特許第6236041号(P6236041)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236041
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】接触ニップロール
(51)【国際特許分類】
   B65H 27/00 20060101AFI20171113BHJP
   F16C 13/00 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   B65H27/00 A
   B65H27/00 Z
   F16C13/00 A
   F16C13/00 B
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-134684(P2015-134684)
(22)【出願日】2015年7月3日
(62)【分割の表示】特願2012-534270(P2012-534270)の分割
【原出願日】2010年10月12日
(65)【公開番号】特開2015-231915(P2015-231915A)
(43)【公開日】2015年12月24日
【審査請求日】2015年8月3日
(31)【優先権主張番号】61/251,106
(32)【優先日】2009年10月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100157185
【弁理士】
【氏名又は名称】吉野 亮平
(72)【発明者】
【氏名】ケビン ビー.ニューハウス
(72)【発明者】
【氏名】ブルース イー.テイト
(72)【発明者】
【氏名】ワルド エル.ロペス
【審査官】 笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−116650(JP,A)
【文献】 実公昭40−033691(JP,Y1)
【文献】 実公昭44−014230(JP,Y1)
【文献】 実開昭61−193954(JP,U)
【文献】 特開平03−185035(JP,A)
【文献】 実開平06−017944(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 20/02
B65H 27/00
F16C 13/00 〜 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線を有するシャフトと、
前記シャフトに貫通されると共に前記シャフトに固定された第1エンドプレートと、
前記シャフトに貫通されると共に前記シャフトに固定された第2エンドプレートと、
前記シャフトを環囲すると共に前記第1エンドプレートおよび前記第2エンドプレートの間に介在し、該シャフトの外周に環状に接触する第1柔軟性材料と、
前記第1エンドプレートおよび前記第2エンドプレートの間に介在するように前記軸線の方向に互いに積層された複数の環状リングであって、該複数の環状リングの各々は、前記第1柔軟性材料の外周に少なくとも部分的に接触している内側縁部、および、前記軸線と同心の外側縁部を有し、前記複数の環状リングのうちの少なくとも1つの前記外側縁部および前記内側縁部は、放射方向へ変位可能である、複数の環状リングと、
前記複数の環状リングの各々の前記外側縁部に接触する第2柔軟性材料と、を備え、
前記積層された複数の環状リングが、前記第1エンドプレートと接触する第1外側環状リングと、前記第2エンドプレートと接触する第2外側環状リングとを備え、前記第1エンドプレートおよび前記第2エンドプレートは前記複数の環状リングを一緒に合わせるよう作用する前記シャフトの軸線に平行な力をもたらす、
ニップロール。
【請求項2】
軸線を有するシャフトと、
前記シャフトを環囲し、該シャフトの外周に環状に接触する第1柔軟性材料と、
前記軸線の方向に互いに積層された複数の環状リングであって、該複数の環状リングの各々は、前記第1柔軟性材料の外周に少なくとも部分的に接触している内側縁部、および、前記軸線と同心の外側縁部を有し、前記複数の環状リングのうちの少なくとも1つの前記外側縁部および前記内側縁部は、放射方向へ変位可能である、複数の環状リングと、
前記複数の環状リングの各々の前記外側縁部に接触する第2柔軟性材料と、
前記複数の環状リングのうち、互いに隣接する前記環状リングの間に配置され、該隣接する環状リングの間の滑り摩擦を低減する材料と、を備える、ニップロール。
【請求項3】
前記第2柔軟性材料は、前記複数の環状リングの前記外側縁部の各々に接触する連続的なコーティングである、請求項1または2に記載のニップロール。
【請求項4】
ウェブを挟むためのシステムであって、請求項1〜3のいずれか1項に記載のニップロールと、
前記ニップロールと平行に配置され、該ニップロールとの間で前記ウェブを挟み込む第2ロールと、を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
