(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1表示手段及び前記第2表示手段の何れか一方は、操作面に対して接触又は近接する入力操作が行われたことを検出するタッチパネルを有することを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の一形態に係る車両の車室内を示す斜視図、
図2は乗員、第1表示用パネル及び第2表示パネルの位置関係を示す側面図、
図3は第1表示用パネル及び第2表示用パネルを運転席側から視た状態を示す正面図、
図4は車両の制御システムを説明するためのブロック図、
図5は第1表示用パネルに表示される画像の一例としての「ナビゲーションメニュー画面」を示す図、
図6は乗員、第1表示用パネル及び第2表示パネルの位置関係を示す平面図、
図7は第1表示用パネルに表示される画像の一例としての「ナビゲーション画面」を示す図である。なお、図中FRは車両前方を、UPは車両上方をそれぞれ示している。また、以下の説明における左右方向は、車両に着座した乗員が車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
【0017】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る車両用表示装置10は、車両1の車室内に設けられ、第1表示用パネル30と、第2表示用パネル40とを備えている。これら第1表示用パネル30と、第2表示用パネル40とは、それぞれ、車両前後方向に離間して配置されている。なお、上記第1表示用パネル30が特許請求の範囲に記載の「第1表示手段」に該当する。
【0018】
車両1は、運転席2の車両前方側に設けられるインストルメントパネル3と、運転席2とインストルメントパネル3との間に配置されるステアリングホイール4とを有している。ステアリングホイール4は、チルトレバー(図示省略)を操作することによって、上下方向に移動することが可能なように構成されている。
【0019】
図2及び
図3に示すように、第1表示用パネル30は、例えば、液晶パネルとバックライトとが一体的に設けられた、いわゆる液晶ディスプレイプレイ装置であって、インストルメントパネル3のうち、運転席2の車両前方側の部分に取り付けられている。ドライバー(運転者)Hは、第1表示用パネル30の表示画面に表示される各種画像を、ステアリングホイール4の上側空間部4aを介して視ることが可能となっている。なお、第1表示用パネル30は、液晶ディスプレイ装置に限られず、プラズマディスプレイプレイや有機EL等の自発光型の表示デバイスを用いることも可能である。
【0020】
第1表示用パネル30には、車両1の走行速度(スピードメータ)や、エンジンの単位時間当たりの回転数(タコメータ)などといった、一般的な車両情報を示す画像の他、地図情報画像などを表示するナビゲーション画像等の各種画像を切り替えて表示することが可能となっている。
【0021】
ここで、第1表示用パネル30に表示される各種画像について、
図3及び
図5を参照して説明する。
【0022】
図3に示すように、インストルメントパネル3には、第1表示用パネル30が配置される位置の右側に、インストルメントパネル側操作部5が設けられている。インストルメントパネル側操作部5は、十字キー5aと、十字キー5aの右側に設けられるメニュー画面表示スイッチ5bとを有している。
【0023】
十字キー5aは、上側端部、下側端部、左側端部及び右側端部を有し、これら端部の何れかを押圧することによって、第1表示用パネル30に表示される画像全体の表示位置を移動させることが可能となっている。例えば、ドライバーHが上側端部を押圧し続けている場合には、押圧している間、第1表示用パネル30に表示される画像を上方向へスクロール移動させることが可能となっている。なお、本実施形態では、第1表示用パネル30に表示される画像全体を、十字キー5aを操作することによって移動させることができるように構成したが、例えば、後述するタッチパネル部40aによる操作入力(例えば、フリック操作)によって移動させることができるように構成することも可能である。
【0024】
メニュー画面表示スイッチ5bは、押圧式のスイッチであって、押圧することによって、第1表示用パネル30に、
図3に示すような「メニュー表示画面」を表示させることが可能となっている。この「メニュー表示画面」には、「NAVI」、「AUDIO」、「VIDEO」、「A/C」、「戻る」等の選択画像(文字画像)I1が複数表示されるようになっている。
