特許第6236434号(P6236434)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6236434複数注入のために基板を位置合わせするための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236434
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】複数注入のために基板を位置合わせするための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/265 20060101AFI20171113BHJP
   H01L 21/266 20060101ALI20171113BHJP
   H01J 37/317 20060101ALI20171113BHJP
   H01L 31/18 20060101ALN20171113BHJP
【FI】
   H01L21/265 T
   H01L21/265 M
   H01J37/317 B
   !H01L31/04 460
【請求項の数】17
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-509012(P2015-509012)
(86)(22)【出願日】2013年4月12日
(65)【公表番号】特表2015-520941(P2015-520941A)
(43)【公表日】2015年7月23日
(86)【国際出願番号】US2013036311
(87)【国際公開番号】WO2013162916
(87)【国際公開日】20131031
【審査請求日】2016年3月22日
(31)【優先権主張番号】13/458,441
(32)【優先日】2012年4月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500239188
【氏名又は名称】ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100136858
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100179903
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ダブリュー グラフ
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン ビー リオードン
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス ピー ティー ベイトマン
【審査官】 柴山 将隆
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−525303(JP,A)
【文献】 特開2008−139251(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/068331(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/265
H01J 37/317
H01L 21/266
H01L 31/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する方法であって、
イオンを基板に注入して注入特徴構造を形成するステップと、
前記注入特徴構造の位置を測定するステップと、
前記注入特徴構造関連して定められた位置にて基準を前記基板上に配置するステップと、
前記イオンを前記基板に注入するステップより後に、前記基板を熱アニールするステップであって、前記注入特徴構造は前記熱アニール前には光学的に視認でき、前記熱アニール後には視認不可能であり、前記基準は熱アニールの結果光学的に視認できるステップと、
続く処理ステップにて前記基準の位置を検出するステップと、
前記続く処理ステップの間、前記基準の位置を用いて前記注入特徴構造に位置合わせするステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記注入特徴構造に関連して定められた位置にて基準を前記基板上に配置するステップに代えて、前記注入特徴構造の位置を測定する前に基準を前記基板上に配置するステップを含み、
前記注入特徴構造の位置を測定するステップは、前記基準を検出するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記注入特徴構造の位置を測定するステップは、CCDカメラ、赤外線カメラ、フォトダイオードおよびレーザーの少なくとも1つを用いて前記基準を検出するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
