特許第6236083号(P6236083)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6236083脾臓チロシンキナーゼ(SYK)の阻害剤としての二環式ヘテロアリールシクロアルキルジアミン誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236083
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】脾臓チロシンキナーゼ(SYK)の阻害剤としての二環式ヘテロアリールシクロアルキルジアミン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20171113BHJP
   A61K 31/5025 20060101ALI20171113BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20171113BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20171113BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   C07D471/04 119
   C07D471/04CSP
   A61K31/5025
   A61P35/00
   A61P37/02
   A61P43/00 111
【請求項の数】11
【全頁数】58
(21)【出願番号】特願2015-527052(P2015-527052)
(86)(22)【出願日】2013年8月12日
(65)【公表番号】特表2015-524838(P2015-524838A)
(43)【公表日】2015年8月27日
(86)【国際出願番号】IB2013056589
(87)【国際公開番号】WO2014027300
(87)【国際公開日】20140220
【審査請求日】2016年6月15日
(31)【優先権主張番号】61/682,392
(32)【優先日】2012年8月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515115459
【氏名又は名称】ノバルティス ティーアゲズントハイト アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149010
【弁理士】
【氏名又は名称】星川 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】トーマ,ゲブハード
(72)【発明者】
【氏名】ビュールマイヤー,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン エイス,マウリス
(72)【発明者】
【氏名】スミス,アレクサンダー バクスター
【審査官】 土橋 敬介
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/014795(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/014515(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/097682(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/112666(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/053861(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 471/04
A61K 31/5025
A61P 35/00
A61P 37/02
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩
【化1】

(式中、
X1は、CR1であり、
X2は、CHであり、
Yは、CHまたはOであり、
Aは、8〜10個の環原子を有する二環式ヘテロアリールであり、前記環原子の1〜3個は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子であり、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、または炭素原子においてR2によりもしくは窒素原子においてR3により置換されていてもよく、
R1は、H、ハロ、またはC1〜4アルキルであり、
R2は、H、C1〜4アルキル、C3〜5シクロアルキル、CN、またはハロであり、
R3は、Hまたはアルキルである)。
【請求項2】
X1が、CHであり、
X2が、CHであり、
Yが、CHであり、
Aが、8〜10個の環原子を有する二環式ヘテロアリールであり、前記環原子の1〜2個が、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子であり、前記ヘテロアリールは、無置換であるかまたは炭素原子においてR2によりおよび窒素原子においてR3により置換されていてもよく、
R2が、H、C1〜4アルキル、C3〜5シクロアルキル、CN、またはハロであり、
R3が、Hまたはアルキルである、
請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項3】
X1が、CHであり、
X2が、CHであり、
Yが、CHであり、
Aが、無置換であるか、または置換インドール部分であり、前記置換基がR2であり、インドール部分の炭素原子に結合しており、この場合、
R2が、C1〜4アルキルである、
請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項4】
式(II)の化合物である請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩
【化2】

(式中、
Yは、CHまたはOであり、
R2は、H、C1〜4アルキル、またはハロである)。
【請求項5】
YがCHであり、
R2が、H、またはC1〜4アルキル、またはハロである、
請求項4に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項6】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−8−フルオロ−5−(5−フルオロ−3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−8−フルオロ−5−(キノリン−5−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(1−メチル−1H−インドール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(2−メチル−2H−インダゾール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(5−フルオロ−3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノリン−6−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(ベンゾフラン−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(ベンゾ[b]チオフェン−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(2−メチル−キノリン−5−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(1H−インドール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(1H−インダゾール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノリン−3−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(8−メチル−キノリン−5−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−[7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−ピリド[3,4−d]ピリダジン−5−イルアミノ]−1H−インドール−3−カルボニトリル、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(7−メチル−1H−インドール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノリン−5−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(2−メチル−1H−インドール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノキサリン−6−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノリン−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノリン−8−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((3R,4R)−3−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−5−(3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((3R,4R)−3−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−5−(ベンゾ[b]チオフェン−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((3R,4R)−3−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−5−(5−フルオロ−3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、および
7−((3R,4R)−3−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−5−(1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
から選択される、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項7】
治療有効量の請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、および1種または複数の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項8】
治療有効量の請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、および1種または複数の治療的に活性のある共薬剤を含む組合せ。
【請求項9】
治療有効量の請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物を含む、対象におけるSYK活性をモジュレートするための医薬組成物
【請求項10】
医薬品として使用するための、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
SYK活性により媒介されるか、もしくはそれに感受性を示す疾患または障害を処置するための医薬品製造における、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二環式ヘテロアリールシクロアルキルジアミン誘導体、その製造方法、医薬としてのその使用、およびそれを含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
脾臓チロシンキナーゼ(SYK)は、ZAP70と共に、チロシンキナーゼのSYK−ファミリーメンバーであると説明されている。これらの非受容体型細胞質チロシンキナーゼは、リンカードメインによって分離されている特徴的なデュアルSH2ドメインを共有する。
【0003】
SYKは、B−細胞内シグナルの活性化を伝播する際に、中心的な役割を果たし得るということもさらに説明されている。したがって、SYKの阻害は、自己免疫疾患の処置において有益と思われる。
【0004】
上皮悪性腫瘍におけるSYKの役割は、現在のところ、論争の的になっている。数人の著者は、異常なSYK機能が鼻咽頭の癌、ならびに頭部および頚部がんにおける形質転換を促進すると提唱している一方、その他の著者らは、乳がんおよび胃がんにおける腫瘍抑制因子の役割をしていると提唱している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の化合物は、強力なSYK阻害を一般に示し、したがって、幅広い範囲の障害の処置、例えば自己免疫系に関連する疾患および/または障害の処置に有用となる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明は式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩
【0007】
【化1】

(式中、
X1は、CR1であり、
X2は、CHであり、
Yは、CHまたはOであり、
Aは、8〜10個の環原子を有する二環式ヘテロアリールであり、前記環原子の1〜3個は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子であり、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、または(of)炭素原子においてR2によりもしくは窒素原子においてR3により置換されていてもよく、
R1は、H、ハロ(Hal)、またはC1〜4アルキルであり、
R2は、H、C1〜4アルキル、C3〜5シクロアルキル、CN、またはハロであり、
R3は、Hまたはアルキルである)
を提供する。
【0008】
別の実施形態では、本発明は、
X1がCHであり、
X2がCHであり、
YがCHであり、
Aが、8〜10個の環原子を有する二環式ヘテロアリールであり、前記環原子の1〜2個は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子であり、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、または炭素原子においてR2によりおよび窒素原子においてR3により置換されていてもよく、
R2が、H、C1〜4アルキル、C3〜5シクロアルキル、CN、またはハロであり、
R3が、H、またはアルキルである、
式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0009】
別の実施形態では、本発明は、
X1がCHであり、
X2がCHであり、
YがCHであり、
Aが、8〜10個の環原子を有する二環式ヘテロアリールであり、前記環原子の1〜2個はNであり、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、または炭素原子においてR2により置換されていてもよく、
R2が、H、C1〜4アルキル、C3〜5シクロアルキル、CN、またはハロである、
式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0010】
別の実施形態では、本発明は、
X1が、CHであり、
X2が、CHであり、
Yが、CHであり、
Aが、無置換であるか、または置換インドール部分であり、この置換基はR2であり、インドール部分の炭素原子に結合しており、この場合、
R2はC1〜4アルキルである、
式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0011】
別の実施形態では、本発明は、
X1が、CHであり、
X2が、CHであり、
Yが、CHであり、
Aが、無置換であるか、または置換7−インドリル部分であり、この置換基はR2であり、インドール部分の炭素原子に結合しており、この場合、
R2は、C1〜4アルキルである、
式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0012】
別の実施形態では、本発明は、式(II)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を提供する
【0013】
【化2】

(式中、
Yは、CHまたはOであり、
R2は、H、C1〜4アルキル、またはハロである)。
【0014】
別の実施形態では、本発明は、
YがCHであり、
R2が、H、またはC1〜4アルキル、またはハロである、
式(II)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0015】
別の実施形態では、本発明は、
YがCHであり、
R2が、H、メチル、またはフルオロである、
式(II)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0016】
別の実施形態では、本発明は、式(I)もしくは式(II)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を提供し、前記化合物は
