特許第6236444号(P6236444)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6236444ベントスプールが一体化された5方向オイル制御弁
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236444
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】ベントスプールが一体化された5方向オイル制御弁
(51)【国際特許分類】
   F01L 1/356 20060101AFI20171113BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   F01L1/356 E
   F16K31/06 385A
   F16K31/06 305K
【請求項の数】15
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-521665(P2015-521665)
(86)(22)【出願日】2013年7月3日
(65)【公表番号】特表2015-524889(P2015-524889A)
(43)【公表日】2015年8月27日
(86)【国際出願番号】US2013049237
(87)【国際公開番号】WO2014011472
(87)【国際公開日】20140116
【審査請求日】2016年3月3日
(31)【優先権主張番号】61/671,175
(32)【優先日】2012年7月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500124378
【氏名又は名称】ボーグワーナー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・アール・ベレズニー
(72)【発明者】
【氏名】ガレット・アール・ホームズ
【審査官】 二之湯 正俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−133216(JP,A)
【文献】 特開2012−122454(JP,A)
【文献】 特開2002−286151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01L 1/34− 1/356
F01L 9/00− 9/04
F01L 13/00−13/08
F01L 1/00− 1/32
F01L 1/36− 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の駆動クランクシャフトに対する被駆動カムシャフトの角度配向を調整するための位相器の膨張可能な流体チャンバの間の加圧流体の流れを制御するための弁(10)であって、
長手方向に延びるアパーチャ(14a)と、前記アパーチャに形成された半径方向に延びる複数のポート(14b)とを有する細長い弁本体(14)であって、隣接する半径方向に延びる2つのポート(14b)の間に配置された少なくとも1つのアンダーカット部分(14c)を含む細長い弁本体(14)と、
第1及び第2の端部行程限界の間で移動するために前記弁本体(14)の長手方向に延びる前記アパーチャ(14a)内に配置された弁スプール(12)であって、前記弁スプール(12)が、前記弁本体(14)内の前記弁スプール(12)の長手方向の位置に応じて前記弁本体(14)の選択的な半径方向に延びるポート(14b)との流体連通のための流体通路(18)を画定する複数のランド(12a)及び縮径部分(12b)を有し、前記弁スプール(12)が、長手方向に延びる通路(12c)及び第1の半径方向に延びる通路(12d)を有し、前記第1の半径方向に延びる通路(12d)が、前記弁本体(14)の前記アンダーカット部分(14c)との流体連通のために前記弁スプール(12)のランド(12a)に終端し、かつ第2の半径方向に延びる通路(12d)が、前記アンダーカット部分(14c)との流体連通のために前記弁スプール(12)のランド(12a)に終端し、前記第1の半径方向に延びる通路(12d)と前記第2の半径方向に延びる通路(12d)は両方とも、前記弁スプール(12)が第1の軸方向の中立位置から移動する際に第1の半径方向に延びるポート(14b)と流体連通し、かつ前記弁スプール(12)が第2の軸方向の中立位置から移動する際には第2の半径方向に延びるポート(14b)と流体連通する、弁スプール(12)と、
を備える弁(10)。
【請求項2】
