【実施例】
【0014】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、パチンコ球が流下可能な遊技領域22が前面側に形成された遊技盤(遊技領域形成部材)20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20に、所定の特図当り判定条件(当り判定条件)の成立を契機として(後述する始動入賞口51a,52aへのパチンコ球の入球(入賞)を契機として)、演出用の図柄(以下演出図柄という)を変動表示させて図柄組合せ演出を行う演出表示手段としての図柄表示装置17が着脱可能に配設されている(
図2参照)。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20の遊技領域22と対応する位置に前後に開口する窓口13aが形成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられている。そして、前枠13には、ガラス板や透明な合成樹脂材で形成された透視保護部材13b(一部を
図5に示している)が窓口13aを覆うよう配設されており、遊技盤20を前側から透視可能な状態で保護している。透視保護部材13bは、中枠12に対して前枠13を閉鎖した状態で、遊技盤20の前方に離間する(具体的には、遊技盤20の前面との間に1個のパチンコ球が通過可能な間隔をあけて離間する)よう配置されることで、当該透視保護部材13bの後面と遊技盤20の前面との前後間に前記遊技領域22が形成されるようになっている。なお、
図1では、透視保護部材13bを省略してある。また、前記前枠13における窓口13aの下方位置には、パチンコ球を貯留可能な球受け皿14が設けられており、当該前枠13と一体的に球受け皿14を開閉し得るようになっている。実施例の前枠13には、上下の位置関係で2つの球受け皿14が組み付けられており、
図1に上側の球受け皿14のみを図示してある。なお、前記上下の球受け皿14の一方および両方を、前枠13とは個別に中枠12に組み付けるようにしてもよい。また、中枠12や前枠13に、1つの球受け皿14のみを備える構成とすることもできる。
【0015】
実施例のパチンコ機10の前面右下部(実施例では前枠13の前面右下部)には、
図1に示すように、前記中枠12に配設された球発射装置18を作動させる操作ハンドル16が設けられる。この操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで球発射装置18が作動されて、前記上側の球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。ここで、操作レバー16aの回動量に応じて球発射装置18によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域22へのパチンコ球の打ち出し位置を任意に変更し得るようになっている。すなわち、遊技者が操作レバー16aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤20に形成された第1の流下領域22a(後述)にパチンコ球を流下させる所謂「左打ち遊技」と称される遊技形態、該遊技盤20に形成された第2の流下領域22b(後述)にパチンコ球を流下させる所謂「右打ち遊技」と称される遊技形態とに切り替えて遊技を行い得るようになっている。
【0016】
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、合成樹脂材やベニヤ材等から所定板厚の略矩形状に形成されており、
図2に示すように、略円形状の案内レール23が前面(盤面)に配設されて前記遊技領域22が前面側に画成されている。なお、遊技盤20には、案内レール23として、遊技盤20の右下部から左上部にかけて円弧状に延在して遊技領域22の左下側を画成する第1レール部23aと、遊技盤20の左下部から右上部にかけて円弧状に延在して遊技領域22の上部を画成する第2レール部23bと、第1レール部23aの右下端部および第2レール部23bの右上端部の間に位置して遊技領域22の右部を画成する第3レール部23cとが設けられており、遊技盤20の前面における遊技領域22の左側には、第2レール部23bが第1レール部23aの外側に離間して位置することで、当該第1レール部23aおよび第2レール部23bの間に、パチンコ球が通過可能な発射通路25が画成されている。そして、前記球発射装置18から発射されたパチンコ球が発射通路25の下方開口から飛翔して、発射通路25の上端に位置する発射口25aから遊技領域22内に打ち出されるようになっている。また、遊技盤20の後面には、各種部材が収容される収容空間82を当該遊技盤20との間に画成する設置部材(収容空間画成部材)80が配設されている。なお、実施例の遊技盤20は、ベニヤ材から形成された不透明な板状部材であって、前記収容空間82を遊技盤20の前面側から透視し得ないようになっている。
【0017】
前記遊技盤20の前面には、前記遊技領域22内の適宜位置に各種の遊技盤設置部品が配設されている。実施例では、遊技盤設置部品として、前記図柄表示装置17の外側を囲む枠状装飾部材28や、始動入賞口(入球口)51a,52aが設けられた始動入賞ユニット(入賞装置、入球手段)50や、特別入賞口(入球口)71aおよび普通入賞口(入球口)72a,72bが設けられた複合入賞ユニット(入賞装置、入球手段)70や、ゲート口(入球口)27aが設けられたゲート部材27等が遊技盤20に配設されている。また、遊技盤20には、パチンコ球を遊技領域22の外部に排出するアウト口24が遊技領域22の最下部に開設されている。なお、実施例では、遊技領域22の最下部に設けられたアウト口24とは別に、パチンコ球を遊技領域22の外部に排出する第2アウト口74aが複合入賞ユニット70に設けられている(
図2参照)。この第2アウト口74aに入球して遊技領域22の外部に導かれたパチンコ球は、遊技盤20の後面側に配設された排出路形成部材(図示せず)を通じて遊技盤20の下方(設置部材80の下方)に排出される。なお、実施例において、「入賞ユニット」とは、複数の部材から構成されると共にパチンコ球が入球可能な入球口が形成されて、1つのユニットとして遊技盤20に配設されるものを単に指すものであって、複数の入球口が設けられる必要はなく、1つの入球口を有するものでもよい。ここで、「入球」とは、遊技領域22に開口する入球口(入口)にパチンコ球が入ることであって、実施例においては、入球口としての入賞口51a,52a,71a,72a,72bや、ゲート口27aや、アウト口24,74にパチンコ球が入ることを「入球」と指称することがある。また、「入賞」とは、入球口のうちパチンコ球の入球によって賞球が払い出されることとなる特定の入球口(入賞口)にパチンコ球が入ることであって、実施例においては、入球口としての入賞口51a,52a,71a,72a,72bにパチンコ球が入ることを「入賞」と指称することがある。
【0018】
(枠状装飾部材28について)
次に、前記枠状装飾部材28について詳細に説明する。前記枠状装飾部材28は、
