(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236085
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】内燃機関の為の過給装置
(51)【国際特許分類】
F02B 33/34 20060101AFI20171113BHJP
F02B 39/04 20060101ALI20171113BHJP
F01N 5/02 20060101ALI20171113BHJP
F02G 5/02 20060101ALI20171113BHJP
F01K 23/06 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
F02B33/34
F02B39/04
F01N5/02 B
F01N5/02 J
F02G5/02 B
F01K23/06 P
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-534909(P2015-534909)
(86)(22)【出願日】2013年10月7日
(65)【公表番号】特表2015-533985(P2015-533985A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(86)【国際出願番号】DE2013000579
(87)【国際公開番号】WO2014056477
(87)【国際公開日】20140417
【審査請求日】2016年6月2日
(31)【優先権主張番号】102012019967.8
(32)【優先日】2012年10月8日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】594006954
【氏名又は名称】イー・アー・フアウ・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・インゲニオールゲゼルシヤフト・アウト・ウント・フエルケール
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】アンブロジウス・フォルカー
(72)【発明者】
【氏名】ディンゲル・オーリヴァー
(72)【発明者】
【氏名】ノイキルヒナー・ハイコ
(72)【発明者】
【氏名】ゼンパー・トルステン
【審査官】
川口 真一
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−501785(JP,A)
【文献】
特表2010−534298(JP,A)
【文献】
特開昭63−109235(JP,A)
【文献】
特開2001−323818(JP,A)
【文献】
特開2005−127261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 33/34
F02B 39/04
F01K 23/06
F01N 5/02
F02G 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関(3)の為の過給装置(1)であって、吸入した燃焼空気の圧縮の為の、内燃機関(3)のインテークセクション(2)内に配置された少なくとも一つのコンプレッサー部材(4)を有し、このコンプレッサー部材が、切り替え可能な機械的なカップリング(6)を介して内燃機関(3)と接続可能であり、循環する作動媒体の循環システム(9)内に配置された、少なくとも一つの膨張部材(7)を有し、その際、内燃機関(3)の排熱の利用のもと、膨張部材(7)の駆動を行う為に、更に、少なくとも一つの排ガス熱交換器(13)と一つの循環ポンプ(14)が循環システム(9)内に存在しており、コンプレッサー部材(4)の駆動の為の、膨張部材(7)と接続された一つの電気的な機械(8)を有し、その際、電気的な機械(8)がコンプレッサー部材(4)と間接的に、または直接的に接続されており、エネルギー回収の場合に電気的なエネルギーを蓄積し、または電気的な機械(8)の駆動の為に電気的なエネルギーを供給するために、電気的な機械(8)とバッテリー(12)の間の電気的な作用接続(10)を有することを特徴とする過給装置(1)。
【請求項2】
電気的な機械(8)が切り替え可能なクラッチ(5)を介して、コンプレッサー部材(4)と接続可能であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関(3)の為の過給装置。
【請求項3】
