特許第6236487号(P6236487)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236487
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20171113BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20171113BHJP
   H04N 5/645 20060101ALI20171113BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   G09F9/00 350A
   G09F9/00 302
   G09F9/00 309A
   H04N5/64 521
   H04N5/645
   H04N5/64 541D
   B60K35/00 Z
【請求項の数】4
【外国語出願】
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-46662(P2016-46662)
(22)【出願日】2016年3月10日
(62)【分割の表示】特願2012-551535(P2012-551535)の分割
【原出願日】2011年1月26日
(65)【公開番号】特開2016-173565(P2016-173565A)
(43)【公開日】2016年9月29日
【審査請求日】2016年4月11日
(31)【優先権主張番号】102010006658.3
(32)【優先日】2010年2月3日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508039825
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ オートモーティブ エレクトロニクス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ロウワー、 マルク
(72)【発明者】
【氏名】デュス、 マイク
【審査官】 村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−067236(JP,A)
【文献】 特開2006−253737(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/110090(WO,A1)
【文献】 特開2009−090639(JP,A)
【文献】 特開2003−004526(JP,A)
【文献】 特開2009−141778(JP,A)
【文献】 特開2002−287644(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0203924(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0272932(US,A1)
【文献】 特開平06−043313(JP,A)
【文献】 特開平07−043512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
H04N 5/64
H04N 5/645
G02F 1/1333
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ(3)及び表示装置の外側のエッジ領域を形成する前面パネル(2)を有する表示装置(1)であって、
前記前面パネルは、プラスチックで作られて、少なくとも部分的に、物理蒸着法により塗布された金属コーティングが設けられており、且つ
前記金属コーティングは接地され、且つ前記前面パネルの裏側に適用されており、
光センサーが観察者に見えないように前記前面パネル(2)の背後に配置され、
前記光センサーは、前記金属コーティングを介して周囲の光を測定し、且つ
前記前面パネルの表側は、少なくとも一部の領域で、ブラックコーティングを含むことを特徴とする、表示装置(1)。
【請求項2】
前記光センサーは、赤外線センサーであることを特徴とする、請求項に記載の表示装置(1)。
【請求項3】
前記ディスプレイ(3)は、TFTビジュアルディスプレイユニットであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の表示装置(1)。
【請求項4】
後方ハウジング(59)を含むことを特徴とする、請求項1乃至の何れか1項に記載の表示装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ及び前面パネルを備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイを有する表示装置は、例えば、文献US2009/0136723のような先行技術から知られている。自動車構造で使用されている従来技術による表示装置は、一般的に金属製の内部パネルを含む。こうしたパネルは、機械的性質に加えて、特にESD(Electro Static Discharge)保護の機能を果たす。この種類の表示装置には、一般的に光学的開口が設けられている。ディスプレイは、非常に広くて厚い構造であり、製造するのが一般的に非常に高価である。さらに、汚れの影響を受けやすい。
