特許第6236001号(P6236001)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クリステル フロリオ ゴダンの特許一覧

<>
  • 特許6236001-調節可能な靴 図000002
  • 特許6236001-調節可能な靴 図000003
  • 特許6236001-調節可能な靴 図000004
  • 特許6236001-調節可能な靴 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236001
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】調節可能な靴
(51)【国際特許分類】
   A43B 3/00 20060101AFI20171113BHJP
【FI】
   A43B3/00 103B
   A43B3/00 103G
   A43B3/00 103Z
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-519596(P2014-519596)
(86)(22)【出願日】2012年7月11日
(65)【公表番号】特表2014-518144(P2014-518144A)
(43)【公表日】2014年7月28日
(86)【国際出願番号】FR2012000284
(87)【国際公開番号】WO2013007895
(87)【国際公開日】20130117
【審査請求日】2015年6月11日
(31)【優先権主張番号】1156403
(32)【優先日】2011年7月13日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】514011103
【氏名又は名称】クリステル フロリオ ゴダン
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(72)【発明者】
【氏名】クリステル フロリオ ゴダン
【審査官】 栗山 卓也
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3009534(JP,U)
【文献】 実公昭34−006947(JP,Y1)
【文献】 登録実用新案第3053098(JP,U)
【文献】 米国特許第02343701(US,A)
【文献】 登録実用新案第3162067(JP,U)
【文献】 特開2004−105672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 3/00
A43B 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に着用者の足が上に載るよう意図された上部(12)を有するソール(11)を備えるタイプの靴(10)であり、
前記着用者の足を前記ソール(11)上に保持する少なくとも1つの保持要素(22)を含み、
前記ソール(11)は、前記上部(12)の後端部(15)のための後部支持要素(14)と、前記上部(12)の前端部(17)のための前部支持要素(16)とを有し、
前記前部支持要素(16)および前記後部支持要素(14)は、前記上部(12)と共に、実質的に前記上部(12)の全長に亘って延在する空き空間(20)を画定し、
前記ソール(11)の前記上部(12)は、前記着用者の足が上に載るよう意図された上面(12A)と、地面に対向するよう意図された、前記上面(12A)とは反対側の下面(12B)とを有する、靴であって、
前記下面(12B)は、前記下面(12B)の全長に亘って延在し、前記保持要素(22)を着脱可能に捕捉する捕捉手段(24)を備え、前記下面(12B)から前記空き空間(20)の方へ突出する固定小突起と、前記保持要素(22)に形成されたそれらの小突起に相補的な開口部とを備え、
前記保持要素(22)が前記ソール(11)および前記着用者の足の長さの任意の位置で渡されることで、前記保持要素による固定位置の自由度を確保することを特徴とする靴(10)。
【請求項2】
前記捕捉手段(24)は、前記ソール(11)の前記上部(12)の前記下面(12B)に固定された、例えばフックを有するベルクロタイプの少なくとも1つの第1のストリップ(26)を有し、前記保持要素(22)は、例えばパイルを有する、前記第1のものに相補的なベルクロタイプの少なくとも1つの第2のストリップを有する請求項1に記載の靴(10)。
【請求項3】
前記保持要素(22)は、前記上部(12)および前記着用者の足の周囲に巻き付けられるよう意図されたリボンを形成する請求項1または2に記載の靴(10)。
【請求項4】
