(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236463
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】原子炉
(51)【国際特許分類】
G21C 5/00 20060101AFI20171113BHJP
G21C 15/02 20060101ALI20171113BHJP
G21C 11/06 20060101ALI20171113BHJP
G21C 5/10 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
G21C5/00 AGDP
G21C15/02 S
G21C11/06
G21C5/10
【請求項の数】20
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-549437(P2015-549437)
(86)(22)【出願日】2013年12月5日
(65)【公表番号】特表2016-505842(P2016-505842A)
(43)【公表日】2016年2月25日
(86)【国際出願番号】US2013073222
(87)【国際公開番号】WO2014130125
(87)【国際公開日】20140828
【審査請求日】2016年8月8日
(31)【優先権主張番号】13/721,138
(32)【優先日】2012年12月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501010395
【氏名又は名称】ウエスチングハウス・エレクトリック・カンパニー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100091568
【弁理士】
【氏名又は名称】市位 嘉宏
(72)【発明者】
【氏名】ハークネス、アレクサンダー、ダブリュ
【審査官】
長谷川 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−120086(JP,A)
【文献】
特開昭60−181683(JP,A)
【文献】
特開昭57−161697(JP,A)
【文献】
米国特許第04731220(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 5/00
G21C 5/10
G21C 11/06
G21C 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉圧力容器と、
原子炉圧力容器内に、当該原子炉圧力容器の内壁から離隔して支持され、中心軸が当該圧力容器の中心軸と実質的な同軸関係にある円筒形の炉心槽と、
炉心槽内に当該炉心槽から離隔して、下部炉心支持板と上部炉心板の間に支持され、燃料集合体アレイを形成する複数の燃料集合体を有する炉心と、
炉心槽と燃料集合体アレイとの間に支持され、外側輪郭が当該炉心槽の内側輪郭に実質的に適合し、内側輪郭が当該燃料集合体アレイの外側輪郭に実質的に適合し、内部が中空であるシュラウドと、
シュラウドの当該中空内部に密集した状態で配設された軸方向に延びる長尺ロッドのアレイより成る中性子反射体と
を備える原子炉において、
シュラウドが、炉心槽の間隔をあけた複数の高さ位置において、当該炉心槽の内面から延びる、実質的に縦列で平行なアレイ状のフォーマ板と、実質的に当該間隔をあけた高さ位置にあるフォーマ板同士の間を軸方向に延び、当該シュラウドの内側輪郭を実質的に形成するバッフル板とを備え、中性子反射体の当該長尺ロッドが当該バッフル板と当該炉心槽との間において当該フォーマ板間を軸方向に延び、中間高さ位置にある一連のフォーマ板が背中合せに重ねられた2つのフォーマ板より成る、原子炉。
【請求項2】
当該長尺ロッドが隣接する当該長尺ロッドと第1および第2の端部でフォーマ板によって径方向に固定される、請求項1に記載の原子炉。
【請求項3】
当該長尺ロッドの当該第1および第2の端部が当該長尺ロッドの軸方向中央部分に対して縮径されている、請求項2に記載の原子炉。
【請求項4】
当該長尺ロッドの当該第1および第2の縮径端部がそれぞれ当該フォーマ板の開口に嵌入される、請求項3に記載の原子炉。
【請求項5】
