(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示される動作支援装置は、当該動作支援装置の構造を維持するために、剛性部材からなる背中フレーム等を備える。剛性部材により形態が維持されることで、装着者の自由な動作が制限される。
【0008】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、装着者による動作の自由度を維持しながら動作支援する動作支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る動作支援装置は、
装着者の背中に装着される背中プレートと、前記装着者の背中に上下方向に沿って装着される長尺状の左側の背中フレームであって、前記左側の背中フレームの上端部が、前記背中プレートの左側を垂直方向に貫く第一回動軸により回動自在に前記背中プレートに連結され、前記左側の背中フレームの上端部が回動するときに前記左側の背中フレームの下端部が前記背中プレートと平行な面に沿って移動する左側の背中フレームと、左側の側方フレームであって、前記左側の側方フレームの上端部及び下端部のそれぞれが前記左側の背中フレームの上端部及び下端部を第二回動軸として回動自在に連結され、前記左側の側方フレームの上端部と下端部との間の中間部が前記装着者の左側の側腰部にまで延びて装着される左側の側方フレームと、前記左側の側方フレームが装着されたときに前記装着者の左側の側腰部近傍に位置する位置において、前記左側の側方フレームの前記中間部に固定された左側の駆動部であって、電動的駆動により力を発する左側の駆動部と、左側の大腿抑え部であって、前記左側の大腿抑え部の上端部が前記左側の駆動部を介して前記左側の側方フレームの前記中間部に連結され、前記左側の大腿抑え部の下端部が前記装着者の左側の大腿部前側に装着される左側の大腿抑え部と、前記装着者の背中に上下方向に沿って装着される長尺状の右側の背中フレームであって、前記右側の背中フレームの上端部が、前記背中プレートの右側を垂直方向に貫く第三回動軸により回動自在に前記背中プレートに連結され、前記右側の背中フレームの上端部が回動するときに前記右側の背中フレームの下端部が前記背中プレートと平行な面に沿って移動する右側の背中フレームと、右側の側方フレームであって、前記右側の側方フレームの上端部及び下端部のそれぞれが前記右側の背中フレームの上端部及び下端部を第四回動軸として回動自在に連結され、前記右側の側方フレームの上端部と下端部との間の中間部が前記装着者の右側の側腰部にまで延びて装着される右側の側方フレームと、前記右側の側方フレームが装着されたときに前記装着者の右側の側腰部近傍に位置する位置において、前記右側の側方フレームの前記中間部に固定された右側の駆動部であって、電動的駆動により力を発する右側の駆動部と、右側の大腿抑え部であって、前記右側の大腿抑え部の上端部が前記右側の駆動部を介して前記右側の側方フレームの前記中間部に連結され、前記右側の大腿抑え部の下端部が前記装着者の右側の大腿部前側に装着される右側の大腿抑え部とを備え、前記左側の駆動部は、前記左側の大腿抑え部が前記装着者の左側の大腿部前側を押し下げる力を前記左側の大腿抑え部に及ぼし、前記右側の駆動部は、前記右側の大腿抑え部が前記装着者の右側の大腿部前側を押し下げる力を前記右側の大腿抑え部に及ぼし、前記第一回動軸、前記第二回動軸、前記第三回動軸、及び、前記第四回動軸による回動は、互いに独立である。
例えば、前記腰プレートは、前記背中プレートに対する前記左側の背中フレームの前記第一回動軸による回動の角度、及び、前記背中プレートに対する前記右側の背中フレームの前記第三回動軸による回動の角度を所定範囲内に規制する規制部を備えてもよい。
例えば、前記動作支援装置は、さらに、前記背中プレートから前記装着者の身体の前面を経由して前記腰プレートに連結する肩ベルトを備え、前記駆動部は、前記力を発生させることで、前記左側の背中フレーム、前記右側の背中フレーム、前記背中プレート及び前記肩ベルトを介して、前記装着者の上体を起立させるための起立力を前記装着者に及ぼしてもよい。
また、本発明の一態様に係る動作支援装置は、装着者の背中に装着される背中プレートと、前記背中プレートに固定された回動軸により、前記背中プレートと平行な面内で回動自在に支持される長尺状の背中フレームと、前記背中フレームに固定され前記背中フレームの長手方向に平行な回動軸により回動自在に支持される側方フレームであって、前記背中フレームから前記装着者の側腰部近傍へ延びる側方フレームと、前記装着者の大腿部前側に装着される大腿抑え部と、前記側方フレーム及び前記大腿抑え部のそれぞれに連結され、前記側方フレームと前記大腿抑え部とのなす角を広げる力を発生させる駆動部とを備える。
【0010】
これによれば、動作支援装置は、装着者の動作に応じて背中プレートに対して背中フレームを回動させることと、背中フレームに対して側方フレームを回動させることを独立に行うことができる。よって、装着者が上半身をひねる動作や、左右の肩の高さを変えるように身体を揺らす動作を行った場合にも、装着者の動作を拘束することなく追随し、必要に応じて動作支援を行うことができる。よって、動作支援装置は、装着者による動作の自由度を維持しながら動作支援することができる。
【0011】
例えば、前記側方フレームは、前記背中フレームの両端部のそれぞれにおいて、前記背中フレームに回動自在に支持され、前記背中フレームの両端部を結ぶ軸を回動軸として回動する。
