(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記可撓性の係止部と流量検知部との間の係合が、前記可撓性の係止部に設けた凸部または凹部と、前記流量検知部に設けた凹部または凸部との係合から構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフローセンサ。
前記可撓性の係止部と流量検知部との間の係合が、前記可撓性の係止部に設けた微小な凹凸と、前記流量検知部に設けた微小な凹凸との係合から構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフローセンサ。
【背景技術】
【0002】
従来、このような流体の流量を測定するためのフローセンサとして、検出流量に応じたパルス信号を発生する形式のものが開発されている。このフローセンサは、例えば、瞬間湯沸器のフィードフォワード制御、バーナの着火制御などに使用されるほか、浴槽への積算流量、ボイラーなどの残湯量の検出用センサなどとして広く用いられている。
【0003】
このような流体の流量を測定するためのフローセンサとしては、特許文献1(特開2001−255183号公報)に開示されている構造のフローセンサがある。
【0004】
図18は、この特許文献1に開示されている従来のフローセンサの縦断面図、
図19は、
図18のフローセンサのA方向の端面図である。
【0005】
この従来のフローセンサ100は、
図18、
図19に示したように、略円管形状のフローセンサ配管本体を構成するフローセンサ本体102を備えており、このフローセンサ本体102の上流側の入口104には、渦流を発生させる固定の渦流発生羽根部材106が設けられている。
【0006】
また、
図18、
図19に示したように、渦流発生羽根部材106は、複数の(5枚の)螺旋状に形成された羽根部材108から構成されている。そして、このように形成された複数の羽根部材108の間に、螺旋状に5つの渦流発生導入路110が形成されている。
【0007】
また、渦流発生羽根部材106の下流側には、渦流発生羽根部材106の渦流発生導入路110を通過することにより発生された渦流によって回転する流量測定用回転羽根部材112が回転可能に設けられている。
【0008】
すなわち、渦流発生羽根部材106の中央に軸受け114が形成されており、この軸受け114に、流量測定用回転羽根部材112の軸部116の一方の端部116aが装着されている。
【0009】
さらに、この流量測定用回転羽根部材112の下流側には、この流量測定用回転羽根部材112を通過した流体を排出するための出口部材118が設けられている。この出口部材118には、流体を排出するための複数の出口118aが形成されている。
【0010】
また、この出口部材118の中央に軸受け120が形成されており、この軸受け120に、流量測定用回転羽根部材112の軸部116の他方の端部116bが装着されている。
【0011】
このように構成することによって、渦流発生羽根部材106の軸受け114、出口部材118の軸受け120に軸支されて、流量測定用回転羽根部材112が回転可能に設けられている。
【0012】
さらに、
図18、
図19に示したように、流量測定用回転羽根部材112は、4枚の中心角度90°で相互に離間して形成された羽根部140が設けられている。これらの羽根部140の先端は、それぞれ交互にS極とN極に磁化されている。
【0013】
また、フローセンサ本体102の側部に形成した凹部102aには、流量測定用回転羽根部材112の回転によって、流量測定を行う流量検知部122を備えている。
【0014】
この流量検知部122は、例えば、ホールICなどにより、流量測定用回転羽根部材112の回転に伴って、羽根部140の磁化された先端による磁束密度の変動、または、磁界方向の変動をパルス信号として出力することによって流量を測定するように構成されている。
【0015】
なお、渦流発生羽根部材106は、円筒形状のケーシング124と一体で構成され、これらの流量測定用回転羽根部材112、出口部材118が、円筒形状のケーシング124内に一体的に収納され、フローセンサユニット126を構成している。
【0016】
そして、このフローセンサユニット126を、フローセンサ本体102に形成された入口側の段部102bに、渦流発生羽根部材106側を当接させて、出口部材118側を固定リング128で固定することによって、フローセンサ本体102の内部にフローセンサユニット126を配置するように構成されている。
【0017】
このように構成される従来のフローセンサ100では、フローセンサ本体102の上流側の入口104から導入された流体が、渦流発生羽根部材106の渦流発生導入路110を通過することにより渦流が発生される。
【0018】
そして、このように発生された渦流によって、流量測定用回転羽根部材112が回転し、流量検知部122によって、例えば、ホールICなどにより、流量測定用回転羽根部材112の回転に伴って、羽根部140の磁化された先端による磁束密度の変動、または、磁界方向の変動をパルス信号として出力することによって流量を測定するように構成されている。
【0019】
さらに、この流量測定用回転羽根部材112を通過した流体は、出口部材118の複数の出口118aを介して、外部に排出されるようになっている。
【0020】
具体的には、流量検知部122は、
図18に示したように、基板130を備えており、この基板130にホールIC132が配設されている。そして、流量測定用回転羽根部材112の回転に伴って、羽根部140の磁化された先端による磁界方向の変化を、ホールIC132により検出してパルス信号を発生するように構成されている。
【0021】
すなわち、ホールIC132に直流定格電圧を、端子134を介して印加しておくことにより、流量測定用回転羽根部材112の回転数(流量)に応じた周波数の電圧が、端子134を介して出力されるようになっている。
【0022】
なお、
図18中、符号136は、流量検知部122の基板130、ホールIC132などを封止する封止樹脂を、符号138は、リード線を、符号142は、取り出しハウジングをそれぞれ示している。
【0023】
また、端子134は、
図18に示したように、共通線(GND)134a、入力電源線(Vcc)134b、出力信号線(Vout)134cの3本の電線と接続されている。
【0024】
しかしながら、このような従来のフローセンサ100では、フローセンサ配管本体を構成するフローセンサ本体102と、流量測定を行う流量検知部122とが、フローセンサ本体102の側部に形成した凹部102aに封入した封止樹脂136で一体化された構造である。
【0025】
