特許第6236436号(P6236436)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アウディ アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

<>
  • 特許6236436-燃料電池用流体チャネル 図000002
  • 特許6236436-燃料電池用流体チャネル 図000003
  • 特許6236436-燃料電池用流体チャネル 図000004
  • 特許6236436-燃料電池用流体チャネル 図000005
  • 特許6236436-燃料電池用流体チャネル 図000006
  • 特許6236436-燃料電池用流体チャネル 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236436
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】燃料電池用流体チャネル
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/02 20160101AFI20171113BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20171113BHJP
【FI】
   H01M8/02 R
   H01M8/02 C
   !H01M8/10
【請求項の数】18
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-516087(P2015-516087)
(86)(22)【出願日】2013年6月3日
(65)【公表番号】特表2015-522922(P2015-522922A)
(43)【公表日】2015年8月6日
(86)【国際出願番号】US2013043832
(87)【国際公開番号】WO2013184547
(87)【国際公開日】20131212
【審査請求日】2016年5月23日
(31)【優先権主張番号】13/489,452
(32)【優先日】2012年6月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591006586
【氏名又は名称】アウディ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】AUDI AG
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・ダニエル・オニール
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・ダブリュ・パターソン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ジョン・カーネヴェル
(72)【発明者】
【氏名】ループナリン・スクラム
【審査官】 山内 達人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−207731(JP,A)
【文献】 特開2003−142126(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/114558(WO,A1)
【文献】 特開平10−302816(JP,A)
【文献】 特開2007−265939(JP,A)
【文献】 特開2000−251913(JP,A)
【文献】 特開2009−081102(JP,A)
【文献】 特開2009−064772(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0081477(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレートを備える燃料電池アセンブリであって、
前記プレートは、燃料電池の電気化学的活性領域に沿った流体の移動を容易にするように構成された複数のチャネルを有し、
前記プレート上の前記電気化学的活性領域に対応する領域には、流体がインレットからアウトレットへと移動するように流れる全てのチャネルが配置されており、
前記複数のチャネルは、さらに、変化する深さを有する部分を備え、
前記部分は、前記電気化学的活性領域に対応する領域の横方向外側に延在するとともに、深さが先細り状に漸減する端部を有する、燃料電池アセンブリ。
【請求項2】
前記電気化学的活性領域に対応する領域に配置された前記複数のチャネルは、一定の深さを有する、請求項1に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項3】
第1の位置における前記部分の深さは、第2の位置における前記部分の深さよりも深い、請求項1に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項4】
前記第1の位置は、前記第2の位置よりも、前記電気化学的活性領域に対応する領域に横方向に近接している、請求項3に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項5】