内燃機関(3)が、切り替え可能な機械的なカップリング(6)を介してコンプレッサー部材(4)または電気的な機械(8)またはコンプレッサー部材(4)および電気的な部材(8)と接続可能であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関(3)の為の過給装置(1)。
【請求項4】
電気的な機械(8)が、別の電気的な機械(11)を介してコンプレッサー部材(4)と接続されており、その際、別の電気的な機械(11)が、一方で電気的な作用接続(10)を介して電気的な機械(8)と接続されており、および他方でコンプレッサー部材(4)と間接的または直接的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関(3)の為の過給装置(1)。
【請求項5】
別の電気的な機械(11)が切り替え可能なクラッチ(5)を介してコンプレッサー部材(4)と接続可能であることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関(3)の為の過給装置(1)。
【請求項6】
内燃機関(3)が、切り替え可能な機械的なカップリング(6)を介してコンプレッサー部材(4)または別の電気的な機械(11)またはコンプレッサー部材(4)および別の電気的な機械(11)と接続可能であることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関(3)の為の過給装置(1)。
【請求項7】
別の電気的な機械(11)の駆動の為に使用される電気的なエネルギーが、ジェネレーターとして作動させられ、そして膨張部材(7)によって駆動される電気的な機械(8)と、別の電気的な機械(11)の間で伝達されることが可能であるよう、電気的な作用接続(10)が形成されていることを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の内燃機関(3)の為の過給装置(1)。
【請求項8】
別の電気的な機械(11)駆動の為に使用される電気的なエネルギーが、バッテリー(12)と別の電気的な機械(11)の間で伝達されることが可能であるよう、電気的な作用接続(10)が形成されていることを特徴とする請求項4から7のいずれか一項に記載の内燃機関(3)の為の過給装置(1)。
【請求項9】
ジェネレーターとして作動させられ、そして膨張部材(7)によって駆動される電気的な機械(8)によって、及び/又は、ジェネレーターとして作動させられ、そして内燃機関(3)によって駆動される別の電気的な機械(11)によって発生させられる電気的なエネルギーが伝達され、そしてバッテリー(12)内に蓄積されることが可能であるよう、電気的な作用接続(10)が形成されていることを特徴とする請求項4から8のいずれか一項に記載の内燃機関(3)の為の過給装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野。本発明は内燃機関の為の過給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術。内燃機関の出力向上又は効率改善の為に、内燃機関に起因する出力損失、特に内燃機関によって提供される排熱を利用する為に、過給装置が公知である。このため、過給装置は、排ガスまたは冷却媒体を介して提供される排熱によって駆動される。更に、過給装置の駆動部が、内燃機関の冷却媒体サーキット内に直接、または内燃機関の排気トレイン(独語:Abgasstrang)中に直接存在している装置が公知である。過給装置の駆動の為の他のコンセプトは、冷却媒体内、または排ガス内に含まれる熱を連れ去り、そして過給装置の駆動の為のサイクル中で使用するために熱交換器を使用する。
【0003】
特許文献1から、内燃機関の為の左回りの熱力学的サイクルを有する冷却装置が公知である。この装置においては、内燃機関は、過給装置を設けられており、そして過給装置は切り替え可能な機械的なカップリングを介して内燃機関並びに電気的な機械および冷却媒体コンプレッサーと、サイクルの上記サイクル中で接続可能である。当該装置によって、蒸発器内の冷媒の蒸発によってより多くの熱が、内燃機関の冷却サイクルから冷媒サイクルへと伝達されるべきであり、その際、冷却媒体コンプレッサーは、過給装置を介して内燃機関の排熱を利用しつつ駆動可能、または独立した電気的な機械を介して駆動可能である。
【0004】