従来のウェブ加工は典型的に、例えば、ニップ後にウェブが加速する長さ配向装置(length orienter)におけるように、ニップロールを使用して、異なる張力下にあるウェブラインの部分を分離する。長さ配向装置(length orientating equipment)をウェブが通過する際、ウェブ延伸プロセスにより、ウェブの幅方向と下流方向の両方においてウェブ厚さの変動が生じ得る。厚さ変動は通常、軟質又は硬質のニップロールを用いることによって管理される。軟質ニップ表面は、ロールの表面に沿って接触面積の幅を変動させ得る。この変動は、2本のロールの間の相対的な動きを変動させる可能性があり、これによりウェブの毛羽立ちが生じることがある。同様に、硬質ニップ表面は、欠陥のある部位及び/又は厚くなったウェブ厚さの部位のみに対して高いニップ圧力を生じさせる可能性があり、有意なウェブ応力の差を引き起こし得る。そのようなウェブ応力はウェブ経路を介して伝搬して、これによりウェブの溝形成、ウェブのしわ、及び最終的に恒久的なウェブひずみが生じる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
一態様において、本発明は、軸を有するシャフトと、そのシャフトに環状に接触している第1柔軟性材料と、複数の積層した環状リングと、を含む、改良接触ニップロールを提供する。複数の積層した環状リングの各環状リングは、第1柔軟性材料に少なくとも部分的に接触している内側縁部と、軸と同心の外側縁部と、を含む。
【0003】
別の一態様において、本開示は、軸を有するシャフト上に、環状に接触している第1柔軟性材料を形成する工程と、複数の環状リングをその第1柔軟性材料上に積層させる工程と、を含む、改良接触ニップロールを組み立てるための方法を提供する。複数の環状リングの各環状リングは、第1柔軟性材料に少なくとも部分的に接触している内側縁部と、外側縁部と、を含む。改良接触ニップロールを組み立てるための方法は、この積層体を長手方向に圧迫するよう圧力をかける工程と、この積層体に対する圧力を維持するため、エンドプレートをシャフトに固定する工程と、複数の環状リングのそれぞれの外側縁部から材料を除去することにより、外側縁部を軸と同心にする工程と、を更に含む。
【0004】
更に別の一態様において、本開示は、ニップロールと、そのニップロールに対して平行に配置されニップラインを形成する第2ロールと、を含む、ウェブを挟むためのシステムを提供する。このニップロールは、軸を有するシャフトと、そのシャフトに環状に接触している第1柔軟性材料と、複数の積層した環状リングと、を含む。複数の環状リングの各環状リングは、第1柔軟性材料に少なくとも部分的に接触している内側縁部と、軸と同心である外側縁部と、を含む。第2ロールは、ニップラインで軸から一定距離ずれた外側表面を含み、第2ロールと、複数の環状リングの外側縁部との両方に接触しているウェブは、ニップラインで、複数の積層した環状リングのうちの少なくとも1つの外側縁部を放射方向にずらすことができる。
【0005】
更に別の一態様において、本開示は、ニップロールと第2ロールとの間にウェブを配置する工程と、そのニップロールと第2ロールとの間にウェブを挟むための圧力をかける工程と、を含む、ウェブを挟むための方法を提供する。第2ロールは、ニップロールに対して平行に配置され、ニップラインを形成する。このニップロールは、軸を有するシャフトと、そのシャフトに環状に接触している第1柔軟性材料と、複数の積層した環状リングと、を含む。複数の環状リングの各環状リングは、第1柔軟性材料に少なくとも部分的に接触している内側縁部と、軸と同心である外側縁部と、を含む。第2ロールは、ニップラインで軸から一定距離ずれた外側表面を含み、ウェブは、ニップラインで、ニップロール内の複数の積層した環状リングのうちの少なくとも1つの外側縁部を放射方向にずらす。
【0006】
上記概要は、本発明の開示した各々の実施形態又は全ての実現形態を説明することを意図したものではない。図面及び以下の詳細な説明によって、例示的実施形態をより具体的に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書を通して、添付の図面を参照し、ここで、同じ参照番号は同じ要素を示す。
図1A】ウェブラインの概略斜視図。
図1B】ニップ点の概略断面図。
図1C】ニップ点の概略断面図。
図2】ニップの概略断面図。
図3A】改良接触ニップロールの一部の概略斜視図。
図3B】改良接触ニップロールの一部の概略透視図。
図3C】改良接触ニップロールの一部の概略斜視図。
図4A】環状リングの概略斜視図。
図4B】環状リングの概略平面図。
図4C】環状リングの概略平面図。
図4D】環状リングの概略平面図。
図5A】改良接触ニップロールの製造概略透視図。
図5B】改良接触ニップロールの製造概略透視図。
図5C】改良接触ニップロールの製造概略透視図。
図5D】改良接触ニップロールの製造概略透視図。
図5E】改良接触ニップロールの製造概略透視図。
図6】接触幅測定値対ウェブ厚さのグラフ。
【0008】
