【文献】
焼却時にCO2を吸収・削減するラベルが世界で初めて登場 〜サトーが東京理科大発ベンチャーのアクテイブと,[online],サトーホールディングス株式会社,2011年 2月18日,[2014年9月26日検索],URL,http://www.sato.co.jp/topics/2011/02-18-co2-1.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、二酸化炭素を吸収する機能を備えたラベルおよびこれを用いた二酸化炭素削減方法を提供することを課題とする。
【0010】
また本発明は、その焼却時に二酸化炭素を吸収可能なラベルおよびこれを用いた二酸化炭素削減方法を提供することを課題とする。
【0011】
また本発明は、その被貼付け体とともに焼却処理することにより二酸化炭素を吸収可能なラベルおよびこれを用いた二酸化炭素削減方法を提供することを課題とする。
【0012】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、二酸化炭素を吸収する機能を備えた印字用紙の最上層形成材料およびこれを用いた二酸化炭素削減方法を提供することを課題とする。
【0013】
また本発明は、その焼却時に二酸化炭素を吸収可能な印字用紙の最上層形成材料およびこれを用いた二酸化炭素削減方法を提供することを課題とする。
【0014】
また本発明は、その印字用紙および印字用紙の被貼付け体ないし被取付け体とともに焼却処理することにより二酸化炭素を吸収可能な印字用紙の最上層形成材料およびこれを用いた二酸化炭素削減方法を提供することを課題とする。
【0015】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、二酸化炭素を吸収する機能を備えた情報担持媒体およびこれを用いた二酸化炭素削減方法を提供することを課題とする。
【0016】
また本発明は、その焼却時に二酸化炭素を吸収可能な情報担持媒体およびこれを用いた二酸化炭素削減方法を提供することを課題とする。
【0017】
また本発明は、その被貼付け体ないし被取付け体とともに焼却処理することにより二酸化炭素を吸収可能な情報担持媒体およびこれを用いた二酸化炭素削減方法を提供することを課題とする。
【0018】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、二酸化炭素を吸収する機能を備えた固形燃料およびこれを用いた二酸化炭素削減方法を提供することを課題とする。
【0019】
また本発明は、その燃焼時に二酸化炭素を吸収可能な固形燃料およびこれを用いた二酸化炭素削減方法を提供することを課題とする。
【0020】
また本発明は、他の燃料とともに燃焼することにより二酸化炭素を吸収可能な固形燃料およびこれを用いた二酸化炭素削減方法を提供することを課題とする。
【0021】
本発明は以上のような諸問題に鑑みてなされたもので、二酸化炭素を吸収する機能を備えたリストバンド用クリップおよびこれを用いた二酸化炭素削減方法を提供することを課題とする。
【0022】
また本発明は、その焼却時に二酸化炭素を吸収可能なリストバンド用クリップおよびこれを用いた二酸化炭素削減方法を提供することを課題とする。
【0023】
また本発明は、リストバンドなど被取付け体とともに焼却処理することにより二酸化炭素を吸収可能なリストバンド用クリップおよびこれを用いた二酸化炭素削減方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
すなわち本発明は、ラベルやシールの製造工程においてその材料に二酸化炭素吸収剤を添加ないし積層することに着目したもので、第一の発明は、ラベル基材と、このラベル基材の裏面に塗布した粘着剤層と、を有するとともに、上記ラベル基材および上記粘着剤層の少なくともいずれか一方に二酸化炭素吸収剤を添加していることを特徴とするラベルである。
【0025】
第二の発明は、ラベル基材と、このラベル基材の裏面に塗布した粘着剤層と、を有するとともに、上記ラベル基材および上記粘着剤層の少なくともいずれか一方に二酸化炭素吸収剤層を積層していることを特徴とするラベルである。
【0026】
第三の発明は、ラベル基材と、このラベル基材の裏面に塗布した粘着剤層と、この粘着剤層に仮着している台紙と、を有するとともに、上記ラベル基材、上記粘着剤層および上記台紙の少なくともいずれかひとつに二酸化炭素吸収剤を添加していることを特徴とするラベルである。
【0027】
第四の発明は、ラベル基材と、このラベル基材の裏面に塗布した粘着剤層と、を有するとともに、上記ラベル基材および上記粘着剤層の少なくともいずれか一方に二酸化炭素吸収剤を添加しているラベルを準備し、このラベルの焼却処理により上記二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収させることを特徴とするラベルを用いた二酸化炭素削減方法である。
【0028】
第五の発明は、ラベル基材と、このラベル基材の裏面に塗布した粘着剤層と、を有するとともに、上記ラベル基材および上記粘着剤層の少なくともいずれか一方に二酸化炭素吸収剤層を積層しているラベルを準備し、このラベルの焼却処理により上記二酸化炭素吸収剤層の二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収させることを特徴とするラベルを用いた二酸化炭素削減方法である。
【0029】
第六の発明は、ラベル基材と、このラベル基材の裏面に塗布した粘着剤層と、この粘着剤層に仮着している台紙と、を有するとともに、上記ラベル基材、上記粘着剤層および上記台紙の少なくともいずれかひとつに二酸化炭素吸収剤を添加しているラベルを準備し、上記ラベル基材、上記粘着剤層および上記台紙の少なくともいずれかひとつの焼却処理により上記二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収させることを特徴とするラベルを用いた二酸化炭素削減方法である。
【0030】
上記二酸化炭素吸収剤は、これを微粒子化していることができる。
【0031】
上記二酸化炭素吸収剤は、これをナノメートルのレベルにまで微粒子化していることができる。
【0032】
上記二酸化炭素吸収剤は、これを均一に分散させていることができる。
【0033】
本発明は、最上層形成材料の製造工程においてこれに二酸化炭素吸収剤を添加ないし積層することに着目したもので、第七の発明は、印字用紙に印字を行うためのインキないしインキリボンや各種コーティング材料などに代表される印字用紙の最上層形成材料であって、二酸化炭素吸収剤を添加していることを特徴とする印字用紙の最上層形成材料である。
【0034】
第八の発明は、印字用紙に印字を行うためのインキないしインキリボンや各種コーティング材料などに代表される印字用紙の最上層形成材料であって、二酸化炭素吸収剤層を積層していることを特徴とする印字用紙の最上層形成材料である。
【0035】
第九の発明は、印字用紙に印字を行うためのインキないしインキリボンや各種コーティング材料などに代表される印字用紙の最上層形成材料であって、二酸化炭素吸収剤を添加している最上層形成材料を準備し、この最上層形成材料の焼却処理により上記二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収させることを特徴とする印字用紙の最上層形成材料を用いた二酸化炭素削減方法である。
【0036】
第十の発明は、印字用紙に印字を行うためのインキないしインキリボンや各種コーティング材料などに代表される印字用紙の最上層形成材料であって、二酸化炭素吸収剤層を積層している最上層形成材料を準備し、この最上層形成材料の焼却処理により上記二酸化炭素吸収剤層の二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収させることを特徴とする印字用紙の最上層形成材料を用いた二酸化炭素削減方法である。
【0037】
上記二酸化炭素吸収剤は、これを微粒子化していることができる。
【0038】
上記二酸化炭素吸収剤は、これをナノメートルのレベルにまで微粒子化していることができる。
【0039】
上記二酸化炭素吸収剤は、これを均一に分散させていることができる。
【0040】
当該最上層形成材料は、熱転写インキリボンであって、上記二酸化炭素吸収剤は、この熱転写インキリボンの任意の層にこれを添加していることができる。
【0041】
当該最上層形成材料は、熱転写インキリボンであって、この熱転写インキリボンの任意の層に二酸化炭素吸収剤層を積層していることができる。
【0042】
本発明は、各種の構成からなる媒体本体に二酸化炭素吸収剤を添加ないし積層することに着目したもので、第十一の発明は、媒体本体を有し、この媒体本体に情報を担持可能とする情報担持媒体であって、上記媒体本体に二酸化炭素吸収剤を添加していることを特徴とする情報担持媒体である。
【0043】
第十二の発明は、媒体本体を有し、この媒体本体に情報を担持可能とする情報担持媒体であって、上記媒体本体に二酸化炭素吸収剤層を積層していることを特徴とする情報担持媒体である。
【0044】
第十三の発明は、情報を担持可能とする媒体本体に二酸化炭素吸収剤を添加している情報担持媒体を準備し、この情報担持媒体の焼却処理により上記二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収させることを特徴とする情報担持媒体を用いた二酸化炭素削減方法である。
【0045】
第十四の発明は、情報を担持可能とする媒体本体に二酸化炭素吸収剤層を積層している情報担持媒体を準備し、この情報担持媒体の焼却処理により上記二酸化炭素吸収剤層の二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収させることを特徴とする情報担持媒体を用いた二酸化炭素削減方法である。
【0046】
上記二酸化炭素吸収剤は、これを微粒子化していることができる。
【0047】
上記二酸化炭素吸収剤は、これをナノメートルのレベルにまで微粒子化していることができる。
【0048】
上記二酸化炭素吸収剤は、これを均一に分散させていることができる。
【0049】
上記媒体本体は、少なくとも二層構造を有するとともに、少なくともいずれかの層に上記二酸化炭素吸収剤を添加していることができる。
【0050】
上記媒体本体は、少なくとも二層構造を有するとともに、少なくともいずれかの層に二酸化炭素吸収剤層を積層していることができる。
【0051】
前記媒体本体は、サーマル紙であることができる。
【0052】
二酸化炭素吸収剤は、前記サーマル紙の感熱発色剤層に添加されていることができる。
【0053】
二酸化炭素吸収剤は、前記感熱発色剤層を構成する染料、顕色剤あるいは安定材のいずれかに添加されていることができる。
【0054】
本発明は、古紙や各種の廃プラスチック材、ラベルやシール、段ボール箱その他の産業廃棄物に二酸化炭素吸収剤を添加して製造することに着目したもので、第十五の発明は、産業廃棄物を原料として製造される固形燃料であって、上記産業廃棄物に二酸化炭素吸収剤を添加していることを特徴とする固形燃料である。
【0055】
第十六の発明は、産業廃棄物を原料とし、二酸化炭素吸収剤を添加して製造される固形燃料を準備し、この固形燃料の燃焼により上記二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収させることを特徴とする固形燃料を用いた二酸化炭素削減方法である。
【0056】
上記産業廃棄物を選別し、破砕して得たチップを成型する工程において上記二酸化炭素吸収剤を添加していることができる。
【0057】
上記二酸化炭素吸収剤は、これを微粒子化していることができる。
【0058】
上記二酸化炭素吸収剤は、これをナノメートルのレベルにまで微粒子化していることができる。
【0059】
上記二酸化炭素吸収剤は、これを均一に分散させていることができる。
【0060】
上記産業廃棄物は、粘着剤層を有するラベルを含むことができる。
【0061】
本発明は、手首や足首などにリストバンドを巻き留めるためのクリップに二酸化炭素吸収剤を添加することに着目したもので、第十七の発明は、長手方向の両端部に一定の間隔をもって複数のバンド孔およびセット孔が形成されたリストバンドを環状に巻き止めるリストバンド用クリップにおいて、このリストバンド用クリップには二酸化炭素吸収剤を含有していることを特徴とするリストバンド用クリップである。
【0062】
第十八の発明は、上記二酸化炭素吸収剤を添加している上記リストバンド用クリップを準備し、このリストバンド用クリップの焼却処理により上記二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収させることを特徴とするリストバンド用クリップを用いた二酸化炭素削減方法である。
【0063】
上記リストバンド用クリップは、上記リストバンドのバンド孔の間隔に対応した一対のボスが形成されたオスクリップと、上記一対のボスが挿通される一対のボス孔が形成されたメスクリップと、を備え、上記リストバンドの両端部を重ね合わせた状態で上記ボスを前記バンド孔を介して上記ボス孔に嵌め合わせることにより上記リストバンドを環状に巻き止めるとともに、上記ボスとボス孔は、上記オスクリップとメスクリップとを繋ぎ止め可能な形状を有していることができる。
【0064】
上記ボスには、上記オスクリップに突設する軸部と、この軸部の中心軸から放射状に突出して形成される第1の拡径部と、上記ボスの先端に形成され、上記第1の拡径部よりもその径が細い第2の拡径部と、上記第1の拡径部と上記第2の拡径部との間に形成され、上記第1の拡径部および上記第2の拡径部よりも径の細いくびれ部を備えていることできる。
【0065】
上記リストバンド用クリップは、ポリエチレンから形成していることができる。
【0066】
上記二酸化炭素吸収剤は、微粒子化していることができる。
【0067】
上記二酸化炭素吸収剤は、ナノメートルのレベルにまで微粒子化していることができる。
上記二酸化炭素吸収剤は、均一に分散していることができる。
【0068】
前記二酸化炭素吸収剤は、アルミノケイ酸ナトリウムであることが好ましい。
前記アルミノケイ酸ナトリウムは、リン脂質に内包されていることが好ましい。
前記アルミノケイ酸ナトリウムは、リボソームに含有されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0069】
本発明によるラベルおよびこれを用いた二酸化炭素削減方法においては、ラベルないしシールの製造工程においてラベル基材や粘着剤層あるいは台紙などその材料に二酸化炭素吸収剤を添加あるいは積層するようにしたので、ラベル単独の焼却はもちろん、その使用にあたっての各種被貼付け体と一緒に焼却する際に、気流の流れとともに拡散移動する二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤が吸収可能であり、二酸化炭素の削減に寄与することができる。
【0070】
とくに第一の発明のラベルによれば、ラベル基材および粘着剤層の少なくともいずれか一方に二酸化炭素吸収剤を添加しているので、その焼却処理の際に二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収可能である。
【0071】
とくに第二の発明のラベルによれば、ラベル基材および粘着剤層の少なくともいずれか一方に二酸化炭素吸収剤層を積層しているので、その焼却処理の際に二酸化炭素吸収剤層の二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収可能である。
【0072】
とくに第三の発明のラベルによれば、ラベル基材、粘着剤層および台紙の少なくともいずれかひとつに二酸化炭素吸収剤を添加しているので、ラベル基材および粘着剤層の被貼付け体と一緒の焼却処理はもとより、台紙単独での焼却処理の際にも二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収可能である。
