(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも2種類の異なるシリコーン材料のそれぞれを、独立してポリシロキサン化合物を含むように選択することが、少なくとも2種類の異なるシリコーン材料を、同じポリシロキサンの異なるグレードを含むように選択することを含む、請求項2に記載の方法。
少なくとも2種類の異なるシリコーン材料のそれぞれを、独立してポリシロキサン化合物を含むように選択することが、少なくとも2種類の異なるシリコーン材料のそれぞれのポリシロキサン化合物を、ジメチルシロキサン、メチルエチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、ジエチルシロキサン、エチルフェニルシロキサン、又はジフェニルシロキサンの繰り返し単位を含むポリマー骨格を有するように選択することを含む、請求項2に記載の方法。
少なくとも2種類の異なるシリコーン材料のそれぞれを、独立してポリシロキサン化合物を含むように選択することが、少なくとも2種類の異なるシリコーン材料のそれぞれのポリシロキサン化合物を、ビニル末端ポリジメチルシロキサンを含むように独立して選択することを含む、請求項2に記載の方法。
予備構造体を硬化させて予備構造体の異なるポリシロキサン鎖の少なくとも一部を架橋することが、予備構造体を、26psi未満の剪断弾性率を有する硬化ポリシロキサン組成物を形成するのに十分な時間、昇温された温度及び昇圧された圧力の少なくとも1つにさらすことを含む、請求項2に記載の方法。
成形された硬化ポリシロキサン組成物が第2のポリシロキサン化合物に架橋している第1のポリシロキサン化合物を含み、第1のポリシロキサン化合物及び第2のポリシロキサン化合物が同じポリシロキサンの異なるグレードを含む、請求項11に記載の可撓性構造体。
成形された硬化ポリシロキサン組成物が第2のポリシロキサン化合物に架橋している第1のポリシロキサン化合物を含み、第1のポリシロキサン化合物は少なくとも1つの第2のポリシロキサン化合物と異なる官能基を含む、請求項11に記載の可撓性構造体。
可撓性構造体の少なくとも1つの他のものが、少なくとも2種類の他の異なるシリコーン材料の架橋ポリシロキサン鎖を含む他の硬化ポリシロキサン組成物を含む、請求項16に記載の可撓性組立品。
可撓性組立品の可撓性構造体のそれぞれ、及び他の可撓性組立品の更なる可撓性構造体のそれぞれが26psi未満の剪断弾性率を有する、請求項27に記載のロケットモーター組立品。
可撓性組立品の可撓性構造体のそれぞれが、他の可撓性組立品の更なる可撓性構造体のそれぞれと実質的に同等の剪断弾性率を有する、請求項28に記載のロケットモーター組立品。
可撓性組立品の可撓性構造体の少なくとも1つが、他の可撓性組立品の更なる可撓性構造体の少なくとも1つと異なる剪断弾性率を有する、請求項28に記載のロケットモーター組立品。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ロケットモーター組立品のための可撓性構造体のような可撓性構造体を形成する方法、及び関連する可撓性構造体、並びに可撓性構造体を含む可撓性組立品(例えば、可撓性ベアリング組立品、可動推力ノズル組立品、ロケットモーター組立品等)を記載する。幾つかの態様においては、航空宇宙用途のための可撓性構造体を形成する方法は、少なくとも2種類の異なるシリコーン材料、及び場合によっては少なくとも1種類の添加剤(例えば架橋/硬化剤)から形成され、及びこれらを含むポリシロキサン組成物を形成することを含む。ポリシロキサン組成物は予備構造体に形成(例えば成形、押出等)することができ、次に予備構造体を硬化させて、異なるシリコーン材料のポリシロキサン鎖を架橋させ、可撓性構造体を形成することができる。ポリシロキサン組成物の異なるシリコーン材料及び(存在する場合には)1種類又は複数の添加剤の種類及び量は、少なくとも異なるシリコーン材料のそれぞれ単独のショアA硬度と異なるショアA硬度をポリシロキサン組成物に与え、並びにその後に形成される可撓性構造体に少なくとも所望の剪断弾性率を与えるように、互いに対して相対的に選択することができる。本発明の可撓性構造体は、従来の可撓性構造体の材料特性よりも、航空宇宙用途のための広範囲の組立品(例えばロケットモーター組立品)において可撓性構造体を使用するのに好ましい材料特性を示すことができる。本発明方法にしたがって形成される構造体及び組立品は、従来の方法によって形成される対応する従来の構造体及び組立品と比べて増大した能力、性能、耐久性、及び信頼性を示すことができる。
【0014】
本発明の幾つかの態様の完全な説明を与えるために、以下の記載によって、材料の種類、材料の厚さ、及び加工条件のような具体的な詳細を与える。しかしながら、当業者であれば、これらの具体的な詳細を用いないで本発明の幾つかの態様を実施することができることを理解するであろう。実際、本発明の幾つかの態様は、産業において用いられている従来の製造技術を併用して実施することができる。更に、下記に与える記載は、構造体又は組立品を製造するための完全なプロセスの流れを形成するものではない。下記に記載する構造体は完全な組立品を形成するものではない。本発明の幾つかの態様を理解するために必要なこれらのプロセス手順及び構造体のみを下記において詳細に記載する。種々の構造体から完全な組立品を形成するための更なる手順は、従来の製造技術によって行うことができる。また、本出願に添付の図面は例示目的のみのものであり、したがって等縮尺で記載されていない。更には、複数の図面の間で共通の構成要素は、同じ数字表示を保有する可能性がある。
【0015】
本明細書において用いる「含む」、「包含する」、「含有する」、「〜を有することを特徴とする」と言う用語、及びその文法的に同等の表現は、包含的又は開放型の用語であり、示されていない更なる構成要素又は方法工程を排除せず、より制限的な用語の「〜から構成される」及び「〜から実質的に構成される」、並びにその文法的に同等の表現も包含する。
【0016】
材料、構造体、特徴、又は方法手順に関して本明細書において用いる「であってよい」と言う用語は、本発明の一態様の実施において用いるように意図され、かかる用語は、これらと組み合わせて用いることができる他の適合可能な材料、構造体、特徴、及び方法を排除するか又は排除しなければならないという含意を回避するように、より制限的な用語の「である」に優先して用いられる。
【0017】
本明細書において用いる「構成する」という用語は、所定の方法で構造体及び装置の1以上の操作を容易にする少なくとも1つの構造体及び少なくとも1つの装置の1つ以上の寸法、形状、材料組成、及び配置を指す。
【0018】
本明細書において用いる単数形の「a」、「an」、及び「the」は、記載が明確に他に示していない限りにおいて複数形も包含すると意図される。
【0019】
本明細書において用いる「及び/又は」という用語は、関連する列記された事項のいずれか及び1以上の全ての組合せを包含する。
【0020】
与えられているパラメーター、特性、又は条件に関して本明細書において用いる「実質的に」という用語は、与えられているパラメーター、特性、又は条件が、許容し得る製造公差内のような小程度の変動に合致することを当業者が理解するだろう程度を意味する。
【0021】
