(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、実施形態を
図2Aおよび2Bから始まる図面に示した、
物品を焼成するための改善された方法について更に詳細に述べる。
【0013】
図1Aおよび1Bは、窯のウェア用スペース内のセラミックウェア内の温度差および加熱差を最小化するため、並びにウェア用スペースに均一な雰囲気を提供するための従来技術を示す。
図1Aを参照すると、ウェア物品(102)は、炉のウェア用スペース(106)内のセッタ(104)上に、各ウェア物品(102)の間に上下左右に間隔をあけて積載された状態で示されている。本明細書中で使用する「ウェア(ware)」および「ウェア物品(ware article)」としては、セラミックハニカムフィルタを含むセラミック物品、並びに、工業用セラミックス、衛生ウェアおよび構造セラミックス等の、通常焼成または加熱されるその他の物品を挙げることができる。ウェア物品の特定の所望のサイズおよび形状は、その用途に応じたものであってよい。「加熱スペース(heating space)」および「ウェア用スペース(ware space)」は、互換的に使用でき、ウェアを配置して加熱または焼成する炉または窯内の領域を指すことができることを更に理解されたい。
【0014】
ウェア物品(102)は、柱(108)に支持されるセッタ上に積載され、ウェアスタック(110)を形成する。
図1Bは、ウェア用スペース(106)の一部に亘って延在する焼成レーン(120)の間のウェア用スペース(106)内に配置されたウェアスタック(110)を更に示す。各焼成レーン(120)は、加熱されたガスをウェア用スペース(106)へと均一に導入する。
図1Aおよび1Bにおいて、加熱されたガスの循環を矢印で示す。加熱されたガス(112)をウェア用スペース(106)に均一に導入することにより、加熱されたガスは、ウェアスタック(110)を取り囲むように下向きに流れる。加熱されたガス(112)は、送気口(130)を通ってウェア用スペースを出る。
【0015】
従来技術に関わる問題は、加熱されたガスがウェア用スペースへと入り、ウェアスタックを取り囲み、その際、ほとんどの加熱されたガスが各ウェア物品の間のスペースを通らないことである。加熱されたガスのこれらのスペースへの循環不良により、いくつかのウェアが他のものよりもバーナからより多くの熱を受けるため、各ウェア物品間の温度分布が変化し得る。また、加熱されたガスの循環不良により、ウェア中に存在する有機化合物を(焼成を経て)除去する際の焼成サイクルの一部の間だけ、発熱の除去が小さくなり得る。その結果、各ウェア内の温度差が大きくなり得、これによって最終的にクラックが発生し得る。最後に、加熱されたガスの循環不足により、ウェア用スペース全体に存在する酸素のレベルが一定でなくなる場合があり、これにより、酸素レベルが高い場所では、窯内のいくつかのウェアは他のウェアよりも高い発熱反応にさらされることがある。
【0016】
一実施形態では、
物品を焼成する方法は:少なくとも1つの物品を窯の
物品用スペース内に位置決めするステップ;上記少なくとも1つの
物品を加熱するステップ;
物品用スペース内の上記少なくとも1つの物品の第1の側へと、少なくとも1つのガスを導入し、上記少なくとも1つのガスの少なくともいくらかが少なくとも1つの
物品スタックを通って流れるように、上記少なくとも1つの物品に亘る圧力差を生成するステップを含む。添付の図面を具体的に参照しながら、
物品を焼成する様々な方法を本明細書で説明する。
【0017】
ここで
図2Aを参照すると、本明細書による
物品を焼成する方法が示されている。この方法では、複数の
物品(205)を、炉の
物品用スペース(200)内のセッタ(210)上に位置決めし、少なくとも1つの
物品スタック(212)を形成する。複数の
物品(205)を、少なくとも左右に隣接する
物品が離間する(215)よう配置する。更に複数の
物品(205)は、複数の
物品(205)が上下に離間する(220)よう配置してよい。
