【文献】
3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Radio Access Network;Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA);Radio Resource Control (RRC); Protocol specification (Release 13)[online],3GPP TS 36.331,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.331/36331-d00.zip>,2016年 1月 7日,V13.0.0,P.128-132,382-404
【文献】
3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Radio Access Network;Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA);User Equipment (UE) radio access capabilities (Release 13)[online],3GPP TS 36.306,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.306/36306-d00.zip>,2016年 1月 8日,V13.0.0,P.11-17
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークにおいて、さらなる高速データレート、低遅延などを目的としてロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)が仕様化された(非特許文献1)。また、LTEからの更なる広帯域化及び高速化を目的として、LTEの後継システム(例えば、LTE−A(LTE-Advanced)、FRA(Future Radio Access)、4G、5Gなどともいう)も検討されている。
【0003】
LTEにおけるユーザ装置は、端末能力に応じて複数のカテゴリに分類される。当該カテゴリは「UEカテゴリ」と呼ばれ、例えば、3GPP リリース10で規定されたカテゴリ6のユーザ装置は、DL(Downlink)の最大ビットレート(ピークレート)及びUL(Downlink)最大ビットレートとしてそれぞれ300Mbps及び51Mbpsをサポートする。また、3GPP リリース12以降から、UEカテゴリは、DLとULに分けて規定されている。DLのUEカテゴリは、「UE DLカテゴリ」と呼ばれ、ULのUEカテゴリは、「UE ULカテゴリ」と呼ばれる(非特許文献1)。ユーザ装置UEは、例えばネットワークへの接続時等に、自身がサポートするUEカテゴリを所定のシグナリングメッセージ(UE−EUTRA−Capability)で基地局に通知することが規定されている。
【0004】
また、LTE−Advancedでは、LTEとのバックワードコンパチビリティを保ちつつ、LTEを上回るスループットを実現するために、LTEでサポートされている帯域幅(最大20MHz)を基本単位として、複数のキャリアを同時に用いて通信を行うキャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)が採用されている。キャリアアグリゲーションにおいて基本単位となるキャリアはコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)と呼ばれる。
【0005】
CAをサポートするユーザ装置は、前述のUEカテゴリと同様、自身のCA能力を所定のシグナリングメッセージ(UE−EUTRA−Capability)で基地局eNBに通知することが規定されている。CA能力の通知において、より具体的には、ユーザ装置UEは、自身がCAにおいてサポートするバンドの組み合わせ(バンドコンビネーション、BandCombination)を基地局に通知すると共に、UL/DL個別にバンドコンビネーション毎、バンド毎に、サポートするMIMOレイヤ数、サポートする変調方式などを基地局に通知する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
UE DLカテゴリ毎にユーザ装置がサポートすべき受信能力として非特許文献1で規定されている値を
図1に示す。