【0012】
これによれば、側方フレームは、背中フレームに対してより安定的に支持されるとともに、装着者の動作に追随することができる。よって、動作支援装置は、装着者による動作の自由度を維持しながら動作支援することができる。
【0013】
例えば、前記動作支援装置は、さらに、柔軟性部材を介して前記背中プレートに連結され、前記装着者の腰部後方側に装着される腰プレートを備え、前記背中フレームの下端部は、前記腰プレートに当接する。
【0014】
これによれば、背中フレームの下端部が腰プレートに当接するので、背中フレームの下端部が直接に装着者の腰部に当たることを腰プレートにより防止することができる。よって、背中フレームの回動がよりスムーズに行われ、また、装着の際の圧迫や痛み等の装着者の不快感を軽減することができる。
【0015】
例えば、前記腰プレートは、前記背中プレートに対する前記背中フレームの回動角度を所定範囲内に規制する規制部を備える。
【0016】
これによれば、背中フレームの回動角度を所定範囲内にすることで、側方フレームを介して背中フレームに連結される駆動部及び大腿抑え部を、装着者の身体から離れない位置に維持することができる。よって、動作支援装置は、装着者による動作の自由度を維持しながら動作支援することができる。
【0017】
例えば、前記背中フレームは、前記背中フレームと前記側方フレームとの回動角度が所定範囲から逸脱した場合に前記回動角度を前記所定範囲内におさめるよう前記回動角度を変更する復元機構を有する。
【0018】
これによれば、動作支援装置は、装着者の体勢が所定の体勢(例えば、起立体勢)から変化し、その後に所定の体勢に戻った場合に、背中フレームと側方フレームとの回動角度を、初期の所定の体勢のときの状態に戻すことができる。装着者が自身の体勢を変化した後に元に戻した場合に、動作支援装置の上記回動角度も元に戻るので、装着者は、他の特別な動作又は操作を行う必要がない。よって、動作支援装置は、装着者による動作の自由度を維持しながら動作支援することができる。
【0019】
例えば、前記動作支援装置は、さらに、前記背中プレートから前記装着者の身体の前面を経由して前記腰プレートに連結するベルトを備え、前記駆動部は、前記側方フレームと前記大腿抑え部とのなす角を広げる力を発生させることで、前記背中フレーム、前記背中プレート及び前記肩ベルトを介して、前記装着者の上体を起立させるための起立力を前記装着者に及ぼす。
【0020】
これによれば、動作支援装置は、駆動部が発生させる力をベルト等により伝達することで、装着者の上体を起立させることで、装着者の動作を支援する。
【0021】
例えば、前記駆動部は、前記動作支援装置が地面に接触しないように前記装着者に装着された状態において、前記起立力を前記装着者に及ぼす。
【0022】
これによれば、装着者は、動作支援装置の重量を支えるように動作支援装置を装着し、当該動作支援装置により動作を支援される。よって、動作支援装置は、装着者による動作の自由度を維持しながらより手軽に動作支援することができる。
【0023】
例えば、前記肩ベルトは、前記背中プレートから前記装着者の左肩及び身体の前面を経由して前記腰プレートに連結する左肩ベルトと、前記背中プレートから前記装着者の右肩及び身体の前面を経由して前記腰プレートに連結する右肩ベルトと、前記左肩ベルトと右肩ベルトとを、前記装着者の身体の前面において着脱自在に接合させる取付部とを有する。
【0024】
これによれば、動作支援装置は、動作支援のための力をより効率よく装着者の身体に伝達することで動作支援性能を向上し、また、無駄な力の発生を抑えることで消費電力を低減させることができる。また、取得部が着脱自在であることにより、装着者が容易に動作支援装置を装着したり、取り外したりすることができる。
【0025】
例えば、前記肩ベルトは、肩ベルト本体部と、前記動作支援装置が前記装着者に装着された状態において前記肩ベルト本体部の前記装着者に面する面に、着脱自在に取り付けられる第一調整部とを有する。
【0026】
これによれば、動作支援装置の肩ベルトと、装着者の身体との密着度をより高める。これにより、動作支援装置による動作支援性能をさらに向上し、また、消費電力を低減させる効果をさらに向上する。
【0027】
例えば、前記第一調整部は、クッション性のある部材である。
【0028】
これによれば、動作支援装置による動作支援性能の向上、消費電力の低減、又は、衝撃緩和などの効果をより高めることができる。また、動作支援装置を装着する装着者の快適性を向上する効果も奏する。
【0029】
例えば、前記動作支援装置は、さらに、前記腰プレートに連結され、前記装着者の腰回りに装着される帯状の腰ベルトとを備え、前記腰ベルトは、腰ベルト本体部と、前記動作支援装置が前記装着者に装着された状態において前記腰ベルト本体部の前記装着者に面する面に、着脱自在に取り付けられる第二調整部を備える。
【0030】
これによれば、動作支援装置の腰ベルトと、装着者の身体との密着度をより高める。これにより、動作支援装置による動作支援性能をさらに向上し、また、消費電力を低減させる効果をさらに向上する。
【0031】
例えば、前記第二調整部は、クッション性のある部材である。
【0032】
これによれば、動作支援装置による動作支援性能の向上、消費電力の低減、又は、衝撃緩和などの効果をより高めることができる。また、動作支援装置を装着する装着者の快適性を向上する効果も奏する。
【0033】