当該長尺ロッドが実質的に丸形断面を有し、隣接するロッドのそれぞれと当該隣接するロッドの外周の一部の周りで軸方向に接触するが、当該隣接するロッドの外周の別の部分の周りでは当該隣接するロッドから離隔するように密集した状態で配置され、当該隣接するロッドの当該別の部分に沿って軸方向に延びる冷却材チャネルが形成される、請求項4に記載の原子炉。
【請求項6】
当該フォーマ板が当該冷却材チャネルと一直線に並ぶ流孔を有する、請求項5に記載の原子炉。
【請求項7】
当該長尺ロッドの少なくとも一部の当該第1および第2の端部と中央部分との間の移行部が斜面を形成し、当該長尺ロッドの少なくとも一部に隣接する当該フォーマ板の少なくとも一部の当該流孔の直径がそれに対応する当該冷却材チャネルの直径よりも大きい、請求項6に記載の原子炉。
【請求項8】
当該長尺ロッドの当該第1および第2の端部がそれぞれ当該フォーマ板の対応する開口で当該フォーマ板に対して固定される、請求項4に記載の原子炉。
【請求項9】
当該長尺ロッドの当該第1および第2の端部がそれぞれ当該フォーマ板の当該対応する開口で当該フォーマ板に対して溶接される、請求項8に記載の原子炉。
【請求項10】
最低高さ位置にあり当該フォーマ板の間を延びる当該長尺ロッドの少なくとも一部が、当該最低高さ位置の当該長尺ロッドよりも上の高さ位置にあり当該フォーマ板の間を延びる他の長尺ロッドと一直線に並ぶ、請求項8に記載の原子炉。
【請求項11】
当該一直線に並ぶ長尺ロッドが縦列の互いに離隔したフォーマ板のうち少なくとも5つのフォーマ板の間を延び、当該一直線に並ぶ長尺ロッドの直上の上部フォーマ板と、当該一直線に並ぶ長尺ロッドの直下の下部フォーマ板とがそれぞれ一枚分の厚さを有し、縦列の当該中間高さ位置にある当該一連の背中合せに重ねられたフォーマ板が組み合わさって一枚分のおよそ倍の厚さを有する、請求項10に記載の原子炉。
【請求項12】
当該中性子反射体が軸方向に重ねられた一連の長尺ロッドモジュールより成り、各モジュールがフォーマ板によって両端部を支持された複数の長尺ロッドセグメントを備える、請求項1に記載の原子炉。
【請求項13】
隣接するフォーマ板の間の当該長尺ロッドが分離可能な中性子反射体モジュールを形成する、請求項2に記載の原子炉。
【請求項14】
当該長尺ロッドが下部フォーマ板から上部フォーマ板まで延び、当該下部フォーマ板が燃料集合体をその上に支持する当該下部炉心支持板の上方において当該下部炉心支持板から離隔され、当該上部フォーマ板が燃料集合体を拘束する当該上部炉心板から離隔され、当該上部炉心板と当該上部フォーマ板との間の空間が、炉心を通り抜ける前の原子炉冷却材通路または当該炉心から出る原子炉冷却材経路の一方と流体連通する第1のオリフィスを有する上部冷却材プレナムを形成し、当該下部炉心支持板と当該下部フォーマ板との間の空間が、炉心を通り抜ける前の当該原子炉冷却材通路または当該炉心から出る原子炉冷却材経路のもう一方と流体連通する第2のオリフィスを有する下部冷却材プレナムを形成し、それによって、当該中性子反射体を冷却する冷却材が当該上部冷却材プレナムまたは当該下部冷却材プレナムの一方から流入し、当該フォーマ板を通り抜けて当該長尺ロッドの周りを通り、さらに当該上部冷却材プレナムまたは当該下部冷却材プレナムのもう一方へ流入した後、そこから出て冷却材主流路に合流する、請求項1に記載の原子炉。
【請求項15】
当該長尺ロッドが三角ピッチ状に支持される、請求項1に記載の原子炉。
【請求項16】
当該長尺ロッドが方形ピッチ状に支持される、請求項1に記載の原子炉。
【請求項17】
当該フォーマ板が炉心の外周を延びる複数の外周セクションを構成する、請求項1に記載の原子炉。
【請求項18】
当該フォーマ板が少なくとも8つの外周セクションを構成する、請求項17に記載の原子炉。
【請求項19】
当該長尺ロッドの少なくとも一部が最上部のフォーマ板と最下部のフォーマ板との間を連続して延びる、請求項1に記載の原子炉。
【請求項20】
当該長尺ロッドのすべてが当該最上部のフォーマ板と当該最下部のフォーマ板との間を連続して延びるわけではない、請求項19に記載の原子炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によって本出願に含まれる2012年12月20日出願の米国特許出願シリアル番号第13/721138号(発明の名称HEAVY RADIAL NEUTRON REFLECTOR FOR PRESSURIZED WATER REACTORS)に基づく優先権を主張する。
