(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236415
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】SCELL無線リンクモニタリングおよび無線リンク障害ハンドリング
(51)【国際特許分類】
H04W 24/04 20090101AFI20171113BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20171113BHJP
H04W 24/08 20090101ALI20171113BHJP
【FI】
H04W24/04
H04W72/04 111
H04W24/08
【請求項の数】19
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-138707(P2015-138707)
(22)【出願日】2015年7月10日
(62)【分割の表示】特願2014-501435(P2014-501435)の分割
【原出願日】2012年5月3日
(65)【公開番号】特開2015-216681(P2015-216681A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2015年8月5日
(31)【優先権主張番号】61/481,850
(32)【優先日】2011年5月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/460,679
(32)【優先日】2012年4月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506423280
【氏名又は名称】聯發科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MEDIATEK INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リン, シャン−ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ジョハンソン, パー ジョハン ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】チェン, イー−シェン
【審査官】
望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0322067(US,A1)
【文献】
特開2011−40851(JP,A)
【文献】
Renesas Mobile Europe,Multiple timing advance using multiple RACH[online],3GPP TSG-RAN WG2#74 R2-113014,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_74/Docs/R2-113014.zip,2011年 5月 2日
【文献】
Samsung,Main issues in supporting multi-TAs[online],3GPP TSG-RAN WG2#73bis R2-112305,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_73bis/Docs/R2-112305.zip,2011年 4月15日
【文献】
NTT DOCOMO, INC.,Necessary changes for RLF reporting enhancements[online],3GPP TSG-RAN WG3#73 R2-111764,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_73/Docs/R2-111764.zip,2011年 2月25日
【文献】
MediaTek Inc.,Discussion on SCell radio link handling in Rel-11[online],3GPP TSG-RAN WG2#73bis R2-112316,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_73bis/Docs/R2-112316.zip,2011年 4月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置 (以下、UEと称す)により、基地局と無線リソース制御 (以下、RRCと称す)接続を構築し、前記UEにより、複数のコンポーネントキャリア (以下、CCと称す)に、キャリアアグリゲーションを実行する工程と、
前記UEにより、プライマリーサービングセル(以下、PCELLと称す)で無線リンクモニタリングを実行する工程であって、前記PCELLは複数のCCの第1CCグループに属す工程と、
セカンダリーサービングセル(以下、SCELLと称す)を参照セルとして選択する工程であって、前記SCELLは複数のCCの第2CCグループに属する工程と、
前記UEにより、選択された参照SCELLで無線リンクモニタリングを実行する工程と、
前記参照SCELLのパフォーマンスが所定基準より低い時、前記参照SCELLまたは前記第2CCグループ中の全CCで動作を実行する工程とを含み、
