(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236495
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】クッション長さ調整器とクッション長さ調整器付き車両シート
(51)【国際特許分類】
A47C 7/14 20060101AFI20171113BHJP
A47C 7/50 20060101ALI20171113BHJP
B60N 2/02 20060101ALI20171113BHJP
B60N 2/44 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
A47C7/14 C
A47C7/50 A
B60N2/02
B60N2/44
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-100965(P2016-100965)
(22)【出願日】2016年5月20日
(65)【公開番号】特開2016-214871(P2016-214871A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2016年7月15日
(31)【優先権主張番号】62/165,583
(32)【優先日】2015年5月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598147400
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ポペスク、 ホラチウ エム.
【審査官】
大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開特許第10−2011−0031781(KR,A)
【文献】
特開2009−201764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/14
A47C 7/50
B60N 2/02
B60N 2/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クッション長さ調整器であって、
クッション枢動関節を有するクッション要素と、
前記クッション枢動関節において前記クッション要素に関節接続され、かつ、クッション拡張部拡張位置とクッション拡張部収縮位置との間で枢動可能なクッション拡張部と、
調整器回転駆動部と、
前記クッション要素に固定された摺動子案内路と、
前記摺動子案内路に沿って動く摺動子と、
前記摺動子案内路を画定するレールを含む支持要素と、
前記摺動子を前記摺動子案内路に沿って動かすべく、前記調整器回転駆動部を前記摺動子に接続する伝動部と、
クッション拡張部枢動関節において前記クッション拡張部に関節接続され、かつ、摺動子枢動関節において前記摺動子に関節接続された連結器と
を含み、
前記調整器回転駆動部が動く方向が、前記摺動子が前記摺動子案内路に沿って動く方向を決定し、
前記調整器回転駆動部の回転により、前記クッション拡張部が、前記クッション拡張部拡張位置と前記クッション拡張部収縮位置との間を動くクッション長さ調整器。
【請求項2】
前記調整器回転駆動部はモータを含む請求項1に記載のクッション長さ調整器。
【請求項3】
前記伝動部は、
前記摺動子に接続されて外部ねじ山を含む送りねじと、
内部ねじ山を含んで前記クッション要素に対して軸方向に支持されるウォームギヤ/ナットと、
前記調整器回転駆動部に接続されたウォームと
を含み、
前記送りねじは、前記ウォームギヤ/ナットの回転のときに軸方向に動かされ、
前記ウォームの回転が前記ウォームギヤ/ナットの回転を引き起こす請求項1に記載のクッション長さ調整器。
【請求項4】
前記伝動部はさらに、前記クッション要素に固定されたギヤボックスを含み、
前記ギヤボックスは、前記ウォームギヤ/ナット及び前記ウォームのそれぞれを支持する請求項3に記載のクッション長さ調整器。
【請求項5】
前記支持要素が前記ギヤボックスを支持し、かつ、前記ギヤボックスを前記クッション要素に接続する請求項4に記載のクッション長さ調整器。
【請求項6】
前記調整器回転駆動部は、
前記支持要素によって支持されたモータと、
前記モータを前記伝動部のウォームに動作可能に接続する運動結合器と
を含み、
前記モータ及び前記運動結合器が前記支持要素によって支持される請求項5に記載のクッション長さ調整器。
【請求項7】
前記支持要素は、
前記支持要素を前記クッション要素に接続する第1取り付け箇所と、
前記支持要素を前記クッション要素に接続する第2取り付け箇所と
を含む請求項1から6のいずれか一項に記載のクッション長さ調整器。
【請求項8】
前記摺動子案内路及び前記摺動子の少なくとも一方が摩擦低減支承配列体を形成するべく協働する請求項1に記載のクッション長さ調整器。
【請求項9】