従って、このようなフローセンサ本体102と、流量測定を行う流量検知部122とが一体化された構造では、フローセンサ本体102と流量検知部122のいずれか一方が、故障した場合にも、フローセンサ本体102と流量検知部122の両方(フローセンサ100自体)を交換しなければならず、コストが高くつくことになる。
【0026】
また、このようにフローセンサ本体102と、流量測定を行う流量検知部122とが一体化された構造では、例えば、フローセンサ本体102と、流量検知部122とを事前に、その性能を事前に検査しておいて、使用する機器に応じて、フローセンサ本体102と、流量検知部122とを組み合わせて、その使用環境に応じた最適なフローセンサ100を構成することは不可能である。
【0027】
このため、フローセンサ本体と、流量測定を行う流量検知部とが分離可能に構成されたフローセンサとして、特許文献2(実開平2−110824号公報)には、
図20に示したような構造のフローセンサ200が開示されている。
【0028】
すなわち、
図20に示したように、特許文献2のフローセンサ200では、フローセンサ配管本体を構成するフローセンサ本体202の側部には、流量検知部204を取り付けるための取り付け貫通孔206が形成されている。
【0029】
そして、取り付け貫通孔206には、雌ネジ208が螺設されており、この雌ネジ208の上部にシール溝210が形成され、このシール溝210にOリングなどのシール材212が装着されている。
【0030】
一方、流量検知部204は、ホールICなどの検出素子214が収容されたセンサーケース216を備えており、このセンサーケース216の下端に、取り付け貫通孔206の雌ネジ208と螺着する雄ネジ218が形成されている。
【0031】
これにより、センサーケース216の下端に形成された雄ネジ218を、フローセンサ本体202の取り付け貫通孔206に形成され
た雌ネジ208に螺着することによって、フローセンサ本体202と、流量測定を行う流量検知部204とが分離可能に構成されている。
【0032】
また、特許文献3(実開昭64−51823号公報)には、フローセンサ本体と、流量測定を行う流量検知部とが分離可能に構成されたフローセンサが開示されている。この特許文献3のフローセンサでは、図示しないが、特許文献2と同様に、フローセンサ本体の側部には、流量検知部を取り付けるための取り付け貫通孔が形成され、取り付けビスにてフローセンサ本体と、流量測定を行う流量検知部とが分離可能に構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0034】
しかしながら、特許文献2のフローセンサ200では、フローセンサ本体202の側部に、流量検知部204を取り付けるための取り付け貫通孔206が形成されている構造であるので、フローセンサ本体202内を流れる流体の圧力が、流量検知部204のホールICなどの検出素子214などにかかることになる。
【0035】
そのため、測定結果に影響を及ぼし、正確な流量の測定結果が得られないおそれがあるとともに、フローセンサ本体202内を流れる流体の圧力によって、流量検知部204のホールICなどの検出素子214などが損傷するおそれもある。
【0036】
また、特許文献3のフローセンサにおいても、取り付け貫通孔が形成されており、同様な問題がある。
【0037】
さらに、
特許文献2のフローセンサ200では、フローセンサ本体202の側部に取り付け貫通孔206、雌ネジ208、シール溝210を形成したり、センサーケース216の下端に、雄ネジ218
を形成する必要があり複雑な構成となり、Oリングなどのシール材212も必要で部品点数も多くなりコストが高くつくことになる。
【0038】
また、特許文献3のフローセンサにおいても、特許文献2と同様に、ビス孔、ビスなどを設ける必要があり、複雑な構成となり、Oリングなどのシール材も必要で部品点数も多くなりコストが高くつくことになる。
【0039】
また、特許文献2のフローセンサ200において、フローセンサ本体202と流量検知部204との脱着を繰り返すことによって、取り付け貫通孔206の雌ネジ208、センサーケース216の雄ネジ218の螺着が緩んでしまい、フローセンサ本体202から流量検知部204が脱落したり、流体の漏えいが生じるおそれがあった。
【0040】
特許文献3のフローセンサにおいても、特許文献2と同様に、フローセンサ本体と流量検知部との脱着を繰り返すことによって、ビスが摩耗損傷してしまい、フローセンサ本体から流量検知部が脱落したり、流体の漏えいが生じるおそれがあった。
【0041】
このため、特許文献4(実開昭63−148828号公報)には、特許文献2、特許文献3のように、フローセンサ本体の側部に取り付け貫通孔を設けずに、ストッパー部材を用いることによって、フローセンサ本体と、流量測定を行う流量検知部とを分離可能に構成したフローセンサが開示されている。
【0042】
図21に示したように、特許文献4のフローセンサ300では、概略下記のような構成になっている。
【0043】
すなわち、
図21に示したように、特許文献4のフローセンサ300では、フローセンサ配管本体を構成するフローセンサ本体302の上部に形成した凹部302a内に、流量検知部304を嵌着した状態にする。
【0044】
この状態で、流量検知部304の脚部306の外側に形成したスリット308と、フローセンサ本体302の側部に外方が開口した溝部310と
が合致した状態になる。
【0045】
そして、フローセンサ本体302の長手方向から、板状のストッパー部材312を、流量検知部304の脚部306に形成したスリット308内に嵌合する。これにより、ストッパー部材312の長手方向の両端部が、フローセンサ本体302の溝部310の上壁に係合することによって、フローセンサ本体302と、流量測定を行う流量検知部304とが分離可能に構成されている。
【0046】
しかしながら、特許文献4のフローセンサ300では、流量検知部304の脚部306のスリット308、フローセンサ本体302の側部の溝部310を形成するとともに、ストッパー部材312を用いなければならない。
【0047】
このため、複雑な構成で部品点数も多くなり、フローセンサ本体と、流量検知部とを脱着するのに煩雑な作業が必要であり、コストが高くつくことになる。
【0048】
本発明は、このような現状に鑑み、フローセンサ本体と、流量測定を行う流量検知部とが簡単に脱着可能で、しかも、簡単な構造で、部品点数も少なく、コストを低減できるフローセンサを提供することを目的とする。
【0049】
また、本発明は、フローセンサ本体と流量検知部との脱着を繰り返しても、脱落したり、ゆるみが生じたり、流体の漏えいが生じるおそれがなく、正確な流量の測定が可能なフローセンサを提供することを目的とする。
【0050】
