特許第6236178号(P6236178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6236178半導体集積回路用トレイ及び一式の半導体集積回路用トレイ・シリーズ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6236178
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】半導体集積回路用トレイ及び一式の半導体集積回路用トレイ・シリーズ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20171113BHJP
   B65D 85/86 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   H01L21/68 U
   B65D85/38 L
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-42811(P2017-42811)
(22)【出願日】2017年3月7日
【審査請求日】2017年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】592180476
【氏名又は名称】シノン電気産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100139044
【弁理士】
【氏名又は名称】笹野 拓馬
(74)【代理人】
【識別番号】100071238
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 恒久
(72)【発明者】
【氏名】張 亮
【審査官】 山口 祐一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−106287(JP,A)
【文献】 特開2016−58525(JP,A)
【文献】 特開2005−88995(JP,A)
【文献】 特開2010−189048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/00−1/48
21/00−21/08
85/30−85/48
85/86
H01L 21/67−21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表側面と裏側面を有する半導体集積回路用トレイであって、
該半導体集積回路用トレイの長手方向、上記長手方向と直交する該半導体集積回路用トレイの短手方向、及び上記長手方向と短手方向のいずれとも直交する該半導体集積回路用トレイの垂直方向を有するように、平面視で概ね長方形の形状に形成されており、
該半導体集積回路用トレイの周囲において上記垂直方向に立ち上がっている外周壁ないし外周枠の1つ又は複数の箇所にトレイ識別機能部が形成されており、
上記トレイ識別機能部は、上記外周壁ないし外周枠から上記長手方向及び短手方向のうちの少なくとも一方へ突出するように上記表側面に形成された凸部及びこれと係合可能な形状に上記裏側面に形成された凹部、並びに上記外周壁ないし外周枠から上記長手方向及び短手方向のうちの少なくとも一方へ陥没するように上記表側面に形成された凹部及びこれと係合可能な形状に上記裏側面に形成された凸部からなることを特徴とする、半導体集積回路用トレイ。
【請求項2】
複数の請求項1に記載の半導体集積回路用トレイからなる一式の半導体集積回路用トレイ・シリーズであって、
該一式の半導体集積回路用トレイ・シリーズのうちの一群の半導体集積回路用トレイを構成する各半導体集積回路用トレイの周囲の同じ箇所に同一の凹凸形状のトレイ識別機能部が形成されており、該一式の半導体集積回路用トレイ・シリーズのうちの他の群の半導体集積回路用トレイを構成する各半導体集積回路用トレイの周囲の同じ箇所に同一の凹凸形状のトレイ識別機能部が形成されており、
上記一群の半導体集積回路用トレイを構成する各半導体集積回路用トレイのトレイ識別機能部と、上記他の群の半導体集積回路用トレイを構成する各半導体集積回路用トレイのトレイ識別機能部とは、これらが形成されている位置及びこれらの凹凸形状のうちの少なくとも一方が互いに異なっていることを特徴とする、一式の半導体集積回路用トレイ・シリーズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IC等の半導体集積回路(半導体チップ)を収容するための複数のポケットを備える半導体集積回路用トレイに関し、詳しくは、互いに型式の異なる複数のトレイを識別することができるように構成されたトレイ識別機能部を有する半導体集積回路用トレイ及び一式の半導体集積回路用トレイ・シリーズに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の小型化が進んでいることに伴い、半導体集積回路の寸法や形状に応じて様々な型式の半導体集積回路用トレイが製造されている。様々な型式のトレイが製造されているため、よく似ている外観を有する複数のトレイを識別することは容易ではない。特に、過去に製造したトレイと、新規に製造したトレイの外観が酷似している場合には、トレイ出荷などの際にこれらのトレイが混在してしまうと、互いに異なる型式の複数のトレイを識別することは困難である。