【0073】
とくに第四の発明のラベルを用いた二酸化炭素削減方法によれば、第一の発明のラベルの焼却処理により二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤に吸収させるようにしたので、通常行われるラベルの焼却廃棄時に二酸化炭素を低減可能である。
【0074】
とくに第五の発明のラベルを用いた二酸化炭素削減方法によれば、第二の発明のラベルの焼却処理により二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤に吸収させるようにしたので、通常行われるラベルの焼却廃棄時に二酸化炭素を低減可能である。
【0075】
とくに第六の発明のラベルを用いた二酸化炭素削減方法によれば、第三の発明のラベルの焼却処理により二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤に吸収させるようにしたので、通常行われるラベルの焼却廃棄時に二酸化炭素を低減可能である。
【0076】
本発明による印字用紙の最上層形成材料およびこれを用いた二酸化炭素削減方法においては、当該最上層形成材料の製造工程において二酸化炭素吸収剤を添加あるいは積層するようにしたので、最上層形成材料単独の焼却はもちろん、その使用にあたっての各種印字用紙およびその被貼付け体ないし被取付け体と一緒に焼却する際に、気流の流れとともに拡散移動する二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤が吸収可能であり、二酸化炭素の削減に寄与することができる。
【0077】
とくに第七の発明の印字用紙の最上層形成材料によれば、最上層形成材料自体に二酸化炭素吸収剤を添加しているので、その焼却処理の際に二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収可能である。
【0078】
とくに第八の発明の印字用紙の最上層形成材料によれば、最上層形成材料に二酸化炭素吸収剤層を積層しているので、その焼却処理の際に二酸化炭素吸収剤層の二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収可能である。
【0079】
とくに第九の発明の印字用紙の最上層形成材料を用いた二酸化炭素削減方法によれば、
第一の発明の印字用紙の最上層形成材料の焼却処理により二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤に吸収させるようにしたので、通常行われるラベルの焼却廃棄時に二酸化炭素を低減可能である。
【0080】
とくに第十の発明の印字用紙の最上層形成材料を用いた二酸化炭素削減方法によれば、第二の発明の印字用紙の最上層形成材料の焼却処理により二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤に吸収させるようにしたので、通常行われるラベルの焼却廃棄時に二酸化炭素を低減可能である。
【0081】
本発明による情報担持媒体およびこれを用いた二酸化炭素削減方法においては、当該情報担持媒体の媒体本体に二酸化炭素吸収剤を添加あるいは積層するようにしたので、情報担持媒体単独の焼却はもちろん、その使用にあたっての各種の被貼付け体ないし被取付け体と一緒に焼却する際に、気流の流れとともに拡散移動する二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤が吸収可能であり、二酸化炭素の削減に寄与することができる。
【0082】
とくに第十一の発明の情報担持媒体によれば、媒体本体に二酸化炭素吸収剤を添加しているので、その焼却処理の際に二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収可能である。
【0083】
とくに第十二の発明の情報担持媒体によれば、媒体本体に二酸化炭素吸収剤層を積層しているので、その焼却処理の際に二酸化炭素吸収剤層の二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収可能である。
【0084】
とくに第十三の発明の情報担持媒体を用いた二酸化炭素削減方法によれば、第一の発明の情報担持媒体の焼却処理により二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤に吸収させるようにしたので、通常行われるラベルの焼却廃棄時に二酸化炭素を低減可能である。
【0085】
とくに第十四の発明の情報担持媒体を用いた二酸化炭素削減方法によれば、第二の発明の情報担持媒体の焼却処理により二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤に吸収させるようにしたので、通常行われるラベルの焼却廃棄時に二酸化炭素を低減可能である。
【0086】
本発明による固形燃料およびこれを用いた二酸化炭素削減方法においては、産業廃棄物に二酸化炭素吸収剤を添加して固形燃料を製造するようにしたので、この固形燃料が燃焼する際に、気流の流れとともに拡散移動する二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤が吸収可能であり、二酸化炭素の削減に寄与することができる。
【0087】
とくに第十五の発明の固形燃料によれば、固形燃料自体に二酸化炭素吸収剤を添加しているので、その燃焼の際に熱エネルギーの確保とともに、二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収可能である。
【0088】
とくに第十六の発明の固形燃料を用いた二酸化炭素削減方法によれば、第一の発明の固形燃料の燃焼により二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤に吸収させるようにしたので、この固形燃料を用いた通常行われる熱エネルギーの確保とともに二酸化炭素を低減可能である。
【0089】
本発明によるリストバンド用クリップおよびこれを用いた二酸化炭素削減方法においては、当該リストバンド用クリップに二酸化炭素吸収剤を添加するようにしたので、リストバンド用クリップ単独の焼却はもちろん、その使用にあたってリストバンドなど被取付け体と一緒に焼却する際に、気流の流れとともに拡散移動する二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤が吸収可能であり、二酸化炭素の削減に寄与することができる。
【0090】
とくに第十七の発明のリストバンド用クリップによれば、このリストバンド用クリップ自体に二酸化炭素吸収剤を含有しているので、その燃焼処理の際に二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収可能である。
【0091】
とくに第十八の発明のリストバンド用クリップを用いた二酸化炭素削減方法によれば、第一の発明のリストバンド用クリップの焼却処理により二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤に吸収させるようにしたので、通常行われるクリップの焼却廃棄時に二酸化炭素を低減可能である。
【発明を実施するための形態】
【0098】
(第1の実施例〜第4の実施例)
本発明は、ラベル基材や粘着剤層あるいは台紙などの材料に二酸化炭素吸収剤を添加ないし積層するようにしたので、ラベル単独の焼却はもちろん、その使用にあたっての各種被貼付け体と一緒に焼却する際に、二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤が吸収可能であり、二酸化炭素の削減に寄与することができるラベルおよびこれを用いた二酸化炭素削減方法を実現した。
【0099】
つぎに本発明の第1の実施例によるラベル101およびこれを用いた二酸化炭素削減方法を
図1ないし
図3にもとづき説明する。
図1は、ラベル連続体として構成したラベルの平面図、
図2は、
図1のII−II線拡大断面図である。
ラベル101は、帯状の台紙102と、台紙102の上に仮着した複数枚のラベル片103と、を有する。
【0100】
台紙102は、たとえばグラシン紙などであって、その表面に剥離剤層を有してそれぞれのラベル片103を仮着可能である。
【0101】
ラベル片103は、ラベル基材104と、ラベル基材104の裏面に塗布した粘着剤層105と、を有する。
粘着剤層105は、エマルジョンタイプ、ソルベントタイプあるいはホットメルトタイプなど任意のタイプの粘着剤の層であって、ラベル101の製造工程において二酸化炭素吸収剤106を添加されている。
この二酸化炭素吸収剤106としては、たとえば無機系の二酸化炭素吸収剤からこれを構成し、ナノメートル(nm=10−9m)のレベルにまで微粒子化しているとともに、粘着剤層105全体にわたって均一に分散させていることが望ましい。たとえば、粒子径としては少なくとも1μm未満、より好ましくは10〜100nm程度とすることができる。
ナノメートルのレベルまで微粒子化している二酸化炭素吸収剤106としては、たとえばアクテイブ株式会社製のナノベシクル二酸化炭素削減添加剤を用いることができる。
【0102】
こうした構成のラベル101は、必要に応じてラベル片103に印字を行うとともに台紙102からラベル片103を剥離し
て、任意の被貼付け体に貼り付けて所定の表示機能ないしセキュリティ機能などを発揮することになる。
【0103】
図3は、ラベル片をたとえばゴミラベルとして使用した場合を示す説明図であって、
図3(1)は、ゴミ袋にゴミを容れてゴミ袋にラベル片を貼り付けた状態を示す説明図、
図3(2)は、焼却炉においてゴミ袋ごと焼却する状態を示す説明図である。
図3(2)に示すように、焼却炉109における焼却用バーナー110による焼却処理においてゴミ袋107およびゴミ108とともにラベル片103も焼却されることになるが、加熱による燃焼により二酸化炭素(CO2ガス)が発生し、二酸化炭素が二酸化炭素吸収剤106に吸着され、ゴミ袋107、ゴミ108およびラベル片103からそれぞれ発生する二酸化炭素が二酸化炭素吸収剤106の部分に吸収されることになる。
とくに、二酸化炭素吸収剤106がナノレベル(たとえば10〜100nm程度)にまで微粒子化されているとともに均一に分散しているので、二酸化炭素を効率的に吸収可能である。
【0104】
ラベル片103をゴミ袋107用ではなく、一般的な商品の値札や表示ラベルとして商品の包装箱や包装袋(ともに図示せず)などに貼り付けて焼却処分する場合にも、上述と同様に、二酸化炭素吸収剤106による二酸化炭素の効率的な吸収機能を期待することができる。
【0105】
本発明においては、二酸化炭素吸収剤106を任意の層に添加あるいは積層可能である。すなわち、ラベル基材104、粘着剤層105および台紙102の少なくともいずれかひとつに二酸化炭素吸収剤106を添加するか、いずれかの層に積層していれば足りるものである。
たとえば
図4は、本発明の第2の実施例によるラベルの要部拡大断面図であって、ラベル120のラベル片121は、ラベル基材104および粘着剤層105に加えて、その間に二酸化炭素吸収剤層122を積層している。
【0106】
この二酸化炭素吸収剤層122は、二酸化炭素吸収剤106を均一に分散させた状態でフィルム状にこれを形成したものであって、必要であればラベル基材104との間に接着剤層123を設けることもできる。
【0107】
こうした構成のラベル120も、ラベル101(
図1、
図2)と同様に、その焼却処理により二酸化炭素を吸収可能である。
【0108】
図5は、本発明の第3の実施例によるラベルの要部拡大断面図であって、ラベル130においては、前記台紙102に二酸化炭素吸収剤106を添加しているとともに、そのラベル片131のラベル基材104にも二酸化炭素吸収剤106を添加している。
【0109】
こうした構成のラベル130も、ラベル101(
図1、
図2)およびラベル120(
図4)と同様に、その焼却処理により二酸化炭素を吸収可能である。
【0110】
図6は、本発明の第4の実施例によるラベルの要部拡大断面図であって、ラベル140においては、前記台紙102に二酸化炭素吸収剤106を添加しているとともに、そのラベル片141のラベル基材104および粘着剤層105にも二酸化炭素吸収剤106を添加している。
【0111】
こうした構成のラベル140も、ラベル101(
図1、
図2)、ラベル120(
図4)およびラベル130(
図5)と同様に、その焼却処理により二酸化炭素を吸収可能であるとともに、ラベル140の積層部全体に二酸化炭素吸収剤106が添加されているため、ラベル140としてどのような使用方法であっても、二酸化炭素の吸収効果を最大限に発揮することができる。
【0112】
なお本発明は、台紙102、粘着剤層103およびラベル基材104に加えてその他の中間層ないし付加層がラベルの基材あるいは粘着剤層などとして組み込まれている複合的な多層構造のラベルないしシールにもこれを応用可能である。
【0113】
図7は、二酸化炭素吸収剤(アクテイブ株式会社製のナノベシクル二酸化炭素削減添加剤)による二酸化炭素の削減効果を確認するための実験結果を示す二酸化炭素削減量の表である。
実験のサンプルとして、エマルジョン系粘着剤への添加量として、二酸化炭素吸収剤106の濃度が、0.00%、0.01%、0.05%、0.10%のもの四種を準備し、試験方法としてJIS K 7120 プラスチックの熱重量測定方法を採用し、各サンプルの質量を10mgとし、流入ガスを空気とし、流入ガス流量を50mL/minとし、昇温速度と10℃/minとし、温度400℃まで昇温して100分間加熱した。
【0114】
図7の表に示すように、二酸化炭素吸収剤106を添加していないサンプルに比較して、それぞれの残渣量の差から、二酸化炭素吸収剤106を濃度0.01%添加したものは、二酸化炭素の削減量として33.68%、濃度0.05%添加したものは、二酸化炭素の削減量として51.99%、濃度0.10%添加したものは、二酸化炭素の削減量として56.20%を得た。
【0115】
かくして、ラベル101の使用形態ないし条件、その焼却処理の諸条件に応じて二酸化炭素吸収剤106の添加量を調製することにより、所定のレベルで二酸化炭素の削減効果を確保することができる。
【0116】
(第5の実施例〜第7の実施例)
本発明は、印字用紙の最上層形成材料に二酸化炭素吸収剤を添加ないし積層するようにしたので、最上層形成材料単独の焼却はもちろん、その使用にあたっての各種印字用紙ないしその被取付け体(被貼付け体)と一緒に焼却する際に、二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤が吸収可能であり、二酸化炭素の削減に寄与することができる印字用紙の最上層形成材料およびこれを用いた二酸化炭素削減方法を実現した。
【0117】
つぎに本発明の第5の実施例による印字用紙の最上層形成材料およびこれを用いた二酸化炭素削減方法を
図8ないし
図11にもとづき説明する。
図8は、印字用紙の最上層形成材料として構成したインキリボン(熱転写インキリボン1)の斜視図であって、熱転写インキリボン201は、バックコート層202と、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム層203と、アンカーコート層204と、熱転写インキ層(カーボンインキ層205)と、を有し、リボン芯管206にロール状に巻き取って使用形態としている。
【0118】
バックコート層202は、熱転写インキリボン201をサーマルプリンター216(
図10)に装填した状態で、サーマルヘッド226(
図10)に接触する側の面に位置し、サーマルヘッド226に対して滑り機能を有することにより、熱転写インキリボン201の移送を円滑にする。
【0119】
PETフィルム層203は、熱転写インキリボン201の中心基材であって、厚さはたとえば4.5〜6μm程度のリボンフィルムであり、このPETフィルム層203にバックコート層202、アンカーコート層204およびカーボンインキ層205を積層している。