CCDカメラ、赤外線カメラ、フォトダイオードおよびレーザーの少なくとも1つを用いて、マスクの位置を調整して前記基準に位置合わせするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記注入特徴構造に関連して定められた位置にて基準を前記基板上に配置するステップに代えて、前記イオンを前記基板に注入するステップの前に、前記基準を前記基板上に配置する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基準は、前記イオンを前記基板に注入するステップの後に、前記基板上に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記注入特徴構造に関連して定められた位置にて基準を前記基板上に配置するステップに代えて、前記イオンを前記基板に注入するステップの前に、前記基準を前記基板上に配置し、前記基板のエッジまたはコーナーの少なくとも1つに対する前記基準の位置を登録するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記注入特徴構造に関連して定められた位置にて基準を前記基板上に配置するステップに代えて、前記イオンを前記基板に注入するステップの前に、前記基準を前記基板上に配置し、前記基板の第1および第2の隣接するエッジに対する前記基準の位置を登録するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記基板を処理して太陽電池セルを製造するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ワークピースに注入する装置であって、
イオンを基板に注入して注入特徴構造を形成するイオン注入機であって、前記注入特徴構造は熱アニール前には光学的に視認でき、前記熱アニール後には視認不可能である、イオン注入機と、
前記注入特徴構造に関連して定められた位置にて基準を前記基板に付けるための基準マーキング装置であって、前記熱アニール後も光学的に視認できるままである基準を付けるように構成されている基準マーキング装置と、
前記基板上の前記基準の位置を検出する検出器と、
前記基準の前記位置を測定し、
マスクの位置を調整して前記基準に位置合わせしてマスクを位置合わせし、
前記イオン注入機を用いて前記マスクを介してイオンを前記基板に注入するための命令を実行するコントローラーと、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項11】
前記マスクを移動させて前記マスクを前記基準に位置合わせするように構成されたアクチュエーターをさらに備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記検出器は、CCDカメラ、赤外線カメラ、フォトダイオードおよびレーザーからなるリストから選択される、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記基準の前記位置の測定に前記検出器を用いる、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記基準マーキング装置は、レーザーを備える、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
基板を処理する方法であって、
イオンを基板に注入して光学的に見える注入特徴構造を形成するステップと、
前記基板を熱アニールするステップであって、前記熱アニールは、前記注入特徴構造を光学的に見えなくし、前記熱アニールの結果前記注入特徴構造に関連して定められた位置の前記基板上の基準は光学的に見える、ステップと、
マスクの位置を調して基準に位置合わせして前記マスクを前記注入特徴構造に位置合わせするステップと、
前記マスクを介してイオンを前記基板に注入するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記基板への熱アニールの前に前記基準を前記基板に適用するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記基準から前記基板の第1および第2の隣接するエッジまでの距離を測定するステップと、前記測定された距離を前記調整ステップに用いるステップとを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、基板処理の分野に関する。より詳細には、本開示は、イオン注入作業のような連続する注入作業を実行するための、基板を配置する改善された方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イオン注入は、導電性変更不純物をウェーハまたは別の基板のようなワークピースに導入するための標準技術である。所望の不純物材料をイオン源中でイオン化し、イオンを規定のエネルギーのイオンビームを形成するように加速して、イオンビームをワークピースの表面に向ける。ビーム中の高エネルギーイオンをバルクのワークピース材料中に注入し、ワークピース材料の結晶格子中に組み込んで所望の導電性領域を形成する。