図面は、必ずしも原寸に比例していない。図中で用いられる類似の数字は、類似の構成要素を示す。しかし、所与の図中の構成要素を意味する数字の使用は、同一数字でラベル付けされた別の図中の構成要素を限定するものではないことが理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本出願は、ニップにおける改良接触ニップロールと接触ロールとの間の改善された接触面積を提供し得るような、改良接触ニップロールについて記述するものである。この改良接触ニップロールは、ウェブ厚さの変動にうまく対応することに伴う課題を、補償的な柔軟なニップ表面を提供することにより克服することができる。改良接触ニップロールは、ウェブ厚さの変動に対する柔軟性を提供し得る内側のより軟質なコアを組み入れている一方、剛性の環状リング及びより硬質な外側被覆は、均一な接触面積を維持することができる。
【0010】
この改良された接触面積は、厚さのいかなる変動又はウェブ材料に存在するいかなる欠陥にも関わらず、本質的に均一であり得る。特定の一実施形態において、改良接触ニップロールの設計は、内側シャフト、例えばアルミニウム又は鋼鉄などの金属製シャフトを含む。内側シャフトは、第1の柔軟性材料、例えば約20のジュロ硬度を有する柔らかいウレタン材料で覆われている。複数の環状リング、例えば幅約3/16インチ(4.76mm)の積層されたアルミニウムリングが、この第1柔軟性材料上に配置され、第2の柔軟性材料、例えば約80〜90のジュロ硬度を有する、より硬質のウレタン被覆がこの上に配置される。改良接触ニップロールは、可撓性かつ柔軟性で、ニップにおける2本のロール間の圧力を、ロールのニップラインに沿ってほぼ等しく維持することができる。
【0011】
従来型の長さ配向装置では、ウェブひずみの問題を克服するために、複数の「S」ラップ配置で複数のロールを利用し得る。この従来型アプローチに代わり、本改良接触ニップロールは、ウェブをより効率的に移動させ、配向装置に必要なロールの数が低減される。より少ない数のロールですむため、購入が必要なロール数が少ないこと、メンテナンスが少ないこと、ウェブ形成が大幅に改善されることを含む、コスト削減を提供することができる。加えて、改良接触ニップロールはウェブ応力の差を排除することができるため、延伸及びコーティング後の作業には、もはや「バンパーロール」(即ち、ロール直径を増大させて摩擦を大きくするためにウェブ縁部下の外側端部にテープで固定されるロール)の必要がなくなる。改良接触ニップロールは、ロールの処理収量(RTY)と最終製品品質の両方を改善することができる。
【0012】
図1Aは、本開示の一態様による、ニップ120付近のウェブライン100の概略斜視図である。特定の一実施形態において、ニップ120は、ウェブ110の、例えば第1張力T1、第2張力T2(T2>T1)などの異なる張力を有する領域を区切るのに使用することができる。ウェブ張力の差は、例えばウェブ長さ配向装置(LO)によって生じ得る。ウェブLOは、張力方向に沿ってウェブ110を延伸する第2張力T2をもたらす。ニップ120は、第2張力T2を受けるウェブ110を、ニップ120の反対側にあるウェブ110から区切り、ウェブは、例えば押出成形機(図示なし)から、より低い第1張力T1でニップ120に供給される。ニップ120は、第1ニップロール130、第2ニップロール140、及びニップライン150を含む。第1ニップロール130及び第2ニップロール140は、ニップライン150に沿って互いに押し付けられ、ウェブ110上にニップ圧力「P」を生じさせて、ニップライン150を通る滑りが生じるのを防止し、これにより、張力の相違が生じる。ウェブ110の均一性は、ニップライン150に沿ったニップ圧力Pの均一性によって影響を受け得る。
【0013】
図1Bは、本開示の一態様による図1Aの区分A−A’に沿った、ニップ点120の概略断面図である。図1Bにおいて、第1ニップロール130は、ウェブ110の公称ウェブ厚さ「t」及びウェブ110上の高さ「d」を有する欠陥115の距離だけ、第2ニップロール140から離れている。欠陥115の存在は、ニップライン150に沿ったニップ圧力Pの均一性を低減させ得る。図1Bに示される一事例において、第1ニップロール130及び第2ニップロール140は両方とも、例えば金属などの非可撓性材料から製造され得る。この場合、欠陥115のないウェブ110の領域は、ニップ圧力Pが公称ウェブ厚さtでのウェブ110の滑りを防止するのに十分な大きさでない限り、ニップライン150を通過して滑る可能性がある。そのような圧力Pは、ニップライン150を通過する際に欠陥115を圧迫して、ウェブ110にひずみ又は不均一性が生じ得る。
【0014】
図1Cは、本開示の別の一態様による図1Aの区分A−A’に沿った、ニップ点120の概略断面図である。図1Cにおいて、第1ニップロール130’は柔軟性材料で製造されており、これは、ニップライン150に沿ってニップ圧力Pを過度に増加させることなく、欠陥115に適合するよう十分に変形することができる。第1ニップロール130’の変形によって、ニップライン150に沿った接触幅Wが変わり得る。第1ニップロール130’の変形によって更に、第1ニップロールの表面速度も変わり得るが、これは、第1ニップロール130’の第1半径Rが、第2半径Rへと減少するためである。この表面速度の変化は、欠陥115付近に剪断力を生じさせる可能性があり、これによりウェブ110にひずみ又は不均一性が生じ得る。