【0120】
アンカーコート層204は、PETフィルム層203とカーボンインキ層205との間に積層してその間の密着性を確保する。
【0121】
カーボンインキ層205は、上記サーマルヘッドからの加熱により、必要な部分が印字用紙(たとえばラベル連続体221のラベル片223、
図10)側に転写するもので、熱転写インキ(カーボンインキ207)および必要な混合剤(図示せず)とともに二酸化炭素吸収剤208を添加している。
二酸化炭素吸収剤208は、熱転写インキリボン201の製造工程(
図9を参照、後述)において添加される。
この二酸化炭素吸収剤208としては、たとえば無機系の二酸化炭素吸収剤からこれを構成し、ナノメートル(nm=10−9m)のレベルにまで微粒子化しているとともに、カーボンインキ層205全体にわたって均一に分散させていることが望ましい。たとえば、粒子径としては少なくとも1μm未満、より好ましくは10〜100nm程度とすることができる。
ナノメートルのレベルまで微粒子化している二酸化炭素吸収剤208としては、たとえばアクテイブ株式会社製のナノベシクル二酸化炭素削減添加剤を用いることができる。
【0122】
図9は、熱転写インキリボン201の製造装置209の概略側面図であって、あらかじめ積層工程においてPETフィルム層203にバックコート層202およびアンカーコート層204を積層した構成のリボンフィルム基材210を準備し、製造装置209は、インキ容器211に上記カーボンインキ207を準備するとともに、カーボンインキ207自体に微粒子化した二酸化炭素吸収剤208を添加している。
グラビア印刷ロール212およびバックアップロール213の間において、二酸化炭素吸収剤208入りのカーボンインキ207をリボンフィルム基材210に所定の厚さ(たとえば、1〜1.5μm)で塗布し、大巻きロール214とし、小卷き装置215を通して、最終製品として、より小径で取扱い可能な形態としたロール状の熱転写インキリボン201を得る。
【0123】
図10は、こうした構成の熱転写インキリボン201を装填して印字を行うためのサーマルプリンター216の概略側面図であって、サーマルプリンター216は、ラベル供給部217と、ラベル印字部218と、台紙転向部219と、台紙巻取り部220と、を有する。
【0124】
ラベル供給部217は、印字用紙(たとえばラベル連続体221)をロール状に保持するとともに、ラベル連続体221をラベル印字部218方向に帯状に繰り出し可能とする。
ラベル連続体221は、帯状の台紙222と、帯状の台紙222上に仮着する複数枚のラベル片223と、を有する。
ラベル片223は、ラベル基材224およびその裏面側の粘着剤層225を有し、粘着剤層225部分が帯状の台紙222に仮着している。
【0125】
ラベル印字部218は、サーマルヘッド226およびプラテンローラー227と、熱転写インキリボン201のリボン供給部228およびリボン巻取り部229と、を有する。
サーマルヘッド226およびプラテンローラー227の間に熱転写インキリボン201およびラベル連続体221を挟持して移送し、サーマルヘッド226からの熱で所定内容の情報(必要に応じてサーマルプリンター216によりその都度印字される内容である可変情報)をラベル連続体221(ラベル片223)上に熱転写して印字する。
【0126】
図10に、剥離されたラベル片223の一部を拡大して示すように、ラベル片223の上層側(最上層)にはカーボンインキ層205のカーボンインキ207および二酸化炭素吸収剤208が転写されて、このカーボンインキ207および二酸化炭素吸収剤208により上記可変情報が表示されている。
【0127】
上述のようにサーマルプリンター216に装填されて使用された熱転写インキリボン201は、ラベル印字部218における印字内容が反転した状態でカーボンインキ層205に保持されたまま、リボン巻取り部229に巻き取られることになり、機密保持のために回収の上、焼却処分することが一般的である。
【0128】
すなわち
図11は、使用済みの熱転写インキリボン1を焼却炉230において焼却する状態を示す説明図である。
図示のように、焼却炉230における焼却用バーナー231による焼却処理において熱転写インキリボン201が焼却される。
ただし、ラベル片223およびこのラベル片223を貼り付けた任意の被貼付け体ないし被取付け体232も、廃棄処理システムによっては、熱転写インキリボン201とともに一緒に焼却されることが多い。
しかして、焼却炉230内における加熱による燃焼により二酸化炭素(CO2ガス)が発生し、二酸化炭素が二酸化炭素吸収剤208に吸着され、熱転写インキリボン201およびラベル片223さらには被貼付け体ないし被取付け体232からそれぞれ発生する二酸化炭素が二酸化炭素吸収剤208の部分に吸収されることになる。
とくに、二酸化炭素吸収剤208がナノレベル(たとえば10〜100nm程度)にまで微粒子化されているとともに均一に分散しているので、二酸化炭素を効率的に吸収可能である。
【0129】
ラベル片223を一般的な商品の値札や表示ラベルとして利用し、被貼付け体ないし被取付け体232としての商品の包装箱や包装袋などに貼り付けて、熱転写インキリボン201とは別に焼却処分する場合にも、上述と同様に、ラベル片223自体において印字によるカーボンインキ層205がその最上層を形成しているので、このカーボンインキ層205に添加されている二酸化炭素吸収剤208による二酸化炭素の効率的な吸収機能を期待することができる。
【0130】
本発明においては、二酸化炭素吸収剤208を任意の層に添加あるいは積層可能である。すなわち、バックコート層202、PETフィルム層203およびアンカーコート層204の少なくともいずれかひとつに二酸化炭素吸収剤208を添加していれば足りるものである。
たとえば、カーボンインキ層205に二酸化炭素吸収剤208が添加されていなくても、上記いずれかの層に二酸化炭素吸収剤208が添加されていれば、熱転写インキリボン201の焼却処理の際に二酸化炭素吸収剤208による二酸化炭素の吸収作用を期待することができる。
【0131】
さらに本発明においては、熱転写インキリボン201の任意の層に二酸化炭素吸収剤層を積層していることができる。
たとえば
図8に仮想線で示すように、PETフィルム層203とアンカーコート層204との間に二酸化炭素吸収剤層233を積層することができる。
この二酸化炭素吸収剤層233は、二酸化炭素吸収剤208を均一に分散させた状態でフィルム状にこれを形成したものであって、同じく熱転写インキリボン201の焼却処理の際に二酸化炭素吸収剤層233の二酸化炭素吸収剤208による二酸化炭素の吸収作用を期待することができる。
【0132】
本発明においては、最上層形成材料は、印字用紙の最上層を形成するものであれば任意の材料を採用することができる。
たとえば
図12は、本発明の第6の実施例による最上層形成材料として各種印刷用のインキを採用した場合の広告用ラベルの平面図、
図13は、
図12のXIII−XIII線断面図であって、広告用ラベル240(印字用紙)は、帯状の台紙241と、台紙241の表面に仮着した複数枚の広告用ラベル片242と、を有する。
【0133】
広告用ラベル片242は、そのラベル基材243の裏面側に粘着剤層244を有するとともに、その表面側に広告用情報245(たとえば「特売」などの固定情報)をあらかじめ印刷してある。
広告用情報は、所定の印刷用インキ246(最上層形成材料)に前記二酸化炭素吸収剤208を添加したものである。
【0134】
図14は、広告用ラベルの製造装置の概略側面図であって、製造装置247は、台紙241および広告用ラベル片242のラベル基材248を帯状に繰り出して印刷部249において広告用情報245を印刷する。
すなわち、印刷部249におけるインキ容器250に印刷用インキ246およびこれに添加する二酸化炭素吸収剤208を準備し、版胴251および圧胴252との間に台紙241およびラベル基材248を通してラベル基材248上に広告用情報245を印刷する。この広告用情報245は、全面印刷または白抜き印刷が好ましい。
なお、印刷方式としては、シルクスクリーン印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷あるいはパッド印刷など任意の方式を採用することができる。
【0135】
ついで、カス取り部253によりラベル基材248の不要部を取り除いてラベル片242を形成するとともに大巻きロール254とし、小卷き装置255を通して、最終製品として、より小径で取扱い可能な形態としたロール状の広告用ラベル240を得る。
【0136】
こうした構成の広告用ラベル240も、熱転写インキリボン201と同様に、その使用後は、たとえば商品などの被貼付け体ないし被取付け体232(
図11)とともに焼却される際に、その広告用情報245内の二酸化炭素吸収剤208が二酸化炭素を吸収することができる。
【0137】
このような広告用ラベル240の場合にも、熱転写インキリボン201(
図8)と同様に、その任意の層に二酸化炭素吸収剤208を添加あるいは積層可能である。
【0138】
図15は、本発明の第7の実施例による最上層形成材料として表面コーティング用のフィルムを採用した場合の識別用ラベルの平面図、
図16は、
図15のXVI−XVI線断面図であって、識別用ラベル260(印字用紙)は、帯状の台紙261と、台紙261の表面に仮着した複数枚の識別用ラベル片262と、を有する。
【0139】
識別用ラベル片262は、そのラベル基材263の裏面側に粘着剤層264を有するとともに、その表面側に、識別用印刷層265および表面コーティング層266を積層している。
識別用印刷層265は、たとえば各種の色に色分けするように識別用ラベル片262の全面にわたって印刷しておくことにより、それぞれの識別用ラベル片262を各種の物品に貼り付けることによってそれぞれの物品を識別することができるようにするものである。
この表面コーティング層266は、二酸化炭素吸収剤208を均一に分散させた状態で透明なフィルム状にこれを形成したものであって、所定の機能たとえば耐候性を有するコーティング剤267とともに二酸化炭素吸収剤208を有している。
【0140】
こうした構成の識別用ラベル260も、必要な被貼付け体ないし被取付け体232に貼り付けられてその表示機能ないし識別機能を有するとともに、使用後にその被貼付け体ないし被取付け体232とともに焼却される際に、表面コーティング層266の二酸化炭素吸収剤208が二酸化炭素を吸収することができる。
【0141】
このような識別用ラベル260の場合にも、熱転写インキリボン201(
図8)および広告用ラベル240(
図12)と同様に、その任意の層に二酸化炭素吸収剤208を添加あるいは積層可能である。
【0142】
図7は、二酸化炭素吸収剤(アクテイブ株式会社製のナノベシクル二酸化炭素削減添加剤)による二酸化炭素の削減効果を確認するための実験結果を示す二酸化炭素削減量の表である。
実験のサンプルとして、エマルジョン系粘着剤への添加量として、二酸化炭素吸収剤8の濃度が、0.00%、0.01%、0.05%、0.10%のもの四種を準備し、試験方法としてJIS K 7120 プラスチックの熱重量測定方法を採用し、各サンプルの質量を10mgとし、流入ガスを空気とし、流入ガス流量を50mL/minとし、昇温速度と10℃/minとし、温度400℃まで昇温して100分間加熱した。
【0143】
図7の表に示すように、二酸化炭素吸収剤208を添加していないサンプルに比較して、それぞれの残渣量の差から、二酸化炭素吸収剤208を濃度0.01%添加したものは、二酸化炭素の削減量として33.68%、濃度0.05%添加したものは、二酸化炭素の削減量として51.99%、濃度0.10%添加したものは、二酸化炭素の削減量として56.20%を得た。
【0144】
かくして、熱転写インキリボン201、広告用ラベル240、識別用ラベル260の使用形態ないし条件、その焼却処理の諸条件に応じて二酸化炭素吸収剤208の添加量を調製することにより、所定のレベルで二酸化炭素の削減効果を確保することができる。
すなわち、本発明による印字用紙の最上層形成材料およびこれを用いた二酸化炭素削減方法においては、各種の印字用紙を用いてその表面に可変情報や固定情報による情報表示、さらには、印字用紙の装飾性や機能性および性能を向上させるためのコーティング処理などに用いる各種の最上層形成材料に二酸化炭素吸収剤を添加あるいは積層するものであって、当該最上層形成材料単独であるいは最上層形成材料とともに印字用紙や各種の被貼付け体ないし被取付け体を焼却する際に二酸化炭素を吸収することができる。
【0145】
(第8の実施例〜第11の実施例)
本発明は、情報担持媒体に二酸化炭素吸収剤を添加ないし積層するようにしたので、情報担持媒体単独の焼却はもちろん、その使用にあたっての各種の被取付け体(被貼付け体)と一緒に焼却する際に、二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤が吸収可能であり、二酸化炭素の削減に寄与することができる情報担持媒体およびこれを用いた二酸化炭素削減方法を実現した。
【0146】
つぎに本発明の第8の実施例による情報担持媒体およびこれを用いた二酸化炭素削減方法を
図17ないし
図19にもとづき説明する。
図17は、情報担持媒体としてのタグの平面図、
図18は、タグを装填して印字を行うためのプリンター(サーマルプリンター)の概略側面図である。
タグ301は、紙材あるいはプラスチック材から帯状に形成した媒体本体303を有し、所定ピッチでの切断予定線304で切断して単葉のタグ片305とする。
【0147】
タグ301は、とくに
図18にその一部断面を拡大して示すように、媒体本体303には二酸化炭素吸収剤306を添加してある。
二酸化炭素吸収剤306は、タグ301の製造工程において、タグ301の材料に応じた任意の方式により添加される。
この二酸化炭素吸収剤306としては、たとえば無機系の二酸化炭素吸収剤からこれを構成し、ナノメートル(nm=10−9m)のレベルにまで微粒子化しているとともに、媒体本体303全体にわたって均一に分散させていることが望ましい。たとえば、粒子径としては少なくとも1μm未満、より好ましくは10〜100nm程度とすることができる。
ナノメートルのレベルまで微粒子化している二酸化炭素吸収剤306としては、たとえばアクテイブ株式会社製のナノベシクル二酸化炭素削減添加剤を用いることができる。
【0148】
図18に示すように、サーマルプリンター302は、タグ供給部307と、タグ印字部308と、タグ切断部309と、を有する。
【0149】
タグ供給部307は、タグ301をロール状に保持するとともに、タグ301をタグ印字部308方向に帯状に繰り出し可能とする。
【0150】
タグ印字部308は、サーマルヘッド310およびプラテンローラー311と、熱転写インキリボン312のリボン供給部313およびリボン巻取り部314と、を有する。
サーマルヘッド310およびプラテンローラー311の間にタグ301を挟持して移送し、サーマルヘッド310からの熱で所定内容の情報(必要に応じてサーマルプリンター302によりその都度印字される内容である可変情報)をタグ301(タグ片305)上に熱転写して印字する。
なお、タグ本体303の表面に感熱発色剤層(図示せず)を積層してサーマル紙として構成し、上記熱転写インキリボン312を用いることなく、サーマルヘッド310からの熱で印字可能とすることもできる。この構成では上記感熱発色剤層に二酸化炭素吸収剤306を添加することもできる。
【0151】
感熱発色剤層に二酸化炭素吸収剤を添加することで、糊無しの基材を作ることができる。
具体的には、感熱発色剤層を構成する、染料、顕色剤あるいは安定材などに二酸化炭素吸収剤を添加することができる。
【0152】
タグ切断部309は、固定刃315および可動刃316を有し、タグ301を所定ピッチで切断予定線304の部分で切断して単葉のタグ片305とする。
【0153】