前記動作は、前記UEが、基地局に対して、検出された前記参照SCELLの無線リンク障害、前記SCELLの無効化、前記参照SCELLに収集される問題イベント情報の可用性、および、前記参照SCELLに収集される問題イベント情報中の少なくともひとつを通知することを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記参照SCELLは、パスロス参照、および/または、タイミングアドバンス参照として用いられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記参照SCELLは、ランダムアクセスチャネル (RACH)工程を実行するために用いられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記無線リンクモニタリングは、スレショルドQIN/QOUT測定に基づいたダウンリンク監視を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記無線リンクモニタリングは、N310/N311/T310メカニズムに基づいた前記RRC接続の物理層問題の検出に基づく無線リンク障害検出を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記無線リンクモニタリングは、ランダムアクセスチャネル(RACH)失敗検出、および/または、最多回数の無線リンク制御(RLC)再伝送に基づいた無線リンク障害検出を含んだアップリンク監視を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記動作は、前記UEが、自立的に、前記参照SCELL上のアップリンク伝送を停止することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ユーザ装置 (以下、UEと称す)であって、
無線ネットワークで基地局と無線信号を交換する無線周波トランシーバと、
複数のコンポーネントキャリア(以下、CCと称す)で構築される無線リソース制御(以下、RRCと称す)接続を前記基地局と構築する無線リソース制御 (RRC)接続管理モジュールと、
複数のCCの第1CCグループに属するプライマリーサービングセル(PCELL)、および、複数のCCの第2CCのグループに属する選択された参照セカンダリーサービングセル(以下、参照SCELLと称す)で無線リンクモニタリングを実行する無線リンクモニタリングモジュールと、
前記参照SCELLのパフォーマンスが所定基準より低い時、前記参照SCELLまたは前記第2CCグループ中の全CCで動作を実行するSCELL設定モジュールとを含み、
前記動作は、前記UEが、基地局に対して、検出された前記参照SCELLの無線リンク障害、前記参照SCELLの無効化、前記参照SCELLに収集される問題イベント情報の可用性、および、前記参照SCELLに収集される問題イベント情報中の少なくともひとつを通知することを含む
ことを特徴とするユーザ装置。
【請求項9】
前記参照SCELLは、パスロス参照および/またはタイミングアドバンス参照として用いられることを特徴とする請求項8に記載のユーザ装置。
【請求項10】
前記参照SCELLは、ランダムアクセスチャネル(RACH)工程を実行するために用いられることを特徴とする請求項8に記載のユーザ装置。
【請求項11】
前記無線リンクモニタリングは、スレショルドQIN/QOUT測定に基づいたダウンリンク監視を含むことを特徴とする請求項8に記載のユーザ装置。
【請求項12】
前記無線リンクモニタリングは、N310/N311/T310メカニズムに基づいた前記RRC接続の物理層問題の検出に基づく無線リンク障害検出を含むことを特徴とする請求項11に記載のユーザ装置。
【請求項13】
前記無線リンクモニタリングは、ランダムアクセスチャネル(RACH)失敗検出および/または最多回数の無線リンク制御(RLC)再伝送に基づいた無線リンク障害検出を含んだアップリンク監視を含むことを特徴とする請求項8に記載のユーザ装置。
【請求項14】
前記動作は、前記UEが、自立的に、前記SCELL上のアップリンク伝送を停止することを含むことを特徴とする請求項8に記載のユーザ装置。
【請求項15】
複数のコンポーネントキャリア(以下、CCと称す)で構築される無線リソース制御(RRC)接続を、ユーザ装置(以下、UEと称す)と構築する工程と、
複数のCCをCCグループとして前記UEに設定する工程であって、前記CCグループは、参照セルとしてセカンダリーサービングセル(以下、参照SCELLと称す)を含んでいる、工程と、
検出された前記参照SCELL中の無線リンク障害、参照された前記参照SCELLの無効化、前記参照SCELLに収集される問題イベント情報の可用性、および、前記参照SCELLに収集される前記問題イベント情報中の少なくともひとつを含む通知を前記UEから受信する工程と、
受信した前記通知に基づき、前記参照SCELL及び前記CCグループ中の全CCで動作を実行する工程とを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記参照SCELLは、前記CCグループのパスロス参照および/またはタイミングアドバンス参照として用いられることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記参照SCELLはランダムアクセスチャネル(RACH)工程を実行するために用いされることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記動作は、前記参照SCELLを無効化させるまたは設定解除することを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記動作は、前記UEから収集される問題イベント情報を要求および回収することを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2011年5月3日に出願された“SCELL Radio Link Monitoring and Radio Link Failure Handling”と題された米国特許仮出願番号61/481850号から、合衆国法典第35編第119条の下、優先権を主張するものであり、その内容は引用によって本願に援用される。