【0015】
図2は、本開示の一態様による、図1Aのニップライン150に沿ったニップ200の概略断面図である。ニップ200は、第1長手方向軸234を有する中央シャフト232を有する改良接触ニップロール230を含む。第1柔軟性材料236は、シャフト232と環状に接触している。第1柔軟性材料236は、比較的低い弾性率を有する任意の材料であり得、例えばゴム(ブチルゴム、又はエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴムなど)、シリコーン(シリコーンゴムなど)、コポリマー(スチレンブタジエンスチレン(SBS)ブロックコポリマー又はスチレンブタジエンエチレンスチレン(SEBS)ブロックコポリマーなど)、ポリウレタン、及び同様物が挙げられる。
【0016】
特定の一実施形態において、第1柔軟性材料236は、所望により、第1柔軟性材料236内に形成された複数の気泡などの複数の空隙238を含む。いくつかの場合において、複数の空隙238は代わりに、図3A〜3Cを参照して他で記載されるように、第1柔軟性材料236内に切り込まれた、穴開けされた、レーザーエッチングされた、アブレーションされた、又はその他の方法で形成された、チャネルであり得る。一般に、複数の空隙238は、第1柔軟性材料236にかかる圧力に適応するよう、柔軟性材料よりも容易に変形することができる。
【0017】
複数の環状リング260が、表面266に沿って積層されている。各環状リング260は、第1柔軟性材料236に少なくとも部分的に接触している内側縁部262と、第1長手方向軸234と同心の外側縁部264とを含む。各環状リング260の代表的な外形が、図4A〜4Dを参照して他で記載される。
【0018】
各環状リング260は、第1柔軟性材料236の弾性率よりも大きい弾性率を有する。特定の一実施形態において、各環状リング260は、金属(アルミニウム又は鋼鉄など)、金属合金(銅又は真鍮など)、特殊加工プラスチック又は剛性プラスチック(アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、テフロン(登録商標)又はデルリン(登録商標)など)、あるいは複合材料(繊維強化プラスチック(FRP)など)、及び同様物から製造することができる。特定の一実施形態において(図示なし)、高分子材料などの材料は、他で記載されるように、低い滑り摩擦を提供するために、表面266に沿って隣接する環状リング260の間に配置することができる。いくつかの場合において、高分子材料には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及び同様物を含み得る。
【0019】
第1エンドプレート280及び第2エンドプレート280’はシャフト232に固定されており、第1外側環状リング263及び第2外側環状リング261に隣接している。特定の一実施形態において、第1エンドプレート280と第2エンドプレート280’とは、第1外側環状リング263と第2外側環状リング261とにそれぞれ接触している。いくつかの場合において、第1エンドプレート280及び第2エンドプレート280’は、複数の環状リング260を一緒に合わせるよう作用する長手方向の力(即ち、第1長手方向軸234に平行な力)をもたらす。この長手方向の力の強さは、表面266に沿った環状リング260の滑り運動の望ましい滑りやすさを提供するよう、調整することができる。
【0020】
第2柔軟性材料270は、環状リング260それぞれの外側縁部264に接触している。この第2柔軟性材料270は、比較的低い弾性率を有する任意の材料であってよく、例えば、第1柔軟性材料236に使用されているものと同じ材料が挙げられる。特定の一実施形態において、第2柔軟性材料270は、第1柔軟性材料の弾性率よりも大きい弾性率を有し得る。特定の一実施形態において、第2柔軟性材料270は、ポリウレタンであり得る。第2柔軟性材料270は、例えば厚さ4mm未満、3mm未満、2mm未満、1mm未満、又は500マイクロメートル未満の薄いコーティングであり得る。一般に、第2柔軟性材料270は、改良接触ニップロール外側表面275に接触するウェブ210の滑りを低減するのに十分な係数を有する改良接触ニップロール外側表面275を含む。
【0021】
特定の一実施形態において、第2柔軟性材料270は、複数の環状リング260の上に連続的なコーティングを形成することができる。この場合、第2柔軟性材料270は、第1エンドプレート280及び第2エンドプレート280’によって長手方向の力をかけた後に、複数の環状リング260上にコーティングすることができる。特定の一実施形態において、第2柔軟性材料270は、他で記載されるように、各環状リング260の外側縁部264上に個別にコーティングすることができる。
