(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236477
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】点滴スタンド及び点滴スタンド用の電源コンセント
(51)【国際特許分類】
A61J 1/16 20060101AFI20171113BHJP
A61M 5/14 20060101ALI20171113BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
A61J1/16 D
A61M5/14 532
H01R13/52 Z
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-16304(P2016-16304)
(22)【出願日】2016年1月29日
(65)【公開番号】特開2017-131548(P2017-131548A)
(43)【公開日】2017年8月3日
【審査請求日】2016年3月30日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年10月21日に「第11回九州ホスピタルショウ2015」において展示
(73)【特許権者】
【識別番号】516264211
【氏名又は名称】一般財団法人神戸市地域医療振興財団
(73)【特許権者】
【識別番号】000108708
【氏名又は名称】タキゲン製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078950
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 忠
(72)【発明者】
【氏名】加藤 博史
(72)【発明者】
【氏名】後藤 和之
【審査官】
増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】
特開平01−284250(JP,A)
【文献】
特開2015−143452(JP,A)
【文献】
実開平04−049491(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/16
A61M 5/14
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直上下方向に起立し輸液パックが吊り下げられる円柱状の支柱部と、この支柱部の軸線に直交する一方向である前方にプラグの差し込み口を向けて支柱部に固定される電源コンセントとを具備する点滴スタンドであって、
前記電源コンセントは、前記支柱部に固定されるケースと、差し込み口をケース前面側に露出させてケース内に保持されるコンセント本体とを具備し、
前記ケースは、前後方向に順次接合して固定される第1ないし第3の3つの部材を具備し、
前記第1部材は、合成樹脂製で、前記コンセント本体の差し込み口を前方へ露出させるようにコンセント本体の前面側外周に嵌合する矩形の開口を有する前壁部と、前壁部の周縁部から後方へ延出してコンセント本体の四囲を囲む周壁部とを具備し、
前記第2部材は、合成樹脂製で、前端面が前記第1部材の周壁部の後端面に接合され後方へ延出して内側に第1部材と協働して前記コンセント本体を収容する収容空間を形成する周壁部と、周壁部の後部において収容空間を閉じる後壁部と、後壁部から収容空間へ突出しコンセント本体が前傾斜状態でねじ止めされるスタッド部とを具備し、
前記第3部材は、合成樹脂製で、前記第2部材の後壁部との間に前記支柱部を挟むように第2部材の後部に接合固定され、前端面が第2部材の後壁部の周縁部に接合され後方へ延出する周壁部と、周壁部の後端を閉じる後壁部とを具備し、
前記第1部材の前壁部は、前記開口を囲む概略矩形の周辺部と、この周辺部を囲んで前方へ延出するフード部とを具備し、
前記周辺部は、前記コンセント本体の前面と面一となる前傾斜の斜面を有し、
前記フード部は、前記周辺部の上辺から前方へ突出する庇部と、庇部に連続して周辺部の左右側辺から前方へ突出する突縁部とを具備し、
前記第2部材の後壁部は、前記支柱部の前面側半周に嵌合するように前方へ窪んだ嵌合溝部と、この嵌合溝部の両側の垂直平面部とを具備し、
前記垂直平面部には、前記嵌合溝部との間で前記支柱部を締め付けるバンド金具の両端部がねじ止めされ、
前記第3部材は、前記バンド金具の後部を前記バンド金具と共に覆うように前記第2部材の後部に接合固定されることを特徴とする点滴スタンド。
【請求項2】
前記フード部の庇部の前縁には、上方へ立ち上がる水切り突条が形成されることを特徴とする請求項1に記載の点滴スタンド。
【請求項3】
垂直上下方向に起立し輸液パックが吊り下げ具を介して吊り下げられる円柱状の支柱部に、当該支柱部の軸線に直交する一方向である前方にプラグの差し込み口を向けて固定される電源コンセントであって、
前記支柱部に固定されるケースと、差し込み口をケースの前面側に露出させてケース内に保持されるコンセント本体とを具備し、
前記ケースは、前後方向に順次接合して固定される第1ないし第3の3つの部材を具備し、
前記第1部材は、合成樹脂製で、前記コンセント本体の差し込み口を前方へ露出させるようにコンセント本体の前面側外周に嵌合する矩形の開口を有する前壁部と、前壁部の周縁部から後方へ延出してコンセント本体の四囲を囲む周壁部とを具備し、