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−8−フルオロ−5−(5−フルオロ−3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−8−フルオロ−5−(キノリン−5−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(1−メチル−1H−インドール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(2−メチル−2H−インダゾール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(5−フルオロ−3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノリン−6−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(ベンゾフラン−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(ベンゾ[b]チオフェン−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(2−メチル−キノリン−5−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(1H−インドール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(1H−インダゾール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノリン−3−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(8−メチル−キノリン−5−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−[7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−ピリド[3,4−d]ピリダジン−5−イルアミノ]−1H−インドール−3−カルボニトリル、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(7−メチル−1H−インドール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノリン−5−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(2−メチル−1H−インドール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノキサリン−6−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノリン−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノリン−8−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((3R,4R)−3−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−5−(3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((3R,4R)−3−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−5−(ベンゾ[b]チオフェン−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((3R,4R)−3−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−5−(5−フルオロ−3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、および
7−((3R,4R)−3−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−5−(1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
から選択される。
【0017】
本明細書で使用する場合、用語「アルキル」とは、最大20個の炭素原子を有する、完全に飽和している分岐または非分岐の炭化水素部分を指す。特に提示されない限り、アルキルとは、1〜16個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜7個の炭素原子、または1〜4個の炭素原子を有する炭化水素部分を指す。アルキルの代表的な例には、以下に限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどが含まれる。
【0018】
本明細書で使用する場合、用語「ハロゲン」または「ハロ」とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。
【0019】
本明細書で使用する場合、用語「シクロアルキル」とは、3〜12個の炭素原子からなる、飽和または不飽和の単環式、二環式、三環式、またはスピロ環式炭化水素基を指す。特に提示されない限り、シクロアルキルとは、3〜9個の環炭素原子、または3〜7個の環炭素原子を有する、環式炭化水素基を指す。
【0020】
置換シクロアルキルは、ヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ、オキソ、アルキルイミノ、C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−アルコキシ、C〜C−チオアルキル、C〜C−アルケニルオキシ、C〜C−アルキニルオキシ、ハロゲン、C〜C−アルキルカルボニル、カルボキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、アミノ、C〜C−アルキルアミノ、ジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルアミノカルボニル、ジ−C〜C−アルキルアミノカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルキルカルボニル(C〜C−アルキル)アミノ、スルホニル、スルファモイル、アルキルスルファモイル、C〜C−アルキルアミノスルホニルからなる群から独立して選択される、1つ、または2つ、または3つ以上の置換基により置換されているシクロアルキル(cycloylkyl)基であり、上記の炭化水素基(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ残基)の各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、またはC〜C−アルコキシ基から出現毎に独立して選択される、1つまたは複数の残基によってさらに置換されていてもよい。例示的な単環式炭化水素基には、以下に限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシルおよびシクロヘキセニルなどが含まれる。例示的な二環式炭化水素基には、ボルニル、インジル、ヘキサヒドロインジル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、2,6,6−トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチルなどが含まれる。例示的な三環式炭化水素基には、アダマンチルなどが含まれる。
【0021】
異なる定義がされていない限り、用語「ヘテロアリール」とは、1〜8個のヘテロ原子を有する、5〜14員の単環式、または二環式、または三環式芳香族環系を指す。通常、ヘテロアリールは、5〜10員の環系(例えば、5〜7員の単環、または8〜10員の二環)、または5〜7員の環系である。典型的なヘテロアリール基には、2−または3−チエニル、2−または3−フリル、2−または3−ピロリル、2−、4−または5−イミダゾリル、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、3−または5−1,2,4−トリアゾリル、4−または5−1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、2−、3−または4−ピリジル、3−または4−ピリダジニル、3−、4−または5−ピラジニル、2−ピラジニル、および2−、4−または5−ピリミジニルが含まれる。
【0022】
用語「ヘテロアリール」はまた、ヘテロ芳香族環が、1個または複数のアリール環、脂環式環、またはヘテロシクリル環に縮合している基も指し、ラジカルまたは結合点は、このヘテロ芳香族上にある。非限定例には、1−、2−、3−、5−、6−、7−、または8−インドリジニル、1−、3−、4−、5−、6−、または7−イソインドリル、2−、3−、4−、5−、6−、または7−インドリル、2−、3−、4−、5−、6−、または7−インダゾリル、2−、4−、5−、6−、7−、または8−プリニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、または9−キノリジニル、2−、3−、4−、5−、6−、7−、または8−キノリイル、1−、3−、4−、5−、6−、7−、または8−イソキノリイル、1−、4−、5−、6−、7−、または8−フタラジニル、2−、3−、4−、5−、または6−ナフチリジニル、2−、3−、5−、6−、7−、または8−キナゾリニル、3−、4−、5−、6−、7−、または8−シンノリニル、2−、4−、6−、または7−プテリジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、または8−4aHカルバゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、または8−カルブザオリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、または9−カルボリニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、9−、または10−フェナントリジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、または9−アクリジニル、1−、2−、4−、5−、6−、7−、8−、または9−ペリミジニル、2−、3−、4−、5−、6−、8−、9−、または10−フェナトロリニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、または9−フェナジニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、9−、または10−フェノチアジニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、9−、または10−フェノキサジニル、2−、3−、4−、5−、6−、または1−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−、または10−ベンゾイソキノリニル、2−、3−、4−、またはチエノ[2,3−b]フラニル、2−、3−、5−、6−、7−、8−、9−、10−、または11−7H−ピラジノ[2,3−c]カルバゾリル、2−、3−、5−、6−、または7−2H−フロ[3,2−b]−ピラニル、2−、3−、4−、5−、7−、または8−5H−ピリド[2,3−d]−o−オキサジニル、1−、3−、または5−1H−ピラゾロ[4,3−d]−オキサゾリル、2−、4−、または54H−イミダゾ[4,5−d]チアゾリル、3−、5−、または8−ピラジノ[2,3−d]ピリダジニル、2−、3−、5−、または6−イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、1−、3−、6−、7−、8−、または9−フロ[3,4−c]シンノリニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、8−、9−、10、または11−4H−ピリド[2,3−c]カルバゾリル、2−、3−、6−、または7−イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジニル、7−ベンゾ[b]チエニル、2−、4−、5−、6−、または7−ベンゾオキサゾリル、2−、4−、5−、6−、または7−ベンゾイミダゾリル、2−、4−、4−、5−、6−、または7−ベンゾチアゾリル、1−、2−、4−、5−、6−、7−、8−、または9−ベンゾオキサピニル、2−、4−、5−、6−、7−、または8−ベンゾオキサジニル、1−、2−、3−、5−、6−、7−、8−、9−、10−、または11−1H−ピロロ[1,2−b][2]ベンゾアザピニル。典型的なヘテロアリール基には、以下に限定されないが、2−、3−、4−、5−、6−、7−、または8−キノリニル、1−、3−、4−、5−、6−、7−、または8−イソキノリニル、2−、3−、4−、5−、6−、または7−インドリル、2−、3−、4−、5−、6−、または7−ベンゾ[b]チエニル、2−、4−、5−、6−、または7−ベンゾオキサゾリル、2−、4−、5−、6−、または7−ベンゾイミダゾリル、および2−、4−、5−、6−、または7−ベンゾチアゾリルが含まれる。
【0023】
本明細書で使用する場合、「異性体」という用語は、同じ分子式を有するが、原子の配列および配置が異なる、異なる化合物を指す。また、本明細書で使用する場合、「光学異性体」または「立体異性体」という用語は、本発明の所与の化合物について存在し得る様々な立体異性配置のいずれかを指し、幾何異性体を含む。置換基は、炭素原子のキラル中心で結合していてもよいことが理解される。用語「キラル」は、その鏡像パートナーに重ね合わせることができない特性を有する分子を指す一方、用語「アキラル」は、その鏡像パートナーに重ね合わせることができる分子を指す。したがって、本発明は、本化合物の鏡像異性体、ジアステレオマーまたはラセミ体を含む。「鏡像異性体」は、互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体の対である。鏡像異性体の対の1:1混合物は、「ラセミ」混合物である。この用語は、適切な場合にラセミ混合物を示すために使用される。「ジアステレオ異性体」は、少なくとも2個の不斉原子を有するが、互いに鏡像ではない立体異性体である。絶対立体化学は、Cahn−Ingold−Prelog R−S系によって特定される。化合物が純粋な鏡像異性体である場合、それぞれのキラル炭素における立体化学は、RまたはSのいずれかによって特定することができる。その絶対配置が未知の分割された化合物は、ナトリウムD線の波長で平面偏光を回転させる方向(右旋性または左旋性)に応じて、(+)または(−)と指定することができる。本明細書で記載されているある種の化合物は、1個または複数の不斉中心または軸を含有し、したがって、鏡像異性体、ジアステレオマー、および絶対立体化学の用語で、(R)−または(S)−と定義することができる他の立体異性体を生じ得る。
【0024】
出発材料および手順の選択に依存して、本化合物は、可能な異性体の1つの形態で、またはそれらの混合物として、例えば、純粋な光学異性体として、または不斉炭素原子の数に応じてラセミ体混合物およびジアステレオ異性体混合物などの異性体混合物として存在することができる。本発明は、ラセミ混合物、ジアステレオマー混合物および光学的に純粋な形態を含めて、このような可能な異性体のすべてを含むことが意味される。光学活性(R)−および(S)−異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を用いて調製することができ、または慣用技法を用いて分割することができる。化合物が二重結合を含有する場合、その置換基は、EまたはZ配置をとり得る。化合物が二置換シクロアルキルを含有する場合、このシクロアルキル置換基は、シス−またはトランス−配置を有することができる。互変異性体もすべて、含まれることが意図される。
【0025】
本明細書で使用する場合、「塩(単数)」または「塩(複数)」という用語は、本発明の化合物の酸付加塩または塩基付加塩を指す。「塩」は、特に「薬学的に許容される塩」を含む。「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物の生物学的有効性および特性を保持し、通常、生物学的にもその他の点でも望ましくないことはない塩を指す。多くの場合、本発明の化合物は、アミノ基および/もしくはカルボキシル基またはそれらに類似の基の存在により、酸性塩および/または塩基性塩を形成することができる。
【0026】
薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸、例えば、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、臭化物/臭化水素酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、カンファースルホン酸塩、塩化物/塩酸塩、クロルテオフィリン酸塩、クエン酸塩、エタンジスルホン酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、馬尿酸塩、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフトエ酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オクタデカン酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモン酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ポリガラクツロ酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、およびトリフルオロ酢酸塩により形成することができる。
