特許第6236439号(P6236439)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6236439ヘテロアリール化合物及びその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236439
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】ヘテロアリール化合物及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 519/00 20060101AFI20171113BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20171113BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20171113BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20171113BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20171113BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20171113BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20171113BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20171113BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20171113BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20171113BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20171113BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20171113BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20171113BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20171113BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20171113BHJP
   A61P 25/30 20060101ALI20171113BHJP
   A61P 39/02 20060101ALI20171113BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20171113BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   C07D519/00 311
   C07D519/00CSP
   C07D519/00 301
   A61K31/4985
   A61P43/00 121
   A61P3/00
   A61P25/00
   A61P25/18
   A61P25/28
   A61P25/16
   A61P25/08
   A61P25/24
   A61P25/14
   A61P25/22
   A61P25/04
   A61P29/00
   A61P25/06
   A61P25/30
   A61P39/02
   A61P3/04
   A61P3/10
【請求項の数】22
【全頁数】119
(21)【出願番号】特願2015-518539(P2015-518539)
(86)(22)【出願日】2013年6月19日
(65)【公表番号】特表2015-520238(P2015-520238A)
(43)【公表日】2015年7月16日
(86)【国際出願番号】US2013046483
(87)【国際公開番号】WO2013192273
(87)【国際公開日】20131227
【審査請求日】2016年6月7日
(31)【優先権主張番号】61/661,710
(32)【優先日】2012年6月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500114922
【氏名又は名称】サノビオン ファーマシューティカルズ インク
【氏名又は名称原語表記】Sunovion Pharmaceuticals Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エメルソン キャンプベル
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ジー.ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】スコット マルコルム
【審査官】 齋藤 光介
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/065612(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/072694(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/072697(WO,A1)
【文献】 特表2011−524381(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/147890(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/011932(WO,A1)
【文献】 Roderick, W. R. et al.,Journal of Medicinal Chemistry,1972年,vol.15, no.6,p.655-658
【文献】 編 C.G.WERMUTH,最新 創薬化学 上巻,1998年,p.369
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体:
【化1】
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(式中、
【化2】
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は、
【化3】
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であり;
nは、1、2、又は3であり;
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、又は8であり;但し、(i)nが1である場合、mは、0、1、2、3、又は4であり;(ii)nが2である場合、mは、0、1、2、3、4、5、又は6であり;並びに、(iii)nが3である場合、mは、0、1、2、3、4、5、6、7、又は8であることを条件とし;
各Rは、独立して、ハロ又は(C1-C4)アルキルであり
Yは、CR3であり
R3は、独立して、水素、ハロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アミノアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、又はチオールであり
Bは:
【化4】
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であり;
R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、単環式又は多環式アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリル環を形成し;
B1は、O、S、又はNR8であり;
B2は、CR9又はNであり;
R6は、水素、ハロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アミノアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、又はチオールであり;
R7は、水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;
R8は、水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;並びに
R9は、水素、ハロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルコキシル、アミノアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、又はチオールであり;
各R12は、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、=0、-OR13、-NR13R14、-N(R13)C(O)R14、-C(O)NR13R14、-C(O)R13、-C(O)OR13、-OC(O)R13、-SR13、-S(O)R13、-S(O)2R13、-S(O)2NR13R14、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;ここで、R13及びR14の各々は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;あるいは、R13及びR14が両方共1個の窒素原子に結合されている場合、R13及びR14は、それらが結合している該窒素原子と一緒に、3〜10員の環を形成し;
環Cは、5-又は6-員のヘテロアリール環、或いは5-から7-員のシクロアルキル又はヘテロシクリル環であり;
但し、式(I)の化合物は:
【化5】
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ではないことを条件とする。)。
【請求項2】
前記Rが、メチルであり、且つmが、1又は2である、請求項1記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体。
【請求項3】
前記mが、0である、請求項1記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体。
【請求項4】
前記R4及びR5が、一緒に単環式のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリル環を形成し、且つBが、二環式環系である、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体。
【請求項5】
前記R4及びR5が、一緒に多環式のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリル環を形成し、且つBが、三環式環系である、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体。
【請求項6】
前記nが、2である、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体。
【請求項7】
前記化合物が、下記の化合物、又はその医薬として許容し得る塩である、請求項6記載の化合物:
【化6】
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【請求項8】
前記nが、1である、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体。
【請求項9】
前記Bが:
【化7】
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である、請求項8記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体。
【請求項10】
前記Bが:
【化8】
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である、請求項8記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体。
【請求項11】
下記式を有する請求項8記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体:
【化9】
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【請求項12】
前記Bが:
【化10】
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である、請求項11記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体。
【請求項13】
前記Bが、二環式環系である、請求項12記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体。
【請求項14】
前記化合物が:
【化11】
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又はその医薬として許容し得る塩である、請求項13記載の化合物。
【請求項15】
前記化合物が:
【化12】
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又はその医薬として許容し得る塩である、請求項13記載の化合物。
【請求項16】
前記Bが、三環式環系である、請求項12記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体。
【請求項17】
前記化合物が:
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
又はその医薬として許容し得る塩である、請求項16記載の化合物。
【請求項18】
前記化合物が:
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
又はその医薬として許容し得る塩である、請求項16記載の化合物。
【請求項19】
前記Bが:
【化15】
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であり、且つB1が、NR8である、請求項11記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体。
【請求項20】
前記化合物が:
【化16】
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又はその医薬として許容し得る塩である、請求項19記載の化合物。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体を含む、医薬組成物。
【請求項22】
1種以上の追加の活性剤をさらに含む、請求項21記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(I. 分野)
中枢神経系の疾患又は疾病及び代謝性疾患などの種々の疾患又は疾病を治療するのに有用なヘテロアリール化合物が本明細書に提供される。該化合物を含有する組成物及びその使用方法も本明細書に提供される。
【背景技術】
【0002】
(II. 背景)
中枢神経系(CNS)疾患は、様々の重症度で広範な集団に影響を及ぼす。例えば、統合失調症は、原因不明の精神病理学的疾患であり、通常、成人早期に初めて現れ、かつ精神病症状、段階的な進行及び発達、並びに社会的行動及び職業能力の低下などの特徴によって示される。特徴的な精神病症状には、思考内容の障害(例えば、多重な、断片的な、支離滅裂な、信じ難い、若しくは単に妄想的な内容、又は被害妄想)、及び精神構造の障害(例えば、連想の喪失、想像の飛躍、支離滅裂、又は不可解性)、並びに知覚の障害(例えば、幻覚)、感情の障害(例えば、表面的な又は不適切な感情)、自己認識の障害、意思の障害、衝動の障害、及び対人関係の障害、並びに精神運動障害(例えば、緊張病)がある。他の症状もまた、この疾患と関連している。例えば、「精神障害の診断と統計の手引き(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」(第4版、アメリカ精神医学会(1997))(DSM-IVTM)を参照されたい。
【0003】
統合失調症は種々の亜型に分類することができる。例えば、妄想型は、妄想及び幻覚があり、思考障害、解体した行動、及び感情鈍麻がないことを特徴とする。「破瓜型統合失調症」とも呼ばれる解体型は、思考障害と感情鈍麻の共存により特徴付けられる。緊張型は、緊張病性昏迷及び蝋屈症の症状を含む顕著な精神運動の混乱により特徴付けられる。鑑別不能型において、精神病症状は存在するが、妄想型、解体型、又は緊張型の規準は満たされていない。
【0004】
統合失調症の症状は通常、3つの広範なカテゴリー、すなわち、陽性症状、陰性症状、及び認知症状として現われる。陽性症状は、幻覚、解体した会話、及び妄想などの、過剰な通常体験を示す症状である。陰性症状は、患者が、無快感症、やる気の欠如、喜びを経験することの不能、及び社会的相互作用の欠如などの、通常体験の欠如を患う症状である。認知症状は、持続的注意力の欠如、記憶の低下、及び意思決定の欠陥などの、統合失調症における認知障害に関連する。現在の抗精神病薬は、陽性症状を治療するには幾分有効であるが、陰性症状又は認知症状の治療においては有効性が低い。例えば、現行の定型又は非定型の抗精神病薬は、統合失調症の認知症状又は陰性症状に対処せず、患者のおよそ40%において陽性症状を治療するのみである。
【0005】
認知障害は、認知機能又は認知領域、例えば、作業記憶、注意及び警戒、言語の学習及び記憶、視覚的な学習及び記憶、推理及び問題解決、例えば、実行機能、処理速度、及び/又は社会的認知の低下を含む。特に、認知障害は、注意の欠陥、解体した思考、緩慢な思考、理解の困難、集中力不足、問題解決の障害、記憶力貧困、思考表現の困難、思考と感情と行動の統合の困難、又は無関係な思考の消去の困難を示すことがある。
【0006】
激越は、敵意、過度の興奮、衝動制御障害、緊張、及び協調性欠如を含む、様々な症状を伴う十分に認識された行動障害である。激越は、高齢者において一般的であり、かつ、アルツハイマー病、パーキンソン病、及びハンチントン病により起こされる認知症、並びに卒中又は脳内での多発性卒中により引き起こされる多発梗塞性認知症などの、血管に影響を及ぼす疾患によって引き起こされる認知症と関連することが多い。65歳以上の高齢者のおよそ5%及び80歳以上の高齢者の最大20%が認知症に罹患していると推定される。これらの罹患者のうち、ほぼ半数は、激越、徘徊、及び暴力的爆発などの行動障害を示す。激越した行動は、認知的に障害のない高齢者において、また、認知症以外の精神障害を有する高齢者によって示される場合もある。
【0007】
認知症は、顕著な記憶障害を含む、数種の認知機能障害によって特徴付けられ、かつ孤発性であるか、又はアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、及び多発性硬化症を含むがこれらに限定されない、様々な疾病の原因となる特徴的な性質であることがある。
【0008】
そのため、種々のCNS疾患の有効な治療が大いに必要とされている。
【0009】
環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE)は、21の遺伝子によりコードされた酵素のスーパーファミリーであり、構造及び機能を基に11種の公知のファミリーに細分される。PDEは、タンパク質のC末端部に触媒ドメインを、N末端部に調節エレメントを有するモジュール酵素である。PDEは、環状ヌクレオチド、例えば、環状アデノシン一リン酸(cAMP)及び環状グアノシン一リン酸(cGMP)のホスホジエステル結合を加水分解し、それらを対応する一リン酸に変える。cAMP及びcGMPは、広範囲の細胞内プロセスを制御する細胞内セカンドメッセンジャーとして機能する。例えば、ニューロン中で、cAMP及びcGMPは、環状ヌクレオチド依存性キナーゼを活性化し、シナプス伝達の急性制御並びにニューロンの分化及び生存に関与するタンパク質のその後のリン酸化を活性化する。したがって、PDEは、多種多様な生理学的プロセスの重要な制御因子である。PDEは、生物体全体で差次的に発現し、環状ヌクレオチドシグナル伝達は、個々の細胞内で高度に区画化されている。そのため、異なるPDEアイソザイムは、独特な生理学的機能を果たすことができる。別個のPDEファミリー又はアイソザイムを選択的に阻害できる化合物は、追加的な治療上の利益、より少ない副作用、又はその両方を与え得る。
【0010】
PDE-10は、1999年に最初に報告された(Soderlingらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci., 1999, 96, 7071-76;Loughneyらの文献、Gene, 1999, 234, 109-17;Fujishigeらの文献、J. Biol. Chem., 1999, 274, 18438-45)。相同性スクリーニングは、マウスのPDE-10Aを、PDE-10酵素ファミリーの最初のメンバーとして明らかにした。ヒトのPDE-10配列は、ラット及びマウスのPDE-10酵素の両方に高度に相同である。PDE-10酵素ファミリーは、先に同定されたPDEファミリーに比べて、配列相同性の程度が低い。PDE-10は、cAMP(Km=0.26μM)及びcGMP(Km=7.2μM)の両方を加水分解でき、cGMPに対してcAMPより5倍高いVmaxを有する。
【0011】
PDE-10Aは、主に脳内で発現され、精巣内にも存在する。PDE-10A mRNA及びタンパク質は脳組織中に豊富にあり、主に線条体の中型有棘神経細胞(MSN)に高レベルで検出され、哺乳類種にわたって保存されている分布である。線条体MSNは、大脳基底核回路への入力を与え、行動の選択及び実行に影響を与え、感覚刺激への望ましくない反応を抑制する。PDE-10Aは、新しい抗精神病薬の開発にとって出現しつつある標的になった。PDE-10Aの阻害剤は、線条体組織中のcAMP及びcGMPのレベルを上昇させることが示され、統合失調症の動物モデルにおいて陽性症状だけでなく陰性症状及び認知症状に対しても効能を示した。PDE-10Aは、糖尿病、肥満症、及びメタボリック症候群などの代謝性疾患の治療にも有用である。
【0012】
本願のこのセクションにおける文献の引用は、そのような文献が本出願の先行技術であることを認めるとは解釈しないものとする。
【発明の概要】
【0013】
(III. 概要)
式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体が本明細書に提供される:
【化1】
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(式中、X、Y、Z、R、B、m及びnは、本明細書中の別所に定義される)。該化合物は、CNS疾患及び代謝性疾患などの種々の疾病又は疾患を治療するのに有用である。
【0014】
本明細書に提供される化合物及び1種以上の医薬として許容し得る賦形剤(類)を含有する組成物及び剤形も本明細書に提供される。本明細書に提供される組成物及び剤形は、1種以上の追加の有効成分をさらに含有し得る。
【0015】
本明細書に提供される化合物及び組成物を使用する、CNS疾患又は代謝性疾患などの種々の疾患の治療、予防、及び/又は管理、例えば、疾患の1つ以上の症状の治療、予防、及び/又は寛解のための方法も本明細書に提供される。一実施態様において、本明細書に提供される疾患には、統合失調症、精神病、認知障害、気分障害、注意欠陥障害、及び神経変性疾患があるが、これらに限定されない。一実施態様において、該疾患には、神経疾患、統合失調症、統合失調症-関連疾患、統合失調症スペクトラム障害、急性統合失調症、慢性統合失調症、NOS統合失調症、統合失調性情動障害、統合失調症様障害、パラフレニー、パラノイア様人格障害、分裂病質人格障害、統合失調性人格障害、妄想性障害、精神病、精神病の要素を有する疾病、精神病性障害、短期精神病性障害、アルツハイマー病性精神病、パーキンソン病性精神病、共有精神病性障害、物質誘発性精神病性障害(例えば、コカイン、アルコール、アンフェタミン)、全身の医学的状態に起因する精神病性障害、精神病性情動障害、攻撃性、せん妄、興奮精神病、トゥレット症候群、躁障害、器質性精神病、NOS精神病、痙攣、発作、激越、心的外傷後ストレス障害、行動障害、神経変性疾患、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、運動障害、認知症、気分障害、双極性障害、不安症、うつ病、大うつ病性障害、単極性うつ、治療抵抗性うつ病、気分変調症、情動障害、季節性情動障害、強迫性障害、注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、めまい、疼痛、神経因性疼痛、神経因性疼痛を伴う感作、炎症性疼痛、線維筋痛症、片頭痛、認知機能障害、統合失調症に関連する認知機能障害、アルツハイマー病における認知障害、パーキンソン病における認知障害、運動障害、レストレスレッグ症候群(RLS)、多発性硬化症、睡眠障害、物質の乱用又は依存症(例えば、ニコチン、コカイン)、中毒、摂食障害、自閉症、肥満症、望ましくない体重の保持若しくは体重の増加、メタボリック症候群、糖尿病、非インスリン依存性糖尿病、耐糖能異常、及び高血糖症があるが、これらに限定されない。
【0016】
一実施態様において、統合失調症若しくは関連疾患、例えば限定はされないが、統合失調性情動障害、統合失調症様障害、パラフレニー、パラノイア様人格障害、分裂病質人格障害、及び統合失調性人格障害;精神病の要素を有する疾病、例えば限定はされないが、アルツハイマー病性精神病、パーキンソン病性精神病、共有精神病性障害、及び物質誘発性精神病性障害;認知機能障害、例えば限定はされないが、統合失調症に関連する認知機能障害、アルツハイマー病における認知障害、及びパーキンソン病における認知障害;気分障害、例えば限定はされないが、双極性障害;注意欠陥障害、例えば限定はされないが、注意欠陥多動性障害;神経変性疾患、例えば限定はされないが、ハンチントン病;又はうつ病、例えば限定はされないが、大うつ病性障害、単極性うつ、及び治療抵抗性うつ病を治療、予防、及び/又は管理する方法が本明細書に提供される。一実施態様において、とりわけ、哺乳動物、例えば、ヒト、齧歯類(例えば、マウス及びラット)、ネコ、イヌ、及びヒト以外の霊長類などの対象の、本明細書中の別所に提供される疾患(例えば、CNS疾患又は代謝性疾患)を治療、予防、及び/又は管理する方法が本明細書に提供される。一実施態様において、とりわけ、哺乳動物、例えば、ヒト、齧歯類(例えば、マウス及びラット)、ネコ、イヌ、及びヒト以外の霊長類などの対象の、本明細書中の別所に提供される疾患(例えば、CNS疾患又は代謝性疾患)に関連する1つ以上の症状を、治療、予防、及び/又は寛解させる方法が本明細書に提供される。一実施態様において、該方法は、本明細書に提供される化合物をPDE酵素と接触させることを含む。一実施態様において、該方法は、本明細書に提供される化合物を、中枢神経系に発現されるPDE酵素と接触させることを含む。一実施態様において、該方法は、本明細書に提供される化合物をPDE-10Aと接触させることを含む。一実施態様において、該方法は、細胞を、本明細書に提供される化合物と接触させることを含む。例示的な実施態様において、該細胞は、例えば、MSN細胞、神経細胞、又はグリア細胞などの脳細胞である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(IV. 詳細な説明)
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で言及されている全ての刊行物及び特許は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0018】
(A. 定義)
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、不定冠詞「a」及び「an」、並びに定冠詞「the」は、文脈から明らかにそうでないことが示されない限り、単数形に加え複数形の指示対象を含む。
【0019】
本明細書では、特記されない限り、「アルキル」という用語は、直鎖又は分岐鎖の飽和一価炭化水素基を意味し、ここで、アルキルは、1個以上の置換基で任意に置換されていてもよい。特定の実施態様において、アルキルは、1〜20個(C1-20)、1〜15個(C1-15)、1〜12個(C1-12)、1〜10個(C1-10)、若しくは1〜6個(C1-6)の炭素原子を有する直鎖飽和一価炭化水素基、又は3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜12個(C3-12)、3〜10個(C3-10)、若しくは3〜6個(C3-6)の炭素原子の分岐鎖飽和一価炭化水素基である。本明細書で使用される直鎖C1-6アルキル基及び分岐鎖C3-6アルキル基は、「低級アルキル」とも呼ばれる。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル(全異性形態、例えば、n-プロピル、イソプロピルを含む)、ブチル(全異性形態、例えば、n-ブチル、イソブチル、t-ブチルを含む)、ペンチル(全異性形態を含む)、及びヘキシル(全異性形態を含む)があるが、これらに限定されない。例えば、C1-6アルキルは、1〜6個の炭素原子の直鎖飽和一価炭化水素基又は3〜6個の炭素原子の分岐鎖飽和一価炭化水素基を意味する。特定の実施態様において、アルキルは、本明細書中の別所に記載されているように任意に置換されている。いくつかの実施態様において、アルキルは、1個以上のハロにより任意に置換されている。
【0020】
本明細書では、特記されない限り、「アルケニル」という用語は、1個以上の、一実施態様においては1〜5個の炭素-炭素二重結合を含む直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を意味する。アルケニルは、1個以上の置換基により任意に置換されていてよい。「アルケニル」という用語は、当業者に理解されるとおり、「シス」及び「トランス」配置、又は代わりに「E」及び「Z」配置を有する基も包含する。本明細書では、「アルケニル」という用語は、特記されない限り、直鎖と分岐鎖のアルケニルの両方を包含する。例えば、C2-6アルケニルは、2〜6個の炭素原子の直鎖不飽和一価炭化水素基又は3〜6個の炭素原子の分岐鎖不飽和一価炭化水素基を意味する。特定の実施態様において、アルケニルは、2〜20個(C2-20)、2〜15個(C2-15)、2〜12個(C2-12)、2〜10個(C2-10)、若しくは2〜6個(C2-6)の炭素原子の直鎖一価炭化水素基、又は3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜12個(C3-12)、3〜10個(C3-10)、若しくは3〜6個(C3-6)の炭素原子の分岐鎖一価炭化水素基である。アルケニル基の例には、エテニル、プロペン-1-イル、プロペン-2-イル、アリル、ブテニル、及び4-メチルブテニルがあるが、これらに限定されない。特定の実施態様において、アルケニルは、本明細書中の別所に記載されているように任意に置換されている。いくつかの実施態様において、アルケニルは、1個以上のハロにより任意に置換されている。
【0021】
本明細書では、特記されない限り、「アルキニル」という用語は、1個以上の、一実施態様において1〜5個の炭素-炭素三重結合を含む直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を意味する。アルキニルは、1個以上の置換基により任意に置換されていてよい。「アルキニル」という用語は、特記されない限り、直鎖と分岐鎖のアルキニルの両方も包含する。特定の実施態様において、アルキニルは、2〜20個(C2-20)、2〜15個(C2-15)、2〜12個(C2-12)、2〜10個(C2-10)、若しくは2〜6個(C2-6)炭素原子の直鎖一価炭化水素基、又は3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜12個(C3-12)、3〜10個(C3-10)、若しくは3〜6個(C3-6)の炭素原子の分岐鎖一価炭化水素基である。アルキニル基の例には、エチニル(-C≡CH)及びプロパルギル(-CH2C≡CH)があるが、これらに限定されない。例えば、C2-6アルキニルは、2〜6個の炭素原子の直鎖不飽和一価炭化水素基又は3〜6個の炭素原子の分岐鎖不飽和一価炭化水素基を意味する。特定の実施態様において、アルキニルは、本明細書中の別所に記載されているように任意に置換されている。いくつかの実施態様において、アルキニルは、1個以上のハロにより任意に置換されている。
【0022】
本明細書では、特記されない限り、「シクロアルキル」という用語は、環式の完全又は部分飽和の橋架け及び/又は非橋架け炭化水素基又は環系を意味し、1個以上の置換基で任意に置換されていてもよい。特定の実施態様において、シクロアルキルは、3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜12個(C3-12)、3〜10個(C3-10)、若しくは3〜7個(C3-7)の炭素原子を有する。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、デカリニル、及びアダマンチルがあるが、これらに限定されない。特定の実施態様において、シクロアルキルは、本明細書中の別所に記載されているように任意に置換されている。いくつかの実施態様において、シクロアルキルは、1個以上のハロにより任意に置換されている。
【0023】
本明細書では、特記されない限り、「ヘテロアルキル」という用語は、記述された数の炭素原子並びにO、N、Si、及びSからなる群から選択される1個以上の、一実施態様において、1〜3個のヘテロ原子からなる、安定な直鎖又は分岐鎖であって、窒素及び硫黄原子は任意に酸化されており、かつ窒素ヘテロ原子は任意に四級化されていてもよいものを意味する。一実施態様において、ヘテロ原子(複数可)O及びNは、ヘテロアルキル基の任意の内部位置に配置されていてよい。一実施態様において、ヘテロ原子(複数可)S及びSiは、アルキル基が分子の残りの部分に結合している位置を含め、ヘテロアルキル基の任意の位置(例えば、内部又は末端位置)に配置されていてもよい。例には、-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-CH2-N(CH3)-CH3、-CH2-S-CH2-CH3、-CH2-CH2-S(O)-CH3、-CH2-CH2-S(O)2-CH3、-CH=CH-O-CH3、-Si(CH3)3、-CH2-CH=N-OCH3、及び-CH=CH-N(CH3)-CH3があるが、これらに限定されない。例えば、-CH2-NH-O-CH3及び-CH2-O-Si(CH3)3など、2個までのヘテロ原子が連続していてもよい。特定の実施態様において、ヘテロアルキルは、本明細書中の別所に記載されているように任意に置換されている。いくつかの実施態様において、ヘテロアルキルは、1個以上のハロにより任意に置換されている。
【0024】
本明細書では、特記されない限り、「アルコキシル」又は「アルコキシ」という用語は、記述された数の炭素原子、及び1個以上の、一実施態様において、1〜3個のO原子からなる、安定な直鎖若しくは分岐鎖、若しくは環式の炭化水素基、又はその組合せであって、少なくとも1個のO原子が、アルコキシル又はアルコキシ基が分子の残りの部分に結合している位置にあるものを意味する。アルコキシルの例には、-O-CH3、-O-CF3、-O-CH2-CH3、-O-CH2-CH2-CH3、-O-CH-(CH3)2、及び-O-CH2-CH2-O-CH3があるが、これらに限定されない。一実施態様において、アルコキシルは、本明細書中の別所に記載されているように任意に置換されている。いくつかの実施態様において、アルコキシルは、1個以上のハロにより任意に置換されている。
【0025】
本明細書では、特記されない限り、「アミノアルキル」又は「アルキルアミノ」という用語は、記述された数の炭素原子、及び1個以上の、一実施態様において、1〜3個のN原子からなる、安定な直鎖若しくは分岐鎖、若しくは環式の炭化水素基、又はその組合せであって、少なくとも1個のN原子が、アミノアルキル又はアルキルアミノ基が分子の残りの部分に結合している位置にあるものを意味する。アミノアルキルの例には、-NH-CH3、-N(CH3)2、-NH-CH2-CH3、-N(CH3)-CH2-CH3、-NH-CH-(CH3)2、及び-NH-CH2-CH2-N(CH3)2があるがこれらに限定されない。一実施態様において、アミノアルキルは、本明細書中の別所に記載されているように任意に置換されている。いくつかの実施態様において、アミノアルキルは、1個以上のハロにより任意に置換されている。
【0026】
本明細書では、特記されない限り、「アリール」という用語は、少なくとも1個の芳香族炭化水素環を含む任意に置換された単環式又は多環式のラジカル又は環系を意味する。特定の実施態様において、アリールは、6〜20個、6〜15個、又は6〜10個の環原子を有する。アリール基の例には、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アズレニル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、ビフェニル、及びテルフェニルがあるが、これらに限定されない。特定の実施態様において、アリールは、二環式、三環式、又は四環式炭素環であって、該環の1個が芳香族であり、該環のその他のもの(複数可)が、飽和、部分不飽和、又は芳香族であるものも意味し、例えば、ジヒドロナフチル、インデニル、インダニル、若しくはテトラヒドロナフチル(テトラリニル)である。特定の実施態様において、アリールは、二環式、三環式、又は四環式環系であってもよく、その場合、該環の少なくとも1個は芳香族であり、該環(複数可)の1個以上は、O、S、及びNから独立に選択される1個以上のヘテロ原子を含む、飽和又は部分不飽和である。特定の実施態様において、アリールは、本明細書中の別所に記載されているように1個以上の置換基により任意に置換されている。