【0025】
詳しくは後述するが、ドライバーHは、後述するタッチパネル部40a(
図2参照)の操作領域のうち、所望の選択画像I1に対応する領域をタッチ等することによって、第1表示用パネル30に、当該選択画像I1に対応する機能を作動させるための初期画像を表示させることが可能となっている。なお、上記タッチパネル部40aが特許請求の範囲に記載の「タッチパネル」に該当する。
【0026】
例えば、第1表示用パネル30に、「メニュー表示画面」(
図3参照)が表示されている状態において、ドライバーHが、タッチパネル部40aの操作領域のうち、「NAVI」の選択画像I1に対応する所定の領域をタッチ等することによって、第1表示用パネル30には、ナビゲーション機能の各種設定等を行うことが可能な「NAVI MENU画面」(
図5参照)が、「メニュー表示画面」に切り替わって表示されるようになっている。
【0027】
本実施形態では、「メニュー表示画面」や、各種機能(例えば、ナビゲーション機能)の表示画面は、第1表示用パネル30の車幅方向中央の位置で比較的大きく表示されるようになっている。これら表示画面が表示されている状態では、当該表示画面の左右両側に、スピードメータ、タコメータ等が表示されるように構成されている。なお、第1表示用パネル30には、「メニュー表示画面」や、各種機能の表示画面が表示されている場合を除き、車両情報を示す一般的な画像(スピードメータ、タコメータ等)のみが表示(図示省略)されるようになっている。
【0028】
次に、第2表示用パネル40について
図2、
図3、
図5及び
図6を参照して説明する。
図2及び
図3に示すように、第2表示用パネル40は、操作面に対して指等を接触又は近接させることによって操作入力することが可能なタッチパネル部40aと、タッチパネル部40aの車両前方側の面に積層される液晶表示部40bと、タッチパネル部40aの車両後方側の面に積層される偏光フィルタ40cとを有している。タッチパネル部40a及び液晶表示部40bは、何れも透明な部材により形成され、それぞれ公知のものを採用することが可能である。また、偏光フィルタ40cも、タッチパネル部40a及び液晶表示部40bと同様に、透明な部材により形成されている。なお、上記液晶表示部40bと、偏光フィルタ40cとが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「第2表示手段」と、「光学フィルタ」とに該当する。
【0029】
第2表示用パネル40は、ステアリングホイール4の上側空間部4aと略同一形状を有し、この上側空間部4aの開口周縁部に固定されている。すなわち、本実施形態において、ドライバーHは、第1表示用パネル30に表示される画像を、第2表示用パネル40を介して視ることが可能となっている。なお、第2表示用パネル40は、透明な部材の他、半透明な部材により形成することも可能である。しかしながら、第1表示用パネル30に表示される画像の視認性を考慮すれば、極力、透明度の高い部材により形成するのが好ましい。
【0030】
液晶表示部40bには、第1表示用パネル30に選択画像I1が表示される際、これに連動して、当該選択画像I1と対応する位置に枠状の枠画像I2が表示されるようになっている。また、第1表示用パネル30と第2表示用パネル40とに、それぞれ、選択画像I1と枠画像I2とが表示された状態で、ドライバーHは、選択画像I1を、枠画像I2によって囲まれる領域(以下、「枠画像領域」と称す)を介して視ることが可能となっている。
【0031】
本実施形態では、ドライバーHが、枠画像I2の枠画像領域を、タッチパネル部40aを介してタッチ等することによって、当該枠画像I2に対応する選択画像I1を選択することができるように構成されている。
【0032】
例えば、ドライバーHが、選択画像I1「NAVI」に対応する枠画像I2の枠画像領域を、タッチパネル部40aを介してタッチ等すると、選択画像I1「NAVI」が選択され、これにより、第1表示用パネル30には、
図5に示すような「NAVI MENU画面」が切り替わって表示されるようになっている。なお、本実施形態では、このようにして、第1表示用パネル30に表示される内容が切り替わった場合、液晶表示部40bに表示される枠画像I2もこれに連動して変更されるように構成されている。
【0033】
