特許第6236225号(P6236225)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236225
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】車両用自動変速機の油圧供給システム
(51)【国際特許分類】
   F16H 61/00 20060101AFI20171113BHJP
   F16H 59/68 20060101ALI20171113BHJP
   F16H 61/02 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   F16H61/00
   F16H59/68
   F16H61/02
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-113238(P2013-113238)
(22)【出願日】2013年5月29日
(65)【公開番号】特開2014-119112(P2014-119112A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2016年2月26日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0144823
(32)【優先日】2012年12月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】趙世煥
(72)【発明者】
【氏名】黄眞栄
(72)【発明者】
【氏名】魏泰煥
【審査官】 尾形 元
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−082947(JP,A)
【文献】 特開2009−287688(JP,A)
【文献】 特開平11−303758(JP,A)
【文献】 特開平11−280643(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 61/00
F16H 59/68
F16H 61/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルパンに貯蔵されたオイルを吸入流路を通じて供給を受け、前記オイルを低圧の油圧に生成し、前記低圧の油圧を低圧流路を通じて低圧部に供給する低圧用オイルポンプと、前記低圧の油圧の一部を高圧に昇圧させて高圧流路を通じて高圧部に供給する高圧用オイルポンプを含む車両用自動変速機の油圧供給システムにおいて、
第1ソレノイドバルブの制御圧によって制御されながら前記低圧流路を通じて供給される油圧の一部を第1再循環流路を通じて前記吸入流路に再循環させながら油圧を調節する低圧用レギュレーターバルブと、
第2ソレノイドバルブの制御圧によって制御されながら前記高圧流路を通じて供給される油圧の一部を第2再循環流路を通じて前記低圧流路に再循環させながら油圧を調節する高圧用レギュレーターバルブと、
前記第2再循環流路上に配置されるオリフィスと、
前記低圧用オイルポンプを駆動する低圧用電動モータと、
前記高圧用オイルポンプを駆動する高圧用電動モータと、
前記第2再循環流路上に配置されて油圧を検出する圧力センサーと、
前記圧力センサーから検出される情報によって前記低圧用オイルポンプを駆動する前記低圧用電動モータと、前記高圧用オイルポンプを駆動する前記高圧用電動モータを制御するトランスミッション制御ユニットと、
を含み、
前記圧力センサーによって検出された圧力が前記低圧部の目標油圧より小さければ前記低圧用電動モータおよび前記高圧用電動モータの回転数を高めるように制御し、前記圧力センサーによって検出された圧力が前記低圧部の目標油圧と同一であれば前記低圧用電動モータおよび前記高圧用電動モータの回転数を維持するように制御し、前記圧力センサーによって検出された圧力が前記低圧部の目標油圧に余裕圧力を加えた値と同一であれば、前記高圧用電動モータの回転数を維持するように制御し、前記圧力センサーによって検出された圧力が前記低圧部の目標油圧に余裕圧力を加えた値より大きければ、前記高圧用電動モータの回転数を低めるように制御すること特徴とする車両用自動変速機の油圧供給システム。
【請求項2】
前記圧力センサーは、前記オリフィスと前記高圧用レギュレーターバルブの間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速機の油圧供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用自動変速機の油圧供給システムに係わり、より詳しくは高圧部と低圧部で目標油圧が形成されたかどうかを検出して、最適化された回転数に電動モータを制御することができる車両用自動変速機の油圧供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、世界的な高油価と排気ガス排出規制が強化されることにより、自動車メーカーは燃費を向上させることができる技術の開発に総力を傾けている。
【0003】
自動変速機における燃費改善はオイルポンプの不必要な消費動力を最少化することによって実現され得る。
【0004】
前記のように燃費改善のために最近は自動変速機に低圧用オイルポンプと高圧用オイルポンプを別途に備えて、前記低圧用オイルポンプで生成された油圧は低圧部(トルクコンバーター、冷却、潤滑)に供給されるようにし、前記高圧用オイルポンプで生成された油圧は高圧部(変速時選択的に作動される摩擦部材)に供給されるようにしている。
【0005】
より具体的には、自動変速機の通常の油圧は前記低圧部が要求する油圧を基準に生成(即ち、低圧用オイルポンプで生成)し、高圧部が要求する一部の油圧のみを高圧用オイルポンプで生成して前記高圧部に供給するようになっている。
【0006】
図1は従来の車両用自動変速機の油圧供給システムの構成図である。
【0007】
