特許第6236474号(P6236474)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236474
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】育苗トレイ用播種装置
(51)【国際特許分類】
   A01C 7/04 20060101AFI20171113BHJP
   A01C 7/20 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   A01C7/04 G
   A01C7/20 W
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-8664(P2016-8664)
(22)【出願日】2016年1月20日
(65)【公開番号】特開2017-127239(P2017-127239A)
(43)【公開日】2017年7月27日
【審査請求日】2016年3月30日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年1月13日に、株式会社サカタのタネが、NEWS RELEASEにて、農政クラブ、農林記者会、横浜経済記者クラブに配信した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年1月13日に、株式会社サカタのタネが、リーフレットにて、公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年1月13日に、株式会社サカタのタネが、「サカタフェア2016」にて、展示した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年1月13日に、株式会社サカタのタネが、ウェブサイトで公開されている同社のニュースリリース2016にて、公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】591042403
【氏名又は名称】株式会社サカタのタネ
(73)【特許権者】
【識別番号】000108708
【氏名又は名称】タキゲン製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078950
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 忠
(72)【発明者】
【氏名】石山 正敏
(72)【発明者】
【氏名】後藤 俊栄
【審査官】 小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−016512(JP,U)
【文献】 実開平05−013114(JP,U)
【文献】 実開平06−041409(JP,U)
【文献】 実開平05−080209(JP,U)
【文献】 特開2000−324911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01C 7/00−9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の整列した発芽セルを有する育苗トレイの各セルへ種子を整列させて播き付ける播種装置であって、
表面に種子を吸着保持するように多数の種子吸着孔が整列して形成された吸着板と、この吸着板の背面側に負圧室を形成するように吸着板を保持し制御バルブを介して空気圧装置に接続された吸着盤本体と、当該本体と吸着板の背面との間に介設される支持板と、吸着板を挟んで支持板と対向し吸着板の周縁部を支持板との間で挟持する締め付け枠と、吸着盤本体と締め付け枠との間を開閉自在に締め付けるスナップロックとを具備し、表裏反転自在の吸着盤ユニットと、
架台上に着脱自在に支持され、上部に前記吸着盤ユニットを載せ受け可能で、前記吸着板の表面を下に向けて載せ置かれた吸着盤ユニットから放たれる多数の種子を受け、これを整列させて前記育苗トレイの各セルへ導く種子誘導ユニットと、
前記種子誘導ユニットの下方に位置して前記架台上に水平に支持され、前記育苗トレイを保持し、下方のトレイ差し替え位置と上方の播き付け位置との間を昇降自在のトレイ受けベースと、
前記トレイ受けベースと前記架台との間に設けられ、トレイ受けベースを昇降させる昇降機構と、を具備し、
