(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記障害が、関節リウマチ、乾癬、慢性移植片対宿主病、急性移植片対宿主病、クローン病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、乾癬、全身性エリテマトーデス、セリアック病、特発性血小板減少性血栓性紫斑病、重症筋無力症、シェーグレン症候群、強皮症、潰瘍性大腸炎、喘息、または表皮過形成である、請求項29に記載の医薬組成物。
前記障害が、軟骨の炎症、骨分解(bone degradation)、関節炎、若年性関節炎、若年性関節リウマチ、小関節型若年性関節リウマチ、多関節型若年性関節リウマチ、全身型若年性関節リウマチ、若年性強直性脊椎炎、若年性腸疾患性関節炎、若年性反応性関節炎、若年性ライター症候群、SEA症候群、若年性皮膚筋炎、若年性乾癬性関節炎、若年性強皮症、若年性全身性エリテマトーデス、若年性血管炎、小関節型関節リウマチ、多関節型関節リウマチ、全身型関節リウマチ、強直性脊椎炎、腸疾患性関節炎、反応性関節炎、ライター症候群、皮膚筋炎、乾癬性関節炎、血管炎、ミオリチス(myolitis)、多発性ミオリチス(polymyolitis)、皮膚ミオリチス(dermatomyolitis)、骨関節炎、結節性多発性動脈炎(polyarteritis nodossa)、ウェゲナー肉芽腫症、動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、サルコイドーシス、硬化症、原発性胆嚢硬化症、硬化性胆管炎、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、アテローム性動脈硬化症、スティル病、慢性閉塞性肺疾患、ギラン−バレー病、I型糖尿病、グレーブス病、アジソン病、レイノー現象、自己免疫性肝炎、乾癬性表皮過形成、尋常性乾癬、滴状乾癬、インバース乾癬、膿疱性乾癬、紅皮性乾癬、または病原性リンパ球の活性に関連もしくは起因する免疫障害である、請求項29に記載の医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、RORγ活性を阻害しおよび/または被験者におけるIL−17の量を低減する二環式スルホン化合物、医薬組成物、方法、ならびに二環式スルホン化合物の治療的使用を提供する。本発明の実施は、別段の指示のない限り、有機化学、薬理学、分子生物学(組換え技術を含む)、細胞生物学、生化学、および免疫学の従来技術を使用する。このような技術は、「Comprehensive Organic Synthesis」(B.M.TrostおよびI.Fleming編、1991−1992);「Handbook of experimental immunology」(D.M.WeirおよびC.C.Blackwell編);「Current protocols in molecular biology」(F.M.Ausubelら編、1987、および定期的更新);および「Current protocols in immunology」(J.E.Coliganら編、1991)(各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれている)などの文献に説明されている。
【0014】
本発明の様々な態様は、以下の項に記載されている。しかし、1つの特定のセクションに記載された本発明の態様は、任意の特定のセクションに限定されない。さらに、変数が定義を伴わない場合、変数の以前の定義が支配する。
【0015】
定義
本明細書に使用される用語は通常の意味を有し、このような用語の意味はその出現ごとに独立している。それにもかかわらず、および別段に記載される場合を除いて、以下の定義が、本明細書および特許請求の範囲全体を通じて適用される。化学名、一般名、および科学構造は、同じ構造を記載するのに互換的に使用され得る。化学化合物が、化学構造および化学名の両方を用いると言及され、構造と名の間に曖昧さが存在する場合、構造が優先する。これらの定義は、別段の指示のない限り、用語が単独でまたは他の用語と組み合わせて使用されるかどうかにかかわらず適用される。故に、「アルキル」の定義は、「アルキル」のほか、「ヒドロキシアルキル」、「フルオロアルキル」、「−O−アルキル」等の「アルキル」部分に適用される。
【0016】
用語「アルキル」は当技術分野において認識されており、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基を含む飽和脂肪族基を含む。特定の実施形態において、直鎖または分岐鎖アルキルは、約30個以下(例えば、直鎖でC
1〜C
30、分岐鎖でC
3〜C
30)、あるいは、約20個以下の炭素原子を骨格に有する。同様に、シクロアルキルは、約3から約10個の炭素原子を環構造に有し、2つの飽和炭素環が共に融合されているようなビシクロアルキルを含む。特定の実施形態において、シクロアルキルは約5、6または7個の炭素を環構造に有する。例示的アルキル基には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、およびシクロブチルが含まれる。
【0017】
用語「アルキレン」は、アルキル基のジラジカルを指す。例示的アルキレン基には、−CH
2CH
2−、
【化2】
、および
【化3】
が含まれる。用語「シクロアルキレン」は、シクロアルキル基のジラジカルを指す。例示的シクロアルキレン基には、
【化4】
および
【化5】
が含まれる。
【0018】
用語「ハロアルキル」は、少なくとも1つのハロゲンで置換されているアルキル基を指す。例示的ハロアルキル基には、−CH
2F、−CHF
2、−CF
3、−CH
2CF
3、−CF
2CF
3等が含まれる。
【0019】
用語「ヒドロキシアルキル」は、少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されているアルキル基を指す。例示的ヒドロキシルアルキル基には、−CH
2OH、−CH
2CH
2OH、−C(H)(OH)C(OH)H
2等が含まれる。
【0020】
用語「アラルキル」は、アリール基で置換されたアルキル基を指す。例示的アラルキル基には、
【化6】
および
【化7】
が含まれる。
【0021】
用語「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリール基で置換されたアルキル基を指す。
【0022】
用語「アルケニル」および「アルキニル」は当技術分野において認識されており、長さおよび可能性のある置換において上記アルキルに類似した、ただし、それぞれ少なくとも1つの二重または三重結合を含有する不飽和脂肪族基を指す。
【0023】
用語「アリール」は当技術分野において認識されており、炭素環式芳香族基を指す。代表的なアリール基には、フェニル、ナフチル、アントラセニル等が含まれる。別段の指定のない限り、該芳香環は、1つまたは複数の環位置で、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、カルボン酸、−C(O)アルキル、−CO
2アルキル、カルボニル、カルボキシル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド(sulfonamido)、スルホンアミド(sulfonamide)、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール部分、−CF
3、−CN等で置換されてもよい。用語「アリール」にはまた、2個以上の炭素が2つの隣接する環(環は「縮合環」である)に共通し、縮合環の全てが例えばナフチル基においては芳香環である、2つ以上の炭素環を有する多環芳香環系も含まれる。
【0024】
用語「ヘテロアリール」は当技術分野において認識されており、少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む芳香族基を指す。特定の例において、ヘテロアリール基は、1、2、3、または4個の環ヘテロ原子を含有する。ヘテロアリール基の代表的な例には、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニルおよびピリミジニル等が含まれる。別段の指定のない限り、ヘテロアリール環は、1つまたは複数の環位置で、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、カルボン酸、−C(O)アルキル、−CO
2アルキル、カルボニル、カルボキシル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール部分、−CF
3、−CN等で置換されてもよい。用語「ヘテロアリール」にはまた、2個以上の炭素が2つの隣接する環(環は「縮合環」である)に共通し、縮合環の全てが例えばナフチリジニル基においては複素環式芳香族化合物である、2つ以上の環を有する多環芳香環系も含まれる。
【0025】
用語オルト、メタおよびパラは当技術分野において認識されており、それぞれ1,2−、1,3−および1,4−二置換ベンゼンを指す。例えば、名称1,2−ジメチルベンゼンおよびオルト−ジメチルベンゼンは同義である。
【0026】
本明細書で使用されるとき、用語「複素環式」および「ヘテロシクリル」は、例えば、1つまたは複数のヘテロ原子を含有する芳香族環または非芳香環(例えば、単環式または二環式環)を表す。ヘテロ原子は、互いに同じであってもよくまたは異なっていてもよい。ヘテロ原子の例には、窒素、酸素および硫黄が含まれるが、これらに限定されない。芳香族および非芳香族複素環は当技術分野でよく知られている。芳香族複素環の幾つかの非限定例には、ピリジン、ピリミジン、インドール、プリン、キノリンおよびイソキノリンが含まれるが、これらに限定されない。非芳香族複素環式化合物の非限定例には、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロリジンおよびピラゾリジンが含まれるが、これらに限定されない。酸素含有複素環の例には、フラン、オキシラン、2H−ピラン、4H−ピラン、2H−クロメン、ベンゾフラン、および2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシンが含まれるが、これらに限定されない。硫黄含有複素環の例には、チオフェン、ベンゾチオフェン、およびパラチアジンが含まれるが、これらに限定されない。窒素含有環の例には、ピロール、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリジン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピリジン、ピペリジン、ピラジン、ピペラジン、ピリミジン、インドール、プリン、ベンズイミダゾール、キノリン、イソキノリン、トリアゾール、およびトリアジンが含まれるが、これらに限定されない。2個の異なるヘテロ原子を含有する複素環の例には、フェノチアジン、モルホリン、パラチアジン、オキサジン、オキサゾール、チアジン、およびチアゾールが含まれるが、これらに限定されない。複素環は、1つまたは複数の環位置で、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、カルボン酸、−C(O)アルキル、−CO
2アルキル、カルボニル、カルボキシル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール部分、−CF
3、−CN、等でさらに置換されていてもよい。特定の実施形態において、ヘテロシクリル基は別段の指定のない限り、置換または非置換された3〜7員環である。
【0027】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、例えば、3〜7個の環原子を有する飽和ヘテロシクリル基を指す。
【0028】
用語「アミン」および「アミノ」は当技術分野において認識されており、非置換および置換アミンの両方、例えば、一般式:
【化8】
(式中、R
50、R
51、R
52およびR
53は、各々独立して水素、アルキル、アルケニル、−(CH
2)
m−R
61を表し、またはR
50およびR
51は、それらが付加されるN原子と一緒に、環構造中に4から8個の原子を有する複素環を完成させ;R
61は、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環または多環を表し;mは0または1から8の範囲の整数である)により表すことができる部分を指す。特定の実施形態において、R
50またはR
51の1つのみがカルボニルであってもよく、例えば、R
50、R
51および窒素は一緒にイミドを形成しない。他の実施形態において、R
50およびR
51(およびR
52であってもよい)は、各々独立して水素、アルキル、アルケニル、または−(CH
2)
m−R
61を表す。
【0029】
用語「アルコキシル」または「アルコキシ」は当技術分野において認識されており、酸素ラジカルが付加された、先に定義されたアルキル基を指す。代表的なアルコキシル基には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、tert−ブトキシ等が含まれる。「エーテル」は、酸素により共有結合された2個の炭化水素である。したがって、アルキルをエーテルにするアルキルの置換基は、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、および−O−(CH
2)
m−R
61(mおよびR
61は上記されている)の1つにより表され得るようなアルコキシルであり、またはアルコキシルに類似している。
【0030】
用語「オキソ」は当技術分野において認識されており、「=O」置換基を指す。例えば、オキソ基で置換されたシクロペンタンはシクロペンタノンである。
【0031】
記号「
【化9】
」は、結合点を示す。
【0032】
用語「置換された」は、現状下で原子の通常の原子価を超えないこと、および置換が安定な化合物をもたらすことを条件として、指定された基の原子上の1つまたは複数の水素が、示された基からの選択物で置換されていることを意味する。置換基および/または変数の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合のみ許容される。用語「安定な化合物」または「安定な構造」は、反応混合物からの有用な純度への単離および有効な治療剤への処方を耐え抜くのに十分堅牢である化合物を指す。
【0033】
任意の置換基または変数が、任意の構成物または本発明の化合物において1回を超えて現れる場合、その定義は出現ごとに、別段の指示のない限り、全ての他の出現における定義から独立している。
【0034】
本明細書の本文、スキーム、例および表中の、満足されない原子価を有する任意の炭素およびヘテロ原子は、原子価を満たすのに十分な数の水素原子(複数可)を有すると見なされることも留意されるべきである。
【0035】
本発明の1つまたは複数の化合物は、水、エタノール等の薬学的に許容される溶媒と共に非溶媒和物形態および溶媒和物形態で存在することができ、本発明は、溶媒和物形態および非溶媒和物形態の両方を包含することが意図される。「溶媒和物」は、本発明の化合物と1つまたは複数の溶媒分子との物理的結合を意味する。この物理的結合は、水素結合を含む様々な程度のイオン結合および共有結合を必要とする。特定の例において溶媒和物は、例えば1つまたは複数の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれている場合、単離することができる。「溶媒和物」は、溶液相溶媒和物および単離可能な溶媒和物の両方を包含する。適切な溶媒和物の非限定的な例には、エタノラート、メタノラート等が含まれる。「水和物」は、溶媒分子がH
2Oである溶媒和物である。
【0036】
本発明の組成物に含有された特定の化合物は、特定の幾何学的形態または立体異性体形態で存在してもよい。さらに、本明細書に記載された特定の化合物は、光学的に活性であってもよい。本発明は、シスおよびトランス異性体、RおよびSエナンチオマー、ジアステレオマー、(D)異性体、(L)異性体、そのラセミ混合物、ならびにその他の混合物を含む、全てのそのような化合物を本発明の範囲内にあると企図する。該化合物は、1つまたは複数の立体中心を含有することができる。例えば、不斉炭素原子は、アルキル基などの置換基に存在することができる。例えば、ラセミ混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーなどの全てのそのような異性体ならびにその混合物は、本発明に含まれるものとする。追加の不斉中心は、分子上の様々な置換基に性質に応じて存在し得る。そのような不斉中心はそれぞれ、独立に2つの光学異性体を生成し、混合物中の可能性のある光学異性体、ジアステレオマー、および純粋化合物または部分的に精製された化合物の全てが本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0037】
ジアステレオマー混合物は、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶によるなど当業者に公知の方法により、物理的化学的違いに基づき個々のジアステレオマーに分離することができる。エナンチオマーは、適切な光学的に活性な化合物(例えば、キラルアルコールまたはモッシャー酸クロリドなどのキラル補助基)との反応によるジアステレオマー混合物へのエナンチオマー混合物の変換、ジアステレオマーの分離、および対応する純粋なエナンチオマーへの個々のジアステレオマーの変換(例えば、加水分解)により分離することができる。あるいは、本発明の化合物の特定のエナンチオマーは、不斉合成により調製されてもよい。さらに、分子が塩基性官能基(アミノなどの)または酸性官能基(カルボン酸などの)を含有する場合、ジアステレオマー塩が適切な光学的に活性な酸または塩基により形成され、それに続いて、故に形成されたジアステレオマーが当技術分野で公知の分別結晶またはクロマトグラフィー手段により分割され、その後、純粋なエナンチオマーが回収される。
【0038】
本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、実質的に他の異性体を含まなくてもよく、または例えばラセミ化合物として全ての他の、もしくは他の選択された立体異性体と混合されてもよい。本発明の化合物におけるキラル中心(複数可)は、IUPAC 1974 Recommendationsにより定義されたSまたはR配置を有することができる。さらに、本明細書に記載された化合物がアトロプ異性体(例えば、置換ビアリール)として存在し得る限り、そのようなアトロプ異性体の全ての形態は本発明の一部と見なされる。
【0039】
本明細書で使用されるとき、用語「被験者」および「患者」は互換的に使用され、本発明の方法により治療される生物を指す。そのような生物には好ましくは、哺乳動物(例えば、マウス、サル、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ等)が含まれるが、これらに限定されず、最も好ましくはヒトを含む。