図1を参照すれば、従来の油圧供給システムは低圧用オイルポンプ2で生成された低圧の油圧をトルクコンバーターT/C、冷却部、潤滑部などのような低圧部4に供給し、高圧用オイルポンプ6で生成された高圧の油圧を変速に関係する摩擦部材を作動させるための高圧部8に供給することができるように構成される。
【0008】
前記低圧用オイルポンプ2で生成された油圧は低圧用レギュレーターバルブ10で安定した油圧に制御されて前記低圧部4に供給され、前記低圧用レギュレーターバルブ10は第1ソレノイドSOL1の制御圧によって制御される。
【0009】
前記高圧用オイルポンプ6は前記低圧用オイルポンプ2から供給される低圧の油圧を高圧の油圧に昇圧させ、前記高圧用オイルポンプ6によって昇圧された油圧は高圧用レギュレーターバルブ12で安定した油圧に制御されて高圧部8に供給される。
【0010】
そして前記低圧用オイルポンプ2と低圧用レギュレーターバルブ10を連結する低圧流路14上には油圧を検出する第1油圧センサーS1が配置され、前記高圧用オイルポンプ6と高圧用レギュレーターバルブ12を連結する高圧流路16上には油圧を検出する第2油圧センサーS2が配置される。
【0011】
これにより、前記第1油圧センサーS1から検出される信号によって低圧用電動モータM1の回転数を制御し、前記第2油圧センサーS2から検出される信号によって高圧用電動モータM2の回転数を制御することができる。
【0012】
しかし、前記のような油圧供給システムで低圧用および高圧用電動モータM1、M2の回転数制御のために第1、第2油圧センサーS1、S2を使用することによって、部品数の増加で原価上昇の原因になる。
【0013】
また、前記第1、第2油圧センサーS1、S2は低圧流路14および高圧流路16の余裕流量を検出せず、単純に目標圧力に到達したどうかのみを検出するため、最適化された回転数に電動モータM1、M2を制御することができないという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許3629906号公報
【特許文献2】特許3738665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の実施形態は、電動モータによって駆動される2つのオイルポンプが適用された自動変速機の油圧供給システムで、1つの圧力センサーによって提供される情報を利用して高圧部と低圧部の油圧および流量を最適化することができるように電動モータを制御し、制御応答性を向上させることができる車両用自動変速機の油圧供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明による車両用自動変速機の油圧供給システムは、オイルパンに貯蔵されたオイルを吸入流路を通じて供給を受け、前記オイルを低圧の油圧に生成し、前記低圧の油圧を低圧流路を通じて低圧部に供給する低圧用オイルポンプと、前記低圧の油圧の一部を高圧に昇圧させて高圧流路を通じて高圧部に供給する高圧用オイルポンプを含む車両用自動変速機の油圧供給システムにおいて、第1ソレノイドバルブの制御圧によって制御されながら前記低圧流路を通じて供給される油圧の一部を第1再循環流路を通じて前記吸入流路に再循環させながら油圧を調節する低圧用レギュレーターバルブと、第2ソレノイドバルブの制御圧によって制御されながら前記高圧流路を通じて供給される油圧の一部を第2再循環流路を通じて前記低圧流路に再循環させながら油圧を調節する高圧用レギュレーターバルブと、前記第2再循環流路上に配置されるオリフィスと、前記低圧用オイルポンプを駆動する低圧用電動モータと、前記高圧用オイルポンプを駆動する高圧用電動モータと、前記第2再循環流路上に配置されて油圧を検出する圧力センサーと、前記圧力センサーから検出される情報によって前記低圧用オイルポンプを駆動する前記低圧用電動モータと、前記高圧用オイルポンプを駆動する前記高圧用電動モータを制御するトランスミッション制御ユニットと、を含み、前記圧力センサーによって検出された圧力が前記低圧部の目標油圧より小さければ前記低圧用電動モータおよび前記高圧用電動モータの回転数を高めるように制御し、前記圧力センサーによって検出された圧力が前記低圧部の目標油圧と同一であれば前記低圧用電動モータおよび前記高圧用電動モータの回転数を維持するように制御し、前記圧力センサーによって検出された圧力が前記低圧部の目標油圧に余裕圧力を加えた値と同一であれば、前記高圧用電動モータの回転数を維持するように制御し、前記圧力センサーによって検出された圧力が前記低圧部の目標油圧に余裕圧力を加えた値より大きければ、前記高圧用電動モータの回転数を低めるように制御すること特徴とする
【0018】
前記圧力センサーは、前記オリフィスと高圧用レギュレーターバルブの間に配置され得る。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施形態は、電動モータによって駆動される2つのオイルポンプが適用された自動変速機の油圧供給システムで、第2再循環流路上にオリフィスを設置して第2再循環流路の流量を安定化させることができる。また、第2再循環流路上に圧力センサーを設置して安定した油圧を検出し、検出された油圧によって電動モータを制御することによって、高圧部と低圧部の油圧および流量を最適化することができ制御応答性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】従来の自動変速機の油圧供給システムの構成図である。
図2】本発明の第1実施形態による自動変速機の油圧供給システムの構成図である。
図3】電動モータの制御のための本発明の第1実施形態による自動変速機の油圧供給システムのブロック図である。
図4】本発明の第2実施形態による自動変速機の油圧供給システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
但し、本発明の実施形態を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一な参照符号を付与して説明する。
【0028】
