形例を示している。ここでは、わかりやすくするために下側プレート22及び弾性シート24の一端側の部分のみを拡大して図示しているが、他端側の部分も同じ構造である。
【0079】
図11及び
図12の例では、断面視矩形の凹部22aを単純に弾性シート24よりも大きくすることで伸展吸収部22cを構成した。しかしながら、伸展吸収部22cは弾性シート24の伸展を吸収できるものであれば良いため、凹部22aの形状は断面視略矩形に限られない。例えば、
図13(A)に示すように、上部開口縁から底面に向かうにしたがって径が狭くなっていくような形状、いわゆるすり鉢状に形成しても良い。
【0080】
また、例えば、
図13(B)に示すように、階段状に形成しても良い。
図13(C)に示すように、上部開口縁は弾性シート24と同じ大きさになっているが、底面に向かうにしたがって末広がりとなるような形状にしても良い。あるいは
図13(D)に示すように、凹部22aの側面の一部のみが外側へ膨出するような形状としても良い。なお、貼り合せの際に伸展吸収部22cが弾性シート24で充填され尽くす必要はない。弾性シート24の垂直方向の収縮を妨げなければよく、弾性シート24の伸展後に伸展吸収部22cに隙間が残ってもかまわない。
【0081】
[その他の実施形態]
(1)上述の実施形態では、基板貼合装置20の上側プレート23が液晶パネルS1を支持し、下側プレート22が保護パネルS2を保持していたが、これに限られない。下側プレート22が保護パネルS2を支持し、上側プレート23が液晶パネルS1を保持しても良い。
【0082】
(2)上述の実施形態では、液晶パネルS1の表面に接着剤Rを塗布したが、代わりに保護パネルS2の表面に塗布しても良い。あるいは、液晶パネルS1及び保護パネルS2の両方の表面に塗布しても良い。
【0083】
(3)上述の実施形態では、下側プレート22に弾性シート24を取り付けたが、代わりに上側プレート23に弾性シート24を取り付けても良い。あるいは、下側プレート22と上側プレート23の両方に弾性シート24を取り付けても良い。
【0084】
(4)上述の実施形態では、上側プレート23に昇降機構を設けたが、代わりに下側プレート22に昇降機構を設けても良い。あるいは、下側プレート22と上側プレート23の両方に昇降機構を設けても良い。
【0085】
(5)上述の実施形態では、表示装置用部材の例として、液晶パネルS1と保護パネルS2を貼り合せたものを説明したが、これらに限られず、大きさ、形状、材質等を問わず、各種の基板を用いることができる。例えば、表示モジュールを含むが表示装置としては完成していない製品、表示モジュールを含み表示装置として完成している製品、表示モジュールを含まず表示機能を有さない製品も、表示装置用部材に含まれる。表示装置としても、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等、貼り合わされる平板状の基板を有し、現在又は将来において利用可能な表示装置を広く含む。また、貼り合せる基板も一対に限られない。液晶パネルや保護パネルの他にタッチパネルを貼り合せたり、あるいは保護パネルを上下に貼り合せる等して、3枚以上の基板や二対以上の基板を貼り合せても良い。
【0086】
(6)上述の実施形態では、表示パネル製造装置の塗布部1と貼り合せ部2は、別体の接着剤塗布装置10と基板貼合装置20として構成したが、同一の装置として構成しても良い。例えば、上側プレート23と下側プレート22が対向配置されたチャンバ21内に、塗布ユニット12とUV照射ユニット13を移動可能に設け、下側プレート22を塗布部1のステージ11として用いる。すなわち、下側プレート22に載置した液晶パネルS1に接着剤Rを塗布して仮硬化した後に、塗布ユニット12とUV照射ユニット13を下側プレート22上から退避させ、貼り合せを行っても良い。
【0087】
(7)上述の実施形態では、弾性シート24の大きさが、基板表面に形成される接着層R1と略同じか小さくなるようにしたが、代わりに、塗布ユニット12において接着層Rの塗布領域を調整し、接着層R1を弾性シート24と同じ形状と大きさになるようにしても良い。これによって、弾性シート24は固定の形状と大きさのものを用いることができる。
【0088】
(8)上述の実施形態では、接着剤塗布装置10の仮硬化部として、UV照射ユニット13を用いたが、これに限られない。例えば、電磁波照射ユニット、放射線照射ユニット、あるいは赤外線照射ユニットやヒーターを用いることができる。使用する接着剤についても、仮硬化の態様に合わせて、電磁波により硬化する樹脂、放射線により硬化する樹脂、あるいは熱硬化型樹脂を用いることができる。
【0089】
(10)上述の実施形態では、ディスペンサ14としてスリットコータを用いた場合の盛り上がりを押し潰す必要性を説明したが、マルチノズルを用いた場合にも本発明は適用可能である。すなわち、基板にマルチノズルで複数列に塗布した後に、接着剤を展延すると、形成された接着層R1の表面にはマルチノズル吐出の痕跡により凸凹が形成される。したがって、弾性シート24によってこの接着層R1を均一に押圧することによって、凹凸を押し潰すことができる。つまり、塗布の手段や基板のうねりやたわみの状態にかかわらず、ボイドのない貼り合わせを行なうことが出来るので、製品の品質を良好に安定させるとともにその製造コストも低減することが出来る。
【0090】
(11)上述の実施形態では、塗布部1において、接着剤Rの塗布後に仮硬化を行ったが、例えば接着剤Rの粘度が高く、塗布形状が崩れにくいような場合には、仮硬化を行わなくても良い。また、貼り合せ部2において、基板貼合装置20のチャンバ21内部を減圧して真空下で貼り合せを行ったが、大気下で貼り合せを行っても良い。これらの場合は、仮硬化や密閉し減圧する空間を形成するために必要な手段を設けなくて済むので、より低コストに装置を構成でき、低コストで表示パネルを製造できる。