【0027】
塩に誘導することができる無機酸には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが含まれる。
【0028】
塩に誘導することができる有機酸には、例えば、酢酸、プロピロン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸などが含まれる。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機および有機塩基により形成することができる。
【0029】
塩に誘導することができる無機塩基には、例えば、アンモニウム塩、および周期表の第I〜XII列からの金属が含まれる。ある種の実施形態では、塩は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛、および銅から誘導される。特に適切な塩には、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩が含まれる。
【0030】
塩に誘導することができる有機塩基には、例えば、第一級、第二級および第三級アミン、天然由来の置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などが含まれる。ある種の有機アミンには、イソプロピルアミン、ベンザチン、コリネート、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リシン、メグルミン、ピペラジンおよびトロメタアミンが含まれる。
【0031】
本発明の薬学的に許容される塩は、慣用的な化学的方法によって、塩基性または酸性部分から合成することができる。一般に、このような塩は、これらの遊離酸の形態の化合物を、化学量論的量の適切な塩基(Na、Ca、Mg、またはKの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩など)と反応させることによって、またはこれらの遊離塩基の形態の化合物を、化学量論的量の適切な酸と反応させることによって調製することができる。このような反応は、通常、水中もしくは有機溶媒中、またはこれら2つの混合物中で行われる。一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水性媒体の使用が、実用的な場合に望ましい。さらなる適切な塩のリストは、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、第20版、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、(1985年)、およびStahlおよびWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use」(Wiley-VCH、Weinheim、ドイツ、2002年)に見出すことができる。
【0032】
本明細書において与えられているいかなる式も、非標識体、および本化合物の同位体標識体を表すことも意図されている。同位体標識化合物は、1個または複数の原子が、選択された原子質量または質量数を有する原子により置き換えられていることを除き、本明細書において与えられている式により図示される構造を有する。本発明の化合物中に取り込ませることができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素の同位体(それぞれ、H、H、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Cl、125Iなど)が含まれる。本発明は、本明細書で定義されている様々な同位体標識化合物、例えば、その中にHおよび14Cなどの放射性同位体、またはHおよび13Cなどのその中に非放射性同位体が存在するものを含む。このような同位体標識化合物は、薬物または基質組織分布アッセイを含めて、代謝試験(14Cによる)、反応速度検討(例えば、HまたはHによる)、検出またはイメージング技法(ポジトロン放出断層撮影(PET)または単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)など)に、または患者の放射線処置に有用である。特に、18Fまたは標識化合物は、PETまたはSPECT検討に特に望ましいことがある。本発明の同位体標識化合物は、当業者に公知の慣用技法によって、または付随する実施例および調製において記載されているものと類似の方法によって、以前に使用された非標識試薬の代わりに適当な同位体標識試薬を用いて、一般に調製することができる。
【0033】
さらに、より重い同位体、特に重水素(すなわち、HまたはD)による置換は、より大きな代謝安定性、例えばインビボ半減期の増加または必要投与量の低減または治療指数の改善に起因する、ある種の治療上の利点をもたらすことがある。この文脈における重水素は、本発明の化合物の置換基と見なされることが理解される。こうしたより重い同位体、具体的には重水素の濃度は、同位体濃縮係数によって定義することができる。本明細書で使用する「同位体濃縮係数」という用語は、特定の同位体の存在度と天然の存在度との間の比を意味する。本発明の化合物中の置換基が重水素を示す場合、このような化合物は、各指定重水素原子について少なくとも3500(各指定重水素原子で52.5%重水素取込み)、少なくとも4000(60%重水素取込み)、少なくとも4500(67.5%重水素取込み)、少なくとも5000(75%重水素取込み)、少なくとも5500(82.5%重水素取込み)、少なくとも6000(90%重水素取込み)、少なくとも6333.3(95%重水素取込み)、少なくとも6466.7(97%重水素取込み)、少なくとも6600(99%重水素取込み)、または少なくとも6633.3(99.5%重水素取込み)の同位体濃縮係数を有する。
【0034】
本発明による薬学的に許容される溶媒和物には、結晶化の溶媒が、同位体により置換され得るもの、例えば、DO、d−アセトン、d−DMSOが含まれる。
【0035】
本発明の化合物、すなわち、水素結合のための供与体および/または受容体として作用することができる基を含有する式(I)および/または式(II)の化合物は、適切な共結晶形成剤と共結晶を形成することができることがある。これらの共結晶は、公知の共結晶形成手順によって、本発明の化合物から調製することができる。このような手順には、結晶化条件下で本発明の化合物を共結晶形成剤と、粉砕、加熱、共昇華、共融、または溶液中で接触させ、それにより形成した共結晶を単離することが含まれる。適切な共結晶形成剤には、WO2004/078163において記載されているものが含まれる。したがって、本発明はさらに、本発明の化合物を含む共結晶を提供する。
【0036】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される担体」という用語には、当業者に公知と思われる通り(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、Mack Printing Company(編)、1990年、1289〜1329頁を参照されたい)、任意およびすべての溶媒、分散媒体、コーティング剤、界面活性剤、抗酸化剤、保存剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、保存剤、薬物安定剤、結合剤、添加剤、崩壊剤、潤沢剤、甘味剤、着香剤、染料など、およびそれらの組合せが含まれる。何らかの従来的な担体が活性成分と不適合である場合を除き、治療用組成物または医薬組成物におけるその使用が企図される。
【0037】
本発明の化合物の「治療有効量」という用語は、対象の生物学的または医学的応答(例えば、酵素もしくはタンパク質活性の低下または阻害)を引き起こす、または症状を改善する、状態を軽減する、疾患の進行を遅らせるもしくは遅延させる、あるいは疾患を予防することになるなどの、本発明の化合物の量を指す。非限定的な一実施形態では、「治療有効量」という用語は、対象に投与されると、(1)(i)SYKにより媒介される、もしくは(ii)SYK活性に関連する、または(iii)SYKの活性(正常または異常)を特徴とする、状態あるいは障害あるいは疾患の少なくとも部分的な軽減、阻害、予防および/あるいは改善、あるいは(2)SYKの活性の低下または阻害、あるいは(3)SYKの発現の低減または阻害に対して有効である、本発明の化合物の量を指す。別の非限定的な実施形態では、「治療有効量」という用語は、細胞、もしくは組織、または非細胞生物材料、あるいは媒体に投与すると、SYKの活性の少なくとも部分的な低下もしくは阻害、またはSYKの発現の少なくとも部分的な低減もしくは阻害に対して有効である、本発明の化合物の量を指す。
【0038】
本明細書で使用する「対象」という用語は、動物を指すことができる。動物は、哺乳動物であってもよい。対象は、例えば霊長類(例えば、ヒト、男性または女性)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚類、鳥類なども指す。ある種の実施形態では、対象は霊長類である。さらに他の実施形態では、対象はヒトである。
【0039】
本明細書で使用する場合、「阻害する(inhibit)」、「阻害(inhibition)」または「阻害している(inhibiting)」という用語は、所与の状態、症状、または障害、もしくは疾患の低減または抑制、あるいは生物学的活性または過程のベースライン活性のかなりの低下を指す。
【0040】
本明細書で使用する場合、任意の疾患または障害を「処置する(treat)」、「処置している(treating)」、またはそれらの「処置(treatment)」という用語は、一実施形態では、疾患または障害の改善(すなわち、疾患もしくはその臨床症状の少なくとも1つの発症の減速または停止あるいは低減)を指す。別の実施形態では、「処置する」、「処置している」または「処置」は、患者によって認識できないことがあるものを含めて、少なくとも1つの物理的パラメータの軽減または改善を指す。さらに別の実施形態では、「処置する」、「処置している」または「処置」は、疾患または障害の、物理的な(例えば、認識できる症状の安定化)、生理学的な(例えば、物理的パラメータの安定化)のいずれか一方、または両方のモジュレートを指す。さらに別の実施形態では、「処置する」、「処置している」または「処置」は、疾患もしくは障害の発現または発症あるいは進行の予防あるいは遅延を指す。
【0041】
本明細書で使用する場合、対象が処置「を必要としている」は、このような対象が、こうした処置から生物学的に、医学的に、または生活の質の面で利益を得ることになる場合である。
【0042】
本明細書で使用する場合、本発明の文脈において(とりわけ、特許請求の範囲の文脈において)使用される「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」という用語および同様の用語は、本明細書で特に断りのないか、または文脈により明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方に及ぶものと解釈すべきである。
【0043】
本明細書で記載される方法のすべては、本明細書において特に断りがないか、またはそうでなければ文脈により明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で行うことができる。実施例のいずれかおよびすべての使用、または本明細書において提示されている例示的な言葉(例えば、「など(such as)」)は、単に本発明をより一層明解にするよう意図されており、特に特許請求されている本発明の範囲に限定を課すものではない。
【0044】
本発明の化合物の任意の不斉原子(例えば、炭素など)は、ラセミ体または鏡像異性体が豊富に、例えば、(R)−、(S)−または(R,S)−配置で存在することができる。ある種の実施形態では、各不斉原子は、(R)−または(S)−配置において、少なくとも50%の鏡像異性体過剰率、少なくとも60%の鏡像異性体過剰率、少なくとも70%の鏡像異性体過剰率、少なくとも80%の鏡像異性体過剰率、少なくとも90%の鏡像異性体過剰率、少なくとも95%の鏡像異性体過剰率、または少なくとも99%の鏡像異性体過剰率を有する。不飽和二重結合を有する原子における置換基は、可能な場合、シス−(Z)−体またはトランス−(E)−体で存在し得る。
【0045】
したがって、本明細書で使用する場合、本発明の化合物は、可能な異性体、回転体、アトロプ異性体、互変異性体またはそれらの混合物、例えば、実質的に純粋な幾何(シスまたはトランス)異性体、ジアステレオマー、光学異性体(対掌体)、ラセミ体またはそれらの混合物のうちの1つの形態をとることができる。
【0046】
得られた異性体の混合物のいずれも、成分の物理化学的差異に基づき、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶により、純粋なまたは実質的に純粋な幾何または光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ体に分離することができる。
【0047】
得られた最終生成物または中間体のラセミ体のいずれも、公知の方法により、例えば、光学活性な酸または塩基を用いて得られた、そのジアステレオマー塩の分離、および光学活性な酸性または塩基性化合物の遊離によって、光学対掌体に分割することができる。したがって、特に、塩基性部分は、例えば、光学活性な酸、例えば、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジ−O,O’−p−トルオイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸またはカンファー−10−スルホン酸により形成される塩の分別結晶により、本発明の化合物をそれらの光学対掌体に分割するために用いることができる。ラセミ体生成物も、キラルクロマトグラフィー、例えば、キラル吸着剤を用いて高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分割することができる。
【0048】
さらに、本発明の化合物(それらの塩を含む)はまた、それらの水和物の形態で得ることができ、またはそれらの結晶化のために用いられる他の溶媒を含むことができる。本発明の化合物は、本質的にまたは設計によって、薬学的に許容される溶媒(水を含む)との溶媒和物を形成することができる。したがって、本発明は、溶媒和形態および非溶媒和形態の両方を包含することが意図される。「溶媒和物」という用語は、本発明の化合物(薬学的に許容されるその塩を含む)と1種または複数の溶媒分子との分子複合体を指す。このような溶媒分子は、医薬技術分野で一般的に用いられており、レシピエントに無害であることが知られているもの(例えば、水、エタノールなど)である。「水和物」という用語は、溶媒分子が水である複合体を指す。
【0049】
本発明の化合物は、その塩、水和物および溶媒和物を含めて、本質的にまたは設計により多形を形成することがある。
【0050】
通常、本発明の化合物は、以下に提示されているスキームに従って調製することができる。
【0051】
合成方法
本発明の薬剤、すなわち式(I)または(II)の定義による化合物は、実験項(以下を参照されたい)の反応スキーム1〜3において明示的に示されている反応順序により、調製することができる。
【0052】
別の態様において、本発明は、本発明の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、経口投与、非経口投与、および直腸投与などの特定の投与経路向けに製剤化することができる。さらに、本発明の医薬組成物は、固体形態(非限定的に、カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤または坐剤を含む)、または液体形態(非限定的に、溶液剤、懸濁剤または乳剤を含む)で作製することができる。医薬組成物は、滅菌などの従来の医薬操作を施すことができ、かつ/または従来の不活性な賦形剤、滑沢剤、または緩衝化剤(buffering agent)、ならびにアジュバント(保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤および緩衝剤(buffer)など)を含有することができる。通常、本医薬組成物は、
a)賦形剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン、
b)滑沢剤、例えば、シリカ、タルカム、ステアリン酸、そのマグネシウム塩もしくはカルシウム塩、および/またはポリエチレングリコール、また錠剤のための、
c)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドン、所望の場合、
d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸もしくはそのナトリウム塩、または発泡混合物、ならびに/あるいは
e)吸収剤、着色剤、着香剤および甘味剤
と一緒に活性成分を含む、錠剤またはゼラチンカプセル剤である。