前記弁スプール(12)の前記第1及び第2の半径方向に延びる通路(12d)が前記弁本体(14)の前記隣接する前記第1及び第2の半径方向に延びるポート(14b)の一方に対して各々流体連通して長手方向に位置決めされるときに、前記弁本体(14)の前記アンダーカット部分(14c)が、前記弁スプール(12)の前記長手方向に延びる通路(12c)を通したベントを可能にする請求項1に記載の弁(10)。
【請求項3】
前記弁スプール(12)の前記ランド(12a)が長手方向の長さを有し、前記ランド(12a)に終端する前記第1及び第2の半径方向に延びる通路(12d)が、前記弁本体(14)内の前記弁スプール(12)の前記長手方向の位置に応じて前記弁本体(14)の隣接する半径方向に延びる前記第1及び第2の半径方向に延びるポート(14b)のいずれか一方と流体連通することを可能にし、ゼロ位置にあるときに前記弁本体(14)の隣接する半径方向に延びる前記第1及び第2の半径方向に延びるポート(14b)のいずれか一方との流体連通から前記第1及び第2の半径方向に延びる通路(12d)をシールする請求項1に記載の弁(10)。
【請求項4】
前記弁スプール(12)の前記長手方向に延びる通路(12c)が、開口した長手方向端部(12e)と、前記弁スプール(12)の縮径部分(12b)に終端する半径方向に延びる通路(12f)とを含む請求項1に記載の弁(10)。
【請求項5】
前記弁本体(14)に対する前記第1及び第2の端部行程限界の一方に向かって前記弁スプール(12)を付勢するためのばね(20)をさらに含む請求項1に記載の弁(10)。
【請求項6】
前記弁本体(14)内の前記ばね(20)に対抗して前記弁スプール(12)を駆動して長手方向に移動させるためのソレノイドアクチュエータ(16)をさらに含む請求項5に記載の弁(10)。
【請求項7】
制御弁(10)を通して供給された加圧流体の流れにより内燃機関の駆動クランクシャフトに対する被駆動カムシャフトの角度配向を調整するための複数の膨張可能な流体チャンバを有する位相器を含む可変カムシャフトタイミングシステムにおいて、
長手方向に延びるアパーチャ(14a)と、前記アパーチャに形成された半径方向に延びる複数のポート(14b)とを有する細長い弁本体(14)であって、隣接する半径方向に延びる2つのポート(14b)の間に配置された少なくとも1つのアンダーカット部分(14c)を含む細長い弁本体(14)と、
第1及び第2の端部行程限界の間で移動するために前記弁本体(14)の長手方向に延びる前記アパーチャ(14a)内に配置された弁スプール(12)であって、前記弁スプール(12)が、前記弁本体(14)内の前記弁スプール(12)の長手方向の位置に応じて前記弁本体(14)の選択的な半径方向に延びるポート(14b)との流体連通のための流体通路(18)を画定する複数のランド(12a)及び縮径部分(12b)を有し、前記弁スプール(12)が、長手方向に延びる通路(12c)及び第1の半径方向に延びる通路(12d)を有し、前記第1の半径方向に延びる通路(12d)が、前記弁本体(14)の前記アンダーカット部分(14c)との流体連通のために前記弁スプール(12)のランド(12a)に終端し、かつ第2の半径方向に延びる通路(12d)が、前記アンダーカット部分(14c)との流体連通のために前記弁スプール(12)のランド(12a)に終端し、前記第1の半径方向に延びる通路(12d)と前記第2の半径方向に延びる通路(12d)は両方とも、前記弁スプール(12)が第1の軸方向の中立位置から移動する際に前記複数のポート(14b)のうち第1の半径方向に延びるポート(14b)と流体連通し、かつ前記弁スプール(12)が第2の軸方向の中立位置から移動する際には前記複数のポート(14b)のうち第2の半径方向に延びるポート(14b)と流体連通する、弁スプール(12)と、
を備える可変カムシャフトタイミングシステム
【請求項8】
前記弁スプール(12)の前記第1及び第2の半径方向に延びる通路(12d)が前記弁本体(14)の前記隣接する前記第1及び第2の半径方向に延びるポート(14b)の一方に対して各々流体連通して長手方向に位置決めされるときに、前記弁本体(14)の前記アンダーカット部分(14c)が、前記弁スプール(12)の前記長手方向に延びる通路(12c)を通したベントを可能にする請求項7に記載の可変カムシャフトタイミングシステム
【請求項9】
