(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0018】
<印刷装置の構成>
図1に、本発明の実施例の印刷装置10を示す。印刷装置10は、回路基板上に回路パターンを印刷するための装置である。印刷装置10は、搬送装置20と、ヘッド移動装置22と、インクジェットヘッド24とを備えている。
【0019】
搬送装置20は、X軸方向に延びる1対のコンベアベルト30と、コンベアベルト30を周回させる電磁モータ(
図2参照)32とを有している。回路基板34は、それら1対のコンベアベルト30によって支持され、電磁モータ32の駆動により、X軸方向に搬送される。また、搬送装置20は、基板保持装置(
図2参照)36を有している。基板保持装置36は、コンベアベルト30によって支持された回路基板34を、所定の位置(
図1での回路基板34が図示されている位置)において固定的に保持する。
【0020】
ヘッド移動装置22は、X軸方向スライド機構50とY軸方向スライド機構52とによって構成されている。X軸方向スライド機構50は、X軸方向に移動可能にベース54上に設けられたX軸スライダ56を有している。そのX軸スライダ56は、電磁モータ(
図2参照)58の駆動により、X軸方向の任意の位置に移動する。また、Y軸方向スライド機構52は、Y軸方向に移動可能にX軸スライダ56の側面に設けられたY軸スライダ60を有している。そのY軸スライダ60は、電磁モータ(
図2参照)62の駆動により、Y軸方向の任意の位置に移動する。そのY軸スライダ60には、インクジェットヘッド24が取り付けられている。このような構造により、インクジェットヘッド24は、ヘッド移動装置22によってベース54上の任意の位置に移動する。
【0021】
インクジェットヘッド24は、導電性インク、具体的には、銀ナノ粒子ペーストを吐出し、回路基板34上に回路パターンを印刷する。詳しくは、インクジェットヘッド24の下面には、複数のノズル穴(図示省略)が形成されている。そして、電気信号に従って、圧電素子(
図2参照)66や熱による蒸気泡を駆動源として、銀ナノ粒子ペーストがインクジェットヘッド24の複数のノズル穴から吐出される。これにより、回路基板34上に回路パターンが印刷される。
【0022】
また、印刷装置10は、検査カメラ(
図2参照)68を備えている。検査カメラ68は、下方を向いた状態でY軸スライダ60の下面に固定されている。これにより、Y軸スライダ60が、ヘッド移動装置22によって移動させられることで、回路基板34上の任意の位置を撮像することが可能である。
【0023】
また、印刷装置10は、
図2に示すように、制御装置70を備えている。制御装置70は、コントローラ72と、複数の駆動回路74とを備えている。複数の駆動回路74は、上記電磁モータ32,58,62、基板保持装置36、圧電素子66に接続されている。コントローラ72は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路74に接続されている。これにより、搬送装置20、ヘッド移動装置22、インクジェットヘッド24の作動が、コントローラ72によって制御される。また、コントローラ72は、画像処理装置76に接続されている。画像処理装置76は、検査カメラ68によって得られた画像データを処理するものであり、コントローラ72は、検査カメラ68によって得られた画像データから各種情報を取得する。
【0024】
<印刷装置による回路パターンの形成>
印刷装置10では、上述した構成によって、インクジェットヘッド24が搬送装置20に保持された回路基板34に銀ナノ粒子ペーストを吐出することで、回路基板34に回路パターンが形成される。具体的には、コントローラ72の指令により、回路基板34が作業位置まで搬送され、その位置において、回路基板34が、基板保持装置36によって固定的に保持される。そして、インクジェットヘッド24が、コントローラ72の指令により、回路基板34の所定の位置の上方に移動する。続いて、インクジェットヘッド24は、コントローラ72の指令により、回路基板34の上面に銀ナノ粒子ペーストを吐出し、回路パターンが印刷される。
【0025】
<回路パターンの印刷精度の検査>