しかし記載された装置の使用のもと、内燃機関の冷却サイクルから蒸発サイクルへと伝達される熱を、内燃機関の駆動、特に過給装置の駆動の為に使用することは可能でない。というのは、エクスパンダー(または膨張器、独語:Expander)が蒸発サイクル中に設けられていないからである。
【0005】
特許文献2から、内燃機関を過給するための過給装置が公知である。内燃機関の排気セクション内には、循環する作動媒体の閉じられた循環システムの排ガス熱交換器が収納されている。循環システム内には、過給装置のタービン部材が設けられている。この部材は、少なくとも一つの排ガス熱交換機によって供給される過加熱された作動媒体によって付勢される。タービン部材を介して、過加熱された作動媒体が膨張し、そして内燃機関のインテークセクション内に配置されたコンプレッサー部材を駆動する。過給装置のタービン部材は、カップリングを介して間接的にまたは直接的に電気的な機械と接続されている。電気的な機械は、ジェネレーターとして作動させられることが可能である。電気的な機械の駆動によって、燃焼機関のインテークセクション内の過給圧が調整されることが可能である。電気的な機械のジェネレーターモードでは、コンプレッサー部材はもっぱらタービン部材のみによって駆動される。更に、タービン部材はコンプレッサー部材とカップリングを介して接続されており、その際、カップリングはクラッチを含むことが可能である点、記載される。自動車のハーネス(独語:Bordnetz)は、タービン部材及びこれと間接又は直接に連結された電気的な機械を介して供給される。
【0006】
公知の装置を使用のもとでは、例えばブレーキングや車両の惰性運行など、内燃機関の曳航運転(独語:Schleppbetrieb)の間にエネルギーを回収することは不可能である。更に、内燃機械の過給は、例えばバッテリーが、低い充填状態であり、そして少ない排熱のみが使用可能であり、よってタービン部材において駆動出力が循環システムを介して使用可能でない、または少なく駆動出力のみが使用可能であるといった所定の条件のもと不可能である。バッテリーの低い充填状態と、蒸発サイクルからの低い出力は、自動車が主として低い速度で走行され、そしてその間に、繰り返し短時間的に、内燃機関の全出力が例えば追越しのために必要とされると生じる。特に、高い過給度合を有する小さな内燃機関においては、自動車の適当な走行快適性を保証するために、過給圧の遅れの無い構築が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許第10 2007 026 869 B4号明細書
【特許文献2】欧州特許第 2 100 022 B1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
発明の課題。本発明の課題は、内燃機関の為の有利な過給装置を提供することである。この過給装置によって、内燃機関の曳航運転の間のエネルギー回収と、低いバッテリー充填状態かつ循環システムからの低い駆動出力における内燃機関の過給が可能とされる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
課題の解決。この課題は、請求項1に記載の特徴を有する装置によって解決される。有利な発展形は、下位の請求項および実施例から生じる。
【0010】
本発明の説明。本発明は、内燃機関の為の有利な、発明に係る過給装置を提供する。この過給装置によって、内燃機関の曳航運転の間のエネルギー回収と、低いバッテリー充填状態および循環システムからの低い駆動出力における内燃機関の過給が可能とされる。
【0011】
内燃機関の過給装置は、少なくとも吸入された燃焼空気の圧縮の為の一つのコンプレッサー部材を有している。このコンプレッサー部材は、内燃機関のインテークセクション内に配置されている。
【0012】
更に、過給装置は、膨張部材を有している。膨張部材は、コンプレッサー部材の駆動の為、循環する作動媒体を有する循環システム内に配置されている。膨張部材と、コンプレッサー部材を駆動するための電気的な機械が接続されている。これは、原動機として又はジェネレーターとして作動させられることが可能であり、そしてコンプレッサー部材と間接又は直接に接続可能である。従って、膨張部材は電気的な機械を介してコンプレッサー部材と間接又は直接に接続されているので、膨張部材によって提供された駆動出力はコンプレッサー部材へと伝達されることが可能である。
【0013】
過給装置のコンプレッサー部材または膨張部材は、流体機械(独語:Stroemungsmaschine)またはピストン機械として形成されていることが可能である。