例えば、前記大腿抑え部は、前記装着者の大腿部に装着される大腿装着部と、前記動作支援装置が前記装着者に装着された状態において前記大腿装着部の前記装着者に面する面に、着脱自在に取り付けられる第三調整部を有する。
【0034】
これによれば、動作支援装置の大腿抑え部と、装着者の身体との密着度をより高める。これにより、動作支援装置による動作支援性能をさらに向上し、また、消費電力を低減させる効果をさらに向上する。
【0035】
例えば、前記第三調整部は、クッション性のある部材である。
【0036】
これによれば、動作支援装置による動作支援性能の向上、消費電力の低減、又は、衝撃緩和などの効果をより高めることができる。また、動作支援装置を装着する装着者の快適性を向上する効果も奏する。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係る動作支援装置は、装着者による動作の自由度を維持しながら動作支援することができる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
【0040】
なお、同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0041】
(実施の形態1)
本実施の形態において、装着者による動作の自由度を向上する動作支援装置について説明する。
【0042】
図1は、本実施の形態に係る動作支援装置1の外観斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る動作支援装置1の分解斜視図である。なお、以下の説明において、各図面中に示す座標軸を用いた説明を行う場合もある。その際、Z軸のプラス方向のことを上方向といい、Z軸のマイナス方向のことを下方向ということもある。
【0043】
図1及び
図2に示されるように、動作支援装置1は、背中プレート10と、背中フレーム11と、側方フレーム12と、駆動部13と、大腿抑え部14と、肩ベルト15と、連結ベルト16と、腰プレート17と、腰ベルト18とを備える。
【0044】
背中プレート10は、装着者の背中に装着される板状の剛性部材である。背中プレート10は、動作支援装置1が装着者に装着された場合に、装着者の背部(つまり、背中のほぼ中央部)に位置する。背中プレート10は、肩ベルト15により装着者の背中の位置にほぼ固定され、装着者の背中の動きに従って、位置及び角度が変化する。
【0045】
背中プレート10は、当該背中プレート10に固定された回動軸を有し、回動軸を介して背中フレーム11を支持する。回動軸は、例えば、背中プレート10の一部に形成された孔部102である。なお、上記回動軸は、背中フレーム11を回動可能に支持するものであればなんでもよく、例えば、背中プレート10の一部に形成された凹部又は凸部であってもよい。
【0046】
背中フレーム11は、装着者の背中に装着される棒状の剛性部材であり、具体的には、直線状、又は、湾曲した直線状の剛性部材である。背中フレーム11は、背中プレート10に固定された回動軸により回動自在に支持される。背中フレーム11を支持するものは、上記回動軸のみであるので、背中フレーム11等に働く重力の向きに垂れさがる状態となる。また、背中フレーム11は、規制部171の筒状構造の中空部分を通り、腰プレート17に下端部が当接する。
【0047】
背中フレーム11は、回動支持部111及び112と、軸受部113とを有する。
【0048】
回動支持部111及び112は、側方フレーム12を回動自在に支持する支持部材である。回動支持部111及び112は、回動軸を有する。例えば、回動支持部111及び112は、背中フレーム11の両端部のそれぞれに配置される。つまり、回動支持部111が背中フレーム11の上端部に配置され、回動支持部112が背中フレーム11の下端部に配置される。なお、
図1及び
図2には、2つの回動支持部112を有する構成を示しているが、回動支持部112は1つであってもよいし、3つ以上あってもよい。なお、回動軸は1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。回動軸を2つ以上にすれば、動作支援装置1の装置構造をより自由に設計することができる利点がある。
【0049】
軸受部113は、背中プレート10により回動軸を介して支持される。軸受部113は、孔部114を有し、孔部114を回動軸として背中プレート10により支持される。なお、孔部114は、回動軸として機能するものであればなんでもよく、例えば、背中フレーム11の一部に形成された凹部又は凸部であってもよい。
【0050】
側方フレーム12は、背中フレーム11から装着者の側腰部近傍へ延びる剛性部材である。側方フレーム12は、背中フレーム11に固定された回動軸により回動自在に支持される。側方フレーム12は、
図1及び
図2に示されるように湾曲した棒状の部材により構成されてもよいし、板状の部材により構成されてもよい。
【0051】
側方フレーム12は、軸受部121及び122を有する。軸受部121及び122は、それぞれ、背中フレーム11の回動支持部111及び112を回動軸として回動するように、回動支持部111及び112に取り付けられる。
【0052】
側方フレーム12のうち、装着者の側腰部の近傍に位置する部分には駆動部13が取り付けられる。
【0053】