液晶表示部40bには、上述したような、枠画像I2の他、各種画像を表示することが可能なように構成されている。例えば、
図5に示す「NAVI MENU画面」においては、枠画像I2の他、「NAVI MENU」といった画像(文字画像)I3が、第1表示用パネル30に表示される選択画像I1に重畳して表示されるようになっている。なお、このような、画像I3は、選択画像I1の視認性を極力阻害しないよう、透けて表示されるようにしている。
【0034】
このように、本実施形態では、選択画像I1と画像I3とを、それぞれ、第1表示用パネル30と液晶表示部40bとに分けて表示させるように構成したため、複数の選択画像I1を第1表示用パネル30の表示画面いっぱいに表示させることができるようになっている。すなわち、本実施形態では、選択画像I1の表示サイズを、画像I3とともに1つの画像に表示する場合と比較して大きくすることが可能となっている。なお、液晶表示部40bに表示される画像I3は、文字に限られず、図形等であってもよい。
【0035】
次に、第2表示用パネル40の偏光フィルタ40cについて
図6を参照して説明する。なお、以下の説明における角度は、車両後方から車両前方へ向かう入射光と、偏光フィルタ40cの車両後方側の面とが交叉する角度のうち、平面視における左方向側の角度を意味するものとする。
図6に示すように、偏光フィルタ40cは、例えば、PET(ポリエチレンテレフタラート)等の樹脂によって形成され、例えば、その内部に、複数の偏光部41を有している。
【0036】
偏光部41は、例えば、車両後方側で且つ左方向側へ向かって傾斜して延びる偏光面(反射面)を有し、左右方向に所定の間隔をあけて配設されている。偏光部41は、偏光フィルタ40cに対する車両後方から車両前方へ向かう入射光の角度θが、所定角度(例えば、75度)を越えなければ光を通過させ、上記所定角度を超えていれば光を反射させるように構成されている。
【0037】
例えば、上記所定角度が75度に設定されている場合、左眼LEで第2表示用パネル40を視ると、当該左眼LEの視線方向ELと偏光フィルタ40cとが交叉する角度θ1は上記所定角度を超えにくいため、左眼LEでは、偏光フィルタ40cを介して、液晶表示部40bに表示される画像(枠画像I2及び画像I3)及び第1表示用パネル30に表示される画像(選択画像I1)を比較的視やすくなっている。
【0038】
一方、上記所定角度が、上記のように75度に設定されている場合、右眼REで第2表示用パネル40を視ると、当該右眼REの視線方向ELと偏光フィルタ40cとが交叉する角度θ2は上記所定角度を超えやすいため、右眼REでは、偏光フィルタ40cによって、その視線方向ELが変更(反射)され、偏光フィルタ40cを介して、液晶表示部40bに表示される画像(枠画像I2及び画像I3)及び第1表示用パネル30に表示される画像(選択画像I1)が比較的視えにくくなっている。
【0039】
なお、本実施形態では、左眼LEで第2表示用パネル40を視た方が、右眼REで第2表示用パネル40を視た場合に比べ、第1表示用パネル30に表示される画像、及び、液晶表示部40bに表示される画像を視やすくなるように構成したが、その逆であってもよい。また、本実施形態では、上記所定角度を75度としたが、一方の眼のみが第1表示用パネル30及び液晶表示部40bに表示される画像を視るのが困難又は視ることができないように構成していれば、適宜変更することも可能である。
【0040】
本実施形態において、
図3に示すように、液晶表示部40bに表示される、枠画像I2は、ステアリングホイール4の所定位置に設けられる、ステアリングホイール側操作部6を操作することによって移動させることが可能となっている。
【0041】
ステアリングホイール側操作部6は、インストルメントパネル側操作部5の十字キー5aと同様な、十字型のスイッチであって、ドライバーHが、上側端部、下側端部、左側端部及び右側端部の何れかを押圧することによって、液晶表示部40bに表示される枠画像I2を移動させることが可能となっている。例えば、ドライバーHがステアリングホイール側操作部6の左側端部を押圧し続けている場合には、押圧している間、液晶表示部40bに表示される枠画像I2−1を左方向へスクロール移動させることが可能となっている。なお、本実施形態では、枠画像I2を、ステアリングホイール側操作部6を操作することによって移動させることができるように構成したが、例えば、タッチパネル部40aによる操作入力(例えば、フリック操作)によって移動させることができるように構成することも可能である。
