(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236465
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】温度安定性クロキントセット−メキシル水性組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 25/30 20060101AFI20171113BHJP
A01N 25/32 20060101ALI20171113BHJP
A01N 25/04 20060101ALI20171113BHJP
A01N 43/90 20060101ALI20171113BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20171113BHJP
A01N 43/40 20060101ALN20171113BHJP
A01N 47/36 20060101ALN20171113BHJP
【FI】
A01N25/30
A01N25/32
A01N25/04 102
A01N43/90 105
A01P13/00
!A01N43/40 101H
!A01N47/36 101E
【請求項の数】34
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-549730(P2015-549730)
(86)(22)【出願日】2013年12月19日
(65)【公表番号】特表2016-501910(P2016-501910A)
(43)【公表日】2016年1月21日
(86)【国際出願番号】US2013076668
(87)【国際公開番号】WO2014100465
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2016年12月13日
(31)【優先権主張番号】61/745,110
(32)【優先日】2012年12月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501035309
【氏名又は名称】ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100139310
【弁理士】
【氏名又は名称】吉光 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100128761
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ホプキンス,デレク ジェー.
【審査官】
伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】
特表2007−511537(JP,A)
【文献】
特表2004−513115(JP,A)
【文献】
特表2009−544713(JP,A)
【文献】
特表2010−508241(JP,A)
【文献】
特表2013−527166(JP,A)
【文献】
特表2013−506630(JP,A)
【文献】
特表2004−513129(JP,A)
【文献】
特表2004−523491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 25/30
A01P 13/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水和クロキントセット−メキシルの水性懸濁液の結晶成長を抑制する方法であって、
水和クロキントセット−メキシルの水性懸濁液を、牛脂アミンアルコキシレート、ココアミンアルコキシレート、およびこれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤に接触させて、安定化された組成物を生成することを含む方法。
【請求項2】
水和クロキントセット−メキシルの水性懸濁液を安定化させる方法であって、
水和クロキントセット−メキシルの水性懸濁液を、牛脂アミンアルコキシレート、ココアミンアルコキシレート、およびこれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤に接触させて、安定化された組成物を形成することを含み、
前記安定化された組成物が30℃以上の温度で安定している、方法。
【請求項3】
前記安定化された組成物が、30℃〜45℃の温度で安定している、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記安定化された組成物が、少なくとも1年間、30℃から45℃の温度で安定している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記界面活性剤がエトキシ化されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記界面活性剤が、平均で10〜20モルのエチレンオキシドを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記界面活性剤が、平均で12〜15モルのエチレンオキシドを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記安定化された組成物が、農薬をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記農薬が、クロジナホップ−プロパギル、フルピルスルフロン、ピロキシスラム、および4−アミノピコリン酸系除草剤からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記農薬がピロキシスラムを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
水和クロキントセット−メキシルと前記農薬との重量比が、1:1〜9:1である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記安定化された組成物が、150g/L〜225g/Lの水和クロキントセット−メキシルを含む、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記安定化された組成物が、前記安定化された組成物の物理的安定性および分散を促進するために有効な量の追加的な界面活性剤をさらに含む、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
水和クロキントセット−メキシルの安定化された水性組成物を作製する方法であって、
無水クロキントセット−メキシルを、水および湿潤界面活性剤を含む水性組成物と混合して、水性クロキントセット−メキシル組成物を形成することと;