駆動部13は、装着者の側腰部に装着される駆動装置である。具体的には、駆動部13は、モータと、モータを駆動するための電源と、センサとを有する。駆動部13は、側方フレーム12と大腿抑え部14とのそれぞれに接続されており、両者のなす角を広げる力を発生させる。言い換えれば、駆動部13は、側方フレーム12と大腿抑え部14とのなす角を広げる方向に回転力を発生させる。また、駆動部13のセンサは、側方フレーム12と大腿抑え部14とのなす角を検出する角度センサであり、例えば、エンコーダで実現される。
【0054】
大腿抑え部14は、装着者の大腿部に装着される剛性部材である。大腿抑え部14は、
図1及び
図2に示されるように棒状の部材を曲げることで構成されてもよいし、板状の部材により構成されてもよい。大腿抑え部14は、駆動部13に接続されている。なお、大腿抑え部14は、駆動部13を介して側方フレーム12に連結しているということもできる。
【0055】
大腿抑え部14は、装着者の大腿部に装着されることで、大腿部にほぼ固定される。大腿抑え部14が装着者の大腿部にほぼ固定されている状態で駆動部13が駆動すると、大腿抑え部14の位置が固定され側方フレーム12が起立するように回転力が発生され、装着者が腰を伸ばす動作を支援する。
【0056】
肩ベルト15は、帯状の柔軟性部材である。肩ベルト15は、背中プレート10に接続され、背中プレート10から装着者の肩及び身体の前面を経由して腰ベルト18に接続される。装着者は、肩ベルト15を肩にかけることで、動作支援装置1を背負うようにして装着する。
【0057】
連結ベルト16は、帯状の柔軟性部材であり、背中プレート10と腰プレート17とを連結する。連結ベルト16において、背中プレート10と腰プレート17とを結ぶ方向を長さ方向とよぶ。連結ベルト16は、背中プレート10と腰プレート17との長さ方向の距離を、連結ベルト16の長さ以内の距離に維持する一方、上記長さ方向の距離が小さくなることを許容する。また、連結ベルト16は、背中プレート10と腰プレート17との相対位置及び相対角度が、装着者の体勢により変化することを許容する。
【0058】
腰プレート17は、装着者の腰部後方側に装着される剛性部材である。腰プレート17は、連結ベルト16に接続され、連結ベルト16により背中プレート10に連結されている。また、連結ベルト16により背中プレート10との距離が維持される。腰プレート17には、背中フレーム11の下端部が当接する。
【0059】
腰プレート17は、規制部171と、当接部172とを有する。
【0060】
規制部171は、背中プレート10に対する背中フレーム11の回動角度を所定範囲内に規制する。規制部171は、筒状の剛性部材であり、筒内の中空部分に背中フレーム11が通る。これにより、背中フレーム11の回動角度が規制される。
【0061】
当接部172は、背中フレーム11の下端部が当接する位置である。当接部172は、腰プレート17と同様の部材であってもよいし、その部材の表面にクッション材を張り付けたものであってもよい。クッション材により、当接部172に背中フレーム11が当たる際の衝撃を和らげることができる。
【0062】
腰ベルト18は、装着者の腰回りに装着される帯状の柔軟性部材である。腰ベルト18は、腰プレート17に一部に接続され、装着者の腰を一周して腰プレート17の別の一部に接続される。なお、装着者が動作支援装置1を着脱しやすいように、腰ベルト18の一部に、着脱機構が設けられてもよい。
【0063】
なお、肩ベルト15、連結ベルト16及び腰ベルト18は、それぞれ、長さを調整する機構を備えてもよい。なお、肩ベルト15及び腰ベルト18をまとめて、ベルトとよぶこともある。
【0064】
なお、背中フレーム11及び側方フレーム12は、それぞれ、中実の棒体であってもよいし、中空のパイプであってもよい。また、その断面形状は任意であり、円形、矩形、又は、三角形などとすることができる。背中フレーム11及び側方フレーム12を中空のパイプとすれば、中実の棒体を用いるよりも軽量となるメリットがある。また、断面形状を円形とすれば、装着者に角が接することがなくなるので、装着の際の圧迫や痛み等の装着者の不快感を軽減することができる。
【0065】
なお、背中プレート10に対する背中フレーム11の回動と、背中フレーム11に対する側方フレーム12の回動とは独立に可能である。このため、装着者の動作の自由度を向上することができる。
【0066】
動作支援装置1は、駆動部13が側方フレーム12と大腿抑え部14とのなす角を広げる力を発生させることで、背中フレーム11、背中プレート10及び肩ベルト15を介して、装着者の上体を起立させるための起立力を装着者に及ぼす。
【0067】
なお、動作支援装置1は、地面に接触しないように装着者に装着された状態において、上記起立力を装着者に及ぼす、非接地型の動作支援装置である。
【0068】
図3は、本実施の形態に係る背中プレート10に対する背中フレーム11の回動の説明図である。なお、
図3において、背中プレート10、背中フレーム11及び規制部171を除く構成要素の記載を省略している。
【0069】
図3に示されるように、背中フレーム11は、背中プレート10に固定された回動軸102を中心として回動可能である。背中フレーム11は、回動軸102により支持されるのみであるので、背中フレーム11にかかる外力により背中フレーム11が回動する。例えば、装着者が身体をひねる場合には、背中フレーム11にX方向の外力が生じる。その結果、背中フレーム11に外力が働かなくなるまで背中フレーム11が回動する。また、装着者の体勢の変化により背中プレート10が