【0042】
ドライバーHは、ステアリングホイール側操作部6を操作することによって、選択画像I1を視る左眼LEの視線方向EL上に、枠画像I2を位置させることが可能となっている(
図6参照)。本実施形態では、このような位置調整が行われた場合、それ以降、この変更された位置に基づいて、枠画像I2及び画像I3が表示されるようになっている。なお、このような位置調整は、ステアリングホイール側操作部6による操作の他、ステアリングホイール4を上下方向に移動させることによって、また、インストルメントパネル側操作部5の十字キー5aを操作することによっても行うことが可能である。
【0043】
次に、車両1の制御システムについて
図4を参照して説明する。
【0044】
図4に示すように、制御システムは、主として、表示制御基板100、第1表示用パネル30、第2表示用パネル40(タッチパネル部40a及び液晶表示部40b)、インストルメントパネル側操作部5(十字キー5a及びメニュー画面表示スイッチ5b)、ステアリングホイール側操作部6、操舵角センサ7、スピーカ等の各種出力装置8、及び、送受信機9を備え、それぞれが配線ケーブルによって接続されている。
【0045】
表示制御基板100は、第1表示用パネル30等に設けられ、表示制御CPU101と、表示制御ROM102と、表示制御RAM103とを備えている。
【0046】
表示制御CPU101は、表示制御ROM102に予め記憶されているシステムプログラム等を読み込み、タッチパネル部40a等から入力された情報に基づいて、第1表示用パネル30や液晶表示部40bに画像データを出力するとともに、タッチパネル部40aに操作可能領域指定データを出力する。この際、表示制御CPU101は、必要に応じて、車両1に設けられたスピーカ等の各種出力装置8に音声データ等を出力する。
【0047】
例えば、表示制御CPU101は、メニュー画面表示スイッチ5bの押圧によって、メニュー画面表示信号が入力された場合、第1表示用パネル30に、メニュー画面表示データを出力する。一方、表示制御CPU101は、液晶表示部40bに、枠画像I2を表示させるための枠画像表示データ、及び、画像I3を表示させるための文字画像データを出力する。また、表示制御CPU101は、タッチパネル部40aに、枠画像I2によって囲まれる枠画像領域に対応する部分を操作可能領域(
図4参照)とするための操作可能領域指定データを出力する。これにより、第1表示用パネル30には、「メニュー表示画面」が表示され、また、液晶表示部40bには、当該「メニュー表示画面」の各選択画像I1と対応する位置に、それぞれ枠画像I2が表示されるとともに、画像(「メニュー表示画面」の文字画像)I3が表示されることとなる。また、タッチパネル部40aのうち、枠画像I2に対応する部分が、それぞれ、操作可能領域として有効となる。
【0048】
表示制御CPU101は、ステアリングホイール4の操舵角θを検出する操舵角センサ7から入力された操舵角データに基づいて、液晶表示部40bとタッチパネル部40aとに、それぞれ、枠画像I2を非表示にするための非表示信号と、有効となっていた操作可能領域を無効とする操作無効信号とを出力するように構成されている。
【0049】
具体的に、表示制御CPU101は、操舵角センサ7から入力された操舵角データが、所定の範囲内(例えば、−3度≦操舵角θ≦+3度)でない場合、ステアリングホイール4が、タッチパネル部40aによる操作入力をすることができない位置にあると判定して、タッチパネル部40aと、液晶表示部40bとに、それぞれ、操作無効信号と、非表示信号とを出力する。これにより、第1表示用パネル30に、例えば、
図3に示すような、「メニュー表示画面」が表示されていたとしても、液晶表示部40bには枠画像I2が表示されず、また、ドライバーHがタッチパネル部40aをタッチ等してもその操作が無効とされることとなる。
【0050】
一方、ステアリングホイール4が操作されることにより、操舵角センサ7から入力されたデータが、上記所定の範囲内となった場合、表示制御CPU101は、タッチパネル部40aと、液晶表示部40bとに、それぞれ、操作可能領域指定データと、枠画像表示データ及び文字画像データとを出力する。これにより、液晶表示部40bには、メニュー表示画面の各選択画像I1と対応する位置にそれぞれ枠画像I2が表示されるととともに、画像I3が表示され、また、タッチパネル部40aのうち、枠画像I2の枠画像領域に対応する部分が操作可能な操作可能領域として有効となる。