印刷装置10では、上述したように、インクジェットヘッド24の下面に形成された複数のノズル穴から銀ナノ粒子ペーストを吐出することで、回路パターンが印刷される。このため、
図3に示すように、回路パターン80は、複数のドット状に吐出された銀ナノ粒子ペースト82によって、回路基板34上に形成される。このようにして形成された回路パターン80では、ドット状の銀ナノ粒子ペースト82の径、つまり、銀ナノ粒子ペースト82の吐出量等によって、銀ナノ粒子ペースト82と銀ナノ粒子ペースト82との間に隙間が生じる場合がある。このような場合には、電極間に形成される回路パターンが断線するため、好ましくない。また、銀ナノ粒子ペースト82が適切な位置に吐出されない場合等には、回路パターン80の長さが目標とする長さとならずに、電極と電極とを接続できない虞がある。
【0026】
このようなことに鑑みて、印刷装置10では、目標となる形状に回路パターンが印刷されているか否かが、検査カメラ68の撮像により得られる画像データに基づいて判定される。具体的には、コントローラ72の指令により、ヘッド移動装置22の作動が制御され、検査カメラ68が、回路基板34に印刷された回路パターン80の上方に移動させられ、回路基板34の所定の領域が、検査カメラ68によって撮像される。この所定の領域は、
図4に示すように、回路パターン80の目標となる目標形状86および、目標形状86の周辺部を囲う第1の矩形88の内部の領域(以下、「第1の領域」と記載する場合がある)である。なお、検査カメラ68による所定の領域の撮像は、検査カメラ68の撮像範囲が所定の領域に限定されることで、実行される。
【0027】
第1の領域が撮像されると、その画像データが画像処理装置76によって処理される。そして、その画像データに基づいて、第1の領域のうちの銀ナノ粒子ペースト82が吐出されていない箇所の面積、つまり、第1の矩形88と回路パターン80の外縁との間の面積が、コントローラ72によって演算される。詳しくは、画像データに基づいて、回路パターン80の外縁が認識され、その回路パターン80の外縁の内部の面積、つまり、回路パターン80の占有面積が演算される。一方、第1の領域の面積は、コントローラ72に記憶されている。そして、第1の領域の面積から回路パターン80の占有面積が減算されることで、第1の領域のうちの銀ナノ粒子ペースト82が吐出されていない箇所の面積(以下、「第1の演算面積」と記載する場合がある)が演算される。
【0028】
第1の演算面積が演算されると、その第1の演算面積が、第1の領域に対応して設定されている第1の閾面積以下であるか否かが、判定される。第1の閾面積は、第1の領域のうちの目標形状86を除いた箇所の面積、つまり、第1の矩形88と目標形状86の外縁との間の面積程度に設定されている。このため、第1の演算面積が、第1の閾面積より大きい場合には、回路パターン80の占有面積が、目標形状86の占有面積より小さいと考えられる。つまり、回路パターン80の長さが、目標形状86の長さに満たないと想定される。したがって、第1の演算面積が、第1の閾面積より大きい場合には、回路パターン80の長さが目標とする長さとならずに、電極と電極とを接続できない虞があるため、印刷精度が低いと判定される。ちなみに、
図4に示す回路パターン80では、第1の演算面積は第1の閾面積以下であり、回路パターン80の長さは目標形状86の長さ以上であると判定される。
【0029】
また、印刷装置10では、第1の領域と異なる領域に対しても、第1の領域と同様に、回路パターン80の印刷の良否が判定される。第1の領域と異なる領域としては、
図5に示すように、第2の矩形90と第1の矩形88との間の領域(以下、「第2の領域」と記載する場合がある)が設定されている。つまり、第2の領域は、目標形状86および、目標形状86の周辺部を含まない領域とされており、その領域が検査カメラ68によって撮像される。
【0030】