本発明は、一般に加圧水型軽水炉の分野に関し、詳細には、炉心を取り囲むことによって、中性子経済を改善して燃料コストを引き下げ、圧力容器に対する放射線量を減らす径方向中性子反射体に関する。
【背景技術】
【0002】
原子炉内における核分裂反応は、熱の発生とともに中性子を放出させ、これらの放出中性子が核燃料内において核分裂反応を連鎖的に発生させる。核分裂性物質は、中性子束密度が持続的な核分裂過程を維持するのに十分な値になるように原子炉内に集中的に配置される。商業用原子炉内では、核分裂性物質のペレットがジルカロイ製の棒内に収められ、その棒が断面がほぼ方形で長尺の燃料集合体モジュールの形に組み立てられている。その方形で長尺の燃料集合体が多数個束ねられてほぼ円筒形の炉心を形成し、その炉心が円筒形でステンレス鋼製の炉心槽内において、水平でステンレス鋼製の上下炉心板の間に収められている。そのアセンブリ全体はさらに、ほぼ半球形の上下ヘッドを備える圧力容器の中に取り付けられている。入口ノズルから圧力容器内に導入される原子炉冷却材は、炉心槽と圧力容器との間の環状空間を下向きに流れた後、容器の下部プレナムで方向を反転させ、下部炉心板の開口を上向きに貫流して、燃料集合体を通過し、そこで核分裂反応により加熱された後、径方向に導かれて出口ノズルから圧力容器を出る。原子炉冷却材によって炉心から取り出された熱は発電のために使用されるが、それによって温度が低下した原子炉冷却材は原子炉内を閉ループで再循環される。
【0003】
燃料集合体の断面は方形であることから、炉心の外周と炉心槽の円形の内壁との間に不規則な空間が存在する。慣行として通常行われているのは、燃料集合体の外面に沿って長手方向に延びる平らなバッフル板を配設し、冷却材の上向きの流れを燃料集合体に集中させるというものである。バッフル板は水平で形状が不規則なフォーマ板によって所定位置に保持され、そのフォーマ板は長手方向バッフル板と炉心槽との間で、それらにボルトで固定される。フォーマ板に開けられた孔を介して、長手方向バッフル板と炉心槽との間のほぼ環状の空間を流れる限られた量の冷却材の流れは、それら機器を冷却するとともに、長手方向バッフル板の両側の圧力を均等にすることができる。
【0004】
垂直なバッフル板の元来の目的は原子炉冷却材をして燃料集合体を貫流させることにあるが、バッフル板は中性子をある程度周縁の燃料集合体の方に反射することが認識されている。しかし、こうしたバッフル板は比較的薄いため、炉心から径方向に漏れる中性子の大半はバッフル板と炉心槽との間の大量の水の中へ移動し、その水がそれらの中性子を吸収するか、熱中性子化するため、反射する中性子はごくわずかである。
【0005】
径方向反射体は、出力運転時に中性子線を原子炉容器内部の炉心活性領域に跳ね返して原子炉の効率を改善し、原子炉容器を多年にわたる出力運転時の中性子線照射による脆化から保護するように設計されている。
【0006】
世界中で原子炉が高経年化するにつれて、容器壁を照射からより効果的に遮蔽して原子炉容器の寿命を延ばすことによってプラント許認可期間延長の要件を満たすことが現在必要とされている。さらに、所望の運転寿命を達成するために原子炉容器の壁のより効果的な遮蔽を必要とする、ますます大型化する炉心を備えた新しい原子炉の設計が進行中である。
【0007】
そのため、本発明の目的の1つは、原子炉容器の寿命を延長するために容器壁を照射からより効果的に保護する設計の径方向反射体を提供することにある。
【0008】
本発明のさらなる目的は、経済的に製造することができ、好ましくは既存の原子炉に、新しい基準に適合するように組み込み可能な設計の新しい径方向反射体を提供することにある。
【0009】
さらに、本発明のもう1つの目的は、原子炉容器サイズの増加を最小限に抑えながら、これまでよりも大きな炉心に適合できる設計の径方向反射体を提供することにある。
【発明の概要】
【0010】
これらおよびそれ以外の目的は、円筒形の炉心槽が原子炉圧力容器内に当該
