特許第6235941号(P6235941)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6235941ブランクモールドに落下中に潤滑散布によってガラスゴブを被覆するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235941
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】ブランクモールドに落下中に潤滑散布によってガラスゴブを被覆するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 9/13 20060101AFI20171113BHJP
【FI】
   C03B9/13
【請求項の数】36
【外国語出願】
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2014-52112(P2014-52112)
(22)【出願日】2014年3月14日
(65)【公開番号】特開2014-181177(P2014-181177A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2016年4月7日
(31)【優先権主張番号】13/833,168
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/184,383
(32)【優先日】2014年2月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598152242
【氏名又は名称】エムハート・グラス・ソシエテ・アノニム
(73)【特許権者】
【識別番号】514065427
【氏名又は名称】イメリス グラファイト アンド カーボン スウィッツァーランド エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100118083
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 孝美
(72)【発明者】
【氏名】レオ・ディーム
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・エル・シドラー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジャッジ
(72)【発明者】
【氏名】ブレイデン・エイ・マクダーモット
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ディー・ギンズバーグ
【審査官】 吉野 涼
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03536468(US,A)
【文献】 特表昭60−500858(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/035643(WO,A1)
【文献】 特公昭46−015957(JP,B1)
【文献】 特開昭56−120536(JP,A)
【文献】 米国特許第03672860(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 1/00−40/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自由落下する高温ガラスゴブをI.S.機械のそれぞれのブランクモールドへ分配およびローディングする前に、前記ガラスゴブに潤滑剤を適用するためのシステムであって、
上面、底面、および上面と底面の間に延在する側壁を備え、前記上面および前記底面が対応する開口を有する筐体であって、前記上面および前記底面の前記開口は、前記筐体が前記自由落下するゴブの経路に設置された場合に、前記自由落下するゴブが前記筐体に接触せずに前記筐体の前記開口を通って自由に通過することを可能にするように前記上面および前記底面に配列および構成された筐体と、
前記ゴブを潤滑するための水性の潤滑散布の供給源と、
前記筐体内にまたは前記筐体に隣接して設置された複数のノズルであって、各前記ノズルは、前記自由落下するゴブが前記筐体を通過するときに前記潤滑散布のスプレーをそこから前記筐体内および前記自由落下するゴブに送出して、前記ノズルからスプレーされる前記潤滑散布で前記ゴブを実質的に完全に被覆するように配置および構成された複数のノズルと、
前記潤滑散布の前記供給源から前記筐体に設置された前記ノズルに前記潤滑散布をポンプ給送するためのポンプシステムとを備えるシステム。
【請求項2】
前記I.S.機械が、ゴブフィーダと、前記ゴブフィーダによって供給された溶融ガラスストリームからガラスゴブを切断するためのせん断機構と、前記ガラスゴブを前記ブランクモールドに分配するゴブ分配システムとを備え、前記筐体が、前記ガラスゴブが前記せん断機構によって切断された後に落下し、前記ゴブ分配システムに入る前に前記ガラスゴブの経路の中間に設置するために配列および構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記筐体は、
前記筐体の底側の面の付近で前記筐体に配置された出口であって、前記出口を通って前記筐体の前記底面に収集された過剰にスプレーされた量の前記潤滑散布を流し出すことができる出口と、
前記筐体の前記底面に収集された過剰にスプレーされた量の前記潤滑散布を流し、前記出口を通して外部の位置に流し出して収集、再利用、または廃棄する前記出口に取り付けられたドレンチューブとをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記潤滑散布の前記供給源が、
潤滑供給源から前記ノズルに前記潤滑散布を供給するための高圧ポンプシステムを備え、前記高圧ポンプシステムが任意選択で、
前記潤滑供給源と流体連通する高圧ポンプと、
圧縮空気を前記高圧ポンプに供給するための空気ユニットと、
前記高圧ポンプによってポンプ給送された前記潤滑散布における圧力変動を抑制するために前記高圧ポンプに連結された均圧装置と、
前記高圧ポンプによってポンプ給送された前記潤滑散布を前記ノズルに供給する前に濾過するための、前記均圧装置と前記ノズルの中間に連結されたフィルタとを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
各前記ノズルの水平スプレーパターンが、25度の広さから50度の広さである、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
各前記ノズルの水平スプレーパターンが、水平から度から10度で下方に角度を付けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記筐体の前記上面の開口および前記筐体の前記底面の開口を通って延在する少なくとも1つの中空の遮蔽チューブをさらに備え、前記少なくとも1つの遮蔽チューブはその中に配置された2つの四角形のスロットを有し、前記スロットは、互いに直に対向して配置され、前記少なくとも1つの遮蔽チューブは、前記少なくとも1つの遮蔽チューブが前記自由落下するゴブの前記経路にあるように前記筐体が設置された場合に、前記少なくとも1つの遮蔽チューブに接触することなく、それを通って前記自由落下するゴブが自由に通過するのを可能にするように配列および構成され、
一対の前記ノズルは、前記筐体の両側に配置され、前記少なくとも1つの遮蔽チューブを通過して自由落下するゴブが通過するとき、前記少なくとも1つの遮蔽チューブの前記スロット内および自由落下するゴブに、前記潤滑散布のスプレーをそれぞれ送出するように配列および構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの遮蔽チューブの前記スロットは、前記ノズルからスプレーされた前記潤滑散布の実質的に全てが前記スロットを通って前記少なくとも1つの遮蔽チューブを通過するゴブを被覆することを可能にするのに十分に大きくなっている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記筐体の前記上面の第2の開口および前記筐体の前記底面の第2開口を通って延在する少なくとも1つの追加の中空の遮蔽チューブであって、前記少なくとも1つの追加の遮蔽チューブはその中に配置された2つの四角形のスロットを有し、前記スロットは、互いに直に対向して配置され、前記少なくとも1つの追加の遮蔽チューブはさらに、前記少なくとも1つの追加の遮蔽チューブが追加の自由落下するゴブの経路にあるように前記筐体が設置された場合に、前記少なくとも1つの追加の遮蔽チューブに接触することなく、それを通って前記追加の自由落下するゴブが自由に通過するのを可能にするように配列および構成された少なくとも1つの追加の中空の遮蔽チューブと、
同じ対向した側面にまたはその側面に隣接して設置された第2の複数のノズルであって、各前記第2の複数のノズルは、前記自由落下するゴブが前記少なくとも1つの追加の遮蔽チューブを通過するときに前記潤滑散布のスプレーをそこから前記少なくとも1つの追加の遮蔽チューブの前記スロット内および前記自由落下するゴブに送出して、前記ノズルからスプレーされる前記潤滑散布でそのようなゴブを実質的に完全に被覆するように配置および構成された複数のノズルとをさらに備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
a.連続的、
b.前記ガラスゴブを切断するのに続いて間欠的、
c.信号グローバルタイミングサイクルで前記機械の主タイミングシステムによって生成されたせん断信号に続く、機械の主タイミングシステムからの信号の生成時に間欠的、
d.所定の時間間隔の満了の後に間欠的、または
e.各一連のN個のガラスゴブのうちの1つのガラスゴブにスプレーするために周期的(ただしNは2から30の範囲内である)、の様式のうちの1つで前記落下するゴブに潤滑散布の前記スプレーを送出する前記ノズルに前記潤滑散布を供給するように配列および構成された制御システムをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
Nは8から18の範囲内である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
Nは10から14の範囲内である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記筐体が、四角形の構成で向けられた4つの側面を有し、2つのより長い側面と2つのより短い側面が互いに直交して配置されており、2つの角度を付けた側面部材が、前記筐体の2つの対向する角に配置され、前記上面の前記開口と前記筐体の前記底面が、複数のゴブが直線の並びで前記開口を同時に通過することを可能にするように配列および構成され、
前記筐体に、または前記筐体に隣接して設置された4つのノズルがあり、前記ノズルのうちの2つはそれぞれ前記筐体の前記長側面で前記筐体または前記筐体に隣接して設置され、そこから前記潤滑散布のスプレーを前記筐体を通過するゴブの直線の並びに直接的に送出するように配列および構成され、
前記ノズルのうちのその他の2つが、それぞれ前記筐体の角度を付けた側面で前記筐体に、または前記筐体に隣接して設置され、そこから前記潤滑散布のスプレーをそこから前記筐体を通過するゴブの直線の並びに送出するように配列および構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記潤滑散布が、