図2に示すように、前記遊技盤20の前面より前方に突出して前記遊技領域22側と前記図柄表示装置17側とを区切る庇状部28aを備える。そして、枠状装飾部材28が遊技盤20に取り付けられた状態で、該枠状装飾部材28の外側、具体的には庇状部28aと案内レール23との間にパチンコ球が流下する流下領域22a,22bが画成されるようになっている。すなわち、遊技領域22は、枠状装飾部材28の左側に形成された第1の流下領域22aと、当該枠状装飾部材28の右側に形成された第2の流下領域22bとに区画されており、操作ハンドル16の操作レバー16aを回動操作して打球力を調節することにより、パチンコ球を第1の流下領域22aに流下させる遊技形態(左打ち)およびパチンコ球を第2の流下領域22bに流下させる遊技形態(右打ち)の何れかを遊技者が任意に選択し得るように構成されている。第1および第2の流下領域22a,22bには、ゲート部材27が夫々配設されており、各流下領域22a,22bを流下するパチンコ球がゲート部材27のゲート口27aを通過し得るようになっている。そして、遊技領域22は、前記枠状装飾部材28の下方位置において第1および第2の流下領域22a,22bが合流するようになっており、当該第1および第2の流下領域22a,22bが合流する合流領域に前記始動入賞ユニット50および前記アウト口24が設けられている。すなわち、遊技領域22は、枠状装飾部材28の左側および右側を流下したパチンコ球が、合流領域の下端に位置するアウト口24まで流下し得ると共に、合流領域におけるアウト口24より上方で第1始動入賞口51aや第2始動入賞口52aに入球(入賞)し得るよう構成されている。また、遊技領域22の左下部には複合入賞ユニット70が配設されており、該複合入賞ユニット70に設けられた特別入賞口71aや普通入賞口71a,71bに、第1の流下領域22aを流下したパチンコ球が入球し得るようになっている。
【0019】
(ゲート部材27について)
前記ゲート部材(入球部)27は、
図2に示すように、上下に貫通するようゲート口27aが形成されており、遊技領域22(流下領域22a,22b)を流下するパチンコ球がゲート部材27の上方からゲート口27aに入球して該ゲート口27aを下方へ通過し得るようになっている。また、ゲート部材27には、ゲート口27aを通過するパチンコ球を検出するゲートセンサ(図示せず)が設けられている。このゲートセンサは、図示しない制御基板に配線接続されており、該ゲートセンサから制御基板(具体的には、制御基板に設けられたCPU)への球検出信号の入力(すなわちパチンコ球の検出)に伴って普図当り判定条件が成立するようになっている。そして、前記制御基板(具体的には、CPU)において、普図当り判定条件の成立に伴って、後述する特図当り判定条件が成立し易くなる状態(普図当り遊技)を生起させるか否かに関する普図当り判定が行われ、該普図当り判定の結果に応じて前記始動入賞ユニット50に設けられた駆動手段としての始動入賞ソレノイドSL(
図3(b)参照)が駆動制御されて、始動入賞ユニット50に設けられた開閉部材52bが開閉動作するようになっている。すなわち、実施例のパチンコ機10は、ゲートセンサによるパチンコ球の検出を契機として行われる普図当り判定の判定結果が当りの判定である場合に、前記始動入賞ユニット50の第2始動入賞口52aを所定の開放条件で開放する普図当り遊技が行われて、当該第2始動入賞口52aへパチンコ球を入球させ得る機会が与えられるようになっている。
【0020】
(始動入賞ユニット50について)
前記始動入賞ユニット50は、
図2に示すように、前記枠状装飾部材28の下方位置(アウト口24の直上位置)に、前記第1始動入賞口51aが上方に常に開口するよう設けられており、前記第1の流下領域22aを流下するパチンコ球および前記第2の流下領域22bを流下するパチンコ球が第1始動入賞口51aに入球し得るようになっている。すなわち、始動入賞ユニット50には、パチンコ球が常に入球可能な第1始動入賞口51aを有する第1始動入賞部(入球部)51が設けられている。また、始動入賞ユニット50における第1始動入賞口51aの下側には、前記第2始動入賞口52aが前方へ向けて開口するよう設けられると共に、該第2始動入賞口52aを開閉する開閉部材(可変手段)52bが配設されている。そして、開閉部材52bが、前記始動入賞ソレノイドSLの駆動に伴って、第2始動入賞口52aを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置とに変位するようになっており、開閉部材52bが開放された状態でのみ第2始動入賞口52aにパチンコ球が入球し得るよう構成されている。すなわち、始動入賞ユニット50には、パチンコ球の入球し易さ(入球の可否)が変化する第2始動入賞口52aを有する第2始動入賞部(入球部)52が設けられている。始動入賞ユニット50は、開閉部材52bが開放位置にある状態において、前記第1の流下領域22aを流下するパチンコ球および前記第2の流下領域22bを流下するパチンコ球が第2始動入賞口52aに入球し得るように構成されている。
【0021】
また、前記始動入賞ユニット50には、
図5に示すように、第1始動入賞口51aに入球したパチンコ球を検出する検出手段としての第1始動入賞検出センサSE1と、第2始動入賞口52aに入球したパチンコ球を検出する検出手段としての第2始動入賞検出センサSE2とが配設されている。第1始動入賞検出センサSE1および第2始動入賞検出センサSE2は、前記設置部材80の裏面に配設された前記制御基板に配線接続されており、該第1および第2始動入賞検出センサSE1,SE2から制御基板(具体的には、制御基板に設けられたCPU)への球検出信号の入力(すなわちパチンコ球の検出)に伴って特図当り判定条件が成立するようになっている。そして、制御基板(具体的には、CPU)において、特図当り判定条件の成立に伴って、遊技者に有利な特別遊技(大当り遊技や小当り遊技)を生起させるか否かに関する特図当り判定が行われ、該特図当り判定の結果に応じて前記複合入賞ユニット70に配設された特別入賞ソレノイドが駆動制御されて、複合入賞ユニット70に配設されたシャッタ71bが開閉動作するようになっている。また、制御基板(具体的には、CPU)は、第1および第2始動入賞検出センサSE1,SE2から制御基板への球検出信号の入力に伴って、規定数の賞球の払い出しを決定するようになっている。
【0022】
前記始動入賞ユニット50は、
図3、
図4および
図5に示すように、前記遊技盤20の前面に取着される始動台板53と、始動台板53の前面に配設されて第1始動入賞口51aを形成する受け部材54と、始動台板53の後面に配設されて内部に始動入賞ソレノイドSLや第1および第2始動入賞検出センサSE1,SE2が収容された始動本体部55とを備えている。始動本体部55は、第1および第2始動入賞口51a,52aに入球したパチンコ球を前記設置部材80側に案内する第1および第2始動入賞路56,57を内部に形成するよう構成されている。始動台板53は、後述する案内部58の形成部位を除いて略全体が平板状に形成されると共に、固定ネジを前後に挿通可能な固定孔Naが外周縁部の複数箇所に開設されている。そして、始動台板53の固定孔Naに前側から挿通させた固定ネジを遊技盤20の前面に螺挿して固定することで、始動入賞ユニット50が前記枠状装飾部材28およびアウト口24の間に取り付けられ、遊技領域22を流下するパチンコ球が始動入賞ユニット50の始動台板53の前側を流下して、第1始動入賞部51に設けた第1始動入賞口51aや、第2始動入賞部52に設けた第2始動入賞口52aに入球し得るよう構成される。なお、第2始動入賞口52aは、受け部材54の配設位置の下側で始動台板53を前後に貫通するよう形成されている。
【0023】
(始動入賞ユニット50の第1始動入賞部51について)
図3および
図4に示すように、前記第1始動入賞部51は、上方および後方に開口する箱状に設けられた前記受け部材54(詳しくは後述する)を前記始動台板53の前面上部に前側から組み付けることで構成されている。
図4および