さらに、本発明は、例えば、フローセンサ本体に異物が付着するなどして故障した場合に、フローセンサ本体のみを交換でき、また、例えば、過電流などによる短絡などによって流量検知部が故障した場合に、流量検知部のみを交換でき、修理に要する部品のコストを低減できるフローセンサを提供することを目的とする。
【0051】
また、本発明は、例えば、フローセンサ本体と、流量検知部とを事前に、その性能を事前に検査しておいて、使用する機器に応じて、フローセンサ本体と、流量検知部とを組み合わせて、その使用環境に応じた最適なフローセンサを構成することが可能なフローセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0052】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明のフローセンサは、
流体の流量を測定するためのフローセンサであって、
前記流体が流れるとともに、流体の流れにより回転する流量測定用回転羽根部材を備えたフローセンサ本体と、
前記流量測定用回転羽根部材の回転によって、流量測定を行う流量検知部とを備え、
前記フローセンサ本体の側周部には、
前記フローセンサ本体のセンサ収容部の側周部から半径方向外側に突設されたフランジ部と、前記フランジ部から相互に接近する方向に屈曲した屈曲部と、前記屈曲部から相互に接近する方向に延設された延設係止部とを備え、フローセンサ配管本体の長手方向またはフローセンサ配管本体の短手方向に、相互に離間した2つの可撓性の係止部と、
前記係止部とフローセンサ配管本体のセンサ収容部の側周部との間に形成された係止用空間部とが形成され、
前記フローセンサ本体の係止用空間部内に、
フローセンサ配管本体の短手方向またはフローセンサ配管本体の長手方向から、前記流量検知部を、前記可撓性の係止部、若しくは、可撓性の流量検知部、または、可撓性の係止部と可撓性の流量検知部の両方を弾性変形させるように装着することにより、
前記可撓性の係止部、若しくは、可撓性の流量検知部、または、可撓性の係止部と可撓性の流量検知部の両方の復元力によって、前記流量検知部を、フローセンサ本体の側周部に脱着自在に係合するように構成したことを特徴とする。
【0053】
このように構成することによって、フローセンサ本体の側周部に形成した可撓性の係止部によって形成された係止用空間部内に、流量検知部を、可撓性の係止部、若しくは、可撓性の流量検知部、または、可撓性の係止部と可撓性の流量検知部の両方を弾性変形させるように装着することにより、可撓性の係止部、若しくは、可撓性の流量検知部、または、可撓性の係止部と可撓性の流量検知部の両方の復元力によって、流量検知部を、フローセンサ本体の側周部に脱着自在に係合することができる。
【0054】
すなわち、流量検知部を、フローセンサ本体の側周部に装着する際には、可撓性の係止部、若しくは、可撓性の流量検知部、または、可撓性の係止部と可撓性の流量検知部の両方が弾性変形して、可撓性の係止部によって形成された係止用空間部が広がり、係止用空間部内の所定の位置への流量検知部の装着が容易になる。
【0055】
しかも、流量検知部を係止用空間部内の所定の位置へ装着した後は、可撓性の係止部、若しくは、可撓性の流量検知部、または、可撓性の係止部と可撓性の流量検知部の両方の復元力によって、係止用空間部が狭まり、係止用空間部内の所定の位置で流量検知部が固定される。
【0056】
逆に、流量検知部を、フローセンサ本体の側周部から取り外す際には、流量検知部を係止用空間部から引く抜くことによって、可撓性の係止部、若しくは、可撓性の流量検知部、または、可撓性の係止部と可撓性の流量検知部の両方が弾性変形して、係止用空間部が広がり、係止用空間部内から容易に取り外すことができる。
【0057】
従って、フローセンサ本体と、流量測定を行う流量検知部とが簡単に脱着可能で、しかも、簡単な構造で、部品点数も少なく、コストを低減できる。
【0058】
また、フローセンサ本体と流量検知部との脱着を繰り返しても、脱落したり、ゆるみが生じたり、流体の漏えいが生じるおそれがなく、正確な流量の測定が可能である。
【0059】
さらに、例えば、フローセンサ本体に異物が付着するなどして故障した場合に、フローセンサ本体のみを交換でき、また、例えば、過電流などによる短絡などによって流量検知部が故障した場合に、流量検知部のみを交換でき、修理に要する部品のコストを低減できる。
【0060】
また、例えば、フローセンサ本体と、流量検知部とを、その性能を事前に検査しておいて、使用する機器に応じて、フローセンサ本体と、流量検知部とを組み合わせて、その使用環境に応じた最適なフローセンサを構成することが可能である。
【0061】
また、本発明のフローセンサは、前記可撓性の係止部と流量検知部との間の係合が、前記可撓性の係止部に設けた凸部または凹部と、前記流量検知部に設けた凹部または凸部との係合から構成されていることを特徴とする。
【0062】
このように構成することによって、可撓性の係止部に設けた凸部または凹部と、流量検知部に設けた凹部または凸部とが凹凸係合することによって、可撓性の係止部と流量検知部との間が係合されるので、可撓性の係止部によって、流量検知部を係止用空間部内に確実に固定できる。
【0063】
また、本発明のフローセンサは、前記可撓性の係止部と流量検知部との間の係合が、前記可撓性の係止部に設けた微小な凹凸と、前記流量検知部に設けた微小な凹凸との係合から構成されていることを特徴とする。
【0064】
このように構成することによって、可撓性の係止部に設けた微小な凹凸と、流量検知部に設けた微小な凹凸とが凹凸係合することによって、可撓性の係止部と流量検知部との間が係合されるので、微小な凹凸同士の係合力が増大し、可撓性の係止部によって、流量検知部を係止用空間部内により確実に固定できる。
【0065】
また、本発明のフローセンサは、
前記フローセンサ本体の側周部と流量検知部との間の係合が、
前記フローセンサ本体の係止用空間部内に、流量検知部を装着する方向に延びる、前記フローセンサ本体の側周部に形成した凸部または凹部と、
前記フローセンサ本体の係止用空間部内に、流量検知部を装着する方向に延びる、前記流量検知部に設けた凹部または凸部との係合から構成されていることを特徴とする。
【0066】
このように構成することによって、フローセンサ本体の側周部に形成した凸部または凹部と、流量検知部に設けた凹部または凸部とが凹凸係合することによって、フローセンサ本体の側周部と流量検知部との間が係合されるので、流量検知部を係止用空間部内により確実に固定できる。
【0067】
また、フローセンサ本体の係止用空間部内に、流量検知部を装着する際には、これらのフローセンサ本体の側周部に形成した凸部または凹部と、流量検知部に設けた凹部または凸部とが案内されることになるので、装着が円滑に行える。
【0068】
また、本発明のフローセンサは、
前記フローセンサ本体が、
前記フローセンサ配管本体と、
