(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記脆弱部は、前記袋部の厚さ方向に貫通する複数の孔部、及び、前記孔部間に位置する連結部が周方向に列設されていることを特徴とする請求項1記載のダストカバー。
前記袋部は、軸線と交差する部位を避けて軸方向端部側の一部に凸設または凹設された摘み部を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のダストカバー。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、
図1を参照して、本発明の第1実施の形態におけるダストカバー1の概略構造について説明する。
図1は第1実施の形態におけるダストカバー1が装着されたサスペンション機構の軸方向断面図である。サスペンション機構は、下端が車輪(図示せず)側に接続されたショックアブソーバ110の上端を、マウント装置(図示せず)を介して車体フレーム(図示せず)側へ接続することで、車輪を車体フレームに対して上下方向へ揺動可能に懸架するための機構である。
図1では、理解を容易にするため、車体(車体フレーム)及びマウント装置の図示は省略し、ショックアブソーバ110及びコイルスプリング113の軸方向(
図1上下方向)の一部の図示を省略する。
【0015】
図1に示すようにサスペンション機構は、ショックアブソーバ110のシリンダ111にコイルスプリング113の下端部(図示せず)が固定され、コイルスプリング113の上端部とマウント装置(図示せず)の受座との間にスプリングシートラバー100が介設される。車輪側からショックアブソーバ110を介して車体フレーム側へ伝達される振動はマウント装置によって、車輪側からコイルスプリング113を介して車体フレーム側へ伝達される振動はスプリングシートラバー100によって、それぞれ低減される。
【0016】
スプリングシートラバー100は、軸方向(
図1上下方向)視円環状に形成される本体部101と、その本体部101から径方向外側へ向かって張り出して形成されるフランジ部102とを備え、それらが適宜なばね定数を有するゴム状弾性体によって一体形成される。本実施の形態では、スプリングシートラバー100は、本体部101の軸方向一端側(
図1下側)の内周縁から径方向内側へ向かって円環状に突出する突出部103(
図4参照)を備えている。
【0017】
ダストカバー1は、ショックアブソーバ110へのダストの侵入を防ぐための薄肉の筒状の部材であり、ショックアブソーバ110のピストンロッド112の外周を取り囲むように配置される本体筒部2と、シリンダ111の外周部に配置される開口端部3と、ピストンロッド112の先端側に配置されると共にスプリングシートラバー100の本体部101に挿入される内挿端部4とを備え、それらが一体成形されている。
【0018】
本体筒部2は、軸方向の弾性を確保するため蛇腹状に形成され、径方向外側へ向かって突出されるフランジ状の張出部5が軸方向端部に形成される。張出部5は、本体筒部2と内挿端部4とを軸方向に区画するための部位であり、スプリングシートラバー100の本体部101の軸方向端面(
図1下側面)に当接し得る外径を有している。張出部5によって、スプリングシートラバー100の本体部101への内挿端部4の挿入長さが決定される。
【0019】
本実施の形態では、ダストカバー1は熱可塑性樹脂により一体成形される。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン径樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂等の各種の熱可塑性エラストマー;ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂にエチレン・プロピレンゴムを混合して分散化したもの等の中から適宜選択できる。なお、ダストカバー1をゴム弾性体で成形することは可能である。
【0020】
次に
図2を参照して、スプリングシートラバー100の本体部101にダストカバー1の内挿端部4を内挿するときに用いられる袋状体10について説明する。
図2は袋状体10の斜視図である。
【0021】
図2に示すように袋状体10は、径方向端部側が本体筒部2より縮径された袋部11が、開口端部3と反対側の本体筒部2の軸方向端部に連成される成形体である。袋部11は、本体筒部2(張出部5)に連成されると共に略円筒状に形成される基部12と、基部12に連成されると共に軸方向端部へ向かうにつれて漸次縮径する略円錐状の先端部13とを備えている。本実施の形態では、袋部11は軸方向端部(先端)が閉じた中空状に形成されている。