本明細書において用いる「下方」、「下部」、「より低い」、「底部」、「上方」、「上部」、「頂部」、「正面」、「背面」、「左」、「右」などのような空間的な相対的用語は、図面において示されている1つの構成要素又は機構の、他の1つ又は複数の構成要素或いは1つ又は複数の機構に対する関係を説明する記載を容易にするために用いることができる。他に特定していない限りにおいて、空間的な相対的用語は、図面に示される配置に加えて材料の異なる配置を包含するように意図される。例えば、図面中の材料を逆転させると、他の構成要素又は機構の「下側」又は「下方」又は「下」或いは「底部」と記載されている構成要素は、他の構成要素又は機構の「上方」又は「頂部上」に配置される。而して、「下側」という用語は、その用語を用いる文脈に応じて、上側及び下側の配置の両方を包含することができ、これは当業者には明らかになるであろう。材料は別の形態で配置する(例えば90°回転させる、逆転させる、反転させる等)ことができ、本明細書において用いる空間的な相対的記載はそのように解釈される。
【0022】
与えられているパラメーター、特性、又は条件に関して本明細書において用いる「実質的に」という用語は、与えられているパラメーター、特性、又は条件が、許容し得る製造公差内のような所定の変動の程度に合致することを当業者が理解するであろう程度を意味し、それを包含する。例として、実質的に合致する特定のパラメーター、特性、又は条件に応じて、パラメーター、特性、又は条件は、少なくとも90.0%合致、少なくとも95.0%合致、少なくとも99.0%合致、又は更には少なくとも99.9%合致していてよい。
【0023】
与えられているパラメーターに関して本明細書において用いる「約」という用語は、規定の値を包含するものであり、文脈によって定まる意味を有する(例えば、これは、与えられているパラメーターの測定に関係する誤差の程度を包含する)。
【0024】
図1は、本発明の幾つかの態様にしたがって、航空宇宙用途において用いるための可撓性構造体(例えば、ロケットモーター組立品のための可撓性シール)のような可撓性構造体を形成する方法100を示す簡略化したフロー図である。方法100は、少なくとも2種類の異なるシリコーン材料を含むポリシロキサン組成物を形成することを含む混合プロセス102;ポリシロキサン組成物を予備構造体に成形することを含む構造体形成プロセス104;及び、予備構造体のポリシロキサン鎖を架橋させることを含む硬化プロセス106を含む。下記において与える記載によって、ここに記載する方法は種々の用途において用いることができることは当業者に直ぐに分かるであろう。言い換えれば、本方法は、所望の材料特性(例えば、機械特性、レオロジー特性、物理特性、化学特性等)を示す可撓性構造体を形成することが望ましい場合にはいつでも用いることができる。
【0025】
混合プロセス102は、少なくとも2種類の異なるシリコーン材料、及び場合によっては少なくとも1種類の添加剤を混合して、所望の材料特性(例えばレオロジー特性、例えばショアA硬度)を示すポリシロキサン組成物を形成することを含む。本明細書において用いる「シリコーン材料」という用語は、ポリシロキサン化合物から形成され、及びこれを含む材料(例えば、樹脂、ゴム等)を意味し、及びこれを含む。異なるシリコーン材料のそれぞれのポリシロキサン化合物は、独立して次の化学構造:
【0027】
(式中、下記において更に詳細に記載するように、nは、2〜10,000(例えば100〜5,000)の整数であり;それぞれのRは、独立して懸垂(ペンダント)官能基であり;それぞれのMは、独立して反応性キャッピング基である)
を示していてよい。
【0028】
それぞれのR基は、独立して、水素、脂肪族基、環式基、又はこれらの組合せを含んでいてよい。本明細書において用いる「脂肪族基」という用語は、飽和又は不飽和で、置換又は非置換で、直鎖又は分枝の炭化水素基、例えばアルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基を意味し、及びこれらを包含する。好適なアルキル基は、1〜10個の炭素原子を有する、飽和又は不飽和で、置換又は非置換で、直鎖又は分枝の炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、これらの置換誘導体等)であってよい。好適なアルケニル基は、2〜10個の炭素原子、及び少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む、飽和又は不飽和で、置換又は非置換で、直鎖又は分枝の炭化水素基であってよい。好適なアルキニル基は、2〜10個の炭素原子、及び少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む、飽和又は不飽和で、置換又は非置換で、直鎖又は分枝の炭化水素基であってよい。場合によっては、脂肪族基は、1以上のヘテロ原子(即ち、炭素及び水素以外の元素、例えば酸素、窒素、イオウ、又はケイ素)を含んでいてよい。幾つかの態様においては、それぞれのR基はメチル基である。本明細書において用いる「環式結合」という用語は、脂環式基、アリール基、又はこれらの組合せのような、少なくとも1つの飽和又は不飽和で置換又は非置換の閉環炭化水素基を意味し、及びこれらを包含する。好適な脂環式基は、5〜8個の炭素を含む、飽和又は不飽和で置換又は非置換の閉環炭化水素基(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、これらの置換誘導体等)であってよい。好適なアリール基としては、飽和又は不飽和で置換又は非置換の閉環芳香族環、或いは飽和又は不飽和で置換又は非置換の閉環芳香族環系(例えば、フェニル、ビフェニル、これらの置換誘導体等)を挙げることができる。場合によっては、環式基は1以上のヘテロ原子を含んでいてよい。非限定的な例として、環式基は、ヘテロ脂環式基及びヘテロアリーレン基(例えば、フリル、チエニル、ピリジル、これらの置換誘導体等)の少なくとも1つであってよい。少なくとも1つのR基が不飽和である態様においては、R基は、場合によっては、ヒドロシリル化、縮合、付加、エステル化、エーテル化、マイケル反応、イミド化、アミノ化、スルホン化などにおいて用いられるもののような、通常の反応条件下で他の化合物と反応して化学結合を形成するように構成される部分を含んでいてよい。例えば、それぞれのR基は、独立して、ビニル部分、シラノール部分、アリル部分、ビニルシクロヘキシル部分、スチリル部分、又はプロパルギル部分を含んでいてよい。
【0029】
それぞれのM基は、ヒドロシリル化、縮合、付加、エステル化、エーテル化、マイケル反応、イミド化、アミノ化、スルホン化などにおいて用いられるもののような、通常の反応条件下で他の化合物と反応して化学結合を形成するように構成される末端官能基を含んでいてよい。非限定的な例として、それぞれのM基は、ビニル基、シラノール基、アリル基、ビニルシクロヘキシル基、スチリル基、又はプロパルギル基を含んでいてよい。幾つかの態様においては、それぞれのM基はビニル基である。M基は、下記において更に詳細に記載するように、それぞれのポリシロキサン化合物と少なくとも1種類の他のポリシロキサン化合物との架橋を促進して可撓性構造体を形成することができる。
【0030】