【0002】
本発明は、無線リンクモニタリング (RLM:Radio Link Monitoring)および無線リンク障害 (RFL:Radio Link Failure) ハンドリングに関するものであって、特に、キャリアアグリゲーション (CA:Carrier Aggregation)を有するセカンダリーサービングセル(SCELL:Secondary Serving Cell)のRLMおよびRFLハンドリングに関するものである。
【背景技術】
【0003】
3GPPロングタームエボリューション (LTE)ネットワークにおいて、進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク (E-UTRAN)は、複数の基地局、たとえば、ユーザー装置(UE(User Equipment))と称される複数の移動局と通信する進化型Node-Bs (eNB:Ecolved Node−Bs)を含む。UEは、無線リンクモニタリング (RLM)メカニズムにより、ダウンリンク (DL)の品質を監視して、無線リンクが、伝送を継続するのに十分か判断する。たとえば、UEは、セル特定参照信号 (CRS:Cell−Specific Reference Signal)に基づいて、DL品質を監視して、サービングセルのダウンリンク無線リンク品質を検出する。UEは、また、推定されたDL品質とスレショルドQoutとQinを比較して、サービングセルのダウンリンク無線リンク品質を監視する。RLMに加え、N310/N311/T310 メカニズムに基づいて、物理層問題を検出することが出来、物理層問題が検出されると、UEは無線リンク障害 (RFL)とみなし、MAC層がランダムアクセス問題を示し、再伝送が最多数に到達することをRLC層で示す時も、RFLと見なされる。一旦、RFLが検出されると、UEは、RFL情報を収集および保存し、RRC(Radio Recource Control)接続再構築を試みる。このような試みが失敗の場合、UEはRRC_IDLEに戻る。RRC接続再構築またはRRC接続セットアップが成功後、要求受信時、UEは、RFL報告の可用性をeNBに示し、RFL 情報をeNBに報告する。
【0004】
LTE Rel-10において、キャリアアグリゲーション (CA:Carrier Aggregation)のコンセプトが導入されて、システムスループットを向上させる。CAにより、二個以上のCC(Component Carrier)が凝集されて、100MHzに達する広い伝送バンド幅をサポートする。Rel-10において、CAの受信および/または伝送能力を有するUEは、複数のサービングセルに対応する複数のCC上で、同時に、受信および/または伝送することができる。CAが設定される時、UEは、ネットワークと、一RRC接続だけを有する。RRC接続構築/再構築またはハンドオーバ時、一サービングセルはNAS移動情報を提供する。RRC接続再構築またはハンドオーバ時、一サービングセルはセキュリティ入力を提供する。このセルはプライマリーサービングセル (PCELL:Primary Serving Cell)と称され、別のセルはセカンダリーサービングセル(SCELL:Secondary Serving Cell)と称される。UE能力に基づいて、SCELLは、PCELLと共に、一組のサービングセルを形成する。
【0005】
LTE Rel-10において、RLMおよびRFLは、PCELLだけに応用される。DL PCELL上のRFL検出は、N310/N311/T310メカニズムに基づく。低リンク品質下のDL SCELLは、eNBコマンドに従って、無効化(Deactivation)と除去を行う。よって、UEが、自動的に、このようなSCELLの無効化と除去を行うことを許可しない。eNBは、低リンク品質を検出することが出来ると仮定されるので(たとえば、CQI報告からおよび/または現有のRRM測定報告)、UEによる無線リンクモニタリング (すなわち、N310/N311/T310に基づいたRFL物理層問題検出)はDL SCELLに不要である。UL PCELL上のランダムアクセス失敗は、RRC接続再構築のトリガーとなる。UEは、DL SCELLリンク品質に基づいて、UL SCELL上のあらゆる伝送を自立的に停止しない。
【0006】
LTE Rel-11において、バンド間UL CAがサポートされる。このほか、エンティティ間キャリアアグリゲーション、eNB間/RAT内キャリアアグリゲーションおよびeNB間/RAT間キャリアアグリゲーションを含む各種CA展開状況がサポートされる。たとえば、エンティティ間キャリアアグリゲーションは、異なる伝送エンティティによるキャリアアグリゲーションを含み、異なる伝送エンティティは、たとえば、eNBとリモート無線ヘッダー(RRH)、および、eNBと周波数選択リピーターである。これらのCA展開状況において、UL電力制御のULタイミングアドバンス値とDLパスロス推定は、経路、異なるエンティティ、異なる周波数バンドおよび/または異なるRATの違いによって異なる。たとえば、UL SCELLは、UL PCELLと異なる周波数バンドにより伝送される、および/または、UL SCELLは、UL PCELLと異なるエンティティにより伝送される。その結果、SCELLとPCELLのタイミングアドバンスとパスロスは、非常に異なる。
【0007】
