(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
依頼者の装置から情報提供の要求がなされた場合に、周囲の環境の状態を示す情報である環境情報を取得する複数の情報提供装置の中から前記要求に応えうる特定の情報提供装置を識別する依頼先識別部と、
前記特定の情報提供装置へ前記要求を通知することにより、前記特定の情報提供装置に、取得した環境情報のうち前記要求に応じた特定の環境情報を前記要求への回答として識別させ、前記要求への回答を前記依頼者の装置へ提供させる要求通知部と、
を備え、
前記依頼者の装置は、前記複数の情報提供装置が存在する位置と、前記複数の情報提供装置が提供可能な情報の種類とを示す複数の画像を地図上に表示するものであり、
前記依頼者の装置で表示された前記地図上において第1の情報提供装置を示す特定の画像が選択された場合、前記要求通知部は、選択された画像に対応する前記第1の情報提供装置へ情報提供の要求を通知するとともに、前記第1の情報提供装置の位置から所定範囲内の位置に存在する第2の情報提供装置であって、かつ、前記第1の情報提供装置と同種の情報を提供する第2の情報提供装置へ情報提供の要求を通知することを特徴とする情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
まず概要を説明する。現在、所望の情報を得ようとするユーザは検索サイトを利用することが多い。検索サイトを利用する場合、ユーザは検索結果として提示された複数の情報提供主体(ウェブサイト等)の中から、所望の情報を提供しているであろう情報提供主体を自身で識別する必要があった。また、検索を経て得られる情報は、典型的には情報提供主体が事前に定めた内容であり、ユーザが所望する情報に合致しないこともあった。
【0020】
そこで実施の形態の情報処理システムは、第1のユーザが、所望する情報の提供依頼を行い、その依頼に応えて、第2のユーザや情報提供機器が、第1のユーザが所望する情報そのものを提供する仕組みを実現する。例えば、第1のユーザがある場所の風景を見たいときに、第2のユーザにその風景の撮影を依頼し、第2のユーザから第1のユーザへ風景の画像や映像を転送する仕組みを実現する。これにより、ユーザが情報を得るための負担を低減し、また、そのユーザが所望する情報を効率的に得られるよう支援する。
【0021】
まず第1の実施の形態(以下「第1実施形態」と呼ぶ。)として、情報提供依頼側と情報提供側とのデータ交換をサーバを介して実現する構成を説明する。続いて第2の実施の形態(以下「第2実施形態」と呼ぶ。)として、情報提供依頼側と情報提供側とがサーバを介さず直接データ交換を行う構成を説明する。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の情報処理システム10の構成を示す。情報処理システム10は、依頼者装置12、複数の提供者装置14、複数の情報提供装置16、仲介サーバ18を備える。これらの各装置は、LAN・WAN・インターネット等を含む通信網20を介して接続される。
【0023】
依頼者装置12は、情報提供を依頼する人(以下「依頼者」とも呼ぶ。)により操作される情報処理装置である。依頼者装置12は例えばPCや、スマートフォン、タブレット端末であってもよい。提供者装置14は、情報提供主体である人(以下「提供者」とも呼ぶ。)により操作される情報処理装置である。提供者装置14は例えばスマートフォンやタブレット端末であってもよく、PCやサーバ、センサ装置、ネットワーク(NW)カメラであってもよい。また提供者は個人に限らず、企業や施設でもよい。
【0024】
情報提供装置16は、人以外の情報提供主体としての機器であり、言い換えれば、基本的に人の介在なしに動作する機器であり、センサ装置やNWカメラを含む。センサ装置は、温度、湿度、風力、照度等、当該装置が設置された場所周辺の環境の状態を検出する装置である。センサ装置は、街中の環境状態を取得するセンサを含み、また、田畑に設置され、農作業用の環境情報を取得するセンサを含む。NWカメラは、ウェブカメラ、リアルタイムカメラと言え、駅や街中、観光地等の様子・風景を示す写真や映像、音声を取得する。
【0025】
仲介サーバ18は、情報提供依頼者と情報提供主体とをマッチングし、仲介する情報処理装置である。具体的には、仲介サーバ18は、依頼者装置12から送信された情報提供依頼を、その依頼に応えうる特定の提供者装置14または情報提供装置16へ送信する。また、情報提供依頼に対して提供者装置14および情報提供装置16が提供したデータであり、すなわち情報提供依頼に対する回答を依頼者装置12へ送信する。
【0026】
図1では依頼者装置12を1つ描いたが、情報処理システム10は複数の依頼者装置12を備えてもよい。また、実施の形態の情報提供サービスの利用者は、情報が必要な場合には依頼者となるが、その一方で他者が所望する情報を提供可能な提供者になることもある。すなわち、1つの情報端末が依頼者装置12として動作する場合もあれば、提供者装置14として動作する場合もある。
【0027】
図2は、
図1の依頼者装置12と提供者装置14の構成を示すブロック図である。本明細書の各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や電子回路、機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0028】
