(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記筐体部品は、前記貫通孔に隣接するように接着剤室を有し、前記封止部の少なくとも一部は、前記接着剤室内で接着剤が硬化したものである、請求項2に記載のアンテナ構造体。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に基づく実施の形態1における電子機器の斜視図である。
【
図2】本発明に基づく実施の形態1における電子機器から外装カバーを外した状態の斜視図である。
【
図3】本発明に基づく実施の形態2におけるアンテナ構造体の部分斜視図である。
【
図4】
図3におけるIV−IV線に関する矢視断面図である。
【
図5】本発明に基づく実施の形態2におけるアンテナ構造体の部分下面図である。
【
図6】本発明に基づく実施の形態2におけるアンテナ構造体の部分斜視図である。
【
図7】本発明に基づく実施の形態2におけるアンテナ構造体が備える板金アンテナの斜視図である。
【
図8】本発明に基づく実施の形態2におけるアンテナ構造体が備える板金アンテナの第1の変形例の部分斜視図である。
【
図9】本発明に基づく実施の形態2におけるアンテナ構造体が備える板金アンテナの第2の変形例の部分斜視図である。
【
図10】本発明に基づく実施の形態2におけるアンテナ構造体の第1の変形例の部分斜視図である。
【
図11】
図10におけるXI−XI線に関する矢視断面図である。
【
図12】本発明に基づく実施の形態2におけるアンテナ構造体の第2の変形例の部分斜視図である。
【
図13】
図12におけるXIII−XIII線に関する矢視断面図である。
【
図14】本発明に基づく実施の形態2におけるアンテナ構造体の第3の変形例の部分断面図である。
【
図15】本発明に基づく実施の形態3におけるアンテナ構造体の部分断面図である。
【
図16】本発明に基づく実施の形態3におけるアンテナ構造体のアンテナ端子部近傍の部分拡大下面図である。
【
図17】本発明に基づく実施の形態3におけるアンテナ構造体のアンテナ端子部近傍の接着剤を注入する前の状態の部分拡大下面図である。
【
図18】本発明に基づく実施の形態4におけるアンテナ構造体の部分断面図である。
【
図19】本発明に基づく実施の形態4におけるアンテナ構造体の貫通孔近傍の部分斜視図である。
【
図20】本発明に基づく実施の形態5におけるアンテナ構造体の製造方法のフローチャートである。
【
図21】本発明に基づく実施の形態5におけるアンテナ構造体の製造方法の第1の工程の説明図である。
【
図22】本発明に基づく実施の形態5におけるアンテナ構造体の製造方法の第2の工程の説明図である。
【
図23】本発明に基づく実施の形態5におけるアンテナ構造体の製造方法の第3の工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
(構成)
図1を参照して、本発明に基づく電子機器について説明する。本実施の形態における電子機器201は、本発明に基づくアンテナ構造体を備える。ここでいう、「本発明に基づくアンテナ構造体」とは、以下の実施の形態のいずれかで説明するものである。アンテナ構造体について詳しくは、後述する。
【0013】
電子機器201は、ここではスマートフォンであるものとして説明するが、本発明に基づく電子機器はスマートフォンには限られない。本発明は多種多様な電子機器に適用可能である。
【0014】
図1に示した例でいうと、電子機器201は、正面に表示部31を備える。電子機器201は、背面および側面を実質的に覆うように外装カバー30を備える。
図1に示した例では電子機器201の外装カバー30に覆われていない部分には筐体20が見えている。ここでは、電子機器201が外装カバー30を備えるものとしたが、これはあくまで一例であって、本発明に基づく電子機器にとって外装カバー30の存在は必須ではない。
【0015】
電子機器201の外装カバー30を外した状態で、表示部31とは反対側すなわち背面が上側になるようにした状態の斜視図を
図2に示す。筐体20は、正面側筐体部品21と背面側筐体部品22とを含む。背面側筐体部品22の外面の一部を覆うように板金アンテナ10が配置されている。筐体20に外装カバー30が付いている状態では板金アンテナ10は覆い隠される。
【0016】
図2に示した背面側筐体部品22および板金アンテナ10は、本発明に基づくアンテナ構造体を構成するものの一部である。