図1の「Maximum number of DL-SCH transport block bits received within a TTI」で規定されているように、カテゴリ15のユーザ装置は、DL−SCH(Downlink-Shared Channel)において1TTI(1ms)で受信可能な最大ビットレートとして、749856〜798800ビットをサポートすべきであることが規定されている。同様に、カテゴリ16のユーザ装置は、DL−SCHにおいて1TTI(1ms)で受信可能な最大ビットレートとして、978960〜1051360ビットをサポートすべきであることが規定されている。なお、
図1で規定されている数値は1msあたりの最大ビットレートであるため、
図1に示す数を1000倍することで1秒あたりの最大ビットレートに換算することができる。つまり、カテゴリ15のユーザ装置がサポートすべきDLの最大ビットレートは、約800Mbpsであり、カテゴリ16のユーザ装置がサポートすべきDLの最大ビットレートは、約1Gbpsである。
【0008】
カテゴリ15及びカテゴリ16のユーザ装置がサポートすべき最大ビットレートは固定値ではなく幅を持って規定されている。これは、同一カテゴリのユーザ装置であっても、サポートするバンド組み合わせ(CAバンド組み合わせ)、MIMOレイヤ数、変調方式の能力が同一であるとは限られないため、ユーザ装置毎にサポート可能な最大ビットレートが異なることを許容するためである。
【0009】
ここで、キャリアアグリゲーションにおける各CCの組み合わせによっては、
図1に示す最大ピークレートを超えてしまうことがある。
図2は、
図1の「Maximum number of bits of a DL-SCH transport block received within a TTI」に記載されている最大ビットレートを用いて、CCの組み合わせと、1TTIあたりのDLの最大ビットレートを計算した表である。例えば、
図2に示すCAパターンAは、各CCが2x2MIMO及び64QAMである5CCから構成されるCCの組み合わせを示している。
図1の「Maximum number of bits of a DL-SCH transport block received within a TTI」より、2レイヤ(2x2MIMO)及び64QAMの最大ビットレートは75376ビットであるため、5CCを組み合わせたCAパターンAにおける最大ビットレートは、75376×5(5CC)×2(LTEでは、1TTIあたり最大2TB送信可能)=753760ビットであると計算することができる。同様の方法でCAパターンB及びCにおける最大ビットレートを計算すると、それぞれ843840ビット及び841888ビットになってしまう。すなわち、CAパターンB及びCでは、
図1の「Maximum number of DL-SCH transport block bits received within a TTI」で規定されるカテゴリ15のユーザ装置がサポートすべき最大ビットレートを超えてしまうことになる。同様の問題は、カテゴリ16のユーザ装置にも発生し得る。
【0010】
現在の3GPPの規定では、CAパターンB及びCのようなキャリアアグリゲーションを行う場合に、ユーザ装置がサポートすべき最大ビットレートとしてUEカテゴリの規定(すなわち、
図1に規定される値)を適用すべきなのか、ユーザ装置のCA能力に応じたCCの組み合わせにおける最大ビットレートを適用すべきなのかが規定されていない。仮に、基地局eNBが、DLのスケジューリングを行う際にユーザ装置の能力を超えたビットレートでスケジューリングを行ってしまうと、ユーザ装置側でDLのデータを受信することができず、結果として再送等が繰り返されることでDLのスループットが劣化してしまう可能性がある。
【0011】
開示の技術は上記に鑑みてなされたものであって、特定のUEカテゴリに対応するユーザ装置が、ユーザ装置の能力の範囲内で適切に通信を行うことが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
開示の技術のユーザ装置は、基地局とユーザ装置とを有する無線通信システムにおけるユーザ装置であって、当該ユーザ装置でサポートするバンド組み合わせ、MIMOレイヤ数及び変調方式と、当該ユーザ装置でサポートするUEカテゴリとを前記基地局に通知する通知部と、当該ユーザ装置がサポートするバンド組み合わせ、MIMOレイヤ数及び変調方式で行われるキャリアアグリゲーションで実現可能な最大ビットレートが、当該ユーザ装置でサポートするUEカテゴリでサポートすべき最大ビットレートを超える場合に、前記UEカテゴリで当該ユーザ装置がサポートすべき最大ビットレート以下で前記基地局から
トランスポートブロックを受信する受信部と、
前記トランスポートブロックを復号するとき、前記基地局に通知した前記バンド組み合わせ、前記MIMOレイヤ数及び前記変調方式で実現可能な最大ビットレートよりも低減されたビットレートに基づいて、前記トランスポートブロックを復号する復号部とを有する。