【0027】
本明細書では、特記されない限り、「アリールアルキル」又は「アラルキル」という用語は、アリールにより置換されている一価のアルキル基を意味する。アラルキルの例にはベンジルがあるが、これに限定されない。特定の実施態様において、アルキルとアリールは両方とも、本明細書中の別所に記載されているように1個以上の置換基で任意に置換されていてもよい。
【0028】
本明細書では、特記されない限り、「ヘテロアリールアルキル」又は「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリールにより置換されている一価のアルキル基を意味する。特定の実施態様において、アルキルとヘテロアリールは両方とも、本明細書中の別所に記載されているように1個以上の置換基で任意に置換されていてもよい。
【0029】
本明細書では、特記されない限り、「ヘテロアリール」という用語は、O、S、及びNから独立に選択される1個以上のヘテロ原子を有する少なくとも1個の芳香環を含む、任意に置換された単環式又は多環式のラジカル又は環系を意味する。一実施態様において、ヘテロアリール基のそれぞれの環は、1個若しくは2個のO原子、1個若しくは2個のS原子、及び/又は1〜4個のN原子を含むことができ、但し、それぞれの環中のヘテロ原子の総数が4以下であり、それぞれの環が少なくとも1個の炭素原子を含むことを条件とする。特定の実施態様において、ヘテロアリールは、5〜20個、5〜15個、又は5〜10個の環原子を有する。特定の実施態様において、ヘテロアリールは、二環式、三環式、又は四環式環であって、該環の1個が、O、S、及びNから独立に選択される1個以上のヘテロ原子を有する芳香族であり、該環のその他のもの(複数可)が、飽和、部分不飽和、又は芳香族であってもよく、かつ炭素環式であるか、又はO、S、及びNから独立に選択される1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい環も意味する。単環式ヘテロアリール基の例には、フラニル、イミダゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、テトラゾリル、トリアジニル、及びトリアゾリルがあるが、これらに限定されない。二環式ヘテロアリール基の例には、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フロピリジル、イミダゾピリジニル、イミダゾチアゾリル、インドリジニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソベンゾチエニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、オキサゾロピリジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピリドピリジル、ピロロピリジル、キノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、チアジアゾロピリミジル、及びチエノピリジルがあるが、これらに限定されない。三環式ヘテロアリール基の例には、アクリジニル、ベンズインドリル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナントリジニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、及びキサンテニルがあるが、これらに限定されない。特定の実施態様において、ヘテロアリールは、本明細書中の別所に記載されているように1個以上の置換基で任意に置換されていてもよい。
【0030】
本明細書では、特記されない限り、「ヘテロシクロアルキル」又は「ヘテロシクリル」という用語は、O、S、及びNから独立に選択される1個以上のヘテロ原子を有する少なくとも1個の非芳香族の環を含む、任意に置換された単環式又は多環式のラジカル又は環系を意味する。特定の実施態様において、ヘテロシクリル又はヘテロシクロアルキル基は、3〜20個、3〜15個、3〜10個、3〜8個、4〜7個、又は5〜6個の環原子を有する。特定の実施態様において、ヘテロシクリル又はヘテロシクロアルキルは、縮合又は橋架け環系を含み得る単環式、二環式、三環式、又は四環式環系であって、窒素又は硫黄原子が任意に酸化されていてもよく、窒素原子が任意に四級化されていてもよく、環炭素原子がオキソにより任意に置換されていてもよく、かついくつかの環が部分若しくは完全飽和、又は芳香族であってもよい環系である。ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクリルは、安定な化合物の生成をもたらすヘテロ原子又は炭素原子において主要構造に結合していてもよい。例には、アゼピニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラノニル、ベンゾピラノニル、ベンゾピラニル、ベンゾテトラヒドロフラニル、ベンゾテトラヒドロチエニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾオキサジニル、β-カルボリニル、クロマニル、クロモニル、シンノリニル、クマリニル、デカヒドロイソキノリニル、ジヒドロベンズイソチアジニル、ジヒドロベンズイソオキサジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジオキソラニル、1,4-ジチアニル、フラノニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、インドリニル、イソベンゾテトラヒドロフラニル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソクロマニル、イソクマリニル、イソインドリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、オキサゾリジノニル、オキサゾリジニル、オキシラニル、ピペラジニル、ピペリジニル、4-ピペリドニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジニル、ピロリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、チアモルホリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロキノリニル、及び1,3,5-トリチアニルがあるが、これらに限定されない。特定の実施態様において、ヘテロシクリル又はヘテロシクロアルキル環が1個以上のOを含む場合、ヘテロシクリル又はヘテロシクロアルキルは、「シクロアルコキシル」と呼ぶこともできる。特定の実施態様において、ヘテロシクリル又はヘテロシクロアルキルは、本明細書中の別所に記載されているように1個以上の置換基で任意に置換されていてもよい。
【0031】
本明細書では、特記されない限り、「ハロゲン」、「ハライド」、又は「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を意味する。
【0032】
本明細書では、特記されない限り、「水素」という用語は、プロトン(1H)、重水素(2H)、三重水素(3H)、及び/又はそれらの混合物を包含する。本明細書に記載される化合物において、水素によって占められる1つ以上の位置は、重水素及び/又は三重水素により濃縮されていてもよい。同位体が濃縮されたそのような類似体は、市販源から得られる好適な同位体標識された出発物質から調製できるか、又は公知の文献手順を用いても調製できる。
【0033】
本明細書では、特記されない限り、「任意に置換されている」という用語は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルなどの基が、例えば、(a)それぞれ1個以上の、一実施態様において、1、2、3、又は4個の置換基Q1により任意に置換されているC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに、(b)ハロ、シアノ(-CN)、ニトロ(-NO2)、オキソ(=O)、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、-C(NRa)NRbRc、-ORa、-OC(O)Ra、-OC(O)ORa、-OC(O)NRbRc、-OC(=NRa)NRbRc、-OS(O)Ra、-OS(O)2Ra、-OS(O)NRbRc、-OS(O)2NRbRc、-NRbRc、-NRaC(O)Rd、-NRaC(O)ORd、-NRaC(O)NRbRc、-NRaC(=NRd)NRbRc、-NRaS(O)Rd、-NRaS(O)2Rd、-NRaS(O)NRbRc、-NRaS(O)2NRbRc、-SRa、-S(O)Ra、-S(O)2Ra、-S(O)NRbRc、及び-S(O)2NRbRc(式中、Ra、Rb、Rc、及びRdのそれぞれは、独立に、(i)水素;(ii)それぞれ1個以上の、一実施態様において、1、2、3、又は4個の置換基Q1により任意に置換されているC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;あるいは、(iii)RbとRcとは、それらが結合しているN原子と共に、1個以上の、一実施態様において、1、2、3、又は4個の置換基Q1により任意に置換されているヘテロアリール又はヘテロシクリルを形成する)から独立に選択される1個以上の置換基により置換され得ることを意味するものとする。本明細書では、特記されない限り、置換することのできる基は全て「任意に置換されている」。
【0034】
一実施態様において、各Q1は、(a)シアノ、ハロ、オキソ、及びニトロ;並びに、(b)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに、(c)-C(O)Re、-C(O)ORe、-C(O)NRfRg、-C(NRe)NRfRg、-ORe、-OC(O)Re、-OC(O)ORe、-OC(O)NRfRg、-OC(=NRe)NRfRg、-OS(O)Re、-OS(O)2Re、-OS(O)NRfRg、-OS(O)2NRfRg、-NRfRg、-NReC(O)Rh、-NReC(O)ORh、-NReC(O)NRfRg、-NReC(=NRh)NRfRg、-NReS(O)Rh、-NReS(O)2Rh、-NReS(O)NRfRg、-NReS(O)2NRfRg、-SRe、-S(O)Re、-S(O)2Re、-S(O)NRfRg、及び-S(O)2NRfRg(式中、Re、Rf、Rg、及びRhのそれぞれは、独立に、(i)水素;(ii)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;あるいは、(iii)RfとRgとは、それらが結合しているN原子と共に、ヘテロアリール又はヘテロシクリルを形成する)からなる群からから独立に選択される。
【0035】
本明細書では、特記されない限り、「医薬として許容し得る塩」という用語は、無機酸及び有機酸を含む、医薬として許容し得る非毒性の酸から;又は、無機塩基及び有機塩基を含む、医薬として許容し得る非毒性の塩基から調製される塩を意味する。一実施態様において、好適な非毒性の酸には、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロ酸、グルコン酸、グルタミン酸、グルコレン酸、ガラクツロン酸、グリシド酸、臭化水素酸、塩化水素酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、プロピオン酸、リン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸があるが、これらに限定されない。
【0036】
本明細書では、特記されない限り、「溶媒和物」という用語は、本明細書で提供される化合物又はその塩であって、非共有結合の分子間力により結合した化学量論又は非化学量論的な量の溶媒をさらに含むものを意味する。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。
【0037】
本明細書では、特記されない限り、「立体異性体」という用語は、本明細書で提供される鏡像異性体的/立体異性体的に純粋な化合物及び鏡像異性体的/立体異性体的に濃縮された化合物の全てを包含する。
【0038】
本明細書では、特記されない限り、「立体異性体的に純粋な」という用語は、化合物の1種の立体異性体を含み、かつその化合物の他の立体異性体を実質的に含まない組成物を意味する。例えば、キラル中心を1個有する化合物の立体異性体的に純粋な組成物は、その化合物の反対の鏡像異性体を実質的に含まない。キラル中心を2個有する化合物の立体異性体的に純粋な組成物は、その化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まない。典型的な立体異性体的に純粋な化合物は、約80重量%を超えるその化合物の1種の立体異性体及び約20重量%未満のその化合物の他の立体異性体、約90重量%を超えるその化合物の1種の立体異性体及び約10重量%未満のその化合物の他の立体異性体、約95重量%を超えるその化合物の1種の立体異性体及び約5重量%未満のその化合物の他の立体異性体、約97重量%を超えるその化合物の1種の立体異性体及び約3重量%未満のその化合物の他の立体異性体、又は約99重量%を超えるその化合物の1種の立体異性体及び約1重量%未満のその化合物の他の立体異性体を含む。
【0039】
本明細書では、特に指示されない限り、「立体異性体的に濃縮された」という用語は、約55重量%を超えるある化合物の1種の立体異性体、約60重量%を超えるある化合物の1種の立体異性体、約70重量%を超える、又は約80重量%を超えるある化合物の1種の立体異性体を含む組成物を意味する。
【0040】
本明細書では、特に指示されない限り、「鏡像異性体的に純粋な」という用語は、キラル中心を1個有する化合物の立体異性体的に純粋な組成物を意味する。同様に、「鏡像異性体的に濃縮された」という用語は、キラル中心を1個有する化合物の立体異性体的に濃縮された組成物を意味する。
【0041】
特定の実施態様において、本明細書では、特定されない限り、「光学活性のある」及び「鏡像異性体的に活性のある」とは、約50%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約91%以上、約92%以上、約93%以上、約94%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、約99.5%以上、又は約99.8%以上の鏡像体過剰率を有する分子の集まりを意味する。特定の実施態様において、化合物は、検討されるラセミ化合物の総重量に基づき、約95%以上の所望の鏡像異性体及び約5%以下のあまり好ましくない鏡像異性体を含む。
【0042】
光学活性化合物を記載する際、接頭辞R及びSを用いて、そのキラル中心(複数可)の周りの分子の絶対配置を示す。(+)及び(-)を用いて、化合物の旋光度、すなわち、偏光面が光学活性化合物によって回転する方向を示す。(-)の接頭辞は、化合物が左旋性であること、すなわち、化合物が偏光面を左すなわち反時計回りに回転させることを示す。(+)の接頭辞は、化合物が右旋性であること、すなわち、化合物が偏光面を右すなわち時計回りに回転させることを示す。しかしながら、光学回転の印である(+)及び(-)は、分子の絶対配置R及びSとは関連しない。
【0043】
本明細書では、特に指示されない限り、「約(about)」又は「およそ(approximately)」という用語は、当業者により決定される特定の値についての許容し得る誤差を意味し、これは、部分的には、その値の測定方法又は決定方法によって決まる。特定の実施態様において、「約」又は「およそ」という用語は、1、2、3、又は4標準偏差以内を意味する。特定の実施態様において、「約」又は「およそ」という用語は、所与の値又は範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%以内を意味する。
【0044】
本明細書では、特記されない限り、「医薬として許容し得る担体」、「医薬として許容し得る賦形剤」、「生理的に許容し得る担体」、又は「生理的に許容し得る賦形剤」という用語は、液体又は固体の充填剤、希釈剤、溶媒、又は封入材料などの、医薬として許容し得る材料、組成物、又はビヒクルを意味する。一実施態様において、それぞれの構成成分は、医薬製剤のその他の成分と適合性であり、また、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性、又はその他の問題若しくは合併症を伴わずに、ヒト及び動物の組織又は器官と接触させて用いるのに好適であり、妥当な利益/危険比に見合うものであるという意味において「医薬として許容し得る」ものである。「レミントン:製薬の科学と実践(Remington:The Science and Practice of Pharmacy)」(第21版、Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia、PA、2005);「医薬賦形剤の手引き(Handbook of Pharmaceutical Excipients)」(第5版、Roweら編、The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association:2005);並びに「医薬添加剤の手引き(Handbook of Pharmaceutical Additives)」(第3版、Ash及びAsh編、Gower Publishing Company:2007);「医薬の予備処方及び処方(Pharmaceutical Preformulation and Formulation)」(第2版、Gibson編、CRC Press LLC:Boca Raton、FL、2009)を参照されたい。
【0045】
本明細書では、特記されない限り、「有効成分」及び「活性物質」という用語は、病態、疾患、又は疾病の1つ以上の症状を治療、予防し、又は寛解させるために、単独で又は1種以上の医薬として許容し得る賦形剤と組み合わせて対象に投与される化合物を意味する。本明細書では、「有効成分」及び「活性物質」は、本明細書に記載される化合物の光学活性異性体であってよい。
【0046】
本明細書では、特記されない限り、「薬物」及び「治療剤」という用語は、病態、疾患、又は疾病の1つ以上の症状を治療、予防、管理し、又は寛解させるために対象に投与される化合物、又はその医薬組成物を意味する。
【0047】
本明細書では、特に指示されない限り、「治療する(treat)」、「治療している(treating)」、及び「治療(treatment)」という用語は、疾病若しくは疾患、又は該疾病若しくは疾患に関連する1つ以上の症状の根絶又は寛解を意味する。特定の実施態様において、該用語は、そのような疾病又は疾患を有する対象への1種以上の予防剤又は治療剤の投与によってもたらされる、疾病又は疾患の拡大又は悪化の最小化を意味する。いくつかの実施態様において、該用語は、他の追加的な活性剤の有無にかかわらず、特定の疾患の症状の発症後の、本明細書で提供される化合物の投与を意味する。
【0048】
本明細書では、特に指示されない限り、「予防する(prevent)」、「予防している(preventing)」、及び「予防(prevention)」という用語は、疾病若しくは疾患、又はその1つ以上の症状の発症、再発、若しくは拡大の予防を意味する。特定の実施態様において、該用語は、他の追加的な活性化合物の有無にかかわらず、症状の発症前の、特に本明細書で提供される疾病又は疾患のリスクがある患者への、本明細書で提供される化合物による治療又は該化合物の投与を意味する。該用語は、特定の疾病の症状の阻害又は軽減を包含する。特に疾病の家族歴のある患者は、特定の実施態様における予防レジメンの候補である。さらに、症状再発の病歴を有する患者も、予防の潜在的候補である。この点で、「予防」という用語は、「予防的治療」という用語と互換的に用いることができる。
【0049】
本明細書では、特記されない限り、「管理する(manage)」、「管理している(managing)」、及び「管理(management)」という用語は、疾病若しくは疾患、又はその1つ以上の症状の進行、拡大、若しくは悪化の予防又は緩徐化を意味する。多くの場合、予防剤及び/又は治療剤から対象が得る有益な効果は、該疾病又は疾患の治癒をもたらさない。この点で、「管理」という用語は、該疾病の再発を予防又は最小化するための、特定の疾病に既に罹患したことがある患者の治療を包含する。
【0050】
本明細書では、特記されない限り、特定の医薬組成物の投与による特定の疾患の症状の「寛解」とは、該組成物の投与を原因とし得る、又は該組成物の投与に関連し得る、永続的でも一時的でもよく、持続的でも一過性でもよい減弱を意味する。
【0051】
本明細書では、特記されない限り、化合物の「治療上有効な量」は、疾病若しくは疾患の治療若しくは管理において治療的利益を与えるのに十分な量、又は該疾病若しくは疾患に関連する1つ以上の症状を遅延又は最小化するのに十分な量である。化合物の治療上有効な量は、該疾病又は疾患の治療又は管理において治療的利益を与える、単独又は他の療法と組み合わせた治療剤の量を意味する。「治療上有効な量」という用語は、治療全体を改善する量、疾病若しくは疾患の症状若しくは原因を低減若しくは回避する量、又は別の治療剤の治療効能を増強する量を包含することができる。
【0052】
本明細書では、特記されない限り、化合物の「予防上有効な量」は、疾病若しくは疾患を予防するか、又はその再発を予防するのに十分な量である。化合物の予防上有効な量は、該疾病の予防において予防的利益を与える、単独又は他の薬剤と組み合わせた治療剤の量を意味する。「予防上有効な量」という用語は、予防全体を改善する量、又は別の予防剤の予防効能を増強する量を包含することができる。
【0053】
本明細書では、特記されない限り、「対象」という用語は、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどを含むがこれらに限定されない、哺乳動物などの動物を含むように本明細書で定義される。具体的な実施態様において、対象はヒトである。
【0054】
本明細書では、特記されない限り、「神経疾患」という用語は、哺乳動物の中枢神経系又は末梢神経系の任意の病態を意味する。「神経疾患」という用語は、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び筋萎縮性側索硬化症)、神経精神病(例えば、統合失調症、及び全般性不安障害などの不安神経症)、並びに情動障害(例えば、うつ病及び注意欠陥障害)を含むが、これらに限定されない。例示的な神経疾患には、MLS(小脳性運動失調症)、ハンチントン病、ダウン症候群、多発梗塞性認知症、うつ病(例えば、大うつ病性障害、気分変調症、及び双極性うつ障害)、認知症、運動障害、精神病、アルコール依存症、心的外傷後ストレス障害などがあるが、これらに限定されない。「神経疾患」には、該疾患に関連する任意の病態も含まれる。例えば、神経変性疾患障害を治療する方法は、神経変性疾患に関連する記憶喪失及び/又は認知喪失を治療する方法を含む。例示的な方法であれば、神経変性疾患に特徴的なニューロン機能の喪失の治療又は予防も含むだろう。
【0055】
本明細書では、特記されない限り、「精神病」、「統合失調症」、「強迫性障害」、「物質乱用」、「不安神経症」、「摂食障害」、「片頭痛」という用語、及び本明細書中の別所に記載されている他のCNS疾患は、当該技術分野におけるその認知された意味と一致するように本明細書で用いられる。例えば、「精神障害の診断と統計の手引き(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」(第4版、アメリカ精神医学会(1997))(DSM-IVTM)を参照されたい。
【0056】
本明細書では、特記されない限り、「情動障害」という用語は、うつ病、注意欠陥障害、多動性を伴う注意欠陥障害、双極性状態、及び躁状態などを含む。「注意欠陥障害」(ADD)及び「多動性を伴う注意欠陥障害」(ADDH)、又は注意欠陥/多動性障害(AD/HD)は、「精神障害の診断と統計の手引き(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」(第4版、アメリカ精神医学会(1997) (DSM-IVTM)に見られる、認知された意味に従って、本明細書で使用される。
【0057】
本明細書では、特記されない限り、「うつ病」という用語は、大うつ病性障害(MDD)、双極性障害、季節性情動障害(SAD)、気分変調症、及び治療抵抗性うつ病を含むがこれらに限定されない、全ての形態のうつ病を含む。「大うつ病性障害」は、本明細書では、「単極性うつ病」及び「大うつ病」と互換的に用いられる。「うつ病」には、全ての形態の疲労(例えば、慢性疲労症候群)及び認知障害などの、うつ病に関連することが多い任意の病態も含まれ得る。
【0058】
本明細書では、特記されない限り、「疼痛」という用語は、不快な感覚体験及び感情体験を意味する。本明細書で使用される「疼痛」という用語は、全ての範疇の疼痛を意味し、これには、刺激又は神経応答に関して記載される疼痛、例えば、体性痛(有害刺激に対する正常な神経応答)及び神経因性疼痛(明確な有害入力がないことが多い、損傷を受けた又は変化を受けた感覚経路の異常な応答);時間的に分類される疼痛、例えば、慢性疼痛及び急性疼痛;例えば、軽度、中等度、又は重度のような、その重症度に関して分類される疼痛;並びに、疾患状態又は症候群の症状又は結果である疼痛、例えば、炎症性疼痛、癌性疼痛、AIDSの疼痛、関節症、片頭痛、三叉神経痛、心臓虚血、及び糖尿病性末梢神経因性疼痛が含まれる(例えば、引用によりその全体が本明細書中に組み込まれている、「ハリソン内科学原理(Harrison's Principles of Internal Medicine)」、93〜98ページ(Wilsonら編、第12版、1991年);Williamsらの文献(J.of Med.Chem. 42:1481-1485(1999))を参照されたい)。「疼痛」は、混合病因による疼痛、二重機構疼痛、異痛症、カウザルギー、中心性疼痛、知覚過敏、痛感過敏、感覚異常、及び痛覚過敏を含むことも意図される。さらに、「疼痛」という用語は、神経系の機能不全から生じる疼痛、すなわち、神経因性疼痛の臨床的特徴と、可能性のある一般的な病態生理学的機構とを併せ持つが、神経系の任意の部分における特定可能な病変によって引き起こされるのではない器質性疼痛状態を含む。
【0059】
本明細書では、特記されない限り、「線維筋痛症」という用語は、疲労及び様々な他の症状を伴う、びまん性又は特異的な筋肉、関節、又は骨の痛みを特徴とする慢性病態を意味する。かつて、線維筋痛症は、線維炎、慢性筋肉痛症候群、心因性リウマチ、及び緊張性筋肉痛などの他の名前で知られていた。
【0060】
本明細書では、特記されない限り、「過体重」及び「肥満症」は、ボディマス指数(BMI)により測定できる理想体重を超える(例えば、理想の体脂肪を超える)18才以上の成人を意味し、ボディマス指数は、総体脂肪と、過体重又は肥満状態の結果としての疾病による早期の死又は障害を患う相対リスクに一般的に相関する。BMIは、キログラムで表した体重を、メートルで表した身長の二乗で割って(kg/m2)、あるいは、ポンドで表した体重に703をかけ、インチで表した身長の二乗で割って(lbs×703/in2)計算される。過体重の個体は、典型的には、BMIが約25〜約29であり、肥満症の個体は、典型的には、BMIが約30以上である(例えば、National Heart, Lung, and Blood Institute、「成人における過体重及び肥満症の確定、評価及び治療に関する臨床指針(Clinical Guidelines on the Identification, Evaluation, and Treatment of Overweight and Obesity in Adults)」、The Evidence Report, Washington, D.C., 米国保健福祉省(HHS)、NIH出版、No.98-4083、1998年を参照されたい)。過剰な体重、過剰な体脂肪、及び肥満症を示す他の手段には、体脂肪の直接測定及び/又はウエスト対ヒップの比の測定がある。
【0061】
本明細書では、特記されない限り、「メタボリック症候群」という用語は、当該技術分野でのその通常の意味に従って使用される。アメリカ心臓協会は、メタボリック症候群を、下記の症状の少なくとも3つ以上を持つものとして特徴付けている:1)胴回りの増加[男性の場合>102cm (40インチ);女性の場合>88cm (35インチ);2)トリグリセリドの増加[≧150mg/dL (>1.695mmol/L)又はトリグリセリド増加に対する薬物治療];3)HDLコレステロールの減少[男性の場合<40mg/dL (1.036mmol/L);女性の場合<50mg/dL (1.295mmol/L);又はHDL-C減少に対する薬物治療];4)高血圧[≧130/85mmHg又は高血圧に対する薬物治療];並びに、5)高空腹時血糖[≧110mg/dL又は高血糖に対する薬物治療]。世界保健機関(WHO)によると、メタボリック症候群には、糖尿病、耐糖能異常、空腹時血糖異常、又はインスリン抵抗性に加えて、下記の症状の2つ以上がある個体が含まれる:1)高血圧[≧160/90mmHg];2)高脂血症[トリグリセリド濃度≧150mg/dL (1.695mmol/L)及び/又はHDLコレステロール、男性の場合<35mg/dL (0.9mmol/L)及び女性の場合<39mg/dL (1.0mmol/L)];3)中心性肥満[ウエスト対ヒップ比、男性の場合>0.90及び女性の場合>0.85及び/又はBMI>30kg/m2];並びに、4)ミクロアルブミン尿症[尿中アルブミン排泄速度≧20μg/分又はアルブミン対クレアチニン比≧20mg/kg)。
【0062】
(B. 化合物)
一実施態様において、式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体が本明細書に提供される:
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
nは、1、2、又は3であり;
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、又は8であり;但し、(i)nが1である場合、mは、0、1、2、3、又は4であり;(ii)nが2である場合、mは、0、1、2、3、4、5、又は6であり;並びに、(iii)nが3である場合、mは、0、1、2、3、4、5、6、7、又は8であることを条件とし;
各Rは、独立して、ハロ又は(C1-C4)アルキルであり;
各Xは、独立して、N、CR1、O、又はNR2であり;
各Zは、独立して、N又はCであり;
各Yは、独立して、N又はCR3であり;
但し、
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
は、1、2、3、4、又は5個の窒素環原子を含むことを条件とし;
R1は、水素、ハロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルコキシル、アミノアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、カルボニル、チオール、スルフィニル、又はスルホニルであり;
R2は、水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボニル、又はスルホニルであり;
各R3は、独立して、(i)水素、ハロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルコキシル、アミノアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、カルボニル、チオール、スルフィニル、又はスルホニルであるか;あるいは、(ii)2個の隣接するR3の出現は、それらが結合している炭素原子と一緒に、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリル環を形成し;
Bは:
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
(i)R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、単環式又は多環式アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリル環を形成するか;あるいは、(ii)R4及びR5は、各々独立して、水素、シアノ、ハロ、アルキル、アルケニル、アルコキシル、アミノアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、アミノ、イミノ、アミド、カルボニル、チオール、スルフィニル、又はスルホニルであり;
B1は、O、S、又はNR8であり;
B2は、CR9又はNであり;
R6は、水素、ハロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルコキシル、アミノアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、カルボニル、チオール、スルフィニル、又はスルホニルであり;
R7は、水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボニル、又はスルホニルであり;
R8は、水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボニル、又はスルホニルであり;並びに
R9は、水素、ハロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルコキシル、アミノアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、カルボニル、チオール、スルフィニル、又はスルホニルであり;
但し、式(I)の化合物は:
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
ではないことを条件とする。)。
【0063】
一実施態様において、式(I-A)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体が本明細書に提供される:
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
nは、1、2、又は3であり;
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、又は8であり;但し、(i)nが1である場合、mは、0、1、2、3、又は4であり;(ii)nが2である場合、mは、0、1、2、3、4、5、又は6であり;並びに、(iii)nが3である場合、mは、0、1、2、3、4、5、6、7、又は8であることを条件とし;
各Rは、独立して、ハロ又は(C1-C4)アルキルであり;
Xは、(i)N若しくはCR1であるか;又は、(ii)O若しくはNR2であり;
各Zは、独立して、N又はCであり;
各Yは、独立して、N又はCR3であり;
但し、
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
は、1、2、3、4、又は5個の窒素環原子を含むことを条件とし;
R1は、水素、ハロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルコキシル、アミノアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、カルボニル、チオール、スルフィニル、又はスルホニルであり;
R2は、水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボニル、又はスルホニルであり;
各R3は、独立して、(i)水素、ハロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルコキシル、アミノアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、カルボニル、チオール、スルフィニル、又はスルホニルであるか;あるいは、(ii)2個の隣接するR3の出現は、それらが結合している炭素原子と一緒に、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリル環を形成し;
Bは:
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
(i)R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、単環式又は多環式アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリル環を形成するか;あるいは、(ii)R4及びR5は、各々独立して、水素、シアノ、ハロ、アルキル、アルケニル、アルコキシル、アミノアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、アミノ、イミノ、アミド、カルボニル、チオール、スルフィニル、又はスルホニルであり;
B1は、O、S、又はNR8であり;
B2は、CR9又はNであり;
