(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ターゲットの近接さを感知するためと、同じターゲットの近接さを感知するための近接センサーに結合するための近接センサーモニターであって、近接センサーは、ターゲットの近接さと共に変動する電気的性質を有する電気的コンポーネントと、電気的コンポーネントに接続され既知のインピーダンスを有するインピーダンスコンポーネントと、接続された電気的およびインピーダンスコンポーネンツへの印加のための電気信号を生成するための信号生成器であって、電気的およびインピーダンスコンポーネンツが信号生成器からの電気信号に応答して第1および第2のアナログ電圧信号を提供するように配置されているものと、を含み、近接センサーモニターは、
近接センサーからの第1および第2のアナログ電圧信号をそれぞれ受け取るための第1と第2の入力と、
第1と第2の入力に結合され、第1と第2の入力の間で切り替えするように構成されているスイッチと、
スイッチに結合され、アナログ電圧信号を受け取るためとデジタル電圧信号を生成するためのアナログ−デジタル変換器と、
アナログ−デジタル変換器に接続され、デジタル電圧信号を受け取るためと近接モニター信号を生成するためのプロセッサと、を含み、
プロセッサが、第1のアナログ電圧信号と第2のアナログ電圧信号をそれぞれ測定するために、第1と第2の入力に順次接続するようスイッチを制御するように構成されており、
プロセッサが、近接モニター信号を生成するために、近接モニター信号を生成するのに使われた励起周波数と、接続された電気的およびインピーダンスコンポーネンツに印加された電気信号を生成するのに近接センサーの信号生成器によって使われた励起周波数との間の周波数差を補償するように構成されている、
近接センサーモニター。
プロセッサが、電気的コンポーネントのインピーダンスまたはインピーダンスの少なくとも1つの成分の測定値として、近接モニター信号を生成するように構成されている、請求項1による近接センサーモニター。
プロセッサが、インピーダンスまたはその少なくとも1つの成分に関係するファクターが閾値より上か下かのどちらであるかの指標として、近接モニター信号を生成するように構成されている、請求項1または2による近接センサーモニター。
プロセッサが、第1と第3のパラメータを使った線形または極性補間を使うことによって位相修正値を決定するように構成されている、請求項4、5または6による近接センサーモニター。
プロセッサが、第1と第2のパラメータを使った外挿を使うことによって位相修正値を決定するように構成されている、請求項8、9または10による近接センサーモニター。
接続された電気的およびインピーダンスコンポーネンツに印加された電気信号を生成するのに近接センサーの信号生成器によって使われた励起周波数を指し示す近接センサーからの励起信号を受け取るカウンター部を含み、近接センサーモニタープロセッサが、近接センサーの励起周波数と近接モニター信号を生成するのに使われた励起周波数との周波数における差から位相修正値を決定するように構成されている、請求項1、2または3による近接センサーモニター。
スイッチが2つの出力を含み、スイッチは、1つの出力が第1の電圧に対応するインピーダンスコンポーネントの第1の端部に接続されている時には、もう1つの出力が第2の電圧に対応するインピーダンスコンポーネントの第2の端部に接続されているように構成されており、プロセッサは、スイッチ出力の各々について第1と第2の電圧を測定するように構成されている、請求項1−17のいずれかによる近接センサーモニター。
スイッチの第1と第2の出力のそれぞれと結合された第1と第2の入力を有するマルチプレクサと、アナログ−デジタル変換器に結合された出力を含む、請求項18による近接センサーモニター。
近接センサーからの近接信号を受け取るための入力と、近接モニター信号を受け取るための入力を有する比較部であって、比較部は、信号の間の差が閾値よりも大きい欠陥状態を検出するために近接信号と近接モニター信号を比較するように構成されており、もし欠陥状態が検出されれば警告を出力するように構成されているもの、を更に含む、請求項1−19のいずれか1つによる近接センサーモニター。
第1の入力とスイッチの1つの出力との間に結合された差動増幅器であって、差動増幅器はアナログ差分電圧をスイッチに出力するように構成されており、アナログ差分電圧は第1のアナログ電圧信号と第2のアナログ電圧信号の間の差分電圧を表しているもの、を含む、請求項1−20のいずれかによる近接センサーモニター。
プロセッサが、信号生成器によって生成された生成信号がその一部である複素共役信号に基づいたファクターを電気的コンポーネントに跨った電圧に掛けて第1のパラメータを決定し、そのファクターを第4の電圧に掛けて暫定的なパラメータを決定し、暫定的なパラメータから第1のパラメータを引いて第2のパラメータを決定するように構成されている、請求項22または23による近接センサーモニター。
プロセッサが、生成された信号がその一部である複素共役信号に基づいたファクターを電気的コンポーネントに跨った電圧に掛けて第1のパラメータを決定し、電気的コンポーネントに跨った電圧と第4の電圧を使って差分電圧を決定し、そのファクターを差分電圧に掛けて第2のパラメータを決定するように構成されている、請求項22または23による近接センサーモニター。
プロセッサが、生成された電気信号がその一部である複素共役信号に基づいたファクターを電気的コンポーネントに跨った電圧に掛けて第1のパラメータを決定し、そのファクターを電圧差測定値に掛けて第2のパラメータを決定するように構成されている、請求項22または23による近接センサーモニター。
プロセッサが、そのファクターを各デジタル電圧測定値に掛け、複数のデジタルサンプルに渡ってそのファクターが掛けられたデジタル電圧測定値の各々を合計するように構成されている、請求項24−26のいずれか1つによる近接センサーモニター。
プロセッサが、定数を使って第3と第4のパラメータを比較するように構成されており、定数はインピーダンスコンポーネントのインピーダンスまたはインピーダンスの少なくとも1つの成分に依存している、請求項22−27のいずれか1つによる近接センサーモニター。
プロセッサが、定数で各第4のパラメータに掛けた結果と各第3のパラメータを比較することによって、第3と第4のパラメータを比較して出力を生成するように構成されており、定数はインピーダンスコンポーネントのインピーダンスまたはその一部の逆数を含む、請求項28による近接センサーモニター。
プロセッサが、複数の測定値に渡る第3と第4のパラメータの平均を使って、測定値中のノイズの推定値を決定し、もしノイズが閾値より上であれば第3と第4のパラメータの現行の比較を無視するように構成されている、請求項22−29のいずれか1つによる近接センサーモニター。
近接センサーのインピーダンスコンポーネントが、近接センサーの電気的コンポーネントと直列に接続されており、インピーダンスコンポーネントは、電気的コンポーネントの第1の端部と接続された第1の端部と、近接センサーの信号生成器に接続された第2の端部を有しており、
第1の入力が、インピーダンスコンポーネントの第1の端部と結合可能であり、第2の入力が、インピーダンスコンポーネントの第2の端部と結合可能であり、
第1のアナログ電圧信号が、インピーダンスコンポーネントの第1の端部におけるアナログ電圧信号であり、第2のアナログ電圧信号が、インピーダンスコンポーネントの第2の端部におけるアナログ電圧信号である、
請求項1−30のいずれかによる近接センサーモニター。
近接センサーの電気的コンポーネントが第1の端部と第2の端部を有し、近接センサーのインピーダンスコンポーネントが第1の端部と第2の端部を有し、インピーダンスコンポーネントの第2の端部は、電気的コンポーネントの第2の端部に接続されており、近接センサーの信号生成器は、電気的コンポーネントの第1の端部に接続されており、
近接センサーが、反転入力、非反転入力および出力を有する作動増幅器を含み、電気的およびインピーダンスコンポーネンツの第2の端部が作動増幅器の反転入力に接続されており、インピーダンスコンポーネントの第1の端部が作動増幅器の出力に接続されており、
第1の入力が、電気的コンポーネントの第1の端部と結合可能であり、第2の入力が、インピーダンスコンポーネントの第1の端部と結合可能であり、
第1のアナログ電圧信号が、電気的コンポーネントの第1の端部におけるアナログ電圧信号であり、第2のアナログ電圧信号が、インピーダンスコンポーネントの第1の端部におけるアナログ電圧信号である、
請求項1−30のいずれか1つによる近接センサーモニター。
信号生成器が、直列接続された電気的コンポーネントとインピーダンスコンポーネントへの印加のために逐次的信号ブロックからなる信号を生成するように適応されており、スイッチ配置が、信号の逐次的信号ブロックの信号ブロックの同じ部分の間にインピーダンスコンポーネントの第1と第2の端部のそれぞれにおける第1の電圧と第2の電圧の各々を測定するためのアナログ−デジタル変換器を含んだ測定チャネルを切り替えるように構成されている、請求項33による近接センサーシステム。
信号生成器が、信号ブロックの少なくとも一部のための信号パターンを格納するデジタルストアと、格納された信号パターンを繰り返し使うことによってデジタル信号を生成するための生成器手段と、デジタル信号を信号に変換するためのデジタル−アナログ変換器を含む、請求項34による近接センサーシステム。
電圧を測定するための複数の測定チャネルを含み、スイッチが、測定チャネルにおける同時測定を許容するために電圧を順次測定するように測定チャネルの各々を切り替えるように適応されており、プロセッサが、各チャネルについての順次測定された電圧を処理するように構成されている、請求項33−36のいずれか1つによる近接センサーシステム。
プロセッサがデジタル処理配置からなり、測定チャネルが、共通のマルチプレクサ配置と共通のアナログ−デジタル変換器を含む、請求項37による近接センサーシステム。
プロセッサが、インピーダンスコンポーネントのインピーダンスまたはインピーダンスの少なくとも1つの成分の測定値として、出力を生成するように適応されている、請求項33−38のいずれか1つによる近接センサーシステム。
プロセッサが、インピーダンスまたはその少なくとも1つの成分に関係するファクターが閾値より上か下かのどちらであるかの指標として、出力を生成するように構成されている、請求項33−38のいずれか1つによる近接センサーシステム。
プロセッサが、生成された信号がその一部である複素共役信号に基づいたファクターを第1の電圧測定値に掛けて第1のパラメータを決定し、そのファクターを第2の電圧測定値に掛けて暫定的なパラメータを決定し、暫定的なパラメータから第1のパラメータを引いて第2のパラメータを決定するように適応されている、請求項41または42による近接センサーシステム。
プロセッサが、生成された信号がその一部である複素共役信号に基づいたファクターを第1の電圧測定値に掛けて第1のパラメータを決定し、第1および第2の電圧測定値を使って差分電圧を決定し、そのファクターを差分電圧に掛けて第2のパラメータを決定するように構成されている、請求項41または42による近接センサーシステム。
プロセッサが、生成された電気信号がその一部である複素共役信号に基づいたファクターを第1の電圧測定値に掛けて第1のパラメータを決定し、そのファクターを電圧差測定値に掛けて第2のパラメータを決定するように構成されている、請求項41または42による近接センサーシステム。
プロセッサが、そのファクターを各電圧測定値に掛け、複数のデジタルサンプルに渡ってそのファクターが掛けられたデジタル電圧測定値の各々を合計するように構成されている、請求項43−45のいずれか1つによる近接センサーシステム。
信号生成器が、複数の周波数成分からなる電気信号を生成するように構成されており、プロセッサが、各周波数のついてのインピーダンスコンポーネントの第1のサイド上の第1の電圧の複素振幅を指し示す第1のパラメータと、各周波数についての第1および第2の電圧の間の差または電圧差の複素振幅を指し示す第2のパラメータを決定し、
第1および第2の決定されたパラメータの各々に、第2の決定されたパラメータの複素共役を掛けて、それぞれ第3および第4のパラメータを生成し、第3および第4のパラメータを比較して出力を生成するか、または第3のパラメータの1つ以上の成分または微分と第4のパラメータの1つ以上の成分または微分を比較して出力を生成するように構成されている、請求項40−46のいずれか1つによる近接センサーシステム。
プロセッサが、定数を使って第3と第4のパラメータを比較するように構成されており、定数はインピーダンスコンポーネントのインピーダンスまたはインピーダンスの少なくとも1つの成分に依存している、請求項41−47のいずれか1つによる近接センサーシステム。