【0014】
循環システム内の膨張部材および、これと接続される電気エネルギー発生の為の電気的な機械の駆動は、ここでもまた、内燃機関の排熱の利用のもと実現される。膨張部材の駆動は、循環する作動媒体の膨張によって行われる。この作動媒体は、その前に、内燃機関の排気セクション内に配置された排ガス熱交換器によって加熱されたものである。更に、循環システム内には、循環ポンプ又はフィードポンプが設けられている。
【0015】
エネルギー回収の場合に電気的なエネルギーを蓄積し、または電気的なエネルギーを電気的な機械の駆動の為に提供するために、電気的な機械は、電気的な作用接続を介してバッテリーと接続されている。
【0016】
過給装置は、発明に従い有利には、追加的に内燃機関と機械的に接続可能である。このため、過給装置は機械的なカップリングを設けられている。このカップリングによって、過給装置は、内燃機関と切り替え可能に接続されることが可能である。カップリングは、少なくともコンプレッサー部材が内燃機関と連結されることが可能であるように配置されている。
【0017】
膨張部材からコンプレッサー部材への駆動出力の伝達は、一つの共通な軸を介して直接、または切替え可能なクラッチを介して間接、及び/又は、回転数変換のためのギアを介して行われる。その際、電気的な機械は、膨張部材とコンプレッサー部材の間の出力フロー中のあらゆる任意の箇所に存在することが可能である。電気的な機械がコンプレッサー部材と機械的に接続されると、内燃機関の電気的な機械とのカップリング(連結)も、コンプレッサー部材を介して行われることができる。
【0018】
代替として、機械的なカップリングが、コンプレッサー部材と電気的な機械の間で過給装置と接続されているとき、内燃機関が、切り替え可能な機械式のカップリングを介してコンプレッサー部材または電気的な機械またはコンプレッサー部材と電気的な機械と接続されることが可能である。
【0019】
膨張部材の電気的な機械からコンプレッサー部材への駆動出力の伝達は、発明に係る有利な方法で、電気的なエネルギーの伝達によって行われる。これは、コンプレッサー部材が電気的な作用接続を介して別の電気的な機械と接続されていることによって行われる。膨張部材の、ジェネレーターとして作動させられる電気的な機械は、電気的なエネルギーを発生する。この電気的なエネルギーは、その後、コンプレッサー部材の別の電気的な機械の駆動の為に使用される。この為、電気的な機械は、別の電気的な機械を介してコンプレッサー部材と接続されている。その際、別の電気的な機械は、一方で電気的な作用接続を介して電気的な機械と接続され、そして他方でコンプレッサー部材と間接または直接に接続されている。この為、電気的な作用接続は、ジェネレーターとして作動させられ、そして膨張部材によって駆動される電気的な機械と別の電気的な機械の間で電気的なエネルギーが伝達されることが可能であるよう形成されている。この電気的なエネルギーは、別の電気的な機械を駆動するために使用される。
【0020】
発明に従い、有利には、機械的なカップリングが、コンプレッサー部材と別の電気的な機械の間で過給装置と接続されているとき、内燃機関は、切り替え可能な機械的なカップリングを介してコンプレッサー部材または別の電気的な機械またはコンプレッサー部材と別の電気的な機械と接続されることが可能である。
【0021】
カップリング装置は、変換比を有さない簡易なトルク伝達として、または過給装置と内燃機関の回転数の間に一定の変換比を有するギアを介して形成されていることが可能である。カップリング装置は、従って、チェーン伝導またはベルト伝導として、歯車ギア又は摩擦車ギアまたは別のギア形式として形成されていることが可能である。
【0022】
発明に従い、有利には、カップリング装置は、可変の変換比を有するギアとして形成されていることが可能であるので、過給装置の回転数は、内燃機関の回転数に対して、予め定められた変換比限度内で変更されることが可能である。カップリング装置は、従って、段階ギアや切替ギアのような可変ギアとして、または、トロイダルギア、円錐リングギアまたは可変トラクションギアのような連続可変ギアとして形成されていることが可能である。
【0023】
更にカップリング装置は、過給装置と内燃機関の機械的な接続を遮断するために、切り替え可能なクラッチを有していることが可能である。切り替え可能なクラッチは、異なる出力経路または出力分岐を実現するために、複数の切替位置が実現されるよう形成されていることが可能である。これによって例えば、切り替え可能な機械的なカップリングを介して、コンプレッサー部材または電気的な機械または両方が、内燃機関と接続されることが可能である。
