(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236483
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】自動車運搬船のピラー構造
(51)【国際特許分類】
B63B 3/52 20060101AFI20171113BHJP
B63B 25/00 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
B63B3/52
B63B25/00 102Z
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-31600(P2016-31600)
(22)【出願日】2016年2月23日
(65)【公開番号】特開2017-149202(P2017-149202A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2016年2月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000146814
【氏名又は名称】株式会社新来島どっく
(74)【代理人】
【識別番号】100090044
【弁理士】
【氏名又は名称】大滝 均
(72)【発明者】
【氏名】大谷 洋一
(72)【発明者】
【氏名】服部 潔
(72)【発明者】
【氏名】矢野 裕之
(72)【発明者】
【氏名】原 規真
【審査官】
前原 義明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−170888(JP,A)
【文献】
実開昭58−064359(JP,U)
【文献】
特開昭54−102783(JP,A)
【文献】
特開昭54−088590(JP,A)
【文献】
実開昭61−148791(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 3/52
B63B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
RORO船(ROLL ON ROLL OFF船)である自動車運搬船の消火区画境界面下ピラー構造において、内部が上下の車両積載甲板間に開口貫通する断面所定方形状のピラーと、当該ピラー内部に上の階の車両積載甲板との間に閉鎖板によって形成される空所と、からなることを特徴とする自動車運搬船のピラー構造。
【請求項2】
前記空所は、所定長のピラー材の端部から作業可能な深さ位置に溶接閉鎖される前記閉鎖板と、上の階の車両積載甲板との間で形成する空所であることを特徴とする請求項1に記載の自動車運搬船のピラー構造。
【請求項3】
前記閉鎖板の深さ位置が上の階の車両積載甲板のデッキ裏ガーダーの下端位置であることを特徴とする請求項2に記載の自動車運搬船のピラー構造。
【請求項4】
断面長方形状のピラーの長辺の配置が船体縦方向であることを特徴とする請求項1に記載される自動車運搬船のピラー構造。
【請求項5】
断面長方形状の二本のピラーのそれぞれの長辺の配置が船体縦方向に連結した配置であることを特徴とする請求項1に記載の自動車運搬船のピラー構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車運搬船のピラー構造、特に、RORO船(ROLL ON ROLL OFF船)の自動車運搬船の消火区画境界面下ピラー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
RORO船(ROLL ON ROLL OFF船)等の自動車運搬船は、数十層に渡る車両甲板を有し、かつ、積載する車両が自走して積み込み・積み降ろしを可能とする。また、この種の自動車運搬船は、船体中央部又は船側部に複数のピラーを備え,各車両積載甲板(車両デッキ)を支えている。
【0003】
この種の自動車運搬船のピラー構造のついては、本願出願人は既に特願2014−228534号に係る発明を提案している。