現在の状態で、RLMはPCELLだけに応用され、無線リンクが、SCELLでの伝送を継続するために十分かどうかを判断することには不適当である。物理層問題発生時のRFL検出も、PCELLだけに用いられ、SCELLが同期していない時、別のユーザーへの干渉を防止することができない。たとえば、無線リンク問題が、時間参照セルとして用いられるDL SCELLで発生する場合、不正確なULタイミングを生じて、別のユーザーへの符号間干渉が発生する。同様に、無線リンク問題が、パスロス参照セルとして用いられるDL SCELLで発生する場合、不正確なパスロス推定を生じて、スプリアスUL SCELL伝送が発生し、別のユーザーに干渉を発生する。さらに、ランダムアクセス問題発生時のRFL検出はPCELLだけに応用される。一旦、ランダムアクセス問題がSCELLで発生すると、性質が不確かになる。スプリアスおよび制御できないUL SCELL伝送を防止し、SCELL上のランダムアクセスを監視するソリューションが求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、セカンダリーサービングセル (SCELL)で、無線リンクモニタリング (RLM)および無線リンク障害 (RFL)ハンドリングを実行する方法が提案され、SCELL伝送のスプリアスおよび制御できないアップリンク (UL)、および、別のユーザーへの干渉を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
無線ネットワークにおいて、ユーザー装置 (UE)は、基地局 (eNB)と無線リソース制御 (RRC)接続を構築する。UEは、複数のサービングセルとして設定される複数のコンポーネントキャリア (CC)にキャリアアグリゲーションを実行する。UEは、プライマリーサービングセル (PCELL)で、無線リンクモニタリングを実行する。UEは、セカンダリーサービングセル (SCELL)でも、無線リンクモニタリングを実行する。SCELLはひとつ以上のCCのCCグループに属し、CCグループの参照セルとして用いられる。SCELLパフォーマンスが所定基準より低い時、UEおよびeNBは、SCELL上の、または、CCグループ中の全CCで、ある動作を実行する。
一例において、無線ネットワークは、キャリアアグリゲーション状況、たとえば、エンティティ間 CA、eNB間/RAT内CAまたはeNB間/RAT間CAで展開される。これらのCA展開状況において、アップリンク電力制御のアップリンク (UL)タイミングアドバンス (TA)値とダウンリンク (DL)パスロス推定は、パス、エンティティ、周波数バンド、および/または、RATの違いによって異なる。その結果、UEに集合したコンポーネントキャリア (CC)はCCグループに分けられる。同じTA値をシェアするCCおよび/または同じパスロス値をシェアするCCは、同じCCグループ中に設定される。各CCグループにおいて、一CCはパスロス参照CCとして選択され、同じまたは異なるCCは時間参照CCとして選択される。一新規態様において、両PCELLおよび参照SCELL中、RLM/RFLが採用される。
【0010】
SCELLでRFL検出時、UEは、自立的に、RFL SCELLまたは、同じCCグループ中の全SCELLでのUL伝送を停止する。UL伝送を停止するUE動作は、同じCCグループ中の全SCELLのSCELLの無効化により完成する。UEは、問題イベント情報を収集および記録すると共に、SCELL RFL情報を保存する。たとえば、SCELL RFL情報は、失敗のSCELL IDを含むVarREL -Report中に保存される。UEは、別の起動したサービングセルにより、自動的に、eNBに、SCELL RFL通知を通知する。この通知は、検出された問題、たとえば、SCELL RFLが発生した、SCELLまたはグループのSCELLの失活、および、ネットワークにより後に収集される記録された問題イベント情報の可用性を含む。UEは、また、直接、eNBに、SCELL RFL報告を報告する。eNB 観点から、SCELL RFL指示またはSCELL RFL報告受信後、eNBは、MAC失活制御素子をUEに伝送することにより、RFL SCELLまたは同じCCグループ中のグループのSCELLを失活させる。或いは、eNBは、RRC接続再設定メッセージをUEに伝送することにより、RFL SCELLまたは同じCCグループ中のSCELLのグループを設定解除する。
【0011】
他の実施の形態および利点が以下の詳細な説明に述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係るエンティティ間CAとSCELL RLM/RFLを有する無線通信ネットワークを示す図である。
【
図2】本実施形態に係るeNB間/RAT内CAとSCELL RLM/RFLを有する無線通信ネットワークを示す図である。
【
図3】本実施形態に係るeNB間/RAT間CAとSCELL RLM/RFLを有する無線通信ネットワークを示す図である。
【
図4】本実施形態に係るUEとeNBを示す図である。
【
図5】選択されたSCELL上で、RLMとRFLハンドリングを実行する一具体例を示す図である。
【
図6】物理層問題発生時の無線リンク障害検出の一具体例を示す図である。
【
図7】PCELL中の無線リンク障害検出とハンドリングの一具体例を示す図である。
【
図8】PCELLおよびSCELLの無線リンク障害ハンドリングを示す図である。
【
図9】SCELL中、RLMとRFL検出に基づいた可能なUE動作を示す図である。
【
図10】SCELL RFL指示とRFL報告を受信後の可能なeNB動作を示す図である。
【
図11】本実施形態に係るUE観点からのSCELLのRLMとRFLハンドリングの方法のフローチャートである。