依頼者装置12と提供者装置14は、制御部30、記憶部32、LCD34、カメラ36、通信部38を備える。
図2は、依頼者装置12と提供者装置14がスマートフォンやタブレット端末等のモバイル端末である場合の構成を示している。これらの装置がPC等、据置型装置である場合、ディスプレイやカメラは外付け式であってもよい。
図2の説明で依頼者装置12と提供者装置14を総称する場合「ユーザ端末」と呼ぶこととする。
【0029】
制御部30は、各種のデータ処理を実行し、ユーザ端末の動作を制御する。記憶部32は、制御部30により参照または更新されるデータを記憶する記憶領域である。制御部30はプロセッサ(CPUやGPU等)により実現されてもよく、記憶部32はメモリやストレージにより実現されてもよい。通信部38は、様々な通信プロトコルにしたがって、通信網20を介して外部装置と通信する。制御部30は、通信部38を介して外部装置と各種データを送受する。制御部、記憶部、通信部の基本的な機能は、情報提供装置16、仲介サーバ18においても同様である。
【0030】
LCD34は、ユーザ端末の本体と一体化され、ユーザ端末におけるユーザインタフェースとなる液晶ディスプレイ(モニタ)である。LCD34は、タッチパネルの機能も備える。カメラ36は、ユーザ端末の本体と一体化された撮像装置である。
【0031】
記憶部32は写真保持部40を含む。写真保持部40は、カメラ36により撮像された様々な静止画や動画のデータを保持し、例えば写真のデータを保持する。実施の形態では、情報提供依頼の回答として、提供者装置14から依頼者装置12へ写真を提供することとするが、写真以外の種々のデータを提供してもよい。その場合、回答データは一旦記憶部32に格納される。すなわち写真保持部40は回答保持部の一例である。
【0032】
制御部30は、操作検出部42、位置取得部44、撮像部46、依頼側処理部48、提供側処理部50を含む。操作検出部42は、LCD34に入力されたユーザ(依頼者、提供者)による操作を検出する。撮像部46は、ユーザの操作に応じてカメラ36の撮像処理を制御し、カメラ36が出力した画像データを写真保持部40に格納する。
【0033】
位置取得部44は、自端末が現在存在する地理的な位置を取得する。位置取得部44は、GPSやWi−Fi(登録商標)のアクセスポイント、ビーコン装置との通信、接続された基地局情報等、公知の手法により、自端末の現在位置を取得してもよい。現在位置は、例えば、住居表示や地番、地図上の名称、ランドマークの名称、経度および緯度の少なくとも1つを示す情報であってもよい。
【0034】
依頼側処理部48は、情報提供を要求する側の情報処理、言い換えれば、依頼者のための情報処理を実行する。提供側処理部50は、情報提供依頼に回答する側の情報処理、言い換えれば、提供者のための情報処理を実行する。実施の形態では、依頼側処理部48および提供側処理部50は、モバイル端末にインストールされた情報提供アプリケーションプログラム(以下「情報提供App」と呼ぶ。)により実現される。
【0035】
例えば、情報提供Appは、SDメモリカード等の所定の記録媒体に格納されて流通され、またはアプリサイトのサーバ等からダウンロードされてユーザ端末にインストールされる。そして、ユーザ端末のストレージに格納された情報提供Appのプログラムをユーザ端末のプロセッサが実行することにより、ユーザ端末は、依頼側処理部48および提供側処理部50の機能を発揮する。依頼者装置12では依頼側処理部48の機能が使用され、提供者装置14では提供側処理部50の機能が使用される。
【0036】
このように、実施の形態の情報提供Appは、依頼側処理部48と提供側処理部50の両方の機能を含む。変形例として、依頼側処理部48に対応するモジュールを含むアプリケーションと、提供側処理部50に対応するモジュールを含むアプリケーションが別個に提供され、依頼者装置12には前者がインストールされ、提供者装置14には後者がインストールされてもよい。
【0037】
依頼側処理部48は、要求画面表示部52、要求送信部54、回答受付部56、回答表示部58を含む。要求画面表示部52は、情報提供の依頼内容を入力するための画面である要求画面をLCD34に表示させる。要求送信部54は、要求画面に入力された依頼内容を示すデータである依頼データを仲介サーバ18へ送信する。
【0038】
依頼データでは以下の項目が任意に指定される。これらの項目は、依頼者が所望する情報に関する属性と言え、提供を依頼する情報に関する条件とも言える。
1)情報の種類:
情報の形式と言え、データ種別とも言える。例えば、写真、映像、音声、また温度や湿度、風力、照度等のセンサデータの中から1つ以上指定可能であってもよい。
【0039】
2)地理的な位置・場所:
どこに関する情報かの指定である。例えば、住居表示や地番、地図上の名称(品川駅等)、ランドマークの名称、経度および緯度の中から指定可能であってもよい。
3)時間(日時):
情報が示すコンテンツが記録された時間、言い換えれば、コンテンツが生成され、また取得された時間の指定である。任意の範囲の時間帯が指定されてもよい。この時間は時刻を含む概念である。また、日付も合わせて指定されてもよい。
【0040】