前記弁スプール(12)の前記ランド(12a)が長手方向の長さを有し、前記ランド(12a)に終端する前記第1及び第2の半径方向に延びる通路(12d)が、前記弁本体(14)内の前記弁スプール(12)の前記長手方向の位置に応じて前記弁本体(14)の隣接する半径方向に延びる前記第1及び第2の半径方向に延びるポート(14b)のいずれか一方と流体連通することを可能にし、ゼロ位置にあるときに前記弁本体(14)の隣接する半径方向に延びる前記第1及び第2の半径方向に延びるポート(14b)のいずれか一方との流体連通から前記第1及び第2の半径方向に延びる通路(12d)をシールする請求項7に記載の可変カムシャフトタイミングシステム
【請求項10】
前記弁スプール(12)の前記長手方向に延びる通路(12c)が、開口した長手方向端部(12e)と、前記弁スプール(12)の縮径部分(12b)に終端する半径方向に延びる通路(12f)とを含む請求項7に記載の可変カムシャフトタイミングシステム
【請求項11】
前記弁本体(14)に対する前記第1及び第2の端部行程限界の一方に向かって前記弁スプール(12)を付勢するためのばね(20)をさらに含む、請求項7に記載の可変カムシャフトタイミングシステム
【請求項12】
前記弁本体(14)内の前記ばね(20)に対抗して前記弁スプール(12)を駆動して長手方向に移動させるためのソレノイドアクチュエータ(16)をさらに含む、請求項11に記載の可変カムシャフトタイミングシステム
【請求項13】
流体流れ制御弁(10)であって、
長手方向に延びるアパーチャ(14a)と、前記アパーチャに形成された半径方向に延びる長手方向に離間した複数のポート(14b)とを有する細長い弁本体(14)であって、隣接する半径方向に延びる2つのポート(14b)の間に配置されたアンダーカット部分(14c)を含む細長い弁本体(14)と、
第1及び第2の端部行程限界の間で移動するために前記弁本体(14)の長手方向に延びる前記アパーチャ(14a)内に配置された弁スプール(12)であって、前記弁スプール(12)が、前記弁本体(14)内の前記弁スプール(12)の長手方向の位置に応じて前記弁本体(14)の選択的な半径方向に延びるポート(14b)との流体連通のための流体通路(18)を画定する複数のランド(12a)及び縮径部分(12b)を有し、前記弁スプール(12)が、長手方向に延びる通路(12c)及び第1の半径方向に延びる通路(12d)を有し、前記第1の半径方向に延びる通路(12d)が、前記弁本体(14)の前記アンダーカット部分(14c)との流体連通のために前記弁スプール(12)のランド(12a)に終端し、かつ第2の半径方向に延びる通路(12d)が、前記アンダーカット部分(14c)との流体連通のために前記弁スプール(12)のランド(12a)に終端し、前記第1の半径方向に延びる通路(12d)と前記第2の半径方向に延びる通路(12d)は両方とも、前記弁スプール(12)が第1の軸方向の中立位置から移動する際に前記複数のポート(14b)のうち第1の半径方向に延びるポート(14b)と流体連通し、かつ前記弁スプール(12)が第2の軸方向の中立位置から移動する際には前記複数のポート(14b)のうち第2の半径方向に延びるポート(14b)と流体連通する、弁スプール(12)と、
を備える流体流れ制御弁(10)。
【請求項14】
前記弁スプール(12)の前記ランド(12a)をさらに備え、前記弁スプール(12)の前記ランド(12a)が長手方向の長さを有し、前記ランド(12a)に終端する前記第1及び第2の半径方向に延びる通路(12d)が、前記弁本体(14)内の前記弁スプール(12)の前記長手方向の位置に応じて前記弁本体(14)の隣接する半径方向に延びる前記第1及び第2の半径方向に延びるポート(14b)のいずれか一方と流体連通することを可能にし、ゼロ位置にあるときに前記弁本体(14)の隣接する半径方向に延びる前記第1及び第2の半径方向に延びるポート(14b)のいずれか一方との流体連通から前記第1及び第2の半径方向に延びる通路(12d)をシールする請求項13に記載の弁(10)。
【請求項15】
前記弁本体(14)の前記アンダーカット部分(14c)をさらに備え、前記弁スプール(12)の前記第1及び第2の半径方向に延びる通路(12d)が前記弁本体(14)の前記隣接する第1及び第2の半径方向に延びるポート(14b)の一方に対して流体連通して長手方向に位置決めされるときに、前記弁本体(14)の前記アンダーカット部分(14c)が、前記弁スプール(12)の前記長手方向に延びる通路(12c)を通したベントを可能にする請求項13に記載の弁(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カムシャフトの制御及び操作を可能にする位相器チャンバの間の流体流れの制御、より詳細には、ポート構造がオイル流を制御するためにハウジング及び軸受内に配置される場合の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