図18に、切断されたタグ片305の一部を拡大して示すように、タグ片305の表面側には熱転写インキリボン312のカーボンインキが転写されて、このカーボンインキにより上記可変情報317が表示されている。
【0154】
上述のようにサーマルプリンター302に装填されて印字切断されたタグ301(タグ片305)が値札として利用される場合には、たとえば衣料品などの商品(被取付け体、図示せず)に取り付けられて必要な情報表示を行い、商品の購入により商品から取り外されて、必要な情報管理に使用されるか、あるいは破棄され、いずれの場合にも最終的には、焼却処分することが一般的である。
もちろん、タグ301を一般的な入場券などのチケットとして用いる場合には、チケットとしての必要な情報を印字するものである。
【0155】
すなわち
図19は、使用済みのタグ(タグ片)を焼却炉において焼却する状態を示す説明図である。
図示のように、焼却炉318における焼却用バーナー319による焼却処理においてタグ片305が焼却される。
ただし、タグ片305およびこのタグ片305を貼り付けた任意の被貼付け体ないし被取付け体320も、廃棄処理システムによっては、タグ片305とともに一緒に焼却される場合もある。
しかして、焼却炉318内における加熱による燃焼により二酸化炭素(CO2ガス)が発生し、二酸化炭素が二酸化炭素吸収剤306に吸着され、タグ片305さらには被貼付け体ないし被取付け体320からそれぞれ発生する二酸化炭素が二酸化炭素吸収剤306の部分に吸収されることになる。
とくに、二酸化炭素吸収剤306がナノレベル(たとえば10〜100nm程度)にまで微粒子化されているとともに均一に分散しているので、二酸化炭素を効率的に吸収可能である。
【0156】
なお本発明においては、タグ301が複数の層からなる、少なくとも二層構造以上の場合には、二酸化炭素吸収剤306を任意の層に添加あるいは積層可能である。
もちろん
図18の拡大部分に仮想線で示すように、媒体本体303の裏面側に二酸化炭素吸収剤層321を積層することができる。
この二酸化炭素吸収剤層321は、二酸化炭素吸収剤306を均一に分散させた状態でフィルム状にこれを形成したものであって、同じくタグ301(タグ片305)の焼却処理の際に二酸化炭素吸収剤層321の二酸化炭素吸収剤306による二酸化炭素の吸収作用を期待することができる。
【0157】
図20は、本発明の第9の実施例による情報担持媒体としてのリストバンドの平面図、
図21は、
図20のXXI−XXI線拡大断面図であって、リストバンド330は、たとえば病院などにおいて患者を特定するためにその手首あるいは足首などに取り付けるもので、中央表示領域331と、左右一対の第1の取付け領域332および第2の取付け領域333と、を有する。
中央表示領域331には、患者の氏名や治療する科の名称、その他必要な視認可能情報334と、バーコード情報335と、を印字してある。
【0158】
第1の取付け領域332には単一の取付け孔336を形成し、第2の取付け領域333には複数個の選択孔337を形成して、選んだ選択孔337および取付け孔336に取付け具338を取り付けることによって、リストバンド330を所定径のリング状として患者に取り付け可能としている。
【0159】
とくに
図21に示すように、リストバンド330は、ベース基材339と、表面側のコート層340と、患者の皮膚に接触する裏面側のエンボス層341と、中間層(第1の中間層342、第2の中間層343、第3の中間層344)と、を有する。
【0160】
リストバンド330においては、とくにそのベース基材339の製造時に前記二酸化炭素吸収剤306を添加してある。
もちろん、それぞれの層(ベース基材339、コート層340、エンボス層341、第1の中間層342、第2の中間層343、第3の中間層344)の少なくともいずれかひとつの層に二酸化炭素吸収剤306を添加すればよく、また
図21に仮想線で示すように、前記二酸化炭素吸収剤層321(
図18)と同様の二酸化炭素吸収剤層345を積層することもできる。
【0161】
こうした構成のリストバンド330も、その使用後に焼却処分される際に、二酸化炭素吸収剤306に二酸化炭素が効率的に吸収され、二酸化炭素低減に寄与することができる。
【0162】
図22は、本発明の第10の実施例による情報担持媒体としてのリストバンドの平面図、
図23は、リストバンドの側断面図である。
リストバンド350は、上述したリストバンド330(
図20)より簡易的なものであって、その表面側にリストバンド330と同様に、患者の氏名や治療する科の名称その他必要な視認可能情報334と、バーコード情報335と、を印字してある。
【0163】
とくに
図23に示すように、リストバンド350は、ベース基材351と、ベース基材351の裏面側の粘着剤層352と、粘着剤層352の裏面側のエンボス層353と、を有する。
【0164】
リストバンド350においては、とくにそのベース基材351の製造時に前記二酸化炭素吸収剤306を添加してある。
もちろん、それぞれの層(ベース基材351、粘着剤層352、エンボス層353)の少なくともいずれかひとつの層に二酸化炭素吸収剤306を添加すればよく、また
図21に仮想線で示すように、前記二酸化炭素吸収剤層321(
図18)と同様の二酸化炭素吸収剤層354を積層することもできる。
【0165】
エンボス層353には、分離線355を形成してあって、この分離線355で、エンボス層353の端部側(
図23中、左側)の剥離領域356をはがすことにより内側の粘着剤層352を露出させ、この粘着剤層352の部分をリストバンド350の反対側の端部に貼り付け、リストバンド350をリング状にして患者に取り付けることができる。
【0166】
こうした構成のリストバンド350は、簡易型であって、長期にわたり使用するものではなく一日の使用で回収され廃棄物として焼却処分されるが、既述のタグ301(
図17)およびリストバンド330(
図20)と同様に、その焼却時に二酸化炭素吸収剤306に二酸化炭素を効率的に吸収することができる。
【0167】
図24は、本発明の第11の実施例による情報担持媒体としてのポイントカードの説明図であって、
図24(1)は、その表面図、
図24(2)は、その裏面図、
図25は、
図24のXXV−XXV線拡大断面図である。
ポイントカード360は、たとえば小売店などにおいて使用するもので、
図24(1)に示すように、その表面側には、たとえば「ポイントカード」や「○×ストア」などの固定情報361と、ポイント数および使用者の氏名などの可変情報362を表示可能としている。
図24(2)に示すように、その裏面側には、たとえば「購買履歴」などの可変情報363を表示可能としている。
それぞれの情報(固定情報361、可変情報362、可変情報363)の印字方式ないし表示方式については、その使用条件や形態に応じて任意のものを採用可能である。
【0168】
ポイントカード360は、そのベース基材364に前記二酸化炭素吸収剤306を添加している。
もちろん、ポイントカード360が複数の層からなる場合には、それぞれの層の少なくともいずれかひとつの層に二酸化炭素吸収剤306を添加すればよく、また
図25に仮想線で示すように、前記二酸化炭素吸収剤層321(
図18)と同様の二酸化炭素吸収剤層365を積層することもできる。
【0169】
こうした構成のポイントカード360は、複数回にわたって情報を書き換えることができるが、最終的に使用終了した際には、回収され廃棄物として焼却処分されるものであって、既述のタグ301(
図17)、リストバンド330(
図20)およびリストバンド350(
図22)と同様に、その焼却時に二酸化炭素吸収剤306に二酸化炭素を効率的に吸収することができる。
【0170】
図7は、二酸化炭素吸収剤(アクテイブ株式会社製のナノベシクル二酸化炭素削減添加剤)による二酸化炭素の削減効果を確認するための実験結果を示す二酸化炭素削減量の表である。
実験のサンプルとして、エマルジョン系粘着剤への添加量として、二酸化炭素吸収剤6の濃度が、0.00%、0.01%、0.05%、0.10%のもの四種を準備し、試験方法としてJIS K 7120 プラスチックの熱重量測定方法を採用し、各サンプルの質量を10mgとし、流入ガスを空気とし、流入ガス流量を50mL/minとし、昇温速度と10℃/minとし、温度400℃まで昇温して100分間加熱した。
【0171】
図7の表に示すように、二酸化炭素吸収剤306を添加していないサンプルに比較して、それぞれの残渣量の差から、二酸化炭素吸収剤306を濃度0.01%添加したものは、二酸化炭素の削減量として33.68%、濃度0.05%添加したものは、二酸化炭素の削減量として51.99%、濃度0.10%添加したものは、二酸化炭素の削減量として56.20%を得た。
【0172】
かくして、ラベル301の使用形態ないし条件、その焼却処理の諸条件に応じて二酸化炭素吸収剤306の添加量を調製することにより、所定のレベルで二酸化炭素の削減効果を確保することができる。
すなわち、本発明による情報担持媒体およびこれを用いた二酸化炭素削減方法においては、各種の情報担持媒体を用いてその表面に可変情報や固定情報による情報表示、さらには、印字用紙の装飾性や機能性および性能を向上させるためのコーティング処理などを行っている各種の情報担持媒体に二酸化炭素吸収剤を添加あるいは積層するものであって、当該情報担持媒体単独であるいは情報担持媒体とともに各種の被貼付け体ないし被取付け体を焼却する際に二酸化炭素を吸収することができる。
【0173】
(第12の実施例)
本発明は、固形燃料自体に二酸化炭素吸収剤を添加しているので、その燃焼時に二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤が吸収可能であり、二酸化炭素の削減に寄与することができる固形燃料およびこれを用いた二酸化炭素削減方法を実現した。
【0174】
つぎに本発明の第12の実施例による固形燃料401およびこれを用いた二酸化炭素削減方法を
図26ないし
図28にもとづき説明する。
図26は、固形燃料の斜視図、
図27は、固形燃料の製造工程の概略説明図であって、固形燃料401は、可燃性の産業廃棄物を原料として、選別、破砕および成形の各工程を経てこれを製造する。
すなわち、固形燃料401は、たとえば図示のような円柱状に成形したもので、可燃本体402と、この可燃本体402に添加した二酸化炭素吸収剤403と、を有している。
固形燃料401の大きさとしては、たとえば径が6〜60mm、長さが10〜100mm程度であるが、任意の形状および大きさに成形することができる。
【0175】
図27に示すように、産業廃棄物としては、たとえば古紙や廃プラスチック材その他の可燃性の廃棄物がある。そのほか、段ボール箱404、ラベル405やシール406あるいは印字用のインクリボン(熱転写インクリボン407)などが利用されている。なお、産業廃棄物はそのまま用いてもよいし、必要に応じて家庭ゴミなどの一般廃棄物と混ぜて用いてもよい。
【0176】
選別工程においては、回収してきた産業廃棄物から、可燃本体402とすることが困難な金属その他の燃料化不適物、さらに塩化ビニルその他塩素化合物をはじめとして燃焼により毒性を発生する可能性のある製品などを除去する。
【0177】
破砕工程においては、選別した原料から必要な大きさ、たとえば縦横高さがそれぞれ5〜15cm程度のチップ408までに破砕する。
【0178】
成形工程においては、上記チップ408を円柱状に成形圧縮して固形燃料401とする。
なお、この成形に必要であれば、所定量の結着剤を加えることが望ましい。ただし、粘着剤層を有するラベル405やシール406などが産業廃棄物中にあると、結着剤を別途加える必要がないか、その量を低減することができる。
【0179】
さらに本発明においては、この成形工程においてチップ408に二酸化炭素吸収剤403を添加する。
この二酸化炭素吸収剤403としては、たとえば無機系の二酸化炭素吸収剤からこれを構成し、ナノメートル(nm=10−9m)のレベルにまで微粒子化しているとともに、固形燃料401(可燃本体402)全体にわたって均一に分散させていることが望ましい。たとえば、粒子径としては少なくとも1μm未満、より好ましくは10〜100nm程度とすることができる。
ナノメートルのレベルまで微粒子化している二酸化炭素吸収剤403としては、たとえばアクテイブ株式会社製のナノベシクル二酸化炭素削減添加剤を用いることができる。
【0180】
こうした構成の固形燃料401は、製紙会社、セメント会社、化学会社、その他任意の分野においてボイラー用の燃料の一部として活用することができる。
図28は、工場におけるボイラーにおいて固形燃料を燃焼させる状態を示す説明図であって、ボイラー410において固形燃料401が燃焼し、工場409用の熱エネルギーを得ることになるが、加熱による燃焼により二酸化炭素(CO2ガス)が発生し、二酸化炭素が二酸化炭素吸収剤403に吸着され、必要に応じて使用される他の燃料から発生する二酸化炭素も二酸化炭素吸収剤403の部分に吸収されることになる。
とくに、二酸化炭素吸収剤403がナノレベル(たとえば10〜100nm程度)にまで微粒子化されているとともに均一に分散しているので、二酸化炭素を効率的に吸収可能である。
【0181】
固形燃料401を会社や工場409用ではなく、一般的な燃料として使用する場合にも、上述と同様に、二酸化炭素吸収剤403による二酸化炭素の効率的な吸収機能を期待することができる。
【0182】
図7は、二酸化炭素吸収剤403(アクテイブ株式会社製のナノベシクル二酸化炭素削減添加剤)による二酸化炭素の削減効果を確認するための実験結果を示す二酸化炭素削減量の表である。
実験のサンプルとして、エマルジョン系粘着剤への添加量として、二酸化炭素吸収剤3の濃度が、0.00%、0.01%、0.05%、0.10%のもの四種を準備し、試験方法としてJIS K 7120 プラスチックの熱重量測定方法を採用し、各サンプルの質量を10mgとし、流入ガスを空気とし、流入ガス流量を50mL/minとし、昇温速度と10℃/minとし、温度400℃まで昇温して100分間加熱した。
【0183】
図7の表に示すように、二酸化炭素吸収剤403を添加していないサンプルに比較して、それぞれの残渣量の差から、二酸化炭素吸収剤3を濃度0.01%添加したものは、二酸化炭素の削減量として33.68%、濃度0.05%添加したものは、二酸化炭素の削減量として51.99%、濃度0.10%添加したものは、二酸化炭素の削減量として56.20%を得た。
【0184】
かくして、固形燃料401の使用形態ないし条件、その燃焼の諸条件に応じて二酸化炭素吸収剤403の添加量を調製することにより、所定のレベルで二酸化炭素の削減効果を確保することができる。
【0185】
(第13の実施例)
本発明は、リストバンド用クリップに二酸化炭素吸収剤を添加するようにしたので、リストバンド用クリップを焼却する際に、二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤が吸収可能であり、二酸化炭素の削減に寄与することができるリストバンド用クリップおよびこれを用いた二酸化炭素削減方法を実現した。
【0186】
つぎに本発明の第13の実施例によるリストバンド用クリップおよびこれを用いた二酸化炭素削減方法を
図29ないし
図30に基づき説明する。
図29は、リストバンド用クリップの構成を示す平面図、
図30は、リストバンド用クリップの構成を示す側面図である。
【0187】
本発明のリストバンド用クリップ510は、
図29に示すように、主に合成樹脂材から形成されている。このリストバンド用クリップ510は、略8の字形状のオスクリップ部512とメスクリップ部514とがヒンジ516にて左右対称に連結し、一体形成されている。
【0188】
リストバンド用クリップ510のオスクリップ部512の円形状部512a、512bの中央にはボス520がそれぞれ形成され、これらボス520は、後述するリストバンド530に形成されたバンド孔536およびセット孔538の形成間隔と同間隔で形成されている。また、リストバンド用クリップ510のメスクリップ部514の円形状部514a、514bの中央にはボス孔522がそれぞれ形成され、これらボス孔522の形成間隔もバンド孔536の形成間隔と同間隔で形成されている。