前記ソール(11)の前記上部(12)は、前記保持要素(22)を通すための貫通開口部(28)を有する請求項3に記載の靴(10)。
【請求項5】
前記ソール(11)は、前記前部支持要素(16)と、前記後部支持要素(14)と、前記ソール(11)の前記上部(12)と共に、前記空き空間(20)を画定する下部(18)を有する請求項1から4のいずれか一項に記載の靴(10)。
【請求項6】
前記ソール(11)の前記下部(18)は、地面と協働するよう意図された下面(18B)と、前記下面(18B)とは反対側の上面(18A)とを有し、前記下面(18B)には、例えばゴムで作製された少なくとも1つの制動ストリップが設けられている請求項5に記載の靴(10)。
【請求項7】
前記ソール(11)の前記下部(18)は、地面と協働するよう意図された下面(18B)と、前記下面(18B)とは反対側の上面(18A)とを有し、前記上面(18A)には、少なくとも1つの装飾アクセサリ(32)のための固定手段(30)が設けられている請求項5または6に記載の靴(10)。
【請求項8】
前記固定手段(30)は、磁気的に固定される少なくとも1つの装飾アクセサリ(32)を維持するよう意図された金属板を備える請求項7に記載の靴(10)。
【請求項9】
前記固定手段(30)は、スナップ留めまたは摺動により、装飾アクセサリ(32)によって支えられる相補的リブを受けるよう意図され、前記下部(18)の前記上面(18A)または前記後部支持要素(14)に形成された少なくとも1つの溝部を備える請求項7または8に記載の靴(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は調節可能な靴に関する。
【背景技術】
【0002】
詳細には、取外し可能な要素を含む調節可能な靴が、最先端技術において既に知られている。そのような調節可能な靴は、一般に、ソールと、着用者の足をそのソール上に保持する少なくとも1つの要素とを含み、前記保持要素は靴の「アッパー」とも呼ばれる。
【0003】
例えばストラップにより形成された保持要素は、例えばスナップを含む取外し可能な固定手段を使用して、ソールに固定され得る。
そのような靴の調節性は、具体的には、保持要素の形状、大きさおよび位置がソール上の固定手段の所定の配置によって制限されることにより、制限される。
【0004】
さらに、固定手段は、一般に、ソールの側面に配置されており、その結果、着用者の所望または着用者の足の形態に基づいて固定具の位置を調節することをできなくしている。さらに、固定手段がソールの側面に配置されるスナップを含む場合、そのようなスナップはタイミング悪く外れる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、特に、改善された調節性および信頼性を備えた靴を提供することにより、これらの弱点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
その目的のために、本発明は、詳細には、特に着用者の足が上に載るよう意図された上部を含んだソールを含むタイプの靴に関し、
− ソールは、上部の後端部のための後部支持要素と、上部の前端部のための前部支持要素とを含み、
− 前部支持要素および後部支持要素は、上部と共に、実質的にその上部の全長に亘って延在する空き空間を画定する。
「インソール」または「インナーソール」とも呼ばれる、ソールの上部は、着用者の足が上に載るソールの部分である。したがって、この上部は、概して、足の裏の形状に実質的に相補的な形状を有する。
【0007】
本発明によれば、前部支持要素および後部支持要素は、(足が載る)ソールの上部と地面との間にスペーサを形成し、それにより、実質的に上部の全長の下に空き空間を形成する。
【0008】
そのような空き空間により、本発明による靴のより大きな調節性が可能になる。
実際、この空き空間により、例えば、ソールの上部の下で、上部の長さ全体に亘って想定される任意の位置で、保持要素の少なくとも一部の通過が可能になる。換言すれば、この保持要素は、その位置の選択が、ボタン、スナップ、ホック等の固定手段の所定の位置により制限されることなく、上部の任意の位置に配置されてもよい。
【0009】
したがって、本発明により、固定におけるかなりの自由が可能になり、具体的には、靴の独創性および美学を向上させることが可能になる。具体的には、固定におけるそのような自由により、着用者は、自身の足のタイプに基づいて保持要素を選択することが可能になり、また、着用者の好みおよび所望に基づいて、靴が擦り切れ、使い古されるたびに保持要素を変えることが可能になる。したがって、本発明による同靴により、保持要素の種類または位置に関する非常に多数の可能性が可能になる。
