【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開日:平成25年4月1日 公開場所:岡山県岡山市北区平田173番地104 株式会社サンマルクホールディングス [刊行物等] 公開日:平成25年4月11日 公開場所:岡山県岡山市北区今7−22−131 サンマルクカフェ岡山今店
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
筐体(12)の前フレーム(40)に開設した開口部(14)と、この開口部(14)と縦方向の下部に隣接する扉収容部(68)と、縦方向に昇降自在で常には上方に位置して前記開口部(14)を閉成し、前記扉収容部(68)へ移動して下方に位置することで前記開口部(14)を開放する扉(16)と、前記扉(16)を付勢して下降させることで前記開口部(14)を開放し、前記付勢を解除すると前記扉(16)が上昇して前記開口部(14)を閉成する扉開閉機構とを有する貯蔵庫(10)において、
前記扉(16)を下降させて前記開口部(14)を開放した際に、該扉(16)の開放状態を一時的に維持する操作手段(90)が設けられており、
前記操作手段(90)は、前記扉(16)の下端に取付けられて、該扉(16)の下降に伴い前記前フレーム(40)から外部に突出するようになっている
ことを特徴とする貯蔵庫の扉開閉構造。
前記操作手段(90)は、前記扉(16)の下端に取付けられて垂下する棒状本体(91)と、前記扉(16)が下降して前記開口部(14)を完全に開放させた位置で、貯蔵庫の設置床面に当接するよう前記棒状本体(91)を側方へ折曲げた足踏部(92)とからなる請求項1記載の貯蔵庫の扉開閉構造。
前記扉(16)の下端には、ヒンジ(97)の第1羽根(97a)が軸ピン(97c)を水平にして取付けられると共に、該ヒンジ(97)の第2羽根(97b)にブラケット(99)が取付けられ、
該ブラケット(99)に前記棒状本体(91)の上部が、前記軸ピン(97c)と平行になるよう枢支ピン(102)を介して揺動自在に軸支されている請求項2記載の貯蔵庫の扉開閉構造。
前記扉収容部(68)に取付けた前記ガイド板(104)の下方において、前記棒状本体(91)の昇降経路に臨んで取付けられ、前記ガイド板(104)の延出端よりも更に延出する位置に端部を臨ませた押出部(138)からなり、
前記押出部(138)の端部は斜め前方に傾斜したテーパー面(139)になっており、前記棒状本体(91)は下降するにつれて該テーパー面(139)に当接して、前記足踏部(92)が手前側へ案内されて延出する請求項6記載の貯蔵庫の扉開閉構造。
前記操作手段(90)は、前記扉(16)の下端に設けた被係合部(107)と、前記扉収容部(68)を覆うフロントパネル(28)の前面に進退自在に取付けられて弾力的に付勢され、常には前記フロントパネル(28)の手前側へ延出しているフロントバー(109)と、前記フロントパネル(28)の内側に臨んでいる前記フロントバー(109)の端部である係合部(113)とからなり、
前記扉(16)を下降させて前記開口部(14)を完全に開放した際に、前記扉(16)に設けた前記被係合部(107)が前記係合部(113)の下方で近接するよう位置設定され、この状態で前記フロントバー(109)を弾力に抗して押すことにより、前記係合部(113)が前記被係合部(107)に係合して前記扉(16)が下降位置に維持される請求項1記載の貯蔵庫の扉開閉構造。
前記フロントバー(109)の両端近傍はL字形に折曲され、夫々の折曲部が前記フロントパネル(28)の通孔(108)を介して該フロントパネル(28)の裏側に臨むと共に、該フロントパネル(28)の裏側に固定した取付部材(110)に進退自在に挿通され、
前記取付部材(110)と前記折曲部である前記係合部(113)との間に介装した弾性部材(115)によって、前記フロントバー(109)は前記フロントパネル(28)の手前側へ常に延出するよう弾力付勢されている請求項8記載の貯蔵庫の扉開閉構造。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施例1に係る貯蔵庫の前フレームをフロントパネルで覆った状態で示す正面図であって、前記フロントパネルの下右半分を除去し、かつ扉を下降させて開口部を開放した状態を示している。
【
図2】
図1に示す前フレームの斜視図であって、フロントパネルで覆われている。
【
図3】(1)は、
図1に示す前フレームからフロントパネルを取り外した状態を示す斜視図であり、(2)は、(1)に符号Aで示す円で囲んだ部分の拡大図である。
【
図4】
図1に示す前フレームであって、フロントパネルの下右半分を除去し、かつ扉を上昇させて開口部を閉成した状態を示している。
【
図5】
図4に示す前フレームの斜視図であって、フロントパネルで覆われている。
【
図6】(1)は、
図5に示す前フレームからフロントパネルを取り外した状態を示す斜視図であり、(2)は、(1)に符号Bで示す円で囲んだ部分の拡大図である。
【
図7】
図4に示す前フレームの中央縦断側面図である。
【
図8】
図1に示す扉開閉機構に使用する扉の正面の斜視図である。
【
図10】
図1に符号Aで示す円形部分の要部拡大図であって、ワイパの端縁部に弾性折曲片を係合させ下降した扉を位置規制している状態を示している。
【
図11】実施例2に係る扉閉成状態の貯氷庫であって、(1)は
図5に示す前フレームからフロントパネルを取り外した状態を示す斜視図であり、(2)は扉の下端にヒンジを介して取付けたフットレバーが扉と共に上昇している状態を示す部分斜視図である。
【
図12】扉の下端にヒンジを介してフットレバーを取付けた状態を示す拡大側断面であって、フットレバーは垂下状態にある。
【
図13】
図11に示す貯氷庫であって、(1)は扉を開放した状態を示す斜視図であり、(2)はフットレバーの足踏部が設置床面に当接している状態を示す。
【
図14】
図12と同じ部分拡大側断面であって、フットレバーはヒンジを介して前方へ僅かに傾斜している。
【
図16】扉の下端に第1羽根を介して取付けたヒンジと、このヒンジの第2羽根に取付けたアングルブラケットとの組合せを示す斜視図である。
【
図17】扉の下端にヒンジおよびブラケットを介して枢支したフットレバーが垂下している状態を示す斜視図である。
【
図18】(1)はフットレバーを案内する実施例3に係る押出部の斜視図であり、(2)は扉を下降させるとフットレバーの足踏部が操作者の足下側へ延出して、その視認性を向上させている状態を示す一部平面図である。
【
図19】(1)はフットレバーの棒状本体が扉の下降と共に下降して、押出部に当接する直前を示す一部側面図であり、(2)は(1)の状態から棒状本体が更に下降し、前記押出部のテーパー面に当接して前方へ押出されている状態を示す一部側面図である。
【
図20】実施例4に係る貯氷庫であって、扉を下降させて開口部を開放した状態で示す斜視図である。
【
図21】フロントパネルの内側に臨むフロントバーの両端部である係合部が、扉に設けた被係合ピンと係合している状態を示す部分分解斜視図である。
【
図22】フロントバーの一方の端部が、取付部材に弾性部材を介して取付けられている状態を示す部分斜視図である。
【
図23】フロントバーの端部である係合部と、扉に設け被係合ピンとが係合している状態を背面から示す部分斜視図である。
【
図24】貯氷庫の扉を閉成した状態で示す斜視図である。