ポリシロキサン組成物の異なるシリコーン材料は、単一のポリシロキサンの複数の異なるグレードを含んでいてよく、及び/又は異なる複数のポリシロキサンを含んでいてよい。単一のポリシロキサンの異なる複数のグレードは、例えば、実質的に同じ全体的な化学構造(例えば互いに同じR基及びM基)であるが、異なる分子量(例えば、互いに異なるポリマー鎖の長さ)を示していてよい。これに対して、異なる複数のポリシロキサンは、例えば、異なる化学構造(例えば、互いに異なるR基、互いに異なるM基等)を示していてよく、また、実質的に同一か又は異なる分子量を示していてもよい。幾つかの態様においては、ポリシロキサン組成物の異なるシリコーン材料のそれぞれは、同じポリシロキサンの異なるグレードから形成され、及びこれを含む。更なる態様においては、ポリシロキサン組成物の異なるシリコーン材料の少なくとも1つは、ポリシロキサン組成物の異なるシリコーン材料の少なくとも1つの他のものと異なるポリシロキサンから形成され、及びこれを含む。
【0031】
非限定的な例として、ポリシロキサン組成物の異なるシリコーン材料の1以上は、独立して、ジメチルシロキサン、メチルエチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、ジエチルシロキサン、エチルフェニルシロキサン、又はジフェニルシロキサンの繰り返し単位を含むポリマー骨格;並びに、ビニル、シラノール、アリル、ビニルシクロヘキシル、スチリル、又はプロパルギルを含む反応性キャッピング基を有する直鎖ポリシロキサン化合物から形成することができ、及びこれらを含んでいてよい。異なるシリコーン材料の少なくとも1つは、例えば、ビニル末端ポリジメチルシロキサン、ビニル末端ポリメチルエチルシロキサン、ビニル末端ポリメチルフェニルシロキサン、ビニル末端ポリジエチルシロキサン、ビニル末端ポリエチルフェニルシロキサン、ビニル末端ポリジフェニルシロキサン、又はこれらの組合せから形成することができ、及びこれらを含んでいてよい。幾つかの態様においては、ポリシロキサン組成物の異なるシリコーン材料は、異なるビニル末端ポリジメチルシロキサン化合物(例えば、互いに異なる分子量を示すビニル末端ポリジメチルシロキサン化合物)から形成され、及びこれを含む。好適なシリコーン材料は、種々の供給源から、例えばWacker Chemie AG(Adrian, MI)から少なくともELASTOSIL(登録商標)(例えばELASTOSIL(登録商標)R401/10樹脂、ELASTOSIL(登録商標)R401/20樹脂等)の商品名で商業的に入手できる。幾つかの態様においては、異なるシリコーン材料の1番目はELASTOSIL(登録商標)R401-10樹脂であり、異なるシリコーン材料の2番目はELASTOSIL(登録商標)R401/20樹脂である。
【0032】
含まれる場合には、添加剤には、ポリシロキサン化合物からの可撓性構造体の形成を促進し、及び/又は可撓性構造体がポリシロキサン組成物から形成される少なくとも1つの材料特性(例えば剪断弾性率)を増大させる少なくとも1種類の材料を含ませることができる。例えば、添加剤には、異なるシリコーン材料のポリシロキサン鎖の最密充填、並びにポリシロキサン組成物から可撓性構造体を形成する間及び/又は形成した後の異なるシリコーン材料のポリシロキサン鎖の架橋の少なくとも1つを増大させる少なくとも1種類の架橋/硬化剤を含ませることができる。架橋/硬化剤の種類及び量は、下記において更に詳細に記載するように、少なくとも部分的に、用いる異なるシリコーン材料、及び形成する可撓性構造体の所望の特性によって定めることができる。例えば、架橋/硬化剤に、有機ペルオキシド(例えば、ジクミルペルオキシド、ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)ペルオキシド等)、白金ベースの架橋/硬化剤、及びスズベースの架橋/硬化剤の少なくとも1つを含ませることができる。幾つかの態様においては、架橋/硬化剤はジクミルペルオキシドを含む。好適な架橋/硬化剤は、種々の供給源から、例えばArkema, Inc.(King of Prussia, PA)から少なくともDI-CUP(登録商標)(例えばDI-CUP(登録商標)40C、DI-CUP(登録商標)40KE等)の商品名で商業的に入手できる。架橋/硬化剤は、例えば樹脂100部あたり約0部(phr)〜約2.5phr、例えば約1.5phr〜約2.0phr、又は約2.0phrでポリシロキサン組成物中に存在させることができる。幾つかの態様においては、ポリシロキサン組成物は、約2.0phrの有機ペルオキシド添加剤を含む。更なる態様においては、添加剤に、硬化促進剤、接着促進剤、潤滑剤、充填剤、及び顔料の少なくとも1つを含ませることができる。更なる態様においては、ポリシロキサン組成物は、架橋/硬化剤以外の添加剤を実質的に含まないものとすることができる。
【0033】
ポリシロキサン組成物の異なる成分の分量(例えば、量、部等)及び種類は、ポリシロキサン組成物及びその後にポリシロキサン組成物から形成される可撓性構造体に所望の材料特性(例えば、レオロジー特性、機械特性、物理特性、化学特性等)を与えるように選択することができる。例えば、ポリシロキサン組成物の異なるシリコーン材料及び(存在する場合には)1種類又は複数の添加剤のそれぞれの量及び種類は、ポリシロキサン組成物に所望のショアA硬度を与え、ポリシロキサン組成物から形成される可撓性構造体に所望の剪断弾性率を与えるように選択することができる。所望のショアA硬度は、少なくとも部分的に、可撓性構造体を形成する選択される方法に基づいて定めることができ、所望の剪断弾性率は、少なくとも部分的に、可撓性構造体の所望の最終用途に基づいて定めることができる。非限定的な例として、少なくとも、可撓性構造体がロケットモーター組立品の部品(例えば可撓性シール)を含む態様においては、異なるシリコーン材料及び(存在する場合には)1種類又は複数の添加剤の量及び種類は、ポリシロキサン組成物の所望のショアA硬度を約20℃〜約100℃の範囲内の温度において約24未満の所望の値に調整し、その後に形成される可撓性構造体の剪断弾性率を約26ポンド/平方インチ(psi)未満の所望の値に調整するように、互いに対して相対的に選択することができる。異なるシリコーン材料は、ポリシロキサン組成物の所望のショアA硬度、及びその後に形成される可撓性構造体の所望の剪断弾性率を容易にする互いに対する任意の比で含ませることができる。非限定的な例として、約13〜約17の範囲内のショアA硬度を有する第1のシリコーン材料、及び約20〜約24の範囲内のショアA硬度を有する第2のシリコーン材料をそれぞれ選択して、次に(存在する場合には)選択された架橋/硬化剤と一緒に所定の比で混合して、約24未満の所望のショアA硬度を有するポリシロキサン組成物を生成させることができ、これをその後に硬化させて約26psi未満の剪断弾性率を示す可撓性構造体を形成することができる。
【0034】
ポリシロキサン組成物は、実質的に均一であってよく(例えば、異なるシリコーン材料及び添加剤をポリシロキサン組成物全体にわたって均一に分散させることができる)、或いは不均一であってよい(例えば、異なるシリコーン材料の少なくとも1つ及び/又は少なくとも1種類の添加剤を、ポリシロキサン組成物全体に不均一に分散させることができる)。幾つかの態様においては、ポリシロキサン組成物は、形成されたままの状態で実質的に均一である。
【0035】
ポリシロキサン組成物は、通常のプロセス(例えば、通常の材料添加プロセス、通常の混合プロセス等)及び通常の処理装置(これらはここでは詳細には記載しない)を用いて、異なるシリコーン材料及び任意の1種類又は複数の添加剤から形成することができる。非限定的な例として、相対的により低粘度のシリコーン材料を、順々に相対的により高粘度のシリコーン材料に加えてこれと混合してマスターバッチを形成することができ、次に用いる場合には1種類又は複数の添加剤(例えば、少なくとも架橋/硬化剤を含む硬化パッケージ)をマスターバッチに加えてこれと混合することができる。含ませる場合には、1種類又は複数の添加剤は、例えば二本ロールミルを用いてマスターバッチに加えてこれと混合することができる。