図2に示した装置から本発明に基づくアンテナ構造体に相当する部分を取り出し、その一部を拡大したところを
図3に示す。
図3は、
図2における左上の部分に相当する。
図3では、
図2とは異なる側から見たところを表示している。アンテナ構造体についての詳細な構造は、実施の形態2以降で述べるとおりである。
【0017】
(作用・効果)
本実施の形態では、以下の実施の形態で説明されるようなアンテナ構造体を備えているので、少ない部品点数で簡単に防水構造を実現することができている。本実施の形態によれば、アンテナによる通信機能を備えていながら防水性能を有する電子機器とすることができる。
【0018】
(実施の形態2)
(構成)
図3〜
図7を参照して、本発明に基づく実施の形態2におけるアンテナ構造体について説明する。
図4は、
図3におけるIV−IV線に関する矢視断面図である。
【0019】
本実施の形態におけるアンテナ構造体101は、板金アンテナ10と、互いに逆の側を向く外側表面3および内側表面4を有し、外側表面3から内側表面4へと板金アンテナ10を挿入するための貫通孔5を有する筐体部品としての背面側筐体部品22と、貫通孔5に板金アンテナ10が通っている状態で板金アンテナ10と前記筐体部品としての背面側筐体部品22との相対的位置関係を固定しつつ貫通孔5を封止する封止部6とを備える。
【0020】
図4に示すように、背面側筐体部品22の内側表面4には内側凹部4aが設けられている。板金アンテナ10は、アンテナ端子部11を備える。アンテナ端子部11は、内側凹部4aに収まっている。板金アンテナ10には固定孔14が設けられていてもよい。この場合、背面側筐体部品22に設けられたピン9が固定孔14に通ることによって板金アンテナ10は背面側筐体部品22に対して固定されている。
図4におけるアンテナ端子部11近傍を下側から見たところを
図5に示し、斜め下から見たところを
図6に示す。板金アンテナ10を単独で取り出したところを
図7に示す。板金アンテナ10は、通常、一体的に形成された帯状の金属片である。板金アンテナ10は、アンテナ端子部11と、中間部13と、アンテナ本体部12とを備える。板金アンテナ10は、通常、このように途中で曲がった構造を有している。
【0021】
図5および
図6には、背面側筐体部品22の貫通孔5を通って出てきたアンテナ端子部11が内側凹部4aに収まっている様子が見える。このアンテナ端子部11の表面に対しては、
図4に示したように、配線基板18に設置されたバネ接点端子17が相対的に押し当てられ、電気的接続が行なわれる。
図4では、二点鎖線で配線基板18およびバネ接点端子17を表示しているが、これらの位置、形状などはあくまで一例であり、図示したものに限らない。
【0022】
(作用・効果)
本実施の形態では、板金アンテナが通っている貫通孔が封止部によって封止されているので、筐体部品の外側と内側との間で水が流通することは防止することができる。したがって、板金アンテナの性能を発揮可能な状態を維持しつつ筐体部品の防水構造を実現することができている。Oリング付きナットとビスとの組合せを用いる方法に比べても、本実施の形態では、Oリング付きナットとビスとの2つの部品は不要であるので、部品点数を削減することができている。すなわち、少ない部品点数で簡単に防水構造を実現することができる。
【0023】
封止部6は、接着剤が充填されることによって形成された部分を含むことが好ましい。この構成を採用することにより、簡単に封止部を形成することができる。封止部は、一部のみが接着剤が充填されることによって形成されたものであってもよいが、全体が接着剤が充填されることによって形成されたものであってもよい。
【0024】
封止部は、接着剤を使用する以外の方法によって形成されたものであってもよい。封止部は、たとえば樹脂を貫通孔に充填させて硬化させて設けられたものであってもよい。封止部は、両面テープを板金アンテナと貫通孔との間に介在させることによって封止するものであってもよい。封止部を形成するために貫通孔に樹脂を入れる場合、この樹脂は硬化させてもよいし、ゲル状のままとしてもよい。樹脂を貫通孔に充填させて硬化させることによって封止部を設ける場合、ここに用いられる樹脂は、たとえば熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、湿気硬化性樹脂のいずれかであってもよい。
【0025】