【
図25】扉を上昇させた状態において、扉の左右下端に設けた各被係合ピンと、フロントバーの端部をなす各係合部との位置的な対応関係を示す説明斜視図である。
【
図26】実施例5に係る貯氷庫であって、扉を上昇させて開口部を閉成した状態を示す斜視図である。
【
図27】
図26の符号Aで示す円形部分の拡大図であって、扉の下端に設けた被係合ピンの斜視図である。
【
図28】
図26の符号Bで示す円形部分の拡大図であって、係合部にフットレバーを設けた状態の斜視図である。
【
図29】
図26の貯氷庫において、扉を下降させて開口部を開放させた状態を示す斜視図である。
【
図30】扉を下降させることにより、被係合ピンが係合部に係合した状態を示す斜視図である。
【
図31】(1)は、被係合ピンが下降して係合部の係合舌片に衝き当たる直前の状態を示す断面図であり、(2)は被係合ピンが下降し切った際に、フットレバーの押圧によって係合舌片が該被係合ピンを捕捉(係合)している状態を示す断面図である。
【
図32】実施例6に係る貯氷庫であって、扉を上昇させて開口部を閉成した状態を示す斜視図である。
【
図33】
図32の符号Aで示す円形部分の拡大図であって、扉の下端に設けた被係合ピンの斜視図である。
【
図34】
図32の符号Bで示す円形部分の拡大図であって、係合部にソレノイドを連結した状態の斜視図である。
【
図35】扉を下降させることにより、被係合ピンが係合部に係合しており、ソレノイドによりその係合を捕捉している状態を示す斜視図である。
【
図36】実施例7に係る貯氷庫であって、扉を上昇させて開口部を閉成した状態を示す斜視図である。
【
図37】
図36の符号Aで示す円形部分の拡大図であって、扉の下端に設けた被係合ピンの斜視図である。
【
図38】
図36の符号Bで示す円形部分の拡大図であって、係合部にコントロールケーブルの一端を接続した状態を示す斜視図である。
【
図39】足踏ペダルの斜視図であって、コントロールケーブルの他端が接続されている。
【
図40】扉を下降させることにより、被係合ピンが係合部に係合した状態を示す斜視図である。
【
図41】足踏ペダルを踏み込むことにより、コントロールケーブルのワイヤが引っ張られている状態を示す斜視図である。
【
図42】変形例1に係るフットレバーが貯氷庫のフロントパネル内に収容されていて、視認し得ない状態を示す斜視図である。
【
図43】扉の下降によりフットレバーのT字形足踏部が、設置床面に衝き当たっている状態を示す斜視図である。
【
図44】フットレバーの棒状本体と足踏部とが、扉の上昇時は上方に位置し、扉の下降により設置床面に位置している状態を示す一部側断面図である。
【
図45】変形例2に係るフットレバーが貯氷庫のフロントパネルの前面から露出していて、外部から視認し得る状態を示す斜視図である。
【
図46】扉の下降によりフットレバーのT字形足踏部が、設置床面に衝き当たっている状態を示す斜視図である。
【
図47】フットレバーの棒状本体と足踏部とが、扉の上昇時は上方に位置し、扉の下降により設置床面に位置している状態を示す一部側断面図である。
【
図48】変形例3に係るフットレバーの足踏部が貯氷庫のフロントパネルの前面に露出して、常に視認し得る状態になっていることを示す斜視図である。
【
図49】扉の下降によりフットレバーのT字形足踏部が、設置床面に衝き当たっている状態を示す斜視図である。
【
図50】フットレバーの棒状本体と足踏部とが、扉の上昇時は上方に位置し、扉の下降により設置床面に位置している状態を示す一部側断面図である。
【
図51】変形例4に係るフットレバーの足踏部がフロントパネルの前面に露出しており、かつ該足踏部が2本の棒状本体で支持されている状態を示す斜視図である。
【
図52】扉の下降により2本の棒状本体に取付けられた足踏部が、設置床面に衝き当たっている状態を示す斜視図である。
【
図53】変形例5に係るフットレバーの足踏部が貯氷庫のフロントパネルの前面に露出して、常に視認し得る状態になっていることを示す斜視図である。
【
図54】扉の下降によりフットレバーのT字形足踏部が、設置床面に衝き当たっている状態を示す斜視図である。
【
図55】フットレバーの棒状本体と足踏部とが、扉の上昇時は上方に位置し、扉の下降により設置床面に位置している状態を示す一部側断面図である。
【
図56】実施例1〜3の変形例に係るフットレバーの取付け構造を示し、長孔が高く位置するように設定した場合の要部斜視図である。
【
図57】実施例1〜3の変形例に係るフットレバーの取付け構造を示し、長孔が低く位置するように設定した場合の要部斜視図である。
【
図60】
図59に示す製氷機の前フレームを外して示す正面図であって、扉を上昇させて開口部を閉成した状態を示している。
【
図61】製氷機の扉を下降させることで、開口部を開放した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明に係る貯蔵庫の扉開閉構造につき、実施例1〜7を挙げて説明する。なお、
図59〜
図61の従来技術で説明した部材と同じ部材については、同じ符号を付してある。また、実施例では製氷機の貯氷庫について説明したが、物品を収納して保管・貯蔵する筐体で、該物品を取り出すための開口部が存在し、この開口部を昇降する扉で開閉するものであれば、各種の保管庫、貯留庫その他貯蔵庫が含まれる。
【0024】
〔筐体構造について〕
図1〜
図3は、本願発明の実施例に係る扉開閉構造において、扉が下降した位置で開口部を完全に開放した状態を示している。また
図4〜
図6は、前記扉開閉構造において、扉が上昇した位置で開口部を完全に閉成している状態を示している。なお、図示の扉開閉構造は、
図2に示す貯氷庫10の筐体12における前フレーム40に設けられるものである。
図3および
図6は、筐体12の前面に取り付けられる前フレーム40を示し、この前フレーム40の前面は、
図2および
図5に示すフロントパネル28により覆われる。そして前フレーム40は、左右の縦フレーム42,44と、両縦フレーム42,44に上下で横方向に接続する上フレーム46および下フレーム48と、上下のフレーム46,48の中間に位置する横フレーム50(
図7)とから構成される。また上フレーム46と横フレーム50との間には、殊に
図3(1)に示すように、矩形状の開口部14が画成されている。従って前記フロントパネル28の上方にも、
図2に示すように、前記開口部14に対応する開口部52が開設されている。更に、貯氷庫10の底部裏面の四隅には脚部88が設けられ、該貯氷庫10を設置床面から所定の高さに保持している。
【0025】
図3(1)および
図6(1)において、前フレーム40における左右の縦フレーム42,44の前面には、前記開口部14を挟んで左右にスライドレール(図示せず)が縦に配設されている。このスライドレールは、前記開口部14を昇降自在に閉成する扉16を両側から摺動自在に案内するものであり、両スライドレールの下方には、縦に整列してガイド58,60が配設されている。
図4〜
図6に符号16で示す扉は、透明なガラスや樹脂等を材質とする矩形状板体であって、前記開口部14を閉成する際は、前記スライドレールにより左右を挟まれて上方に位置している。また前記開口部14を開放する際は、
図1〜
図3(1)に示すように、前記扉16はガイド58,60により左右を案内されて下方に位置している。なお、