無水クロキントセット−メキシルの少なくとも95%を水和クロキントセット−メキシルに変換することと;
牛脂アミンアルコキシレート、ココアミンアルコキシレート、またはこれらの組み合わせを含む安定化界面活性剤を、水性の水和クロキントセット−メキシル組成物と混合することと;
得られる生成物を粉砕することと
を含む方法。
【請求項15】
前記安定化界面活性剤がエトキシ化されている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記安定化界面活性剤が、平均で10〜20モルのエチレンオキシドを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記安定化界面活性剤が、平均で12〜15モルのエチレンオキシドを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
農薬を、得られた生成物と合わせる、請求項14〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記農薬が、クロジナホップ−プロパギル、フルピルスルフロン、ピロキシスラム、および4−アミノピコリン酸系除草剤からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記農薬がピロキシスラムを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
水和クロキントセット−メキシルと前記農薬との重量比が、1:1〜9:1である、請求項18〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記安定化された組成物が、150g/L〜225g/Lの水和クロキントセット−メキシルを含む、請求項18〜21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記組成物の物理的安定性および分散を促進するために有効な量の追加的な界面活性剤を添加することをさらに含む、請求項14〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
水和クロキントセット−メキシルと;
牛脂アミンアルコキシレート、ココアミンアルコキシレート、またはこれらの組み合わせを含む界面活性剤と;
水と
を含む温度安定性水性組成物。
【請求項25】
懸濁状濃縮物である、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記界面活性剤がエトキシ化されている、請求項24〜25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
前記界面活性剤が、平均で10〜20モルのエチレンオキシドを含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記界面活性剤が、平均で12〜15モルのエチレンオキシドを含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項29】
農薬をさらに含む、請求項24〜28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
前記農薬が、クロジナホップ−プロパギル、フルピルスルフロン、ピロキシスラム、および4−アミノピコリン酸系除草剤からなる群から選択される、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
前記農薬がピロキシスラムを含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項32】
水和クロキントセット−メキシルと前記農薬との重量比が、1:1〜9:1である、請求項29〜31のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
150g/L〜225g/Lの水和クロキントセット−メキシルを含む、請求項29〜32のいずれかに記載の組成物。
【請求項34】
前記組成物の物理的安定性および分散を促進するために有効な量の追加的な界面活性剤をさらに含む、請求項24〜33のいずれかに記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその開示が本明細書に明確に組み込まれている、2012年12月21日に出願された米国仮特許出願第61/745,110号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
クロキントセット−メキシル(CQCM)は、作物への薬害を軽減するために、除草剤とともに使用される薬害軽減剤である。水性クロキントセット−メキシル分散物の懸濁状濃縮製剤は、除草剤と薬害軽減剤との混合物を作物に施用するのに望ましい。水性環境で製剤化される場合、クロキントセット−メキシルは水和され、針状結晶を形成する。これらの水和クロキントセット−メキシル懸濁状濃縮製剤は、25℃以上の温度での貯蔵において不安定となる可能性があり、粗い結晶成長および凝集がもたらされる。さらに、油性分散物および水分散性顆粒などの非水性クロキントセット−メキシル製剤は、限られた負荷許容能力、高い製造コスト、ならびに、中程度の希釈特性および容器内混和性を有する。
【発明の概要】
【0003】
温度安定性水性の水和クロキントセット−メキシル懸濁組成物ならびにそれらの調製方法および使用方法が記載される。温度安定性水性組成物は、水和クロキントセット−メキシル、安定化界面活性剤および水を含む。安定化界面活性剤は、牛脂アミンアルコキシレート、ココアミンアルコキシレート、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、界面活性剤はエトキシ化されている。界面活性剤は、平均で10〜20モルのエチレンオキシド(例えば、平均で12〜15モルのエチレンオキシド)を含み得る。組成物は、懸濁状濃縮物であり得る。
【0004】
組成物は、農薬をさらに含み得る。農薬は、クロジナホップ−プロパギル、フルピルスルフロン、ピロキシスラム、および4−アミノピコリン酸系除草剤からなる群から選択され得る。いくつかの実施形態において、水和クロキントセット−メキシルと農薬との重量比は、1:1〜9:1である。いくつかの実施形態において、組成物は、150g/L〜225g/Lの水和クロキントセット−メキシルを含む。
【0005】
いくつかの実施形態において、組成物は、湿潤界面活性剤などの1つまたは複数の追加的な界面活性剤をさらに含み得る。1つまたは複数の追加的な界面活性剤は、組成物の物理的安定性および分散を促進するために、任意選択で組成物に添加され得る。
【0006】