【0189】
リストバンド用クリップ510のヒンジ516は、
図30に示すように、薄板状であって、その両縁には屈曲を容易とするための略U字形状の屈曲部516aが設けられている。
【0190】
オスクリップ部512に突出するように形成されたボス520には、オスクリップ部512の中央から突設されている円柱状の軸部523と、その軸部523の周方向に均等な角度で放射状に突出した4つの板状の係止部524を構成する第1の拡径部と、さらにその先端に第1の拡径部よりも径の細い第2の拡径部を構成する逆止部526とが設けられている。第1の拡径部と第2の拡径部との間には、第1の拡径部と第2の拡径部よりも径が細いくびれ部525が設けられている。逆止部526における軸部523の外周からの突出部分は弾性変形によりその径が拡縮可能に構成されている。
【0191】
一方、メスクリップ部514のボス孔522は、オスクリップ部512のボス520の係止部524の形状に対応して逆円錐状(すり鉢状)に形成された保持部527を有している。
【0192】
また、ボス孔522におけるメスクリップ部514下面には、ボス孔522の内周に沿って肉盛してなる抜け止め部528が形成されている。この抜け止め部528には切り欠き529が2箇所形成され、抜け止め部528の内径を拡縮可能としている。
【0193】
このリストバンド用クリップ510をヒンジ516で折り畳むと、オスクリップ部512のボス520がメスクリップ部514のボス孔522に嵌入されて、オスクリップ部512とメスクリップ部514とが繋ぎ止められる。すなわち、ボス孔522の抜け止め部528がボス520の逆止部526で押し広げられつつ、ボス520がボス孔522に挿入される。抜け止め部528は逆止部526が通過するとその弾性復元力で縮径して逆止部526と係止部524との間に嵌まり込む。ボス孔522の保持部527は、ボス520の係止部524の形状に対応していることから、係止部524が保持部527に密着するように保持され、ボス孔522におけるボス520のがたつきが防止される。この状態で、ボス520をボス孔522から抜こうとしても、抜け止め部528が逆止部526に引っ掛かり、ボス520の抜けが防止される。
【0194】
次に、本発明のリストバンド用クリップをリストバンドに適用する使用方法を
図31および
図32に基づいて説明する。
図31は、本発明の第13の実施例によるリストバンド用クリップが適応されるリストバンドの構成を示す斜視図、
図32は、本発明の第13の実施例によるリストバンド用クリップのオスクリップ部のボスをメスクリップ部のボス孔に嵌合してリストバンドを固定した状態を示す側面図である。リストバンド530は、その中央領域に電子プリンタ(図示せず)などで印字可能な表示部532と、この表示部532の両側に延びるバンド部531a、531bとで構成されている。なお、バンド部531a、531bはバンド本体531を構成する。
【0195】
表示部532には、患者の診療科、氏名、年齢、血液型などその個人固有の識別データ534が印字される。
【0196】
短い方のバンド部531aには、リストバンド用クリップ510のセット用の一対のセット孔538が形成されている。このセット孔538は、一定の間隔をもって形成されている。一方、長いバンド部531bには、バンド孔536が一定の間隔をもって複数個形成されている。
【0197】
このように構成されたリストバンド用クリップ510の作用を、リストバンド530を手首や足首などに巻き付ける手順で説明する。
【0198】
まず、リストバンド530の短い方のバンド部531aに形成されたセット孔538にオスクリップ部512のボス520を通し、クリップ510にリストバンド530を取り付ける。
【0199】
次に、リストバンド530を手首に巻き付けた後、長い方のバンド部531bに形成されたバンド孔536を手首の太さに応じて選択し、ボス520を当該選択したバンド孔536に通す。これにより、リストバンド530が仮の位置で手首に巻き付けられる。
【0200】
ついで、ヒンジ516を介してメスクリップ部514をオスクリップ部512側に折り曲げ、オスクリップ部512の上面をメスクリップ部514で閉じ、クリップ510を折り畳む。
【0201】
ボス520の先端に形成された逆止部526がメスクリップ部514の抜け止め部528を押し広げた後、逆止部526が抜け止め部528と係合して、メスクリップ部514がロックされる。このとき、オスクリップ部512とメスクリップ部514との隙間を、バンド部531a、531bそれぞれを重ねた厚みと同等以下となるように設定すれば、クリップ510によりリストバンド530を強固に挟み込むことができ、リストバンド530のぐらつきなどをさらに防止できる。また、くびれ部525がボス520の第1の拡径部および第2の拡径部よりも径を細く形成しているために、リストバンド530のオスクリップ部512とメスクリップ部514との嵌合が確実なものとなる。
【0202】
このようにして、リストバンド530が手首などに環状に巻き付けられる。ボス520とボス孔522とは、ヒンジ516を折り曲げるだけで嵌合させることができるため、片手でもリストバンド530の取り付けができる。一旦抜け止め部528と係合した逆止部526は、二度と抜けることなくボス520をロックするため、たとえば病院などにおいても安全に使用することができる。尚、リストバンド530を取り外す際にはリストバンド530をハサミなどで切断する。
【0203】
このリストバンド用クリップ510は、例えば耐薬品性に優れるポリエチレンからなる合成樹脂材によって構成されている。また、リストバンド用クリップ510の製造工程において、このクリップ510の材料に応じた任意の方式により二酸化炭素吸収剤540が添加されている(
図32を参照)。
二酸化炭素吸収剤540は、燃焼時に発生する二酸化炭素と反応し、空気中に放出せず、灰(炭酸塩)として残留させる材料である。
【0204】
また、この二酸化炭素吸収剤540は、たとえば無機系の二酸化炭素吸収剤540からこれを構成し、ナノメートル(nm=10−9m)のレベルにまで微粒子化しているとともに、クリップ510全体にわたって均一に分散させていることが望ましい。たとえば、粒子径としては少なくとも1μm未満、より好ましくは10〜100nm程度とすることができる。
【0205】
ナノメートルのレベルまで微粒子化している二酸化炭素吸収剤540としては、たとえばアクテイブ株式会社製のナノベシクル二酸化炭素削減添加剤を用いることができる。
【0206】
上述した構成のリストバンド用クリップ510は、例えば、病院において患者を識別するために患者固有の識別情報を印字したリストバンド530を患者の手首に巻き止めるために用いられ、使用後は手首から取り外して焼却処分される。
【0207】
図33は、使用済みリストバンド用クリップを焼却炉において焼却する状態を示した説明図である。
リストバンド用クリップ510は、焼却炉550における焼却用バーナー552による焼却処理において焼却されることになるが、加熱による燃焼により二酸化炭素(CO2ガス)が発生し、二酸化炭素が二酸化炭素吸収剤540に吸着される。リストバンド用クリップ510の燃焼から発生する二酸化炭素が二酸化炭素吸収剤540の部分に吸収される。
とくに、二酸化炭素吸収剤540がナノレベル(たとえば10〜100nm程度)にまで微粒子化されているとともに均一に分散していれば、二酸化炭素吸収剤540の表面積が増大し、二酸化炭素を効率的に吸収可能になる。
【0208】
図34は、二酸化炭素吸収剤540(アクテイブ株式会社製のナノベシクル二酸化炭素削減添加剤)による二酸化炭素の削減効果を確認するための実験結果を示す二酸化炭素削減量の表である。
実験のサンプルとして、二酸化炭素吸収剤540が添加されていない市販のリストバンド用クリップ(株式会社サトー社製、商品名:ソフトクリップ)と、その市販のリストバンド用クリップに二酸化炭素吸収剤540を3.00%添加した本発明のリストバンド用クリップ510の二種類のクリップを準備し、試験方法としてJIS K 7120 プラスチックの熱重量測定方法を採用し、各サンプルの質量を10mgとし、流入ガスを空気とし、流入ガス流量を50mL/minとし、昇温速度と10℃/minとし、温度400℃まで昇温して100分間加熱した。
【0209】
図34の表に示すように、本発明のリストバンド用クリップ510は、市販のリストバンド用クリップと比較して、残渣量の差から二酸化炭素の削減量として64.89%を得ることができた。
【0210】
また、リストバンド用クリップ510の使用形態ないし条件、その焼却処理の諸条件に応じて二酸化炭素吸収剤540の添加量を調製することにより、所定のレベルで二酸化炭素の削減効果を確保することができる。
【0211】
尚、二酸化炭素吸収剤540が添加されたリストバンド用クリップ510は、ポリエチレンと同等の成形性を有するポリプロピレン、ゴム、ウレタンなど、肌に触れても肌を刺激することが少ない合成樹脂材も適用可能である。
【0212】
さらに、リストバンド530において、製造時に二酸化炭素吸収剤540を添加すれば、リストバンド530の焼却処分の際に、二酸化炭素吸収剤540に二酸化炭素が効率的に吸収され、二酸化炭素低減に寄与することができる。
【0213】
本発明の二酸化炭素吸収剤は、二酸化炭素吸収物質と分散助剤を混合して分散処理後、樹脂に添加してなるものである。
【0214】
本発明における二酸化炭素吸収物質とは、二酸化炭素を化学的または物理的に吸着する物質であればいかなるものでもよい。例えば、無機化合物では、金属水酸化物、金属酸化物、アルミノ珪酸塩、チタン酸化合物、リチウムシリケート、シリカゲル、アルミナおよび活性炭が好ましく、有機化合物では、ココナツ中果皮繊維が好ましい。
【0215】
上記金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等を挙げることができる。
上記金属酸化物としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等を挙げることができる。
上記アルミノ珪酸塩としては、非晶質アルミノシリケート、天然ゼオライト、合成ゼオライト等を挙げることができる。
上記チタン酸化合物としては、チタン酸バリウム、オルソチタン酸バリウム等を挙げることができる。
【0216】
本発明における分散助剤とは、無機化合物または有機化合物である二酸化炭素吸収物質を樹脂中に効率良く分散できる物質であればいかなるものでもよい。例えば、脂肪酸金属塩、高分子界面活性剤および両親媒性脂質が好ましい。
【0217】
上記脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、12−ヒドロキシステアリン酸バリウム、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、12−ヒドロキシステアリン酸カリウム等を挙げることができる。
上記高分子界面活性剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリカルボン酸ナトリウム、オレフィン・マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリオキシエチレン型ジェミニ型界面活性剤(POE30−10−ODEs、POE20−10ODEs、POE10−10−ODEs)、リン酸エステル型ジェミニ型界面活性剤(POH−10−ODEs)、ジカルボン酸型ジェミニ型界面活性剤(DC−10−ODEs)等を挙げることができる。
上記両親媒性脂質としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、カルジオピン、卵黄レシチン、水添卵黄レシチン、大豆レシチン、水添大豆レシチン等のグリセロリン脂質、スフィンゴミエリン、セラミドホスホリルエタノールアミン、セラミドホスホリルグリセロール等のスフィンゴリン脂質等を挙げることができる。
【0218】
本発明における分散処理とは、二酸化炭素吸収物質の表面を分散助剤で効率良く覆い、二酸化炭素吸収物質が均一に分散した分散液を調製できる方法であればいかなるものでもよい。
例えば、超臨界流体処理、超音波照射処理および撹拌処理が好ましい。
【0219】
前記分散液の溶媒としては、水または有機溶媒が好ましい。有機溶媒として具体的には、エタノール、ジクロロメタン、ヘキサン等を挙げることができる。
【0220】
前記超臨界流体処理では、二酸化炭素吸収物質と分散助剤との混合物を超臨界流体に暴露することで、二酸化炭素吸収物質の分散性を向上させる。前記超臨界流体としては、超臨界状態の二酸化炭素が好ましい。
本発明における超臨界状態の二酸化炭素とは、臨界温度30.98℃および臨界圧力7.3773MPa以上の超臨界状態にある二酸化炭素を意味する。なお、臨界温度のみ、あるいは臨界圧力のみが臨界条件の二酸化炭素では、超臨界状態とはいわない。
ここで、二酸化炭素吸収物質としての水酸化カルシウムを100重量部、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムを1重量部、分散溶媒としてのイオン交換水20重量部を混合したものに対して、処理圧力20MPa、処理温度25℃、40℃、60℃、120℃および130℃においてそれぞれ15分間の超臨界流体処理を行ったものの透過型電子顕微鏡写真を
図42に示す。
なお、写真中の黒い部分は分散助剤に被覆された二酸化炭素吸収物質、白い部分は分散助剤の水溶液である。
【0221】
また、比較のために、分散処理を行わない場合の分散助剤中の二酸化炭素吸収物質の分散性を示す透過型電子顕微鏡写真を
図41に示した。
【0222】
各処理温度における超臨界流体処理後の混合物を比較すると、超臨界処理条件を満たしていない処理温度25℃で分散処理を行ったものは、二酸化炭素吸収物質の粒子径が1μm以上であり、分散助剤の水溶液中に二酸化炭素吸収物質が分散せずに凝集している(
図42(a)参照)。これに対し、超臨界処理条件を満たしている処理温度40℃で分散処理を行ったものは、二酸化炭素吸収物質の粒子径が100nm程度であり、混合物中の二酸化炭素吸収物質が均一に分散している(
図42(b)参照)。このことから、超臨界流体処理では、二酸化炭素が超臨界状態となる圧力および温度の両方が満たされた状態での処理が必要であるといえる。
また、処理温度60℃および処理温度120℃で分散処理を行ったものについては、二酸化炭素吸収物質の粒子径が共に約10nm程であり、高い分散性が得られている(
図8(c)および(d)参照)。しかし、処理温度が130℃を超えると、二酸化炭素吸収物質の粒子径が約0.8μmとなり、二酸化炭素吸収物質が凝集していることが分かる。(
図42(e)参照)つまり、処理温度は高すぎても悪く、過剰な条件の処理温度では逆に分散効果が抑制されてしまう。
【0223】
前記超音波照射処理では、二酸化炭素吸収物質と分散助剤との混合物に対して、15KHzから60KHzの周波数、75Wから600W程度の強度の超音波を照射することで、二酸化炭素吸収物質の分散性を向上させる。
ここで、二酸化炭素吸収物質としての水酸化カルシウムを100重量部、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムを1重量部、分散溶媒としてのイオン交換水20重量部を混合したものに対して、60℃の条件下で40KHzの周波数、50W、75W、300W、600Wおよび700Wの強度の超音波においてそれぞれ30分間の超音波照射処理を行ったものの透過型電子顕微鏡写真を
図43に示す。
各強度における超音波照射処理後の混合物を比較すると、50Wの強度の超音波照射で分散処理を行ったものは、二酸化炭素吸収物質の粒子径が約1μmであり、処理後の混合物中の二酸化炭素吸収物質が分散せずに凝集している(
図43(a)参照)。これに対し、75Wの強度の超音波照射で分散処理を行ったものは、二酸化炭素吸収物質の粒子径が150nm程度であり、混合物中の二酸化炭素吸収物質が均一に分散している(