図5に示すように、始動台板53の前面上部には、当該始動台板53を前後に貫通する連通口53aが形成されており、当該連通口53aを前側から覆うように受け部材54が始動台板53の前面に配設されることで、パチンコ球を遊技領域22の外部へ向けて案内する受け樋54aが始動台板53および受け部材54の間に画成されて、該受け樋54aの後方開口が連通口53aに連通すると共に、受け樋54aが上方へ向けて開口して始動台板53の前側に第1始動入賞口51aが画成される。これにより、第1始動入賞口51aと連通口53aとが連通するよう構成されている。連通口53aは、始動本体部55に形成された第1始動入賞路56と連通しており、始動本体部55には、第1始動入賞路56を通過するパチンコ球を検出する第1始動入賞検出センサSE1が第1始動入賞路56に対応して配設されている。すなわち、第1始動入賞部51に設けられた第1始動入賞口51a、受け樋54aおよび連通口53aを通過したパチンコ球が、第1始動入賞路56を通過する過程で第1始動入賞検出センサSE1により検出されるようになっている。
【0024】
前記受け部材54は、
図4に示すように、前記始動台板53の前側で上下に延在すると共に前方に延出する左右一対の側壁541と、これら一対の側壁541の前縁間を繋ぐように始動台板53より前方で遊技盤20の前面と平行に延在する前壁542と、一対の側壁541の下端を繋ぐように始動台板53の前側で左右に略U字状に延在すると共に前方に延出する下壁(流路形成部)543とにより構成され、前記受け樋54aが、一対の側壁541、前壁542および下壁543の内側に形成されている。一対の側壁541は、対向する内面により受け樋54aの左右を画成すると共に、受け部材54の左右の外面を形成している。左側の側壁541は、左下方に傾斜する傾斜壁を構成しており、第1の流下領域22aを流下して受け部材54の左側の外側面(すなわち、左側の側壁541の外面)に接触したパチンコ球を左下側(始動入賞口51a,52aから離間する側)へ向けて案内するよう構成される。また、右側の側壁541は、右下方に傾斜する傾斜壁を構成しており、第2の流下領域22bを流下して受け部材54の右側の外側面(すなわち、右側の側壁541の外面)に接触したパチンコ球を右下側(始動入賞口51a,52aから離間する側)へ向けて案内するよう構成される。これにより、一対の側壁541は、下方に向かうにつれて互いに離間する「ハ」字状に延在するよう設けられており、遊技領域22(流下領域22a,22bの何れか)を流下して受け部材54の左右の外面(すなわち、側壁541の外面)に接触したパチンコ球を、始動入賞口51a,52aが位置する遊技領域22の左右方向中央から外側下方へ向けて案内するようになっている。
【0025】
また、前記一対の側壁541の各内面には、他方の側壁541へ向けて左右方向に突出すると共に前後に延在する板状の突部541aが、上下に離間するよう複数形成されている(
図3(b)および
図4参照)。複数の突部541aは、突出端部の位置が側壁541毎に上下に揃うように形成されて、左側の側壁541における複数の突部541aの突出端部と、右側の側壁541における複数の突部541aの突出端部との間に、受け樋54aが1個のパチンコ球が通過可能な通路幅で上下方向に直線状に延在するよう形成されている。ここで、一対の側壁541が「ハ」字状に設けられていることから、側壁541の内面に形成される突部541aは、側壁541の下端に近いほど突出寸法が大きく形成されている。すなわち、一対の側壁541は、当該側壁541の下端に近いほど突出寸法が大きい複数の突部541aの各突出端部を上下に揃えて受け樋54aを形成することにより、各側壁541の厚みが増して成形上の不具合が生ずるのを防いでいる。
【0026】
図4に示すように、前記受け部材54の前記下壁543は、一方の側壁541の下端部に連続して他方の側壁541側に向けて左右方向に下方傾斜する一対の下側壁部544と、下壁543の下端を構成して、各下側壁部544の傾斜下端部を繋ぐように左右に水平に延在する下中壁部545とにより構成されている。一対の下側壁部544は、夫々が湾曲状に形成されており、凹面が前記受け部材54の左下および右下に向いて、受け部材54の左右方向中央側に近接するにつれて(後述する接触部546に近接するにつれて)次第に下方に偏倚して延在方向が鉛直方向に近づくように設けられている。すなわち、下側壁部544は、左右から接触してきたパチンコ球を下向きに案内するよう構成されている。なお、詳しくは後述するが、一対の下側壁部544は、第1および第2の流下領域22a,22bと第2始動入賞口52aの前側(後述する取込流路59)とを連通する取込口59a(後述)を、第2始動入賞口52aの左右に設けた一対の案内部58(後述)との間に夫々形成している。
【0027】
前記下壁543の中央部に位置する前記下中壁部545は、前記第2始動入賞口52aの開口上縁側に位置するよう設けられている。この下中壁部545の下面(すなわち外面)には、第2始動入賞口52aの前側(後述する取込流路59)を移動するパチンコ球と接触可能な接触部546が、下方に突出するよう設けられている。この接触部546については後述する。
【0028】
(始動入賞ユニット50の第2始動入賞部52について)
前記第2始動入賞部52は、パチンコ球が通過可能な略矩形状の第2始動入賞口52aを前記始動台板53の前面下部(受け部材54および連通口53aの下方)に形成すると共に、該第2始動入賞口52aを開閉する開閉部材52bの軸部61(
図5参照)を始動台板53で枢支することで構成されている。この開閉部材52bは、第2始動入賞口52aの開口内縁に略整合する矩形板状に設けられ、下端部から軸部61が左右に突出するよう構成されている。そして、開閉部材52bの左右の軸部61を、始動台板53における第2始動入賞口52aの下端部を挟む左右両側に形成された後方に開口する凹状の軸収容部53bに後側から収容して、当該軸部61を当該軸収容部53bと前記始動本体部55とで挟み込んで支持することで、開閉部材52bが軸部61を中心として(第2始動入賞口52aの開口下縁部に沿う軸を中心として)前後に揺動可能に枢支される。そして、開閉部材52bは、第2始動入賞口52aをパチンコ球が入球不能に塞ぐ閉鎖位置と、遊技領域22(合流領域)に突出して第2始動入賞口52aをパチンコ球が入球可能に開放する開放位置とに変位し得るようになっている。すなわち、開閉部材52bが第2始動入賞口52aを塞ぐ閉鎖位置にある場合には、開閉部材52bの上端(自由端)が第2始動入賞口52aの開口上縁部に前側から当接して開閉部材52bの前側(第2始動入賞口52aの前側)をパチンコ球が上下に通過し得るようになり、開閉部材52bが第2始動入賞口52aを開放する開放位置にある場合には、開閉部材52bが前方に突出して第2始動入賞口52aの前側に流入したパチンコ球の下方への移動が開閉部材52bにより阻止される。
【0029】
前記開閉部材52bは、前記始動入賞ソレノイドSLの消磁状態において、該始動入賞ソレノイドSLに連動して後側に付勢されて第2始動入賞口52aを塞ぐ閉鎖位置に静止する(
図2参照)と共に、始動入賞ソレノイドSLが励磁されると自重により前側に回動して第2始動入賞口52aを開放する開放位置に変位して(
図3、
図4および
図5参照)、第2始動入賞口52aの前方から当該第2始動入賞口52aの開口下縁部に向けて下方傾斜する誘導面60を形成する。そして、前記開放位置において、第2始動入賞口52aの前側で開閉部材52bに受け止められたパチンコ球が当該開閉部材52bの誘導面60により誘導されて第2始動入賞口52aに入球するようになっている。また、第2始動入賞口52aは、始動本体部55に形成された第2始動入賞路57と連通しており、始動本体部55には、第2始動入賞路57を通過するパチンコ球を検出する第2始動入賞検出センサSE2が第2始動入賞路57に対応して配設されている。すなわち、第2始動入賞部52に設けられた第2始動入賞口52aを通過したパチンコ球が、第2始動入賞路57を通過する過程で第2始動入賞検出センサSE2により検出されるようになっている。