水と、
150ミクロン未満のd90によって特徴づけられる粒子サイズを有する粉末状の固体潤滑剤と、
散布剤とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記粉末状の固体潤滑剤が、
人工グラファイト、天然グラファイト、二硫化モリブデン(MoS)、二硫化タングステン(WS)、六方晶窒化ホウ素(h BN)、およびそれらの混合物からなる群から選択された材料を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記潤滑散布が、増粘剤として働く流動性調整剤をさらに含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記水が前記潤滑散布の50重量パーセントと98重量パーセントの間を構成し、前記粉末状の固体潤滑剤が前記潤滑散布の重量パーセントと50重量パーセントの間を構成し、前記散布剤が前記潤滑散布の0.01重量パーセントと20重量パーセントの間を構成し、前記流動性調整剤が前記潤滑散布の0.01重量パーセントと25重量パーセントの間を構成する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記潤滑散布が、
前記固体潤滑剤の前記高温ガラスへの接着を向上させる結合剤をさらに含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記散布剤が、
PEO−PPO−PEOブロックコポリマー、イオン散布剤、非イオン散布剤、およびアルキルポリエーテルからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記潤滑散布が、
有機溶媒と、
150ミクロン未満のd90によって特徴づけられる粒子サイズを有する粉末状の固体潤滑剤と、
安定化添加剤とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記潤滑散布と前記ガラスゴブの間に静電気差を確立して前記潤滑散布の過剰なスプレーを低減するための高電圧源をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記筐体の内側に配置された洗い落としマニホルドであって、供給された水または別の液体を前記筐体の内側表面に流して、前記潤滑散布からの残留物を洗い流し、前記筐体の出口を通す洗い落としマニホルドをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
水または別の液体を前記洗い落としマニホルドに供給して、
a.連続的、 b.前記潤滑散布がスプレーされたのに続いて間欠的、
c.所定の時間間隔の満了の後に間欠的、
d.前記筐体に十分な残留物が蓄積した場合、の様式のうちの1つで前記筐体から残留物を洗い流すように配列および構成された洗い流しシステムをさらに備える、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
ゴブをI.S.機械のそれぞれのブランクモールドへ分配およびローディングする前に、フィーダから供給された溶融ガラスのストリームから切断された自由落下する高温ガラスゴブに潤滑剤を適用するための方法が、
前記自由落下するゴブの経路に筐体を配置するステップであって、前記筐体は、上面、底面、および前記上面と前記底面の間に延在する側壁を備え、前記上面および前記底面が対応する開口を有し、前記筐体が、前記自由落下するゴブが前記筐体を接触せずに前記上面および前記底面の前記開口を通って落下するように設置されるステップと、
前記ゴブを潤滑するための液体ベースの潤滑散布を前記潤滑散布の供給源から前記筐体または前記筐体に隣接して設置された複数のノズルにポンプシステムを使用してポンプ給送するステップと、
前記ノズルから放出された前記潤滑散布のスプレーを落下するゴブが前記筐体を通過するとき前記筐体内および前記ゴブに送出し、前記ノズルからスプレーされた前記潤滑散布で前記ゴブを実質的に完全に被覆するステップとを含む方法。
【請求項25】
前記筐体から過剰にスプレーされた潤滑散布を収集し、収集、再利用、または廃棄するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ポンプ給送システムが、前記潤滑散布を高圧で前記ノズルに供給する高圧ポンプシステムである、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記ノズルから前記筐体に放出される前記潤滑散布の前記スプレーが、前記筐体を通過する前記落下するゴブの全てを完全に被覆するのに十分に広くなるように構成された水平スプレーパターンを有する、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
各前記ノズルの水平スプレーパターンが、25度の広さと50度の広さの間であり、任意選択で水平から度から10度で下方に角度を付けられている、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記潤滑散布が、
水と、
150ミクロン未満のd90によって特徴づけられる粒子サイズを有する粉末状の固体潤滑剤と、
散布剤とを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記水が前記潤滑散布の50重量パーセントと98重量パーセントの間を構成し、前記粉末状の固体潤滑剤が前記潤滑散布の重量パーセントと50重量パーセントの間を構成し、前記散布剤が前記潤滑散布の0.01重量パーセントと20重量パーセントの間を構成する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記筐体の前記上面の前記開口および前記筐体の前記底面の前記開口を通って延在する少なくとも1つの中空の遮蔽チューブを設置するステップであって、前記少なくとも1つの遮蔽チューブはその中に配置された2つの四角形のスロットを有し、前記スロットは、互いに直に対向して配置され、前記少なくとも1つの遮蔽チューブは、前記少なくとも1つの遮蔽チューブが前記自由落下するゴブの前記経路にあるように前記筐体が設置された場合に、前記少なくとも1つの遮蔽チューブに接触することなく、それを通って前記自由落下するゴブが自由に通過するのを可能にするように配列および構成されるステップをさらに備え、
一対の前記ノズルが前記筐体の両側に配置され、前記少なくとも1つの遮蔽チューブの前記スロット内および自由落下するゴブに前記少なくとも1つの遮蔽チューブを通過して自由落下するゴブが通過するとき、前記潤滑散布のスプレーをそれぞれ送出するように配列および構成される、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
前記筐体の前記上面の前記開口および前記筐体の前記底面の前記開口を通って延在する少なくとも1つの追加の中空の遮蔽チューブを設置するステップであって、前記少なくとも1つの追加の遮蔽チューブはその中に配置された2つの四角形のスロットを有し、前記スロットは、互いに直に対向して配置され、前記少なくとも1つの追加の遮蔽チューブは、前記少なくとも1つの追加の遮蔽チューブが追加の自由落下するゴブの経路にあるように前記筐体が設置された場合に、前記少なくとも1つの追加の遮蔽チューブに接触することなく、それを通って前記追加の自由落下するゴブが自由に通過するのを可能にするように配列および構成されるステップをさらに備え、
追加の一対の前記ノズルが前記筐体の同じ対向する側面に配置され、前記少なくとも1つの追加の遮蔽チューブの前記スロット内および追加の自由落下するゴブに前記少なくとも1つの追加の遮蔽チューブを通過して前記追加の自由落下するゴブが通過するとき、前記潤滑散布のスプレーをそれぞれ送出するように配列および構成される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
a.連続的、
b.前記ガラスゴブを切断するステップに続いて間欠的、
c.信号グローバルタイミングサイクルで前記機械の主タイミングシステムによって生成されたせん断信号に続く、機械の主タイミングシステムからの信号の生成時に間欠的、
d.所定の時間間隔の満了の後に間欠的、または
e.各一連のN個のガラスゴブのうちの1つのガラスゴブにスプレーするために周期的(ただしNは2から30の範囲内である)、の様式のうちの1つで前記落下するゴブに潤滑散布の前記スプレーを送出する前記ノズルに前記潤滑散布を供給するステップをさらに備える、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
Nは8から18の範囲内である、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
Nは10から14の範囲内である、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記筐体の内側に配置された洗い落としマニホルドに供給された水または別の液体を前記筐体の内側表面に流すステップであって、前記潤滑散布からの残留物を洗い流し、前記筐体の出口を通すステップをさらに備える、請求項31に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の相互参照
[0001]本特許出願は、それぞれが本特許出願の譲受人に譲渡され、両方が参照によって本明細書に全体が援用され、両方が「System and Method to Coat Glass Gobs With A Lubricating Dispersion During The Drop To Blank Molds」という題名の2013年3月15日に出願の米国特許出願第13/833,168号、および2014年2月19日に出願の米国特許出願第14/184,383号の優先権を主張する。
【0002】
[0002]本発明は一般にガラス容器製造モールドの潤滑に関し、より詳細には、ガラスゴブがガラス容器ブランクモールドに落下中に液体ベースの潤滑散布によってガラスゴブを被覆するための改善されたシステムおよび方法に関し、それによってガラス容器モールドへの塗布を必要とせずにガラス容器モールドに十分な潤滑が与えられる。
【背景技術】
【0003】
[0003]個別セクション(I.S.)機械で生産されるガラス容器は、2つのステップで製造され、第1のステップは、ガラス容器プリフォームまたはパリソンを成形するブランク(またはパリソン)モールドで行われ、第2のステップは、プリフォームをガラス容器にブローする。業界でガラス「ゴブ」と呼ばれる、溶融ガラスの個々のセグメントは、フィーダからの連続的な高温ガラスの流れから切断され、次いでゴブはゴブ分配機によって、スクープ、トラフ、およびデフレクタからなる複数のガラス送出システムに到達し、IS機械のセクション内のそれぞれのブランクモールドの中に分配される。このブランクモールド内へのゴブの送出は、業界でブランクモールドを「ローディングする」と呼ばれている。
【0004】