前記第2部材は、合成樹脂製で、前端面が前記第1部材の周壁部の後端面に接合され後方へ延出して内側に第1部材と協働して前記コンセント本体を収容する収容空間を形成する周壁部と、周壁部の後部において収容空間を閉じる後壁部と、後壁部から収容空間へ突出しコンセント本体が前傾斜状態でねじ止めされるスタッド部とを具備し、
前記第3部材は、合成樹脂製で、前記第2部材の後壁部との間に前記支柱部を挟持するように第2部材の後部に接合固定され、前端面が第2部材の後壁部の周縁部に接合され後方へ延出する周壁部と、周壁部の後端を閉じる後壁部とを具備し、
前記第1部材の前壁部は、前記開口を囲む概略矩形の周辺部と、この周辺部を囲んで前方へ延出するフード部とを具備し、
前記周辺部は、前記コンセント本体の前面と面一となる前傾斜の斜面を有し、
前記フード部は、前記周辺部の上辺から前方へ突出する庇部と、庇部に連続して周辺部の左右側辺から前方へ突出する突縁部とを具備し、
前記第2部材の後壁部は、前記支柱部の前面側半周に嵌合するように前方へ窪んだ嵌合溝部と、この嵌合溝部の両側の垂直平面部とを具備し、
前記垂直平面部には、前記嵌合溝部との間で前記支柱部を締め付けるバンド金具の両端部がねじ止めされ、
前記第3部材は、前記バンド金具の後部を前記バンド金具と共に覆うように前記第2部材の後部に接合固定されることを特徴とする点滴スタンド用電源コンセント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院、介護施設、自宅等において、患者に点滴を行う際等に用いられる点滴スタンド、及び、点滴スタンド用の電源コンセントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
点滴スタンドは、床面上に載置される脚部と、脚部から上下方向に延出する支柱部とを有し、支柱部の上端部に輸液吊り下げ具が取り付けられるのが一般的構成である。このような基本構成を有する点滴スタンド(シリンジポンプ搬送カート)であって、電源コンセントを具えたものが特許文献1に記載されている。このシリンジポンプ搬送カートにおいては、プラグを差し込むための差込口が鉛直下方に向けて配置されると共に、当該差込口を全周に渡って取り囲むように差込口よりも更に下方にまで延在したスカート部を備える。コンセントボックスのプラグ差込口を鉛直下方に向けて配置したことによって、薬液等が飛散しても直接差込口に付着することや遡って侵入することがなく、またスカート部により薬液を遮って、コンセントボックスへの降りかかりを阻止することができる。これにより、薬液等がコンセントボックスへ流れ込んでショートを起こすのを防止するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−104011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のシリンジポンプ搬送カートにおいては、プラグの差し込み口が下方を向いているので、着脱操作が著しく面倒になるという問題点がある。
したがって、本発明の点滴スタンドは、薬液等がコンセントの差し込み口に進入しにくく、かつプラグの着脱操作が容易なものを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、添付図面の符号を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するための、本発明の点滴スタンド1は、垂直上下方向に起立し輸液パックPが吊り下げ具を介して吊り下げられる円柱状の支柱部3と、この支柱部3の軸線に直交する方向である前方にプラグの差し込み口6aを向けて支柱部3に固定される電源コンセント4とを具備する点滴スタンドである。電源コンセント4は、支柱部3に固定されるケース5と、差し込み口6aをケース5の前面側に露出させてケース5内に保持されるコンセント本体6とを具備する。ケース5は、前後方向に順次接合して固定される第1ないし第3の3つの部材7,8,9を具備する。第1部材7は、前壁部10と、周壁部11とを具備する。前壁部10は、コンセント本体6の差し込み口6aを前方へ露出させるように、コンセント本体6の前面側外周に嵌合する矩形の開口10aを有する。周壁部11は、前壁部10の周縁部から後方へ延出してコンセント本体6の四囲を囲む。第2部材は、周壁部12と、後壁部13と、スタッド部15とを具備する。周壁部12は、前端面が第1部材7の周壁部11の後端面に接合され、後方へ延出して内側に、第1部材7と協働してコンセント本体6を収容する収容空間14を形成する。後壁部13は、周壁部12の後部において収容空間14を閉じる。スタッド部15は、後壁部13から収容空間14へ突出し、コンセント本体6が前傾斜状態でねじ止めされる。第3部材9は、第2部材8の後壁部13との間に支柱部3を挟持するように第2部材8の後部に接合固定され、周壁部16と、後壁部17とを具備する。周壁部16は、前端面が第2部材8の後壁部13の周縁部に接合され後方へ延出する。後壁部17は、周壁部169の後端を閉じる。さらに、第1部材7の前壁部10は、概略矩形の周辺部10bと、フード部10cとを具備する。