例えば、品川駅の現在の混雑状況を知りたい依頼者は、要求画面において、1)写真、2)品川駅、3)現在を指定してもよい。また、特定の場所、特定の時間帯における環境状態を知りたい依頼者は、要求画面において、1)温度・湿度、2)佐賀県○○郡○○町○○、3)10時〜11時を指定してもよい。なお、依頼データでは、提供者の属性、例えば性別や年齢を指定することもできる。要求画面は、例示した上記の項目をはじめ、温度指定等、種々の依頼内容を汎用的に指定可能なユーザインタフェースである。典型的には要求画面において、情報の種類と地理的位置が指定されるが、その一方のみの指定であってもよく、その他の属性や条件が単独または組み合わせにて指定されてもよい。
【0041】
回答受付部56は、提供者装置14および情報提供装置16から送信され、仲介サーバ18が転送した回答データを受信する。回答表示部58は、回答受付部56で受信された回答データをLCD34に表示させる。
【0042】
提供側処理部50は、提供者属性通知部60、要求受付部62、要求出力部64、回答指示受付部66、回答提供部68を含む。提供者属性通知部60は、提供者または提供者装置14に関する属性情報を仲介サーバ18へ登録する。この属性情報は、提供者の性別、年齢、現在位置、提供可能情報を含む。現在位置は、位置取得部44により取得された住居表示や地番、地図上の名称、ランドマークの名称、経度および緯度等を示す情報であってもよい。提供可能情報は、提供者または提供者装置14が提供可能な情報の種類(写真、温度等)を示す情報である。
【0043】
提供者属性通知部60は、情報提供依頼Appのインストール時に、提供者が入力した属性情報を仲介サーバ18へ新規登録する。また提供者属性通知部60は、位置取得部44が新たな現在位置を検出するたびに、少なくとも新たな現在位置を含む属性情報を自動的に仲介サーバ18へ送信し、それまでの属性情報を更新させる。
【0044】
要求受付部62は、依頼者装置12から送信され、仲介サーバ18が転送した依頼データを取得する。要求出力部64は、要求受付部62が取得した依頼データを提供者が知覚可能な形式で出力する。具体的には要求出力部64は、依頼データが示す情報提供依頼の内容であり、例えば、提供が要求された情報種類、場所・位置、時間を示す情報をLCD34に表示させる。
【0045】
回答指示受付部66は、提供者により入力された回答指示を受け付ける。回答指示受付部66は、回答指示を入力するための画面であり、情報提供依頼に対する回答を入力し、もしくは指定するためのフィールドを備える回答指示入力画面をLCD34に表示させる。例えば回答指示では、写真保持部40に保持された特定の写真が回答データとして指定されてもよい。回答提供部68は、回答指示入力画面に入力され、回答指示受付部66が受け付けた回答指示で特定される回答データを仲介サーバ18へ送信する。
【0046】
図3は、
図1の情報提供装置16の構成を示すブロック図である。実施の形態の情報提供装置16は情報処理の機能を備える。例えば、スマートセンサ、インテリジェントセンサ、スマートカメラ、インテリジェントカメラであってもよい。情報提供装置16は、制御部70、記憶部72、環境情報取得部74、通信部76を備える。
【0047】
環境情報取得部74は、情報提供装置16の周囲の環境の状態に関する情報(以下「環境情報」とも呼ぶ。)を取得する。環境情報は、所定の対象(周囲の自然等)における物理現象や物理状態の変化を示す情報と言える。例えば、情報提供装置16がセンサ装置の場合、環境情報取得部74は、環境情報として、センサにより検知された温度、湿度、風力、照度等を取得する。その一方、情報提供装置16がNWカメラの場合、環境情報取得部74は、環境情報として、所定の対象(周囲の自然等)の外観を示す画像や映像、また音声を取得する。
【0048】
記憶部72は環境情報保持部78を含む。環境情報保持部78は、環境情報取得部74により取得された環境情報を保持し、例えば温度や風力等のデータ、画像データ等を保持する。
【0049】
制御部70は、環境情報記録部80と提供側処理部82を含む。環境情報記録部80は、環境情報取得部74により取得された環境情報を環境情報保持部78へ格納する。提供側処理部82は、情報提供依頼に回答する側の情報処理、言い換えれば、依頼者への情報提供処理を実行する。実施の形態では、提供側処理部82は、情報提供装置16にインストールされた情報提供Appにより実現される。
【0050】
例えば、情報提供Appは、SDメモリカード等の所定の記録媒体に格納されて流通され、またはアプリサイトのサーバ等からダウンロードされて情報提供装置16にインストールされる。そして、情報提供装置16のストレージやメモリに格納された情報提供Appのプログラムを情報提供装置16のCPUが実行することにより、情報提供装置16は提供側処理部82の機能を発揮する。情報提供装置16向けの情報提供Appには、提供側処理部82に対応するプログラムモジュールが実装される一方、
図2で示した情報依頼側の機能は実装されない。
【0051】
提供側処理部82は、装置属性通知部84、要求受付部86、回答識別部88、回答提供部90を含む。装置属性通知部84は、
図2の提供者属性通知部60に対応し、情報提供装置16に関する属性情報を仲介サーバ18へ登録する。装置属性通知部84は、情報提供Appのインストール時に、作業者の操作に応じて、自機の属性情報を仲介サーバ18へ登録してもよい。なお、インストールを行った作業者が別端末から、情報提供装置16の属性情報を仲介サーバ18へ登録してもよい。