可変カムシャフトタイミング(VCT)システム用の制御弁は、一般に知られている。例えば、米国特許第7,841,310号明細書、米国特許第7,584,728号明細書、米国特許第6,941,913号明細書、米国特許第6,374,787号明細書、米国特許第6,247,434号明細書、及び米国特許第5,497,738号明細書を参照されたい。差し迫った現実性としてより小さいエンジン及びより厳しい燃料経済の要件のため、今や重量が、多くの自動車製造業者によって過敏にとらえられており、新しいかつ有望な技術の開発が必要とされる。これらの必要性を満たすために、パッケージ長さがより短くかつ重量を低減した制御弁を提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
ベントスプール弁が一体化された5方向オイル制御弁(OCV)は、液圧制御装置である。この技術は、本質的に基本的なものであり、多くの分野にわたって適用可能であるが、主に自動車用途に使用される。
【0004】
OCVは、位相器チャンバの間のオイルを制御し、カムシャフトの制御及び操作を可能にする。この特定の5方向OCVは、スプール弁を通した特異なポート構造のベントのため、さもなければ多数の弁が必要とされるであろうものを1つの弁によって達成する。この構造は、現在の自動車のサブシステム内への一体化を可能にしつつ、実際的かつ実行可能な製造性及び組立を可能にする。スプール弁を通した特異なポート構造のベントなしには、弁は、比較的並外れて長くなるであろう。
【0005】
ベントスプール弁の構想は、開示した構造によりパッケージの短縮及び重量の低減が得られる点で、他のものに対して明確な利点を有する。エンジンの小型化及び燃料経済要件の厳正化の差し迫った現実のため、今や重量が、多くの自動車製造業者によって過敏にとらえられており、新しいかつ有望な技術の開発が必要とされる。
【0006】
本発明の他の用途は、本発明を実施するために考慮された最善の様式の以下の説明を添付図面と関連して読み取られるとき、当業者に明らかになるであろう。
【0007】
本明細書の説明は添付図面を参照し、ここで、同様の参照番号は複数の図面を通して同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ハウジング及び軸受内のポート位置を示すソレノイド作動のオイル制御弁(OCV)の断面図である。
図2図1のアンダーカットベント構造の詳細断面図である。
図3図1のアンダーカットベントスプール弁の詳細断面図である。
図4図1のオイル制御弁の液圧部分の詳細断面図である。
図5】従来技術のアクチュエータの断面図であり、図1図4のアクチュエータの改良された構成と比較した場合、適切な機能のためにオイル制御弁のより長い液圧長さが必要であることを示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
内燃機関の可変カムシャフトタイミング(VCT)位相器は、内燃機関の駆動クランクシャフトに対して被駆動カムシャフトの角度配向を調整するための駆動ステータと被駆動ロータとの間の流体結合を規定する膨張可能な複数の流体チャンバを含む。オイル制御弁(OCV)10は、弁本体14に対する弁スプール12の長手方向位置に応答して、膨張可能な流体チャンバ内への及びそこからの液圧オイルのような加圧流体の流れを制御する。弁スプール12は、エンジン制御ユニット(ECU)からの信号に応答して、ソレノイド作動のアクチュエータ16のようなアクチュエータによって駆動される。
【0010】
次に図1図4を参照すると、流体制御弁10は、長手方向に延びるアパーチャ14aと、その中に形成された半径方向に延びる複数のポート14bとを有する細長い弁本体14を含む。弁本体14は、隣接する半径方向に延びる2つのポート14bの間に配置された少なくとも1つのアンダーカット部分14cを含む。弁スプール12は、第1及び第2の端部行程限界(end limits of travel)の間の弁本体14の長手方向に延びるアパーチャ14a内の往復運動のために配置される。弁スプール12は、弁本体14内の弁スプール12の長手方向位置に応じて、選択的な半径方向に延びるポート14bとの流体連通のための流体通路18を画定する複数のランド12a及び縮径部分12bを含むことができる。弁スプール12は、長手方向に延びる通路12c及び半径方向に延びる通路12dを有する。半径方向に延びる通路12dは、弁本体14のアンダーカット部分14cとの流体連通のために弁スプールのランド12aに終端する。