【発明の概要】
【0003】
したがって、本発明は、従来技術の欠点を示さない表示装置を提供することを目的とする。
【0004】
この目的は、ディスプレイ及び前面パネルを有する表示装置を用いて達成される。前記前面パネルは、プラスチックで作られて、少なくとも部分的に金属コーティングが設けられる。金属コーティングは物理蒸着法によって塗布されて、接地される。
【0005】
本発明は、表示装置に関し、特に自動車の構造で使用される表示装置に関する。本発明による表示装置は、例えば計器パネル等の自動車の内装部品に使用され得る。しかし、それは、例えば、計器パネル又は中央コンソール上にフリースタンディング(free−standing)形式で提供されることも可能である。本発明による表示装置は、ディスプレイを含む。ディスプレイは、好ましくは、TFTビジュアルディスプレイユニット(Thin Film Transistor visual display unit)又は有機ELビジュアルディスプレイユニット(OLED visual display unit)である。このビジュアルディスプレイユニットは、前面パネルのそのエッジ領域に含まれている。
【0006】
本発明による前面パネルはプラスチックで提供され、且つ少なくともある部分では物理蒸着法により、金属コーティングされている。その金属コーティングは、自動車の車体に電気的に接続されることより接地される。接地は、金属コーティングをディスプレイに接続した後、そのディスプレイを車両のグランドに接続することにより達成される。それにより、前面パネルは2つの機能を果たす。その一つは、ディスプレイの帯電を放散することである。その二つ目は、表示装置を視覚的に魅力的にし、且つディスプレイの汚染や湿潤を防止する設計要素及び保護素子になることである。本発明による表示装置は、従来技術で提供されていた内部金属パネルを省けるという利点を有する。それにより、本発明による表示装置は、より軽量の構造で、且つ全体的により薄くなり得る。さらに、前面パネルとディスプレイとの間の隙間を減らして、前面パネルはディスプレイにより近く配置され得る。それにより、前面パネルは、視覚的な利点、且つ少なくともディスプレイと前面パネルとの間に汚れ及び/又は水分進入及び/又は堆積を減らせる利点を有する。金属コーティングは蒸着によって塗布される。それにより、金属コーティングを常に薄くすることができる。また、前面パネルのプラスチックの弾性及び/又はその透明性が少なくとも実質的に維持されるようになる。
【0007】
金属コーティングは、前面パネルの少なくとも一部に塗布される。それは、好ましくは、後方に、すなわち表示装置の観察者の反対を向く前面パネルの側に塗布される。
【0008】
好ましい実施形態では、前面パネルは、少なくとも部分的にブラックコーティングが施されている。金属コーティングが施されていない領域は、好ましくは、ブラックコーティングを備えている。特に、観察者に面する前面パネルの側は、少なくとも一部の領域では、ブラックコーティングされている。
【0009】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、光センサーが、前側、すなわち観察者に面する前面パネルの背後に設けられている。本発明の好ましい実施形態では、車両の乗客等の観察者には光センサーが見えなくて、本発明による表示装置は、視覚的に特に優れているという利点を有する。さらに、前面パネルは、機械的及び/又は環境的な影響に対してセンサーを保護する。金属コーティングは物理蒸着法を用いて塗布されるので、非常に薄い。それにより、光センサー自体がコーティングされた前面パネルを介して自動車の内部の光の状態を検出する。この信号は、例えば、表示装置の背景照明を制御するために使用される。
【0010】
光センサーは、好ましくは止まり穴(blind hole)に設けられる。
【0011】
さらに、光センサーは、好ましくは赤外線センサーである。
【0012】
本発明によるディスプレイは、専門家に知られている任意のディスプレイであり得る。しかし、好ましくは、いわゆるTFTビジュアルディスプレイユニット(Thin Film Transistor visual unit)である。
【0013】
また、表示装置は、好ましくは後方にハウジングを含む。本発明による好ましい実施形態は、本発明による表示装置が、例えば、自動車の内部で、フリースタンディング(free−standing)形式で配置されている場合は、特に有利である。
【0014】
本発明は、図1〜5を参照して以下に詳細に説明する。しかし、これらの説明は、例示であり、本発明の一般的な概念を限定するものではない。説明は、本発明の両目標に同様に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明によるTFTモジュールを示す図である。
図2】本発明による表示装置を示す図である。
図3】本発明による表示装置の断面を示す図である。
図4】本発明の他の実施例による表示装置の断面を示す図である。
