特許第6236342号(P6236342)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6236342管状器具洗浄用ホルダ及び管状器具洗浄用ホルダを洗浄槽内に収容した洗浄装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236342
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】管状器具洗浄用ホルダ及び管状器具洗浄用ホルダを洗浄槽内に収容した洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   A61C 19/00 20060101AFI20171113BHJP
   A61B 90/70 20160101ALI20171113BHJP
   A47L 15/42 20060101ALI20171113BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20171113BHJP
   A61C 1/08 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   A61C19/00 J
   A61B90/70
   A47L15/42 L
   B08B3/02 A
   A61C1/08 S
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-64335(P2014-64335)
(22)【出願日】2014年3月26日
(65)【公開番号】特開2015-186500(P2015-186500A)
(43)【公開日】2015年10月29日
【審査請求日】2016年12月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064724
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷 照一
(74)【代理人】
【識別番号】100155099
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 裕輔
(72)【発明者】
【氏名】原田 聴
(72)【発明者】
【氏名】河合 俊明
【審査官】 増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第3070104(US,A)
【文献】 中国特許出願公開第101411882(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0236621(US,A1)
【文献】 特開2002−340249(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 19/00
A47L 15/42
A61B 90/70
A61C 1/08
B08B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄水を噴射する洗浄ノズルを設けた洗浄槽内に出し入れ自在に収容して、管状器具の内部を洗浄するための管状器具洗浄用ホルダであり、
前記管状器具洗浄用ホルダは、前記洗浄ノズルに洗浄水を送出する送水管路に接続する洗浄水供給管と、前記洗浄水供給管の先端部に接続されたタンクと、前記タンクに設けられて前記管状器具を前記タンク内と連通した状態で嵌合保持して前記管状器具内に洗浄水を送り出す筒形をした複数の送水アダプタとを備えたことを特徴とする管状器具洗浄用ホルダ。
【請求項2】
請求項1に記載の管状器具洗浄用ホルダにおいて、
前記タンクは下側部分と、前記下側部分に着脱可能に取り付けられる上側部分とを備えたことを特徴とする管状器具洗浄用ホルダ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の管状器具洗浄用ホルダにおいて、
前記送水アダプタはその内周面に前記管状器具を嵌合保持するものであり、前記送水アダプタの内周面には軸線方向の径を異なるように段部を設けたことを特徴とする管状器具洗浄用ホルダ。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の管状器具洗浄用ホルダにおいて、
前記送水アダプタには先端開口を塞ぐキャップを着脱可能に取り付けたことを特徴とする管状器具洗浄用ホルダ。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の管状器具洗浄用ホルダにおいて、
前記タンクには前記複数の送水アダプタを連続して並べた方向の一端部に前記洗浄水供給管を接続し、
前記タンクの底壁は前記洗浄水供給管を接続した側となる一端側が高くなるように傾斜させ、前記タンクの底壁の他端側に排水口を形成したことを特徴とする管状器具洗浄用ホルダ。
【請求項6】
請求項5に記載の管状器具洗浄用ホルダにおいて、
前記タンクの上壁には前記一端部に空気孔を形成したことを特徴とする管状器具洗浄用ホルダ。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載の管状器具洗浄用ホルダにおいて、