【0036】
図1を続けて参照すると、構造体形成プロセス104は、ポリシロキサン組成物を予備構造体に成形することを含む。予備構造体は、バルクの構造体を構成することができ、或いは他の構造体を少なくとも部分的に被覆している膜(例えば、層、被覆等)を構成することができる。例えば、所定体積のポリシロキサン組成物を、通常の成形プロセス(例えば、射出成形プロセス、圧縮成形プロセス、トランスファー成形プロセス等)にかけて、予備構造体を、所望の形状及び寸法のバルク構造体を構成するように形成することができる。他の例として、所定体積のポリシロキサン組成物を通常の押出プロセスにかけて、予備構造体を、所望の形状及び寸法のバルク構造体を構成するように形成することができる。更なる例として、ポリシロキサン組成物を、通常の堆積プロセス(例えば溶液キャストプロセス)にかけて、予備構造体を、他の構造体上又はその上方の所望の寸法(例えば、長さ、幅、厚さ)の膜を構成するように形成することができる。
【0037】
成形に続いて、予備構造体を硬化プロセス106にかけて可撓性構造体を形成することができる。硬化プロセス106によって、予備構造体のポリシロキサン鎖の細密充填及びポリシロキサン鎖の架橋の少なくとも1つを増大させて、それから形成される可撓性構造体が、予備構造体と異なる1以上の所望の材料特性(例えば、剪断弾性率、弾性率、体積弾性率、耐熱性、引張り強さ、硬度、耐摩耗性、耐化学薬品性、押出抵抗、伸び等)を示すようにすることができる。本明細書において用いる「架橋する」及び「架橋」という用語は、1つより多いポリマー鎖、又は長いポリマー鎖の1つより多い部分を、少なくとも1つの化学結合(例えば共有結合)によって結合するプロセスを指す。架橋は、例えば、ポリシロキサン組成物の架橋/硬化剤と、ポリシロキサン組成物の異なるシリコーン材料のポリシロキサン化合物の反応性キャッピング基との間の化学反応によって促進させることができる。更なる態様においては、架橋/硬化剤を用いないで架橋を促進させることができる。硬化プロセス106には、予備構造体を、予備構造体のポリシロキサン鎖を少なくとも部分的に架橋させるのに十分な時間、(例えば、オートクレーブ、圧縮成形型、ヒートガン、積層プレス等のような通常の硬化装置を用いて)1つ又は複数の昇温された温度及び1つ又は複数の昇圧された圧力の少なくとも1つにさらすことを含ませることができる。非限定的な例として、予備構造体を、約5分間〜約10時間(約10分間〜約5時間、例えば約10分間〜約2時間、又は約10分間〜約1時間)の範囲内の時間、約300℃以下(例えば、約50℃〜約300℃、例えば約100℃〜約250℃、又は約150℃〜約200℃の範囲内)の温度にかけて、予備構造体を硬化させて可撓性構造体を形成することができる。幾つかの態様においては、硬化プロセス106によって、約26psi未満の剪断弾性率を有する可撓性構造体の形成を促進させることができる。
【0038】
図2は、本発明の一態様による可撓性構造体200(例えば可撓性シール)の斜視図である。可撓性構造体200は、
図1を参照して上記で記載した方法にしたがって形成することができる。
図2に示すように、可撓性構造体200は、航空宇宙用途において用いるための環状(例えばリング形状)の構造体を構成することができる。幾つかの態様においては、可撓性構造体200は、下記において更に詳細に記載するように、ロケットモーター組立品の部品(例えば、可撓性ベアリング組立品、熱保護組立品)中に含ませてその中で使用するように構成されている可撓性シールを構成することができる。
図2は、可撓性構造体200を環状の構造体として示しているが、可撓性構造体200は異なる幾何構造(例えば形状及び寸法)を示すことができる。例えば、可撓性構造体200は、円錐形状、ピラミッド形状、立方形状、直平行六面体形状、球形状、半球形状、円筒形状、半円筒形状、例えば切頭円錐形状のようなこれらの切頭型、或いは不規則形状を示すことができる。不規則形状としては、航空宇宙構造体、装置、及び組立品に関連する形状のような複雑な形状が挙げられる。
【0039】
図3は、本発明の一態様による可撓性組立品300の断面図である。可撓性組立品300には、第1の基材302、第2の基材304、並びに第1の基材302と第2の基材304との間に伸長している可撓性構造体306と剛性構造体308の交互配列を含む積層体305を含ませることができる。可撓性構造体306の1以上は、
図2を参照して上記に記載した可撓性構造体200と実質的に同様であってよい。可撓性組立品300は、例えば、下記において更に詳細に記載するように、ロケットモーター組立品の可動推力ノズル組立品のための可撓性ベアリング組立品又は熱保護組立品を構成することができる。
【0040】
第1の基材302及び第2の基材304は、それぞれ独立して、航空宇宙環境中において用いるのに好適な剛性材料のような少なくとも1種類の剛性材料から形成することができ、及びそれを含ませることができる。非限定的な例として、第1の基材302及び第2の基材304は、それぞれ独立して、複合材料(例えば、炭素繊維織布とフェノール樹脂の複合材料、ガラス繊維織布とフェノール樹脂の複合材料、セラミック−金属複合材料等)、金属(例えば、タングステン、チタン、モリブデン、ニオブ、バナジウム、ハフニウム、タンタル、クロム、ジルコニウム、鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、ケイ素等)、金属合金(例えば、コバルトベースの合金、鉄ベースの合金、ニッケルベースの合金、鉄及びニッケルベースの合金、コバルト及びニッケルベースの合金、鉄及びコバルトベースの合金、アルミニウムベースの合金、銅ベースの合金、マグネシウムベースの合金、チタンベースの合金、鋼材、低炭素鋼、ステンレススチール等)、及びセラミック(例えば、炭化物、窒化物、酸化物、及び/又はホウ化物、例えばタングステン、チタン、モリブデン、ニオブ、バナジウム、ハフニウム、タンタル、クロム、ジルコニウム、アルミニウム、及びケイ素の少なくとも1つの炭化物及びホウ化物)のような少なくとも1種類の熱的に安定な材料から形成することができ、及びこれらを含ませることができる。幾つかの態様においては、第1の基材302及び第2の基材304は、それぞれ独立して、複合材料、金属、及び金属合金の少なくとも1つを含む。更に、第1の基材302及び第2の基材304は、それぞれ独立して所望の幾何構造(例えば形状及び寸法)を示すことができる。幾つかの態様においては、第1の基材302及び第2の基材304は、向かい合う環状構造体(例えば向かい合う端環)を構成する。第1の基材302及び第2の基材304は、互いに実質的に同じ材料組成及び幾何構造を示すことができ、或いは第1の基材302は、第2の基材304と異なる材料組成及び異なる幾何構造の少なくとも1つを示すことができる。第1の基材302及び第2の基材304は、それぞれ通常のプロセス及び通常の処理装置(これらは、ここでは詳細には記載しない)を用いて形成することができる。
【0041】