[0004]次いで、ブランクモールド内の高温ガラスのゴブは、金属プランジャーを使用してガラスゴブをブランクモールドに押し込むことにより、またはガラスゴブを下方からブランクモールド内にブローすることによりパリソンと呼ばれるプレコンテナ(pre−container)に成形される。次いで、ブランクモールドが開き、パリソンが逆さになり、ブローモールドに移送され、そこでパリソンがブローにより膨らまされて、完成したガラス容器の形になる。次いで、ブローされたパリソンは、把持され、ブローステーションから取り外されるのに十分に硬くなる点までブローモールド内で冷却される。
【0005】
[0005]完成したガラス容器内の最終的なガラス厚さの配分は、不適切なパリソンを逆さにする速度およびタイミングにより生じる可能性のある異常を除いて、たいていブランクモールドで決定される。どのような特定のガラス容器設計に関しても、ガラスが完成したガラス容器にどのように配分されるかは、パリソンのガラス配分によって大部分が決定される。パリソン内で適切なガラス配分を得るために、高温のゴブがブランクモールドに適切にロードすることを確かにする必要があり、それはゴブがブランクモールド内に深くロードする必要があることを意味している。さらに、ゴブ内のガラス材料とブランクモールドの内面との間の界面を滑りやすくして、成形工程を容易にするだけでなく、パリソンをブランクモールドから適切に解放することを確かにすることも必要である。
【0006】
[0006]業界では、ブランクモールドを「塗布すること」として呼ばれる工程でパリソンモールドの内部を潤滑することによってこれらの目的の両方を達成している。一般に、塗布作業は、あらかじめ潤滑剤に浸したブラシを使用して作業者によって行われる。市販の塗布用化合物は一般に、同じ基本原料すなわちグラファイト、硫黄化合物の、および自社開発の添加剤を含み、それらの全てが石油系懸濁液の状態である。たとえば、グラファイト粒子、油担体、フィルム形成ポリマー(「フィロマー(filomer)」)、および抗酸化剤からなる高温潤滑剤を教示するHunterの米国特許第3,242,075号を参照されたい。一般に、塗布はI.S.機械によって通常の稼動において行われるが、少なくとも1つのゴブ作業サイクルを除外して許容可能な安全度で塗布作業を行うための十分な時間をとれるようにする必要がある。
【0007】
[0007]塗布作業中に、作業者は、潤滑剤によってブランクモールド(およびおそらくはネックリングおよびブローモールド)を塗布するのに十分に長くモールドの動作を停止することにより手作業を差しはさむ必要があり、それは潤滑剤が不十分なことにより成形装置が詰るおそれを防止するために行わなければならない労働集約的な作業である。さらに、ブランクモールドの潤滑は、しばしば少なくともいくぶん変則的な基準で行われ、それによってブランクモールドが潤滑される程度が変わる可能性がある。さらに、ブランクモールドの内側に配置された潤滑剤の量は、必要な量よりも多いことや少ないことがあり、ブランクモールドの内側に堆積された潤滑剤が不均一である可能性がある。したがって、作業としての塗布が正確さとはかけ離れたものであり、したがって少なくともいくぶん不規則であることを理解されたい。
【0008】
[0008]手作業の塗布の代替が提唱されている。そのような代替のいくつかの例は、潤滑剤をブランクモールドに適用する異なる方法を提供する。Tohjoの米国特許第5,597,36号は、塗布用潤滑剤をブランクモールドにこすり付ける塗布部材を担持するロボット塗布デバイスを教示する。Zanellaらの米国特許第8,375,743号は、ブランクモールドに挿入された噴射チューブを通して潤滑剤をスプレーするための工程を教示する。これらのデバイスは、両方とも装置の作業者への危険を低下させる利点を有するが、それらの両方が潤滑剤をブランクモールドに適用する際に不正確であるという欠点を生じるおそれも有する。
【0009】
[0009]ブローモールドを手作業で塗布すること、およびブランクモールドをロボット式に塗布するか潤滑剤をブローモールドにスプレーすることの両方のいくつかの潜在的な欠点がある。第1に、ブランクモールドの表面は塗布用化合物によって一時的に冷やされ得るが、側壁が重くなり、基部が軽くなる。第2に、またより頻繁に、ガラス−ブランクモールド界面の間の熱伝達は、塗布用化合物に伴う断熱により低下する可能性があり、それによってブランクモールドが「高温で作動する」ことになり、それにより側壁が軽くなり基部が重くなることになる。
【0010】
[0010]これまで取られてきた1つの別の成功的でない手法が、Myersの米国特許第4,526,600号に示され、落下するガラスゴブに溶射潤滑デバイスによってスプレーを行うことを教示しており、そのデバイスは流動床および空気供給装置によって送出されたグラファイトを有する強制空気燃焼器を備えており、Beningoの米国特許第4,880,454号に示されたこの動作を行うための装置は、落下する高温のゴブにゴブの2つの側から粉末化されたグラファイトに直接的に溶射し、真空排出ヘッダを使用して粉末化されたグラファイトスプレーから過剰なスプレーを収集する。溶射工程は、比較的複雑かつ費用が高くなり、特にグラファイト粉末をガラスゴブに対して適用するのではなく、それが過剰なスプレーにつながり、それによってグラファイト粉末がI.S.機械の領域に蓄積することになる。スプレーされた粉末のグラファイトの全てに近い部分は収集することが不可能であり、微細に粉末化されたグラファイトは吸入されるおそれもあり、それは当然ではあるが問題であるので、Myersの方法およびBeningoのシステムはガラス容器製造環境では望ましいものではない。したがって、これらの技術が全て上記で論じたよく知られている欠陥を有していても、手作業またはロボットでのブランクモールドへの直接的な塗布または潤滑剤のスプレーは、ブランクモールドを潤滑する唯一の実行可能な方法でありつづけていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第3,242,075号
【特許文献2】米国特許第5,597,306号
【特許文献3】米国特許第8,375,743号
【特許文献4】米国特許第4,526,600号
【特許文献5】米国特許第4,880,454号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
[0011]したがって、潤滑散布をガラスゴブに適用するために、ゴブが形成された後、かつブランクモールドにロードされる前に、手作業を差し挟む必要なしに適用を行うシステムおよび方法を提供することが望ましいことを理解されたい。そのようなシステムおよび方法が、ゴブが自由落下し、ゴブ分配システムのどの部分とも接触していない間にゴブに潤滑散布を適用することも望ましい。ゴブに潤滑散布を適用するシステムおよび方法は、ブランクモールドを潤滑散布によって塗布する必要を完全に不要にし、それによって一定でなく、困難であり、労働集約的な、潤滑剤を使用してブランクモールドを手で塗布する作業をなくし、それによってブランクモールド、ネックリング、およびブローモールドを連続的に潤滑することがさらに望ましい。
【0013】
[0012]この発明の背景の章に論じられた主題は、単に発明の背景の章で示されたことにより単に従来技術と想定されるべきではない。同様に、発明の背景の章で示され、発明の背景の章の主題と関連する問題は、従来技術でこれまでに認識されていると想定されるべきではない。発明の背景の章の主題は、単に異なる手法を表すに過ぎず、それ自体が発明であることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
[0013]上記に論じた背景技術の欠点および限界が、本発明によって克服される。本発明によって、ガラスゴブがゴブ供給システムから落下し、ゴブ分配システムによってブランクモールドに分配される前に液体ベースの潤滑散布がガラスゴブにスプレーされる。それによって、潤滑散布により落下するガラスゴブがブランクモールドに入る前にガラスゴブを潤滑するために被覆され、それによってブランクモールドの従来の塗布の必要を完全に解消しないにしても少なくとも最小限に抑える。好ましい一実施形態では、潤滑散布はガラスゴブがゴブフィーダによって供給される溶融ガラスストリームからせん断機構によって切断された後、かつ落下するガラスゴブがそれらをブランクモールドに分配するゴブ分配システムのスクープ、トラフ、およびデフレクタへとつながるファンネル(funnel)に入る前に、落下するガラスゴブにスプレーされる。あるいは、潤滑散布は、ゴブ分配システムの任意のその他の位置でガラスゴブにスプレーされてもよい。
【0015】
[0014]好ましい一実施形態では、潤滑散布は、ガラスゴブが通過して落下する筐体、または筐体の離間した上面および底面に開口を有するスプレーボックスを通って落下するとき、落下するガラスゴブに適用される。複数のノズルが、筐体またはスプレーボックスの側壁に隣接して配置され、潤滑散布のスプレーをガラスゴブ上に送出するように向けられ、ガラスゴブが筐体またはスプレーボックスを通過するときに、潤滑散布によってガラスゴブを被覆する。好ましい実施形態では、ポンプデバイスを使用して潤滑液散布をノズルに供給する。
【0016】
[0015]潤滑散布は、ガラスゴブがゴブ分配システムを通過し、ブランクモールド内で成形されてパリソンになり、ブローモールド内でブローされてガラス容器になるときに潤滑するために、ガラスゴブに必要な潤滑性を与える任意の適切な潤滑材料を含むことができる。好ましくは、潤滑散布は、粉末化されたグラファイト、または潤滑材料などの代替の粉末化された固体潤滑剤を使用し、粉末化されたグラファイトの潤滑散布が、粉末化されたグラファイトを落下するガラスゴブに溶射した、これまでに知られているシステムの問題を最小限に抑え、または解消する。潤滑散布のその他の構成成分は、ブロック重合体または代替の散布剤、および流動性調整剤であり、それらは全て水が溶媒として働く水性の潤滑散布のものである。
【0017】
[0016]システムの一実施形態では、自由落下する高温ガラスゴブをI.S.機械のそれぞれのブランクモールドへ分配およびローディングする前に、そのガラスゴブに潤滑剤を適用するためのシステムが、上面、底面、および上面と底面の間に延在する側壁を備え、上面および底面が対応する開口を有する筐体であって、上面および底面の開口は、筐体が自由落下するゴブの経路に設置された場合に、自由落下するゴブが筐体に接触せずに筐体の開口を通って自由に通過することを可能にするように上面および底面に配列および構成された筐体と、ゴブを潤滑するための液体ベースの潤滑散布の供給源と、筐体内にまたは筐体に隣接して設置された複数のノズルであって、各ノズルは、自由落下するゴブが筐体を通過するときに潤滑散布のスプレーをそこから筐体内および自由落下するゴブに送出して、ノズルからスプレーされる材料でゴブを実質的に完全に被覆するように配置および構成された複数のノズルと、潤滑散布の供給源から筐体に設置されたノズルに潤滑散布をポンプ給送するためのポンプシステムとを備える。
【0018】