【0010】
さらに、本発明により、ソールの上部の下に保持要素のための固定手段を配置することが可能になる。そのような固定手段は、ソールの上部の下に、控え目にかつ美的にしっかりと固定され、従来ソールの側面に配置された固定手段とは異なり、突然外れるリスクがほとんどない。
【0011】
本発明による靴は、単独または任意の技術的に可能な組合せに従って考えられる以下の特徴の1つまたは複数をさらに含んでいてもよい。
− 靴は、着用者の足をソール上に保持する少なくとも1つの要素を含み、ソールの上部は、着用者の足が上に載るよう意図された上面と、地面に対向するように設計され、上面とは反対側の下面とを有し、下面は保持要素を捕捉する手段を含む。
− 捕捉手段は、ソールの上部の下面に固定され、例えばフックを有する、ベルクロタイプの少なくとも1つの第1のストリップを含み、保持要素は、例えばパイルを有する、第1のものに相補的なベルクロタイプの少なくとも1つの第2のストリップを含む。
− 保持要素は、上部および着用者の足の周囲に巻き付けられるリボンを形成する。
− ソールの上部は、保持要素を通すための貫通開口部(through orifice)を有する。
− ソールは、前部支持要素と後部支持要素とソールの上部と共に空き空間を画定する下部を含む。
− ソールの下部は、地面と協働するよう意図された下面と、下面とは反対側の上面とを有し、下面には、例えばゴムで作製された少なくとも1つの制動ストリップ(damping strip)が設けられている。
− ソールの下部は、地面と協働するよう意図された下面と、下面とは反対側の上面を有し、上面には、少なくとも1つの装飾アクセサリ用の固定手段が設けられている。
− 固定手段は、磁気的に固定された少なくとも1つの装飾アクセサリを維持するよう意図された金属板を含む。
− 固定手段は、スナップ留めまたは摺動により、装飾アクセサリによって支えられる相補的リブを受けるよう意図された、下部の上面または後部に形成された少なくとも1つの溝部を含む。
【0012】
本発明は、単に例として与えられておりかつ添付の図を参照してなされる以下の説明を読むと、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の1つの例示的実施形態による靴の斜視図である。
図2】着用者の足の一方を保持する要素が設けられている、図1の靴の斜視図である。
図3図2のものとは異なる保持要素が設けられた図1の、図1の靴に類似した図である。
図4】装飾アクセサリが設けられた図1の靴の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の一例示的実施形態による靴10を示す。靴10は、「インソール」または「インナーソール」とも呼ばれる、特に着用者の足が上に載るよう意図された上部12を有するソール11を備える。したがって、この上部12は、概して、足の裏の形状に実質的に相補的な形状を有する。
【0015】
上部12は、着用者の足を受けるように設計された上面12Aと、靴10が使用中の場合に地面に対向するように設計された、上面12Aとは反対側の下面12Bとを有する。
【0016】
任意選択で、着用者の使用や欲求に従って快適さを高めかつ人間工学を提供するために、上面12Aの全部または一部の上に、取外し可能にまたは恒久的に、インソールが付加され、固定されてもよい。
【0017】
ソール11は、上部12の後端部15を支持する後部要素14をさらに備える。
本発明によるソール11は同様に、上部12の前端部17を支持する前部要素16を含む。
【0018】
これらの後部支持要素14および前部支持要素16は、上部12と地面との間にスペーサを形成すると同時に、上部12と共に空き空間20を画定する。後部支持要素14は上部12の後端部15に、前部支持要素16は上部12の前端部17に配置されているので、空き空間20は上部12の全長の実質的に下に延在していることが分かるであろう。換言すれば、これらの後部支持要素14と前部支持要素16とは、協働して上部12の全体を持ち上げている。
【0019】
図1に示される実施形態によれば、ソール11はまた、実質的に平面の形状を有する下部18を有する。「アウトソール」または「アウターソール」とも呼ばれるこの下部18は、靴10の使用中に地面と接触するように設計されたソールの部分である。
【0020】
前部支持要素16および後部支持要素14は、間にスペーサ形成するために、前記下部18と上部12との間に延在している。したがって、空き空間20は、上部12と下部18とにより高さ方向に制限されており、後部支持要素14と前部支持要素16とにより長さ方向に制限されている。しかし、空間20は、側面においては空いている。