そして、その画像データに基づいて、第2の領域のうちの銀ナノ粒子ペースト82が吐出されていない箇所の面積が、コントローラ72によって演算される。詳しくは、画像データに基づいて、第2の領域内での回路パターン80の外縁が認識され、第2の領域での回路パターン80の占有面積が演算される。なお、第2の領域内で回路パターン80の外縁が認識されない場合には、回路パターン80が、第2の領域に存在しないと判定され、第2の領域での回路パターン80の占有面積は、0となる。一方、第2の領域の面積は、コントローラ72に記憶されている。そして、第2の領域の面積から第2の領域での回路パターン80の占有面積が減算されることで、第2の領域のうちの銀ナノ粒子ペースト82が吐出されていない箇所の面積(以下、「第2の演算面積」と記載する場合がある)が演算される。
【0031】
第2の演算面積が演算されると、その第2の演算面積が、第2の領域に対応して設定されている第2の閾面積以上であるか否かが、判定される。第2の閾面積は、第2の領域の面積程度に設定されている。このため、第2の演算面積が、第2の閾面積より小さい場合には、回路パターン80が、第2の領域にはみ出していると考えられる。つまり、回路パターン80が、目標形状86から大きくズレて印刷されていると想定される。したがって、第2の演算面積が、第2の閾面積より小さい場合には、回路パターン80が、目標とする箇所に印刷されておらず、印刷精度が低いと判定される。ちなみに、
図5に示す回路パターン80では、回路パターン80は第2の領域にはみ出しておらず、第2の演算面積は第2の閾面積以上である。
【0032】
さらに、印刷装置10では、もう1つ別の領域に対しても、第1の領域および、第2の領域と同様に、回路パターン80の印刷の良否が判定される。もう1つ別の領域は、
図6に示すように、目標形状86内に設定された第3の矩形92の内部の領域(以下、「第3の領域」と記載する場合がある)であり、目標形状86内に納まっている。そして、その第3の領域が検査カメラ68によって撮像され、画像データに基づいて、第3の領域のうちの銀ナノ粒子ペースト82が吐出されていない箇所の面積が、コントローラ72によって演算される。詳しくは、画像データに基づいて、第3の領域内での回路パターン80の外縁が認識され、第3の領域での回路パターン80の占有面積が演算される。なお、第3の領域内で回路パターン80の外縁が認識されない場合には、第3の領域が回路パターン80によって覆われていると判定され、第3の領域での回路パターン80の占有面積は、第3の領域の面積となる。ちなみに、第3の領域の面積は、コントローラ72に記憶されている。そして、第3の領域の面積から第3の領域での回路パターン80の占有面積が減算されることで、第3の領域のうちの銀ナノ粒子ペースト82が吐出されていない箇所の面積(以下、「第3の演算面積」と記載する場合がある)が演算される。
【0033】
第3の演算面積が演算されると、その第3の演算面積が、第3の領域に対応して設定されている第3の閾面積以上であるか否かが、判定される。第3の閾面積は、0に設定されている。このため、第3の演算面積が、第3の閾面積より大きい場合には、第3の領域全体が、回路パターン80によって覆われていないと考えられる。つまり、回路パターン80を形成する複数の銀ナノ粒子ペースト82の間に隙間が存在すると想定される。したがって、第3の演算面積が、第3の閾面積より大きい場合には、複数の銀ナノ粒子ペースト82の間に存在する隙間により、回路パターン80が断線している虞があるため、印刷精度が低いと判定される。ちなみに、
図6に示す回路パターン80では、第3の演算面積は第3の閾面積以下であり、複数の銀ナノ粒子ペースト82の間に隙間は存在しないと判定される。
【0034】
このように、第1の領域,第2の領域および、第3の領域の全ての領域に対して、上記判定を行うことで、回路パターン80の長さ、回路パターン80の印刷位置、回路パターン80の断線等を検査することが可能となり、適切な回路パターン80の印刷を担保することが可能となる。
【0035】
なお、コントローラ72は、検査カメラ68によって、回路パターン80が印刷された回路基板34を撮像するための機能部として、撮像部(
図2参照)100を有しており、その撮像部100によって処理される工程が撮像工程である。また、コントローラ72は、画像データに基づいて、第1〜第3の演算面積を演算するための機能部として、演算部(
図2参照)102を有しており、その演算部102によって処理される工程が演算工程である。さらに、コントローラ72は、第1〜第3の演算面積と第1〜第3の閾面積との比較により、印刷精度を判定するための機能部として、判定部(