下記の説明で構成の名称を第1、第2などに区分したことはその構成の名称が同一でこれを区分するためであり、必ずしもその順序に限定されるのではない。
【0029】
図2は本発明の第1実施形態による自動変速機の油圧供給システムの構成図である。
【0030】
図2を参照すれば、本発明の第1実施形態による油圧供給システムは低圧用オイルポンプ102で生成された低圧の油圧をトルクコンバーターT/C、冷却部、潤滑部などのような低圧部104に供給し、高圧用オイルポンプ106で生成された高圧の油圧を変速に関係する摩擦部材を作動させるための高圧部108に供給するように構成される。
【0031】
前記で低圧の油圧はトルクコンバーターT/Cの作動と冷却および潤滑を円滑にする程度の低い圧力を意味し、高圧の油圧は変速時選択的に作動する複数の摩擦部材を円滑に作動させることができる程度の高い圧力を意味する。
【0032】
前記で低圧用オイルポンプ102は低圧用電動モータM1によって駆動され、高圧用オイルポンプ106は高圧用電動モータM2によって駆動される。
【0033】
前記低圧用オイルポンプ102で生成された油圧は低圧用レギュレーターバルブ110で安定した油圧に制御されて前記低圧部104に供給される。このような目的で、前記低圧用オイルポンプ102はオイルパンPに貯蔵されたオイルを吸入流路112を通じて吸入し、低圧流路114に低圧の油圧を吐出する。
【0034】
前記低圧用レギュレーターバルブ110は第1ソレノイドバルブSOL1の制御圧によって制御されながら前記低圧流路114を通じて供給される油圧の一部を第1再循環流路116を通じて前記吸入流路112に再循環させながら油圧を調節する。
【0035】
前記高圧用オイルポンプ106は前記低圧用オイルポンプ102から供給される低圧の油圧の一部を高圧の油圧に昇圧させて高圧流路122に吐出する。前記高圧流路122の油圧は高圧用レギュレーターバルブ120によって制御されて高圧部108に供給される。
【0036】
前記高圧用レギュレーターバルブ120は第2ソレノイドバルブSOL2の制御圧によって制御されながら前記高圧流路122を通じて供給される油圧の一部を第2再循環流路124を通じて前記低圧流路114に再循環させながら油圧を調節する。
【0037】
本発明の第1実施形態による自動変速機の油圧供給システムはオリフィスORと圧力センサーSをさらに含む。
【0038】
前記オリフィスORは前記第2再循環流路124上に配置され、前記圧力センサーSは前記オリフィスORと高圧用レギュレーターバルブ120の間の前記第2再循環流路124上に配置される。
【0039】
これにより、前記第2再循環流路124を通じて低圧流路114に再循環される流量がオリフィスORによって一定に調節されることによって、低圧流路114の流量が大きく変化せず安定するようになる。
【0040】
また、第2再循環流路124の流量も大きな変化なく安定するように維持され、前記圧力センサーSは第2再循環流路124の安定した流量による油圧を検出してトランスミッション制御ユニットTCUに伝達する。
【0041】
図3は電動モータの制御のための本発明の第1実施形態による自動変速機の油圧供給システムのブロック図である。
【0042】
図3を参照すれば、前記トランスミッション制御ユニットは前記圧力センサーSで検出された圧力情報によって低圧用電動モータM1および高圧用電動モータM2の回転数を制御する。
【0043】
即ち、前記圧力センサーSによって検出された圧力が低圧部の目標油圧より小さければ前記低圧用電動モータM1および高圧用電動モータM2の回転数を高めるように制御し、前記圧力センサーSによって検出された圧力が低圧部の目標油圧と同一であれば前記低圧用電動モータM1および高圧用電動モータM2の回転数を維持するように制御する。
【0044】
また、前記圧力センサーSによって検出された圧力が低圧部の目標油圧+α(余裕圧力)と同一であれば高圧用電動モータM2の回転数を維持するように制御し、前記圧力センサーSによって検出された圧力が低圧部の目標油圧+α(余裕圧力)より大きければ高圧用電動モータM2の回転数を低めるように制御する。
【0045】
このように低圧用電動モータM1および高圧用電動モータM2の回転数を制御すれば、低圧部104と高圧部108の油圧および流量が最適化されるように制御が可能である。また、オリフィスORの大きさおよび目標油圧値を設定することによって流量のマージン設定が可能で、オイルポンプ102、106の応答性が向上され得る。
【0046】
図4は本発明の第2実施形態による自動変速機油圧供給システムの構成図である。
【0047】
図4を参照すれば、前記第1実施形態では低圧用オイルポンプ102と高圧用オイルポンプ106がそれぞれ独立的な電動モータM1、M2によって駆動されたが、第2実施形態では低圧用オイルポンプ102と高圧用オイルポンプ106を一つの軸で連結し、一つの電動モータMによって駆動されるように構成した。
【0048】
前記第2実施形態は第1実施形態と比較して一つの電動モータMを使用するということを除いてはその構成および作用効果が同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0049】
以上に本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の実施形態から当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって容易に変更され均等であると認められる範囲のすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0050】
102:低圧用オイルポンプ
104:低圧部
106:高圧用オイルポンプ
108:高圧部
110:低圧用レギュレーターバルブ
112:吸入流路
114:低圧流路
116、124:第1、第2再循環流路
120:高圧用レギュレーターバルブ
122:高圧流路
M、M1、M2:電動モータ
SOL1、SOL2:第1、第2ソレノイドバルブ
図1
図2
図3
図4