水和クロキントセット−メキシルの水性懸濁液の結晶成長を抑制する方法もまた記載される。該方法は、水和クロキントセット−メキシルの水性懸濁液を、牛脂アミンアルコキシレート、ココアミンアルコキシレート、およびこれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤に接触させて、安定化された組成物を生成することを含み得る。水和クロキントセット−メキシルの水性懸濁液を安定化させる方法もまた記載される。該方法は、水和クロキントセット−メキシルの水性懸濁液を、牛脂アミンアルコキシレート、ココアミンアルコキシレート、およびこれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤に接触させて、安定化された組成物を形成することを含み得、ここで、安定化された組成物は、30℃以上の温度で安定している。本明細書で記載される方法において、安定化された組成物は、30℃〜45℃の温度で安定であり得る。いくつかの実施形態において、安定化された組成物は、少なくとも1年間、高温で安定であり得る。
【0007】
本明細書でさらに記載されるのは、水和クロキントセット−メキシルの安定化された水性組成物を作製する方法である。該方法は、無水クロキントセット−メキシルを、水および湿潤界面活性剤を含む水性組成物と混合して、水性の水和クロキントセット−メキシル組成物を形成すること、無水クロキントセット−メキシルの少なくとも95%を水和クロキントセット−メキシルに変換すること;牛脂アミンアルコキシレート、ココアミンアルコキシレート、またはこれらの組み合わせを含む安定化界面活性剤を、水性の水和クロキントセット−メキシル組成物と混合すること;ならびに、得られる生成物を粉砕することを含み得る。
【0008】
1つまたは複数の実施形態の詳細が、以下の発明を実施するための形態において記載される。他の特徴、目的および利点は、発明を実施するための形態および特許請求の範囲から明らかとなろう。
【0009】
水和クロキントセット−メキシル(CQCM)を含有する温度安定性水性懸濁組成物およびそれらの調製方法が、本明細書に記載される。組成物は、クロキントセット−メキシル、界面活性剤および水を含む。界面活性剤は、牛脂アミンアルコキシレート、ココアミンアルコキシレート、またはこれらの組み合わせを含む。
【0010】
クロキントセット−メキシルは農薬と組み合わせて施用される薬害軽減剤であり、米、禾穀(cereal)および小麦などの作物に対する薬害を軽減するのに有用である。いくつかの実施形態において、クロキントセット−メキシルは、作物における解毒薬または拮抗薬として作用し、作物への被害を軽減または防止することができる。クロキントセット−メキシルを水と混合して、水性分散物を形成することができる。水と混合すると、クロキントセット−メキシルは水和され、それにより、水和クロキントセット−メキシル構造がもたらされる。本明細書で使用される場合、水和クロキントセット−メキシルは、無水クロキントセット−メキシルの少なくとも95%が水和された構造を指す。例えば、無水クロキントセット−メキシルの少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%(例えば、100%)が水和され、水和クロキントセット−メキシルが形成され得る。水和構造(hydrated structure)は、針状結晶の形態であり得る。
【0011】
上述したように、組成物は、水和クロキントセット−メキシル構造を安定化させる界面活性剤をさらに含む。本明細書で記載されるように、界面活性剤(すなわち、安定化界面活性剤)は、牛脂アミンアルコキシレート、ココアミンアルコキシレート、またはこれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、牛脂アミンアルコキシレートは、牛脂モノアミンアルコキシレート(tallow monoamine alkoxylate)である。いくつかの実施形態において、ココアミンアルコキシレートは、ココモノアミンアルコキシレート(cocomonoamine alkoxylate)である。好適な牛脂アミンアルコキシレートおよびココアミンアルコキシレートは、Akzo Nobel;アムステルダム、オランダから市販されているETHOMEEN T/25、T/15およびC/12界面活性剤を含む。任意選択で、安定化界面活性剤は、エトキシ化され得る。いくつかの実施形態において、安定化界面活性剤は、界面活性剤1モル当たり平均で30モルまでのエチレンオキシド(例えば、平均で2モル〜25モル、5モル〜23モル、10モル〜20モル、または12モル〜15モル)を含み得る。例えば、安定化界面活性剤は、平均で1モルのエチレンオキシド、2モルのエチレンオキシド、3モルのエチレンオキシド、4モルのエチレンオキシド、5モルのエチレンオキシド、6モルのエチレンオキシド、7モルのエチレンオキシド、8モルのエチレンオキシド、9モルのエチレンオキシド、10モルのエチレンオキシド、11モルのエチレンオキシド、12モルのエチレンオキシド、13モルのエチレンオキシド、14モルのエチレンオキシド、15モルのエチレンオキシド、16モルのエチレンオキシド、17モルのエチレンオキシド、18モルのエチレンオキシド、19モルのエチレンオキシド、20モルのエチレンオキシド、21モルのエチレンオキシド、22モルのエチレンオキシド、23モルのエチレンオキシド、24モルのエチレンオキシド、25モルのエチレンオキシド、26モルのエチレンオキシド、27モルのエチレンオキシド、28モルのエチレンオキシド、または29モルのエチレンオキシドを含み得る。
【0012】
組成物は、湿潤界面活性剤などの1つまたは複数の追加的な界面活性剤をさらに含み得る。1つまたは複数の追加的な界面活性剤を、組成物中の水和クロキントセット−メキシルの物理的安定性および分散を促進するために、任意選択でその組成物に添加することができる。