特許第6236492号(P6236492)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236492
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】固定振れ止め
(51)【国際特許分類】
   B23Q 1/76 20060101AFI20171113BHJP
【FI】
   B23Q1/76 T
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-95220(P2016-95220)
(22)【出願日】2016年5月11日
(65)【公開番号】特開2016-209994(P2016-209994A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2016年6月29日
(31)【優先権主張番号】15167237.5
(32)【優先日】2015年5月12日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596007164
【氏名又は名称】エスエムヴェー アウトブローク シュパンジステーメ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(74)【代理人】
【識別番号】100091867
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 アキラ
(74)【代理人】
【識別番号】100202016
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 喬
(72)【発明者】
【氏名】エックハルト マウラー
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン マルクヴァルト
【審査官】 稲葉 大紀
(56)【参考文献】
【文献】 実開平01−166033(JP,U)
【文献】 米国特許第3535963(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0047804(US,A1)
【文献】 米国特許第5860341(US,A)
【文献】 米国特許第4463635(US,A)
【文献】 米国特許第8286955(US,B2)
【文献】 独国特許出願公開第3543806(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 1/00−25/06
B23Q 1/00− 3/154
3/16− 3/18
9/00− 9/02
B25J 1/00−21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転対称の工作物(2)を空間内において芯出しするための固定振れ止め(1)であって、
− 互いから距離を置いて配置されかつ動かないように共に接続される2つのハウジングシェル(4、5)と、
− 前記2つのハウジングシェル(4、5)間に配置された中央固定振れ止めアーム(6)であって、軸方向(3)に前記工作物(2)に向かって移動されるように作動ピストン(7)により前記ハウジングシェル(4、5)内に取り付けられる、中央固定振れ止めアーム(6)と、
− 前記中央固定振れ止めアーム(6)と、2つの対向する外側側部上にそれぞれ制御トラック(14)を有する案内スライダ(13)により駆動接続している2つの外側固定振れ止めアーム(11、12)であって、前記制御トラック(14)上に、両方の外側固定振れ止めアーム(11、12)の自由端部(15)へ取り付けられたローラ(16)が配置され、これが前記制御トラック(14)に沿って転がる、2つの外側固定振れ止めアーム(11、12)と
からなる固定振れ止め(1)において、
前記案内スライダ(13)の前記制御トラック(14)が少なくとも2つの制御セクション(21、22、25)を有することと、互いから間隔を空けて配された少なくとも2つのローラ(16)がそれぞれの前記外側固定振れ止めアーム(11、12)上に設けられ、前記少なくとも2つのローラ(16)のいずれかが、前記ハウジングシェル(4、5)における前記案内スライダ(13)の位置に依存して、前記制御セクション(21、22、25)のうちの1つと能動接触していることとを特徴とする、固定振れ止め(1)。
【請求項2】
前記制御トラック(14)の前記制御セクション(21、22、25)が互いに対しておよび前記ハウジングシェル(4、5)の長手方向軸(10)に対して異なるピッチまたは勾配を有することと、2つの隣接する制御セクション(21、22または25)間の遷移領域(24)が、前記遷移領域(24)において、前記外側固定振れ止めアーム(11または12)のうちの1つの隣接するローラ(16)の両方が前記制御セクション(21、22または25)と同時に接触するように構成されることとを特徴とする、請求項1に記載の固定振れ止め。
【請求項3】
前記案内スライダ(13)の軸方向前進移動により、前記ローラ(16)が前記制御トラック(14)の前記制御セクション(21、22、25)に対して能動接触することまたは触れることと、前記工作物(2)から最も遠くに位置する前記ローラ(16)の接触が、前記案内スライダ(13)が前記工作物(2)の方向にさらに前進するとすぐに絶たれることとを特徴とする、請求項2に記載の固定振れ止め。