【発明の効果】
【0013】
開示の技術によれば、特定のUEカテゴリに対応するユーザ装置が、ユーザ装置の能力の範囲内で適切に通信を行うことが可能な技術が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。例えば、本実施の形態に係る無線通信システムはLTEに準拠した方式のシステムを想定しているが、本発明はLTEに限定されるわけではなく、他の方式にも適用可能である。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「LTE」は、3GPPのリリース8、又は9に対応する通信方式のみならず、3GPPのリリース10、11、12、13、又はリリース14以降に対応する第5世代の通信方式も含む広い意味で使用する。
【0016】
また、以下の実施の形態は、主にUE DLカテゴリ15又は16を対象に説明するが、これに限られない。将来的に、ユーザ装置がサポートすべき最大ビットレートが固定値ではなく幅を持って規定される新たなUEカテゴリに対しても適用することができる。
【0017】
<システム構成>
図3は、実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
図3に示すように、実施の形態に係る無線通信システムは、基地局eNBとユーザ装置UEとを有する。ユーザ装置UE、及び基地局eNBは、CAを行うことが可能である。
図3には、ユーザ装置UE、及び基地局eNBが1つずつ示されているが、これは例であり、それぞれ複数であってもよい。また、ユーザ装置UEは、複数の基地局eNBと同時に通信を行う能力(Dual Connectivity)を備えていてもよい。
【0018】
<機能構成>
次に、本実施の形態に係るユーザ装置UEと基地局eNBにおける機能構成を説明する。
【0019】
(基地局)
図4は、実施の形態に係る基地局の機能構成例を示す図である。
図4に示すように、基地局eNBは、信号送信部101、信号受信部102、UE能力取得部103、スケジューリング部104及び記憶部105を含む。
図4は、基地局eNBにおける主要な機能部のみを示すものであり、少なくともLTEに準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。また、
図4に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分や機能部の名称はどのようなものでもよい。当該基地局eNBは、単独の基地局eNBでもよいし、設定(Configuration)により、DCを実行する際にはMeNBとSeNBのいずれにもなり得る。
【0020】
信号送信部101は、基地局eNBから送信されるべき上位のレイヤの信号から、物理レイヤの各種信号を生成し、無線送信する機能を含む。信号受信部102は、各ユーザ装置UEから各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する機能を含む。信号送信部101及び信号受信部102はそれぞれ、複数のCCを束ねて通信を行うCAを実行する機能を含む。また、信号送信部101及び信号受信部102は、RRH(Remote Radio Head)のように、基地局eNBの本体(制御部)から遠隔に設置された無線通信部を含んでもよい。
【0021】
信号送信部101及び信号受信部102はそれぞれ、パケットバッファを備え、レイヤ1(PHY)、レイヤ2(MAC、RLC、PDCP)及びレイヤ3(RRC)の処理を行うことを想定している。ただし、これに限られるわけではない。
【0022】
UE能力取得部103は、ユーザ装置UEから通知されたUE能力(UE−EUTRA−Capability)を取得し、メモリ等に記憶する機能を含む。
【0023】
スケジューリング部104は、ユーザ装置UEに対して無線リソースを割当てるスケジューリング処理を行う機能を含む。
【0024】
記憶部105は、ユーザ装置UEのUEカテゴリごとに、ユーザ装置UEがサポートすべき最大ビットレートを記憶する。例えば、後述する
図9に示すテーブルを記憶していてもよい。
【0025】
(ユーザ装置)
図5は、実施の形態に係るユーザ装置の機能構成例を示す図である。
図5に示すように、ユーザ装置UEは、信号送信部201、信号受信部202、及びUE能力通知部203を含む。
図5は、ユーザ装置UEにおいて本発明の実施の形態に特に関連する機能部のみを示すものであり、少なくともLTEに準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。また、