[0017]別のシステムの実施形態では、ゴブを供給するゴブ供給装置およびガラスゴブをブランクモールドに分配するゴブ分配システムを含む高温ガラスゴブをI.S.機械のそれぞれのブランクモールドに分配およびローディングする前に、フィーダから供給された溶融ガラスのストリームから切断された自由落下する高温ガラスゴブに潤滑剤を適用するシステムが、上面、底面、および上面と底面の間に延在する側壁を備え、上面および底面が対応する開口を有する筐体であって、ガラスゴブがゴブ供給装置から落下し、ゴブ分配システムに入る前にガラスゴブの経路の中間に設置するために配列および構成され、上面および底面の開口は、筐体が自由落下するゴブの経路に設置された場合に、自由落下するゴブが筐体に接触せずに筐体の開口を通って自由に通過することを可能にするように上面および底面に配列および構成された筐体と、ゴブを潤滑するための液体ベースの潤滑散布の高圧供給源であって、潤滑散布が粉末化された人工または天然のグラファイトを水性散布で含む液体ベースの潤滑散布の高圧供給源と、筐体内にまたは筐体に隣接して設置された少なくとも4つのノズルであって、各ノズルは、自由落下するゴブが筐体を通過するときに潤滑散布のスプレーをそこから筐体内および自由落下するゴブに異なる向きで送出して、ノズルからスプレーされる潤滑散布でゴブを実質的に完全に被覆するように配置および構成されたノズルと、潤滑散布の供給源から筐体に設置されたノズルに潤滑散布をポンプ給送するためのポンプシステムとを備える。
【0019】
[0018]別のシステムの実施形態では、I.S.機械で自由落下する高温ガラスゴブに潤滑剤を適用するためのシステムが、上面および底面にそれぞれ配置された対応する開口を備え上面と底面の間に延在する側壁を有する筐体であって、自由落下するゴブが筐体の開口を自由に通過するようにI.S.機械に対して設置されるように配列および構成された筐体と、筐体内または筐体に隣接して設置された複数のノズルと、ゴブを潤滑するための液体ベースの潤滑散布を潤滑散布の供給源からノズルにポンプ給送するポンプとを備え、ノズルはそれぞれ自由落下するゴブが筐体を通過するときに潤滑散布のスプレーを筐体内および自由落下するゴブに送出するように配列および構成されている。
【0020】
[0019]方法の一実施形態では、高温ガラスゴブをI.S.機械のそれぞれのブランクモールドに分配およびローディングする前に、フィーダから供給された溶融ガラスのストリームから切断された自由落下する高温ガラスゴブに潤滑剤を適用する方法が開示され、その方法が、筐体を自由落下するゴブの経路に配置するステップであって、筐体が上面、底面、および上面と底面の間に延在する側壁を備え、上面および底面が対応する開口を有し、筐体は、自由落下するゴブが筐体に接触することなく上面および底面の開口を通って落下するように設置されるステップと、ポンプシステムを使用して、ゴブを潤滑するための液体ベースの潤滑散布を潤滑散布の供給源から筐体内または筐体に隣接して設置された複数のノズルにポンプ給送するステップと、自由落下するゴブが筐体を通過するときにノズルから放出された潤滑散布のスプレーを筐体内および自由落下するゴブに送出し、ノズルからスプレーされる材料でゴブを実質的に完全に被覆するステップとを含む。
【0021】
[0020]方法の一実施形態では、自由落下する高温ガラスゴブに潤滑剤を適用する方法が開示され、方法が、ゴブを潤滑するための液体ベースの潤滑散布を自由落下するゴブの経路内の選択された位置に提供するステップと、落下するゴブが選択された位置を通過するときに落下するゴブに潤滑散布をスプレーして、潤滑散布でゴブを実質的に完全に被覆するステップを含む。
【0022】
[0021]落下するゴブに潤滑散布を適用する本発明のシステムおよび方法は、ガラスゴブに液体ベースの潤滑散布を適用するために、ゴブが形成された後、かつブランクモールドにロードされる前に、手作業を差し挟む必要なしに適用を行うシステムおよび方法を提供する。落下するゴブに潤滑散布を適用する本発明のシステムおよび方法は、ゴブが自由落下しゴブ分配システムのどの部分にも接触しない間にゴブに液体ベースの潤滑散布を適用し、それによってゴブ分配システムにも潤滑を与える。落下するゴブに潤滑散布を適用する本発明のシステムおよび方法は、ブランクモールドを潤滑散布によって塗布する必要を完全に不要にし、それによって一定でなく、困難であり、労働集約的な、潤滑剤を使用してブランクモールドを手で塗布する作業をなくし、それによってブランクモールド、ネックリング、およびブローモールドを連続的に潤滑することがさらに望ましい。最後に、落下するゴブに潤滑散布を適用する本発明のシステムおよび方法は、実質的な関連する欠点を少しも受けることなく数多くの利点を実現する。
【0023】
[0022]本発明のこれらの利点およびその他の利点は、図面を参照して最も良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】[0023]本発明と一体のスプレーボックスが、ゴブ分配システムによってゴブが分配される前にゴブ供給システムから落下するゴブの経路内に挿入されている、ゴブをブランクモールドに供給および送出するためのガラスゴブの供給および分配システムのいくぶん概略的な側面図である。
図2】[0024]ゴブ供給システムの構成要素である前炉、フィーダおよび流し口、ならびにせん断機構を示し、それらの全てが本発明によって教示される本発明の液体ベースの潤滑散布を適用するためのスプレーボックスの上方に配置され、またスプレーボックスの下方に配置されたゴブ分配装置を示すI.S.機械の側面図である。
図3】[0025]ガラスゴブがスプレーボックスの上側の面および底側の面に配置された開口を通って落下するときにガラスゴブに潤滑散布をスプレーするためにスプレーボックスに設置されたスプレーノズルを示す、図2に示されたスプレーボックスの等角図である。
図4】[0026]スプレーノズルが設置されていない図2および3に図示されたスプレーボックスの等角図である。
図5】[0027]スプレーノズルのスプレーパターン、およびスプレーボックスの上側の面および底側の面に配置された開口を通って落下するガラスゴブにスプレーノズルが適用する範囲を示す、図3に示されるスプレーボックスおよびスプレーノズルの上面図である。
図6】[0028]過剰にスプレーされた潤滑散布を回収するために使用される傾斜した底側の面、およびスプレーボックスの深端部でのドレン連結部を示す、図2から5に示されたスプレーボックスの側平面図である。
図7】[0029]3つのスプレーノズルのスプレーパターン、およびスプレーボックスの上側の面および底側の面に配置された開口を通って落下するガラスゴブにスプレーノズルが適用する範囲を示す、図2から6に示されたスプレーボックスの側面からの断面図である。
図8】[0030]スプレーノズルが閉鎖した位置にある場合の内部構造を示す図3、5、および8に示されたスプレーノズルのうちの1つのいくぶん概略的な断面図である。
図9】[0031]スプレーノズルが開放した位置にある場合の内部構造を示す図7に示されたスプレーノズルのいくぶん概略的な断面図である。
図10】[0032]スプレーボックスへの潤滑散布用の設備および供給ライン、およびスプレーボックスから回収された過剰にスプレーされた潤滑散布用の収集装置の表示のいくぶん概略的な図である。
図11】[0033]せん断機構からのガラスゴブの放出を制御するI.S.機械からのタイミング信号に基づいて、ガラスゴブに潤滑散布をスプレーすることを制御するために使用され得る制御システムの概略ブロック図である。
図12】[0034]ガラスゴブがチューブを通って落下するときに、チューブの両側に配置された開口を通して、ガラスゴブに潤滑散布をスプレーするためにスプレーボックスに設置されたスプレーノズルを示す、スプレーボックスの上側の面および底側の面を通って延在するチューブを有する代替実施形態のスプレーボックスの等角図である。
図13】[0035]図12に示された代替実施形態のスプレーボックスの構成要素を示す分解等角図である。
図14】[0036]長手方向に延在する垂直平面上の図12および13に示された代替実施形態のスプレーボックスの第1の断面図である。
図15】[0037]横断方向に延在する垂直平面上の図12および14に示された代替実施形態のスプレーボックスの第2の断面図である。
図16】[0038]水平面上の図12および15に示された代替実施形態のスプレーボックスの第3の断面図である。
図17】[0039]残留物をすすぎ取るために代替実施形態のスプレーボックスの側面を下方にスプレーするための、図12から16に示された代替実施形態のスプレーボックスの最上部の内側に設置される洗浄スプレーマニホルドの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[0040]落下するゴブに液体ベースで潤滑散布を適用する本発明のシステムおよび方法の例示の実施形態は、図を参照して本明細書に説明され、例示の実施形態は例としての説明であり、したがってその変形形態およびその他の実施形態をどのような形でも限定することを意図しないことを理解されたい。本発明のシステムおよび方法は、自由落下する高温ガラスゴブがI.S.機械のブランクモールドに分配およびローディングする前に、液体ベースの潤滑散布を高温ガラスゴブに適用する。潤滑散布は、落下するゴブにスプレーされ、十分な潤滑性を与え、ブランクモールド、ネックリング、またはブローモールドを塗布することが不必要になる。
【0026】
[0041]本発明の装置を論じる前に、ガラスゴブをI.S.機械に供給および分配するために使用される汎用のガラスゴブの供給および分配システムの装置の構成要素および機能を手短に説明することが有用である。図1を参照すると、そのようなガラスゴブの供給および分配システムの構成要素が概略の形で描かれ、ガラスゴブ30をゴブフィーダ32からブランクモールド34に重力的に送出することを示している。溶融ガラスがゴブフィーダ32の底部の流し口36を通ってゴブフィーダ32を出て、概略的に示されたガラスゴブせん断機構38によって一続きのガラスゴブ30に切断される。図1を簡素にするために、1つのガラスゴブ30のみが溶融ガラスの1つのストリームからガラスゴブせん断機構38によって切断され、ゴブフィーダ32の底部の流し口36を通ってゴブフィーダ32を出るように示されているが、一般的には2つ、3つ、または4つのガラスゴブ30が切断され、1つの並びで同時に落下することを理解されたい。
【0027】
[0042]従来技術のシステムでは、ガラスゴブ30は、ゴブ分配装置42に含まれるファンネル40内に下方に落下し、次いで分配装置42の底部に装着されたスクープ44に入り、分配装置42は移動されてガラスゴブ30をI.S.機械(図1には示さない)の複数の異なるセクションに供給する。スクープ44は、垂直軌道から斜線軌道にガラスゴブ30を方向転換するために湾曲される。スクープ44の底端部から、ガラスゴブ30は傾斜したトラフ46の上端部に方向転換される。トラフ46の下端部から、ガラスゴブ30はデフレクタ48の上端部に向けられ、デフレクタ48は、ブランクモールド34の上方でガラスゴブ30を方向転換し斜線軌道から垂直軌道に戻す。デフレクタ48の下端部から、ガラスゴブ30はブランクモールド34の開放した上側の面に落下する。
【0028】
[0043]落下するゴブに潤滑散布を適用する本発明のシステムおよび方法では、本明細書でスプレーボックス50と呼ばれる筐体が、ガラスゴブ30がせん断機構38によって切断された後、かつ分配装置42のファンネル40に入る前に落下するときの経路の中間に配置される。ガラスゴブ30がガラスゴブ分配システムに入る前に落下するガラスゴブ30を潤滑散布で被覆することが、下記に論じられる落下するゴブに潤滑散布を適用する本発明のシステムおよび方法のスプレーボックス50ならびにその他の構成要素の機能である。
【0029】