【0040】
用語「EC
50」は当技術分野において認識されており、50%最大効果に必要とされる化合物の濃度を指す。
【0041】
本明細書で使用されるとき、用語「有効量」は、有益なまたは望ましい結果(例えば、治療、改善、抑制または予防結果)をもたらすのに十分な化合物の量を指す。有効量は、1回または複数回の投与、塗布または投与量で投与することができ、特定の製剤または投与経路に限定されるものではない。本明細書で使用されるとき、用語「治療(treating)」には、状態、疾患、障害等の改善、またはそれらの症状の改善をもたらすいずれかの効果、例えば、低下、減少、調節、改善または排除が含まれる。
【0042】
本明細書で使用されるとき、用語「医薬組成物」は、活性剤と、組成物をインビボまたはエクスビボでの診断的または治療的使用に特に適したものにする不活性または活性な担体との組み合わせを指す。
【0043】
本明細書で使用されるとき、用語「薬学的に許容される担体」は、リン酸緩衝生理食塩溶液、水、エマルション(例えば、油/水または水/油エマルションなどの)、および様々なタイプの湿潤剤などの標準的な医薬担体のいずれかを指す。組成物はまた、安定剤および保存料も含むことができる。担体、安定剤および補助剤の例として。(例えば、Martin、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第15版、Mack Publ.Co.,Easton、PA[1975]参照)。
【0044】
本明細書で使用されるとき、用語「薬学的に許容される塩」は、被験者に投与すると本発明の化合物またはその活性な代謝物もしくは残留物を提供することができる、本発明の化合物の任意の薬学的に許容される塩(例えば、酸または塩基)を指す。当業者に知られているように、本発明の化合物の「塩」は、無機または有機酸および塩基から得ることができる。酸の例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン−p−スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ベンゼンスルホン酸等が含まれるが、これらに限定されない。それ自体は薬学的に許容されないシュウ酸などの他の酸は、本発明の化合物およびその薬学的に許容される酸付加塩を得るうえで、中間体として有用な塩の調製に使用することができる。
【0045】
塩基の例には、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)水酸化物、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、水酸化物、アンモニア、および式NW
4+(WはC
1−4アルキルである)の化合物等が含まれるが、これらに限定されない。
【0046】
塩の例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシルスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、フルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パルモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩(トルエンスルホン酸塩としても知られる)、ウンデカン酸塩等が含まれるが、これらに限定されない。塩の他の例には、Na
+、NH
4+、およびNW
4+(WはC
1−4アルキル基である)等の適切な陽イオンと組み合わされた本発明の化合物の陰イオンが含まれる。塩のさらなる例には、アスコルビン酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩、リン酸塩、サリチル酸塩、および硫酸塩が含まれるが、これらに限定されない。さらに、塩基性薬学的化合物から薬学的に有用な塩を形成するのに適していると一般的に見なされている酸は、例えば、P.Stahl et al.,Camille G.(編)Handbook of Pharmaceutical Salts.Properties、Selection and Use.(2002)Zurich:Wiley−VCH;S.Berge et al.,Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1)1〜19頁;P.Gould、International J.of Pharmaceutics(1986)33 201〜217頁;Anderson et al.,The Practice of Medicinal Chemistry(1996)、Academic Press、New Yorkにより;およびThe Orange Book(Food & Drug Administration、Washington,D.C.,ウェブサイト上)において論じられている。これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0047】
追加の例示的塩基性塩には、アンモニウム塩、ナトリウム、リチウム、およびカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウムおよびマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミンなどの有機塩基(例えば、有機アミン)との塩、ならびにアルギニン、リジンなどのアミノ酸との塩等が含まれるが、これらに限定されない。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハライド(例えば、塩化メチル、塩化エチル、および塩化ブチル、臭化メチル、臭化エチル、および臭化ブチル、ならびにヨウ化メチル、ヨウ化エチル、およびヨウ化ブチル)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、およびジ硫酸ブチル)、長鎖ハライド(例えば、塩化デシル、塩化ラウリル、および塩化ステアリル、臭化デシル、臭化ラウリル、および臭化ステアリル、ならびにヨウ化デシル、ヨウ化ラウリル、およびヨウ化ステアリル)、アラルキルハライド(例えば、臭化ベンジルおよび臭化フェネチル)等の薬剤で四級化されてもよい。
【0048】
治療的使用に対して、本発明の化合物の塩は薬学的に許容されることが企図される。しかし、薬学的に許容されない酸および塩基の塩もまた、例えば、薬学的に許容される化合物の調製または精製において用途を見出すことができる。
【0049】
さらに、本発明の化合物が、塩基性部分(ピリジンまたはイミダゾールなどであるが、これらに限定されない)および酸性部分(カルボン酸なであるが、これに限定されない)の両方を含有する場合、両性イオン(「分子内塩」)が形成され得る。本発明の範囲内で使用される、かかる酸性および塩基性塩は、薬学的に許容される(すなわち、非毒性の生理学的に許容される)塩である。本発明の化合物のかかる塩は、例えば、塩が沈降するものなどの媒体または水性媒体中で、本発明の化合物を当量などの量の酸または塩基と反応させ、この後凍結乾燥させることにより形成することができる。
【0050】
本発明は、全ての単離された形態(その任意の溶媒和物、水和物、立体異性体、および互換異性体などの)で本発明の化合物を含む。さらに、本発明は、1つまたは複数の原子が、同じ原子数であるが自然界で主に見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する特定の同位体を人工的に濃縮され得る化合物を含む。本発明は、本発明の化合物の全ての適切な同位体変化を含むことが意図される。例えば、水素(H)の異なる同位体型には、プロチウム(
1H)および重水素(
2H)が含まれる。プロチウムは、自然界で見出される主な水素同位体である。重水素の濃縮は、インビボでの半減期の増大もしくは必要投与量の減少などの特定の治療的利点を提供し得、または生物試料の特徴付けの基準として有用な化合物を提供し得る。同位体標識化合物は、当業者に公知の従来手法により、または適切な同位体標識試薬および/もしくは中間体を用いて、本明細書のスキームおよび実施例に記載されたプロセスに類似したプロセスにより、過度の実験をせずに調製することができる。
【0051】
用語「SEA症候群」は、血清陰性、腱付着部症、関節症症候群を指す。
【0052】
組成物が特定の成分を有する、含む(including)、もしくは含む(comprising)と記載されている、またはプロセスおよび方法が特定のステップを有する、含む(including)、もしくは含む(comprising)と記載されている記載全体を通して、追加的に、列挙された成分から本質的に成る、または列挙された成分から成る本発明の組成物があること、および列挙された処理ステップから本質的に成る、または列挙された処理ステップから成る本発明によるプロセスおよび方法があることが企図される。
【0053】
用語「a」および「an」は本明細書で使用されるとき、「1つまたは複数の」を意味し、文脈が不適切でない限り複数を含む。
【0054】
略語「THF」は当技術分野において認識されており、テトラヒドロフランを指す。
【0055】
略語「DCM」は当技術分野において認識されており、ジクロロメタンを指す。
【0056】
一般的に、パーセンテージを明示している組成物は、別段の指定のない限り重量である。
【0057】
I.二環式スルホン化合物
本発明の1つの態様は、式I:
【化10】
により表される化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供し;式中、
Aは、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、−N(R
4)(R
5)、−CO
2R
6、−C(O)R
6、−CN、−C
1−4アルキレン−C
1−4アルコキシ、−C
1−4アルキレン−N(R
4)(R
5)、−C
1−4アルキレン−CO
2R
6、−O−C
1−6アルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)−C
1−6アルキレン−N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1−6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、−N(R
4)SO
2(C
1−6アルキル)、−C(O)N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)C(O)N(R
4)(R
5)から成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく;
Xは、−O−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψ、−O−C(R
6)
2−C(R
6)(R
7)−C(R
6)
2−Ψ、−O−C(R
6)
2−C(R
6)(R
7)−Ψ、−C(R
6)
2−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψ、−C(O)−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψ、または−C(R
6)
2−N(R
8)−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψであり;Ψは、式Iのスルホニルを有する環状炭素原子に対する結合であり;
Y
1およびY
2は各々独立してC(R
3)またはNであり;
R
1は、各々独立して水素またはC
1−6アルキルを表し;
R
2は、−C(O)−アリール、−C(O)−アラルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−シクロアルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−ヘテロシクリル、−C(O)−C
1−8アルキル、−C(O)−C
1−6アルキレン−C
1−6アルコキシル、−C(O)−C
1−6アルキレン−シクロアルキル、または−C(O)−C
1−6アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり;その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1−6アルキル、−C(O)−C
1−6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1−6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1−6アルキル)から成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく;
R
3は、各々独立して水素、ハロゲン、またはC
1−6アルキルを表し;
R
4およびR
5はそれぞれ、各々独立して水素またはC
1−6アルキルを表し;またはR
4およびR
5は、それらが結合した窒素原子と一緒になって3〜7員複素環を形成し;
R
6は、各々独立して水素またはC
1−6アルキルを表し;
R
7は、水素、ヒドロキシル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1−6アルキレン−CO
2R
6、C
1−4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1−6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1−6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1−6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1−6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1−6アルキル、またはC
1−6アルキレン−N(R
4)(C(O)N(R
4)(R
5)であり;またはR
7は、ヘテロシクロアルキルもしくはC
1−4アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり、ヘテロシクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく;
R
8は、水素、C
1−6アルキル、または−C(O)−C
1−6アルキルであり;
R
9は、水素、C
1−6アルキル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1−6アルキレン−N(R
4)C(O)−C
1−6アルキルであり;ならびに
mおよびpはそれぞれ、各々独立して0、1、または2を表す。
【0058】
特定の実施形態において、Aは、アリールまたはヘテロアリールであり;その各々は、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいアリールである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいフェニルである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲンおよびC
1−6ハロアルキルから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいフェニルである。
【0059】
特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリールである。
【0060】
特定の実施形態において、Aはハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキルである。特定の実施形態において、Aはピペリジンまたはピロリジンであり、その各々は、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい。
【0061】
特定の実施形態において、Xは、−O−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψである。特定の他の実施形態において、Xは−C(R
6)
2−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψである。特定の他の実施形態において、Xは−C(O)−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψである。特定の他の実施形態において、Xは−C(R
6)
2−N(R
8)−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψである。
【0062】
特定の実施形態において、Y
1およびY
2はC(R
3)である。特定の他の実施形態において、Y
1およびY
2の少なくとも一方はNである。特定の他の実施形態において、Y
1はNであり、Y
2はC(R
3)である。特定の他の実施形態において、Y
1はC(R
3)であり、Y
2はNである。特定の他の実施形態において、Y
1はNであり、Y
2はCHである。特定の他の実施形態において、Y
1はCHであり、Y
2はNである。
【0063】
特定の実施形態において、R
1は水素である。
【0064】
特定の実施形態において、R
2は、−C(O)−アリールまたは−C(O)−アラルキルであり、その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6アルキル、およびC
1−6ハロアルキルから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい。特定の他の実施形態において、R
2は−C(O)−アリールまたは−C(O)−アラルキルであり、その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6アルキル、およびC
1−6ハロアルキルから成る群から独立に選択される2個の置換基で置換され、前記置換基は芳香環のオルト位に位置する。特定の他の実施形態において、R
2は−C(O)−フェニルまたは−C(O)−ベンジルであり、その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6アルキル、およびC
1−6ハロアルキルから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい。特定の他の実施形態において、R
2は、−C(O)−フェニルまたは−C(O)−ベンジルであり;その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6アルキル、およびC
1−6ハロアルキルから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい。特定の他の実施形態において、R