前記タンクには前記洗浄水供給管に連通接続される接続口を先端開口に有した接続管部を設け、前記接続管部の外周面に形成したねじ部に前記洗浄水供給管の先端部に回転可能に設けた締結ナットを螺合させて前記洗浄水供給管を前記タンクの接続管部に取り付けるようにしたものであり、前記接続管部と前記洗浄水供給管の先端部との一方に係合突部と他方にこの係合突部と係合する係合凹部とを設け、前記洗浄水供給管を前記接続管部に対して回り止めしたことを特徴とする管状器具洗浄用ホルダ。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載の管状器具洗浄用ホルダを洗浄槽内に収容した洗浄装置において、
前記洗浄槽内の上部には前記送水管路に連通した状態で取り付けられて、前記送水管路から送出される洗浄水を噴射させる前記洗浄ノズルを支持する筒形をした上部支持ホルダが設けられ、
前記上部支持ホルダは先端を開口させ、前記洗浄水供給管の基端部に回転自在に設けた締結ナットを前記上部支持ホルダの先端部に着脱可能に螺合させて取り付けることにより、前記洗浄水供給管を前記送水管路に連通接続させたことを特徴とする洗浄装置。
【請求項9】
請求項1〜7の何れか1項に記載の管状器具洗浄用ホルダを洗浄槽内に収容した洗浄装置において、
前記洗浄槽内の下部には前記送水管路に連通した状態で取り付けられて、前記送水管路から送出される洗浄水を噴射させる前記洗浄ノズルを支持する筒形をした下部支持ホルダが設けられ、
前記下部支持ホルダは先端を開口させ、前記洗浄水供給管の基端部に回転自在に設けた締結ナットを前記下部支持ホルダの先端部に着脱可能に螺合させて取り付けることにより、前記洗浄水供給管を前記送水管路に連通接続させたことを特徴とする洗浄装置。
【請求項10】
請求項1〜7の何れか1項に記載の管状器具洗浄用ホルダを洗浄槽内に収容した洗浄装置において、
前記洗浄槽内には前記送水管路から分岐させた分岐管を突出させ、前記洗浄水供給管の基端部に回転自在に設けた締結ナットを前記分岐管の先端部に着脱可能に螺合させて取り付けることにより、前記洗浄水供給管を前記送水管路に連通接続させたことを特徴とする洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用器具であるハンドピース、細長い管よりなる吸引管等の管状器具の内部を洗浄するための管状器具洗浄用ホルダ及びこの管状器具洗浄用ホルダを洗浄槽内に収容した洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び2には医療用器具等の被洗浄物を洗浄するための洗浄装置が開示されており、これらの洗浄装置では種々の医療用器具を洗浄するためにラックやスタンドが用いられている。特許文献1の洗浄装置では、L字形に大きく湾曲させた複数の排唾管を起立させた状態で支持する排唾管スタンドを洗浄槽内に収容するようにしている。排唾管は上端の開口部が上向きとなるように排唾管スタンドに支持されており、洗浄槽の上部に設けた洗浄ノズルから噴射される洗浄水が排唾管の上端の開口部から内部に流入して、排唾管内の汚れを洗い流すようにしている。また、特許文献2の洗浄装置では、喇叭形管状器具である耳鏡を支持するラックを洗浄槽内に収容するようにしている。耳鏡は径が拡がった先端側が上向きとなるように起立した状態でラックに支持されており、洗浄槽の上部に設けた洗浄ノズルから噴射される洗浄水が耳鏡の上端の開口部から内部に流入して、耳鏡内の汚れを洗い流すようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−080968号公報
【特許文献2】特開2013−094492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1及び2の各洗浄装置に用いたスタンド及びラックでは、各管状器具は開口部が上向きとなるように支持され、洗浄槽の上部の洗浄ノズルから噴射した洗浄水は管状器具の上端の開口部から内部に流入し、管状器具の内部に付着した汚れは流れ落ちる洗浄水によって洗い流される。このように、排唾管や耳鏡等のような内部に洗浄水を流入させやすい形状の管状器具であれば、洗浄ノズルから噴射させた洗浄水により管状器具の内部を十分に洗浄することができる。しかし、歯科用器具であるハンドピース等の複雑な形状の管状器具または細長い可撓性の管よりなる内腔用器具等の管状器具を上記のスタンドまたはラックに支持させても、管状器具の内部に洗浄水が十分に流入させることができず、管状器具の内部を十分に洗浄できないことがあった。また、歯科用器具であるハンドピースを滅菌するための滅菌機器が特表2008−514375に開示されている。しかし、この滅菌機器はハンドピースを洗浄後に濯ぎ及び滅菌する機器であるために、ハンドピースの内部を洗浄する機能を有していないばかりか、機器の構造が複雑であるために高価であり、さらに、他の器具を洗浄することができず汎用性が低かった。そこで、本発明は、器具等を洗浄する洗浄装置の洗浄槽内に収容して用い、管状器具の内部に洗浄水を直接送水できる管状器具洗浄用ホルダ及び管状器具洗浄用ホルダを洗浄槽内に収容した洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するため、洗浄水を噴射する洗浄ノズルを設けた洗浄槽内に収容して、管状器具の内部を洗浄するための管状器具洗浄用ホルダであり、管状器具洗浄用ホルダは、洗浄ノズルに洗浄水を送出する送水管路に接続する洗浄水供給管と、洗浄水供給管の先端部に接続されたタンクと、タンクに設けられて管状器具をタンク内と連通した状態で嵌合保持して管状器具内に洗浄水を送り出す筒形をした複数の送水アダプタとを備えたことを特徴とする管状器具洗浄用ホルダを提供するものである。