原子炉圧力容器の内壁から離隔して支持され、当該炉心槽の中心軸が当該圧力容器の中心軸と実質的な同軸関係にある原子炉を提供する本発明により達成される。燃料集合体アレイを形成する複数の燃料集合体より成る炉心は、炉心槽内に、当該炉心槽から離隔して支持される。炉心槽と燃料集合体アレイとの間に支持されるシュラウドは、外側輪郭が当該炉心槽の内側輪郭に実質的に適合し、内側輪郭が当該燃料集合体アレイの外側輪郭に実質的に適合し、内部が中空である。中性子反射体は、シュラウドの当該中空内部に密集した状態で配設された軸方向に延びる長尺ロッドのアレイより成る。
【0011】
一実施形態において、シュラウドは、炉心槽の間隔をあけた複数の高さ位置において、当該炉心槽の内面に実質的に固定され、当該内面から延びる、縦列で離隔したアレイ状のフォーマ板を含む。シュラウドは、実質的に当該フォーマ板同士の間を軸方向に延びるバッフル板も含む。バッフル板は当該シュラウドの内側輪郭を実質的に形成する。中性子反射体の長尺ロッドは、当該バッフル板と当該炉心槽との間において、当該フォーマ板間を軸方向に延び、第1および第2の端部でフォーマ板に固定される。好ましくは、長尺ロッドの第1および第2の端部は長尺ロッドの軸方向中央部分に対して縮径されている。望ましくは、第1および第2の縮径端部はフォーマ板の開口に嵌入する。好ましくは、長尺ロッドは実質的に丸形断面を有し、隣接するロッドのそれぞれと当該隣接
するロッドの外周の一部の周りで軸方向に接触するが、当該隣接
するロッドの外周の別の部分の周りでは当該隣接
するロッドから離隔するように密集して配置されるため、当該隣接
するロッドの当該別の部分に沿って軸方向に延びる冷却材チャネルが形成される。フォーマ板の流孔は当該冷却材チャネルと一直線に並び、長尺ロッドの当該第1および第2の端部は当該フォーマ板の開口に固定される。望ましくは、長尺ロッドの当該第1および第2の端部は当該フォーマ板の当該開口に溶接される。別の実施態様では、長尺ロッドの少なくとも一部の当該縮径端部と中央部分との間の移行部は斜面を形成し、それに対応する流孔の直径は一直線に並んだ冷却材チャネルの直径よりも大きい。
【0012】
好ましくは、最低高さ位置にある当該フォーマ板の間を延びる当該長尺ロッドの少なくとも一部は、当該最低高さ位置の当該長尺ロッドよりも上の高さ位置にある当該フォーマ板の間を延びる他の長尺ロッドと一直線に並ぶ。一実施態様では、当該一直線に並ぶ長尺ロッドは縦列で互いに離隔したフォーマ板のうちの少なくとも5つのフォーマ板の間を延び、当該一直線に並ぶ長尺ロッドの直上の上部フォーマ板と、当該一直線に並ぶ長尺ロッドの直下の下部フォーマ板とはそれぞれ一枚分の厚さを有し、縦列の中間高さ位置にある一連の当該フォーマ板は一枚分の倍の厚さを有する。一実施態様では、当該中間高さ位置にある一連のフォーマ板が背中合せに重ねられた2つのフォーマ板より成る。さらに別の実施態様では、当該中性子反射体は軸方向に重ねられた一連の長尺ロッドモジュールより成り、各モジュールはフォーマ板によって両端部を支持された複数の長尺ロッドセグメントにより構成される。さらに別の実施態様では、長尺ロッドの少なくとも一部が当該モジュール間を延びてそれらを連結する。
【0013】
もう1つの実施形態では、当該長尺ロッドは下部フォーマ板から上部フォーマ板まで延び、当該下部フォーマ板は燃料集合体をその上に支持する下部炉心支持板の上方において当該下部炉心支持板から離隔され、当該上部フォーマ板は燃料集合体を拘束する上部炉心板から離隔されている。当該上部炉心板と当該上部フォーマ板との間の空間は、炉心槽を貫通する入口オリフィスを有する上部冷却材プレナムを形成し、当該下部炉心支持板と当該下部フォーマ板との間の空間は、バッフル板の下部を貫通する出口オリフィスを有する下部冷却材プレナムを形成する。このため、冷却材は炉心槽から当該入口オリフィスを通って当該上部冷却材入口プレナムへ流入し、当該フォーマ板を通り抜けて当該長尺ロッドの周りを通ることにより当該
中性子反射体を冷却し、さらに当該下部冷却材プレナムへ流入した後、出口オリフィスを介して炉心へ流入する。
【0014】
あるいは、長尺ロッド沿いの流れを逆の上向きにすることもできる。この後者の構成では、流れは炉心底部で下部フォーマ板と下部炉心支持板との間の下部プレナムに入り、フォーマ板を通り抜け長尺ロッドの周りを通って上部冷却材プレナムに入り、そこで反射体から出て、炉心出口で冷却材の主流路と合流する。