R6は、水素、ハロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルコキシル、アミノアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、カルボニル、チオール、スルフィニル、又はスルホニルであり;
R7は、水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボニル、又はスルホニルであり;
R8は、水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボニル、又はスルホニルであり;並びに
R9は、水素、ハロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルコキシル、アミノアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、カルボニル、チオール、スルフィニル、又はスルホニルであり;
但し、式(I)の化合物は:
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
ではないことを条件とする。)。
【0064】
一実施態様において、nは1である。一実施態様において、nは2である。一実施態様において、nは3である。一実施態様において、nは1又は2である。
【0065】
一実施態様において、mは0である。一実施態様において、mは1である。一実施態様において、mは2である。一実施態様において、mは3である。一実施態様において、mは4である。一実施態様において、mは5である。一実施態様において、mは6である。一実施態様において、mは7である。一実施態様において、mは8である。一実施態様において、mは1又は2である。
【0066】
一実施態様において、下記式の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体が、本明細書において提供される:
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、X、Y、Z、n、B、及びRは、本明細書において定義されている。)。
【0067】
一実施態様において、下記式の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体が、本明細書において提供される:
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、X、Y、Z、n、B、及びRは、本明細書において定義されている。)。
【0068】
一実施態様において、下記式の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体が、本明細書において提供される:
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、X、Y、Z、B、及びRは、本明細書において定義されている。)。
【0069】
一実施態様において、下記式の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体が、本明細書において提供される:
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、X、Y、Z、B、及びRは、本明細書において定義されている。)。
【0070】
一実施態様において、下記式の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体が、本明細書において提供される:
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、X、Y、Z、B、及びRは、本明細書において定義されている。)。
【0071】
一実施態様において、下記式の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体が、本明細書において提供される:
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、X、Y、Z、B、及びRは、本明細書において定義されている。)。
【0072】
一実施態様において、Rは、ハロ(例えば、F、Cl、又はBr)である。一実施態様において、Rは(C1-4)アルキル(例えば、Me、Et、Pr、又はBuであり、これは任意に置換されたMe、Et、Pr、又はBuを含む)である。一実施態様において、Rは、メチルである。
【0073】
一実施態様において、XはNである。一実施態様において、XはCR1である。一実施態様において、XはOである。一実施態様において、XはNR2である。一実施態様において、XはCR1又はNである。一実施態様において、XはO又はNR2である。
【0074】
一実施態様において、ZはNである。一実施態様において、ZはCである。Zの出現の一つは、別のZの出現と同じ又は異なってよい。
【0075】
一実施態様において、式(I)の化合物におけるZの出現は全て、Cである。一実施態様において、Zの出現の少なくとも一つは、Cである。一実施態様において、Zの出現の少なくとも二つは、Cである。一実施態様において、Zの出現の全ては、Nである。一実施態様において、Zの出現の少なくとも一つは、Nである。一実施態様において、Zの出現の少なくとも二つは、Nである。一実施態様において、Zの出現の一つは、Cであり、且つZの出現の他の二つは、Nである。一実施態様において、Zの出現の一つは、Nであり、且つZの出現の他の二つは、Cである。
【0076】
一実施態様において、式(I-a)の化合物におけるZの出現の二つは、Nである。一実施態様において、Zの出現の二つは、Cである。一実施態様において、Zの出現の一つは、Nであり、且つ他のZの出現は、Cである。一実施態様において、Zの出現の少なくとも一つは、Nである。一実施態様において、Zの出現の少なくとも一つは、Cである。
【0077】
一実施態様において、YはNである。一実施態様において、Yは、CR3である。Yの出現の一つは、別のYの出現と同じ又は異なってよい。
【0078】
一実施態様において、R1は水素である。一実施態様において、R1はハロである。一実施態様において、R1はシアノである。一実施態様において、R1はアルキルである。一実施態様において、R1はアルケニルである。一実施態様において、R1はアルコキシルである。一実施態様において、R1はアミノアルキルである。一実施態様において、R1はヘテロアルキルである。一実施態様において、R1はシクロアルキルである。一実施態様において、R1はアリールである。一実施態様において、R1はヘテロアリールである。一実施態様において、R1はヘテロシクリルである。一実施態様において、R1はアミノである。一実施態様において、R1はアミドである。一実施態様において、R1はカルボニルである。一実施態様において、R1はチオールである。一実施態様において、R1はスルフィニルである。一実施態様において、R1はスルホニルである。各R1は、任意に置換されている。
【0079】
一実施態様において、R2は水素である。一実施態様において、R2はアルキルである。一実施態様において、R2はアルケニルである。一実施態様において、R2はヘテロアルキルである。一実施態様において、R2はシクロアルキルである。一実施態様において、R2はアリールである。一実施態様において、R2はヘテロアリールである。一実施態様において、R2はヘテロシクリルである。一実施態様において、R2はカルボニルである。一実施態様において、R2はスルホニルである。各R2は、任意に置換されている。
【0080】
一実施態様において、R3は水素である。一実施態様において、R3はハロである。一実施態様において、R3はシアノである。一実施態様において、R3はアルキルである。一実施態様において、R3はアルケニルである。一実施態様において、R3はアルコキシルである。一実施態様において、R3はアミノアルキルである。一実施態様において、R3はヘテロアルキルである。一実施態様において、R3はシクロアルキルである。一実施態様において、R3はアリールである。一実施態様において、R3はヘテロアリールである。一実施態様において、R3はヘテロシクリルである。一実施態様において、R3はアミノである。一実施態様において、R3はアミドである。一実施態様において、R3はカルボニルである。一実施態様において、R3はチオールである。一実施態様において、R3はスルフィニルである。一実施態様において、R3はスルホニルである。一実施態様において、各R3は、独立して、水素、ハロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルコキシル、アミノアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、カルボニル、チオール、スルフィニル、又はスルホニルである。一実施態様において、2個のR3の隣接する出現は、それらが結合している炭素原子と一緒に、アリール環を形成する。一実施態様において、2個のR3の隣接する出現は、それらが結合している炭素原子と一緒に、ヘテロアリール環を形成する。一実施態様において、2個のR3の隣接する出現は、それらが結合している炭素原子と一緒に、シクロアルキル環を形成する。一実施態様において、2個のR3の隣接する出現は、それらが結合している炭素原子と一緒に、ヘテロシクリル環を形成する。各R3は、任意に置換されている。
【0081】
一実施態様において、2個のR3の隣接する出現は、それらが結合している原子と一緒に、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリル環を形成し、これらは任意に置換されたフェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、チエニル、又はチアゾリル、又は5-若しくは6-員のヘテロシクリル環を含むが、これらに限定されるものではない。一実施態様において、2個のR3の隣接する出現は、それらが結合している原子と一緒に、アリール又はヘテロアリール環を形成し、これらは任意に置換されたフェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、チエニル、又はチアゾリルを含むが、これらに限定されるものではない。一実施態様において、2個のR3の隣接する出現は、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたピリジルを形成する。
【0082】
一実施態様において、Bは
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
である。一実施態様において、Bは
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
である。一実施態様において、Bは
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
である。一実施態様において、Bは
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
である。一実施態様において、Bは
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
である。一実施態様において、Bは
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
である。一実施態様において、Bは
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
である。一実施態様において、Bは
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
である。一実施態様において、Bは
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
である。一実施態様において、Bは
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
である。一実施態様において、Bは
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
である。一実施態様において、Bは
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0083】
一実施態様において、R4及びR5は、各々独立して、水素、シアノ、ハロ、アルキル、アルケニル、アルコキシル、アミノアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、アミノ、イミノ、アミド、カルボニル、チオール、スルフィニル、又はスルホニルである。
【0084】
一実施態様において、R4は水素である。一実施態様において、R4はシアノである。一実施態様において、R4はハロである。一実施態様において、R4はアルキルである。一実施態様において、R4はアルケニルである。一実施態様において、R4はアルコキシルである。一実施態様において、R4はアミノアルキルである。一実施態様において、R4はヘテロアルキルである。一実施態様において、R4はシクロアルキルである。一実施態様において、R4はアラルキルである。一実施態様において、R4はヘテロアラルキルである。一実施態様において、R4はアリールである。一実施態様において、R4はヘテロアリールである。一実施態様において、R4はヘテロシクリルである。一実施態様において、R4はヒドロキシルである。一実施態様において、R4はアミノである。一実施態様において、R4はイミノである。一実施態様において、R4はアミドである。一実施態様において、R4はカルボニルである。一実施態様において、R4はチオールである。一実施態様において、R4はスルフィニルである。一実施態様において、R4はスルホニルである。
【0085】
一実施態様において、R5は水素である。一実施態様において、R5はシアノである。一実施態様において、R5はハロである。一実施態様において、R5はアルキルである。一実施態様において、R5はアルケニルである。一実施態様において、R5はアルコキシルである。一実施態様において、R5はアミノアルキルである。一実施態様において、R5はヘテロアルキルである。一実施態様において、R5はシクロアルキルである。一実施態様において、R5はアラルキルである。一実施態様において、R5はヘテロアラルキルである。一実施態様において、R5はアリールである。一実施態様において、R5はヘテロアリールである。一実施態様において、R5はヘテロシクリルである。一実施態様において、R5はヒドロキシルである。一実施態様において、R5はアミノである。一実施態様において、R5はイミノである。一実施態様において、R5はアミドである。一実施態様において、R5はカルボニルである。一実施態様において、R5はチオールである。一実施態様において、R5はスルフィニルである。一実施態様において、R5はスルホニルである。
【0086】
一実施態様において、R4及びR5は一緒に、単環式環を形成し、且つBは、二環式環系である。一実施態様において、R4及びR5は一緒に、多環式環を形成し、且つBは、三環式環系である。
【0087】
一実施態様において、R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、単環式アリール環を形成する。一実施態様において、R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、多環式アリール環を形成する。一実施態様において、R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、単環式ヘテロアリール環を形成する。一実施態様において、R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、多環式ヘテロアリール環を形成する。一実施態様において、R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、単環式シクロアルキル環を形成する。一実施態様において、R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、多環式シクロアルキル環を形成する。一実施態様において、R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、単環式ヘテロシクリル環を形成する。一実施態様において、R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、多環式ヘテロシクリル環を形成する。単環式又は多環式アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリル環の各々は、任意に置換されている。
【0088】
一実施態様において、R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、6-員の芳香環(例えば、アリール又はヘテロアリール環)を形成し、これは、その各々が任意に置換されている、フェニル環、ピリジル環、ピリミジル環、ピラジン環、又はピリダジン環を含むが、これらに限定されるものではない。
【0089】
一実施態様において、R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリル環を形成し、これは、任意に置換されたフェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、チエニル、又はチアゾリル、又は5-若しくは6-員のヘテロシクリル環を含むが、これらに限定されるものではない。
【0090】
一実施態様において、B1はOである。一実施態様において、B1はSである。一実施態様において、B1はNR8である。
【0091】
一実施態様において、B2はCR9である。一実施態様において、B2はNである。
【0092】
一実施態様において、R6は水素である。一実施態様において、R6はハロである。一実施態様において、R6はシアノである。一実施態様において、R6はアルキルである。一実施態様において、R6はアルケニルである。一実施態様において、R6はアルコキシルである。一実施態様において、R6はアミノアルキルである。一実施態様において、R6はヘテロアルキルである。一実施態様において、R6はシクロアルキルである。一実施態様において、R6はアラルキルである。一実施態様において、R6はヘテロアラルキルである。一実施態様において、R6はアリールである。一実施態様において、R6はヘテロアリールである。一実施態様において、R6はヘテロシクリルである。一実施態様において、R6はアミノである。一実施態様において、R6はアミドである。一実施態様において、R6はカルボニルである。一実施態様において、R6はチオールである。一実施態様において、R6はスルフィニルである。一実施態様において、R6はスルホニルである。各R6は、任意に置換されている。
【0093】
一実施態様において、R7は水素である。一実施態様において、R7はアルキルである。一実施態様において、R7はアルケニルである。一実施態様において、R7はヘテロアルキルである。一実施態様において、R7はシクロアルキルである。一実施態様において、R7はアリールである。一実施態様において、R7はヘテロアリールである。一実施態様において、R7はヘテロシクリルである。一実施態様において、R7はカルボニルである。一実施態様において、R7はスルホニルである。各R7は、任意に置換されている。
【0094】
一実施態様において、R8は水素である。一実施態様において、R8はアルキルである。一実施態様において、R8はアルケニルである。一実施態様において、R8はヘテロアルキルである。一実施態様において、R8はシクロアルキルである。一実施態様において、R8はアリールである。一実施態様において、R8はヘテロアリールである。一実施態様において、R8はヘテロシクリルである。一実施態様において、R8はカルボニルである。一実施態様において、R8はスルホニルである。各R8は、任意に置換されている。
【0095】
一実施態様において、R9は水素である。一実施態様において、R9はハロである。一実施態様において、R9はシアノである。一実施態様において、R9はアルキルである。一実施態様において、R9はアルケニルである。一実施態様において、R9はアルコキシルである。一実施態様において、R9はアミノアルキルである。一実施態様において、R9はヘテロアルキルである。一実施態様において、R9はシクロアルキルである。一実施態様において、R9はアラルキルである。一実施態様において、R9はヘテロアラルキルである。一実施態様において、R9はアリールである。一実施態様において、R9はヘテロアリールである。一実施態様において、R9はヘテロシクリルである。一実施態様において、R9はアミノである。一実施態様において、R9はアミドである。一実施態様において、R9はカルボニルである。一実施態様において、R9はチオールである。一実施態様において、R9はスルフィニルである。一実施態様において、R9はスルホニルである。各R9は、任意に置換されている。
【0096】
一実施態様において、
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
は、窒素環原子を1〜2個、1〜3個、1〜4個、1〜5個、2〜3個、2〜4個、2〜5個、3〜4個、3〜5個、又は4〜5個含む。一実施態様において、
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
は、1個の窒素環原子を含む。一実施態様において、
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
は、2個の窒素環原子を含む。一実施態様において、
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
は、3個の窒素環原子を含む。一実施態様において、
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
は、4個の窒素環原子を含む。一実施態様において、
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
は、5個の窒素環原子を含む。
【0097】
一実施態様において、
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
は、窒素環原子を1〜2個、1〜3個、1〜4個、1〜5個、2〜3個、2〜4個、2〜5個、3〜4個、3〜5個、又は4〜5個含む。一実施態様において、
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
は、1個の窒素環原子を含む。一実施態様において、
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
は、2個の窒素環原子を含む。一実施態様において、
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
は、3個の窒素環原子を含む。一実施態様において、
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
は、4個の窒素環原子を含む。一実施態様において、
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
は、5個の窒素環原子を含む。
【0098】
一実施態様において、
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
は、二環式環である(すなわち、2つ以上のYの出現がCR3である場合、2個のR3の隣接する出現は、環を形成しない。)。
【0099】
一実施態様において、
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
は、三環式環である(すなわち、2つ以上のYの出現がCR3である場合、2個のR3の隣接する出現は、単環式環を形成する。)。
【0100】
一実施態様において、
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
である(式中、Yは、本明細書の別所に定義されている)。
【0101】
一実施態様において、
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
である(式中、Y及びR1は、本明細書の別所に定義されている)。
【0102】
一実施態様において、
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
である(式中、Y及びR1は、本明細書の別所に定義されている)。
【0103】
一実施態様において、R1は、H、ハロ、シアノ、メチル、エチル、又はCF3である。
【0104】
一実施態様において、
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
である(式中、Y及びR2は、本明細書の別所に定義されている)。
【0105】
一実施態様において、
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
である(式中、Yは、本明細書の別所に定義されている)。
【0106】
一実施態様において、
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
である(式中、Yは、本明細書の別所に定義されている)。
【0107】
一実施態様において、
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
である(式中、R3及びYは、本明細書の別所に定義されている)。
【0108】
一実施態様において、
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
である(式中、R3及びYは、本明細書の別所に定義されている)。
【0109】
一実施態様において、
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
は:
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
であり;式中、R3は、本明細書の別所に定義されている。
【0110】
一実施態様において、
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
は:
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
であり;式中、R3は、本明細書の別所に定義されている。
【0111】
一実施態様において、
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
は:
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0112】
一実施態様において、
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R1、R3、及びYは、本明細書の別所に定義されている。
【0113】
一実施態様において、
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R1、R3、及びYは、本明細書の別所に定義されている。
【0114】
一実施態様において、
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
は:
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
であり;式中、R1及びR3は、本明細書の別所に定義されている。
【0115】
一実施態様において、
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
は:
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R3は、本明細書の別所に定義されている。
【0116】
一実施態様において、
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R3は、本明細書の別所に定義されている。
【0117】
一実施態様において、
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R3は、本明細書の別所に定義されている。
【0118】
一実施態様において、
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0119】
一実施態様において、
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
ではない。
【0120】
一実施態様において、
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0121】
一実施態様において、
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
ではない。
【0122】
一実施態様において、
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
である。一実施態様において、R3はメチルである。
【0123】
一実施態様において、
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
ではない。一実施態様において、R3はメチルではない。
【0124】
一実施態様において、
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
は、最大3個の置換基により任意に置換されている。一実施態様において、
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
を置換しているR3の最大3個の出現は、水素ではない。
【0125】
一実施態様において、R1は、水素、ハロ、シアノ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシル、(C1-C6)アミノアルキル、(C1-C6)ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールである。一実施態様において、R1は、水素、ハロ、シアノ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシル、(C1-C6)アミノアルキル、又は(C1-C6)ヘテロアルキルである。一実施態様において、R1は、H、ハロ、シアノ、メチル、又はCF3である。一実施態様において、R1は、H又はメチルである。
【0126】
一実施態様において、R2は、水素、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシル、(C1-C6)アミノアルキル、(C1-C6)ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールである。一実施態様において、R2は、水素、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシル、(C1-C6)アミノアルキル、又は(C1-C6)ヘテロアルキルである。一実施態様において、R2は、H、メチル、又はエチルである。一実施態様において、R2は、H又はメチルである。
【0127】
一実施態様において、各R3は、独立して、水素、ハロ、シアノ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシル、(C1-C6)アミノアルキル、(C1-C6)ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールである。一実施態様において、各R3は、独立して、水素、ハロ、シアノ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシル、又は3-から6-員のシクロアルキルである。一実施態様において、各R3は、独立して、水素、ハロ(例えば、F、Cl、又はBr)、シアノ、メチル、エチル、メトキシル、エトキシル、CF3、OCF3、又はシクロプロピルである。一実施態様において、各R3は、独立して、水素、F、Cl、シアノ、メチル、エチル、メトキシル、エトキシル、CF3、OCF3、又はシクロプロピルである。一実施態様において、各R3は、独立して、水素、F、Cl、メチル、エチル、CF3、メトキシル、又はシクロプロピルである。一実施態様において、各R3は、独立して、水素、メチル、エチル、クロロ、又はCF3である。一実施態様において、各R3は、独立して、H、ハロ(例えば、F又はCl)、シアノ、メチル、CF3、メトキシル、OCF3、又はシクロプロピルである。一実施態様において、各R3は、独立して、水素、メチル、エチル、CF3、又はハロである。一実施態様において、各R3は、独立して、水素、Cl、メチル、又はCF3である。一実施態様において、各R3は、独立して、水素又はメチルである。一実施態様において、2個のR3の隣接する出現は、それらが結合している原子と一緒に、5-又は6-員のアリール又は(to)ヘテロアリール環(例えば、任意に置換されたベンゼン又はピリジン)を形成する。一実施態様において、2個のR3の隣接する出現は、環を形成しない。
【0128】
一実施態様において、Bは
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、B1、B2、R4、及びR5は、本明細書の別所に定義されている。
【0129】
一実施態様において、B1は、NR8であり、且つB2は、CR9又はNである。
【0130】
一実施態様において、B1は、NH又はNCH3である。一実施態様において、B2は、CH又はNである。
【0131】
一実施態様において、Bは、二環式環である。一実施態様において、Bは、三環式環である。
【0132】
一実施態様において、Bは、1〜6個、1〜5個、1〜4個、2〜6個、2〜5個、2〜4個、2〜3個、3〜4個、又は3〜5個の窒素環原子を含む。一実施態様において、Bは、1個の窒素環原子を含む。一実施態様において、Bは、2個の窒素環原子を含む。一実施態様において、Bは、3個の窒素環原子を含む。一実施態様において、Bは、4個の窒素環原子を含む。一実施態様において、Bは、5個の窒素環原子を含む。一実施態様において、Bは、6個の窒素環原子を含む。
【0133】
一実施態様において、Bは、最大1個の、最大2個の、最大3個の、最大4個の、最大5個の、最大6個の置換基により、任意に置換されている。一実施態様において、Bは、ハロ、シアノ、メチル、エチル、CF3、メトキシル、エトキシル、OCF3、又はシクロプロピルの1個以上により、任意に置換されている。
【0134】
一実施態様において、Bは、二環式環系である。
【0135】
一実施態様において、Bは:
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
であり;式中、R9は、本明細書の別所に定義されており;且つ、各R12は、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、=0、-OR13、-NR13R14、-N(R13)C(O)R14、-C(O)NR13R14、-C(O)R13、-C(O)OR13、-OC(O)R13、-SR13、-S(O)R13、-S(O)2R13、-S(O)2NR13R14、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;ここで、R13及びR14の各々は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;あるいは、R13及びR14が両方共1個の窒素原子に結合されている場合、R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒に、3〜10員の環を形成する。他の実施態様において、R12は、本明細書の別所に定義されている。
【0136】
一実施態様において、Bは、
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R9及びR12は、本明細書の別所に定義されている。
【0137】
一実施態様において、Bは、
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R12は、本明細書の別所に定義されている。
【0138】
一実施態様において、Bは、
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R12は、本明細書の別所に定義されている。
【0139】
一実施態様において、R9は、水素、ハロ、シアノ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシル、(C1-C6)アミノアルキル、(C1-C6)ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールである。一実施態様において、R9は、水素、ハロ、シアノ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシル、又は3-から6-員のシクロアルキルである。一実施態様において、R9は、水素、ハロ(例えば、F、Cl、又はBr)、シアノ、メチル、エチル、メトキシル、エトキシル、CF3、OCF3、又はシクロプロピルである。一実施態様において、R9は、水素、F、Cl、シアノ、メチル、エチル、メトキシル、エトキシル、CF3、OCF3、又はシクロプロピルである。一実施態様において、R9は、水素、F、Cl、メチル、エチル、CF3、メトキシル、又はシクロプロピルである。一実施態様において、R9は、水素、メチル、エチル、クロロ、又はCF3である。一実施態様において、R9は、H、ハロ(例えば、F又はCl)、シアノ、メチル、CF3、メトキシル、OCF3、又はシクロプロピルである。一実施態様において、R9は、水素、F、Cl、メチル、又はCF3である。一実施態様において、R9は、水素又はメチルである。