プロセッサが、定数で各第4のパラメータに掛けた結果と各第3のパラメータを比較することによって、第3と第4のパラメータを比較して出力を生成するように構成されており、定数はインピーダンスコンポーネントのインピーダンスまたはその一部の逆数を含む、請求項48による近接センサーシステム。
プロセッサが、複数の測定値に渡る第3と第4のパラメータの平均を使って、測定値中のノイズの推定値を決定し、もしノイズが閾値より上であれば第3と第4のパラメータの現行の比較を無視するように適応されている、請求項41−49のいずれか1つによる近接センサーシステム。
プロセッサが、インピーダンスコンポーネントにおける欠陥状態を検出するために出力をモニターし、もし欠陥状態が検出されれば警告出力を出力するように構成されている、請求項33−50のいずれか1つによる近接センサーシステム。
近接信号を受け取るための入力と、近接モニター信号を受け取るための入力を有する比較部であって、比較部は、信号の間の差が閾値よりも大きい欠陥状態を決定するために近接信号と近接モニター信号を比較するように構成されており、もし欠陥状態が検出されれば警告出力を出力するように構成されているもの、を更に含む、請求項33−52のいずれか1つによる近接センサーシステム。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、従って、ターゲットの近接さを感知するためと、同じターゲットの近接さを感知するための近接センサーに結合するための近接センサーモニターであって、近接センサーは、ターゲットの近接さと共に変動する電気的性質を有する電気的コンポーネントと、電気的コンポーネントに接続され既知のインピーダンスを有するインピーダンスコンポーネントと、接続された電気的およびインピーダンスコンポーネンツへの印加のための電気信号を生成するための信号生成器であって、電気的およびインピーダンスコンポーネンツが信号生成器からの電気信号に応答して第1および第2のアナログ電圧信号を提供するように配置されているものと、を含み、近接センサーモニターは、近接センサーからの第1および第2のアナログ電圧信号をそれぞれ受け取るための第1と第2の入力と、第1と第2の入力に結合され、第1と第2の入力の間で切り替えするように構成されているスイッチと、スイッチに結合され、アナログ電圧信号を受け取るためとデジタル電圧信号を生成するためのアナログ−デジタル変換器と、アナログ−デジタル変換器に接続され、デジタル電圧信号を受け取るためと近接モニター信号を生成するためのプロセッサと、を含み、プロセッサが、第1のアナログ電圧信号と第2のアナログ電圧信号をそれぞれ測定するために、第1と第2の入力に順次接続するようスイッチを制御するように構成されており、プロセッサが、近接モニター信号を生成するために、近接モニター信号を生成するのに使われた励起周波数と、接続された電気的およびインピーダンスコンポーネンツに印加された電気信号を生成するのに近接センサーの信号生成器によって使われた励起周波数との間の周波数差を補償するように構成されている、近接センサーモニターを提供する。
【0009】
近接モニターのインピーダンスおよび電気的コンポーネンツに結合可能な別の近接センサーモニターを提供することによって、ターゲットの近接さをモニターするために別の測定経路が提供されることができ、それにより機能的危険分析要求を満たす。但し、近接センサーモニターの測定経路は近接センサーとは独立しているので、近接モニター信号を生成するのに使われた励起周波数と、直列に接続された電気的およびインピーダンスコンポーネンツに印加された電気信号を生成するのに近接センサーの信号生成器によって使われた励起周波数は、異なる。そうであるので、プロセッサは有利なことに、そうでなければ測定におけるいかなる自信をもユーザに与えるには大き過ぎる度合いで独立した測定が異なることを引き起こすであろう、この差を補償するように構成されている。
【0010】
プロセッサが、電気的コンポーネントのインピーダンスまたはインピーダンスの少なくとも1つの成分の測定値として、近接モニター信号を生成するように構成されていても良い。更には、プロセッサが、インピーダンスまたはその少なくとも1つの成分に関係するファクターが閾値より上か下かのどちらであるかの指標として、近接モニター信号を生成するように構成されていても良い。言い換えると、近接センサーと近接センサーモニターの出力は、ターゲットの近接さに依存する、インピーダンス値の測定値または指標であっても良い。近接センサー出力と近接センサーモニター出力は、代替的に、ターゲットが「近い」(即ち、近接センサーの予め決められた範囲内)かまたは「遠い」(即ち、近接センサーの予め決められた範囲外)ことの指標であっても良い。
【0011】
いくつかの実施形態では、プロセッサが、第1の時間において測定された第1の測定電圧の複素振幅の位相を指し示す第1のパラメータを決定することと、第2の時間において測定された第2の測定電圧の複素振幅の位相を指し示す第2のパラメータを決定することと、第3の時間において測定された第3の測定電圧の複素振幅の位相を指し示す第3のパラメータを決定することと、第1と第3のパラメータに依存して位相修正値を決定することと、第4の電圧を生成するために位相修正値を第1または第3の測定電圧に適用することであって、第4の電圧は第2の時間における第1または第3の電圧を表していることと、によって周波数差を補償するように構成されている。
【0012】
そのような実施形態では、第1と第3の測定電圧が、第1の入力において測定された電圧であっても良く、第2の測定電圧が、第2の入力において測定された電圧であっても良い。代替的に、第1と第3の測定電圧が、第2の入力において測定された電圧であっても良く、第2の測定電圧が、第1の入力において測定された電圧であっても良い。どちらの場合においても、プロセッサは、第1と第3のパラメータを使った線形または極性補間を使うことによって位相修正値を決定するように構成されている。
【0013】
代替的な実施形態では、プロセッサが、第1の時間において測定された第1の測定電圧の複素振幅の位相を指し示す第1のパラメータを決定することと、第2の時間において測定された第2の測定電圧の複素振幅の位相を指し示す第2のパラメータを決定することと、第3の時間において測定された第3の測定電圧の複素振幅の位相を指し示す第3のパラメータを決定することと、第1と第2のパラメータに依存して位相修正値を決定することと、第4の電圧を生成するために位相修正値を第1または第2の測定電圧に適用することであって、第4の電圧は第3の時間における第1または第2の電圧を表していることと、によって周波数差を補償するように構成されている。
【0014】
そのような代替的な実施形態では、第1と第2の測定電圧が、第1の入力において測定された電圧であっても良く、第3の測定電圧が、第2の入力において測定された電圧であっても良い。代替的に、第1と第2の測定電圧が、第2の入力において測定された電圧であっても良く、第3の測定電圧が、第1の入力において測定された電圧であっても良い。
【0015】
そのような代替的な実施形態では、プロセッサは、第1と第2のパラメータを使った外挿を使うことによって位相修正値を決定するように構成されている。
【0016】
代替的実施形態では、第1と第2の測定電圧が、連続したスイッチングサイクルで測定される。代替的に、第1と第2の測定電圧が、単一のスイッチングサイクルの第1と第2の部分の間で測定される。
【0017】
更なる代替的な実施形態では、近接センサーモニターが、接続された電気的およびインピーダンスコンポーネンツに印加された電気信号を生成するのに近接センサーの信号生成器によって使われた励起周波数を指し示す近接センサーからの励起信号を受け取るカウンター部を含んでいても良く、近接センサーモニタープロセッサは、近接センサーの励起周波数と近接モニター信号を生成するのに使われた励起周波数との周波数における差から位相修正値を決定するように構成されている。
【0018】
この更なる代替的な実施形態では、プロセッサが、第1の時間において測定された第1の測定電圧の複素振幅の位相を指し示す第1のパラメータを決定することと、第2の時間において測定された第2の測定電圧の複素振幅の位相を指し示す第2のパラメータを決定することと、第4の電圧を生成するために位相修正値を第1の測定電圧に適用することであって、第4の電圧は第2の時間における第1の電圧を表していることと、によって周波数差を補償するように構成されている。
【0019】
そのような更なる代替的な実施形態では、第1の測定電圧が、第1の入力において測定された電圧であっても良く、第2の測定電圧が、第2の入力において測定された電圧であっても良い。代替的に、第1の測定電圧が、第2の入力において測定された電圧であっても良く、第2の測定電圧が、第1の入力において測定された電圧であっても良い。
【0020】
上述した実施形態のいずれにおいても、スイッチが2つの出力を含んでいても良く、スイッチは、1つの出力が第1の電圧に対応するインピーダンスコンポーネントの第1の端部に接続されている時には、もう1つの出力が第2の電圧に対応するインピーダンスコンポーネントの第2の端部に接続されているように構成されており、プロセッサは、スイッチ出力の各々について第1と第2の電圧を測定するように構成されている。好ましくは、近接センサーモニターが、スイッチの第1と第2の出力のそれぞれと結合された第1と第2の入力を有するマルチプレクサと、アナログ−デジタル変換器に結合された出力を含んでいても良い。
【0021】
近接センサーモニターはまた、近接センサーからの近接信号を受け取るための入力と、近接モニター信号を受け取るための入力を有する比較部であって、比較部は、信号の間の差が閾値よりも大きい欠陥状態を検出するために近接信号と近接モニター信号を比較するように構成されており、もし欠陥状態が検出されれば警告を出力するように構成されているもの、を含んでいても良い。
【0022】
近接センサーモニターはまた、第1の入力とスイッチの1つの出力との間に結合された差動増幅器であって、差動増幅器はアナログ差分電圧をスイッチに出力するように構成されており、アナログ差分電圧は第1のアナログ電圧信号と第2のアナログ電圧信号の間の差分電圧を表しているもの、を含んでいても良い。
【0023】
上述した実施形態のいくつかにおいては、プロセッサが、電気的コンポーネントに跨った電圧の複素振幅を指し示す第1のパラメータと、電気的コンポーネントに跨った電圧と第4の電圧の間の差または電圧差の複素振幅を指し示す第2のパラメータを決定し、第1および第2の決定されたパラメータの各々に、第2の決定されたパラメータの複素共役を掛けて、それぞれ第3および第4のパラメータを生成し、第3および第4のパラメータを比較して近接モニター信号を生成するか、または第3のパラメータの1つ以上の成分または微分と第4のパラメータの1つ以上の成分または微分を比較して近接モニター信号を生成するように構成されている。
【0024】
プロセッサはまた、第3および第4のパラメータの生成中に平均化プロセスを含めるように構成されていても良い。
【0025】
プロセッサはまた、信号生成器によって生成された生成信号がその一部である複素共役信号に基づいたファクターを電気的コンポーネントに跨った電圧に掛けて第1のパラメータを決定し、そのファクターを第4の電圧に掛けて暫定的なパラメータを決定し、暫定的なパラメータから第1のパラメータを引いて第2のパラメータを決定するように構成されていても良い。
【0026】
代替的に、プロセッサは、生成された信号がその一部である複素共役信号に基づいたファクターを電気的コンポーネントに跨った電圧に掛けて第1のパラメータを決定し、電気的コンポーネントに跨った電圧と第4の電圧を使って差分電圧を決定し、そのファクターを差分電圧に掛けて第2のパラメータを決定するように構成されていても良い。
【0027】
代替的に、プロセッサは、生成された電気信号がその一部である複素共役信号に基づいたファクターを電気的コンポーネントに跨った電圧に掛けて第1のパラメータを決定し、そのファクターを電圧差測定値に掛けて第2のパラメータを決定するように構成されていても良い。
【0028】
プロセッサはまた、そのファクターを各デジタル電圧測定値に掛け、複数のデジタルサンプルに渡ってそのファクターが掛けられたデジタル電圧測定値の各々を合計するように構成されていても良い。
【0029】
更には、プロセッサは、定数を使って第3と第4のパラメータを比較するように構成されていても良く、定数はインピーダンスコンポーネントのインピーダンスまたはインピーダンスの少なくとも1つの成分に依存している。そのような状況では、プロセッサは、定数で各第4のパラメータに掛けた結果と各第3のパラメータを比較することによって、第3と第4のパラメータを比較して出力を生成するように構成されていても良く、定数はインピーダンスコンポーネントのインピーダンスまたはその一部の逆数を含む。