剛性構造体308(例えば剛性シム)のそれぞれも、独立して、航空宇宙環境中において用いるのに好適な剛性材料のような少なくとも1種類の剛性材料から形成することができ、及びそれを含ませることができる。非限定的な例として、剛性構造体308のそれぞれは、独立して、複合材料(例えば、炭素繊維織布とフェノール樹脂の複合材料、ガラス繊維織布とフェノール樹脂の複合材料、セラミック−金属複合材料等)、金属(例えば、タングステン、チタン、モリブデン、ニオブ、バナジウム、ハフニウム、タンタル、クロム、ジルコニウム、鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、ケイ素等)、金属合金(例えば、コバルトベースの合金、鉄ベースの合金、ニッケルベースの合金、鉄及びニッケルベースの合金、コバルト及びニッケルベースの合金、鉄及びコバルトベースの合金、アルミニウムベースの合金、銅ベースの合金、マグネシウムベースの合金、チタンベースの合金、鋼材、低炭素鋼、ステンレススチール等)、及びセラミック(例えば、炭化物、窒化物、酸化物、及び/又はホウ化物、例えばタングステン、チタン、モリブデン、ニオブ、バナジウム、ハフニウム、タンタル、クロム、ジルコニウム、アルミニウム、及びケイ素の少なくとも1つの炭化物及びホウ化物)のような少なくとも1種類の熱的に安定な材料から形成することができ、及びこれらを含ませることができる。幾つかの態様においては、剛性構造体308は、それぞれ独立して、複合材料、金属、及び金属合金の少なくとも1つを含む。剛性構造体308はそれぞれ実質的に同じ材料組成を示していてよく、或いは剛性構造体308の少なくとも1つは複数の剛性構造体308の少なくとも1つの他のものと異なる材料組成を示していてよい。更に、剛性構造体308のそれぞれは、独立して所望の幾何構造(例えば形状及び寸法)を示すことができる。剛性構造体308は、それぞれ互いに実質的に同じ幾何構造(例えば、実質的に同じ形状、及び実質的に同じ寸法)を示すことができ、或いは剛性構造体308の少なくとも1つは、剛性構造体308の少なくとも1つの他のものと異なる幾何構造(例えば、異なる形状及び/又は異なる寸法)を示すことができる。幾つかの態様においては、剛性構造体308は、共通の中心を有するが異なる直径を有する環状構造体を構成する。剛性構造体308の直径は、例えば、第1の基材302及び第2の基材304の1つから、第1の基材302及び第2の基材304の他のものへ伸びる方向において漸次増加させることができる。剛性構造体308は、それぞれ通常のプロセス及び通常の処理装置(これらは、ここでは詳細には記載しない)を用いて形成することができる。
【0042】
可撓性構造体306のそれぞれは、少なくとも部分的に、所望の特性を有する可撓性組立品300を与える可撓性組立品300のそれぞれの他の部品の構造に基づいて構成することができる。例えば、可撓性構造体306のそれぞれは、可撓性構造体306、剛性構造体308、第1の基材302、及び第2の基材304の互いに対して協働させて構成して、可撓性組立品300の使用及び操作中における可撓性組立品300の1以上の部分の所望の動き(例えば横方向の動き)を容易にすることができる。所望の動きは、例えば、可撓性組立品300を含むロケットモーター組立品の所望の飛行経路(例えば軌道)に合わせて調整することができる。非限定的な例として、可撓性構造体306のそれぞれは、可撓性組立品300を(例えば可撓性ベアリング組立品として)含むロケットモーター組立品の推力ノズルのような部品が、使用及び運転中に、(例えば目標地点に到達させるために)少なくとも部分的に可撓性組立品300の位置の変化に基づいて所定の方法で方向を変化させることを可能にする構成を示すことができる。
【0043】
可撓性構造体306のそれぞれは実質的に同じ材料特性を示していてよく、或いは可撓性構造体306の少なくとも1つは、可撓性構造体306の少なくとも1つの他のものと異なる材料特性を示していてよい。可撓性構造体306のそれぞれの材料組成は、可撓性構造体306のそれぞれに実質的に同じ材料特性を与えるか、又は可撓性構造体306の少なくとも1つに、可撓性構造体306の少なくとも1つの他のものと異なる材料特性を与えるように調整することができる。幾つかの態様においては、可撓性構造体306のそれぞれは、可撓性構造体306の互いに実質的に同じ材料特性を示す。実質的に同じ材料特性を示す可撓性構造体306は、それぞれ、実質的に同じ材料組成物(例えば、実質的に同じ架橋ポリシロキサンの化学構造、実質的に同じ架橋ポリシロキサンの分子量、及び実質的に同じ架橋ポリシロキサンの量を含む実質的に同じ硬化ポリシロキサン組成物)から形成することができ、及びこれを含ませることができ、或いは可撓性構造体306の少なくとも1つは、可撓性構造体306の少なくとも1つの他のものと異なる材料組成物(例えば、異なる架橋ポリシロキサンの化学構造、異なる架橋ポリシロキサンの分子量、及び/又は異なる架橋ポリシロキサンの量を含む異なる硬化ポリシロキサン組成物)から形成することができ、及びこれを含ませることができる。幾つかの態様においては、可撓性構造体306の少なくとも1つは、可撓性構造体306の少なくとも1つの他のものと異なる材料特性を示す。互いに異なる少なくとも1つの材料特性を示す可撓性構造体306は、互いに異なる材料組成(例えば、異なる架橋ポリシロキサンの化学構造、異なる架橋ポリシロキサンの分子量、及び/又は異なる架橋ポリシロキサンの量を含む異なる硬化ポリシロキサンの組成)を示すことができる。可撓性構造体306のそれぞれの材料組成(及びしたがって材料特性)は、少なくとも部分的に、
図1に関して上記に記載した方法にしたがって、可撓性構造体306のそれぞれを形成するのに用いる1種類又は複数のポリシロキサン組成物内に存在する異なるシリコーン材料及び(存在する場合には)1種類又は複数の添加剤の量及び種類を選択することによって制御することができる。幾つかの態様においては、可撓性構造体306のそれぞれは、約26psi未満の実質的に同等の剪断弾性率を有する。更なる態様においては、可撓性構造体306のそれぞれは約26psi未満の剪断弾性率を有するが、可撓性構造体306の少なくとも1つは、可撓性構造体306の少なくとも1つの他のものと異なる剪断弾性率を有する。
【0044】
可撓性構造体306のそれぞれは実質的に同じ幾何構造(例えば、実質的に同じ形状、及び実質的に同じ寸法)を示していてよく、或いは可撓性構造体306の少なくとも1つは、可撓性構造体306の少なくとも1つの他のものと異なる幾何構造(例えば、異なる形状、及び/又は異なる寸法)を示していてよい。幾つかの態様においては、可撓性構造体306のそれぞれは実質的に同じ形状を示すが、可撓性構造体306の少なくとも1つは、可撓性構造体306の少なくとも1つと異なる寸法(例えば、異なる長さ、異なる幅、及び/又は異なる高さ)を示す。例えば、可撓性構造体306は、(例えば
図2に関して上記に記載した可撓性構造体200と同様の)共通の中心を有するが、異なる直径を有する環状構造体を構成することができる。可撓性構造体306の直径は、例えば、第1の基材302及び第2の基材304の1つから、第1の基材302及び第2の基材304の他のものへ伸びる方向において漸次増加させることができる。可撓性構造体306に関して選択される幾何構造は、少なくとも部分的に、可撓性組立品300の他の部品(例えば、第1の基材302、第2の基材304、剛性構造体308等)の幾何構造によって定めることができる。可撓性構造体306のそれぞれは、独立して、
図1を参照して上記に記載した方法にしたがって形成することができる。
【0045】