2は−C(O)−フェニルまたは−C(O)−ベンジルであり、その各々は、ハロゲン、C
1−6アルキル、およびC
1−6ハロアルキルから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい。特定の他の実施形態において、R
2は、
【化11】
(各R’は、独立にハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6アルキル、またはC
1−6ハロアルキルである)
により表される。特定の他の実施形態において、R
2は、
【化12】
(各R’は、独立にハロゲン、C
1−6アルキル、またはC
1−6ハロアルキルである)
により表される。
【0065】
特定の実施形態において、R
2は、
【化13】
(R’’は、C
1−6アルキル、アリール、またはヘテロシクリルであり、その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1−6アルキル、−C(O)−C
1−6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1−6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1−6アルキル)から成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい)
により表される。特定の実施形態において、R’’は、ハロゲン、C
1−6アルキル、およびC
1−6ハロアルキルから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいフェニルである。
【0066】
特定の実施形態において、R
3は水素である。
【0067】
特定の実施形態において、R
7は水素である。特定の他の実施形態において、R
7は、ヒドロキシル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1−6アルキレン−CO
2R
6、C
1−4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1−6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1−6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1−6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1−6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1−6アルキル、または−N(R
4)C(O)R
9である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルキル、C
1−6アルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1−6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1−6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1−3ヒドロキシアルキル、メチル、エチル、またはC
1−3アルキレン−N(H)C(O)−C
1−4アルキルである。
【0068】
特定の他の実施形態において、R
7は、ヘテロシクロアルキルまたはC
1−4アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり、ヘテロシクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい。
【0069】
本発明の別の態様は、式I−A:
【化14】
により表される化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供し;式中、
Aは、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、−N(R
4)(R
5)、−CO
2R
6、−C(O)R
6、−CN、−C
1−4アルキレン−C
1−4アルコキシ、−C
1−4アルキレン−N(R
4)(R
5)、−C
1−4アルキレン−CO
2R
6、−O−C
1−6アルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)−C
1−6アルキレン−N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1−6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、−N(R
4)SO
2(C
1−6アルキル)、−C(O)N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)C(O)N(R
4)(R
5)から成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく;
Xは、−O−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψ、−O−C(R
6)
2−C(R
6)(R
7)−C(R
6)
2−Ψ、−O−C(R
6)
2−C(R
6)(R
7)−Ψ、−C(R
6)
2−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψ、−C(O)−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψ、または−C(R
6)
2−N(R
8)−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψであり;Ψは、式I−Aのスルホニルを有する環状炭素原子に対する結合であり;
Y
1およびY
2は各々独立してC(R
3)またはNであり;
R
1は、各々独立して水素またはC
1−6アルキルを表し;
R
2は、−C(O)−アリール、−C(O)−アラルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−シクロアルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−ヘテロシクリル、−C(O)−C
1−8アルキル、−C(O)−C
1−6アルキレン−C
1−6アルコキシル、−C(O)−C
1−6アルキレン−シクロアルキル、または−C(O)−C
1−6アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり;その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1−6アルキル、−C(O)−C
1−6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1−6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1−6アルキル)から成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく;
R
3は、各々独立して水素、ハロゲン、またはC
1−6アルキルを表し;
R
4およびR
5はそれぞれ、各々独立して水素またはC
1−6アルキルを表し;またはR
4およびR
5は、それらが結合した窒素原子と一緒になって3〜7員複素環を形成し;
R
6は、各々独立して水素またはC
1−6アルキルを表し;
R
7は、水素、ヒドロキシル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1−6アルキレン−CO
2R
6、C
1−4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1−6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1−6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1−6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1−6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1−6アルキル、またはC
1−6アルキレン−N(R
4)(C(O)N(R
4)(R
5)であり;またはR
7は、ヘテロシクロアルキルもしくはC
1−4アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり、ヘテロシクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく;
R
8は、水素、C
1−6アルキル、または−C(O)−C
1−6アルキルであり;
R
9は、水素、C
1−6アルキル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1−6アルキレン−N(R
4)C(O)−C
1−6アルキルであり;ならびに
mおよびpはそれぞれ、各々独立して0、1、または2を表す。
【0070】
上記の式I−Aにおける変数の定義は、複数の化学基を包含する。適用は、例えば、i)変数の定義が、上記に記載された化学基から選択される単一の化学基である、ii)変数の定義が、上記に記載された化学基から選択される2つ以上の化学基の集まりである、およびiii)化合物が、変数が(i)または(ii)により定義される変数の組み合わせ(例えば、Aはアリールであり、R
2は−C(O)−アリールであるなど)により定義される実施形態を企図する。さらに、式Iに関連して前記パラグラフに記載された変数A、X、Y
1、Y
2、R
1からR
9、m、およびpの定義は、本明細書において式I−Aと関連した使用に繰り返される。
【0071】
本発明の別の態様は、式II:
【化15】
により表される化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供し;式中、
Aは、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、−N(R
4)(R
5)、−CO
2R
6、−C(O)R
6、−CN、−C
1−4アルキレン−C
1−4アルコキシ、および−C
1−4アルキレン−N(R
4)(R
5)から成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく;
Y
1およびY
2は各々独立してC(R
3)またはNであり;
R
1は、水素またはC
1−6アルキルであり;
R
2は、−C(O)−アリール、−C(O)−アラルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−シクロアルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−ヘテロシクリル、−C(O)−C
1−8アルキル、−C(O)−C
1−6アルキレン−C
1−6アルコキシル、−C(O)−C
1−6アルキレン−シクロアルキル、または−C(O)−C
1−6アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり;その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1−6アルキル、−C(O)−C
1−6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1−6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1−6アルキル)から成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく;
R
3は、各々独立して水素、ハロゲン、またはC
1−6アルキルを表し;
R
4およびR
5はそれぞれ、各々独立して水素またはC
1−6アルキルを表し;またはR
4およびR
5は、それらが結合した窒素原子と一緒になって3〜7員複素環を形成し;
R
6は、各々独立して水素またはC
1−6アルキルを表し;
R
7は、水素、ヒドロキシル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1−6アルキレン−CO
2R
6、C
1−4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1−6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1−6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1−6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1−6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1−6アルキル、またはC
1−6アルキレン−N(R
4)(C(O)N(R
4)(R
5)であり;またはR
7は、ヘテロシクロアルキルもしくはC
1−4アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり、ヘテロシクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく;
R
9は、水素、C
1−6アルキル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1−6アルキレン−N(R
4)C(O)−C
1−6アルキルであり;ならびに
mおよびpはそれぞれ、各々独立して0、1、または2を表す。
【0072】
特定の実施形態において、Aはアリールまたはヘテロアリールであり;その各々は、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいアリールである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいフェニルである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲンおよびC
1−6ハロアルキルから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいフェニルである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキルである。特定の実施形態において、Aはピペリジンまたはピロリジンであり、その各々は、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい。
【0073】
特定の実施形態において、Y
1およびY
2はC(R
3)である。特定の他の実施形態において、Y
1およびY
2の少なくとも一方はNである。特定の他の実施形態において、Y
1はNであり、Y
2はC(R
3)である。特定の他の実施形態において、Y
1はC(R
3)であり、Y
2はNである。特定の他の実施形態において、Y
1はNであり、Y
2はCHである。特定の他の実施形態において、Y
1はCHであり、Y
2はNである。
【0074】
特定の実施形態において、R
1は水素である。
【0075】
特定の実施形態において、R
2は、−C(O)−アリールまたは−C(O)−アラルキルであり;その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6アルキル、およびC
1−6ハロアルキルから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい。特定の他の実施形態において、R
2は、−C(O)−アリールまたは−C(O)−アラルキルであり;その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6アルキル、およびC
1−6ハロアルキルから成る群から独立に選択される2個の置換基で置換され、前記置換基は芳香環のオルト位に位置する。特定の他の実施形態において、R
2は−C(O)−フェニルまたは−C(O)−ベンジルであり;その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6アルキル、およびC
1−6ハロアルキルから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい。特定の他の実施形態において、R
2は−C(O)−フェニルまたは−C(O)−ベンジルであり;その各々は、ハロゲン、C
1−6アルキル、およびC
1−6ハロアルキルから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい。特定の他の実施形態において、R
2は、
(各R’は、独立にハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6アルキル、またはC
1−6ハロアルキルである)
により表される。特定の他の実施形態において、R
2は、
(各R’は、独立にハロゲン、C
1−6アルキル、またはC
1−6ハロアルキルである)
により表される。
【0076】
特定の実施形態において、R
2は、
(R’’は、C
1−6アルキル、アリール、またはヘテロシクリルであり、その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO2−C
1−6アルキル、−C(O)−C
1−6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)pC
1−6アルキル、−SO2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO2(C
1−6アルキル)から成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい)
により表される。特定の実施形態において、R’’は、ハロゲン、C
1−6アルキル、およびC
1−6ハロアルキルから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいフェニルである。
【0077】
特定の実施形態において、R
3は水素である。
【0078】
特定の実施形態において、R
7は水素である。特定の他の実施形態において、R
7はヒドロキシル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1−6アルキレン−CO
2R
6、C
1−4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1−6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1−6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1−6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1−6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1−6アルキル、または−N(R