図8は扉16の表面側を斜視状態で示し、その上部には横方向に延在する把手18が設けられている。
【0026】
〔扉開閉構造について〕
前記扉16は、操作者が前記把手18に手で触れて下方へ力を加えるだけで、前記開口部14を完全開放し、手による押し下げ力を解除すると、該扉16は自動的に上昇して開口部14を完全閉成するものである。その扉開閉構造を、次に説明する。本実施例では、
図3(1)および
図6(1)に示されるように、ワイヤ巻取装置64から引出したワイヤ66を、前記前フレーム40に枢支したプーリ62を介して前記扉16に接続することで、操作者の労力軽減を達成している。
図7の縦断側面に示す如く、前フレーム40の前面はフロントパネル28により覆われ、前記開口部14の下方でかつ前記フロントパネル28の裏側には、前記扉16が下降した際に該扉16を完全に収容し得る扉収容部68が画成されている。すなわち前記扉16は、上昇位置にあるときは、
図6(1)および
図7に示すように前記開口部14を閉成している。また、扉16が下降位置にあるときは、
図1および
図3(1)に示すように前記扉収容部68に収容されて、前記開口部14を開放している。
【0027】
図7に示すように、前記横フレーム50の前側にプーリ取付板70が沿設され、このプーリ取付板70の左右端部付近に、
図6(1)に示す如く、各プーリ62が回転自在に枢支されている。また前フレーム40における前記扉収容部68の下方には、
図3(1)および
図7に示すように、前記左右の各プーリ62に対応してワイヤ巻取装置64が配設されている。このワイヤ巻取装置64に巻き取られているワイヤ66は、上方へ引き出されて対応のプーリ62に巻き掛けられて反転し、該ワイヤ66の先端を前記扉16に接続している。すなわち、
図8に示すように、前記扉16における表側下端部に補強板72が沿設され、この補強板72の左右にL字形ブラケット74が夫々固定されている。そして前記ワイヤ巻取装置64から引出したワイヤ66の一端は、
図3(1)に示すように、前記L字形ブラケット74に接続されている。
【0028】
前記プーリ62およびワイヤ巻取装置64の配置関係については、厚みの小さいプーリ62が、
図7に示すように前記扉収容部68の内部前側に位置している。またワイヤ巻取装置64は、内部にワイヤ巻取ドラムや巻取用ばね等を収容しているため比較的嵩張っているが、該ワイヤ巻取装置64は
図3(1)および
図7に示すように、前記扉収容部68より下方の空きスペースに配置される。このため筐体12に開設される開口部14を広くすることができ、また前記プーリ62およびワイヤ巻取装置64を筐体12の前側に内蔵しているにも拘わらず、前方への突出寸法を抑えて、全体としてコンパクトな構成にすることができる。
【0029】
前記ワイヤ巻取装置64の内部には、前記ワイヤ66の巻取部となるワイヤ巻取ドラムと、該ワイヤ巻取ドラムに常に巻取り方向への回転力を与える過巻きばね(何れも図示せず)とが設けられている。このためワイヤ巻取装置64から引出した前記ワイヤ66には、常に巻取り方向への駆動力が加わっている。すなわち、ワイヤ66をワイヤ巻取装置64から引出しても、その引出す力を弱めたり解除したりすれば、該ワイヤ66は自動的に該ワイヤ巻取装置64へ巻取られる。前記ワイヤ巻取装置64には、ワイヤ66の巻取り力を調節する機構(図示せず)が設けられている。従って、ワイヤ巻取装置64のワイヤ巻取力を、前記扉16の重量による落下力(重量に扉落下時に加わる摩擦抵抗を加えた位置エネルギー)よりも少しだけ大きく設定することで、
図3(1)に示す前記扉16の下降位置から
図6(1)に示す上昇位置へ上昇させる際に、該扉16は緩徐に上昇するために急激な動きになることがない。また逆に、
図6(1)に示す扉16が開口部14を閉成した上昇位置から、
図3(1)に示す下降位置まで下降させて、前記開口部14を開放する際も、前記ワイヤ巻取装置64による巻取力がワイヤ66に加わっているが、作業者は軽い力で扉開放動作を行わせることができる。すなわち前記ワイヤ巻取装置64は、前記扉16の自重に応じてワイヤ66を巻取る駆動力を調節可能になっている。
なお、ワイヤ巻取装置64に内蔵されてワイヤ66に巻取力を与える構造としては、前述の過巻ばねに拘わらず、モータでワイヤ巻取ドラムを回転させるようにして、該モータの駆動力を扉16の重さに応じて自動設定またはマニュアル設定ができるようにしてもよい。例えば、ワイヤ巻取装置64のワイヤ巻取力は、操作者が開放中の扉16から手を離すと、該扉16が自動的に上昇して前記開口部14を閉成するように設定される。
【0030】
図1および
図4に示すように、前フレーム40の下方の前記扉収容部68には、前記扉16を下降させると所定の位置で停止させる扉停止片76が設けられている。すなわち、
図4に示す扉16の上昇位置から、該扉16が
図1に示す定位置まで下降すると、
図8で説明した扉下端縁の前記補強板72が、前記扉停止片76に衝き当って定位置で規制されて停止する。この場合、前述したようにワイヤ巻取装置64におけるワイヤ巻取力の強さは、前記扉16の自重に応じて調整されているから、該扉16は緩徐に下降する。すなわち、前記補強板72が前記扉停止片76に大きな勢いで衝突することはない。
【0031】
図8において、前記扉16の左右下端に夫々設けた前記L字形ブラケット74の上面には、例えば弾性ゴムやスプリング等のように、弾性を有する位置規制片78が設けられている。この位置規制片78は、
図4および
図6(1)に示すように、前記扉16を上昇位置へ移動させて前記開口部14を閉成した際に、前記プーリ62が枢支されているプーリ取付板70と下方から衝き当たって、その際の衝撃を弾力的に吸収しつつ位置規制するストッパとしての役割を果たしている。この場合も、前記ワイヤ巻取装置64のワイヤ巻取力は扉16の自重に応じて調節されているので、該扉16を上昇させても緩徐に移動することは勿論である。
【0032】
また
図9に示す扉16の裏面には、その下端縁にゴムや軟質ポリプロピレン等を材質とするワイパ80が、横長の固定片82および前記補強板72により挟持固定されている。このワイパ80は、前記扉16を下降させる際に、前フレーム40の前面に凝結した水滴を拭って、該水滴を
図4に示す樋部材84へ回収するためのものである。なお、前記ワイパ80の左右両端縁は、
図8,
図9および
図10に示すように、扉16の左右両端から若干延出させてある。そして
図10に示すように、前記ガイド60に設けた鍵状の係止片86に接触するようになっている。すなわち、前記ワイパ80の右端面に係止片86が接触した状態で、前記扉16が開口部14を完全に開放するような位置関係に設定してある。そして係止片86がワイパの右端面に接触している間の距離が、前記扉16に制動を掛ける状態になっている。
【0033】
前述した扉開閉機構を備える貯氷庫10には、前記扉16を操作者が手で押して下降させ、前記開口部14を完全に開放した際に、該扉16の開放状態を操作者が望む時間だけ一時的に維持する操作手段90が設けられている。この操作手段90としては、実施例1〜3に示すフットレバーや、実施例4に示すフロントバーと係合部との組合せが好適例として挙げられる。
また、前記の扉開閉機構において、下降させた扉16を捕捉して開口部14の開放状態を一時的に維持する捕捉手段と、該捕捉手段による扉16の捕捉を解除する解除手段とを設けた実施例5〜7も、本発明に属するものである。そこで、各実施例の構成について以下説明する。