【0022】
図2に戻って、ニップ200は更に、第2シャフト242と、第1長手方向軸234にほぼ平行な第2長手方向軸244と、第2ニップロール外側表面245とを有する、第2ニップロール240を含む。欠陥215を有するウェブ210は、改良接触ニップロール外側表面275と第2ニップロール外側表面245との間に挟まれる。図2に示すように、欠陥215により環状リング260のずれ部分267が第1長手方向軸234に対して動いて、第1柔軟性材料236を圧迫する。第1圧力P、第2圧力P(ずれ部分267の外側)、及び第3圧力P(ずれ部分267内)は、第1柔軟性材料236によって、環状リング260及び第2柔軟性材料270を介して、ウェブ210に対してかけられる。ずれ部分267内での環状リング260と第1柔軟性材料236の圧迫との相対的な動きは、第1圧力P、第2圧力P、第3圧力Pの変動を低減させることができ、これにより、他で記載されるように、欠陥215上にかかる応力を低減し、従来技術のニップロールで生じるひずみや不均一性を低減することができる。
【0023】
図3A〜3Cは、本開示のさまざまな態様による、第1柔軟性材料336内に複数の空隙338A〜338Cを有する改良接触ニップロール300の部分の概略斜視(透視)図である。この改良接触ニップロール300の部分は、第1長手方向軸334を有するシャフト332と環状に接触する第1柔軟性材料336を含む。
【0024】
図3Aでは、複数の放射状穴338Aが第1柔軟性材料336内に形成されている。特定の一実施形態において、複数の放射状穴338Aはそれぞれ、例えば円形、楕円形、正方形、三角形、任意のランダム形状、又はこれらの組み合わせを含む任意の形状であり得る断面を有し得る。複数の放射状穴338Aは、第1柔軟性材料236全体にわたって均一又は不均一に分布し得る。複数の放射状穴338Aはそれぞれ、例えば穴開け、レーザードリル、プランジ切削、機械加工、アブレーション、鋳型成形、及び同様の方法などの任意の既知の技法によって成形することができる。
【0025】
図3Bでは、複数の長手方向穴338Bが第1柔軟性材料336内に形成されている。特定の一実施形態において、複数の長手方向穴338Bはそれぞれ、例えば円形、楕円形、正方形、三角形、任意のランダム形状、又はこれらの組み合わせを含む任意の形状であり得る断面を有し得る。複数の長手方向穴338Bは、第1柔軟性材料236全体にわたって均一又は不均一に分布し得る。複数の長手方向穴338Bはそれぞれ、例えば穴開け、レーザードリル、プランジ切削、機械加工、アブレーション、鋳型成形、及び同様の方法などの任意の既知の技法によって成形することができる。
【0026】
図3Cでは、複数の長手方向チャネル338Cが第1柔軟性材料336内に形成されている。特定の一実施形態において、複数の長手方向チャネル338Cはそれぞれ、例えば円形、楕円形、正方形、三角形、任意のランダム形状、又はこれらの組み合わせの一部を含む任意の形状であり得る断面を有し得る。複数の長手方向チャネル338Cは、第1柔軟性材料236全体にわたって均一又は不均一に分布し得る。複数の長手方向チャネル338Cはそれぞれ、例えば穴開け、レーザードリル、プランジ切削、機械加工、アブレーション、鋳型成形、及び同様の方法などの任意の既知の技法によって成形することができる。
【0027】
図3A〜3Cに示されている特定の実施形態は、第1柔軟性材料236に形成され得る複数の空隙238の種類を全て包括的することを意図したものではない。例えば、上述の穴及びチャネルの任意の組み合わせを使用することができ、また、螺旋、スロット、切り込み、角錐や円柱などの表面構造、及び同様物を含む、材料中に空隙を形成する任意のその他の想到される技法を使用することができる。
【0028】
図4Aは、本開示の一態様による環状リング460の概略斜視図である。図4Aにおいて、環状リング460は、内側縁部462、外側縁部464、内側縁部と外側縁部(462、464)との間にある第1面466、及びその第1面466の反対側にある第2面468を含む。環状リング460は、環状リング460に使用される材料のタイプに応じて、例えば鍛造、レーザー又は機械切削、鋳型成形、鋳造及び同様の方法などの、任意の好適な技法を用いて製造することができる。環状リング460は更に、内側縁部及び外側縁部(462、464)のそれぞれと、第1面及び第2面(466、468)との間にコーナー縁部465を含む。
【0029】
特定の一実施形態において、コーナー縁部465それぞれには、製造プロセス中に形成されるバリを低減又は除去するよう、斜角付け又は面取りを行うことができる。いくつかの場合において、第1面466及び第2面468のうちの少なくとも一方に、表面コーティングを施すことができる。表面コーティングを施した場合、このコーティングを、図2の改良接触ニップロール230について記載されているように、隣接する環状リング260間の滑り摩擦を制御するのに利用することができる。いくつかの場合において、表面コーティングはPTFE、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ニッケル、又は同様物、又はこれらの組み合わせであり得る。