図43(b)参照)。
また、300Wおよび600Wの強度での超音波照射では、二酸化炭素吸収物質の粒子径が共に約80nm程であり、高い分散性が得られている(
図43(c)および(d)参照)。しかし、700Wの強度での超音波照射では、二酸化炭素吸収物質の粒子径が約1μmとなり、二酸化炭素吸収物質が凝集していることが分かる(
図43(e)参照)。
このことから、超音波照射処理では、75Wから600Wの強度での超音波照射が好ましく、これよりも弱い強度の超音波照射では、十分な分散効果が得られず、反対にこれよりも強い強度の超音波照射では、分散助剤の機能が失われるため好ましくないといえる。
【0224】
また、前記攪拌処理では、二酸化炭素吸収物質と分散助剤との混合物を1,000rpmないし20,000rpmの回転速度で攪拌することで、二酸化炭素吸収物質の分散性を向上させる。
ここで、二酸化炭素吸収物質としての水酸化カルシウムを100重量部、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムを1重量部、分散溶媒としてのイオン交換水20重量部を混合したものに対して、60℃の条件下で500rpm、1,000rpm、15,000rpm、20,000rpmおよび25,000rpmの回転速度においてそれぞれ30分間の攪拌処理を行ったものの透過型電子顕微鏡写真を
図44に示す。
各回転速度における攪拌処理後の混合物を比較すると、500rpmの回転速度で処理を行ったものは、二酸化炭素吸収物質の粒子径にバラツキが見られ、大きいものでは3μm以上となり、混合物中の二酸化炭素吸収物質が分散せずに凝集している(
図44(a)参照)。これに対し、1,000rpmの回転速度で処理を行ったものは、二酸化炭素吸収物質に粒子径が100nm程度であり、混合物中の二酸化炭素吸収物質が均一に分散している(
図44(b)参照)。
また、15,000rpmおよび20,000rpmの回転速度で処理を行ったものは、二酸化炭素吸収物質の粒子径が共に60nm程であり、高い分散性が得られている(
図44(c)および(d)参照)。しかし、25,000rpmの回転速度で処理を行ったものは、二酸化炭素吸収物質の粒子径が約0.8μmとなり、二酸化炭素吸収物質が凝集していることが分かる(
図44(e)参照)。
このことから、攪拌処理では、1,000rpmから20,000rpmの回転速度での処理が好ましく、これよりも遅い回転速度での処理では、回転速度が足りずに十分な分散が起こらず、二酸化炭素吸収物質が凝集し、反対にこれよりも早い回転速度では、分散助剤が二酸化炭素吸収物質の表面を被覆するのを妨げて、二酸化炭素吸収物質に凝集がおこるため好ましくない。
【0225】
本発明における樹脂は、一般に使用される樹脂であればいかなるものでもよい。例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂が好ましい。
【0226】
上記の成分と分散処理によって二酸化炭素吸収剤を製造するには、次のようにすれば良い。
【0227】
まず、二酸化炭素吸収物質と分散助剤を水または有機溶媒と混合し、超臨界流体処理、超音波照射処理および撹拌処理のいずれかよって二酸化炭素吸収物質分散液を製造する。この時、二酸化炭素吸収物質が均一に分散されると混合物が透明性を有するようになる。
混合比は、二酸化炭素吸収物質100重量部に対して分散助剤は0.1〜10重量部であることが好ましい。さらに、分散助剤が0.1〜5重量部であることが最も好ましい。
なお、二酸化炭素吸収物質に対する分散助剤の添加量がこれよりも少ないと、製造される混合物である二酸化炭素吸収物質分散液中の二酸化炭素吸収物質が十分に分散せず、最終的に混合される樹脂に対する分散性が悪くなり、二酸化炭素の吸収量が低くなるからである。
また、前記添加量がこれよりも多くなると、二酸化炭素吸収物質の十分な濃度の二酸化炭素吸収物質分散液が得られず、樹脂へ添加する二酸化炭素吸収物質分散剤の必要濃度を満たすには、その添加量が多くなり、結局混練りしづらくなるからである。
【0228】
超臨界流体処理を行う場合、上記混合物に対して、二酸化炭素下で30.98℃以上の温度まで加温し、7.37MPa以上の温度で1分ないし12時間行うことが好ましく、60℃ないし120℃の温度で10分から1時間行うことが最も好ましい。
ここで、処理温度60℃、処理圧力20MPaでの超臨界流体処理の暴露時間における粒度分布測定を行い、その結果から各暴露時間の平均粒子径を算出し、その結果から得られた暴露時間と平均粒子径との関係を
図45に示す。
暴露時間が10分よりも短い場合すなわち0.1分、0.5分および1分の場合、分散助剤に対する二酸化炭素吸収物質の分散性が不十分で凝集が起こり、二酸化炭素吸収物質の平均粒子径が約400nmから700nmと大きいことが分かる。また、暴露時間が1時間よりも長い場合すなわち2時間から24時間では、暴露時間1時間の場合とほとんど平均粒子径に違いは認められなかった。
【0229】
また、超音波照射処理を行う場合、前記混合物に対して、40℃ないし80℃の条件下で、15KHzないし60KHzの周波数、75Wないし600W程度の強度の超音波を5分間から60分間照射することが好ましく、40KHzの周波数、300Wの強度の超音波を30分間照射することが最も好ましい。
ここで、60℃の条件下で40KHzの周波数、300Wの強度の超音波での超音波照射処理の照射時間における粒度分布測定を行い、その結果から各照射時間の平均粒子径を算出し、その結果から得られた照射時間と平均粒子径との関係を
図46に示す。
照射時間が5分よりも短い場合すなわち0.1分、0.5分および1分の場合、分散剤に対する二酸化炭素吸収物質の分散性が不十分で凝集が起こり、二酸化炭素吸収物質の平
均粒子径が約400nmから約800nmと大きいことが分かる。また、照射時間が60分よりも長い場合すなわち90分、120分および180分では、照射時間60分の場合とほとんど平均粒子径に違いは認められなかった。
【0230】
また、攪拌処理を行う場合、前記混合物混合物に対して、40℃ないし80℃程度の温度条件下で、1,000rpmないし20,000rpm程度の回転速度で5分間から60分間攪拌することが好ましく、60℃の温度下で、15,000rpmの回転速度で30分間攪拌することが最も好ましい。
ここで、60℃、15000rpmの回転速度での攪拌処理の攪拌時間における粒度分布測定を行い、その結果から各攪拌時間の平均粒子径を算出し、その結果から得られた攪拌時間と平均粒子径との関係を
図47に示す。
攪拌時間が5分よりも短い場合すなわち0.1分、0.5分および1分の場合、分散剤に対する二酸化炭素吸収物質の分散性が不十分で凝集が起こり、二酸化炭素吸収物質の均粒子径が約400nmから約900nmと大きいことが分かる。また、攪拌時間が60分よりも長い場合すなわち90分、120分および180分では、攪拌時間30分の場合とほとんど平均粒子径に違いは認められなかった。
【0231】
また、二酸化炭素吸収物質としての水酸化カルシウム100重量部、イオン交換水20重量部に対して、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムを50、20、10、5、1、0.5、0.1、0.05および0.01重量部で変化させ、処理温度60℃、処理圧力20MPaで超臨界流体処理を15分間行い、その時の分散助剤の配合量と二酸化炭素吸収物質の平均粒子径との関係を
図48に示す。
分散助剤が50重量部では、平均粒子径が1μm以上となり、二酸化炭素吸収物質が凝集している。分散助剤が20重量部以下では、徐々に二酸化炭素吸収物質の平均粒子径が小さくなり、1重量部で最も小さくなっている。
その後、再び平均粒子径が大きくなり、0.01重量部では約500nmと二酸化炭素吸収物質に凝集が起こっている。
このことから、二酸化炭素吸収物質100重量部に対して、分散助剤は、0.1〜5重量部添加されることが好ましいといえる。
【0232】
また、二酸化炭素吸収物質としての水酸化カルシウム100重量部、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム1重量部、分散媒体としてのイオン交換水20重量部に対して、処理温度60℃、処理圧力20MPaで超臨界流体処理を15分間行って得られた二酸化炭素吸収物質分散液を、樹脂としての低密度ポリエチレン100重量部に対して0.001、0.01、0.1、1、10、20、30、40、50、60および70重量部混合して得られた二酸化炭素吸収剤の二酸化炭素吸収物質分散液の配合量と衝撃強さとの関係および二酸化炭素吸収物質分散液の配合量と二酸化炭素排出量との関係を
図49に示す。
なお、
図49において、二酸化炭素吸収物質分散液の配合量が0.001、0.01、0.1、1、10、20および30重量部のとき、引張衝撃強さ試験において破壊しない強度であることを確認した。
衝撃強さは、二酸化炭素吸収物質分散液の配合量が増加するにしたがって強度が低下し、40重量部では、20kJ/m2、50重量部では、12kJ/m2、60重量部では、6kJ/m2、70重量部では、2kJ/m2で破壊した。
反対に、二酸化炭素排出量は、二酸化炭素吸収物質分散液の配合量が増加するしたがって二酸化炭素排出量が減少し良好な値を示している。
このことから、衝撃強さが良好で二酸化炭素排出量の削減量に優れた二酸化炭素吸収剤を得るためには、樹脂100重量部に対して、二酸化炭素吸収物質分散液を0.1〜40重量部添加されることが好ましいといえる。
【0233】
上記の操作で得られた各種二酸化炭素吸収物質分散液を樹脂に対して、毎分100ml程度で噴霧しながら添加するとともにミキサーで15分間程度撹拌して混合物を得る。その後、当該混合物を二軸押出機、単軸押出機、加熱型三本ロール、加熱加圧ニーダー、バンバリーミキサー等を用いて通常の方法で混練りすることにより、本発明の二酸化炭素吸収剤のペレットを得ることができる。
【0234】
以下、製造例を挙げ、さらに詳しく説明する。なお、本発明は、これらの製造例に何ら制約されるものではない。
【0235】
(製造例1)
二酸化炭素吸収物質として水酸化カルシウム100重量部、分散助剤として12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム1重量部、イオン交換水20重量部を60℃に保たれた高圧ステンレス容器に入れて密閉し、圧力が20MPaになるように二酸化炭素を注入して超臨界状態とし、温度と圧力を保ちながら15分間攪拌混合後、二酸化炭素を排出して大気圧に戻す超臨界処理を行い、二酸化炭素吸収物質分散液を得た。次に、低密度ポリエチレン樹脂(株式会社プライムポリマー製、モアテック0168N)100重量部に対し二酸化炭素吸収物質分散液30重量部を毎分100mlで噴霧しながらミキサーで15分間攪拌処理した。これを真空で乾燥させて水分を取り除き、軸内径30mmの2軸押出機で混練りし、ペレット状の二酸化炭素吸収剤を得た。
また、製造例1における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較製造例1とする。
【0236】
(製造例2)
製造例1において、二酸化炭素吸収物質としての水酸化カルシウムを酸化カルシウムに変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収物質分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素吸収剤を得た。
また、製造例2における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較製造例2とする。
【0237】
(製造例3)
製造例1において、二酸化炭素吸収物質としての水酸化カルシウムを非晶質アルミノシリケートに変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収物質分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素吸収剤を得た。
また、製造例3における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較製造例3とする。
【0238】
(製造例4)
製造例1において、二酸化炭素吸収物質としての水酸化カルシウムをチタン酸バリウムに変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収物質分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素吸収剤を得た。
また、製造例4における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較製造例4する。
【0239】
(製造例5)
製造例1において、二酸化炭素吸収物質としての水酸化カルシウムをリチウムシリケートに変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収物質分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素吸収剤を得た。
また、製造例5における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較製造例5とする。
【0240】
(製造例6)
製造例1において、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(脂肪酸金属塩)をホスファチジルコリン(両親媒性脂質)に変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収物質分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素吸収剤を得た。
また、製造例6における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較製造例6とする。
【0241】
(製造例7)
製造例1において、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(脂肪酸金属塩)をオレフィン・マレイン酸共重合体ナトリウム塩(高分子界面活性剤)に変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収物質分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素吸収剤を得た。
また、製造例7における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較製造例7とする。
【0242】
(製造例8)
製造例3において、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(脂肪酸金属塩)をホスファチジルコリン(両親媒性脂質)に変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収物質分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素吸収剤を得た。
また、製造例8における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較製造例8とする。
【0243】
(製造例9)
製造例3において、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(脂肪酸金属塩)をポリアクリル酸ナトリウム(高分子界面活性剤)に変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収物質分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素吸収剤を得た。