4)C(O)R
9である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルキル、C
1−6アルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1−6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1−6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1−3ヒドロキシアルキル、メチル、エチル、またはC
1−3アルキレン−N(H)C(O)−C
1−4アルキルである。
【0079】
本発明の別の態様は、式III:
【化16】
により表される化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供し;式中、
Aは、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、−N(R
4)(R
5)、−CO
2R
6、−C(O)R
6、−CN、−C
1−4アルキレン−C
1−4アルコキシ、および−C
1−4アルキレン−N(R
4)(R
5)から成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく;
Y
1およびY
2は各々独立してC(R
3)またはNであり;
R
1は、水素またはC
1−6アルキルであり;
R
2は、−C(O)−アリール、−C(O)−アラルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−シクロアルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−ヘテロシクリル、−C(O)−C
1−8アルキル、−C(O)−C
1−6アルキレン−C
1−6アルコキシル、−C(O)−C
1−6アルキレン−シクロアルキル、または−C(O)−C
1−6アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり;その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1−6アルキル、−C(O)−C
1−6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)pC
1−6アルキル、−SO2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1−6アルキル)から成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく;
R
3は、各々独立して水素、ハロゲン、またはC
1−6アルキルを表し;
R
4およびR
5はそれぞれ、各々独立して水素またはC
1−6アルキルを表し;またはR
4およびR
5は、それらが結合した窒素原子と一緒になって3〜7員複素環を形成し;
R
6は、各々独立して水素またはC
1−6アルキルを表し;
R
7は、水素、ヒドロキシル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1−6アルキレン−CO
2R
6、C
1−4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1−6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1−6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1−6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1−6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1−6アルキル、またはC
1−6アルキレン−N(R
4)(C(O)N(R
4)(R
5)であり;またはR
7は、ヘテロシクロアルキルもしくはC
1−4アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり、ヘテロシクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく;
R
9は、水素、C
1−6アルキル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1−6アルキレン−N(R
4)C(O)−C
1−6アルキルであり;
nは1または2であり;ならびに
mおよびpはそれぞれ、各々独立して0、1、または2を表す。
【0080】
特定の実施形態において、Aはアリールまたはヘテロアリールであり、その各々は、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいアリールである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいフェニルである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲンおよびC
1−6ハロアルキルから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいフェニルである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキルである。特定の実施形態において、Aはピペリジンまたはピロリジンであり、その各々は、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい。
【0081】
特定の実施形態において、Y
1およびY
2はC(R
3)である。特定の他の実施形態において、Y
1およびY
2の少なくとも一方はNである。特定の他の実施形態において、Y
1はNであり、Y
2はC(R
3)である。特定の他の実施形態において、Y
1はC(R
3)であり、Y
2はNである。特定の他の実施形態において、Y
1はNであり、Y
2はCHである。特定の他の実施形態において、Y
1はCHであり、Y
2はNである。
【0082】
特定の実施形態において、R
1は水素である。
【0083】
特定の実施形態において、R
2は、−C(O)−アリールまたは−C(O)−アラルキルであり、その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6アルキル、およびC
1−6ハロアルキルから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい。特定の他の実施形態において、R
2は−C(O)−アリールまたは−C(O)−アラルキルであり、その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6アルキル、およびC
1−6ハロアルキルから成る群から独立に選択される2個の置換基で置換され、前記置換基は芳香環のオルト位に位置する。特定の他の実施形態において、R
2は−C(O)−フェニルまたは−C(O)−ベンジルであり、その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6アルキル、およびC
1−6ハロアルキルから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい。特定の他の実施形態において、R
2は−C(O)−フェニルまたは−C(O)−ベンジルであり、その各々は、ハロゲン、C
1−6アルキル、およびC
1−6ハロアルキルから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい。特定の他の実施形態において、R
2は、
【化17】
(各R’は、独立にハロゲン、C
1−6アルキル、またはC
1−6ハロアルキルである)
により表される。特定の他の実施形態において、R
2は、
【化18】
により表される。
【0084】
特定の実施形態において、R
2は、
【化19】
(R’’は、C
1−6アルキル、アリール、またはヘテロシクリルであり、その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1−6アルキル、−C(O)−C
1−6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1−6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1−6アルキル)から成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい)
により表される。特定の実施形態において、R’’は、ハロゲン、C
1−6アルキル、およびC
1−6ハロアルキルから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいフェニルである。
【0085】
特定の実施形態において、R
3は水素である。
【0086】
特定の実施形態において、R
7は水素である。特定の他の実施形態においてR
7は、ヒドロキシル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1−6アルキレン−CO
2R
6、C
1−4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1−6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1−6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1−6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1−6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1−6アルキル、または−N(R
4)C(O)R
9である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルキル、C
1−6アルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1−6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1−6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1−3ヒドロキシアルキル、メチル、エチル、またはC
1−3アルキレン−N(H)C(O)−C
1−4アルキルである。
【0087】
本発明の別の態様は、式IV:
【化20】
により表される化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供し;式中、
Aは、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、−N(R
4)(R
5)、−CO
2R
6、−C(O)R
6、−CN、−C
1−4アルキレン−C
1−4アルコキシ、および−C
1−4アルキレン−N(R
4)(R
5)から成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく;
Y
1およびY
2は各々独立してC(R
3)またはNであり;
R
1は、水素またはC
1−6アルキルであり;
R
2は、−C(O)−アリール、−C(O)−アラルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−シクロアルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−ヘテロシクリル、−C(O)−C
1−8アルキル、−C(O)−C
1−6アルキレン−C
1−6アルコキシル、−C(O)−C
1−6アルキレン−シクロアルキル、または−C(O)−C
1−6アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり;その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1−6アルキル、−C(O)−C
1−6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1−6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1−6アルキル)から成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく;
R
3は、各々独立して水素、ハロゲン、またはC
1−6アルキルを表し;
R
4およびR
5はそれぞれ、各々独立して水素またはC
1−6アルキルを表し;またはR
4およびR
5は、それらが結合した窒素原子と一緒になって3〜7員複素環を形成し;
R
6は、各々独立して水素またはC
1−6アルキルを表し;
R
7は、水素、ヒドロキシル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1−6アルキレン−CO
2R
6、C
1−4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1−6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1−6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1−6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1−6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1−6アルキル、またはC
1−6アルキレン−N(R
4)(C(O)N(R
4)(R
5)であり;またはR
7は、ヘテロシクロアルキルもしくはC
1−4アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり、ヘテロシクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシから成る群から独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく;
R
9は、水素、C
1−6アルキル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1−6アルキレン−N(R
4)C(O)−C
1−6アルキルであり;
nは、1または2であり;ならびに
mおよびpはそれぞれ、各々独立して0、1、または2を表す。
【0088】
上記の式IVにおける変数の定義は、複数の化学基を包含する。適用は、例えば、i)変数の定義が、上記に記載された化学基から選択される単一の化学基である、ii)変数の定義が、上記に記載された化学基から選択される2つ以上の化学基の集まりである、およびiii)変数が(i)または(ii)により定義される変数の組み合わせ(例えば、Aはアリールであり、R
2は−C(O)−アリールであるなど)により定義される実施形態を企図する。さらに、式IIIに関連して前記パラグラフに記載された変数A、Y
1、Y
2、R
1からR
7、R
9、m、およびpの定義は、本明細書において式IVと関連した使用に繰り返される。
【0089】
より一般に、上記の式IからIVにおける変数の定義は、複数の化学基を包含する。適用は、例えば、i)変数の定義が、上記に記載された化学基から選択される単一の化学基である、ii)該変数の定義が、上記に記載された化学基から選択される2つ以上の化学基の集まりである、およびiii)化合物が、変数が(i)または(ii)により定義される変数の組み合わせにより定義される実施形態を企図する。
【0090】
特定の他の実施形態において、化合物は、本明細書の以下の表1〜3、実施例中の表4にリストされた化合物の1つ、またはいずれかの上述の化合物の薬学的に許容される塩である。
【表2】
【表3】
【0091】
本明細書に記載された化合物の調整方法は、以下の合成スキームに図示されている。該スキームは、本発明を図示するために示されるが、本発明の範囲または趣旨を限定するものではない。スキームに示された出発材料は商業的供給源から入手することができ、または文献に記載された手順に基づき調製することができる。
【0092】
スキーム1に図示された合成経路は、2位でアミドと、および8位でスルホニル基と置換された様々なテトラヒドロナフタレン化合物を調製する一般的方法である。合成経路は、7−ニトロ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オンBを得るためのジヒドロナフタレン−1(2H)−オンAと硝酸との反応を含む。ケトンの還元(水素化物試薬を用いるなどの)はアルコールCを提供する。アルコールCと活性化剤(例えば、塩化メタンスルホニル)との反応は活性化中間体をもたらし、該中間体はチオールを添加すると硫化物Dを提供する。硫化物Dと酸化剤(例えば、ペルオキシ安息香酸または過酸化水素)との反応は、スルホンEを提供する。スルホンEにおけるニトロ基は、溶解金属還元または水素化反応を用いてアミノ基に変換されてアミン化合物Fをもたらすことができる。アミド結合試薬(すなわち、HATUまたはPyBop)の存在下、アミンFと酸(R’’’CO
2H)とのアミド結合は、所望のテトラヒドロナフタレンGをもたらす。酸塩化物(R’’’C(O)Cl)は、テトラヒドロナフタレンGを生成するのに用いられるステップにおいて、酸R’’’CO
2Hおよびアミド結合試薬の代わりに使用され得ることが理解される。
【0093】
スキーム1における反応手順は、多種多様な置換テトラヒドロナフタレン化合物の調製に適していることが企図される。例えば、数多くの置換3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オン化合物が文献に記載され、および/または市販されている。さらに、分子上の官能基がスキーム1に記載された反応条件に適さない場合、該官能基は先ず、標準的な保護基化学および戦略を用いて保護され得、次いで該保護基が望ましい合成変換の完了後に除去されることが企図される。保護化学および戦略のさらなる記載については、例えば、Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis、第2版;Wiley:New York、1991参照。特定の他の実施形態において、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,5−ナフチリジンFにおける置換基R、R’、またはR’’中の官能基は、当技術分野で公知の標準的な官能基操作手順を用いて別の官能基に変換することができる。例えば、「Comprehensive Organic Synthesis」(B.M. Trost & I.Fleming編、1991−1992頁)参照。
スキーム1.