【0003】
太陽電池セルは、シリコンワークピースを採用するデバイスの一例である。高性能太陽電池セルの製造または生産におけるあらゆる低減されたコスト、または高性能太陽電池セルに対するあらゆる効率改善は、太陽電池の実装に好影響を与え、ひいてはこのクリーンなエネルギー技術のより広い利用を促すだろう。
【0004】
太陽電池セルは、典型的には、別の半導体装置のために使用されるのと同じプロセスを用いて製造され、それらは、シリコンを基板材料として使用することが多い。半導体太陽電池セルは、半導体材料中におけるフォトンの吸収により生成された荷電キャリアを分離する本来備わった電場を有する単純な装置である。この電場は、典型的には、半導体材料の差動ドーピングにより形成されたp−n接合(ダイオード)の形成により生成される。半導体基板の一部に反対の極性不純物をドープすることにより、光を電気に変換する光起電力装置として使用できるp−n接合を形成することができる。
【0005】
太陽電池セルを形成するために、パターンドーピングステップが要求される場合が多い。このようなパターン構造は、典型的には、従来のリソグラフィ(またはハードマスク)および熱拡散を用いて形成される。別の方法は、従来のリソグラフィーマスクとともにイオン注入を使用する方法である。さらに別の方法は、イオン注入機においてシャドーマスクまたはステンシルマスクを用いてコンタクトのための高ドープ領域を規定する方法である。これらの全ての技術は、基板の直上またはビームライン中に位置する固定マスク層を利用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの全ての技術は深刻な欠点を有している。例えば、それらは全て、基板へのマスクの位置合わせおよびイオン注入の間にマスクから分散される材料での交差汚染のような、太陽電池ウェーハの特別な取り扱いに関連する制限に悩まされる。
【0007】
結果として、基板上にパターンをドープするのに必要なコストおよび努力を低減する努力がなされてきた。幾つかの努力は、コストおよび処理時間の低減に成功したが、これらの削減は、低減されたパターン精度の犠牲を払うことになる。しかしながら、基板パターン処理において、続く処理ステップがパターンマスクの位置合わせの精度に依存するため、パターンマスクは、非常に正確に位置合わせされなければならない。
【0008】
このように、適切な精度を維持しつつパターン処理ステップの数および複雑さが低減され、続く処理ステップの間にマスクが正しく位置合わせされる、太陽電池セルを生産するための信頼性が高くコストが低減された技術に対する要求が存在する。この技術は、主として太陽電池セルの生産に関するが、別のドーピング用途にも適用できるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この要約は、以下の発明の詳細な説明においてさらに説明したものを簡略化した形式の選択した概念を紹介するために与えられている。この要約は、請求した特定事項の重要な特徴または不可欠な特徴を特定することも、請求した特定事項の範囲を特定するのを補助することも意図していない。
【0010】
太陽電池セルを作製するような基板を処理するための改良された装置および方法が開示される。ドープ領域が基板上に形成される。基準マーカーをドープ領域の少なくとも1つに隣接して形成できる。次に、基準マーカーの視認を利用して、注入された正確な領域を特定することができる。この情報は、続く処理ステップにおいて位置合わせを維持または位置合わせするために使用できる。続く処理ステップの例は、追加の注入ステップ、スクリーンプリントステップ、メタライズステップ、レーザー処理ステップまたは別の同様の処理を含むことができる。位置合わせの位置に関する情報を(例えば注入機に)フィードバックするか、あるいは(例えば別の処理ツールに)フィードフォワードして、1以上の処理パラメータを変更することができる。これらの技術も別のイオン注入用途において使用できる。
【0011】