例示的な追加的な界面活性剤は、以下に限定されないが、芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩、例えば、リグノスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ならびにジブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩、ならびに、脂肪酸の、アルキルスルホネートおよびアルキルアリールスルホネートの、アルキルスルフェートの、ラウリルエーテルスルフェートおよび脂肪アルコールスルフェートのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩、ならびに、硫酸化ヘキサデカノール、硫酸化ヘプタデカノールおよび硫酸化オクタデカノールの塩、ならびに、脂肪アルコールグリコールエーテルの塩、スルホン化ナフタレンおよびその誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシ化イソオクチル−、オクチル−またはノニルフェノール、アルキルフェニルまたはトリブチルフェニルポリグリコールエーテル類、アルキルアリールポリエーテルアルコール類、イソトリデシルアルコールおよび脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシ化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類またはポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセテート、ソルビトールエステル類、リグノサルファイト廃液、ならびにタンパク質、変性タンパク質、多糖(例えば、メチルセルロース)、疎水性に変性されたデンプン、ポリビニルアルコール、ポリカーボキシレート、ポリアルコキシレート、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドンおよびそれらのコポリマーを含む。いくつかの実施形態において、追加的な界面活性剤は、Akzo Nobelから市販されているMORWET D−425などのナフタレンスルホン酸塩を含む。
【0013】
本明細書に記載の組成物は、農薬をさらに含み得る。本明細書に記載の組成物中に含まれる農薬は、例えば、クロジナホップ−プロパギル、フルピルスルフロン、ピロキシスラムまたは4−アミノピコリン酸系除草剤を含み得る。ハロウキシフェン(halauxifen)およびハロウキシフェン−メチル(halauxifen-methyl)を含む4−アミノピコリン酸系除草剤(4-aminopicolinic acid based herbicides)の例は、Balkoらに対する米国特許第7,314,849号および第7,432,227号に記載されており、参照によりそれらの全体が本明細書によって組み込まれる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物は、ピロキシスラムをさらに含み得る。本明細書に記載の組成物における使用に好適な追加的で例示的な農薬は、2,4−D、アセトクロル(acetochlor)、アクロニフェン(aclonifen)、アミカルバゾン(amicarbazone)、アメトリン(ametryn)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、アミノピラリド(aminopyralid)、アミノシクロピラクロル(aminocyclopyrachlor)、アミノトリアゾール(aminotriazole)、チオシアン酸アンモニウム、アシュラム(asulam)、アニロホス(anilofos)、アトラジン(atrazine)、ベフルブタミド(beflubutamid)、ベナゾリン(benazolin)、ベンタゾン(bentazone)、ビフェノックス(bifenox)、ブロマシル(bromacil)、ブロモキシニル(bromoxynil)、ブタクロール(butachlor)、ブタフェナシル(butafenacil)、ブトラリン(butralin)、ブトロキシジム(butroxydim)、カルベタミド(carbetamide)、カルフェントラゾン(carfentrazone)、カルフェントラゾン−エチル(carfentrazone-ethyl)、クロルメコート(chlormequat)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、クロルトルロン(chlortoluron)、シニドン−エチル(cinidon-ethyl)、クレトジム(clethodim)、クロマゾン(clomazone)、シアナジン(cyanazine)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、シクロキシジム(cycloxydim)、ジカンバ(dicamba)、ジクロベニル(dichlobenil)、ジクロルプロップ(dichlorprop)、ジクロルプロップ−P(dichlorprop-P)、ジクロフォップ−メチル(diclofop-methyl)、ジクロスラム(diclosulam)、ジフルフェニカン(diflufenican)、ジフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、ジメフロン(dimefuron)、ジメタクロール(dimethachlor)、ジクワット(diquat)、ジウロン(diuron)、EPTC、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、フェノキサプロップ(fenoxaprop)、フェノキサプロップ−エチル(fenoxaprop-ethyl)、フェノキサプロップ−エチル+イソキサジフェン−エチル(fenoxaprop-ethyl+isoxadifen-ethyl)、フェノキサプロップ−P−エチル(fenoxaprop-P-ethyl)、フェノキサスルホン(fenoxasulfone)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、フロラスラム(florasulam)、フルアジホップ(fluazifop)、フルアジホップ−P−ブチル(fluazifop-P-butyl)、フルカルバゾン(flucarbazone)、フルカルバゾンナトリウム塩(flucarbazone-sodium)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron;LGC−42153)、フルフェナセット(flufenacet)、フルメツラム(flumetsulam)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルロキシピル(fluroxypyr)、フルロキシピル−メプチル(fluroxypyr-meptyl)、フルルタモン(flurtamone)、ジベレリン酸(gibberellic