【化21】
【0094】
特定の実施形態において、スキーム1の化合物Aは、その二環式コアにキラル中心を有してもよい。化合物Aの例示的キラル形態は、以下のスキーム2および3に記載された手順に基づき調製することができる。スキーム2は、ラクトンからキラルジヒドロナフタレン−1(2H)−オンを調製するための一般的経路を図示する。合成経路は、不飽和ブチロラクトンA−2への銅酸塩のジアステレオ選択的付加を伴い、不飽和ブチロラクトンA−2は、L−グルタミン酸、D−リボノラクトンまたはD−マンニトールからのいずれかのエナンチオマー形態で入手可能である。このジアステレオ選択的付加は、選択的にアルキル化されてラクトンB−2を提供する飽和ラクトン中間体(不図示)をもたらすことができる。関連する合成手順のさらなる記載については、例えば、Hanessian, S.; Murray, P. J. J. Org. Chem. 1987、52、1170〜1172頁参照。第2置換基がα−カルボニル位に望まれる場合、ラクトンB−2が強塩基(リチウムジイソプロピルアミド(LDA)などの)で処理され、その後ハロゲン化アルキルを添加してラクトンC−2をもたらすことができる。関連する合成手順のさらなる記載については、例えば、Takanoら J. Chem. Soc. Chem. Comm. 1983、760〜762頁参照。次のステップは、ラクトンC−2の開環、過ヨウ素酸酸化、および得られた中間体アルデヒドの還元を伴ってラクトンD−2をもたらす。次いで、ラクトンD−2は、アルコール(例えば、メタノール)の存在下、ヨウ化トリメチルシリル(TMSI)で処理されてヨードエステルE−2をもたらす。次いで、ヨードエステルE−2は、亜鉛で処理されアルキル亜鉛試薬を形成し、アルキル亜鉛試薬はパラジウム触媒の存在下、ハロ芳香族化合物F−2に曝露されてカルボン酸エステルG−2をもたらす。カルボン酸エステルG−2と強ルイス酸(例えば、AlCl
3、またはBF
3・(OEt)
2)との反応は、ケトンH−2を提供し、ケトンH−2は、スキーム1において化合物Aの代わりに使用されてもよい。
スキーム2.
【化22】
【0095】
スキーム3は、キラルジヒドロナフタレン−1(2H)−オンを調製するための別の一般的経路を図示する。この経路は、キラル補助剤(auxillary)(Qn)を含有するアクリレートA−3へのベンジル銅試薬のジアステレオ選択的付加を伴って、化合物C−3を提供する。関連する合成手順のさらなる記載については、例えば、van Heerdenら Tet. Lett. 1997、38、1821〜24頁参照。あるいは、銅酸塩試薬は、置換4−フェニルブト−2−エン酸B−3に添加されて化合物C−3を提供することができる。キラル補助剤は、適切な求電子試薬(R’X、ここでXは、例えば、ハライドまたはメシラートである)のエナンチオ選択的アルキル化を導くのに利用されて化合物D−3を提供することができる。フリーデルクラフツ様反応を促進するためのルイス酸による化合物D−3の処理は、キラルジヒドロナフタレン−1(2H)−オンE−3をもたらす。
スキーム3.
【化23】
【0096】
スキーム4は、6位にアミド基、および4位にスルホニル基を有するクロマン化合物を提供するための一般的経路を図示する。合成経路は、アルデヒドと4−ニトロ−2−アシル−フェノールA−4との環化縮合を伴ってクロマノンB−4をもたらす。例えば水素化物を用いるケトンの還元は、アルコールC−4を提供する。アルコールC−4と活性化剤(例えば、塩化メタンスルホニル)との反応は、活性化中間体をもたらし、該中間体はチオールを添加すると硫化物D−4を提供する。硫化物D−4と酸化剤(例えば、ペルオキシ安息香酸または過酸化水素)との反応は、スルホンE−4を提供する。スルホンE−4におけるニトロ基は、溶解金属還元または水素化反応を用いてアミノ基に変換されてアミン化合物F−4をもたらすことができる。アミド結合試薬(すなわち、HATUまたはPyBop)の存在下、アミンF−4と酸(R’’’CO
2H)とのアミド結合は、所望のテトラヒドロナフタレンG−4をもたらす。酸塩化物(R’’’C(O)Cl)は、テトラヒドロナフタレンG−4を生成するのに用いられるステップにおいて、酸R’’’CO
2Hおよびアミド結合試薬の代わりに使用され得ることが理解される。
スキーム4.
【化24】
【0097】
II.二環式スルホン化合物の治療的適用
式I、II、III、またはIVの化合物などの本明細書に記載された二環式スルホン化合物が、免疫障害または炎症性障害を患う被験者に治療効果を提供することが企図される。したがって、本発明の1つの態様は、免疫障害または炎症性障害から成る群から選択される障害の治療方法を提供する。方法は、障害の症状を改善するために、式I、II、III、またはIVの化合物などの本明細書に記載された二環式スルホン化合物を治療的有効量、それを必要とする被験者に投与することを含み、式I−IVは上記の通りである。特定の実施形態において、式I−IVの特定の化合物は、上記実施形態の1つにより定義された化合物である。
【0098】
特定の実施形態において、障害は免疫障害である。特定の他の実施形態において、障害は炎症性障害である。特定の他の実施形態において、障害は自己免疫障害である。特定の他の実施形態において、障害は、関節リウマチ、乾癬、慢性移植片対宿主病、急性移植片対宿主病、クローン病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、セリアック病、特発性血小板減少性血栓性紫斑病、重症筋無力症、シェーグレン症候群、強皮症、潰瘍性大腸炎、喘息、または表皮過形成である。
【0099】
特定の他の実施形態において、障害は、軟骨の炎症、骨分解(bone degradation)、関節炎、若年性関節炎、若年性関節リウマチ、小関節型若年性関節リウマチ、多関節型若年性関節リウマチ、全身型若年性関節リウマチ、若年性強直性脊椎炎、若年性腸疾患性関節炎、若年性反応性関節炎、若年性ライター症候群、SEA症候群、若年性皮膚筋炎、若年性乾癬性関節炎、若年性強皮症、若年性全身性エリテマトーデス、若年性血管炎、小関節型関節リウマチ、多関節型関節リウマチ、全身型関節リウマチ、強直性脊椎炎、腸疾患性関節炎、反応性関節炎、ライター症候群、皮膚筋炎、乾癬性関節炎、血管炎、ミオリチス(myolitis)、多発性ミオリチス(polymyolitis)、皮膚ミオリチス(dermatomyolitis)、骨関節炎、結節性多発性動脈炎(polyarteritis nodossa)、ウェゲナー肉芽腫症、動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、サルコイドーシス、硬化症、原発性胆嚢硬化症、硬化性胆管炎、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、アテローム性動脈硬化症、スティル病、慢性閉塞性肺疾患、ギラン−バレー病、I型糖尿病、グレーブス病、アジソン病、レイノー現象、自己免疫性肝炎、乾癬性表皮過形成、尋常性乾癬、滴状乾癬、インバース乾癬、膿疱性乾癬、紅皮性乾癬、または病原性リンパ球の活性に関連もしくは起因する免疫障害である。特定の実施形態において、乾癬は尋常性乾癬、滴状乾癬、インバース乾癬、膿疱性乾癬、または紅皮性乾癬である。
【0100】
特定の他の実施形態において、障害は関節リウマチである。
【0101】
特定の実施形態において、被験者はヒトである。特定の実施形態において、化合物は式IIまたはIIIの化合物である。
【0102】
本発明の別の態様は、医薬品の製造における本明細書に記載された化合物(式I、II、III、またはIVの化合物などの)の使用を提供する。特定の実施形態において、医薬品は、関節リウマチなどの本明細書に記載された障害を治療するためのものである。
【0103】
本発明の別の態様は、本明細書に記載された医学的障害(例えば、関節リウマチ)のような医学的障害を治療するための、本明細書に記載された化合物(式I、II、III、またはIVの化合物などの)の使用を提供する。
【0104】
さらに、式I、II、III、またはIVの化合物などの本明細書に記載された二環式スルホン化合物は、RORγの活性を阻害し得ることが企図される。したがって、本発明の別の態様は、RORγの活性を阻害する方法を提供する。方法は、前記RORγを阻害するために、式I、II、III、またはIVの化合物などの本明細書に記載された二環式スルホン化合物の有効量にRORγを曝露させることを含み、式I、II、III、およびIVは上記の通りである。特定の実施形態において、式I、II、III、またはIVの特定の化合物は、上記実施形態の1つにより定義された化合物である。
【0105】
さらに、式I、II、III、またはIVの化合物などの本明細書に記載された二環式スルホン化合物は、被験者におけるインターロイキン−17(IL−17)の量を低減できることが企図される。IL−17は、炎症誘発性反応の誘導および媒介を含む数多くの生物学的機能に影響を及ぼすサイトカインである。したがって、本発明の別の態様は、被験者におけるIL−17の量を低減する方法を提供する。方法は、被験者におけるIL−17の量を低減するために、式I、II、III、またはIVの化合物などの本明細書に記載された二環式スルホン化合物の有効量を被験者に投与することを含み、式I、II、III、およびIVは上記の通りである。特定の実施形態において、式I、II、III、またはIVの特定の化合物は、上記実施形態の1つにより定義された化合物である。
【0106】
特定の実施形態において、被験者はヒトである。特定の実施形態において、該化合物を投与することは、被験者におけるTh−17細胞により産生されるIL−17の量を低減する。例えばTh−17細胞により産生されるIL−17の量の変化は、文献に記載されたELISAアッセイまたは細胞内染色アッセイなどの手順を用いて測定することができる。
【0107】
さらに、式I、II、III、またはIVの化合物などの本明細書に記載された二環式スルホン化合物は、被験者におけるIL−17の合成を阻害し得ることが企図される。したがって、本発明の別の態様は、被験者におけるIL−17の合成を阻害する方法を提供する。方法は、被験者におけるIL−17の合成を阻害するために、本明細書に記載された化合物、例えば、式I、II、III、またはIVの化合物の有効量を被験者に投与することを含み、式I、II、III、およびIVは上記の通りである。特定の実施形態において、式I、II、III、またはIVの特定の化合物は、上記実施形態の1つにより定義された化合物である。特定の実施形態において、二環式スルホン化合物は式IIまたはIIIの化合物である。
【0108】
上記の記載は、本明細書に使用される変数について定義を与える複数の実施形態を述べている。適用は具体的には、そのような変数の全ての組み合わせ、例えば、変数AおよびXについて記載された定義の特定の組み合わせを企図する。
【0109】
化合物は、文献に記載された手順を用いてRORの阻害を試験することができる。RORγ活性を阻害する能力について化合物を試験する例示的手順には、(i)RORγ−リガンド結合ドメイン(LBD)TR−FRETアッセイ、および(ii)RORγレポーターアッセイが含まれる。RORγ−リガンド結合ドメイン(LBD)TR−FRETアッセイは、本明細書の実施例3に記載されている。RORγレポーターアッセイは以下に記載されている。
【0110】
RORγレポーターアッセイの一般的手順
細胞におけるRORγtの阻害は、ルシフェラーゼ読み取りを使用するHEK293細胞におけるレポーター系を用いて判定される。RORγt DNA結合ドメイン(DBD)は、標準的な組換えDNA方法を用いて異種酵母GAL4 DBDに置き換えられる。得られたGAL4−RORγt−LBD融合構築物は、サイトメガロウイルス(CMV)誘導性哺乳動物発現ベクターpCDNA3.1+−(Promega Corporation、マジソン、WI)へのクローニングにより構成的CMVプロモーターの制御下に置かれる。
【0111】
転写レポーター発現構築物は、GAL4−RORγ活性をモニターするのに使用され、ホタルルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現を制御するGAL4結合配列(UAS)の5つのコピーを含有する。この構築物、pGL4.31は、Promega Corporation、マジソン WIから市販されている。両方の構築物は、標準的な脂質ベースのトランスフェクション法を用いてHEK−293細胞にバルクでトランスフェクトされ、GAL4−RORγ−LBD融合タンパク質がルシフェラーゼレポーターの発現を駆動できるようにする。対照トランスフェクションは、空のpCDN3.1+ ベクターを用いて行われる。
【0112】
翌日、細胞を384ウェルプレートに入れ、試験化合物を添加し、プレートを一晩インキュベートする。GAL4−RORγ融合タンパク質がルシフェラーゼシグナルの発現を開始するのを阻止することができる試験化合物を同定する。Promegaホタルアッセイキットを用いてルシフェラーゼシグナルを安定させ、ルシフェラーゼシグナルの強度を、EnVision Multilabelプレートリーダー(Perkin Elmer、ウォルサム、MA)を用いて測定する。
【0113】
HEK293 Gal4レポーターアッセイの詳細な記載
HEK293細胞を、GAL4−RORγt−LBD構築物(pcDNA3.1ネオ)およびpGL4.31 GAL4−ルシフェラーゼレポーター構築物(Promega)でトランスフェクトする。バックグラウンドコントロールには、空のpcDNA3.1ネオおよびpGL4.31を使用する。トランスフェクションプロトコルは、Mirus Trans−It 293試薬を用いて行われる単一T75フラスコに対するものである。室温のTrans−IT試薬の60μLアリコートを、1.5mLのOptimem(Invitrogen)に滴加する。得られた溶液を反転により混合し、室温で5〜20分間インキュベートする。この試薬混合物を10μgのDNAに添加する(5μgの各発現ベクター)。該溶液を反転により混合し、室温で20分間インキュベートする。