【0053】
錠剤は、当技術分野で公知の方法に従い、フィルムコーティングされているか、腸溶コーティングされているかのいずれであってもよい。
【0054】
経口投与のための適切な組成物には、錠剤、ロゼンジ剤、水性もしくは油性懸濁剤、分散性散剤もしくは顆粒剤、乳剤、硬質もしくは軟質カプセル剤、またはシロップ剤もしくはエリキシル剤の形態で有効量の本発明の化合物が含まれる。経口使用が意図される組成物は、医薬組成物の製造のための当技術分野で公知のいずれの方法によっても調製され、このような組成物は、薬学的に洗練された(elegant)、かつ口当たりのよい調製物を提供するよう、甘味剤、着香剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1種または複数の作用剤を含有することができる。錠剤は、錠剤の製造に適する非毒性の薬学的に許容される添加剤と混合されている活性成分を含有してもよい。これらの添加剤は、例えば、不活性賦形剤(炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなど)、造粒剤および崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプン、またはアルギン酸)、結合剤(例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア)、および滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク)である。錠剤は、コーティングされていないか、または胃腸管における崩壊および吸収を遅延させ、それによってより長期間にわたる持続作用をもたらすよう、公知技法によりコーティングされる。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延物質を用いることができる。経口使用のための製剤は、活性成分が不活性固体賦形剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合される硬質ゼラチンカプセル剤として、または活性成分が、水性もしくは油性媒体、例えば、ラッカセイ油、液体パラフィンもしくはオリーブ油と混合される軟質ゼラチンカプセル剤として提供することができる。
【0055】
ある種の注射可能な組成物は、水性等張性溶液剤または懸濁剤であり、坐剤は、有利には脂肪乳剤または懸濁剤から調製される。前記組成物は、滅菌されていてもよく、ならびに/あるいは保存剤、安定化剤、湿潤剤もしくは乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節する塩、および/または緩衝剤などのアジュバントを含有してもよい。さらに、それらは、他の治療上価値のある物質も含有してもよい。前記組成物は、それぞれ、従来の混合、造粒またはコーティング方法により調製され、約0.1〜75%の活性成分を含有するか、または約1〜50%の活性成分を含有する。
【0056】
経皮施用のための適切な組成物は、適切な担体と一緒に有効量の本発明の化合物を含む。経皮送達に適した担体は、ホストの皮膚の通過を補助するために吸収可能な薬理学的に許容される溶媒を含む。例えば、経皮用装具は、裏当て部材、場合により担体と一緒に化合物を含有するリザーバー、場合により長期間にわたって制御される所定の速度でホストの皮膚の化合物を送達するための速度制御バリヤー、および皮膚に装具を固定する手段を含む帯具の形態にある。
【0057】
例えば、皮膚および眼への局所施用のために適した組成物には、水溶液剤、懸濁液剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、または例えば、エアゾール剤による送達のための噴霧可能製剤などが含まれる。このような局所送達系は、皮膚施用、例えば皮膚がんの処置のため、例えば日焼け止めクリーム剤、ローション剤、スプレー剤などの予防的使用に特に適していよう。したがって、局所送達系は、当技術分野で周知の化粧用を含む局所用製剤に使用するのに特に適している。こうしたものは、可溶化剤、安定剤、等張性向上剤、緩衝剤および保存剤を含んでもよい。
【0058】
本明細書で使用する場合、局所施用はまた、吸入または鼻腔内施用にも関することができる。それらは、ドライパウダー吸入器から乾燥散剤(単独で、混合物(例えばラクトースとの乾燥ブレンド)として、または例えばリン脂質との混合成分粒子として)の形態で、または適切な噴射剤の使用の有無にかかわらず、加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器もしくはネブライザーからのエアゾールスプレー提供物(presentation)の形態で都合よく送達することができる。
【0059】
本発明はさらに、水がある種の化合物の分解を促進する恐れがあるので、活性成分として本発明の化合物を含む無水医薬組成物および剤形を提供する。
【0060】
本発明の無水医薬組成物および剤形は、無水または低水分含有成分、および低水分もしくは低湿度条件を用いて調製することができる。無水医薬組成物は、その無水の性質が維持されるように調製および保管されてもよい。したがって、無水組成物は、適切な製剤用キットに含ませることができるよう、水への曝露を防止することが知られている材料を用いて包装される。適切な包装の例には、以下に限定されないが、密封ホイル、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック、およびストリップパックが含まれる。
【0061】
本発明はさらに、活性成分としての本発明の化合物が分解する速度を低下させる1種または複数の作用剤を含む医薬組成物および剤形を提供する。本明細書で「安定剤」と称される、このような作用剤には、以下に限定されないが、アスコルビン酸などの抗酸化剤、pH緩衝剤、または塩緩衝剤などが含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0062】
実験項
1.実施例中で使用した分析法
実施例中で使用した液体クロマトグラフィー:
UPLC/MS: Waters、Acquity UPLC+Waters、ZQ2000MS
UV−PDA: 210〜450nM
MS範囲:100〜1200Da
カラム: Acquity HSS T3 2.1×50mm 1.8μ、60℃
移動相:A:水+0.05%ギ酸
B:アセトニトリル+0.04%ギ酸
【0063】
【表1】

2.実施例中で使用した分取HPLC
カラム: Waters、SunFire 30×100mm、C18、5μm
流速: 20ml/分
溶媒: アセトニトリル/水/0.1%TFA(グラジエント)
3.実施例中で使用したフラッシュクロマトグラフィー
カラム: Redisept 12gのシリカゲルカラム
溶媒: EtOAc/MeOH(+0.1%NH3)1:0(2分)→0:1(15分)のグラジエント
【0064】
略語:
DCM:ジクロロメタン
DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMF:ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
EtOAc:酢酸エチル
HPLC:高圧液体クロマトグラフィー
i−PrOH:イソプロパノール
MeOH:メタノール
NMP:N−メチル−2−ピロリドン(pyrrolidon)
RT:室温
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
UPLC:超高速液体クロマトグラフィー
【0065】
化合物が言及される程度に、したがって、反応スキームおよび/または実験部全体の範囲内の程度に、これらの化合物は市販されているか、またはそうではない場合、従来技術において十分に記載されており、したがって、対応する反応工程を実施するのに応じて得ることができる。
[実施例1.1]
【0066】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−8−フルオロ−5−(5−フルオロ−3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
実施例1.1は、以下に示されているスキーム1に従って合成した。
【0067】
【化3】
【0068】
工程1:窒素下、−78℃で、THF(45ml)にn−BuLiの1.6Mヘキサン溶液(31.3ml、50mmol)を加え、続いて、15分間でジイソプロピルアミン(5.06g、50mmol)を滴下して加えた。得られた溶液を−78℃で75分間撹拌した。次に、1A(3.0g、14.3mmol)のTHF(6ml)溶液を、10分間で滴下して加えた。得られた反応混合物を−78℃で1時間撹拌した後、DMF(10.0ml、129mmol)を滴下して加えた。この反応混合物を−78℃で30分間、−50℃で30分間撹拌し、最後にRTまで温めた。この反応混合物に水を加え、次いで、pHが7未満になるまで1M HCl水溶液を加えた。この溶液をEtOAcにより抽出し、合わせた有機層をブラインにより洗浄してNaSOで脱水し、ろ過して減圧下で濃縮すると、粗製2Aが黄色オイルとして得られた(4.2g、残留DMFを少量含有)。この粗製物質をさらに精製することなく次の工程に使用した。UPLC/MSにより、(M−H)236.0としてC7H2Cl2NO3であることが分かった。UPLC保持時間0.75分。
【0069】
工程2:粗製2A(4.2g)の水溶液(85ml)に、硫酸ヒドラジン(4.65g、35.7mmol)および酢酸ナトリウム三水和物(5.83g、42.9mmol)を加えた。UPLC−MSによる反応モニタリングによって、出発原料が完全に転化されたことを示すまで、得られた反応混合物を1時間加熱して還流した。この反応混合物をRTまで冷却して水により希釈し、EtOAcにより抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液により洗浄し、NaSOで脱水してろ過し、減圧下で濃縮すると3Aが黄色固体として得られた。UPLC/MSにより、(M−H)232.0としてC7H2Cl2FN3Oであることが分かった。UPLC保持時間0.73分。
【0070】
工程3:マイクロ波用バイアル中で、3A(1.29mmol、301mg)のi−PrOH(3ml)溶液に、4A(232mg、1.41mmol)およびDIPEA(249mg、1.93mmol)を加えた。このバイアルに栓をして、この反応混合物を窒素下、110℃で15時間加熱した。反応混合物をRTまで冷却した後、水に注ぎ入れ、EtOAcにより抽出した。合わせた有機層をブラインにより洗浄してNaSOで脱水してろ過し、減圧下で濃縮した。残さをDCMにより粉末にしてろ過し、真空下で乾燥すると、純粋な5Aが茶色粉末として得られた。UPLC/MSにより、(M−H)360.0としてC16H10ClF2N5Oであることが分かった。UPLC保持時間1.17分。
【0071】
工程4:マイクロ波用バイアル中で、5A(55mg、0.15mmol)のNMP(5ml)溶液に、6(49mg、0.23mmol)およびDIPEA(30mg、0.23mmol)を加えた。このバイアルに栓をして、この反応混合物を窒素下、110℃で18時間加熱した。反応混合物をRTまで冷却した後、水に注ぎ入れ、EtOAcにより抽出した。合わせた有機層をブラインにより洗浄し、NaSOで脱水してろ過し、減圧で濃縮すると粗製7Aが黒色オイルとして得られた。この粗生成物をさらに精製することなく次の工程に使用した。UPLC/MSにより、(M+H)540.1としてC27H31F2N7O3であることが分かった。UPLC保持時間1.33分。
【0072】
工程5:粗製7A(82mg、0.15mmol)のDCM(10ml)溶液に、TFA(2ml)を加え、得られた溶液をRTで5時間撹拌した。この反応混合物を減圧で濃縮し、粗生成物をMeOHに溶解してミクロポアフィルターによりろ過し、分取HPLCにより精製すると実施例1.1が黄色固体として得られた。1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.68 (s, 1H); 10.94 (s, 1H); 10.56 (s, 1H); 8.23 (s, 1H); 7.95-7.85 (bs, 2H); 7.43-7.37 (d, 1H); 7.32-7.26 (m, 1H); 7.14 (s, 1H); 7.08-7.02 (d, 2H); 3.92-3.82 (m, 1H); 3.45-3.35 (m, 1H); 2.23 (s, 3H); 1.84-1.46 (m, 4H); 1.42-1.14 (m, 4H);UPLC/MSにより、(M+H)440.1としてC22H23F2N7Oであることが分かった。UPLC保持時間0.77分。
【0073】
実施例1.2は、実施例1.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナー(parter)として、化合物4Aの代わりに5−アミノキノリンを使用したことだけであった。
【0074】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−8−フルオロ−5−(キノリン−5−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0075】
【化4】
【0076】
この化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.72 (s, 1H); 11.91 (s, 1H); 9.02-8.97 (dd, 1H); 8.60-8.54 (dd, 1H); 8.39-8.45 (dd, 1H); 8.29 (s, 1H); 7.85-7.79 (m, 2H); 7.75-7.65 (m, 3H); 7.32-7.26 (d, 1H); 4.12-4.06 (m, 1H); 3.58-3.52 (m, 1H); 1.85-1.75 (m, 2H); 1.72-1.62 (m, 2H); 1.58-1.32 (m, 4H);UPLC/MSにより、(M+H)420.1としてC22H22FN7Oであることが分かった。UPLC保持時間0.54分。
【0077】
3−メチル−5−フルオロ−7−アミノ−インドールの調製
【0078】
【化5】
【0079】
オートクレーブ中、7−ブロモ−5−フルオロ−3−メチル−インドール(2.5g)、Cu(0.77g)、CuBr(1.57g)およびNH(33%水溶液を30ml)の混合物を170℃で2時間加熱した。この混合物を水により希釈し、EtOAcにより抽出した。有機相を乾燥して溶媒を除去すると、3−メチル−5−フルオロ−7−アミノ−インドールがオイルとして得られ、これをさらに精製することなく使用した。UPLC/MSにより、(M+H)165.2として、C9H9FN2であることが分かった。
【0080】
5−フルオロ−7−アミノ−インドールの調製
【0081】
【化6】
【0082】
オートクレーブ中、7−ブロモ−5−フルオロ−インドール(1g)、Cu(0.31g)、CuBr(0.64g)およびNH(33%水溶液を30ml)の混合物を155℃で1.5時間加熱した。この混合物を水により希釈し、EtOAcにより抽出した。有機相を乾燥し、溶媒を除去すると、5−フルオロ−7−アミノ−インドールがオイルとして得られ、これをさらに精製することなく使用した。UPLC/MSにより、(M+H)151.0として、C8H7FN2であることが分かった。
[実施例2.1]
【0083】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
実施例2.1は、以下に示されているスキーム2に従って合成した。
【0084】
【化7】
【0085】
工程1:4,6−ジクロロ−1−ヒドロキシ−1H−フロ[3,4−c]ピリジン−3−オン
−78℃でTHF(100ml)にN−ブチルリチウム(46.7ml)を加え、続いてジイソプロピルアミン(16.65ml)を15分間かけて添加した。この混合物を−78℃で1時間撹拌し、次に2,6−ジクロロニコチン酸(7.12g)を10分間かけて加えた。−78℃で2時間撹拌を続け、次にDMF(23.26ml)を滴下して加え、T<−70℃を維持した。この混合物を−78℃で1時間撹拌し、30分間、−50℃に温め、RTまで温めた。2N HCl(167ml)を添加することにより、この混合物を酸性pHに到達するまで注意深くクエンチした。この混合物をEtOAcにより抽出し、有機層をブラインにより洗浄してMgSOで脱水した。溶媒を蒸発後、粗製物質をさらに精製することなく使用した。茶色固体。
UPLC/MSにより、(M−H)217.9としてC7H3Cl2Nであることが分かった。UPLC保持時間0.61分。
【0086】
工程2:5,7−ジクロロ−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
水(100ml)中で撹拌した4,6−ジクロロ−1−ヒドロキシ−1H−フロ[3,4−c]ピリジン−3−オン(9.37g)の懸濁液に、硫酸ヒドラジン(10.58ml)および酢酸ナトリウム(13.56g)を加えた。この反応混合物を加熱して還流し、2時間撹拌した。この反応混合物をRTまで冷却して水(150ml)により希釈し、EtOAcにより抽出した(2×75ml)。合わせた有機層を飽和NaCO溶液により洗浄し、NaSOで脱水した。蒸発させて乾燥すると、所望の生成物が茶色固体として得られた。
UPLC/MSにより、(M+H)214.0/215.8/216.8としてC7H3Cl2N3であることが分かった。UPLC保持時間0.62分。
【0087】