【0052】
要求受付部86は、依頼者装置12から送信され、仲介サーバ18が転送した依頼データを取得する。回答識別部88は、要求受付部86が受け付けた依頼データに応じて、環境情報取得部74により取得され、環境情報保持部78に格納された環境情報のうち特定の環境情報を回答データとして識別する。情報提供装置16は、環境情報が取得される都度、その環境情報をそのまま依頼者装置12へ提供するのではなく、回答識別部88により依頼データに応じた回答を自律的に識別する。
【0053】
回答識別部88は、依頼データが示す回答の条件であり、具体的には情報種類・場所・時間等に応じて回答とすべき環境情報を識別する。例えば、依頼データがある場所の午前8時〜午前9時の温度を求めるものである場合、午前8時〜午前9時に取得されたその場所の温度データを回答として識別する。また、依頼データが現在の風景を求めるものである場合、現在もしくは現在から所定範囲内の時刻に取得されたその場所の画像データや映像データを回答として識別する。回答提供部90は、回答識別部88により識別された回答データを仲介サーバ18へ送信する。
【0054】
図4は、
図1の仲介サーバ18の構成を示すブロック図である。仲介サーバ18は、制御部100、記憶部102、通信部104を備える。記憶部102は提供主体属性保持部110を含む。提供主体属性保持部110は、情報提供者、提供者装置14、情報提供装置16(総称する場合「情報提供主体」と呼ぶ。)に関する属性情報を保持する。
【0055】
図5は、提供主体属性保持部110に格納される情報提供主体の属性情報を示す。提供主体IDは、情報処理システム10において提供者装置14、情報提供装置16を一意に識別するためのユニークなIDである。性別、年齢は提供者の属性情報である。現在位置は、提供者装置14、情報提供装置16の現在位置を示す。提供者装置14の現在位置は、提供者装置14からの更新通知に応じて逐次更新される。
【0056】
提供可能情報は、提供者装置14、情報提供装置16が提供可能な情報の種類を示す。アドレス情報は、依頼データを提供者装置14、情報提供装置16へ送信する際に使用する情報である。例えば、通信網20において各装置を識別するためのネットワーク上のアドレスを示す情報であってもよく、また各装置固有の識別情報であってもよい。なお、記憶部102は、回答データを提供するために、依頼データを送信した依頼者装置12のアドレス情報も保持する。
【0057】
図4に戻り、制御部100は、提供主体属性更新部112、要求受付部114、依頼先識別部116、要求転送部118、回答受付部120、回答転送部122を含む。提供主体属性更新部112は、提供者装置14から送信された提供者または提供者装置14の属性情報、および、情報提供装置16から送信された情報提供装置16の属性情報を提供主体属性保持部110に格納する。その際に、提供者装置14および情報提供装置16のアドレス情報も提供主体属性保持部110に格納する。
【0058】
要求受付部114は、依頼者装置12から送信された依頼データを取得する。依頼先識別部116は、要求受付部114で受け付けられた依頼データにしたがって、その依頼データの転送先、すなわち情報提供の依頼先を決定する。言い換えれば、依頼先識別部116は、複数の提供者(提供者装置14)と複数の情報提供装置16の中から、情報提供依頼に応えうる特定の提供者(提供者装置14)と特定の情報提供装置16を識別する。
【0059】
依頼先識別部116は、提供主体属性保持部110に保持された情報提供主体の属性情報を参照し、依頼データで指定された条件に合致する情報提供主体を依頼先として識別する。例えば、依頼データで指定された情報種類に合致する提供可能情報が登録された情報提供主体であり、かつ、依頼データで指定された地理的な位置・場所に合致する現在位置が登録された情報提供主体を依頼先として識別する。依頼データが品川駅の写真を指定する場合、現在位置が品川駅で、かつ、提供可能情報に写真を含む情報提供主体を依頼先として識別する。なお、依頼データで提供者の属性(性別や年齢等)が指定された場合は、指定された属性との整合有無をさらに条件として依頼先を識別する。
【0060】
依頼先識別部116は、依頼データで指定された地理的な位置・場所に存在する情報提供主体として、依頼データの指定位置から所定の近傍範囲(例えば半径数百メートル等)の中に存在する情報提供主体を識別する。この近傍範囲は、情報処理システム10の開発者の知見や経験、情報処理システム10を用いた実験により適切な値が設定されてよい。
【0061】
要求転送部118は、要求受付部114で受け付けられた依頼データを、依頼先識別部116により識別された依頼先の装置へ送信する。回答受付部120は、提供者装置14および情報提供装置16から送信された回答データを取得する。回答転送部122は、回答受付部120で受け付けられた回答データを、その回答データに対応する依頼データを送信した依頼者装置12へ送信する。なお、依頼データに対して払い出した依頼IDを、仲介サーバ18〜情報提供主体装置間で送受するデータに含めることで、回答データに対応する依頼データを特定してもよい。
【0062】
以上の構成による第1実施形態の情報処理システム10の動作を説明する。