【0140】
一実施態様において、各R12は、独立して、水素、ハロ、シアノ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシル、(C1-C6)アミノアルキル、(C1-C6)ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルである。一実施態様において、各R12は、独立して、水素、ハロ、シアノ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシル、又は3-から6-員のシクロアルキルである。一実施態様において、各R12は、独立して、水素、ハロ(例えば、F、Cl、又はBr)、シアノ、メチル、エチル、メトキシル、エトキシル、CF3、OCF3、又はシクロプロピルである。一実施態様において、各R12は、独立して、水素、F、Cl、シアノ、メチル、エチル、メトキシル、エトキシル、CF3、OCF3、又はシクロプロピルである。一実施態様において、各R12は、独立して、水素、F、Cl、メチル、エチル、CF3、メトキシル、又はシクロプロピルである。一実施態様において、各R12は、独立して、水素、メチル、エチル、クロロ、又はCF3である。一実施態様において、各R12は、独立して、H、ハロ(例えば、F又はCl)、シアノ、メチル、CF3、メトキシル、OCF3、又はシクロプロピルである。一実施態様において、各R12は、独立して、水素、Cl、メチル、又はCF3である。一実施態様において、各R12は、独立して、水素又はメチルである。
【0141】
一実施態様において、Bは、三環式環系である。
【0142】
一実施態様において、Bは:
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
であり;式中、R8は、本明細書の別所に定義されており;各R12は、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、=O、-OR13、-NR13R14、-N(R13)C(O)R14、-C(O)NR13R14、-C(O)R13、-C(O)OR13、-OC(O)R13、-SR13、-S(O)R13、-S(O)2R13、-S(O)2NR13R14、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;ここで、R13及びR14の各々は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;あるいは、R13及びR14が両方共1個の窒素原子に結合されている場合、R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒に、3〜10員の環を形成し;並びに、環Cは、5-若しくは6-員のヘテロアリール環、又は5-から7-員のシクロアルキル若しくはヘテロシクリル環である。他の実施態様において、R12は、本明細書の別所に定義されている。一実施態様において、環Cは、5-又は6-員のヘテロアリール環(例えば、任意に置換されたピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、又はイソチアゾール環)である。別の実施態様において、環Cは、5-から7-員のシクロアルキル又はヘテロシクリル環(例えば、任意に置換されたシクロヘキセン又はジヒドロフラン環)である。いくつかの実施態様において、ヘテロシクリル環は、N、O、及びSから独立して選択された1〜2個のヘテロ原子(複数可)を含む。さらに別の実施態様において、環Cは、6-員のアリール環(例えば、任意に置換されたベンゼン環)である。一実施態様において、環Cは、1個以上のR12により、任意に置換されており、ここでR12は、本明細書の別所に定義されている。特定の実施態様において、R8は、水素又はメチルである。特定の実施態様において、R12は水素である。
【0143】
一実施態様において、Bは:
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R8及びR12は、本明細書の別所に定義されている。
【0144】
一実施態様において、Bは:
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R9は、本明細書の別所に定義されており;各R12は、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、=0、-OR13、-NR13R14、-N(R13)C(O)R14、-C(O)NR13R14、-C(O)R13、-C(O)OR13、-OC(O)R13、-SR13、-S(O)R13、-S(O)2R13、-S(O)2NR13R14、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;ここで、R13及びR14の各々は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;あるいは、R13及びR14が両方共1個の窒素原子に結合されている場合、R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒に、3〜10員の環を形成し;並びに、環Cは、5-若しくは6-員のヘテロアリール環、又は5-から7-員のシクロアルキル若しくはヘテロシクリル環である。他の実施態様において、R12は、本明細書の別所に定義されている。一実施態様において、環Cは、5-又は6-員のヘテロアリール環(例えば、任意に置換されたピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、又はイソチアゾール環)である。別の実施態様において、環Cは、5-から7-員のシクロアルキル又はヘテロシクリル環(例えば、任意に置換されたシクロヘキセン又はジヒドロフラン環)である。いくつかの実施態様において、ヘテロシクリル環は、N、O、及びSから独立して選択された1〜2個のヘテロ原子(複数可)を含む。さらに別の実施態様において、環Cは、6-員のアリール環(例えば、任意に置換されたベンゼン環)である。一実施態様において、環Cは、1個以上のR12により、任意に置換されており、ここでR12は、本明細書の別所に定義されている。特定の実施態様において、R9は、水素又はメチルである。特定の実施態様において、R12は水素である。
【0145】
一実施態様において、Bは:
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R9及びR12は、本明細書の別所に定義されている。
【0146】
一実施態様において、Bは:
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、各R12は、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、=0、-OR13、-NR13 R14、-N(R13)C(O)R14、-C(O)NR13R14、-C(O)R13、-C(O)OR13、-OC(O)R13、-SR13、-S(O)R13、-S(O)2R13、-S(O)2NR13R14、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;ここで、R13及びR14の各々は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;あるいは、R13及びR14が両方共1個の窒素原子に結合されている場合、R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒に、3〜10員の環を形成し;並びに、環Cは、5-若しくは6-員のヘテロアリール環、5-から7-員のシクロアルキル若しくはヘテロシクリル環、又は6-員のアリール環である。他の実施態様において、R12は、本明細書の別所に定義されている。一実施態様において、環Cは、1個以上のR12により、任意に置換されており、式中、R12は、本明細書の別所に定義されている。
【0147】
一実施態様において、Bは:
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R8及びR12は、本明細書の別所に定義されている。
【0148】
一実施態様において、Bは:
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R8及びR12は、本明細書の別所に定義されている。
【0149】
一実施態様において、Bは:
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R9及びR12は、本明細書の別所に定義されている。
【0150】
一実施態様において、R6は、水素、ハロ、シアノ、又はアルキルである。一実施態様において、R6は、水素、ハロ、シアノ、又は(C1-C4)アルキル(例えば、メチル又はエチル)である。一実施態様において、R6は、水素、ハロ、又は(C1-C4)アルキル(例えば、メチル又はエチル)である。一実施態様において、R6は、水素又は(C1-C4)アルキル(例えば、メチル又はエチル)である。一実施態様において、R6は、水素又はメチルである。
【0151】
一実施態様において、R7は、水素又はアルキルである。一実施態様において、R7は、水素又は(C1-C4)アルキル(例えば、メチル又はエチル)である。一実施態様において、R7は、水素又はメチルである。
【0152】
一実施態様において、R8は、水素又はアルキルである。一実施態様において、R8は、水素又は(C1-C4)アルキル(例えば、メチル又はエチル)である。一実施態様において、R8は、水素又はメチルである。
【0153】
一実施態様において、各R12は、独立して、水素、ハロ、シアノ、アルキル、又はアルコキシル(例えば、-OR13)である。一実施態様において、各R12は、独立して、水素、ハロ(例えば、F又はCl)、シアノ、(C1-C4)アルキル(例えば、メチル又はCF3)、又は(C1-C4)アルコキシル(例えば、メトキシル又はOCF3)である。一実施態様において、各R12は、独立して、水素又はメチルである。
【0154】
一実施態様において、R8及びR12の各々は、独立して、水素又はメチルである。
【0155】
一実施態様において、R9及びR12の各々は、独立して、水素、ハロ、シアノ、アルキル、又はアルコキシルである。一実施態様において、R9及びR12の各々は、独立して、水素、ハロ(例えば、F又はCl)、シアノ、(C1-C4)アルキル(例えば、メチル又はCF3)、又は(C1-C4)アルコキシル(例えば、メトキシル又はOCF3)である。一実施態様において、R9及びR12の各々は、独立して、水素又はメチルである。
【0156】
一実施態様において、式(II-A)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体が、本明細書において提供される:
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Y及びBは、本明細書の別所に定義されている。)。
【0157】
一実施態様において、下記式の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体が、本明細書において提供される:
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R3及びBは、本明細書の別所に定義されている。)。
【0158】
一実施態様において、Bは、
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、B1、B2、R4、及びR5は、本明細書の別所に定義されている。
【0159】
一実施態様において、Bは、二環式環系である。例として:
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0160】
特定の実施態様において、B2は、CH又はCMeである。特定の実施態様において、B1は、NH又はNMeである。特定の実施態様において、R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、ピリジル環を形成し、これは、F、Cl、Br、CN、Me、Et、OMe、OEt、CF3、OCF3、OCHF2、OCH2F、OH、又はシクロプロピルなどの1個以上の置換基により、任意に置換されている。特定の実施態様において、R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、フェニル環を形成し、これは、F、Cl、Br、CN、Me、Et、OMe、OEt、CF3、OCF3、OCHF2、OCH2F、OH、又はシクロプロピルなどの1個以上の置換基により、任意に置換されている。
【0161】
一実施態様において、Bは、三環式環系である。例として:
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0162】
特定の実施態様において、Bは、
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、B2は、CH又はCMeであり;且つ、R4及びR5は、本明細書において定義されている。特定の実施態様において、R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、イソキノリニル、ナフチリジニル、又は2,3-ジヒドロ-[1,4]ジオキシノ[2,3-c]ピリジニル環を形成し、それらの各々は、任意に置換されている(例えば、ハロなどの置換基により)。
【0163】
一実施態様において、式(II-B)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体が、本明細書において提供される:
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Y及びBは、本明細書の別所に定義されている。)。
【0164】
一実施態様において、下記式の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体が、本明細書において提供される:
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R3及びBは、本明細書の別所に定義されている。)。
【0165】
一実施態様において、Bは、
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、B1、B2、R4、及びR5は、本明細書の別所に定義されている。
【0166】
一実施態様において、Bは、二環式環系である。例として:
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0167】
特定の実施態様において、B2は、CH又はCMeである。特定の実施態様において、B1は、NH又はNMeである。特定の実施態様において、R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、ピリジル環を形成し、これは、F、Cl、Br、CN、Me、Et、OMe、OEt、CF3、OCF3、OCHF2、OCH2F、OH、又はシクロプロピルなどの1個以上の置換基により、任意に置換されている。特定の実施態様において、R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、フェニル環を形成し、これは、F、Cl、Br、CN、Me、Et、OMe、OEt、CF3、OCF3、OCHF2、OCH2F、OH、又はシクロプロピルなどの1個以上の置換基により、任意に置換されている。
【0168】
一実施態様において、Bは、三環式環系である。例として:
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0169】
特定の実施態様において、Bは、
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、B2は、CH又はCMeであり;且つ、R4及びR5は、本明細書において定義されている。特定の実施態様において、R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、イソキノリニル、ナフチリジニル、又は2,3-ジヒドロ-[1,4]ジオキシノ[2,3-c]ピリジニル環を形成し、それらの各々は、任意に置換されている(例えば、ハロなどの置換基により)。
【0170】
一実施態様において、式(II-C)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体が、本明細書において提供される:
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Y及びBは、本明細書の別所に定義されている。)。
【0171】
一実施態様において、下記式の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体が、本明細書において提供される:
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R3及びBは、本明細書の別所に定義されている。)。
【0172】
一実施態様において、式(II-D)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体が、本明細書において提供される:
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Y及びBは、本明細書の別所に定義されている。)。
【0173】
他の実施態様において、Bは、
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R4、R5、R6、及びR7は、本明細書の別所に定義されている。例として:
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0174】
特定の実施態様において、R6はHである。特定の実施態様において、R7はメチルである。特定の実施態様において、R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、ピリジル又はピリミジル環を形成し、それらの各々は、任意に置換されている。
【0175】
一実施態様において、Bは、
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
であり、B2、R4、R5、及びR6は、本明細書の別所に定義されている。例として:
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0176】
特定の実施態様において、R6は、H又はメチルである。特定の実施態様において、R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、フェニル、ピリジル、又はテトラヒドロピリジル環を形成し;それらの各々は、任意に置換されている。特定の実施態様において、B2はCHである。
【0177】
一実施態様において、Bは、
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
であり、且つR4及びR5は、各々独立して、水素、シアノ、ハロ、アルキル、アルケニル、アルコキシル、アミノアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、アミノ、イミノ、アミド、カルボニル、チオール、スルフィニル、又はスルホニルである。一実施態様において、R4及びR5の一方は、水素であり、且つ他方は、水素ではない。一実施態様において、R4及びR5の一方は、水素であり、且つ他方は、任意に置換されたフェニル又は任意に置換された5-若しくは6-員のヘテロアリールである。特定の実施態様において、B1は、NH又はNMeである、具体例として、
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0178】
他の実施態様において、式(I)の化合物(式中、nは2である)が、本明細書において提供される。具体例として:
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0179】
一実施態様において、下記構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体が、本明細書において提供される:
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
【0180】
一実施態様において、下記構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体が、本明細書において提供される:
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
【0181】
一実施態様において、下記構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体が、本明細書において提供される:
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
【0182】
一実施態様において、下記構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体が、本明細書において提供される:
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
【0183】
一実施態様において、下記式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体は、本明細書において提供されない:
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
【0184】
一実施態様において、下記式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体は、本明細書において提供されない:
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
【0185】
一実施態様において、下記式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体は、本明細書において提供されない:
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
【0186】
一実施態様において、下記式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体は、本明細書において提供されない:
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
【0187】
一実施態様において、nが1であり、mが0であり、並びに、
【化133】
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が、
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
である場合、Bは、
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
ではない。
【0188】
一実施態様において、nが1であり、mが0であり、並びに、
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
が、
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
である場合、Bは、二環式環系である。
【0189】
一実施態様において、nが1であり、mが0であり、並びに、
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
が、
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
である場合、Bは、
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
ではなく、式中、R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、環を形成している。
【0190】
一実施態様において、nが1であり、mが0であり、並びに、
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
が、
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
である場合、Bは、三環式環系ではない。
【0191】
一実施態様において、nが1であり、mが0であり、並びに、Bが、
【化143】
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である場合、
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
ではない。
【0192】
一実施態様において、nが1であり、mが0であり、並びに、Bが、
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
である場合、
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
は、二環式環系である。
【0193】
一実施態様において、nが1であり、mが0であり、並びに、Bが、
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
である場合、
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
ではない。
【0194】
一実施態様において、nが1であり、mが0であり、並びに、Bが、
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
である場合、
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
は、三環式環系ではない。
【0195】
一実施態様において、nが1であり、mが0である場合、B及び
【化153】
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の両方は、二環式環系である。
【0196】
一実施態様において、R1は、(i)水素、ハロ、又はシアノであるか;あるいは、(ii)(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C1-C6)アルコキシル、(C1-C6)アミノアルキル、(C1-C6)ヘテロアルキル、(C3-C6)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、カルボニル、チオール、スルフィニル、又はスルホニルであり、それらの各々は、1個以上のR12により、任意に置換されており、ここでR12は、本明細書において定義されている。
【0197】
一実施態様において、R2は、(i)水素であるか;あるいは、(ii)(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C1-C6)ヘテロアルキル、(C3-C6)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボニル、又はスルホニルであり、それらの各々は、1個以上のR12により、任意に置換されており、ここでR12は、本明細書において定義されている。
【0198】
一実施態様において、各R3は、独立して、(i)水素、ハロ、又はシアノであるか;(ii)(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C1-C6)アルコキシル、(C1-C6)アミノアルキル、(C1-C6)ヘテロアルキル、(C3-C6)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、カルボニル、チオール、スルフィニル、又はスルホニルであり、それらの各々は、1個以上のR12により、任意に置換されているか;あるいは、(iii)2個のR3の隣接する出現は、それらが結合している原子と一緒に、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリル環を形成し、それらの各々は、1個以上のR12により、任意に置換されており;ここでR12は、本明細書において定義されている。
【0199】
一実施態様において、R4及びR5は、それらが結合している原子と一緒に、単環式又は多環式のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリル環を形成し、それらの各々は、1個以上のR12により、任意に置換されており;ここでR12は、本明細書において定義されている。
【0200】
一実施態様において、R4及びR5は、各々独立して、(i)水素、シアノ、又はハロであるか;あるいは、(ii)(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C1-C6)アルコキシル、(C1-C6)アミノアルキル、(C1-C6)ヘテロアルキル、(C3-C6)シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、アミノ、イミノ、アミド、カルボニル、チオール、スルフィニル、又はスルホニルであり、それらの各々は、1個以上のR12により、任意に置換されており;ここでR12は、本明細書において定義されている。
【0201】
一実施態様において、R6は、(i)水素、ハロ、又はシアノであるか;あるいは、(ii)(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C1-C6)アルコキシル、(C1-C6)アミノアルキル、(C1-C6)ヘテロアルキル、(C3-C6)シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、カルボニル、チオール、スルフィニル、又はスルホニルであり、それらの各々は、1個以上のR12により、任意に置換されており;ここでR12は、本明細書において定義されている。
【0202】
一実施態様において、R7は、(i)水素であるか;あるいは、(ii)(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C1-C6)ヘテロアルキル、(C3-C6)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボニル、又はスルホニルであり、それらの各々は、1個以上のR12により、任意に置換されており;ここでR12は、本明細書において定義されている。
【0203】
一実施態様において、R8は、(i)水素であるか;あるいは、(ii)(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C1-C6)ヘテロアルキル、(C3-C6)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボニル、又はスルホニルであり、それらの各々は、1個以上のR12により、任意に置換されており;ここでR12は、本明細書において定義されている。
【0204】
一実施態様において、R9は、(i)水素、ハロ、又はシアノであるか;あるいは、(ii)(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C1-C6)アルコキシル、(C1-C6)アミノアルキル、(C1-C6)ヘテロアルキル、(C3-C6)シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、カルボニル、チオール、スルフィニル、又はスルホニルであり、それらの各々は、1個以上のR12により、任意に置換されており;ここでR12は、本明細書において定義されている。
【0205】
一実施態様において、各R12は、独立して、(i)水素、ハロゲン、シアノ、=0、-OR13、-NR13R14、-N(R13)C(O)R14、-C(O)NR13R14、-C(O)R13、-C(O)OR13、-OC(O)R13、-SR13、-S(O)R13、-S(O)2R13、-S(O)2NR13R14であるか、あるいは(ii)1個以上のR15により任意に置換された(C1-C10)アルキル、1個以上のR15により任意に置換された(C1-C10)ヘテロアルキル、1個以上のR15により任意に置換された(C3-C10)シクロアルキル、1個以上のR15により任意に置換された(C7-C12)アラルキル、1個以上のR15により任意に置換された(C3-C12)ヘテロアラルキル、1個以上のR15により任意に置換された(6〜10員の)アリール、1個以上のR15により任意に置換された(5〜10員の)ヘテロアリール、又は1個以上のR15により任意に置換された(3〜12員の)ヘテロシクリルであり;ここで、R13、R14、及びR15は、本明細書において定義されている。
【0206】
一実施態様において、R15の各出現は、独立して、水素、1個以上のR13により任意に置換された(C1-C6)アルキル、1個以上のR13により任意に置換された(C3-C6)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、=0、-OR13、-NR13R14、-N(R13)C(O)R14、-C(O)NR13R14、-C(O)R13、-C(O)OR13、-OC(O)R13、-SR13、-S(O)R13、-S(O)2R13、又は-S(O)2NR13R14であり;ここで、R13及びR14は、本明細書において定義されている。
【0207】
一実施態様において、R13及びR14の各々は、独立して、水素、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ヘテロアルキル、(C3-C6)シクロアルキル、(C7-C10)アラルキル;(C3-C12)ヘテロアラルキル、(6〜10員の)アリール、(5〜10員の)ヘテロアリール、又は(3〜12員の)ヘテロシクリルであるか;あるいは、R13及びR14は両方共、1個の窒素原子に結合され、R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒に、3〜10員の環を形成している。
【0208】
B、m、n、X、Y、Z、B1、B2、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R12、R13、R14、R15、及び環Cの組み合わせのいずれも、本開示により包含され、具体的に本明細書に提供される。
【0209】
描かれた構造とその構造に与えられた化学名との間に矛盾がある場合、描かれた構造がより重視されることに留意されたい。さらに、ある構造又は構造の一部の立体化学が、例えば、太線又は破線で示されていない場合、該構造又は該構造の一部は、その全ての立体異性体を包含するものと解釈されるものとする。本明細書に提供される化合物がアルケニル又はアルケニレン基を含む場合、該化合物は、幾何(すなわち、シス/トランス)異性体のうちの1つ又は幾何(すなわち、シス/トランス)異性体の混合物として存在し得る。
【0210】
構造異性体が相互変換可能である場合、該化合物は、単一の互変異性体又は互変異性体の混合物として存在し得る。これは、例えば、イミノ、ケト、若しくはオキシム基を含む化合物では、プロトン互変異性の形;又は、例えば、芳香族部分を含む化合物では、いわゆる、原子価互変異性の形を取り得る。したがって、単一の化合物が2種類以上の異性を示し得るということになる。
【0211】
特記されない限り、例えば式(I)、(I-A)、(II-A)、(II-B)、(II-C)、又は(II-D)の化合物などの、本明細書において言及される「化合物」という用語は、下記の1つ以上を包含することが意図される:該化合物の遊離塩基若しくはその塩、立体異性体若しくは2種以上の立体異性体の混合物、固体形態(例えば、結晶形態若しくは非晶形態)若しくは2種以上のその固体形態の混合物、又はその溶媒和物(例えば、水和物)。特定の実施態様において、本明細書において言及される「化合物」という用語は、遊離塩基、医薬として許容し得る塩、立体異性体若しくは2種以上の立体異性体の混合物、固体形態(例えば、結晶形態若しくは非晶形態)若しくは2種以上の固体形態の混合物、溶媒和物(例えば、水和物)、又はその共結晶を含むがこれらに限定されない、該化合物の医薬として許容し得る形態を包含することが意図される。一実施態様において、例えば、式(I)、(I-A)、(II-A)、(II-B)、(II-C)、又は(II-D)の化合物などの、本明細書において言及される「化合物」という用語は、その溶媒和物(例えば、水和物)を包含することが意図される。
【0212】
本明細書に提供される化合物は、単一の鏡像異性体若しくは単一のジアステレオマーのように、鏡像異性体的に純粋でよく、鏡像異性体の混合物、例えば、2種の鏡像異性体のラセミ混合物;若しくは2種以上のジアステレオマーの混合物のような、立体異性体混合物であってもよい。場合により、インビボでエピマー化を受ける化合物について、当業者は、その(R)形態の化合物の投与が、その(S)形態の化合物の投与と等価であり、かつ逆もまた同じであることを認識するであろう。個々の鏡像異性体の調製/単離のための従来技術には、好適な光学的に純粋な前駆体からの合成、アキラルな出発物質からの不斉合成、又は、例えば、キラルクロマトグラフィー、再結晶化、分割、ジアステレオマー塩形成、若しくはジアステレオマー付加物への誘導体化とその後の分離による鏡像異性体の混合物の分割がある。
【0213】