前記フローセンサ配管本体内に、流体の流れ方向に配設されたフローセンサユニットとを備え、
前記フローセンサユニットが、
前記フローセンサユニットの流体の上流側入口に配設され、渦流を発生させる固定の渦流発生羽根部材と、
前記渦流発生羽根部材の下流側に配設され、前記渦流発生羽根部材により発生された渦流によって回転する流量測定用回転羽根部材と、
前記流量測定用回転羽根部材の軸部を軸支する軸受けと、
を備えることを特徴とする。
【0069】
このように構成することによって、フローセンサ本体が、フローセンサ配管本体と、フローセンサ配管本体内に、流体の流れ方向に配設されたフローセンサユニットを備えるので、例えば、フローセンサユニットに異物が付着するなどして故障した場合に、フローセンサユニットのみを交換でき、修理に要する部品のコストを低減できる。
【0070】
また、例えば、フローセンサユニットと、流量検知部とを、その性能を事前に検査しておいて、使用する機器に応じて、フローセンサユニットと、流量検知部とを組み合わせて、その使用環境に応じた最適なフローセンサを構成することが可能である。
【0071】
さらに、フローセンサユニットの流体の上流側入口に配設された固定の渦流発生羽根部材によって、渦流が確実に発生される。
【0072】
そして、この渦流発生羽根部材により発生された渦流によって、渦流発生羽根部材の下流側に配設され、軸受けに軸部が軸支された流量測定用回転羽根部材が確実に回転するので、フローセンサ本体の側周部に装着された流量検知部によって、流量を正確に測定することができる。
【発明の効果】
【0073】
本発明によれば、フローセンサ本体の側周部に形成した可撓性の係止部によって形成された係止用空間部内に、流量検知部を、可撓性の係止部、若しくは、可撓性の流量検知部、または、可撓性の係止部と可撓性の流量検知部の両方を弾性変形させるように装着することにより、可撓性の係止部、若しくは、可撓性の流量検知部、または、可撓性の係止部と可撓性の流量検知部の両方の復元力によって、流量検知部を、フローセンサ本体の側周部に脱着自在に係合することができる。
【0074】
すなわち、流量検知部を、フローセンサ本体の側周部に装着する際には、可撓性の係止部、若しくは、可撓性の流量検知部、または、可撓性の係止部と可撓性の流量検知部の両方が弾性変形して、可撓性の係止部によって形成された係止用空間部が広がり、係止用空間部内の所定の位置への流量検知部の装着が容易になる。
【0075】
しかも、流量検知部を係止用空間部内への所定の位置へ装着した後は、可撓性の係止部、若しくは、可撓性の流量検知部、または、可撓性の係止部と可撓性の流量検知部の両方の復元力によって、係止用空間部が狭まり、係止用空間部内への所定の位置への流量検知部が固定される。
【0076】
逆に、流量検知部を、フローセンサ本体の側周部から取り外す際には、流量検知部を係止用空間部から引く抜くことによって、可撓性の係止部、若しくは、可撓性の流量検知部、または、可撓性の係止部と可撓性の流量検知部の両方が弾性変形して、係止用空間部が広がり、係止用空間部内から容易に取り外すことができる。
【0077】
従って、フローセンサ本体と、流量測定を行う流量検知部とが簡単に脱着可能で、しかも、簡単な構造で、部品点数も少なく、コストを低減できる。
【0078】
また、フローセンサ本体と流量検知部との脱着を繰り返しても、脱落したり、ゆるみが生じたり、流体の漏えいが生じるおそれがなく、正確な流量の測定が可能である。
【0079】
さらに、例えば、フローセンサ本体に異物が付着するなどして故障した場合に、フローセンサ本体のみを交換でき、また、例えば、過電流などによる短絡などによって流量検知部が故障した場合に、流量検知部のみを交換でき、修理に要する部品のコストを低減できる。
【0080】
また、例えば、フローセンサ本体と、流量検知部とを、その性能を事前に検査しておいて、使用する機器に応じて、フローセンサ本体と、流量検知部とを組み合わせて、その使用環境に応じた最適なフローセンサを構成することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0082】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
(実施例1)
【0083】
図1は、本発明のフローセンサ10の正面図、
図2は、本発明のフローセンサ10の縦断面図、
図3は、本発明のフローセンサ10の斜視図、
図4は、本発明のフローセンサ10において、流量検知部54を、フローセンサ本体12の側部に装着する状態を説明する斜視図、
図5は、
図4の装着状態を説明する部分拡大断面図である。
【0084】
図1〜
図4において、符号10は、全体で本発明のフローセンサ10を示している。
【0085】
図1〜
図4に示したように、本発明のフローセンサ10は、フローセンサ本体12を備えており、このフローセンサ本体12は、流体が流れる略円管形状のフローセンサ配管本体12aを備えている。このフローセンサ配管本体12aは、
図1〜
図4に示したように、入口側配管部14と、出口側配管部16と、これらの入口側配管部14と出口側配管部16との間に設けられたセンサ収容部18を備えている。
【0086】
図1〜
図4に示したように、フローセンサ配管本体12aのセンサ収容部18にはその内部に、流体の流れ方向に、略円筒形状の貫通孔からなるフローセンサ本体収容部20が形成されている。
【0087】
また、このフローセンサ本体収容部20には、その内周壁に、入口側配管部14側に段部22が形成されている。そして、
図2示したように、このフローセンサ本体収容部20に、流体の流れ方向にフローセンサユニット24が配設されている。
【0088】
図2示したように、フローセンサユニット24は、
図18に示した従来のフローセンサユニット126と同様な構成のフローセンサユニットから構成されている。
【0089】
すなわち、渦流発生羽根部材30は、円筒形状のケーシング28と一体で構成され、流量測定用回転羽根部材32、出口部材34が、円筒形状のケーシング28内に一体的に収納され、フローセンサユニット24を構成している。
【0090】
そして、ケーシング28の上流側の入口36には、渦流を発生させる固定の渦流発生羽根部材30が設けられている。
【0091】
また、
図2示したように、渦流発生羽根部材30は、複数の(この実施例では5枚の)螺旋状に形成された羽根部材38から構成されている。そして、このように形成された複数の羽根部材38の間に、螺旋状に5つの渦流発生導入路40が形成されている。
【0092】
また、渦流発生羽根部材30の下流側には、渦流発生羽根部材30の渦流発生導入路40を通過することにより発生された渦流によって回転する流量測定用回転羽根部材32が回転可能に設けられている。
【0093】