また、製造例9における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較製造例9とする。
【0244】
(製造例10)
製造例1において、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(脂肪酸金属塩)をポリオキシエチレン型ジェミニ型界面活性剤であるPOE30−10−ODEs(高分子界面活性剤)に代えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収物質分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素吸収剤を得た。
また、製造例10における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較製造例10とする。
【0245】
(製造例11)
製造例1において、超臨界処理後に得られた二酸化炭素吸収物質分散液をPET樹脂(帝人化成株式会社製、A−PET FR)に添加してペレット状の二酸化炭素吸収剤を得た。
また、製造例11における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較製造例11とする。
【0246】
(製造例12)
製造例1において、超臨界処理後に得られた二酸化炭素吸収物質分散液をナイロン6樹脂(東レ株式会社製、アミランCM1017)に添加してペレット状の二酸化炭素吸収剤を得た。
また、製造例12における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較製造例12とする。
【0247】
(製造例13)
製造例1において、超臨界処理後に得られた二酸化炭素吸収物質分散液をPVC樹脂(サン・アロー化成株式会社製、SE−1100)に添加してペレット状の二酸化炭素吸収剤を得た。
また、製造例13における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較製造例13とする。
【0248】
(製造例14)
製造例1において、超臨界処理後に得られた二酸化炭素吸収物質分散液をPS樹脂(PSジャパン株式会社製、HIPS 475D)に添加してペレット状の二酸化炭素吸収剤を得た。
また、製造例14における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較製造例14とする。
【0249】
(製造例15)
二酸化炭素吸収物質としての水酸化カルシウム100重量部、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム1重量部、イオン交換水20重量部をガラス製容器に入れ、60℃の条件下において、超音波ホモジナイザーにて40KHzの周波数、出力300Wの超音波を15分間照射する超音波照射処理を行い、二酸化炭素吸収物質分散液を得た。次に、低密度ポリエチレン樹脂100重量部に対し、二酸化炭素吸収物質分散液30重量部を毎分100mlで噴霧しながらミキサーで15分間攪拌処理した。これを真空で乾燥させて水分を取り除き、軸内径30mmの2軸押出機で混練りし、ペレット状の二酸化炭素吸収剤を得た。
また、製造例15における前記超音波照射処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較製造例15とする。なお、比較製造例15は、比較製造例1と同一のものである。
【0250】
(製造例16)
製造例15において、二酸化炭素吸収物質として非晶質アルミノシリケート、分散助剤としてホスファチジルコリン(両親媒性脂質)を混合した混合物に対して超音波照射処理を行い、得られた二酸化炭素吸収物質分散液を用いて、製造例15と同様の製造方法でペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂を得た。
また、製造例16における前記超音波照射処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較製造例16とする。なお、比較製造例16は、比較製造例8と同一のものである。
【0251】
(製造例17)
二酸化炭素吸収物質としての水酸化カルシウム100重量部、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム1重量部、イオン交換水20重量部をステンレス容器に入れ、60℃の条件下において、攪拌機(エム・テクニック株式会社製、CLEARMIX CLM−0.8S)にセットし回転数10,000rpmで30分間攪拌する攪拌処理を行い、二酸化炭素吸収物質分散液を得た。次に、低密度ポリエチレン樹脂100重量部に対し、二酸化炭素吸収物質分散液30重量部を毎分100mlで噴霧しながらミキサーで15分間攪拌処理した。これを真空で乾燥させて水分を取り除き、軸内径30mmの2軸押出機で混練りし、ペレット状の二酸化炭素吸収剤を得た。
また、製造例17における前記攪拌処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較製造例17とする。なお、比較製造例17は、比較製造例1と同一である。
【0252】
(製造例18)
製造例17において、二酸化炭素吸収物質として非晶質アルミノシリケート、分散助剤としてホスファチジルコリン(両親媒性脂質)を混合した混合物に対して攪拌処理を行い、得られた二酸化炭素吸収物質分散液を用いて、製造例17と同様の製造方法でペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂を得た。
また、製造例18における攪拌処理工程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較製造例18とする。なお、比較製造例18は、比較製造例8と同一である。
【0253】
(製造例19)
有機化合物の二酸化炭素吸収物質としてのココナツ中果皮繊維100重量部、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム1重量部、イオン交換水20重量部をステンレス容器に入れ、60℃の条件下において、攪拌機(エム・テクニック株式会社製、CLEARMIX CLM−0.8S)にセットし回転数10,000rpmで30分間攪拌する攪拌処理を行い、二酸化炭素吸収物質分散液を得た。次に、低密度ポリエチレン樹脂(株式会社プライムポリマー製、モアテック0168N)100重量部に対し、二酸化炭素吸収物質分散液30重量部を毎分100mlで噴霧しながらミキサーで15分間攪拌処理した。これを真空で乾燥させて水分を取り除き、軸内径30mmの2軸押出機で混練りし、ペレット状の二酸化炭素吸収剤を得た。
また、製造例19における前記撹拌処理行程を行わずに全行程を行って得た樹脂組成物を比較製造例19とする。
【0254】
上記製造例1ないし製造例19の二酸化炭素吸収剤および比較製造例1ないし比較製造例19の樹脂組成物に対して、引張衝撃強さ測定(JISK7160に記載の方法)、引張降伏応力測定(JISK7161に記載の方法)、曲げ弾性率測定(JISK7171に記載の方法)および二酸化炭素排出量測定(JISK7217に記載の方法)による評価を行った。以下に詳しい評価方法を説明する。
【0255】
評価方法
(衝撃強さ測定)
測定には、デジタル衝撃試験機DR−IB試験機(株式会社東洋精機製作所製)を用いて行った。
試験片は、JIS規格の材料規格に従って、ペレット状の製造例1ないし製造例19の二酸化炭素吸収剤および比較製造例1ないし比較製造例19樹脂組成物を射出成形により長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmのノッチ付きの板状に直接型成形もしくは、一旦、圧縮成型または射出成形によって板材を成形後、切削加工により前記寸法の試験片を作製する。測定は、試験片の一端を台座に固定されたつかみ具、他端を移動可能なクロスヘッド支持台にそれぞれ固定し、任意の重さのストライカを衝撃速度3.46m/sで前記クロスヘッド支持台に衝突させて行う。なお、測定は各10回ずつ行った。
【0256】
(引張降伏応力測定)
測定には、ストログラフHT試験機(株式会社東洋精機製作所製)を用いて行った。
試験片は、JIS規格の材料規格に従って、ペレット状の製造例1ないし製造例19の二酸化炭素吸収剤および比較製造例1ないし比較製造例19の樹脂組成物を射出成形により20mm×5mmの平行部を有する、長さ100mm、幅25mm、厚さ4mmのダンベル状の板状試験片に直接型成形もしくは、一旦、圧縮成型または射出成形によって板材を成型後、切削加工により前記寸法の試験片を作製する。測定は、試験片の両端を固定し、試験片の長さ方向に一定の引張加重を加えて、各瞬間における応力とその応力に対応するひずみを測定し、応力−ひずみ曲線図から降伏点における降伏応力を求める。なお、測定は各5回ずつ行った。
【0257】
(曲げ弾性率測定)
測定には、ベントグラフ−2試験機(株式会社東洋精機製作所製)を用いて行った。
試験片は、JIS規格の材料規格に従って、ペレット状の製造例1ないし製造例19の二酸化炭素吸収剤および比較製造例1ないし比較製造例19の樹脂組成物を射出成形により長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの板状試験片に直接型成形もしくは、一旦、圧縮成型または射出成形によって板材を成形後、切削加工により前記寸法の試験片を作製する。測定は、試験片の両端を64mmの支点間隔で自由支持し、支点間の中央に加圧くさびにより曲げ加重(試験応力)を加えて、破壊応力およびたわみを測定する。なお、測定は各5回ずつ行った。
【0258】
(二酸化炭素排出量測定)
測定には、プラスチック燃焼試験機(株式会社スギヤマゲン製)を用いて行った。
試料は、重量0.1gの試験片の製造例1ないし製造例19の二酸化炭素吸収剤および比較製造例1ないし比較製造例19の樹脂組成物を用いた。測定は、0.1gの試料を、ガス供給量0.5L/min、設定温度750℃の条件下で10分間燃焼させ、その際に発生した二酸化炭素の総排出量を測定する。なお、測定は各3回ずつ行った。
【0259】
図35には、製造例の二酸化炭素排出量、引張降伏応力、曲げ弾性率および引張衝撃強さの評価結果、
図36には、比較製造例の二酸化炭素排出量、引張降伏応力、曲げ弾性率および引張衝撃強さの評価結果をそれぞれ示す。なお、各評価結果は、測定回数に対する平均の値を記載する。
【0260】
いずれの二酸化炭素吸収物質、分散助剤および樹脂の組み合わせにおいても、二酸化炭素吸収物質と分散助剤からなる混合物に対して分散処理を行った各製造例が、分散処理を行わなかった各比較製造例と比較して二酸化炭素排出量が大幅に減少していることが分かる。
また、各製造例では、引張降伏応力、曲げ弾性率および引張衝撃強さの機械的性質においても各比較製造例と比べて良好な値を示した。
さらに、各製造例に用いた樹脂単体の機械的強度を100%として各製造例の機械的強度を比較すると、多くは90〜70%であり、十分な機械的強度を備えていることを確認した。中には、機械的強度が劣るものもあるが、当該負荷が作用しない用途に用いるとよい。
【0261】
本発明の二酸化炭素排出量削減性能をさらに詳しく説明するために、二酸化炭素吸収物質の種類、分散助剤の種類、樹脂の種類および分散処理方法の種類における二酸化炭素排出量の比較を以下に考察する。
【0262】
(二酸化炭素吸収物質の種類における二酸化炭素排出量の比較)
二酸化炭素吸収物質を水酸化カルシウム(製造例1および比較製造例1)、酸化カルシウム(製造例2および比較製造例2)、非晶質アルミノシリケート(製造例3および比較製造例3)、チタン酸バリウム(製造例4および比較製造例4)およびリチウムシリケート(製造例5および比較製造例5)とした場合の二酸化炭素排出量の削減量を比較する。
なお、このとき分散助剤には、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、樹脂には低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)を用いた。
図37に示すように、いずれの二酸化炭素吸収物質においても大幅な二酸化炭素排出量の削減が認められ、水酸化カルシウムの場合51.6%、酸化カルシウムの場合52.5%、非晶質アルミノシリケートの場合56.4%、チタン酸バリウムの場合55.0%およびリチウムシリケートの場合53.4%の排出量削減を実現している。
特に、アルミノケイ酸塩の一種である非晶質アルミノシリケートにおいては、56.4%と最も良好な結果を示した。
【0263】
(分散助剤の種類における二酸化炭素排出量の比較)
また、二酸化炭素吸収物質を水酸化カルシウムとし、分散助剤を12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(製造例1および比較製造例1)、ホスファチジルコリン(製造例6および比較製造例6)、オレフィン・マレイン酸共重合体ナトリウム塩(製造例7および比較製造例7)およびPOE30−10−ODEs(製造例10および比較製造例10)とした場合の二酸化炭素排出量の削減量を比較する。
図38(a)に示すように、いずれの分散助剤においても大幅な二酸化炭素排出量の削減が認められ、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムの場合51.6%、ホスファチジルコリンの場合52.5%、オレフィン・マレイン酸共重合体ナトリウム塩の場合51.8%およびPOE30−10−ODEsの場合53.8%の排出量削減を実現している。
特に、高分子界面活性剤であるPOE30−10−ODEsにおいては、53.8%と最も良好な結果を示した。
【0264】
さらに、前記二酸化炭素吸収物質において最も良好な削減量を示した、非晶質アルミノシリケートを二酸化炭素吸収物質として、分散助剤を12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(製造例3および比較製造例3)、ホスファチジルコリン(製造例8および比較製造例8)およびポリアクリル酸ナトリウム(製造例9および比較製造例9)とした場合の二酸化炭素排出量の削減量を比較する。
図38(b)に示すように、二酸化炭素吸収物質を水酸化カルシウムとした場合よりも全体として良好な値を示し、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムの場合56.4%、ホスファチジルコリンの場合51.5%およびポリアクリル酸ナトリウムの場合55.0%の排出量削減を実現している。
特に、脂肪酸金属塩である12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムにおいて56.4%と最も良好な結果を示した。
【0265】
この評価結果では、わずかながらに二酸化炭素吸収物質と分散助剤とに効果的な組み合わせが認められるものの、いずれの組み合わせにおいても組み合わせによる二酸化炭素排出量の削減量に大きな差がないことを示している。
【0266】
(樹脂の種類における二酸化炭素排出量の比較)
また、二酸化炭素吸収物質を水酸化カルシウム、分散助剤を12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムとした混合物を低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)(製造例1および比較製造例1)、PET樹脂(製造例11および比較製造例11)、ナイロン6樹脂(製造例12および比較製造例12)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVC)(製造例13および比較製造例13)およびポリスチレン樹脂(PS)(製造例14および比較製造例14)とした場合の二酸化炭素排出量の削減量を比較する。