【0024】
更に、カップリング装置は、過給装置と内燃機関の機械的な接続を変化する負荷状況において遮断するために、フリーホイールを有することが可能である。
【0025】
過給装置と内燃機関の機械的な接続の為の機械的なカップリング装置を介して、内燃機関の曳航運転の間、つまり自動車のブレーキフェーズ、ロールフェーズ中に、運動エネルギーが駆動トレインを介して過給装置の電気的な機械へと伝達され、回生され、そしてその後電気的なエネルギーとして自動車の機内のバッテリー内に保存されることが可能である。過給装置とその中に設けられる電気的な機械の内燃機関との機械的なカップリングによって、エネルギー回収が自動車の所定の走行状態において達成されることが可能である。
【0026】
この為、電気的な作用接続は、ジェネレーターとして駆動され、そして膨張部材によって駆動される電気的な機械によって、及び/又は、ジェネレーターとして駆動され、そして内燃機関によって駆動される別の電気的な機械によって発生される電気的なエネルギーが伝達され、そしてバッテリー内に蓄積されることが可能であるよう形成されている。
【0027】
更に、機械的なカップリングによって、内燃機関の過給が保証されることが可能である。これは、この為に必要な駆動出力が、バッテリーからも循環システムからも使用可能で無いときでも、可能である。過給装置の機械的なカップリングによって、過給に必要な駆動出力が内燃機関によって提供される。その際、電気的なエネルギーが、低い充填状態のバッテリーから使用されることは無く、または、少ない排熱利用の場合の循環システムから使用されることは無い。
【0028】
電気的な作用接続は、バッテリーと別の電気的な機械の間で電気的なエネルギーが伝達されることが可能であるよう形成されていることが可能である。この電気的なエネルギーは、膨張部材を駆動するため、および電気的なエネルギーを発生させるために、排熱が使用可能となっておらず、そして内燃機関のコンプレッサー部材の為に低い駆動出力のみが使用可能となっているとき、別の電気的な機械の駆動の為、およびこれに伴いコンプレッサー部材の駆動の為に使用される。
【発明を実施するための形態】
【0030】
実施例1。本発明に係る装置の一つの実施形をここで説明する。
【0031】
図1は、過給装置の第一の実施形の簡略図を示す。
【0032】
内燃機関の為の発明に係る過給装置(1)は、内燃機関(3)のインテークセクション(2)内に配置されたコンプレッサー部材(4)から成っている。このコンプレッサー部材は、一方で、切り替え可能なクラッチ(5)と接続され、および他方で切り替え可能な機械的なカップリング(6)を介して内燃機関(3)と接続されている。更に過給装置(1)は膨張部材(7)、およびこれと接続された電気的機械(8)を設けられている。電気的機械(8)は、該電気的機械(8)が、膨張部材(7)によって駆動されることにより、ジェネレーターとして作動させられる。膨張部材(7)は、循環する作動媒体の循環システム内に存在している。これは、タービン部材(7)を駆動するために、内燃機関(3)の排熱を利用する。内燃機関(3)の排熱の利用の為に、循環システム(9)内には、少なくとも一つの排ガス熱交換器(13)と循環ポンプ(14)が設けられている。
【0033】
電気的な作用接続(10)を介して、ジェネレーターとして作動され、そして膨張部材(7)によって駆動される電気的な機械(8)と、別の電気的な機械(11)の間で電気的なエネルギーが伝達されることが可能である。このエネルギーは、コンプレッサー部材(4)の駆動に使用される。
【0034】
切り替え可能なクラッチ(5)を介して、コンプレッサー部材(4)は、別の電気的な機械(11)と接続される、または接続されないことが可能である。切り替え可能なカップリング(6)を介して、コンプレッサー部材(4)は、内燃機関(3)と接続される、または接続されないことが可能である。エネルギー回収の場合に電気的なエネルギーを蓄積するため、または電気的なエネルギーを別の電気的な機械(11)の駆動の為に提供するために、バッテリー(12)が、同様に電気的な作用接続(10)と接続されている。
【0035】
実施例2。ここで本発明に係る装置の一つの実施形を説明する。
【0036】
図2は、過給装置の第二の実施形の簡略図を示す。
【0037】