【
図12】本実施形態に係るによるeNB観点からのSCELLのRLMとRFLハンドリングの方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施態様について詳細に述べる。その例は添付図面に示されている。
【0014】
3GPPロングタームエボリューション (LTE)ネットワークにおいて、エンティティ間キャリアアグリゲーション、eNB間/RAT内キャリアアグリゲーションおよびeNB間/RAT間キャリアアグリゲーションを含む各種キャリアアグリゲーション (CA)の展開状況が起こりうる。これらのCA展開状況において、アップリンク電力制御のためのアップリンク (UL)タイミングアドバンス (TA)値およびダウンリンク (DL)パスロス推定は、パス、エンティティ、周波数バンド、および/または、RATの違いによって異なる。その結果、UEに集合したコンポーネントキャリア(CC) はCCグループに分けられる。同じTA値をシェアするCCおよび/または同じパスロス値をシェアするCCは、同じCCグループ中に設定される。各CCグループにおいて、一CCはパスロス参照CCとして選択され、UL伝送電力は、このパスロス参照CCから推定されるDLパスロスに基づいて計算されるべきである。同様に、各CCグループにおいて、一CCが時間参照CCとして選択され、UL伝送タイミングは、時間参照CCのDLタイミング、および、ネットワークにより提供されるTA値に基づいて計算されるべきである。各CCグループ中のパスロス参照CCおよび時間参照CCは、同じセルまたは異なるセルである。UE中に複数のCCグループがあるとき、一CCグループはプライマリーサービングセル (PCELL)を含み、他のCCグループはセカンダリーサービングセル(SCELL)だけを含む。CAが設定される時、UEは、PCELLで維持されるネットワークによる一無線リソース制御 (RRC) 接続だけを有する。
【0015】
LTE Rel-10において、無線リンクモニタリング (RLM)および無線リンク障害 (RFL)検出は、SCELLではなく、PCELLだけに応用される。これは、例えばチャネル品質インジケータ(CQI:Chanel Quality Indicator)からの低リンク品質、及び/又は、RRM測定報告の存在から、eNBが検出できると仮定できるためである。しかし、CQI報告は、いつも、迅速に、無線リンク品質を反映しないので、信頼できない。たとえば、CQI測定は、幾つかのサブフレームで平均化され、且つ、CQIの報告は予め設定され、すなわち、周期的にCQI報告される。eNBは、UEから、非周期的CQI報告をトリガーにできるが、ある状況、例えばCQI報告にエラーまたは欠落ある場合には、eNBは、各SCELLを完全に認識し、かつ、完全に制御しているわけではない。このほか、非周期的CQI報告のULシグナリングオーバーヘッドも懸念される。一方、同期していないSCELLの継続使用は、別のユーザーに干渉を生じる。たとえば、無線リンク問題が、時間参照セルとして用いられるDL SCELLで発生する場合、不正確なULタイミングを生じて、別のユーザーへの符号間干渉が発生する。同様に、無線リンク問題がパスロス参照セルとして用いられるDL SCELLで発生する場合には、不正確なパスロス推定を生じて、スプリアスUL SCELL伝送が発生して、別のユーザーに干渉を生じる。よって、スプリアスおよび制御できないUL SCELL伝送を防止するため、選択されたSCELLも、PCELLと同様に、RLM/RFLメカニズムが応用される。
【0016】
図1は、本実施形態に係るエンティティ間キャリアアグリゲーションおよびSCELL RLM/RFLを有する無線通信ネットワーク100を示す図である。無線ネットワーク100は、eNB101、リモート無線ヘッドRRH102およびUE103を含む。エンティティ間CA展開状況において、少なくとも一CCはeNBからのものでありで、少なくとも一CCは、eNBによる制御下の別のエンティティ、たとえば、RRHと周波数選択リピーターからのものである。これらのCCはUE103に集められる。集合したCC間で、一CCはPCELLとして設定され、別のCCはSCELLとして設定される。
図1の例において、同じエンティティからのCCは同じTA値を有し、同じ周波数バンド中の同じエンティティからのCCは、同じ又は類似のパスロス現象を有する。たとえば、eNB101とUE103間のPCELLとSCELL1は、同じTA値を有し、RRH102とUE103間のCELL2、CELL3およびCELL4は別のTA値を有する。その結果、PCELLおよびSCELL1はCCグループ#1として設定され、CELL2、CELL3およびCELL4はCCグループ #2として設定される。本実施形態において、RLM/RFLは、CCグループ #1のPCELLに適用されて、RRC接続を維持するだけでなく、CCグループ #2のパスロス/時間参照セルとして設定されるCELL3にも適用される。
【0017】
図2は、本実施形態に係るeNB間/RAT内キャリアアグリゲーションおよびSCELL RLM/RFLを有する無線通信ネットワーク200を示す図である。無線ネットワーク200は、第一eNB201、第二eNB202およびUE203を含む。eNB間/RAT内CA展開状況において、少なくとも一CCは一eNBからのものであり、少なくとも 一CCは別のeNBからのものである。これらのCCはUE203に集められる。集合したCC間で、一CCはPCELLとして設定され、別のCCはSCELLとして設定される。