【0021】
図1に示される例では、後部支持要素14および前部支持要素16はそれぞれ、高さを変更することなく下部18を延ばしている。換言すれば、部分14、16および18は、歩行中に足の最適な回転を可能にするために、下部18の前部(前部要素16の基部)および後部(後部要素14の基部)において非常に丸い、ウェッジヒールを形成している。下部18は、下部18の実質的に中央に形成された、制限された平面領域を含み、靴の安定性および停止した状態にあるときの着用者の休息を可能にすることが好ましい。
【0022】
あるいは、後部支持要素14、16はそれぞれ、高さの変化により下部18から分離されている。
第1の可能な代替的実施形態によれば、ソール11は単一の部品で作製されている。例えば、ソール11は、プラスチック材料で作製されていてもよく、その場合、上部12と、後部支持要素14と、前部支持要素16と、下部18とは一体的であってもよい。また、ソール11は、木、または他の中空の注入物質または成形物で作製されていてもよく、これらの方法は限定的ではない。
【0023】
第2の可能な代替案によれば、上部12と、後部支持要素14と、前部支持要素16と、下部18とは、従来の固定手段を使用して、互いに取り付けられていてもよい。上部12と、後部支持要素14と、前部支持要素16と、下部18とは、同一の材料または別個の材料で作製されている。ある部分12、14、16および/または18が、例えばこれらの部分の種類、形状および/または色を変えるために、他のものに交換されることを可能にするために、これらの固定手段は取外し可能であってもよいことが分かるであろう。
【0024】
また、例えば接着により、取外し不可能な固定手段を設けることが可能である。
支持要素14、16の全ての考えられる高さを実現することが可能であることが分かるであろう。具体的には、後部支持要素14の高さは、靴10の所望のヒールの高さに応じて選択される。図示されていない一代替案によれば、後部支持要素14と前部支持要素16とはほぼ同じの高さを有していてもよく、その場合、ソール11の上部12は地面にほぼ平行であり、ソール11がそのような下部18を含む場合には、下部18に平行である。
【0025】
下部18は、地面と協働するよう意図された下面18Bと、下面18Bとは反対側の上面18Aとを有する。
下面18Bには、例えばゴムで作製され、基部18を磨耗から保護しかつ歩行の快適さを向上させる、少なくとも1つの制動ストリップ21が設けられていることが好ましい。
【0026】
靴10は、着用者の足をソール11上に保持する少なくとも1つの要素22をさらに有する。このような保持要素22は靴のアッパーとも呼ばれる。保持要素22の例は図2および図3に示されている。
【0027】
図2に示される例によれば、保持要素22は、足および上部12の両方の周囲に巻き付いて一緒に包囲するために細いリボンすなわちストラップを形成している。
【0028】
足の周囲に巻き付けられているこの保持要素22は、足の存在下でソール11に組み付けられたとき、足の形状に体系的に適合する。さらに、上部12の全幅の下に延在する空き空間20のおかげで、この保持要素22は、ソール12および足の長さの任意の位置で渡ることが可能である。具体的には、保持要素22は、足の前部において渡ることができるが、それは、空き空間20が上部12の前部の下に延在していない場合は不可能になる。
【0029】
リボン22は、靴の快適さおよび/または所望の外見上で着用者が好ましいと考える構成に従って、着用者により所望の方法で巻き付けられてもよいことが分かるであろう。
上部12の下面12Bは、保持要素22のための捕捉手段24を有することが好ましい。
【0030】
図2に示される例では、捕捉手段24は、上部12の下面12Bに固定されており、例えばその全長に亘って延在する、例えばフックを有する、少なくとも1つの第1のベルクロタイプ・ストラップ26を含む。保持要素22は、例えば保持要素22の全長に亘って延在する、例えばパイルを有する、第1のものに相補的な少なくとも1つの第2のベルクロタイプ・ストリップを含む。
【0031】
したがって、保持要素22は、可視上部22Aと、非可視背部22Bとを有し、例えばベルクロ・パイル・タイプの固定手段を備える。保持要素22の形状に応じて、これらの固定手段は、背部の全部または部分のみを覆っていてもよい。
【0032】
ベルクロタイプ・ストリップを備えたそのような捕捉手段24により、保持要素22に関して下面12B上の任意の位置で捕捉がなされてもよいので、最適な調節性が可能になる。したがって、保持要素22は、取り付けられる下面12Bの特定の位置にある必要がない。