[0044]次に図2を参照すると、I.S.機械60がその側面から示され、ブランク側が図2に示されるようにその右側にあり、そのブロー側が図2に示されるようにその左側にある。I.S.機械60のブランク側の底部付近には、プラットフォーム62が配置され、I.S.機械60のブロー側にはコンベヤ64が配置され、ブローされたガラス容器が、成形された後にコンベヤ64の上でI.S.機械60から移動される。ゴブ分配装置42およびスクープ44は、I.S.機械60のブロー側で最上部に配置される。3つのスクープ44があり、すなわちI.S.機械60がトリプルゴブI.S.機械(3つのガラスゴブ30が同時に落下され、I.S.機械60の各セクションが3組のモールドを有する)であることが留意され得る。
【0030】
[0045]インターセプタ66がゴブ分配装置42の上方に配置されて示されるが、I.S.機械60の通常の動作では、インターセプタ66は、ガラスゴブ30がゴブ分配装置42に落下する経路から後退される。インターセプタ66は、典型的にはこのセクションの構成要素(ブランクモールドおよびブローモールドを含む)が、動作を続けるI.S.機械60の残りのセクションの点検を必要とする場合に、ガラスゴブ30の流れがゴブ分配装置42およびガラスゴブ分配システムのその他の構成要素に入るのを阻止するために使用される。インターセプタ66は、ガラスゴブ30を廃物領域(本明細書では示さない)へと方向をかえ、その廃物領域からガラス材料を再利用することができる。
【0031】
[0046]図2のせん断機構38は、非常に概略的な様式で示され、((図1には示されるが図2に示さない)流し口36を含む)ゴブフィーダ32も同様である。溶融ガラスが前炉から供給され、前炉のイコライザ68である前炉の送出端のみが図2に示される。イコライザ68は、溶融ガラスをゴブフィーダ32に提供する。
【0032】
[0047]図3から7を参照すると、鋼などの耐熱材料から作製されることが好ましいスプレーボックス50がかなり詳細に示される。図3、4、および7に最もよく示されるように、スプレーボックス50は内側が中空であり、その上面および底面のそれぞれに長円形の開口80および82が配置されている。開口80および82は、3つのガラスゴブ30がそれを同時に通過することができるように寸法を決められるが、当業者は、I.S.機械の構成に応じて、スプレーボックス50およびその開口80および82が、1つから4つのいずれかのガラスゴブ30がそれを同時に通過することを可能にすることを理解するであろう。今日のほとんどのI.S.機械は、2つ、3つ、または4つのゴブの機械であるが、所望であればさらに多くのガラスゴブ30がそれを同時に通過することを可能にすることが困難ではないであろう。
【0033】
[0048]開口80および82の周りには、内側に延在するフランジ84および86がそれぞれ配置され、フランジ84および86は開口80および82の周縁を完全に囲む。図3から7に示される3つのゴブのスプレーボックス50に関しては、全体のおよその水平寸法(長さおよび幅)は、約66cm(約26インチ)および約52cm(約20.5インチ)であり、スプレーボックス50は、その一方の端部での約21.6cm(約8.5インチ)からその他方の端部での約25.4cm(約10インチ)の可変の深さを有する。開口80および82はそれぞれ約7.6cm(約3インチ)の幅であり、スプレーボックス50の最上部の開口80は、約22.9cm(約9インチ)の長さであり、スプレーボックス50の底部の開口82は、約21.3cm(約8.5インチ)の長さである。内側に延在するフランジ84および86はそれぞれ、スプレーボックス50の内側に約2.54cm(約1インチ)延在する。
【0034】
[0049]スプレーボックス50が、落下するガラスゴブ30の経路内の動作位置に装着された場合、その上面が水平面にあると、底面が傾き、その中に収容される過剰にスプレーされた流体は全て、出口88がスプレーボックス50の底側の面に配置されているより深い端部に流し出される。ドレンチューブ90のセグメントが出口88に取り付けられ、流体をスプレーボックス50から容器(図3から7には示さない)などの外部の位置に流して、収集、再利用、または廃棄してもよい。スプレーボックス50の底面の内側に配置されたフランジ86は、スプレーボックス50の内側からの流体を収集する能力を向上させることを理解されたい。
【0035】
[0050]スプレーボックス50は、四角形の構成で向けられた4つの側面を有し、2つのより長い側面と2つのより短い側面が互いに直交して配置されている。2つの角度を付けた部材が、スプレーボックス50の2つの対向する角に配置されている。2つの角度を付けた側面部材がその中にそれぞれ配置された孔92および94(図4に最も良く示される)を有する。孔96および98が、それぞれスプレーボックス50の2つの対向する、より長い側面に配置されている。4つの孔92、94、96、および98は全て、スプレーボックス50の上側の面の開口80とスプレーボックス50の底側の面の開口82の中間に画成されたスプレーボックス50内の領域に対して直交するように配置されている。それらの孔はまた、スプレーボックス50の上側の面の下方にほぼ同じ距離で配置され、好ましい実施形態では水平から約1度から約10度下方に角度が付けられている。
【0036】
[0051]4つのスプレーノズルアセンブリ100、102、104、および106(孔92、94、96、および98のように、好ましくは水平から下方に約1度から約10度角度が付けられている)が、それぞれ4つの孔92、94、96、および98にまたはそれらに隣接して設置されている。4つのノズルアセンブリ100、102、104、および106が、図面に示される実施形態で使用されるが、潤滑散布によってガラスゴブ30を完全に被覆するために複数のノズルが必要であるが、複数のガラスゴブ30(例では3つのガラスゴブ30が図面に示される)の並びの反対側に配置された2つのノズルアセンブリ104、106のみが、現在のところ必須であると考えられていることを理解されたい。スプレーノズルアセンブリ100、102、104、および106は、それぞれ図5に最もよく示されるような直線の並びで同時にスプレーボックス50を通過するガラスゴブ30の全てを被覆するのに十分に広い水平のスプレーパターンを有し、このスプレーパターンは好ましくは、本明細書に述べられるスプレーボックス50の構成および相対的な大きさに対して約50度の広さになっている。スプレーノズルアセンブリ100、102、104、および106は、集合的にガラスゴブ30を潤滑するための液体ベースの潤滑散布の供給源をなし、それぞれ供給ライン108、110、112、および114によってスプレーされる物質を供給される。スプレーノズルアセンブリ100、102、104、および106は、それぞれ潤滑散布のスプレーをそこから異なる向きでガラスゴブ30に送出し、潤滑散布によってゴブを実質的に完全に被覆する。
【0037】
[0052]次いで、図8および9を参照すると、例示のスプレーノズルアセンブリ100の詳細断面図が示されるが、その他の3つのスプレーノズルアセンブリ102、104、および106が同一の構造になっていることを理解されたい。さらに、図示されたノズルアセンブリ100はエアレススプレーノズルであるが、その代わりにエアスプレー式を使用することも実施可能であり、本明細書に図示され、論じられたノズルアセンブリ100がどのような形でも限定するものではなく例示するものであることを理解されたい。図8はスプレーノズルアセンブリ100を閉鎖した位置で示し、図9はスプレーノズルアセンブリ100を開放した位置で示す。スプレーノズルアセンブリ100は2つのハウジング部材を有し、すなわち上端部で開放したバネハウジング120と、その上で底端部および上端部で開放したスプレーユニットケーシング122が設置される。
【0038】
[0053]バネ124は、その底部付近でバネハウジング120の内側に配置され、バネハウジング120の内側に配置されたピストン126がスプレーユニットケーシング122の遠位端に向かって押される。連結ロッド128がピストン126の反対側の側面に連結されており、連結ロッド128は中空の円筒スリーブ130を往復動作させるために連結され、円筒スリーブ130は連結ロッド128への連結点で閉鎖した端部を有する。スプレーユニットケーシング122の最上部には、スリーブ130の遠位端の内側に部分的に配置された中空の円筒フィルタスリーブ132が設置される。流体は、フィルタスリーブ132を通ってスプレーユニットケーシング122の内側とスリーブ130の外側の中間の円筒領域からスリーブ130の内側の位置に通過することができる。
【0039】
[0054]ノズル先端134が、スプレーユニットケーシング122の遠位端に装着され、フィルタスリーブ132を図8および9に示される位置に保持する。ノズル先端134は、中央に配置されたスプレーオリフィス136、ならびに内向きの接頭円錐形の弁座138を有する。円錐形の弁要素142を遠位端に有する閉鎖ピン140が、スリーブ130の内側の内部に閉鎖端部から装着され、それから上方に延在し、弁要素142は、図8に示されるようにスプレーノズルアセンブリ100が閉鎖した位置にある場合には弁座138と係合し、スプレーノズルアセンブリ100が図9に示される開放した位置にある場合には、弁座138から引き戻される。
【0040】
[0055]スプレーノズルアセンブリ100は、圧力作動式であり、スプレーユニットケーシング122の側面に配置された入口144に設けられた潤滑散布を有する。潤滑散布の圧力が開放圧力より低い場合、バネ124が連結ロッド128を駆動してスリーブ130および閉鎖ピン140をそれらが図8に示される位置に維持し、スプレーノズルアセンブリ100を閉鎖した、非スプレー位置に維持する。潤滑散布の圧力が開放圧力以上である場合、スリーブ130の閉鎖端の潤滑散布の圧力がスリーブ130、連結ロッド128、およびピストン126を下方に駆動し、閉鎖ピン140をそれが図9に示される位置に後退させ、弁要素142を弁座138から後退させ、潤滑散布をスプレーノズルアセンブリ100からスプレーすることを可能にする。
【0041】
[0056]好ましい実施形態では、スプレーノズルアセンブリ100、102、104、および106は、たとえば、MS61スプレーノズルとしてスイス連邦BodioのTimcal SA社から販売されているスプレーノズルであってもよい。上記に示したように、好ましい実施形態では、50度のスプレー角度が好ましく、0.53mm、0.66mm、0.79mm、および0.91mmのノズル開口部が、それぞれTimcal社の部品番号321.3101、321.3102、321.3103、321.3104として販売されている。0.53mmのノズルが、スプレーされる潤滑剤の容積を最小限に抑えるために好ましい一実施形態で使用され得る。
【0042】
[0057]次に、図10を参照すると、潤滑散布をスプレーボックス50に提供するための例示のシステムのいくぶん概略的な図が示される。システムは空気圧によって作動され、圧縮空気が圧縮空気供給部150によって供給される。潤滑散布は、潤滑剤供給部152からシステムに供給される。集合的にポンプシステムをなすシステムのいくつかの構成要素は、参照番号154で全体的に示される高圧モジュールに設置されている。例示の実施形態で述べられたポンプシステムは、高圧システムであるが、低圧スプレーシステムも適用可能であり、本明細書での高圧スプレーの議論はどのような形でも限定するものではなく例示するものであることを理解されたい。
【0043】