図5に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分や機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0026】
信号送信部201は、ユーザ装置UEから送信されるべき上位のレイヤの信号から、物理レイヤの各種信号を生成し、無線送信する機能を含む。信号受信部202は、基地局eNBから各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する機能を含む。信号送信部201及び信号受信部202はそれぞれ、複数のCCを束ねて通信を行うCAを実行する機能を含む。
【0027】
信号送信部201及び信号受信部202はそれぞれ、パケットバッファを備え、レイヤ1(PHY)、レイヤ2(MAC、RLC、PDCP)及びレイヤ3(RRC)の処理を行うことを想定している。ただし、これに限られるわけではない。
【0028】
また、信号受信部202は、ユーザ装置UE自身がサポートするバンド組み合わせ(CCの組み合わせ)、MIMOレイヤ数及び変調方式で行われるキャリアアグリゲーションで実現可能な最大ビットレートが、自身がサポートするUEカテゴリでサポートすべき最大ビットレートとして標準仕様で規定された最大ビットレートを超える場合、当該標準仕様で規定された最大ビットレートで受信可能な能力を有する。つまり、信号受信部202は、当該UEカテゴリでユーザ装置UEがサポートすべき最大ビットレート以下のビットレートで基地局eNBからデータを受信することができる。
【0029】
また、信号受信部202は、ユーザ装置UE自身がサポートするバンド組み合わせ(CCの組み合わせ)、MIMOレイヤ数及び変調方式で行われるキャリアアグリゲーションで実現可能な最大ビットレートが、自身がサポートするUEカテゴリでサポートすべき最大ビットレートとして標準仕様で規定された所定の幅の最大ビットレートの上限を超える場合、当該標準仕様で規定された所定の幅の最大ビットレートの上限(当該標準仕様で規定された所定の幅の最大ビットレートのうち最も大きいビットレート)で受信可能な能力を有する。つまり、信号受信部202は、当該UEカテゴリでユーザ装置UEがサポートすべき所定の幅の最大ビットレートの上限以下のビットレートで基地局eNBからデータを受信することができる。
【0030】
UE能力通知部203は、基地局eNBに、自身のUE能力(UE−EUTRA−Capability)を通知する機能を有する。
【0031】
以上説明したユーザ装置UE及び基地局eNBの機能構成は、全体をハードウェア回路(例えば、1つ又は複数のICチップ)で実現してもよいし、一部をハードウェア回路で構成し、その他の部分をCPUとプログラムとで実現してもよい。
【0032】
(基地局)
図6は、実施の形態に係る基地局のハードウェア構成例を示す図である。
図6は、
図4よりも実装例に近い構成を示している。
図6に示すように、基地局eNBは、無線信号に関する処理を行うRF(Radio Frequency)モジュール301と、ベースバンド信号処理を行うBB(Base Band)処理モジュール302と、上位レイヤ等の処理を行う装置制御モジュール303と、ネットワークと接続するためのインタフェースである通信IF304とを有する。
【0033】
RFモジュール301は、BB処理モジュール302から受信したデジタルベースバンド信号に対して、D/A(Digital-to-Analog)変換、変調、周波数変換、及び電力増幅等を行うことでアンテナから送信すべき無線信号を生成する。また、受信した無線信号に対して、周波数変換、A/D(Analog to Digital)変換、復調等を行うことでデジタルベースバンド信号を生成し、BB処理モジュール302に渡す。RFモジュール301は、例えば、
図4に示す信号送信部101及び信号受信部102の一部を含む。
【0034】
BB処理モジュール302は、IPパケットとデジタルベースバンド信号とを相互に変換する処理を行う。DSP(Digital Signal Processor)312は、BB処理モジュール302における信号処理を行うプロセッサである。メモリ322は、DSP312のワークエリアとして使用される。BB処理モジュール302は、例えば、
図4に示す信号送信部101の一部、信号受信部102の一部、及びスケジューリング部104を含む。
【0035】
装置制御モジュール303は、IPレイヤのプロトコル処理、OAM(Operation and Maintenance)処理等を行う。プロセッサ313は、装置制御モジュール303が行う処理を行うプロセッサである。メモリ323は、プロセッサ313のワークエリアとして使用される。補助記憶装置333は、例えばHDD等であり、基地局eNB自身が動作するための各種設定情報等が格納される。装置制御モジュール303は、例えば、