【0015】
一実施形態では、長尺ロッドは三角ピッチ状に支持される。別の実施形態では、長尺ロッドは方形ピッチ状に支持される。望ましくは、フォーマ板は、炉心の外周を周方向に延びる、例えば8つのセクションより成る。
【0016】
本発明の詳細を、好ましい実施形態を例にとり、添付の図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明を適用できる原子炉システムの簡単な概略図である。
【0018】
【
図2】典型的な加圧水型原子炉の原子炉容器および炉内機器の立面図(一部は断面)である。
【0019】
【
図3】先行技術の加圧水型原子炉下部炉内構造物の一部の拡大立面図であって、炉心、炉内構造物および圧力容器の一部を示す。
【0020】
【
図4】先行技術のバッフル/フォーマ構造の部分平面図である。
【0021】
【
図5】本発明の一実施形態の重材料反射体が組み込まれたバッフル/フォーマ構造の平面図である。
【0022】
【
図6】長尺ロッドの断面図であり、本発明の一実施形態の重材料反射体が組み込まれた炉心シュラウドのフォーマ板の1セグメントを示す。
【0023】
【
図7】
図6に示したフォーマ板から軸方向に延びる炉心バッフル板の平面図である。
【0024】
【
図8】
図6のA−A線に沿う炉心シュラウドの断面図である。
【0025】
【
図9】
図8のB−B線に沿う炉心シュラウドの断面図である。
【0026】
【
図10】
図5のC−C線に沿う炉心シュラウドの断面図である。
【0027】
【
図10A-10B】それぞれ、
図10に示した炉心槽とフォーマ板との間およびフォーマ板とバッフル板との間の内部結合部のあたりを拡大して示す。
【0028】
【
図10C】
図10に示した炉心シュラウドの断面図に対応する別の一実施形態を示す断面図である。
【0029】
【
図11】方形ピッチで支持された本発明の長尺反射体ロッドの一実施形態の平面図である。
【0030】
【
図12】三角ピッチで支持された本発明の第2の実施形態の長尺反射体ロッドの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図面を参照しながら説明する。
図1は、炉心8を閉じ込めるための蓋体6を備えるほぼ円筒形の原子炉圧力容器4を含む原子炉一次系2を単純化して示したものである。水など、液体の原子炉冷却材は、ポンプ10によって容器4内に圧送され、炉心8を通り抜けて熱エネルギーを吸収し、典型的には蒸気発生器と呼ばれる熱交換器12で熱エネルギーを放出するが、その熱エネルギーはその蒸気発生器から蒸気駆動タービン発電機などの使用回路(図示せず)に運ばれる。その後、原子炉冷却材はポンプ10に戻されて一次ループが完結する。典型的には、原子炉冷却材配管14によって1つの原子炉容器4に上述のループが複数接続されている。
【0032】
従来設計の原子炉を
図2、3および4にさらに詳しく示す。ともに垂直かつ平行に延びる複数の燃料集合体16からなる炉心8に加えて、その他の炉内構造物は、説明の目的で、下部炉内構造物18と上部炉内構造物20とに分けることができる。従来の設計では、下部炉内構造物は、炉心機器と計装の支持、整列および案内機能とともに、容器内の流れに方向を与える役割を持っている。上部炉内構造物は、燃料集合体16(
図2および3では、単純化のため、そのうち2体のみを示す)を拘束し、またはそれらに対して二次的な拘束手段を提供するとともに、計装および制御棒等の機器を支持し、案内する。
【0033】
図2および3に示す代表的な原子炉では、冷却材は1つまたはそれ以上の入口ノズル22から容器4に流入し、炉心槽24の周りを下方に流れた後、下部プレナム26内で180°向きを変え、下部支持板50を下から上に通り抜け、さらに燃料集合体16が載せられている下部炉心板28を通った後、集合体の間を通り抜ける。炉心およびその周辺区域を通る冷却材の流量は通常、毎分400,000ガロン(25.24立方メートル/秒)前後と、大きなものであり、流速はおよそ毎秒20フィート(毎秒6.1メートル)である。それに伴う圧力降下と摩擦力によって燃料集合体16は持ち上げられそうになるが、その集合体は、円形上部炉心板30を含めた上部炉内構造物20によって拘束される。炉心8を出た冷却材は上部炉心板30の下面に沿って流れ、さらに複数の孔部32を通って上向きに流れる。冷却材はさらに上向きおよび径方向に流れ、1つ以上の出口ノズル34に到達する。