【0006】
上記のように構成した管状器具洗浄用ホルダにおいては、洗浄装置の洗浄水の送水管路内の洗浄水は洗浄水供給管からタンク内に供給され、タンク内に供給された洗浄水は送水アダプタから管状器具の内部に直接送水されるようになり、管状器具の内部に付着した汚れを確実に取り除くことができるようになった。
【0007】
上記のように構成した管状器具洗浄用ホルダにおいては、タンクは下側部分と、下側部分に着脱可能に取り付けられる上側部分とにより構成されるのが好ましく、このようにしたときには、タンク内に水垢等の汚れが発生しても、下側部分から上側部分を取り外して内部を洗浄することができ、タンク内を清潔に保つことができるようになった。
【0008】
上記のように構成した管状器具洗浄用ホルダにおいては、送水アダプタはその内周面に管状器具を嵌合保持するものであり、送水アダプタの内周面には軸線方向の径を異なるように段部を設けるのが好ましく、このようにしたときには、送水アダプタに径の異なる複数の種類の管状器具を保持させることができるようになった。
【0009】
上記のように構成した管状器具洗浄用ホルダにおいては、送水アダプタには先端開口を塞ぐキャップを着脱可能に取り付けるのが好ましく、このようにしたときには、管状器具を保持させてない送水アダプタにキャップを取り付けることで漏水を防ぐことができ、送水アダプタに保持させた管状器具に送水される洗浄水の減少を抑制することができた。
【0010】
上記のように構成した管状器具洗浄用ホルダにおいては、タンクには複数の送水アダプタを連続して並べた方向の一端部に洗浄水供給管を接続し、タンクの底壁は洗浄水供給管を接続した側となる一端側が高くなるように傾斜させ、タンクの底壁の他端側に排水口を形成するのが好ましい。このようにしたときには、タンクの底壁の排水口が洗浄水供給管を接続した一端側と離れた他端側に配置されることになり、管状器具に送水される洗浄水の減少を抑制できた。また、排水口は傾斜したタンクの底壁の低い位置に形成されているので、洗浄後にタンク内に洗浄水が残りにくくなった。特に、洗剤を含んだ洗浄水を用いて洗浄した後に洗剤を含んだ洗浄水を排水し、その後、洗剤を含まない洗浄水を用いて濯ぎ洗浄をするときに、タンク内に洗剤を含んだ洗浄水が残っていると、濯ぎ洗浄の洗浄水に洗剤が含まれた洗浄水が混ざるおそれがあるが、タンク内に洗浄水が残りにくくなったので、濯ぎ洗浄の洗浄水に洗剤が含まれた洗浄水が混ざるのを防ぐことができ、濯ぎ洗浄の洗浄水を清浄に保つことができる。また、このように構成した管状器具洗浄用ホルダにおいては、タンクの上壁には洗浄水供給管を接続した側の一端部に空気孔を形成するのが好ましく、このようにしたときには、空気孔からタンク内に導入される空気によって、タンク内の洗浄水が排水口から排出されやすくなった。
【0011】
上記のように構成した管状器具洗浄用ホルダにおいては、タンクには洗浄水供給管に連通接続される接続口を先端開口に有した接続管部を設け、接続管部の外周面に形成したねじ部に洗浄水供給管の先端部に回転可能に設けた締結ナットを螺合させて洗浄水供給管をタンクの接続管部に取り付けるようにしたものであり、接続管部と洗浄水供給管の先端部との一方に係合突部と他方にこの係合突部と係合する係合凹部とを設け、洗浄水供給管を接続管部に対して回り止めするのが好ましく、このようにしたときには、洗浄水供給管が捻れに起因して潰れるのを防ぐことができ、タンク内に洗浄水が供給されなくなるのを防ぐことができた。
【0012】
上記のように構成した管状器具洗浄用ホルダを洗浄槽内に収容した洗浄装置では、洗浄槽内の上部には送水管路に連通した状態で取り付けられて、送水管路から送出される洗浄水を噴射させる洗浄ノズルを支持する筒形をした上部支持ホルダが設けられ、上部支持ホルダは先端を開口させ、洗浄水供給管の基端部に回転自在に設けた締結ナットを上部支持ホルダの先端部に着脱可能に螺合させて取り付けることにより、洗浄水供給管を送水管路に連通接続させるのが好ましい。
【0013】
上記のように構成した管状器具洗浄用ホルダを洗浄槽内に収容した他の洗浄装置では、洗浄槽内の下部には送水管路に連通した状態で取り付けられて、送水管路から送出される洗浄水を噴射させる洗浄ノズルを支持する筒形をした下部支持ホルダが設けられ、下部支持ホルダは先端を開口させ、洗浄水供給管の基端部に回転自在に設けた締結ナットを下部支持ホルダの先端部に着脱可能に螺合させて取り付けることにより、洗浄水供給管を送水管路に連通接続させるのが好ましい。
【0014】