図4に示す信号送信部101の一部、信号受信部102の一部、UE能力取得部103及び記憶部105を含む。
【0036】
(ユーザ装置)
図7は、実施の形態に係るユーザ装置のハードウェア構成例を示す図である。
図7は、
図5よりも実装例に近い構成を示している。
図7に示すように、ユーザ装置UEは、無線信号に関する処理を行うRFモジュール401と、ベースバンド信号処理を行うBB処理モジュール402と、上位レイヤ等の処理を行うUE制御モジュール403とを有する。
【0037】
RFモジュール401は、BB処理モジュール402から受信したデジタルベースバンド信号に対して、D/A変換、変調、周波数変換、及び電力増幅等を行うことでアンテナから送信すべき無線信号を生成する。また、受信した無線信号に対して、周波数変換、A/D変換、復調等を行うことでデジタルベースバンド信号を生成し、BB処理モジュール402に渡す。RFモジュール401は、例えば、
図5に示す信号送信部201及び信号受信部202の一部を含む。
【0038】
BB処理モジュール402は、IPパケットとデジタルベースバンド信号とを相互に変換する処理を行う。DSP412は、BB処理モジュール402における信号処理を行うプロセッサである。メモリ422は、DSP412のワークエリアとして使用される。BB処理モジュール402は、例えば、
図5に示す信号送信部201の一部、信号受信部202の一部を含む。
【0039】
UE制御モジュール403は、IPレイヤのプロトコル処理、各種アプリケーションの処理等を行う。プロセッサ413は、UE制御モジュール403が行う処理を行うプロセッサである。メモリ423は、プロセッサ413のワークエリアとして使用される。UE制御モジュール403は、例えば、
図5に示す信号送信部201の一部、信号受信部202の一部及びUE能力通知部203を含む。
【0040】
<処理手順>
図8は、実施の形態に係る無線通信システムが行う処理手順を示すシーケンス図である。
【0041】
ステップS11で、ユーザ装置UEのUE能力通知部203は、自身のUE能力(UE−EUTRA−Capability)を含むUE能力通知メッセージを基地局eNBに通知する。UE能力通知メッセージは、例えば、RRCメッセージにおける「UECapabilityInfomation」である。より具体的には、UE能力通知部203は、UE能力として、UEカテゴリ(UE DLカテゴリ及びUE ULカテゴリを含む)と、CA能力とを基地局eNBに通知する。当該CA能力には、ユーザ装置UE自身がサポートするバンドの組み合わせ、UL/DL個別にバンドの組み合わせ毎、バンド毎にユーザ装置UEがサポートするMIMOレイヤ数、変調方式(256QAMなど)などを含む。基地局eNBのUE能力取得部103は、ユーザ装置UEから通知されたUE能力をメモリ等に格納する。
【0042】
ステップS12で、基地局eNBのスケジューリング部104は、ユーザ装置UEに対して無線リソースを割当てる。ここで、スケジューリング部104は、CAを行う場合、ユーザ装置UEから通知されたUE能力に基づき、UEカテゴリで規定された最大ビットレートを超えない範囲でスケジューリングを行う。例えば、ユーザ装置UEのUE DLカテゴリが特定のカテゴリ(UE DLカテゴリ15又は16)の場合、各DL CCを束ねた場合に送信可能な最大ビットレートが、当該特定のカテゴリのユーザ装置UEがサポートすべき最大ビットレートとして標準仕様に規定されている所定の幅の最大ビットレートの上限を超える場合であっても、当該標準仕様に規定されている所定の幅の最大ビットレートの上限を超えないようにスケジューリングを行う。
【0043】
具体例として、ユーザ装置UEのUE DLカテゴリが15であり、かつ、
図2に示すCAパターンCにおけるCC(バンド)の組み合わせでCAを行っている場合を想定する。この場合、CAパターンCにおける理論上の最大ビットレートは1TTIあたり841888ビットである。一方、ユーザ装置UEが受信可能な最大ビットレートは、
図1に示すように1TTIあたり最大749856〜798800ビットである。従って、基地局eNBのスケジューリング部104は、1TTIあたり、749856〜798800ビットのうち最も大きい値である798800ビット以下になるようにスケジューリングを行う。
【0044】
ステップS13で、基地局eNBは、ユーザ装置UEに送信すべきデータからTBを生成し、生成したTBをスケジューリングした無線リソースにマッピングしてユーザ装置UEに送信する。ユーザ装置UEの信号受信部202は、送信されたTBを受信して復号することでデータを取得する。
【0045】