ドーピングパターンを位置合わせする開示した装置および方法は、イオン注入機を用いた太陽電池セルの製造に使用できる。イオン注入特徴構造は、材料の組成および構造の変化により、イオン注入後に見ることができる。しかしながら、注入されたドーパント種を活性化して結晶ダメージを修復するための熱アニール後、注入特徴構造は、もはや見ることができない。このように、基準マーカーを基板上に配置して、続く処理ステップの間、続く処理ステップの前の注入と同様に基板上の同一の位置に向いていることを保証するように処理装置を位置合わせするのを可能にできる。
【0012】
基板を処理するための方法が開示される。本方法は、イオンを基板に注入して注入特徴構造を形成するステップと、前記注入特徴構造の位置を測定するステップと、マスクの位置を調整して基準に合わせて前記マスクを前記注入特徴構造に位置合わせするステップと、前記マスクを介してイオンを前記基板に注入するステップとを含むことができる。
【0013】
基板を処理するための方法が開示される。本方法は、イオンを基板に注入して注入特徴構造を形成するステップと、前記注入特徴構造の位置を測定するステップと、基準を前記基板上の前記注入特徴構造に関して既知の位置にて配置するステップと、続く処理ステップにて前記基準の位置を検出するステップと、前記基準の前記位置を使用して前記続く処理ステップの間に前記注入特徴構造に位置合わせするステップとを含むことができる。
【0014】
ワークピースに注入するための装置が開示される。本装置は、イオンを基板に注入して注入特徴構造を形成するためのイオン注入機と、前記基板上の基準の位置を検出するための検出器と、前記基準の位置を測定し、マスクの位置を調整して前記基準に位置合わせしてマスクを前記注入特徴構造に位置合わせし、前記イオン注入機を用いて前記マスクを介してイオンを前記基板に注入するための命令を実行するプロセッサとを含むことができる。
【0015】
基板を処理するための方法が開示され、本方法は、イオンを基板に注入して光学的に見える注入特徴構造を形成するステップと、前記基板を熱アニールするステップであって、該熱アニールは前記注入特徴構造を光学的に見えなくし、前記基板上の基準は前記熱アニール後に光学的に見える、ステップと、マスクの位置を調整して基準に位置合わせして前記マスクを前記注入特徴構造に位置合わせするステップと、前記マスクを介してイオンを前記基板に注入するステップとを含む。本開示をより理解するために、添付の図面を参照し、参照としてここに組み込む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】ビームラインイオン注入機のブロック線図である。
図2A】複数の注入領域を有する代表的な基板の第1平面図である。
図2B】複数の注入領域を有する代表的な基板の第2平面図である。
図2C】複数の注入領域を有する代表的な基板の第3平面図である。
図3】注入領域に関する画像情報を取得して基板上に基準を形成するためのシステムの模式図である。
図4A】基準マーカーおよび複数の注入サイトを含む代表的な基板の第1平面図である。
図4B】基準マーカーおよび複数の注入サイトを含む代表的な基板の第2平面図である。
図5A】基準マーカーおよび複数の注入サイトを含む代表的な基板の第1平面図である。
図5B】基準マーカーおよび複数の注入サイトを含む代表的な基板の第2平面図である。
図5C】基準マーカーおよび複数の注入サイトを含む代表的な基板の第3平面図である。
図6】本開示による第1の代表的な方法を説明するフローチャートである。
図7】本開示による第2の代表的な方法を説明するフローチャートである。
図8】本開示による第3の代表的な方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
開示した装置および方法をイオン注入機に関連して説明する。太陽電池セルのイオン注入について詳細に述べるが、注入機は、例えば半導体ウェーハ、フラットパネルまたは発光ダイオード(LEDs)のような別のワークピースと使用できる。このように、本発明は、以下で説明する特定の実施形態に限定されない。図1は、ビームラインイオン注入機200のブロック線図である。一例として、このビームラインイオン注入機200は、太陽電池用基板へのドープ用とすることができる。当業者は、ビームラインイオン注入機200は、イオンを生成できるビームラインイオン注入機の多くの例の1つに過ぎないことを理解するだろう。よって、ここで説明する装置および方法は、図1のビームラインイオン注入機200のみに限定されない。また、イオン注入機は、「ビームライン」設計に限定されず、プラズマ浸漬、プラズマフラッドまたは別のプラズマ源設計に基づく注入機を含むことができる。
【0018】