【0030】
図4Bは、本開示の一態様による環状リング460の概略平面図である。図4Bに示されている要素460〜468はそれぞれ、前に記載されている、図4Aの同様に番号付けられた要素460〜468に対応している。例えば、図4Aにおける内側縁部462の記述は、図4Bにおける内側縁部462の記述に対応し、他も同様である。図4Bにおいて、内側縁部462は内側半径rを有し、外側縁部464は外側半径rを有し、これらは長手方向軸434(図2に示す第1長手方向軸234と類似)から測定される。外側半径rは、他で記載されているように、長手方向軸434と同心であり、円を形成している。いくつかの場合において、内側半径rもまた、長手方向軸434と同心であり得る。いくつかの場合においては、他で記載されているように、内側半径rは円形とは異なっていてもよく、また長手方向軸434と同心でなくともよい。特定の一実施形態において、半径の差(r−r)は、外側半径rの比較的小さな割合であり、例えば(r−r)/rは約0.25未満、約0.20未満、約0.15未満、約0.10未満、又は約0.05未満であり得る。
【0031】
図4Cは、本開示の一態様による環状リング460の概略平面図である。図4Cに示されている要素460〜468はそれぞれ、前に記載されている、図4Aの同様に番号付けられた要素460〜468に対応している。例えば、図4Aにおける内側縁部462の記述は、図4Cにおける内側縁部462の記述に対応し、他も同様である。図4Cにおいて、内側縁部462は、内側縁部462上にキー溝462Cを形成する、第1内側縁部462A及び第2内側縁部462Bによって置き換えられている。図4Cに示されている環状リング460は、例えば、図2の第1柔軟性材料236と共に使用して、所望による空隙238を含まずに第1柔軟性材料236が圧迫することを可能にする。特定の一実施形態において、第1内側縁部462Aは、第1柔軟性材料236に接触していてよく、欠陥によって生じる圧迫が、キー溝462C間にある空間へこの第1柔軟性材料236を「押し入れる」ことによって、圧迫圧力の一部を緩和することができる。図4Cに示すキー溝構成は、内側縁部462の想到される数多くの変形のうちの単なる代表例であり、他には例えば、正弦波などの波状構造、柱、ロッド、三角形、台形、又は角錐などの定型又は不定型の一連の突起、あるいは内側縁部462の第1柔軟性材料に対する部分的接触を提供し得るその他の任意の構造が含まれ得ることが理解されよう。
【0032】
図4Dは、本開示の一態様による環状リング460の概略平面図である。図4Dに示されている要素460〜468はそれぞれ、前に記載されている、図4Bの同様に番号付けられた要素460〜468に対応している。例えば、図4Bにおける内側縁部462の記述は、図4Dにおける内側縁部462の記述に対応し、他も同様である。特定の一実施形態において、図4Dは、図2に示す複数の環状リング260を組み立てる前の、外側縁部464に接触している第2柔軟性材料470を有する環状リング460を示す。図4Dにおいて、内側縁部462は内側半径rを有し、外側縁部464は外側半径rを有し、第2柔軟性材料470は表面半径rの外側縁部475を有し、これらは全て長手方向軸434(図2に示す第1長手方向軸234と類似)から測定される。外側半径rは、他で記載されているように、長手方向軸434と同心であり、円を形成している。いくつかの場合において、内側半径rもまた、長手方向軸434と同心であり得る。いくつかの場合においては、他で記載されているように、内側半径rは円形とは異なっていてもよく、また長手方向軸434と同心でなくともよい。
【0033】
特定の一実施形態において、半径の差(r−r)は、外側半径rの比較的小さな割合であり、例えば(r−r)/rは約0.25未満、約0.20未満、約0.15未満、約0.10未満、又は約0.05未満であり得る。特定の一実施形態において、半径の差(r−r)、即ち第2柔軟性材料470の厚さ「h」は、半径の差(r−r)の比較的小さな割合である。例えば、(r−r)/(r−r)は約0.25未満、約0.20未満、約0.15未満、約0.10未満、又は約0.05未満であり得る。
【0034】
図5A〜5Eは、本開示の一態様による、改良接触ニップロール530の製造概略透視図を示す。図5A〜5Eに示されている要素530〜580はそれぞれ、前に記載されている、図2の同様に番号付けられた要素230〜280に対応している。例えば、図2におけるシャフト232の記述は、図5Aにおけるシャフト532の記述に対応し、他も同様である。
【0035】
図5Aは、長手方向軸534及びシャフト外側表面533を有するシャフト532を示す。図5Bは、端部539及び第1柔軟性材料表面537を有し、シャフト外側表面533に接触して配置されている、第1柔軟性材料536を示している。第1柔軟性材料は、既知の任意のロール製造技法(例えば鋳型成形を含む)によってシャフト外側表面533に接触して配置することができ、第1柔軟性材料表面537は、研削などの既知の技法によって長手方向軸534と同心になるよう製造することができる。複数の空隙(図示なし)は、他で記載されているように、第1柔軟性材料536内に形成することができる。