図2の例において、同じeNBからのCCは同じTA値を有し、同じ周波数バンド中の同じeNBからのCCは、同じ/同様のパスロス現象を有する。たとえば、eNB201とUE203間のPCELL、SCELL1およびSCELL2は同じTA値を有し、eNB202とUE203間のCELL3とCELL4は別のTA値を有する。その結果、PCELL、SCELL1およびCELL2はCCグループ#1として設定され、CELL3およびCELL4はCCグループ #2として設定される。本実施形態において、RLM/RFLは、CCグループ #1のPCELLに適用されて、RRC接続を維持するだけでなく、CCグループ #2のパスロス/時間参照セルとして設定されるCELL4にも適用される。
【0018】
図3は、本実施形態に係るeNB間/RAT間キャリアアグリゲーションとSCELL RLM/RFLを有する無線通信ネットワーク300を示す図である。無線ネットワーク300は、第一eNB301(LTE 無線アクセス技術を採用)、第二eNB302 (UMTS無線アクセス技術を採用)およびUE303を含む。eNB間/RAT間CA展開状況において、少なくとも一CCは一RATからのものであり、少なくとも一CCは別のRATからのものである。これらのCCはUE303に集められる。集合したCC間で、一CCはPCELLとして設定され、別のCCはSCELLとして設定される。
図3の例において、同じRATからのCCは同じTA値を有し、同じ周波数バンド中の同じRATからのCCは同じ又は類似するパスロス現象を有する。たとえば、eNB301 (LTE)とUE303間のPCELLおよびSCELL1は同じTA値を有し、eNB302 (UMTS)とUE303間のCELL2とCELL3は、別のTA値を有する。その結果、PCELLおよびSCELL1はCCグループ#1として設定され、CELL2およびCELL3はCCグループ #2として設定される。本実施形態において、RLM/RFLは、CCグループ #1のPCELLに適用されて、RRC接続を維持するだけでなく、CCグループ #2のパスロス/時間参照セルとして設定されるCELL2にも適用される。
【0019】
図4は、本実施形態に係るSCELL RLM/RFLハンドリングのUE401およびeNB402を示す図である。UE401は、メモリ411、プロセッサ412、アンテナ418に結合されるトランシーバ413を含む。UE401は、さらに、セル設定を実行するセル設定モジュール415、無線リンクモニタリング、無線リンク障害検出およびハンドリングを実行するRLM/RFLモジュール416、および、RRC接続セットアップ工程を実行し、RRC接続を維持するRRC接続管理モジュール417を含む各種機能モジュールを含む。同様に、eNB402は、メモリ421、プロセッサ422、アンテナ428に結合されるトランシーバ423を含む。eNB402は、また、セル設定を実行するセル管理モジュール425、複数のCCグループを設定するCCグループモジュール426、および、RRC接続セットアップ工程を実行し、RRC接続を維持するRRC接続管理モジュール427を含む各種機能モジュールを含む。異なるモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、または、それらの組み合わせにより実施される機能モジュールである。プロセッサにより実行されたとき(たとえば、プログラムコード414およびプログラムコード424を実行することより)、機能モジュールは、UE401とeNB402が、PCELLと各設定されたCCグループの選択されたSCELLで、RLM/RFLハンドリングを実行することができるようにする。
【0020】
図5は、無線ネットワーク500において、選択されたSCELLでRLMおよびRFLハンドリングを実行する一具体例を示す図である。ステップS511で、UE501は、eNB502とRRC接続を構築する。RRC接続は、単一のPCELLと複数のSCELLを含む複数のCCで構築される。ステップS512で、eNB502は、UE501に、CCグループ設定を実行する。ステップS513で、eNB502は、UE501にCC監視設定を実行する。CCグループおよびCC監視設定は、eNB502により、UE501に提供される専用のシグナリングまたはブロードキャストシグナリングにより設定される。たとえば、特定のCA展開状況に基づいて、eNB502は、同じパスロス/タイミングを有するCCを同じCCグループにグループ分けし、その後、CCグループ中のひとつ以上のセルを、パスロス/時間参照セルとして選択する。あるいは、各CCグループ中、参照セルはUEにより選択される。本実施形態において、PCELLを含まないCCグループにとって、UL電力制御のパスロス参照セルおよび/または時間参照セルとして用いられるSCELLは、RLM/RFLのSCELLとして選択される。
【0021】
ステップS514で、UE501は、PCELLおよび選択されたSCELLで、RLMを実行する。たとえば、UE501は、セル特定参照信号 (CRS)に基づいて、DL品質を監視して、PCELLおよび選択されたSCELLのダウンリンク無線リンク品質を検出する。またUE501は、スレショルドQOUT と QINで推定されたDL品質を比較して、PCELLおよび選択されたSCELLのダウンリンク無線リンク品質を監視する。QOUT は、ダウンリンク無線リンクが確実に受信できないレベルとして定義される。一般に、QOUT (同期していない) は、いくつかのネットワーク設定と無線状況を考慮した仮定(hypothetical)PDCCH伝送のおおよそ10%のブロックエラー率に対応する。 一方、 QIN (in-sync) は、一般に、2%のブロック誤り率である。SCELLのスレショルド QOUT と QIN はPCELLと同じか、または、PCELLより少し低く、すなわち、RRC接続はSCELLで維持されないので、物理層問題の検出が容易である。