図7に示したように板金アンテナ10は、内側表面4に沿った状態で他部品に対して電気的に接続するために延在するアンテナ端子部11と、外面表面3に沿って配置された状態でアンテナとして作用するアンテナ本体部12と、アンテナ端子部11とアンテナ本体部12との間に介在し、貫通孔5を貫通する中間部13とを含むことが好ましい。このように各部分を備えた板金アンテナを採用することにより、筐体部品に1つの板金アンテナを設置するだけで、配線基板などの他部品に対する電気的接続からアンテナとしての送受信までを行なうことができる。
【0026】
なお、板金アンテナの一例として板金アンテナ10を
図7に示したが、板金アンテナの形状はこれに限らない。長さ、幅、曲がり方、分岐の仕方、固定孔14の配置などは、
図7に示したものに限らない。たとえば、
図8に示す板金アンテナ10iのように中間部13から見てアンテナ端子部11とは反対側の中間部13に近いところに曲がり角があってもよい。すなわち、中間部13とアンテナ本体部12との境目近傍に直角な曲がり角が2つ設けられている。このように曲がり角が設けられていると、アンテナ本体部12を筐体部品に固定した状態でもアンテナ端子部11の位置調整がしやすくなるので、組立ての作業が行ないやすくなる。また、板金アンテナは、
図9に示す板金アンテナ10jのように途中で分岐した構造のものであってもよい。
図9に示すように1つの板金アンテナ10jが複数のアンテナ端子部を有していてもよい。ここで示した例では、板金アンテナ10jが分岐することによって中間部13a,13bを有し、中間部13a,13bの先にアンテナ端子部11a,11bをそれぞれ有している。このように2つに分岐するだけでなく、3つ以上に分岐していてもよい。また、図示しないが、途中で分岐することによって1つの板金アンテナが複数のアンテナ本体部を有していてもよい。
【0027】
図8および
図9では固定孔は図示省略しているが、必要に応じて適宜、固定孔を設けてもよい。
【0028】
なお、本実施の形態で示したように、背面側筐体部品22は、内側表面4に沿うようにアンテナ端子部11を収容するための内側凹部4aを有することが好ましい。この構成を採用することにより、アンテナ端子部11を確実に所望の位置に配置することができる。また、内側凹部4aに収まった状態ではアンテナ端子部11は位置をほぼ固定されているので、アンテナ端子部11をバネ接点端子17などに押し当てたときにアンテナ端子部11の位置が不用意にずれることを防止することができる。
図4に示した例のように、内側凹部4aの深さはアンテナ端子部11の厚みより大きいことが好ましい。
【0029】
なお、
図10に示すアンテナ構造体101iのような構成を採用してもよい。
図10におけるXI−XI線に関する矢視断面図を
図11に示す。アンテナ構造体101iにおいては、貫通孔5を塞ぐようにシート27が貼られている。シート27は背面側筐体部品22の外側表面3および板金アンテナ10の表面にまたがるように貼られている。シート27の貼付は、たとえば接着によるものであってよい。シート27の材質は、特に限定されないが、たとえばポリカーボネートであってもよい。シート27の厚みはたとえば0.15mmである。
【0030】
アンテナ構造体101iを組み立てる際には、背面側筐体部品22の貫通孔5に板金アンテナ10を挿入した後で、貫通孔5の外側の端を塞ぐようにシート27を貼りつけ、この状態で、シート27が貼られた面が下方を向くような姿勢とし、上方を向く貫通孔5の開口部から接着剤6の注入を行なえばよい。このようにした場合、シート27が底の役割を果たし、重力による接着剤6の下方への変位や落下を防止するので、接着剤6が貫通孔5の中の所望の位置に留まりやすくなる。すなわち、接着剤6が適切な位置に配置された状態で接着剤6を固めることが容易となる。また、接着剤6が固まった後の状態においては、外側すなわち
図11における上方から背面側筐体部品22を見たとき、接着剤6はシート27によって覆い隠されているので、ユーザが接着剤6に触れることを防止することができる。シート27は、固化した後の接着剤6を保護する役割を果たす。
【0031】
さらに、
図12に示すアンテナ構造体101jのような構成を採用してもよい。
図12におけるXIII−XIII線に関する矢視断面図を
図13に示す。アンテナ構造体101jにおいては、貫通孔5の近傍にシート27の位置決めのための凸部28が設けられている。
図12および