図5図4からの拡大詳細Xを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、既存のTFT(Thin Film Transistor)モジュール50の断面を示す。このモジュール50は、特にTFTモジュールの電子部品の帯電を防止し、且つ電子部品のスクリーニング(screening)を行う内部パネル51を備えている。前面パネル52は、既存のTFTモジュール50を機械的及び/又は環境的影響から保護する。従来技術によるTFTモジュールの内部パネル51及び前面パネル52は、それぞれが、例えば、ステンレススチールやアルミプレス部品で構成される。既存のTFTモジュール50は、前面偏光板Fと、COG(Chip−on−Glass)技術により既存のTFTモジュール50上に配置又は付着されている電子制御チップ54を備えている。トラック55を制御チップ54に導電させるFPC(Flexible Printed Circuit)、光ファイバ56、反射膜57、及び例えばBEF又はDBEFのような積層膜58は、既存のTFTモジュールの構成要素である。ハウジング59は、例えばアルミニウムから製造される。
【0017】
図2は、自動車の構造等から知られている従来の表示装置の一例を示している分解図である。既存の表示装置は、既知のTFTモジュール62、光ファイバ63、及び従来技術による前面パネル61を備えている。回路基板フォトセンサー(circuit board photo sensor)64の形態の環境光センサー(ambient light sensor)は、例えば自動車で、明度(intensity)に応じて既存の表示装置60の背景照明装置を制御するために評価される出力データを提供している。この目的で、環境光センサー用の開口部65が従来技術による前面パネル61に設けられる。これにより、全体的な美感が乱され、また汚れが頻繁に溜まって光センサーの動作が悪影響を受ける。
【0018】
図3は、例えば、TFTモジュール3を含む、本発明によるディスプレイ装置の断面を示す。本発明による前面パネル2は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、プラスチックで作られている支持体を含む。この支持体には、少なくとも部分的に導電層が設けられている。この導電層は、例えば車体に電気的に接続されている。それにより、導電層は、特に集積回路のために、ESD(Electrostatic Discharge)保護装置の機能を果たす。導電層は、本発明によれば、物理蒸着法により前面パネル2の支持体上に配置される。本発明による前面パネル2のための、塗布時の電気特性とプラスチックの機械的性質との組み合わせは、多くの用途において大きな利点となり得る。これに関連して言及されることは、例えば、プラスチックの弾性が維持されることで、プラスチックの弾性に依存するクリップ接続等の製造が可能になるということである。また、前面パネルは、現代の電子部品の感度増加に伴ってその重要性が高まっている電磁スクリーニング機能及び帯電を放散する機能を果たす。
【0019】
本発明による表示装置では内部パネル51(図1参照)を省くことができるため、前面パネル2はディスプレイの面Fに近く配置されることが可能で、視覚的に有利である。さらに、他の機能的利点として、前面パネル2とディスプレイとの間のデバイスの汚損や水分の侵入が少なくとも軽減され得る。また、本発明による装置は、製造が容易であり、且つ従来技術による装置より低い重量を有する。
【0020】
ブラックパネル効果(black panel effect)を達成するために、本発明による前面パネル2の支持体はブラックコーティングを有し得る。例えば、物理蒸着法による塗布層は、この目的のために黒く着色され得る。又は、黒色層は、好ましくは金属コーティングが提供されていない前面パネルの部分に別途適用され得る。
【0021】
本発明による前面パネルは、電気接地されている。好ましくは、本発明による表示装置1は、支持体、特に金属支持体及び接続手段4を含み、接続手段4によって支持体5上にディスプレイが配置される。
【0022】
本発明による前面パネル上には非常に薄い金属層が物理蒸着法によって配置されている。そのため、本発明による表示装置では、図2について上述したような従来技術による装置の邪魔になる開口部65の欠点を回避することができる。これにより、金属層(metallization layer)を介して周囲の光を測定する赤外線センサーを使用することも可能になる。赤外線センサー自体は、観察者に見えないように、本発明による前面パネルの背後に配置することが可能で、それにより、汚れや湿度などの環境の影響から特に保護される。
【0023】
図4及び図5は、本発明による装置の断面を示している。本発明による装置は、本発明により物理蒸着法で塗布された金属層を含むとりわけ3D前面パネル2を備える。それにより、金属で作られた内部パネル(図1参照)は、省略することができる。したがって、表示装置は、概観が良くなり且つ軽量構造になる。前面パネル2は、特にスナップ機構により、ハウジング6に機械的に接続されている。この装置では、使用者には見えない赤外線センサーを使用するという選択肢もある。
図1
図2
図3
図4
図5