前記種子誘導ユニットは、下方に位置する水平のノズル保持ベースと、ノズル保持ベースの上方に支柱を介して水平に配置される種子受けベースと、種子受けベースからノズル保持ベースへ種子を誘導するように両ベース間を接続する多数の種子誘導ホースとを具備し、
前記種子受けベースは、前記吸着板の表面に種子を吸着保持した前記吸着盤ユニットが吸着板の表面を下に向けて載置されたとき、当該吸着板と対面し、吸着板に保持された種子を受け入れるように吸着板の種子吸着孔に対応する多数の種子落下孔を具備し、
前記ノズル保持ベースは、前記種子落下孔にそれぞれ前記種子誘導ホースを介して連通し前記育苗トレイの各セルに対応するように整列した多数の播種ノズルを保持し、前記種子受けベースと一体に前記架台に対して着脱自在に設けられ、
前記種子誘導ユニットは、セル数の異なる複数種の前記育苗トレイに対応する複数種のユニットからなり、各ユニットを前記架台上に交換して取り付け可能に設けられ、
前記吸着盤本体は、前記支持板の周縁部に気密に接合する接合部と、この接合部に囲まれた内側にあって支持板との間に前記負圧室を形成する凹部と、位置決め部材とを具備し、
前記吸着板は、前記位置決め部材により前記吸着盤本体に対して位置決めされ、前記複数種の各育苗トレイのセル数に対応する種子吸着孔を有する複数種のものからなり、
前記支持板は前記位置決め部材により前記吸着盤本体に対して位置決めされ、前記本体の接合部に密着する平滑な周縁部と、この周縁部に囲まれた内側に形成され前記吸着板の種子吸着孔に対応しこれよりも大径の多数の接続孔と、これらの接続孔の間にあって吸着板の素地面に密着する平滑な支持面とを具備し、吸着板の種類に対応する複数種のものからなり、
前記締め付け枠は、前記位置決め部材により前記吸着盤本体に対して位置決めされ、前記吸着板の多数の吸着孔を露出させる開口を具備することを特徴とする育苗トレイ用播種装置。
【請求項2】
多数の整列した発芽セルを有する育苗トレイの各セルへ種子を整列させて播き付ける播種装置であって、
表面に種子を吸着保持するように多数の種子吸着孔が整列して形成された吸着板と、この吸着板の背面側に負圧室を形成するように吸着板を保持し制御バルブを介して空気圧装置に接続された吸着盤本体と、当該本体と吸着板の背面との間に介設される支持板と、吸着板を挟んで支持板と対向し吸着板の周縁部を支持板との間で挟持する締め付け枠と、吸着盤本体と締め付け枠との間を開閉自在に締め付けるスナップロックとを具備し、表裏反転自在の吸着盤ユニットと、
架台上に着脱自在に支持され、上部に前記吸着盤ユニットを載せ受け可能で、前記吸着板の表面を下に向けて載せ置かれた吸着盤ユニットから放たれる多数の種子を受け、これを整列させて前記育苗トレイの各セルへ導く種子誘導ユニットと、
前記種子誘導ユニットの下方に位置して前記架台上に水平に支持され、前記育苗トレイを保持し、下方のトレイ差し替え位置と上方の播き付け位置との間を昇降自在のトレイ受けベースと、
前記トレイ受けベースと前記架台との間に設けられ、トレイ受けベースを昇降させる昇降機構と、を具備し、
前記昇降機構は、前記架台に水平に設けられた固定ベースと、当該固定ベース上に設けられた垂直方向のリニアガイドと、当該リニアガイドに昇降自在に支持された水平のシリンダベースと、中間部において固定ベースのねじ孔に垂直に螺挿され上端においてシリンダベースに軸周り回転自在に結合され下端において回転用操作ハンドルを具備するねじ棒と、シリンダベース上に固定され制御バルブを介して空気圧装置に接続された空気圧シリンダと、当該空気圧シリンダから垂直に延出し上端が前記トレイ受けベースに結合されるピストンロッドと、を具備することを特徴とする育苗トレイ用播種装置。
【請求項3】
前記昇降機構は、前記架台に水平に設けられた固定ベースと、当該固定ベース上に設けられた垂直方向のリニアガイドと、当該リニアガイドに昇降自在に支持された水平のシリンダベースと、中間部において固定ベースのねじ孔に垂直に螺挿され上端においてシリンダベースに軸周り回転自在に結合され下端において回転用操作ハンドルを具備するねじ棒と、シリンダベース上に固定され制御バルブを介して空気圧装置に接続された空気圧シリンダと、当該空気圧シリンダから垂直に延出し上端が前記トレイ受けベースに結合されるピストンロッドと、を具備することを特徴とする請求項1に記載の育苗トレイ用播種装置。