前記複数のチャネルは、第2の方向において位置合わせされた複数のチャネルのグループと重複している、第1の方向で位置合わせされた複数のチャネルのグループを備え、前記第2の方向は前記第1の方向に対して横断している、請求項1に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項6】
前記第1の方向において位置合わせされた複数のチャネルが前記第2の方向に位置合わせされた複数のチャネルと重複する、チャネル重複領域を含む、請求項5に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項7】
前記複数のチャネルは、第1のチャネル及び第2のチャネルを含み、前記第1のチャネル及び第2のチャネルの両方は前記部分を含み、前記部分は前記チャネル重複領域の横方向外側にある、請求項6に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項8】
前記チャネル重複領域は、前記電気化学的活性領域に対応する領域に配置される、請求項6に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項9】
前記チャネル重複領域は、プレートを有する燃料電池の前記電気化学的活性領域の横方向外側境界に対応している、横方向外側境界を有する、請求項6に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項10】
第1の方向に延在する第1の複数のチャネルと、前記第1の方向に対して横断する第2の方向に延在する第2の複数のチャネルと、を有するプレートを備える燃料電池アセンブリであって、前記第1の複数のチャネルおよび前記第2の複数のチャネルは連通して、流体をインレットからアウトレットへと通流させるように配置されており、
前記第1の複数のチャネルは、前記プレートの重複領域において第2の複数のチャネルと重複しており、
前記第1の複数のチャネルは、さらに、変化する深さを有する部分を含み、
記部分は、前記重複領域から前記第2の複数のチャネルのうちの最も横方向外側のチャネルを超えて延在するとともに、深さが先細り状に漸減する端部を有する、燃料電池アセンブリ。
【請求項11】
前記第2の複数のチャネルは、前記第1の複数のチャネルのうちの最も横方向外側のチャネルを超えて重複領域から延在する、請求項10に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項12】
前記第1の方向は、前記第2の方向に対して垂直とされる、請求項10に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項13】
前記第1の複数のチャネル及び前記第2の複数のチャネルは、燃料電池に冷却剤を連通するように構成される、請求項10に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項14】
燃料電池プレート成方法であって、
前記燃料電池プレートに複数のチャネルを形成し、
燃料電池アセンブリの電気化学的活性領域に沿った流体の移動を容易にするように、前記燃料電池プレートを燃料電池アセンブリ内に配置するステップを備え、
前記プレート上の前記電気化学的活性領域に対応する領域には、流体がインレットからアウトレットへと移動するように流れる全てのチャネルが配置されており、
前記複数のチャネルは、さらに、変化する深さを有する部分を有し、
記部分は、前記電気化学的活性領域に対応する領域の横方向外側に延在するとともに、深さが先細り状に漸減する端部を有する、方法。
【請求項15】
前記複数のチャネルを寄せフライスにより加工することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記燃料電池プレートを横切って第1の方向に寄せフライスを移動させ、前記第1の方向に位置合わせされた第1の複数のチャネルを形成するステップと、
前記燃料電池プレートを横切って第2の方向に前記寄せフライスを移動させ、前記第2の方向に位置合わせされた第2の複数のチャネルを形成するステップと、
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の方向に位置合わせされた前記第1の複数のチャネル及び前記第2の方向に位置合わせされた前記第2の複数のチャネルはそれぞれ、前記燃料電池プレート前記燃料電池アセンブリ内に配置する場合に、前記プレート上の前記電気化学的活性領域に対応する領域内に配置される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記チャネルは、燃料電池内に冷却剤を方向付けるように構成される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載]
この発明は、アメリカ合衆国運輸省によって認められた契約番号第CA−04−7003−00号の下で、政府の支持により行われたものである。政府は、この発明における一定の権利を有する。