物品(205)の各階層を隔てるために、セッタ(210)を柱(225)によって支持してよい。セッタ(210)は、より良好な熱分布または階層間の換気のための、1つ以上の貫通孔を備えてよい。あるいは、セッタ(210)は中実であってよい。
図2Aに示す実施形態では、セッタ(210)は矩形として示されている;しかしながら、他の好適な形状を使用してよく、例えば楕円、円形、正方形等のセッタを挙げることができる。
【0018】
図2Bは、少なくとも1つの
物品スタック(212)を形成する複数の
物品(205)の平面図を更に示す。
物品(205)は一般に格子状に位置決めされる。しかしながら、直線状、円形状または単なる不規則なパターンで複数の
物品(205)を位置決めしてよいことを理解されたい。
図2Bに示す実施形態では、少なくとも1つの
物品スタック(212)は、最上階層に9個の
物品を有している。当然、各階層が同じまたは異なる数の
物品を有するよう、いずれの好適な数の
物品を各階層に位置決めしてよい。また、各階層が同じまたは異なる
物品の構成を有するよう、
物品(205)を位置決めしてよいことも理解されたい。更に、炉の
物品用スペース(200)には、いずれの好適な数の少なくとも1つの
物品スタック(212)が存在してよく、2つ以上の
物品スタックを含むことができる。
【0019】
少なくとも1つの
物品スタック(212)は、第1の焼成レーン(230)がスタックの第1の側(245)に位置決めされ、第2の焼成レーン(235)がスタックの第2の側(250)に位置決めされるよう、配置される。焼成レーンは一般に、以下で更に説明するように2つ以上の
物品スタックが存在する
物品用スペース(200)全体に位置決めされる。焼成レーン(230、235)は、少なくとも1つのガス(240)を炉の
物品用スペース(200)へと導入する複数のバーナ(232、237)を備える。いくつかの実施形態では、第1の焼成レーン用バーナ(232)および第2の焼成レーン用バーナ(237)は、少なくとも1つのガスを反対方向に、かつ
物品スタックに対して垂直に、それぞれの焼成レーンへと導入する。他の実施形態では、第1の焼成レーン用バーナ(232)および第2の焼成レーン用バーナ(237)は少なくとも1つのガスを同じ方向に、かつ
物品スタックに対して垂直に、それぞれの焼成レーンへと導入する。各焼成レーン内の複数のバーナ(232、237)を、互いに隣接するよう配置し、炉内において異なる高さで発火させてよい。いくつかの実施例では、炉の上面付近、かつ少なくとも1つの
物品スタックより上の高さに複数のバーナ(232、237)を配置してよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、例えば炉の中央部分、炉の底部等の炉の他の部分に複数のバーナを配置してよいことを理解されたい。各焼成レーン内の複数のバーナ(232、237)を、1つの焼成レーン内で同じ方向に、または1つの焼成レーン内で反対方向に向けて発火させてよい。
【0020】
バーナ(232、237)は、一次ガス、即ち燃料油を燃焼し、加熱された燃焼ガスを生成してよい。このガスは、炉の
物品用スペースへと配向されるが、
物品スタックまたはセッタおよび柱を含む支持設備に対して直接配向されない。バーナ(232、237)はまた、炉の
物品スペースへの加熱されたガスの配向を支援するための余剰の二次ガスを供給してもよく、またはこの二次ガスを専用の非燃焼ノズルまたは開口から直接入力してよい。第1の焼成レーン(230)および第2の焼成レーン(235)からの少なくとも1つのガスは、同じでも異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、上記少なくとも1つのガスは、低酸素ガス、窒素、空気、二酸化炭素、一酸化炭素または水蒸気のうちの1つ以上を含む二次ガスである。他の実施形態では、少なくとも1つのガスは一次ガスおよび二次ガスを含む。一次ガスは典型的には燃料ガスであってよく、酸素、空気、メタンまたは炭化水素燃料の他の組合せ、酸化剤およびこれらの燃焼副生成物のうちの1つ以上を含む。