【請求項4】
前記架台は、矩形の四隅に配置された第1ないし第4の4つの垂直の支柱を具備し、両側各一対の第1・第2の支柱間及び第3・第4の支柱間に前記種子誘導ユニットの前記ノズル保持ベースを載せ受ける水平の支持部材が架設され、
前記ノズル保持ベースは、矩形の透明板からなり、前記支持部材の一端側である第1及び第3の支柱の上端部において当該支柱に係止具を介して係脱自在に構成されることを特徴とする請求項1に記載の育苗トレイ用播種装置。
【請求項5】
前記吸着盤ユニットの締め付け枠は、前記吸着板の周縁部を囲む矩形枠状で、一部に余剰の種子を枠外へ排出するための切欠部を有し、
前記種子受けベースは、前記締め付け枠の内側に嵌合するように上方へ突出し、嵌合時に前記吸着板の表面に当接し、種子吸着孔に対応する多数の前記種子落下孔を具備することを特徴とする請求項1に記載の育苗トレイ用播種装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、育苗トレイの多数のセルに植物の種子を播きつける播種装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の播種装置として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この播種装置は、種子吸着装置と種子ガイド装置と苗床装置とからなる。種子吸着装置は、種子を吸着する反転可能な種子吸着盤と、種子吸着盤に取付けられた、種子をためるポケット部と、種子吸着盤に連結されたバイブレータと、からなる。種子ガイド装置は、種子吸着装置から吸着を解除されて落下する種子を苗床装置へ誘導する種子誘導ホースと、種子誘導ホースに連通するパイプに上下方向に摺動自在に取付けられた種子飛散防止スリーブと、からなる。育苗装置は、育苗トレイと、育苗トレイを上下させるプラグリフタと、からなる。
特許文献2には、多数の種子吸着孔を有する薄い吸着板と、吸着盤の背後の負圧室と、負圧室に負圧を導くための可撓の負圧ホースと、を有する吸着板装置と、種子吸着孔に吸着されていた種子が吸着を解除されて吸着盤から落下したときに、それを受けてトレイの各区画に導く多数のガイドホースを有するガイド装置とを具備するものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−13114号公報
【特許文献2】実開平4−16512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
育苗トレイは、発芽セルの数と配列の異なる複数種類のものがある。このため、上記従来の播種装置における種子吸着盤や種子ガイド装置は、異なる種類の育苗トレイごとに別構造のものとせざるを得ない。育苗トレイをセット位置と差し替え位置の間で種子ガイド装置に対して上下に移動させるプラグリフタは、育苗トレイのサイズ等に応じてセット位置、差し替え位置を調整する必要がある。
したがって、本発明は、異なる種類の育苗トレイごとに種子吸着盤や種子ガイド装置を容易に変更することができ、またプラグリフタにおけるトレイのセット位置、差し替え位置の調整を迅速かつ正確に行うことができる播種装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、添付図面の符号を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するための、本発明の播種装置1は、表裏反転自在の吸着盤ユニット2と、種子誘導ユニット3と、トレイ受けベース4と、トレイ受けベースの昇降機構5とを具備する。吸着盤ユニット2は、表面に種子を吸着保持するように多数の種子吸着孔12aが整列して形成された吸着板12と、この吸着板12の背面側に負圧室を形成するように吸着板12を保持し制御バルブを介して空気圧装置29に接続された吸着盤本体11と、当該本体11と吸着板12の背面との間に介設される支持板13と、吸着板12を挟んで支持板13と対向し吸着板12の周縁部を支持板13との間で挟持する締め付け枠14と、吸着盤本体11と締め付け枠14との間を開閉自在に締め付けるスナップロック15とを具備する。種子誘導ユニット3は、架台6上に着脱自在に支持され、上部に吸着盤ユニット2を載せ受け可能で、吸着板12の表面を下に向けて載せ置かれた吸着盤ユニット2から放たれる多数の種子を受け、これを整列させて育苗トレイTの各セルへ導く。