【0002】
この開示は、燃料電池流体の移動を容易にするプレートに関し、より具体的には、そのようなプレートにおけるチャネルに関する。
【0003】
燃料電池は一般的に、燃料及び酸化体などの反応物質の間で周知の電気化学反応から電流を発生させるために、アノード触媒、カソード触媒、及び、アノード触媒とカソード触媒との間の電解材料を含む。燃料電池は、反応物質を各触媒に方向付けるためのチャネルを有する流場プレートを含んでもよい。電解材料は、流場プレートの間に配置された高分子層とされてもよく、それは、一般的に、イオン交換膜又は高分子電解質膜(PEM)として言及される。燃料電池は、燃料電池を通じて、冷却及び/又は加湿のための流体を移動させるためのチャネルを有する流場プレートを含んでもよい。燃料、酸化体、及び、冷却及び/又は加湿のための流体は、燃料電池流体の種類である。燃料電池流体のいくつかは気体とされてもよく、燃料電池流体の他のものは液体とされてもよい。
【0004】
例えば、複数の空気の気泡は、液体チャネル内に構築される場合がある。それらの気泡は不必要に、流場のチャネルを通過する流体の流れに影響を及ぼす場合がある。構築された複数の気泡は特に、多孔性プレートを乾かせる、過熱させる、又は乾かせ過熱させる。いくつかの製造技術は、気泡構築傾向があるチャネルを生み出す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
例示的な燃料電池アセンブリは、燃料電池の能動的流れの領域に隣接する燃料電池流体の移動を容易にするために構成された複数のチャネルを有するプレートを含む。複数のチャネルは、能動的流れの領域の横方向外側に延在する、変化する深さを有する部分を含む。
【0006】
他の例示的な燃料電池アセンブリは、第1の方向に延在する第1の複数のチャネルと、第1の方向に対して横断する第2の方向に延在する第2の複数のチャネルと、を有する。第1の複数のチャネルは、プレートの重複領域において、第2の複数のチャネルと重複する。また、第1の複数のチャネルは、変化する深さを有する部分を含む。この部分は、第2の複数のチャネルの横方向最も外側のチャネルを超えて重複領域から延在する。
【0007】
燃料電池内に複数のチャネルを形成する例示的な方法は、燃料電池プレート内に複数のチャネルを形成するステップを含む。複数のチャネルは、変化する深さを有する部分を有する。この部分は、燃料電池プレートが燃料電池アセンブリ内に位置する場合に、燃料電池アセンブリ内の能動的流れの領域の横方向外側に延在する。
【0008】
開示された例示の複数の特徴及び利点は、当業者にとって詳細な説明から明らかになるであろう。詳細な説明に添付した図面は簡単に、以下に記載されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】例示的な燃料電池スタックアセンブリの非常に概略的な図である。
図2図1の燃料電池スタックアセンブリの燃料電池ユニットの断面図である。
図3図2の燃料電池から例示的な流場プレートの正面図である。
図4図3の流場プレートの一部分の拡大斜視図である。
図5】チャネル形成工程の一部の間における、図3の流場プレートを示す図である。
図6図5におけるライン6−6で切断された断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、例えば、反応ガスの間で周知の電気化学反応から電流を発生させるための燃料電池アセンブリ10を示す。燃料電池アセンブリ10の開示された配置構成が例示としてのみであり、本願に開示されたコンセプトが他の燃料電池配置構成にも適用されることができることは理解されるべきである。
【0011】
例示的な燃料電池アセンブリ10は、1つ又は複数の燃料電池ユニット20を含み、当該1つ又は複数の燃料電池ユニット20は、燃料電池アセンブリ10を提供するために積み重ねられることができる。燃料電池ユニット20は、軸yに沿って互いに対して積み重ねられる。
【0012】
図2に示されるように、燃料電池ユニット20のそれぞれは、電極アセンブリ24と、反応ガス(例えば、空気及び水素)を電極アセンブリ24に供給するための流場プレート(flow field plates)26a及び26bと、を含む。流場プレート26aは、空気を供給するための空気プレートと考えられてもよく、流場プレート26bは、水素を供給するための燃料プレートとして考えられてもよい。
【0013】
電極アセンブリ24は、カソード触媒30aとアノード触媒30bとの間に、イオン交換膜としても言及される高分子電解質膜(PEM)28を含む。示されていないけれども、ガス拡散層は、反応ガスの拡散を容易にするために、流場プレート26a及び26bと電極アセンブリ24との間に使用されてもよい。
【0014】
燃料電池ユニット20は、軸yに沿って延在する能動的流れ(active flow)Aの領域を含む。能動的流れAの領域の横方向外側の境界は、この例において、高分子電解質膜(PEM)28の周囲と位置合わせされる。この能動的流れAの領域は、この例において、燃料電池ユニット20の電気化学活性領域(active area)に対応する。能動的流れAの領域はしばしば、化学反応が起こる燃料電池ユニット20の部分として言及される。