本明細書に提供される化合物が酸性又は塩基性部分を含む場合、それを医薬として許容し得る塩として提供することもできる(Bergeらの文献(J. Pharm. Sci.1977, 66, 1-19);並びに「医薬の塩、特性、及び使用の手引き(Handbook of Pharmaceutical Salts, Properties, and Use)」(Stahl及びWermuth編;Wiley-VCH and VHCA, Zurich, 2002)を参照されたい)。
【0214】
医薬として許容し得る塩の調製に用いられる好適な酸には、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L-アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、ホウ酸、(+)-ショウノウ酸、カンファースルホン酸、(+)-(1S)-カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D-グルコン酸、D-グルクロン酸、L-グルタミン酸、α-オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩化水素酸、ヨウ化水素酸、(+)-L-乳酸,(±)-DL-乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、(-)-L-リンゴ酸、マロン酸、(±)-DL-マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、過塩素酸、リン酸、L-ピログルタミン酸、糖酸、サリチル酸、4-アミノ-サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)-L-酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸、及び吉草酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0215】
医薬として許容し得る塩の調製に用いられる好適な塩基には、無機塩基、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化亜鉛、又は水酸化ナトリウム;並びに、有機塩基、例えば、L-アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、2-(ジエチルアミノ)-エタノール、エタノールアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、イソプロピルアミン、N-メチル-グルカミン、ヒドラバミン、1H-イミダゾール、L-リジン、モルホリン、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン、メチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、プロピルアミン、ピロリジン、1-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン、ピリジン、キヌクリジン、キノリン、イソキノリン、二級アミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチル-D-グルカミン、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、及びトロメタミンなどの一級、二級、三級、及び四級の脂肪族及び芳香族アミンがあるが、これらに限定されない。
【0216】
本明細書に提供される化合物は、例えば、式Iの化合物の機能的誘導体であり、かつインビボで親化合物へと容易に変換されるプロドラッグとして提供することもできる。場合によっては、親化合物よりも投与しやすいので、プロドラッグは有用であることが多い。例えば、プロドラッグが経口投与によって生体利用可能であり得るのに対し、親化合物はそうではない。プロドラッグは、親化合物よりも医薬組成物中で高い溶解度を有する場合もある。プロドラッグは、酵素的過程及び代謝的加水分解を含む、様々な機構によって親薬物へと変換され得る。Harperの文献、Progress in Drug Research, 1962, 4, 221-294;「プロドラッグ及びアナログによる生物薬剤学的性質の設計(Design of Biopharmaceutical Properties through Prodrugs and Analogs)」, Roche編、APHA Acad. Pharm. Sci. 1977中のMorozowichらの文献;「薬物設計における薬物の生物可逆性担体、理論及び応用(Bioreversible Carriers in Drug in Drug Design, Theory and Application)、Roche編、APHA Acad. Pharm. Sci. 1987;Bundgaardの文献、「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」、Elsevier ,1985;Wangらの文献、Curr. Pharm. Design 1999, 5, 265-287;Paulettiらの文献、Adv. Drug. Delivery Rev. 1997, 27, 235-256;Mizenらの文献、Pharm. Biotech. 1998, 11, 345-365;Gaignaultらの文献、Pract. Med. Chem. 1996, 671-696;「医薬系の輸送プロセス(Transport Processes in Pharmaceutical Systems)」、Amidonら編、Marcell Dekker, 185-218, 2000中のAsgharnejadの文献;Balantらの文献、Eur. J. Drug Metab. Pharmacokinet. 1990, 15, 143-53;Balimane及びSinkoの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 183-209;Browneの文献、 Clin. Neuropharmacol. 1997, 20, 1-12;Bundgaardの文献、 Arch. Pharm. Chem. 1979, 86, 1-39;Bundgaardの文献、Controlled Drug Delivery, 1987, 17, 179-96;Bundgaardの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1992, 8, 1-38;Fleisherらの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 115-130;Fleisherらの文献、Methods Enzymol. 1985, 112, 360-381;Farquharらの文献、J. Pharm. Sci. 1983, 72, 324-325;Freemanらの文献、J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1991, 875-877;Friis及びBundgaardの文献、Eur. J. Pharm. Sci. 1996, 4, 49-59;Gangwarらの文献、Des. Biopharm. Prop. Prodrugs Analogs, 1977, 409-421;Nathwani及びWoodの文献、Drugs 1993, 45, 866-94;Sinhababu及びThakkerの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 241-273;Stellaらの文献、Drugs 1985, 29, 455-73;Tanらの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 117-151;Taylorの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 131-148;Valentino及びBorchardtの文献、Drug Discovery Today, 1997, 2, 148-155;Wiebe及びKnausの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 63-80;及び、Wallerらの文献、Br. J. Clin. Pharmac. 1989, 28, 497-507を参照されたい。
【0217】
一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、例えば、溶解度、代謝安定性、透過性、及び/又は生物学的利用能などの、改善された特性を有する。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、改善された溶解度を有する。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、参照化合物と比べ、減少されたPGP流出を有する。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、参照化合物と比べ、増大された脳対血漿比を有する。
【0218】
一実施態様において、本明細書に提供される化合物はPDE酵素のモジュレーターである。一実施態様において、本明細書に提供される化合物はPDE酵素の阻害剤である。一実施態様において、本明細書に提供される化合物はPDE-10の阻害剤である。一実施態様において、本明細書に提供される化合物はPDE-10Aの阻害剤である。一実施態様において、本明細書に提供される化合物はPDE-10の選択的阻害剤である。一実施態様において、本明細書に提供される化合物はPDE-10Aの選択的阻害剤である。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、本明細書中で別所に提供される疾患の1つ以上の動物モデルにおいて活性がある。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、本明細書中で別所に提供されるCNS疾患の1つ以上の動物モデルにおいて活性がある。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、条件回避反応(CAR)アッセイを含むがこれに限定されない、精神病、統合失調症、又は抗精神病活性の1つ以上の動物モデルにおいて、及び当該技術分野において公知である精神病、統合失調症、又は抗精神病活性の他の動物モデルにおいて活性がある。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、条件回避反応(CAR)、プレパルス抑制(PPI)、PCP誘発性自発運動亢進を含むがこれに限定されない、精神病、統合失調症、又は抗精神病活性の1つ以上の動物モデルにおいて、及び本明細書の別所に提供される他の動物モデルにおいて活性がある。一実施態様において、インビトロアッセイ(例えば、PDE-10A阻害)又は精神病、統合失調症、若しくは抗精神病活性のインビボモデル(例えば、CAR)において活性のある化合物は、さらに最適化されて、インビトロ及びインビボのアッセイにおける効力、並びに溶解度及び親油性などの薬物様の性質が向上する。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、陽性症状、陰性症状、及び認知症状を含む統合失調症の1つ以上の症状を治療、予防、又は寛解させるのに有用である。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、体重の増加などの、該化合物により治療される対象に誘発される副作用が少ない。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、錐体外路副作用などの、該化合物により治療される対象に誘発される副作用が少ない。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、インビボ耐糖能試験(GTT)、食餌誘発性肥満症モデル、肥満症食物摂取モデルを含むがこれらに限定されない、肥満症、望ましくない体重の保持若しくは体重の増加、メタボリック症候群、糖尿病、非インスリン依存性糖尿病、耐糖能異常、又は高血糖症の1つ以上の動物モデルにおいて、及び当該技術分野において公知又は本明細書中の別所に提供される他の動物モデルにおいて活性がある。一実施態様において、インビトロアッセイ(例えば、PDE-10A阻害)又は肥満症、望ましくない体重の保持若しくは体重の増加、メタボリック症候群、糖尿病、非インスリン依存性糖尿病、耐糖能異常、若しくは高血糖症のインビボモデルにおいて活性のある化合物は、さらに最適化されて、インビトロ及びインビボのアッセイにおける効力、並びに溶解度及び親油性などの薬物様の性質が向上する。
【0219】
(C. 合成スキーム)
下記のスキームは、本明細書に提供される化合物の製造のための例示的な合成法を与える。当業者は、類似の方法を利用して本明細書に提供される化合物を製造できることを理解するだろう。言い換えると、当業者は、試薬、保護基、反応条件、及び反応の順序を好適に調整して、所望の実施態様を製造できることを認識するだろう。反応を大規模又は小規模にして、製造すべき物質の量に適するようにできる。
【0220】
一実施態様において、式(I)の化合物は、当該技術分野において公知であるか、及び/又は商業的供給業者から入手可能である好適な出発物質を利用して、スキームに従って製造することができる。一実施態様において、出発物質は、当該技術分野において公知の手順及び条件を利用して、市販の化合物から製造することができる。例示的な手順及び条件は、本明細書中の別所に記載されている。
【0221】
(スキーム1)
【化154】
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一実施態様において、好適なシクロプロパンアルデヒド(例えば、シス又はトランス異性体)を、塩基及び酸素の存在下で、イミノジアジンアミン又はイミノピリジンアミンの塩(例えば、2-イミノ-3,6-ジメチル-ピラジン-1(2H)-アミン2,4,6-トリメチルベンゼンスルホン酸塩)と反応させ、縮合された複素環式化合物を形成し、これを、式(I)の化合物の1種以上の実施態様へさらに変換することができる。例えば、好適なシクロプロパンカルボン酸エステルは、当該技術分野において公知の条件を用いて加水分解することができる。得られる酸を、適切な活性化剤(例えば、オキサリルクロリド、スルホニルクロリド、又はクロロギ酸イソブチル)により処理し、その後エチルマグネシウムブロミドにより処理し、ケトン中間体を形成する。α-ハロゲンの導入は、当該技術分野において公知の条件及び試薬(例えば、NBS、Br2、PTT)を用いて実現することができる。その後得られるブロモエチルケトンを、任意に置換されたアミノピリジンと反応させ、イミダゾピリジン化合物を形成する(例えば、スキーム1)。
【0222】
(スキーム2)
【化155】
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一実施態様において、好適なシクロプロパンカルボン酸エステルを、当該技術分野において公知の条件を用いて加水分解し、得られる酸を、適切な活性化剤(例えば、オキサリルクロリド、スルホニルクロリド、又はクロロギ酸イソブチル)により処理し、その後HClの存在下で、ジアゾメタンにより処理する。得られるクロロメチルケトンを、任意に置換されたアミノピリジンと反応させ、イミダゾピリジン化合物を形成する(例えば、スキーム2)。
【0223】
(スキーム3)
【化156】
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一実施態様において、好適なシクロプロパンカルボン酸エステルを、当該技術分野において公知の条件を用いて加水分解し、得られる酸を、好適なブロモアセトフェノン出発物質で処理する(例えば、塩基性非プロトン性溶媒中)。得られるケトエステルを、好適なアンモニウム塩(例えば、NH4OAc、NH4Cl、又はNH4O2CH(ギ酸アンモニウム))の存在下で、加熱脱水条件で縮合させ、フェニルイミダゾール化合物を供する。いくつかの実施態様において、このイミダゾール化合物は、好適なハロゲン化アルキルによりアルキル化され、アルキル誘導体を形成する(例えば、スキーム3)。
【0224】
(スキーム4)
【化157】
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一実施態様において、好適なシクロアルカンジカルボン酸エステル(例えば、トランス異性体)を、当該技術分野において公知の条件を用いて加水分解し、得られる二酸を、適切な活性化剤(例えば、オキサリルクロリド、スルホニルクロリド、又はクロロギ酸イソブチル)により処理し、その後HClの存在下で、ジアゾメタンにより処理する。得られるクロロメチルケトンを、任意に置換されたアミノピリジンと反応させ、対称二量体生成物を生じる。いくつかの実施態様において、不完全な反応は、第二のアミノピリジンの反応を可能にし、混合型ビス-イミダゾピリジン同族体を形成する(例えば、スキーム4)。
【0225】
(スキーム5)
【化158】
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一実施態様において、市販の2-ホルミルシクロプロパンカルボン酸エチルを、グリニャール添加によりエチルケトンへ変換し、引き続き好適な酸化プロトコール(例えば、デス-マーチン、PCC、又はMnO2)により、ケトン生成物を供する。α-ハロゲンの導入は、当該技術分野において公知の条件及び試薬(例えば、NBS、Br2、PTT)を用いて実現することができる。得られるブロモエチルケトンを、任意に置換されたアミノ-ピリジンと反応させ、イミダゾピリジンシクロプロパンカルボン酸エステルを生じる(例えば、スキーム5)。
【0226】
一実施態様において、シクロプロパンカルボン酸エステルを、当該技術分野において公知の条件を用いて加水分解し、得られる酸を、適切な活性化剤(例えば、オキサリルクロリド、スルホニルクロリド、又はクロロギ酸イソブチル)により処理し、その後HClの存在下で、ジアゾメタンにより処理する。得られるクロロメチルケトンを、任意に置換されたアミノピリジンと反応させ、イミダゾピリジン化合物を生じる(例えば、スキーム5)。
【0227】
(スキーム6)
【化159】
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一実施態様において、好適なヘテロアリールアルデヒドを、ホーナー-ワズワース-エモンス条件下で処理し、α,β-不飽和エステルとし、これを、酸性条件(例えば、PPA)下で、好適な1,2-ジアミノベンゼンにより環化させ、ビニルベンゾイミダゾールを供する。このオレフィンは、当該技術分野において公知の条件及び試薬を用い、シクロプロパン部分へ変換することができる(例えば、スキーム6)。
【0228】
(スキーム7)
【化160】
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一実施態様において、好適なα,β-不飽和エステルを、当該技術分野において公知の条件及び試薬を用い、シクロプロパン部分へ変換し、シクロプロパンカルボン酸エステルを生じる。このシクロプロパンカルボン酸エステルを、当該技術分野において公知の条件を用いて加水分解し、得られる酸を、適切な活性化剤(例えば、オキサリルクロリド、スルホニルクロリド、又はクロロギ酸イソブチル)により処理し、その後エチルマグネシウムブロミドにより処理し、ケトン中間体を形成する。α-ハロゲンの導入は、当該技術分野において公知の条件及び試薬(例えば、NBS、Br2、PTT)を用いて実現することができる。得られるブロモエチルケトンを、任意に置換されたアミノピリジンと反応させ、イミダゾピリジン化合物を形成する(例えば、スキーム7)。
【0229】
(スキーム8)
【化161】
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一実施態様において、好適なビニルボロン酸エステルを、鈴木カップリング条件下で、好適なハロゲン化ヘテロアリールと反応させる。得られるビニルヘテロアリール化合物へ、Pd(II)(例えば、Pd(OAc)2又はPd2(dba)3)の存在下で、2-ジアゾ酢酸メチル又はエチルを添加し、シクロプロパンカルボン酸エステルを供する。このシクロプロパンカルボン酸エステルを、当該技術分野において公知の条件を用いて加水分解し、得られる酸を、適切な活性化剤(例えば、オキサリルクロリド、スルホニルクロリド、又はクロロギ酸イソブチル)により処理し、その後エチルマグネシウムブロミドにより処理し、ケトン中間体を形成する。α-ハロゲンの導入は、当該技術分野において公知の条件及び試薬(例えば、NBS、Br2、PTT)を用いて実現することができる。得られるブロモエチルケトンを、任意に置換されたアミノピリジンと反応させ、イミダゾピリジン化合物を形成する(例えば、スキーム8)。
【0230】
(スキーム9)
【化162】
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一実施態様において、好適なアルデヒドを、イソプロピルマグネシウムブロミドの存在下で、2-ブロモ-3-フルオロピリジンと反応させ、ピリジルメチルアルコール中間体を供し、これを引き続き、好適なプロトコール(例えば、スワーン、デス-マーチン、又はMnO2)を用いて酸化させ、次に好適なヒドラジンの誘導体により処理し、置換型ピラゾピリジンを位置異性体の混合物として供する(例えば、スキーム9)。
【0231】
一実施態様において、ピラゾピリジンは、シクロプロパンカルボン酸エステルに付加され、これは当該技術分野において公知の条件を用いて加水分解することができる。得られる酸を、適切な活性化剤(例えば、オキサリルクロリド、スルホニルクロリド、又はクロロギ酸イソブチル)により処理し、その後エチルマグネシウムブロミドにより処理し、ケトン中間体を形成する。α-ハロゲンの導入は、当該技術分野において公知の条件及び試薬(例えば、NBS、Br2、PTT)を用いて実現することができる。得られるブロモエチルケトンを、任意に置換されたアミノピリジンと反応させ、イミダゾピリジン化合物を形成する(例えば、スキーム9)。
【0232】
(スキーム10)
【化163】
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一実施態様において、シクロブタンジカルボン酸(例えば、シス又はトランス異性体)を、酸性条件(例えば、PPA)下で、好適な1,2-ジアミノベンゼンにより環化させ、ベンゾイミダゾール化合物を供する(例えば、スキーム10)。
【0233】
他の実施態様において、本明細書に提供される化合物は、本明細書に記載された一般的手順を用い、調製することができる。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、本明細書に記載の合成スキームに従い調製することができる。
【0234】
特定の実施態様において、本明細書に提供される化合物は、2種以上の立体異性体又はジアステレオマーの混合物として調製される。一実施態様において、立体異性体又はジアステレオマーは、当業者に公知である技術、例えば、キラルカラムクロマトグラフフィー及び好適なキラル対イオンとの塩の形成によるキラル分割などがあるがこれらに限定されない技術を利用して分離される。特定の実施態様において、本明細書に提供される化合物は、1つ以上の立体選択的反応(複数可)に従って調製される。一部の実施態様において、本明細書に提供される化合物は、実質的に純粋な立体異性体として調製される。
【0235】
(D. 使用方法)
(1. PDE酵素活性の調節)
一実施態様において、本明細書に提供される化合物を、PDE-10などのPDE酵素、一実施態様において、PDE-10Aに結合させる方法が本明細書に提供される。該方法は、PDE酵素を、本明細書に提供される化合物と接触させることを含む。一実施態様において、PDE酵素への結合は、当該技術分野において公知であるものなどのインビトロ結合アッセイを利用して評価される。
【0236】
一実施態様において、PDE-10などのPDE酵素、一実施態様においてPDE-10Aの活性を調節(例えば、阻害又は増大)する方法が本明細書に提供される。一実施態様において、PDE-10などのPDE酵素、一実施態様において、PDE-10Aの活性を阻害する方法が本明細書に提供される。一実施態様において、該方法は、PDE-10AなどのPDE酵素を、インビトロ又はインビボで、本明細書に提供される化合物と接触させることを含む。一実施態様において、PDE-10AなどのPDE酵素は、対象に、治療上有効な量の本明細書に提供される化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体を投与することにより、本明細書に提供される化合物に接触させられる。該対象はヒトであり得る。一実施態様において、PDE酵素はPDE-10である。一実施態様において、PDE酵素はPDE-10Aである。
【0237】
他の実施態様において、本明細書に提供される化合物は、PDE-10AなどのPDE酵素の活性を阻害する。PDE活性の阻害は、当該技術分野において公知であるアッセイを利用して測定できる。いくつかの実施態様において、PDE酵素の活性は、PDE酵素が本明細書に提供される化合物と接触することのない(例えば、ビヒクル条件)活性と比べて、約1%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約99%、又は約99%超、阻害又は低減される。一実施態様において、酵素活性の阻害は用量依存的である。例示的なアッセイ法には、インビトロ結合アッセイ及びインビトロ機能アッセイがあるが、これらに限定されない。一実施態様において、機能アッセイは、PDE-10Aなどの所望のPDE酵素を発現する適切な細胞系を利用する。一実施態様において、機能アッセイは、適切な組換え系を利用する発現に続いて精製されるPDE酵素を利用する。一実施態様において、PDE酵素活性の阻害は、蛍光アッセイを利用して、例えば、フルオレセイン標識されたcAMP/cGMP基質を利用して評価することができる。一実施態様において、機能アッセイは、適切な生物体の脳組織から単離されたシナプトソームを利用する。一実施態様において、該アッセイはインビボで実施され、試験対象(例えば、齧歯類)を、本明細書に提供される化合物により処理するものである。一実施態様において、試験対象は、陽性又は陰性対照として、参照化合物又はビヒクルにより処理される。一実施態様において、アッセイの後には、脳組織の単離及び脳組織中の基質濃度(例えば、cAMP又はcGMP)のエクスビボ分析が続く。一実施態様において、アッセイの後には、脳微小透析液の単離及び脳微小透析液中の基質濃度(例えば、cAMP又はcGMP)のエクスビボ分析が続く。
【0238】
特定の実施態様において、対象(例えば、ヒト)のPDE酵素、例えば、PDE-10Aの活性を阻害する方法であって、該対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が本明細書に提供される。いくつかの実施態様において、PDE酵素の活性は、本明細書の別所に記載されるアッセイを利用して測定される場合、約1%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約99%、又は約99%超、阻害される。
【0239】
一実施態様において、PDE酵素を阻害して、環状ヌクレオチド基質の濃度を増加させる方法が本明細書に提供される。一実施態様において、該方法は、細胞を、本明細書に提供される化合物と接触させることを含む。一実施態様において、該細胞は、中型有棘神経細胞などの脳細胞である。一実施態様において、該酵素の阻害はインビトロで起こる。一実施態様において、該酵素の阻害はインビボで起こる。そのため、特定の実施態様において、環状ヌクレオチド基質(例えば、cAMP又はcGMP)のレベルを増加させる方法であって、対象(例えば、ヒト)に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が本明細書に提供される。
【0240】
PDE酵素の阻害は、例えば、標識された適切な環状ヌクレオチド基質と共に、PDE-10Aなどの特定のタイプのPDE酵素を発現する細胞型を利用して、種々のインビトロ機能アッセイを実施することにより示すことができる。いくつかの実施態様において、本発明に提供される化合物は、本明細書の記載されるものなどの機能的PDE阻害アッセイにおいて、例えば、約0.1nM〜約10μM、約1nM〜約1μM、約1nM〜約500nM、及び約1nM〜約100nMのEC50で、用量依存的にPDE酵素を阻害する。一実施態様において、EC50は、約0.01nM未満、約0.1nM未満、約1nM未満、約3nM未満、約10nM未満、約30nM未満、約100nM未満、約300nM未満、約1000nM未満、約3000nM未満、又は約10000nM未満である。一実施態様において、EC50は、約0.01nM、約0.1nM、約1nM、約3nM、約10nM、約30nM、約100nM、約300nM、約1000nM、約3000nM、又は約10000nMである。
【0241】
(2. 疾患の治療、予防、及び/又は管理)
一実施態様において、中枢神経系の疾患を含む種々の疾患を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、本明細書に提供される化合物又は組成物を投与することを含む方法が本明細書に提供される。一実施態様において、疾患(例えば、CNS疾患)の1つ以上の症状を治療、予防、及び/又は寛解させる方法であって、本明細書に提供される化合物又は組成物を投与することを含む方法が本明細書に提供される。一実施態様において、本明細書に提供される疾患には、統合失調症、精神病、認知障害、気分障害、うつ病、注意欠陥障害、及び神経変性疾患があるが、これらに限定されない。一実施態様において、該疾患には、神経疾患、統合失調症、統合失調症-関連疾患、統合失調症スペクトラム障害、急性統合失調症、慢性統合失調症、NOS統合失調症、統合失調性情動障害、統合失調症様障害、パラフレニー、パラノイア様人格障害、分裂病質人格障害、統合失調性人格障害、妄想性障害、精神病、精神病の要素を有する疾病、精神病性障害、短期精神病性障害、アルツハイマー病性精神病、パーキンソン病性精神病、共有精神病性障害、物質誘発性精神病性障害(例えば、コカイン、アルコール、アンフェタミン)、全身の医学的状態に起因する精神病性障害、精神病性情動障害、攻撃性、せん妄、興奮精神病、トゥレット症候群、躁障害、器質性精神病、NOS精神病、痙攣、発作、激越、心的外傷後ストレス障害、行動障害、神経変性疾患、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、運動障害、認知症、気分障害、双極性障害、不安症、うつ病、大うつ病性障害、単極性うつ、治療抵抗性うつ病、気分変調症、情動障害、季節性情動障害、強迫性障害、注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、めまい、疼痛、神経因性疼痛、神経因性疼痛を伴う感作、炎症性疼痛、線維筋痛症、片頭痛、認知機能障害、統合失調症に関連する認知機能障害、アルツハイマー病における認知障害、パーキンソン病における認知障害、運動障害、レストレスレッグ症候群(RLS)、多発性硬化症、睡眠障害、物質の乱用又は依存症(例えば、ニコチン、コカイン)、中毒、摂食障害、自閉症、肥満症、望ましくない体重の保持若しくは体重の増加、メタボリック症候群、糖尿病、非インスリン依存性糖尿病、耐糖能異常、及び高血糖症があるが、これらに限定されない。一実施態様において、本明細書に提供される疾患は、中枢神経系を冒す、当該技術分野において公知の疾患(すなわち、CNS疾患)である。
【0242】
一実施態様において、当該技術分野において公知の疾患モデルに本明細書に提供される化合物を投与する方法が本明細書に提供される。一実施態様において、該疾患モデルは動物モデルである。一実施態様において、ヒトの特定の疾病の治療における効能を予測する動物モデルに、本明細書に提供される化合物を投与する方法が本明細書に提供される。該方法は、本明細書に提供される化合物を対象に投与することを含む。一実施態様において、該方法は、対象に、治療上有効な量の本明細書に提供される化合物又はその医薬として許容し得る塩若しくは立体異性体を投与することを含む。一実施態様において、該方法は、本明細書に提供される化合物による、試験対象(例えば、マウス又はラット)の治療を含む。一実施態様において、該方法は、本明細書に提供される化合物に加え、参照化合物による、試験対象(例えば、マウス又はラット)の治療を含む。一実施態様において、本明細書に提供される化合物のインビボ活性は用量依存的である。一実施態様において、特定の理論に限定はされないが、本明細書に提供される方法は、有効量の本明細書に提供される化合物を投与して、対象のPDE-10活性を阻害することを含む。一実施態様において、特定の理論に限定はされないが、本明細書に提供される方法は、有効量の本明細書に提供される化合物を投与して、対象のPDE-10A活性を阻害することを含む。
【0243】
一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、条件回避反応(CAR)、聴覚ゲーティング(例えば、聴覚ゲーティングのアンフェタミン誘発性の欠損)、フェンシクリジン(PCP)誘発性自発運動亢進、刺激薬誘発性自発運動亢進/多動性、PCP誘発性多動性、及びアンフェタミン誘発性多動性などの統合失調症又は精神病の1つ以上の動物モデルにおいて活性がある。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、アンフェタミンなどのドーパミン放出剤及び/又はフェンシクリジン(PCP)などのNMDA受容体拮抗剤により起こる、探索運動活動及び/又は多動性を阻害する。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は条件回避反応を阻害する。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、音刺激に対する驚愕反応モデルのプレパルス抑制(PPI)において活性がある。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は自発運動活動を阻害する。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、治療される対象の認知機能を改善させる。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、治療される対象の社会的相互作用を改善させる。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、治療される対象の社会的認知を改善させる。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、治療される対象の実行機能を改善させる。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、治療される対象のパーキンソン病様副作用(Parkinsonian side effect)を低減させる。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、他の治療薬と比べて、引き起こすカタレプシーが比較的低レベルである。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、治療される対象の中型有棘神経細胞などの神経細胞に対して神経細胞保護作用を与える。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、ハンチントン病の線条体キノリン酸損傷モデル(striatal quinolinic acid lesion model)において活性がある。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、精神病のジゾシルピン誘発性多動性及び定型化されたスニッフィングモデル(stereotyped sniffing model)において活性がある。一実施態様において、本明細書に提供される化合物はアポモルフィン誘発性クライミングを阻害する。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、N-メチル-D-アスパルテート拮抗剤誘発性の音刺激による驚愕反応のプレパルス抑制の欠損を阻害する。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、基準の感覚ゲーティング(baseline sensory gating)を改善させる。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、社会的接近/社会的回避アッセイにおいて社会性を増大させる。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は社会的な臭いの認識(social odor recognition)を向上させる。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、新規物体認識を改善させる。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、当該技術分野において公知である、本明細書中の別所に記載されている疾患の疾患モデルにおいて活性がある。例えば、下記を参照されたい:Grauerらの文献、「統合失調症の陽性症状、認知症状及び陰性症状の前臨床モデルにおけるホスホジエステラーゼ10A阻害剤活性(Phosphodiesterase 10A Inhibitor Activity in Preclinical Models of the Positive, Cognitive, and Negative Symptoms of Schizophrenia)」、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 2009, 331(2), 574-90;Threlfellらの文献、「ホスホジエステラーゼ10Aの阻害は皮質刺激に対する線条体投射ニューロンの応答性を増加させる(Inhibition of Phosphodiesterase 10A Increases the Responsiveness of Striatal Projection Neurons to Cortical Stimulation)」、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 2009, 328(3), 785-95;Schmidtらの文献、「選択的ホスホジエステラーゼ10A阻害剤の前臨床キャラクタリゼーション:統合失調症の治療への新たな治療アプローチ(Preclinical Characterization of Selective Phosphodiesterase 10A Inhibitors: A New Therapeutic Approach to the Treatment of Schizophrenia)」、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 2008, 325(2), 681-90。