内燃機関(3)の為の発明に係る過給装置(1)は、内燃機関(3)のインテークセクション(2)に配置された一つのコンプレッサー部材(4)からなる。これは、一方で切り替え可能なクラッチ(5)を介して電気的な機械(8)と接続されており、そして他方で切り替え可能なカップリング(6)を介して内燃機関(3)と接続されている。切り替え可能なクラッチ(5)を介して、コンプレッサー部材(4)は電気的な機械(8)と接続される、または接続されないことが可能である。切り替え可能な機械的なカップリング(6)を介して、コンプレッサー部材(4)は内燃機関と接続される、または接続されないことが可能である。更に過給装置(1)は、電気的な機械(8)と接続される膨張部材(7)を有している。膨張部材(7)は、循環する作動媒体の循環システム(9)内に存在している。これは、内燃機関(3)の排熱を膨張部材(7)の駆動の為に利用する。内燃機関(3)の排熱の利用の為に、循環システム(9)内には、少なくとも一つの排ガス熱交換器(13)と循環ポンプ(14)が設けられている。エネルギー回収の際に電気的なエネルギーを蓄積し、またはコンプレッサー部材(4)の駆動の為に電気的なエネルギーを提供するために、電気的な作用接続(10)を介して、バッテリー(12)が電気的な機械(8)と接続されている。
【0038】
電気的な機械(8)は、電気的な機械(8)が、膨張部材(7)によって、または機械的なカップリング(6)によって接続される内燃機関(3)によって駆動されることによって、ジェネレーターとして作動させられることが可能である。更に、排熱利用から駆動出力が使用可能でないとき、コンプレッサー部材(4)は、発動機作動中、電気的な機械(8)によって駆動されることが可能である。代替として、コンプレッサー部材(4)は、膨張部材(7)への直接接続を介して直接駆動されることが可能である。その際、電気的な機械(8)がジェネレーターとして、または発動機として作動させられることは無い。内燃機関(3)の過給の制御の為に、電気的な機械(8)はジェネレーターとして、または発動機としてあらゆる任意の動作ポイントで作動させられることが可能である。
【0039】
実施例3。本発明に係る装置の一つの実施形がここに表される。
【0040】
図3は、過給装置の第三の実施形の簡略図を示す。
【0041】
内燃機関の為の発明に係る過給装置(1)は、内燃機関(3)のインテークセクション(2)内に配置されたコンプレッサー部材(4)を有する。これは、切り替え可能な機械的なカップリング(6)を介して内燃機関と接続されている。更に、過給装置(1)は、膨張部材(7)および、これと接続される電気的な機械(8)を設けられている。電気的な機械(8)は、ジェネレーターとして作動させられることが可能である。これは、電気的な機械(8)が、膨張部材(7)によって駆動されることによって行われる。膨張部材(7)は、循環する作動媒体の循環システム(9)内に存在している。これは、内燃機関(3)の排熱を膨張部材(7)の駆動の為に利用する。内燃機関(3)の排熱の利用の為に、循環システム(9)内には、少なくとも一つの排ガス熱交換機(13)と一つの循環ポンプ(14)が設けられている。
【0042】
電気的な作用接続(10)を介して、ジェネレーターとして作動させられ、そして膨張部材(7)によって駆動される電気的な機械(8)と、別の電気的な機械(11)の間で電気的なエネルギーが伝達される。このエネルギーはコンプレッサー部材(4)の駆動の為に使用される。
【0043】
切り替え可能な機械的なカップリング(6)を介して、コンプレッサー部材(4)が別の電気的な機械(11)と接続される、または接続されないことが可能である。切り替え可能な機械的なカップリング(6)を介して、コンプレッサー部材(4)が内燃機関(3)と接続される、または接続されないことが可能である。切り替え可能な機械的なカップリング(6)を介して、別の電気的な機械(11)が内燃機関(3)と接続される、または接続されないことが可能である。
【0044】
エネルギー回収の場合に電気的なエネルギーを蓄積し、または電気的なエネルギーを別の電気的な機械(11)の駆動のために提供するために、バッテリー(12)は、同様に電気的な作用接続(11)と接続されている。
【符号の説明】
【0045】
1 過給装置
2 インテークセクション
3 内燃機関
4 コンプレッサー部材
5 切り替え可能なクラッチ
6 機械的なカップリング
7 膨張部材
8 電気的な機械
9 循環システム
10 電気的な作用接続
11 別の電気的な機械
12 バッテリー
13 排ガス熱交換器
14 循環ポンプ