【0034】
〔実施例1〕
図1〜
図9は、前記操作手段90が具体的にはフットレバーであることを示している。例えば、
図3(1)および
図6(1)に示す如く、前記操作手段90は、前記扉16の下端に取付けられて下方へ延在する棒状の本体91と、該扉16が下降して前記開口部14を完全に開放させた位置で、前記貯氷庫10の設置床面に当接するように、前記棒状本体91を該床面と平行な側方へ直角に折曲げた足踏部92とから構成される。この操作手段90は、ブラケット93により安定的に取付けられている。すなわち、扉16の正面を斜視状態で示す
図8において、該扉16の下端縁の補強板72には、操作手段90を支持するためのブラケット93の上端が固定され、所要寸法だけ下方へ延在している。
図3(2)に示すように、ブラケット93は長尺の金属板材を材料とし、その中間よりやや上方を後側へ折曲させた後、僅かに後退した部位で再び直角に折曲させて立上り部93aを形成している。またブラケット93の下端部は、
図3(2)において、前方側へ角角に折曲されて舌片93bになっている。この舌片93bには、前記操作手段90における棒状本体91の遊挿を許容する通孔93cが開設されている(
図8および
図9参照)。
【0035】
前記ブラケット93の立上り部93aは、
図3(2)に示すように、扉16の下端に設けた前記補強板72に、例えばリベット94により固着されて、該ブラケット93の本体部を垂下させている。なお、
図3(1)および
図6(1)に示すように、貯氷庫10の扉収容部68に設けた前記樋部84の前方には、規制板95が水平に配設されており、該規制板95の中央に前記ブラケット93の挿入を許容する所定寸法の案内口95aが開設されている。そして
図3(2)に示すように、前記扉16に設けたブラケット93は、前記規制板95の案内口95aに遊挿されて垂下している。すなわち
図3(1)に示す如く、扉16を下降させたときは、前記ブラケット93は前記案内口95aに挿入された状態で下方へ垂下する。また
図6(1)に示す如く、扉16を上昇させたときは、前記ブラケット93は前記案内口95aから抜け出て、後述する棒状本体91の下方だけが該案内口95aに挿入された状態になっている。すなわち棒状本体91の足踏部92は、前記規制板95の裏面に僅かな間隔を保持して位置している。
前述したように、前記ブラケット93に取付けた操作手段90は、例えば所要太さの金属丸棒をL字形に折曲することで、前記棒状本体91と足踏部92とを形成したものである。この棒状本体91の一端部は偏平に加工されてフラット頭部91aとなり、このフラット頭部91aに開設した通孔(図示せず)と、前記ブラケット93の上部に開設した通孔93d(
図8)とにピン96を挿通することで、棒状本体91の上端はブラケット93に固定されている。このとき、棒状本体91は、
図6(2)に示すように、前記ブラケット93の舌片93bに開設した前記通孔93cに遊挿され、これにより棒状本体91を安定的に垂下させている。
【0036】
前記棒状本体91は、その下方を直角に折曲することで、前記足踏部92が形成されることは前述した通りである。この場合の棒状本体91と足踏部92との分かれ目になる折曲部は、
図3(1)および
図6(1)に示す寸法関係に設定されている。すなわち、棒状本体91の長さは、
図3(1)に示す如く、扉16を完全に下降させた際に、前記足踏部92が貯氷庫10の設置床面に接地して安定し、また
図6(1)に示す如く、扉16を上昇させて前記開口部14を完全に閉成した際に、前記足踏部92は前記規制板95の裏面にあって、かつ該裏面と接触しない間隔を保持して位置している。また、扉16を下降させた際に前記足踏部92が指向する方向は、
図1および
図3(1)に示すように、フロントパネル28と平行になっているのが、操作者の足下の邪魔にならないので好ましい。
【0037】
前述したようにワイヤ巻取装置64におけるワイヤ66の巻取力は、扉16を常には上方位置へ付勢するようになっていて、該扉16により前記開口部14を閉成している。そして、操作者が該扉16の把手18に手を掛けて押し下げることにより、該ワイヤ66がワイヤ巻取装置64から繰り出されて開口部14を開放するが、操作者が手を外せばワイヤ巻取装置64のワイヤ巻取力が扉16の重量に打ち勝って、該扉16を自動的に上昇させて開口部14を再び閉成するものである。本実施例では、扉16の下端部に操作手段90が設けられており、
図4および
図6(1)に示すように、該扉16が上昇位置にあるときは、該操作手段90はフロントパネル28の裏の扉収容部68に位置しているため、外部からはその存在は全く判らない。
しかるに
図1および
図3(1)に示すように、操作者が扉16の把手18に手を掛けて押し下げると、該扉16は下降して開口部14を開放する。また扉16の下降動作に伴って操作手段90の棒状本体91が前記ブラケット93と共に下降し、棒状本体91の下方において側方へ延出させた前記足踏部92が床面に衝き当たって下降を停止する。そこで操作者は、前記足踏部92を足で踏むことにより扉16は下降姿勢が保持される。すなわち開口部14は開放したままになり、しかも操作者は扉16を手で押さえておく必要がないので、両手の自由が確保できて便利である。貯氷庫10から氷を取り出した後に操作者が足踏部92から足を離せば、前記ワイヤ巻取装置64の作用下に扉16は自動的に上昇し、これにより前記開口部14を閉成する。
【0038】
先の実施例1では、棒状本体91と足踏部92とからなるフットレバーについて説明した。また図示例では、棒状本体91を扉16の下端から垂下させた形態のフットレバーとしたが、このような棒状本体を垂下させる構成に限定されるものではない。例えば、扉16の下端部に取付けられており、該扉16が下降するに従って、フロントパネル28の下方から前方へ延出して来る部材であってもよい。すなわち、扉16の下端に取付けたペダル状の足踏部が、例えばカム機構やリンク機構の作用下に水平に手前方向へ旋回して、フロントパネル28の下方で前方へ延出するような構成が提案される。
【0039】
〔実施例2〕
図11〜
図17は、本発明の実施例2を示すものであり、基本構成は実施例1を前提としている。すなわち実施例1では、操作手段90における棒状本体91の上部は、ブラケット93にリベット94で固定されている。このため扉16を下降させると、棒状本体91はそのまま垂直に下降して、足踏部92を貯氷庫10の設置床面に衝き当たらせる。このように操作手段90(棒状本体91および足踏部92)が、扉16の下降に伴い垂直に下降して設置床面に衝突すると、場合によっては衝突時の衝撃が扉16に伝達されて、該扉16が損傷したり耐久性が低下する等の畏れがある。
実施例2は、前述した懸念を払拭するべく提案されたものであって、操作者が扉16を手で押して下降させると、該扉16の下降に伴い足踏部92も下降して前記の如く設置床面に衝き当たるが、この場合に操作手段90が前後または左右の何れかの方向に振れることにより、衝撃を逸らして緩和させ、扉16へ加わる衝撃を小さくする、というものである。例えば
図15および
図16に示すように、扉16の下端中央(実施例1ではブラケット93が固着されていた個所)に、第1羽根97aと第2羽根97bとを軸ピン97cで枢支したヒンジ97が取付けられ、このヒンジ97に前記操作手段90の上端部が、貯氷庫10の前後および左右へ僅かに揺動可能に軸支されている。