図6は、情報処理システム10の動作を示すシーケンス図である。依頼者装置12において依頼者が情報提供Appを起動し、情報提供依頼メニューを選択すると、依頼者装置12の要求画面表示部52は要求画面を表示させる(S2)。依頼者装置12の要求送信部54は、要求画面に入力された依頼情報を仲介サーバ18へ送信する(S4)。仲介サーバ18の依頼先識別部116は、依頼に対して回答を提供しうる情報提供主体として、依頼情報が示す条件に合致する情報提供主体を依頼先として識別する(S6)。ここでは、提供者装置14a、提供者装置14b、センサ装置16a、NWカメラ16bの中から、提供者装置14aとセンサ装置16aを依頼先に決定したこととする。
【0063】
仲介サーバ18の要求転送部118は、提供者装置14aとセンサ装置16aに依頼情報を送信する(S8)。提供者装置14aの要求出力部64は、要求受付部62が受信した依頼情報の内容を提供者へ提示する(S10)。提供者は、依頼内容に応じて回答を用意する。例えば、依頼情報で指定された場所をカメラ36で撮影する。提供者装置14aの回答指示受付部66は、提供者による回答指示の入力を受け付け(S12)。提供者装置14aの回答提供部68は、回答指示で指定された回答情報を仲介サーバ18へ送信する(S14)。仲介サーバ18の回答転送部122は、提供者装置14aから受け付けた回答情報を依頼者装置12へ転送する(S16)。
【0064】
センサ装置16aの回答識別部88は、環境情報取得部74が取得した環境情報のうち、要求受付部86で受信した依頼情報が示す条件に合致する部分を回答情報として識別する(S18)。センサ装置16aの回答提供部90は、環境情報保持部78に格納された環境情報から回答識別部88により識別された回答情報を抽出し、その回答情報を仲介サーバ18へ送信する(S20)。仲介サーバ18の回答転送部122は、センサ装置16aから受け付けた回答情報を依頼者装置12へ転送する(S22)。なお、
図6のS10〜S16の処理と、S18〜S22の処理は独立しており並行して実行される。
図6には不図示だが、依頼者装置12の回答表示部58は、S16およびS22で仲介サーバ18から受信した回答情報をLCD34に表示させる。
【0065】
このように第1実施形態の情報処理システム10は、情報提供依頼に応えうる提供者装置14、情報提供装置16を自動で識別する。そして、それらの装置から依頼内容に応じて能動的に生成された回答を依頼者装置12へ提供させる。これにより、依頼者に所望の情報を効率的に取得させることができる。
【0066】
第1実施形態の変形例として、提供者装置14および情報提供装置16は、仲介サーバ18を介さずに依頼者装置12へ直接回答を送信してもよい。例えば、仲介サーバ18は、依頼先の提供者装置14および情報提供装置16へ依頼情報とともに依頼者装置12のアドレス情報を送信してもよい。依頼先の提供者装置14および情報提供装置16は、依頼者装置12のアドレス情報と公知のP2P通信技術を使用して、依頼者装置12へ回答情報を送信してもよい。
【0067】
(第2実施形態)
第2実施形態では、依頼者装置12と提供者装置14、依頼者装置12と情報提供装置16が直接通信する。そのため第2実施形態の情報処理システム10は、
図1に示す構成から仲介サーバ18を除外した構成になる。また、第1実施形態では仲介サーバ18が依頼先の装置を決定した。第2実施形態ではこれに代えて、提供者装置14と情報提供装置16が、提供者または自装置が依頼者装置12からの要求に応えうるか否かを自律的に判定する。第2実施形態の情報処理システム10も、第1実施形態の情報処理システム10と同様の効果を奏する。
【0068】
図7は、第2実施形態の依頼者装置12と提供者装置14の構成を示すブロック図である。記憶部32が自装置属性保持部41を含み、提供側処理部50が提供者属性通知部60に代えて判定部63を含む点で第1実施形態の構成とは異なる。以下、第1実施形態と重複する説明は省略し、異なる点を説明する。
【0069】
自装置属性保持部41は、提供者または自装置に関する属性情報を保持する。この属性情報は、
図5で示したように性別、年齢、現在位置、提供可能情報を含み、情報提供Appのインストール時に初期設定されてもよい。また、位置取得部44により新たな現在位置が取得された場合、属性情報の現在位置はその新たな現在位置で更新される。
【0070】
要求送信部54は、要求画面に入力された依頼データを複数の提供者装置14および複数の情報提供装置16へ送信する。すなわち、第2実施形態では全ての提供者装置14と情報提供装置16へ依頼データを送信する。なお、装置間で通信するための各装置のアドレス情報は、依頼者装置12、提供者装置14、情報提供装置16のそれぞれが予め保持することとする。回答受付部56は、1つ以上の提供者装置14および情報提供装置16が自装置宛に送信した回答データを直接受信する。
【0071】
要求受付部62は、依頼者装置12が送信した依頼データを直接受信する。判定部63は、自装置または提供者が、要求受付部62で受信された依頼データに応えるための条件を満たすか否かを判定する。具体的には、自装置属性保持部41に保持された属性情報を参照し、その属性情報が依頼データで指定された条件に合致するか否かを判定する。例えば、属性情報が示す提供可能情報が、依頼データで指定された情報種類に合致するか否か、かつ、属性情報が示す現在位置が、依頼データで指定された地理的な位置・場所に合致するか否かを判定する。合致する場合、依頼データの条件を満たすと判定する。
【0072】