【0244】
一実施態様において、中枢神経系の疾患を含むがこれに限定されない種々の疾患を治療、予防、及び/又は管理する方法が本明細書に提供される。一実施態様において、該方法は、対象(例えば、ヒト)に治療上又は予防上有効な量の本明細書に提供される化合物又は組成物を投与することを含む。一実施態様において、対象はヒトである。一実施態様において、対象は動物である。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、対象において高度に脳透過性である。特定の実施態様において、本明細書に提供される化合物の有効濃度は、10nM未満、100nM未満、1μM未満、10μM未満、100μM未満、又は1mM未満である。一実施態様において、化合物の活性は、本明細書中の別所に記載されているか、又は文献において公知である、当該技術分野において認められている種々の動物モデルにおいて評価することができる。
【0245】
一実施態様において、特定の理論には限定されないが、治療、予防、及び/又は管理は、ヒトでの効能を予測する動物モデルにおいてインビボ効能を示した、本明細書に提供される化合物を投与することによりなされる。
【0246】
一実施態様において、CNS疾患、神経疾患、統合失調症、統合失調症-関連疾患、統合失調症スペクトラム障害、急性統合失調症、慢性統合失調症、NOS統合失調症、統合失調性情動障害、統合失調症様障害、パラフレニー、パラノイア様人格障害、分裂病質人格障害、統合失調性人格障害、妄想性障害、精神病、精神病の要素を有する疾病、精神病性障害、短期精神病性障害、アルツハイマー病性精神病、パーキンソン病性精神病、共有精神病性障害、物質誘発性精神病性障害(例えば、コカイン、アルコール、アンフェタミン)、全身の医学的状態に起因する精神病性障害、精神病性情動障害、攻撃性、せん妄、興奮精神病、トゥレット症候群、躁障害、器質性精神病、NOS精神病、痙攣、発作、激越、心的外傷後ストレス障害、行動障害、神経変性疾患、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、運動障害、認知症、気分障害、双極性障害、不安症、うつ病、大うつ病性障害、単極性うつ、治療抵抗性うつ病、気分変調症、情動障害、季節性情動障害、強迫性障害、注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、めまい、疼痛、神経因性疼痛、神経因性疼痛を伴う感作、炎症性疼痛、線維筋痛症、片頭痛、認知機能障害、統合失調症に関連する認知機能障害、アルツハイマー病における認知障害、パーキンソン病における認知障害、運動障害、レストレスレッグ症候群(RLS)、多発性硬化症、睡眠障害、物質の乱用若しくは依存症(例えば、ニコチン、コカイン)、中毒、摂食障害、自閉症、肥満症、望ましくない体重の保持若しくは体重の増加、メタボリック症候群、糖尿病、非インスリン依存性糖尿病、耐糖能異常、又は高血糖症に関連する疾患を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が本明細書に提供される。一実施態様において、統合失調症、統合失調症に関連する認知障害、認知障害、精神病、うつ病、及びハンチントン病から選択される疾患を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が本明細書に提供される。
【0247】
一実施態様において、本明細書の別所に提供される神経疾患、例えば、統合失調症、精神病、認知機能障害、うつ病、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び注意欠陥多動性障害(ADHD)などを治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。
【0248】
一実施態様において、統合失調症スペクトラム障害、急性統合失調症、慢性統合失調症、NOS統合失調症、統合失調性情動障害、統合失調症様障害、パラフレニー、パラノイア様人格障害、分裂病質人格障害、統合失調性人格障害、妄想性障害、及び精神病を含むがこれらに限定されない統合失調症又は統合失調症-関連疾患を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、統合失調症の1つ以上の陽性症状を治療、予防、及び/又は寛解させる。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、統合失調症の1つ以上の陰性症状を治療、予防、及び/又は寛解させる。一実施態様において、本明細書に提供される化合物は、統合失調症の1つ以上の認知症状を治療、予防、及び/又は寛解させる。
【0249】
一実施態様において、精神病性障害、短期精神病性障害、アルツハイマー病性精神病、パーキンソン病性精神病、共有精神病性障害、物質誘発性精神病性障害(例えば、コカイン、アルコール、又はアンフェタミン)、全身の医学的状態に起因する精神病性障害、精神病性情動障害、攻撃性、せん妄、興奮精神病、トゥレット症候群、躁障害、器質性精神病、及びNOS精神病を含むがこれらに限定されない精神病の要素を有する疾病を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。
【0250】
一実施態様において、統合失調症に関連する認知機能障害、アルツハイマー病における認知障害、パーキンソン病における認知障害を含むがこれらに限定されない認知機能障害を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。
【0251】
一実施態様において、気分障害、双極性障害、不安症、うつ病、大うつ病性障害、単極性うつ、治療抵抗性うつ病、気分変調症、情動障害、季節性情動障害、又は強迫性障害を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。
【0252】
一実施態様において、注意欠陥障害(ADD)又は注意欠陥多動性障害(ADHD)を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。
【0253】
一実施態様において、ハンチントン病、アルツハイマー病、及びパーキンソン病を含むがこれらに限定されない神経変性疾患を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。一実施態様において、ハンチントン病を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。
【0254】
一実施態様において、激越、心的外傷後ストレス障害、又は行動障害を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。
【0255】
一実施態様において、認知症を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。
【0256】
一実施態様において、めまいを治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。
【0257】
一実施態様において、疼痛、神経因性疼痛、神経因性疼痛を伴う感作、炎症性疼痛、片頭痛、又は線維筋痛症を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。
【0258】
一実施態様において、運動障害又はレストレスレッグ症候群(RLS)を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。
【0259】
一実施態様において、多発性硬化症、睡眠障害、物質の乱用若しくは依存症(例えば、ニコチン、コカイン)、中毒、摂食障害、又は自閉症を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。
【0260】
一実施態様において、認知機能障害に関連する疾患、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、統合失調症、及び注意欠陥多動性障害(ADHD)などに関連する疾患を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。例えば、特定の理論には限定されないが、本明細書に提供される化合物は、受動的回避行動、新規物体認識、社会認識、及び注意セットの移行などの認識促進効果を有することがある。さらに、特定の理論には限定されないが、本明細書に提供される化合物は、社会的記憶を向上させ、環境習得を増大させ、かつスコポラミン誘発性障害を逆転させることができる。本明細書に提供される化合物は、受動的回避記憶試験においてスコポラミン誘発性障害を逆転させることもできる。
【0261】
一実施態様において、統合失調症、妄想性障害、及び薬物誘発性精神病を含むがこれらに限定されない精神病性障害又は精神病性病態を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。
【0262】
一実施態様において、パニック障害及び強迫性障害を含むがこれらに限定されない不安障害を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。
【0263】
一実施態様において、パーキンソン病及びハンチントン病を含むがこれらに限定されない運動障害を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。
【0264】
一実施態様において、本明細書に提供される化合物又は医薬組成物を使用して治療、予防、及び/又は管理できる、本明細書に提供される精神病性疾患には、例えば、妄想型、解体型、緊張型、鑑別不能型、及び/又は残遺型の統合失調症;統合失調症様障害;例えば、妄想型及び/又はうつ病型の統合失調性情動障害;妄想性障害;物質誘発性精神病性障害、例えば、アルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、アヘン類、及び/又はフェンシクリジンにより誘発された精神病;妄想型の人格障害;並びに分裂病型の人格障害があるが、これらに限定されない。
【0265】
一実施態様において、本明細書に提供される化合物又は医薬組成物を使用して治療、予防、及び/又は管理できる、本明細書に提供される運動障害には、ハンチントン病、ドーパミン作動剤療法に伴う運動障害、パーキンソン病、レストレスレッグ症候群、及び本態性振戦があるが、これらに限定されない。
【0266】
一実施態様において、本明細書に提供される化合物又は医薬組成物を使用して治療、予防、及び/又は管理できる、本明細書に提供される他の疾患には、強迫性障害、トゥレット症候群、及びチック障害があるが、これらに限定されない。
【0267】
一実施態様において、パニック障害、広場恐怖、単一恐怖症、対人恐怖症、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、及び全般性不安障害を含むがこれらに限定されない不安障害を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。
【0268】
一実施態様において、アルコール、アンフェタミン、コカイン、及び/又はアヘン剤の中毒を含むがこれらに限定されない薬物中毒を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。一実施態様において、本明細書に提供される薬物中毒は薬物への異常な欲求を表し、所望の薬物を摂取する衝動及び強烈な薬物渇望のエピソードなどの動機付け障害により一般的に特徴づけられる。
【0269】
一実施態様において、注意及び/又は認知の欠損の症状を含む疾患を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。一実施態様において、本明細書に提供される注意及び/又は認知の欠損は、同じ一般集団及び/又は年齢群の中の他の対象に比べて特定の対象における1つ以上の認知の側面、例えば、記憶、知性、学習能力、及び/又は論理能力などにおける正常以下の機能を表し得る。一実施態様において、本明細書に提供される注意及び/又は認知の欠損は、例えば、年齢に関連する認知の低下など1つ以上の認知の側面における特定の亜集団の機能の低下を表し得る。
【0270】
一実施態様において、本明細書に提供される化合物又は医薬組成物により治療、予防、及び/又は管理可能な本明細書に提供される注意及び/又は認知の欠損の症状を含む疾患には、認知症、例えば、アルツハイマー病における認知症、多発梗塞性認知症、アルコール性認知症、薬物関連認知症、脳内腫瘍に関連する認知症、大脳外傷に関連する認知症、ハンチントン病に関連する認知症、パーキンソン病に関連する認知症、又はAIDS関連認知症;せん妄;健忘症;心的外傷後ストレス障害;精神遅滞;学習障害、例えば、読字障害、算数障害、又は書字表出障害;注意欠陥/多動性障害;及び年齢に関連する認知の低下があるが、これらに限定されない。
【0271】
一実施態様において、気分障害又は気分エピソードを治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。一実施態様において、本明細書に提供される化合物又は医薬組成物により治療、予防、及び/又は管理可能な本明細書に提供される気分障害又は気分エピソードには、軽症、中等症、又は重症型の大うつ病エピソード;躁病性及び混合性の気分エピソード;軽躁病気分エピソード;非定型の特徴を伴ううつ病エピソード;メランコリー型の特徴を伴ううつ病エピソード;緊張病性の特徴を伴ううつ病エピソード;産後に発症する気分エピソード;脳卒中後うつ病;大うつ病性障害;治療抵抗性うつ病;気分変調性障害;マイナー抑うつ障害;月経前不機嫌性障害;統合失調症の精神病後抑うつ障害;妄想性障害又は統合失調症などの精神病性障害に重なった大うつ病性障害;双極性障害、例えば、双極I型障害、双極II型障害、及び気分循環性障害があるが、これらに限定されない。
【0272】
一実施態様において、神経変性疾患又は神経変性病態を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。一実施態様において、本明細書に提供される化合物又は医薬組成物により治療、予防、及び/又は管理可能な本明細書に提供される神経変性疾患又は神経変性病態は、中枢神経系の神経細胞の機能不全及び/又は死により起こる疾患又は病態を表す。これらの疾患及び病態の治療は、危険な状態にある神経細胞の機能不全若しくは死を予防し、かつ/又は傷害をうけた神経細胞若しくは健康な神経細胞の機能を向上させて、危険な状態にある神経細胞の機能不全若しくは死により起こる機能の喪失を補う薬剤の投与により促進できる。一実施態様において、本明細書に提供される化合物又は医薬組成物により治療、予防、及び/又は管理可能な本明細書に提供される神経変性疾患又は神経変性病態には、パーキンソン病;ハンチントン病;認知症、例えば、アルツハイマー病、多発梗塞性認知症、AIDS関連認知症、及び前頭側頭型認知症;大脳外傷に関連する神経変性;脳卒中に関連する神経変性;脳梗塞に関連する神経変性;低血糖誘発性神経変性;神経毒中毒に関連する神経変性;及び多系統萎縮症があるが、これらに限定されない。一実施態様において、本明細書に提供される神経変性疾患又は神経変性病態は、対象の線条体中型有棘神経細胞の神経変性を含む。一実施態様において、該神経変性疾患又は神経変性病態はハンチントン病である。
【0273】
一実施態様において、精神病性障害、妄想性障害、薬物誘発性精神病、不安障害、運動障害、気分障害、神経変性疾患、又は薬物中毒を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。
【0274】
一実施態様において、認知症、アルツハイマー病、多発梗塞性認知症、アルコール性認知症、薬物関連認知症、脳内腫瘍に関連する認知症、大脳外傷に関連する認知症、ハンチントン病に関連する認知症、パーキンソン病に関連する認知症、AIDS関連認知症、せん妄、健忘症、心的外傷後ストレス障害、精神遅滞、学習障害、読字障害、算数障害、書字表出障害、注意欠陥多動性障害、年齢に関連する認知の低下、軽症、中等症、又は重症型の大うつ病エピソード、躁病性又は混合性の気分エピソード、軽躁病気分エピソード、非定型の特徴を伴ううつ病エピソード、メランコリー型の特徴を伴ううつ病エピソード、緊張病性特徴を伴ううつ病エピソード、産後に発症する気分エピソード、脳卒中後うつ病、大うつ病性障害、気分変調性障害、マイナー抑うつ障害、月経前不機嫌性障害、統合失調症の精神病後抑うつ障害、妄想性障害又は統合失調症を含む精神病性障害に重なった大うつ病性障害、双極性障害、双極I型障害、双極II型障害、気分循環性障害、パーキンソン病、ハンチントン病、認知症、アルツハイマー病、多発梗塞性認知症、AIDS関連認知症、前頭側頭型認知症、大脳外傷に関連する神経変性、脳卒中に関連する神経変性、脳梗塞に関連する神経変性、低血糖誘発性神経変性、神経毒中毒に関連する神経変性、多系統萎縮症、妄想型、解体型、緊張型、鑑別不能型、又は残遺型の統合失調症、統合失調症様障害;妄想型又はうつ病型の統合失調性情動障害、妄想性障害、物質誘発性精神病性障害、アルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、アヘン類、又はフェンシクリジンにより誘発された精神病、妄想型の人格障害、並びに分裂病型の人格障害を含むがこれらに限定されない神経疾患を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。
【0275】
一実施態様において、精神病性障害、妄想性障害、薬物誘発性精神病、不安障害、運動障害、気分障害、神経変性疾患、及び薬物中毒を含むがこれらに限定されない神経疾患を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。
【0276】
一実施態様において、物質乱用を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。例えば、特定の理論には限定されないが、本明細書に提供される化合物は、ラットのメタンフェタミン自己投与を変更でき、そのため、本明細書に提供される化合物は、中毒性薬物への渇望を寛解させることができる。
【0277】
一実施態様において、本明細書に提供される化合物を精神刺激薬として使用する方法であって、他のクラスの精神刺激薬に通常関連する乱用傾向を欠き得る方法が本明細書に提供される。
【0278】
一実施態様において、パーキンソン病、L-ドーパ誘発性ジスキネジア、ピークドーズ・ジスキネジア、レストレスレッグ症候群(RLS)、及びハンチントン病などの運動障害を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が、本明細書に提供される。
【0279】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される化合物は、少なくとも1つのモデルにおいて活性があり、これを利用して該化合物の活性を測定し、CNS疾患を治療する際のその効能を評価できる。例えば、本明細書に提供される化合物は、条件回避反応、聴覚ゲーティングにおけるアンフェタミン誘発性欠損、フェンシクリジン誘発性自発運動亢進又は多動性、及びアンフェタミン誘発性多動性モデルなどの統合失調症の少なくとも1つのモデルにおいて活性がある。該化合物は、それらが、ビヒクル処理動物に比べて動物(例えば、マウス)において統計的に有意な量だけ所望の反応を誘発する場合に活性がある。
【0280】
他の実施態様において、本明細書中の別所に記載されているような治療効果をもたらす方法が本明細書に提供される。該方法は、対象(例えば、哺乳動物)に、治療上有効な量の本明細書に提供される化合物又は組成物を投与することを含む。特定の治療効果は、疾患の動物モデルを含むものなどの、当該技術分野において公知であり、かつ本明細書に記載される任意のモデル系を用いて測定することができる。
【0281】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される神経疾患は下記のものである:うつ病(例えば、大うつ病性障害、双極性障害、単極性障害、治療抵抗性うつ病、気分変調症、及び季節性情動障害);認知障害;線維筋痛症;疼痛(例えば、神経因性疼痛);精神医学的病態によりもたらされる睡眠障害を含む睡眠関連障害(例えば、睡眠時無呼吸、不眠、ナルコレプシー、カタプレキシー);慢性疲労症候群;注意欠陥障害(ADD);注意欠陥多動性障害(ADHD);レストレスレッグ症候群;統合失調症;不安神経症(例えば、全般性不安障害、社会不安障害、パニック障害);強迫性障害;心的外傷後ストレス障害;季節性情動障害(SAD);月経前不機嫌;閉経後の血管運動症状(例えば、ほてり、寝汗);神経変性疾患(例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病、及び筋萎縮性側索硬化症);躁状態;気分変調性障害;気分循環性障害;肥満症;並びに物質の乱用又は依存症(例えば、コカイン中毒、ニコチン中毒)。他の実施態様において、本明細書に提供される化合物は、精神病とうつ病など、合併性である2種以上の病態/疾患を治療、予防、及び/又は管理するのに有用である。
【0282】
神経障害は、老年性認知症、アルツハイマー型認知症、認知、記憶喪失、健忘症/健忘症候群、注意力低下、発話障害、自閉症、及び多動症候群を含むがこれらに限定されない、大脳機能障害も含み得る。
【0283】
神経因性疼痛には、ヘルペス後(又は帯状疱疹後)神経痛、反射性交感神経性ジストロフィー/カウザルギー又は神経の外傷、幻肢痛、手根管症候群、及び末梢神経障害(例えば、糖尿病性神経障害又は慢性的なアルコール使用から生じる神経障害)があるが、これらに限定されない。
【0284】
本明細書に提供される方法、化合物、及び/又は組成物を用いて治療、予防、及び/又は管理し得る他の例示的な疾患及び病態には、以下のものがあるがこれらに限定されない:肥満症、過体重、メタボリック症候群、糖尿病、非インスリン依存性糖尿病、耐糖能異常、及び高血糖症。
【0285】
一実施態様において、神経疾患は日中の過剰な眠気である。他の実施態様において、神経疾患は認知機能障害である。他の実施態様において、神経疾患は気分障害である。他の実施態様において、神経疾患は運動障害である。他の実施態様において、神経疾患は統合失調症である。他の実施態様において、神経疾患は注意障害である。他の実施態様において、神経疾患は不安障害である。他の実施態様において、神経疾患は発作である。他の実施態様において、神経疾患は精神病である。他の実施態様において、神経疾患はめまいである。他の実施態様において、神経疾患は疼痛である。他の実施態様において、神経疾患は神経因性疼痛である。他の実施態様において、神経因性疼痛は糖尿病性神経障害である。
【0286】
一実施態様において、神経疾患は神経変性疾患である。一実施態様において、神経変性疾患はパーキンソン病である。他の実施態様において、神経変性疾患はアルツハイマー病である。
【0287】
一実施態様において、本明細書に記載される化合物は、該化合物に対する中毒を引き起こすことなく、中枢神経疾患を治療、予防、及び/又は管理する。
【0288】
患者に治療上又は予防上有効な投与量の有効成分を提供するための任意の好適な投与経路を利用することができる。例えば、経口、粘膜(例えば、鼻腔、舌下、頬側、直腸、膣)、非経口(例えば、静脈内、筋肉内)、経皮、及び皮下経路を利用することができる。例示的な投与経路には、経口、経皮、及び粘膜がある。そのような経路のための好適な剤形には、経皮パッチ、点眼剤、スプレー剤、及びエアゾール剤があるが、これらに限定されない。経皮用組成物は、クリーム剤、ローション剤、及び/又は乳剤の形態を取ることもでき、これらは、皮膚に貼布するための適当な接着剤に含めることができ、又はこの目的のために当該技術分野において標準的なマトリックスタイプ若しくはリザーバータイプの経皮パッチに含めることができる。例示的な経皮剤形には、「リザーバータイプ」又は「マトリックスタイプ」パッチがあり、これは、皮膚に貼布して特定の期間装着し、所望量の有効成分の浸透を可能にするものである。該有効成分を患者に絶えず投与する必要がある場合は、該パッチを新しいパッチと交換することができる。
【0289】
本明細書に記載される疾患を治療、予防、及び/又は管理するために患者に投与すべき量は、利用される特定の化合物、又はそのエステル、塩、若しくはアミドの活性、投与経路、投与の時間、利用される特定の化合物の排泄又は代謝速度、治療期間、利用される特定の化合物と併用される他の薬物、化合物、及び/又は物質、治療される患者の年齢、性別、体重、病態、全般的な健康、及び以前の病歴、並びに医療技術分野において周知の同様の因子をはじめとする、種々の因子によって決まる。
【0290】
当該技術分野の通常の技術を有する医師又は獣医は、必要とされる有効量を容易に決定し、処方することができる。例えば、該医師又は獣医であれば、利用される化合物の用量を、所望の治療効果を達成するのに必要とされるレベルよりも少ないレベルで開始し、その投薬量を、所望の効果が達成されるまで徐々に増加させることができるであろう。
【0291】
一般に、本明細書に提供される化合物の好適な一日量は、治療的又は予防的効果を生むのに有効な最小投与量となる化合物の量である。そのような有効投与量は、通常、先に記載された因子によって決まる。用量は、単回又は複数回の単位投与量製剤として調剤することができる。一実施態様において、化合物は、1日あたり単回投与量又は分割された投与量で与えられる。
【0292】
いくつかの実施態様において、本明細書に開示された化合物を、1種以上の第2の活性剤と組み合わせて用いて、本明細書に記載された疾患を治療、予防、及び/又は管理することができる(例えば、その必要のある対象に投与される)。特定の実施態様において、第2の活性剤は抗精神病薬である。特定の実施態様において、第2の活性剤は非定型抗精神病薬である。特定の実施態様において、第2の活性剤は、アルツハイマー病の治療に有用な薬剤である。特定の実施態様において、第2の活性剤はコリンエステラーゼ阻害剤である。特定の実施態様において、第2の活性剤は抗うつ剤である。特定の実施態様において、第2の活性剤は、SSRI、SNRI、及び三環系抗うつ剤から選択される。特定の実施態様において、第2の活性剤は、ルラシドン、オランザピン、リスペリドン、アリピプラゾール、アミスルピリド、アセナピン、ブロナンセリン、クロザピン、クロチアピン、イロペリドン、モサプラミン、パリペリドン、クエチアピン、レモキシプリド、セルチンドール、スルピリド、ジプラシドン、ゾテピン、ピマバンセリン、ロキサピン、ドネペジル、リバスチグミン、メマンチン、ガランタミン、タクリン、アンフェタミン、メチルフェニデート、アトモキセチン、モダフィニル、セルトラリン、フルオキセチン、ベンラファキシン、デュロキセチン、又はL-ドーパである。
【0293】
(3. 医薬組成物及び剤形)
医薬組成物は、個々の、単一単位剤形の調製に用いることができる。本明細書に提供される医薬組成物及び剤形は、本明細書に提供される化合物、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、立体異性体、クラスレート、若しくはプロドラッグを含む。医薬組成物及び剤形は、1種以上の賦形剤をさらに含むことができる。
【0294】
本明細書に提供される医薬組成物及び剤形は、1種以上の追加の有効成分(例えば、本明細書中で別所に記載されている第2の活性剤)も含み得る。任意の第2の有効成分又は追加的な有効成分の例も本明細書に開示されている。
【0295】
本明細書で提供される単一単位剤形は、患者への経口、粘膜(例えば、鼻腔内、舌下、膣内、頬側、若しくは直腸)、非経口(例えば、皮下、静脈内、ボーラス注入、筋肉内、若しくは動脈内)、局所(例えば、点眼薬若しくは他の眼科用調製物)、経皮(transdermal)、又は経皮(transcutaneous)投与に好適である。剤形の例には、以下があるが、これらに限定されない:錠剤;カプレット剤;軟弾性ゼラチンカプセルなどのカプセル剤;カシェ剤;トローチ剤;ロゼンジ剤;分散剤;坐剤;散剤;エアゾール剤(例えば、鼻スプレー又は吸入器);ゲル剤;懸濁剤(例えば、水性又は非水性液体懸濁剤、水中油型乳剤、又は油中水型液体乳剤)、液剤、及びエリキシル剤をはじめとする、患者への経口又は粘膜投与に好適な液体剤形;患者への非経口投与に好適な液体剤形;局所投与に好適な点眼薬又は他の眼科用調製物;及び再構成して患者への非経口投与に好適な液体剤形を提供することができる滅菌固体(例えば、結晶性固体又は非晶質固体)。
【0296】
剤形の組成、形状、及び種類は、通常、その用途によって異なる。例えば、疾病の急性治療で用いられる剤形は、それが含む1種以上の有効成分を、同じ疾病の慢性治療で用いられる剤形よりも大量に含み得る。同様に、非経口剤形は、それが含む1種以上の有効成分を、同じ疾病の治療に用いられる経口剤形よりも少量含み得る。特定の剤形が用いられるこれらの方法及び他の方法は互いに異なり、当業者には容易に明らかとなるであろう。例えば、「レミントンの薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」(第18版、Mack Publishing, Easton PA (1990))を参照されたい。
【0297】
一実施態様において、医薬組成物及び剤形は、1種以上の賦形剤を含む。好適な賦形剤は、製薬分野の当業者に周知であり、かつ好適な賦形剤の非限定的な例は、本明細書に提供されている。特定の賦形剤が医薬組成物又は剤形への組込みに好適であるかどうかは、該剤形を患者に投与する方法を含むがこれに限定されない、当該技術分野において周知の種々の因子によって決まる。例えば、錠剤などの経口剤形は、非経口剤形に用いるのに好適でない賦形剤を含むことができる。特定の賦形剤の好適性は、剤形中の特定の有効成分によっても決まることもある。例えば、いくつかの有効成分の分解は、ラクトースなどの数種の賦形剤によって、又は水に曝されたときに、促進されることがある。一級又は二級アミンを含む有効成分は、そのような分解促進を特に受けやすい。したがって、ラクトース、他の単糖類又は二糖類を、たとえあるとしても、ほとんど含まない医薬組成物及び剤形が提供される。本明細書では、「ラクトース不含」という用語は、存在するラクトースの量が、たとえあるとしても、有効成分の分解速度を実質的に増加させるのに不十分であることを意味する。
【0298】
ラクトース不含組成物は、当該技術分野において周知であり、かつ例えば、米国薬局方(USP)25-NF20(2002)に記載されている賦形剤を含むことができる。一般に、ラクトース不含組成物は、医薬として適合性があり、かつ医薬として許容し得る量の有効成分、結合剤/充填剤、及び滑沢剤を含む。一実施態様において、ラクトース不含剤形は、有効成分、微結晶性セルロース、アルファ化デンプン、及びステアリン酸マグネシウムを含む。
【0299】
水は一部の化合物の分解を促進することがあるので、有効成分を含む無水の医薬組成物及び剤形も提供される。例えば、水(例えば、5%)の添加は、貯蔵寿命又は経時的な製剤の安定性などの特性を決定するために、長期の貯蔵をシミュレートする手段として医薬分野で広く認められている。例えば、Jens T. Carstensenの文献、「薬物の安定性:原理及び実際(Drug Stability:Principles & Practice)」(第2版、Marcel Dekker, NY, NY, 1995, 379-80)を参照されたい。実際に、水及び熱は、一部の化合物の分解を加速させる。このように、製剤に対する水の影響は極めて重要になり得るが、それは、製剤の製造、取扱い、包装、貯蔵、輸送、及び使用中に、水分及び/又は湿気に曝されることが多いからである。
【0300】
無水の医薬組成物及び剤形は、無水又は低水分含有成分、及び低水分又は低湿度条件を用いて調製することができる。ラクトースと一級又は二級アミンを含む少なくとも1種の有効成分とを含む医薬組成物及び剤形は、製造、包装、及び/又は貯蔵の間に水分及び/又は湿気へのかなりの接触が予想される場合、無水であることが好ましい。
【0301】
無水の医薬組成物は、その無水の性質が維持されるように製造及び貯蔵すべきである。したがって、無水の組成物は、一実施態様において、好適な製剤キットに含めることができるように、水への曝露を防ぐことが知られている材料を用いて包装されている。好適な包装の例には、密封ホイル、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック、及びストリップパックがあるが、これらに限定されない。
【0302】
有効成分が分解する速度を低下させる1種以上の化合物を含む医薬組成物及び剤形も本発明で提供される。そのような化合物は、本明細書では「安定化剤」と呼ばれ、アスコルビン酸などの酸化防止剤、pH緩衝剤、又は塩緩衝剤があるが、これらに限定されない。
【0303】
賦形剤の量及び種類と同様に、剤形中の有効成分の量及び具体的な種類は、それが患者に投与されることになっている経路などがあるがこれに限定されない因子によって異なり得る。
【0304】
他の実施態様において、剤形は第2の有効成分を含む。この第2の活性剤の具体的な量は、使用される具体的な薬剤、治療又は管理される疾病又は疾患、並びに本明細書に提供される化合物の量、及び患者に同時に投与される任意の追加的な活性剤によって決まるであろう。
【0305】
((a)経口剤形)
経口投与に好適な医薬組成物は、個別の剤形、例えば、限定するものではないが、錠剤(例えば、チュアブル錠)、カプレット剤、カプセル剤、及び液剤(例えば、味付きシロップ剤)などとして提供することができる。そのような剤形は所定量の有効成分を含み、当業者に周知の調剤方法により調製することができる。全般的には、「レミントンの製薬の科学と実践(Remington's The Science and Practice of Pharmacy)」(第21版、Lippincott Williams & Wilkins(2005))を参照されたい。
【0306】
本明細書で提供される経口剤形は、従来の医薬配合技術に従って、有効成分を少なくとも1種の賦形剤と緊密に混合して組み合わせることによって調製される。賦形剤は、投与に望ましい調製物の形態に応じて、多種多様な形態をとることができる。例えば、経口液体又はエアゾール剤形に用いるのに好適な賦形剤には、水、グリコール類、油類、アルコール類、香味剤、防腐剤、及び着色剤があるが、これらに限定されない。固体経口剤形(例えば、散剤、錠剤、カプセル剤、及びカプレット剤)に用いるのに好適な賦形剤の例には、デンプン類、糖類、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、及び崩壊剤があるが、これらに限定されない。
【0307】
一実施態様では、経口剤形は、錠剤又はカプセル剤であり、その場合、固体賦形剤が利用される。別の実施態様において、錠剤は、標準的な水性又は非水性技術によってコーティングすることができる。そのような剤形は、調剤方法のいずれによっても調製することができる。一般に、医薬組成物及び剤形は、有効成分を、液体担体、微粉砕された固体担体、又は両方と均一かつ緊密に混合し、その後、必要に応じて、製品を所望の体裁に付形することによって調製される。
【0308】
例えば錠剤は、圧縮又は成形によって調製することができる。圧縮錠は、好適な機械の中で、粉末又は顆粒などの自由流動性形態にある有効成分を、任意に賦形剤と混合して圧縮することによって調製することができる。湿製錠は、好適な機械の中で、不活性な液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物を成形することによって作製することができる。
【0309】
本明細書に提供される経口剤形に使用できる賦形剤の例には、結合剤、充填剤、崩壊剤、及び滑沢剤があるが、これらに限定されない。医薬組成物及び剤形に用いるのに好適な結合剤には、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、又は他のデンプン、ゼラチン、天然ゴム及び合成ゴム、例えば、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギネート、粉末化トラガカント、グアーガム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、番号2208、2906、2910)、微結晶性セルロース、並びにこれらの混合物があるが、これらに限定されない。