【0030】
プロセッサは、複数の測定値に渡る第3と第4のパラメータの平均を使って、測定値中のノイズの推定値を決定し、もしノイズが閾値より上であれば第3と第4のパラメータの現行の比較を無視するように構成されていても良い。
【0031】
近接センサーモニターのいくつかの実施形態では、近接センサーのインピーダンスコンポーネントが、近接センサーの電気的コンポーネントと直列に接続されており、インピーダンスコンポーネントは、電気的コンポーネントの第1の端部と接続された第1の端部と、近接センサーの信号生成器に接続された第2の端部を有している。更には、近接センサーモニターの第1の入力が、インピーダンスコンポーネントの第1の端部と結合可能であり、第2の入力が、インピーダンスコンポーネントの第2の端部と結合可能である。そのような実施形態では、第1のアナログ電圧信号が、インピーダンスコンポーネントの第1の端部におけるアナログ電圧信号であり、第2のアナログ電圧信号が、インピーダンスコンポーネントの第2の端部におけるアナログ電圧信号である。
【0032】
近接センサーモニターのその他の実施形態では、近接センサーの電気的コンポーネントが第1の端部と第2の端部を有し、近接センサーのインピーダンスコンポーネントが第1の端部と第2の端部を有し、インピーダンスコンポーネントの第2の端部は、電気的コンポーネントの第2の端部に接続されており、近接センサーの信号生成器は、電気的コンポーネントの第1の端部に接続されている。そのような実施形態では、近接センサーはまた、反転入力、非反転入力および出力を有する作動増幅器を含み、電気的およびインピーダンスコンポーネンツの第2の端部が作動増幅器の反転入力に接続されており、インピーダンスコンポーネントの第1の端部が作動増幅器の出力に接続されている。そのような実施形態では、近接センサーモニターの第1の入力が、電気的コンポーネントの第1の端部と結合可能であり、近接センサーモニターの第2の入力が、インピーダンスコンポーネントの第1の端部と結合可能である。そのような実施形態では、第1のアナログ電圧信号が、電気的コンポーネントの第1の端部におけるアナログ電圧信号であり、第2のアナログ電圧信号が、インピーダンスコンポーネントの第1の端部におけるアナログ電圧信号である。
【0033】
本発明はまた、ターゲットの近接さを感知するための近接センサーシステムであって、ターゲットの近接さを感知するための電気的コンポーネントであって、電気的コンポーネントはターゲットの近接さと共に変動する電気的性質を有するものと、既知のインピーダンスと電気的コンポーネントの第1の端部に接続された第1の端部を有するインピーダンスコンポーネントと、インピーダンスコンポーネントの第1の端部とインピーダンスコンポーネントの第2の端部の間で切り替えするように接続されたスイッチと、直列接続されたインピーダンスコンポーネントと電気的コンポーネントへの印加のための電気信号を生成するための、インピーダンスコンポーネントの第2の端部に接続された信号生成器と、スイッチに結合され、アナログ信号を受け取るためとデジタル電圧信号を生成するためのアナログ−デジタル変換器と、アナログ−デジタル変換器に接続され、デジタル電圧信号を受け取るためと近接信号を生成するためのプロセッサと、上述した通りの近接センサーモニターであって、近接センサーモニタースイッチが、インピーダンスコンポーネントの第1の端部とインピーダンスコンポーネントの第2の端部の間に結合されているものと、を含み、近接センサースイッチが、インピーダンスコンポーネントの第1の端部とインピーダンスコンポーネントの第2の端部の間で切り替えするように結合されており、プロセッサが、インピーダンスコンポーネントの第1と第2の端部に順次接続するように切り替えするよう近接センサースイッチを制御するように適応されている、近接センサーシステムを提供する。
【0034】
共通の電気的およびインピーダンスコンポーネンツへの別の測定経路を有する近接センサーモニターを含んだ別の近接センサーを提供することで、ターゲットの近接さの別の測定とモニタリングを可能とし、それにより機能的危険分析要求を満たす。但し、近接センサーモニターの測定経路は近接センサーとは独立しているので、近接モニター信号を生成するのに使われた励起周波数と、直列に接続された電気的およびインピーダンスコンポーネンツに印加された電気信号を生成するのに近接センサーの信号生成器によって使われた励起周波数は、異なる。そうであるので、近接センサーモニターのプロセッサは有利なことに、そうでなければ測定におけるいかなる自信をもユーザに与えるには大き過ぎる度合いで独立した測定が異なることを引き起こすであろう、この差を補償するように構成されている。
【0035】
近接センサーの信号生成器は、直列接続された電気的コンポーネントとインピーダンスコンポーネントへの印加のために逐次的信号ブロックからなる信号を生成するように適応されており、スイッチ配置が、信号の逐次的信号ブロックの信号ブロックの同じ部分の間にインピーダンスコンポーネントの第1と第2の端部のそれぞれにおける第1の電圧と第2の電圧の各々を測定するためのアナログ−デジタル変換器を含んだ測定チャネルを切り替えるように構成されていても良い。好ましくは、信号生成器が、信号ブロックの少なくとも一部のための信号パターンを格納するデジタルストアと、格納された信号パターンを繰り返し使うことによってデジタル信号を生成するための生成器手段と、デジタル信号を信号に変換するためのデジタル−アナログ変換器を含んでいても良い。好ましくは、信号生成器とプロセッサが同期して動作するように適応されている。
【0036】
いくつかの実施形態では、近接センサーシステムが、電圧を測定するための複数の測定チャネルを含んでいても良く、スイッチが、測定チャネルにおける同時測定を許容するために電圧を順次測定するように測定チャネルの各々を切り替えるように適応されており、プロセッサが、各チャネルについての順次測定された電圧を処理するように構成されている。好ましくは、プロセッサがデジタル処理配置からなっていても良く、測定チャネルが、共通のマルチプレクサ配置と共通のアナログ−デジタル変換器を含む。
【0037】
プロセッサは、インピーダンスコンポーネントのインピーダンスまたはインピーダンスの少なくとも1つの成分の測定値として、出力を生成するように適応されていても良い。更には、プロセッサは、インピーダンスまたはその少なくとも1つの成分に関係するファクターが閾値より上か下かのどちらであるかの指標として、出力を生成するように構成されていても良い。
【0038】
近接センサーシステムのいくつかの実施形態では、プロセッサが、電気的コンポーネントに接続されたインピーダンスコンポーネントの第1のサイド上の第1の電圧の複素振幅を指し示す第1のパラメータと、第1および第2の電圧の間の差または電圧差の複素振幅を指し示す第2のパラメータを決定し、第1および第2の決定されたパラメータの各々に、第2の決定されたパラメータの複素共役を掛けて、それぞれ第3および第4のパラメータを生成し、第3および第4のパラメータを比較して出力を生成するか、または第3のパラメータの1つ以上の成分または微分と第4のパラメータの1つ以上の成分または微分を比較して出力を生成するように構成されている。好ましくは、プロセッサは、第3および第4のパラメータの生成中に平均化プロセスを含めるように構成されていても良い。
【0039】
そのような実施形態では、プロセッサは、生成された信号がその一部である複素共役信号に基づいたファクターを第1の電圧測定値に掛けて第1のパラメータを決定し、そのファクターを第2の電圧測定値に掛けて暫定的なパラメータを決定し、暫定的なパラメータから第1のパラメータを引いて第2のパラメータを決定するように適応されていても良い。
【0040】
代替的に、プロセッサは、生成された信号がその一部である複素共役信号に基づいたファクターを第1の電圧測定値に掛けて第1のパラメータを決定し、第1および第2の電圧測定値を使って差分電圧を決定し、そのファクターを差分電圧に掛けて第2のパラメータを決定するように構成されていても良い。
【0041】
代替的に、プロセッサは、生成された電気信号がその一部である複素共役信号に基づいたファクターを第1の電圧測定値に掛けて第1のパラメータを決定し、そのファクターを電圧差測定値に掛けて第2のパラメータを決定するように構成されていても良い。
【0042】
更には、プロセッサは、そのファクターを各電圧測定値に掛け、複数のデジタルサンプルに渡ってそのファクターが掛けられたデジタル電圧測定値の各々を合計するように構成されていても良い。
【0043】
いくつかの実施形態では、信号生成器が、複数の周波数成分からなる電気信号を生成するように構成されていても良く、プロセッサが、各周波数のついてのインピーダンスコンポーネントの第1のサイド上の第1の電圧の複素振幅を指し示す第1のパラメータと、各周波数についての第1および第2の電圧の間の差または電圧差の複素振幅を指し示す第2のパラメータを決定し、第1および第2の決定されたパラメータの各々に、第2の決定されたパラメータの複素共役を掛けて、それぞれ第3および第4のパラメータを生成し、第3および第4のパラメータを比較して出力を生成するか、または第3のパラメータの1つ以上の成分または微分と第4のパラメータの1つ以上の成分または微分を比較して出力を生成するように構成されている。
【0044】
更なる実施形態では、プロセッサは、定数を使って第3と第4のパラメータを比較するように構成されていても良く、定数はインピーダンスコンポーネントのインピーダンスまたはインピーダンスの少なくとも1つの成分に依存している。好ましくは、プロセッサは、定数で各第4のパラメータに掛けた結果と各第3のパラメータを比較することによって、第3と第4のパラメータを比較して出力を生成するように構成されていても良く、定数はインピーダンスコンポーネントのインピーダンスまたはその一部の逆数を含む。
【0045】
プロセッサはまた、複数の測定値に渡る第3と第4のパラメータの平均を使って、測定値中のノイズの推定値を決定し、もしノイズが閾値より上であれば第3と第4のパラメータの現行の比較を無視するように適応されていても良い。
【0046】
プロセッサはまた、インピーダンスコンポーネントにおける欠陥状態を検出するために出力をモニターし、もし欠陥状態が検出されれば警告出力を出力するように構成されていても良い。好ましくは、プロセッサは、出力が閾値または範囲の外である時に欠陥状態を検出するように構成されている。
【0047】
近接センサーシステムはまた、近接信号を受け取るための入力と、近接モニター信号を受け取るための入力を有する比較部であって、比較部は、信号の間の差が閾値よりも大きい欠陥状態を決定するために近接信号と近接モニター信号を比較するように構成されており、もし欠陥状態が検出されれば警告出力を出力するように構成されているもの、を更に含んでいても良い。
【0048】
上述した実施形態のいずれにおいても、電気的コンポーネントが、インダクターまたはキャパシターを含んでいても良い。更には、インピーダンスコンポーネントが、レジスターまたはインダクターを含んでいても良い。
【0049】
本発明はまた、ターゲットの近接さを感知するための近接センサーシステムであって、ターゲットの近接さを感知するための電気的コンポーネントであって、電気的コンポーネントはターゲットの近接さと共に変動する電気的性質を有するものと、既知のインピーダンスと電気的コンポーネントの第1の端部に接続された第1の端部を有するインピーダンスコンポーネントと、直列接続されたインピーダンスコンポーネントと電気的コンポーネントへの印加のための電気信号を生成するための、インピーダンスコンポーネントの第2の端部に接続された信号生成器と、インピーダンスコンポーネントの第1の端部に結合され、アナログ信号を受け取るためと第1のデジタル電圧信号を生成するための第1のアナログ−デジタル変換器と、インピーダンスコンポーネントの第2の端部に結合され、アナログ信号を受け取るためと第2のデジタル電圧信号を生成するための第2のアナログ−デジタル変換器と、第1と第2のアナログ−デジタル変換器に接続され、第1と第2のデジタル電圧信号を受け取るためと近接信号を生成するためのプロセッサと、上述した通りの近接センサーモニターであって、近接モニタースイッチが、インピーダンスコンポーネントの第1の端部とインピーダンスコンポーネントの第2の端部の間に結合されているものと、を含む、近接センサーシステムを提供する。
【0050】