図3に示される状態から傾いた場合には、背中フレーム11は、回動軸102に支持されかつ重力により重力方向に平行になる位置まで回動する。
【0070】
その際、背中フレーム11の回動範囲は、規制部171により規制される。背中フレーム11は、筒状の規制部171の中空部分を通っているので、規制部171から外れる位置にまで回動しないように、その回動範囲が規制される。これにより、意図しない位置にまで背中フレーム11が回動することを防止することができる。
【0071】
図4は、本実施の形態に係る背中フレーム11に対する側方フレーム12の回動の説明図である。
図4は、動作支援装置1を上面(Z方向プラス側)から見た場合の上面図である。
【0072】
図4の(a)は、背中フレーム11に対する側方フレーム12の基準位置を示す。
図4の(a)において、背中プレート10を含む平面内に、背中フレーム11と、側方フレーム12のうちの背中フレーム11との連結部分とが含まれている。このとき、背中フレーム11に対する側方フレーム12の回動角度はゼロであると表現する。
【0073】
図4の(b)は、背中フレーム11に対して側方フレーム12が角度θだけ回動した状態を示している。背中フレーム11に対して側方フレーム12が回動する場合、側方フレーム12に接続されている駆動部13及び大腿抑え部14等も、側方フレーム12とともに回動する。
【0074】
このように、背中フレーム11に対して側方フレーム12が回動するので、装着者の動作の自由度が向上する。例えば、装着者が上半身を左方向にひねり、左腕を後方に伸ばす体勢をとろうとする場合、上記θが増加する方向に側方フレーム12が回動する。これにより、装着者は、自身が行おうとする動作を動作支援装置1に妨げられることなく行うことができる。
【0075】
なお、側方フレーム12の軸受部121及び122と、背中フレーム11の回動支持部111及び112とで構成される回動機構に、回動角度θが所定範囲又は所定値から逸脱した場合に、回動角度θを所定範囲又は所定値に近付けるための復元力を発生させる復元機構を備えてもよい。このようにすれば、装着者が力を加えることで角度θが変更された場合にはその力に従って回動し、装着者の力が働かなくなったときに復元力によって所定範囲又は所定値に近付けるようにすることができる。なお、所定範囲は、例えば、プラス10度からマイナス10度というように定めてもよい。また、所定値は、例えば、ゼロと定めてもよい。また、復元機構は、例えば、ゴムブッシュで実現される。
【0076】
図5は、本実施の形態に係る動作支援装置1の側面図及び正面図である。
図5は、起立体勢の装着者が動作支援装置1を装着している状態を示している。
【0077】
図5に示されるように、装着者は肩ベルト15を用いて動作支援装置1を背負うことにより装着している。背中プレート10が装着者の背部近傍に配置され、腰プレート17が装着者の腰部後方側近傍に配置されている。駆動部13が装着者の側腰部に配置され、大腿抑え部14が装着者の大腿部に接するように配置されている。
【0078】
図6は、本実施の形態に係る動作支援装置1による動作支援の説明図である。
図6を参照しながら、装着者がしゃがみ体勢から起立体勢に至るまでの動作支援装置1による動作支援について説明する。
【0079】
図6の(a)は、装着者がしゃがみ体勢をとっている状態を示す。
図6の(a)の状態において、装着者が自身の力により起立体勢になるための動作を開始する。具体的には、装着者が、曲げている膝と腰とを、少し伸ばす動作をする。
【0080】
このとき、駆動部13のセンサが、側方フレーム12と大腿抑え部14とのなす角が広げられるように回転したことを検出する。このような回転が検出された場合に、駆動部13のモータは、側方フレーム12と大腿抑え部14とのなす角を広げる方向に回転力41及び42を発生させる。
【0081】
駆動部13により回転力41が発生されると、側方フレーム12は、装着者の上半身を後ろ側に引く方向に変位しようとする。この力は、背中フレーム11及び背中プレート10を介して肩ベルト15に伝わり、装着者の肩又は胸部を、前側から後ろ側へ押す力43として装着者に作用する。
【0082】
一方、回転力42が発生されると、大腿抑え部14が装着者の大腿部を下方向へ押す力44として装着者に作用する。
【0083】
上記のように、動作支援装置1が力43及び44を装着者に作用することで、装着者は、動作支援装置1を利用しない場合より少ない力を発生するだけで、しゃがみ体勢から中腰体勢に変化することができる。
【0084】
図6の(b)は、装着者が中腰体勢をとっている状態を示す。
図6の(b)の状態においても、
図6の(a)の状態と同様に、駆動部13が回転力41及び42を発生させる。
【0085】
駆動部13により発生される回転力41は、
図6の(a)の場合と同様に、装着者の肩又は胸部を、前側から後ろ側へ押す力43として装着者に作用する。
【0086】
一方、回転力42は、装着者の大腿部表面を垂直に押し下げる力、つまり、やや後方向きの下方向へ押す力44として装着者に作用する。
【0087】
上記のように、動作支援装置1が力43及び44を装着者に作用することで、装着者は、動作支援装置1を利用しない場合より少ない力を発生するだけで、中腰体勢から起立体勢に変化することができる。
【0088】
図6の(c)は、装着者が起立体勢をとっている状態を示す。