トレイ受けベース4は、種子誘導ユニット3の下方に位置して架台6上に水平に支持され、育苗トレイTを保持して、下方のトレイ差し替え位置と上方の播き付け位置との間を昇降自在である。昇降機構5は、トレイ受けベース4と架台6との間に設けられる。種子誘導ユニット3は、下方に位置する水平のノズル保持ベース17と、ノズル保持ベース17の上方に支柱18を介して水平に配置される種子受けベース19と、種子受けベース19からノズル保持ベース17へ種子を誘導するように両ベース17,19間を接続する多数の種子誘導ホース20とを具備する。種子受けベース20は、吸着板12の表面に種子を吸着保持した吸着盤ユニット2が、吸着板12の表面を下に向けて載置されたとき、当該吸着板12と対面し、吸着板12に保持された種子を受け入れるように種子吸着孔12aに対応する多数の種子落下孔19bを具備する。ノズル保持ベース17は、種子落下孔19bにそれぞれ種子誘導ホース20を介して連通し育苗トレイTの各セルに対応するように整列した多数の播種ノズル21を保持し、種子受けベース19と一体に架台6に対して着脱自在に設けられる。種子誘導ユニット3は、セル数の異なる複数種の育苗トレイTに対応する複数種のユニットからなり、各ユニットを架台6上に交換して取り付け可能である。吸着盤本体11は、支持板13の周縁部に気密に接合する接合部11aと、この接合部11aに囲まれた内側にあって支持板13との間に負圧室を形成する凹部14aと、接合部11aから起立する複数の位置決めピンのような位置決め部材11cを具備する。吸着板12は、位置決め部材11cにより位置決めされ、複数種の各育苗トレイTのセル数に対応する種子吸着孔12aを有する複数種のものからなる。支持板13は、位置決め部材11cにより位置決めされ、本体11の接合部11aに密着する平滑な周縁部13bと、この周縁部13bに囲まれた内側に形成され吸着板12の種子吸着孔12aに対応しこれよりも大径の多数の接続孔13cと、これらの接続孔13cの間にあって吸着板12の素地面に密着する平滑な支持面13dとを具備し、吸着板12の種類に対応する複数種のものからなる。締め付け枠14は、位置決め部材11cにより位置決めされ、吸着板12の多数の吸着孔12aを露出させる開口14bを具備する。
昇降機構5は、架台6に水平に設けられた固定ベース22と、当該固定ベース22上に設けられた垂直方向のリニアガイド23と、当該リニアガイド23に昇降自在に支持された水平のシリンダベース24と、中間部において固定ベース22のねじ孔22aに垂直に螺挿され上端においてシリンダベース24に軸周り回転自在に結合され下端において回転用操作ハンドル25aを具備するねじ棒25と、シリンダベース24上に固定され制御バルブを介して空気圧装置29に接続された空気圧シリンダ26と、当該空気圧シリンダから垂直に延出し上端がトレイ受けベース4に結合されるピストンロッド27と、を具備するものとすることができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の播種装置1は、吸着盤ユニットの種子吸着板を容易に交換して種類の異なる育苗トレイに迅速に対応することができる。また、種子誘導ユニットを架台に対して着脱し、吸着盤ユニットの変更に容易に対応することができる。
また、トレイ受けベースの播き付け位置と差し替え位置の調整を迅速かつ正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る播種装置における吸着盤ユニットを種子誘導ユニット上に載せた状態の正面図である。
図2図1の播種装置の側面図である。
図3図1の播種装置の平面図である。
図4図1の播種装置における吸着盤ユニットと種子誘導ユニットの一部の断面図である。
図5図1の播種装置における吸着盤ユニットの分解した断面図である。
図6図1の播種装置における吸着盤ユニットの吸着板の表面を上に向けた状態の平面図である。
図7図6におけるVII−VII断面図である。
図8図1の播種装置における種子誘導ユニットの正面図である。
図9図1の播種装置における種子誘導ユニットの平面図である。