【0051】
表示制御ROM102は、システムプログラムを記憶している他、第1表示用パネル30に出力される各種画像データ、液晶表示部40bに出力される枠画像表示データ及び文字画像データ、及び、タッチパネル部40aに出力される、操作可能領域を指定するための操作可能領域指定データをそれぞれ記憶している。
【0052】
上記第1表示用パネル30に表示される各種画像データとして、表示制御ROM102には、例えば、メニュー画面表示スイッチ5bからメニュー画面表示信号が入力された場合に出力される「メニュー画面表示データ」(
図3参照)、メニュー表示画面の「NAVI」が選択された際に出力される「NAVI MENU表示データ」(
図5参照)などが階層的に記憶されている。
【0053】
上記枠画像表示データ及び文字画像データは、上記第1表示用パネル30に表示される各種画像データに対応して記憶されている。また、上記操作可能領域指定データは、枠画像表示データに記憶されている枠画像I2に対応して記憶されている。この操作可能領域指定データは、例えば、操作可能領域毎に、X軸座標○○〜△△、Y軸座標××〜□□といったような座標データが記憶されている。
【0054】
また、表示制御ROM102は、上述したような、ステアリングホイール4が所定の範囲内にあるか否かを判定する際に用いる操舵角判定データ(−3度≦操舵角θ≦+3度)等の各種判定データも記憶している。
【0055】
表示制御RAM103は、表示制御CPU101によって実行されるプログラムや、表示制御CPU101による演算結果等を一時的に記憶するものである。
【0056】
表示制御RAM103には、第1表示用パネル画像表示位置記憶領域と、第2表示用パネル画像表示位置記憶領域とが設けられている。
【0057】
上記第1表示用パネル画像表示位置記憶領域は、十字キー5aが操作されることによって第1表示用パネル30に表示される画像の表示位置が変更された際に、当該変更されたデータを記憶する領域である。上記第2表示用パネル画像表示位置記憶領域は、ステアリングホイール側操作部6が操作されることによって枠画像I2及び画像I3の表示位置が変更された場合、当該変更されたデータを記憶する領域である。なお、上記のような変更されたデータは、画像の位置が変更される度に、上書きされて記憶されるようになっている。第1表示用パネル30や液晶表示部40bに表示される画像は、各記憶領域に記憶されたデータに基づいて表示されるようになっている。なお、タッチパネル部40aの操作可能領域は、枠画像I2の表示位置の変更に伴って、変更されるように構成されている。
【0058】
送受信機9は、ナビゲーション機能を作動させた場合に、車両1の現在位置をGPS(Global Positioning System、図示省略)衛星に送信するともに、GPS衛星から送信された位置情報データを受信するものである。
【0059】
GPS衛星から位置情報データを受信した場合の制御処理については、公知であるため、詳しい説明は省略するが、簡単に説明すると、表示制御CPU101は、GPS衛星から位置情報データを受信した場合、第1表示用パネル30に、現在の車両位置とその周辺の地図情報を表示するように制御するようになっている(
図7参照)。
【0060】
このように、本実施形態によれば、選択画像I1と画像I3とを、それぞれ、第1表示用パネル30と液晶表示部40bとに分けて表示させるように構成したため、複数の選択画像I1を第1表示用パネル30の表示画面いっぱいに表示させることが可能である。このため、本実施形態では、選択画像I1の表示サイズを、当該選択画像I1及び画像I3を1つの表示画面に表示する場合と比較して、大きくすることが可能である。
【0061】
また、本実施形態では、第2表示用パネル40に表示される枠画像I2を介して、第1表示用パネル30に表示される選択画像I1が視えるように構成されているため、これら選択画像I1及び枠画像I2を、視線方向ELを殆ど移動させることなく、同時に視ることが可能である。
【0062】
さらに、本実施形態では、液晶表示部40bの車両後方側の面に、第1表示用パネル30を視るドライバーHの左眼LEの視線方向ELにおいて光を通過させることができる一方、ドライバーHの右眼REの視線方向ELにおいて光を通過させることが困難又は不可能な偏光フィルタ40cが積層されている。このため、ドライバーHが第1表示用パネル30に表示される画像を視る際に、その手前(ドライバーH)側で液晶表示部40bに表示される枠画像I2や画像I3が二重に視えてしまうといった事態を防止することが可能である。