【0030】
ここで、前記始動台板53には、
図3(b)および
図5に示すように、第2始動入賞口52aの開口上縁側に前記受け部材54が前方に突出するよう設けられており、開閉部材52bは、受け部材54の前記下壁543の下方に、パチンコ球が通過可能な間隔をあけて前記誘導面60を形成するようになっている。すなわち、第2始動入賞部52は、第2始動入賞口52aを開放する開放位置において該第2始動入賞口52aの前側に突出する開閉部材52bの誘導面60と、第2始動入賞口52aの開口上縁側に設けられた受け部材54の下壁543との間に、第2始動入賞口52aと前後に連通する流路を形成するようになっている。そこで、以下の説明では、下壁543と誘導面60との間に画成される流路を「取込流路59」と指称することがある。また、取込流路59は、
図4に示すように、第2始動入賞口52aと前後に連通するよう当該第2始動入賞口52aの前側に形成される。
【0031】
前記第2始動入賞部52には、
図3、
図4および
図5に示すように、前記始動台板53における第2始動入賞口52aを挟む左右両側に、前記受け部材54の下壁543(具体的には、下側壁部544)に対してパチンコ球の直径(約11mm)より大きく離間する一対の案内部58が、前方に突出するよう設けられている。そして、第1の流下領域22aを流下するパチンコ球が、下壁543(左側の下側壁部544)と左側の案内部58との間を通って第2始動入賞口52aの前側領域(取込流路59)に流入すると共に、第2の流下領域22bを流下するパチンコ球が、下壁543(右側の下側壁部544)と右側の案内部58との間を通って第2始動入賞口52aの前側領域(取込流路59)に流入するよう構成されている。すなわち、取込流路59は、取込口59aが左方および右方に向けて開口するように形成されており、左側の下側壁部544と左側の案内部58とが、第1の流下領域22a(遊技領域22)に開口する取込流路59の取込口59aを画成すると共に、右側の下側壁部544と右側の案内部58とが、第2の流下領域22b(遊技領域22)に開口する取込流路59の取込口59aを画成するようになっている。
【0032】
ここで、取込口59aを画成する前記下側壁部544は、受け部材54の左右方向中央側に近接するにつれて次第に下方に偏倚して延在方向が鉛直方向に近づく湾曲状に設けられ、パチンコ球を下向きに案内するよう構成されている。そして、取込口59aは、
図4に示すように、流下領域22a,22b側の開口幅L1よりも、取込流路59の中央側の開口幅L2が小さくなるよう形成されることで、流下領域22a,22bから取込流路59に流入するパチンコ球を整流して、誘導面60上に導くパチンコ球の勢いを低減させ得るように構成されている。
【0033】
取込口59aを画成する前記一対の案内部58は、各上面が互いに近接する側へ向けて左右方向に下方傾斜する横向き台形状に形成され、上面全体が開閉部材52bの誘導面60の傾斜上端部より高い位置に設けられている。具体的に、左側の案内部58の上面は、右方へ向けて下方傾斜する案内面58aを構成して、パチンコ球を第1の流下領域22a側から取込流路59へ向けて案内し得ると共に、右側の案内部58の上面は、左方へ向けて下方傾斜する案内面58aを構成して、パチンコ球を第2の流下領域22b側から取込流路59へ向けて案内し得るようになっている。すなわち、遊技領域22から左右何れかの案内面58a上に載ったパチンコ球は、案内面58aの傾斜に沿って傾斜下端部まで案内されると、当該案内面58aの傾斜下端部より低い位置に形成された誘導面60に受け渡されて、該誘導面60の傾斜方向に従って第2始動入賞口52a側に誘導される。
【0034】
このように、実施例では、始動台板53の前側における第2始動入賞口52aの左右両側に、パチンコ球を案内する案内面58aを固定的に設けて、該案内面58aと受け部材54の下側壁部544(下壁543)とで取込口59aを画成している。そして、開閉部材52bが閉鎖位置から開放位置に変位した場合に、当該開閉部材52b(誘導面60)が第2始動入賞口52aの前側に取込流路59を画成するように構成されて、遊技領域22(流下領域22a,22b)を流下するパチンコ球が取込口59aを通過して取込流路59に案内されると、該パチンコ球が誘導面60により取込流路59から第2始動入賞口52aに取り込まれるようになっている。なお、開閉部材52bが閉鎖位置にある状態では、左右一方の案内面58aや左右一方の下側壁部544に案内されて取込口59aを通過したパチンコ球が、一対の案内部58の間(合流領域)をアウト口24へ向けて下方に通過するようになっている。
【0035】
ここで、実施例の第2始動入賞部52は、
図5に示すように、開閉部材52bが開放位置にある状態において、前記案内部58の案内面58aの傾斜下端部よりも低い位置に形成される前記開閉部材52bの誘導面60が、第2始動入賞口52aへ向けて下方傾斜するのに対し、誘導面60の傾斜上端部よりも高い位置に設けられる案内面58aは、緩やかに左右に傾斜する一方で前後の傾きが(殆ど)ない前後方向に水平な平面として形成されている。これにより、第2始動入賞部52は、始動台板53に近接する後端側では、各案内面58aの傾斜下端部と誘導面60の傾斜上端部との間に一定の高低差L3,L4が生ずる一方で、始動台板53から離間する前端側では、各案内面58aの傾斜下端部と誘導面60の傾斜上端部との間における高低差L5が、始動台板53に近接する後端側よりも小さくなるように構成されている。具体的には、各案内面58aの傾斜下端部と誘導面60の傾斜上端部との間における高低差L5が、パチンコ球の半径(約5.5mm)より小さくなる(より詳しくは、パチンコ球の半径の2分の1以下となる)よう設けられている。このように、第2始動入賞部52は、案内面58aおよび誘導面60を上下に近接させて取込流路59の上下寸法を最小限とすることで、案内面58aから誘導面60にパチンコ球を受け渡し得る構成としつつ、第2始動入賞部52全体を上下にコンパクトに構成している。しかしながら、単に案内面58aの傾斜下端部と誘導面60の傾斜上端部との高低差L5を小さく構成するだけでは、以下の問題が生じ得る。すなわち、左右一方の取込口59aから取込流路59に流入するパチンコ球の勢いが比較的強い場合に、該パチンコ球が誘導面60の傾斜上端部を左右方向に転動して通過すると共に他方の案内面58aに乗り上げ、この他方の案内面58aを傾斜方向に逆らって移動して遊技領域22に落下し得る。またこの場合において、誘導面60の傾斜上端部と、前記前枠13の前記透視保護部材13b(
図5参照)の後面とで、パチンコ球が2点支持された状態(
図5に拡大して示した状態)となると、該パチンコ球が誘導面60と透視保護部材13bとの間で安定して容易に誘導面60の傾斜上端部を左右方向に横切り、他方の案内面58aに乗り上げることになる。そこで、実施例の第2始動入賞部52は、以下に説明するように、接触部546を設け、取込流路59を移動するパチンコ球が接触部546に接触するよう構成することで、左右一方の取込口59aを介して取込流路59に流入したパチンコ球が他方の取込口59aから遊技領域22側に排出されるのを防止している。
【0036】
(第2始動入賞部52の接触部546について)
次に、接触部546について説明する。