工程3:7−クロロ−5−(3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
密封可能なバイアル中で、DMSO(1ml)中の5,7−ジクロロ−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン(180mg、0.833mmol)に、DIPEA(0.189ml、1.083mmol)および3−メチル−1H−インドール−7−アミン(158mg、1.083mmol)を加えた。このバイアルを密栓し、この混合物を砂浴上、140℃で1時間、加熱した。得られた混合物を水(20ml)に注ぎ入れ、EtOAc(20ml)により抽出した。有機相を水、次にブラインにより洗浄し、NaSOで脱水して、次に、真空下で濃縮した。この残さをDCMにより粉末(triterated)にし、次に、ろ過により集めて乾燥すると、表題化合物が黄カラシ色固体として得られた。
UPLC/MSにより、(M+H)326.1としてC16H12ClN5Oであることが分かった。UPLC保持時間1.10分。
【0088】
工程4:{(1S,2R)−2−[5−(3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−ピリド[3,4−d]ピリダジン−7−イルアミノ]−シクロヘキシル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
密封可能なガラス製バイアル中で、NMP(1ml)中の7−クロロ−5−(3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン(177mg、0.543mmol)に、DIPEA(0.190ml、1.087mmol)および(1S,2R)−2−アミノシクロヘキシルカルバミン酸tert−ブチル(233mg、1.087mmol)を加えた。このバイアルを密栓し、この反応混合物を砂浴上、120℃で3日間加熱した。得られた混合物を水(20ml)に注ぎ入れ、EtOAc(20ml)により抽出した。有機相を水およびブラインにより洗浄し、NaSOで脱水して、次に、真空下で濃縮した。この残さをDCMにより粉末にし、次に、ろ過により集めて乾燥すると、粘着性固体が得られた。
【0089】
工程5(方法A):
粗製ガム状物をDCM(4ml)/MeOH(0.5ml)に溶解し、ここにジオキサン中の4N HCl(1.358ml、5.43mmol)を加えた。この反応混合物をRTで4時間撹拌した後、真空下で濃縮した。得られた残さをジエチルエーテルにより粉末にした。溶媒をデカンテーションにより除去し、残さをロータリーエバポレーターで乾燥した。得られた粗製固体残さをNMP(2ml)に溶解し、ミクロポアフィルターによりろ過して、分取HPLCにより精製した。生成物を含有しているフラクションを合わせ、scx−2カートリッジに適用しMeOH中の1N NH溶液により溶出することにより、遊離塩基を遊離させた。溶媒を除去すると、表題化合物が黄色固体として得られた。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.11 (br.s, 1H); 11.10 (s, 1H); 10.39 (s, 1H); 7.90 (s, 1H), 7.44-7.49 (m, 1H); 7.24-7.29 (d, 1H); 7.05 (br.s, 1H); 6.93-7.00 (t, 1H); 6.85-7.10 (br.s, 1H); 3.65-3.79 (m, 1H); 2.88-2.95 (m, 1H); 2.28 (s, 3H); 0.71-1.79 (m, 8H);
UPLC/MSにより、(M+H)404.2としてC21H22N6O2であることが分かった。UPLC保持時間0.76分。
【0090】
工程5(方法B):7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
20ml丸底フラスコ中で{(1S,2R)−2−[5−(3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−ピリド[3,4−d]ピリダジン−7−イルアミノ]−シクロヘキシル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(76mg、0.150mmol)をDCM(1ml)に溶解し、TFA(0.347ml、4.51mmol)を加えると、黄色溶液が得られた。反応が完了するまで(1時間)、この混合物をRTで撹拌した。この反応混合物をEtOAc(30ml)により希釈し、5%NaCO溶液(20ml)、続いて水(2×30ml)により洗浄した。水相をEtOAc(30ml)により再抽出した。合わせた有機相を乾燥し、溶媒蒸発させると黄色固体が得られた。この粗生成物をフラッシュ−クロマトグラフィーによって精製し、最後にtert.BuOHから凍結乾燥した。記載されているH−NMR、UPLC/MS、およびUPLC保持時間。
【0091】
実施例2.2〜2.20は、実施例2.1に関して記載されているものと同様の手順に従って調製した。上記の反応スキーム2において、逸脱している反応パートナーは、化合物4として上記のスキームにおいて列挙されている適切な置換アニリン化合物だけであった。
【0092】
実施例2.2は、実施例2.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。BOC脱保護は、実施例2.1、工程5について記載されている方法Aによって行った。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりに1−メチル−1H−インドール−4−イルアミンを使用したことだけであった。
【0093】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(1−メチル−1H−インドール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0094】
【化8】
【0095】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.162 (br.s, 1H); 11.90 (s, 1H); 8.30-8.36 (m, 1H); 7.92 (s, 1H); 7.33-7.36 (d, 1H); 7.09-7.23 (m, 3H); 6.57-6.59 (d, 1H); 6.05 (s, 1H); 3.92-4.15 (m, 1H); 3.81 (s, 3H); 3.18-3.23 (m, 1H); 1.32-1.81 (m, 8H);UPLC/MSにより、(M+H)404.3としてC22H25N7Oであることが分かった。UPLC保持時間0.75分。
【0096】
実施例2.3は、実施例2.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。BOC脱保護は、実施例2.1、工程5について記載されている方法Bによって行った。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりに2−メチル−2H−インダゾール−4−イルアミンを使用したことだけであった。
【0097】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(2−メチル−2H−インダゾール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0098】
【化9】
【0099】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.38 (s, 1H); 11.97 (s, 1H); 8.33 (s, 1H); 7.98-8.08 (m, 1H) ; 7.80 (br.s, 2H); 7.38 (br.s, 1H); 7.29-7.20 (m, 2H); 6.18 (s, 1H) ; 4.31 (br.s, 1H); 4.22 (s, 3H); 3.69 (br.s, 1H); 1.84-1.47 (m, 8H);UPLC/MSにより、(M+H)405.1としてC21H24N8Oであることが分かった。UPLC保持時間0.64分。
【0100】
実施例2.4は、実施例2.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。BOC脱保護は、実施例2.1、工程5について記載されている方法Bによって行った。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりに5−フルオロ−3−メチル−1H−インドール−7−イルアミンを使用したことだけであった。
【0101】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(5−フルオロ−3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0102】
【化10】
【0103】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) 12.32 (s,1H); 11.22 (s, 1H); 10.56 (s, 1H); 8.03 (s, 1H); 7.65 (br.s, 2 H); 7.51 (d, 1H); 7.25 (br.s, 1 H); 7.14 (s, 1H); 7.03 (dd, 1H); 6.12 (s, 1H); 3.97 (br.s, 2H); 3.42 (br.s, 1H); 2.2 (s, 3H); 1.74-1.33 (m, 8H);UPLC/MSにより、(M+H)422.3としてC22H24FN7Oであることが分かった。UPLC保持時間0.75分。
【0104】
実施例2.5は、実施例2.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。BOC脱保護は、実施例2.1、工程5について記載されている方法Bによって行った。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりにキノリン−6−イルアミンを使用したことだけであった。
【0105】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノリン−6−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0106】
【化11】
【0107】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.3 (br.s, 1H); 11.9 (s, 1H); 8.76 (dd, 1H); 8.56 (br.s, 1H); 8.25 (d, 1H); 8.03-7.91 (m, 3H); 7.52 (dd, 1H); 7.30 (br.s, 1H); 6.18 (s, 1H); 4.30 (br.s, 1H); 3.40 (br.s, 1H); 1.95-1.20 (m, 8H);UPLC/MSにより、(M+H)402.3としてC22H23N7Oであることが分かった。UPLC保持時間0.62分。
【0108】
実施例2.6は、実施例2.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。BOC脱保護は、実施例2.1、工程5について記載されている方法Aによって行った。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりにベンゾフラン−4−イルアミンを使用したことだけであった。
【0109】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(ベンゾフラン−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0110】
【化12】
【0111】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.23 (br.s, 1H); 11.98 (s, 1H); 8.40-8.48 (m, 1H); 8.02-8.03 (d, 1H); 7.96 (s, 1H); 7.18-7.34 (m, 3H); 6.95-6.98 (d, 1H); 6.11 (s, 1H); 3.90-4.09 (m, 1H); 3.14-3.21 (m, 1H); 1.30-1.79 (m, 8H);UPLC/MSにより、(M+H)391.2としてC21H22N6O2であることが分かった。UPLC保持時間0.76分。
【0112】
実施例2.7は、実施例2.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。BOC脱保護は、実施例2.1、工程5について記載されている方法Bによって行った。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりにベンゾ[b]チオフェン−4−イルアミンを使用したことだけであった。
【0113】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(ベンゾ[b]チオフェン−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0114】
【化13】
【0115】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.41 (s, 1H); 12.15 (s, 1H); 8.07 (s, 1H); 7.86 (d, 1H); 7.78 (br.s, 2H); 7.71 (d, 1H); 7.62 (d, 1H); 7.40 (dd, 2H); 6.18 (s, 1H); 4.30 (br.s, 1H); 3.65 (br.s, 1H); 1.91-1.46 (m, 8H);UPLC/MSにより、(M+H)407.3としてC21H22N6OSであることが分かった。UPLC保持時間0.79分。
【0116】
実施例2.8は、実施例2.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。BOC脱保護は、実施例2.1、工程5について記載されている方法Bによって行った。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりに2−メチル−キノリン−5−イルアミンを使用したことだけであった。
【0117】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(2−メチル−キノリン−5−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0118】
【化14】
【0119】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.46 (s, 1H); 12.27 (br.s, 1H); 8.75-8.58 (m, 2H); 8.10 (s, 1H); 7.89-7.67 (m, 5H); 7.42 (br.s, 1H); 6.22 (s, 1H); 4.16 (br.s, 1H); 3.54 (br.s, 1H); 2.78 (s, 3H); 1.96-1.35 (m, 8H);UPLC/MSにより、(M+H)416.1としてC23H25N7Oであることが分かった。UPLC保持時間0.50分。
【0120】
実施例2.9は、実施例2.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。BOC脱保護は、実施例2.1、工程5について記載されている方法Aによって行った。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりに1H−インドール−4−イルアミンを使用したことだけであった。
【0121】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(1H−インドール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0122】
【化15】
【0123】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.15 (br.s, 1H); 11.89 (s, 1H); 11.18 (s, 1H); 8.25-8.30 (d, 1H); 7.92 (s, 1H); 7.34-7.37 (t, 1H); 7.03-7.22 (m, 3H); 6.58-6.62 (m, 1H); 6.05 (s, 1H); 3.96-4.10 (m, 1H); 3.17-3.22 (m, 1H); 1.31-1.80 (m, 8H);UPLC/MSにより、(M+H)390.2としてC21H23N7Oであることが分かった。UPLC保持時間0.67分。
【0124】
実施例2.10は、実施例2.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。BOC脱保護は、実施例2.1、工程5に記載されている方法Aによって行った。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりに1H−インダゾール−4−イルアミンを使用したことだけであった。
【0125】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(1H−インダゾール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0126】