【0022】
基部12は、張出部5に沿って周方向に連続した溝状に形成される溝部14(
図1参照)と、溝部14より軸方向端部側に位置しスプリングシートラバー100の本体部101の内周面に面する外周部16とを備えている。本実施の形態では、外周部16は、軸方向端部(
図2上側)へ向かうにつれて漸次縮径する円錐台状に形成される。基部12は、外周部16より軸線O寄りに位置する凹部17が、周方向に所定の間隔をあけて軸対称状の複数箇所(本実施の形態では16箇所)に凹設される。凹部17は、側面視して、軸方向(
図2上下方向)に延びる略長円状に形成される。
【0023】
先端部13は、基部12に連成される袋状の部位であり摘み部18が突設される。摘み部18は、軸線Oと交差する部位を避けて、基部12近傍の先端部13に設けられる。本実施の形態では、摘み部18は、軸方向に延びる略三角形の板状に形成されると共に、先端部13の周方向に対して垂直に立設される。また、摘み部18は、先端部13の4箇所に軸対称状に突設される。
【0024】
袋状体10は、袋部11の基部12に脆弱部20が設けられる。脆弱部20は、本体筒部2や先端部13と比較して容易に破断される部位であり、張出部5に沿って周方向の全周に亘って設けられる。本実施の形態では、脆弱部20は、外周部16の厚さ方向に貫通すると共に周方向に延びる孔部21と、孔部21の周方向両側に位置し凹部17に設けられる連結部22とを備え、全体として基部12の周方向に延びるミシン目状に形成される。脆弱部20によって袋状体10から袋部11が分離されることにより、ダストカバー1が形成される。
【0025】
次に
図3を参照して袋状体10の製造方法の一例について説明する。本実施の形態では、ブロー成形法によって袋状体10を製造する場合について説明する。
図3は袋状体10の製造方法を説明する模式図であって、
図3(a)はパリソン205の押出工程を示す模式図であり、
図3(b)は気体吹き込み工程を示す模式図であり、
図3(c)は離型および仕上げ工程を示す模式図である。
【0026】
図3(a)に示すように、ダストカバー1の外形に対応するキャビティ203の内面を備えた一対の成形型201,202を準備し、押出工程では、加熱によって軟化された成形材料であるパリソン205をノズル204から筒状に押出し、成形型201,202の間に配置する。
【0027】
次に
図3(b)に示すように、成形型201,202を互いに接近させて、上下端においてパリソン205を押し潰すことにより、キャビティ203(
図3(a)参照)内にパリソン205を袋状に配置する。気体吹き込み工程では、パリソン205の中空部分にブローピン(図示せず)を用いて気体を吹き込むことにより、パリソン205を径方向に膨張させるように変形させて、キャビティ203の内面に押し付ける。これにより所定形状の成形体210が成形される。
【0028】
成形型201,202を冷却して成形体210を冷却固化させた後、
図3(c)に示すように成形型201,202を相互に分離させて離型させ、成形型201,202から成形体210を取り出す。仕上げ工程では、成形体210の軸方向一端側を、刃物(図示せず)を使って切断線Aにおいて切断する(切り離す)ことで開口端部3(
図2参照)が形成される。また、成形体210の軸方向他端側を、刃物(図示せず)を使って径方向外側から切断線Bにおいて切断する(孔部21及び連結部22を形成する)ことで、脆弱部20(
図2参照)が形成される。これにより、薄肉の袋状体10が製造される。
【0029】
次に
図4を参照して、スプリングシートラバー100(環状部材)へのダストカバー1の組付方法について説明する。
図4はスプリングシートラバー100(環状部材)に内挿された袋状体10の側面図である。スプリングシートラバー100(環状部材)へダストカバー1を組み付けるときには、開口端部3(
図2参照)から袋状体10の中へ棒状部材(図示せず)を挿入し、軸方向端部が閉じた袋部11の内面を、棒状部材の先端で軸方向(
図4軸線O方向)へ押しながら、スプリングシートラバー100の本体部101へ袋部11を挿入する。袋部11により内挿端部4の剛性を高めることができるので、一方向から袋状体10をスプリングシートラバー100へ押し込むことができる。その結果、袋状体10を用いることなく、ダストカバー1の内挿端部4(袋部11を有しない開口した筒状体)をスプリングシートラバー100へ挿入する場合と比較して、スプリングシートラバー100へ内挿端部4を挿入する作業負担を軽減できる。