図13に示した例では、凸部28は壁状の突起であり、平面視したときにL字形となっている。シート27が貼られる際には、凸部28にシート27の端を側方から押し当てることによってシート27の位置決めがなされている。凸部28は背面側筐体部品22の一部である。凸部28は、背面側筐体部品22のうちの他の部分と共に一体的に成形されたものであることが好ましい。ここでは、凸部28がL字形である例を示したが、形状はL字形とは限らない。凸部28は連続した1つのL字形に限らず、互いに垂直な関係にある2本の辺が離れて並んでいる形状であってもよい。凸部28は、たとえばピン状の複数の突起であってもよい。これらのピン状の突起にシート27を側方から押し当てることによって、シート27の位置決めができるようにしてあってもよい。
【0032】
図11、
図13に示した例では、シート27の途中に段差が生じていたが、このような段差はない方が好ましい。そのためには、たとえば
図14に示すアンテナ構造体101kのような構成を採用してもよい。すなわち、背面側筐体部品22の上面3のうち貫通孔5の近傍の一部にかさ上げ部29が設けられている。かさ上げ部29は台地状に高くなっている部分である。かさ上げ部29の上面は平坦である。
図14に示した例では、かさ上げ部29の高さは板金アンテナ10の厚みとほぼ同じである。この構成を採用することにより、シート27がほぼ曲がらず平坦な状態を維持したままシート27を貼り付けることができる。このように平坦な状態で貼り付けた方がシート27に作用する負担を減らすことができるので、シート27の信頼性を増すこととなる。かさ上げ部29は、貫通孔5の周囲でシート27が重なる領域に設ければよい。
図14に示した例では、凸部28は示されていないが、凸部28とかさ上げ部29とは併用してもよい。すなわち、たとえばかさ上げ部29の上面に、さらに突出するように位置決め用の凸部29を設けておいてもよい。
【0033】
(実施の形態3)
(構成)
図15〜
図17を参照して、本発明に基づく実施の形態3におけるアンテナ構造体について説明する。本実施の形態におけるアンテナ構造体102は、基本的な構成は実施の形態2で説明したアンテナ構造体101と同様であるが、以下の点で異なる。アンテナ構造体102においては、前記筐体部品としての背面側筐体部品22は、貫通孔5に隣接するように接着剤室7を有し、封止部6の少なくとも一部は、接着剤室7内で接着剤が硬化したものである。
【0034】
接着剤室7は、1つの部屋として完全に区画されたものに限らず、接着剤がある程度溜まることができるスペースであればよい。接着剤室7は接着剤溜まりと呼んでもよい。
【0035】
図15におけるアンテナ端子部11近傍を下からみたところを
図16に示す。接着剤室7に接着剤を注入する前の状態を
図17に示す。この例では接着剤室7は略長円形の凹部となっている。
【0036】
(作用・効果)
本実施の形態で示したように、接着剤室7を有していれば、封止のために硬化前の接着剤を供給する際に、ある程度の量の接着剤が接着剤室7に安定して溜まることができるので、確実な封止を行ないやすくなる。
【0037】
接着剤室の入口は筐体部品のどちら側にあってもよい。
図15に示した例では、接着剤室7は内側表面4の側に大きく開いているが、逆に外側表面3の側に大きく開いた構造であってもよい。ただし、筐体の外見上の美観を高めるためには、あるいは、接着剤が水に触れることによって劣化するリスクをなるべく避けるためには、接着剤が露出する領域の面積は、外側表面3においてはなるべく少なくした方がよい。したがって、接着剤室7は内側表面4に開口する接着剤入口8を有することが好ましい。
【0038】
(実施の形態4)
(構成)
図18〜
図19を参照して、本発明に基づく実施の形態4におけるアンテナ構造体について説明する。本実施の形態におけるアンテナ構造体103は、基本的な構成は実施の形態2で説明したアンテナ構造体101と同様であるが、以下の点で異なる。
【0039】
背面側筐体部品22は、外側表面3に沿うようにアンテナ本体部12を収容するための外側凹部3aを有する。
図18における貫通孔5近傍を斜め上から見たところを
図19に示す。
【0040】
(作用・効果)
本実施の形態では、外側表面3に外側凹部3aが設けられているので、アンテナ本体部12を所望の位置に容易に固定することができる。また、外側表面3においてアンテナ本体部12がこのような凹部に収まることにより、筐体の外側にアンテナ本体部12が突出することを避けることができる。本実施の形態で示したように、外側凹部3aの深さは、板金アンテナ10の厚みより大きいことが好ましい。