【請求項4】
前記制御トラック(14)の長さが、2つの隣接するローラ(16)間の距離におよそ対応することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の固定振れ止め。
【請求項5】
前記制御トラック(14)を形成する前記案内スライダ(13)の外側が、各々異なる傾斜角で長手方向軸(10)の方向に配置されることと、前記案内スライダ(13)の2つの反対側の制御トラック(14)が、原則として、V字形外側輪郭であって、その先端が長手方向軸(10)上にありかつ締め付けられる前記工作物(2)に隣接しているV字形外側輪郭を有することとを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の固定振れ止め。
【請求項6】
前記制御セクション(21、22、25)が、直線、または凹形若しくは凸形の湾曲を有する曲線で構成されるか、または波形になっていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の固定振れ止め。
【請求項7】
前記2つの外側固定振れ止めアーム(11、12)が前記ハウジングシェル(4、5)上に回転配置構成でジョイント(17)に取り付けられていることと、前記ジョイント(17)が前記案内スライダ(13)と締め付けられる前記工作物(2)との間に空間的に配置されることとを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の固定振れ止め。
【請求項8】
前記2つの外側固定振れ止めアーム(11、12)が、好ましい実施形態において渦巻ばねまたは巻かれた圧縮ばねにより生じた予圧下にあり、それにより前記固定振れ止めアーム(11、12)の前記ローラ(16)が前記案内スライダ(13)の前記制御トラック(14)の方向に押し付けられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の固定振れ止め。
【請求項9】
前記作動ピストン(7)が、一方が他方の内側に取り付けられた入れ子式配置構成にある、第1部分(31)および第2部分(32)から形成されることと、前記作動ピストン(7)の前記2つの部分(31、32)が、各々互いから分離された圧力空間(33または34)に各々割り当てられることとを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の固定振れ止め。
【請求項10】
前記2つの圧力空間(33および34)が、互いから独立して加圧された媒体で満たされ得るまたは空にされ得ることと、前記作動ピストン(7)の前記2つの部分(31または32)が互いから独立して移動され得ることとを特徴とする、請求項9に記載の固定振れ止め。
【請求項11】
前記作動ピストン(7)の前記第1部分(31)の調整運動距離またはストローク運動距離が、ストッパ(36)により制限されることを特徴とする、請求項9または10に記載の固定振れ止め。
【請求項12】
前記2つの外側固定振れ止めアーム(11、12)の旋回範囲(23)および前記中央固定振れ止めアーム(6)の軸方向前進運動距離が、80〜600mmの直径を有する工作物(2)が締め付けられ得るサイズであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の固定振れ止め。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部による固定振れ止めに関する。
【背景技術】
【0002】
この種類の固定振れ止めは、例えば特許文献1に開示されており、これによって回転対称の工作物が空間内で芯出しされ支持される。この種類の工作物はシャフトまたは中空体であり、その外側ジャケット表面は工具を使用して機械加工され、それにより、締め付けられた工作物に作用しそれを屈曲させるかなりの機械加工力を生じる。しばしば、この種類の工作物は長さが数メートルであり、その結果として、工作物を支持するのに必要な固定振れ止めは、機械加工工具の機械加工工具床の領域において互いから特定の間隔を空けて配置される。
【0003】
機械加工工具の機械加工工具床には限られた空間しかないが、しかしながら、この空間は追加的な要素を収容する必要があり、その結果として固定振れ止めのサイズは機械加工工具における利用可能な空間に適合されなければならない。さらに、固定振れ止めは、下から保持される工作物を包含するおよび芯出しするために、機械加工工具に対して垂直方向にまたは僅かな量だけ横にオフセットされて整列されなければならない。
【0004】
この目的のために設計された固定振れ止めは、主として、2つのハウジングシェルであってその中において3つの固定振れ止めアームが配置されかつ移動可能である2つのハウジングシェルからなる。固定振れ止めアームは、空気圧式にまたは油圧式に作動する圧力ピストンと駆動、能動接続しており、これにより3つの固定振れ止めアームが、案内スライダを使用して、工作物が締め付けられる方向またはそれから離れる方向に同期的に移動され得る。