【0310】
好適な形態の微結晶性セルロースには、例えば、AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105として販売されている物質(ペンシルバニア州マーカスフックのFMC Corporation、American Viscose Division、Avicel Salesから入手可能)、及びこれらの混合物があるが、これらに限定されるものではない。具体的な結合剤は、AVICEL RC-581として販売されている、微結晶性セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムの混合物である。好適な無水又は低水分の賦形剤又は添加剤には、AVICEL-PH-103(商標)及びStarch 1500 LMがある。
【0311】
本明細書に提供される医薬組成物及び剤形に用いるのに好適な充填剤の例には、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒又は粉末)、微結晶性セルロース、粉末状セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、及びこれらの混合物があるが、これらに限定されない。医薬組成物中の結合剤又は充填剤は、一実施態様において、該医薬組成物又は剤形の約50〜約99重量パーセントで存在する。
【0312】
崩壊剤を組成物中に用いて、水性環境に曝したときに崩壊する錠剤を提供することができる。多すぎる崩壊剤を含む錠剤は貯蔵中に崩壊する可能性があり、一方、少なすぎる崩壊剤を含む錠剤は、所望の速度又は所望の条件下で崩壊しない可能性がある。したがって、有効成分の放出に悪影響を与えるほど多すぎることも少なすぎることもない十分な量の崩壊剤を用いて、固体経口剤形を形成することができる。使用される崩壊剤の量は、製剤の種類に基づいて様々であり、当業者にとって容易に認識し得る。一実施態様において、医薬組成物は、約0.5〜約15重量パーセントの崩壊剤、又は約1〜約5重量パーセントの崩壊剤を含む。
【0313】
医薬組成物及び剤形に使用することができる崩壊剤には、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモデンプン若しくはタピオカデンプン、他のデンプン類、アルファ化デンプン、他のデンプン類、粘土、他のアルギン類、他のセルロース類、ゴム類、及びこれらの混合物があるが、これらに限定されない。
【0314】
医薬組成物及び剤形に使用することができる滑沢剤には、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、硬化植物油(例えば、落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、及び大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、並びにこれらの混合物があるが、これらに限定されない。さらなる滑沢剤には、例えば、シロイドシリカゲル(AEROSIL 200、メリーランド州ボルチモアのW.R.Grace社製)、合成シリカの凝固したエアゾール(テキサス州プラノのDegussa社が販売)、CAB-O-SIL(マサチューセッツ州ボストンのCabot社が販売している発熱性二酸化ケイ素製品)、及びこれらの混合物がある。使用される場合、滑沢剤は、それが組み込まれる医薬組成物又は剤形の約1重量パーセント未満の量で使用することができる。
【0315】
一実施態様において、固体経口剤形は、本明細書に提供される化合物、並びに無水ラクトース、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸、コロイド状無水シリカ、及びゼラチンなどの任意の賦形剤を含む。
【0316】
((b)制御放出剤形)
本明細書で提供される有効成分は、制御放出手段によるか、又は当業者に周知の送達装置によって投与することができる。例には、それぞれ引用により本明細書に組み込まれる米国特許第3,845,770号;同第3,916,899号;同第3,536,809号;同第3,598,123号;及び同第4,008,719号、同第5,674,533号、同第5,059,595号、同第5,591,767号、第5,120,548号、同第5,073,543号、同第5,639,476号、同第5,354,556号、及び同第5,733,566号に記載されているものがあるが、これらに限定されない。そのような剤形を用いて、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過膜、浸透システム、多層コーティング、微粒子、リポソーム、ミクロスフェア、又はこれらの組合せを用いて1種以上の有効成分の緩徐放出又は制御放出を提供し、様々な比率の所望の放出プロファイルを提供することができる。本明細書に提供される活性剤とともに使用するために、本明細書に記載されているものを含む、当業者に公知の好適な制御放出製剤を容易に選択することができる。一実施態様において、経口投与に好適な単一単位剤形、例えば、非限定的に、制御放出に適している錠剤、カプセル剤、ゲルキャップ剤、及びカプレット剤などが提供される。
【0317】
一実施態様において、制御放出医薬製品は、それらの非制御の対応物によって達成されるよりも薬物療法を向上させる。他の実施態様において、医療における制御放出調製物の使用は、最小限の原薬を用いて最小限の時間で病態を治癒又は制御することを特徴とする。制御放出製剤の利点としては、薬物の活性延長、投薬頻度の減少、及び患者のコンプライアンス向上が挙げられる。さらに、制御放出製剤を用いて、作用の発現の時間又は薬物の血中濃度などの他の特性に影響を及ぼすことができ、したがって、副作用(例えば、有害作用)の発生に影響を及ぼすことができる。
【0318】
他の実施態様において、制御放出製剤は、所望の治療効果又は予防効果を迅速に生み出す量の薬物(有効成分)を最初に放出し、長期間にわたってこのレベルの治療効果又は予防効果を維持する他の薬物の量を徐々にかつ継続的に放出するように設計されている。一実施態様において、体内での一定の薬物レベルを維持するために、薬物は、代謝されて体から排泄される薬物の量を補う速度で剤形から放出されなければならない。有効成分の制御放出は、pH、温度、酵素、水、又は他の生理的条件又は化合物を含むがこれらに限定されない、様々な条件によって刺激することができる。
【0319】
((c)非経口剤形)
非経口剤形は、皮下、静脈内(ボーラス注入を含む)、筋肉内、及び動脈内を含むが、これらに限定されない、様々な経路によって患者に投与することができる。いくつかの実施態様において、非経口剤形の投与は、夾雑物に対する患者の自然な防御機構を迂回し、したがって、これらの実施態様では、非経口剤形は、滅菌されているか、又は患者への投与の前に滅菌可能である。非経口剤形の例には、注射可能な溶液、注射用の医薬として許容し得るビヒクルにすぐに溶解又は懸濁可能な乾燥製品、注射可能な懸濁液、及び乳剤があるが、これらに限定されない。
【0320】
非経口剤形を提供するために使用できる好適なビヒクルは当業者に周知である。例には、以下のものがあるが、これらに限定されない;USP注射用水;塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、ブドウ糖注射液、ブドウ糖塩化ナトリウム注射液、及び乳酸リンゲル注射液などがあるがこれらに限定されない水性ビヒクル;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどがあるがこれらに限定されない水混和性ビヒクル;並びに、コーン油、綿実油、落花生油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルなどがあるがこれらに限定されない非水性ビヒクル。
【0321】
本明細書に開示される1種以上の有効成分の溶解度を高める化合物も非経口剤形に組み込むことができる。例えば、シクロデキストリン及びその誘導体を用いて、本明細書で提供される化合物の溶解度を高めることができる。例えば、引用により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,134,127号を参照されたい。
【0322】
((d)局所及び粘膜剤形)
本明細書で提供される局所及び粘膜剤形には、スプレー剤、エアゾール剤、液剤、乳剤、懸濁剤、点眼薬若しくは他の眼科用調製物、又は当業者に公知の他の形態があるが、これらに限定されない。例えば、「レミントンの薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」(第16版及び第18版、Mack Publishing, Easton PA (1980及び1990));並びに、「医薬剤形入門(Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms)」(第4版、Lea & Febiger, Philadelphia(1985))を参照されたい。口腔内の粘膜組織を治療するのに好適な剤形は、洗口液として、又は口腔ゲルとして製剤することができる。
【0323】
本明細書に包含される局所及び粘膜剤形を提供するために使用できる好適な賦形剤(例えば、担体及び希釈剤)並びに他の物質は製薬分野の当業者に周知であり、所与の医薬組成物又は剤形が適用される特定の組織によって決まる。一実施態様において、賦形剤には、非毒性でかつ医薬として許容し得る液剤、乳剤、又はゲル剤を形成するための、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、及びこれらの混合物があるが、これらに限定されない。モイスチャライザー又は保湿剤を医薬組成物又は剤形に添加することもできる。追加成分の例は当該技術分野において周知である。例えば、「レミントンの薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」(第16版及び第18版、Mack Publishing, Easton PA(1980及び1990))を参照されたい。
【0324】
医薬組成物若しくは剤形のpHを調整して、1種以上の有効成分の送達を向上させることもできる。また、溶媒担体の極性、そのイオン強度、又は張性を調整して、送達を向上させることができる。送達を向上させるために、ステアラートなどの化合物を医薬組成物又は剤形に添加して、1種以上の有効成分の親水性又は親油性を変化させることもできる。他の実施態様において、ステアラートは、製剤用の脂質ビヒクルとして、乳化剤若しくは界面活性剤として、又は送達促進剤若しくは浸透促進剤として機能することができる。他の実施態様において、有効成分の塩、溶媒和物、プロドラッグ、クラスレート、又は立体異性体を用いて、得られる組成物の性質をさらに調整することができる。
【0325】
(4. キット)
一実施態様において、本明細書に提供される複数の有効成分は、同時に、又は同じ投与経路で患者に投与されない。他の実施態様において、適量の有効成分の投与を簡略化できるキットが提供される。
【0326】
一実施態様において、キットは、本明細書に提供される化合物の剤形を含む。キットは、本明細書に記載される1種以上の第2の有効成分、若しくは薬理活性のある突然変異体若しくはその誘導体、又はこれらの組合せをさらに含むことができる。
【0327】
他の実施態様において、キットは、有効成分の投与に使用される装置をさらに含むことができる。そのような装置の例としては、シリンジ、点滴バッグ、パッチ、及び吸入器が挙げられるが、これらに限定されない。
【0328】
キットは、移植用の細胞又は血液、及び1種以上の有効成分の投与に使用できる医薬として許容し得るビヒクルをさらに含むことができる。例えば、有効成分が、非経口投与のために再構成されなければならない固体形態で提供される場合、キットは、有効成分を溶解させて、非経口投与に好適な無粒子滅菌溶液を形成させることができる好適なビヒクルの密封容器を含むことができる。医薬として許容し得るビヒクルの例には、以下のものがあるが、これらに限定されない;USP注射用水;塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、ブドウ糖注射液、ブドウ糖塩化ナトリウム注射液、及び乳酸リンゲル注射液などがあるがこれらに限定されない水性ビヒクル;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどがあるがこれらに限定されない水混和性ビヒクル;並びに、コーン油、綿実油、落花生油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルなどがあるがこれらに限定されない非水性ビヒクル。
【実施例】
【0329】
(V. 実施例)
特定の実施態様を以下の非限定的な実施例によって説明する。
【0330】
(A. 化合物合成の一般手順)
下記の実施例において、特記されない限り、温度は全て摂氏温度で示され、部及びパーセンテージは全て重量によるものである。試薬は、Sigma-Aldrich(登録商標)Chemical Companyなどの商業的供給業者から購入することができ、かつ特に指示されない限り、さらに精製することなく使用することができる。試薬は、当業者に公知の標準的な文献手順に従って調製することもできる。溶媒は、Sure-Seal(登録商標)ボトルでAldrich社から購入し、受け取った状態のまま使用することができる。特に指示されない限り、溶媒は全て、当業者に公知の標準的な方法を用いて精製することができる。
【0331】
以下に示す反応は、特記されない限り、通常、周囲温度で行なわれた。反応フラスコには、シリンジによる基質及び試薬の導入のためのゴム製セプタムを取り付けた。分析用薄層クロマトグラフィー(TLC)は、ガラス地のシリカゲルプレコーティングプレートを用いて行ない、適切な溶媒比(v/v)で溶離させた。反応は、TLC又は液体クロマトグラフィー質量分析法(LCMS)でアッセイし、出発物質の消費によって判断して終了した。TLCプレートの可視化は、UV光(254波長)を用いて、又は熱で活性化した塩基性KMnO4水溶液などの適切なTLC可視化溶媒を用いて行なった。フラッシュカラムクロマトグラフィー(例えば、Stillらの文献(J. Org. Chem., 43:2923(1978))を参照されたい)は、シリカゲル60又は様々な中圧液体クロマトグラフィー(MPLC)システム(例えば、Biotage(登録商標)若しくはISCO(登録商標)分離システム)を用いて行なった。
【0332】
下記の実施例における化合物構造は、以下の方法の1種以上によって確認した:プロトン磁気共鳴分光法、質量分析法、元素微量分析、及び融点。プロトン核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルは、特定の磁界強度で運転されるNMR分光計を用いて決定した。化学シフトは、テトラメチルシラン(TMS)などの内部標準からの低磁場側への百万分率(ppm、δ)として報告する。あるいは、1H NMRスペクトルは、以下のような重水素化溶媒中の残留プロトンからのシグナルを基準とした:CDCl3=7.25ppm;DMSO-d6=2.49ppm;C6D6=7.16ppm;CD3OD=3.30ppm。ピーク多重度は、以下のように表す:s、一重線;d、二重線;dd、二重線の二重線;t、三重線;dt、三重線の二重線;q、四重線;br、ブロード;及びm、多重線。カップリング定数は、ヘルツ(Hz)で示す。質量スペクトル(MS)データは、APCI又はESIイオン化により質量分析計を用いて取得した。
【0333】
(1. 一般手順A)
【化164】
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(a. trans-2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロパンカルボン酸エチル)
CH3CN(100mL)中の2-イミノ-3,6-ジメチルピラジン-1(2H)-アミン 2,4,6-トリメチルベンゼンスルホン酸(10.1g, 30mmol)及びTEA(8.08g, 80mmol)の混合物を70℃まで加熱し、trans-2-ホルミルシクロプロパンカルボン酸エチル(2.84g, 20mmol)を添加した。得られた混合物を、70℃で2時間攪拌した。この溶媒を除去し、水を添加した。この水性液(aqueous)を、EtOAcにより抽出し(50mL×3)、一緒にした有機相を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥させ、真空において濃縮した。粗生成物を、クロマトグラフィー(PE:EtOAc=5:1)により精製し、2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロパンカルボン酸エチル(3.0g, 58%)を黄色固形物として得た。MS (ESI): m/z 261 [M+1]+
【化165】
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【0334】
(b. 2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロパンカルボン酸)
EtOH(40mL)中の2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロパンカルボン酸エチル(3.0g, 11.5mmol)の混合物を、室温で攪拌し、水(10mL)中の水酸化ナトリウム(920mg, 23mmol)の溶液を添加した。得られた混合物を、室温で一晩攪拌した。この溶媒を除去し、水性液を、濃塩酸によりpH=5に調節した。この固形物を濾過し、乾燥させ、2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロパンカルボン酸(2.58g, 97%)を黄色固形物として得た。MS (ESI): m/z 233 [M+1]+
【化166】
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【0335】
(c. 2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロパンカルボニルクロリド)
二塩化硫黄中の2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロパンカルボン酸(1.95g, 8.4mmol)の混合物を、室温で1時間攪拌した。反応混合物を、真空中で濃縮し、粗2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロパンカルボニルクロリド(2.1g, 100%)を、直接次工程のために得た。
【0336】
(d. 2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)-N-メトキシ-N-メチルシクロプロパンカルボキサミド)
DCM(50mL)中のN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(815mg, 8.4mmol)及びTEA(1.7g, 16.8mmol)の混合物を、0℃で攪拌し、DCM中の2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロパンカルボニルクロリド(2.1g, 8.4mmol)の溶液を添加した。得られた混合物を、室温で2時間攪拌した。水を添加し、この水性液を、DCM(50mL×3)により抽出し、一緒にした有機相を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、クロマトグラフィー(PE:EtOAc=1:1)により精製し、2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)-N-メトキシ-N-メチルシクロプロパンカルボキサミド(1.55g, 67%)を黄色固形物として得た。MS (ESI): m/z 276 [M+1]+
【化167】
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【0337】
(e. 1-(2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロピル)プロパン-1-オン)
THF(30mL)中の2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)-N-メトキシ-N-メチルシクロプロパンカルボキサミド(1.55g, 5.6mmol)の混合物を、0℃で攪拌し、THF中のエチルマグネシウムブロミドの溶液(1.0M, 8.4mL, 8.4mmol)をゆっくり添加した。得られた混合物を、室温で2時間攪拌した。塩化アンモニウムの飽和溶液及びこの水層を、EtOAc(50mL×3)により抽出し、一緒にした有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、クロマトグラフィー(PE:EtOAc=1:1)により精製し、1-(2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロピル)プロパン-1-オン(1.0g, 73%)を黄色固形物として得た。MS (ESI): m/z 245 [M+1]+
【化168】
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【0338】
(f. 2-ブロモ-1-(2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロピル)プロパン-1-オン)
THF(20mL)中の1-(2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロピル)プロパン-1-オン(530mg, 2.2mmol)の混合物を、40℃に加熱し、PTT(1.24g, 3.3mmol)を添加した。得られた混合物を、一晩攪拌した。水を添加し、この水性液を、EtOAc(20mL×3)により抽出し、一緒にした有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥させ、濃縮した。この粗生成物を、クロマトグラフィー(PE:EtOAc=2:1)により精製し、2-ブロモ-1-(2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロピル)プロパン-1-オン(438mg, 62%)を黄色固形物として得た。MS (ESI): m/z 323 [M+1]+
【0339】
(g. 2-(2-(3,7-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン)
EtOH(1mL)中の2-ブロモ-1-(2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロピル)プロパン-1-オン(64mg, 0.2mmol)、4-メチルピリジン-2-アミン(32mg, 0.3mmol)及び炭酸水素ナトリウム(17mg, 0.2mmol)の混合物を、80℃で加熱し、一晩攪拌した。この溶媒を除去し、水を添加し、この水性液を、EtOAc(10mL×3)により抽出した。一緒にした有機相を、ブラインで洗浄し、ナトリウムにより乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、分取-TLC(DCM:MeOH=20: 1)により精製し、表題化合物(20mg, 30%)を黄色固形物として得た。
【0340】
(2. 一般的手順B)
【化169】
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(a. 3-シクロプロピルピリジン-2-アミン)
トルエン(10mL)中の3-クロロピリジン-2-アミン(384mg, 3mmol)、シクロプロピルボロン酸(516mg, 6mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(O)(275mg, 0.3mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(168mg, 0.6mmol)及びカリウムtert-ブトキシド(672mg, 6mmol)の混合物を、120℃まで加熱し、2日間攪拌した。溶媒を除去し、水を添加し、この水性液を、EtOAc(20mL×3)により抽出し、一緒にした有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥させ、濃縮した。この粗生成物を、逆相クロマトグラフィー(水中30%CH3CNと1%水酸化アンモニウム)により精製し、3-シクロプロピルピリジン-2-アミン(50mg, 12%)を黄色油状物として得た。MS (ESI): m/z 135 [M+1]+
【0341】
(b. 2-(2-(8-シクロプロピル-3-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン)
EtOH(1mL)中の2-ブロモ-1-(2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロピル)プロパン-1-オン(一般的手順1f, 48mg, 0.15mmol)、3-シクロプロピルピリジン-2-アミン(24mg, 0.18mmol)及び炭酸水素ナトリウム(13mg, 0.15mmol)の混合物を、80℃で加熱し、一晩攪拌した。溶媒を除去し、水を添加し、この水性液を、EtOAc(10mL×3)により抽出した。一緒にした有機相を、ブラインで洗浄し、ナトリウムにより乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、分取-TLC(DCM:MeOH=20:1)により精製し、表題化合物(10mg, 19%)を黄色固形物として得た。
【0342】
(3. 一般的手順C)
【化170】
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(a. 5-クロロ-1,6-ナフチリジン)
トルエン(50mL)中の1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(1.46g, 10mmol)の混合物を、0℃で攪拌し、三塩化ホスホリル(16g, 100mmol)を添加し、次にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(6.45g, 50mmol)を添加した。得られた混合物を、100℃まで加熱し、一晩攪拌した。溶媒を除去し、残渣をDCMで希釈し、この混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液によりpH=8に調節した。分離した有機相を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、クロマトグラフィー(PE:EtOAc=2:1)により精製し、5-クロロ-1,6-ナフチリジン(400mg, 24%)を黄色固形物として得た。MS (ESI): m/z 165 [M+1]+
【0343】
(b. 5-アジド-1,6-ナフチリジン)
DMF(10mL)中の5-クロロ-1,6-ナフチリジン(378mg, 2.3mmol)の混合物を、室温で攪拌し、アジ化ナトリウム(299mg, 4.6mmol)を添加した。得られた混合物を、80℃まで加熱し、一晩攪拌した。水を添加し、この水性液を、EtOAc(20mL×3)により抽出し、一緒にした有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥させ、濃縮し、5-アジド-1,6-ナフチリジン(282mg, 72%)を黄色固形物として得た。MS (ESI): m/z 172 [M+1]+
【0344】
(c. 1,6-ナフチリジン-5-アミン)
MeOH(10mL)中の5-アジド-1,6-ナフチリジン(282mg, 1.65mmol)及び濃塩酸(2mL)の混合物を、室温で攪拌し、塩化第一スズ無水物(1.56g, 8.25mmol)を添加した。得られた混合物を、60℃まで加熱し、4時間攪拌した。この溶媒を除去し、水を添加し、この水性液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液によりpH=8に調節した。この水性液を、DCM(20mL×3)により抽出し、一緒にした有機相を、ブラインで洗浄し、ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、1,6-ナフチリジン-5-アミン(120mg, 50%)を黄色固形物として得た。MS (ESI): m/z 146 [M+1]+
【化171】
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【0345】
(d. 2-(2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロピル)-3-メチルイミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン)
EtOH(1mL)中の2-ブロモ-1-(2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロピル)プロパン-1-オン(一般的手順1f, 48mg, 0.15mmol)、1,6-ナフチリジン-5-アミン(33mg, 0.23mmol)及び炭酸水素ナトリウム(13mg, 0.15mmol)の混合物を、80℃で加熱し、一晩攪拌した。溶媒を除去し、水を添加し、この水性液をEtOAc(10mL×3)により抽出した。一緒にした有機相を、ブラインで洗浄し、ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、分取-TLC(DCM:MeOH=20:1)により精製し、表題化合物(10mg, 18%)を黄色固形物として得た。
【0346】
(4. 一般的手順D)
【化172】
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(a. 2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロパンカルボニルクロリド)
表題化合物を、一般的手順1cに記載のように合成した。
【0347】
(b. 2-ブロモ-l-(2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロピル)エタノン)
DCM(10mL)中の2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロパンカルボニルクロリド(710mg, 2.84mmol)の混合物を、0℃で攪拌し、ヘキサン中のトリメチルシリルジアゾメタン(6mL, 11.36mmol)の溶液を滴加した。この混合物を、室温で2時間攪拌した。混合物を、0℃まで冷却し、酢酸中の臭化水素酸の30%溶液(2mL, 9.94mmol)を添加し、得られた混合物を、室温で1時間攪拌した。この反応液を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液によりpH=8に調節し、この水性液を、DCM(20mL×3)により抽出し、一緒にした有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、クロマトグラフィー(PE:EtOAc=5:1)により精製し、2-ブロモ-1-(2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロピル)エタノン(400mg, 40%)を黄色固形物として得た。MS (ESI): m/z 349 [M+1]+
【化173】
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【0348】
(c. 5,8-ジメチル-2-(2-(7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン)
EtOH(1mL)中の2-ブロモ-1-(2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロピル)エタノン(61, 0.2mmol)、4-メチル-ピリジン-2-アミン(33mg, 0.31mmol)及び炭酸水素ナトリウム(16mg, 0.2mmol)の混合物を、80℃まで加熱し、一晩攪拌した。この溶媒を除去し、水を添加し、この水性液をEtOAc(10mL×3)により抽出した。一緒にした有機相を、ブラインで洗浄し、ナトリウムにより乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、分取-TLC(DCM:MeOH=30:1)により精製し、表題化合物(20mg, 29%)を黄色固形物として得た。
【0349】
(5. 一般的手順E)
【化174】
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(a. 4-メトキシピリジン-2-イル-カルバミン酸tert-ブチル)
THF(50mL)中の4-メトキシピリジン-2-アミン(1.24g, 10mmol)の混合物を、0℃で攪拌し、THF中のリチウムヘキサメチルジシルアジド(22mL, 22mmol, 1.0M)の溶液をゆっくり添加した。得られた混合物を、30分間攪拌し、その後二炭酸ジ-tert-ブチル(2.26g, 10.5mmol)を添加した。この混合物を、室温で一晩攪拌した。水を添加し、この水性液を、EtOAc(50mL×3)により抽出し、一緒にした有機相を、ブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、クロマトグラフィー(PE:EtOAc=30:1)により精製し、4-メトキシピリジン-2-イルカルバミン酸tert-ブチル(1.8g, 80%)を白色固形物として得た。MS (ESI): m/z 225 [M+1]+
【化175】
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【0350】
(b. 4-メトキシ-3-メチルピリジン-2-イル-カルバミン酸tert-ブチル)
THF(10mL)中の4-メトキシピリジン-2-イルカルバミン酸tert-ブチル(224mg, 1mmol)の混合物を、0℃で攪拌させ、ヘキサン中のn-ブチルリチウムの溶液(1mL, 2.5mmol, 2.5M)を添加し、混合物を1時間攪拌した。THF中のヨードメタン(170mg, 1.2mmol)の溶液を添加し、得られた混合物を室温で1時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム溶液を添加し、この水性液を、EtOAc(10mL×3)により抽出し、一緒にした有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、分取-TLC(PE:EtOAc=1:1)により精製し、4-メトキシ-3-メチルピリジン-2-イルカルバミン酸tert-ブチル(120mg, 50%)を白色固形物として得た。MS (ESI): m/z 239 [M+1]+
【化176】
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【0351】
(c. 4-メトキシ-3-メチルピリジン-2-アミン)
DCM(5mL)中の4-メトキシ-3-メチルピリジン-2-イルカルバミン酸tert-ブチル(120mg, 0.5mmol)及びトリフルオロ酢酸(1mL)の混合物を、室温で2時間攪拌した。この反応混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液により、pH=8に調節し、この水性液を、DCM(20mL×3)により抽出し、一緒にした有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥させ、濃縮し、4-メトキシ-3-メチルピリジン-2-アミン(66mg, 94%)を黄色固形物として得た。MS (ESI): m/z 139 [M+1]+
【0352】
(d. 2-(2-(7-メトキシ-8-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン)
EtOH(1mL)中の2-ブロモ-1-(2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロピル)エタノン(一般的手順4b, 61mg, 0.2mmol)、4-メトキシ-3-メチルピリジン-2-アミン(33mg, 0.24mmol)及び炭酸水素ナトリウム(16mg, 0.2mmol)の混合物を、80℃で加熱し、一晩攪拌した。溶媒を除去し、水を添加し、この水性液を、EtOAc(10mL×3)により抽出した。一緒にした有機相をブラインで洗浄し、ナトリウムにより乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、分取-TLC (DCM:MeOH=30:1)により精製し、表題化合物(20mg, 29%)を黄色固形物として得た。
【0353】
(6. 一般的手順F)
【化177】
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(a. 2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロパンカルボン酸2-オキソ-2-フェニルエチル)