周辺部10bは、水平の上辺及び下辺と、上下方向の左右側辺に囲まれ、開口10aを囲んで、コンセント本体6の前面と面一となる前傾斜の斜面を有する。フード部10cは、周辺部10bの上辺から前方へ突出する庇部10dと、庇部10dに連続して周辺部10bの左右側辺から前方へ突出する突縁部10eとを具備し、周辺部10bを囲んで前方へ延出する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の点滴スタンド1は、電源コンセント4におけるプラグの差し込み口6aに薬液等が浸入しにくく、かつプラグの着脱操作が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図1の点滴スタンドの電源コンセントの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1において、点滴スタンド1は、脚部2と、脚部2から垂直上下方向に起立し輸液パックPが吊り下げ具を介して吊り下げられる円柱状の支柱部3と、この支柱部3の軸線に直交する方向である前方にプラグの差し込み口6aを向けて支柱部3に固定される電源コンセント4とを具備する。
【0009】
電源コンセント4は、支柱部3に固定される概略縦長直方体状のケース5と、差し込み口6aをケース5の前面側に露出させてケース5内に保持される上下2つのコンセント本体6とを具備する。
【0010】
ケース5は、前後方向に順次接合して固定されるいずれも合成樹脂製の第1ないし第3の3つの部材7,8,9を具備し、コンセント本体6に電気的に接続されるコードを挿通する導出孔5aを有する。
【0011】
ケースの第1部材7は、前壁部10と、前壁部10の周縁部から後方へ延出する周壁部11とを具備する。前壁部10は、コンセント本体6の差し込み口6aを前方へ露出させるように、コンセント本体6の前面側外周に嵌合する上下2つの矩形の開口10aを有する。周壁部11は、コンセント本体6の四囲を囲んでこれを覆っている。
【0012】
第2部材8は、周壁部12と、周壁部12の後部の後壁部13とを具備する。周壁部12は、前端面が第1部材7の周壁部11の後端面に接合され、後方へ延出し、内側に第1部材と協働してコンセント本体6を収容する収容空間14を形成する。後壁部13は、周壁部12の後部において、収容空間14を閉じる。後壁部13の前面から収容空間14へ複数のスタッド部15が突出する。スタッド部15の前端にはコンセント本体6がねじ止めされる。スタッド部15は、上下の各コンセント本体6に対応して上下に2組、4つずつ形成され、各組の上方の2つが下方の2つより前方へ長く延出している。したがって、コンセント本体6は、それぞれ前傾斜状態で、スタッド部15に支持される。第1部材7と第2部材8の下部に、導出孔5aが形成され、各コンセント本体6に電気的に接続された電源コード19が、ここから外方へ引き出される。
【0013】
第3部材9は、第2部材8の後壁部13との間に支柱部3を挟持するように第2部材8の後部に接合固定され、周壁部16と後壁部17とを具備する。周壁部16は、前端面が第2部材の後壁部13の周縁部に接合され、後方へ延出するする。後壁部17は、周壁部16の後端を閉じている。
【0014】
第1部材7の前壁部10は、開口10aを囲む概略矩形の周辺部10bと、この周辺部10bを囲んで前方へ延出するフード部10cとを具備する。周辺部10bは、コンセント本体6の前面と面一となる前傾斜の斜面を有する。フード部10cは、周辺部10bの上辺から前方へ突出する庇部10dと、庇部10dに連続して周辺部10bの左右側辺から前方へ突出する突縁部10eとを具備する。庇部10dの前縁には、上方へ立ち上がる水切り突条10fが形成される。
【0015】
第2部材8の後壁部13は、支柱部3の前面側半周に嵌合する嵌合溝部13aと、この嵌合溝部13aの両側の垂直平面部13bとを具備する。垂直平面部13bには、嵌合溝部13aとの間で支柱部3を締め付けるバンド金具18の両端部がねじ止めされる。第3部材9は、バンド金具18の後部を覆うように第2部材8の後部に接合固定される。
【0016】
この実施形態の輸液スタンド1は、コンセント本体6の前面露出部の上方と左右両側方がフード部10cにより囲まれており、かつコンセント本体6の前面とこれを囲むケース5の周辺部10bが前傾斜しているので、薬液等がコンセントの差し込み口6aに降りかかりにくく、またケース5の第2部材8により、コンセント本体6を収容する空間14が支柱部3と隔絶されているから、支柱3を伝って流下する薬液等が収容空間14内へ浸入することがない。差し込み口6aが前方を向いているので、プラグの着脱操作が容易である。電源コンセント4は支柱への締結部が外部へ露出することなく、体裁よく支柱部3に固着される。
【符号の説明】
【0017】
1 輸液スタンド
2 脚部
3 支柱部
4 電源コンセント
5 ケース
5a 電源コード導出孔
6 コンセント本体
6a プラグの差し込み口
7 ケースの第1部材
8 ケースの第2部材
9 ケースの第3部材
10 前壁部
10a 開口
10b 周辺部
10c フード部
10d 庇部
10e 突縁部
10f 水切り突条
11 周壁部
12 周壁部
13 後壁部
13a 嵌合溝部
14 収納空間
15 スタッド部
16 周壁部
17 後壁部
18 バンド金具
19 電源コード