一般に、ビームラインイオン注入機200は、イオンビーム281を形成するためのイオンを生成するイオン源280を含む。イオン源280は、イオンチャンバー283を含むことができ、イオンチャンバー283に供給される供給ガスはイオン化される。このガスは、水素、ヘリウム、別の希ガス、酸素、窒素、ヒ素、ホウ素、リン、アルミニウム、インジウム、ガリウム、アンチモン、カルボラン、アルカン、別の大きな分子化合物または別のp型またはn型ドーパントとすることができ、または含むことができる。生成されたイオンは、一続きの抽出電極によりイオンチャンバー283から抽出してイオンビーム281を形成することができる。特に、イオンチャンバー283の出口開孔、抑制電極284および接地電極285により形成されている抽出電極部により、イオンをイオンチャンバー283から抽出することができる。イオンビーム281は、分解磁石282と分解開孔289を有するマスク電極288とを含む質量分析器286により質量分析される。分解磁石282は、イオンビーム281におけるイオンを偏らせて、特定のドーパントイオン種に関連する所望の質量電荷比を有するイオンのみが分解開孔289を通過する。所望でないイオン種は、マスク電極288によりブロックされるため、分解開孔289を通過しない。
【0019】
所望のイオン種のイオンは、分解開孔289を通過して角度補正磁石294に向かう。角度補正磁石294は、所望のイオン種のイオンを偏らせて、イオンビームを発散イオンビームから、実質的に平行なイオントラジェクトリを有するリボンイオンビーム212に変換する。幾つかの実施形態において、ビームラインイオン注入機200は、加速ユニットおよび/または減速ユニットをさらに含むことができる。加速ユニットおよび減速ユニットは、イオン注入システムにおいて、イオンビームを加速または減速するために使用される。速度調整は、電圧ポテンシャルの特定の組み合わせをイオンビームの反対側に配置された電極セットに印加することにより達成される。イオンビームは電極間を通過するため、イオンエネルギーは印加される電圧ポテンシャルに依存して加速または減速される。イオン注入の深さは、衝突するイオンビームのエネルギーに比例するため、ビームの加速は、深いイオン注入を行う時にはビーム加速であることが好ましいだろう。反対に、浅いイオン注入が望ましい時には、衝突イオンがワークピース中に短い距離だけ進むのを保証するためにビーム減速を行う。図に示した実施形態は減速ユニット296を含む。
【0020】
エンドステーション211は、1以上の基板138のようなワークピースを支持するように構成されたプラテン295を含み、所望の種のイオンが基板138に注入されるようにリボンイオンビーム212のパス中に配置されている。基板138は、例えば半導体ウェーハ、太陽電池セル等とすることができる。エンドステーション211は、基板138をリボンイオンビーム212の断面の長手方向に垂直に移動させるためのスキャナ(図示せず)を含んで、イオンを基板138の全表面上に分散させることができる。リボンイオンビーム212が図示されているが、別の実施形態はスポットビームを提供することができる。当業者であれば、イオンビームにより横切られる全体のパスは、イオン注入の間、空にされることを理解するだろう。幾つかの実施形態において、ビームラインイオン注入機200は、当業者に既知の追加の構成要素をさらに含んで、高温または低温イオン注入を組み込むことができる。
【0021】
基板138へのイオン注入の深さは、イオン注入エネルギーとイオン質量に依存する。より小さな電子デバイスサイズは、低エネルギーレベル(例えば2keV以下)にて高いビーム電流密度を必要とする。基板138は、太陽電池用セルの場合、リボンイオンビーム212は、高ビーム電流および約1〜10keVのエネルギーで注入することができる。これを達成するために、処理チャンバー減速(PCD)モードを使用し、ビームラインイオン注入機200によりイオンビーム281およびリボンビーム212が比較的高エネルギーにて運ばれ、1以上の減速ユニット296を用いてエンドステーション211の上流から減速される。例えば、リボンイオンビーム212は、減速ユニット296によって減速される前に、ビームラインイオン注入機200により30keV〜50keVのエネルギーにて運ばれることができる。
【0022】
太陽電池セルのために、リボンイオンビーム212は、最大エネルギーにて減速ユニット296まで運ばれ、イオンは、エンドステーション21の直前までに所望のエネルギーまで減速される。例えば、リボンイオンビーム212は、減速ユニット296の前まで30keVのエネルギーを、減速ユニット296の後には10keVのエネルギーを有することができる。これは、3:1の減速比と言われる。所望の注入深さおよび特定の注入処理に応じて、より高い減速比(例えば4:1、または50:1でさえ)も可能だろう。
【0023】