【0003】
近年においては、イニシャル品(初期品)であるフラット・トレイ(自他トレイ識別機能部が形成されていない平板状のトレイを意味する)だけではなく、自他トレイ識別機能部を備える様々な半導体集積回路用トレイが製造されている。
【0004】
例えば、特許文献1のトレイ20には、図10(a)に示されるように、表側面の段部22に、上方へ突出した凸部23が形成されている。また、図10(b)に示されるように、段部22から垂直に下がっている外周枠24の下面25に、凸部23と係合可能な形状に凹部26が形成されている。よって、図12(a)に示されるように、特許文献1のトレイ20上にフラット・トレイ9を重ね合わせようとしても、段部22に形成された凸部23とフラット・トレイ9の外周枠9aの下面9c(トレイ底面)とが互いに干渉するため、特許文献1のトレイ20とフラット・トレイ9との間に隙間9fが生じて重なり合わない。従って、2つのトレイが互いに異なる型式のトレイであることを識別することができる。しかし、図12(b)に示されるように、フラット・トレイ9上に特許文献1のトレイ20を載せる場合には、2つのトレイがぴったり重なり合ってしまう。これでは、2つのトレイが互いに異なる型式のトレイであることを識別することができない。
【0005】
また、図11に示される従来品の既存トレイ30(図11(a)を参照)については、表側面において、外周壁32の外面からトレイ内方へ陥没するように凹部33が形成されている一方で、裏側面において、段部34から垂直に下がっている外周枠35の内面からトレイ内方へ突出するように凸部36が形成されている(図11(b)を参照)。よって、図13(a)に示されるように、フラット・トレイ9(イニシャル品)上に従来品の既存トレイ30を重ねようとしても、フラット・トレイ9の外周壁9dの上面9e(トレイの上面)と従来品の既存トレイ30の凸部36とが干渉するため、2つのトレイ間に隙間9fが生じて、フラット・トレイ9上に従来品の既存トレイ30がぴったり重なり合うことはない。重なり合わないことから、これらのトレイが互いに異なる型式のトレイであることを識別することができる。反対に、図13(b)に示されるように、従来品の既存トレイ30上にフラット・トレイ9を載せると、互いに干渉し得る凹凸がないので2つのトレイがぴったり重なり合ってしまう。これでは型式の異なる2つのトレイを識別することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−106287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
互いに異なる型式のトレイが混在したとしても、これらのトレイがぴったり重なり合わなければ(係合しなければ)、自他のトレイを識別することができる。しかし、特許文献1のトレイ(図10に示される改良済みトレイ)については、自他トレイ識別機能部を有していないイニシャル品であるフラット・トレイ(図8及び図9のトレイ)上に特許文献1のトレイを載せると、フラット・トレイと改良済みトレイがぴったり重なり合ってしまう。これでは異なる型式のトレイを識別することができない。図11に示される従来品の既存トレイ(特許文献1のトレイとは別の改良済みトレイ)についても、該従来品の既存トレイ上にフラット・トレイを載せると、該従来品の既存トレイとフラット・トレイとがぴったり重なり合ってしまうので、やはり異なる型式のトレイを識別することができない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例においては、表側面と裏側面を有する半導体集積回路用トレイであって、該半導体集積回路用トレイの長手方向、上記長手方向と直交する該半導体集積回路用トレイの短手方向、及び上記長手方向と短手方向のいずれとも直交する該半導体集積回路用トレイの垂直方向を有するように、平面視で概ね長方形の形状に形成されており、該半導体集積回路用トレイの周囲において上記垂直方向に立ち上がっている外周壁ないし外周枠の1つ又は複数の箇所にトレイ識別機能部が形成されており、上記トレイ識別機能部は、上記外周壁ないし外周枠から上記長手方向及び短手方向のうちの少なくとも一方へ突出するように上記表側面に形成された凸部及びこれと係合可能な形状に上記裏側面に形成された凹部、並びに上記外周壁ないし外周枠から上記長手方向及び短手方向のうちの少なくとも一方へ陥没するように上記表側面に形成された凹部及びこれと係合可能な形状に上記裏側面に形成された凸部からなることを特徴とする、半導体集積回路用トレイを提示する。
【0009】