依頼データが品川駅の写真を指定する場合、属性情報が示す現在位置が品川駅で、かつ、属性情報が示す提供可能情報に写真を含む場合に、依頼データの条件を満たすと判定する。なお、依頼データで提供者の属性(性別や年齢等)が指定された場合は、指定された属性との整合有無をさらに判定する。要求出力部64は、判定部63により依頼データに応えるための条件を満たすと判定された場合に、依頼データを提供者が知覚可能な形式で出力する。すなわち、自装置または提供者が依頼データに応えるための条件を満たさなければ、受信された依頼データを提供者へ提示することを抑制する。
【0073】
判定部63は、属性情報が示す現在位置が、依頼データで指定された地理的な位置・場所から所定の近傍範囲(例えば半径数百メートル等)内である場合に、依頼データの指定位置に合致すると判定する。後述の判定部87も同様である。この近傍範囲は、情報処理システム10の開発者の知見や経験、情報処理システム10を用いた実験により適切な値が設定されてよい。
【0074】
回答提供部68は、提供者の回答指示で特定される回答データを依頼者装置12へ直接送信する。例えば、依頼者装置12のアドレス情報と公知のP2P通信技術を使用して、依頼者装置12へ回答情報を送信してもよい。
【0075】
図8は、第2実施形態の情報提供装置16の構成を示すブロック図である。記憶部72が自装置属性保持部79を含み、提供側処理部82が装置属性通知部84に代えて判定部87を含む点で第1実施形態の構成とは異なる。以下、第1実施形態と重複する説明は省略し、異なる点を説明する。
【0076】
自装置属性保持部79は、提供者装置14の自装置属性保持部41と同様に、情報提供装置16に関する属性情報を保持する。この属性情報は、現在位置と提供可能情報を含み、情報提供Appのインストール時に初期設定されてもよい。
【0077】
要求受付部86は、依頼者装置12が送信した依頼データを直接受信する。判定部87は、自装置が、要求受付部86で受信された依頼データに応えるための条件を満たすか否かを判定する。具体的には、提供者装置14の判定部63と同様に、自装置属性保持部79に保持された属性情報を参照し、その属性情報が依頼データで指定された条件に合致するか否かを判定する。
【0078】
回答識別部88は、自装置が依頼データに応えるための条件を満たすと判定部87により判定された場合に、第1実施形態で記載の回答識別処理を実行する。回答提供部90は、回答データを依頼者装置12へ直接送信する。
【0079】
以上の構成による第2実施形態の情報処理システム10の動作を説明する。ここでは、
図6を参照し、第1実施形態の動作と異なる点を説明する。S4において、依頼者装置12の要求送信部54は、提供者装置14a、提供者装置14b、センサ装置16a、NWカメラ16bのそれぞれへ依頼情報を送信する。提供者装置14a、提供者装置14b、センサ装置16a、NWカメラ16bそれぞれの判定部63(判定部87)は、提供者または自装置が依頼情報が示す条件を満たすか否かを判定する。
【0080】
ここでは、提供者装置14aとセンサ装置16aにおいて依頼情報の条件を満たすと判定されたとする。提供者装置14aは、S10、S12を実行し、S14において、依頼者装置12へ回答情報を送信する。センサ装置16aは、S18を実行し、S20において、依頼者装置12へ回答情報を送信する。依頼者装置12の回答表示部58は、提供者装置14aとセンサ装置16aのそれぞれから並行して送信された回答情報を依頼者へ提示する。
【0081】
以上、本発明を第1および第2の実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下変形例を説明する。
【0082】
第1変形例を説明する。依頼者装置12の要求画面表示部52は、複数の提供者(提供者装置14)のそれぞれが存在する位置を地図上に表示する提供者情報表示部としての機能を含んでもよい。具体的には、本変形例の要求画面表示部52は、要求画面の1つとして、依頼者が提供依頼可能な情報の種類と位置を地図上に重畳して示す提供者情報画面を表示させる。提供者情報画面において依頼者が特定の提供主体画像を選択すると、その選択に応じた情報提供主体が依頼者へ回答を提供する。この態様によると、依頼者は所望の情報の種類・場所を直感的に指定することができ、情報提供依頼の入力を簡便化することができる。
【0083】
図9は提供者情報画面を示す。提供者情報画面130は、地図上に、提供主体画像131〜提供主体画像136の6つを配置している。例えば、提供主体画像131、提供主体画像133、提供主体画像135は、複数の提供者装置14を示す画像であり、それぞれの提供可能情報が写真であることを示している。また提供主体画像132、提供主体画像134、提供主体画像136は、複数の情報提供装置16を示す画像であり、各装置が提供可能な情報を示している。
【0084】
依頼者装置12に提供者情報画面130を表示させるために、第1実施形態の情報処理システム10では、仲介サーバ18が、提供主体属性保持部110に保持する提供者装置14、情報提供装置16の属性情報を依頼者装置12へ提供してもよい。また第2実施形態の情報処理システム10では、複数の提供者装置14と複数の情報提供装置16のそれぞれが自装置の属性情報を依頼者装置12へ提供してもよい。この属性情報は、例えば提供主体ID、現在位置、提供可能情報を含む。属性情報は定期的に提供されてもよく、提供者情報画面130の表示時に依頼者装置12の要求に応じて提供されてもよい。