[0058]高圧モジュール154は、空気ユニット156、高圧ポンプ158、均圧装置160、および回転フィルタ162を含む。圧縮空気は、圧縮空気供給部150から空気ユニット156に供給され、空気ユニット156は圧縮空気を処理および調整し、調整された圧縮空気を所望の潤滑圧力で高圧ポンプ158に供給する。潤滑散布が潤滑剤供給部152から高圧ポンプ158に供給され、高圧ポンプ158は潤滑散布を均圧装置160にポンプ給送し、高圧ポンプ158によって生成されたいかなる圧力変動も抑制する。高圧ポンプ158によって均圧装置160を通ってポンプ給送された潤滑散布は、回転フィルタ162を通って流れ、高圧モジュール154から出ていく。
【0044】
[0059]潤滑散布は、回転フィルタ162から摺動弁164に流れ、摺動弁164は流れ分配装置166への高圧潤滑散布の供給を制御する。摺動弁164は、流れ制御装置168によって供給される電気制御信号によって操作される。電気制御信号が流れ制御装置168から摺動弁164に提供される場合、摺動弁164が開放して高圧潤滑散布が流れ分配装置166に供給される。摺動弁164は、IMERYSの一員であるTimcalGraphite&Carbon社から販売されているLS3/2−1摺動弁であってもよい。
【0045】
[0060]流れ分配装置166に供給された高圧潤滑散布は、流れ分配装置166からスプレーノズルアセンブリ100、102、104、および106にそれぞれ供給ライン108、110、112、および114を介して供給される。スプレーノズルアセンブリ100、102、104、および106は、ガラスゴブ30がスプレーボックス50を通過するときガラスゴブ30に潤滑散布をスプレーする。過剰な潤滑散布が出口88を通ってスプレーボックス50から流れ出て、ドレンチューブ90に入り、過剰な潤滑散布が容器170で収集され、そこで再利用または廃棄され得る。
【0046】
[0061]高圧モジュール154が3つの異なる要素を有することを理解されたい。第1の要素は、圧縮空気の態様であり、圧縮空気が処理され、調整され、高圧ポンプ158を操作するために使用されて必要な圧力を潤滑散布に提供する。第2の態様は、潤滑散布用の流れ経路であり、潤滑散布が潤滑剤供給部152から引かれて高圧ポンプ158を通り、高圧ポンプ158は潤滑散布の圧力をスプレー圧力に上昇させ(典型的には約10バールから約100バール(145PSIから1450PSI)であり、約40バールから約80バール(580PSIから1160PSI)が好ましい)。この第2の態様は、潤滑散布が高圧ポンプ158から均圧装置160および回転フィルタ162を通ってポンプ給送され、そこから摺動弁164に供給され、流れ分配装置166および供給ライン108、110、112、および114に達し、それぞれスプレーノズルアセンブリ100、102、104、および106を通り、スプレーボックス50に入る、制御された供給を行う潤滑散布を有する。
【0047】
[0062]第3の態様は、電力を供給し、回転フィルタ162および制御回路を作動させ、流れ制御装置168を作動させ、摺動弁164に電気制御信号を供給し、摺動弁164を開き、それによって高圧潤滑散布を流れ分配装置166、供給ライン108、110、112、および114に供給し、それぞれスプレーノズルアセンブリ100、102、104、および106を通り、スプレーボックス50に入ることを可能にする電力供給である。
【0048】
[0063]図10には、水を供給してシステムの様々な流れ経路の構成要素を洗浄するために潤滑剤供給部152が切り離される場合に、高圧ポンプ158への供給ラインに連結され得る飲用水供給部172も示され、流れ経路の構成要素には、高圧ポンプ158、均圧装置160、回転フィルタ162、摺動弁164、流れ分配装置166、供給ライン108、110、112、および114、およびスプレーノズルアセンブリ100、102、104、および106が含まれる。
潤滑散布
[0064]本発明の落下するゴブに潤滑散布を適用する本発明のシステムおよび方法によって使用される潤滑散布は、好ましくは粒子流れではなく潤滑剤散布である。好ましい一実施形態では、潤滑散布は水性であり、水が潤滑散布の約50パーセントと約98パーセントの間、好ましくは潤滑散布の約60パーセントと約80パーセントの間であり、最も好ましくは潤滑散布の約65パーセントと約75パーセントの間を占める。潤滑散布は、好ましくは粉末状の固体潤滑剤、散布剤(湿潤剤)、流動性調整剤も含み、その他の潤滑剤添加剤を含んでもよい。
【0049】
[0065]水性の潤滑散布の代替として、潤滑剤の固体が鉱油(好ましくは)、植物油、イソプロパノール、またはメチルエチルケトンなどの有機溶剤に分散される有機溶媒ベースの散布がある。有機溶剤ベースの散布に使用され得る安定添加物または安定剤には、ニュージャージー州PrincetonのRockwood Specialties Groupから販売されているRHEOCIN(登録商標)Mastergels、および英国ウェールズのIsca UK LTDから販売されているISCATHIX(登録商標)ISPのような水添ヒマシ油誘導体、Rockwood Specialties Groupから販売されているTIXOGEL(登録商標) VP−V (Quaternium−90 Bentonite)およびTIXOGEL(登録商標) VZ−V (Stearalkonium Bentonite)などの有機ベントナイト、またはノーズカロライナ州CaryのArkema Coated Resinsから販売されているCRAYVALLAC(登録商標) PA3などのあらかじめ活性化されたアミドワックスが含まれる。
【0050】
[0066]好ましい一実施形態では、粉末状の固体潤滑剤は、標本散布ユニットを有するMalvern Mastersizer Sなどのレーザ回析装置によって測定された、150ミクロン未満、好ましくは75ミクロン未満、最も好ましくは50ミクロン未満のd90(90パーセントの粒子が150ミクロンより小さい)を特徴とする粒子サイズを有する人工または天然のグラファイトである(以下の測定方法を参照)。1つの実施形態では、固体潤滑剤は約44ミクロンのd90を有する、IMERYSの一員であるTimcalGraphite&Carbon社から販売されているTimrex(登録商標)KS44グラファイトなどであってもよい。グラファイト潤滑剤は、たとえばコロイド状グラファイトなどのサブミクロン範囲の粒子サイズを含むことができる。代替の固体潤滑剤としては、二硫化モリブデン(MoS)、二硫化タングステン(WS)、六方晶窒化ホウ素(h−BN)、またはそれらの混合物がある。粉末状の固体潤滑剤は、潤滑散布の約2パーセントと約50パーセントの間、好ましくは潤滑散布の約15パーセントと約40パーセントの間であり、最も好ましくは潤滑散布の約25パーセントと約35パーセントの間を占める。
【0051】
[0067]次に、レーザ回析による粒子サイズ分布を使用する測定方法の簡単な説明を手短に示す。コヒーレント光ビーム内の粒子の存在が回析を引き起こす。回析パターンの寸法は粒子サイズによって修正される。低出力レーザからの平行ビームが、水に懸濁された標本を含むセルを照射する。セルを出ていくビームは光学システムによって合焦される。次いで、システムの焦平面の光エネルギーの分布が分析される。光学検出器によって供給される電気信号が計算機によって変換される。粒子サイズ分布は、一般に特定の粒子寸法未満の体積分率で表現される。d90は、粒子の体積の90パーセントが、所与の値未満の直径を有することを意味する。グラファイトの小さな標本が数滴の湿潤剤および少量の水と混合される。上述した様式で準備された標本が装置の貯蔵容器に投入され、測定される。適用可能な規格にはISO13320−1およびISO−14887が含まれる。
【0052】
[0068]好ましい一実施形態では、散布剤は好ましくはPEO−PPO−PEOブロックコポリマーである。代替の散布剤には、スルホン酸塩などのイオン散布剤、アルコールポリエトキシラートなどの非イオン散布剤、もしくはアルキルポリエーテル、あるいは顔料散布の分野の技術者に知られた任意のその他の散布剤がある。散布剤は、潤滑散布の約0.01パーセントと約20パーセントの間、好ましくは潤滑散布の約0.1パーセントと約5パーセントの間であり、最も好ましくは潤滑散布の約0.25パーセントと約1パーセントの間を占める。
【0053】
[0069]好ましい一実施形態では、流動性調整剤は増粘剤として働き、好ましくはポリサッカライド、またはキサンタンガムである。代替の流動性調整剤には、フィロシリケートなどの無機増粘剤、またはカルボキシメチルセルロースもしくはセルロースエーテルなどのその他の有機増粘剤、またはポリアクリレートなど、またはポリウレタンなど、あるいは顔料散布の分野の技術者に知られた任意のその他の増粘剤がある。流動性調整剤は、潤滑散布の約0.01パーセントと約25パーセントの間、好ましくは潤滑散布の約0.1パーセントと約5パーセントの間であり、最も好ましくは潤滑散布の約0.15パーセントと約1パーセントの間を占める。
【0054】
[0070]好ましい一実施形態では、ケイ酸塩などの無機結合剤、またはポリ酢酸ビニルまたはポリウレタンなどの有機結合剤などの結合剤などのその他の潤滑添加剤が含まれてもよい。結合剤の機能は、ガラスへの潤滑剤の粘着を向上させることであり、したがって散布の潤滑の質を向上させることである。結合剤は、潤滑散布の約0.01パーセントと約10パーセントの間、好ましくは潤滑散布の約0.1パーセントと約15パーセントの間であり、最も好ましくは潤滑散布の約1パーセントと約10パーセントの間を占める。
【0055】
[0071]好ましい一実施形態では、含まれ得る追加の潤滑剤添加剤はアンモニアもしくはアミンなどのpH調整剤、または顔料散布の分野の技術者に知られた任意のその他のPH調整剤がある。その他の潤滑剤添加剤には、顔料散布の分野の技術者に知られた鉱油などの脱泡剤、またはシリコンベースもしくは等価の脱泡剤がある。防腐剤または殺虫剤が、保存期間を改善するために散布に含まれてもよい。
システムの動作
[0072]次に、図11を参照すると、せん断機構からのガラスゴブの放出を制御するI.S.機械からタイミング信号に基づいて、高温のガラスゴブ30がスプレーボックス50を通過するとき、潤滑散布をガラスゴブ30にスプレーすることを制御するために使用され得る例示の制御システムおよび工程が明示される。それは開始工程段階180から始まり、それに続いてフィーダへの溶融ガラス供給開始ステップ182において、炉のイコライザ68(図2に示される)が溶融ガラスをゴブフィーダ32(やはり図2に示される)に供給し、システムへの高圧潤滑散布開始ステップ184において図10に示される本発明の落下するゴブの潤滑散布適用システムが所望の高圧で潤滑散布を供給する。
【0056】
[0073]次に、ゴブの送出の開始決定ステップ184では、システムはガラスゴブ30の送出を開始する指示を受けるまで待機し、その決定がなされると、工程はゴブを送出する信号を周期的に生成し、信号がゴブフィーダ32(図2に示される)から溶融ガラスを供給させるステップ186、せん断機構38(やはり図2に示される)によってガラスゴブ30を切断ゴブに切断しそれが落下するステップ188に移行する。さらに、ゴブを送出する信号を周期的に生成するステップ186においてガラスゴブ30の送出の決定がなされると、時間遅延ステップ190において時間遅延が開始する。
【0057】