【0011】
弁本体14のアンダーカット部分14cは、弁スプール12が、弁本体14の隣接する半径方向に延びるポート14bの一方に対して流体連通して長手方向に位置決めされるときに、弁スプール12の長手方向に延びる通路12cを通した流体のベントを可能にする。弁スプール12のランド12aは、十分なサイズの長手方向の長さを有し、ランド12aに終端する少なくとも一方の半径方向に延びる通路12dが、弁本体14内の弁スプール12の長手方向の位置に応じて弁本体14の隣接する半径方向に延びる2つのポートのいずれか一方と流体連通することを可能にする。弁スプール12の長手方向に延びる通路12cは、開口した長手方向端部12eと、弁スプール12の縮径部分12bに終端する半径方向に延びる通路12fとを含むことができる。
【0012】
ばね20は、弁本体14に対する第1及び第2の端部行程限界の一方に向かって弁スプール12を付勢する。ソレノイドアクチュエータ16は、弁スプール12を駆動して、ばね20の勢いに対抗して弁本体14内で長手方向に移動させる。
【0013】
動作時、弁本体14及び弁スプール12は、ベントスプール12が一体化された5方向制御弁10を画定する。弁スプール12は、図2に最善に示されているように弁本体のアンダーカット部分14cに対して3つの位置に置くことができる。第1に、弁スプール12は、半径方向に延びる通路12dが弁本体14のアンダーカット部分14cと流体連通し、また弁本体の隣接する半径方向に延びるポート14bのいずれかとの流体連通からシールされるように、位置決めすることができる。このことは、中立又は非ベントのゼロ位置と称すことができる。第2に、弁スプール12は、半径方向に延びる通路12dを、弁本体14のアンダーカット部分14cの右に位置決めされた半径方向に延びるポート14bと流体連通させるために、図2に示したようにゼロ位置から右にシフトさせることができる。これにより、「右側」の半径方向に延びるポート14bと連通する位相器の膨張可能な流体チャンバを、弁スプール12の長手方向に延びる通路12cを通してベントすることが可能である。第3に、弁スプール12は、半径方向に延びる通路12dを、弁本体14のアンダーカット部分14cの左に位置決めされた半径方向に延びるポート14bと流体連通させるために、図2に示した位置から左にシフトさせることができる。これにより、「左側」の半径方向に延びるポート14bと連通する位相器の膨張可能な流体チャンバを、弁スプール12の長手方向に延びる通路12cを通してベントすることが可能である。
【0014】
次に図5を参照すると、従来技術のアクチュエータ10aが示され、63.24ミリメートル(mm)の長さを有する図1図4のアクチュエータの改良された構成と比較した場合、適切な機能のためにオイル制御弁には70.55ミリメートル(mm)のより長い液圧長さが必要であることを示している。これらの寸法は、一例として与えられ、オイル制御弁の開示した構成に関して限定されないことを認識すべきである。
【0015】
本発明が可変カムシャフトタイミング位相器用の制御弁に関して開示されていることを認識すべきである。しかし、開示した制御弁の構成は、開示した可変カムシャフトタイミング位相器の構成に限定されることなく、他の用途及び他の流体制御システムに適用し得る。制御弁の構成により、ベント通路を制御弁の弁スプール内に一体的に組み込むことによって、必要な機能のために以前に利用可能な寸法からの長手方向寸法の低減が提供される。開示した制御弁の構成により、ベント通路を制御弁の弁スプール内に一体的に組み込むことによって、必要な機能のために以前に利用可能な重量からの重量の低減が提供される。
【0016】
現在最も実用的かつ好ましい実施形態であると考えられるものに関連して本発明について説明してきたが、本発明は、開示した実施形態に限定されず、反対に、添付した特許請求の範囲の精神及び範囲内に含まれる様々な修正形態及び均等の構成を包含するように意図され、その範囲は、法律の下に許容されるようなすべての修正形態及び均等の構造を包含するように最も広義な解釈に準じるべきであることを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5