特願2014−228534号の開示は、発明名称「自動車運搬船のピラー構造」に係り、「自動車運搬船の車両積載甲板上に配置されるピラーについて、各甲板及びその上部甲板との接合部の強度が高く、また、各甲板を上下に開口・貫通しなければならないサウンディングパイプ等の開口及びその接合部分の強度を高めた自動車運搬船のピラー構造を提供すること、・・・特に、自動車運搬船の船型の大型化、柔構造化に伴う大きなラッキング変形にも耐えうる自動車運搬船のピラー構造を提供する」ことの目的において(同明細書段落番号0009参照)、「ピラーが自動車運搬船の倉内の船長方向に伸張され、船側方向の側面に作業者が内部作業を可能とする開口を設けた」構成とすることにより(特許請求の範囲請求項1の記載等参照)、「(1)自動車運搬船にラッキング変形等が生じた場合にも、ピラー及びピラーの前後に配置されるサウンディングパイプの接合等に影響が及ぶことがなく、ピラーの根本や上部デッキとの接合部の強度が向上する。(2)自動車運搬船が大型化しても、ラッキング強度の確保が可能となる。(3)ラッキング強度が確保される結果、ピラー自体の板厚を増厚する必要がなく、また、板厚低減されることにより、溶接脚長減少・溶接品質向上の効果も大きい。(4)さらに、柔構造やフリーデザイン構造の船体構造に使用される場合に、特に優れた高応力のピラー構造となる。」等の効果を奏するものである(同明細書段落番号0011参照)。
【0004】
図3、
図4は、それぞれ特願2014−228534号に添付される従来の自動車運搬船のピラー構造の概略を示す図であり、そのうち、
図3(A)は、特願2014−228534号に
図1として添付される実施例1に係る自動車運搬船のピラー構造1を船首方向から見た概略断面図、
図3(B)は、それを船体横方向から見た概略断面図、
図4は、同ピラーの全体斜視図である。
【0005】
図3(A)(B)及び
図4において、符号101は、上記実施例1に係る自動車運搬船のピラー構造、102は、ピラー、103は、開口、104は、サウンディングパイプ、105a、105b、105c、105dは、脚部接合部、106a、106b、106c、106dは、頭部接合部、110は、当該階の車両積載甲板、111は、上の階の車両積載甲板、116は、当該階の車両積載層110の車両積載甲板を支える縦桁(ガーダ-)、117は、同横桁(トランス)である(符号は先行技術であることを明らかにするために適宜の三桁に変更して示した)。
【0006】
図3(A)(B)及び
図4に示すように、この種の自動車運搬船のピラー構造101における前記ピラー102は、内部が上下の層111及び113の各車両甲板間に開口・貫通して、その貫通した開口に前記サウンディングパイプ104等が挿通されている。
【0007】
ところが、近年、RoRo船「UND ADRIYATIK」の船舶火災事故(2008年)を契機に自動車運搬船等のロールオン・ロールオフ区域及び車両積載区域について、Freeboard Deck(乗り込み甲板:No.5デッキ)以下等、消火区域の境界面となる甲板にはA−30防熱(「25〜60mm程度の不燃性材料を甲板貼り付け施工」をいう。)が義務づけられ、2014年7月1日以降に起工される自動車運船のRoRo区域間を隔離する隔壁・甲板上のドア・ハッチ・通風筒・可動式ランプ・通風ダクト等について保全防熱が義務づけられるに至った(SOLAS条約II・2章第9規則の改正)。
【0008】
自動車運搬船における前記ピラー102が、これら掲記されるものに含まれるかどうかは必ずしも明確ではないが、特願2014−228534号に示されるような自動車運搬船における従来のピラー102は、上の階の車両積載甲板111及び下の階の車両積載層に通じる車両積載甲板110の間に配置される前記ピラー102は、これらの車両甲板110及び111に開口するオープン構造のピラー構造としているため、このままでは、ピラー102の内面へも防熱施工が要求されることとなった。
【0009】
このように複数層の車両積載甲板からなる艙内構造を支える前記ピラー102は、貨物である車輌の積載効率を確保すべく極力小さくするよう設計されており、ピラー102の内面に防熱を施工するための配慮が出来ていないという問題がある。
すなわち、小さなピラー102の内部の狭隘な場所への防熱施工は、防熱止めのスタッドピン打ちすら困難な状況となっており、また箇所が多いため作業量も莫大なものとなる等の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特願2014−228534号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、ロールオン・ロールオフ区画や車両積載区画を有する自動車運搬船ののRORO区域が直接隣接されるを避けることが可能で、このため、ピラー内面への防熱施工を省略することができる自動車運搬船のピラー構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本願請求項1に係る発明は、RORO船(ROLL ON ROLL OFF船)である自動車運搬船の消火区画境界面下ピラー構造において、内部が
上下の車両積載甲板間に開口貫通する
断面所定方形状のピラー
と、当該ピラー内部に上の階の車両積載甲板との間に
閉鎖板によって形成される空所
と、からなることを特徴とする自動車運搬船のピラー構造。
また、本願請求項
2に係る発明は、前記請求項