上記のように構成した管状器具洗浄用ホルダを洗浄槽内に収容した他の洗浄装置では、洗浄槽内には送水管路から分岐させた分岐管を突出させ、洗浄水供給管の基端部に回転自在に設けた締結ナットを分岐管の先端部に着脱可能に螺合させて取り付けることにより、洗浄水供給管を送水管路に連通接続させるのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明による洗浄装置の概略図である。
図2】洗浄ラック内に管状器具洗浄ホルダを収納した状態を示す斜視図である。
図3】管状器具洗浄ホルダの分解図である。
図4】管状器具洗浄ホルダの長手方向に沿った縦断面図であり、送水アダプタの一部にハンドピースの代わりにキャップを取り付けた図である。
図5】洗浄水供給管とタンクとの接続部分を示す斜視図である。
図6】洗浄水供給管を下部の洗浄ノズルを支持する下部支持ホルダに接続した洗浄装置の概略図であり、洗浄槽内を中心として示した概略図である。
図7】洗浄水供給管を送水管路の分岐管部に接続した洗浄装置の概略図であり、洗浄槽内を中心として示した概略図である。
図8】吸引管等の細径の管状器具を洗浄するための管状器具洗浄ホルダを洗浄ラックに収容した斜視図である。
図9図8の管状器具洗浄ホルダの長手方向に沿った縦方向断面図(a)と、下側から見た横方向断面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明による管状器具洗浄用ホルダ及び管状器具洗浄用ホルダを洗浄槽内に収容した洗浄装置を図面を参照して説明する。管状器具洗浄用ホルダ30を洗浄槽20内に収容する洗浄装置10は、主として医療用器具等の被洗浄物を洗浄するためのものであり、図1に示したように、ハウジング11内に粗い網籠状の洗浄ラック12を出し入れ自在に収容する洗浄槽20を備えている。図1及び図2に示したように、洗浄ラック12は医療用器具等の被洗浄物や管状器具洗浄用ホルダ30を収納するものである。図1に示したように、ハウジング11の前面には洗浄槽20内を開閉する扉13が開閉自在に設けられており、洗浄ラック12は扉13を開放することによって洗浄槽20の内外に出し入れされる。洗浄槽20は底部に洗浄水を貯える貯水部21を有している。貯水部21には洗浄水を加熱するヒータ(図示省略)と、洗浄水の温度を検出する温度センサ(図示省略)が設けられている。なお、洗浄槽20には給水管、給湯管、熱湯供給装置及び洗剤供給装置(何れも図示省略)が接続されており、洗浄槽20にはこれら給水管、給湯管、熱湯供給装置及び洗剤供給装置から水、湯または熱湯よりなる洗浄水及び洗剤が供給されるようになっている。
【0017】
洗浄槽20の下部と上部には貯水部21から送られる洗浄水を被洗浄物に対して噴出する洗浄ノズル22,23が回転可能に設けられている。ハウジング11の下部には貯水部21内の洗浄水を洗浄ノズル22,23に送り出すための洗浄ポンプ24が設けられている。洗浄ポンプ24の吸込口は吸込管25により貯水部21に接続され、洗浄ポンプ24の送出口は送水管路26によって洗浄ノズル22,23に接続されている。
【0018】
送水管路26は貯水部21の洗浄水を洗浄ノズル22,23に洗浄水を送り出すための管路である。送水管路26は洗浄ポンプ24の送出口に接続されて洗浄槽20の下側にて前後方向に延びる下部管路26aと、下部管路26aに連通接続されて洗浄槽20の後側にて垂直に延びる後部管路26bと、後部管路26bに連通接続されて洗浄槽20の上側にて前後方向に延びる上部管路26cとを備えている。下部管路26aには洗浄槽20の下壁の略中央部を上方に突出する取付管部26a1が設けられており、取付管部26a1には下部支持ホルダ27によって洗浄ノズル22が回転可能に支持されている。また、上部管路26cには洗浄槽20の上壁の略中央部を下方に突出する取付管部26c1が設けられており、取付管部26c1には上部支持ホルダ28によって洗浄ノズル23が回転可能に支持されている。下部及び上部支持ホルダ27,28はともに略筒形をしており、各取付管部26a1,26c1と各洗浄ノズル22,23とを通水可能に連通している。上部支持ホルダ28の先端は開口しており、上部支持ホルダ28の先端部には後述する洗浄水供給管31の基端部の締結ナット32を着脱可能に螺合させて取り付けることにより、洗浄水供給管31を送水管路26に連通接続させる。なお、管状器具洗浄用ホルダ30を使用しないときには、上部支持ホルダ28の先端開口を塞ぐ蓋体よりなる閉止キャップ(図示省略)を螺合させて着脱可能に取り付けて、上部支持ホルダ28の先端開口を塞ぐようにしてもよい。
【0019】
図1及び図2に示したように、管状器具洗浄用ホルダ30は、管状器具として歯科用器具であるハンドピースを洗浄することを目的としたものであり、洗浄ラック12に収納した状態で洗浄槽20に収容して使用するものである。管状器具洗浄用ホルダ30により洗浄するハンドピースHPは基端から先端にかけて水または空気を送る通路が形成された中空の管状器具である。管状器具洗浄用ホルダ30は、洗浄ノズル22,23に洗浄水を送出する送水管路26に接続する洗浄水供給管31と、洗浄水供給管31の先端部に接続されたタンク35と、タンク35に設けられてハンドピースHPをタンク35内と連通した状態で嵌合保持する筒形をした8つ(複数)の送水アダプタ39とを備えている。