【0040】
すなわち
図16において、ヒンジ97の第1羽根97aが、扉16の補強板72の中央に垂直に設けた当て板98に、前記軸ピン97cを水平にした状態でリベット等により取付けられている。またヒンジ97の第2羽根97bには、金属板をL形に折曲してなるアングルブラケット99が、該第2羽根97bに直立姿勢を保持して取付けられている(
図16)。アングルブラケット99が前記軸ピン97cと平行になる側の面には、縦方向に所要数の通孔99aが開設され、また前記軸ピン97cに対し直交する側の面にも縦方向に所要数の通孔99bが開設されている。このように通孔99aおよび通孔99bを複数開設するのは、後述する各部材の取付位置を細かく調節可能にするためである。前記アングルブラケット99には、後述するL形片100を介して前記操作手段90が取付けられる。そして、前記通孔99aは該L形片100を取付けるためのものであり、また前記通孔99bは前記操作手段90を取付けるためのものである。
【0041】
前記アングルブラケット99に操作手段90を取付ける部材として、
図11〜
図13および
図17に示すL形片100が使用される。L形片100は、金属板をアングル状に折曲げて形成され、
図17において一方の面に開設した通孔と前記アングルブラケット99の一方の通孔99aに枢支ピン101を挿入することで、L形片100はアングルブラケット99に取付けられる。また棒状本体91のフラット頭部91aには、通孔を開設すると共に、前記L形片100の他方の面も、通孔を開設しておく。そして、
図11(2)および
図12に示すように、アングルブラケット99の前記通孔99bと、棒状本体91におけるフラット頭部91aの前記通孔と、L形片100の他方の面に開設した前記通孔とを整列させた状態で、枢支ピン102を共通的に挿入することで、前記棒状本体91は
図14に示す如く前後方向へ揺動可能にアングルブラケット99に枢支される。なお、アングルブラケット99は前記ヒンジ97に取付けられているので、
図12に示す棒状本体91の垂下姿勢から、
図14に示す如く、手前側へ所定の角度範囲でスイングして傾斜姿勢へ変位可能になっている。
図11(2)および
図13(2)に示すように、貯氷庫10における扉収容部68には、ガイド板104が取付けられて水平に延出している。このガイド板104の水平延出部には、前記棒状本体91の挿入を許容する充分に大径の通孔105が開設されている。前記ガイド板104が前記扉収容部68に取付けられる位置は、
図11に示すように、扉16を上昇させた際に、棒状本体91の下方部分が位置し(足踏部92はガイド板104の下方に位置する)、また扉16を下降させると、
図13に示すように、棒状本体91の上方部分が位置する関係に設定される。前記扉収容部68の下方には、
図11(2)に示す位置規制板103が配設されている。この位置規制板103は、前記扉16の下降に伴って下降する前記棒状本体91の垂直な昇降経路よりも僅かに後側に位置している。すなわち、常には位置規制板103は棒状本体91に接触していないが、該棒状本体91が後方へ揺動した際は、振れ過ぎないように該位置規制板103が位置規制を行うようになっている。
【0042】
実施例2の操作手段90によれば、その棒状本体91の頂部は扉16の下端部に前後・左右に揺動可能に枢支され、かつヒンジ97により前後へ更に大きく振るのを許容している。従って、仮に操作者が前記扉16を急激に下降させて、棒状本体91の足踏部92が貯氷庫10の設置床面に衝き当たっても、棒状本体91は前後へ揺れて直接の衝撃を逸らすため、扉16が損傷したり耐久性が早期に低下する等のことがない。
【0043】
〔実施例3〕
実施例3は、基本構造は実施例2に示すものであるが、操作手段90の足踏部92が扉16の下降に伴い操作者の足下の側へ延出して、視認性を向上させたものである。すなわち
図18(1)において、実施例2で説明した位置規制板103の取付位置に、これに代えて押出部138が配設されている。この押出部138は斜め上方を指向するテーパー面139を有し、該テーパー面139は前記棒状本体91が下降する際に想定される垂直な昇降軌跡よりも僅かに前方へ張出している。従って、
図11(1)の扉16が上昇位置にある状態から、
図13(1)に示す扉16が下降位置に転ずると、棒状本体91は
図19(1)に側面で示す位置から
図19(2)に示す状態になる。すなわち前記押出部138のテーパー面139に当接し、該扉16が下降するにつれて棒状本体91は、強制的に貯氷庫10の手前側へ延出する。すなわち
図14に示す如く、棒状本体91はアングルブラケット99を介してヒンジ97に取り付けられているので、該ヒンジ97の第1羽根97aが軸ピン97cを中心として上動することにより、該棒状本体91の手前側へのスイングが許容される。この結果として、
図18(2)に示すように、足踏部92は貯氷庫10のフロントパネル28より手前側へ延出するため、操作者の視野に容易に捕らえられる。
【0044】
〔実施例4〕
図20〜
図25は、本発明の実施例4を示すものである。先の実施例1〜3は、棒状本体91の足踏部92を踏むことで、扉16を下降状態に保持するようにした構成であった。これに対し本実施例は、フロントパネルに進退自在に配設したフロントバーを操作者が膝で押さえることで扉16を下降状態に保持し、該膝によるフロントバーへの押圧を解除することで、扉16が自動的に上昇して開口部14を閉成する、というものである。
図21において、扉16の下端部の左右には、前述したL字形ブラケット74が取付けられ、また該ブラケット74には前記位置規制片78が取付けられている。前記左右のL字形ブラケット74,74の夫々には、
図23に示すL形支持板106が取付けられている。そして左右の各L形支持板106には、
図25に示すように、被係合部として機能する被係合ピン107が内向きかつ水平に突設されて、両ピン107,107の軸線を一致させてある。すなわち扉16の左右下端部に設けた被係合ピン107,107は、
図24で扉16が上昇位置にあるときは、
図25に示すように同じく上昇位置にある。また
図20で扉16が下降位置にあるときは、
図21に示すように同じく下降位置にある。
【0045】
次に、前記被係合ピン107と係脱自在に係合する係合部について説明する。
図21に示すフロントパネル28は、前述したように貯氷庫10の扉収容部68を着脱自在に覆う化粧部材である。前記フロントパネル28には、平均的な身長の操作者の膝の高さに、横方向へ所定間隔で2つの通孔108,108が開設され、この2つの通孔108,108に、幅広のU字形状をしたフロントバー109が水平に遊挿されるようになっている。なお、
図21では、フロントバー109はフロントパネル28の後方に位置しているが、実際はフロントバー109の本体部はフロントパネル28の手前側に位置している。
【0046】
前記フロントパネル28の内側には、
図22および
図23に示す如く、前記2つの通孔108,108と夫々対応する位置に取付部材110,110が固着されている。前記取付部材110にはコ字状部111が形成され、このコ字状部111に対向的に開設した2つの通孔112,112に、
図22に示す如く、前記U字形フロントバー109の各端部113(この端部が被係合ピン107と係脱自在に係合する)が摺動自在に挿通されている。