acid)、グルホシネート(glufosinate)、グルホシネート−アンモニウム(glufosinate-ammonium)、グリフォセート(glyphosate)、ハロキシホップ−メチル(haloxyfop-methyl)、ハロキシホップ−R(haloxyfop-R)、ヘキサジノン(hexazinone)、イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザモックス(imazamox)、イマザピック(imazapic)、イマザピル(imazapyr)、イマザキン(imazaquin)、イマゼタピル(imazethapyr)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、インダノファン(indanofan)、インダジフラム(indaziflam)、ヨードスルフロン(iodosulfuron)、ヨードスルフロン−エチル−ナトリウム塩(iodosulfuron-ethyl-sodium)、イオキシニル(ioxynil)、イソプロツロン(isoproturon)、イソキサベン(isoxaben)、イソキサフルトール(isoxaflutole)、ラクトフェン(lactofen)、リヌロン(linuron)、MCPA、MCPB、メコプロップ(mecoprop)、メコプロップ−P(mecoprop-P)、メソスルフロン(mesosulfuron)、メソスルフロン−エチルナトリウム塩(mesosulfuron-ethyl sodium)、メタゾクロル(metazochlor)、メトスラム(metosulam)、メトリブジン(metribuzin)、メトスルフロン(metsulfuron)、メトスルフロン−メチル(metsulfuron-methyl)、MSMA、1−ナフタレン酢酸(1-napthaleneacetic acid)、ナプロパミド(napropamide)、ノプロパミド−M(nopropamide-M)、ノルフラゾン(norfurazon)、オルソスルファムロン(orthosulfamuron)、オリザリン(oryzalin)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジアゾン(oxadiazon)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、パラコート(paraquat)、ペンジメタリン(pendimethalin)、ペノクススラム(penoxsulam)、ピクロラム(picloram)、ピコリナフェン(picolinafen)、ピノキサデン(pinoxaden)、ピペロホス(piperophos)、プリミスルフロン(primisulfuron)、プロフルアゾール(profluazol)、プロメトン(prometon)、プロパニル(propanil)、プロパキザホップ(propaquizafop)、プロポキシカルバゾン(propoxycarbazone)、プロピザミド(propyzamide)、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、プロスルフロン(prosulfuron)、ピラフルフェン−エチル(pyraflufen-ethyl;ET−751)、ピラスルホトール(pyrasulfotole)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim;LGC−40863)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、キザロホップ−エチル−D(quizalofop-ethyl-D)、キザロホップ−P−エチル(quizalofop-P-ethyl)、キザロホップ−P−テフリル(quizalofop-P-tefuryl)、リムスルフロン(rimsulfuron)、セトキシジム(sethoxydim)、シマジン(simazine)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、スルホメツロン(sulfometuron)、スルホサート(sulfosate)、スルホスルフロン(sulfosulfuron)、テブチウロン(tebuthiuron)、テプラロキシジム(tepraloxidim)、ターバシル(terbacil)、テルブトリン(terbutryn)、チアゾピル(thiazopyr)、チエンカルバゾン−メチル(thiencarbazone-methyl)、チフェンスルフロン(thifensulfuron)、チフェンスルフロン−メチル(thifensulfuron-methyl)、トプラメゾン(topramezone)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリベヌロン(tribenuron)、トリベヌロン−メチル(tribenuron-methyl)、トリアファモン(triafamone)、トリクロピル(triclopyr)およびトリフルラリン(trifluralin)、ならびに農学的に許容される塩、エルテル類、およびこれらの混合物が含まれる。
【0014】
農薬を含有する組成物において、水和クロキントセット−メキシルと農薬との重量比は、1:1〜9:1であり得る。例えば、水和クロキントセット−メキシルと農薬との重量比は、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、5:1、5.5:1、6:1、6.5:1、7:1、7.5:1、8:1、または8.5:1であり得る。該組成物は、150g/L〜225g/Lの水和クロキントセット−メキシルを含み得る。例えば、該組成物は、160g/L〜220g/L、170g/L〜210g/L、または180g/L〜200g/Lの水和クロキントセット−メキシルを含み得る。
【0015】
任意選択で、本明細書に記載の組成物は1つまたは複数の添加剤を含み得る。添加剤は農学的に許容される補助剤を含み得る。例示的な農学的に許容される補助剤は、以下に限定されないが、凍結防止剤、消泡剤、相溶化剤、金属イオン封鎖剤、中和剤および緩衝剤、腐食防止剤、着色料、着臭剤、浸透補助剤、展着剤、分散剤、増粘用剤、凝固点降下剤、抗菌剤、作物油、薬害軽減剤、接着剤(例えば、種子の配合において使用するため)、保護コロイド、 乳化剤、粘着剤、およびこれらの混合物を含む。
【0016】
例示的な増粘剤は、以下に限定されないが、キサンタンガムなどの多糖類、有機および無機の鉱物シート、ならびにこれらの混合物を含む。
【0017】
例示的な消泡剤は、以下に限定されないが、シリコーンエマルション、長鎖アルコール、脂肪酸、脂肪酸塩、有機フッ素化合物、およびこれらの混合物を含む。
【0018】
例示的な抗菌剤は、以下に限定されないが、ジクロロフェンおよびベンジルアルコールヘミホルマール系の殺菌剤、アルキルイソチアゾリノン類およびベンゾイソチアゾリノン類などのイソチアゾリノン誘導体、ならびにこれらの混合物を含む。
【0019】
例示的な凍結防止剤は、以下に限定されないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、尿素、グリセロール、およびこれらの混合物を含む。
【0020】