本発明はまた、ターゲットの近接さを感知するための近接センサーシステムであって、ターゲットの近接さを感知するための電気的コンポーネントであって、電気的コンポーネントは、第1の端部と第2の端部を有し、ターゲットの近接さと共に変動する電気的性質を有するものと、既知のインピーダンスと第1の端部と第2の端部を有するインピーダンスコンポーネントであって、第2の端部が電気的コンポーネントの第2の端部に接続されているものと、電気的コンポーネントへの印加のための電気信号を生成するための、電気的コンポーネントの第1の端部に接続された信号生成器と、反転入力、非反転入力および出力を有する作動増幅器であって、電気的およびインピーダンスコンポーネンツの第2の端部が作動増幅器の反転入力に接続されており、インピーダンスコンポーネントの第1の端部が作動増幅器の出力に接続されているものと、電気的コンポーネントの第1の端部と作動増幅器の出力の間で切り替えするように接続されたスイッチと、スイッチに結合され、アナログ信号を受け取るためとデジタル電圧信号を生成するためのアナログ−デジタル変換器と、アナログ−デジタル変換器に接続され、デジタル電圧信号を受け取るためと近接信号を生成するためのプロセッサと、上述した通りの近接センサーモニターであって、近接モニタースイッチが、電気的コンポーネントの第1の端部と作動増幅器の出力の間に結合されているものと、を含み、近接センサースイッチが、電気的コンポーネントの第1の端部と作動増幅器の出力の間で切り替えするように結合されており、プロセッサが、電気的コンポーネントの第1の端部と作動増幅器の出力に順次接続するように切り替えするよう近接センサースイッチを制御するように適応されている、近接センサーシステムを提供する。
【0051】
本発明の実施形態が、付随する図面を参照して、例のみとして、ここで記載される。
【発明を実施するための形態】
【0053】
簡潔には、本発明は、近接センサーコンポーネントのインピーダンスまたはその他の電気的特性を測定して、ターゲットの存在を決定する、近接センサーモニターを提供する。近接センサーモニターは、別の近接センサーとは独立にこの測定を行う。近接センサーモニターの測定は近接センサーの測定とは独立している必要があり、近接センサーは特定の1つの周波数または複数の周波数において交流電圧によって駆動されるとして、近接センサーモニターは、近接センサーモニターの測定周波数と近接センサーの駆動周波数の間の差を補償するように構成されている。近接センサーと近接センサーモニターの出力は、ターゲットの近接さに依存するインピーダンス値の測定値または指標であっても良い。近接センサー出力と近接センサーモニター出力は、代替的に、ターゲットが「近い」(即ち、近接センサーの予め決められた範囲内)かまたは「遠い」(即ち、近接センサーの予め決められた範囲外)ことの指標であっても良い。
【0054】
我々はまず、一般的に感知の分野におけるいくらかの背景から議論する。
【0055】
デバイスのインピーダンスまたはその一部を測定またはモニターすることが望まれる電気的システムにおいて、従来技術では、インピーダンスまたはその一部における変化を同定するために、インピーダンスまたはその一部を決定するために、電流と電圧を測定して比を取ることが必要となっている。そのようなデバイスは、例えば、近接センサーからなることができる。そのようなセンサーは、WO01/65695に開示されており、その内容がここで引用により組み込まれる。このタイプのセンサーは、近接さの測定を提供し、それによってターゲットがデバイスに近接している時に、デバイスのインピーダンス(またはインピーダンスの成分)が変化する。WO01/65695は、インピーダンスの変化を検出するために近接センサーのインピーダンスが測定される、近接さの感知の方法を開示する。
【0056】
WO01/65695に開示されたもののような近接センサーとの使用のための既知の測定システムが、
図1に描かれている。近接センサー1は、測定されることが要求されるインピーダンスZを有する。近接センサー1は、アースおよび負荷抵抗2に接続されている。駆動波形をデジタル的に生成するためにプロセッサ3が提供され、それはデジタル−アナログ変換器4においてデジタル−アナログ変換されてアナログ駆動信号を生成し、それは直列に接続された負荷抵抗2と近接センサー1に跨って印加される前に、ローパスフィルター5を通して入力され、増幅器6によって増幅される。ローパスフィルター8を介して第1のアナログ−デジタル変換器7を接続することによって、電圧V
Sが近接センサー1に跨った電圧として測定される。アナログ−デジタル変換器7の出力は、プロセッサ3に入力される。第2の電圧V
Oが直列に接続された負荷抵抗2と近接センサー1に跨った電圧として測定される。第2のアナログ−デジタル変換器9が、第2のローパスフィルター10を介して電圧信号V
Oを受け取り、電圧V
Oのデジタル表現を入力する。
【0057】
WO01/65695に開示されたような従来技術の近接センサーでは、センサーは典型的には、透磁性材料のコアをもったかまたはもたない、コイルからなる。コアの提供は、コイルの磁束の向き付けとインダクタンスの強化を許容する。束の向き付けは、中心アッセンブリーの感度の方向を制御することを設計者に許容する。
【0058】
図1に見られることができるように、センサー1は、電圧と結果として得られる電流を有する駆動信号によって駆動され、それは変動する性質のものであり、インピーダンスが評価されることを許容するように正弦波状または過渡的であることができる。
【0059】
もし角周波数ωにおける正弦波状電圧が印加されれば、電圧と結果として得られる電流は、
v
O(t)=real(V
O(ω)e
jωt)
および
i(t)=real(I(ω)e
jωt)
として表現され、ここでV
O(ω)とI(ω)は複素振幅である。これら2つだけでなく、回路中の全ての電圧および電流は、複素振幅を介して同様に表現されることができる。
【0060】
周波数ωにおけるインピーダンスZ(ω)は、
Z(ω)=V
S(ω)/I(ω)
として定義される。また、インピーダンスZ(ω)は、
Z(ω)=R+jωL
または
Z(ω)=R+1/(jωC)
からなり、ここでRはレジスティブ成分(インピーダンスの実数成分)、Lはインダクティブ成分、Cはキャパシティブ成分である。インピーダンスの虚数部分は周波数依存であり、通常はリアクティブ成分と呼ばれることに注意すべきである。
【0061】
電圧と同位相である電流の部分は、しばしば実数またはディシペーティブ(または単純に同相)と呼ばれ、コイルおよびケーブルの抵抗的振舞いと関連付けられている。電圧と「直交位相」または90度である電流の部分は、しばしば虚数、直交位相またはリアクティブ成分と呼ばれる。それは、その自己キャパシタンス(静電エネルギーストレージ)かインダクタンス(磁気エネルギーストレージ)のどちらかまたはそれら両方による、コイルの電磁場におけるエネルギーストレージと関連付けられる。
【0062】
電流は通常、コイルと直列である既知の一定の抵抗を通して流れる電流によって生成された電圧を測定して、オームの法則
I(ω)=ΔV(ω)/R
ここでΔV(ω)は負荷抵抗2に跨った電圧の複素振幅、を使って感知される。
【0063】
インピーダンスを決定するためには、v
S測定がセンサー1に印加された複素電圧を提供し、電流は、電圧測定v
Oおよびv
Sと負荷抵抗2の値の間の電圧差から決定されることができる、ということがよって
図1から見られることができる。
【0064】
よって、プロセッサ3内では、センサー1についてのインピーダンス値を決定するために、v
Oおよびv
Sの同時測定が、センサー1に印加された複素電圧および電流を決定するのに使われる。
【0065】
センサーのコイルのインピーダンスおよび/またはインダクタンスは、近くにある金属性ターゲットの存在によって変えられる。ターゲットは、以下のやり方でインダクタンスを変える。もしターゲットが、コイルを取り囲む通常の媒体よりも大きい透磁率をもった材料から作られていれば、その存在がコイルを通してとその周りと結合する磁場を強化するので、そのインダクタンスを増加する。いくつかの材料の透磁率は、励起周波数によってと、温度によってと、その他の磁場によっての両方でいくらかの度合いまで影響を受けることが注意されるべきである。もしターゲットが永久磁石であれば、それをコアの近くまで引き寄せることが、コア中に磁束を誘起する。これは、コアがその磁気飽和により近づくことを強制し、それは、良く振舞う磁化または「BH」曲線を伴って、コアの透磁率を削減する。透磁率における削減は、インピーダンスのリアクティブ成分における削減とそれ故にインダクタンスにおける削減として現れる。もしターゲットが導電性材料から作られていれば、コイルの変動している磁場によってターゲット中に誘起された渦電流がそれら自体の場を生成し、それはコイルによって生成されたものに実質的に対向する。正味の場はコイルにとって削減された場として現われ、それはターゲットがコイルに近づくにつれてインダクタンスにおける削減を招く。加えて、ターゲット中の渦電流が、抵抗における増加としてセンサーのインピーダンスにおいて現れるエネルギーロスを導入する。
【0066】
よって、従来技術では、センサー1のインダクタンスにおける変化を検出するためには、非常に正確な負荷抵抗2がセンサー1と直列に置かれて、電流センサーとして働く。2つの電圧測定が、ローパスフィルター8、10とアナログ−デジタル変換器7、9からなる2つの測定チェネルを使って、負荷抵抗2に跨って同時に取られる。プロセッサ3内では、インピーダンスZについての値が、処理された測定値の比を取ることによって計算される。よって、高い精度までインピーダンスを決定するためには、厳密にマッチされ、高精度コンポーネンツを含むことが測定チャネルにとって必要である。更には、従来技術のシステムは、電流感知を提供するために、高価で、精密な許容差の、直列検出抵抗器を要求する。加えて、プロセッサ3内に実装された演算は、インピーダンスの演算のために除算を要求する。そのような除算は、演算的に高価であり、0による割り算のようなレンジ外の結果からの保護を要求する。
【0067】
図1の近接センサーと関連付けられた問題に対処するために、我々の先願WO2005/085883は、
図2に示されたような近接センサーを提供した。
【0068】
図2は、近接センサー20のようなデバイスのインピーダンスの変化の決定のためのシステムを描く。温度的および経時的に安定で、その値が既知であり処理システム内に格納されている、負荷抵抗(またはインピーダンスコンポーネント)21が、デバイス(または電気的コンポーネント)と直列に接続される。デバイスまたは電気的コンポーネント20は、例えば、WO01/65695に記載されたもののような、ターゲットの近接さと共に変動するインダクタンスを有する、インダクティブコイルであっても良い。
【0069】
負荷抵抗21の1つの端部は、増幅器22に接続され、それは少なくとも1つの正弦波信号からなる駆動信号を生成する。負荷抵抗21のもう1つの端部は、デバイス20に接続される。プロセッサ23が、プロセッサの動作を制御するためのプログラムメモリー24と共に提供される。消去可能でプログラム可能なリードオンリーメモリー(EEPROM)25が、プロセッサ23によって使われるべきデータを格納するために提供される。EEPROM25に格納されたデータは、波形の少なくとも一部のデジタル表現からなる波形生成データを含むことができる。代替的に、これは、プログラムメモリー24またはランダムアクセスメモリー(RAM)26中に格納されることができる。プロセッサ23はよって、この実施形態ではこれ以降の説明を簡略化するために単一の波形からなる、連続的デジタル波形を生成するためにEEPROM25からデータを読み出すことができる。EEPROM25(またはその他のメモリー位置)内での波形の格納は、デジタル駆動波形の作成を簡略にする。プロセッサ23は、周期性の波形についての出力値を決定するために計算を行うことは要求されず、代わりに値はEEPROM25から単に繰り返し読み出される。
【0070】
ランダムアクセスメモリー(RAM)26が、処理中にデータを格納することをプロセッサ23に可能とするために提供される。
【0071】
プロセッサ23からのデジタル駆動信号出力は、アナログ波形信号を生成するためにデジタル−アナログ変換器27に入力され、それはローパスフィルター28を通され、負荷抵抗21に駆動信号を生成するための増幅器22に入力される。ローパス「再構成」フィルター28は、デジタル−アナログ変換プロセスの望ましくないアーテファクトを削減する。代替的な実施形態では、DAC27は、プロセッサ23から直接のパルス幅変調デジタル出力で置き換えられることができる。
【0072】
負荷抵抗21の抵抗値は、EEPROM25、プログラムメモリー24、またはデータ処理での使用のためのRAM26中に格納されることができる。事実、演算における除算についての要求を避けるために、代わりに乗算動作が計算中で使われることができるように、抵抗値の逆数が格納されても良い。
【0073】
プロセッサ23、DAC27、ADC30、EEPROM25、RAM26およびメモリー24は全て、Microchip PICシリーズのようなマイクロコントローラ上に提供されることができる。よって、マイクロコントローラは、信号生成と信号処理の機能を行うことができる。