すなわち、渦流発生羽根部材30の中央に軸受け42が形成されており、この軸受け42に、流量測定用回転羽根部材32の軸部44の一方の端部44aが装着されている。
【0094】
さらに、この流量測定用回転羽根部材32の下流側には、この流量測定用回転羽根部材32を通過した流体を排出するための出口部材34が設けられている。この出口部材34には、流体を排出するための複数の出口34aが形成されている。
【0095】
また、この出口部材34の中央に軸受け46が形成されており、この軸受け46に、流量測定用回転羽根部材32の軸部44の他方の端部44bが装着されている。
【0096】
このように構成することによって、渦流発生羽根部材30の軸受け42、出口部材34の軸受け46に軸支されて、流量測定用回転羽根部材32が回転可能に設けられている。
【0097】
さらに、
図2に示したように、流量測定用回転羽根部材32は、4枚の中心角度90°で相互に離間して形成された羽根部48が設けられている。これらの羽根部48の先端は、それぞれ交互にS極とN極に磁化されている。
【0098】
そして、
図2に示したように、このフローセンサユニット24を、フローセンサ配管本体12aの出口側配管部16側からフローセンサ本体収容部20内に挿入している。
【0099】
そして、フローセンサ本体収容部20の内周壁に形成された段部22に、渦流発生羽根部材30側を当接させて、出口部材34側を固定リング50で固定することによって、フローセンサ本体収容部20の内部にフローセンサユニット24を配置するように構成されている。
【0100】
一方、
図1〜
図4に示したように、フローセンサ配管本体12aのセンサ収容部18の側周部には、矩形形状の凹部52が形成されており、凹部52には、流量測定用回転羽根部材32の回転によって、流量測定を行う流量検知部54を備えている。
【0101】
なお、後述するように、
この凹部52の形状は、後述する収容ケース74の収容ケース本体74aに合致した形状に形成されている。
【0102】
この流量検知部54は、例えば、ホールICなどにより、流量測定用回転羽根部材32の回転に伴って、羽根部48の磁化された先端による磁束密度の変動、または、磁界方向の変動をパルス信号として出力することによって流量を測定するように構成されている。
【0103】
具体的には、流量検知部54は、
図1〜
図4に示したように、基板56を備えており、この基板56にホールIC58が配設されている。そして、流量測定用回転羽根部材32の回転に伴って、羽根部48の磁化された先端による磁界方向の変化を、ホールIC58により検出してパルス信号を発生するように構成されている。
【0104】
すなわち、ホールIC58に直流定格電圧を、端子60を介して印加しておくことにより、流量測定用回転羽根部材32の回転数(流量)に応じた周波数の電圧が、端子60を介して出力されるようになっている。
【0105】
なお、端子60は、
図1〜
図4に示したように、共通線(GND)60a、入力電源線(Vcc)60b、出力信号線(Vout)60cの3本の電線と接続されている。
【0106】
また、
図1〜
図4に示したように、フローセンサ配管本体12aのセンサ収容部18の側周部には、矩形形状の凹部52の長手方向の外側にそれぞれ、2つの可撓性の係止片形状の係止部62が突設するように形成されている。
【0107】
なお、この場合、本明細書で、「可撓性」とは、後述するように、係止部62、または、流量検知部54(係止用フランジ78)の少なくとも一方が、弾性変形するとともに、復元力によって元の状態に復帰できる性質を有する意味である。
【0108】
また、
図1〜
図4に示したように、これらの係止部62は、フローセンサ配管本体12aのセンサ収容部18の側周部から半径方向外側に突設されたフランジ部64と、フランジ部64から相互に接近する方向に屈曲した屈曲部66と、この屈曲部66から相互に接近する方向に延設された延設係止部68とを備えている。
【0109】
また、
図1〜
図4に示したように、係止部62の延設係止部68の下面には、係止用凸部70が下方に突設するように形成されている。さらに、
図1〜
図4に示したように、係止部62とフローセンサ配管本体12aのセンサ収容部18の側周部との間には、係止部62によって係止用空間部72が形成されている。
【0110】
一方、流量検知部54は、略箱形状の収容ケース74を備えており、この収容ケース74内に、基板56、ホールIC58などが収容されており、封止樹脂76で封止されている。
【0111】
また、
図1〜
図4に示したように、収容ケース74の長手方向の両端には、係止用フランジ78が形成されており、この係止用フランジ78の略中央部分に、係止用凹部80が形成されている。
【0112】
この係止用凹部80は、後述するように、流量検知部54を、フローセンサ本体12の側部(この実施例では、フローセンサ配管本体12aのセンサ収容部18)に装着する際に、係止部62の延設係止部68の係止用凸部70が、収容ケース74の係止用凹部80に嵌合して、係止用空間部72内に固定するためのものである。
【0113】
従って、収容ケース74の係止用凹部80の形状は、係止部62の係止用凸部70と略同一形状となっている。この場合、この実施例では、係止用凸部70の形状を半円ドーム形状にし、係止用凹部80の形状を円形貫通孔形状にしたが、その形状は、特に限定されるものでもない。例えば、係止用凸部70の形状を縦長形状とし、係止用凹部80の形状をスリット状の溝形状とするなど種々の変更が可能である。
【0114】
なお、この場合、後述するように、流量検知部54を、フローセンサ本体12の側部に脱着するのを容易にするためには、この実施例のように、係止用凸部70の形状を半円ドーム形状などの形状にして、係止部62の係止用凸部70に、係止用凹部80への脱着を容易にするために、テーパー面を有するような形状にするのが望ましい。
【0115】
また、これらの係止用凸部70、係止用凹部80の数も特に限定されるものではなく、例えば、
図6に示したように、複数個(
図5の実施例では、2個)設けることも可能である。
【0116】
なお、係止部62によって形成される係止用空間部72の形状は、収容ケース74の係止用フランジ78を挿着するために、収容ケース74の係止用フランジ78に合致した形状に形成されている。
【0117】
このように構成される本発明のフローセンサ10において、流量検知部54を、フローセンサ本体12の側部に装着する(この実施例では、フローセンサ配管本体12aのセンサ収容部18)には、
図4〜
図5に示したようにすればよい。
【0118】
先ず、
図4の矢印Aに示したように、フローセンサ配管本体12aの短手方向から、流量検知部54を、すなわち、収容ケース74の係止用フランジ78を、係止部62によって形成される係止用空間部72内に挿着していく。
なお、