【0114】
Trans−IT試薬およびDNAをインキュベートしている間に、HEK−293細胞を回収する。吸引によりフラスコから培地を除去し、フラスコの底を覆うために十分なTrypLE Express(安定なトリプシン様試薬、Invitrogen)を添加する。混合物を、細胞がフラスコ中で目に見えて遊離するまで(約2〜5分間)室温でインキュベートする。等容積の完全増殖培地を添加し、次いでピペッティングして単一の細胞懸濁液を得る。1×10
7細胞をスピンダウンし、10mLの完全増殖培地(DMEM高グルコース/10%透析FBS/ pen/strep;Invitrogen)に細胞を再懸濁する。細胞およびトランスフェクション混合物を1つのT75フラスコに添加する。T75フラスコの内容物を混合し、37℃および5%CO
2で一晩インキュベートする。
【0115】
16〜24時間後、細胞を回収し、試験化合物スクリーニングのために播種する。細胞は上記の通りに回収することができる。次に、細胞をカウントし、適切な数の細胞をスピンダウンする。次いで、細胞を吸引し、0.5×10
6細胞/mLの濃度で完全増殖培地に再懸濁する。20μLの細胞懸濁液を白い組織培養処理384ウェルプレートに播種する(10,000〜20,000細胞/ウェル)。
【0116】
ジメチルスルホキシド(DMSO)中試験化合物の10mM原液を500× DMSO中最終試験濃度に希釈し、次いで完全増殖培地により5× 最終試験濃度に希釈して試験化合物溶液を得る。試験化合物溶液中のDMSOの濃度は0.2%である。試験化合物溶液の5μLアリコートを、以前に細胞懸濁液を播種した384ウェルプレートの各試験ウェルに添加する。次に、プレートを短時間回転させ、37℃および5%CO
2で一晩インキュベートする。
【0117】
16〜24時間後、ルシフェラーゼアッセイを行う。プレートおよびルシフェラーゼ試薬(例えばOne−Glo(登録商標)またはDual Glo(登録商標);Promega、マジソン、WI)を室温に戻す。次に、ルシフェラーゼ 試薬の25μLアリコートを各ウェルに添加する。プレートを短時間スピンダウンし、室温で10分間インキュベートする。ルシフェラーゼシグナルを、超高感度発光設定にセットしたEnvisionプレートリーダー(Perkin Elmer)で測定する。
【0118】
試験化合物のEC
50値を、ルシフェラーゼシグナルデータからGraphPad Prismソフトウェアを用いて計算する。
【0119】
III.併用療法
本発明の別の態様は併用療法を提供する。二環式スルホン化合物(例えば、式I、II、III、またはIVの化合物)またはその薬学的に許容される塩は、不適切なIL−17経路活性に関連した医学的障害などの医学的障害を治療するために、追加の治療剤と併用して使用することができる。例示的な追加の治療剤には、例えば、(1)TNF−α阻害剤;(2)非選択的COX−1/COX−2阻害剤;(3)セレコキシブおよびロフェコキシブなどの選択的COX−2阻害剤;(4)例えば、メトトレキサート、レフルノミド、スルファサラジン、アザチオプリン、ペニシラミン、ブシラミン、アクタリット、ミゾリビン、ロベンザリット、ヒドロキシクロロキン、d−ペニシラミン、金チオリンゴ酸、オーラノフィン、非経口金、経口金、シクロホスファミド、Lymphostat−B(BAFF/APRIL阻害剤)、CTLA−4−Ig、またはCTLA−4−Igの模倣剤を含む炎症性疾患および自己免疫疾患を治療するための他の薬剤;(5)5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤、または5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)拮抗薬などのロイコトリエン生合成阻害剤;(6)LTD4受容体拮抗薬;(7)シロミラスト(アリフロ)またはロフルミラストなどのIV型ホスホジエステラーゼ(PDE−IV)阻害剤;(8)抗ヒスタミンHI受容体拮抗薬;(9)α1−およびα2−アドレナリン受容体作動薬;(10)抗コリン剤;(11)β−アドレナリン受容体作動薬;(12)I型インスリン様増殖因子(IGF−1)模倣剤;(13)グルココルチコソイド(glucocorticosoid);(14)ヤヌスキナーゼ(例えば、JAK1および/またはJAK2および/またはJAK3および/またはTYK2)、p38 MAPK、SykまたはIKK2の阻害剤などのキナーゼ阻害剤;(15)リツキシマブなどのB細胞標的生物製剤;(16)アバタセプトなどの選択的共刺激調節剤;(17)IL−1阻害剤アナキンラ、IL−6阻害剤トシリズマブ、およびIL12/IL−23阻害剤ウステキムマブ(ustekimumab)などのインターロイキン阻害剤またはインターロイキン受容体阻害剤;(18)抗IL17抗体、抗IL21抗体、または抗IL22抗体(19)フィンゴリモドなどのS1P1作動薬;(20)インターフェロンベータ1などのインターフェロン;(21)ナタリズマブなどのインテグリン阻害剤;(22)ラパマイシン、シクロスポリンおよびタクロリムスなどのmTOR阻害剤;(23)プロピオン酸誘導体(アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシ酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸、およびチオキサプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナク、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、フェンクロジン酸、フェンチアザク、フロフェナク、イブフェナク、イソキセパク、オキシピナク、スリンダク、チオピナク、トルメチン、ジドメタシン、およびゾメピラク)、フェナム酸誘導体(フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルミン酸およびトルフェナム酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体(ジフルニサルおよびフルフェニサール)、オキシカム(イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカムおよびテノキシカン)、サリチレート(アセチルサリチル酸、スルファサラジン)およびピラゾロン(アパゾン、ビズピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン)などの非ステロイド性抗炎症剤(NSAID);(24)フマル酸誘導体、BG−12などのNRF2経路活性剤;ならびに(25)CCR
9拮抗薬などのケモカインまたはケモカイン受容体阻害剤が含まれる。
【0120】
二環式スルホン化合物(例えば、式I、II、III、またはIVの化合物)および追加の治療剤の量ならびに投与の相対的タイミングは、望ましい複合的治療効果を得るように選択することができる。例えば、併用療法をそのような投与を必要とする患者に施す場合、併用での治療剤または該治療剤を含む医薬組成物(複数可)は、例えば、連続、並行、一緒に、同時等の任意の順番で投与することができる。さらに、例えば、二環式スルホン化合物(例えば、式I、II、III、またはIVのいずれか1つの化合物)は、追加の治療剤(複数可)が予防もしくは治療効果を発揮する間は投与することができ、またはその逆も然りである。
【0121】
併用療法において使用される活性成分の用量および投与計画は、担当臨床医により決定されてもよい。特定の実施形態において、二環式スルホン化合物(例えば、式I、II、III、またはIVのいずれか1つの化合物)および追加の治療剤(複数可)は、そのような薬剤が障害の治療のために単剤療法として使用される場合に通常使用される用量で投与される。他の実施形態において、二環式スルホン化合物(例えば、式I、II、III、またはIVのいずれか1つの化合物)および追加の治療剤(複数可)は、そのような薬剤が障害の治療のために単剤療法として使用される場合に通常使用される用量より低い用量で投与される。特定の実施形態において、二環式スルホン化合物(例えば、式I、II、III、またはIVのいずれか1つの化合物)および追加の治療剤(複数可)は、経口投与に適した同じ組成物中に存在する。
【0122】
特定の実施形態において、二環式スルホン化合物(例えば、式I、II、III、またはIVのいずれか1つの化合物)および追加の治療剤(複数可)は、相加的または相乗的に作用することができる。相乗的組み合わせは、併用療法の1つもしくは複数の薬剤のより低い投与量および/または1つもしくは複数の薬剤の頻度のより少ない投与の使用を可能にし得る。1つまたは複数の薬剤のより低い投与量または頻度のより少ない投与は、該療法の有効性を低減することなく該療法の毒性を低下させることができる。
【0123】
本発明の別の態様は、二環式スルホン化合物(例えば、式I、II、III、またはIVのいずれか1つの化合物)、薬学的に許容される担体、ビヒクルまたは希釈剤の治療的有効量を含み、および上記にリストされた少なくとも1つの追加の治療剤の治療的有効量を含んでいてもよいキットである。
【0124】
IV.医薬組成物および投与の検討
上記に示されているように、本発明は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体(添加剤)および/または希釈剤と一緒に処方される、1つまたは複数の上記化合物の治療的有効量を含む医薬組成物を提供する。該医薬組成物は、以下に適合されたものを含む、固体または液体形態での投与用に特別に処方されてもよい:(1)経口投与、例えば水薬(水性もしくは非水性溶液または懸濁液)、錠剤(例えば口腔、舌下、および体内吸収を狙ったもの)、ボーラス、粉末、顆粒、舌に塗布するためのペースト剤;(2)非経口投与、例えば皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射もしくは硬膜外注射(例えば、滅菌溶液または懸濁液として)、または徐放性製剤による;(3)局所適用、例えばクリーム、軟膏、または皮膚に適用される制御放出パッチもしくはスプレーとして;(4)膣内または直腸内投与、例えばペッサリー、クリームまたは発泡体として;(5)舌下投与;(6)眼投与;(7)経皮投与;あるいは(8)経鼻投与。
【0125】
語句「治療的有効量」は本明細書で使用されるとき、動物における細胞の少なくとも亜集団にいくらかの望ましい治療効果をもたらすのに有効である本発明の化合物を、任意の薬物治療に適用可能な妥当なベネフィット/リスク比で含むような化合物、材料、または組成物の量を意味する。
【0126】
語句「薬学的に許容される」は、妥当なベネフィット/リスク比に見合った過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしに、健全な医学的判断の範囲内でヒトおよび動物の組織と接触する使用に適しているような化合物、材料、組成物、および/または剤形を指すのに本明細書で使用される。
【0127】
ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの湿潤剤、乳化剤および潤滑剤、ならびに着色剤、放出剤、被覆剤、甘味料、香味剤および芳香剤、保存料および抗酸化剤もまた、組成物中に存在してもよい。
【0128】
薬学的に許容される抗酸化剤の例には、(1)アスコルビン酸、塩酸システイン、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の水溶性酸化防止剤;(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ−トコフェロール等の油溶性抗酸化剤;および(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等の金属キレート剤が含まれる。
【0129】
本発明の製剤には、経口、経鼻、局所(口腔および舌下を含む)、直腸内、膣内および/または非経口投与に適したものが含まれる。製剤は、好都合には単位投与形態で提示されてもよく、薬学分野でよく知られた任意の方法により調製されてもよい。担体材料と組み合わせて単一投与形態を作製することができる活性成分の量は、治療される宿主、特定の投与方式に応じて異なるであろう。担体材料を組み合わせて単一投与形態を作製することができる活性成分の量は、一般的に、治療効果をもたらす化合物の量であろう。一般的に、100%パーセントのうち、この量は、活性成分の約0.1パーセントから約99パーセント、好ましくは約5パーセントから約70パーセント、最も好ましくは約10パーセントから約30パーセントの範囲であろう。
【0130】
特定の実施形態において、本発明の製剤は、シクロデキストリン、セルロース、リポソーム、ミセル形成剤(例えば、胆汁酸)、およびポリマー担体(例えば、ポリエステルおよびポリ無水物)から成る群から選択される賦形剤;ならびに本発明の化合物を含む。特定の実施形態において、上述の製剤は、本発明の化合物を経口投与可能にする。
【0131】
これらの製剤または組成物を調製する方法は、本発明の化合物を担体と結合させるステップを含み、および1つまたは複数の副成分と結合させるステップを含んでいてもよい。一般に、製剤は、本発明の化合物を液体担体もしくは微粉化固体担体またはその両方と均一および緊密に結合させ、次いで、必要であれば該生成物を成形して調製される。