【0063】
以上のように、本実施形態によれば、ドライバーHは、視線方向ELを移動させることなく、表示サイズの大きい複数の画像(例えば、選択画像I1や画像I3)を一度に視ることができ、且つ、液晶表示部40bに表示される画像(枠画像I2や画像I3)を鮮明に視ることが可能である。
【0064】
また、本実施形態では、第1表示用パネル30が、運転席2の車両前方側に位置するインストルメントパネル3に取り付けられており、ドライバーHは、第1表示用パネル30に表示される画像を、ステアリングホイール4に取り付けられるタッチパネル部40aを介して視ることができるように構成されている。このため、ドライバーHは、車両1が走行中である場合、車外(車両前方)と、第1表示用パネル30及びタッチパネル部40aとの間で視線方向ELを殆ど移動させることなく、これら(車両前方、第1表示用パネル30及びタッチパネル部40a)を視ることが可能である。従って、本実施形態に係る表示装置20によれば、視認性のみならず、安全性をも向上させることが可能となる。
【0065】
さらに、本実施形態では、タッチパネル部40aが、車両1を運転する際にドライバーHが握るステアリングホイール4に取り付けられているため、タッチパネル部40aを操作する際の操作性をも向上させることが可能である。
【0066】
なお、本実施形態では、第2表示用パネル40を、ステアリングホイール4に取り付けたが、第2表示用パネル40を操作するドライバーHの視線方向ELにおいて、第1表示用パネル30と第2表示用パネル40とが重なる位置に配置されていれば、車両1のAピラー50(
図1参照)や、車両1のルーフパネル等のルーフ部材(図示省略)に取り付けてもよく、また、これらAピラー及びルーフ部材を車室内側から覆う内装部材51(
図1参照)に取り付けることも可能である。この際、第2表示用パネル40は、座席(運転席2の他、助手席等を含む)に着座する乗員の手の届く範囲に配置するのが好ましい。
【0067】
また、本実施形態では、第2表示用パネル40を、ステアリングホイール4に固定したが、例えば、ステアリングホイール4に、ヒンジ部材等を介して揺動自在に取り付けることも可能である。
【0068】
さらに、本実施形態では、第1表示用パネル30を、インストルメントパネル3に取り付けたが、第2表示用パネル40を操作するドライバーHの視線方向ELにおいて、第1表示用パネル30と第2表示用パネル40とが重なる位置に配置されていれば、例えば、フロントガラス53に取り付けてもよく、また、車両1のAピラー50(
図1参照)、車両1のルーフパネル等のルーフ部材(図示省略)及びこれらを車室内側から覆う内装部材51(図示省略)に取り付けることも可能である。この際、第1表示用パネル30は、ヒンジ部材等を介して揺動自在に取り付けることも可能である。
【0069】
また、本実施形態では、第1表示用パネル30に表示される選択画像I1と、液晶表示部40bに表示される枠画像I2とを、ステアリングホイール側操作部6等を操作することによって、一致させることができるように構成した。それ以外にも、例えば、インストルメントパネル3の所定位置に、ドライバーHの眼(右眼及び左眼)の位置を検出するカメラ54を取り付け(
図3参照)、このカメラ54によって撮像されたドライバーHの眼の位置に基づいて、自動的に、選択画像I1と枠画像I2とを一致させるように構成することも可能である。さらに、上記のようなカメラ54に代えて、運転席2の座席位置を検出するセンサを設けることも可能である。この場合、このセンサによって検出された座席位置に基づいて、ドライバーHの眼の位置を推定し、この推定された位置に基づいて、自動的に、選択画像I1と枠画像I2とをお一致させるようにすればよい。
【0070】
また、本実施形態では、操作手段としてのタッチパネル部40aを、第2表示用パネル40側に設けたが、これに限られず、第1表示用パネル30側に設けることも可能である。
【0071】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により、本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。