図4の矢印Aと対向する側のフローセンサ配管本体12aの短手方向から、収容ケース74の係止用フランジ78を、係止部62によって形成される係止用空間部72内に挿着してもよいことはもちろんである。
【0119】
これにより、
図5(A)に示したように、可撓性の係止部62によって形成される係止用空間部72内に、流量検知部54
を装着することによって、すなわち、収容ケース74の係止用フランジ78の係止用凸部70
を装着することによって、図5(A)の矢印Bで示したように、可撓性の係止部62が弾性変形して、係止用空間部72が広がることになる。
【0120】
なお、この際、収容ケース74の係止用フランジ78の前後端部には、
図4に示したように、可撓性の係止部62が弾性変形して、係止用空間部72が広がるのを容易にするために、テーパー形状の傾斜案内面78aが形成されている。
【0121】
これにより、係止用空間部72内への所定の位置、すなわち、係止部62の延設係止部68の係止用凸部70が、収容ケース74の係止用凹部80に合致する位置への流量検知部54(収容ケース74)の装着が容易になる。
【0122】
そして、このように、係止用空間部72内への所定の位置、すなわち、係止部62の延設係止部68の係止用凸部70が、収容ケース74の係止用凹部80に合致する位置へ移動した状態で、
図5(B)の矢印Cで示したように、可撓性の係止部62の復元力によって、係止用空間部72が狭まり、係止用空間部72内への所定の位置で流量検知部54(収容ケース74)が固定される。
【0123】
なお、この場合、フローセンサ配管本体12aのセンサ収容部18の側周部の凹部52の形状が、
流量検知部54の収容ケース74の収容ケース本体74aに合致した形状に形成されている。従って、係止用空間部72内への所定の位置で、流量検知部54(収容ケース74)の固定がより確実になるように構成されている。
【0124】
もちろん、フローセンサ配管本体12aのセンサ収容部18の側周部に、このような凹部52を設けないようにすることも可能である。
【0125】
また、係止部62の延設係止部68の係止用凸部70と、収容ケース74の係止用凹部80を設けないで、可撓性の係止部62の復元力によって、係止用空間部72が狭まった状態で、係止部62により、収容ケース74の係止用フランジ78が強固に固定されるように、係止用空間部72の幅を予め
狭くすることにより、いわゆる「圧入状態」となるようにしても構わない。
【0126】
逆に、流量検知部54を、フローセンサ本体12の側部から取り外す際には、流量検知部54(収容ケース74)を、
図4の矢印Aの方向とは逆方向に、係止用空間部72から引く抜くことによって、
図5(B)の状態から図5(A)の矢印Bに示したように、可撓性の係止部62が弾性変形して、係止用空間部72が広がり、係止用空間部72内から容易に取り外すことができる。
【0127】
なお、この実施例では、
図4の矢印Aに示したように、フローセンサ配管本体12aの短手方向から、収容ケース74の係止用フランジ78を、係止用空間部72内に挿着するようにした。
しかしながら、
図7の矢印に示したように、フローセンサ配管本体12aの長手方向から、収容ケース74の係止用フランジ78を、係止用空間部72内に挿着するようにしても良い。
【0128】
このように構成される本発明のフローセンサ10は、以下のように作動される。
【0129】
先ず、フローセンサ配管本体12aの上流側の入口側配管部14から導入された
流体が、フローセンサ配管本体12aのセンサ収容部18において、フローセンサ本体収容部20に配設されたフローセンサユニット24内に流入する。
【0130】
そして、フローセンサユニット24内に流入した流体は、渦流発生羽根部材30の渦流発生導入路40を通過することにより渦流が発生される。
【0131】
このように発生された渦流によって、流量測定用回転羽根部材32が回転し、流量検知部54
によって、例えば、ホールICなどにより、流量測定用回転羽根部材32の回転に伴って、羽根部48の磁化された先端による磁束密度の変動、または、磁界方向の変動をパルス信号として出力することによって流量を測定するように構成されている。
【0132】
さらに、この流量測定用回転羽根部材32を通過した流体は、出口部材34の複数の出口34aを介して、フローセンサ配管本体12aの出口側配管部16から外部に排出されるようになっている。
【0133】
具体的には、流量検知部54は、
図1、
図2に示したように、基板56を備えており、この基板56にホールIC58が配設されている。そして、流量測定用回転羽根部材32の回転に伴って、羽根部48の磁化された先端による磁界方向の変化を、ホールIC58により検出してパルス信号を発生する。
【0134】
すなわち、ホールIC58に直流定格電圧を、端子60を介して印加しておくことにより、流量測定用回転羽根部材32の回転数(流量)に応じた周波数の電圧が、端子60を介して出力されるようになっている。これによって、フローセンサ配管本体12aを流れる流体の流量が測定されるようになっている。
【0135】
このように構成することによって、フローセンサ本体12の側部に形成した可撓性の係止部62によって形成された係止用空間部72内に、流量検知部54を、可撓性の係止部62を弾性変形させるように装着することにより、可撓性の係止部62の復元力によって、流量検知部54を、フローセンサ本体12の側部に脱着自在に係合することができる。
【0136】
従って、フローセンサ本体12と、流量測定を行う流量検知部54とが簡単に脱着可能で、しかも、簡単な構造で、部品点数も少なく、コストを低減できる。
【0137】
また、フローセンサ本体12と流量検知部54との脱着を繰り返しても、脱落したり、ゆるみが生じたり、流体の漏えいが生じるおそれがなく、正確な流量の測定が可能である。
【0138】
さらに、例えば、フローセンサ本体12に異物が付着するなどして故障した場合に、フローセンサ本体12のみを交換でき、また、例えば、過電流などによる短絡などによって流量検知部が故障した場合に、流量検知部54のみを交換でき、修理に要する部品のコストを低減できる。
【0139】
また、例えば、フローセンサ本体12と、流量検知部54とを事前に、その性能を事前に検査しておいて、使用する機器に応じて、フローセンサ本体12と、流量検知部54とを組み合わせて、その使用環境に応じた最適なフローセンサ10を構成することが可能である。
【0140】
なお、この実施例では、係止部62に係止用凸部70を形成し、流量検知部54に、すなわち、収容ケース74に係止用凹部80を形成したが、
図8に示したように、係止部62に係止用凹部70aを形成し、収容ケース74に係止用凸部80aを形成するようにしても良い。
【0141】