【0005】
中央固定振れ止めアームは適宜軸方向に往復して移動させられ、案内スライダが駆動されると、2つの外側固定振れ止めアームが案内スライダの外側と接触し旋回移動を行う。この理由は、制御トラックが案内スライダの2つの対向する外側部分に対して作用させられ、各々の外側固定振れ止めアームの自由端部のうちの1つが、配置されたローラによりこれと接触し、それにより制御トラックに沿って転がるからである。案内スライダの前進移動は、結果として、回転配置構成においてハウジングシェルに取り付けられた2つの外側固定振れ止めアームを、工作物に向かって移動させるかそれから離れるように旋回させる。
【0006】
3つの固定振れ止めアームが工作物の表面に同時に遭遇するとすぐに、締付力が加えられ、それにより工作物が保持される。
【0007】
締め付けられる工作物の直径が大きいほど、固定振れ止めのサイズが大きくなり、その理由は、この場合2つの外側固定振れ止めアームにとってかなりの旋回角度が求められ、かつまた圧力ピストンおよび中央固定振れ止めアームの軸方向前進移動のサイズがそれに従って増大しなければならないからである。しかしながら、機械加工工具内で利用可能な空間は限られており、機械加工工具の他の技術的タスクのための追加的な空間を提供するために固定振れ止めを可能な限り小さくするだけでなく、異なるサイズおよび構成の工作物が、締め付けられる工作物の直径が減少または増大する場合に連続的に設置及び除去される固定振れ止めの必要性なしに、締め付けられ得るように、固定振れ止めが固定振れ止めアームのための可能な限り大きい旋回範囲を提供することも必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2848359号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、上記のタイプの固定振れ止めであって、異なる直径の工作物が保持および芯出されることを可能にし、そのため固定振れ止めにより占められる空間が可能な限り小さく、同時に異なる直径の工作物が依然として把持および支持される固定振れ止めを開発することが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によると、これらの課題は、請求項1の特徴部の特徴により達成される。
【0011】
本発明の他の有利なさらなる実施形態は、従属請求項から得られる。
【0012】
案内スライダの特定の制御トラックは、少なくとも2つの制御セクションを有し、少なくとも2つのローラは、特定の外側固定振れ止めアーム上に互いから間隔を空けて配置され、この場合、ローラは、各々ケースハウジングシェル内での案内スライダの位置に依存して、制御セクションのうちの1つと能動接触しており、このことは、制御トラックの特定の制御セクションの整列は案内スライダの前進位置に依存し、その結果として固定振れ止めアーム、および特に、2つの外側固定振れ止めアームが、可能な限り大きい旋回範囲にわたって移動し、したがって異なるサイズの工作物を締め付けることができるため、固定振れ止めにより占められる空間が達成されると同時に、外側固定振れ止めアームの可能な限り大きい旋回範囲が保持されることを意味する。
【0013】
特定の外側固定振れ止めアームのローラは、個別にまたは対でのいずれかでローラの各々に割り当てられた制御セクションのうちの1つと永続的に接触しており、このことは、固定振れ止めアームが案内スライダと永続的に駆動接続しており、その結果として固定振れ止めアームが工作物の方向および反対側方向の両方に移動され得ることを意味する。案内スライダはしたがって前進要素として作動するだけでなく3つの固定振れ止めアームのための後退デバイスとしても作動する。
【0014】
制御トラックの設計実施形態、特に2つの隣接する制御トラック間の遷移領域の結果として、ローラが個別にまたは対でのいずれかで2つの隣接する制御セクションと接触し、その結果として、対応する制御セクションが互いに対して異なる角度にある、すなわちハウジングシェルの長手方向軸に対して異なったように整列するため、2つの外側固定振れ止めアームの異なるサイズの旋回経路を有する、案内スライダの滑らかな移動が可能になる状況が達成される。
【0015】
図面は、本発明に従って構成された固定振れ止めの2つの例示的実施形態を示し、その詳細が以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】2つのハウジングシェルであって、その間に、作動ピストン、案内スライダおよびこれに取り付けられた中央固定振れ止めアームが、軸方向に移動する配置で取り付けられた2つのハウジングシェルと、案内スライダと駆動接続している2つの外側固定振れ止めアームとを有する固定振れ止めの第1の例示的実施形態を、斜視および分解図で示す。
図2a】異なるサイズの直径を有する締め付けられる工作物のための第1位置にある図1による固定振れ止めを断面図で示す。
図2b】平均的なサイズの直径を有する工作物のための第2位置にある図2aによる固定振れ止めを示す。
図2c】小さいサイズの直径を有する工作物のための第3位置にある図2aによる固定振れ止めを示す。