【0030】
なお、袋部11は、基部12に脆弱部20(連結部22)が形成されているので、スプリングシートラバー100に対して袋部11の先端部13が軸方向へ押されるときには、脆弱部20(連結部22)には軸方向の引張応力が加えられる。複数の連結部22は軸対称状に設けられているので、一部の連結部22に偏荷重が作用することを防止できる。そのため、スプリングシートラバー100へ袋部11を挿入するときに、脆弱部20が破断されることを防止できる。
【0031】
また、袋部11は、先端部13が略円錐状に形成されているので、先端部13が有底の略円筒状に形成される場合と比較して、袋部11の先端部13の剛性を向上できると共に、袋部11が形成される材料(本実施の形態では可塑性樹脂)の体積を削減できる。その結果、袋部11をスプリングシートラバー100へ挿入させ易くできると共に、ダストカバー1を形成するときに分離される袋部11を構成する材料を削減できる。また、袋部11(基部12及び先端部13)が、本体筒部2から軸方向端部へ向かうにつれて細くなる先窄まり状に形成されているので、スプリングシートラバー100へ袋部11を内挿させ易くできる。
【0032】
さらに、袋部11は、板状の摘み部18が、先端部13の周方向に対して垂直に立設されているので、摘み部18(リブ)が立設されていない場合と比較して、薄肉の先端部13の機械的強度を向上できる。そのため、棒状部材(図示せず)を使ってスプリングシートラバー100へ袋部11を挿入する(押し込む)ときに、先端部13が破断されることを防止できる。なお、摘み部18は、軸方向視において、接触面部15より径方向内側に位置するように大きさが設定される。これにより、スプリングシートラバー100へ袋部11を挿入するときに、摘み部18が挿入作業の妨げになることを防止できる。
【0033】
基部12は、軸線Oに対する傾きが先端部13より小さいテーパ状に外周部16が形成されている。よって、本体部101の軸方向へ外周部16が進入すると、スプリングシートラバー100の突出部103が径方向外側へ次第に弾性変形される。基部12は、外周部16に連成される接触面部15を備えており、接触面部15は、本体部101の内周面に接触可能な外径を有している。接触面部15と張出部5との間に溝部14が凹設されているので、袋状体10の張出部5が本体部101に押し付けられると共に、弾性変形したスプリングシートラバー100の突出部103が径方向内側に復元されて溝部14に係合すると、袋状体10の軸方向(
図4上下方向)の移動が規制される。また、接触面部15が本体部101へ進入すると、袋状体10の径方向(
図4左右方向)の移動が規制される。これにより、スプリングシートラバー100に袋状体10が固定される。
【0034】
スプリングシートラバー100に袋状体10が固定された後、ペンチ等の工具を使って又は手の指で直接、摘み部18を持って袋部11の軸線Oを傾けるようにして、袋部11に矢印R方向(こじり方向)の力を加える。これにより、脆弱部20(連結部22)の一部に偏荷重を作用させて、連結部22の一部を破断させることができる。その結果、連結部22の有効断面積が減少するので、摘み部18を持って軸方向(軸線O方向)乃至は矢印R方向(こじり方向)の力を袋部11に加え続けると、連結部22は荷重を支えることができず全てが破断される。これにより、袋部11(先端部13の全部および基部12の一部)が除去される。これにより、内挿端部4(
図1参照)が開口されたダストカバー1が、スプリングシートラバー100へ組み付けられる。除去された袋部11は、別の袋状体10の成形材料として再利用される。
【0035】
袋部11が除去されることによって内挿端部4が開口されるので、ショックアブソーバ110のピストンロッド112を挿通させることができる。また、刃物を使うことなく脆弱部20を破断させて内挿端部4を開口させることができるので、刃物でスプリングシートラバー100を傷つけたり手に怪我をしたりすることを防止できる。さらに、刃物を使わないので、作業者が刃物を持ったり離したりする作業を不要にできる。よって、その分のタクトタイムを短縮できる。
【0036】
なお、袋状体10は、先端部13側へ向かって外周部16が縮径される(テーパ状に形成されている)ので、スプリングシートラバー100の本体部101と外周部16との間に隙間Gが形成される。隙間Gは、袋部11の先端側に向かって次第に大きくなるので、隙間Gを利用して、摘み部18を持って袋部11の軸線Oを傾け易くできる。よって、袋部11に矢印R方向(こじり方向)の力を加え易くできる。その結果、脆弱部20に、軸方向成分の力に加え、径方向(