【0085】
第1実施形態の情報処理システム10では、提供者情報画面130において依頼者が特定の提供主体画像を選択した場合、依頼者装置12の要求送信部54は、選択された提供主体画像が示す情報提供主体を指定した依頼データを仲介サーバ18へ送信する。仲介サーバ18は、依頼データで特定の情報提供主体が指定されている場合、その情報提供主体に対して依頼データを転送する。
【0086】
また仲介サーバ18は、指定された情報提供主体の現在位置から所定範囲(半径数百メートル等)内に存在する他の情報提供主体に対しても依頼データを転送してもよい。ただし、他の情報提供主体の提供可能情報が、依頼データで指定された情報提供主体の提供可能情報を含むことを条件とする。例えば、依頼者が
図9の提供主体画像133を選択した場合、提供主体画像133が示す提供者装置14に加えて、
図9の提供主体画像131が示す提供者装置14へ依頼データを転送してもよい。これにより、依頼者へ所望の情報が提供される可能性を高めることができる。
【0087】
第2実施形態の情報処理システム10では、提供者情報画面130において依頼者が特定の提供主体画像を選択した場合、依頼者装置12の要求送信部54は、選択された提供主体画像が示す提供者装置14または情報提供装置16へ依頼データを送信する。この依頼データでは提供主体IDが指定されてよく、依頼データを受信した提供者装置14または情報提供装置16は、依頼データで指定された提供主体IDにより自装置が回答すべきことを識別してもよい。
【0088】
また、依頼者装置12の要求送信部54は、選択された情報提供主体の現在位置から所定範囲(半径数百メートル等)内に存在する他の情報提供主体に対しても依頼データを送信してもよい。さらにまた、依頼者装置12の要求送信部54は、選択された情報提供主体の現在位置と提供可能情報を指定した依頼データを、複数の提供者装置14および情報提供装置16へ送信してもよい。これにより、依頼者へ所望の情報が提供される可能性を高めることができる。
【0089】
第2変形例を説明する。依頼者装置12の要求画面では、情報提供に対する報酬支払の有無および報酬額を指定可能であってもよい。すなわち、無償での情報提供と有償での情報提供のいずれも指定可能であってもよい。依頼者装置12の要求送信部54は、報酬の有無を含む依頼データを送信する。
【0090】
依頼データで有償での情報提供が指定された場合、第1実施形態の仲介サーバ18の依頼先識別部116は、依頼先として識別する情報提供主体の範囲を拡大してもよい。また第2実施形態の提供者装置14(情報提供装置16)の判定部63(判定部87)は、自装置が依頼条件を満たすと判定する基準を緩和してもよい。例えば、依頼データの指定位置に合致すると判定する近傍範囲を、有償時は無償時より拡大してもよい。無償時の近傍範囲が半径100メートルである場合、有償時には半径300メートルに拡大してもよい。情報提供への対価が支払われる場合、情報提供依頼に回答するインセンティブが高まると考えられるからである。
【0091】
なお、依頼者から提供者または情報提供装置16の所有者に対する情報提供料の支払は、公知技術により実現されてよい。仲介サーバ18は、情報提供料支払のための情報であり、例えば金融機関での振込のために必要な情報(依頼者および提供者の口座番号等)を予め保持してもよい。そして依頼者装置12へ回答を転送した場合や、依頼者が回答を承認した旨の情報を依頼者装置12から受け付けた場合等、予め定められたタイミングで、金融機関の装置と連携して情報提供料の支払処理を実行してもよい。
【0092】
第3変形例を説明する。既述したように、依頼データでは、どの時間(時刻)の情報を依頼するかを指定できる。第1実施形態の仲介サーバ18の依頼先識別部116は、依頼データで将来の時間が指定された場合、その時間になるまで仲介サーバ18が依頼データを保持し、その時間に到達した際の各情報提供主体の現在位置に応じて依頼先を識別してもよい。なお依頼データの指定時間の所定時間前(例えば30分前等)に依頼先を識別してもよい。依頼データで指定された位置までの移動時間が必要だからである。
【0093】
同様に、第2実施形態の提供者装置14(情報提供装置16)の判定部63(判定部87)は、依頼データで将来の時間が指定された場合、その時間に到達した際の自装置の現在位置に応じて自装置が依頼条件を満たすか否かを判定してもよい。また依頼データの指定時間の所定時間前にこの判定処理を実行してもよい。本変形例の態様によると、情報提供依頼で指定された時間に、指定された位置の近傍に存在する情報提供主体に依頼を提示でき、すなわち回答する可能性が高い情報提供主体に依頼を提示することができる。
【0094】
第4変形例を説明する。既述したように、依頼データでは、どの時間(時刻)の情報を依頼するかを指定できる。第1実施形態の仲介サーバ18の依頼先識別部116は、依頼データで将来時間が指定された場合、その時間に至るまでの間に複数回、依頼先を決定してもよい。これに伴い、要求転送部118は、複数回依頼データを送信してもよい。依頼先識別部116は、依頼データの指定時間に近づくほど、依頼先として識別する情報提供主体の範囲を狭めてもよい。例えば、依頼データの指定位置に合致すると判定する距離範囲を狭めてもよく、1回目の依頼先識別時は半径500メートル、2回目の依頼先識別時は半径200メートルとしてもよい。