1に記載の自動車運搬船のピラー構造において、前記
空所は、所定長のピラー材の端部から作業可能な深さ位置に溶接閉鎖され
る前記閉鎖板と、上の階の車両積載甲板との間で形成する
空所であることを特徴とする。
さらに本願請求項
3に係る発明は、前記請求項2に記載の自動車運搬船のピラー構造において、前記閉鎖板の深さ位置が上の階の車両積載甲板のデッキ裏ガーダーの下端位置
であることを特徴とする。
そして、本願請求項
4に係る発明は、前記請求項1に記載される自動車運搬船のピラー構造において、断面長方形状のピラーの長辺
の配置が船体縦方向
であることを特徴とする。
また、本願請求項
5に係る発明は、前記請求項1に記載の自動車運搬船のピラー構造において、断面長方形状の二本のピラーのそれぞれの長辺
の配置が船体縦方向に連結し
た配置
であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
狭隘箇所への防熱施工により工事面でも難易度が高く、施工に時間を要する箇所となっていたが、そもそも防熱施工が不要となり工期短縮に繋がる。
狭隘箇所への工事性改善及び船舶火災時の安全性向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1(A)は、ピラー内にサウンディングパイプ(
図1では図示外)が二本貫通する本発明に係る自動車運搬船のピラー構造の実施例1を示すピラーを船体横方向から見た概略図であり、
図1(B)は、船長方向から見た同側面概略図である。
【
図2】
図2(A)は、ピラー内にサウンディングパイプ(
図2では図示外)が四本貫通する本発明の実施例2に係る自動車運搬船のピラー構造を船体横方向から見た概略図であり、
図2(B)は、船長方向から見た同側面概略図である。
【
図3】
図3(A)は、特願2014−228534号に
図1として添付される実施例1に係る自動車運搬船のピラー構造1を船首方向から見た概略断面図、
図3(B)は、それを船体横方向から見た概略断面図である。
【
図4】
図4は、
図3(A)(B)に示した同ピラーの全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る自動車運搬船のピラー構造を実施するための一実施例を図面に基づき詳細に説明する。
【実施例1】
【0016】
図1(A)は、ピラー内にサウンディングパイプ(
図1では図示外)が二本貫通する本発明に係る自動車運搬船のピラー構造の実施例1を示すピラーを船体横方向から見た概略図であり、
図1(B)は、船長方向から見た同側面概略図である。
【0017】
図1(A)(B)において、符号1は、ピラー、2は、当該ピラー1の内部に設けられる空所、2aは、前記ピラー1内の所定の位置で当該ピラー1の貫通開口を閉鎖する閉鎖板であり、内部を開口貫通する前記ピラー1が当該閉鎖板2aで溶接閉鎖され、さらに、前記ピラー1の上端が上階のデッキ(本実施例1においては、前記N0.5 CAR DECK4)との間に密設置されることで、前記空所2が形成される。また、3は、当該ピラー1の一側面に開口する作業用開口、4は、No.5DECK、5は、NO.3 CAR DECK、6は、No.5デッキ裏に配置されるガーダー(甲板横桁)、7a、7bは、ブラケット(肘板)、8は、上部裏補強材、9a、9bは、A30A防熱施工部(「25〜60mm程度の不燃性材料で覆う施工部」)である。そして、A−ZONE、B−ZONEは、乗り込み甲板である前記No.5 CAR DECK4から下層の水密・ガス密を保った消火区画、C−ZONEは、当該No.5 CAR DECK4から上層に位置する消火区画である。
【0018】
図1(A)(B)に示すように、自動車運搬船等における積載車両が自走する区域であるロールオン・ロールオフ区域や積載貨物である車両を積載する区域においては、火災が延焼することのなように上記消火区画(A−ZONE、B−ZONE、C−ZONE)を設けることが要請され、この区画は、効率的な区画配置の要請等から、前述するように、乗り込み甲板である前記No.5 CAR DECK4を基準とする水密・ガス密を保った消火区画境界面としている。すなわち、
図1(A)(B)に示される本実施例1に係る自動車運搬船のピラー構造の例は、自動車運搬船の乗り込みデッキであるNo.5 CAR DECKを消火区画境界面(図示の「A ZONE」、「B ZONE」と、「C ZONE」を分ける面)とし、この面下に配置されるNo.5 CAR DECK4からNo.3 CAR DECK5の間のピラー構造を例として示している。
【0019】
しかしながら、本実施例1に係る自動車運搬船のピラー構造は、
図1(A)(B)に示すようなNo.5 CAR DECK4とNo.3 CAR DECK5の間のピラー構造に限られるものではなく、自動車運搬船の各車両デッキ(CAR DECK)の間の適宜の位置に配置されるピラー構造に適合可能なものである。