【0020】
図2及び図3に示したように、洗浄水供給管31はタンク35に洗浄水を供給するものであり、可撓性を有した耐熱性のホースを用いたものである。洗浄水供給管31の基端部には締結ナット32が回転自在に設けられており、締結ナット32は洗浄水供給管31の先端部内周面に嵌め込んだ抜止め部材(図示省略)によって洗浄水供給管31の基端部から抜け止めされている。洗浄水供給管31の基端部は締結ナット32を上部支持ホルダ28の先端部外周に形成したねじ部に着脱可能に螺合させて締結することで送水管路26に連通接続されている。
【0021】
図5に示したように、洗浄水供給管31の先端部には締結ナット33が回転可能に設けられており、締結ナット33は洗浄水供給管31の先端部内周面に嵌め込んだ抜止め部材34により洗浄水供給管31の先端部から抜け止めされている。洗浄水供給管31の先端部は締結ナット33をタンク35の接続管部38の外周部に形成したねじ部に締結することでタンク35に連通接続されている。また、抜止め部材34は洗浄水供給管31の先端部の内周面に嵌め込まれた筒部(図示量略)と、筒部の先端にて外側に拡がった環状のフランジ部34aとを備えている。フランジ部34aには外側に突出した係合突部34a1が形成されており、係合突部34a1は後述するタンク35の接続管部38の先端部に形成した係合凹部38aに係合して、洗浄水供給管31が周方向に回るのを防ぐ機能を有している。
【0022】
図2図4に示したように、タンク35は洗浄水供給管31から供給された洗浄水を8つの送水アダプタ39に保持させた各ハンドピースHPに分配するためものである。タンク35は周部に外側に拡がるフランジ36bを有して上面が開口した浅い箱形をした下皿(下側部分)36と、下皿36の上面開口を覆うカバー体(上側部分)37とを備えて、下皿36のフランジ部36bにカバー体37の周縁部をねじにより着脱可能に固定したものである。また、タンク35は下皿36とカバー体37との間にこれらの間をシールする耐熱性を有したシリコン製のパッキン41を備えている。
【0023】
図3及び図4に示したように、下皿36は上面が開口した略直方体形状をした浅い箱形をした皿部36aの周部に外側に拡がるフランジ部36bを形成したものである。皿部36aの底壁には長手方向の端部に小さな孔よりなる排水口36cが形成されている。
【0024】
カバー体37は板金部材を折り曲げ加工したものであり、略長方形状をして下皿36の上面を覆うカバー部37aを備えている。カバー部37aには長手方向の一端を下側及び内側に折り曲げた脚部37bが形成されており、脚部37bは下皿36の皿部36aの排水口36cが低い高さ位置となるようにタンク35の底壁を傾斜させる機能を有している。
【0025】
カバー部37aには脚部37bと同じ側の長手方向の一端部に洗浄水供給管31を接続するための接続管部38が設けられており、接続管部38は先端開口を洗浄水供給管31に連通接続される接続口としている。接続管部38の外周部にはねじ部が形成されており、接続管部38に洗浄水供給管31の先端部の締結ナット33を螺合させて締結することで、洗浄水供給管31はタンク35に連通接続される。図5に示したように、接続管部38の先端部には切り欠きよりなる係合凹部38aが形成されており、係合凹部38aは洗浄水供給管31の先端部の抜止め部材34のフランジ部34aの係合突部34a1と係合することで、洗浄水供給管31が周方向に回るのを防ぐ機能を有している。
【0026】
図3及び図5に示したように、カバー部37aには接続管部38の周囲に小さな孔よりなる空気孔37cが形成されており、空気孔37cはタンク35内に空気を導入して排水口36cから洗浄水を排水しやすくするためのものである。
【0027】
図3及び図4に示したように、カバー部37aには接続管部38より他端側に長手方向に沿って並ぶ4つの貫通孔が2列に形成されており、これらの貫通孔にはハンドピースHPを保持する送水アダプタ39が着脱可能に取り付けられている。図4に示したように、送水アダプタ39はシリコン製の筒形部材よりなり、内周面39aには軸線方向の径が異なるように段部が形成されている。送水アダプタ39の内周面39aは大径部39a1と、中径部39a2と、小径部39a3とからなり、大径部39a1の径は20mmとなっており、中径部の上端の径は16mmとなっており、小径部の径は14mmとなっている。大径部39a1には基端部の径が20mmのハンドピースHPを嵌合させるようになっている。また、中径部39a2は基端側に向けて少し径が細くなるように傾斜しており、中径部39aには基端部の径が16mmのハンドピースHPを嵌合させるようになっている。
【0028】
図4に示したように、送水アダプタ39の先端部にはキャップ40が着脱自在に取り付けられており、キャップ40は送水アダプタ39の先端開口を塞ぐ機能を有している。キャップ40は送水アダプタ39の先端開口より大きな径をした略円板形をした頭部40aと、送水アダプタ39の大径部39a1に嵌合させる円柱形をした胴部40bとを備え、胴部40bの軸線方向の中間部には抜け止めのための管状突部40cが形成されている。ハンドピースHPを嵌合保持させてない送水アダプタ39にキャップ40を取り付けることで、送水アダプタ39から洗浄水が漏水するのを防ぐことができ、送水アダプタ39に嵌合保持させたハンドピースHP内に送水される洗浄水が減少するのを防ぐことができた。