【0033】
さらに、ベルクロタイプ・ストリップを備えたこれらの捕捉手段24により、ソール11の上部12の下で保持要素22の効果的な固定が可能になり、特に、保持要素22が足およびソール12の周囲に巻き付いているリボンである場合、上部12の下を数回渡ると同時に、ベルクロタイプの捕捉手段24によって、渡るたびに固定される。
【0034】
したがって、保持要素22は、着用者のために選択された設計に基づいて、足に自由に巻き付けられてもよい。ベルクロ・パイルタイプ・ストリップは、保持要素22の背部の全部を覆うことが好ましい。したがって、この保持要素22は、ソール11上の多数の可能な位置に配置され得る。
【0035】
リボン・タイプの保持要素22が、メートル単位でまたは巻きで着用者に提供されてもよく、その結果、着用者は、靴の使用のたびに着用者が靴に付与したいと願う美学および快適さに基づいて、保持要素を所望の長さに切断してもよい。そのようなリボンは、かなり多様な材料、色および設計で作製される可視部分を有する。
【0036】
着用者は、次いで、リボンの形の保持要素22の固定をつま先から開始し、次いで踵の方へ上方に移行し、例えば足首を1回または数回包囲し、足首の結び目でまたは下面22B上での固定で終了してもよい。
【0037】
当然のことながら、保持要素22のための任意の他の考えられる固定手段が設けられていてもよいことが理解される。
【0038】
例えば、下面12Bから空き空間20の方へ突出する固定小突起と、保持要素22に形成されたそれらの小突起に相補的な開口部とを設けることが可能である。
【0039】
また、空き空間20により、スナップを含む固定手段を考えることが可能になり、スナップの雌(または雄)部は下面12Bに配置され、スナップの雄(または雌)部は保持要素22に配置される。上部12の下のそれらの位置に因り、そのようなスナップは、突然外れるリスクが非常に小さい。
【0040】
記載されている実施形態では、上部12は、例えば図2に示されるように、リボン22の通過を可能にする貫通開口部28を含む。そのような開口部28は、快適さまたは外見の理由でそこにリボンを通すために、着用者の足の親指と人指し指との間に設けられていることが好ましく、具体的には保持要素22の固定を開始することを可能にする。また、この開口部28により、保持要素22を配置することがさらに可能になる。
【0041】
また、開口部28により、ストリップの形の保持要素22の一方の端部をスナップ留めすること、またはそのストリップ22の取付け部材の通過が可能になるであろうことが分かるであろう。
【0042】
他の形の保持要素22、特にはシンプルなリボンより洗練された、複雑で、装飾的な形態を設けることが可能である。保持要素22には、特にTropezien(登録商標)タイプのモデルの場合には、例えば、装飾アクセサリが設けられていてもよい。
【0043】
類似するかまたは異なっていてもよい複数の保持要素22が、同じ靴に共に取り付けられてもよいことが分かるであろう。そのような保持要素の組合せにより、着用者に対応する数量のさらなる多様性および独創性が可能になる。
【0044】
また、保持要素22には、第2の可視固定手段が設けられていてもよく、第2の可視固定手段は、その保持要素の一体的かつ修飾的部分である。そのような保持要素22は、2つの締付けの可能性、すなわち、下面12Bに固定される典型的なベルクロタイプ法を使用すること、または第2の固定手段を調節すること、を提供する。第2の固定手段は、金属ループ、ボタンまたはスナップ、穴とレース、リング、ゴムバンド、フック等を含んでいてもよい。
【0045】
図3は保持要素22の別の例を示す。この例では、靴10は、2つの保持要素22を含み、足の前部に見られるその一方はストラップを形成しており、足の甲に設けられる他方は、中央ストリップ29により接続される一組のストラップを形成している。
【0046】
ストラップおよび一組のストラップは各々、ベルクロタイプの中央ストリップを含み、上部12の下面12Bの相補的ベルクロタイプ・ストリップ上でのそれらの固定を可能にする。各ストラップは、ループを備え付けられた第1の側部と、そのループに相補的な開口部を設けられた第2の側部とを有し、着用者の足の周囲のそのストラップを含む保持要素22を閉じる。
【0047】
あるいは、各保持要素22は、足の上に載るよう意図された、既に閉じられているかまたは継続的な、2つの側板から延在する上部を含んでいてもよく、各平板には、上部12の下面12Bの相補的ベルクロタイプ・ストリップに固定されるよう意図されたベルクロタイプ・ストリップが設けられている。
【0048】