【0034】
上部炉内構造物20は原子炉容器4または容器蓋体6から支持することができ、上部支持アセンブリ36を含む。荷重は上部支持アセンブリ36と上部炉心板30との間で主として複数の支柱38によって伝達される。支柱は、特定の燃料集合体16および上部炉心板の孔部32の上方でそれらと一直線に並んでいる。
【0035】
直線的に移動可能な制御棒は、典型的には駆動軸40と中性子吸収棒のスパイダアセンブリとを備えており、それらは制御棒案内管42により上部炉内構造物20の中を燃料集合体16内へ案内される。案内管42は上部支持アセンブリ36にしっかりと取り付けられ、さらに上部炉心板30の頂部に割ピンの圧力ばめによって結合される。
【0036】
現在、炉心8は、
図2および3を見るとわかるように、典型的には一連の垂直なバッフル板44によって囲われ、バッフル板44は該バッフル板44と原子炉容器炉心槽24との間に結合された水平なフォーマ板46に取り付けられているが、この2つの図の間では図示のフォーマ板の数がわずかながら異なっており、その数は炉心の高さに一部依存する。
図3は、バッフル/フォーマ/燃料集合体(44、46、16)の各要素を収めた典型的な圧力容器4の立面図であり、上部炉心板30、下部炉心支持板28、円筒形熱遮蔽体48および下部支持板50も示している。
【0037】
図4は、バッフル板44について、フォーマ板46について、さらにはバッフル板をフォーマ板に、また、フォーマ板を炉心槽にそれぞれ取り付ける留め具54および52について、よくわかるようにした部分平面図である。
図2および3に示すような従来型の設計では、典型的には7つないし8つの高さ位置にフォーマ板46が存在する。典型的なねじ穴が、フォーマ板46を炉心槽24に固定するねじ留め具52を受ける。
図4を見るとわかるように、炉心8の外周は従来型のステップ(階段)状パターンであるが、従来設計の標準バッフル/フォーマ/熱遮蔽構造が、プラントの運転寿命を長くする大型炉心に適合するように径方向炉心反射体構造で置き換えられるので、このパターンが、依然として、新たに設計される加圧水型原子炉の「炉心を取り囲む幾何学的形状」であることに変わりはない。本発明は、(i)従来型/バッフル/フォーマ構造と組み合わせて炉心が完全に取り囲まれるようにするセグメント化された炉心反射体構造および、(ii)製造コストを抑えた炉心全体にわたる重材料反射体構造を共に提供するものである。
【0038】
従来の重材料反射体構造では、幾つもの大型鍛造品にガンドリルで数千の冷却孔を開ける必要があった。本発明は、製造に伴うコストを大幅に低減することができる加圧水型原子炉用の重材料径方向中性子反射体構造を提供するものである。以下に特許を請求する発明によれば、要求される反射体の幾何学形状は、溶接した棒材および板材のみを使用して実現することができる。本発明は、複数の丸棒材を三角または方形のアレイ構成とすることで、中性子を効率的に反射させて炉心内に戻すために必要な金属密度を実現する。アレイを形成するよう密集させた丸棒の間に自然に形成されるチャネルを利用して必要な冷却を行う。
【0039】
図5は、本出願の設計を採り入れた炉心の平面図である。フォーマ46は炉心8を囲む複数のセグメント58として構成され、それぞれのフォーマセグメント58は継ぎ目56によって分かれている。フォーマセグメント58は対応する反射体セグメント64(
図10に示すもの)の一部を形成し、各反射体セグメント64は、
図6、8および10に示すように、反射体モジュール60を縦列アレイ状に並べたものである。各反射体モジュール60は、
図8に示すように、一連の長尺ロッド62を密集させ、両端をフォーマ板46に固定したものである。その上で、
図10に示すように、各モジュールを縦列を形成するように積み上げて外周反射体セグメント64を形成する。
図8は、
図6のA−A線に沿う断面図である。
【0040】
アレイを形成するよう間隔を密にした長尺丸形ロッド62は、炉心のサイズに依存する適正レベルの反射率と冷却が得られるように様々な直径および間隔にすることができる。丸形ロッド62は隣接するロッド間に自然な冷却チャネルが形成されるように間隔を密にすることが好ましく、