例示的な着色料は、以下に限定されないが、ローダミンB(Rhodamin B)の名称で知られている染料、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー80、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー13、ピグメントレッド112、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:1、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド53:1、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ5、ピグメントグリーン36、ピグメントグリーン7、ピグメントホワイト6、ピグメントブラウン25、ベイシックバイオレット10、ベイシックバイオレット49、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド14、アシッドブルー9、アシッドイエロー23、ベイシックレッド10、ベイシックレッド108、およびこれらの混合物を含む。
【0021】
例示的な接着剤は、以下に限定されないが、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、チロース、およびこれらの混合物を含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、添加剤は担体を含む。いくつかの実施形態において、添加剤は液体担体を含む。いくつかの実施形態において、添加剤は、有機または無機の担体を含む。例示的な液体担体は、以下に限定されないが、石油留分または鉱油などの炭化水素、芳香族溶媒、パラフィンオイルなど;大豆油、菜種油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、ココナッツ油、コーン油、綿実油、亜麻仁油、パーム油、ピーナッツ油、ベニバナ油、胡麻油、桐油などの植物油;上記の植物油のエステル類;ステアリン酸2−エチルヘキシル、オレイン酸n−ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、ジオレイン酸プロピレングリコール、コハク酸ジオクチル、アジピン酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等の一価アルコール類または二価、三価もしくは他の低級ポリアルコール類(4〜6個のヒドロキシ含有)のエステル類;モノカルボン酸、ジカルボン酸およびポリカルボン酸などのエステル類、トルエン、キシレン、石油ナフサ、作物油、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびジエチレングリコールモノメチルエーテル、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アミルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアルキルアミド、ジメチルスルホキシド、液体肥料など、および水ならびにこれらの混合物を含む。
【0023】
添加剤は固形充填剤も含み得る。例示的な固形充填剤は、以下に限定されないが、シリカ、シリカゲル、ケイ酸塩、タルク、カオリン、石灰石、石灰、チョーク、ボール(bole)、黄土、粘土、白雲石、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、土壌合成材料、パイロフィライト粘土、アタパルガス粘土、珪藻土、炭酸カルシウム、ベントナイト粘土、フラー土、綿実殻、小麦粉、大豆粉、軽石、木粉、クルミ殻粉、リグニン、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素、穀粉、樹皮粉、木粉(wood meal)およびナッツ殻粉(nutshell meal)、セルロース粉末、ならびにこれらの混合物を含む。
【0024】
本明細書に記載の組成物は、水性懸濁状濃縮物(SC)の形態であり得る。本明細書で使用される場合、懸濁状濃縮物は、水相中の1つまたは複数の活性成分の安定した懸濁液を指す。懸濁状濃縮物の性能特性は、注入性、水分散性、懸濁性、粒子径、湿式篩分析、および粘度試験を含む当業者に知られている方法を用いることで決定され得る。
【0025】
水和クロキントセット−メキシルの安定化された水性組成物を作製する方法もまた本明細書に記載される。該方法は、無水クロキントセット−メキシルを、水と湿潤界面活性剤とを含む水性組成物と混合して、水性の水和クロキントセット−メキシル組成物を形成すること、無水クロキントセット−メキシルの少なくとも95%を水和クロキントセット−メキシルに変換すること、牛脂アミンアルコキシレート、ココアミンアルコキシレート、またはこれらの組み合わせを含む安定化界面活性剤を、水性の水和クロキントセット−メキシル組成物と混合すること、および、得られた生成物を粉砕することを含むことができる。
【0026】
混合する工程は、低速せん断撹拌機または高速せん断撹拌機などの混合装置において実施され得る。無水クロキントセット−メキシルは、上述のように、無水クロキントセット−メキシルの少なくとも95%が水和クロキントセット−メキシルに変換されるまで、水、湿潤界面活性剤、および1つまたは複数の追加的な成分と混合され得る。いくつかの例において、該成分は、30分以上混合され得る。例えば、該成分は、40分以上、50分以上、1時間以上、または2時間以上混合され得る。任意選択で、該成分は、低速せん断撹拌機を用いて混合される。
【0027】
水性の水和クロキントセット−メキシル組成物を、その後、本明細書に記載のように、安定化界面活性剤および1つまたは複数の追加的な添加剤と混合し、スラリーを形成することができる。任意選択で、本明細書に記載のような農薬を、クロキントセット−メキシル、安定化界面活性剤、1つもしくは複数の追加的な添加剤、または得られるスラリーと合わせることができる。該スラリーは、その後、例えば、高速せん断撹拌機を用いて混合することができる。得られた混合物を粉砕機(例えば、ビーズミル)を通じて処理し、最終製品を得ることができる。
【0028】
本明細書に記載のように、水和クロキントセット−メキシルの水性懸濁液を安定化界面活性剤に接触させることで、懸濁液中の水和クロキントセット−メキシル粒子の結晶成長が抑制され、水性懸濁液を安定化させることができ、安定化された組成物がもたらされる。安定化された組成物は、周囲温度および高温で安定であり得る。任意選択で、安定化された組成物は、30℃以上、35℃以上、40℃以上、または45℃以上の温度で安定し得る。いくつかの実施形態において、安定化された組成物は、30℃〜45℃、35℃〜50℃、または40℃〜55℃の温度で安定し得る。安定化された組成物は、高温で少なくとも1年間(例えば、少なくとも2年間、少なくとも3年間、少なくとも4年間、または少なくとも5年間)安定し得る。得られた安定化された組成物は、貯蔵後、スプレー施用を含む施用に好適であり得る。