図3および
図4に示すように、前記受け部材54の前記下壁(流路形成部)543の下端(下中壁部545)には、下方へ向けて突出するよう接触部546が設けられている。接触部546は、下壁543における左右方向の中央部(具体的には、下中壁部545の左右方向中央部)において前後に延在するよう設けられている。この接触部546は、第2始動入賞口52aの前側に位置しており、左右一方の取込口59aから取込流路59に流入したパチンコ球に接触することで、取込流路59を他方の取込口59aへ向かって左右方向に移動するパチンコ球の勢いを誘導面60上で低減させて該パチンコ球を誘導面60の傾斜方向に向かわせ、これにより他方の取込口59aから遊技領域22側に排出されるのを防止し得るように構成されている。
【0037】
ここで、前記接触部546は、前記第2始動入賞口52aとの関係において、当該第2始動入賞口52aの開口左縁部との間にパチンコ球が通過し得る間隔をあけて設けられると共に、当該第2始動入賞口52aの開口右縁部との間にパチンコ球が通過し得る間隔をあけて設けられている。具体的に、実施例では、
図4に示すように、接触部546の左右方向の厚み寸法W1は、正面視で当該接触部546の左側および右側に区画される第2始動入賞口52aにおける開口左部の左右寸法W2および開口右部の左右寸法W3が、何れもパチンコ球の直径以上となるように設定されている。すなわち、左側の取込口59aから取込流路59に流入して接触部546に接触したパチンコ球が誘導面60の傾斜に沿って第2始動入賞口52aの開口左部に入球し得ると共に、右側の取込口59aから取込流路59に流入して接触部546に接触したパチンコ球が誘導面60の傾斜に沿って第2始動入賞口52aの開口右部に入球し得るようになっている。なお、正面視で当該接触部546の左側および右側に区画される第2始動入賞口52aにおける開口左部の左右寸法W2や開口右部の左右寸法W3がパチンコ球の直径以下であっても、第2始動入賞口52aに対して接触部546を前方に離間させることで、第2始動入賞口52aの開口側縁部と接触部546との間からパチンコ球を左斜めまたは右斜めに第2始動入賞口52aに入球させ得る構成とすることができる。また、実施例では、第2始動入賞口52aにおける開口左部の左右寸法W2と開口右部の左右寸法W3とが同じに設定されているが、異なる寸法としてもよい。
【0038】
前記接触部546は、
図5に示すように、開放位置にある開閉部材52b(誘導面60)より前側に位置する前部546aと、開放位置にある開閉部材52b(誘導面60)の上方に位置する後部546bとにより構成されている。ここで、受け部材54の下中壁部545から下方へ向けた前部546aの突出最大寸法L8は、後部546bの突出寸法L6,L7よりも大きく設定されている。そして、前部546aの突出端が位置する高さ位置と、誘導面60の傾斜上端部が位置する高さ位置との差は、パチンコ球の直径以下(より詳しくは、
図5に示す寸法L9以下)に設定されている。すなわち、左右一方の取込口59aから取込流路59に流入したパチンコ球が誘導面60の傾斜上端部と前記透視保護部材13bの後面とに当接した状態で左右方向に移動する場合に、その移動先側に接触部546の前部546aが位置することで、当該前部546aにパチンコ球を確実に接触させて他方の案内面58aに乗り上げるのを防ぎ得るように構成されている。また、前部546aは、前端から後端にかけて急激に突出寸法が減少するよう設けられている(なお、後述する後部546bは、前部546aに連なる前端から第2始動入賞口52aの開口上縁部に連なる後端にかけて、前部546aよりも緩やかに突出寸法が減少するよう設けられている)。これにより、前部546aは、誘導面60の傾斜上端部と透視保護部材13bの後面とに当接した状態で左右方向に移動してくるパチンコ球の前端部分に接触することで、円弧状の突出端面によりパチンコ球を後方(第2始動入賞口52a側)に跳ね返して、パチンコ球の進行方向を速やかに誘導面60の傾斜方向に変更し得るように構成されている。
【0039】
図5に示すように、前記接触部546の後部546bは、前記第2始動入賞口52aに対して離間する前端側から該第2始動入賞口52aと近接する後端側に向かうにつれて下方への突出寸法が次第に小さくなるよう設けられている。具体的には、後部546bは、誘導面60の傾斜上端部と、その真上に位置する後部546bの前端部との間の上下寸法L9が、パチンコ球の直径以下とされる一方、後部546bおよび誘導面60の間の上下寸法が後側に向かうにつれ次第に大きくなり、取込流路59の後端部Cでは、後部546bおよび誘導面60の間の上下寸法がパチンコ球の直径以上となるように設定されている。これは、誘導面60が、第2始動入賞口52aへ向けて下方傾斜していること、および接触部546の後部546bが、第2始動入賞口52aに近接するにつれて下方への突出寸法が次第に小さくなるよう設けられていることによるものである。すなわち、取込流路59の前端部Aでは、後部546bおよび誘導面60の間をパチンコ球を通過しようとすると後部546bに接触するようにして強制的にパチンコ球を誘導面60の傾斜方向に誘導する。一方、取込流路59の後端部Cでは、誘導面60の上を移動するパチンコ球が後部546bに接触しないようにしている。
【0040】
ここで、実施例の第2始動入賞部52は、取込流路59の前端部Aにおける案内面58aの傾斜下端部と誘導面60との高低差(案内面58aの傾斜下端部と誘導面60の傾斜上端部との高低差)L5よりも、取込流路59の中間部Bにおける案内面58aの傾斜下端部と誘導面60との高低差L4の方が大きく、当該高低差L4よりも、取込流路59の後端部Cにおける案内面58aの傾斜下端部と誘導面60との高低差L3の方が大きくなるように構成されていることから、取込流路59の前端部Aをパチンコ球が左右方向に移動する場合よりも、取込流路59の中間部Bをパチンコ球が左右方向に移動する場合のほうが、誘導面60から案内面58aへのパチンコ球の乗上げが生じ難く、取込流路59の中間部Bをパチンコ球が左右方向に移動する場合よりも、取込流路59の後端部Cをパチンコ球が左右方向に移動する場合のほうが、誘導面60から案内面58aへのパチンコ球の乗上げが生じ難いといえる。
【0041】
これに対し、取込流路59の前端部Aに向けた後部546bの前端部の突出寸法よりも、取込流路59の中間部Bに向けた後部546bの中間部の突出寸法L7を小さくし、当該突出寸法L7よりも、取込流路59の後端部Cに向けた後部546bの後端部の突出寸法L6を小さくしている。すなわち、誘導面60から案内面58aへのパチンコ球の乗上げが生じ難い前後位置においては、接触部546の後部546bにおける下方への突出寸法を小さくすることで、取込流路59の後端側でのパチンコ球の移動を接触部546の後部546bが無暗に妨害しないようにして、当該パチンコ球を速やかに第2始動入賞口52aに入球させ得るように構成されている。
【0042】
但し、後部546bの突出端部は、前端から後端にかけて、案内面58aの傾斜下端部の高さ位置に対してパチンコ球の直径以上に上方に離間しないよう設定されている。これにより、一方の案内面58aの傾斜下端部から他方の案内面58aへ向けて、誘導面60を飛び越えるように水平に移動するパチンコ球があったとしても、当該パチンコ球が接触部546の後部546bと接触することとなり、確実に誘導面60の傾斜方向(すなわち第2始動入賞口52a側)にパチンコ球を誘導し得る。
【0043】
(複合入賞ユニット70について)
前記複合入賞ユニット70は、