図2参照)104を有しており、その判定部104によって処理される工程が判定工程である。
【0036】
<回路パターンの印刷条件の調整>
また、印刷装置10では、上記判定により、回路パターンの印刷精度が低いと判定された場合には、印刷条件が自動で調整される。具体的に、例えば、
図7に示す形状の回路パターン110に対して、上記判定が行われる場合について説明する。回路パターン110では、
図8に示すように、第1の矩形88の内部の領域、つまり、第1の領域のうちの銀ナノ粒子ペースト82が吐出されていない箇所の面積、つまり、第1の演算面積が、比較的小さく、第1の閾面積より小さい。このため、回路パターン110の長さが、目標形状86の長さより短いと想定され、印刷精度が低いと判定される。
【0037】
また、回路パターン110は、
図9に示すように、第1の矩形88と第2の矩形90との間の領域、つまり、第2の領域にはみ出していない。このため、第2の領域のうちの銀ナノ粒子ペースト82が吐出されていない箇所の面積、つまり、第2の演算面積は、第2の領域の面積となり、第2の閾面積以上となる。これにより、回路パターン110の印刷位置と目標形状86の印刷位置とのズレは、問題ないと判定される。
【0038】
また、回路パターン110では、
図10に示すように、第3の矩形92の内部領域、つまり、第3の領域において、回路パターン80の両端に、隙間が存在しており、第3の領域のうちの銀ナノ粒子ペースト82が吐出されていない箇所の面積、つまり、第3の演算面積は、第3の閾面積より大きい。このため、回路パターン110が断線していると想定され、印刷精度が低いと判定される。
【0039】
このように、回路パターン110では、第1の領域および、第3の領域での判定において、印刷精度が低いと判定され、回路パターン110の長さが、目標形状86の長さより短いと想定されるとともに、回路パターン110が断線していると想定される。このため、コントローラ72では、銀ナノ粒子ペースト82間の距離が長くなるように、インクジェットヘッド24による銀ナノ粒子ペースト82の吐出ピッチが調整される。これにより、回路パターン110の長さが適切化され、印刷精度を向上させることが可能となる。さらに、コントローラ72では、銀ナノ粒子ペースト82の径が大きくなるように、インクジェットヘッド24による銀ナノ粒子ペースト82の吐出量が調整される。これにより、第3の領域を回路パターン110で覆うことが可能となり、印刷精度を向上させることが可能となる。
【0040】
また、例えば、
図11に示す形状の回路パターン112では、
図12に示すように、第1の矩形88の内部の領域、つまり、第1の領域のうちの銀ナノ粒子ペースト82が吐出されていない箇所の面積、つまり、第1の演算面積は、比較的大きく、第1の閾面積以上である。このため、回路パターン112の長さは、目標形状86の長さ程度であると想定される。
【0041】
また、回路パターン112は、
図13に示すように、第1の矩形88と第2の矩形90との間の領域、つまり、第2の領域にはみ出していない。このため、第2の領域のうちの銀ナノ粒子ペースト82が吐出されていない箇所の面積、つまり、第2の演算面積は、第2の領域の面積となり、第2の閾面積以上となる。これにより、回路パターン112の印刷位置と目標形状86の印刷位置とのズレは、問題ないと判定される。
【0042】
また、回路パターン112では、
図14に示すように、第3の矩形92の内部領域、つまり、第3の領域において、銀ナノ粒子ペースト82の間に隙間が存在しており、第3の領域のうちの銀ナノ粒子ペースト82が吐出されていない箇所の面積、つまり、第3の演算面積は、第3の閾面積より大きい。このため、回路パターン112が断線していると想定され、印刷精度が低いと判定される。
【0043】
このように、回路パターン112では、第3の領域での判定において、印刷精度が低いと判定され、回路パターン112が断線していると想定される。このため、コントローラ72では、銀ナノ粒子ペースト82の径が大きくなるように、インクジェットヘッド24による銀ナノ粒子ペースト82の吐出量が調整される。これにより、第3の領域を回路パターン112で覆うことが可能となり、印刷精度を向上させることが可能となる。