【0029】
本明細書で開示される組成物は、除草剤を施用する任意の既知の手法で施用され得る。例示的な施用手法は、以下に限定されないが、スプレー、噴霧、散粉、展着、または水中への直接施用(水中)を含む。施用方法は、意図された目的に応じて異なり得る。いくつかの実施形態において、施用方法は、本明細書で開示される組成物ができるだけ細かく分散するよう選択され得る。
【0030】
本明細書で開示される組成物は、出芽前(すなわち、望ましくない植物の出芽前)または出芽後(すなわち、望ましくない植物の出芽時および/もしくは出芽後)に施用され得る。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される組成物は、望ましくない植物が葉の成長を開始し、開花に至るまでの出芽後に施用される。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される組成物は、雑草を最大限防除するために、比較的未生長の望ましくない植物に対して出芽後に施用される。いくつかの実施形態において、該組成物が作物に使用される場合、該組成物は、作物植物の播種後または出芽前もしくは出芽後に施用され得る。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される組成物は、既に作物が出芽した場合であっても良好な作物耐性を示し、作物植物の出芽時または出芽後に施用され得る。いくつかの実施形態において、該組成物が作物に使用される場合、該組成物は、作物植物の播種前に施用され得る。
【0031】
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される組成物は、植物もしくは植物付近に施用され、または、土壌もしくは水に施用されて、スプレー(例えば、葉面スプレー)により植物の出芽もしくは生長を防ぐ。いくつかの実施形態において、スプレー手法は、例えば、担体として水を使用し、1ヘクタール当たり10リットル(L/ha)〜2000L/ha(例えば、50L/ha〜1000L/ha、または100L/ha〜500L/ha)の溶液量をスプレーする。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される組成物は、小体積法または極小体積法によって施用され、ここで、施用は微小顆粒の形で行う。本明細書で開示される組成物がいくつかの作物植物ではあまり良好ではない忍容性を示すいくつかの実施形態において、該組成物は、感受性の高い作物植物の葉には、仮に接触するとしても少量であり、地中もしくは露出した土壌に生長する望ましくない植物の葉には到達するように、スプレー器具を用いて施用され得る(例えば、ポストダイレクテッド(post-directed)もしくはレイバイ(lay-by))。
【0032】
本明細書で開示される組成物および方法は、様々な作物および非作物用途において望ましくない植物を防除するために使用され得る。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される組成物および方法は、作物における望ましくない植物を防除するために使用され得る。例示的な作物は、以下に限定されないが、テンサイ;小麦およびコムギ属に属する作物、ライ麦、ライコムギおよび大麦、コーン、オート麦、メイズ、サトウモロコシ、コメ、ならびにサトウキビなどの禾穀類;キャノーラ、ナタネおよびヒマワリなどの油糧種子作物;アブラナ属飼料を含む。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される組成物および方法は、非作物区域において望ましくない植物を防除するために使用され得る。例示的な非作物区域は、以下に限定されないが、芝生、牧草地、休閑地、野生生物管理区域、または放牧地を含む。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される組成物および方法は、工業的植生管理(industrial vegetation management;IVM)において、または、公共施設、パイプライン、沿道、および鉄道用地の各用途のために使用され得る。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される組成物および方法は、林地(例えば、用地整備のため、または植林地での望ましくない植物を駆除するため)においても使用され得る。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される組成物および方法は、保全休耕プログラム農地(conservation reserve program lands;CRP)、水生植物、樹木、つる植物、草原、および種子用に栽培されている草地における望ましくない植物を防除するために使用され得る。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される組成物および方法は、芝地(例えば、住宅地、商業地、施設構内)、ゴルフ場、公園、墓地、運動場および牧草地で使用され得る。本明細書で開示される組成物および方法は、例えば、除草剤、病原体、および/または昆虫に対して耐性のある作物植物においても使用され得る。
【0033】
以下の実施例は、本明細書で記載される方法および組成物のいくつかの態様をさらに説明することが意図されており、特許請求の範囲の範囲を限定することは意図されていない。
【実施例】
【0034】
実施例1
結晶成長を防ぐことおよび水和CQCM(クロキントセット−メキシル)水性懸濁組成物に対して粒径安定性をもたらすことについての評価
例示的な水和CQCM懸濁状濃縮組成物を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
SYNPERONIC 13/6.5は、Croda USA;Edison、NJから市販されている湿潤剤である。DOW CORNING ANTIFOAM 1430は、Dow Corning;Midland、MIから市販されている消泡剤である。RHODOPOL 50MDは、Rhodia;Boulogne−Billancourt、フランスから市販されている増粘剤である。PROXEL GXLは、Arch Biocides;Smyrna、GAから市販されている殺虫剤である。
【0037】