【0029】
上記のように構成した管状器具洗浄用ホルダ30を用いたハンドピースHPの洗浄について説明する。使用後のハンドピースHPを管状器具洗浄用ホルダ30の送水アダプタ39の内周面39aに嵌合保持させて、管状器具洗浄用ホルダ30を洗浄ラック12に収納する。このとき、送水アダプタ39の全てにハンドピースHPを嵌合保持させてないときには、ハンドピースHPを嵌合保持させてない送水アダプタ39にキャップ40を取り付ける。管状器具洗浄用ホルダ30を収納した洗浄ラック12を洗浄槽20内に収容し、洗浄水供給管31の基端部の締結ナット32を上部支持ホルダ28の先端部に螺合させて締結固定する。なお、洗浄ラック12には管状器具洗浄用ホルダ30以外に他の医療用器具(被洗浄物)を収納して、ハンドピースHPとともに他の医療用器具を洗浄することが可能である。
【0030】
この状態で、洗浄装置10の洗浄プログラムを開始すると、洗浄槽20内に洗浄水と洗剤が供給され、洗浄ポンプ24を駆動させることによって送水管路26に貯水部21の洗浄水が送り出される。送水管路26に送り出された洗浄水は上部及び下部の洗浄ノズル22,23から洗浄槽20内にて管状器具洗浄用ホルダ30に保持されたハンドピースHPの外面及び他の医療用器具に噴射される。また、送水管路26に送り出された洗浄水は上部支持ホルダ28から洗浄水供給管31によってタンク35に供給され、タンク35内に供給された洗浄水は各送水アダプタ39からハンドピースHPの内部に直接送水されて先端の開口から洗浄槽20内に放出される。
【0031】
この洗浄プログラムでは、洗剤を含んだ洗浄水によって洗浄した後に、洗剤を含まない洗浄水により1回以上の濯ぎ洗浄を行う。濯ぎ洗浄を行う前には、洗浄ポンプ24の駆動を停止させて洗浄槽20の貯水部21から洗剤を含んだ洗浄水を外部に排水する。管状器具洗浄用ホルダ30では、洗浄ポンプ24の駆動停止によって洗浄水供給管31からタンク35内に洗浄水が供給されないようになる。タンク35内の洗浄水は下皿36の排水口36cから洗浄槽20内に排出され、排出された洗浄水は貯水部21に流れ落ちて同様に外部に排水される。
【0032】
洗剤を含んだ洗浄水を貯水部21から外部に排水した後で、洗浄槽20内に洗浄水を再び供給し、洗浄ポンプ24を駆動させることにより濯ぎの洗浄を実行させる。濯ぎの洗浄でも、洗浄水は上部及び下部の洗浄ノズル22,23から洗浄槽20内にて管状器具洗浄用ホルダ30に保持されたハンドピースHPの外面及び他の医療用器具に噴射されるとともに、管状器具洗浄用ホルダ30の各送水アダプタ39に嵌合保持されたハンドピースHPの内部に直接送水されて洗浄される。濯ぎ洗浄後には、洗剤を用いた洗浄水と同様に貯水部21から外部に排水を行う。
【0033】
上記のように構成した管状器具洗浄用ホルダ30は、洗浄ラック12内にて他の医療用器具(被洗浄物)とともに洗浄装置10の洗浄槽20に収容可能であり、他の医療用器具の洗浄とともにハンドピースHP(管状器具)の内部を洗浄するものであるので、ハンドピースHPを洗浄するための専用の洗浄装置と比べて、コストを大幅にかけることなくハンドピースHPの内部を洗浄できるようになった。
【0034】
管状器具洗浄用ホルダ30は、洗浄ノズル22,23に洗浄水を送出する送水管路26に接続する洗浄水供給管31と、洗浄水供給管31の先端部に接続されたタンク35と、タンク35に設けられてハンドピースHPをタンク35内と連通した状態で嵌合保持する筒形をした複数の送水アダプタ39とを備えている。送水管路26内の洗浄水は洗浄水供給管31からタンク35内に供給され、タンク35内に供給された洗浄水は送水アダプタ39からハンドピースHPの内部に直接送水されるようになり、ハンドピースHPの内部に付着した汚れを確実に取り除くことができるようになった。
【0035】
管状器具洗浄用ホルダ30のタンク35は、下皿(下側部分)36と、下皿36の上面開口を覆うカバー体(上側部分)37とを備え、下皿36にカバー体37を着脱可能に取り付けるようにしたものである。これにより、タンク35内に水垢等の汚れが発生しても、下皿36からカバー体37を取り外して内部を洗浄することができ、タンク35内を清潔に保つことができるようになった。
【0036】
管状器具洗浄用ホルダ30の送水アダプタ39は筒形をしており、その内周面39aにハンドピースHPの基端部を嵌合保持するようにした。送水アダプタ39の内周面39aには軸線方向の径が異なるように段部を設け、内周面39aには大径部39a1,中径部39a2及び小径部39a3とを形成している。大径部39a1には基端部の太いハンドピースHPを嵌合保持させるようにし、中径部39a2には大径部39a1に嵌合保持させたよりも基端部の細いハンドピースHPを嵌合保持させるようにした。これにより、1つの送水アダプタ39で基端部の径の異なる2種類のハンドピースHPを嵌合保持させるができ、基端部の径の異なる2つの種類のハンドピースHPであれば送水アダプタ39を取り替える必要がなくなった。なお、基端部の径の異なる3種類以上のハンドピースHPの全てを嵌合保持させるために、送水アダプタ39の内周面39aにさらに段部を設けるようにしてもよい。