【0020】
また、
図1(A)(B)に示す本実施例1に係る自動車運搬船のピラー構造の場合は、No.5 CAR DECKとNo.3 CAR DECKの間には、本来的にNo.4 CAR DECKが存在するが、当該No.4 CAR DECKは、可動デッキであるためピラーとの取り合いがないため、便宜的印No.5 CAR DECKとNo.3 CAR DECKの間のピラー構造を示しているが、この点においても、当該No.5 CAR DECKとNo.3 CAR DECKの間のピラー構造に限るものではなく、自動車運搬船の各車両デッキ(CAR DECK)の間の適宜の位置に配置されるピラー構造に適合可能なものである。
【0021】
上述してきたように、船級規則によれば、特願2014−228534号に提案されるピラー102においては、上の階の車両積載甲板111(本実施例1においては、No.5 CAR DECK)と下の階の車両積載甲板110(本実施例1においては、No.3 CAR DECK)の間に配置されるピラーにあっては、内部が開口するオープン構造であるため、ピラー1の内面に防熱施工が要求される。しかしながら、本実施例1に係る自動車運搬船のピラー構造は、従来から使用されている陸上加工の所定形状で所定長さの方形管状のピラー材(断面所定方形状で所定長さの貫通開口材)の前記No.5 CAR DECK5のデッキ裏部分において、前記No.3 CAR DECK4との間を閉塞する前記閉鎖板2aとで貫通開口を阻害する空所(VOID)2を形成するので、上の階と下の階が直接隣接することはなく、むしろ、上下の階の貫通を阻害して、船級規則上要求されるRoRo区域隣接を避けることができ、実際の火災の際の延焼を防止することができるエアロック区域として機能することとなる。
【0022】
なお、閉塞する前記空所2(VOID)配置位置やその深さ(高さないし長さ)については特に制限されるものではないが、好ましくは、陸上加工の所定形状で所定の大きさのピラー材の端部から作業者が容易に前記閉鎖板2aを設置可能な深さ等を考慮して適宜の深さとすることができる。なお、本実施例1に係る自動車運搬船のピラー構造においては、例えば、このような作業性と前記デッキ4裏に配置する前記ガーダー(横桁)6の下端の深さ位置を考慮して、当該空所2の下端位置を前記ガーダー6の深さとする空所2としても良く、当該空所2の深さ位置を前記デッキ裏ガーダー6の深さと一致させた場合には、強度的にも優れたものとなる。
【0023】
なお、
図1(A)(B)には図示してないが、前述するように、当該ピラー1内部には、上下の階層に貫通する二本のサウンディングパイプ(図示外)が配置されるが、No.5CAR DECK4の上層は、前記C−ZONEであるのに対し、No.5 CAR DECK4の下層は、前記A−ZONEであり、これらの区画が直接隣接されることを回避しなければならない。そこで、
図1(A)(B)に示すように、本実施例1に係る自動車運搬船のピラー構造においては、前記No.5 CAR DECK4と下階の前記No.3 CAR DECK5の間に前記空所2を設けることによって、上階の前記No.5 CAR DECK4及び下階の前記No.3 CAR DECK5の間は直接隣接することがなくなるようにした。
【0024】
このように、自動車運搬船等のRoRo区画間の隣接が回避されるので、船級規格に容易に合致すると共に、より安全な船内配置構造とすることができることに加え、作業面においても、陸上加工が可能であり、船内処理においても、前記ピラー1の貫通開口がなくなるので、隣接区画に要求されるピラー1の内部防熱施工作業を廃することができ、作業効率が格段に向上することとなる。
【0025】
なお、本実施例1に係る自動車運搬船のピラー構造においては、作業員がピラー1内に入り込めない狭いピラー1であることを前提として説明したが、これは、作業員がピラー1内に入り込めると否とに拘わらず適用される。すなわち、作業員がピラー1内に入り込めるような大型のピラー1であっても、内部に前記空所2を設けることを妨げない。作業員が内部に入り込めないピラー1にあっては、防熱施工作業量低減の面で特に優位であり、ピラー1内部において上階と下階との間が直接隣接しない空所2が設けられれば、ピラー1自体の大きさやピラー1の側面途中に設けられる前記開口3の有無、内部に設ける空所2の配置位置、大きさ等は限定されない。要は、内部に空間を区切る一枚の前記閉鎖板2aを設け、上階と下階の間に空所2が形成されるピラーであれば、形状等は問われない。
【実施例2】
【0026】
図2(A)は、ピラー内にサウンディングパイプ(