また、上記の半導体集積回路用トレイからなる一式の半導体集積回路用トレイ・シリーズであって、該一式の半導体集積回路用トレイ・シリーズのうちの一群の半導体集積回路用トレイを構成する各半導体集積回路用トレイの周囲の同じ箇所に同一の凹凸形状のトレイ識別機能部が形成されており、該一式の半導体集積回路用トレイ・シリーズのうちの他の群の半導体集積回路用トレイを構成する各半導体集積回路用トレイの周囲の同じ箇所に同一の凹凸形状のトレイ識別機能部が形成されており、上記一群の半導体集積回路用トレイを構成する各半導体集積回路用トレイのトレイ識別機能部と、上記他の群の半導体集積回路用トレイを構成する各半導体集積回路用トレイのトレイ識別機能部とは、これらが形成されている位置及びこれらの凹凸形状のうちの少なくとも一方が互いに異なっていることを特徴とする、一式の半導体集積回路用トレイ・シリーズを提示する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の半導体集積回路用トレイの表側面を示す図。
図2】本発明の半導体集積回路用トレイの裏側面を示す図。
図3】本発明の半導体集積回路用トレイの正面を示す図。
図4】トレイ識別機能部が形成されているトレイ表側面を拡大して示す斜視図。
図5】トレイ識別機能部が形成されているトレイ裏側面を拡大して示す斜視図。
図6】本発明のトレイとフラット・トレイ(イニシャル品)とのスタック状態を示す図。
図7】フラット・トレイと3種類の対策品トレイとが重なり合う場合を「NG」として示し、重なり合わない場合を「OK」として示す表。
図8】(a)フラット・トレイの表側面を示す図。(b)フラット・トレイの裏側面を示す図。(c)フラット・トレイの正面図。
図9】(a)フラット・トレイの表側面を拡大して示す斜視図。(b)フラット・トレイの裏側面を拡大して示す斜視図。
図10】(a)特許文献1のトレイの表側面を拡大して示す斜視図。(b)特許文献1のトレイの裏側面を拡大して示す斜視図。
図11】(a)従来品の既存トレイの表側面を拡大して示す斜視図。(b)従来品の既存トレイの裏側面を拡大して示す斜視図。
図12】特許文献1のトレイとフラット・トレイとのスタック状態を示す図。
図13】従来品の既存トレイとフラット・トレイとのスタック状態を示す図。
図14】一式の半導体集積回路用トレイ・セットに含まれる各世代のトレイを識別するためのトレイ識別機能部を有する半導体集積回路用トレイを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の半導体集積回路用トレイについて添付の図面を参照しつつ説明する。
【0012】
図1は、本発明の半導体集積回路用トレイ1の表側面を示す。本発明の半導体集積回路用トレイ1(以下、単に「トレイ1」という)の表側面におけるポケット2の外側の外周壁3aには、特異的な凹部5及び凸部6が形成されている。これらの凹凸形状は、複数のトレイを相互に重ね合わせる際に型式等の異なる2つのトレイを識別するためのトレイ識別機能部4の一部を構成している。
【0013】
図2は、本発明のトレイ1の裏側面を示す。本発明のトレイ1の裏側面にも、特異的な凸部7及び凹部8が形成されている。図1に示されている表側面の凹部5及び凸部6と、図2に示されている凸部7及び凹部8とは、本発明のトレイ1を重ね合わせるときに互いに係合可能に構成されており、これらの凹凸形状も、本発明のトレイ1のトレイ識別機能部4を構成している。
【0014】
図3は、本発明のトレイ1の正面図である。
【0015】
図4は、本発明のトレイ1の表側面を拡大して示す斜視図である。トレイ1の表側面には、半導体集積回路を収容することができる複数のポケット2が形成されている。図4に示される実施例においては、トレイ1の表側面に、トレイ1の長手方向に延在する外周壁3aにトレイ識別機能部4の凹部5及び凸部6が形成されている。詳しくは、トレイ1の表側面の周囲において、外周壁3aの外面からトレイ内方へ陥没した凹部5が形成されているとともに、外周壁3aからトレイの外方へ凸部6が延出している。一実施例においては、凸部6の上面6aと外周壁3aの上面3bとが面一に形成されている。他の実施例においては、トレイ1の短手方向に延在する外周壁3aに、同様の凹部と凸部が形成されている場合もある。
【0016】
図5は、本発明のトレイ1の裏側面の一部を拡大して示す斜視図である。図5に示される実施例においては、トレイ1の裏側面に、トレイ1の長手方向に延在する外周枠3にトレイ識別機能部4の凸部7及び凹部8が形成されている。詳しくは、トレイ1の裏側面において、外周枠3の内面からトレイ内方へ凸部7が延出しているとともに、外周枠3の下面3dから表側面へ向かって陥没するように凹部8が形成されている。一実施例においては、凸部7の下面7aと外周枠3の下面3dとが面一に形成されている。他の実施例においては、トレイ1の短手方向に延在する外周枠3に、同様の凸部7及び凹部8が形成されている場合もある。
【0017】
図4に示されている外周壁3aは、1つのトレイ1上にもう1つのトレイを積み重ねるときに、当該もう1つのトレイ1の外周枠3の段部3eから垂直に下がっている外周枠3の内面が接触する部分である。また、外周枠3の段部3eは、1つのトレイ1上に同種のトレイ1が積み重なるときに、トレイの段部3eから垂直に下がっている枠(トレイ1の外周枠3)の底部(トレイ1の下面3d)を支える支持面である。すなわち、同種のトレイは互いに係合することができる。
【0018】