【0037】
管状器具洗浄用ホルダ30の送水アダプタ39には、先端開口を塞ぐキャップ40を着脱可能に取り付けるようにしている。ハンドピースHPを嵌合保持させない送水アダプタ39にキャップ40を取り付けることで、ハンドピースHPを嵌合保持させない送水アダプタ39から漏水を防ぐことができ、送水アダプタ39に嵌合保持させたハンドピースHPに送水される洗浄水の減少を抑制することができた。
【0038】
管状器具洗浄用ホルダ30においては、タンク35には送水アダプタ39を連続して多く並べた方向の一端部に洗浄水供給管31を接続し、タンク35の底壁はカバー体37の脚部37bによって洗浄水供給管31を接続した側となる一端側が高くなるように傾斜させ、タンク35の底壁の他端側に排水口36cを形成した。これにより、タンク35の底壁の排水口36cが洗浄水供給管31を接続した一端側と離れた他端側に配置されることになり、ハンドピースHPの内部に送水される洗浄水の減少を抑制できた。また、排水口36cは傾斜したタンク35の底壁の低い位置に形成されているので、洗浄ポンプ24の駆動を停止させて、洗浄水供給管31からタンク35内に洗浄水の供給を停止させた後で、タンク35内に洗浄水が残りにくくなった。また、下皿36は皿部36aの長手方向の端部にもフランジ36cを設けたので、皿部36aの長手方向の端部に形成した排水口36cは洗浄ラック12の底壁から離間することになり、排水口36cからの排水が洗浄ラック12の底壁によって遮られることがない。
【0039】
洗剤を含んだ洗浄水を用いて洗浄した後に洗剤を含んだ洗浄水を排水し、その後、洗剤を含まない洗浄水を用いて濯ぎ洗浄をするときに、タンク35内に洗剤を含んだ洗浄水が残っていると、濯ぎ洗浄の洗浄水に洗剤が含まれた洗浄水が混ざるおそれがあるが、タンク35の排水口36cを上記のように考慮したことで、タンク35内に洗浄水が残りにくくなり、濯ぎ洗浄の洗浄水に洗剤が含まれた洗浄水が混ざるのを防ぐことができ、濯ぎ洗浄の洗浄水を清浄に保つことができた。また、タンク35のカバー体37(上壁)には洗浄水供給管31を接続した側の一端部に空気孔37cを形成したので、空気孔37cからタンク35内に導入される空気によって、タンク35内の洗浄水が排水口36cから排出されやすくなった。なお、タンク35の底壁はカバー体37の脚部37bによって傾斜させているが、本発明はこれに限られるものでなく、タンク35の底壁(下皿36)下面に脚部を設けたり、タンク35のカバー体37に洗浄ラック12に係止可能なフックを設けて、タンク35の底壁が傾斜するように支持させてもよい。
【0040】
管状器具洗浄用ホルダ30においては、タンク35には洗浄水供給管31に連通接続される接続口を先端開口に有した接続管部38を設け、接続管部38の外周面に形成したねじ部に洗浄水供給管31の先端部に回転可能に設けた締結ナット33を螺合させて洗浄水供給管31をタンク35の接続管部38に取り付けるようにした。洗浄水供給管31の先端部には締結ナット33が抜けるのを防ぐ抜止め部材34が設けられ、抜止め部材34の先端にて外側に拡がった環状のフランジ部34aには外側に突出する係合突部34a1をも設けるとともに、タンク35の接続管部38の先端部には係合突部34a1に係合する係合凹部38aを形成した。洗浄水供給管31の先端部の係合突部34a1を接続管部38の係合凹部38aに係合させることで、締結ナット33を接続管部38に螺合させるときに、洗浄水供給管31が接続管部38に対して周方向に回らないようになり、洗浄水供給管31が捻れに起因して潰れるのを防ぐことができ、タンク35内に洗浄水が供給されなくなるのを防ぐことができた。なお、洗浄水供給管31の先端部の抜止め部材34のフランジ部34aに係合突部34a1と接続管部38の先端部に係合凹部38aを設けたが、これに限られるものでなく、フランジ部34aに係合凹部を設け、接続管部38の先端部に係合突部を設けて、洗浄水供給管31が接続管部38に対して周方向に回らないようにしてもよい。
【0041】
上記のように構成した管状器具洗浄用ホルダ30を洗浄槽20に収容した洗浄装置10は、洗浄槽20内の上部に設けた洗浄ノズル23を保持する上部支持ホルダ28の先端部に管状器具洗浄用ホルダ30の洗浄水供給管31の基端部に設けた締結ナット32を螺合させて取付けることによりことにより、洗浄水供給管31を送水管路26に連通接続したものである。洗浄水供給管31の基端部の締結ナット32を上部支持ホルダ28の先端部に螺合させて取り付けたので、洗浄水供給管31を上部支持ホルダ28から漏水させることなく確実に取り付けることができ、また、管状器具洗浄用ホルダ30を使用しないときには、上部支持ホルダ28の先端部に閉止キャップ(図示省略)を螺合させて取り付けることで、上下の洗浄ノズル22,23からのみ洗浄水を噴射させる従来の洗浄装置として使用することができる。
【0042】