図39に示すように、樹脂による効果の違いはほとんどなく、いずれの樹脂においても大幅な二酸化炭素排出量の削減が認められ、LLDPEの場合51.6%、PETの場合42.0%、ナイロン6の場合52.0%、PVCの場合51.3%およびPSの場合52.5%の排出量削減を実現している。
【0267】
(分散処理方法の種類における二酸化炭素排出量の比較)
また、二酸化炭素吸収物質を水酸化カルシウム、分散剤を12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムとした混合物に対し、分散処理を行わないもの(比較製造例1)、超臨界流体処理を行ったもの(製造例1)、超音波照射処理を行ったもの(製造例15)、攪拌処理を行ったもの(製造例17)について二酸化炭素排出量の削減量を比較する。
図40(a)に示すように、いずれの分散処理方法においても、分散処理を行わないものと比較して二酸化炭素排出量が半分程度にまで減少しており、超臨界流体処理の場合51.6%、著音波照射処理で場合51.6%、攪拌処理の場合51.9%の排出量削減を実現している。
【0268】
さらに、二酸化炭素吸収物質を非晶質アルミノシリケート、分散助剤をホスファチジルコリンとした混合物に対し、分散処理を行わないもの(比較製造例8)、超臨界流体処理を行ったもの(製造例8)、超音波照射処理を行ったもの(製造例16)、攪拌処理を行ったもの(製造例18)について二酸化炭素排出量の削減量を比較する。
図40(b)に示すように、いずれの分散処理方法においても、二酸化炭素吸収物質を水酸化カルシウム、分散剤を12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムとした場合と同様に、分散処理を行わないものと比較して二酸化炭素排出量が半分程度にまで減少しており、超臨界流体処理の場合51.5%、超音波照射処理の場合53.5%、攪拌処理の場合51.5%の排出量削減を実現している。
【0269】
このことから、分散処理方法の種類に関係なく、二酸化炭素吸収物質と分散助剤との混合物に対して分散処理を行い、樹脂に対する二酸化炭素吸収物質の分散性を高めることにより、得られた二酸化炭素吸収剤の二酸化炭素排出量が50%程度削減されるという極めて有用な評価結果が得られた。
【0270】
このような、本発明の二酸化炭素吸収剤によれば、樹脂本来の特長も有していることから、既存の樹脂製品の二酸化炭素吸収剤への転換が容易であり、地球温暖化抑制に対する早期効果を実現することができる。
【0271】
なお、本発明の二酸化炭素吸収剤は、前記形態のものに限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
【0272】
本発明の二酸化炭素吸収剤によれば、二酸化炭素吸収物質と分散助剤との混合物を分散処理後、樹脂に添加することにより、樹脂との相溶性が悪い二酸化炭素吸収物質を凝集させずに樹脂に対して分散させることができ、高い二酸化炭素の吸収効果を得ることが可能となる。
また、分散性を高くし、樹脂と接触する二酸化炭素吸収物質の表面積を増大できることで、少ない量で高い二酸化炭素の吸収効果が得られるため、樹脂に対する二酸化炭素吸収物質の添加量の削減が可能となり、樹脂本来の軽量、成形の容易性などの特性を損なうことが無く、用途展開を大幅に広げることが可能となる。
さらに、添加する二酸化炭素吸収物質を用途に応じて適宜選択することにより、軽量で耐衝撃性の高い二酸化炭素吸収剤の製造が可能となる。
【0273】
本発明に用いる二酸化炭素吸収剤は、アルミノケイ酸ナトリウムであることが好ましい。
当該アルミノケイ酸ナトリウムは、リン脂質に内包されていることが好ましい。
当該アルミノケイ酸ナトリウムは、リボソームに含有されていることが好ましい。
以下、本発明に特に適した二酸化炭素吸収剤の製造例について説明する。
二酸化炭素吸収剤の調整
アルミン酸ナトリウム6g(和光純薬工業社製、和光特級)とケイ酸ナトリウム30g(和光純薬工業社製、和光特級)を水130gに溶解し、30℃で60分間撹拌した。撹拌後、遠心分離によって非晶質のアルミノケイ酸ナトリウムを製造した。
NVC(リポソーム)の調整
前記の非晶質のアルミノケイ酸ナトリウム(二酸化炭素吸収剤)を含有したリポソームを下記超臨界逆相蒸発法公報類※に開示されている超臨界逆相蒸発方法および装置により調製した。
(※再表02/032564号公報、特開2003−119120号公報、特開2005−298407号公報および特開2008−063284号公報)
具体的には、平均粒子径10〜500nmのアルミノケイ酸ナトリウムを0.15〜0.35重量部と、リン脂質としてのホスファチジルコリンを5重量部、イオン交換水100重量部を60℃に保たれた高圧ステンレス容器に入れて密閉し、圧力が20MPaになるように二酸化炭素を注入して超臨界状態とし、温度と圧力を保ちながら15分間攪拌混合後、二酸化炭素を排出して大気圧に戻す超臨界処理を行い、リン脂質にアルミノケイ酸ナトリウムが内包されたリポソームを含有する溶液を得た。
ここで、リン脂質としては前記ホスファチジルコリンの他に、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、カルジオピン、卵黄レシチン、水添卵黄レシチン、大豆レシチン、水添大豆レシチン等のグリセロリン脂質、スフィンゴミエリン、セラミドホスホリルエタノールアミン、セラミドホスホリルグリセロール等のスフィンゴリン脂質を挙げることができる。
また、超臨界状態の二酸化炭素とは、臨界温度(30.98℃)および臨界圧力(7.3773±0.0030MPa)以上の超臨界状態にある二酸化炭素を意味し、臨界点以
上の温度もしくは圧力条件下の二酸化炭素とは、臨界温度だけ、あるいは臨界圧力だけが
臨界条件を超えた条件下の二酸化炭素を意味する(ただし、もう片方が臨界条件をこえていないものである)。
このような二酸化炭素吸収剤は、粘着剤や樹脂への分散性に優れ、本発明に特に適している。
なお、本願の中で、平均粒子径とあるのは体積平均粒子径を意味する。
【0274】
なお、本発明の態様として、以下のものを包含し得る。
1.ラベル基材と、
このラベル基材の裏面に塗布した粘着剤層と、を有するとともに、
前記ラベル基材および前記粘着剤層の少なくともいずれか一方に二酸化炭素吸収剤を添加していることを特徴とするラベル。
2.ラベル基材と、
このラベル基材の裏面に塗布した粘着剤層と、を有するとともに、
前記ラベル基材および前記粘着剤層の少なくともいずれか一方に二酸化炭素吸収剤層を積層していることを特徴とするラベル。
3.ラベル基材と、
このラベル基材の裏面に塗布した粘着剤層と、
この粘着剤層に仮着している台紙と、を有するとともに、
前記ラベル基材、前記粘着剤層および前記台紙の少なくともいずれかひとつに二酸化炭素吸収剤を添加していることを特徴とするラベル。
4.前記二酸化炭素吸収剤は、これを微粒子化していることを特徴とする1ないし3のいずれかに記載のラベル。
5.前記二酸化炭素吸収剤は、これをナノメートルのレベルにまで微粒子化していることを特徴とする4に記載のラベル。
6.前記二酸化炭素吸収剤は、これを均一に分散させていることを特徴とする1ないし3のいずれかに記載のラベル。
7.ラベル基材と、
このラベル基材の裏面に塗布した粘着剤層と、を有するとともに、前記ラベル基材および前記粘着剤層の少なくともいずれか一方に二酸化炭素吸収剤を添加しているラベルを準備し、
このラベルの焼却処理により前記二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収させることを特徴とするラベルを用いた二酸化炭素削減方法。
8.ラベル基材と、
このラベル基材の裏面に塗布した粘着剤層と、を有するとともに、前記ラベル基材および前記粘着剤層の少なくともいずれか一方に二酸化炭素吸収剤層を積層しているラベルを準備し、
このラベルの焼却処理により前記二酸化炭素吸収剤層の二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収させることを特徴とするラベルを用いた二酸化炭素削減方法。
9.ラベル基材と、
このラベル基材の裏面に塗布した粘着剤層と、
この粘着剤層に仮着している台紙と、を有するとともに、前記ラベル基材、前記粘着剤層および前記台紙の少なくともいずれかひとつに二酸化炭素吸収剤を添加しているラベルを準備し、
前記ラベル基材、前記粘着剤層および前記台紙の少なくともいずれかひとつの焼却処理により前記二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収させることを特徴とするラベルを用いた二酸化炭素削減方法。
10.印字用紙に印字を行うための印字用紙の最上層形成材料であって、
二酸化炭素吸収剤を添加していることを特徴とする印字用紙の最上層形成材料。
11.印字用紙に印字を行うための印字用紙の最上層形成材料であって、
二酸化炭素吸収剤の層を含むことを特徴とする印字用紙の最上層形成材料。
12.前記二酸化炭素吸収剤は、微粒子化されていることを特徴とする1または2記載の印字用紙の最上層形成材料。
13.前記二酸化炭素吸収剤は、ナノメートルのレベルにまで微粒子化されていることを特徴とする3記載の印字用紙の最上層形成材料。
14.前記二酸化炭素吸収剤は、均一に分散されていることを特徴とする1または2記載の印字用紙の最上層形成材料。
15.当該最上層形成材料は、熱転写インキリボンであって、
前記二酸化炭素吸収剤は、この熱転写インキリボンの任意の層に添加されていることを特徴とする1記載の印字用紙の最上層形成材料。
16.当該最上層形成材料は、熱転写インキリボンであって、
この熱転写インキリボンの任意の層に二酸化炭素吸収剤の層が積層されていることを特徴とする2記載の印字用紙の最上層形成材料。
17.印字用紙に印字を行うための印字用紙の最上層形成材料であって、二酸化炭素吸収剤を添加している最上層形成材料を準備し、
この最上層形成材料の焼却処理により前記二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収させることを特徴とする印字用紙の最上層形成材料を用いた二酸化炭素削減方法。
18.印字用紙に印字を行うための印字用紙の最上層形成材料であって、二酸化炭素吸収剤の層を含む最上層形成材料を準備し、
この最上層形成材料の焼却処理により前記二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収させることを特徴とする印字用紙の最上層形成材料を用いた二酸化炭素削減方法。
19.媒体本体を有し、
この媒体本体に情報を担持可能である情報担持媒体であって、
前記媒体本体に二酸化炭素吸収剤を添加していることを特徴とする情報担持媒体。
20.媒体本体を有し、
この媒体本体に情報を担持可能である情報担持媒体であって、
前記媒体本体に二酸化炭素吸収剤の層を有することを特徴とする情報担持媒体。
21.前記二酸化炭素吸収剤は、微粒子化されていることを特徴とする1または2記載の情報担持媒体。
22.前記二酸化炭素吸収剤は、ナノメートルのレベルにまで微粒子化されていることを特徴とする3記載の情報担持媒体。
23.前記二酸化炭素吸収剤は、均一に分散されていることを特徴とする1または2記載の情報担持媒体。
24.前記媒体本体は、少なくとも二層構造を有するとともに、
少なくともいずれかの層に前記二酸化炭素吸収剤を添加していることを特徴とする1記載の情報担持媒体。
25.前記媒体本体は、少なくとも二層構造を有するとともに、
少なくともいずれかの層に二酸化炭素吸収剤の層を積層していることを特徴とする2記載の情報担持媒体。
26.前記媒体本体は、サーマル紙であることを特徴とする1または2記載の情報担持媒体。
27.二酸化炭素吸収剤は、前記サーマル紙の感熱発色剤層に添加されていることを特徴とする26記載の情報担持媒体。
28.二酸化炭素吸収剤は、前記感熱発色剤層を構成する染料、顕色剤あるいは安定材のいずれかに添加されていることを特徴とする27記載の情報担持媒体。
29.情報を担持可能とする媒体本体に二酸化炭素吸収剤を添加している情報担持媒体を準備し、
この情報担持媒体の焼却処理により前記二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収させることを特徴とする情報担持媒体を用いた二酸化炭素削減方法。
30.情報を担持可能とする媒体本体に二酸化炭素吸収剤の層を積層している情報担持媒体を準備し、
この情報担持媒体の焼却処理により前記二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収させることを特徴とする情報担持媒体を用いた二酸化炭素削減方法。
31.長手方向の両端部に一定の間隔をもって複数のバンド孔が形成されたリストバンドを環状に巻き留めるリストバンド用クリップにおいて、
このリストバンド用クリップには二酸化炭素吸収剤を含有していることを特徴とするリストバンド用クリップ。
32.前記リストバンド用クリップは、前記リストバンドのバンド孔の間隔に対応した一対のボスが形成されたオスクリップと、前記一対のボスが挿通される一対のボス孔が形成されたメスクリップと、を備え、前記リストバンドの両端部を重ね合わせた状態で前記ボスを前記バンド孔を介して前記ボス孔に嵌め合わせることにより前記リストバンドを環状に巻き留めるとともに、
前記ボスとボス孔は、前記オスクリップとメスクリップとを繋ぎ止め可能な形状を有していることを特徴とする1記載リストバンド用クリップ。
33.前記ボスには、前記オスクリップに突設する軸部と、
この軸部の中心軸から放射状に突出して形成される第1の拡径部と、
前記ボスの先端に形成され、前記第1の拡径部よりもその径が細い第2の拡径部と、
前記第1の拡径部と前記第2の拡径部との間に形成され、前記第1の拡径部および前記第2の拡径部よりも径の細いくびれ部が備えられていることを特徴とする1記載のリストバンド用クリップ。
34.前記リストバンド用クリップは、ポリエチレンからこれを形成していることを特徴とする1記載のリストバンド用クリップ。
35.前記二酸化炭素吸収剤は、微粒子化されていることを特徴とする1記載のリストバンド用クリップ。
36.前記二酸化炭素吸収剤は、ナノメートルのレベルにまで微粒子化されていることを特徴とする1記載のリストバンド用クリップ。
37.前記二酸化炭素吸収剤は、均一に分散されていることを特徴とする1記載のリストバンド用クリップ。
38.1乃至7のいずれか記載のリストバンド用クリップを準備し、このリストバンド用クリップの焼却処理により二酸化炭素吸収剤に二酸化炭素を吸収させることを特徴とするリストバンド用クリップを用いた二酸化炭素削減方法。
39.前記二酸化炭素吸収剤は、アルミノケイ酸ナトリウムであることを特徴とする1ないし3のいずれかに記載のラベル。
40.前記アルミノケイ酸ナトリウムは、リン脂質に内包されていることを特徴とする39に記載のラベル。
41.前記アルミノケイ酸ナトリウムは、リボソームに含有されていることを特徴とする39に記載のラベル。
42.前記二酸化炭素吸収剤は、アルミノケイ酸ナトリウムであることを特徴とする10または11に記載の最上層形成材料。
43.前記アルミノケイ酸ナトリウムは、リン脂質に内包されていることを特徴とする42に記載の最上層形成材料。
44.前記アルミノケイ酸ナトリウムは、リボソームに含有されていることを特徴とする42に記載の最上層形成材料。
45.前記二酸化炭素吸収剤は、アルミノケイ酸ナトリウムであることを特徴とする19または20に記載の情報担持媒体。
46.前記アルミノケイ酸ナトリウムは、リン脂質に内包されていることを特徴とする45に記載の情報担持媒体。
47.前記アルミノケイ酸ナトリウムは、リボソームに含有されていることを特徴とする45に記載の情報担持媒体。
48.前記二酸化炭素吸収剤は、アルミノケイ酸ナトリウムであることを特徴とする31に記載のリストバンド用クリップ。
49.前記アルミノケイ酸ナトリウムは、リン脂質に内包されていることを特徴とする48に記載のリストバンド用クリップ。
50.前記アルミノケイ酸ナトリウムは、リボソームに含有されていることを特徴とする48に記載のリストバンド用クリップ。