一般的な炭化水素燃料としては、アセチレン、ブタン、天然ガス、発生炉ガスおよび/またはプロパンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。二次ガスは典型的には不活性ガスであり、少量の燃料ガスおよび典型的には燃焼によって発生する他の化合物(例えば一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気等)を更に含んでよい。二次ガスは、低酸素ガス、窒素、空気、二酸化炭素、一酸化炭素または水蒸気のうちの1つ以上を含む。更なる実施形態では、上記少なくとも1つのガスは、酸素、空気、メタンまたは炭化水素燃料の他の組合せ、酸化剤およびこれらの燃焼副生成物のうちの1つ以上を含む一次ガスである。一般的な炭化水素燃料としては、アセチレン、ブタン、天然ガス、発生炉ガスおよび/またはプロパンを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
図2Aおよび2Bに図示した炉は、下向き通風窯である。しかしながら、本明細書に記載の方法は、上向き通風窯、横向き通風窯、マイクロ波加熱炉、ガス焚炉、輻射加熱炉または電気窯を含むがこれらに限定されない他の種類の窯と併用してもよいことを理解されたい。
【0022】
更に
図2Aおよび2Bを参照すると、
物品用スペース(200)内の少なくとも1つの
物品スタック(212)を、
物品を適切に焼成するために必要な焼成サイクルに基づいて加熱または焼成してよい。スタックを加熱しながら、
物品用スペース(200)内の少なくとも1つの
物品スタック(212)の第1の側(245)へと、少なくとも1つのガス(240)を導入する。
図2Aおよび2Bにおいて、ガスの循環を矢印によって示す。少なくとも1つのガス(240)のフロー条件を調整することにより、少なくとも1つのガスの少なくともいくらかが少なくとも1つの
物品スタック(212)を通って流れるように、
物品用スペース(200)の少なくとも一部に亘る炉内の圧力差を生成する。
【0023】
いくつかの実施形態では、
物品用スペース(200)内の少なくとも1つの
物品スタック(212)の第1の側(245)へと、少なくとも1つのガス(240)を第1の流量FR1で導入する。フロー条件の調整は、少なくとも1つのガス(240)の第1の流量FR1を調整することにより、少なくとも1つのガス(240)の少なくともいくらかが、従来の焼成方法のように主として
物品スタックを取り囲むのではなく、少なくとも1つの
物品スタック(212)を通って流れるように、少なくとも1つの
物品スタック(212)の少なくとも一部に亘る圧力差を生成することを含んでよい。他の実施形態では、スタックを加熱しながら、
物品用スペース(200)内の少なくとも1つの
物品スタック(212)の第1の側(245)へと、少なくとも1つのガス(240)を第1の流量FR1で導入する。スタックを加熱しながら、
物品用スペース(200)内の少なくとも1つの
物品スタック(212)の第2の側(250)へと、少なくとも1つのガス(240)もまた、第2の流量FR2で導入する。フロー条件の調整は、第1の流量FR1を調整し、FR1≠FR2、かつ少なくとも1つのガス(240)の少なくともいくらかが少なくとも1つの
物品スタック(212)を通って流れるように、少なくとも1つの
物品スタック(212)の少なくとも一部に亘る圧力差を生成することを含んでよい。上述のように、第1の焼成レーン(230)および第2の焼成レーン(235)用のバーナから導入される少なくとも1つのガスは、同じであっても異なっていてもよい。
【0024】
理論に拘束されることなく、圧力波による焼成により
物品用スペースに亘る圧力差を生成することにより、各
物品間の空間を通るガス流を増加させることができると考えられる。また、各
物品間の空間を通るガス流の増加により、窯内の
物品を焼成するために必要な全体のガスの量を低減できることも考えられる。ガス流の増加により、より多くの加熱されたガスがバーナから最も遠く離れた位置にある
物品まで到達するため、各
物品間の加熱差が低減され得る。また、窯の
物品用スペース内においてより均一な温度分布が達成され、これにより