【0132】
経口投与に適した本発明の製剤は、カプセル、カシェ剤、丸薬、錠剤、ロゼンジ(風味基剤、通常はスクロースおよびアカシアまたはトラガカントを用いる)、粉末、顆粒の形態、または水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液、または水中油もしくは油中水液体エマルション、またはエリキシル剤もしくはシロップ、または薬用ドロップ(ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアなどの不活性ベースを用いる)および/または口内洗浄液等としての形態であってもよく、各々は所定量の本発明の化合物を活性成分として含有する。本発明の化合物はまた、ボーラス、舐剤またはペースト剤としても投与することができる。
【0133】
経口投与のための本発明の固体剤形(カプセル、錠剤、丸薬、糖衣錠、粉末、顆粒、トローチ(trouch)等)において、活性成分は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムなどの1つもしくは複数の薬学的に許容される担体、および/または以下のいずれか:(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸などの充填剤またはは増量剤;(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシアなどの結合剤;(3)グリセロールなどの保湿剤;(4)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;(5)パラフィンなどの溶液遅延剤;(6)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、ならびにポロキサマーおよびラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤;(7)例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロール、および非イオン性界面活性剤などの湿潤剤;(8)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、およびそれらの混合物などの潤滑剤;(10)着色剤;ならびに(11)クロスポビドンまたはエチルセルロースなどの制御放出剤と混合される。カプセル、錠剤および丸薬の場合、医薬組成物は緩衝剤も含むことができる。類似のタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖などの賦形剤、および高分子量ポリエチレングリコール等を用いて、ソフトおよびハードシェルゼラチンカプセルにおける充填剤としても使用することができる。
【0134】
錠剤は、圧縮または成型により作製することができ、1つまたは複数の副成分と共に圧縮または成型により作製されていてもよい。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、保存料、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤または分散剤を用いて調製することができる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適切な機械で成形して作製することができる。
【0135】
本発明の医薬組成物の錠剤、ならびに糖衣錠、カプセル、丸薬および顆粒などの他のの固体剤形は、腸溶コーティングおよび薬学的処方技術分野でよく知られた他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて、刻み目を入れられ(scored)、または調製されていてもよい。それらはまた、例えば、望ましい放出プロフィルを提供する様々な比率でのヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/またはミクロスフェアを用いて、その中の活性成分の持続放出または制御放出を提供するように処方することもできる。それらは、迅速放出のために処方されてもよく、例えば凍結乾燥されてもよい。それらは、例えば、細菌保持フィルターを通じて濾過すること、または使用直前に滅菌水もしくは幾つかの他の滅菌注射可能媒体に溶解することができる滅菌固体組成物の形態で、滅菌剤を組み込むことにより滅菌することができる。これらの組成物はまた、乳白剤も含有していてもよく、活性成分(複数可)のみを、または胃腸管の特定の部分で優先的に、任意選択により遅延方式で放出する組成物であってもよい。使用され得る包埋組成物の例には、ポリマー物質およびワックスが含まれる。活性成分はまた、マイクロカプセル化形態(適切な場合、1つまたは複数の上記賦形剤と共に)であってもよい。
【0136】
本発明の化合物を経口投与するための液体剤形には、薬学的に許容されるエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤が含まれる。活性成分に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒などの当技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物などの可溶化剤および乳化剤を含有してもよい。
【0137】
不活性希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤、着色剤、芳香剤および保存剤などの補助剤も含んでもよい。
【0138】
活性化合物に加えて懸濁液は、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにそれらの混合物のような懸濁剤を含有してもよい。
【0139】
直腸内または膣内投与のための本発明の医薬組成物の製剤は、座薬として提供されてもよく、座薬は、例えばカカオバター、ポリエチレングリコール、座薬ワックスまたはサリチル酸塩を含む1つまたは複数の適切な非刺激性賦形剤または担体と、本発明の1つまたは複数の化合物を混合して調製することができ、室温では固体であるが体温では液体となり、したがって、直腸腔または膣腔内で溶けて活性化合物を放出する。
【0140】
膣内投与に適した本発明の製剤には、適切であることが当技術分野で知られているような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡体またはスプレー製剤も含まれる。
【0141】
本発明の化合物を局所または経皮投与するための剤形には、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入剤が含まれる。活性化合物は、薬学的に許容される担体、および必要とされ得る任意の保存料、緩衝液、または噴射剤と滅菌条件下で混合することができる。
【0142】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の活性化合物に加えて、動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはそれらの混合物などの賦形剤を含有してもよい。
【0143】
粉末およびスプレーは、本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム塩およびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含有してもよい。スプレーは、クロロフルオロ炭化水素ならびにブタンおよびプロパンなどの揮発性非置換炭化水素などの通常の噴射剤をさらに含有してもよい。
【0144】
経皮パッチは、本発明の化合物の身体への制御された送達をもたらすさらなる利点を有する。そのような製剤は、化合物を適切な媒体に溶解または分散させて作製することができる。吸収促進薬も、皮膚を越えた化合物の流れを増大させるのに使用されてもよい。そのような流れの速度は、律速膜を提供すること、または化合物をポリマーマトリックスもしくはゲルに分散させることにより制御することができる。
【0145】
眼科用製剤、眼軟膏、粉末、溶液等も、本発明の範囲内として企図される。
【0146】
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、糖、アルコール、抗酸化剤、緩衝液、静菌薬、意図されるレシピエントの血液または懸濁剤もしくは粘増剤と製剤を等張にする溶質を含有してもよい、1つまたは複数の薬学的に許容される滅菌等張水性または非水性溶液、分散液、懸濁液もしくはエマルション、または使用直前に滅菌注射可能溶液もしくは分散液に再構成することができる滅菌粉末と組み合わせて、本発明の1つまたは複数の化合物を含む。
【0147】
本発明の医薬組成物中に使用され得る適切な水性および非水性担体の例には、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の)、およびそれらの適切な混合物、オリーブ油などの植物油、ならびにオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルが含まれる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどの被覆材料の使用、分散剤の場合には必要とされる粒子サイズの維持、および界面活性剤の使用により維持することができる。
【0148】
これらの組成物は、保存料、湿潤剤、乳化剤および分散剤などの補助剤を含有することもできる。被験者化合物に対する微生物の作用の予防は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、ソルビン酸フェノール(phenol sorbic acid)等を包含することにより確保することができる。糖、塩化ナトリウム等の等張剤を組成物に含めることも望ましい場合がある。さらに、注射可能な医薬品形態の吸収の延長は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収を遅らせる薬剤を包含することによりもたらされ得る。
【0149】
幾つかの場合において、薬物の効果を長引かせるために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅くすることが望ましい。これは、水溶性が乏しい結晶性または非晶性材料の液体懸濁液を使用することにより達成することができる。薬物の吸収速度は、次いでその溶解速度に依存し、溶解速度は、今度は結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口的に投与される薬物形態の吸収の遅延は、油性ビヒクルに薬物を溶解または懸濁させて達成される。
【0150】
注射可能なデポ形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中で被験者化合物マイクロカプセル化マトリックスを形成して作製される。薬物対ポリマーの比、および使用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度は制御され得る。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が含まれる。デポ注射可能製剤は、体組織と適合可能なリポソームまたはマイクロエマルション中に薬物を封入して調製することもできる。
【0151】
本発明の化合物がヒトおよび動物に医薬品として投与される場合、それ自体が与えられてもよく、または薬学的に許容される担体と組み合わせて、活性成分の例えば0.1から99%(より好ましくは、10から30%)を含有する医薬組成物として与えられてもよい。
【0152】
本発明の調製物は、経口で、非経口で、局所に、または直腸内に与えられてもよい。それらは当然、各投与経路に適した形態与えられる。例えば、それらは、錠剤またはカプセル形態で、注射、吸入、洗眼薬、軟膏、座薬等により、注射、注入または吸入による投与;ローションまたは軟膏による局所投与;および座薬による直腸内投与により投与される。経口投与が好ましい。
【0153】
語句「非経口投与」および「非経口的に投与される」は本明細書で使用されるとき、通常は注射による、腸内投与および局所投与以外の投与の様式を意味し、ならびに静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内および胸骨内注射および注入を含むが、これらに限定されない。
【0154】
語句「全身投与」、「全身に投与される」、「末梢投与」および「末梢に投与される」は本明細書で使用されるとき、患者の全身に進入し、故に代謝および他の類似のプロセスに供されるように、中枢神経系に直接投与する以外に、化合物、薬物または他の材料を投与すること、例えば皮下投与を意味する。
【0155】
これらの化合物は、経口、経鼻(例えば、スプレーによるような)、直腸内、膣内、非経口、嚢内および局所(粉末、軟膏または、口腔および舌下投与を含むドロップによるような)を含む任意の適切な投与経路により、治療のためにヒトおよび他の動物に投与されてもよい。
【0156】
選択される投与経路にかかわらず、適切な水和形態で使用され得る本発明の化合物、および/または本発明の医薬組成物は、当業者に公知の従来の方法により薬学的に許容される剤形に処方される。
【0157】
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは、特定の患者、組成物、および投与様式に対して、患者に毒性となることなく望ましい治療反応を達成するのに有効である活性成分の量を得るように変えることができる。