図4左右方向)成分の力を作用させることができる。これにより、脆弱部20の一部に荷重を集中させ易くできるので、脆弱部20を効率良く破断させることができる。
【0037】
また、摘み部18は、軸線Oと交差する部位を避けて、基部12近傍の先端部13に設けられている。よって、軸線Oを挟んで摘み部18の反対側に位置する脆弱部20を支点として、摘み部18の近傍(軸方向の延長線上)の脆弱部20に効率良く力を加えることができる。そのため、軸線Oと交差する部位に摘み部18が設けられる場合と比較して、小さい力で脆弱部20を破断させることができる。
【0038】
また、摘み部18は先端部13の4箇所に軸対称状に突設されているので、片方の手で本体筒部2を支持して他方の手で摘み部18を掴むときに、他方の手に対する片方の手の角度を微調整するだけで、摘み部18を掴み易い角度に本体筒部2を支持することができる。これにより、摘み部18を掴んで袋部11を除去する作業の作業性を向上できる。
【0039】
次に
図5を参照して脆弱部20について説明する。
図5は
図4のV−V線における袋状体10の断面図である。
図5に示すように袋状体10は、外周部16より軸線O方向に位置する複数の凹部17が外周部16に凹設される。凹部17は、軸直角方向断面が円弧状に形成される。外周部16の表面から凹部17の表面までの凹み量Dは、外周部16の厚さTより大きく設定される。好ましくはD=T+α(但し、αは外周部16の厚さや芯ずれ等のばらつきを考慮した値)に設定される。脆弱部20は、外周部16に孔部21が形成される一方、凹部17に連結部22が形成される。
【0040】
脆弱部20は、成形体210(
図3(c)参照)を切断線Bにおいて切断することにより形成される。具体的には、刃物(図示せず)を使って、成形体210の径方向外側から周方向に切り込みを入れることにより孔部21が形成される。成形体210の外周からの刃物の切り込み深さCを、T<C<Dに設定することにより、外周部16に貫通した孔部21及び連結部22が形成される。その結果、周方向に孔部21が連続して現れるミシン目状の脆弱部20が形成される。
【0041】
ここで、脆弱部をミシン目状にするのではなく、傷付けや微細な連続切り込み(非貫通な孔部)等の加工を施したり、相互に分離して形成された袋部11側と本体筒部2側とを溶着したりすることで、加工が施された位置や溶着された位置から破断させ易くすることは可能である。
【0042】
しかし、傷付けや微細な連続切り込み(非貫通な孔部)等の加工を施す場合には、外周部16の厚さが小さいので、高い加工精度が要求される。また、外周部16の厚さや加工のばらつきによって、形成された脆弱部の破断荷重にばらつきが生じ易くなる。その結果、スプリングシートラバー100の本体部101へ袋状体10を挿入するときに、正規の位置に袋状体10が固定される前に、意図せずに脆弱部が破断する可能性が高くなる。また、分離して形成された袋部11側と本体筒部2側とを溶着する場合には、溶着作業工数を要すると共に、溶着部分の破断荷重にばらつきが生じ易くなる。
【0043】
これに対し、本実施形態のように外周部16に凹部17を設け、刃物(図示せず)の切り込み深さを調整することによって孔部21及び連結部22を形成する場合には、凹部17の凹み量、周方向長さ、曲率等を設定することにより、連結部22の有効断面積を容易に確保できる。その結果、外周部16の厚さや加工のばらつきによって、脆弱部20の破断荷重にばらつきが生じることを抑制できる。また、仕上げ工程(
図3(c)参照)において脆弱部20を形成できるので、作業負担を軽減できる。
【0044】
なお、外周部16に凹設された凹部17に連結部22が形成されるので、脆弱部20を破断させる場合には、連結部22に周方向から剪断応力を加えることができる。その結果、連結部22に軸方向の引張応力が加えられる場合と比較して、小さい力で脆弱部20を破断させることができる。ここで、袋部11(
図4参照)の内面を棒状部材(図示せず)の先端で軸方向(
図5紙面垂直方向)へ押しながら、スプリングシートラバー100へ袋部11を挿入する場合には、脆弱部20に軸方向の引張応力が加わるので、脆弱部20を破断され難くできる。一方、スプリングシートラバー100へ袋部11が挿入された後、袋部11を除去する場合には、脆弱部20に剪断応力が加わるので、脆弱部20を破断させ易くできる。即ち、スプリングシートラバー100へ袋状体10を挿入する作業の信頼性と、脆弱部20を破断させて袋部11を除去する作業の信頼性とを両立できる。