【0074】
ローパスフィルター29とアナログ−デジタル変換器30からなる単一の測定チャネルが、デジタル化入力をプロセッサ23に提供するために提供されている。測定チャネルは、スイッチ配列31に接続され、それは負荷抵抗21のどちらかのサイドからの接続を入力として受け取る。スイッチ配列は、負荷抵抗21のどちらかのサイドの電圧v
Oおよびv
Sの測定の間で切り替えをするように、プロセッサ23からの制御信号によって制御される。
【0075】
プロセッサ23は、アナログ−デジタル変換器からの測定入力と同期するべき正弦波出力信号の生成を制御する。よって、波形は同期的に生成され測定される。プロセッサ23は、出力および入力サンプルの取得を制御するためのマイクロコントローラからなることができる。出力シーケンスは、測定チャネルが負荷抵抗21の1つのサイド上の電圧を1つの測定期間の間に測定するように、その間にスイッチ31が制御されるサンプルの1つのブロックからなる。サンプルのブロックは、単一の正弦波のような1つの周期的波形のあらゆる複数のサイクルを含んでいても良い。プロセッサ23はそれから、負荷抵抗21のもう1つのサイド上の電圧の測定値を受け取るように切り替えするようスイッチ31を制御し、この測定期間の間は、プロセッサ23は前のシーケンスと同一のシーケンスを出力する。よって、測定期間のペアの間は、出力シーケンスは同一である。よって、連続する測定は連続するブロックに渡って起こることが好ましい。ブロックは連続的である必要はない。測定の間に静止期間があることが可能であるか、またはブロックが初期数のゼロで埋められることができる。但し、待機時間を避けるために、測定は連続的に取られ、各測定期間はデータのブロック全体からなることが好ましい。あらゆる過渡的なファクターを補償するために、調停を許容するように出力への応答の最初の部分が廃棄されるか測定されないことが可能である。あらゆる位相補償の必要を避けるために、測定は、連続したブロックの同じセクションの間に取られることが好ましい。但し、システムは、もし要求されれば異なる位相測定を補償することができる。ブロック自体が、測定の1つのペアから次のもので異なっていても良い。
【0076】
見られることができるように、ローパスフィルター29とアナログ−デジタル変換器30からなる1つの測定チャネルだけがあるので、2つのフィルターおよびアナログ−デジタル変換器の正確なゲインおよび位相マッチングについての要求はない。全ての測定が単一の測定チャネルを使って行われるので、全ての測定は、測定チャネルの特性によって等しく影響を受け、よって計算においてそれらのファクターは相殺する。
【0077】
よって測定値は、デバイス20に跨って印加された電圧からなる負荷抵抗21の1つのサイド上の電圧v
Sの連続したブロックでプロセッサに提供される。もう1つの取得された電圧測定値は、負荷抵抗21の駆動サイド上の電圧v
Oである。
【0078】
図2では、負荷抵抗21が、デバイス20を通して流れる電流の決定を可能にするために提供されている。電流の複素振幅は、オームの法則を使って以下のように計算されることができる。
【0080】
ここでV
OおよびV
Sは、v
Oおよびv
Sの或る周波数における複素振幅である。
【0081】
この周波数におけるデバイス20のインピーダンスは、
Z=V
S/I
で与えられる。従って
【0084】
インピーダンスは、負荷抵抗を考慮に入れて2つの複素電圧振幅の比から計算されることができる、ということがこの数式から見られることができる。言い換えると、インピーダンスの値は、デバイスに跨る電圧と負荷抵抗21に跨る電圧差の比に依存する。
【0085】
システムの1つのバージョンでは、順次測定がインピーダンスを計算するのに使われることができる。インピーダンスの変化を検出するために、またはデバイスが近接センサーである場合には、ターゲットの近接さを検出するために、インピーダンス値は、センサーへのターゲットの近接さを決定するように閾値インピーダンス値と比較されることができる。
【0086】
そのようなインピーダンスの計算が関与するバージョンは、但し、演算的に高価な除算動作が行われることを要求する。そのような除算はまた、レンジ外の結果、例えば、ノイズによって引き起こされることができるゼロでの割り算動作、に結果としてなることができる。
【0087】
好ましいバージョンは、インピーダンスについての絶対値の計算に結果としてならない。代わりに、V
SとV
O−V
Sから導出された量が比較されて、相対値における変化を同定する。これは、相対値を閾値と比較するのに使われることができる。
【0088】
測定および処理の動作の説明は、駆動信号生成および処理がデジタル的に行われ、測定値が位相および振幅の情報を含んだ電圧についての複素数値からなるという事実によって複雑化される。また、インピーダンスも複素数
Z=R+jωL
である。
【0089】
この簡略化されたバージョンでは、出力駆動信号は、予め決定された角周波数ωにおける正弦波信号からなる。この信号のサンプルが、サンプル周波数f
S=1/τ、ここでτはサンプル周期、においてデジタル−アナログ変換器からクロックされる。サンプルの各ブロックは、
n=−PからM−1についてν
on=real(V
Oz
n)
によって表記されることができ、ここでz=e
jωτ、V
Oは出力電圧の複素振幅、Pは調停を許容するようにゼロにされ得るブロックのサンプルの数を指し示す正の整数または0、Mは正の整数である。
【0090】
信号の単位は任意であり、各出力サンプルが生成されるにつれて複素乗算が行われることを要求することに意味はないので、通常V
Oが1以外の何かになるように選ぶことには意味がない。典型的には、従って、出力を生成するためにはz
nの実数部分のみが必要となる。それらの値は前もって計算されてEEPROM25またはプログラムメモリー24中に格納されるか、またはそれらは予め演算されてRAM26中に格納されることができる。
【0091】
出力駆動信号の位相がブロックの1つのペアからブロックの別のペアへと変動して、(正確に同じ周波数において運用される別の感知システムからのクロストークのような)そうでなければフェーズロックされた干渉信号であるものからそれを非相関させることを助けることが望まれる場合が有り得る。この場合、任意の初期位相の出力が生成されることができるように、z
nの実数および虚数成分が好ましくは予め計算されて格納される。
【0092】
出力シーケンスの周期性および対称性のため、z
nのP+M個より少ない値を格納し、かつ依然として、いかなる追加の算術的動作も無しで、出力シーケンス全体を生成することができるということが可能である。そのような生成された波形の部分的表現の格納は、メモリー要求を削減する。
【0093】
出力シーケンスがプロセッサ23によって生成されるにつれて、連続時間入力信号v(t)の1つが、入力サンプルのシーケンス、n=0からM−1についてのv
n(ここで、ブロックの最初のP個のサンプルは、調停を許容するように廃棄されているかまたは測定されていない)、を作り出すように同期的にサンプルされる。各サンプルはそれから、z
−n、即ちe
‐jωt(生成された正弦波信号がその一部である複素生成信号の位相反転)によって掛けられる。e
‐jωtについてのデジタル化された値z
−nは、それらをリアルタイムで計算する必要を避けるために、EEPROM25(またはプログラムメモリー24またはRAM26)中に格納される。結果は、角周波数ωにおける信号の複素振幅Vの推定を作り出すようにM項に渡って合計される、重み付きシーケンスである。これは、
ν(t)=real(V(ω)e
jωt)+σ(t)
と表現されることができ、ここでσは望まれていない信号中のあらゆる成分(例えば、ノイズ)を表記し、すると、
ν
n=real(V(ω)z
n)+σ
n
および
【0096】
右手側の第2項はMと共に振動性であり、従ってもしMが大きければ第1項に対する優位性を失う。右手側の第3項もまた、ノイズが出力駆動信号と非相関であるとすれば、十分に大きなMについて無視されることができる。もしf
Sがf
S=Nω/2π、ここでNは正の整数、となるように選ばれ、MがM=pN、ここでpもまた正の整数、となるように選ばれれば、特に有利である。この特別な場合には、右手側の第2項が0である。いかなる場合でも、
【0101】
これは、各サンプル点において2つの乗算と加算だけを要求し、従って処理パワーにおいて極めて経済的である。ベーシックマイクロコントローラは、有用なサンプルレートにおいてその処理能力の10%より少ないものでこれをこなすことができる。
【0102】
出力駆動信号中に1つより多くの正弦波成分をもったシステムでは、もしそれらの成分の周波数が各々関係
【0104】
ここでpは正の整数、ω
pはp番目の成分の角周波数、に従えば、特に有利である。
【0105】
この場合には、成分の各々のサイクル全体が、複素電圧振幅の推定の計算において使われるM個のサンプル内にフィットする。それらの推定は、単一周波数システムについて使われたものと同様のやり方、すなわち、
【0109】
は各周波数ω
pにおける電圧成分の複素振幅であり
【0111】
、によって計算される。もしマルチ周波数システムの励起周波数の間に特別な関係があれば、重みの多くは1つより多くの成分に対して共通であるので、各周波数成分についての重み
【0113】
の完全なセットを格納することを避けることがしばしば可能である。例えば、2周波数システムにおいてもしp=1、2であれば、重み
【0117】
から選び出すことができるので、多くても重み
【0119】
(n=0からM−1)だけが格納される必要がある。
【0120】
ウィンドウ効果を低減するために、ウィンドウ関数がサンプルブロックに適用されることができる。ウィンドウ関数は、重みz
−nをウィンドウ重み(たとえばw
n)で変形し、結果w
nz
−nをEEPROM25中に予め格納することによって容易に組み込まれることができる。そのようなウィンドウ関数は、当該分野では周知である。これは、変形された重みのために追加のストレージが要求されるが、Vの推定を形成するために追加の算術的動作は必要ないことを意味することができる。代替的に、信号サンプルのために格納された値は、実行時における追加のストレージと予めの計算の必要を避けるために、z
−nとウィンドウ重みの組み合わせであることができる。ウィンドウ関数はまた
先導するゼロを含むことによって始動過渡状態を克服することもできる。
【0121】
Vを推定する別の方法は、重み付き入力シーケンスをローパスフィルタリングすることであろう。これは、平均化の単なる別の形であり、例えば重み付きシーケンスを選ばれたフィルターのインパルス応答で畳み込むことによって行われることができる。代替的に、重み無しの入力シーケンスを、実質的にωの角周波数において中心があるそのパスバンドをもったバンドパスフィルターのインパルス応答で畳み込むことができる。但し、それらの代替形は、より多くの演算とストレージを要求する。それらの代替形の両方はまた、「周波数ドメイン中」に実装されることができ、その場合には、重み付きまたは重み無しの入力シーケンスの高速フーリエ変換(FFT)が、典型的には選ばれたフィルターの伝達関数によってそれが変形されるのに先立って取られる。(これらの場合、Mは通常は2の累乗となるように選ばれる)。それらの代替形もまた、より多くの演算を要求する。それらの代替形はまた、1つより多くの周波数成分を含んだ信号にも適用可能である。
【0122】
2つの連続して測定された入力信号(または「ブロックペア」)に適用されると、上のプロセスは、たとえば
【0130】
はそれぞれデバイス20においてと増幅器22の出力において(即ち、負荷抵抗21のどちらかの端部において)システムによって測定された複素電圧振幅推定である。差分値がそれから
【0132】
を使って計算される。クロスおよびオートパワースペクトル推定子がそれから
【0141】
これらの量は、もしそれらの分散が低減されることが望まれれば、(例えば、いくつかのブロックペアに渡って)更に平均化されることができる。
【0150】
が生成されることを引き起こし、それは実数であることが注意されるべきである。これは、第3および第4パラメータ
【0154】
の比較を容易にし、それが閾値比較を容易にするので、演算的に複雑なパラメータの除算を行う必要を避ける。また、これは、測定値またはパラメータの平均化を容易にする。
【0155】
インピーダンスにおける閾値変化を同定するための、結果の閾値処理は、以下のいずれか1つの決定として要約されることができる。
【0157】
(インピーダンスの線形レジスティブ部分上の閾値)
【0159】
(インピーダンスの線形リアクティブ部分上の閾値)
または
【0161】
(インピーダンスの線形部分の大きさ上の閾値)(または等価的に、
【0165】
等、ここでφは設計者によって選択されたかまたは処理の一部として導出された量