図2に示すように、前記枠状装飾部材28の左下方位置(始動入賞ユニット50の左方位置)に、前記第1の流下領域22aを流下するパチンコ球が入球可能な特別入賞口71a、普通入賞口72a,72bおよび第2アウト口74aが設けられている。複合入賞ユニット70には、上方に開口する特別入賞口71aを開閉するシャッタ71bが設けられており、該シャッタ71bは、駆動手段としての図示しない特別入賞ソレノイドの駆動に伴って、特別入賞口71aを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置とに変位するようになっている。また、複合入賞ユニット70には、普通入賞口72a,72bが上方へ向けて常に開口するよう形成された普通入賞部72が設けられている。すなわち、始動入賞ユニット50には、パチンコ球の入球し易さ(入球の可否)を変化させることが可能な特別入賞口71aを有する特別入賞部(入球部)71と、パチンコ球が常に入球可能な普通入賞口72a,72bを有する普通入賞部(入球部)72とが設けられている。また、前記複合入賞ユニット70には、特別入賞口71aに入球したパチンコ球を検出する検出手段としての図示しない特別入賞検出センサが配設されている。特別入賞検出センサは、前記設置部材80の裏面に配設された前記制御基板に配線接続されており、該特別入賞検出センサから制御基板(具体的には、制御基板に設けられたCPU)への球検出信号の入力(すなわちパチンコ球の検出)に伴って、制御基板(具体的には、CPU)が規定数の賞球の払い出しを決定するようになっている。なお、前記設置部材80には、普通入賞口72a,72bに入球したパチンコ球を検出する検出手段としての普通入賞検出センサ(図示せず)が配設されている。この普通入賞検出センサもまた前記制御基板に配線接続されており、該普通入賞検出センサから制御基板(具体的には、制御基板に設けられたCPU)への球検出信号の入力(すなわちパチンコ球の検出)に伴って、制御基板(具体的には、CPU)が規定数の賞球の払い出しを決定するようになっている。
【0044】
前記複合入賞ユニット70は、
図2に示すように、前記遊技盤20の前面に取着される複合台板73と、複合台板73の前面に配設されて特別入賞口71aを有するサイド飾り構成体74と、複合台板73の後面に配設されて内部に前記特別入賞ソレノイドや前記特別入賞検出センサが収容された複合本体部(図示せず)とを備えている。また、複合台板73には、複数の普通入賞口72a,72bを有する普通入賞部72が遊技盤20の前面より前方に突出するよう設けられている。複合台板73は、平板状に形成されると共に、固定ネジを前後に挿通可能な固定孔Naが外周縁部の複数箇所に開設されている。そして、複合台板73の固定孔Naに前側から挿通させた固定ネジを遊技盤20の前面に螺挿して固定することで、複合入賞ユニット70が遊技領域22の左下部において前記案内レール23に近接するように遊技盤20の前面に配設される。
【0045】
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0046】
中枠12の前面側に設けられた操作ハンドル16を遊技者が回転操作すると、球発射装置18から発射されたパチンコ球が遊技盤20に設けた案内レール23により画成された遊技領域22内に打ち出されて、流下方向を変更しながら遊技領域22(第1の流下領域22aまたは第2の流下領域22b)を流下する。そして、遊技領域22を流下するパチンコ球が第1始動入賞部51の第1始動入賞口51aや第2始動入賞部52の第2始動入賞口52aに入球することで、図柄表示装置17での図柄組合せ演出が開始され、図柄組合せ演出の結果、図柄表示装置17に所定の図柄組合せで演出図柄が表示されると、遊技者に有利な特別遊技が生起される。そして、特別遊技が生起されると、遊技盤20に設けられた特別入賞部71のシャッタ71bが開放されると共に図柄表示装置17において特図当り演出が行われる。
【0047】
第1の流下領域22aおよび第2の流下領域22bを流下するパチンコ球がゲート部材27のゲート口27aに入球すると、制御基板において普図当り判定が行われ、該普図当り判定の結果に応じて普図当り遊技(特図当り判定条件が成立し易くなる状態)が生起される。普図当り遊技では、第2始動入賞部52の開閉部材52bが、第2始動入賞口52aを塞ぐ閉鎖位置から、第2始動入賞口52aを開放してパチンコ球の入球を許容する開放位置に変位するよう始動入賞ソレノイドSLが駆動制御されて、第2始動入賞口52aが開放される。第2始動入賞部52には、開閉部材52bが閉鎖位置から開放位置に変位した状態で、第2始動入賞口52aの開口上縁側に設けられた下壁543(流路形成部)と、開放位置にある開閉部材52bとの間に、第2始動入賞口52aと連通する取込流路59が形成される。この取込流路59の左側には第1の流下領域22aに開口する取込口59aが設けられており、取込流路59の右側には第2の流下領域22bに開口する取込口59aが設けられている。これにより、第1の流下領域22aを流下するパチンコ球が左側の取込口59aから取込流路59に流入すると共に、第2の流下領域22bを流下するパチンコ球が右側の取込口59aから取込流路59に流入する。そして、取込流路59に導かれたパチンコ球は、開閉部材52bにより形成される誘導面60の傾斜に沿って遊技盤20側に流下して、第2始動入賞口52aに入球する。ここで、左右一方の取込口59aから取込流路59に流入して左右他方の取込口59aへ向けて左右方向に移動するパチンコ球は、下壁543に設けられた接触部546に接触して誘導面60の傾斜方向に向かうようになっており、パチンコ球が取込流路59を左右方向に通過して左右他方の取込口59aから遊技領域22に排出されることが防止されている。
【0048】
ここで、実施例のパチンコ機10は、遊技領域22が形成された遊技盤20と、遊技領域22を流下するパチンコ球が入球可能な第2始動入賞口52aを有する第2始動入賞部52と、この第2始動入賞部52に設けられて第2始動入賞口52aに対して変位可能な可変手段としての開閉部材52bとを備えており、開閉部材52bが閉鎖位置から開放位置に変位した場合に、閉鎖位置と較べて第2始動入賞口52aにパチンコ球が入球し易くなるよう構成されている。また、実施例のパチンコ機10は、開放位置にある開閉部材52bが遊技盤20の前面より前側に位置して、遊技領域22を流下するパチンコ球を受けて第2始動入賞口52aに誘導し得るよう構成されている。更に、実施例のパチンコ機10は、第2始動入賞口52aの開口上縁側に設けられた下壁543と、開放位置にある開閉部材52bとの間に、第2始動入賞口52aに連通する取込流路59が形成され、当該取込流路59において第2始動入賞口52aを挟む左右両側で取込口59aが遊技領域22(第1の流下領域22aおよび第2の流下領域22b)に開口するよう構成されている。そして、パチンコ機10には、取込流路59を左右に移動するパチンコ球と接触可能な接触部546が下壁543に設けられて、取込口59aを介して取込流路59に流入したパチンコ球が他の取込口59aから排出されるのを防止し得るよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、開放位置にある開閉部材52bと下壁543との間に取込流路59を形成すると共に該取込流路59を左右に移動するパチンコ球と接触する接触部546を下壁543に設けることで、取込口59aを介して取込流路59に流入したパチンコ球が他の取込口59aから排出されるのを防止して、該パチンコ球を第2始動入賞口52aに入球させることができる。また、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口52aおよび開閉部材52bを有する第2始動入賞部52と、接触部546が設けられた下壁543とを、始動入賞ユニット50に備えて、該始動入賞ユニット50を遊技盤20に配設するよう構成することで、第2始動入賞部52および下壁543を遊技盤20に容易に設けることができる。