物品スタックの極端な過加熱および加熱不足が回避される。従って、各
物品物品間の加熱差を最小化することにより、クラックを低減し、黒鉛除去を改善できる。
物品用スペース内の酸素レベルがより均一となり、より多量の発熱が各
物品から除去されることにより、各
物品内の温度差が低減されることも考えられる。各
物品間の空間を通るガス流が増加するにつれて、酸素含有ガスの総量は、各
物品に対してより均一に分布する。また、各
物品間の空間を通るガス流の増加により、発熱除去が改善される。従って、各
物品内の温度差を最小化することにより、クラックが低減される。
【0025】
窯の
物品用スペース内に
物品が高密度に積載される場合、特に各
物品の芯領域と表面領域との間の有機化合物除去の発熱特性により、各
物品に寸法の歪みが発生し得る。従って、波長による焼成は、高密度な積載条件において寸法の均一性を改善できる。また、波長による焼成によって黒鉛除去を改善できることが考えられる。黒鉛は、芯と表面との間に著しい温度差を引き起こし得る。従って、黒鉛除去は、温度差の低減による各
物品のより効率的な加熱により改善され得る。改善された黒鉛除去は、多孔性の改善、および黒鉛が過剰に存在する時の熱膨張による微細構造の歪みの低減をもたらし得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、第2の焼成レーン(235)から
物品用スペース内のスタックの第2の側へとガスを導入することなく、単に第1の焼成レーン(230)から
物品用スペース(200)内のスタック(212、214)の第1の側へとガスを流量FR1で導入することにより、圧力差を生成してよい。他の実施形態では、第1の焼成レーン(230)から
物品用スペース内のスタックの第1の側へと、一次および二次ガスを含むガスを流量FR1で導入し、かつ第2の焼成レーン(235)から
物品用スペースへと一次ガスのみを導入して、
物品用スペース内のスタックの第2の側へと、第1の流量FR1より小さい第2の流量FR2で熱を提供することにより、圧力差を生成してよい。更なる実施形態では、第1の焼成レーン(230)から
物品用スペース内のスタックの第1の側へと、少なくとも1つのガスを第1の流量FR1で導入し、かつ
物品用スペース内の少なくとも1つの
物品スタックの第2の側へと、少なくとも1つのガスを第2の流量FR2で導入することにより(ここで、FR1≠FR2)、圧力差を生成してよい。いくつかの実施形態では、FR1≠FR2、FR1≠0かつFR2≠0である。他の実施形態では、FR1≠FR2、かつFR1=0またはFR2=0である。
【0027】
いくつかの実施形態では、複数の焼成レーン(例えば3つ以上の焼成レーン)が存在し、少なくとも1つの
物品スタックが各焼成レーンに隣接して位置決めされる。
図3Aおよび3Bを参照すると、本明細書による
物品を焼成する方法が示されている。この方法では、複数の
物品(305)が炉の
物品用スペース(300)内のセッタ(310)上に位置決めされ、少なくとも1つの
物品スタック(312、314、316、318、319)を形成している。複数の
物品(305)は、少なくとも左右に隣接する
物品が離間するよう配置される。更に複数の
物品(305)は、複数の
物品(305)が上下に離間するよう配置してよい。
物品(305)の各階層を隔てるために、セッタ(310)を柱(325)により支持してよい。
【0028】
図3Cは個々の
物品スタック(312、314、316、318、319)内の複数の
物品(305)の側面図を更に示す。
物品スタック(312、314、316、318、319)は、左右に隣接する
物品スタックが離間するよう配置される。1つ以上の第1の焼成レーン(330)および1つ以上の第2の焼成レーン(335)を、スタックの間に交互に位置決めする。焼成レーン(330、335)は、少なくとも1つのガス(340)を炉の
物品用スペース(300)へと導入する複数のバーナ(332、337)を備える。1つ以上の第1の焼成レーン用バーナ(332)および1つ以上の隣りあう第2の焼成レーン用バーナ(337)は、少なくとも1つのガスを反対方向に、かつ