【0045】
なお、連結部22は、周方向長さが、孔部21の周方向長さより小さく設定される。そのため、孔部21の周方向長さが連結部22の周方向長さより小さく設定される場合と比較して、小さい力で脆弱部20を破断させることができる。
【0046】
次に
図6及び
図7を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、脆弱部20を形成する連結部22が、袋部11の16箇所に形成される場合について説明した。これに対し第2実施の形態では、脆弱部40を形成する連結部42が、袋部11の2箇所に形成される場合について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図6は第2実施の形態におけるダストカバー1(袋状体30)の側面図であり、
図7は
図6のVII−VII線におけるダストカバー1(袋状体30)の断面図である。
【0047】
図6及び
図7に示すように、袋状体30は、基部12の外周部16より軸線O寄りに位置する凹部31が、軸対称状の2箇所に凹設される。脆弱部40は、外周部16の厚さ方向に貫通すると共に周方向に延びる孔部41と、孔部41の周方向両側に位置し凹部31に設けられる連結部42とを備えている。孔部41が形成される位置に対応して、袋部11(先端部13)の2箇所に板状の摘み部32が突設される。
【0048】
図7に示すように凹部31は、軸直角方向断面が、外周部16から軸線Oに向かって直線状に傾斜する略V字状に形成され、連結部42が形成される。脆弱部40(連結部42)は、第1実施の形態と同様に、成形体210(
図3(c)参照)を切断線Bにおいて切断することにより形成される。袋状体30によれば、脆弱部40に形成された2箇所の連結部42を破断させるだけで袋部11が分離されるので、第1実施の形態と比較して、脆弱部40を破断させる作業の作業性を向上できる。
【0049】
次に
図8及び
図9を参照して第3実施の形態について説明する。第1実施の形態および第2実施の形態では、摘み部18,32が袋部11に凸設される場合について説明した。これに対し第3実施の形態では、摘み部52が袋部11に凹設される場合について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図8は第3実施の形態におけるダストカバー1(袋状体50)の軸方向断面図であり、
図9は
図8のVIII−VIII線におけるダストカバー1(袋状体50)の断面図である。
【0050】
図8に示すように袋状体50は、軸線Oと交差する部位を避けて、袋部11の軸線Oを挟む位置に摘み部52が陥没した状態に凹設される。また、
図9に示すように、外周部16より軸線O寄りに位置する凹部51が、軸対称状の3箇所に凹設される。凹部51は、軸直角方向断面が、外周部16に対する曲率の大きな略C字状(矩形状)に形成される。脆弱部60は、外周部16の厚さ方向に貫通すると共に周方向に延びる孔部61と、孔部61の周方向両側に位置し凹部51に設けられる連結部62とを備えている。
【0051】
脆弱部60(連結部62)は、第1実施の形態と同様に、成形体210(
図3(c)参照)を切断線Bにおいて切断することにより形成される。袋状体50によれば、スプリングシートラバー100(
図4参照)に袋状体50を挿入した後、手の指やフック等の工具を摘み部52に掛けて、こじり方向の力を加えることにより脆弱部60を破断させることができる。連結部62が、外周部16に対する曲率の大きな略C字状(矩形状)に形成されているので、脆弱部60を破断させるときに連結部62に大きな剪断応力を加えることができる。その結果、脆弱部60の破断作業性を向上できる。
【0052】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、凹部17,31,51や摘み部18,32,52の形状や数量等は適宜設定することが可能である。
【0053】
上記各実施の形態では、ダストカバー1の半製品である袋状体10,30,50をブロー成形により一体成形する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものはなく、他の成形方法によって袋状体10,30,50を製造することは当然可能である。他の成形方法としては、例えば射出成形が挙げられる。
【0054】
ここで、ブロー成形によって袋状体10,30,50が製造される場合には、中空状の成形体210(