【化16】
【0127】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 13.20 (br.s, 1H); 12.20 (s, 1H); 8.22-8.35 (m, 1H); 8.19 (s, 1H); 7.98 (s, 1H); 7.13-7.47 (m, 3H); 6.13 (s, 1H); 3.90-4.19 (m, 1H); 3.15-3.28 (m, 1H); 1.22-1.84 (m, 8H);UPLC/MSにより、(M+H)391.1としてC20H22N8Oであることが分かった。UPLC保持時間0.59分。
【0128】
実施例2.11は、実施例2.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。BOC脱保護は、実施例2.1、工程5について記載されている方法Bによって行った。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりにキノリン−3−イルアミンを使用したことだけであった。
【0129】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノリン−3−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0130】
【化17】
【0131】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.2 (br.s, 1H); 11.9 (s, 1H); 8.96 (br.s, 2H); 8.02 (s, 2H); 7.88 (br.s, 1H); 7.68-7.58 (m, 2H); 7.30 (br.s, 1H); 6.2 (s, 1H); 4.20 (br.s, 1H); 3.40 (br.s, 1H); 1.90-1.20 (m, 8H);UPLC/MSにより、(M+H)402.1としてC22H23N7Oであることが分かった。UPLC保持時間0.67分。
【0132】
実施例2.12は、実施例2.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。BOC脱保護は、実施例2.1、工程5について記載されている方法Aによって行った。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりに1H−インドール−7−イルアミンを使用したことだけであった。
【0133】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0134】
【化18】
【0135】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.09 (br.s, 1H); 11.09 (s, 1H); 10.75 (s, 1H); 7.89 (s, 1H); 7.40-7.44 (d, 1H); 7.33-7.37 (d, 1H); 7.26-7.28 (t, 1H); 6.88-7.05 (br.s, 1H); 6.94-6.99 (t, 1H); 6.45-6.48 (m, 1H), 6.01 (s, 1H); 3.62-3.74 (m, 1H); 2.88-2.92 (m, 1H); 1.05-1.59 (m, 8H);UPLC/MSにより、(M+H)390.1としてC21H23N7Oであることが分かった。UPLC保持時間0.70分。
【0136】
実施例2.13は、実施例2.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。BOC脱保護は、実施例2.1、工程5について記載されている方法Bによって行った。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりに8−メチル−キノリン−5−イルアミンを使用したことだけであった。
【0137】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(8−メチル−キノリン−5−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0138】
【化19】
【0139】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.40 (s, 1H); 12.00 (s, 1H); 9.00 (dd, 1H); 8.56 (d, 1H); 8.36 (br.s, 1H); 8.06 (s, 1H); 7.84-7.56 (m, 4H); 7.32 (br.s, 1H); 6.16 (s, 1H); 4.07 (br.s, 1H); 3.50 (br.s, 1H); 2.72 (s, 3H); 1.84-1.55 (m, 8H);UPLC/MSにより、(M+H)416.1としてC23H25N7Oであることが分かった。UPLC保持時間0.60分。
【0140】
実施例2.14は、実施例2.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。BOC脱保護は、実施例2.1、工程5について記載されている方法Bによって行った。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりに7−アミノ−1H−インドール−3−カルボニトリルを使用したことだけであった。
【0141】
7−[7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−ピリド[3,4−d]ピリダジン−5−イルアミノ]−1H−インドール−3−カルボニトリル
【0142】
【化20】
【0143】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.28 (s, 1H); 11.96 (br.s, 1H); 10.96 (s, 1H); 8.20 (s, 1H); 8.01 (s, 1H); 7.56 (br.s, 2H); 7.49 (d, 1H); 7.40 (d, 1H); 7.24 (dd, 1H); 7.16 (br.s, 1H); 6.09 (s, 1H); 3.61 (br.s, 1H); 3.14 (br.s, 1H); 1.58-1.17 (m, 8H);UPLC/MSにより、(M+H)415.0としてC22H22N8Oであることが分かった。UPLC保持時間0.64分。
【0144】
実施例2.15は、実施例2.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。BOC脱保護は、実施例2.1、工程5について記載されている方法Aによって行った。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりに7−メチル−1H−インドール−4−イルアミンを使用したことだけであった。
【0145】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(7−メチル−1H−インドール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0146】
【化21】
【0147】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.19 (br.s, 1H); 11.81 (s, 1H); 11.19 (s, 1H); 8.15-8.19 (d, 1H); 7.92 (s, 1H); 7.34-7.37 (t, 1H); 7.12-7.23 (br.s, 1H); 6.83-6.86 (d, 1H); 6.59-6.62 (m, 1H); 6.01 (s, 1H); 3.98-4.13 (m, 1H); 3.21-3.27 (m, 1H); 2.46 (s, 3H); 1.17-1.78 (m, 8H);UPLC/MSにより、(M+H)404.1としてC22H25N7Oであることが分かった。UPLC保持時間0.68分。
【0148】
実施例2.16は、実施例2.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。BOC脱保護は、実施例2.1、工程5について記載されている方法Bによって行った。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりにキノリン−5−イルアミンを使用したことだけであった。
【0149】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノリン−5−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0150】
【化22】
【0151】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.45 (s, 1H); 12.21 (s, 1H); 9.08-8.89 (dd, 1H); 8.65 (d, 1H); 8.58 (br.s, 1H); 8.09 (s, 1H); 7.92-7.76 (m, 5H); 7.37 (br.s, 1H); 6.21 (s, 1H); 4.15 (br.s, 1H); 3.53 (br.s, 1H); 1.84-1.35 (m, 8H);UPLC/MSにより、(M+H)402.3としてC22H23N7Oであることが分かった。UPLC保持時間0.62分。
【0152】
実施例2.17は、実施例2.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。BOC脱保護は、実施例2.1、工程5について記載されている方法Aによって行った。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりに2−メチル−1H−インドール−4−イルアミンを使用したことだけであった。
【0153】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(2−メチル−1H−インドール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0154】
【化23】
【0155】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.15 (br.s, 1H); 11.75 (s, 1H); 10.99 (s, 1H) 8.17-8.26 (s, 1H); 7.09-7.22 (m, 1H); 6.94-7.00 (m, 2H); 6.29-6.32 (m, 1H); 6.05 (s, 1H); 3.97-4.13 (m, 1H); 3.19-3.24 (m, 1H); 2.45 (s, 3H); 1.22-1.79 (m, 8H);UPLC/MSにより、(M+H)404.1としてC22H25N7Oであることが分かった。UPLC保持時間0.67分。
【0156】
実施例2.18は、実施例2.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。BOC脱保護は、実施例2.1、工程5について記載されている方法Bによって行った。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりにキノキサリン−6−イルアミンを使用したことだけであった。
【0157】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノキサリン−6−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0158】
【化24】
【0159】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.35 (br.s, 1H); 8.95 (d, 2H); 8.80 (s, 1H); 8.04 (br.s, 2H); 7.85 (s, 1H); 6.20 (s, 1H); 4.24 (br.s, 1H); 3.44 (br.s, 1H); 1.95-1.20 (m, 8H);UPLC/MSにより、(M+H)403.1としてC21H22N8Oであることが分かった。UPLC保持時間0.62分。
【0160】
実施例2.19は、実施例2.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。BOC脱保護は、実施例2.1、工程5について記載されている方法Bによって行った。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりにキノリン−7−イルアミンを使用したことだけであった。
【0161】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノリン−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0162】
【化25】
【0163】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.25 (br.s, 1H); 11.88 (s, 1H); 8.83 (dd, 1H); 8.76 (d, 1H); 8.28 (d, 1H); 7.96 (s, 1H); 7.94 (s, 1H); 7.72 (dd, 1H); 7.36 (dd, 1H); 7.30-7.22 (m, 1H); 6.16 (s, 1H); 4.18 (br.s, 1H); 3.20 (br.s, 1H); 1.85-1.20 (m, 8H);UPLC/MSにより、(M+H)402.1としてC22H23N7Oであることが分かった。UPLC保持時間0.54分。
【0164】
実施例2.20は、実施例2.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。BOC脱保護は、実施例2.1、工程5について記載されている方法Bによって行った。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりにキノリン−8−イルアミンを使用したことだけであった。
【0165】
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノリン−8−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0166】
【化26】
【0167】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 13.03 (s, 1H); 12.21 (s, 1H); 9.05 (br.s, 1H); 8.95 (dd, 1H); 8.39 (dd, 1H); 8.02 (s, 1H); 7.84 (br.s, 2H); 7.68-7.51 (m, 3H); 7.35 (br.s, 1H); 6.21 (s, 1H); 4.40 (br.s, 1H); 3.74 (br.s, 1H); 1.93-1.42 (m, 8H);UPLC/MSにより、(M+H)402.3としてC22H23N7Oであることが分かった。UPLC保持時間0.74分。
[実施例3.1]
【0168】
7−((3R,4R)−3−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−5−(3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
実施例3.1は、以下に示されているスキーム3に従って合成した。
【0169】
【化27】
【0170】
実施例2.1に関して記載した工程1〜工程3
工程4:{(3R,4R)−4−[5−(3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−ピリド[3,4d]−ピリダジン−7−イルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
マイクロ波用の管で、5,7−ジクロロ−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン(100mg)のNMP(1ml)溶液に、DIPEA(0.107ml)および((3R,4R)−4−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(133mg)を加えた。この管に栓をして、砂浴上、100℃で3日間、加熱した。この反応混合物を室温まで冷却した後、EtOAc(30ml)により希釈してブライン(2×50ml)により洗浄した。水(Aqueaous)相をEtOAc(30ml)により再抽出して合わせた有機相を乾燥し、溶媒蒸発させて乾燥すると、黄色固体が残留した。精製は、フラッシュクロマトグラフィーによって行った。
【0171】
工程5:7−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−5−(3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)ピリド[4,3−d]ピリダジン−4(3H)−オン