前述のように、基板は、太陽電池セルのようなデバイスを作製するために複数の連続的な注入ステップに曝されうる。また、前述のように、典型的な太陽電池セルの一部である精密構造を形成するために、連続注入は正しく位置合わせされることが重要である。つまり、その後の注入特徴構造が、以前の注入特徴構造に関して特定の位置に配置されることが重要である。
【0024】
図2A〜2Cを参照すると、代表的な基板300は、一例において基板138に一致することができ、全体の注入手続の間の様々なステップにて示されている。図2Aは、パターンイオン注入ステップ後の基板300を示している。図から分かるように、このイオン注入ステップ後に、イオンの衝撃により引き起こされた基板材料の組成および構造の変化により、複数の注入特徴構造302が見える。カメラ304(図3参照)を用いて、注入特徴構造302より形成されたパターンの画像を得ることができる。次に、画像情報は、カメラ304によりコントローラー306に与えられる。一実施形態において、カメラ304は、電荷結合ダイオード(CCD)カメラである。カメラ304は、赤外線カメラ、フォトダイオードおよびレーザーを含む様々な別の撮像装置を備えることもできる。コントローラー306は、今度は、レーザー308に基準310を1以上の注入特徴構造302に関して既知の位置にて基板300上に配置するよう命令することができる。代わりに、レーザー308は、カメラ304が注入特徴構造302により形成されたパターンのイメージを得る前に、基準310を基板300上に配置することができる。この代わりに、カメラ304によりコントローラー306に提供された画像情報は、基準310の位置および注入特徴構造302の位置に関する情報を含むことができる。基準310は、レーザー以外の様々な任意の技術を用いて基板300上に配置できることが理解されよう。例えば、1以上の基準310は、インクジェット技術、機械的スクライブ、放電加工(EDM)、エッチング等を用いて基板300上に配置できる。コントローラー306は、ビームラインイオン注入機200(図1)の一部とすることができるし、別々の処理ツールとすることもできることが理解されよう。
【0025】
図2Bは、基準310の配置後の基板300を示している。図示した基準310は、十字型に示されている。しかし、これは重要ではなく、基準310はドットパターン等の様々な任意の形状を採用することができる。また、基準310は、レーザー308により形成されると説明したが、代わりに様々な任意の別の技術を用いて所望に形成できる。
【0026】
基準310が基板300上(中)に配置されると、基板に熱アニール処理を実行できる。熱アニールは、注入されたドーパント種を「活性化」し、イオン注入処理により引き起こされた結晶ダメージを修復するために用いられることが多い。しかし、このような熱アニールは、注入特徴構造302をもはや見えなくする。これが図2Cに示されている。しかしながら、注入特徴構造302とは異なり、基準310は熱アニールステップ後も見え続ける。レーザー処理ステップの間、注入特徴構造302がもはや見えなくても、基準310に関して配置することができ、ひいては、注入特徴構造が見えなくても注入特徴構造に関する配置を保証するだろう。例えば、続くスクリーンプリントステップの一部として、カメラ304を用いて基準310の位置を突き止めて、注入特徴構造302に正確に位置合わせするために、この位置情報をコントローラー306に与えて、スクリーンの位置に対する適切な調整を命令することができる。
【0027】
図4Aおよび4Bは、開示した方法の一実施形態を示しており、基準310は、任意の処理ステップの前、または第1のパターン化イオン注入ステップの前に基板300上に配置されている。この実施形態において、基準310の位置はカメラ304を用いて決定され、この情報はコントローラー306に提供される。次いで、この位置情報を用いてビームラインイオン注入機200において1以上のマスクを基板300に位置合わせできる。図4Aは、イオン注入前の基板300を示している。基準310が示されている。図4Bは、再びイオン注入前の基板300を示しており、基準310および複数のパターン注入サイト312はパターンマスク314を介して見える。パターン注入サイト312は、イオン注入ステップの間に注入特徴構造が形成される位置に対応する。この技術の1つの利点は、基板エッジへの正確な位置合わせが不要なことである。むしろ、イオン注入ステップの間、基板300は、パターンマスク314下に配置することができ、そのパターンマスク314は、カメラ304が基準310を見ることができる開孔316を含むことができる。このパターンマスク314は、例えばグラファイトまたはシリコンで作製でき、基板300から上方のある距離に配置できる。カメラ304により画像情報をコントローラー306に提供でき、パターンマスク314の動きに対して、パターンマスク314を基準310に位置合わせするように命令して、得られた注入特徴構造に正確に位置合わせすることを達成できる。このように、パターンマスク314の活発なフィードバックおよび位置合わせを達成できる。