【0022】
RLM以外に、ステップS515で、UE501は、PCELLおよび選択されたSCELLで、RFLハンドリングを実行する。RFLを検出する3つの可能な方法がある。まず、RRC_CONNECTED 状態において、RFLは、N310/N311/T310メカニズムに基づいて、物理層の問題発生時に検出される。
図6は、物理層の問題発生時の無線リンク障害検出の具体例を示す図である。
図6の例において、低層 (たとえば、L1)から、N310 (たとえば、N310=4) の連続した “同期していない” 指示を受信した時に、物理層の問題が検出される。検出開始後、T310タイマーが開始する。T310タイマーの運転中、低層から、N311 (たとえば、N311=5) の連続した “in-sync” 指示を受信後、検出された物理層問題が回復される。T310の運転時、回復していない場合、T310の期限切れの後に、RFLが検出される。SCELLのN310/N311/T310の値は設定可能で、PCELLの値と同じ、又はSCELL-特定のSCELLのN310/N311/T310の値である。
【0023】
次に、RFLが、媒体アクセス制御 (MAC)層からのランダムアクセス問題の指示で検出される。ランダムアクセス工程は、一般に、PCELLで実行される。しかし、SCELLでタイミングアドバンス値を得るために、ランダムアクセス工程があるSCELL (たとえば、時間参照セルとして用いられる)で実行される。ランダムアクセスは、競争ベースまたは非競争ベースである。ランダムアクセスチャネル(RACH:Racdom Access Channel)失敗時、ランダムアクセスをSCELLに適用し、最多回数のRACHプリアンブル伝送に基づくメカニズムがRFL検出に用いられる。たとえば、RACHプリアンブル伝送の回数が最大スレショルド値 (たとえば、preambleTransMax)を超える場合、MAC層はランダムアクセス問題を上層に示した上で、RFL検出のトリガーとなる。SCELLのpreambleTransMaxの値は設定可能であり、PCELLまたはSCELL-特定の値と同じである。
【0024】
最後に、無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)層が、最多回数の再伝送に達したことを示すとき、RFLが検出される。RLC層は、CC-に依存しない再伝送カウンターを有する。SCELL上のRLC問題は、PCELLと同じ方法で処理される。一旦、RFLが検出されると、UEは、検出された無線リンク障害を処理する必要がある。
【0025】
図7は、PCELLで、無線リンク障害の検出とハンドリングの具体例を示す図である。一般に、二段階で、RFLと関連する行為を制御する。UEが、RRC_CONNECTEDモードにあり、正常操作を行っていると仮定する。第一段階は無線問題の検出時に開始され、タイマーまたは別の基準 (たとえば、T1期間未回復)に基づいた無線リンク障害の検出を行う。第二段階は無線リンク障害の検出時に開始され、タイマー (たとえば、T2期間未回復)に基づいて、UEがRRC_IDLE に進入する。一般に、UEは、第二段階で、RRC再構築を試み、このような試みが失敗の場合、RRC_IDLEに戻る。RRC接続の成功後、UEは、保存されたRFL報告の可用性をeNBに示して、要求後、RFL情報をeNBに報告する。これは、PCELLのRFLハンドリングの典型的な行為であり、SCELL上のRFLハンドリングとは、全く異なる。たとえば、PCELL上の接続が依然として存在するので、UEはRRC再構築をトリガーする必要がない。
【0026】
図8は、無線ネットワーク800におけるPCELLおよびSCELLの無線リンク障害ハンドリングを示す図である。ステップS811で、UE801は、元のeNB802とRRC接続を構築する。一RRC接続だけがあるとき、キャリアアグリゲーション下で、UE801は、PCELLデータパスおよびSCELLデータパスで、eNB802と通信する。RRC接続はPCELLで維持され、UE801は、PCELLで、RLM/RFLを実行する。ステップS821で、UE801は、PCELLで、RFLを検出する。ステップS831で、UE801は別の適切なCELLを見つけて、eNB803により、RCC再構築の工程を実行する。RRC再構築の成功後、ステップS841で、UE801は、eNB803と新しいRRC接続を構築する。UE801は、PCELLデータパスおよびSCELLデータパスで、eNB803と通信する。新しいRRC接続はPCELLで維持される。異なるタイミング/パスロスのため、PCELLおよびSCELLが二個の異なるCCグループに属すると仮定する。よって、UE801は、PCELLおよびSCELLで、RLM/RFLを実行する。ステップS851で、UE801は、SCELLで、RFLを検出する。ステップS861で、UE801は、SCELLで、検出されたRFLに基づいて、以下の動作を実行する。同様に、ステップ862で、eNB803は、SCELLで、検出されたRFLに基づいて、以下の動作を実行する。SCELL RFLハンドリングのUEとeNB動作の詳細は、以下で示される。
【0027】