図10図1の播種装置における昇降機構の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図3において、播種装置1は、表裏反転自在の吸着盤ユニット2と、種子誘導ユニット3と、トレイ受けベース4と、トレイ受けベース4の昇降機構5とを具備する。種子誘導ユニット3は、架台6の上部に着脱、交換自在に設けられる。トレイ受けベース4は、昇降機構5を介して架台6の下部に昇降自在に設けられる。
【0009】
架台6は、矩形の四隅に配置された第1ないし第4の4つの垂直の支柱7,7,8,8を具備し、両側各一対の第1・第2の支柱7,8間及び第3・第4の支柱7,8間の上部に種子誘導ユニット4を載せ受ける水平の支持部材9が架設され、下部にトレイ受けベース4と昇降機構5とを支持する水平の横桟10が架設される。
【0010】
図5ないし図7に示すように、吸着盤ユニット4は、吸着盤本体11と、吸着板12と、支持板13と、締め付け枠14と、スナップロック15とを具備する。
【0011】
吸着盤本体11は、矩形の支持板13の周縁部にパッキング16を介して気密に接合する接合部11aと、この接合部11aに囲まれた内側にあって、支持板13との間に負圧室を形成する凹部11bと、接合部11aから起立する4つの位置決めピン11cとを具備する。吸着盤本体11の凹部11bは、図示しない制御バルブを介して空気圧装置29の吸引側に接続される。吸着盤本体11の上部には、エアバイブレータ30が固着される。エアバイブレータ30は、図示しない制御バルブを介して空気圧装置29の吐出側に接続される。
【0012】
吸着板12は、矩形の金属薄板からなり、表面に種子を吸着保持するように整列した多数の種子吸着孔12a(図6)と、本体の位置決めピン11cが挿通される4つの位置決め孔12b(図7)を具備する。吸着板12は、セル数の異なる複数種の育苗トレイTの各のセル数に対応する数の種子吸着孔12aを有する複数種のものからなる。
【0013】
支持板13は、本体11と吸着板12の背面との間に介設され吸着板12を支持する。支持板13は、本体11の位置決めピンが挿通される4つの位置決め孔13a(図7)と、本体11の接合部11aにパッキング16を介して密着する平滑な周縁部13bと、その内側の多数の接続孔13cと、接続孔13c間に形成される平滑な支持面13dとを具備する。接続孔13cは、吸着板12の種子吸着孔12aに対応し、これよりも大径である。支持板13は、吸着板12の種類に対応して接続孔13cの数の異なる複数種のものからなる。
【0014】
締め付け枠14は、矩形枠状で、吸着板12を挟んで支持板13と対向し、吸着板12の周縁部を支持板13との間で挟持する。締め付け枠14は、本体の位置決めピン11cが挿通される4つの位置決め孔14a(図7)と、吸着板12の多数の吸着孔12aを露出させる開口14bと、吸着孔12aに吸着されなかった余剰の種子を排出するための切欠部14c(図6)を具備する。
【0015】
図7に示すように、スナップロック15は、締め付け枠14と吸着盤本体11との間に設けられ、両者間を開閉自在に締め付ける。
【0016】
図1図2に示すように、種子誘導ユニット3は、架台6の支持部材9上に着脱自在に支持され、上部に吸着盤ユニット2を載せ受け可能であり、吸着板12の表面を下に向けて載せ置かれたとき、吸着盤ユニット2から放たれる多数の種子を受け、これを整列させて育苗トレイTの各セルへ導く。図8図9に示すように、種子誘導ユニット3は、下方に位置する水平のノズル保持ベース17と、ノズル保持ベース17の上方に4つの支柱18を介して水平に配置される種子受けベース19と、種子受けベース19からノズル保持ベース19へ種子を誘導するように両ベース17,19間を接続する多数の種子誘導ホース20とを具備する。
【0017】
図4図5に示すように、種子受けベース19は、吸着盤ユニット3の締め付け枠14の内側に嵌合する矩形の上方突部19aを有する。上方突部19aは、吸着板12の表面に種子を吸着保持した吸着盤ユニット3が、吸着板12の表面を下に向けて載置されたとき、当該吸着板12と対面し、吸着板12に保持された種子を受け入れるように吸着板の種子吸着孔12aに対応する多数の種子落下孔19bを具備する。
【0018】
ノズル保持ベース17は、透明な樹脂板からなり、図8に示すように、多数の播種ノズル21を保持し、種子受けベース19と一体に架台6に対して着脱自在に設けられる。播種ノズル21は、種子落下孔19bにそれぞれ種子誘導ホース20を介して連通し、育苗トレイTの各セルに対応するように整列する。