図12に示すような三角ピッチ、または
図11に示すような方形ピッチのいずれかに構成することができる。冷却チャネルを形成するロッド間の隙間は、
図9、11および12では参照符号66によって表している。
【0041】
長尺ロッド62を形成するそれぞれの棒材は、長尺ロッド62の両端に縮径部を有するため、棒を十分に密集させても、2つの構成要素、すなわちフォーマ板と長尺ロッドとの間の構造溶接部70のためにフォーマ板46の材料を十分に確保しながら冷却チャネルを形成することができる。フォーマ板は、燃料と炉心槽との間に形成される隙間に嵌入するように板材を機械加工して製作し、棒材および板材はステンレス鋼であることが望ましい。中間のフォーマ板74は複数の小さめの板を溶接によってつなぎあわせたものであり、その板には、そのいずれかの側から延びる長尺丸形ロッド62の先細端部68を受けるための孔72が穿孔されている。溶接70は、フォーマ板46と丸形ロッド62との間に施される。フォーマ板46と丸形ロッド62との間の溶接部は、フォーマ板の裏側からアクセスすることができる。フォーマ板46は、隣接する棒62同士によって形成される冷却チャネル66と一直線に並ぶように穿孔された孔76も有しており、一次冷却材がフォーマ板を通して流れることができる。
図10Bに示すように、ロッド62の軸方向中央部と先細端部68との間に斜面86がある場合には、フォーマ板46の孔76を広げることで冷却材の流れに対する抵抗を減らすことができる。
【0042】
図10を見るとわかるように、炉心槽に穿孔された入口開口78は、炉心槽の外側から流入する原子炉冷却材を上部炉心板30と上部フォーマ板46との間の入口プレナム80に運び込む。冷却材はその後、プレナム内で向きを変え、下向きの方向を与えられてフォーマ板冷却孔76および冷却チャネルギャップ66を通り抜ける。冷却材は、反射体セグメント64から出て、下部フォーマ板46と下部炉心支持板28との間の下部プレナム82に入る。冷却材はバッフル流孔84を通って炉心8に流入するため、反射体セグメント64から出た冷却材はそこで下部炉心支持板28を通って上向きに流れる他の冷却材と合流し炉心内を上向きに流れる。
【0043】
図10Cに示す別の実施形態では、長尺ロッド62沿いの流れを
図10に示したものとは反対の上向きにすることができるが、そこでは、流れは炉心槽を貫く(あるいは、それに対向する側のバッフル板を貫く)入口84から炉心底部の下部プレナム82に入り込み、炉心出口にある出口孔78を通って冷却材の主流路に合流する。
【0044】
図10Aおよび10Bに示すように、フォーマ板46とバッフル板44との間には構造溶接部70が形成される。さらに、1つのレベルの反射体モジュールの上部フォーマ板と次のレベルの反射体モジュールの下部フォーマ板との間にも構造溶接部70が形成される。別法として、フォーマ板を、
図4に示すようなネジ留め具を用いて炉心槽およびバッフル板に固定することもできる。もう1つの別法として、中間のフォーマ板46を、上部および下部フォーマ板に溶接などによって固定された選択した数の全長ロッド88によって隣接するフォーマ板に固定することもできる。
【0045】
長尺ロッドの直径をほぼ同一とした場合、
図12に示す三角ピッチでは水対鋼の面積比率が約9.3%、
図11に示す方形ピッチでは水対鋼の比率が約21.5%である。炉心のサイズおよびガンマ線加熱の補償に必要な水による冷却量に合わせるように、ロッドの幅を変更すればよいことはすでに述べたとおりである。かくして、本発明は、厚さが30インチにもなる中実の鍛造板を燃料と炉心槽との間の隙間に合うように機械加工したり、何千もの冷却孔を穿孔したりする作業を不要にする。したがって、効果的な反射体をはるかに安価に提供することができる。
【0046】
本発明の特定の実施形態について詳しく説明してきたが、当業者は、本開示書全体の教示するところに照らして、これら詳述した実施態様に対する種々の変更および代替への展開が可能である。したがって、ここに開示した特定の実施態様は説明目的だけのものであり、本発明の範囲を何らも制約せず、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲に記載の全範囲およびその全ての均等物である。