図3】2つのハウジングシェルであって、その間に、作動ピストン、案内スライダおよび中央固定振れ止めアームが、軸方向に移動する配置で取り付けられた2つのハウジングシェルと、案内スライダと駆動接続している2つの外側固定振れ止めアームとを有する固定振れ止めの第2の例示的実施形態を断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、固定振れ止め1であって、それにより工作物2が、工作物2の長手方向軸が可能な限り真っ直ぐな線状にすなわち反ることなしに延びるような方法で、空間内に芯出しまたは保持される固定振れ止め1を示す。工作物2は、図示されていない機械加工工具により機械加工される回転対称のシャフトまたは中空体である。しばしば、機械加工工具はかなりの機械加工力を工作物2にかけ、これらは工作物2の長手方向軸がシフトされることなしに固定振れ止め1により吸収されなければならならず、その理由は、そのようなことが起きた場合、厳密な機械加工ステップが達成され得ないだろうからである。
【0018】
固定振れ止め1は、互いから距離を置いて配置され空間を囲む2つのハウジングシェル4および5からなる。ハウジングシェル4および5は動かないように共に接続される。さらに、ハウジングシェル4および5は、固定振れ止め1の工作物2への確実な取付けを達成するために工作物2の回転軸に直角に整列しなければならない長手方向軸10を形成する。
【0019】
さらに、固定振れ止め1は、作動ピストン7であって、例えば空気圧式または油圧式加圧媒体により作用され、ハウジングシェル4、5の長手方向軸10と同一平面に延びる作動ピストン7からなる。作動ピストン7は、工作物2の方向またはそれから離れる方向に整列する軸方向ストローク移動を生じ、これは図では参照符号3で特定される。
【0020】
作動ピストン7には中央固定振れ止めアーム6が取り付けられており、中央固定振れ止めアーム6はしたがって作動ピストン7と駆動能動接続しており、作動ピストン7により工作物2に向かってまたはそれから離れるように軸方向に移動方向3に移動し得る。中央固定振れ止めアーム6は結果として工作物2のための第1支持体を形成する。
【0021】
中央固定振れ止めアーム6により求められる2つのさらなる支持体が、ハウジングシェル4および5上にジョイント17により回転または滑動配置構成で取り付けられた2つの外側固定振れ止めアーム11、12により形成される。
【0022】
2つの外側固定振れ止めアーム11、12を中央固定振れ止めアーム6と同期的に移動させるために、作動ピストン7には屋根の形のまたはV字形の外側輪郭を有する案内スライダ13が取り付けられており、この場合、屋根のまたはVの先端は工作物2に隣接して配置され、案内スライダ13の側面は長手方向軸10に対して立ち上がる。
【0023】
案内スライダ13の対向する外側側面は、以下でより詳細に説明されるとおり、制御トラック14であって、それに沿って外側固定振れ止めアーム11、12の自由端部15の各々に取り付けられたローラ16が転がり永続的に接触している制御トラック14として構成される。
【0024】
図2aは、2つのローラ16が外側固定振れ止めアーム11、12の自由端部15上に互いから間隔を空けて設けられることを示す。
【0025】
制御トラック14は、2つの制御セクション21および22ならびに2つの制御セクション21および22の間に位置づけられる遷移領域24において形成される。固定振れ止めアーム11、12のローラ16の各1つは、制御セクション21または22の一方に割り当てられ、それと駆動接続している。工作物から最も離れているローラ16は第1制御セクション21と接触し、これによる、例えば、外側固定振れ止めアーム11、12のジョイント17における巻かれた圧縮ばねまたは渦巻ばねによる、予圧下で保持される。
【0026】
さらに、図2aは、より大きな直径、例えば600mmの直径を有する工作物2が締め付けられ、締め付けられる工作物2の直径が小さいほど、図2bおよび2cに示されるとおり、ハウジングシェル4および5における案内スライダ13の位置がより変化するため、工作物2のサイズがハウジングシェル4および5における案内スライダ13の位置を特定するという効果があることを示す。
【0027】
このことは、工作物2から最も遠くにあるローラ16は、図2aに示される締め付けられた条件においてのみ、案内スライダ13の第1制御セクション21と能動接触するまたは触れるようになることを意味する。
【0028】
図2bは中程度の直径、例えば300mmの直径を有する工作物2を示し、この場合、ハウジングシェル4、5における案内スライダ13の位置は、図2aの締付条件に対して、工作物2へより近い。結果として、工作物2に隣接して配置された外側固定振れ止めアーム11、12のローラ16もまた、それらに割り当てられた第2制御セクション22と能動接触するまたは触れるようになる。この締付条件において、互いから間隔を空けて配された外側固定振れ止めアーム11および12のローラ16は両方とも、それらの対応する制御セクション21または22と接触しており、それらは作動ピストン7により生じた締付力を案内スライダ13を介して伝える。
【0029】