可撓性組立品300は、所定の方法で可撓性組立品300の動きを容易にする任意の量及び順番(例えばパターン)の可撓性構造体306及び剛性構造体308から形成することができ、及びこれらを含ませることができる。非限定的な例として、
図3に示すように、積層体305は、第1の基材302に近接(例えば隣接)する位置における可撓性構造体306の1つで開始して、第2の基材304に近接(例えば隣接)する他の位置における可撓性構造体306の他のもので終了する、所望の数の可撓性構造体306と剛性構造体308の入れ子型の交互配列から形成することができ、及びこれらを含ませることができる。
図3は、可撓性組立品300を、4つの可撓性構造体306及び3つの剛性構造体308の交互配列から形成され、及びこれを含むものとして示しているが、可撓性組立品300には、異なる数の可撓性構造体306及び剛性構造体308を含ませることができる。例えば、可撓性組立品300に、1〜100個の可撓性構造体306、及び0〜100個の剛性構造体308を含ませることができる。可撓性構造体306及び剛性構造体308の量及び順番は、少なくとも部分的に、可撓性組立品300の可撓性構造体306及び剛性構造体308の構造(例えば、材料組成、形状、寸法等)によって定めることができる。可撓性構造体306及び剛性構造体308の量及び順番は、また、下記において更に詳細に記載するように、可撓性組立品300をそれと動作可能に接続する(例えばその中に含ませる)更なる構造体及び/又は組立品(例えば、推力ノズル組立品、ロケットモーター組立品等)の構造によって定めることもできる。
【0046】
可撓性組立品300は、1番目の可撓性構造体306を第1の基材302に接着(adhering)(例えば、結合(bonding)、取り付け、結合(coupling)等)し、1番目の剛性構造体308を1番目の可撓性構造体306に接着し、2番目の可撓性構造体306を1番目の剛性構造体308に接着し、2番目の剛性構造体308を2番目の可撓性構造体306に接着し、所望の量の可撓性構造体306及び剛性構造体308に関して同じように続けることによって形成することができる。第2の基材304は、最後の可撓性構造体306に接着することができる(例えば、可撓性構造体306を剛性構造体308の最後に接着する)。少なくとも1種類の接着材料を用いて、可撓性組立品300の異なる部品(例えば、第1の基材302、可撓性構造体306、剛性構造体308、及び第2の基材304)を互いに対して接着することができる。非限定的な例として、可撓性構造体306のそれぞれに関して、少なくとも2種類の接着材料(例えば少なくとも2種類の接着剤層)から形成し、及びこれを含む接着剤系を用いて、可撓性構造体306を可撓性組立品300の隣接する部品(例えば、第1の基材302、剛性構造体308の少なくとも1つ、及び/又は第2の基材304)に取り付けることができる。接着剤系には、例えば、可撓性構造体306に付着している第1の接着材料、並びに第1の接着材料及び可撓性組立品300の他の隣接する部品に付着している第2の接着材料を含ませることができる。接着材料(例えば接着剤系)は、少なくとも部分的に、可撓性構造体306及びそれに隣接する可撓性組立品300の他の部品の材料組成に基づいて選択することができる。幾つかの態様においては、実質的に同じ接着材料(例えば、実質的に同じ接着剤系)を用いて、可撓性構造体306のそれぞれを、それに隣接する可撓性組立品300の他の部品に接着する。更なる態様においては、可撓性構造体306の少なくとも1つの他のものをそれに隣接する可撓性組立品300の他の部品に接着するのに用いるものと異なる接着材料(例えば、異なる接着剤系)を用いて、可撓性構造体306の少なくとも1つを可撓性組立品300の隣接する部品に接着する。
【0047】
可撓性構造体306の1つ又は複数の材料組成によって、従来の可撓性構造体(例えば、少なくとも2種類の異なるシリコーン材料の組み合わせではなく、単一のシリコーン材料から形成され、及びこれを含む可撓性構造体のような従来のシリコーンベースの可撓性構造体)と比べて、可撓性構造体306と、可撓性組立品300の他の隣接する部品との間の増加した界面接着強度(例えばより強い結合部)を促進することができる。増加した界面接着強度によって、従来の可撓性組立品(例えば、ロケットモーター組立品のための従来の可撓性ベアリング組立品)と比べて、使用及び運転中における可撓性組立品300の構造的健全性をかかる従来の可撓性組立品と比べて少なくとも維持するか又は更には向上させながら、可撓性組立品300内において比較的より少ない材料及び/又は構造体を使用することを可能にすることができる。例えば、可撓性構造体306の1つ又は複数の材料組成によって、従来の可撓性構造体と従来の可撓性組立品の1以上の他の隣接する部品との間に1以上の炭素構造体を含む従来の可撓性組立品と比べて層間剥離の危険性を維持又は更に減少させながら、可撓性構造体306と、可撓性組立品300の1以上の他の隣接する部品との間の1以上の炭素構造体(例えば炭素テープ)を省略することを容易にすることができる。
【0048】
図4は、本発明の一態様による可動推力ノズル組立品400の切欠斜視図である。可動推力ノズル組立品400には、固定ハウジング402、固定ハウジング402の一部に接続(例えば、それに直接接続及び/又は間接的に接続)されており、それを取り囲んでいる可撓性ベアリング組立品404、及び、固定ハウジング402の他の部分に接続(例えば、それに直接接続及び/又は間接的に接続)されており、それを取り囲んでいる熱保護組立品406を含ませることができる。可撓性ベアリング組立品404には、端環408、並びに可撓性構造体410(例えば可撓性シール)及び剛性構造体412(例えば剛性シム)の入れ子型関係の交互配列を含み、固定ハウジング402と端環408の間に伸長している積層体405を含ませることができる。熱保護組立品406は、可撓性ベアリング組立品404に隣接して(例えばそれの上にそれと接触させて)配置することができ、これには、第1の(後部)端環414、第2の端環416、並びに、可撓性構造体418(例えば可撓性シール)及び剛性構造体420(例えば剛性シム)の入れ子型関係の交互配列を含み、第1の端環414と第2の端環416の間に伸長している積層体407を含ませることができる。
【0049】
可撓性ベアリング組立品404及び熱保護組立品406の少なくとも1つは、
図3を参照して上記に記載した可撓性組立品300と同様であってよい。例えば、可撓性ベアリング組立品404及び熱保護組立品406の少なくとも1つの部品及び部品配置は、可撓性組立品300(
図3)の部品及び部品配置と実質的に同様であってよい。幾つかの態様においては、可撓性ベアリング組立品404の可撓性構造体410は、少なくとも、可撓性組立品300(
図3)の可撓性構造体306(
図3)に関して上記で議論したものと同様の材料組成を有する。可撓性ベアリング組立品404の可撓性構造体410のそれぞれは、独立して、
図1を参照して上記に記載した方法にしたがって、少なくとも2種類の異なるシリコーン材料から形成される架橋ポリシロキサン鎖から形成し、及びこれを含ませることができる。更に、可撓性ベアリング組立品404の可撓性構造体410は、可撓性組立品300の可撓性構造体306に関して上記に記載したものと実質的に同じ方法で、可撓性ベアリング組立品404の他の隣接する部品に接着することができる。更なる態様においては、熱保護組立品406の可撓性構造体418は、少なくとも、可撓性組立品300の可撓性構造体306に関して上記で議論したものと同様の材料組成を有する。熱保護組立品406の可撓性構造体418のそれぞれは、独立して、