【0158】
選択される投与量レベルは、使用される本発明の特定の化合物、またはそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与時間、使用される特定の化合物の排出または代謝の速度、吸収の速度および程度、治療期間、使用される特定の化合物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物および/または材料、治療される患者の年齢、性別、体重、状態、全般的健康および既往歴を含む様々な要因、ならびに医学技術分野でよく知られた同様の要因に依存するであろう。
【0159】
当技術分野における通常の技能を有する医師または獣医は、必要とされる医薬組成物の有効量を用意に決定および処方することができる。例えば、医師または獣医は、医薬組成物中で使用される本発明の化合物の用量を、望ましい治療効果を得るために必要とされるレベルより低いレベルで開始し、望ましい効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させることができよう。
【0160】
一般に、本発明の化合物の適切な日用量は、治療効果をもたらすのに有効な最低用量である化合物の量となろう。そのような有効量は、一般的に上記要因に依存するであろう。好ましくは、化合物は、約0.01mg/kgから約200mg/kg、より好ましくは約0.1mg/kgから約100mg/kg、さらにより好ましくは約0.5mg/kgから約50mg/kgで投与される。本明細書に記載された化合物が別の薬剤(例えば、増感剤)と共投与される場合、有効量は、該薬剤が単独で使用される場合より少なくてもよい。
【0161】
望ましければ、活性化合物の有効日用量は、1日を通して適切な間隔で個別に、単位投与形態で投与される2、3、4、5、6回またはそれを超えるサブ用量として投与されてもよい。好ましい投与は1日1回である。
【0162】
本発明はさらに、本明細書に記載された特定の免疫障害または炎症性障害の1つなどの免疫または炎症性障害を治療するために、本明細書に記載された二環式スルホン化合物(式I〜IVのいずれか1つの化合物、または表1〜4などの本明細書に記載された特定の化合物などの)を治療的有効量含む単位投与形態(錠剤またはカプセルなどの)を提供する。
【0163】
[実施例]
これより一般的に記載される本発明は、以下の例を参照してより容易に理解される、以下の例は、本発明の特定の態様および実施形態を単に説明する目的で含まれ、本発明を限定するものではない。
[実施例1]2−クロロ−6−フルオロ−N−[8−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル]ベンズアミド(1)の合成
【化25】
【0164】
標題化合物は、以下のパートI〜VIに記載された手順に従って調製した。
パートI 7−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−オールの合成
【化26】
【0165】
7−ニトロ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(2.0g、10mmol)をTHF(50mL)に溶解し、NaBH
4(0.95g、25mmol)を添加した。MeOH(50mL)を次いで5分にわたり滴加し、反応混合物を1時間撹拌した。飽和塩化アンモニウムを次いで反応混合物に添加し、得られた混合物を酢酸エチルで3回抽出した。有機溶液を混合し、ブラインで洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、濃縮して7−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−オールを得た。収量1.83g(95%)。LCMS(ESI): calc. C
10H
11NO
3=193;obs.M+H=194.
パートII メタンスルホン酸7−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イルエステルの合成
【化27】
【0166】
7−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−オール(1.0g、5.2mmol)を、DCM(10mL)およびピリジン(10mL)の混合物に溶解した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、塩化メタンスルホニル(0.44mL、5.7mmol)を滴加し、反応混合物を60℃で2時間撹拌した。次に、反応混合物を室温に冷却し、次いで酢酸エチルで希釈し、1N HCl、飽和NaHCO
3、およびブラインで洗浄した。有機溶液を乾燥し(Na
2SO
4)、濃縮してメタンスルホン酸7−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イルエステルを得た。収量1.34g(95%)。LCMS(ESI):計算されたC
11H
13NO
5S=271;観察された低イオン化。
パートIII 7−ニトロ−1−(4−トリフルオロメチルフェニルスルファニル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンの合成
【化28】
【0167】
メタンスルホン酸7−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イルエステル(1.3g、4.8mmol)を、トリエチルアミン(3.35mL、24mmol)およびジクロロメタン(10mL)の溶液に溶解した。4−トリフルオロメチルベンゼンチオール(1.7g、9.6mmol)を次いで添加し、反応混合物を室温で6時間撹拌した。次に、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N HCl、飽和重炭酸ナトリウム、およびブラインで洗浄した。有機溶液を乾燥し(Na
2SO
4)、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して7−ニトロ−1−(4−トリフルオロメチルフェニルスルファニル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンを得た。収量1.45g(86%)。LCMS(ESI):calc.C
17H
14F
3NO
2S=353;obs.low ionization.
パートIV 7−ニトロ−1−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンの合成
【化29】
【0168】
7−ニトロ−1−(4−トリフルオロメチルフェニルスルファニル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(0.477g、1.3mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、メタ−クロロ−過安息香酸(70%、0.73g、3.0mmol)を添加した。次に、反応混合物を12時間撹拌する。次いで、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、0.1N Na2S2O3で3回洗浄し、0.1N NaOHで3回、水で1回、次いでブラインで洗浄した。有機溶液を乾燥し(Na
2SO
4)、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して7−ニトロ−1−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンを得た。収量0.314g(63%)。1H NMR 250MHz CDCl
3δ8.13(dd,J=8.6,2.4Hz,1H),7.99(d,J=2.4Hz,1H),7.91(A of ABq,J=8.6Hz,2H),7.84(B of ABq,J=8.6Hz,2H),7.34(d,J=8.6Hz,1H),4.46(dd,J=6.6,3.5Hz,1H),2.70−3.00(m,2H),2.55−2.40(m,1H),2.38−2.18(m,1H),2.18−1.99(m,1H),1.85−1.67(m,1H).LCMS(ESI):calc.C
17H
14F
3NO
4S=385;obs.low ionization.
パートV 8−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルアミンの合成
【0169】
7−ニトロ−1−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(0.314g、0.816mmol)をエタノール(20mL)に溶解し、10%Pd/C(50mg)を添加した。次いで、反応混合物を、Parr振とう機を用いて水素雰囲気下(60p.s.i.)で1時間撹拌した。次に、反応混合物をセライトを通じて濾過し、濃縮して8−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルアミンを得た。収量0.30g 粗体。 LCMS(ESI):計算されたC
17H
16F
3NO
2S=355;観察されたM+H=356。
パートVI 2−クロロ−6−フルオロ−N−[8−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル]ベンズアミドの合成
【0170】
8−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルアミン(25mg、0.070mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(23μL、0.14mmol)を、ジクロロメタン(500μL)中で混合して反応混合物を形成した。2−クロロ−6−塩化フルオロベンジル(21mg、0.11mmol)を次いで添加し、反応混合物、および反応混合物を室温で12時間撹拌した。次に、メタノール(100μL)を添加し、溶媒を減圧下で除去して残留物を得、HPLCにより精製して標題化合物を得た。LCMS(ESI):calc.C
24H
18ClF
4NO
3S=511;obs.M+H=512.
【0171】
[実施例2]追加の二環式スルホン化合物の調製
以下の表4の化合物は、実施例1ならびに発明を実施するための形態に記載された実験手順に基づき調製した。出発材料は商業的供給源から入手することができ、または市販の材料から容易に調製することができる。
【表4】
【0172】
[実施例3]RORγの阻害に関する生物学的アッセイ
実施例1および2からの化合物は、RORγ−リガンド結合ドメイン(LBD)TR−FRETアッセイを用いて、RORγ活性を阻害する能力を試験した。アッセイ手順および結果を以下に記載する。
【0173】
パートI RORγ−リガンド結合ドメインTR−FRETアッセイの手順
組換えHIS標識RORγ−LBDを、バキュロウイルス発現系を用いてSF9細胞中で発現させた。細胞を溶解させ、溶解物をアッセイのためのRORγ−LBDの供給源として使用した。アッセイ緩衝液(25mm HEPES pH7.0、100mm NaCl、0.01%Tween、0.1%BSA)中RORγ−LBD溶解物の1:80希釈物を調製し、5μLを各ウェルに添加した(RORγ−LBD最終濃度 約3nM)。対照ウェルは、RORγ−LBDを発現しないSF9細胞由来の溶解物を受けた。
【0174】
試験する化合物を、DMSO中100× 最終試験濃度に希釈し、アッセイ緩衝液を用いて4× 最終試験濃度にさらに希釈して試験化合物混合物を得た。試験化合物混合物のアリコート(5μL)を各ウェルに添加した。
【0175】
SRC1−2由来のビオチン化LXXLLペプチド(ビオチン−CPSSHSSLTERHKILHRLLQEGSPS)の4× ストックをアッセイ緩衝液中で調製し、5μLアリコートを各ウェルに添加した(450nM最終濃度)。ユーロピウム標識抗HIS抗体(2nM最終濃度)およびAPC結合ストレプトアビジン(60nM最終濃度)の4× 溶液を調製し、5μLアリコートを各ウェルに添加した。
【0176】
最終アッセイ混合物を4時間から一晩インキュベートし、蛍光シグナルをEnvisionプレートリーダーで測定した(励起フィルター=340nm;APC発光=665nm;ユーロピウム発光=615nm;ダイクロイックミラー=D400/D630;遅延時間=100μs、積分時間=200μs)。
【0177】
GraphPad Prismソフトウェアを用いて、665nmの蛍光シグナルを615nmの蛍光シグナルで除した商から、試験化合物のEC
50値を計算した。
【0178】
パートII 結果
実施例1および2からの化合物1、IV−1、IV−2、IV−3およびIV−4を、試験し、各化合物が、RORγ−リガンド結合ドメインTR−FRETアッセイにおいて、150nM未満のEC
50を有すると判定した。
参照による組み込み
【0179】
本明細書に言及された各特許文献および科学論文の全開示は、あらゆる目的で参照により組み込まれる。
均等物
【0180】
本発明は、その趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態において実施することができる。したがって、上述の実施形態はあらゆる点において、本明細書に記載された本発明の限定ではなく例示と見なされるべきである。本発明の範囲は故に、上述の記載ではなく添付の特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内に入る全ての変更は本明細書に包含されるものとする。