図22に示すように、コ字状部111に設けた2つの通孔112,112に挿入された前記端部113には、両通孔112,112の略中間位置に係止ピン114が交差挿入されて、前記フロントバー109が前記取付部材110から脱落するのを防止している。また、フロントバー109の端部113には、
図22に示す如く、前記ピン114とコ字状部111の一方の内壁との間に、弾性部材、例えばコイルばね115が弾力的に介挿されて、前記フロントバー109を常には前記フロントパネル28の前方側へ弾力的に延出させ、前記係止ピン114により位置規制されるようになっている。
【0047】
このように構成することにより、前記フロントパネル28の手前に延出しているフロントバー109を押圧(操作者の膝による押圧を予定している)すると、前記コイルばね115の弾力に抗して該フロントバー109は前進する。そして、前記係止ピン114が前記コ字状部111の一方の内壁に当接することで、前記フロントバー109の前進は位置規制される。また
図23に示すように、前記フロントバー109の端部113は、前記コ字状部111より内方へ所定距離だけ延出する。そして、後述する如く、前記扉16が下降しているときは、
図23に示すように、被係合ピン107の上方に前記端部113が延出して係合する。従って、前記フロントバー109の両端部113は、前記被係合ピン107と係脱自在に係合する意味において、係合部としての機能を果たすものである。
【0048】
前記扉16の左右に取付けた各L形支持板106に設けられて延出する前記被係合ピン107と、前記フロントバー109が前記フロントパネル28の裏側へ延出している端部(係合部)113との位置関係は、
図25および
図23に示す通りである。すなわち
図25に示すように、上昇姿勢にある扉16の下端に設けた被係合ピン107は、該扉16を完全に下降させると、
図23に示すように、フロントバー109の端部である係合部113の進退位置より僅か下方で停止するようになっている。なお
図23は、フロントバー109が押圧されて前進している状態を示しているため、その係合部113は前記被係合ピン107の上方に位置して係合状態になっている。しかし、常には前記コイルばね115の弾力によりフロントバー109は前記フロントパネル28の正面側へ後退しているので、係合部113も僅かに後退しており、前記被係合ピン107の定位置への下降停止を許容している。
【0049】
従って、
図24に示すように、扉16が上方位置にあって開口部14を閉成しているときは、被係合ピン107と係合部113とは、
図25に示す位置関係で離間している。しかるに操作者が扉16を下降させると、扉16に設けた被係合ピン107も下降して、
図23に示す定位置で停止し、前記開口部14を完全に開放する。この状態で操作者が、自分の膝でフロントバー109を前記コイルばね115の弾力に抗して押圧すると、該フロントバー109の両端部をなす各係合部113は、
図23に示すように、前記被係合ピン107の上方に到来して両部材107,113が係合するに到る。これにより扉16は、操作者が膝でフロントバー109を押圧している間、下降位置に保持される。そして操作者が膝による押圧を解除すると、コイルばね115の復帰弾力によりフロントバー109は後退して原位置へ復帰し、前記係合部113は被係合ピン107との係合を解除する。このため扉16は、ワイヤ巻取装置64のワイヤ巻取りにより上昇し、前記開口部14を閉成するに到る。
【0050】
〔実施例5〕
実施例5は、後述する実施例6および実施例7と上位概念が共通する貯蔵庫の扉開閉機構である。すなわち実施例5〜7は、扉16を下降させて開口部14を開放させた際に、この扉16を捕捉して扉開放状態を一時的に維持する捕捉手段と、前記捕捉手段による扉16の捕捉を解除して、該扉16が前述したワイヤ巻取装置64の作用下に上昇するのを許容する解除手段とを備えている。
実施例5において、
図27は、
図26の円Aで囲んだ部分の拡大図であって、扉16の左右下端縁に設けた前記L形支持板106に被係合部となる被係合ピン107が水平に配設されている。この被係合ピン107の配設関係は、実施例4で
図21および
図23を参照して説明した通りである。また
図28は、
図26の円Bで囲んだ部分の拡大図であって、前記被係合ピン107と常には係合する方向へ弾力付勢された係合部116が開示されている。そして、前記被係合ピン107と係合部116とを総称して、本明細書では捕捉手段117という。
【0051】
図26および
図28において、前記係合部116は、扉収容部68の下方に取付けたスプリング付きヒンジ118を介して取付けられ、常には前記被係合ピン107と係合を行う方向(
図28の矢印方向)へ弾力的に付勢されている。すなわち
図30に示すように、L字形取付板119の立上り部119aが前記扉収容部68の化粧板に取付けられ、またL字形取付板119の水平延出部119bには、前記スプリング付きヒンジ118の第1羽根118aが固定され、また第2羽根118bには前記係合片116が取付けられている。前記ヒンジ118には、その軸ピン120に捩りスプリング等の弾性部材が介装され(図示せず)、
図28に示すように、第2羽根118bおよびこれに取付けた係合片116を矢印方向へ弾力的に付勢している。
【0052】
前記係合部116には、弾性に富む金属を材質とする係合舌片116aが一体形成されている。この係合舌片116aは、
図31(1)に示すように、前記被係合ピン107が扉16と共に下降する際の軌跡よりも僅かに奥側へ退避した位置に存在している。すなわち前記扉16が上昇位置にあるときは、該扉16に設けた被係合ピン107と扉収容部68に設けた前記係合部116とは、
図27,
図28および
図31(1)に示す位置関係を保って離間している。そして、
図29に示すように扉16を完全に下降させると、被係合ピン107も下降して、
図31(2)に示す位置で停止する。
図26および
図28に示すように、係合舌片116aを備える係合部116には、解除手段としてL字形棒材からなるフットレバー121が、その上端においてピン122により軸支されている。このフットレバー121のL字形に屈曲した部分は、操作者による足踏部121aとして機能する。すなわち前記フットレバー121を操作者が足で踏むと、スプリング付きヒンジ118の弾力に抗して、前記第2羽根118bおよび係合片116は
図31(2)に矢印で示す方向へ僅かに回動して停止する。また足踏部121aを足から外すと、スプリング付きヒンジ118の復帰弾力により、
図31(1)に示すように、係合舌片116aは反時計方向へ回動する。
【0053】
次に、実施例5の動作を説明する。前述したように扉16を完全に下降させる前は、被係合ピン107と係合片116の係合舌片116aとの位置関係は、
図31(1)に示す状態になっている。扉16を下降させると、これに伴い被係合ピン107は垂直に下降し、
図31(1)に示す位置を通過して、
図31(2)に示す安定位置で停止する。このタイミングで操作者が前記フットレバー121を足で踏むと、前述の通りスプリング付きヒンジ118の第2羽根118bは、軸ピン120を中心としてスプリングの弾力に抗しつつ、
図31(2)に示す矢印方向へ回動する。これにより第2羽根118bに設けた係合舌片116aが、安定位置で停止している前記被係合ピン107を把持して係合捕捉するに到る。このため扉16の自動上昇は、フットレバー121を踏んでいる間規制される。