またはもっとより一般的に、
【0167】
ここでG
rとG
iは設計者によって選択されたかまたは処理によって導出された任意の実数関数
上の式はまた、2つの異なる周波数測定から導出されたインピーダンス測定値を使うように一般化されることができる。これは、一例では、下に与えられた形を取るであろう。
【0169】
(これは、重み付きインピーダンス測定値の線形リアクティブ部分上の閾値である)、ここでω
1とω
2は、2つの周波数における測定値を指し示し、αとβは周波数1と2における測定値に適用された重みを決定する定数である。このタイプの加重和比較は明らかに上に掲載された閾値処理のその他のタイプに一般化されることができる。値α、β=±1は、閾値との比較のための異なる周波数におけるインピーダンスの成分の和または差分の測定値を形成するために特に有用である。このタイプの加重和はまた、困難無く2つより多くの周波数に一般化されることができる。
【0170】
上のバージョンでは、「H
1」伝達関数が使われる。但し、代替形として、「H
2」伝達関数が使われることができ、不等式
【0172】
(インピーダンスの線形レジスティブ部分上の閾値)
【0174】
(インピーダンスの線形リアクティブ(インダクティブ)部分上の閾値)
【0176】
(インピーダンスの線形部分の大きさ上の閾値)
またはより一般的に、
【0178】
等、ここでφは設計者によって選択されたかまたはプロセスによって導出された或る定数であり、ここで
【0183】
上の閾値を設定するにあたって、Hは、予め計算されることができ、電子機器の1つのセットから別のものへと変動はしない、システムと処理に関係する数値定数を含む。それはまた、負荷抵抗の正確な値(またはその逆数)を含み、それは、カリブレーションプロセスまたはエンドオブラインテストに引き続いて、EEPROM25(またはその他のメモリー)中に格納される。
【0184】
インピーダンス(またはそれの少なくとも1つの成分)における変化が閾値の上か下のどちらかを同定するためには、その実際の値が演算されて閾値と比較される必要はないことが上から明らかである。代わりに、デバイスにおける電流と電圧に関係する2つのパラメータの相対的な値が比較されて、それらの関係が閾値の上か下かを決定することができる。
【0185】
一実施形態では、インピーダンス(またはそれの少なくとも1つの成分)が閾値の近くで変動する時の「ハンティング」を避けるために、ヒステリシスが比較中に追加される。従って、閾値は、現行の状態、即ち、現行のインピーダンス(またはそれの少なくとも1つの成分)に関係する量が閾値の上か下のどちらか、に依存することができる。システムが出力を生成するために、不等式は、Hを調整することによってかまたは不等式のどちらかのサイド中にファクターを足すことによってのどちらかで調整される。よって、前の測定についてインピーダンス成分に関係する量が閾値の上であった、例えば
【0187】
ならば、実効的閾値は、Hを低減することによってかまたは不等式の左手側にファクターを足す(または不等式の右手側からファクターを引く)ことによってのどちらかでより小さくされる。同様に、前の測定についてインピーダンスに関係する量が閾値の下であった、例えば
【0189】
ならば、実効的閾値は、Hを増加することによってかまたは不等式の右手側にファクターを足す(または不等式の左手側からファクターを引く)ことによってのどちらかでより大きくされる。
【0190】
近接センサーモニター
近接センサーの上の記載が与えられたので、我々はここで、本発明による近接センサーモニターを記載する。
【0191】
図3は、例示的な近接センサーシステムを示し、それは
図2の近接センサーと結合された近接センサーモニター100からなる。近接センサーは、
図2を参照して上述した通りに動作する。簡潔には、近接センサーモニターは、同様のやり方で働くが、ただモニタープロセッサ123とモニタースイッチ131が近接センサーと結合された(および近接センサーの信号生成と切り替えを駆動する)あらゆるクロック信号からも独立に動作する。
【0192】
近接センサーモニターは、近接センサーモニターの第1および第2の入力と結合されたスイッチ131からなる。この実施形態では、近接センサーモニターの第1および第2の入力は、それぞれ近接センサーのインピーダンスコンポーネントR21の第1の端部とインピーダンスコンポーネントR21の第2の端部に結合される。この構成では、スイッチは従ってインピーダンスコンポーネントの第1と第2の端部の間で切り替えするように構成されている。スイッチ出力に結合されるのは、(例えばローパスフィルター129を介した)アナログ−デジタル変換器130であり、それは(どのやり方でスイッチが切り替えられるかに依存して)インピーダンスコンポーネント21のどちらかのサイドのアナログ電圧信号を受け取り、デジタル電圧信号を生成する。プロセッサ123が、アナログ−デジタル変換器130に接続され、近接モニター信号を生成する。
【0193】
動作では、プロセッサ123は、インピーダンスコンポーネント21のどちらかのサイドで順次電圧を測定して、近接モニター信号を生成するように切り替えるようスイッチ131を制御する。モニター信号は、
図2を参照して上述した通り近接センサーがその近接信号を生成するのと同じやり方で生成される。但し、測定および計算は、近接センサーの測定および計算とは完全に独立に行われる。
【0194】
上述した通り、近接センサーと近接センサーモニターの出力は、インピーダンス値の測定値または指標であっても良く、それはターゲットの近接さに依存する。近接センサー出力と近接センサーモニター出力は、代替的に、ターゲットが「近い」(即ち、近接センサーの予め決められた範囲内)かまたは「遠い」(即ち、近接センサーの予め決められた範囲外)ことの指標であっても良い。一旦近接センサーと近接センサーモニターの各々についての結果が達成されると、出力が比較されて、欠陥状態があるかどうか、例えばもし出力の間の差が規定された閾値よりも大きいか、を決定する。この比較は、デジタル的にまたはアナログドメインにおいてなされても良い。「近い/遠い」決定の場合には、比較は単に「近い/遠い決定が同じか?」である。もし欠陥状態が検出されれば(即ち、差が閾値よりも大きい)、警告がパイロットまたはその他のクルーに掲げられて、彼らを欠陥状態に注意喚起することができる。
【0195】
この比較は、近接センサーモニター100においてかまたは近接センサーシステムにおいてのどちらか、または両方、で行われても良い。代替的に、比較は、近接センサーおよび近接センサーモニターシステムとは別のユニットによって、例えば異なる制御システムの一部を形成するより大きなコントローラの一部として、行われても良い。
【0196】
近接センサーモニターが近接センサーとは独立に測定と計算を行うために、近接センサーモニターは、共通モード障害確率を低減するように、近接センサーを駆動しているクロック信号とは独立に、それ自体のクロック駆動信号を有する。但し、近接センサー駆動信号を生成するのに使われたクロック信号または励起周波数と、電圧を測定して近接センサーモニター信号を生成するのに近接センサーモニターによって使われたクロック信号または励起周波数は独立しているので、2つの励起周波数の間に周波数および/または位相オフセットがある可能性が高い。周波数における差についてのいかなる補償も無ければ、これは近接センサーと近接センサーモニターの間で異なる測定値に結果としてなる(近接センサーモニターは、近接センサーと同時にインピーダンスコンポーネントのどちらかのサイドで信号をサンプリングしている可能性が低く、位相は測定の間で異なるので)。
【0197】
実際には、測定は複数のサイクルに渡って平均化されるので、レシオメトリックな測定が使われるため近接センサーおよび近接センサーモニター測定の間の一定の位相オフセットは相殺される。但し、2つの間の変化する位相オフセット(例えば、もしクロックがお互いに対して周波数においてドリフトすれば)は、位相オフセットが相殺されないので異なる計算に結果としてなる。
【0198】
この問題を克服するために、近接センサーモニタープロセッサ123は、近接モニターの駆動信号を生成するのに使われた励起周波数と、電圧を測定し近接センサーモニター信号を生成するのに近接センサーモニターによって使われた励起周波数の間の周波数差を補償するように構成されている。この補償を行うことが想定される数々の方式がある。
【0199】
周波数オフセット補償の第1の、好ましい、実施形態では、プロセッサがV
Oを測定するようにスイッチを切り替え、第1の時間において第1の測定されたV
O上で離散フーリエ変換(DFT)を行う。このDFTは、第1のV
Oの位相を明らかにする。スイッチはそれから、V
Sを測定するように切り替えられ、第2の時間においてV
Sの位相を明らかにするようにDFTを行う。もし近接センサーと近接センサーモニターの間に周波数オフセットがあれば、位相はV
OとV
Sの間で回転されている。プロセッサはそれから、次のV
Oを測定するようにスイッチを切り替え戻され、第3の時間において第2のV
Oの位相を明らかにするようにDFTを行う。プロセッサはそれから、第1と第2のV
O測定(即ち、第1と第3の測定された電圧)の位相を使って、もしV
O測定が第2の時間(即ち、V
S測定と同時)において取られたとしたら、V
O測定の位相は何であっただろうかを明らかにするように補間を行う。もし周波数オフセットが閾値の下であれば、オフセットは第1のV
Oと第2のV
Oの間で測定期間に渡って顕著にドリフトしないことを仮定して、仮定は、もしそれがV
S測定と同時測定されたとすれば、補間された位相がV
O信号の位相と等しくなるということである。この計算された位相はそれから、インピーダンスの計算が
図2を参照して上述した通りに行われても良いように、V
O測定のどちらかに位相オフセットを適用するのに使われることができる。
【0200】
代替的な実施形態では、第1と第3の測定がV
S測定であり、第2の測定がV
O測定である。この実施形態では、それがあたかも第2の時間において(即ち、V
O測定と同時に)測定されたかのような位相を有するV
S測定を決定するように、補間がV
S測定を使ってなされる。
【0201】
線形または極性補間が使われても良い。但し、極性補間は測定のより正確な補間を提供する可能性が高いが、それは線形補間よりも演算的に要求が高い。
【0202】
好ましくは、2つの励起周波数の間の周波数オフセットは、測定期間(即ち、この場合には20ms)に渡って3.6°より少なく変動する。もし近接センサーモニターが、第1と第2のV
O測定の間の位相オフセットはこのリミットよりも大きいと決定すれば、欠陥状態が検出されて報告される。但し、決定された許容されるエラー予算に依存して、より大きな周波数オフセットが達成可能であっても良い。
【0203】
この方式の不利な点は、近い/遠い決定がなされることができる前に、近接センサーの2つの測定ブロックではなく、それが3つの測定ブロック(V
O、V
S、V
O)を取るので、追加された待ち時間である、好ましい実施形態では、測定ブロックは約10msであるが、この値に限定される理由はない。それは望まれれば、より長くであることができる。この待ち時間の帰結は、近接センサーモニターが、短い期間の間、近接センサーのそれとは異なる読み取り値を報告し得ることである。もし実際の欠陥が無ければ、近接センサーおよび近接センサーモニター信号は、少数の測定ブロックの後では一致するようになるべきである。
【0204】
周波数オフセット補償の第2の実施形態では、プロセッサがV
Oを測定するようにスイッチを切り替え、第1の測定されたV
O上で離散フーリエ変換(DFT)を行う。このDFTは、第1の時間において測定された第1のV
Oの位相を明らかにする。スイッチはそれから、V
Sを測定するように切り替えられ、第2の時間において測定されたV
Sの位相を明らかにするようにDFTを行う。もし近接センサーと近接センサーモニターの間に周波数オフセットがあれば、位相はV
OとV
Sの間で回転されている。プロセッサはそれから、測定されたV
Oと前に測定されたV
O(例えば、V
O−1)の位相を使って、もしV
O測定が第2の時間(即ち、V
S測定と同時)において取られたとしてのV
O測定の位相を計算するために外挿を行う。この計算された位相はそれから、インピーダンスの計算が
図2を参照して上述した通りに行われても良いように、V
O測定のどちらかに位相オフセットを適用するのに使われることができる。
【0205】
外挿方法の第1のバージョンでは、V
O−1とV
O測定が、異なる測定ブロックから(例えば、好ましいシステムでのように各々が10msの測定ブロックから)取り入れられる。
【0206】
外挿方法の第2のバージョンでは、V
O−1とV