【0015】
流場プレート26a及び26bのそれぞれは、各反応ガスをカソード触媒30a又はアノード触媒30bに供給するためのチャネル32を含む。流場プレート26a及び26bのそれぞれは、反応ガスを流場プレートに供給するためのインレットと、使用されていない反応ガスを流場プレートから排出するためのアウトレットと、を含むことができる。
【0016】
流場プレート26a、流場プレート26b、又はその両方は、冷却剤チャネル36内で、水などの冷却剤を循環させることができる。冷却剤は、燃料電池ユニット20の所望の動作温度を維持すること及び反応ガスを水酸化させることを手助けする。チャネル36はまた、酸化体(oxidant)又は反応物質の流れを案内するために使用されることができる。
【0017】
この例において、冷却剤チャネル36は、チャネル32の反対側の流場プレート26aの側面に位置する。この例において、チャネル32は、能動的流れAの領域内にある。しかしながら、冷却剤チャネル36は、能動的流れAの領域の横方向外側に延在する部分44を含む。この例において、横方向は、軸yに関する位置又は場所を記載するために使用される。プレートの周囲に近接するチャネルは、より中央に位置した他のチャネルより横方向外側である。
【0018】
流場プレート26aは、この例において多孔性プレートとされる。多孔性プレートは、水蒸気が冷却剤チャネル36からチャネル32へ複数の孔を通じて移動することを可能にするので、反応ガスを水酸化することを容易にする。
【0019】
示された配置構成において、電極アセンブリ24は、流場プレート26aと26bとの間に挟持される(例えば、チャネル32を形成するリブの間に)。挟持力は、流場プレート26a及び26bに対する高分子電解質膜(PEM)28の移動を制限する。
【0020】
シール40は、燃料電池アセンブリ10の周囲の周りに延在する。シール40は、燃料電池アセンブリ10内に反応ガス及び水副産物(water byproduct)を維持する。周囲のシールはまた、高分子電解質膜(PEM)28の移動をさらに制限する。
【0021】
図2を参照しつつ図3及び図4を参照すると、流場プレート26aのチャネル36は、第1のチャネル36a及び第2のチャネル36bを含む。第1のチャネルは方向Dにおいて延在しており、第2のチャネルは少なくとも1つの方向Dにおいて延在する。方向Dは、方向Dに対して横断している。この例において、方向Dは、方向Dに対して垂直である。
【0022】
プレート26aは、第1のチャネル36aが第2のチャネル36bと重複する重複領域42a及び42bを含む。重複領域42aおよび42bの横方向外側の周囲は、横方向外側の複数のチャネル36a’及び横方向外側の複数のチャネル36b’によって確立される。横方向外側のチャネル36b’を超えて延在する複数のチャネル36a及び36a’の部分は、重複領域42a及び42b内に存在しない。同様に、横方向外側のチャネル36a’を超えて延在する複数のチャネル36b及び36b’の部分は、重複領域42a及び42b内に存在しない。
【0023】
能動的流れAの領域は、燃料電池流体がインレット66からアウトレット68へ移動するようにそれを通じて流れる全てのチャンネルからなる。この例において、それは、インレットチャネル58、アウトレットチャネル60、重複領域42a及び42b、及び重複領域42a及び42bの間に直接的に位置する矩形状領域を含む。
【0024】
チャネル36a及び36a’は、能動的流れAの領域の横方向外側に延在する部分44を含む。それらの部分44は、プレート26aの横方向外側縁部48まで延在しない。各部分44は、他のチャネル又はプレート縁部に接続しない一の端部を有する。それ故に、燃料電池流体は、部分44を通じて能動的に流れることなく、部分44を満たすことができる。
【0025】
複数のチャネル36b及び36b’のいくつかは、能動的流れAの領域の横方向外側に延在する部分52を含む。これらの部分52は、プレート26aの横方向外側縁部56まで延在しない。各部分52は、他のチャネル又はプレート縁部と接触しない一の端部を有する。それ故に、燃料電池流体は、部分52を通じて能動的に流れることなく、部分52を満たすことができる。
【0026】
複数のチャネル36b及び36b’の他のいくつかは、能動的流れAの領域の横方向外側に延在する部分58を含む。これらの部分58は、この例において、プレート26aの横方向外側縁部56まで延在する。
【0027】
複数のチャネル36b及び36b’の他のいくつかは、能動的流れAの領域の横方向外側に延在する部分60を含む。部分60は、プレート26aの横方向外側縁部64まで延在する。
【0028】
燃料電池ユニット20の動作中に、流体は、部分58を通じて入り、チャネル36の残りの部分を通じて移動し、部分60を通じて排出される。部分58はそれ故に、プレート26aに対するインレット66を提供し、部分58はアウトレット68を提供する。流体は経路Pに実質的に従う。