図2cは、小さい工作物2、例えば直径が80mmの工作物2でさえも、本発明による固定振れ止め1を使用して確実に締め付けられ得ることを示すことを意図する。これらの工作物2の場合におけるハウジングシェル4および5における案内スライダ13は、それらに最も近く位置づけられ、このことは、工作物2に隣接するローラ16のみがそれらの第2制御セクション22と触れるまたは能動接触するようになり、さらに遠くに位置するローラ16はもはや案内スライダすなわち案内スライダでローラに対して作用させられる第1制御セクション21と能動接触しないことを意味する。
【0030】
2つの隣接する制御セクション21および22の傾斜は、長手方向軸10に対して適合して異なる。結果として、制御セクション21および22は異なるピッチまたは傾斜角を有し、外側固定振れ止めアーム11および12の旋回移動が、能動接触する制御セクション21もしくは22またはローラ16が制御セクション21もしくは22の何れに位置づけられるかに依存して自動的に変更される状況がもたらされる。制御トラック14のこの設計実施形態の結果、異なったサイズの工作物2が、固定振れ止め1により占められる空間が先行技術の固定振れ止めに対して変更されることなしに、1つの固定振れ止め1で支持され得るという状況が達成される。これは、外側固定振れ止めアーム11および12のための参照符号23で示される旋回範囲のサイズを増大させる制御セクション21、22の傾斜またはピッチの設計実施形態のみである。
【0031】
図3は、3つの制御セクション21、22および25を備える制御トラック14を有する案内スライダ13を備える固定振れ止め1を示す。外側固定振れ止めアーム11、12の自由端部15は、結果として互いから間隔を空けて配置される3つのローラ16を有し、その各々は制御セクション21、22または25のうちの1つに割り当てられ、案内スライダ13が対応する位置に到達するとすぐにそれと能動接触する。
【0032】
図1〜3における全ての制御トラック14は、制御トラック14の長さが2つの隣接するローラ16間の間隙または2つの外側ローラ16により形成される長さにおよそ対応するという特徴を共有している。
【0033】
複数の、異なって構成される制御セクション21、22または25は、特定の制御セクション21、22または25における外側固定振れ止めアーム11、12の必要な旋回範囲23に依存して、線形の、凹形または凸形に湾曲した、または波状のプロファイルを有する案内スライダ13に対して作用させられ得る。
【0034】
図2a、2bおよび2cはまた、回復デバイス18が案内スライダ13へ取り付けられる、すなわち回復デバイス18が案内スライダ13に駆動、能動接続することを示す。回復デバイス18はピン20が挿入された案内溝19を有し、特定の外側固定振れ止めアーム11または12へ動かないように接続される。案内スライダ13がこれに従って引き戻されるとすぐに、回復力が外側固定振れ止めアーム11、12のピン20を介して伝えられ、これにより、ピン20が回復デバイス18の案内溝19の内側輪郭に起因して内側に向かって偏向させられ、このことは、外側固定振れ止めアーム11、12が外向きに開かれる、すなわちジョイント17の周りを旋回させられることを意味する。
【0035】
さらに、作動ピストン7は入れ子式構成を有する。結果として、作動ピストン7は、互いに対して移動する第1部分31と第2部分32とからなり、その理由は作動ピストン7の各部31または32は互いから分離される圧力空間33または34へ割り当てられるからである。ライン35が2つの圧力空間33および34の各々の中に現れ、ラインが制御デバイスまたは加圧流体、例えば作動油を提供するポンプにより満たされまたは排出され得る。作動油がポンプにより第1圧力空間33内へ押し込まれるとすぐに、作動ピストン7の第1部分31が工作物2に向かって移動し第2部分32が同時に移動する。圧力空間33内に設けられた作動ピストン7の第1部分31の移動運動距離またはストローク運動距離はストッパ36により制限される。結果として、ストッパ36上に作動ピストン7の第1部分31の端部位置が到達するとすぐに、作動油が第2圧力空間34内へ圧入され、これには作動ピストン7の第2部分32が工作物2の方向に移動するという効果があり、このことは、依然としてカバーされなければならない場合もある固定振れ止めアーム6、11および12の作動運動距離が妨害され、第2に、必要な締付力が3つの固定振れ止めアーム6、11および12上に生じることを意味する。
【0036】
作動ピストン7の入れ子式配置構成の結果として、これにより必要とされる空間が有意に(著しく)減少すると同時にストローク運動距離の必要な長さが維持される。
【符号の説明】
【0037】
1 固定振れ止め
2 工作物
3 移動方向
4 ハウジングシェル
5 ハウジングシェル
6 中央固定振れ止めアーム
7 作動ピストン
10 長手方向軸
11 外側固定振れ止めアーム
12 外側固定振れ止めアーム
13 案内スライダ
14 制御トラック
15 自由端部
16 ローラ
17 ジョイント
18 回復デバイス
19 案内溝
20 ピン
21 第1制御セクション
22 第2制御セクション
23 旋回範囲
24 遷移領域
25 制御セクション
31 第1部分
32 第2部分
33 第1圧力空間
34 第2圧力空間
35 ライン
36 ストッパ
図1
図2a
図2b
図2c
図3