O測定が、単一の測定ブロックから(即ち、各々が同じ10msの測定ブロックから)取り入れられる。有利なことにこれは、(近い/遠い決定を行うために2つの測定ブロックのみが要求されるので)第1の外挿方法と比較した時により少ない待ち時間であることを意味する。但し、サンプルの半分が各V
O測定のために使われるので、これは各V
O測定の信号対ノイズ比を3dBだけ減少する。但し、実際には、インピーダンスコンポーネントの1つの端部から切断しインピーダンスコンポーネントのもう1つの端部に接続しているスイッチと関連付けられた過渡状態があるので、このSNRの削減はより大きいことができる。この過渡期間は無視される(例えば、その期間からのデータをダンプすることによって)か、またはそれは過渡的信号を除去するためにフィルタリングされるかのどちらかである。
【0207】
有利なことに、外挿方法のどちらもが、近い/遠い決定がV
S測定の後で行われることを可能とし、それは近接センサーと同じ位置である。そうであるので、これは第1の(補間の)方法と比較した時に、待ち時間がわずかか全く無い。
【0208】
周波数オフセット補償の第3の実施形態では、近接センサーモニターが、近接センサーからのクロック信号または励起周波数信号を受け取りカウントするためのカウンターユニットからなる。これから、周波数がモニターされ、近接センサーモニタークロックの周波数または励起周波数と、決定されることができる測定ブロック毎の位相オフセットに、比較されることができる。プロセッサは、決定された位相オフセットを使い、もしそれが測定されたV
Sと同時に測定されたとしたときのV
O信号の位相とそれが実質的に揃うように、この位相修正値を測定されたV
Oに適用する。インピーダンスの計算がここで
図2を参照して上述した通りに行われても良い。
【0209】
カウンティングユニットを使うことの利点は、(補間または外挿のどちらかによって)位相オフセットの計算が要求されないことである。但し、カウンティングユニットは、クロックの周波数が正確にモニターされていることを決定するためにクロックの複数のサンプルを要求する。多くのサンプルは高い正確性を提供するが、当然よりパワフル(で高価)なプロセッサが使われない限り、(それは近い/遠い計算を行う前にカウントされるべき全てのサンプルについて待つ必要があるという点で)近接センサーモニターの高い待ち時間のコストにおいてである。他方、より少ないサンプルを取ることは近接センサーモニターの待ち時間を削減するが、正確さのコストにおいてである。
【0210】
近接センサーシステムの第2のバージョンが、
図4に示されている。このバージョンでは、近接センサーシステムは、測定された電圧がv
Sとv
Rであり、ここでv
Rはアナログ差分増幅器72によって提供された通りの電圧v
Oとv
Sの間の差分であることを除けば、
図3のものと同様である(よって同様のコンポーネンツについては同様の参照番号が使われている)。近接センサーモニターは、
図3から変えられないままである。
【0211】
近接センサーシステムのこのバージョンでは、2つの連続して測定された入力信号(または「ブロックペア」)に適用されると、処理は、
【0219】
はそれぞれデバイス20においてと差分増幅器72の出力においてシステムによって測定された複素電圧振幅推定である。クロスおよびオートパワースペクトル推定子がそれから第1の実施形態でのように形成される。
【0226】
を計算する必要の回避から恩恵を受ける。但し、非常に正確で安定な差分増幅器が要求される。
【0227】
近接センサーシステムの第3のバージョンが、ここで
図5を参照して記載される。このバージョンは、
図3に描かれた本発明の第1の実施形態と同様であり、よって同様のコンポーネンツについては同様の参照番号が使われている。このバージョンは、順次の電圧の同時測定のために複数の測定チャネルが提供されているという点で
図3に示されたものと異なる。このバージョンでは、いかなる時点においても両方の電圧v
Oとv
Sの測定が同時に取られているように、動作している2つのチャネルがある。各測定チャネルは、ローパスフィルター49または50を含む。このバージョンでは、測定チャネルは、プロセッサ23中にADCを介して信号を多重化するためのマルチプレクサ51の使用によって、アナログ−デジタル変換器30を共有する。
【0228】
代替的なバージョンでは、各測定チャネルはそれ自体のアナログ−デジタル変換器を有することができる。また、このバージョンは2つの同時測定チャネルの使用を描いているが、あらゆる数であっても良い。数は各ブロック中のサンプルの数によってのみ限定される。リミットでは、チャネルが循環的に位相からの1つのサンプル点で電圧を測定するように、複数の2M個のチャネルの各々が、ブロック当りM個のサンプルの各サンプル点において順次始まる同時測定を提供することができる。
【0229】
各測定チャネルは、電圧の順次測定を提供する。各チャネルは、2ブロックの初期遅延の後、全ての2番目のブロック毎に結果を生成することをプロセッサに許容する。
図5に描かれたバージョンでは、2チャネルの使用が、プロセッサが全てのブロック毎に結果を作成することを可能とする。極端には、2Mチャネルがあるところでは、プロセッサは全てのサンプル点ごとに結果を作成することができる。
【0230】
2チャネルの場合には、サンプル0からM−1の間、チャネル1は、例えばサンプルv
Oに切り替えられ、サンプルMと2M−1の間では、それはv
Sを測定するように切り替えられ、以下交番に続く。それに対し、チャネル2は、サンプルMから2M−1の間はv
Oの測定に切り替えられ、サンプル2Mから3M−1の間、それはv
Sの測定に切り替えられ、以下交番に続く。連続したブロックペアについての結果を演算することによって、これは結果が時間(2M−1)τ、(4M−1)τ等においてはチャネル1から利用可能となることを可能とする一方、結果はインターリーブされた時間(3M−1)τ、(5M−1)τ等においてはチャネル2から利用可能となる。これは同じやり方でより多くのチャネルまで拡張することができる。
【0231】
2M測定チャネルのリミットの場合には、チャネルの各ペアが、チャネルの前のペアから遅延された1つのサンプルで、そのブロックペアのその取得を始める。ペアの1つは、v
Oのブロックを測定することによって始め、もう1つはv
Sを測定する。これは、1つのブロックペアの初期遅延の後、全てのチャネルに跨って取られた結果が全てのサンプル点毎に利用可能となることを可能とする。
【0232】
全ての(時間で)間隔を開けられた結果は、もしチャネルの数が2掛けるMの1つのファクター(または複数のファクターの積)であれば、複数のチャネルについて生成される。
【0233】
このバージョンでは、処理された結果の正確性を向上するために、プロセッサは、複数のチャネルからの測定上で平均化動作を行うことができる。平均化は、例えばパラメータ
【0242】
本発明のこれらのバージョンは、近接センサーとの使用に好適である。デザインは、各センサーについて別のマイクロプロセッサを使うことができる。これは、プロセッサが非常に単純で安価であることができるので経済的に実行可能である。それはまた、システムが高度にモジュラーであり、(チャネルが実効的に自己完結型であるので)1つのセンサーチャネルにおける障害が別のセンサーチャネルに影響を与える可能性が低い
ことを意味する。但し、1つより多くのセンサーチャネルを、単一のよりパワフルなプロセッサと組み合わせ、それでも依然としてシステムを簡略化してそのコストを削減するように順次測定技術と経済的な処理方法を使用することが可能である。
【0243】
設計者は励起周波数を選ぶことができるので、それらが(交流電流(ac)パワーライン周波数のような)干渉のその他の顕著なソースに近くないことを確かなものとすることが可能である。
【0244】
1つのセンサーシステムから他のものへのクロストークが不可避であるところでは、各システムが周波数の異なるセットにおいて動作するようにするのが好ましい。これは、しかし、全てのシステムを同じにすることの動機があるので、可能ではないかもしれない。この場合、各システムの周波数は、1つのシステムの励起が他のもののそれから非相関であるようなやり方で変化するようにされることができる(例えば、或る有界の範囲内でのブロックペアからブロックペアへの励起周波数のランダムな変動がこれを達成する)。代替的に、周波数は固定されたままにされることができ、励起ブロックの位相がブロックペアからブロックペアへと変化されられることができる。
【0245】
干渉ノイズが問題であると考えられるところでは、各データブロックにおけるサンプルの数、M、が増加されることができる。これは、センサー−ターゲット分離における変化へのより遅い応答のコストにおいてである。Mは、背景ノイズのレベルの何らかの推定に応答して適応的に変動されることができる。Mを変動することの代替形(または相補形)は、連続したデータブロックペアの1つより多くのセットの平均からクロスおよびオートパワースペクトル推定を形成することである。これは、センサー−ターゲット分離へのより遅い応答のコストにおいて、ノイズ免疫性を向上することの同じ効果を有する。選ばれた平均の数は、背景ノイズのレベルの何らかの推定に応答して適応的に変動されることができる。背景ノイズの有用な推定は、
【0249】
、から導出されることができるが、実際には、演算的に高価な除算を行うこと無しに、
【0253】
と比較されるであろう。平均(上線によって指し示される)は、1つより多くのデータブロックペアに渡って取られる。これは通常、選ばれた数のデータブロックペアに渡る「移動平均」として行われるであろう。コヒーレンスは、もしノイズが低ければ1に近く、ノイズが増加するにつれて0になる傾向がある。演算されなければならない唯一の追加の量は
【0256】
適応的方式は、コヒーレンスを、0.95のような或る閾値近辺において保つために、Mおよび/またはクロスおよびオートパワースペクトル推定の平均の数を変動しても良い。
【0257】
上の方法では、モジュラスが要求される。代替的な方法は、式
【0259】
を使うことからなる。これは、モジュラス動作の必要を避ける。除算を避けるための比較がそれから、もし
【0263】
であるかどうか、を決定することによって行われる。
【0264】
いくつかのシステムでは、大きな、突然で短い持続時間のノイズが存在する(これは、例えば、落雷によって典型的に表されるであろう)。コヒーレンスの移動推定が維持されているところでは、帰結としてのコヒーレンスの突然の低下が、偽の「近い/遠い」指標が与えられたかもしれないことのインディケータ−として使われることができる。それから、例えば、コヒーレンスが受け入れ可能なレベルを回復するまで前の状態を保持すること、が可能である。これは、強い間欠的なノイズの期間の間に偽の指標を避けることを助ける。
【0265】
信号上のノイズを推定することへの代替的なアプローチは、信号のトータルな大きさをその抽出された複素振幅と比較することである。なので、例えば、励起が異なる周波数におけるK個の正弦波を含む時に、もし周波数ω
Kにおける信号が、信号上のその他の(システムと関係しない)ノイズの全てと比較して十分に大きいかを決めるために、
【0269】
と比較することができる。もしそれがそうではなく、かつその他の励起成分のいずれもそうでなければ、与えられた「近い/遠い」指標を無視して前の値を保持することを選んでも良い。このタイプの比較は、但し、励起周波数において複素振幅を抽出するプロセスが非常に周波数選択的であるので、その他の周波数における信号中の大量のノイズでさえ「近い/遠い」指標の正確さにわずかな影響しか持たなくても良いことから、偽の警報に陥り易い。それは、しかし、落雷のような破滅的なイベントについては、依然として有用な技術であり得る。再度、1つより多くのデータブロックペアに渡る上の比較の「移動平均」が維持されることができ、この平均における傾向が、ノイズにおける突然の増加を診断するのに使われる。
【0270】
「診断」信号は、過度のノイズ干渉が上の一般的な技術のどちらかによって検出された時に、その他のシステムへの出力のためにシステムによって生成されることができる。
【0271】
近接センサーモニターは、スイッチ付き近接センサーとの使用に限定はされない。
【0272】
近接センサーシステムの更なるバージョンが
図6に示されており、それは近接センサーモニター100の提供を伴った、
図1による近接センサーである。近接センサーおよび近接センサーモニターの動作は、上述した通りである。RAM,EEPROMおよびプログラムメモリーは、明確さのために示されていない。上の例でのように、近接センサーモニターの第1と第2の入力は、それぞれ近接センサーのインピーダンスコンポーネントR2の第1の端部とインピーダンスコンポーネントR2の第2の端部に結合される。
【0273】
近接センサーモニターを組み込んだ近接センサーシステムの更なるバージョンが
図7に示されている。
【0274】