また、この実施例では、係止部62に係止用凸部70を形成し、流量検知部54に、すなわち、収容ケース74に係止用凹部80を形成したが、
図9に示したように、係止部62に設けた微小な凹凸70bと、収容ケース74に設けた微小な凹凸80bとの係合から構成してもよい。
【0142】
このように構成することによって、係止部62に設けた微小な凹凸70bと、収容ケース74に設けた微小な凹凸80bとが凹凸係合することによって、可撓性の係止部62と流量検知部54との間が係合されるので、微小な凹凸同士の係合力が増大し、可撓性の係止部62によって、流量検知部54を係止用空間部72内により確実に固定できる。
【0143】
さらに、
図10(A)に示したように、フローセンサ本体12を構成するフローセンサ配管本体12aのセンサ収容部18の側周部に、フローセンサ配管本体12aの短手方向に延びる係合用凸部84aを突設するとともに、流量検知部54の収容ケース74の収容ケース本体74aに、この係合用凸部84aが係合する、フローセンサ配管本体12aの短手方向に延びる係合用凹部86aを形成しても良い。
【0144】
また、
図10(B)に示したように、フローセンサ本体12を構成するフローセンサ配管本体12aのセンサ収容部18の側周部に、フローセンサ配管本体12aの短手方向に延びる係合用凹部84bを突設するとともに、流量検知部54の収容ケース74の収容ケース本体74aに、この係合用凹部84bが係合する、フローセンサ配管本体12aの短手方向に延びる係合用凸部86bを形成しても良い。
【0145】
このように構成することによって、フローセンサ本体12の側部に形成した係合用凸部84aまたは係合用凹部84bと、流量検知部54に設けた係合用凹部86aまたは係合用凸部86bとが凹凸係合することによって、フローセンサ本体12の側部と流量検知部54との間が係合されるので、流量検知部54を係止用空間部72内により確実に固定できる。
【0146】
また、フローセンサ本体12の係止用空間部72内に、流量検知部54を装着する際には、これらのフローセンサ本体12の側部に形成した係合用凸部84aまたは係合用凹部84bと、流量検知部54に設けた係合用凹部86aまたは係合用凸部86bとが案内されることになるので、装着が円滑に行える。
【0147】
なお、この場合、前述したように、
図7の部分拡大図に示したように、フローセンサ配管本体12aの長手方向から、収容ケース74の係止用フランジ78を、係止用空間部72内に挿着する場合には、これらのフローセンサ本体12の側部に形成した係合用凸部84aまたは係合用凹部84bと、流量検知部54に設けた係合用凹部86aまたは係合用凸部86bとは、図示しないが、フローセンサ配管本体12aの長手方向に延びるように形成すればよい。
【0148】
また、この実施例では、フローセンサ本体12の係止用空間部72内に、流量検知部54を、可撓性の係止部62を弾性変形させるように装着したが、可撓性の流量検知部54(係止用フランジ78)、または、可撓性の係止部62と可撓性の流量検知部54(係止用フランジ78)の両方を弾性変形させるように装着するようにしても良い。
【0149】
可撓性の係止部62と可撓性の流量検知部54(係止用フランジ78)の材質を適切に選択することによって、例えば、可撓性の流量検知部54(係止用フランジ78)の材質(例えば、樹脂)を、可撓性の係止部62の材質(例えば、樹脂)より柔らかい材料から形成することによって、可撓性の流量検知部54(係止用フランジ78)を弾性変形させるようにして、フローセンサ本体12の係止用空間部72内に、流量検知部54を装着することが可能である。
【0150】
また、
図11に示したように、流量検知部54の可撓性の係止用フランジ78の一部に薄肉部分78bを形成することによって、可撓性の流量検知部54(係止用フランジ78)を弾性変形させるようにして、フローセンサ本体12の係止用空間部72内に、流量検知部54を装着することが可能である。
【0151】
さらに、
図12に示したように、流量検知部54の可撓性の係止用フランジ78の一部に薄肉部分78cを形成することによって、可撓性の流量検知部54(係止用フランジ78)を弾性変形させるようにして、フローセンサ本体12の係止用空間部72内に、流量検知部54を装着することが可能である。
【0152】
また、この実施例では、
図1、
図2に示したように、フローセンサ配管本体12aのセンサ収容部18の側周部に、2つの可撓性の係止片形状の係止部62が突設するように形成して、係止部62とフローセンサ配管本体12aのセンサ収容部18の側周部との間には、係止部62によって係止用空間部72が形成されている。
【0153】
しかしながら、
図13に示したように、フローセンサ配管本体12aのセンサ収容部18の側周部に、2つの可撓性の嵌合凹部61からなる係止用空間部72を有するように、係止部62を突設するように形成してもよい。
【0154】
そして、流量検知部54の係止用フランジ78を屈曲するように形成して係止片形状として、係止用フランジ78の先端部に、この係止部62の嵌合凹部61からなる係止用空間部72に嵌合するように、嵌合凸部71を有するように構成しても良い。
【0155】
この場合、
図13に示したように、係止用空間部72を構成する嵌合凹部61に、テーパーくさび形状のテーパー面63を形成するとともに、流量検知部54の係止用フランジ78の先端の嵌合凸部71に、このテーパー面63と相補的な形状のテーパー面73を形成する。
【0156】
これによって、係止用空間部72の嵌合凹部61から、流量検知部54の係止用フランジ78の嵌合凸部71が抜け落ちて、流量検知部54が脱落しないようにするのが望ましい。
【0157】
なお、この場合、
図13の矢印Dで示したように、フローセンサ配管本体12aの短手方向(
図13の紙面の手前または奥側)から、流量検知部54の係止用フランジ78の嵌合凸部71を、係止部62の嵌合凹部61からなる係止用空間部72にスライドするように挿着することができる。
【0158】
この場合、係止用空間部72を構成する嵌合凹部61内に、流量検知部54の係止用フランジ78の嵌合凸部71を挿着する際には、可撓性の係止部62の嵌合凹部61が、
図13の矢印Eで示したように、外側に広がるように弾性変形させるように装着することになる。
これにより、可撓性の係止部62の嵌合凹部61の復元力によって流量検知部54(流量検知部54の係止用フランジ78の嵌合凸部71)を、フローセンサ本体12の側周部に脱着自在に係合することができる。
【0159】
なお、
図13の矢印Fで示したように、流量検知部54の係止用フランジ78を上方に向けて曲げて、その復元力によって、いわゆる「スナップフィット」方式で、係止部62の嵌合凹部61からなる係止用空間部72に、係止用フランジ78の先端の嵌合凸部71を嵌合するようにして脱着可能に構成しても良い。
【0160】