図6の(c)の状態において、駆動部13のセンサが検出した側方フレーム12と大腿抑え部14とのなす角の角度が、装着者が起立体勢であるときの角度として定められた角度に等しくなると、駆動部13のモータは、回転力41及び42を発生させることを停止する。なお、その後、駆動部13のモータは、側方フレーム12と大腿抑え部14とのなす角を維持するのに適切な力を発生させつづけてもよいし、力を発生させることを停止してもよい。
【0089】
上記のように、動作支援装置1が力43及び44を装着者に作用することで、装着者は、自身がそれほど大きな力を生み出すことなく、動作支援装置1による支援を受けながら、しゃがみ体勢から中腰体勢を経て起立体勢に変化する。
【0090】
図7は、本実施の形態に係る動作支援装置1の姿勢の第一例の説明図である。
図7に示される装着者は、動作支援装置1を装着しており、上半身をひねり、足を広げ、股を開いた体勢をとっている。
【0091】
図7に示される体勢において、動作支援装置1は、装着者による動作を妨げることなく装着されている。具体的には、装着者の身体の傾き、及び、股の開きに応じて、背中フレーム11が背中プレート10に対して回動し、さらに、側方フレーム12及び大腿抑え部14が背中フレーム11に対して回動する。その結果、駆動部13が装着者の側腰部近傍に接し、また、大腿抑え部14が装着者の大腿部から離れずに接している。よって、動作支援装置1は、駆動部13のモータを駆動することで上半身を引き起こす力を発生させることができ、装着者の動作を支援することができる。
【0092】
また、背中プレート10、背中フレーム11及び腰プレート17を装着者に固定するための肩ベルト15及び腰ベルト18は、柔軟性部材であるので、装着者の上半身がひねられた場合の身体の形状の変化に応じて形状を変化させることができる。これにより装着者の自由な動作を妨げることが回避される。
【0093】
図8は、本実施の形態に係る動作支援装置の姿勢の第二例の説明図である。
図8の(a)に示される装着者は、左右の肩を同じ高さにした体勢をとっている。一方、
図8の(b)に示される装着者は、左肩に比べて、右肩を高くした体勢をとっている。
【0094】
なお、
図8に示される背中プレート10Aは、
図1等に記載された背中プレート10とは異なる形状であるが、その機能は背中プレート10と同様である。
【0095】
図8の(b)に示されるように、装着者が一方の肩を高くするように体勢を変化する場合、背中プレート10Aに対して背中フレーム11の回動角度が変化する。また、背中フレーム11の回動角度の変化に伴い、当該背中フレーム11に連結された側方フレーム12、駆動部13及び大腿抑え部14などの位置及び角度も変化する。
【0096】
このとき、背中フレーム11の背中プレート10Aに対する回動角度は、規制部171の筒状の中空部分の内部に規制されるので、背中フレーム11が規制部171の内部から逸脱することはない。
【0097】
なお、装着者が一方の肩を高くすると同時に、身体をひねる場合であっても、背中プレート10に対する背中フレーム11の回動と、背中フレーム11に対する側方フレーム12の回動とにより、駆動部13及び大腿抑え部14を、装着者の身体から離れない位置に維持することができる。
【0098】
以上のように、本発明に係る動作支援装置は、装着者の動作に応じて背中プレートに対して背中フレームを回動させることと、背中フレームに対して側方フレームを回動させることを独立に行うことができる。よって、装着者が上半身をひねる動作や、左右の肩の高さを変えるように身体を揺らす動作を行った場合にも、装着者の動作を拘束することなく追随し、必要に応じて動作支援を行うことができる。よって、動作支援装置は、装着者による動作の自由度を維持しながら動作支援することができる。
【0099】
また、側方フレームは、背中フレームに対してより安定的に支持されるとともに、装着者の動作に追随することができる。よって、動作支援装置は、装着者による動作の自由度を維持しながら動作支援することができる。
【0100】
また、背中フレームの下端部が腰プレートに当接するので、腰プレートが背中フレームの下端部が直接に装着者の腰部に当たることを防止することができる。よって、背中フレームの回動がよりスムーズに行われ、また、装着の際の圧迫や痛み等の装着者の不快感を軽減することができる。
【0101】
また、背中フレームの回動角度を所定範囲内にすることで、側方フレームを介して背中フレームに連結される駆動部及び大腿抑え部を、装着者の身体から離れない位置に維持することができる。よって、動作支援装置は、装着者による動作の自由度を維持しながら動作支援することができる。
【0102】
また、動作支援装置は、装着者の体勢が所定の体勢(例えば、起立体勢)から変化し、その後に所定の体勢に戻った場合に、背中フレームと側方フレームとの回動角度を、初期の所定の体勢のときの状態に戻すことができる。装着者が自身の体勢を変化した後に元に戻した場合に、動作支援装置1の上記回動角度も元に戻るので、装着者は、他の特別な動作又は操作を行う必要がない。よって、動作支援装置は、装着者による動作の自由度を維持しながら動作支援することができる。
【0103】
また、動作支援装置は、駆動部が発生させる力をベルト等により伝達することで、装着者の上体を起立させることで、装着者の動作を支援する。
【0104】
また、装着者は、動作支援装置の重量を支えるように動作支援装置を装着し、当該動作支援装置により動作を支援される。よって、動作支援装置は、装着者による動作の自由度を維持しながらより手軽に動作支援することができる。