図9は、SCELLのRFL検出後の可能なUE動作を示す図である。オプション901で、UEは、自立的に、RFL SCELLまたはRFL SCELLと同じCCグループ中の全SCELLのUL伝送を停止して、制御できないUL伝送を回避し、別のユーザーへの干渉を防止する。UEはSCELLに関連する全HARQバッファをフラッシュし、SCELLのSRSの伝送を停止し、SCELLのCQI/PMI/RI報告を停止し、SCELLのUL-SCHでの伝送を停止し、かつ、SCELL上でのPDCCHの監視を停止する。オプション902で、UEは、自立的に、RFL SCELLまたはRFL SCELLと同じCCグループ中の全SCELLを無効化にして、制御できないUL伝送を回避し、別のユーザーへの干渉を防止する。SCELL無効化時、UEは、SCELLに関連するSCELL無効化タイマーを停止し、SCELLに関連する全HARQバッファをフラッシュし、SCELLのSRS伝送を停止し、SCELLのCQI/PMI/RI報告を停止し、SCELLのUL-SCHでの伝送を停止し、かつ、SCELL上のPDCCHの監視を停止する。
【0028】
オプション903で、UEは、問題イベント情報の収集および記録すると共に、SCELL RFL情報を保存する。たとえば、SCELL RFL情報は、失敗のSCELL IDを含むVarRFL-Report 中に保存される。収集された問題イベント情報は、有効な移動度測定、RFL検出のトリガーメカニズム (たとえば、DL監視原因、RACH原因、および、RLC原因)、問題を生じる装置共存状態中の可用な情報、および、可用な地理的な位置情報を含む。さらに、RRC UE情報工程 (任意で、RFL報告)が再度使用されて、記録した情報をネットワークに運ぶ。
【0029】
オプション904で、UEは、別の起動したサービングセルにより、自動的に、eNBに、SCELL RFL通知を通知する。この通知は、検出された問題、たとえば、SCELL RFLの発生、SCELLまたはSCELLのグループの無効化、および、ネットワークにより後に収集される記録された問題イベント情報の有効性を含む。またUEは、eNBにSCELL RFL報告を直接報告する。この通知は、MAC層制御素子 (CE)、PUSCH上のRRCメッセージ、または、PUCCHによるPHY層の指示により実施される。このほか、UEは、PCELL PUCCHにより、SCELL中、特定のCQI値の伝送を維持することにより、疑わしいRFL SCELLが無効化/設定解除されるまで、eNBに検出されたSCELL RFL問題を通知する。一例において、SCELL RFLを示す特定のCQI値は、ゼロに設定される。
【0030】
図10は、SCELL RFL指示および/またはRFL報告の受信時の可能なeNB動作を示す図である。オプション1001で、eNBは、UEから、SCELL RFL 指示を受信する。オプション1001に続き、オプション1011で、eNBは、SCELL RFL報告を回収する。たとえば、eNBは、UE情報要求 “RFL report request = TRUE”をUEに伝送する。それに応じて、UEは、UE情報応答とRFL報告をeNBに伝送する。オプション1002で、eNBは、直接、UEから、SCELL RFL報告を受信する。オプション1003で、MAC起動/無効果制御素子をUEに伝送することにより、eNBは、同じCCグループ中のSCELLのRFL SCELLまたはグループを無効果させる。オプション1004で、RRC接続の再設定メッセージをUEに伝送することにより、eNBは、RFL SCELLまたは同じCCグループ中のSCELLのグループの設定を解除する。SCELLの無効化後、UEは、SCELLに関連するSCELL無効化タイマーを停止し、SCELLに関連する全HARQバッファをフラッシュし、SCELLのSRSの伝送を停止し、SCELLのCQI/PMI/RIの報告を停止し、SCELLのUL-SCH の伝送を停止し、SCELL上のPDCCHの監視を停止する。
【0031】
図11は、本実施形態に係るUE観点からのSCELL上のRLMおよびRFLハンドリングの方法のフローチャートを示す図である。ステップS1101で、ユーザー装置 (UE)は、基地局 (eNB)と、無線リソース制御 (RRC) 接続を構築する。UEは、複数のサービングセルとして設定される複数のコンポーネントキャリア (CC)に対して、キャリアアグリゲーションを実行する。ステップS1102で、UEは、プライマリーサービングセル (PCELL)で、無線リンクモニタリングを実行する。ステップS1103で、UEは、セカンダリーサービングセル (SCELL)で、無線リンクモニタリングを実行する。SCELLは、ひとつのCCまたはひとつ以上のCCの一CCグループに属する。ステップS1104で、SCELLパフォーマンスが所定基準より低い時、UEは動作を実行する。この動作は、SCELLまたは同じCCグループ中の全CCで実行される。
【0032】
図12は、本実施形態に係るeNB観点からのSCELL上のRLMとRFLハンドリングの方法のフローチャートである。ステップS1201で、基地局 (eNB)は、ユーザー装置 (UE)と無線リソース制御 (RRC)接続を構築する。RRC接続は、複数のサービングセルとして設定される複数のコンポーネントキャリア (CC)上で構築される。ステップS1202で、eNBは、UEに、ひとつ以上のCCをCCグループとして設定する。CCグループは、一セカンダリーサービングセル (SCELL)を含む。ステップS1203で、eNBは、UEから通知を受信し、この通知は、検出された無線リンク障害、SCELLの無効化、および、SCELLの収集に用いる問題イベント情報中の少なくともひとつを含む。ステップS1204で、eNBは、受信された通知に基づいて、一動作を実行する。動作、たとえば、無効化/設定解除は、SCELLおよび/または同じCCグループ中の全CCで実行される。
【0033】
本発明では好ましい実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の思想を脱しない範囲内で各種の変形を加えることができる。