図2では図示外)が四本貫通する本発明の実施例2に係る自動車運搬船のピラー構造を船体横方向から見た概略図であり、
図2(B)は、船長方向から見た同側面概略図である。
【0027】
図2(A)(B)において、符号11a、11bは、ピラー、12a、12bは、当該ピラー11a、11bのそれぞれの内部に設けられる空所、12c、12dは、当該ピラー11a、11b内の所定の位置で当該ピラー11a、11bの貫通開口を閉鎖する閉鎖板、13a、13bは、それぞれのピラー11a、11bの一側面に開口する作業用開口、14は、No.5 CAR DECK、15は、NO.3 CAR DECK、17a、17bは、ブラケット(肘板)、18は、上部裏補強材、19a、19bは、A30A防熱施工部である。
【0028】
本実施例2に係る自動車運搬船のピラー構造においては、
図2(A)(B)に示されるように、上下の階に渡って内部が開口貫通する前記ピラー11a、11bが当該閉鎖板12c、12dによって閉鎖され、さらに、前記ピラー11a、11bの上端が上階のデッキ(本実施例2においても前記N0.5 CAR DECK14)との間に密設置されることで、前記空所12a、12bが形成される。
【0029】
図1(A)(B)に示す本実施例1に係る自動車運搬船のピラー構造と同様に本実施例2に係る自動車運搬船のピラー構造においても、自動車運搬船の乗り込み甲板であるNo.5 CAR DECK14を消火区画境界面とし、この境界面の下のNo.3 CAR DECK15までの間のピラー構造を例として説明する。
【0030】
また、可動デッキであるNo.4 CAR DECKの場合を例にしたためにピラーとの取り合いがなく、No.5 CAR DECK14とNo.3 CAR DECK15の間のピラー構造の例を示している。しかしながら、本実施例1に係る自動車運搬船のピラー構造と同様に本実施例2に係る自動車運搬船のピラー構造もNo.5 CAR DECK14とNo.3 CAR DECK15の間のピラー構造に限るものではなく、自動車運搬船の各車両デッキ(CAR DECK)の間の適宜の位置に配置されるピラー構造に適合可能なものである。
【0031】
本実施例2に係る自動車運搬船のピラー構造は、
図2(A)(B)に示すように、二本のサウンディングパイプ(図示外)がそれぞれ貫通する断面長方形状の二本のピラー11a、11bが、断面長方形状の長辺が船体縦方向に連結されるピラー構造としている。このため、船体横方向に幅をとらないので、サウンディングパイプの四本配管が必要な自動車運搬船のピラー構造においても、ピラーについて船体横方向に幅をとることなく積載車両の減少を避けることができる。
本実施例2に係る自動車運搬船のピラー構造においても、従来から使用されている陸上加工のピラー材(断面所定方形状で所定長さの貫通開口材)を使用し、二本のピラー材について、上方に位置するデッキ裏部分を所定長さで貫通開口を阻害する前記板空所(VOID)12a、12bを形成し、それらの二本のピラー材を連結して船内に設置して,前記ピラー11a、11bとするようにしたものである。
【0032】
このようにすることで、前記閉鎖空所12a、12bを設けたので、デッキ裏部分に上の階と下の階の貫通を阻害することができ、船級規則上要求されるRoRo区域隣接を避けることができ、実際の火災の際の延焼を防止することができるエアロック区域として機能することとなる。また、この結果、前記ピラー11a、11bについて上下の階の間に貫通開口がなくなるので、RoRo区画の隣接に要求されるピラー11a、11bの内部防熱施工作業を廃することができ、作業効率が格段に向上することとなる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、自動車運搬船のピラー構造、特に、RORO船(ROLL ON ROLL OFF船)の自動車運搬船の消火区画境界面下ピラー構造に利用される。
【符号の説明】
【0034】
1 ピラー
2 空所
2a 閉鎖板
3 作業用開口
4 No.5 CAR DECK
5 NO.3 CAR DECK
6 ガーダー(甲板横桁)
7a、7b ブラケット(肘板)
8 上部裏補強材
9a、9b 防熱施工部
11a、11b ピラー
12a、12b 空所
12c、12d 閉鎖板
13 作業用開口
14 No.5 CAR DECK
15 NO.3 CAR DECK
17a、17b ブラケット(肘板)
18 上部裏補強材
19a、19b 防熱施工部
101 自動車運搬船のピラー構造
102 ピラー
103 開口
104 サウンディングパイプ
105a、105b、105c、105d 脚部接合部
106a、106b、106c、106d 頭部接合部
110 当該階の車両積載甲板
111 上の階の車両積載甲板
116 縦桁(ガーダ-)
117 横桁(トランス)