[0074]時間遅延は、ガラスゴブ30をスプレーボックス50(図3から7に示される)に入ろうとするまでせん断機構38(図2に示される)から落下させるのに十分に長く、スプレーボックス50に入ろうとする時、時間遅延はタイムアウトになり、摺動弁164(図10に示される)を開くことによって開始のタイミングをとってスプレーするステップ192を開始し、スプレーボックス50内での高圧潤滑散布のスプレーをステップ194で開始し、ゴブがスプレーボックスを通過するステップ196でガラスゴブ30がスプレーボックス50を通過するとガラスゴブ30を被覆する。開始のタイミングをとってスプレーするステップ192は、ガラスゴブ30がスプレーボックス50内に配置される間のみ摺動弁164を開放させ、次いでガラスゴブ30がスプレーボックス50にもはや収容されていないことをタイミングによって決定したとき、摺動弁164を閉鎖し高圧潤滑散布のスプレーを停止する。
【0058】
[0075]続いて、被覆されたゴブをブランクモールドに送出するステップ198で、潤滑散布によって被覆されたガラスゴブ30がそれぞれのブランクモールドに送出される。図11と関連して図1を手短に参照すると、ガラスゴブ30への潤滑散布が、スクープ44、トラフ46、およびデフレクタ48を潤滑する働きをすることを理解されたい。図11と関連してさらに図1を参照すると、本明細書で論じられた例示の実施形態はスプレーボックス50がゴブフィーダ32およびせん断機構38の下方ならびにゴブ分配装置42の上方に配置されることを企図するが、デフレクタ48の底部の中間およびブランクモールド34の上方などその他の位置にスプレーボックス50を配置することも可能である。
【0059】
[0076]ガラスゴブ30をブランクモールド34に送出したことに続いて、工程を続ける決定をするステップ200で停止すべきであると決定されない限り、工程は続く。工程を続ける場合、工程はゴブを送出する信号を周期的に生成するステップ186に戻る。一方で工程を終了させる場合、工程はその代わりに工程を終了させるステップ202に移行する。
【0060】
[0077]別の任意選択の可能性として、静電気差を与えることがあり、それによってガラスゴブ30の上の潤滑散布の分配が向上する。図11では、これは、ガラスゴブ30がガラスゴブせん断機構38(図1および2に示される)と接触する場合など、ガラスゴブ30が形成されるときに接触する位置と、スプレーノズルアセンブリ100、102、104、および106との間の高電圧源204の配置として示される。
【0061】
[0078]次に、図12から16を参照すると、図3から7に示されるスプレーボックス50とは異なる構造を有する代替実施形態のスプレーボックスが示される。スプレーボックス210は、好ましくは鋼などの耐熱材料から作製され、スプレーボックス50と同様に3つのガラスゴブ30が同時に通過することを可能にするように構成され、したがってセクション当たりに3つのゴブのI.S.機械に使用するために設計されている。当業者は、I.S.機械の構成に応じて、スプレーボックス210が1つから4つのいずれかのガラスゴブ30(所望であればさらに多く)を収容し、同時に通過することを可能にするように構成され得ることを理解するであろう。
【0062】
[0079]スプレーボックス50の最上部と底部で開口80および82それぞれに3つのガラスゴブ30を通過させるのではなく、スプレーボックス210は、その代わりにスプレーボックス210に設置された3つの中空の遮蔽チューブ212、214、および216を使用し、3つのガラスゴブ30がスプレーボックス210を移動するときその遮蔽チューブを通過する。3つの遮蔽チューブ212、214、および216は、筐体を画成するスプレーボックス210の部分を通って延在して所定の位置に支持され、その筐体は4つの側面218、220、222、および224を含む。側面220および224は、互いに対向し、3つの遮蔽チューブ212、214、および216の軸によって画成される平面に平行である。側面218および222も互いに平行であり、側面218の底部が側面222の底部よりも下方に長く延在する。
【0063】
[0080]側面220、224の底部は、約25度で角度を付けられ、側面218に隣接するそれぞれの側で、側面220に隣接するそれぞれの側よりも長くなっている。図12から16に示される3つのゴブのスプレーボックス210に関しては、およその全体の水平寸法(長さおよび幅)は、約30cm(約11.8インチ)と約25cm(約9.85インチ)であり、スプレーボックス50が、その一方の端部での約12cm(約4.7インチ)からその他方の端部での約26cm(約10.2インチ)の可変の深さを有する。遮蔽チューブ212、214、および216は、それぞれ約30cm(約11.8インチ)の長さであってもよく、それぞれ約6cm(約2.35インチ)および約6.5cm(約2.55インチ)のそれぞれの内径および外径を有する。(本明細書に述べる寸法は、ビール瓶などの細首のプレスアンドブロー瓶を製造するためのセクション当たり3つのゴブのI.S.機械のためのものであることに留意されたい。)
[0081]側面218、220、222、および224の全ては、それぞれの上側の面および底側の面の両方に、内側に延在するフランジを有する。側面218、220、222、および224のそれぞれの上側の面の内側に延在するフランジは、それぞれの側面218、220、222、および224の底側の面の内側に延在するフランジよりも内側に延在する距離が短い。
【0064】
[0082]筐体の上部プレート226およびチューブベースプレート228は、スプレーボックス210の3つの遮蔽チューブ212、214、および216を支持するために使用される。チューブベースプレート228は、その中に配置された3つの離間し角度を付けられた孔230、232、および234を有し、その中に3つの遮蔽チューブ212、214、および216が同じ約25度の角度で設置され、そこで側面220および224の底部が角度を付けられている。3つの遮蔽チューブ212、214、および216は、図14に最もよく示されるようにチューブベースプレート228の3つの離間し角度を付けられた孔230、232、および234の中に所定の位置に溶接されてもよい。
【0065】
[0083]次いで、チューブベースプレート228は、スプレーボックス210の底部に設置され、側面218、220、222、および224の底側の面の内側に延在するフランジに支持され、そこでネジまたはその他の同様のハードウェアを使用して固定され得る。筐体の上部プレート226は、スプレーボックス210の最上部に配置され、側面218、220、222、および224の上側の面で内側に延在するフランジに支持され、そこでネジまたはその他の同様のハードウェアを使用して固定され得る。同じ長さである3つの遮蔽チューブ212、214、および216は、全てが同じ量(約27.5cm(約10.8インチ)であり得る)で筐体の上部プレート226から延在し、約7.6cm(約3インチ)離れて直線の並びで隔置され得ることを理解されたい。
【0066】
[0084]3つの遮蔽チューブ212、214、および216は、互いに直に向かい合って配置されたそれぞれ2つの四角形のスロット242および244を有し、スロット242はスプレーボックス210の側面224に面し、スロット244はスプレーボックス210の側面220に面する。スロット242および244の全ては(幅および高さにおいて)同じ大きさであり、スロット242および244の全ては、筐体の上部プレート226の下方で3つの遮蔽チューブ212、214、および216に同じ距離で配置される。スロット242および244は、それぞれ約5cm(約1.97インチ)の幅、および約3cm(約1.2インチ)の高さであることができる。
【0067】
[0085]3つの四角形のスロット246が、スプレーボックス210の側面224に、3つの遮蔽チューブ212、214、および216のスロット242からそれぞれ横断方向に配置されている。同様に、3つの四角形のスロット244が、それぞれスプレーボックス210の側面220に、3つの遮蔽チューブ212、214、および216のスロット244からそれぞれ横断方向に配置されている。四角形のスロット246および四角形のスロット248は、それぞれ約2.5cm(約1インチ)の幅、および約1cm(約0.4インチ)の高さであることができる。それぞれのスロット246に隣接して、スプレーノズルアセンブリ250が設置され、それぞれのスロット248に隣接してスプレーノズルアセンブリ252が設置される。
【0068】
[0086]3つのスプレーノズルアセンブリ250が、3つのノズル設置クランプ256を使用してノズル設置プレート254の下側に設置され、3つのスプレーノズルアセンブリ250をノズル設置プレート254に固定する。3つのスプレーノズルアセンブリ250が、それぞれ、そのスプレーをスプレーボックス210のスロット246を通し、3つの遮蔽チューブ212、214、および216のスロット242を通し、3つの遮蔽チューブ212、214、および216の内側に送出するよう位置決めされる。同様に、3つのスプレーノズルアセンブリ252が、3つのノズル設置クランプ260を使用してノズル設置プレート258の下側に設置され、3つのスプレーノズルアセンブリ252をノズル設置プレート258に固定する。3つのスプレーノズルアセンブリ252が、それぞれ、そのスプレーをスプレーボックス210のスロット248を通し、3つの遮蔽チューブ212、214、および216のスロット244を通し、3つの遮蔽チューブ212、214、および216の内側に送出するように位置決めされる。
【0069】
[0087]3つのスプレーノズルアセンブリ250および252は、水平に設置されるか、たとえば水平から約0度から約10度に下方に角度を付けられてもよい。スプレーボックス210と、スロット246および248と、3つの遮蔽チューブ212、214、および216、ならびにそれぞれのスロット242および244と、スプレーノズルアセンブリ250および252との相対的な位置および寸法は、3つの遮蔽チューブ212、214、および216の内側全体へのスプレーの範囲を最大にするように確立される。
【0070】
[0088]それによって確立されたスプレーパターンは、スプレーボックス210の3つの遮蔽チューブ212、214、および216を通過するガラスゴブ30の全てを被覆するのに十分である。3つのスプレーノズルアセンブリ250および252は、それぞれ3つの遮蔽チューブ212、214、および216を通過するガラスゴブ30の全てを被覆するのに十分に広いものになる水平のスプレーパターンを有し、好ましくはこのスプレーパターンは、本明細書に説明されるスプレーボックス210および3つの遮蔽チューブ212、214、および216の構成および相対的な寸法に対して約25度の広さである。3つの遮蔽チューブ212、214、および216のそれぞれに対するスプレーノズルアセンブリ250およびスプレーノズルアセンブリ252は、その遮蔽チューブを通って落下するガラスゴブ30を完全に被覆するのに十分なスプレーパターンを提供する。
【0071】
[0089]好ましい実施形態では、スプレーノズルアセンブリ250および252は、たとえば、MS61スプレーノズルとしてスイス連邦BodioのTimcal SA社から販売されているスプレーノズルであってもよい。上記に示したように、この実施形態では、25度のスプレー角度が好ましく、0.53mm、0.66mm、0.79mm、および0.91mmのノズルオリフィスが、それぞれTimcal社の部品番号221.1021、221.1022、221.1023、221.1024として販売されている。0.53mmノズルが、スプレーされる潤滑剤の容積を最小限に抑えるために好ましい一実施形態で使用され得る。