【0036】
図5Cは、第1柔軟性材料536と少なくとも部分的に接触して積層されている複数の環状リング560の第1外側環状リング561を示している。環状リング560それぞれは、環状リングが積層内に配置されると締まりばめ563が保持されるような寸法にすることができる。特定の一実施形態において、コーナー縁部565は、斜角付け又は面取りを行って、積層内のリング間の非結合的接触をもたらすことができる。
【0037】
図5Dは、第1外側環状リング561に隣接する第1エンドプレート580、積層した複数の環状リング560、及び第2外側環状リング563に隣接する第2エンドプレート580’を示す。長手方向の力Fが、複数の環状リング560を一緒に合わせて圧迫するよう適用され、エンドプレートは、接触ライン582に沿ってシャフト532に固定される。シャフト532は、例えばねじ、止めねじ、溶接、クランプカラー、及び同様物を含む任意の技法によって、接触ライン582に沿って固定することができる。複数の環状リング560の外側縁部564は、リングを一緒に合わせて圧迫した後に長手方向軸534と同心になるよう、例えば研削、フライス加工、及び同様の方法などの任意の既知の技法を用いて、製造することができる。
【0038】
図5Eは、本開示の一態様による、改良接触ニップロール530を示す。図5Eにおいて、第2柔軟性コーティング表面575を有する第2柔軟性コーティング570が、複数の環状リング560上に配置されている。第2柔軟性コーティングが塗布され、他で記載されているように、任意の既知の技法によって、長手方向軸534と同心になるよう製造することができる。
【実施例】
【0039】
実施例1−改良接触ニップロールの製造
長さ24”、外径3.50インチ(8.89cm)、内径2.00インチ(5.08cm)のアルミニウム管の各端部に、直径1.50インチ(3.81cm)のシャフトを受ける軸受のための直径2.626インチ(6.670cm)、深さ0.4375インチ(1.111cm)の軸受穴を機械加工で開けた。管の外側直径を機械加工して、軸受穴の内径と同心にした。直径3.125インチ(7.937cm)のボルトサークル上で等しく間隔をあけた6個の#10−32打ち抜き穴を、管の両端部に追加した。
【0040】
第1柔軟性材料層を管にコーティングした。第1柔軟性材料は、S.I.Industries,Inc.(Blaine,MN)により管の外側に塗布されたジュロ硬度30のネオプレンゴムの、厚さ0.75インチ(1.91cm)のエラストマーコーティングであった。5インチ(12.7cm)の内径及び6インチ(15.24cm)の外径を有する複数の環状リング(図4A〜4Bに示されているものに類似)が、厚さ0.188インチ(0.478cm)のアルミニウムシートからレーザー切断された。環状リングの縁部はエメリー研磨紙及びバリ取り工具を使って手作業でバリ取りを行い、任意の一対の積層したリングが互いに滑らかに滑るようにした。次に、テフロン浸透ハードコート陽極酸化処理で各環状リングをコーティングして(Twin City Plating(Minneapolis,MN)により塗布)、相互の潤滑性を改善した。
【0041】
コーティングされたリングの内径を正確に測定し、エラストマーコーティングされたアルミニウム管の外径が、環状リングの内径よりも0.001インチ(0.0254mm)大きくなるまで、エラストマーコーティングを研磨した。次いで、グリッドパターンの穴を、このエラストマーコーティングに開けた(図3Aに示すものと類似)。穴は直径0.125インチ(0.318cm)、間隔は円周方向に0.50インチ(1.27cm)、軸方向に0.50インチ(1.27cm)離した。穴は0.62インチ(1.57cm)の深さに開けた。
【0042】
アルミニウム製エンドキャップを管の両端部用に製造し、各エンドキャップは、コーティングされた環状リングの外径に等しい外径を有していた。シャフト軸受クリアランスのために、各エンドキャップの中央に穴を機械加工で開けた。これらの穴のパターンが、あらかじめ管の端部に機械加工された#10−32打ち抜き穴のパターンに一致するように、クリアランス穴を各エンドキャップに機械加工で開けた。一方のエンドキャップを、管の一方の端部に取り付け、適切にねじ山が付けられたねじを用いてしっかり固定した。組み立てやすくするために、少量の石鹸水を潤滑剤としてエラストマーコーティングの表面に塗布した。
【0043】
コーティングされた環状リングを、エラストマーコーティングされた管の上にはめた。コーティングされた環状リングの内径よりも、エラストマーコーティングされた管の外径の方がわずかに大きいため、ぴったりした締まりばめとなった。コーティングされた管の上に各環状リングをはめ、それぞれがその前に取り付けられた環状リングと完全に接触するようにした。最後に取り付けられた環状リングを機械加工で削り、アルミニウム管の端部と同じ面になるようにした。次いで、第2エンドキャップをその管の端部に取り付け、適切にねじ山が付けられたねじで固定した。