図1を参照して上記に記載した方法にしたがって、少なくとも2種類の異なるシリコーン材料から形成される架橋ポリシロキサン鎖から形成し、及びこれを含ませることができる。更に、熱保護組立品406の可撓性構造体418は、可撓性組立品300の可撓性構造体306に関して上記に記載したものと実質的に同じ方法で、熱保護組立品406の他の隣接する部品に接着することができる。可撓性ベアリング組立品404の可撓性構造体410のそれぞれの材料組成(及びしたがって材料特性)は、熱保護組立品406の可撓性構造体418のそれぞれの材料組成と実質的に同様であってよく、或いは、可撓性ベアリング組立品404の可撓性構造体410の少なくとも1つの材料組成は、熱保護組立品406の可撓性構造体418の少なくとも1つの材料組成と異なっていてよい。
【0050】
幾つかの態様においては、可撓性ベアリング組立品404の可撓性構造体410の1つ又は複数の材料組成(及びしたがって材料特性)、及び/又は熱保護組立品406の可撓性構造体418の1つ又は複数の材料組成(及びしたがって材料特性)を除いて、可動推力ノズル組立品400、可撓性ベアリング組立品404、及び熱保護組立品406の少なくとも1つは、2007年6月14日に出願され、2012年10月2日に登録され、本発明の譲受人に譲渡されたGarbeの米国特許8,276,361(その開示事項はその全部をここに参照することによって本明細書中に包含する)に記載されているものと実質的に同様の1以上の部品及び/又は部品配置を示すことができる。
【0051】
図5は、本発明の一態様によるロケットモーター組立品500の断面図である。ロケットモーター組立品500には、閉止されている前部504、及び開放されている後部506を有する外側ハウジング502を含ませることができる。外側ハウジング502は、単一の実質的に一体型の構造体を構成していてよく、或いは複数の連結(例えば、取付け、接続、結合等)された構造体を構成していてよい。本明細書において用いる「一体型構造体」という用語は、材料の単一の一体の構造体として形成され、及びそれを含む構造体を意味し、それを包含する。ロケットモーター組立品500にはまた、外側ハウジング502内に互いに末端接続関係で与えられている複数の段508を含ませることもできる。例えば
図5に示すように、ロケットモーター組立品500には、それぞれ外側ハウジング502内に収容されている第1段510、第2段512、及び第3段514を含ませることができる。更なる態様においては、ロケットモーター組立品500に、1段〜10段のような異なる数の段508を含ませることができる。段508には、それぞれ少なくとも1つの推進剤524を含む容器516(例えば、第1の容器518、第2の容器520、及び第3の容器522)、並びに容器516の後部に物理的に接続されている可動推力ノズル組立品526(例えば、第1の可動推力ノズル組立品528、第2の可動推力ノズル組立品530、及び第3の可動推力ノズル組立品532)を含ませることができる。更に、外側ハウジング502は、ロケットモーター組立品500の使用及び運転中(例えば、所定の1つの段508内の推進剤524を燃焼させた後)に、破線によって示すような段508に関係する位置533において分離できるように構成することができる。外側ハウジング502、容器516、及び1つ又は複数の推進剤524のそれぞれは、独立して所望の構造(例えば、材料組成、寸法、形状等)を示すことができ、通常のプロセス及び装置を用いて形成することができ、これらはここでは詳細には記載しない。
【0052】
ロケットモーター組立品500の異なる段508の異なる可動推力ノズル組立品526(例えば、第1の可動推力ノズル組立品528、第2の可動推力ノズル組立品530、及び/又は第3の可動推力ノズル組立品532)の少なくとも1つは、
図4を参照して上記に記載した可動推力ノズル組立品400と同様であってよい。例えば、可動推力ノズル組立品526の少なくとも1つの部品及び部品配置は、可動推力ノズル組立品400(
図4)の部品及び部品配置と実質的に同様であってよい。可動推力ノズル組立品526には、可撓性ベアリング組立品534(例えば、第1の可撓性ベアリング組立品536、第2の可撓性ベアリング組立品538、及び第3の可撓性ベアリング組立品540)を含ませることができ、可撓性ベアリング組立品534の少なくとも1つは、可動推力ノズル組立品400(
図4)の可撓性ベアリング組立品404(例えば、可撓性構造体410及び剛性構造体412を含む)(
図4)と実質的に同様であってよい。例えば、可撓性ベアリング組立品534の1以上に、それぞれ独立して
図1を参照して上記に記載した方法にしたがって少なくとも2種類の異なるシリコーン材料から形成される架橋ポリシロキサン鎖を含む可撓性構造体(例えば可撓性シール)を含ませることができる。可撓性構造体はまた、可撓性組立品300(
図3)の可撓性構造体306(
図3)を可撓性組立品300の他の隣接する部品に接着することに関して上記に記載したものと実質的に同じ方法で、可撓性ベアリング組立品534の少なくとも1つの他の隣接する部品に接着することができる。
【0053】
幾つかの態様においては、ロケットモーター組立品500の異なる段508(例えば、第1段510、第2段512、及び第3段514)の可撓性ベアリング組立品534(例えば、第1の可撓性ベアリング組立品536、第2の可撓性ベアリング組立品538、及び第3の可撓性ベアリング組立品540)のそれぞれの少なくとも可撓性構造体の1つ又は複数の材料組成は、ロケットモーター組立品500の異なる段508の互いの可撓性ベアリング組立品534の少なくとも可撓性構造体の1つ又は複数の材料組成と実質的に同様であってよい。可撓性ベアリング組立品534のそれぞれの可撓性構造体には、
図1を参照して上記に記載した方法にしたがって少なくとも2種類の異なるシリコーン材料から形成されるものと実質的に同じ材料組成物(例えば、硬化ポリシロキサン組成物)を含ませることができる。例えば、可撓性ベアリング組立品534のそれぞれの可撓性構造体には、約26psi未満の剪断弾性率を促進する実質的に同じ硬化ポリシロキサン組成物を含ませることができる。
【0054】
更なる態様においては、ロケットモーター組立品500の異なる段508の可撓性ベアリング組立品534(例えば、第1の可撓性ベアリング組立品536、第2の可撓性ベアリング組立品538、及び/又は第3の可撓性ベアリング組立品540)の少なくとも1つの可撓性構造体の少なくとも1つの1つ又は複数の材料組成は、ロケットモーター組立品500の異なる段508の可撓性ベアリング組立品534の少なくとも1つの他のものの可撓性構造体の少なくとも1つの他のものの1つ又は複数の材料組成と異なっていてよい。例えば、可撓性ベアリング組立品534のそれぞれの可撓性構造体には、それぞれ独立して、