以上、実施の形態に係る無線通信システムが行う処理手順について説明した。ユーザ装置UEの信号受信部202は、前述の通り、ユーザ装置UE自身がサポートするバンド組み合わせ、MIMOレイヤ数及び変調方式で行われるキャリアアグリゲーションで実現可能な最大ビットレートが、自身がサポートするUEカテゴリでサポートすべきとして標準仕様で規定された所定の幅の最大ビットレートの上限を超えてしまう場合、当該標準仕様で規定された所定の幅の最大ビットレートの上限で受信可能な能力を有するようにした。また、基地局eNBのスケジューリング部104は、ユーザ装置UEがサポートするUEカテゴリでサポートすべき最大ビットレートとして規定された所定の幅の最大ビットレートの上限を超えないようにスケジューリングを行うようにした。これにより、特定のUEカテゴリ(UE DLカテゴリ15又は16)に対応するユーザ装置UEであっても、ユーザ装置UEの能力の範囲内で適切に通信を行うことが可能になる。
【0046】
なお、以上説明した実施の形態に対応する標準仕様変更例を
図9に示す。
図9の下線部は、本実施の形態に対応する変更箇所である。
【0047】
<まとめ>
以上、実施の形態によれば、基地局とユーザ装置とを有する無線通信システムにおけるユーザ装置であって、当該ユーザ装置でサポートするバンド組み合わせ、MIMOレイヤ数及び変調方式と、当該ユーザ装置でサポートするUEカテゴリとを前記基地局に通知する通知部と、当該ユーザ装置がサポートするバンド組み合わせ、MIMOレイヤ数及び変調方式で行われるキャリアアグリゲーションで実現可能な最大ビットレートが、当該ユーザ装置でサポートするUEカテゴリでサポートすべき最大ビットレートを超える場合に、前記UEカテゴリで当該ユーザ装置がサポートすべき最大ビットレート以下で前記基地局から
トランスポートブロックを受信する受信部と、
前記トランスポートブロックを復号するとき、前記基地局に通知した前記バンド組み合わせ、前記MIMOレイヤ数及び前記変調方式で実現可能な最大ビットレートよりも低減されたビットレートに基づいて、前記トランスポートブロックを復号する復号部とを有するユーザ装置が提供される。このユーザ装置UEにより、特定のUEカテゴリに対応するユーザ装置が、ユーザ装置の能力の範囲内で適切に通信を行うことが可能な技術が提供される。
【0048】
また、実施の形態によれば、基地局とユーザ装置とを有する無線通信システムにおける基地局であって、前記ユーザ装置のUEカテゴリごとに、前記ユーザ装置がサポートすべき最大ビットレートを記憶する記憶部と、前記ユーザ装置の
UE能力を取得する取得部と、キャリアアグリゲーションを行う場合であって、かつ、取得した前記ユーザ装置の
UE能力に含まれるUEカテゴリが特定のUEカテゴリである場合、前記特定のUEカテゴリで前記ユーザ装置がサポートすべき最大ビットレートを超えない範囲でスケジューリングを行うスケジューリング部と
を有し、前記スケジューリング部は、前記ユーザ装置から取得したUE能力に含まれる所定のバンド組み合わせ、所定のMIMOレイヤ数及び所定の変調方式でキャリアアグリゲーションを行う場合に、当該所定のバンド組み合わせ、所定のMIMOレイヤ数及び所定の変調方式で行われるキャリアアグリゲーションで実現可能な最大ビットレートが、前記特定のUEカテゴリで前記ユーザ装置がサポートすべき所定の幅の最大ビットレートの上限を超える場合、前記特定のUEカテゴリで前記ユーザ装置がサポートすべき所定の幅の最大ビットレートの上限を超えない範囲でスケジューリングを行う基地局が提供される。この基地局eNBにより、特定のUEカテゴリに対応するユーザ装置が、ユーザ装置の能力の範囲内で適切に通信を行うことが可能な技術が提供される。
【0049】
また、前記スケジューリング部は、所定のバンド組み合わせ、所定のMIMOレイヤ数及び所定の変調方式でキャリアアグリゲーションを行う場合に、当該所定のバンド組み合わせ、所定のMIMOレイヤ数及び所定の変調方式で行われるキャリアアグリゲーションで実現可能な最大ビットレートが、前記特定のUEカテゴリで前記ユーザ装置がサポートすべき所定の幅の最大ビットレートの上限を超える場合、前記特定のUEカテゴリで前記ユーザ装置がサポートすべき所定の幅の最大ビットレートの上限を超えない範囲でスケジューリングを行うようにしてもよい。これにより、ユーザ装置UEの能力を超えたビットレートでスケジューリングを行ってしまい、結果的にスループットが低下してしまうのを防止することができる。
【0050】