図6は、本発明のトレイ1と、イニシャル品であるフラット・トレイ(図8及び図9を参照)とのスタック(積み重ね)状態を示している。図6(a)において、本発明のトレイ1上にフラット・トレイ9を載せた状態(スタック状態I)においては、トレイ1の凸部6の上面6aと、フラット・トレイ9における外周枠9aの下面9c(図9(b)を参照)とが互いに干渉するため、トレイ1とフラット・トレイ9の間に隙間9fが生じて、これら2つのトレイが係合することはない。これにより、本発明のトレイ1と、フラット・トレイ9とを識別することができる。
【0019】
図6(b)において、フラット・トレイ9上に本発明のトレイ1を載せた状態(スタック状態II)においては、フラット・トレイ9における段部9dの上面9e(図9(a)を参照)と、本発明のトレイ1の外周枠3の凸部7とが互いに干渉するため、トレイ1とフラット・トレイ9の間に隙間9fが生じて、やはり2つのトレイが係合することはない。これにより、本発明のトレイ1と、フラット・トレイ9とを識別することができる。
【0020】
図7に記載の表は、フラット・トレイ(イニシャル品)と、3種類の対策品トレイ((特許文献1のトレイ(図10)、従来品の既存トレイ(図11)、及び本発明のトレイ1(図1))と、を重ね合わせることができるか否かを示す表である。トレイを重ね合わせることができないことを「OK」として示しており、重ね合わせることができることを「NG」として示している。
【0021】
図6(a),(b)及び図7の結果から、本発明のトレイ1は、表側面においても裏側面においても、イニシャル品であるフラット・トレイ9(図8及び図9を参照)と係合しない。よって、本発明のトレイ1とフラット・トレイ9とが混在したとしても、これらの別々のトレイを識別することが容易である。本発明のトレイ1は、表面側と裏面側の両方に凹部と凸部を有するように形成されているので、特許文献1のトレイや他の改良済みトレイとも識別することが容易である。
【0022】
図14に示されている実施例においては、同一のトレイ・シリーズ(製品ラインナップ)に含まれる3世代のトレイ1を示す。同じ世代のトレイ1どうしを重ね合わせることはできるが、互いに世代の異なるトレイ1どうしでは、トレイ識別機能部4の位置が互いに異なっているため、重ね合わせることができない。重なり合わないことから判断して、同一のトレイ・シリーズに含まれる2つのトレイ1であっても互いに異なる世代のトレイであることを識別することができる。
【0023】
例えば、新規の半導体集積回路の寸法や形状に応じて新規のトレイを製造する際に、過去の一群のトレイのトレイ識別機能部4とは異なる位置に、新規の一群のトレイのトレイ識別機能部4を形成するとよい(図14を参照)。これにより、同一の半導体集積回路用トレイ・シリーズに含まれる個々のトレイについて、過去の一群のトレイに属するトレイであるか、若しくは新規の一群のトレイに属するトレイであるかを識別することが可能となる。
【0024】
代替的に又は追加的に、過去の一群のトレイを構成する各トレイのトレイ識別機能部の凹凸形状と係合し得ない形状となるように、新規の一群のトレイを構成する各トレイのトレイ識別機能部の凹凸形状を形成した場合にも、各トレイ1がいずれの一群のトレイに属するトレイであるかを識別することが可能となる。
【0025】
以上のように、本発明のトレイ1は表側面と裏側面のいずれの面においても、フラット・トレイ(イニシャル品)や従来品の既存トレイと重なり合うことがない。従って、本発明のトレイ1と、従来品の既存トレイやフラット・トレイとが混在した場合にも、互いに型式の異なる複数のトレイを識別することができる。
【0026】
さらには、一式の半導体集積回路用トレイ・シリーズに含まれる半導体集積回路用トレイを製造する際に、一群のトレイごとにトレイ識別機能部の位置をずらすこと等により、一群のトレイを構成する各トレイと、他の群のトレイを構成する各トレイとを識別することが可能となる。
【符号の説明】
【0027】
1…半導体集積回路用トレイ
2…ポケット
3…外周枠
3a…外周壁
3b…上面
3c…外周壁
3d…下面
3e…段部
4…トレイ識別機能部
5…凹部
6…凸部
6a…上面
6b…突出端面
7…凸部
7a…下面
8…凹部
9…フラット・トレイ(イニシャル品)
9a…外周枠
9c…下面
9d…段部
9e…上面
9f…隙間
20…トレイ
21…外周枠
22…段部
23…凸部
24…外周枠
25…下面
26…凹部
30…トレイ
31…外周枠
32…外周壁
33…凹部
34…段部
35…外周枠
36…凸部(透視の破線で示されている)
【要約】      (修正有)
【課題】互いに異なる型式のトレイを識別することができる半導体集積回路用トレイを提供する。
【解決手段】表側面と裏側面を有する半導体集積回路用トレイ1であって、半導体集積回路用トレイ1の周囲において垂直方向に立ち上がっている外周壁3a、3cないし外周枠3の1つ又は複数の箇所にトレイ識別機能部が形成されており、トレイ識別機能部は、外周壁3a、3cないし外周枠3から長手方向及び短手方向のうちの少なくとも一方へ突出するように表側面に形成された凸部6及びこれと係合可能な形状に裏側面に形成された凹部8、並びに外周壁3aないし外周枠3から長手方向及び短手方向のうちの少なくとも一方へ陥没するように表側面に形成された凹部5及びこれと係合可能な形状に裏側面に形成された凸部から構成されている。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14