【0095】
同様に、第2実施形態の提供者装置14(情報提供装置16)の判定部63(判定部87)は、依頼データで将来の時間が指定された場合、その時間に至るまでの間に複数回、自装置が依頼条件を満たすか否かを判定してもよい。判定部63(判定部87)は、依頼データの指定時間に近づくほど、自装置が依頼条件を満たすと判定する基準を厳しくしてもよい。例えば、依頼データの指定位置に合致すると判定する距離範囲を狭めてもよい。
【0096】
依頼データの指定時間までの残り時間が長ければ、現時点では指定位置から離れている情報提供主体であっても、その指定時間に指定位置に存在する可能性がある。その一方、依頼データの指定時間までの残り時間が短ければ、現時点で指定位置の近傍にいなければ、その指定時間に指定位置に存在する可能性は低いと考えられる。本変形例によると、依頼データの指定時間までの残り時間に応じて、回答可能性がある情報提供主体を識別し、また、回答処理を実行させることができる。
【0097】
第5変形例を説明する。第1実施形態の仲介サーバ18の依頼先識別部116は、依頼データで将来時間が指定された場合、その指定時間までの残り時間が長いほど、依頼先として識別する情報提供主体の範囲を拡大してもよい。また、第2実施形態の提供者装置14(情報提供装置16)の判定部63(判定部87)は、上記残り時間が長いほど、自装置が依頼条件を満たすと判定する基準を緩和してもよい。また、本変形例の処理は、有償の情報提供が指定された場合にのみ実行してもよい。情報提供への対価が支払われる場合、情報提供依頼に回答するインセンティブが高まるため、多くの情報提供主体に依頼することで回答を得やすいからである。
【0098】
第6変形例を説明する。上記実施の形態では、依頼側処理部48、提供側処理部50の機能を情報提供Appが実現することとした。変形例として、依頼側処理部48、提供側処理部50の機能は、依頼者装置12および情報提供装置16が備える汎用的なウェブブラウザにより実現されてもよい。例えば、仲介サーバ18は、依頼側処理部48の機能を含むウェブページデータを情報処理装置(スマートフォン等)へ提供し、情報処理装置のウェブブラウザで処理(表示等)させることにより、当該情報処理装置を依頼者装置12として機能させてもよい。
【0099】
同様に仲介サーバ18は、提供側処理部50の機能を含むウェブページデータを情報処理装置へ提供し、情報処理装置のウェブブラウザで処理(表示等)させることにより、当該情報処理装置を提供者装置14として機能させてもよい。なお、依頼側処理部48、提供側処理部50内の各ブロックの機能は、適宜JavaScript(登録商標)により実装されてもよい。本変形例によると、情報処理装置への情報提供App導入という負担を課すことなく、ユーザに情報提供サービスを享受させることができる。
【0100】
第7変形例を説明する。第1実施形態にて一部既述したが、仲介サーバ18の提供主体属性保持部110は、複数の提供者(提供者装置14)および複数の情報提供装置16のそれぞれが提供可能な情報の属性に関する情報を保持する。依頼者装置12から送信される情報提供の依頼データは、依頼者が所望する情報の属性の指定を含む。仲介サーバ18の依頼先識別部116は、依頼データで指定された属性に合致する情報を提供可能な特定の提供者(提供者装置14)および情報提供装置16を依頼データの転送先、すなわち情報提供の依頼先として決定する。
【0101】
仲介サーバ18の提供主体属性保持部110は、提供者(提供者装置14)や情報提供装置16が提供可能な情報の属性として、写真やセンサデータ(温度や湿度等)等のカテゴリよりもさらに詳細な情報(ここでは「詳細属性」と呼ぶ。)を保持してもよい。詳細属性として例えば、花の写真(さらに具体的にバラの写真)、特定のランドマークのライブ映像(例えば東京タワーのライブ映像)、富士山頂の温度等を示す情報を保持してもよい。この場合、依頼データは、花の写真や、特定のランドマークのライブ映像を指定するが、明示的な位置の指定を含まなくてもよい。仲介サーバ18の依頼先識別部116は、依頼データで詳細属性が指定された場合、その詳細属性に整合する情報を提供可能な提供者(提供者装置14)および情報提供装置16を依頼先として識別する。
【0102】
また、第2実施形態にて一部既述したが、複数の提供者装置14の自装置属性保持部41および複数の情報提供装置16の自装置属性保持部79は、自装置が提供可能な情報の属性に関する情報を保持する。依頼者装置12から送信される情報提供の依頼データは、依頼者が所望する情報の属性の指定を含む。複数の提供者装置14の判定部63および複数の情報提供装置16の判定部87は、依頼データで指定された属性に合致する情報を自装置が提供可能な場合に、依頼データの条件を満たすと判定する。
【0103】
この場合、自装置属性保持部41および自装置属性保持部79は、提供可能情報の詳細属性を保持してもよい。依頼データは、提供を依頼する情報の詳細属性を指定するが、明示的な位置の指定を含まなくてもよい。判定部63および判定部87は、依頼データで詳細属性が指定された場合、その詳細属性に整合する情報を提供可能であるときに依頼データの条件を満たすと判定する。
【0104】
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。