【0072】
[0090]ドレンスロット262がスプレーボックス210の側面218にその底部付近に配置され、チューブベースプレート228およびスプレーボックス210の底部に延在するフランジの上方および下端部でスプレーボックス210の底部に集まる潤滑散布またはその他の流体を流し出すことが可能になる。ファンネルアセンブリ264が、ドレンスロット262を覆ってスプレーボックス210の側面218に設置され、スプレーボックス210の底部に収集された潤滑散布またはその他の流体がそこから流し出され、ファンネルアセンブリ264を出てドレンチューブ266に入る。ファンネルアセンブリ264は、スプレーボックス210の側面218に溶接されてもよい。上記に論じた第1の例示の実施形態と同様に、ドレンチューブのセグメント(図12から16には示さない)がドレンチューブ266に取り付けられ、流体をスプレーボックス210およびファンネルアセンブリ264から容器(図12から16には示さない)などの外部の位置に流して、収集、再利用、または廃棄してもよい。
【0073】
[0091]スプレーボックス210は、ゴブ分配装置42(図1および2に示される)に設置されてもよく、インターセプタ66(図2に示される)が図2に示すようにスプレーボックス210の上方でなく下方に設置される。2つの設置ブラケット268および270が、スプレーボックス210の下で側面220および224から内側に延在するフランジに設置される。設置ブラケット268および270は、スプレーボックス210の底部を潤滑散布をスプレーボックス210から流し出すのを促す角度に維持する。設置ブラケット268および270は、たとえば約30cm(約11.8インチ)でスプレーボックス210と同じ長さであり、一方の端部で約2.7cm(約1.05インチ)の高さであり、他方の端部で約12.25cm(約6.4インチ)の高さである。設置ブラケット268および270は、ネジまたはその他の同様のハードウェアを使用してスプレーボックス210に固定されてもよい。
【0074】
[0092]図12から16には、スプレーボックス210の筐体上部プレート226の下に設置された洗い落としマニホルド280も示される。洗い落としマニホルド280は、四角形の構成を有し、スプレーボックス210の側面218、220、222、および224から内側に延在するフランジに隣接した筐体の上部プレート226の下方に設置される。洗い落としマニホルド280は中空であり、洗い落としマニホルド280の下方の外周縁の周りに角度を付けた下方の外表面282を有する。洗い落としマニホルド280は、ネジまたはその他の同様のハードウェアを使用して筐体の上部プレート226に設置されてもよい。
【0075】
[0093]角度を付けた下方の外表面282のいくつかの小孔284は、洗い落としマニホルド280の全ての4つの側面に沿って均等に隔置される。たとえば、洗い落としマニホルド280の長側面にそれぞれの約9個の孔284、および洗い落としマニホルド280の短側面のそれぞれに約7個の孔284があってもよい。孔284は、洗い落としマニホルド280からスプレーボックス210の側面218、220、222、および224の内側に液体のスプレーを送出し、これらの側面218、220、222、および224、ならびにスプレーボックス210の底部の4つの内側に延在するフランジおよびチューブベースプレート228を含む、スプレーボックス210の底部の両方を洗い落とす。洗い落としマニホルド280は、図12に最も良く示されるように、筐体の上部プレート226に配置された孔を通って延在する供給チューブ286によって供給された水などの洗浄液を有してもよい。
代替実施形態のシステムの動作
[0094]図10に示される高圧潤滑散布システムは、同様に潤滑散布をスプレーノズルアセンブリ250および252に供給するために使用され得る。図11に示される例示の制御システムおよび工程は、同様に、第1の実施形態に対して上記に述べたのと基本的に同様な様式で、ガラスゴブ30がスプレーボックス210を通過するとき、ガラスゴブ30に潤滑散布をスプレーすることを制御するために使用されてもよい。ガラスゴブ30の送出に続き、落下するガラスゴブ30がスプレーボックス210(図12から16に示される)の遮蔽チューブ212、214、および216の最上部に達することを可能にする時間遅延の後に、高圧潤滑散布がスプレーノズルアセンブリ250および252から遮蔽チューブ212、214、および216のスロット242および244を通ってスプレーされ、ガラスゴブ30がスロット242および244を通過するときガラスゴブ30を被覆する。ガラスゴブ30がスロット242および244を通り過ぎる((図1および2に示される)ゴブ分配装置42に送出される)とすぐに、高圧潤滑散布のスプレーが止められる。
【0076】
[0095]この制御システムおよび工程は、ゴブ切断刃を作動させるシステム信号に基づいて時間遅延を使用して潤滑散布のスプレーをトリガし、それはガラスゴブ30の大きさ(質量)およびガラスゴブせん断機構38からスプレーボックス210の距離に基づいて計算される。あるいは、潤滑散布のスプレーは、グローバルタイミングサイクルを利用する機械の主タイミングシステムによってトリガされてもよく、そのサイクルで信号がせん断信号の後に生成され得るが、必ずしもそれに関連づけられていない。
【0077】
[0096]ブランクモールド(ならびにゴブ送出システム)に十分な潤滑散布を行うために、必ずしも全てのガラスゴブ30を潤滑しなくてもよいことが認められている。したがって、潤滑散布のスプレーをトリガするこれらのモードのいずれも、たとえばスプレーボックス210を通過するN個のゴブごとに1回、スプレーボックス210を通過するガラスゴブ30をスプレーするように潤滑散布システムを作動させるなど、周期的に潤滑散布システムを作動させることによって修正してもよく、ただしNはたとえば約2から約30、より好ましくは約8から約18、最も好ましくは約10から約14など、変更することができる。したがって、本明細書に提供される最も好ましい例では、潤滑散布適用システムにおいては、スプレーボックス210(またはスプレーボックス50)を通って落下する一連のゴブ30の10ごとに1つのみがスプレーされる。
【0078】
[0097]スプレーボックス210は、水またはその他の液体が洗い落としマニホルド280の供給チューブ286に供給され、洗い落としマニホルド280の角度を付けた下方外側の表面282の孔284がスプレーボックス210の4つの側面218、220、222、および224に水またはその他の液体を送出する「洗い流し」システムを有する。水またはその他の液体は側面218、220、222、および224を落ち、側面218、220、222、および224の底部の内側に延在するフランジおよびチューブベースプレート228に流れ、潤滑散布からの残留物を洗い落とし、ファンネルアセンブリ264を通りドレンチューブ266に入り廃棄または再利用される。
【0079】
[0098]洗い流しシステムは、洗い落としマニホルド280の孔284の大きさ、および洗い落としマニホルド280への水またはその他の液体の供給のデューティーサイクルに応じて、スプレーボックス210の内側を押し流し、または噴霧することができる。デューティーサイクルは、連続的な動作(典型的には噴霧を使用する)から間欠的な動作(典型的にはより大きな孔284を通るより大きな流量)までの範囲全体にわたることができる。たとえば洗い流しシステムは、現地の給水施設に連結されてもよく、電子制御された弁(図示せず)を使用して洗い流しシステムを動作させるために洗い落としマニホルド280を加圧してもよい。
【0080】
[0099]洗い流しシステムは、いくつかの異なる形で動作され得る。たとえば、洗い流しシステムは、毎回潤滑散布がスプレーされた後、潤滑散布がスプレーされた時からの時間遅延の後の所定の(短い)間作動されて、スプレーボックス210をフラッシングするために動作されてもよい。あるいは、たとえば10分ごとに1回スプレーボックス210をフラッシングするために動作するなど、所定の時間間隔の満了の後に動作される独立した時間遅延があってもよい。あるいは、スプレーボックス210内に蓄積する残留物を監視するセンサを使用して、残留物がセンサをトリガするのに十分に蓄積するとスプレーまたはフラッシングをトリガすることができる。
【0081】
[0100]したがって、本発明の好ましい実施形態の上記の詳細な説明から、本発明は、潤滑散布をガラスゴブに適用するために、ガラスゴブが形成された後、かつそれがブランクモールドにロードされる前に手作業を差し挟む必要なしに液体ベースの潤滑散布をガラスゴブに適用するシステムおよび方法を提供することを理解することができる。落下するゴブに潤滑散布を適用する本発明のシステムおよび方法は、ゴブが自由落下しゴブ分配システムのどの部分にも接触しない間にゴブに液体ベースの潤滑散布を適用し、それによってゴブ分配システムにも潤滑を与える。落下するゴブに潤滑散布を適用する本発明のシステムおよび方法は、ブランクモールドを潤滑散布によって塗布する必要を完全に不要にし、それによって一定でなく、困難であり、労働集約的な、潤滑剤を使用してブランクモールドを手で塗布する作業をなくし、それによってブランクモールド、ネックリング、およびブローモールドを連続的に潤滑する。最後に、落下するゴブに潤滑散布を適用する本発明のシステムおよび方法は、実質的な関連する欠点を少しも受けることなく数多くの利点を実現する。
【0082】
[0101]本発明の上記の説明は特定の実施形態およびその適用を参照して示し、説明してきたが、それは例示および説明の目的で提示されたものであり、網羅的であることを意図するものでも本発明を開示された特定の実施形態および適用に限定するものでもない。本明細書に記載されたように、本発明にいくつかの変更、修正、変形、または改変がなされ得るが、そのうちのどれもが本発明の趣旨および範囲から逸脱するものではないことが、当分野の技術者には明らかになるであろう。本発明の原理および実際の適用の最良の例示を提供し、それによって当分野の技術者が、企図される特定の用途に適した様々な実施形態および様々な修正形態で本発明を利用することができるように、特定の実施形態および適用を選択して説明した。したがって、そのような変更、修正、変形、および改変は全て、それらが適正に、合法的に、かつ公平に権利を与えられる範囲にしたがって解釈された場合に、別紙の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあるとみなされる。
【0083】
[0102]本出願は、本出願に添付の特許請求の範囲の特徴の特定の組み合わせを列挙するが、本発明の様々な実施形態は、そのような組み合わせが現在特許請求の範囲に記載されているか否かにかかわらず、本明細書に記載された任意の特徴の任意の組み合わせに関連し、特徴の任意のそのような組み合わせが今回または将来の出願の特許請求の範囲に記載され得る。上記に論じた任意の例示の実施形態の任意の特徴、要素、または構成要素は、単独で、または上記に論じた任意のその他の実施形態の任意の特徴、要素、または構成要素の組み合わせで特許請求の範囲に記載され得る。
図1
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