物品スタックに対して垂直に、それぞれの焼成レーンへと導入する。しかしながらいくつかの実施形態では、1つ以上の第1の焼成レーン用バーナ(332)および1つ以上の隣りあう第2の焼成レーン用バーナ(337)は、少なくとも1つのガスを同じ方向に、かつ
物品スタックに対して垂直に、それぞれの焼成レーンへと導入してよいことを理解されたい。
【0029】
図3Aを参照すると、時点t
0において、スタックを加熱しながら、少なくとも1つのガス(340)を、
物品用スペース(300)内の1つ以上の第1の焼成レーン(330)へと第1の流量FR1で導入する。またスタックを加熱しながら、少なくとも1つのガス(340)を、
物品用スペース(300)内の1つ以上の第2の焼成レーン(335)へと第2の流量FR2で導入する。第1の流量FR1および第2の流量FR2は、FR1>FR2となり、かつ各
物品スタック(312、314、316、318、319)の少なくとも一部に亘る炉内の圧力差が生成されるような流量である。
図3Bを参照すると、時点t
0+nにおいて、少なくとも1つのガスのフロー条件は、FR1<FR2となるよう調整される。このようにしてねじれの圧力差効果が達成され、ここでは各
物品スタック(312、314、316、318、319)は、別の
物品スタックとは異なる別個の圧力差にさらされ得る。いくつかの実施形態では、FR1>FR2、FR1≠0かつFR2≠0である。いくつかの実施形態では、FR1<FR2、FR1≠0かつFR2≠0である。他の実施形態では、FR1>FR2、かつFR1=0またはFR2=0である。他の実施形態では、FR1<FR2、かつFR1=0またはFR2=0である。
【0030】
図4Aおよび4Bを参照すると、本明細書による
物品を焼成する方法が示されている。この方法では、複数の
物品(405)が炉の
物品用スペース(400)内のセッタ(410)上に位置決めされ、少なくとも1つの
物品スタック(412、414、416、418、419)を形成している。複数の
物品(405)は、少なくとも左右に隣接する
物品が離間するよう配置される。更に複数の
物品(405)は、複数の
物品(405)が上下に離間するよう配置してよい。
物品(405)の各階層を隔てるために、セッタ(410)を柱(425)により支持してよい。
【0031】
図4Cは、個々の
物品スタック(412、414、416、418、419)内の複数の
物品(405)の側面図を更に示す。
物品スタック(412、414、416、418、419)は、左右に隣接する
物品スタックが離間するよう配置される。炉は、少なくとも1つの一次焼成レーン(430)および少なくとも2つの二次焼成レーン(435)を含む。いくつかの実施形態では、いずれの数の一次および二次焼成レーンを使用してよいことを理解されたい。各焼成レーン(430、435)は、スタックの間に交互に、かつ反対向きに位置決めされた複数のバーナ(432、437)を備える。複数のバーナ(432、437)は、少なくとも1つのガス(440)を反対方向に、かつ
物品スタックに対して垂直に、炉の
物品用スペース(400)内の各焼成レーン(430、435)へと導入する。しかしながらいくつかの実施形態では、複数のバーナ(432、437)は、少なくとも1つのガスを同じ方向に、かつ
物品スタックに対して垂直に導入してよいことを理解されたい。
【0032】
図4Aを参照すると、時点t
0において、スタックを加熱しながら、少なくとも1つのガス(440)を
物品用スペース(400)内の一次焼成レーン(430)へと第1の流量FR1で導入する。またスタックを加熱しながら、少なくとも1つのガス(440)を
物品用スペース(400)内の少なくとも2つの二次焼成レーン(435)へと第2の流量FR2で導入する。第1の流量FR1および第2の流量FR2は、FR1>FR2となり、かつ一次焼成レーン(430)に隣接する各
物品スタック(412、414)の少なくとも一部に亘って炉内に圧力差が主として生成されるような流量である。
図4Bを参照すると、時点t
0+nにおいて、新規の一次焼成レーン(430)が形成され、かつ時点t