様々な分散剤(表2および3)を含有する水和CQCM組成物の結晶成長抑制と安定性を明らかにするために、短期加速温度スクリーニング試験を行い、水和CQCM組成物にとって好適な安定化界面活性剤を特定した。表2に列挙した分散剤を用いて、表1による組成物を調製した。−10℃または40℃の状態で24時間放置した後、2時間で温度を約−10℃と40℃との間でサイクルさせる(cycle)、凍結/融解(F/T)条件を用いて、短期加速温度安定性試験を行った。8日間の貯蔵後、水和CQCMの結晶成長については顕微鏡を用いて、粒子径変化についてはレーザー回折式粒子径分布測定器を用いて組成物を評価した。結果を表2に示す。粒子径は、ミクロン(μm)単位でD(0.5)およびD(0.9)値として体積平均径として報告されている。
【0038】
【表2】
【0039】
ETHOMEEN T/25、MORWET D425、およびWITCONOL 500LQは、Akzo Nobel;アムステルダム、オランダから市販されている。SYNPERONIC T/908、ATLOX 4913およびATLAS G5000は、Croda USA;Edison、NJから市販されている。SOPROPHOR FLK、SOPROPHOR BSUおよびGEROPON T−36は、Rhodia;Boulogne−Billancourt、フランスから市販されている。BORRESPERSE CAは、Borregaard LignoTech;Sarpsborg、ノルウェーから市販されている。AGRIMER AL10は、Ashland Specialty Ingredients;Wayne、NJから市販されている。AGRIMUL PG2067は、Henkel Corporation;デュッセルドルフ、ドイツから市販されている。
【0040】
表3に列挙した分散剤を用いて、表1による組成物を調製した。−10℃または40℃の状態で24時間放置した後、2時間で温度を約−10℃と40℃との間でサイクルさせる、凍結/融解(F/T)条件を用いて、短期加速温度安定性試験を行った。14日間の貯蔵後、水和CQCMの結晶成長については顕微鏡を用いて、粒子径変化についてはレーザー回折式粒子径分布測定器を用いて組成物を評価した。結果を表3に示す。粒子径は、ミクロン(μm)単位でD(0.5)およびD(0.9)値として体積平均径として報告されている。
【0041】
【表3】
【0042】
ETHOMEEN T/15およびETHOMEEN C/12は、Akzo Nobel;アムステルダム、オランダから市販されている。LUBROL 17A17は、Croda USA;Edison、NJから市販されている。AGNIQUE FOH−181−5およびAGNIQUE FOH 28−7は、BASF Corporation;Florham Park、NJから市販されている。TERMUL 1284は、Huntsman;The Woodlands、TXから市販されている。
【0043】
実施例2
ピロキシスラムを含有する水和CQCM懸濁状濃縮組成物
実施例1において、ETHOMEEN T/25は、結晶成長を抑制することが示された。MORWET D−425は、ある程度の結晶成長抑制を与え、さらには組成物に対して良好な分散特性を与えることが示された。引き続き、(結晶成長を抑制する)ETHOMEEN C/25と(良好な分散特性を与える)MORWET D−425とを含有する水和CQCM懸濁状濃縮組成物を評価した。
【0044】
ETHOMEEN C/25、MORWET D−425およびピロキシスラムを含有する水和CQCM懸濁濃縮組成物を表4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】
容器内で、水、プロピレングリコール、消泡剤および湿潤界面活性剤(SYNPERONIC 13/6.5;Croda USA)を混ぜ合わせることによって水相を形成した。粉末化無水CQCMを水相に添加し、低速せん断タービン型撹拌機で1時間またはCQCMが完全に水和物に変換されるまで混合した。牛脂もしくはココ−アミン15モルエトキシレート(例えば、ETHOMEEN C−25;Akzo Nobel)、およびMORWET D−425(Akzo Nobel)を添加し、高速せん断撹拌機で混合し、その後、表4に示した残りの原材料を添加した。KELZAN Sは、CPKelco;アトランタ、GAから市販されている増粘剤である。次いで、ビーズミルを介してスラリーを処理し、最終製品を得た。実施例1のように、−10℃または40℃の状態で24時間放置した後、2時間で温度を約−10℃と40℃との間でサイクルさせる、凍結/融解(F/T)条件を用いて、短期加速貯蔵試験を行った。ピロキシスラムを含有する組成物のサンプルもまた、CQCMの化学的安定性を評価するために、54℃で2週間貯蔵した。安定性結果を表5に示す。
【0047】
【表5】
【0048】
表4に示す組成物の10Lの製造バッチを調製し、オーストラリアでの実地試用のために送付し、非加熱格納庫内で1年間、−4℃〜43℃の範囲の温度下で貯蔵した。その1年間貯蔵のサンプルは、最初に調製した組成物の保持体サンプルと比べて、特性の変化を示さなかった(表6参照)。
【0049】
【表6】
【0050】
添付の特許請求の範囲の組成物および方法は、本明細書に記載の具体的な組成物および方法によって範囲を限定されておらず、具体的な組成物および方法は、特許請求の範囲のうちの少数の態様の例示として意図されており、機能的に等価である任意の組成物および方法は、特許請求の範囲の範囲内に収まることが意図されている。本明細書で示され、記載されたものに加えて、組成物および方法の様々な変形形態が、添付の特許請求の範囲の範囲内に収まることが意図されている。さらに、本明細書で開示されるいくつかの代表的な組成材料および方法工程のみが具体的に記載されているが、組成材料および方法工程の他の組み合わせもまた、別段の記載がなくても、添付の特許請求の範囲の範囲内に収まることが意図されている。したがって、本明細書において、工程、要素、成分または構成要素の組み合わせが明示的に言及されている場合があるが;しかしながら、工程、要素、成分および構成要素の他の組み合わせは、明示的に言及されていなくても含まれる。本明細書で用いられるように、用語「含む(comprising)」およびその変化形は、用語「含む(including)」およびその変化形と同義に用いられ、排他的ではなく、非限定的な用語である。本明細書において用語「含む(comprising)」および「含む(including)」を用いて、様々な実施形態を説明してきたが、用語「〜から本質的になる(consisting essentially of)」および「〜からなる(consisting of)」は、本発明のより具体的な実施形態を規定し、また開示するために、「含む(comprising)」および「含む(including)」の代用に使用され得る。