また、実施の形態によれば、基地局とユーザ装置とを有する無線通信システムにおけるユーザ装置が実行する通信方法であって、当該ユーザ装置でサポートするバンド組み合わせ、MIMOレイヤ数及び変調方式と、当該ユーザ装置でサポートするUEカテゴリとを前記基地局に通知するステップと、当該ユーザ装置がサポートするバンド組み合わせ、MIMOレイヤ数及び変調方式で行われるキャリアアグリゲーションで実現可能な最大ビットレートが、当該ユーザ装置でサポートするUEカテゴリでサポートすべき最大ビットレートを超える場合に、前記UEカテゴリで当該ユーザ装置がサポートすべき最大ビットレート以下で前記基地局から
トランスポートブロックを受信するステップと、
前記トランスポートブロックを復号するとき、前記基地局に通知した前記バンド組み合わせ、前記MIMOレイヤ数及び前記変調方式で実現可能な最大ビットレートよりも低減されたビットレートに基づいて、前記トランスポートブロックを復号するステップとを有する通信方法が提供される。この通信方法により、特定のUEカテゴリに対応するユーザ装置が、ユーザ装置の能力の範囲内で適切に通信を行うことが可能な技術が提供される。
【0051】
<実施形態の補足>
以上、本発明の実施の形態で説明する各装置(ユーザ装置UE/基地局eNB)の構成は、CPUとメモリを備える当該装置において、プログラムがCPU(プロセッサ)により実行されることで実現される構成であってもよいし、本実施の形態で説明する処理のロジックを備えたハードウェア回路等のハードウェアで実現される構成であってもよいし、プログラムとハードウェアが混在していてもよい。
【0052】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べたシーケンス及びフローチャートは、矛盾の無い限り順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、ユーザ装置UE/基地局eNBは機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従ってユーザ装置UEが有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従って基地局eNBが有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
(付記)
以上説明した実施の形態に関し、更に以下の付記のようにも記載できる。
(付記1)
基地局とユーザ装置とを有する無線通信システムにおけるユーザ装置であって、
当該ユーザ装置でサポートするバンド組み合わせ、MIMOレイヤ数及び変調方式と、当該ユーザ装置でサポートするUEカテゴリとを前記基地局に通知する通知部と、
当該ユーザ装置がサポートするバンド組み合わせ、MIMOレイヤ数及び変調方式で行われるキャリアアグリゲーションで実現可能な最大ビットレートが、当該ユーザ装置でサポートするUEカテゴリでサポートすべき最大ビットレートを超える場合に、前記UEカテゴリで当該ユーザ装置がサポートすべき最大ビットレート以下で前記基地局からデータを受信する受信部と、
を有するユーザ装置。
(付記2)
基地局とユーザ装置とを有する無線通信システムにおける基地局であって、
前記ユーザ装置のUEカテゴリごとに、前記ユーザ装置がサポートすべき最大ビットレートを記憶する記憶部と、
前記ユーザ装置のUEカテゴリを取得する取得部と、
キャリアアグリゲーションを行う場合であって、かつ、取得した前記ユーザ装置のUEカテゴリが特定のUEカテゴリである場合、前記特定のUEカテゴリで前記ユーザ装置がサポートすべき最大ビットレートを超えない範囲でスケジューリングを行うスケジューリング部と、
を有する基地局。
(付記3)
前記スケジューリング部は、所定のバンド組み合わせ、所定のMIMOレイヤ数及び所定の変調方式でキャリアアグリゲーションを行う場合に、当該所定のバンド組み合わせ、所定のMIMOレイヤ数及び所定の変調方式で行われるキャリアアグリゲーションで実現可能な最大ビットレートが、前記特定のUEカテゴリで前記ユーザ装置がサポートすべき所定の幅の最大ビットレートの上限を超える場合、前記特定のUEカテゴリで前記ユーザ装置がサポートすべき所定の幅の最大ビットレートの上限を超えない範囲でスケジューリングを行う、
付記2に記載の基地局。
(付記4)
基地局とユーザ装置とを有する無線通信システムにおけるユーザ装置が実行する通信方法であって、
当該ユーザ装置でサポートするバンド組み合わせ、MIMOレイヤ数及び変調方式と、当該ユーザ装置でサポートするUEカテゴリとを前記基地局に通知するステップと、
当該ユーザ装置がサポートするバンド組み合わせ、MIMOレイヤ数及び変調方式で行われるキャリアアグリゲーションで実現可能な最大ビットレートが、当該ユーザ装置でサポートするUEカテゴリでサポートすべき最大ビットレートを超える場合に、前記UEカテゴリで当該ユーザ装置がサポートすべき最大ビットレート以下で前記基地局からデータを受信するステップと、
を有する通信方法。