【0049】
また、実施例のパチンコ機10は、下壁543から下方に突出して第2始動入賞口52aの前側で前後に延在する接触部546の後部546bが、第2始動入賞口52aに近接するにつれて下方への突出寸法が次第に小さくなるよう設けられている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口52aから前方に離間する側では、左右に移動するパチンコ球に接触部546を確実に接触させて当該パチンコ球が取込口59aから排出されるのを防止し得ると共に、第2始動入賞口52aに近接する側では接触部546がパチンコ球と接触しないようにして当該パチンコ球を速やかに第2始動入賞口52aに入球させることができる。
【0050】
また、実施例のパチンコ機10では、開閉部材52bが、第2始動入賞口52aの開口下縁に沿う軸部61を中心に上端側が前後に揺動して、第2始動入賞口52aを塞ぐ閉鎖位置と、第2始動入賞口52aを開放して該第2始動入賞口52aの下縁部に向けて下方傾斜する誘導面60を形成する開放位置とに変位し得るよう構成されており、接触部546が、パチンコ球の直径以下の間隔を介して開閉部材52bの誘導面60の傾斜上端部と対向するよう下壁543に設けられている。すなわち、実施例のパチンコ機10は、第2始動入賞口52aへ向けて下方傾斜する誘導面60を形成すると共に、接触部546をパチンコ球の直径以下の間隔を介して誘導面60の傾斜上端部と対向するよう下壁543の下端部に設けることで、取込流路59を移動するパチンコ球に接触部546を接触させて誘導面60の傾斜方向に向かわせることができ、該パチンコ球を速やかに第2始動入賞口52aに入球させることができる。
【0051】
(別例)
次に、上記実施例に係るパチンコ機10の別例に係る構成について、
図6を参照して説明する。以下に説明する別例では、前述した実施例に係るパチンコ機10における第2始動入賞部52を備えた始動入賞ユニット50に代えて、可変入賞部152が始動台板53に設けられた入賞ユニット150を採用しており、他の基本的な構成は同じとなっている。この可変入賞部152は、前述した実施例における第2始動入賞部52として機能するものでもよいし、前述した実施例における特別入賞部71として機能するものでもよい。以下の説明では、別例における入賞ユニット150の可変入賞部152に関する構成について説明し、可変入賞部152に関する電気的な作用等の説明を省略すると共に、上記実施例で説明したパチンコ機10と同一の構成に関しては、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。なお、受け部材54は、前述した実施例とは下壁543の形状が異なるものを示すが、同一の符号を付すと共に詳細な説明を省略する。
【0052】
別例の入賞ユニット150には、始動台板53の前面上部に第1始動入賞部51が設けられると共に、始動台板53の前面下部(第1始動入賞部51における受け部材54の下側)に、パチンコ球が入球可能な可変入賞部152が設けられている。可変入賞部152は、パチンコ球が通過可能な下側連通口(入球口)153aが始動台板53を前後に貫通するよう形成され、この下側連通口153aの左右両側において左右一対の羽根部材152bが左右に揺動変位可能に設けられると共に、下側連通口153aと左右一対の羽根部材152bとを前側から覆うように下側受け部材154が始動台板53の前面に取り付けられて構成されている。羽根部材152bは、下側連通口153aの左右両側において前後に延在する軸部161を中心として上端側(自由端側)が左右に揺動するよう構成されており、各羽根部材152bが互いに近接する閉鎖位置と、各羽根部材152bが互いに離間して各羽根部材152bと受け部材54との間に取込口152aを画成して、該取込口152aから両羽根部材152bの間へ向けたパチンコ球の通過を許容する開放位置とに変位し得るようになっている。すなわち、羽根部材152bは、取込口152aを塞ぐ閉鎖位置および該取込口152aを開放する開放位置に変位し得るよう構成されている。なお、取込口152aは、前述した実施例における第2始動入賞口52aまたは特別入賞口71aと同様の入球口として設けられている。下側受け部材154は、上方および後方に開口する箱状の部材であって、上方開口の内側で左右の羽根部材152bが揺動するよう構成されている。この下側受け部材154には、左右の羽根部材152bの下端部の間に、下側連通口153aの前方から下側連通口153aへ向けて下方傾斜する誘導面160が固定的に設けられている。そして、羽根部材152bが開放位置にある状態では、遊技領域22を流下するパチンコ球を下側連通口153aの前側に案内する案内面158が羽根部材152bにより形成されるようになっている。すなわち、可変入賞部152においては、羽根部材152bが開放位置にある状態で、当該羽根部材152bにより形成される左右の案内面158と、下側受け部材154により固定的に形成される誘導面160とが左右に連続して、受け部材54の下壁543との間に左右両側に取込口152aが開口する取込流路159を画成するよう構成されている。また、下壁543には、下方に突出する接触部546がパチンコ球の直径以下の間隔で誘導面160と対向するよう設けられ、羽根部材152bの案内面158に案内されて取込口152aを通じて下側連通口153aの前側に流入したパチンコ球と接触して、接触したパチンコ球を誘導面160の傾斜方向に向かわせ得るようになっている。
【0053】
(別例の作用)
このように、別例に係るパチンコ機10は、遊技領域22が形成された遊技盤20と、遊技領域22を流下するパチンコ球が入球可能な下側連通口(入球口)153aを有する可変入賞部(入球部)152と、この可変入賞部152に設けられて下側連通口153aに対して変位可能な可変手段としての左右一対の羽根部材152bとを備えている。また、別例のパチンコ機10は、可変入賞部152が、下側連通口153aの前方から該下側連通口153aの下縁部に向けて下方傾斜する誘導面160を備えており、羽根部材152bが、誘導面160の左右両側で前後に延在する軸部161を中心として上端側が左右に揺動すると共に、当該一対の羽根部材152bの各自由端が下壁543に近接する閉鎖位置と、当該一対の羽根部材152bの各自由端が下壁543から離間して誘導面160に向けて下方傾斜する開放位置とに変位し得るよう構成されている。そして、接触部546が、パチンコ球の直径以下の間隔を介して誘導面160の傾斜上端部と対向するよう下壁543に設けられている。すなわち、別例のパチンコ機10では、下側連通口153aへ向けて下方傾斜する誘導面160を形成すると共に、接触部546をパチンコ球の直径以下の間隔を介して誘導面160の傾斜上端部と対向するよう下壁543の下端部に設けることで、左右一対の羽根部材152bの案内面158と、誘導面160と、下壁543とで画成される取込流路159を左右に移動するパチンコ球に接触部546を接触させて誘導面160の傾斜方向に向かわせることができ、該パチンコ球を速やかに下側連通口153aに入球させることができる。
【0054】
(変更例)
なお、遊技機の構成としては、前述した実施例に示したものに限らず、以下に示す如く種々の構成を採用可能である。
【0055】