当然、前述の保持要素22のこれらの例は限定的ではない。具体的には、靴10は、特には多くの異なる保持要素22が使用されることを可能にするという利点を有する。図3を参照して記載されている靴10は、例えば、着用者の足首のための追加保持要素で補完される場合もあり得る。
【0049】
ソール11の空き空間20に関連する別の利点が、空き空間は遥かに空いている中空ソールを形成することであり、中空ソールによりソール11の内側の大部分が完全に可視になる。したがって、その可視空間20を、具体的にはその空間20を画定する壁を装飾すること、切り取ること、または覆うことにより、靴10の外見を向上させるのに使用することができる。
【0050】
したがって、それらの大きさがその空間20の寸法より小さいままである限り、その空間20内に画像、テキスト、言葉、小物体および/または小像などの装飾アクセサリを配置することが可能である。これらの装飾アクセサリは2次元または3次元であり得る。
【0051】
これらの装飾アクセサリはこのように装飾を形成し、装飾は恒久的または取外し可能であってもよい。
空間20内に配置された装飾の一例が図4に示されている。
固定装飾アクセサリ32のための手段30が、ソール11の下部18に、具体的にはその上面18Aに設けられている。これらの固定手段30は任意の可能な方法で作製されていてもよく、以下の例は単に情報として非限定的に与えられている。
【0052】
記載されている例示的実施形態によれば、空き空間20に対向する、下部18の上面18Aおよび/または後部支持要素14の内面14Aには金属板30Aが設けられており、金属板は、塗装されていてもいなくてもよく、空間20内に磁気的に固定された装飾アクセサリ32の維持を可能にする。
【0053】
装飾アクセサリは任意の可能な種類であってもよく、例えば靴10に装飾的テーマを付与してもよい。例えば、装飾アクセサリ32はフィギュアにより形成されても、または言葉を形成する文字を描写してもよい。これらのアクセサリ32はまた、図4に示されるように花などの様々な物体を表していてもよい。また、アクセサリが、描画で装飾されたまたは言葉を書くのに適合された板により形成されていてもよい。
【0054】
あるいは、他の種類の固定手段30、例えば装飾アクセサリ32が上にスナップ留めされるであろう、下部18の上面18Aから突出するピンを設けることが可能である。また、アクセサリ32が中にスナップ留めされるであろう、上面18Aに形成された開口部を設けることが可能である。
【0055】
別の代替案によれば、固定手段30は、下部18の上面18Aに形成されており、上面18Aに横方向に、長手方向に、またはある角度で延在する溝部を有する。そのような溝部は、スナップ留めまたは摺動により、装飾アクセサリ32により支持される相補的リブを受けるよう意図される。
【0056】
別の代替案によれば、装飾アクセサリ32、33を、例えば接着することにより、自由空間20内に、具体的には下部18に、恒久的に固定される場合もあり得る。下部18がソール11内に取外し可能に取り付けられる場合、下部18を交換することによっても、そこに固定される装飾アクセサリを交換することが可能になる。
【0057】
交換品として、または下部18に設けられた固定手段30と共同で、後部支持要素14もしくは前部支持要素16上に、または上部12の下に固定手段を設けることが可能である。
【0058】
さらに、上部12の下のアクセサリ固定手段31が、上部12の下にアクセサリ33をぶら下げることを可能にする。例えば図4のように鳥、もしくは鳥かご、ブランコ、またはその他の物体が描写された、そのような懸下型アクセサリ33は、靴10が動くときに全体的に可動である。
【0059】
これらの固定手段31は任意の考えられる種類であってもよい。例えば、図4に示すように、上部12の下面12Bに固定されるフックを設けることが可能である。また、懸下型アクセサリ33により支えられ、フックが取り付けられる懸下リングを設けることが可能である。
【0060】
あるいは、アクセサリ33のためのこれらの固定手段31は、保持要素22の固定手段24により形成されていてもよい。例えば、各懸下型アクセサリ33は、下面12Bのベルクロ・フックタイプ・ストリップ26に取り付けられるように設計されたベルクロ・パイルタイプ・ストリップを含む。
【0061】
本発明は前述の実施形態に限定されないが、特許請求の範囲の範囲を越えることなく、種々の代替案を含み得ることが分かるであろう。
【0062】
例えば、靴10が、ソール11に恒久的に固定される保持要素22を含むことが可能であると考えられ、靴の調節性は、装飾アクセサリ32、33の付加から成り、その調節性は、上部12の下の自由空間20に関連する。
図1
図2
図3
図4