【0028】
代わりに、カメラ304は、基板300がビームラインイオン注入機200に入る前の、最後の取り扱いステーションに位置することができる。基板300および基準310の画像を取得して位置のキャリブレーションを行い、基板300をビームラインイオン注入機200中に移動させてイオン注入処理を実行して注入特徴構造を形成することができる。
【0029】
図5A〜5Cは、開示した方法の一実施形態を示しており、全ての処理ステップの前、または少なくとも第1のパターンイオン注入ステップの前に、基準310が基板300上に配置されている(図5A)。基準310の配置後、基準の位置は、基板300の基板エッジ318、320および/またはコーナー322、324に関して測定される(図5B)。測定は、上述の方法の一部として、注入パターンを検出するのに使用される同じ装置を用いて行うことができる。例えば、カメラ304は、例としてCCDカメラとすることができ、基準310を検出するのに使用できる。基板300のエッジ318、320は、同様にカメラ304により観察するのが比較的容易である。幾つかの実施形態において、エッジ318、320の検出を目的として、基板300のバックライトを設けることができる。この画像情報をコントローラー306に提供してエッジおよび基準の相対位置を測定して関連するメモリ326に情報を格納して後のパターンステップの間、基準310の位置を含めて、カメラ304を用いて基板300を再び観察できる(図5C)。基準の位置に関する以前に得たデータを用いて、パターンマスク314の位置を基板300の基板エッジ318、320および/または322、324に関して調整して、パターンマスク314をパターン注入サイト312に位置合わせすることができる。
【0030】
この手法の利点は、如何なるエッジの登録を必要としないことである。追加の利点は、オフライン(つまり、基板がビームラインイオン注入機200中に導入される前)にある基準の位置の測定を可能にすることである。位置情報をコントローラー306に提供して、基板300および基準310に関するパターンマスク314の位置調整を命令できる。
【0031】
ここで、連続的な注入動作を行うために基板を位置決めするための代表的な処理を示すフローチャートを示す。説明の簡便性のために、ここに示す1以上のプロセスは、フローチャートまたは論理フローの形態で示され、一連の行為として説明するが、幾つかの行為は、それに従って、ここで示されて説明されたのとは異なる順序および/または別の行為と同時に行うことができるため、プロセスは、行為の順番により限定されないことを理解されたい。例えば、当業者は、方法は、一連の相関するステップとして表現できることを理解するだろう。さらに、方法において示された全てのステップが、新規の実装を必要としないだろう。
【0032】
ここで、第1の代表的な論理フローを図6に関連して説明する。ステップ1000にて、基板にイオンを注入し、複数の注入特徴構造を形成する。ステップ1100にて、複数の注入特徴構造の位置を、例えばカメラを用いて特定する。ステップ1200にて、基準を注入特徴構造の少なくとも1つに関する既知の位置に基板の表面上にマークする。ステップ1300にて、基板に熱アニール処理を実行するが、基準は熱アニール処理後も見え続ける。ステップ1400にて、パターンマスクを、基準に関して位置合わせして、パターンマスク中の開孔をステップ1000において形成された注入特徴構造に位置合わせする。ステップ1500にて、続く処理ステップ(例えば、イオン注入処理)を、注入特徴構造に位置合わせされた場所にあるパターンマスクを用いて実行する。このような実施形態を用いて、例えば、n型およびp型ドーピングを必要とするバックコンタクト型(IBC)太陽電池セルを作製することができ、2つの異なるパターンマスクを用いることができる。別の実施形態においては、続くステップは、スクリーンプリントまたはメタライズ処理とすることができる。
【0033】