なお、扉16が完全に下降し切る前に、操作者がフットレバー121を踏んでしまうこともあり得る。これは、被係合ピン107が
図31(2)に示す位置に到来する前に、係合舌片116aは
図31(2)に示す状態になっていることを意味する。この場合であっても、係合舌片116aは前述の如く弾性に富む金属を材質としているから、被係合ピン107が下降して係合舌片116aに当接すると、該係合舌片116aは、
図31(2)において左方向へ僅かに変形した後に被係合ピン107を安定的に係合捕捉する。
次に操作者がフットレバー121から足を離すと、スプリング付きヒンジ118の復帰弾力が作用して、第2羽根118bおよび係合舌片116aを、
図31(2)の反時計方向へ回動させる。これにより係合舌片116aは、被係合ピン107から離脱して前記係合を開放するため、扉16は前記ワイヤ巻取装置64によるワイヤ133の巻取りにより自動的に上昇して前記開口部14を開成する。
【0054】
〔実施例6〕
先の実施例5は、被係合ピン107に係脱自在に係合している係合部116を解除する手段は、操作者の足踏みで行うフットレバー121であった。しかし実施例6では、前記フットレバーに代わる解除手段として、扉16が定位置へ下降したことを検出して電気的に動作するソレノイドを採用したものである。すなわち実施例6において、被係合部として扉16に設けた被係合ピン107を使用し、また該被係合ピン107と係脱自在に係合する係合部として係合舌片116aを使用することは、前述した実施例5と同じである。また、係合部116を扉収容部68に取付ける手段として、前記スプリング付きヒンジ118が使用されることも同じである。
図32の円Aで囲んだ部分を拡大した
図33において、扉16の下端の補強板72には、
図34に示すマイクロスイッチ123の検出レバー124に接触すると、該スイッチ123をON動作させる位置検出片125が取付けられている。ここで前記マイクロスイッチ123は、
図32および
図35に示すように、前記扉16と共に下降する前記位置検出片125の下降軌跡中にあり、かつ該扉16が完全に下降した位置において、前記検出レバー124が接触する位置関係に設定されている。
【0055】
前記解除手段として、
図32の円Aおよび
図34に示されるソレノイド126が、前記扉収容部68の下方に設けられている。前記ソレノイド126は、本体から直線的に進退移動するプランジヤ127を上方に向けて配設され、該プランジヤ127と前記係合部116とは、連結片128を介して連結されている。そして、前記マイクロスイッチ123が扉16の下降を検出していないときは、前記ソレノイド126は滅勢されていて、
図34に示すように、プランジヤ127を上方へ延出させて次の動作を待機している。従って、前記プランジヤ127に連結片128を介して連結している前記係合部116も、スプリング付きヒンジ118の弾力付勢下に係合舌片116aを斜め後方へ傾けて、前記扉16と共に下降する被係合ピン107の到来を待機している。
【0056】
操作者が扉16の把手18に手を掛けて下降させると、該扉16が所定距離だけ下降した時点で、前記検出片125がマイクロスイッチ123の検出レバー124を押圧してON動作させる。このとき被係合ピン107は、係合部116の係合舌片116aと対面する位置にまで到来している。そして前記マイクロスイッチ123のON動作によって、前記ソレノイド126は電磁付勢されてプランジヤ127は下方へ後退し、連結片128を介して係合部116を下方へ付勢する。すると前記係合部116は、スプリング付きヒンジ118の弾力に抗しつつ
図35に矢印で示す方向へ回動し、係合舌片116aが被係合ピン107を捕捉して係合する。
【0057】
前記ソレノイド126とマイクロスイッチ123との制御回路には、図示しないタイマが設けられている。このタイマは、前記マイクロスイッチのON動作時(ソレノイド126の付勢時)にカウントを開始し、予め入力した所定の時間をカウントするとタイムアップして、前記ソレノイド126を滅勢させるよう設定してある。従って、
図35に示す係合舌片116aが被係合ピン107に係合した捕捉状態において、所定の時間(例えば30秒)を経過すると前記タイマがカウントアップし、前記ソレノイド126を滅勢する。これによりソレノイド126に内蔵した弾性部材(図示せず)の復帰弾力により、プランジヤ127は上方へ前進して、
図34に示す状態へ復帰する。すなわちプランジヤ127による係止を解除された係合舌片116aは、スプリング付きヒンジ118の復帰弾力により反時計方向へ回動し、被係合ピン107に対する係合を解除する。このため下降位置に保持されていた扉16は、ワイヤ巻取装置64によりワイヤ66を巻取られて自動的に上昇し、前記開口部14を閉成する。
なお、前述したところは、制御回路に内蔵したタイマの設定時間がカウントアップすると、ソレノイド126が滅勢して扉16の保持を解除するものであった。この実施例6の変更例として、人感センサを使用することもできる。例えばフロントパネル28や開口部14の近辺に、人の接近を検知して電気信号を出す人感センサを設置する。前述した如く、扉16を下降させて開口部14を開放すると、ソレノイド126が付勢されて、係合舌片116aが被係合ピン107を捕捉係合する。前記人感センサは、フロントパネル28の前に人がいることを検知している間は前記係合状態のロックを継続する。そして、人が立ち去ったことを前記人感センサが検出するとロックを解除して、前記ソレノイド126を滅勢し扉16を自動的に上昇させる。ここで使用する人感センサは近接センサであり、例えば、人体の容量を検出するキャパシティーセンサや、光電センサ等が選択的に使用される。
【0058】
〔実施例7〕
実施例7は、先の実施例5が扉16を任意時間だけ開放保持するフットレバーであったのに対し、これを足踏みペダルとコントロールケーブルとの組合せに代えたものである。従って、
図36の円Aを拡大した
図37に示す被係合ピン107の取付け構造と、
図36の円Bを拡大した
図38に示す係合部116の取付け構造は、実施例5に示す構造と基本的に同じである。すなわち実施例7では、
図36に示す貯氷庫10の足下に足踏みペダル129が設置され、操作者が任意にペダル部130を足踏みすることで、該ペダル部130に接続したコントロールケーブル131を介して動きを係合部116へ伝達し得るようになっている。
【0059】
前記ペダル部130は、足踏みペダル129の本体に弾性片132を介して枢支され、該弾性片132の弾力作用下に、該ペダル部は
図39に示す如く、常には斜め上方に浮き上がって静止している。コントロールケーブル131は、長尺のシース134にワイヤ133を挿通した公知のもので、該ワイヤ133の一端はラグ137を介して前記ペダル部130に遊着されている。また前記ワイヤ133の他端は、
図38に示すように、係合部116に遊着されている。なお、
図38に示す如く、シース134の上端は、係止片135の下面に固定され、該係止片135の上面から前記ワイヤ133が延出して、ラグ136を介して前記係合部116に取付けられている。
【0060】
コントロールケーブル131の長さは、
図40および