【0105】
(実施の形態2)
本実施の形態において、装着者による動作の自由度を向上する動作支援装置において、動作支援装置と装着者の身体との密着性を高め、動作支援装置が発生させる力をより効率よく装着者の身体に伝達する技術について説明する。
【0106】
図9は、本実施の形態に係る動作支援装置2の正面図である。
【0107】
図9に示されるように、動作支援装置2は、肩ベルト15Aと、腰ベルト18Aと、大腿抑え部14Aとを備える。動作支援装置2が備える構成のうち、上記の他の構成は、実施の形態1におけるものと同じであるので詳細な説明を省略する。
【0108】
肩ベルト15A、腰ベルト18A及び大腿抑え部14Aは、それぞれ、実施の形態1における肩ベルト15、腰ベルト18及び大腿抑え部14と同様の構成であるが、装着者の身体に接する面にクッション性があり、装着者の身体への密着度が実施の形態1における構成より高い。これらのそれぞれの構成について、以下で詳しく説明する。
【0109】
図10は、本実施の形態に係る肩ベルト15Aの外観図である。
図11は、本実施の形態に係る肩ベルト本体部の外観図である。
図12は、本実施の形態に係る肩ベルトの調整部の外観図である。これらの図を参照しながら肩ベルト15Aについて説明する。
【0110】
肩ベルト15Aは、肩ベルト本体部201と、調整部211、212及び213を備える。
【0111】
肩ベルト本体部201は、肩ベルト15Aの本体部分であり、肩ベルト15Aの形状を保持する帯状の柔軟性部材である。肩ベルト本体部201は、装着者に装着される場合に、装着者の身体の形状にあうように湾曲する。肩ベルト本体部201のうち、装着者に装着される場合に装着者の身体に面する面には、調整部211等を着脱自在に取り付けるための着脱機構206が設けられる。着脱機構206は、例えば、面ファスナーである。なお、着脱機構206は、上記に示した機能を発揮するものであればその他の構成であってもよい。
【0112】
肩ベルト本体部201は、左ベルト202Lと、右ベルト202Rと、背当て部203とを有する。装着者により装着される状態において、左ベルト202Lは、装着者の左肩から身体の前面を経由して腰ベルト18Aに接続され、右ベルト202Rは、装着者の右肩から身体の前面を経由して腰ベルト18Aに接続される。背当て部203は、装着者の背中に当たる部分である。背当て部203を介して、装着者の背中に背中プレート10が配置される。
【0113】
肩ベルト本体部201は、左ベルト202Lと右ベルト202Rとが、装着者の身体の前面において着脱自在に接合されるように、取付機構を有してもよい。取付機構には、例えば、
図11に示されるファスナー204、又は、差込バックル205がある。なお、取付機構は、上記の他にも、ホック、スナップ、面ファスナー、ボタン、ロック、又は、コハゼ及び掛糸などを利用するものを用いてもよい。このように肩ベルト本体部201が取付機構を有することで、肩ベルト15Aの装着者の身体への密着度をより高めることができる。これにより、動作支援装置2が発生させる動作支援のための力をより効率よく装着者の身体に伝達することで動作支援性能を向上し、また、無駄な力の発生を抑えることで消費電力を低減させる効果をも奏する。
【0114】
調整部211は、左ベルト202Lに着脱自在に取り付けられる柔軟性部材である。調整部211は、肩ベルト15Aが装着者の身体に当接するときに肩ベルト本体部201(左ベルト202L)と装着者の身体との間に介在し、肩ベルト15Aの装着者の身体への密着度をより高める。これにより、動作支援装置2が発生させる動作支援のための力をより効率よく装着者の身体に伝達することで動作支援性能を向上し、また、無駄な力の発生を抑えることで消費電力を低減させる効果をも奏する。また、肩ベルト15Aを介して外部から装着者に衝撃が加わる場合に、その衝撃を和らげることができる。また、肩ベルト15Aによる装着者の身体の圧迫を和らげることができる。
【0115】
調整部212は、右ベルト202Rに着脱自在に取り付けられる柔軟性部材である。調整部213は、背当て部203に着脱自在に取り付けられる柔軟性部材である。調整部212及び213の機能は、調整部211と同様である。
【0116】
なお、調整部211、212及び213は、第一調整部に相当する。
【0117】
なお、調整部211等は、クッション性のある部材であってもよい。これにより、動作支援装置2による力の伝達性の向上、動作支援性能の向上、消費電力の低減、又は、衝撃緩和などの効果をより高めることができる。
【0118】
なお、調整部211等の装着者の身体に面する面は、メッシュ加工など、通気性を確保するための加工が施されてもよい。これにより、装着者の発汗を抑制し、また、汗による匂いの発生を抑え、装着者の快適性を向上することができる。
【0119】
なお、調整部211等は、肩ベルト本体部201から着脱可能であるので、肩ベルト本体部201から取り外して洗浄することが可能である。これにより、調整部211等を清潔に保つことができ、また、装着者の快適性が向上する。
【0120】
なお、装着者の身体に面する部分は、一般に、装着者の衣類などとの摩耗により消耗又は損傷しやすい。すなわち、動作支援装置2において、調整部211等は、消耗又は損傷しやすい。調整部211等が肩ベルト本体部201から着脱可能であるので、調整部211等を新たなものに置き換えることで、動作支援装置2を長く使用することができる効果がある。