【0029】
チャネル36を通じて移動する流体内に入り込んだ気泡は、交差しているチャネルの両方が変化する深さ又は先細を有する場合に、チャネル36の交差部で妨げる(hang−up)傾向がある。妨げられた気泡は、プレートのその領域における孔内における全ての水を蒸発させ、気体漏出経路を生み出す。妨げられた気泡(Bubble hang−up)はまた、効果的ではない冷却を引き起こす場合がある。開示された複数の例の特徴は、変化する深さを有するチャネルの一部分である。この部分は、チャネルの重複領域及び燃料電池ユニットの能動的流れの領域の横方向外側である。変化する深さを有する部分を、能動的流れAの領域の外側に位置付けることは、妨げられた気泡に関連した効率的ではない冷却領域が能動的流れAの外側であることを確実にする。このプレートは、変化する深さを有する部分を収容するために、先行技術のプレートに対して横方向に大きくなってもよい。変化する深さを有する部分は、能動的流れAの領域の全体的外側に又は部分的外側に位置付けられてもよい。
【0030】
図2及び3を参照しながら図5及び図6を参照すると、複数のチャネル36を確立するための工程は、プレート26aに複数のチャネル36を形成するために、寄せフライスアセンブリ70を使用する。寄せフライスアセンブリ70は、ハブ74に取り付けられた複数のブレード72を含む。電気式モータ76は、複数のブレード72を回転させるためにハブ74を回転させる。回転しているハブ74及び複数のブレード72は、複数のチャネル36を形成するために、プレート26aの表面を横切るように移動する。
【0031】
この例において、寄せフライスアセンブリ70は、複数のチャネル36aを形成するために、第1の方向においてプレート26aを横切って移動する。ブレード72のそれぞれは、シングルパス中に、チャネル36の1つを切断する。プレート26の他の領域における追加のパスは、チャネル36の所望された数及びブレードの数に応じて必要とされてもよい。ハブ74及びブレード72はその後、チャネル36bを形成するために、第2の方向(例えば、第1の方向に対して90度回転させた方向)においてプレート26aの同じ表面を横切って移動する。
【0032】
寄せフライスアセンブリ70は、チャネル36aのいくつかの部分44を形成するように示される。チャネル36aがプレート26aの横方向外側縁部48まで延在するように意図されていないので、ブレード72は、ブレード72が横方向外側縁部48に到達する前に、プレート26aから引き離される。ブレード72は円形状であり、それは、チャネル36aの端部が先細の底部(tapered floor)78(又は、変化した深さの領域)を有することを引き起こす。
【0033】
部分44以外において、チャネル36aは、ブレード72の選択された深さがそれらの領域を通過するので、比較的一定の深さを有する。いくつかの例示において、重複領域42aにおけるチャネルのいくつかの領域は、先細の底部を有する。これは、寄せフライスアセンブリ70がチャネル36aを切断し始める場所であるからである。例えば、重複領域42aにおいて、チャネル36aの部分は、先細の底部を有してもよい。しかし、交差しているチャネル36bは、先細の部分52が重複領域42aの外側にあるので、先細の底部を有していない。同様に、重複領域42bにおいて、チャネル36bの部分は、先細の底部を有してもよい。しかし、交差しているチャネル36aは、先細の部分44が重複領域42bの外側にあるので、先細の底部を有していない。重複領域42a及び42bの外側における先細の部分52及び44の位置は、先細の部分が互いに交差することがないことを確実にすることによって、妨げられた気泡のリスクを軽減する。チャネル36aに沿った流れの方向における部分44の長さは、以下の式で記載される。
b=√[c−(c−d)
ここで、bは長さであり、cはブレード72の半径であり、dは、チャネル36aの選択された深さである。
【0034】
他の例示的なプレート(示されていない)は、プレートを横切って前後に、冷却剤経路に沿って流体流れを方向付け、且つ流れがインレットから出口まで移動する場合の複数倍である複数のチャネルを含んでもよい。非重複部分44は、そのようなプレートにおいて位置してもよい。
【0035】
前述の説明は本質的に、制限というよりむしろ例示である。開示された例示に対する変形及び修正は、この発明の本質から必ずしも逸脱することなく、当業者に明確になることができる。それ故に、この発明に付与された法律的保護の範囲は、以下の特許請求の範囲を考慮することのみによって決定されることができる。
【符号の説明】
【0036】
10 燃料電池アセンブリ
20 燃料電池ユニット
24 電極アセンブリ
26 流場プレート
28 高分子電解質膜(PEM)
30a カソード触媒
30b アノード触媒
32 チャネル
36 冷却剤チャネル
40 シール
42a、42b 重複領域
48 横方向外側縁部
66 インレット
68 アウトレット
72 複数のブレード
74 ハブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6