0における以前の一次焼成レーン(430)が現時点の二次焼成レーン(435)となるよう、少なくとも1つのガスのフロー条件を全ての焼成レーンに亘って調整する。いくつかの実施形態では、新規の一次焼成レーン(430)は、以前は時点t
0における一次焼成レーンに隣接する二次焼成レーンであったものである。他の実施形態では、時点t
0+nにおける新規の一次焼成レーン(430)は、以前は時点t
0における一次焼成レーンに隣接しない二次焼成レーンであったものである。第1の流量FR1および第2の流量FR2は、FR1>FR2となり、かつ新規の一次焼成レーン(430)に隣接する各
物品スタック(414、416)の少なくとも一部に亘って炉内に圧力差がまず生成されるような流量である。いくつかの実施形態では、FR1>FR2、FR1≠0かつFR2≠0である。他の実施形態では、FR1>FR2、かつFR1=0またはFR2=0である。少なくとも1つのガスのフロー条件を、
物品用スペース全体に亘る炉内の単一の圧力差が生成されるよう、全ての焼成レーンに亘って連続的に調整してよい。即ち各焼成レーンは、
物品用スペースの少なくとも一部を横切って移動する圧力波を生成し、これは
物品スタックの全体に亘って高圧から低圧へと進行する。いくつかの実施形態では、各
物品スタックに亘る圧力差は同じであってよい。他の実施形態では、各
物品スタックに亘る圧力差は異なっていてよい。
【0033】
本明細書中では、圧力差についてガスの流量を多様に変化させることにより生成されるものとして説明してきたが、圧力差を生成する他の方法も検討できることを理解されたい。
【0034】
例として
図2Aを参照すると、少なくとも1つのガスは、排気口(255)を通して炉から排出される。炉は、少なくとも1つのガスを炉から十分に排出するためのいずれの数の排気口を有してよく、少なくとも1つの排気口を備えることができる。排気口(255)は、
物品スタック(212)の下方に位置するものとして示されている。当然、例えば
物品スタック2つにつき1つの排気口、
物品スタック3つ以上につき1つの排気口、または炉内に存在する全ての
物品スタックにつき1つの排気口といった構成を含むことができる、他の排気口構成があり得る。
【0035】
排気口(255)は可変開口を備えてよく、これにより焼成サイクルの間に排気口の開口サイズが、完全に開いている、完全に閉じている、または部分的に開いている状態の間で変化することで、排気流量を変化させることができる。従って、フロー条件の調整は、追加でまたは代替として、可変の開口を調整して排気流量を低減または増加させることにより、少なくとも1つのガスの少なくともいくらかが少なくとも1つの
物品スタックを通って流れるように、
物品スペースの少なくとも一部に亘る圧力差を生成することを含んでよい。
図4Cを参照すると、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの
物品スタックの全体に亘って高圧から低圧へと進行する、
物品用スペースの少なくとも一部に亘る単一の圧力差を生成するために、炉の
物品用スペース内に複数の排気口(355)が位置決めされている。
図3Cを参照すると、他の実施形態では、少なくとも1つの
物品スタックのそれぞれの少なくとも一部に亘る炉内の圧力差を生成するために、少なくとも1つの
物品スタックのそれぞれの下方に複数の排気口(355)が配置されている。いくつかの実施形態では、上記と同様に、少なくとも1つの
物品スタックのそれぞれの少なくとも一部に亘る圧力差は同じである。他の実施形態では、少なくとも1つの
物品スタックのそれぞれの少なくとも一部に亘る圧力差は異なる。
【0036】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのガスのフロー条件を調整することにより、第1の流量FR1および第2の流量FR2が約10%〜約95%、約10%〜約75%、または約10%〜約40%の流量差の割合を有するように、
物品用スペースのそれぞれの少なくとも一部に亘る圧力差を生成する。
【0037】
流量差の割合は、下記のように計算できる:
【0039】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのガスのフロー条件を調整することにより、第1の流量FR1および第2の流量FR2が約10%〜約95%、約10%〜約75%、または約10%〜約40%の流量差の割合を有するように、少なくとも1つの
物品スタックのそれぞれの少なくとも一部に亘る圧力差を生成する。他の実施形態では、少なくとも1つのガスの第1の流量FR1を調整することにより、
物品用スペースの少なくとも一部に亘る圧力差を生成する。他の実施形態では、少なくとも1つのガスの第1の流量FR1を調整することにより、少なくとも1つの
物品スタックの少なくとも一部に亘る圧力差を生成する。更なる実施形態では、第1の流量FR1および第2の流量FR2を調整することにより、FR1およびFR2が約10%〜約95%、約10%〜約75%、または約10%〜約40%の流量差の割合を有するよう、
物品スペースの少なくとも一部に亘る圧力差を生成する。更なる実施形態では、第1の流量FR1および第2の流量FR2を調整することにより、FR1およびFR2が約10%〜約95%、約10%〜約75%、または約10%〜約40%の流量差の割合を有するよう、少なくとも1つの
物品スタックのそれぞれの少なくとも一部に亘る圧力差を生成する。更なる実施形態では、排気口の可変の開口を調整することにより、
物品用スペースの少なくとも一部に亘る圧力差を生成する。また、更なる実施形態では、排気口の可変の開口を調整することにより、少なくとも1つの
物品スタックの少なくとも一部に亘る圧力差を生成する。
【実施例】
【0040】
セラミック
物品の製造に好適なセラミックバッチを準備した。セラミックバッチは無機化合物および有機化合物を含有していた。バッチを混合して均質なバッチを形成し、このバッチを押出成形し、セラミックハニカム基材(即ち
物品)の素地を形成した。
物品を乾燥させ、続いてガス窯内に配置した。積載物の内側の
物品および焼成レーン付近に積載された
物品の両方の表面中央の近傍に熱電対を配置し、焼成した。
【0041】
図5を参照すると、焼成サイクルの一部の間の、ガス流の変化に応じて
物品内で発生する表面温度の変化のグラフが示されている。窯内で複数の
物品を含む
物品スタックを焼成した。左右の焼成レーンから、これらに対応する左右のガス流を、
物品用スペース内のスタックの対向する側へと導入した。約20〜25時間の焼成サイクルの間、左右のガス流を調整し、
物品スタックの少なくとも一部に亘る炉内の圧力差を生成した。焼成レーン付近の
物品および
物品スタックの内側の
物品の温度は、左右のガス流の変化に対応した温度の変化を呈した。この
物品の温度変化は、
物品内のガス流の増加(および酸素流の増加)によるものと考えられる。より均一なかつ制御された温度およびガス雰囲気を効果的に提供するための圧力差は、セラミック本体の組成、サイズおよび形状、
物品用スペースへの
物品の積載、ガス組成およびガス流量、窯の構成、並びに利用する焼成スケジュールを含む、数多くの因子に応じて変化することを理解されたい。従って、より均一なかつ制御された温度およびガス雰囲気の提供を開始するために必要な特定の焼成用雰囲気に求められる圧力差は、各セラミック
物品/窯システム毎に経験的に決定すべきである。
【0042】
本明細書に記載の方法を使用して、
物品を焼成するためのより均一な雰囲気を提供できることがここで理解されるであろう。本明細書に記載の方法はまた、温度差および加熱差によって発生し得る
物品内のクラックの発生を低減する。本明細書に記載の方法は、より効率的な
物品の過熱によって
物品の過熱のために使用するガス量を更に低減することにより、製造効率を向上できる。
【0043】
請求される主題の精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正例および変更例を本明細書に記載の実施形態に施すことができることは、当業者には明らかであろう。従って本明細書は、本明細書に記載の様々な実施形態の修正例および変更例を、上記修正例および変更例が添付の請求項およびその均等物の範囲内である限り、網羅することが意図されている。