【0044】
また、例えば、
図15に示す形状の回路パターン114では、
図16に示すように、第1の矩形88の内部の領域、つまり、第1の領域のうちの銀ナノ粒子ペースト82が吐出されていない箇所の面積、つまり、第1の演算面積は、比較的大きく、第1の閾面積以上である。このため、回路パターン114の長さは、目標形状86の長さ程度であると想定される。
【0045】
また、回路パターン114は、
図17に示すように、第1の矩形88と第2の矩形90との間の領域、つまり、第2の領域にはみ出している。このため、第2の領域のうちの銀ナノ粒子ペースト82が吐出されていない箇所の面積、つまり、第2の演算面積は、第2の閾面積より小さい。これにより、回路パターン114は、目標とする箇所に印刷されておらず、印刷精度が低いと判定される。
【0046】
また、回路パターン114では、
図18に示すように、第3の矩形92の内部領域、つまり、第3の領域は、銀ナノ粒子ペースト82によって覆われており、第3の領域のうちの銀ナノ粒子ペースト82が吐出されていない箇所の面積、つまり、第3の演算面積は、0であり、第3の閾面積以下である。このため、回路パターン114は断線していないと想定される。
【0047】
このように、回路パターン114では、第2の領域での判定において、印刷精度が低いと判定され、回路パターン114が、目標とする箇所に印刷されていないと想定される。このため、コントローラ72では、ヘッド移動装置22の作動が調整され、インクジェットヘッド24による銀ナノ粒子ペースト82の吐出位置が調整される。これにより、回路パターン114を目標とする箇所に印刷することが可能となり、印刷精度を向上させることが可能となる。
【0048】
このように、印刷装置10では、印刷精度が低いと判定された領域に応じて、回路パターン80の印刷条件が自動で調整されている。これにより、作業者に負担をかけることなく、適切に印刷条件を調整し、高い印刷精度を維持することが可能となる。なお、印刷精度が低いと判定された領域に応じて、回路パターン80の印刷条件を自動で調整するための機能部として、コントローラ72は作動条件調整部(
図2参照)106を有している。
【0049】
また、印刷装置10では、上記判定が任意の時間毎に実行されている。これにより、印刷精度のチェックおよび、印刷条件の調整が定期的に行われることで、印刷品質を好適に担保することが可能となる。
【0050】
ちなみに、上記実施例において、ヘッド移動装置22とインクジェットヘッド24とによって構成されるものは、流体吐出装置の一例である。回路基板34は、印刷媒体の一例である。制御装置70は、検査装置および制御装置の一例である。撮像部100は、撮像部の一例である。演算部102は、演算部の一例である。判定部104は、判定部の一例である。作動条件調整部106は、作動条件調整部の一例である。
【0051】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例において、検査カメラ68による所定の領域の画像データは、検査カメラ68の撮像範囲が所定の領域に限定されることで、取得されるが、検査カメラ68によって得られた画像データを処理することで、所定の領域の画像データを取得することが可能である。詳しくは、検査カメラ68によって、所定の領域を含む領域を撮像し、その撮像により得られた画像データから、所定の領域の画像データを抽出することが可能である。
【0052】
また、上記実施例では、印刷媒体として、回路基板34が採用されているが、リードフレーム,樹脂製の部材,紙等の種々の媒体を採用することが可能である。また、印刷媒体に吐出される流体として、銀ナノ粒子ペースト82等の導電性インクに限られず、接着剤,クリーム半田,樹脂インク等の種々の流体を採用することが可能である。さらに、流体を吐出する装置としては、インクジェットヘッド24に限られず、ディスペンサヘッド等を採用することが可能である。
【0053】
また、上記実施例では、本発明の技術を用いて、回路基板の回路パターンの印刷精度が検査されているが、種々の印刷物の印刷精度を検査することが可能である。具体的には、例えば、導光板のドットパターンの印刷精度を検査することが可能である。