(1) 実施例では、入球口としての第2始動入賞口を開閉する可変手段と流路形成部(受け部材の下壁)との間に取込流路を画成し、取込流路を移動する遊技球と接触可能な接触部を備えるように構成したが、入球口は、始動入賞口に限られるものではなく、例えば、入球口としての特別入賞口を備え、特別入賞口を開閉する可変手段と流路形成部(受け部材の下壁)との間に取込流路を画成して、取込流路を移動する遊技球と接触可能な接触部を備えるように構成してもよい。
すなわち、実施例の特別入賞口を有する入賞ユニット(入賞装置、入賞手段)は、上方に開口する特別入賞口と、この特別入賞口に対して変位可能なシャッタとを特別入賞部に備えるよう構成されていたが、入賞ユニットを以下のように構成してもよい。
・ 前方に開口する特別入賞口と、特別入賞口に対して変位可能なシャッタ(可変手段)とを特別入賞部に設けると共に、シャッタが第1位置から第2位置に変位した場合に、第1位置と較べて特別入賞口に遊技球が入球し易くなるよう構成する。また、シャッタが、第2位置にある状態で遊技盤の前面より前側に位置すると共に、遊技領域を流下する遊技球を受けて特別入賞口に誘導し得るよう構成する。なお、シャッタは、実施例の第2始動入賞口を開閉する開閉部材のように、特別入賞口の開口下縁部に沿う軸を中心として上縁側が前後に揺動するものでもよい。更に、特別入賞口の開口上縁側に流路形成部を設け、該流路形成部と第2位置にあるシャッタとの間に、特別入賞口に連通する取込流路が形成されるようにして、取込流路において特別入賞口を挟む左右両側で取込口が遊技領域に開口するよう構成する。そして、取込流路を移動する遊技球と接触可能な接触部を流路形成部に設けて、取込口を介して取込流路に流入した遊技球が他の取込口から排出されるのを防止し得るように構成する。
(2) 実施例では、第2位置(開放位置)にある可変手段(開閉部材)と、入球口の1つとしての第1始動入賞口を形成する受け部材との間に取込流路を形成したが、受け部材は、入球口を形成するものでなくてもよい。
(3) 実施例では、入球口の1つとしての第2始動入賞口と、第2始動入賞口を開閉する可変手段としての開閉部材と、開閉部材との間に取込流路を形成する流路形成部とを1つの入賞ユニット(入賞装置、入賞手段)に設けたが、入球口および可変手段と、流路形成部とを、夫々別の部材に設けてもよい。例えば、図柄表示装置の外側を囲む枠状装飾部材の下部に流路形成部を設けると共に、枠状装飾部材の下側に隣接配置した入賞ユニットに入球口および可変手段を設けて、第2位置(開放位置)にある可変手段と、流路形成部材との間に取込流路を形成するよう構成することができる。
(4) 実施例では、第2位置(開放位置)にある可変手段(開閉部材)が左右方向の略全体に亘って流路形成部(受け部材の下壁)に対向して取込流路を形成するよう構成したが、第2位置にある可変手段における左右方向の一部のみが流路形成部に対向して取込流路を形成するよう構成してもよい。
(5) 実施例では、入球口(第2始動入賞口)を開閉すると共に流路形成部(受け部材の下壁)との間に取込流路を画成する可変手段として、揺動により入球口を開閉する開閉部材を備えるように構成したが、可変手段は、揺動により入球口を開閉するものに限られるものではなく、例えば、前後にスライド移動して閉鎖位置および開放位置に変位する可変手段を採用してもよい。
(6) 実施例では、開閉部材が形成する誘導面に対して接触部が遊技球の直径以下の間隔で離間するよう構成したが、接触部を誘導面に対して遊技球の直径以上に離間させて設けてもよい。例えば、左右寸法の比較的小さい(例えば、遊技球の直径の3倍以下)誘導面の左右両側に一対の案内面を設けた構成では、誘導面と案内面とが高さ位置において近接しているかに拘らず、遊技球が一方の案内面から誘導面を飛び越えて他方の案内面に移動して、入球口に入球することなく遊技領域に落下し得る。これに対し、接触部の突出端部(下端)の高さ位置と、案内面の傾斜下端部の高さ位置との差を、遊技球の直径以下とする。この場合に、接触部は、誘導面に対して遊技球の直径以上に離間させる。このように構成すれば、接触部を誘導面に対して遊技球の直径以上に離間させたとしても、遊技球が一方の案内面から他方の案内面に移動するのを防止できる。
(7) 実施例では、取込流路の左右両側に取込口を1つずつ形成したが、左右一方または両方に複数の取込口を設けるようにしてもよい。
(8) 実施例では、接触部を、流路形成部(受け部材の下壁)から下方に突出するよう設けたが、流路形成部から下方に突出する接触部を設けず、流路形成部材を誘導面側に近接させて接触部として機能させてもよい。
(9) 実施例では、接触部を、流路形成部(受け部材の下壁)から下方に突出すると共に入球口の前側で前後に延在するよう設けることで、接触部の左右寸法を小さく形成したが、入球口の左右の開口幅が充分に大きく、接触部の左右両側から入球口へ向けて遊技球が入球し得るのであれば、例えば下方に突出する突起状または筒状等といった形状を接触部に採用してもよい。
(10) 実施例では、誘導面の傾斜上端部と、その真上に位置する接触部の後部の前端部との間の上下寸法を遊技球の直径以下とする一方、後部および誘導面の間の上下寸法を後側に向かうにつれ次第に大きくして、取込流路の後端部では、後部および誘導面の間の上下寸法がパチンコ球の直径以上となるように設定した。これに対し、後部および誘導面が前後に亘って一定の間隔となるよう設けてもよいし、後部および誘導面の間の上下寸法が後側に向かうにつれ次第に小さくなるよう設けてもよい。
【0056】
本願には、例えば次のような技術的思想が含まれている。
【0057】
(A) 遊技領域(22)が形成された遊技盤(20)に、前記遊技領域(22)を流下する遊技球が入球可能な入球口(52a,153a)を有する入球部(52,152)と、前記入球部(52,152)に設けられて前記入球口(52a,153a)に対して変位可能な可変手段(52b,152b)とを備えた入球手段(50)が配設されて、前記可変手段(52b,152b)が第1位置から第2位置に変位した場合に、前記第1位置と較べて前記入球口(52a,153a)に遊技球が入球し易くなるよう構成された遊技機において、
前記可変手段(52b,152b)は、前記第2位置にある状態で前記遊技盤(20)の前面より前側に位置すると共に、前記遊技領域(22)を流下する遊技球を受けて前記入球口(52a,153a)に誘導し得るよう構成され、
前記入球手段(50)には、前記入球口(52a,153a)の開口上縁側に流路形成部(543)が設けられて、当該流路形成部(543)と前記第2位置にある前記可変手段(52b,152b)との間に、前記入球口(52a,153a)に連通する取込流路(59,159)が形成されると共に、当該取込流路(59,159)において前記入球口(52a,153a)を挟む左右両側で取込口(59a,152a)が前記遊技領域(22)に開口するよう構成され、
前記取込流路(59,159)を移動する遊技球と接触可能な接触部(546)が前記流路形成部(543)に設けられて、前記取込口(59a,152a)を介して前記取込流路(59,159)に流入した遊技球が他の取込口(59a,152a)から排出されるのを防止し得るよう構成したことを要旨とする。
上記(A)に係る構成によれば、第2位置にある可変手段と流路形成部との間に取込流路を形成すると共に該取込流路を移動する遊技球と接触する接触部を流路形成部に設けることで、取込口を介して取込通路に流入した遊技球が他の取込口から排出されるのを防止して、該遊技球を入球口に入球させることができる。また、入球口および可変手段を有する入球部と、接触部が設けられた流路形成部とを入球手段に備えて、該入球手段を遊技盤に配設するよう構成することで、入球部および流路形成部を遊技盤に容易に設けることができる。