【0121】
なお、
図12等に示している調整部211等の、大きさ、形状、取り付け位置などは、一例であり、より大きいもの、より小さいもの、他の形状のものなど、さまざまな変形例があり得る。装着者は、さまざまな大きさ、形状、素材の装着部のうちから、装着者の体型、動作支援装置により支援されて行う作業の種別、又は、装着者の好み等に応じて、調整部211等として用いるものを選択することができる。
【0122】
図13は、本実施の形態に係る腰ベルト18Aの外観図である。
図14は、本実施の形態に係る腰ベルト本体部の外観図である。
図15は、本実施の形態に係る腰ベルトの調整部の外観図である。これらの図を参照しながら腰ベルト18Aについて説明する。
【0123】
腰ベルト18Aは、腰ベルト本体部301と、調整部311、312及び313を備える。
【0124】
腰ベルト本体部301は、腰ベルト18Aの本体部分であり、腰ベルト18Aの形状を保持する帯状の柔軟性部材である。腰ベルト本体部301は、装着者に装着される場合に、装着者の身体の形状にあうように湾曲する。腰ベルト本体部301のうち、装着者に装着される場合に装着者の身体に面する面には、調整部311等を着脱自在に取り付けるための着脱機構306が設けられる。着脱機構306は、着脱機構206と同様である。
【0125】
腰ベルト本体部301は、装着者の腰回りに装着される帯状の柔軟性部材である。腰ベルト本体部301は、装着者に装着された場合に装着者の身体の前面となる位置に、腰ベルト18Aの両端を着脱自在に連結する連結機構304を有する。腰ベルト18Aの両端を連結するか、又は、連結しないかを連結機構304により切り替えることで、装着者が腰ベルト18Aを容易に装着又は取り外しできる。連結機構304は、例えば、差込バックルである。
【0126】
腰ベルト本体部301の中央部には、腰プレート17が取り付けられる。言い換えれば、腰ベルト本体部301は、腰プレート17に連結されているともいえる。
【0127】
調整部311は、腰ベルト本体部301のうち、装着者の左側腰部に面する部分に着脱自在に取り付けられる柔軟性部材である。調整部312は、腰ベルト本体部301のうち、装着者の右側腰部に面する部分に着脱自在に取り付けられる柔軟性部材である。調整部313は、腰ベルト本体部301のうち、装着者の腰部に面する部分に着脱自在に取り付けられる柔軟性部材である。調整部311、312及び313の機能は、調整部211等と同様である。
【0128】
なお、調整部311、312及び313は、第二調整部に相当する。
【0129】
図16は、本実施の形態に係る大腿抑え部14Aの外観図である。
図17は、本実施の形態に係る大腿抑え部14Aの保持部材の外観図である。
図18は、本実施の形態に係る大腿抑え部14Aの調整部の外観図である。これらの図を参照しながら大腿抑え部14Aについて説明する。
【0130】
大腿抑え部14Aは、大腿抑え本体部14Bと、大腿装着部401と、調整部411及び412とを備える。
【0131】
大腿抑え本体部14Bは、実施の形態1における大腿抑え部14と同じである。
【0132】
大腿装着部401は、大腿抑え本体部14Bと接続されており、また、装着者の大腿部に装着される柔軟性部材である。大腿装着部401は、装着者に装着される場合に、装着者の大腿部の形状にあうように湾曲する。大腿装着部401のうち、装着者に装着される場合に装着者の大腿部に面する面には、調整部411等を着脱自在に取り付けるための着脱機構(不図示)が設けられる。上記着脱機構は、着脱機構206等と同様である。
【0133】
大腿装着部401は、装着者の大腿部に装着される帯状の柔軟性部材である。大腿装着部401は、例えば、装着者の大腿部に巻き回されることで装着者に装着される。これにより、装着者の身体の動きがあった場合にも、大腿抑え本体部14Bが装着者の身体の動きに追従し、動作支援装置2が発生させる力を装着者に伝達することができる。
【0134】
大腿装着部401は、大腿装着部401の両端を着脱自在に連結する連結機構404を有する。大腿装着部401の両端を連結するか、又は、連結しないかを連結機構404により切り替えることで、装着者が大腿装着部401を容易に装着又は取り外しできる。連結機構は、例えば、差込バックルである。
【0135】
調整部411は、大腿装着部401のうち、装着者の大腿前部(大腿部の前側部分)に面する部分に着脱自在に取り付けられる柔軟性部材である。調整部412は、大腿装着部401のうち、装着者の大腿後部(大腿部の後側部分)に面する部分に着脱自在に取り付けられる柔軟性部材である。調整部411及び412の機能は、調整部211等と同様である。
【0136】
なお、調整部411及び412は、第三調整部に相当する。
【0137】
以上のような構成により、動作支援装置2による力の伝達性の向上、動作支援性能の向上、消費電力の低減、又は、衝撃緩和などの効果を高めることができる。
【0138】
なお、肩ベルト15Aは、上記構成の代わりに、装着者の左肩から身体の前面を経由して右側腰部に向かう第一のベルトと、装着者の右肩から身体の前面を経由して左側腰部に向かう第二のベルトとを有し、装着者の身体の前面において第一及び第二の肩ベルトが交差するいわゆるたすきがけの構成としてもよい。
【0139】
以上、本発明の動作支援装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。