この場合、図示しないが、流量検知部54の係止用フランジ78の先端の嵌合凸部71の下端の隅角部に内側に傾斜する案内傾斜面と、係止部62の嵌合凹部61のテーパー面63の上端部に、この嵌合凸部71の案内傾斜面と相補的な案内傾斜面を形成しておけばよい。
【0161】
これにより、これらの案内傾斜面に案内されて、係止用空間部72を構成する嵌合凹部61内に、流量検知部54の係止用フランジ78の嵌合凸部71を挿着する際に、可撓性の係止部62の嵌合凹部61が、
図13の矢印Eで示したように、外側に広がるように弾性変形させるように装着することができる。
(実施例2)
【0162】
図14は、本発明のフローセンサ10の別の実施例を示す図で、
図14(A)は、本発明のフローセンサ10の縦断面図、
図14(B)は、本発明のフローセンサ10のフローセンサユニット24の上面図である。
【0163】
この実施例のフローセンサ10は、
図1〜
図10に示した実施例1のフローセンサ10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0164】
図1〜
図10に示した実施例1のフローセンサ10では、フローセンサユニット24を、フローセンサ配管本体12aの出口側配管部16側からフローセンサ本体収容部20内に挿入している。
【0165】
そして、フローセンサ本体収容部20の内周壁に形成された段部22に、渦流発生羽根部材30側を当接させて、出口部材34側を固定リング50で固定することによって、フローセンサ本体収容部20の内部にフローセンサユニット24を配置している。
【0166】
この場合、フローセンサユニット24をフローセンサ本体収容部20に挿入する向きを間違って挿入すると、フローセンサユニット24の方向が逆になってしまう場合がある。
【0167】
すなわち、出口部材34側が、フローセンサ配管本体12aの入口側配管部14側に位置し、渦流発生羽根部材30側が、フローセンサ配管本体12aの出口側配管部16側に位置することがある。
【0168】
この場合には、フローセンサ配管本体12aの上流側の入口側配管部14からフローセンサユニット24内に流体が導入されても、渦流が発生せず、流量測定用回転羽根部材32が回転しない。このため、フローセンサ10により流量を測定することが不可能である。
【0169】
このため、この実施例のフローセンサ10では、
図14(A)〜
図14(B)に示したように、出口部材34に、外周方向に突設する突設係止部34bを形成している。
【0170】
なお、この突設係止部34bの外径方向の突設距離は、このフローセンサ本体収容部20の内周壁に形成された段部22の外径方向の位置より突設するように形成されている。
【0171】
また、フローセンサ本体収容部20には、その内周壁に、出口側配管部16側に、この出口部材34の突設係止部34bが当接する段部22aが形成されている。
【0172】
これによって、フローセンサユニット24をフローセンサ本体収容部20に挿入する向きが間違って挿入しないように構成されている。
【0173】
すなわち、入口側配管部14側、または出口側配管部16側からのどちらの方向からも、フローセンサユニット24を、その出口部材34側から、フローセンサ本体収容部20に挿入しようとすると、出口部材34の外周方向に突設する突設係止部34bが邪魔になって、フローセンサユニット24を挿入できないように構成されている。
【0174】
なお、
図15に示したように、
図14のフローセンサ10において、
図18〜
図19に示した従来のフローセンサ100のように、流量検知部54をフローセンサ本体12の凹部52に固定した状態とすることも可能である。
(実施例3)
【0175】
図16は、本発明のフローセンサ10の別の実施例を示す図で、
図16(A)は、本発明のフローセンサ10のフローセンサユニット24の上面図、
図16(B)は、本発明のフローセンサ10の縦断面図である。
【0176】
この実施例のフローセンサ10は、
図1〜
図10に示した実施例1のフローセンサ10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0177】
この実施例のフローセンサ10では、
図16(A)〜
図16(B)に示したように、ケーシング28の上流側の入口36側を外周方向に突設するように形成した突設係止部28aを形成している。
【0178】
また、フローセンサ本体収容部20の入口側配管部14側の内周壁には、段部22とは逆向きの段部22aを形成している。この段部22aに、ケーシング28の上流側の突設係止部28aが当接するようになっている。
【0179】
さらに、フローセンサ本体収容部20の出口側配管部16側の内周壁には、段部22bが形成され、この段部22bに、フローセンサユニット24の出口部材34が当接するように構成されている。
【0180】
なお、このケーシング28の突設係止部28aの外径方向の突設距離は、フローセンサ本体収容部20の出口側配管部16側の内周壁に形成された段部22bの外径方向の位置より突設するように形成されている。
【0181】
これによって、フローセンサユニット24をフローセンサ本体収容部20に挿入する向きが間違って挿入しないように構成されている。
【0182】
すなわち、入口側配管部14側、または出口側配管部16側からのどちらの方向からも、フローセンサユニット24を、そのケーシング28の上流側の入口36側から、フローセンサ本体収容部20に挿入しようとすると、ケーシング28の上流側の外周方向に突設する突設係止部28aが邪魔になって、フローセンサユニット24を挿入できないように構成されている。
【0183】
なお、
図17に示したように、
図16のフローセンサ10において、
図18〜
図19に示した従来のフローセンサ100のように、流量検知部54をフローセンサ本体12の凹部52に固定した状態とすることも可能である。
【0184】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはない。
【0185】
また、上記実施例では、フローセンサユニット24を用いたが、フローセンサユニット24を用いることなく、フローセンサ配管本体12aに直接、渦流発生羽根部材30、流量測定用回転羽根部材32、出口部材34を設けることも可能である。
【0186】
また、フローセンサユニット24として、渦流発生羽根部材30、流量測定用回転羽根部材32、出口部材34からなるフローセンサユニット24から構成したが、フローセンサユニット24として、例えば、渦流発生羽根部材30を設けずに、流量測定用回転羽根部材32自体を渦流を発生する形状にするなどその他の構成のフローセンサユニット24に適用することも可能であるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。