EtOH(11mL)中の2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロパンカルボン酸(一般的手順1b, 0.25g, 1.1mmol)の溶液へ、CS2CO3 (0.35g, 1.1mmol)を添加し、この反応混合液を、1時間、25℃で攪拌させた。揮発物を、真空において除去し、得られた固形物をDMF(11ml)中に懸濁させ、2-ブロモアセトフェノン(0.24g, 1.2mmol)により処理し、黄色混合物を、25℃で16時間攪拌させ、この時点でこの反応混合物を、分液漏斗に注ぎ、NaHCO3(飽和, 水性)により希釈し、EtOAc(3x50mL)で抽出した。得られた一緒にした有機物を、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空において除去し、2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロパンカルボン酸2-オキソ-2-フェニルエチルを供し、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0354】
(b. 5,8-ジメチル-2-(2-(4-フェニル-1H-イミダゾール-2-イル)シクロプロピル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン)
マイクロウェーブ反応用バイアル内の2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロパンカルボン酸2-オキソ-2-フェニルエチル(385mg, 1.1mmol)へ、NH4OAc(1g)及び4Å MS(2g)及びm-キシレン(15mL)を添加し、この反応用バイアルを、アルミニウム製圧着キャップにより密封した。この反応混合物を、150℃で30分間加熱し、室温まで戻した後、この反応混合物を、シリカゲルカラム上に直接配置し、EtOAc中の10%MeOHにより溶離した。単離された化合物は、位置異性体フェニルイミダゾールの混合物であった。MS (ES+): m/z 331.31 [M+1]+
【0355】
(c. 5,8-ジメチル-2-(2-(l-メチル-4-フェニル-1H-イミダゾール-2-イル)シクロプロピル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン)
THF(3ml)中のフェニルイミダゾールの位置異性体混合物(112mg, 0.34mmol)へ、ヨードメタン(1mL, 3mmol)を添加し、得られた反応混合物を、16時間攪拌させた。反応完了時に、揮発物を真空において除去し、得られた粗油状物を、MeOH(3mL)に溶かし、RP-HPLC(アセトニトリル中0.1%ギ酸/H2Oの10〜50%勾配)により精製した。収集した画分の凍結乾燥は、表題化合物をギ酸塩として供した。
【0356】
(7. 一般的手順G)
【化178】
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(a. trans-1,1'-(シクロプロパン-1,2-ジ-イル)ビス(2-クロロエタノン))
無水THF(20mL)中のtrans-シクロプロパン-1,2-ジカルボン酸ジエチル(558mg, 3mmol)及びクロロヨードメタン(1.06g, 6mmol)の溶液へ、LDA(6mL, 12mmol)を、窒素下、-78℃で滴加した。2時間後、この混合物を-30℃まで温めた。AcOH(2.40g, 40mmol)を、この反応混合物へ滴加した。この混合物を、0℃でさらに1時間攪拌した。混合物を、水(100mL)で希釈し、EtOAcにより抽出した。一緒にした有機相を、真空中で濃縮し、粗生成物1.2gを得、これをさらに精製することなく次工程で直接使用した。
【0357】
(b. 1,2-ビス(8-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロパン)
EtOH(20mL)中の1,1'-(シクロプロパン-1,2-ジ-イル)ビス(2-クロロエタノン)(1.2g, 3mmol)、Na2CO3(106mg, 1mmol)、及び3-メチルピリジン-2-アミン(216mg, 2mmol)の溶液を、還流温度で一晩攪拌した。この混合物を、水(30mL)で希釈し、EtOAc(20mL×3)により抽出した。一緒にした有機相を濃縮し、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM:CH3OH=1:10)により精製し、所望の生成物25mgを白みがかった無色の固形物として得た。
【0358】
(8. 一般的手順H)
【化179】
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(a. trans-シクロブタン-1,2-ジカルボニルジクロリド)
CH2Cl2(10mL)中のtrans-シクロブタン-1,2-ジカルボン酸(0.222g, 1.54mmol)の溶液へ、オキサリルクロリド(1.7mL, 3.39mmol)を添加し、得られた反応混合物を、25℃で2時間攪拌し、この時点で揮発物を真空において除去し、得られた油状物を、さらに精製することなく引き続きの工程において使用した。
【0359】
(b. trans-1,1'-(シクロブタン-1,2-ジ-イル)ビス(2-クロロエタノン))
氷浴中で0℃まで冷却したCH3CN(4mL)中のtrans-シクロブタン-1,2-ジカルボニルジクロリド(0.27g, 1.54mmol)の溶液に、TMSCHN2(Et2O中の2.0M溶液, 1.54mL, 3.08mmol)を添加した。得られた反応混合物を、25℃まで温め、2時間攪拌し、この時点で混合物を、氷浴により0℃まで冷却し、次にジオキサン中の4M HCl (1.0mL, 4mmol)を添加し、反応混合物を、16時間攪拌しながら、25℃まで温めた。この反応が完了した後、揮発物を真空において除去し、油状物を、EtOAcとNaHCO3(飽和、水性)において分配し、EtOAc(3×50mL)により抽出し、一緒にした有機画分を、ブラインにより洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空において除去した。粗trans-1,1'-(シクロブタン-1,2-ジ-イル)ビス(2-クロロエタノン)を、GC-MSによりm/z 156 (恐らくクロマトグラフィー時に断片化)として認め、これをさらに精製することなく使用した。
【0360】
(c. 1,2-ビス(8-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロブタン及び2-クロロ-1-(2-(8-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)エタノン)
マイクロウェーブ反応用バイアル内のEtOH(3mL)中のtrans-1,1'-(シクロブタン-1,2-ジ-イル)ビス(2-クロロエタノン)(62mg, 0.3mmol)の溶液へ、3-クロロピリジン-2-アミン(84.5mg, 0.66mmol)を添加し、この反応用バイアルを、アルミニウム製圧着キャップにより密封した。この反応混合物を、マイクロウェーブ照射下で、90℃で2時間加熱し、この時点で粗反応混合物を、RP-HPLC(アセトニトリル中0.1%ギ酸/H2Oの10〜50%勾配)により、直接精製した。収集した画分の凍結乾燥は、表題化合物をギ酸塩及びモノ-付加物の2-クロロ-1-(2-(8-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)エタノンとして供し、これを引き続きの反応において使用した。
【0361】
(d. 8-クロロ-2-(2-(7-フルオロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロブチル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン)
マイクロウェーブ反応用バイアル内のEtOH(2mL)中の2-クロロ-1-(2-(8-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)エタノン(15mg, 0.05mmol)の溶液へ、3-クロロピリジン-2-アミン(15mg, 0.13mmol)を添加し、この反応用バイアルを、アルミニウム製圧着キャップにより密封した。この反応混合物を、マイクロウェーブ照射下で、90℃で2時間加熱し、この時点で粗反応混合物を、RP-HPLC(アセトニトリル中0.1%ギ酸/H2Oの10〜50%勾配)により、直接精製した。収集した画分の凍結乾燥は、表題化合物をギ酸塩として供した。
【0362】
(9. 一般的手順I)
【化180】
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(a. 1,2-ビス(3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-f]キノリン-2-イル)シクロブタン)
trans-シクロブタン-1,2-ジカルボン酸(0.1g, 0.7mmol)及びN6-メチルキノリン-5,6-ジアミン(WO2011150156A2, 0.132g, 0.76mmol)を含有するフラスコへ、イートン試薬(9mL)を添加し、得られた反応混合物を、80℃で2時間攪拌させた。出発物質の消失は、LC-MSにより観察し、この反応を、K2CO3(飽和、水性)により慎重に停止し、EtOAcとH2Oの間で分配した。水層を、EtOAc(3×50mL)により抽出し、得られた有機層を、ブラインにより洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空において除去した。得られた粗油状物を、MeOH 3ml中に希釈し、RP-HPLC(CH3CN中H2Oを溶媒とする0.1%ギ酸の10〜50%勾配)により精製し、表題化合物を白色粉末として生じた。
【0363】
(10. 一般的手順J)
【化181】
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(a. 2-(1-ヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸エチル)
無水THF(15mL)中の2-ホルミルシクロプロパンカルボン酸エチル(Aldrich社)(1g, 7mmol)の溶液を、N2下、-78℃で攪拌した。その後この溶液に、エチルマグネシウムブロミド(THF中1.0M, 7mL, 7mmol)を滴加し、この混合物を、-78℃で2時間攪拌し、室温まで温めた。その後TLCは、反応が完了したことを示し、この混合物を飽和塩化アンモニウム溶液によりクエンチし、分離し、その水分(water)をEtOAc(10mL×3)により抽出し、一緒にした有機層を、硫酸ナトリウムにより乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去し、残渣を、溶離液としてPE:EtOAc(V:V, 10:1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。無色油状物1.0g、収率:83%。
【化182】
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【0364】
(b. 2-プロピオニルシクロプロパンカルボン酸エチル)
DCM(25mL)中の2-(l-ヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸エチル(1g, 5.81mmol)の溶液を、室温で攪拌した。その後この溶液へ、デス-マーチンペルヨージナン(5.2g, 12.2mmol)を添加し、この混合物を室温で14時間攪拌した。その後この混合物へ、水酸化ナトリウム溶液(2N, 30mL)を添加し、混合物を室温で20分間攪拌し、分離し、水層をEtOAc(15mL×3)により抽出し、一緒にした有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去し、残渣を、溶離液としてPE:EtOAc(V:V: 25:1)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。無色油状物0.80g、収率:80%。
【化183】
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【0365】
(c. 2-(2-ブロモプロパノイル)シクロプロパンカルボン酸エチル)
無水THF(30mL)中の2-プロピオニルシクロプロパンカルボン酸エチル(0.85g, 5mmol)の溶液を、室温で攪拌した。その後この溶液へ、トリメチルフェニルアンモニウムトリブロミド(1.68g, 5mmol)を添加し、混合物を室温で3時間攪拌した。その後LCMSは反応が完了したことを示した。次に混合物を、EtOAc(30mL)により希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(5mL×5)により洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去し、残渣1.50gの黄色油状物をさらに精製することなく次工程で使用した。MS (ESI): m/z 249, 251 [M+H] +
【0366】
(d. 2-(3,7-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボン酸エチル)
EtOH(20mL)中の2-(2-ブロモプロパノイル)シクロプロパンカルボン酸エチル(1.50g, 上記粗生成物)の溶液を、室温で攪拌し、その後この溶液へ4-メチルピリジン-2-アミン(0.65g, 6mmol)を添加し、混合物を14時間還流した。その後LCMSは反応が完了したことを示し、この混合物を室温まで冷却し、EtOHを減圧下で除去し、残渣をEtOAc(40mL)により溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム(10mL×4)により洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去し、残渣を、溶離液としてPE:EtOAc(V:V, 1:1)を使用する分取-TLCにより精製した。白色固形物0.39g、収率:30%。MS (ESI): m/z 259 [M+H] +
【0367】
(e. 2-(3,7-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボン酸)
THF(20mL)中の2-(3,7-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボン酸エチル(1-5)(0.39g, 1.51mmol)の溶液を、室温で攪拌した。その後この溶液へ水酸化ナトリウム溶液(水中2N, 3mL, 6mmol)を滴加し、混合物を14時間還流した。その後、LCMSは、反応が完了したことを示し、この混合物を室温まで冷却し、THFを減圧下で除去し、溶液を塩酸(2N)により酸性とし、pHを5〜6に調節し、その後混合物を溶離液としてCH3CNを使用する逆相カラムクロマトグラフィーにより精製し、アセトニトリルを減圧下で除去し、2-(3,7-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボン酸を白色固形物310mgとして得た。収率:90%。MS (ESI): m/z 231 [M+H] +
【化184】
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【0368】
(f. 2-クロロ-1-(2-(3,7-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)エタノン)
CH2C12(2.5mL)中の2-(3,7-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボン酸(0.09g, 0.4mmol)の溶液へ、オキサリルクロリド(1.7mL, 3.39mmol)、引き続きDMF(0.05mL)を添加し、得られた反応混合物を、25℃で2時間攪拌し、この時点で、揮発物を真空において除去し、得られた油状物を、CH3CN(3mL)に溶かし、氷浴中で0℃まで冷却し、TMSCHN2(Et2O中2.0M溶液, 0.45mL, 0.9mmol)を添加した。得られる反応混合物を、25℃まで温め、2時間攪拌し、この時点で混合物を氷浴により0℃まで冷却し、その後ジオキサン中の4M HCl (0.4mL, 0.8mmol)を添加し、反応混合物を攪拌しながら、25℃まで16時間温めた。反応が完了した後、揮発物を真空において除去し、油状物をEtOAcとNaHCO3(飽和水性)の間で分配し、EtOAc(3×50mL)により抽出し、一緒にした有機画分を、ブラインにより洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空において除去した。得られた黄色油状物を、さらに精製することなく次工程において使用した。
【0369】
(g. 2-(2-(7-フルオロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)-3,7-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン)
マイクロウェーブ反応用バイアルへ加えたEtOH(4mL)中の2-クロロ-1-(2-(3,7-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)エタノン(105mg, 0.4mmol)の溶液へ、4-フルオロピリジン-2-アミン(45mg, 0.4mmol)を添加し、この反応用バイアルを、アルミニウム製圧着キャップにより密封した。この反応混合物を、マイクロウェーブ照射下で、90℃で2時間加熱し、この時点で粗反応混合物を、RP-HPLC(CH3CN中0.1%ギ酸/H2Oの10〜50%勾配)により、直接精製した。収集した画分の凍結乾燥は、表題化合物をギ酸塩として供した。
【0370】
(11. 一般的手順K)
【化185】
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(a. (E)- 3-(キノリン-2-イル)アクリル酸メチル)
乾燥した100mLフラスコへ、N2下で、水素化ナトリウム(60%, 360mg)を添加した。水素化ナトリウムを、ヘプタン(10mL×2)により洗浄し、その後無水THF(25mL)を添加した。この混合物へ、0℃で、THF(2.0mL)中の2-(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(2.08g)の溶液をゆっくり添加した。この混合物を、0℃で30分間攪拌した。この混合物へ、THF(3.0mL)中のキノリン-2-カルバルデヒド(470mg)の溶液を0℃で添加した。この混合物を、室温で30分間攪拌し、その後ブライン(50mL)へ注いだ。この混合物を、EtOAc(30mL×2)により抽出した。一緒にした有機相を乾燥させ、濃縮し、フラッシュカラム(PE:EtOAc=4:1)により精製し、(E)-3-(キノリン-2-イル)アクリル酸メチル(588mg, 88%)を淡紫色固形物として得た。MS (ESI): m/z 214.1 [M+H]+
【0371】
(b. (E)-2-(2-(キノリン-2-イル)ビニル)-3H-イミダゾ[4,5-f]キノリン)
ポリリン酸(polyphosphosphoric acid)(5mL)中の(E)- 3-(キノリン-2-イル)アクリル酸メチル(197mg)、キノリン-5,6-ジアミン(WO2011150156A2, 197mg)の混合物を、N2下で、170℃で1時間加熱した。その後この反応を、飽和水酸化カリウム(10mL)の90℃での滴加によりクエンチした。この溶液を、水酸化カリウム水溶液(30mL)へ注ぎ、EtOAc(30mL×2)により抽出した。一緒にした有機相を乾燥させ、濃縮し、フラッシュカラム(DCM:MeOH=50:1)により精製し、(E)-2-(2-(キノリン-2-イル)ビニル)-3H-イミダゾ[4,5-f]キノリン(270mg, 91%)を赤色固形物として生じた。MS (ESI): m/z 323.1 [M+H]+
【0372】
(c. (E)-3-メチル-2-(2-(キノリン-2-イル)ビニル)-3H-イミダゾ[4,5-f]キノリン]
DMF(2mL)中の(E)-2-(2-(キノリン-2-イル)ビニル)-3H-イミダゾ[4,5-f]キノリン(50mg)の混合物へ、水素化ナトリウム(60%, 80mg)を添加した。この混合物を、室温で30分間攪拌し、その後p-トルエンスルホン酸メチル(400mg)を、0℃で添加した。0℃で30分間攪拌した後、この反応を、水酸化カリウム水溶液(1mL)によりクエンチした。この混合物を、水酸化カリウム水溶液(30mL)により希釈し、DCM(30mL×3)により抽出した。一緒にした有機相を乾燥させ、濃縮し、フラッシュカラム(EtOAc:MeOH=20:1)により精製し、(E)-3-メチル-2-(2-(キノリン-2-イル)ビニル)-3H-イミダゾ[4,5-f]キノリン(40mg, 74%)を黄色固形物として生じた。MS (ESI): m/z 337.0 [M+H]+
【0373】
(d. 3-メチル-2-(2-(キノリン-2-イル)シクロプロピル)-3H-イミダゾ[4,5-f]キノリン]
DMF(2.0mL)中のトリメチルスルホオキソニウムヨージド(580mg)の混合物へ、水素化ナトリウム(60%, 144mg)を添加した。この混合物を、室温で30分間攪拌し、その後(E)-3-メチル-2-(2-(キノリン-2-イル)ビニル)-3H-イミダゾ[4,5-f]キノリン(35mg)を添加した。この混合物を、50℃で2時間攪拌し、その後氷冷した水酸化カリウム水溶液(30mL)へ注ぎ、EtOAc(30mL×2)により抽出した。一緒にした有機相を乾燥させ、濃縮し、フラッシュカラム(PE:EtOAc=2:3)により精製し、表題化合物(15mg, 35%)を黄色固形物として得た。
【0374】
(12. 一般的手順CS)
【化186】
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(a. 3-メチル-2-((1S,2S)-2(キノリン-2-イル)シクロプロピル)-3H-イミダゾ[4,5-f]キノリン及び3-メチル-2-((1R,2R)-2-(キノリン-2-イル)シクロプロピル)-3H-イミダゾ[4,5-f]キノリン)
本明細書に開示されたラセミ化合物の順相キラル分離を、Chiral Technologies社のAS、AD、OJ及びODカラム、並びに特定された溶媒システムを使用し、実行した。
【0375】
下記略語を使用した:
IHD 5=5%イソプロパノール/95%ヘキサン/0.1%ジエチルアミン
IHD 10=10%イソプロパノール/90%ヘキサン/0.1%ジエチルアミン
MEHD 5=2.5%メタノール/2.5%エタノール/95%ヘキサン/0.1%ジエチルアミン
MEHD 2.5=1.25%メタノール/1.25%エタノール/97.5%ヘキサン/0.1%ジエチルアミン
【0376】
速移動鏡像異性体(FME)は、より速く溶離する鏡像異性体であり、且つ遅移動鏡像異性体(SME)は、より遅く溶離する鏡像異性体であった。
【0377】
SFC(超臨界CO2流体クロマトグラフィー)キラル分離は、特定されたカラム及び共溶媒を使用し、且つ総CO2は60〜80g/分で流れる、アイソクラチック法を用いて行った。
【0378】
(B. 化合物)
下記の化合物を、上記手順を利用して製造した。
【表1】
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下記化合物は、本明細書記載の方法により合成した。
化合物30:(±)-2-(2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロピル)-7-フルオロ-3-メチルイミダゾ[2,1-a]イソキノリン
【化187】
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化合物31:(±)-2-(2-(8-(ジフルオロメトキシ)-3-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化188】
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化合物32:(±)-2-(2-(8-エトキシ-3-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化189】
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化合物33:(±)-2-(2-(6-フルオロ-3,7-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化190】
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化合物34:(±)-2-(2-(6-フルオロ-8-メトキシ-3-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化191】
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化合物35:(±)-9-(2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロピル)-8-メチル-2,3-ジヒドロ-[1,4]ジオキシノ[2,3-c]イミダゾ[1,2-a]ピリジン
【化192】
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化合物36:(±)-2-(2-(8-メトキシ-3,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化193】
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化合物37:(±)-2-(2-(6,8-ジメトキシ-3-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化194】
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化合物38:(±)-9-(2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロブチル)-2,3-ジヒドロ-[1,4]ジオキシノ[2,3-c]イミダゾ[1,2-a]ピリジン
【化195】
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化合物39:(±)-9-(2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロピル)-2,3-ジヒドロ-[1,4]ジオキシノ[2,3-c]イミダゾ[1,2-a]ピリジン
【化196】
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化合物40:(±)-2-(2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロブチル)-3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-f]キノリン(シス異性体)
【化197】
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化合物 41:(±)-2-(3-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロブチル)-3-メチルイミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン
【化198】
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化合物42:(±)-2-(2-(8-メトキシ-3-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロブチル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化199】
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化合物43:(±)-2-(2-(7-メトキシ-3-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロブチル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化200】
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化合物44:(±)-2-(2-(3-フルオロ-8-メトキシ-6-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化201】
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化合物45:(±)-2-(2-(5,8-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-2-イル)シクロプロピル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化202】
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化合物46:(±)-2-(2-(4-メトキシ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)シクロプロピル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化203】
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化合物47:(±)-2-(2-(4-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)シクロプロピル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化204】
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化合物48:(±)-9-(2-(5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル)シクロプロピル)-8-フルオロ-2,3-ジヒドロ-[1,4]ジオキシノ[2,3-c]イミダゾ[1,2-a]ピリジン
【化205】
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化合物49:2-(2-(6-フルオロ-8-メトキシ-3-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化206】
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化合物34のキラルピーク1。LC/MS: m/e=351 (M+H)+。絶対立体化学は不明。
化合物50:2-(2-(6-フルオロ-8-メトキシ-3-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化207】
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化合物34のキラルピーク2。LC/MS: m/e=351 (M+H)+。絶対立体化学は不明。
化合物51:5,8-ジメチル-2-(2-(1-メチル-4-フェニル-1H-イミダゾール-2-イル)シクロプロピル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化208】
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化合物19のキラルピーク1。LC/MS: m/e=351 (M+H)+。絶対立体化学は不明。
化合物52:5,8-ジメチル-2-(2-(l-メチル-4-フェニル-1H-イミダゾール-2-イル)シクロプロピル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化209】
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化合物19のキラルピーク2。LC/MS: m/e=351 (M+H)+。絶対立体化学は不明。
化合物53:2-(2-(8-メトキシ-3,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化210】
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化合物36のキラルピーク1。LC/MS: m/e=351 (M+H)+。絶対立体化学は不明。
化合物54:2-(2-(8-メトキシ-3,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化211】
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化合物36のキラルピーク2。LC/MS: m/e=351 (M+H)+。絶対立体化学は不明。
化合物55:(±)-2-(2-(3-フルオロ-8-メトキシイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化212】
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ラセミ化合物。LC/MS: m/e=353 (M+H)+
化合物56:2-(2-(3-フルオロ-8-メトキシイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化213】
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化合物55のキラルピーク1。絶対立体化学は不明。LC/MS: m/e=353 (M+H)+
化合物57:2-(2-(3-フルオロ-8-メトキシイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化214】
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化合物55のキラルピーク2。絶対立体化学は不明。LC/MS: m/e=353 (M+H)+
化合物58:(±)-8-クロロ-2-(2-(7-フルオロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロブチル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン
【化215】
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LC/MS: m/e=341 (M+H)+
化合物59:(+)-2-(2-(8-メトキシイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピル)-5,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
【化216】
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LC/MS: m/e=336 (M+H)+
【0379】
(C. インビトロの薬理学)
一実施態様において、本明細書に提供する化合物を、ヒトのPDE-10Aを阻害する能力に関して試験した。一実施態様において、該化合物の活性は、バキュロウイルス系において発現された組換え型ヒトPDE-10酵素を使用するMolecular Devices社のIMAP PDE蛍光偏光アッセイを利用して決定した。簡潔に言うと、10μLの化合物(0.2nM〜20μM)を、メーカーの説明に従って、10μLのフルオレセイン標識cAMP/cGMP基質及び10μLのPDE酵素(活性0.1U)と共に96-ウェルハーフエリアブラックプレート又は384-ウェルブラックプレートのいずれかに加えた。37℃で40分間インキュベートした後、60μLのIMAP結合試薬を加えた。次いで、プレートをPerkin Elmer社製Victor(480-535 nm)で読み取った。データを、Prism Software(GraphPad社製、San Diego、CA)を使用して分析した。
【0380】
ヒトPDE-10阻害アッセイ(酵素アッセイIC50)における、本明細書に提供される化合物の効力を、以下の表にまとめる。
IC50≦0.01μM ++++;
0.01<IC50≦0.1μM +++;
0.1<IC50≦0.5μM ++;
IC50>0.5μM +。
【表2】
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【0381】
上記の実施態様は単に例示的であるものとし、当業者は、ルーチンの実験だけを利用して、特定の化合物、材料、及び手順の多くの等価物を認識するか、それらを確認することができるであろう。そのような等価物は全て、本開示の範囲内にあると考えられ、かつ添付の特許請求の範囲によって包含される。
【0382】
本明細書で言及された特許、特許出願、及び刊行物の全ては、それらの全体が引用により本明細書に組み込まれている。本出願における任意の参考文献の引用又は特定は、そのような参考文献が本出願に対する先行技術として利用可能であることを認めるものではない。本開示の全範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することにより、より良く理解される。