図1を参照して上記に記載した方法にしたがって少なくとも2種類の異なるシリコーン材料から形成される架橋ポリマー鎖を含ませることができるが、可撓性ベアリング組立品534の少なくとも1つの可撓性構造体の少なくとも1つには、可撓性ベアリング組立品534の少なくとも1つの他のものの可撓性構造体の少なくとも1つの他のものと異なる材料組成物を含ませることができる。幾つかの態様においては、可撓性ベアリング組立品534のそれぞれの可撓性構造体は、互いの可撓性ベアリング組立品534の可撓性構造体と異なる材料組成物(例えば、異なる硬化ポリシロキサン組成物)を有する。可撓性ベアリング組立品534の少なくとも1つの可撓性構造体の少なくとも1つが、可撓性ベアリング組立品534の少なくとも1つの他のものの可撓性構造体の少なくとも1つの他のものと異なる材料組成を有する場合には、可撓性構造体の少なくとも1つは、可撓性構造体の少なくとも1つの他のものと実質的に同様の材料特性(例えば、実質的に同等の剪断弾性率)を示すことができ、或いは、可撓性構造体の少なくとも1つの他のものと異なる材料特性(例えば、異なる剪断弾性率)を示すことができる。例えば、互いに異なる材料組成を有する異なる可撓性ベアリング組立品534の可撓性構造体は、それぞれ約26psi未満の実質的に同等の剪断弾性率を有することができ、或いは、異なる可撓性ベアリング組立品534からの可撓性構造体の少なくとも1つは、異なる可撓性ベアリング組立品534の可撓性構造体の少なくとも1つの他のものと異なる約26psi未満の剪断弾性率を有することができる。
【0055】
本発明方法によって、従来用いられている多くの構造体及び組立品よりも広範囲の用途(例えば航空宇宙用途)において構造体及び組立品を用いることを可能にする特性を示す、可撓性構造体(例えば、可撓性シール等)及び組立品(例えば、可撓性ベアリング組立品、熱保護組立品、可動推力ノズル組立品、ロケットモーター組立品等)の形成が促進される。本発明の幾つかの態様を用いて、可撓性構造体の特性、例えば可撓性構造体の剪断弾性率を、可撓性構造体を含む構造体又は組立品の特定の最終用途の要求に合わせて調整する実質的に無限の柔軟性を与えることができる。本発明の幾つかの態様による方法、構造体、及び組立品は、従来の方法、構造体、及び組立品と比べて、ロケットモーター組立品の使用及び運転中におけるロケットモーター組立品の1以上の部品の動きを制御する簡易化された手段を与える。本発明の幾つかの態様にしたがって形成される可撓性構造体(例えば可撓性構造体200(
図2))は、従来の方法によって形成される対応する可撓性構造体よりも相対的に広い範囲の組立品(例えば、可撓性ベアリング組立品、可動推力ノズル組立品、ロケットモーター組立品等)並びに最終用途のために好適な材料特性を示すことができる。したがって、本発明の可撓性構造体及び方法によって、かかる組立品のための部品の標準化を促進又は向上させることができ、及び/又はかかる組立品のための部品の迅速で簡単な特注生産を向上させることができる。本発明の方法、構造体、及び組立品によって、従来の方法、構造体、及び組立品と比べて改良された製造効率(例えば、減少した製造時間、減少した材料コスト等)、並びに増大した能力、性能、耐久性、及び信頼性を促進させることができる。
【実施例】
【0056】
以下の実施例は、本発明の幾つかの態様をより詳細に説明する。これらの実施例は、本発明の範囲に関して網羅的又は排他的なものと解釈すべきではない。
【0057】
実施例1:種々の可撓性構造体のレオロジー特性:
本発明の幾つかの態様にしたがって形成される異なる可撓性構造体を製造し、次に異なる可撓性構造体のそれぞれの最大トルク(MH)を求めた。MH値は、Alpha Technologies(米国)のダイ可動式レオメーター(MDR-2000)、又はAlpha Technologies(米国)のラバープロセスアナライザー(RPA-2000)のいずれかを用いて、通常の技術によって求めた。異なる可撓性構造体は、異なる比のELASTOSIL(登録商標)R401/10樹脂及びELASTOSIL(登録商標)R401/20樹脂、並びに約2.0phrのDI-CUP(登録商標)40KEジクミルペルオキシドから形成した。ELASTOSIL(登録商標)R401/10樹脂を、二本ロールミル上でELASTOSIL(登録商標)R401/20樹脂と混合し、次に、得られた混合物にDI-CUP(登録商標)40KEジクミルペルオキシドを加えた。二本ロールミルは、20/25の速度差設定値、及び0.1インチのニップに設定した。粉砕を約15分以下行って、均一な塊状物を得た。
図6は、350°Fにおいて約12分間硬化させた後の、MDR-2000によって分析された異なる組成物のそれぞれに関するMH値を比較するグラフである。
図6において示される線形相関は、ELASTOSIL(登録商標)R401/10樹脂及びELASTOSIL(登録商標)R401/20樹脂を種々の量で混合(例えばブレンド)して、それから形成される可撓性構造体において所望の材料特性(例えば、レオロジー特性、機械特性等)を得ることができることを示す。
【0058】
実施例2:レオロジー特性に対する架橋/硬化剤濃度の効果:
DI-CUP(登録商標)40KEジクミルペルオキシド、及びELASTOSIL(登録商標)R401/10樹脂又はELASTOSIL(登録商標)R401/20樹脂から形成される異なる配合物のMH値に対する架橋/硬化剤濃度の効果を分析した。MH値は、Alpha Technologies(米国)のダイ可動式レオメーター(MDR)を用いて、通常の技術によって求めた。異なる配合物は、約1.5phr〜約2.5phrの範囲内の異なる濃度のDI-CUP(登録商標)40KEを含んでいた。
図7は、分析した異なる配合物のそれぞれに関するMH値を比較するグラフである。
図7において示される線形相関は、種々の量のDI-CUP(登録商標)40KEジクミルペルオキシドを、ELASTOSIL(登録商標)R401/10樹脂又はELASTOSIL(登録商標)R401/20樹脂と混合して、それから形成される可撓性構造体において所望の材料特性(例えば、レオロジー特性、機械特性等)を得ることができることを示す。
【0059】
実施例3:可撓性構造体の安定性に対する架橋/硬化剤濃度の効果:
DI-CUP(登録商標)40KEジクミルペルオキシド、及びELASTOSIL(登録商標)R401/10樹脂又はELASTOSIL(登録商標)R401/20樹脂から形成される異なる配合物の安定性に対する架橋/硬化剤濃度の効果を、通常の技術を用いて分析した。生成物の安定性は、
Alpha Technologies(米国)のラバープロセスアナライザー(RPA-2000)を用いて、約1.5phr〜約2.5phrの範囲内の異なる濃度のDI-CUP(登録商標)40KEジクミルペルオキシドに関して、異なる硬化時間における弾性剪断弾性率(G’)の関数として分析した。
図8は、ELASTOSIL(登録商標)R401/10樹脂と異なる濃度のDI-CUP(登録商標)40KEジクミルペルオキシドのG’を、340°Fにおける硬化時間の関数として比較するグラフである。
図9は、ELASTOSIL(登録商標)R401/20樹脂と異なる濃度のDI-CUP(登録商標)40KEジクミルペルオキシドのG’を、340°Fにおける硬化時間の関数として比較するグラフである。
図8及び9において示されるように、硬化逆転挙動は見られず、これは種々の濃度の有機ペルオキシド、ELASTOSIL(登録商標)R401/10樹脂、及びELASTOSIL(登録商標)R401/20樹脂から形成される可撓性構造体は、硬化したままの状態で安定であることを示す。
【0060】
本発明は種々の修正及び代替形態を受け入れることができるが、特定の態様を図面において例として示し、ここに詳細に記載した。しかしながら、本発明は、開示されている特定の形態に限定することは意図しない。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定される発明の範囲内、及びその法的均等範囲内の全ての修正物、均等物、及び代替物を包含する。