図41に示すように、扉16を下降させて被係合ピン107が係合舌片116aに対面したところで、操作者が足踏みペダル129を踏めば、ペダル部130の変位距離だけワイヤ133が引き下げられて、係合舌片116aをスプリング付きヒンジ118の弾力に抗して矢印方向へ回動させ、該係合舌片116が被係合ピン107に係合(捕捉)する寸法に設定してある。操作者は、任意の時間だけペダル部130を踏むことで係合状態を持続させ、該ペダル部130から足を離すと、スプリング付きヒンジ118の復帰弾力により、係合部116は
図38の矢印方向に回動する。これにより扉16は、ワイヤ巻取装置64によるワイヤ66の巻取りにより自動的に上昇し、前記開口部14を閉成する。
【0061】
〔変形例〕
実施例1に示す操作手段90は、棒状本体91と足踏部92とからなるフットレバーであった。このフットレバーについては、
図1〜
図6に示す構成以外に複数の変形例が存在するので、各変形例について説明する。
(1)
図42〜
図43は変形例1を示し、前記操作手段90は、貯氷庫10の扉16を開成した状態では、
図42に示す如く、フロントパネル28に完全に収納されている。扉16を完全に下降させると足踏部92が設置床面に衝き当たるまで降りてくるが、該足踏部92は
図43に示すように、T字形に左右に延出しているので、操作者が足で踏み易い利点がある。また、
図43および
図44に示すように、足踏部92は断面において蒲鉾状に膨出しているため、操作者の足裏に馴染み易い利点がある。
(2)
図45〜
図47は変形例2を示し、変形例1に示した足踏部92が、フロントパネル28の下部中央に開設した開口部28aに臨んでいる。このため足踏部92は、常にフロントパネル28の前面に露出しており、操作者が視認し易い利点がある。
(3)
図48〜
図50は変形例3を示し、フロントパネル28の前面に足踏部92だけを露出させ得るようになっている。このためフロントパネル28の下部中央に1本のスリット28bが縦に開設され、
図50に示す如く、棒状本体91の下部が前記スリット28bを介して僅かにフロントパネル28の外方へ延出している。そして、この棒状本体91の延出端に足踏部92が設けられている。
(4)
図51および
図52は変形例4を示し、フロントパネル28の下部に2本のスリット28b,28bを平行に開設したものである。そして前記操作手段90における棒状本体91は2本平行に設けられ、これら2本の棒状本体91,91に前記足踏部92が取付けられている。この場合は、フロントパネル28の前面に足踏部92が常に露出しているため視認し易く、しかも2本の棒状本体91,91で足踏部92を支えるので剛性が向上する利点がある。
(5)
図53〜
図55は変形例5を示し、前記変形例3の更なる変形例である。すなわちフロントパネル28の中央にスリット28cが縦に1本開設され、このスリット28cを介
して棒状本体91とT字形に左右に延在する足踏部92とが露出している。この場合も、足踏部92の存在が常にフロントパネル28の前方で視認されるため、操作者にとり使い勝手が良い利点がある。
【0062】
〔実施例1〜3の変形例〕
実施例1〜3は、操作手段90として棒状本体91と足踏部92とからなるフットレバーを使用している。実施例に係る貯氷庫10の底部に設けた4本の脚部88は、個々の高さを調節することで、該貯氷庫10の設置床面の凹凸状況等に応じ一定の範囲で高低調節可能になっている。そして、前記脚部88を高さ方向へ調節すると、貯氷庫10の底面は相対的に床面から高く設置されることになる。この脚部88を高く調節した後に、前記扉16を下降させると、これに伴い下降した前記フットレバー90の足踏部92が、設置床面に届かないで浮き上がった状態になることがある。このように足踏部92が浮き上がった状態で、操作者が該足踏部92を強く踏み込むと、前記フットレバー90の荷重を上方で支持している前記アングルブラケット99が変形することがある。
【0063】
図56〜
図58に示す構造は、前記不都合に対応するものである。この構造は、実施例1〜3および前述した変形例1〜5の何れにも応用可能であるので、ここでは実施例2に適用した場合を説明する。
図56に示す構成は、実施例2における
図13(2)および
図16に示す構成を基礎としている。すなわちフットレバー90における棒状本体91の上部に設けた横方向のピンを、支持部材に開設した縦長の孔に昇降可能に遊挿させることで、貯氷庫10が設置床面から多少高くなっても高さ変化を吸収して、足踏部92が床面から浮き上がらないようになっている。
【0064】
図56〜
図58に示すように、扉16の下端縁に設けた前記補強板72には、
図16に関して説明した当て板98が取付けられている。この当て板98には、前記ヒンジ97の第1羽根97aが水平に固定されると共に、手前側へ延出している第2羽根97bには、上面がコ字状をなすチャンネル部材142の後方折返し部142aが固定されている。すなわち、
図58においてチャンネル部材142は、前記当て板98に対しヒンジ97を介して取付けられているため、前後へ揺動可能になっている。このチャンネル部材142には、L形板からなる縦長の第1支持部材144と、これより縦寸法が短い第2支持部材146とが、前記棒状本体91の直径より大きい間隔を保持して対向的に取付けられている。第1支持部材144には、棒状本体91の上部に貫通固定されて左右に延出するピン148の直径より僅かに大きい幅の第1長孔144aが縦に開設されている。また第2支持部材146にも、同じく第2長孔146aが縦に開設されている。なお、第2支持部材146における第2長孔146aの縦の長さL
1は、第1支持部材144における第1長孔144aの縦の長さL
2の1/2に設定されている。
【0065】
第1支持部材144および第2支持部材146は、
図56および
図57に示すように、夫々の第1長孔144aおよび第2長孔146aに前記棒状本体91におけるピン148の両端を遊挿させた状態で、前記チャンネル部材142に取付けられる。すなわち第1支持部材144の折曲片144bに上下に開設した2つの通孔150と、チャンネル142に対応的に開設した2つのネジ孔152とを整列させ、スクリューボルト154を螺挿することで、第1支持部材144はチャンネル部材142に固定される。第2支持部材146も同様にチャンネル部材142に固定されるが、該チャンネル部材142にはネジ孔158が等間隔で3つ開設されている。例えば
図58において、チャンネル部材142に設けられる上段のネジ孔156と中段のネジ孔156との間隔Aは、第2支持部材146に開設されている2つの通孔158,158の間隔Aと等しく設定してある。また、チャンネル部材142における中段のネジ孔156と下段のネジ孔156との間隔Aも、前記各間隔Aと等しく設定してある。
【0066】
従って、通常は
図56に示すように、第2支持部材146はチャンネル部材142に上段と中段のネジ孔156,156を使用して取付けられている。このとき棒状本体91の上部にある貫通ピン148は、第2支持部材146の長孔146aの下端で支持されて、前後への揺動可能になっている。このため、前述したように脚部88を高くなる方向へ調節して貯氷庫10が床面より若干高くなったとしても、前記長孔146aにより高低差は吸収され、扉16と共に下降するフットレバー90の足踏部92が床面に当接して浮き上がることがない。なお、脚部88の高さ方向への調節が大きくなされ、
図56に示す第2支持部材146の位置では前記高低差を吸収し切れない場合は、
図57に示すように、チャンネル部材142の中段のネジ孔156と下段のネジ孔156とを使って、第2支持部材146を下方へ付け替えればよい。