【0044】
次いで、組み立てたロールの外側表面を研磨して滑らかにし、外径が軸受穴と確実に同心になるようにした。結果として得られた部分的に完成したニップロール(複数の環状リングを含むが、第2柔軟性材料は含まれていない)は、図5Dに示す製造概略図に類似していた。この部分的に完成したニップロールを、以下の実施例2で試験した。
【0045】
次に、ジュロ硬度80のウレタンの第2柔軟性エラストマー層を、この組み立てたロールの外側表面に厚さ0.25インチ(0.635cm)になるよう部分的ロールに適用した(S.I.Industries,Inc.,Blaine,MNにより)。次いで、ウレタンコーティングされたロールを再び研磨して滑らかにし、第2柔軟性エラストマー層の厚さを0.125インチ(0.318cm)とし、外径が軸受穴と確実に同心になるようにした。次いで、軸受とシャフトをこの改良接触ニップロールに追加し、クランプカラーをシャフトに取り付けて、ロールがシャフト上で滑らないようにした。
【0046】
実施例2−改良接触ニップロールのシミュレーション
ウェブ厚さの変化によって生じる、横断方向のウェブ接触及び圧力の変動量を最小限に抑えるために、シミュレーションされた改良接触ニップロールが示された。いくつかの異なるニップ圧力及びウェブ厚さが試験され、改良接触ニップロールが、より少ない接触面積変動を生じさせることが示された。
【0047】
ジュロ硬度80、厚さ0.125インチ(0.3175cm)のウレタンシートを、実施例1の部分的に完成したニップロールに巻き付けて、第2柔軟性材料コーティングのシミュレーションを行った。このシミュレーションされた改良接触ニップロールを、固定された軸受ハウジング内に設置し、内径3.25インチ(8.255cm)の2本の空気圧シリンダによって直径4インチ(10.16cm)のアルミニウム製ニップロールの旋回を作動させて、2本のロール間にニップ力を適用した。圧力を解放し、0.030インチ(0.762mm)〜0.062インチ(1.575mm)で変動する厚さを有する鋳造ポリエチレンテレフタレート(PET)のシートを、この2本のロール間に挿入した。アルミニウム製ニップロールは、空気圧シリンダの空気圧50psi(344.7kPa)を使用して作動させた。
【0048】
図6は、シミュレーションされた改良接触ニップロール及び従来型ニップロールの両方に関する接触幅測定値対ウェブ厚さのグラフを示す。P−ニップセンサ(Sensor Products,Inc.(Madison,NJ)より入手可能)を使用して、ポリエステルフィルムが間にある2本のロールのシステムのニップ接触の円周方向の長さ(即ち、図6に示す接触幅測定値)を測定した。システムを一定の空気圧に維持したまま、センサをフィルムに沿ってさまざまな位置に動かした(各位置は、図6に示す既知のウェブ厚さを有する)。次に、シミュレーションされた改良接触ニップロールの代わりに、直径4インチ(10.16cm)の従来型ニップロールを使用して、この手順を繰り返した。
【0049】
シミュレーションされた改良接触ニップロールについて、50、60、及び90psi(344.7、413.67、及び620.5kPa)で、接触幅測定値対ウェブ厚さが測定され、それぞれ線A1、A2、及びA3としてプロットされた。従来型ニップロールについて、50、60、及び90psi(344.7、413.67、及び620.5kPa)で、接触幅測定値対ウェブ厚さが測定され、それぞれ線B1、B2、及びB3としてプロットされた。厚みに伴う円周方向の接触長さの変動は、全ての圧力において、従来型ニップロールよりも、シミュレーションされた改良接触ニップロールの方が小さいことを、このデータは示している。
【0050】
指示がない限り、本明細書及び請求項で使用される特徴となる大きさ、量、及び物理特性を示す全ての数字は、「約」と言う用語によって修飾されることを理解されたい。それ故に、別の指示がない限りは、本明細書及び添付の請求項に説明される数字のパラメータは近似値であり、本明細書に開示された教示を使用して当業者が獲得しようとする所望の特性に応じて変化し得る。
【0051】
本願で引用した全ての参照文献及び刊行物は、本開示と直接矛盾することのない程度まで、その全てが引用によって本開示に明白に組み込まれる。本明細書において特定の実施形態が例示及び説明されてきたが、多様な代替及び/又は同等の実施が、本開示の範囲から逸脱することなく、図示され説明された特定の実施形態と置き換えられ得ることは、当業者には理解されるであろう。本出願は、本明細書で説明された特定の実施形態のいかなる翻案又は変形をも包含すべく意図されている。したがって、本開示が「特許請求の範囲」及びその同等物によってのみ限定されることを、意図するものである。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6