{(3R,4R)−4−[5−(3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−ピリド[3,4−d]ピリダジン−7−イルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(76mg)のDCM溶液に、TFA(0.347ml)を加えた。この反応混合物をRTで1時間撹拌し、EtOAc(30ml)により希釈し、5%NaCO溶液(20ml)および水(2×30ml)により洗浄した。水相をEtOAc(30ml)により再抽出して合わせた有機相を乾燥し、溶媒蒸発すると黄色固体が得られた。粗生成物を分取HPLCによって精製すると、生成物が黄色固体として得られた。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): 12.12 (br.s, 1H); 10.96 (s, 1H); 10.35 (s, 1H); 7.91 (s, 1H); 7.23-7.43 (m, 2H); 6.88-7.11 (m, 3H); 6.00 (s, 1H); 3.62-3.86 (m, 2H); 3.51 (d, 1H); 3.18 (d, 1H); 3.10 (br.s, 1H); 2.62-2.76 (m, 1H); 2.28 (d, 3H); 1.54-1.70 (m, 1H); 1.49 (br.s, 1H); 1.41 (d, 1H);UPLC/MSにより、(M+H)406.2としてC21H23N7O2であることが分かった。UPLC保持時間0.67分。
【0172】
実施例3.2は、実施例3.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりにベンゾ[b]チオフェン−4−イルアミンを使用したことだけであった。
【0173】
7−((3R,4R)−3−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−5−(ベンゾ[b]チオフェン−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0174】
【化28】
【0175】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.43 (s, 1H); 12.08 (s, 1H); 8.37 (br.s, 1H); 8.08 (s, 1H); 7.94 (br.s, 2H); 7.86 (d, 1H); 7.73 (d, 1H); 7.60 (d, 1H); 7.56 (br.s, 1H); 7.43 (t,1H); 6.15 (s, 1H); 4.26 (br.s, 1H); 3.99 (dd, 1H); 3.91 (d, 1H); 3.70 (br.s, 1H); 3.68-3.57 (m, 2H); 2.03 (qd, 1H); 1.76 (d, 1H);UPLC/MSにより、(M+H)409.3としてC20H20N6O2Sであることが分かった。UPLC保持時間0.69分。
【0176】
実施例3.3は、実施例3.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりに5−フルオロ−3−メチル−1H−インドール−7−イルアミンを使用したことだけであった。
【0177】
7−((3R,4R)−3−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−5−(5−フルオロ−3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0178】
【化29】
【0179】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.34 (s, 1H); 11.08 (s, 1H); 10.58 (s, 1H); 8.04 (s, 1H); 7.82 (br.s, 3H); 7.38 (br.s, 2H); 7.15 (s, 1H); 7.08 (dd, 1H); 6.09 (s, 1H); 3.83-3.98 (m, 2H); 3.69 (d, 1H); 3.62-3.22 (m, 3H); 2.28 (s, 3H); 1.91 (dd, 1H); 1.62 (d, 1H);UPLC/MSにより、(M+H)424.2としてC21H22FN7O2であることが分かった。UPLC保持時間0.72分。
【0180】
実施例3.4は、実施例3.1について記載されているものと同様の手順に従って調製した。BOC脱保護は、実施例2.1、工程5について記載されている方法Aによって行った。上記の反応スキームにおける違いは、反応工程3における反応パートナーとして、化合物4の代わりに1H−インドール−7−イルアミンを使用したことだけであった。
【0181】
7−((3R,4R)−3−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−5−(1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
【0182】
【化30】
【0183】
化合物は、分取HPLCによって精製した後、同定した。
1H-NMR (400MHz; DMSO-d6, 25℃): 12.15 (br.s, 1H); 11.00 (s, 1H); 10.75 (s, 1H); 7.92 (s, 1H); 7.35-7.39 (d, 1H); 7.29-7.34 (d, 1H); 7.25-7.28 (t, 1H); 7.00-7.14 (br.s., 1H); 6.95-7.00 (t, 1H); 6.45-6.48 (m, 1H), 6.01 (s, 1H); 3.52-3.75 (m, 2H); 3.45-3.54 (m, 1H); 3.10-3.19 (m, 2H); 1.35-1.69 (m, 2H);UPLC/MSにより、(M+H)392.1としてC21H23N7Oであることが分かった。UPLC保持時間0.58分。
【0184】
バイオ医薬の部
遊離形態または薬学的に許容される塩の形態にある本発明の化合物は、以下の試験において記載されている、価値のある薬理学的特性を示し、したがって治療に適応される。
【0185】
SYK酵素アッセイ
本発明のいくつかの化合物は、チップをベースとするマイクロ流体移動度シフトアッセイでアッセイした。アッセイはすべて、384ウェルマイクロタイタープレートで行った。各アッセイ用プレートは、40種の試験化合物について、8点段階希釈液、および参照化合物としてスタウロスポリンの4種の8点段階希釈液、ならびに16種の高濃度対照および16種の低濃度対照を含有した。液体の取り扱いおよびインキュベート工程は、Innovadyne Nanodrop Expressを装備したThermo CatXワークステーションで行った。ピペット操作工程の間、チップは、洗浄サイクルにおいて洗浄用緩衝液を使用して清浄した。このアッセイ用プレートは、ウェルあたり90%DMSO中の化合物溶液50nlを添加することにより調製した。キナーゼ反応は、ペプチド/ATP−溶液(50mM HEPES、pH7.5、1mM DTT、0.02%Tween20、0.02%BSA、0.6%DMSO、10mMベータグリセロホスフェート、および10μMオルトバナジン酸ナトリウム、1mM MgCl、3mM MnCl、4μM ATP、4μMペプチド(5−Fluo−Ahx−GAPDYENLQELNKK−Amid)をウェルあたり4.5μl、および酵素溶液(50mM HEPES、pH7.5、1mM DTT、0.02%Tween20、0.02%BSA、0.6%DMSO、10mMベータグリセロホスフェート、および10μMオルトバナジン酸ナトリウム、1mM MgCl、3mM MnCl、4nM SYK(SYK(2−635)(昆虫細胞から自製)をウェルあたり4.5μlを段階的に加えることにより開始した。キナーゼ反応は、30℃で60分間インキュベートし、続いてウェルあたりストップ溶液(100mM HEPES、pH7.5、5%DMSO、0.1%Caliperコーティング試薬、10mM EDTA、および0.015%Brij35)16μlを添加することにより終了させた。読み取るために、キナーゼ反応を終了させたプレートをCaliper LCワークステーションに移した。リン酸化および非リン酸化ペプチドは、Caliperマイクロ流体モビリティシフト技法を使用して分離した。手短に言えば、終了させたキナーゼ反応由来の試料をチップに吸わせた。分析物を一定流速の緩衝液により、チップを介して移送し、基質ペプチドの移動を、その標識の蛍光シグナルによりモニターする。リン酸化ペプチド(生成物)および非リン酸化ペプチド(基質)を、その電荷/質量比により電場中で分離する。キナーゼ活性は、形成したホスホ−ペプチドの量から算出した。IC50値は、非線形回帰解析により、様々な化合物濃度における阻害率の値から決定した。
【0186】
化合物希釈液の調製
試験化合物を、DMSO(10mM)に溶解し、1.4mL水平底または独特な2Dマトリックスを保持しているV字形マトリックスチューブに移注した。ストック溶液は、直ちに使用しない場合、+2℃で保管した。試験手順については、バイアルを解凍してスキャナによって特定し、これにより、後の作業工程を案内する作業用シートを作成した。
【0187】
化合物希釈液は、96ウェルプレート中で作製した。このフォーマットにより、4種の参照化合物を含む、8種の濃度(単一点)において、最大40種の個々の試験化合物のアッセイが可能になった。希釈プロトコルは、「希釈前プレート」、「マスター用プレート」および「アッセイ用プレート」の作製を含んだ。
【0188】
希釈前プレート:ポリプロピレン製96ウェルプレートを希釈前プレートとして使用した。プレート位置A1〜A10の各々に10種の試験化合物、A11に1種の標準化合物、およびA12に1種のDMSO対照を含む、合計4枚の希釈前プレートを調製した。希釈ステップはすべて、HamiltonSTARロボットで行った。
【0189】
マスター用プレート:以下の濃度、すなわちDMSO90%中にそれぞれ1’810、362、72.5、54.6、14.5、2.9、0.58および0.12μMを含む、384「マスター用プレート」に、上記4枚の「希釈前プレート」の標準化合物および対照を含め、個々の化合物希釈液30μLを移注した。
【0190】
アッセイ用プレート:次に、HummingBird384−チャネル分注器により、「マスター用プレート」の化合物希釈液の各々の50nLをH384−ウェル「アッセイ用プレート」にピペット操作で加えることにより、同一「アッセイ用プレート」を調製した。これらのプレートは、9.05μLの全体積中で実施したアッセイについて直接使用した。これにより、アッセイでは、最終化合物濃度10、2.0、0.4、0.08、0.016、0.0032、0.00064および0.000128μM、ならびに最終DMSO濃度0.5%になった。
【0191】
このアッセイでは、本発明の化合物は、以下に提示されているIC50値を有していた。
【0192】
【表2】
【0193】
利用性項目
したがって、本発明の化合物は、例えばSYK阻害が役割を果たす障害または疾患、例えばBリンパ球、骨髄性細胞、好中球、肥満細胞、血小板、および/もしくは好酸球により媒介される疾患または障害、例えば、器官もしくは組織への同種または異種移植片の急性あるいは慢性拒絶、アテリオスクレローシス(atheriosclerosis)、バキュラー(vacular)損傷による血管閉塞(血管形成術、再狭窄、高血圧、心不全、慢性閉塞性肺疾患など)、CNS疾患(アルツハイマー病または筋萎縮性側索硬化症など)、がん、感染症(AIDS、敗血症ショックまたは成人型呼吸窮迫症候群など)、虚血/再灌流障害(例えば、心筋梗塞、卒中、腸管虚血、腎不全またはハーモリッジ(hermorrhage)ショック、または外傷性ショック)の予防または処置において一般に有用である。
【0194】
本発明の薬剤はまた、急性もしくは慢性炎症性疾患または障害、あるいは自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、変形性骨関節炎、全身性エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、糖尿病(I型およびII型)、およびそれらに伴う障害、自己免疫疾患および炎症性疾患(脈管炎)の血管性症状発現、呼吸器疾患(喘息または炎症性肝臓障害など)、炎症性糸球体損傷、免疫学的媒介性障害または疾病の皮膚性症状発現、炎症性および過増殖性皮膚疾患(乾癬、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、刺激性接触皮膚炎、およびさらなる湿疹性皮膚炎、脂漏症皮膚炎など)、炎症性眼疾患(例えば、シェーグレン症候群、角結膜炎、またはブドウ膜炎)、炎症性腸疾患、クローン病または潰瘍性大腸炎、免疫性および/または特発性血小板減少症、アレルギー、創傷治癒、移植片対宿主病の処置および/あるいは予防にも有用である。
【0195】
本発明の化合物はまた、腫瘍、例えば脳および他の中枢神経系腫瘍(例えば、髄膜、脳、脊髄、脳神経、および中枢神経系の他の部分の腫瘍、例えば、神経膠芽腫または髄芽細胞腫);頭部および/または頚部がん;乳房腫瘍;循環系腫瘍(例えば、心臓、縦隔、および胸膜、ならびに他の胸腔内器官、血管の腫瘍、ならびに腫瘍関連性維管束組織);排出系腫瘍(例えば、腎臓、腎盂、尿管、膀胱、他のおよび非特定泌尿器官);消化管腫瘍(例えば、食道、胃、小腸、結腸、結腸直腸、直腸S状結腸移行部、直腸、肛門、および肛門管)、肝臓および肝臓内胆管、胆嚢、他のおよび非特定の胆管部、膵臓、他のおよび消化器官に関わる腫瘍);頭部および頚部;口腔(唇、舌、歯肉、口腔底、口蓋、および口の他の部分、耳下腺、ならびに唾液腺の他の部分、扁桃腺、中咽頭、鼻咽腔、梨子状窩、下咽頭、および唇における他の部位、口腔、ならびに咽頭);生殖器系腫瘍(例えば、外陰部、膣、子宮頚、子宮体、子宮、卵巣、および女性生殖器官に関連する他の部位、胎盤、陰茎、前立腺、睾丸、および男性生殖器官に関連する他の部位);呼吸器官の腫瘍(例えば、鼻腔および中耳、副鼻腔、喉頭、気管、気管支、および肺(例えば、小細胞肺がん、または非小細胞肺がん));骨格系腫瘍(例えば、四肢の骨および関節軟骨、骨関節軟骨、および他の部位);皮膚腫瘍(例えば、皮膚の悪性黒色腫、非黒色腫皮膚がん、皮膚の基底細胞癌、皮膚の扁平上皮癌、中皮腫、カポジ肉腫);ならびに末梢神経および自律神経系、結合組織および軟部組織、腹膜後腔および腹膜、眼および付属器、甲状腺、副腎および他の内分泌腺、ならびに関連構造体を含む他の組織に関わる腫瘍、リンパ節の続発性および非特定悪性新生物、呼吸器系および消化系の続発性悪性新生物、他の部位の続発性悪性新生物、血液およびリンパ系の腫瘍(例えば、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、AIDS関連性リンパ腫、悪性免疫増殖性疾患、多発性骨髄腫および悪性形質細胞腫、リンパ性白血病、急性または慢性骨髄性白血病、急性または慢性リンパ球性白血病、単球性白血病、特定の細胞タイプの他の白血病(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、非特定細胞タイプの白血病、他のおよび非特定のリンパ球の悪性新生物、造血性組織および関連組織(例えば、びまん性大細胞型リンパ腫、T細胞リンパ腫、または皮膚T細胞リンパ腫)の予防または処置にも有用である。骨髄性がんには、例えば急性または慢性骨髄性白血病が含まれる。
【0196】
上記、およびこれらの結果、腫瘍、腫瘍疾患、癌、またはがんについて言及されている場合、その腫瘍および/または転移の位置がどのようであろうとも、元々の器官もしくは組織、および/または他の任意の位置における転移もやはり、代替的にまたは追加的に暗示している。
【0197】
投与量、投与:
上記の用途については、当然ながら、必要投与量は、投与形式、処置すべき具体的な状態、および所望の効果に応じて変わることになろう。一般に、体重あたり約0.02〜25mg/kgの1日投与量で、満足な結果が全身的に得られることが示されている。より大きな哺乳動物(例えば、ヒト)において示される1日投与量は、通常、約0.2mg〜約2gの範囲で、例えば最大で1日4回までの分割用量で、または遅延形態で都合よく投与することができる。経口投与に適した単位剤形は、通常、約0.1〜500mgの活性成分を含むことができる。
【0198】
本発明の化合物は、任意の従来の経路により、特に非経口的に、例えば注射可能な溶液剤や懸濁剤の形態で、経腸的に、例えば経口的に、例えば錠剤やカプセル剤の形態で、局所的に、例えばローション剤、ゲル剤、軟膏剤もしくはクリーム剤の形態で、または経鼻、あるいは坐剤の形態で投与することができる。局所投与は、例えば、皮膚に対するものとすることができる。局所投与のさらなる形態は、眼に対するものとすることができる。少なくとも1種の薬学的に許容される担体または賦形剤と一緒に本発明の化合物を含む医薬組成物は、薬学的に許容される担体または賦形剤と混合することによる、従来の方法で製造することができる。
【0199】
本発明の化合物は、遊離形態、または例えば上で示されているような薬学的に許容される塩の形態で投与することができる。こうした塩は、従来の方法で調製することができ、また遊離化合物と同じ程度の活性を通常、示し得る。
【0200】
組合せ:
本発明の化合物は、活性成分を単独として、または腫瘍性疾患、炎症性障害に対して、もしくは免疫調節レジメンにおいて有用な他の薬物と一緒に投与してもよい。例えば、本発明の化合物は、上で記載した様々な疾患に有効な活性のある薬剤と、例えば、シクロスポリン、ラパマイシン、またはアスコマイシン、あるいはそれらの免疫抑制性アナログもしくは誘導体、例えばシクロスポリンA、シクロスポリンG、Isa tx247、FK−506、シロリムスまたはエベロリムス;コルチコステロイド、例えばプレドニゾン;シクロホスファミド;アザチオプリン;メトトレキサート;金塩、スルファサラジン、抗マラリア薬;レフルノミド;ミゾリビン;ミコフェノール酸;ミコフェノール酸モフェチル;15−デオキシスペルグアリン;促進性リンパ球ホーミング活性を有するEDG受容体アゴニスト、例えば、FTY720またはそのアナログ、免疫抑制モノクローナル抗体、例えば白血球受容体へのモノクローナル抗体、例えばMHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD25、CD28、CD40、CD45、CD58、CD80、CD86、CD152、CD137、CD154、ICOS、LFA−1、VLA−4、またはそれらのリガンド;あるいは他の免疫調節化合物、例えばCTLA4Igとを組み合わせて使用してもよい。
【0201】
本発明の化合物はまた、他の抗増殖剤と組み合わせて利点をもたらすよう使用することもできる。こうした抗増殖剤には、以下に限定されないが、アロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、微小管活性剤、アルキル化剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、COX−2阻害剤、MMP阻害剤、mTOR阻害剤、抗腫瘍性代謝拮抗物質、白金化合物、タンパク質キナーゼ活性を低下させる化合物およびさらなる抗血管新生化合物、ゴナドレリンアゴニスト、抗アンドロゲン、ベンガミド、ビスホスホネート、抗増殖抗体、およびテモゾロミド(TEMODAL(登録商標))が含まれる。
【0202】
本明細書で使用する「アロマターゼ阻害剤」という用語は、エストロゲン産生、すなわち、それぞれ基質アンドロステネジオンおよびテストステロンのエストロンおよびエストラジオールへの変換を阻害する化合物に関する。この用語には、以下に限定されないが、ステロイド、とりわけエキセメスタンおよびフォルメスタン、特に、非ステロイド、とりわけアミノグルテチミド、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾール、なかでもとりわけレトロゾールが含まれる。アロマターゼ阻害剤である抗腫瘍剤を含む本発明の組合せは、ホルモン受容体陽性乳房腫瘍の処置に特に有用となり得る。
【0203】
本明細書で使用する「抗エストロゲン」という用語は、エストロゲンの作用をエストロゲン受容体レベルで拮抗させる化合物に関する。この用語には、以下に限定されないが、タモキシフェン、フルベストラント、ラロキシフェンおよびラロキシフェン塩酸塩が含まれる。
【0204】
本明細書で使用する場合、「トポイソメラーゼI阻害剤」という用語には、以下に限定されないが、トポテカン、イリノテカン、9−ニトロカンプトテシン、およびその巨大分子カンプトテシンコンジュゲートPNU−166148(WO99/17804中の化合物A1)が含まれる。
【0205】
本明細書で使用する場合、「トポイソメラーゼII阻害剤」という用語には、以下に限定されないが、アントラサイクリン系のドキソルビシン(リポソマール製剤、例えばCAELYX(商標)を含む)、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン、アントラキノン系のミトキサントロンおよびロソキサントロン、ならびにポドフィロトキシン系のエトポシドおよびテニポシドが含まれる。
【0206】
用語「微小管活性剤」は、以下に限定されないが、タキサン系のパクリタキセルおよびドセタキセル、ビンカアルカロイド系、例えば、ビンブラスチン、とりわけ硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチン、とりわけ硫酸ビンクリスチン、およびビノレルビン、ディスコデルモライド、およびエポチロン(エポチロンBおよびDなど)を含む、微小管安定化剤ならびに微小管不安定化剤に関する。
【0207】
本明細書で使用する「アルキル化剤」という用語には、以下に限定されないが、シクロホスファミド、イホスファミド、およびメルファランが含まれる。
【0208】
用語「ヒストンデアセチラーゼ阻害剤」とは、ヒストンデアセチラーゼを阻害して抗増殖活性を有する化合物に関する。
【0209】
用語「ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤」は、ファルネシルトランスフェラーゼを阻害して抗増殖活性を有する化合物に関する。
【0210】
用語「COX−2阻害剤」は、2型シクロオキシゲナーゼ酵素(COX−2)を阻害して抗増殖活性を有する化合物(セレコキシブ(Celebrex(登録商標))、ロフェコキシブ(Vioxx(登録商標))、およびルミラコキシブ(COX189)など)に関する。
【0211】
用語「MMP阻害剤」は、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)を阻害して抗増殖活性を有する化合物に関する。
【0212】
用語「抗腫瘍性代謝拮抗物質」には、以下に限定されないが、5−フルオロウラシル、テガフル、カペシタビン、クラドリビン、シタラビン、リン酸フルダラビン、フルオロウリジン、ゲムシタビン、6−メルカプトプリン、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート、エダトレキセート、およびこうした化合物の塩、ならびにさらにはZD1694(RALTITREXED(商標))、LY231514(ALIMTA(商標))、LY264618(LOMOTREXOL(商標))、およびOGT719が含まれる。
【0213】
本明細書で使用する「白金化合物」という用語には、以下に限定されないが、カルボプラチン、シス−プラチン、およびオキサリプラチンが含まれる。
【0214】
「タンパク質キナーゼ活性を低下させる化合物およびさらに抗血管新生化合物」という用語には、本明細書で使用する場合、以下に限定されないが、例えば血管内皮細胞成長因子(VEGF)、上皮成長因子(EGF)、c−Src、タンパク質キナーゼC、血小板由来成長因子(PDGF)、Bcr−Ablチロシンキナーゼ、c−kit、Flt−3、およびインスリン様成長因子I受容体(IGF−IR)、およびサイクリン依存性キナーゼ(CDK)の活性を低下させる化合物、ならびにタンパク質キナーゼ活性を低下させる以外の別の作用機序を有する抗血管新生化合物が含まれる。
【0215】
本明細書で使用する「ゴナドレリンアゴニスト」という用語には、以下に限定されないが、アバレリックス、ゴセレリン、および酢酸ゴセレリンが含まれる。ゴセレリンは、US4,100,274において開示されている。
【0216】
本明細書で使用する「抗アンドロゲン」という用語には、以下に限定されないが、ビカルタミド(CASODEX(商標))が含まれ、これは、例えば、US4,636,505において開示されている通り、製剤化することができる。
【0217】
用語「ベンガミド」は、抗増殖特性を有する、ベンガミド、およびその誘導体に関する。
【0218】
本明細書で使用する「ビスホスホネート」という用語には、以下に限定されないが、エトリドン酸、クロドロン酸、チルドロン酸、パミドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸、およびゾレドロン酸が含まれる。
【0219】
本明細書で使用する「抗増殖抗体」という用語には、以下に限定されないが、トラスツズマブ(Herceptin(商標))、トラスツズマブ−DM1、エルロチニブ(Tarceva(商標))、ベバシズマブ(Avastin(商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、PRO64553(抗CD40)、および2C4抗体が含まれる。
【0220】
上記にしたがい、本発明は以下を提供する:
【0221】
(1) とりわけ医薬として使用するための、式(I)もしくは式(II)の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0222】
(2) SYK阻害剤として使用するため、例えば、本明細書の上記に記載されている特定の症例のいずれかにおいて使用するための、式(I)もしくは式(II)の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0223】
(3) 例えば、本明細書の上記の症例のいずれかにおいて使用するための、1種または複数の薬学的に許容される、そのための賦形剤または担体と一緒に、式(I)もしくは式(II)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む、医薬組成物。
【0224】
(4) それを必要とする対象において、本明細書の上記の特定の症例のいずれかの処置方法であって、有効量の式(I)もしくは式(II)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、方法。
【0225】
(5) 例えば、上で議論した通り、SYKチロシンキナーゼ活性が役割を果たすかまたは関与する疾患もしくは状態を処置または予防するための医薬製造における、式(I)もしくは式(II)の化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用。
【0226】
(6) 式(I)もしくは式(II)の化合物、または薬学的に許容されるその塩と、少なくとも第2の薬物を含む組合せであって、前記第2の薬物が、本明細書の上記の抗腫瘍剤、抗炎症剤、免疫調節剤、および抗増殖剤から選択することができる、組合せ。
本願は以下の発明に関するものである。
(1) 式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩
【化1】

(式中、
X1は、CR1であり、
X2は、CHであり、
Yは、CHまたはOであり、
Aは、8〜10個の環原子を有する二環式ヘテロアリールであり、前記環原子の1〜3個は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子であり、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、または炭素原子においてR2によりもしくは窒素原子においてR3により置換されていてもよく、
R1は、H、ハロ、またはC1〜4アルキルであり、
R2は、H、C1〜4アルキル、C3〜5シクロアルキル、CN、またはハロであり、
R3は、Hまたはアルキルである)。
(2) X1が、CHであり、
X2が、CHであり、
Yが、CHであり、
Aが、8〜10個の環原子を有する二環式ヘテロアリールであり、前記環原子の1〜2個が、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子であり、前記ヘテロアリールは、無置換であるかまたは炭素原子においてR2によりおよび窒素原子においてR3により置換されていてもよく、
R2が、H、C1〜4アルキル、C3〜5シクロアルキル、CN、またはハロであり、
R3が、Hまたはアルキルである、
前記(1)に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(3) X1が、CHであり、
X2が、CHであり、
Yが、CHであり、
Aが、無置換であるか、または置換インドール部分であり、前記置換基がR2であり、インドール部分の炭素原子に結合しており、この場合、
R2が、C1〜4アルキルである、
前記(1)に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(4) 式(II)の化合物である前記(1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩
【化2】

(式中、
Yは、CHまたはOであり、
R2は、H、C1〜4アルキル、またはハロである)。
(5) YがCHであり、
R2が、H、またはC1〜4アルキル、またはハロである、
前記(4)に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(6) 7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−8−フルオロ−5−(5−フルオロ−3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−8−フルオロ−5−(キノリン−5−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(1−メチル−1H−インドール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(2−メチル−2H−インダゾール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(5−フルオロ−3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノリン−6−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(ベンゾフラン−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(ベンゾ[b]チオフェン−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(2−メチル−キノリン−5−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(1H−インドール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(1H−インダゾール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノリン−3−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(8−メチル−キノリン−5−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−[7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−ピリド[3,4−d]ピリダジン−5−イルアミノ]−1H−インドール−3−カルボニトリル、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(7−メチル−1H−インドール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノリン−5−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(2−メチル−1H−インドール−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノキサリン−6−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノリン−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((1R,2S)−2−アミノ−シクロヘキシルアミノ)−5−(キノリン−8−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((3R,4R)−3−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−5−(3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((3R,4R)−3−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−5−(ベンゾ[b]チオフェン−4−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、
7−((3R,4R)−3−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−5−(5−フルオロ−3−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン、および
7−((3R,4R)−3−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−5−(1H−インドール−7−イルアミノ)−3H−ピリド[3,4−d]ピリダジン−4−オン
から選択される、前記(1)に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(7) 治療有効量の前記(1)から(6)のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、および1種または複数の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
(8) 治療有効量の前記(1)から(6)のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、および1種または複数の治療的に活性のある共薬剤を含む組合せ。
(9) 治療有効量の前記(1)から(6)のいずれか一項に記載の化合物を対象に投与するステップを含む、対象におけるSYK活性をモジュレートする方法。
(10) 医薬品として使用するための、前記(1)から(6)のいずれか一項に記載の化合物。
(11) SYK活性により媒介されるか、もしくはそれに感受性を示す疾患または障害を処置するための医薬品製造における、前記(1)から(6)のいずれか一項に記載の化合物の使用。