【0019】
種子誘導ユニット3は、セル数の異なる複数種の育苗トレイTに対応する複数種のユニットからなり、各ユニットを架台6上に交換して取り付け可能である。
【0020】
図1図2に示すように、トレイ受けベース4は、種子誘導ユニット3の下方に位置し、架台6上に昇降機構5を介して水平に支持される。トレイ受けベース4は、育苗トレイTを保持して、下方のトレイ差し替え位置と上方の播き付け位置との間を昇降自在である。
【0021】
図1図2図10に示すように、昇降機構5は、固定ベース22と、リニアガイド23と、シリンダベース24と、ねじ棒25と、空気圧シリンダ26と、ピストンロッド27と、昇降ベース28とを具備する。
【0022】
固定ベース22は、架台6の横桟10上に水平に設けられる。固定ベース22上に垂直方向のリニアガイド23が設けられる。水平のシリンダベース24が、リニアガイド23に昇降自在に支持される。ねじ棒25は、中間部において固定ベース22のねじ孔22aに垂直に螺挿され、上端においてシリンダベース24に軸周り回転自在に結合され、下端において回転用操作ハンドル25aを具備する。空気圧シリンダ26は、シリンダベース24上に固定され、図示しない制御バルブを介して空気圧装置29に接続される。空気圧シリンダ26から垂直に延出したピストンロッド27の上端がベース28を介してトレイ受けベース4に結合される。
【0023】
播種装置1を用いて育苗トレイTに種子を播きつける手順を説明する。まず、トレイTのセルの配列に対応する吸着盤ユニット2及び種子誘導ユニット3を用意して装置1にセットする。トレイTの高さ寸法に応じ、昇降機構5のねじ棒25を回転させて、トレイ受けベース4が最適な初期高さ位置に来るよう調整する。下位の差し替え位置にあるトレイ受けベース4上の所定位置にトレイTをセットし、昇降機構5を動作させてトレイ受けベース4を播き付け位置まで上昇させる。種子吸着板12の表面を上に向けるように吸着盤ユニット2を配置し、種子吸着板12上に適当量の種子を投入する。エアバイブレータ30を動作させて吸着板12上に種子を拡散させながら、吸着盤ユニット2を真空吸引すると、各吸着孔12aに1粒ずつ種子が吸着する。全吸着孔12aに種子が吸着したことを確認したら、吸着盤ユニット2を傾けて、締め付け枠14の切欠部14cから余剰の種子を排出する。真空吸引を継続しながら、吸着盤ユニット2を反転させ、種子受けベース19の突部19a上にかぶせる。この状態で真空吸引を切ると、種子は自然落下して誘導ホース20、播種ノズル21を経て、育苗トレイTの各セルに収容された培地上に播きつけられる。昇降機構5を動作させてトレイ受けベース4を差し替え位置まで下降させ、トレイTを降ろす。新たなトレイTをトレイ受けベース4に載せて、以上の操作を繰り返す。一連の操作の間、種子誘導ユニット3の下方での工程の進行状況は、透明なノズル保持ベース17を通して上方から観察することができるので、作業を円滑に進めることができる。
【0024】
セルの配列が異なった別のトレイTへの播き付けを行う場合には、種子誘導ユニット3を当該トレイに適合する別のものに置き換える。また、吸着盤ユニット2のスナップロック15を外し、吸着板12と支持板13を新たなトレイTに適合するものに替える。取り替え作業は容易である。
【符号の説明】
【0025】
1 播種装置
2 吸着盤ユニット
3 種子誘導ユニット
4 トレイ受けベース
5 昇降機構
6 架台
7 支柱
8 支柱
9 支持部材
10 横桟
11 吸着盤本体
11a 接合部
11b 凹部
11c 位置決めピン
12 吸着板
12a 吸着孔
12b 位置決め孔
13 支持板
13a 位置決め孔
13b 周縁部
13c 接続孔
13d 支持面
14 締め付け枠
14a 位置決め孔
14b 開口
14c 切欠部
15 スナップロック
16 パッキング
17 ノズル保持ベース
18 支柱
19 種子受けベース
19a 突部
19b 種子落下孔
20 種子誘導ホース
21 播種ノズル
22 固定ベース
23 リニアガイド
24 シリンダベース
25 ねじ棒
25a 操作ハンドル
26 空気圧シリンダ
27 ピストントッド
28 昇降ベース
29 空気圧装置
30 エアバイブレータ
T 育苗トレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10