【0041】
なお、本実施の形態において、実施の形態1で説明したシート27を用いてもよい。シート27は、この場合、シート27は、背面側筐体部品22の外側表面3と、外側凹部3a内の板金アンテナ10の上面とにまたがって貼り付けられる。貼り付けられた状態のシート27に段差を生じさせないためには、外側凹部3aの深さと板金アンテナ10の厚みとをほぼ同じにすればよい。
【0042】
本実施の形態において、実施の形態1で説明したような位置決め用の凸部28を背面側筐体部品22の外側表面3に設けておくこととしてもよい。このように位置決め用の凸部28を設けておけば、シート27を貼り付ける作業が行ないやすい。
【0043】
(実施の形態5)
(製造方法)
図20〜
図23を参照して、本発明に基づく実施の形態5におけるアンテナ構造体の製造方法について説明する。本実施の形態におけるアンテナ構造体の製造方法のフローチャートを
図20に示す。本実施の形態におけるアンテナ構造体の製造方法は、互いに逆の側を向く外側表面および内側表面を有し、前記外側表面から前記内側表面へと板金アンテナを挿入するための貫通孔を有する筐体部品を用意する工程S1と、前記貫通孔に前記板金アンテナを挿入する工程S2と、前記挿入する工程S2より後で、前記貫通孔を含む部分に接着剤を注入して硬化させることによって、前記板金アンテナと前記筐体部品とを相対的に固定しつつ前記貫通孔を封止する工程S3とを含む。
【0044】
以下に、各工程について詳しく説明する。
工程S1として、筐体部品を用意する。筐体部品の一例の断面を
図21に示す。この筐体部品は、既に実施の形態3で開示されていた背面側筐体部品22である。背面側筐体部品22は、互いに逆の側を向く外側表面3および内側表面4を有する。背面側筐体部品22は、外側表面3から内側表面4へと板金アンテナ10を挿入するための貫通孔5を有する。背面側筐体部品22は、板金アンテナ10を固定するためのピン9を備えていてもよい。
【0045】
工程S2として、
図22に示すように、貫通孔5に板金アンテナ10を挿入する。板金アンテナ10は、たとえば
図7に示したようなものであってよい。板金アンテナ10の中間部13が貫通孔5を通るように配置され、アンテナ端子部11が内側表面4に設けられた内側凹部4aに収まるように配置される。板金アンテナ10に予め設けられた固定穴14にピン9を挿入することによって板金アンテナ10は背面側筐体部品22に対して固定される。
【0046】
工程S3として、
図23に示すように、貫通孔5を含む部分に接着剤26を注入して硬化させる。これによって、板金アンテナ10と筐体部品としての背面側筐体部品22とを相対的に固定しつつ貫通孔5を封止する。
図23に示した例では、背面側筐体部品22を、接着剤室7の接着剤入口8が上を向くような姿勢として、上方に配置されたディスペンサ25によって接着剤26を供給している。
図23に示したように接着剤26を注入して硬化させることによって、
図15に示したようなアンテナ構造体102が得られる。
【0047】
(作用・効果)
本実施の形態では、少ない部品点数で、複雑な工程もなく、防水構造を備えたアンテナ構造体を容易に得ることができる。
【0048】
ここでは一例として、アンテナ構造体102を製造する場合について説明したが、他のアンテナ構造体についても、工程S1で用意する背面側筐体部品22の構造を適宜変更することにより、同様に製造することができる。
【0049】
なお、上記各実施の形態では、アンテナ構造体に含まれる筐体部品が背面側筐体部品22であることを前提に説明してきたが、これに限らない。アンテナ構造体に含まれる筐体部品は、他の種類であってもよい。
【0050】
1つの筐体部品に複数のアンテナ構造体を構築することも可能である。
これまで説明してきたアンテナ構造体は、主に、電子機器に備え付けられることを想定しているが、そのような電子機器については、既に実施の形態1で説明したとおりである。なお、1つの電子機器が複数のアンテナ構造体を備えることとしてもよい。この際には、構造の異なる複数のアンテナ構造体が1つの電子機器の中に併存していてもよい。
【0051】
なお、上記実施の形態のうち複数を適宜組み合わせて採用してもよい。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。