ここで、第2の代表的な論理フローを図7に関して説明する。ステップ2000にて、第1のパターンイオン注入ステップの前に基準を基板上に配置する。ステップ2100にて、パターンマスクを基板に隣接して設け、パターンマスクは基準に関連する開孔を含み、基板上の位置に関連する複数の開孔に沿ってイオンを注入する。ステップ2200にて、カメラは、関連する開孔を介して基準を見て、基板上の基準の位置を決定する。ステップ2300にて、基準の位置に関する情報をコントローラーに提供する。ステップ2400にて、コントローラーは、基準の位置に関する情報を用いてパターンマスクの基板に関する位置合わせを命令する。ステップ2500にて、基板中の複数の注入特徴構造を形成する位置にあるパターンマスクを用いてイオンを注入する。このような実施形態を用いて、選択エミッタ(SE)型太陽電池セルのような太陽電池セル中に高ドープ線を配置することができる。基準に関する高ドープ線の正確な配置は、基準を用いたレーザースクリーンプリントまたはメタライズステップが高ドープ線に位置合わせするのを可能にするだろう。
【0034】
ここで、第3の代表的な論理フローを図8に関連して説明する。ステップ3000にて、第1のパターンイオン注入ステップ前に、基準が基板上に配置される。ステップ3100にて、基準の位置を基板の第1および第2の基板エッジおよび/または第1および第2の基板コーナーに関して測定し、基準の測定位置を得る。ステップ3200にて、基準の測定位置をコントローラーに提供し、コントローラーに関連するメモリ中に格納する。ステップ3300にて、パターンマスクを基板に隣接して設け、パターンマスクは基準に関連する開孔を含み、基板上の位置に関連する複数の開孔に沿ってイオンを注入する。ステップ3400にて、カメラは、関連する開孔を介して基準を見て、基板の第1および第2の基板エッジおよび/または第1および第2の基板コーナーに関する基板上の基準の位置を測定する。ステップ3500にて、基準の位置に関する情報をコントローラーに提供する。ステップ3600にて、コントローラーは、基準の位置に関する情報を用いてパターンマスクの基板に関する位置合わせを命令する。ステップ3700にて、基板中の複数の注入特徴構造を形成する位置にあるパターンマスクを用いてイオンを注入する。基板の第1および第2の基板エッジおよび/または第1および第2の基板コーナーに関する基板上の基準の位置に関する情報も、スクリーンプリントのような後の処理に用いることができる。
【0035】
開示した装置の幾つかの実施形態は、マシンにより実行される場合には、マシンが開示の実施形態に従って方法および/または動作を実行することができる場合、例えば、記憶媒体、コンピュータ可読媒体、または命令または命令セットを格納できる製品を用いて実装できる。このようなマシンは、例えば、任意の適切な処理プラットフォーム、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティング装置、処理装置、コンピューティングシステム、処理システム、コンピュータ、プロセッサ等を含むことができ、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の適切な組み合わせを用いて実装できる。コンピュータ可読媒体または製品は、例えば、任意の適切なメモリユニット、メモリ装置、メモリ製品、メモリ媒体、記憶装置、記憶製品、記憶媒体および/または記憶ユニット、例えば、メモリ(不揮発性メモリを含む)、リムーバブルまたは非リムーバブル媒体、消去可能または消去不可能媒体、書き込み可能または書き換え可能媒体、デジタルまたはアナログ媒体、ハードディスク、フロッピーディスク、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD−ROM)、コンパクトディスクレコーダブル(CD−R)、コンパクトディスクリライタブル(CD−RW)、光学ディスク、磁気媒体、磁気光学媒体、リムーバブルメモリカードまたはディスク、様々なデジタル多目的ディスク(DVD)、テープ、カセット等を含むことができる。命令は、任意の適切な高級、低級、オブジェクト指向、ビジュアル、コンパイル済みおよび/または解釈済みプログラム言語を用いて実装された、ソースコード、コンパイル済みコード、解釈済みコード、実行可能コード、静的コード、動的コード、暗号化コード等の任意の適切なコードを含む。
【0036】
本開示は、ここで説明した特定の実施形態により範囲が限定されない。実際、当業者には、上述の説明および添付の図面から、ここで説明したものに加えて、本開示の別の様々な実施形態および変更は明らかである。こうして、このような別の実施形態および変更は、本開示の範囲内に含まれることを意図している。また、本開示は、ここで、特定の目的のための特定の環境における特定の実装に関連して説明したが、当業者であれば、その有用性はそれらに限定されず、本開示は幾つもの目的のための幾つもの環境において有益に実装できることを認識するだろう。よって、以下に記載される特許請求の範囲は、ここで説明した本開示の全ておよび精神を考慮して解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8