図3(c)参照)が成形された後、刃物によって切断されることにより開口端部3及び脆弱部20,40,60が形成される。これに対し、射出成形によって袋状体10,30,50を製造する場合には、中空状の成形体210を経由する必要がないので、開口端部3及び脆弱部20,40,60を、刃物を使った切断によって形成する必要はない。射出成形の場合、袋状体10,30,50の外形は射出成形型のキャビティの内面形状によって決定されるので、射出成形型を適宜設計することによって、開口端部3や脆弱部20,40,60が一体成形された袋状体10,30,50が製造される。
【0055】
なお、射出成形によって袋状体10,30,50を製造する場合には、袋状体10,30,50の厚さの設定も比較的容易にできる。そのため、切断で脆弱部20,40,60(孔部21,41,61及び連結部22,42,62)を形成するのに代えて、射出成形型を適宜設計することにより、一体成形によって厚さを制御し、微細な連続切り込み(非貫通のノッチ)、貫通した細孔、エンボス、厚さの薄い部分、切り目等を脆弱部20,40,60に設定できる。これにより脆弱部20,40,60を破断可能にすることは当然可能である。
【0056】
上記各実施の形態では、ブロー成形によって袋状体10,30,50が製造される場合について説明したので、袋部11は、軸方向端部が閉じた中空状に形成されていた。しかしながら、必ずしもこれに限られるものではない。袋部11は、径方向端部側(先端側)が本体筒部2より縮径されていれば、基部12や先端部13を厚さ方向に貫通する貫通孔が、基部12や先端部13に形成されていても良い。袋部11は、スプリングシートラバー100へ袋状体10,30,50を挿入するときに、開口端部3(
図2参照)から挿入された棒状部材(図示せず)の先端で軸方向(
図4軸線O方向)へ押されるための部位なので、棒状部材の先端面の大きさを貫通孔より大きく設定したり、棒状部材の先端が押し当てられる位置を避けて貫通孔を設けたりすれば、棒状部材を使って袋状体10,30,50を軸方向へ押し出すことができるからである。
【0057】
なお、その貫通孔は、ブロー成形によって袋状体10,30,50が製造される場合には、例えば仕上げ工程(
図3(c)参照)において、刃物(図示せず)を使って切断線Bより軸方向端部側の位置で袋部11を切断することにより形成される。また、射出成形によって袋状体10,30,50が製造される場合には、貫通孔を形成するための凸部を射出成形型に設定することで、貫通孔が袋部11と一体成形される。
【0058】
上記各実施の形態では、袋部11に摘み部18,32,52が凸設または陥没状に凹設される場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、上記の貫通孔を、袋部11に凹設された摘み部として用いることは当然可能である。貫通孔(摘み部)を、軸線Oと交差する部位を避けて袋部11に設けることにより、スプリングシートラバー100へ袋状体10,30,50を挿入するときに、軸線Oと交差する部位を棒状部材(図示せず)で押圧することができる。これにより、袋状体10,30,50を軸方向へ押して、スプリングシートラバー100へ挿入できる。また、スプリングシートラバー100へ袋状体10,30,50が挿入された後は、軸線Oと交差する部位を避けて形成された貫通孔(摘み部)を使って袋部11を引っ張ることで、脆弱部20,40,60にこじり方向の力を加えることができる。これにより、脆弱部20,40,60を容易に破断させることができる。
【0059】
上記各実施の形態では、環状部材の一例として、スプリングシートラバー100にダストカバー1を内挿する場合について説明した。しかし、環状部材はスプリングシートラバー100に限定されるものではなく、ダストカバー1の軸方向端部が内挿される部材を、他の環状部材(筒状部材)とすることは当然可能である。他の環状部材としては、例えばマウント装置が例示される。また、環状部材は、ゴム状弾性体から構成されるものに限定されず、マウント装置の一部を構成する金属製や合成樹脂製の筒状部材を環状部材とすることは当然可能である。
【0060】
上記各実施の形態では、スプリングシートラバー100に突出部103(
図4参照)が突設され、スプリングシートラバー100に内挿されるダストカバー1に、突出部103と係合する溝部14が形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。突出部103や溝部14を省略して、スプリングシートラバー100の弾性でダストカバー1の内挿端部4が保持されるようにすることは当然可能である。