温度的および経時的に安定で、その値が既知であり処理システム内に格納されている、負荷抵抗またはインピーダンスコンポーネント21は、作動増幅器62の出力に接続された1つの端部と、作動増幅器62の反転入力に接続されたもう1つの端部を有する。電気的コンポーネント20は、作動増幅器62の反転入力に接続された1つの端部と、少なくとも1つの正弦波信号からなる駆動信号を生成する増幅器22に接続されたもう1つの端部を有する。電気的コンポーネント20は、
図1から6を参照して記載されたのと同じ電気的コンポーネントであっても良い。作動増幅器62は、グラウンドに接続されたその非反転入力を有するか、またはいくつかの実施形態では、それは参照電圧に結合されている。作動増幅器62は、電圧増幅器として構成されている。
【0275】
上述したその他の近接センサーシステムでのように、プロセッサ23が、プロセッサの動作を制御するためのプログラムメモリー24と共に提供される。消去可能でプログラム可能なリードオンリーメモリー(EEPROM)25が、プロセッサ23によって使われるべきデータを格納するために提供される。EEPROM25に格納されたデータは、波形の少なくとも一部のデジタル表現からなる波形生成データを含むことができる。代替的に、これは、プログラムメモリー24またはランダムアクセスメモリー(RAM)26中に格納されることができる。プロセッサ23はよって、この実施形態ではこれ以降の説明を簡略化するために単一の波形からなる、連続的デジタル波形を生成するためにEEPROM25からデータを読み出すことができる。EEPROM25(またはその他のメモリー位置)内での波形の格納は、デジタル駆動波形の作成を簡略にする。プロセッサ23は、周期性の波形についての出力値を決定するために計算を行うことは要求されず、代わりに値はEEPROM25から単に繰り返し読み出される。
【0276】
ランダムアクセスメモリー(RAM)26が、処理中にデータを格納することをプロセッサ23に可能とするために提供される。
【0277】
プロセッサ23からのデジタル駆動信号出力は、アナログ波形信号を生成するためにデジタル−アナログ変換器27に入力され、それはローパスフィルター28を通され、電気的コンポーネント20に駆動信号を生成するための増幅器22に入力される。ローパス「再構成」フィルター28は、デジタル−アナログ変換プロセスの望ましくないアーテファクトを削減する。代替的な実施形態では、DAC27は、プロセッサ23から直接のパルス幅変調デジタル出力で置き換えられることができる。
【0278】
インピーダンスコンポーネント21の抵抗値は、EEPROM25、プログラムメモリー24、またはデータ処理での使用のためのRAM26中に格納されることができる。事実、演算における除算についての要求を避けるために、代わりに乗算動作が計算中で使われることができるように、抵抗値の逆数が格納されても良い。
【0279】
プロセッサ23、DAC27、ADC30、EEPROM25、RAM26およびメモリー24は全て、Microchip PICシリーズのようなマイクロコントローラ上に提供されることができる。よって、マイクロコントローラは、信号生成と信号処理の機能を行うことができる。
【0280】
ローパスフィルター29とアナログ−デジタル変換器30からなる単一の測定チャネルが、デジタル化入力をプロセッサ23に提供するために提供されている。測定チャネルは、スイッチ配列31に接続され、それは増幅器22の出力と作動増幅器62の出力からの接続を入力として受け取る。スイッチ配列は、電圧v
S(増幅器22の出力、即ち駆動信号)とv
r(作動増幅器62の出力)の測定の間で切り替えをするように、プロセッサ23からの制御信号によって制御される。
【0281】
近接センサーモニター100は、近接センサーモニターの第1および第2の入力と結合されたスイッチ131を有する。このバージョンでは、第1および第2の入力は、それぞれ増幅器22の出力(また電気的コンポーネントの第1の端部も)と作動増幅器62の出力(またインピーダンスコンポーネントの第1の端部も)に結合される。近接センサーモニタースイッチは、電圧v
S(増幅器22の出力、即ち駆動信号)とv
r(作動増幅器62の出力)の測定の間で切り替えをするように、プロセッサ123からの制御信号によって制御される。ローパスフィルター129とアナログ−デジタル変換器130からなる単一の測定チャネルが、デジタル化入力をプロセッサ123に提供するために提供されている。近接モニターセンサーの動作は、
図3から6を参照して記載された通りである。
【0282】
プロセッサ23は、アナログ−デジタル変換器からの測定入力と同期するべき正弦波出力信号の生成を制御する。よって、波形は同期的に生成され測定される。プロセッサ23は、出力および入力サンプルの取得を制御するためのマイクロコントローラからなることができる。出力シーケンスは、測定チャネルが電圧v
S(増幅器22の出力、即ち駆動信号)を1つの測定期間の間に測定するように、その間にスイッチ31が制御されるサンプルの1つのブロックからなる。サンプルのブロックは、単一の正弦波のような1つの周期的波形のあらゆる複数のサイクルを含んでいても良い。プロセッサ23はそれから、電圧v
r(作動増幅器62の出力)の測定値を受け取るように切り替えするようスイッチ31を制御し、この測定期間の間は、プロセッサ23は前のシーケンスと同一のシーケンスを出力する。よって、測定期間のペアの間は、出力シーケンスは同一である。よって、連続する測定は連続するブロックに渡って起こることが好ましい。ブロックは連続的である必要はない。測定の間に静止期間があることが可能であるか、またはブロックが初期数のゼロで埋められることができる。但し、待機時間を避けるために、測定は連続的に取られ、各測定期間はデータのブロック全体からなることが好ましい。あらゆる過渡的なファクターを補償するために、調停を許容するように出力への応答の最初の部分が廃棄されるか測定されないことが可能である。あらゆる位相補償の必要を避けるために、測定は、連続したブロックの同じセクションの間に取られることが好ましい。但し、システムは、もし要求されれば異なる位相測定を補償することができる。ブロック自体が、測定の1つのペアから次のもので異なっていても良い。
【0283】
よって測定値は、(非反転入力は仮想グラウンド点であると考えられるので、作動増幅器62の非反転入力に接続された参照電圧が0である状況において)電気的コンポーネント20に跨って印加された電圧からなる電気的コンポーネント20の1つのサイド上の電圧v
Sの連続したブロックでプロセッサに提供される。もう1つの取得された電圧測定値は電圧v
rであり、それは作動増幅器の出力(作動増幅器の入力は非反転入力が0である時は仮想グラウンドであるので、またインピーダンスコンポーネント21に跨った電圧も)である。
【0284】
図7では、インピーダンスコンポーネント21が、電気的コンポーネント20を通して流れる電流の決定を可能にするために提供されている。これから、電気的コンポーネントのインピーダンスが決定されることができる。電流の複素振幅は、オームの法則を使って以下のように計算されることができる。
【0286】
ここでV
Sは、増幅器22によって電気的コンポーネントに印加されたv
Sの或る周波数における複素振幅である。
【0287】
但し、増幅器62が充分に高い入力インピーダンスを有すると仮定して、増幅器62の非反転入力におけるノード中に電気的コンポーネント20を通して流れる電流の全ては、インピーダンスコンポーネント21と通して流れ出る、即ち(キルヒホフの電流の法則によって)、
【0291】
我々が決定しようと試みているインピーダンスであるZについて解くと、
【0293】
インピーダンスは、インピーダンスコンポーネント21の抵抗を考慮に入れて2つの複素電圧振幅の比から計算されることができる、ということがこの数式から見られることができる。
【0294】
近接センサーシステムの上のバージョンでのように、順次測定がインピーダンスを計算するのに使われることができる。インピーダンスの変化を検出するために、またはデバイスが近接センサーである場合には、ターゲットの近接さを検出するために、インピーダンス値は、センサーへのターゲットの近接さを決定するように閾値インピーダンス値と比較されることができる。
【0295】
そのようなインピーダンスの計算が関与するバージョンは、但し、演算的に高価な除算動作が行われることを要求する。そのような除算はまた、レンジ外の結果、例えば、ノイズによって引き起こされることができるゼロでの割り算動作、に結果としてなることができる。
【0296】
好ましいバージョンは、インピーダンスについての絶対値の計算に結果としてならない。代わりに、V
SとV
rから導出された量が比較されて、相対値における変化を同定する。これは、相対値を閾値と比較するのに使われることができる。
【0297】
その他の記載された近接センサーシステムと同様に、近接センサーの出力は、インピーダンス値または近い/遠い決定であっても良い。
【0298】
近接センサーモニター200の第2の実施形態が
図8に示されており、それはスイッチ231入力の1つに差分電圧V
Rを提供するために差分増幅器272を組み込む。この実施形態では、差分増幅器は、近接センサーの第1の入力とスイッチ入力の1つの間に結合される。スイッチ231の第2の入力は、近接センサーモニターの第2の入力に接続される。
図3から7を参照して記載された上の近接センサーシステムでのように、近接モニターの第1の入力は、インピーダンスコンポーネント21の第1のサイド(
図3から6)かまたは電気的コンポーネントの第1のサイド(
図7)に結合されても良い。近接センサーモニターの第2の入力は、インピーダンスコンポーネント21の第2のサイド(
図3から6)かまたはインピーダンスコンポーネントの第1のサイド(
図7)に結合されても良い。スイッチング、測定およびパラメータの計算についての近接センサーモニタースイッチ231とプロセッサ223の動作は、
図4の近接センサーモニターでのように周波数オフセット補償の追加を伴って、
図4の近接センサーのものと同様である。
【0299】
近接センサーモニター300の第3の実施形態が
図9に示されており、それは、順次の電圧の同時測定のために提供された、複数の測定チャネルに接続されたスイッチ341を組み込む。この実施形態では、いかなる時点においても近接センサーモニターの第1と第2の入力における両方の電圧(例えば、
図3のv
Oとv
S、または
図7のv
Sとv
r)の測定が同時に取られているように、動作している2つのチャネルがある。各測定チャネルは、ローパスフィルター349または350を含む。この実施形態では、測定チャネルは、プロセッサ323中にADCを介して信号を多重化するためのマルチプレクサ351の使用によって、アナログ−デジタル変換器330を共有する。スイッチング、測定およびパラメータの計算についての近接センサーモニタースイッチ341とプロセッサ323の動作は、
図5の近接センサーモニターでのように周波数オフセット補償の追加を伴って、
図5の近接センサーのものと同様である。
【0300】
電気的コンポーネントのインピーダンスが既知であり、インピーダンスコンポーネントのインピーダンスが安定であれば、電気的コンポーネントまたはインピーダンスコンポーネントが純粋にレジスティブである必要はない。
【0301】
Rについての値(またはRの逆数または導出された量)は、従来技術の処理技術を使ってデバイスのインピーダンスまたはインピーダンスの少なくとも1つの成分の計算での使用のために、またはここまでで上述した通りの比較の計算での使用のために、プロセッサメモリー、例えば
図3から7のEEPROM中に格納される。
【0302】
ここまでで上述した本発明のあらゆる実施形態において、プロセッサは、デバイス中の欠陥を同定するように、即ち、デバイスについての診断を行うように、プログラムされることができる。例えば、もしプロセッサが電圧v
Oは閾値より下であることを検出すれば、これはデジタル−アナログ変換器が損傷していることを指し示し得る。もし電圧v
Sが閾値より下であれば、これはデバイスが短絡していることを指し示す。もし
【0304】
であれば、これはデバイスが開路となっていることを指し示す。プロセッサは、これらのタイプの欠陥を検出することができ、警告を与えるのに使われることができる出力を生成することができる。この技術は、従来技術のシステムにも等しく適用可能である。
【0305】
本発明の実施形態がインダクティブデバイスを参照して記載されたが、インピーダンスの虚数部分(リアクティブ部分)はインダクタンスまたはキャパシタンスの逆数に依存するので、本発明はまたキャパシティブデバイスにも適用される。可変キャパシタンス近接センサーのような、そのような可変キャパシティブデバイスは、当該分野において周知である。
【0306】
本発明が特定の実施形態を参照して記載されたが、変形は請求項の範囲内に入ることが当業者には明白であろう。