本発明はこれに限られるものでなく、図6図6はハウジング、洗浄ポンプ等を省略しているが、図1と同様にハウジング内に洗浄ポンプ等を有している)に示したように、下部の洗浄ノズル22を支持する筒形をした下部支持ホルダ27の先端を開口させ、洗浄水供給管31の基端部の締結ナット32を下部支持ホルダ27の先端部に着脱可能に螺合させて取り付けることにより、洗浄水供給管31を送水管路26に連通接続させてもよい。この場合でも、洗浄水供給管31の基端部の締結ナット32を下部支持ホルダ27の外周部に螺合させて取り付けたので、洗浄水供給管31を下部支持ホルダ27から漏水させることなく確実に取り付けることができ、また、管状器具洗浄用ホルダ30を使用しないときには、閉止キャップ(図示省略)を下部支持ホルダ27に螺合させて取り付けることで、上下の洗浄ノズル22,23からのみ洗浄水を噴射させる従来の洗浄装置として使用することができる。
【0043】
同様に、図7図7はハウジング、洗浄ポンプ等を省略しているが、図1と同様にハウジング内に洗浄ポンプ等を有している)に示したように、送水管路26の後部管路26bの上下方向の略中間部には洗浄槽20内に突出する分岐管部26b1を設け、洗浄水供給管31の基端部の締結ナット32を分岐管部26b1の先端部に着脱可能に螺合させて取り付けることにより、洗浄水供給管31を送水管路26に連通接続させてもよい。この場合でも、洗浄水供給管31の基端部の締結ナット32を分岐管部26b1の先端部に螺合させて取り付けたので、洗浄水供給管31を分岐管部26b1から漏水させることなく確実に取り付けることができ、また、管状器具洗浄用ホルダ30を使用しないときには、閉止キャップ(図示省略)を分岐管部26b1の先端部に螺合させて取り付けることで、上下の洗浄ノズル22,23からのみ洗浄水を噴射させる従来の洗浄装置として使用することができる。
【0044】
また、上述した管状器具洗浄用ホルダ30は歯科用器具であるハンドピースHPを洗浄することを目的としたものであるが、本発明はこれに限られるものでなく、図8に示したように内腔の検査及び施術に用いる吸引管等の細径の管状器具を洗浄するための管状器具洗浄用ホルダ30Aにも適用されるものである。この管状器具洗浄用ホルダ30Aは、洗浄ラック12の一側に寄せてに収納した状態で洗浄槽20に収容して使用される。管状器具洗浄用ホルダ30Aは、洗浄ノズル22,23に洗浄水を送出する送水管路26に接続する洗浄水供給管31と、洗浄水供給管31の先端部に接続されたタンク35Aと、タンク35Aに設けられて吸引管(図示省略)をタンク35内と連通した状態で嵌合保持する筒形をした8つ(複数)の送水アダプタ39Aとを備えている。
【0045】
洗浄水供給管31はタンク35Aに洗浄水を供給するものであり、可撓性を有した耐熱性のホースを用いたものである。上記の実施形態と同様に、洗浄水供給管31の基端部は締結ナット32によって上部支持ホルダ28の先端部外周に形成したねじ部に螺合させて締結することで送水管路26に連通接続されている。なお、図6及び図7と同様に、洗浄水供給管31の基端部を締結ナット32によって下部支持ホルダ27または分岐管部26b1に着脱可能に取り付けるようにしてもよい。
【0046】
タンク35Aは洗浄水供給管31から供給された洗浄水を8つの送水アダプタ39Aに保持させた各吸引管(管状器具)に分配するためものである。タンク35Aは洗浄水供給管31の先端部を接続した長手方向の一端部に脚部37bが設けられており、脚部37bはタンク35Aの底壁の長手方向の他端部に形成した排水口(図示省略)が低い高さ位置となるようにタンク35Aの底壁を傾斜させている。タンク35Aの側面には8つの貫通孔が一列に形成されており、各貫通孔には送水アダプタ39Aが着脱可能に取り付けられている。送水アダプタ39Aはシリコン製の筒形部材の本体部39Aaと、本体部39Aaの内周面に取り付けたニップル39Abと、ニップル39Abの先端部外周面に嵌め込んだ送水ホース39Acとを備え、吸引管等の管状器具を送水ホース39Acの外周面または内周面に嵌め込んで保持するものである。このように構成した管状器具洗浄用ホルダ30Aにおいても、送水管路26から送り出された洗浄水は洗浄水供給管31からタンク35A内に供給され、タンク35A内の洗浄水は各送水アダプタ39Aから吸引管等の管状器具の内部に直接送水され、吸引管等の管状器具の先端開口から洗浄槽20内に放出される。この管状器具洗浄用ホルダ30Aによっても、上記のハンドピースHPの管状器具洗浄用ホルダ30と同様の作用効果を得ることができるので、詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【0047】
10…洗浄装置、20…洗浄槽、22,23…洗浄ノズル、26…送水管路、26b1…分岐管(分岐管部)、27…下部支持ホルダ、28…上部支持ホルダ、30…管状器具洗浄用ホルダ、31…洗浄水供給管、32…締結ナット、33…締結ナット、34a1…係合突部、35…タンク、36…下側部分(下皿)、36c…排水口、37…上側部分(カバー体)、37c…空気孔、38…接続管部、38a…係合凹部、39…送水アダプタ,39a…内周面、40…キャップ、HP…管状器具(ハンドピース)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9