前記摩擦低減支承配列体は、前記摺動子案内路及び前記摺動子の一方が、前記摺動子案内路及び前記摺動子の他方の表面に係合する箇所にナイロン製滑り材を含む請求項8に記載のクッション長さ調整器。
【請求項10】
車両シートであって、
シートベースと、
シートバックレストと、
請求項1から9のいずれか一項に記載のクッション長さ調整器と
を含み、
前記シートベースが前記クッション要素からなる車両シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に車両シートに関し、詳しくは、クッション長さ調整器と、かかるクッション長さ調整器を有する車両シートに関する。
【背景技術】
【0002】
車両シートには、クッション(座部又はシートベースとしても知られる)が設けられる。これは、クッション長さ(バックレスト接続部近くの端から前端までの距離、例えば車両進行方向のシートベース長さ寸法)が固定されるのが最も典型的である。車両シートには、クッション長さの調整を許容するクッション長さ調整器が設けられてきた。しかしながら、かかるクッション長さ調整器は、車両シート全体に対し多大な質量を追加する。さらに、かかるクッション長さ調整器には、初期長さと拡張クッション長さとの間でクッション長さの切り替えを駆動するモータが設けられる。モータ/駆動部/伝動部が、不要かつ過剰なノイズを生成する。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、クッション長さ調整器の質量が低減され、配列体及び当該配列体の運動により、動作中に生じるノイズが既知の構造よりも少ないクッション長さ調整器及びクッション長さ調整器付き車両シートを与えることにある。
【0004】
本発明によれば、クッション要素すなわちクッション枢動関節付きクッション受け皿を含むクッション長さ調整器が与えられる。クッション拡張要素、特にパドルが、クッション枢動関節においてクッション受け皿に関節接続され、パドル拡張位置とパドル収縮位置との間で枢動可能となる。調整器回転駆動部が、摺動子案内路に沿って動く摺動子と協働する。伝動部が調整器回転駆動部と摺動子とを接続し、当該摺動子を摺動子案内路沿いに動かす。摺動子調整器回転駆動部の動き方向が、摺動子案内路沿いの摺動子の動き方向を決定する。連結器又は連結器配列体が、パドル枢動関節においてパドルに関節接続され、かつ、摺動子枢動関節において摺動子に関節接続される。調整器回転駆動部の回転によりパドルは、パドル拡張位置とパドル収縮位置との間で動く。
【0005】
調整器回転駆動部はモータを含み得る。モータは、回転するべく取り付けられた駆動シャフトと協働し得る。
【0006】
伝動部は、摺動子に接続された送りねじを含み得る。送りねじは、外部ねじ山を有し得る。内部ねじ山を有するウォームギヤ/ナットが、当該ウォームギヤ/ナットの回転時に送りねじを軸方向に動かすべくクッション要素に対して軸方向に支持され得る。伝動部はさらに、駆動部に接続されたウォームを含み得る。ウォームの回転がウォームギヤ/ナットの回転を引き起こす。
【0007】
伝動部はさらに、クッション要素に固定されたギヤボックスを含み得る。ギヤボックスは、ウォームギヤ/ナット及びウォームのそれぞれを支持し得る。支持要素が、ギヤボックスを支持し、当該ギヤボックスをクッション要素に接続し得る。
【0008】
調整器回転駆動部は、支持要素によって支持されたモータと、モータを伝動部のウォームに動作可能に接続する運動結合器とを含み得る。モータ及び運動結合器は支持要素によって支持され得る。
【0009】
支持要素は、摺動子案内路を画定するレールを含み得る。支持要素は、支持要素をクッション要素に接続する第1取り付け箇所と、支持要素をクッション要素に接続する第2取り付け箇所とを含み得る。
【0010】
本発明のさらなる側面によれば、クッション及びバックレストとクッション長さ調整器とを含む車両シートが与えられる。クッション長さ調整器は、クッションのクッション要素、すなわちクッション枢動関節付きクッション受け皿からなる。クッション拡張要素、特にパドルが、クッション枢動関節においてクッション受け皿に関節接続され、パドル拡張位置とパドル収縮位置との間で枢動可能となる。調整器回転駆動部が、摺動子案内路に沿って動く摺動子と協働する。伝動部が調整器回転駆動部と摺動子とを接続し、当該摺動子を摺動子案内路沿いに動かす。摺動子調整器回転駆動部の動き方向が、摺動子案内路沿いの摺動子の動き方向を決定する。連結器が、パドル枢動関節においてパドルに関節接続され、かつ、摺動子枢動関節において摺動子に関節接続される。調整器回転駆動部の回転によりパドルは、パドル拡張位置とパドル収縮位置との間で動く。
【0011】
本発明を特徴付ける新規な様々な特徴が、本開示に添付されて本開示の一部をなす特許請求の範囲において具体的に指摘される。本発明、その動作上の利点、及びその使用により達成される特定の目的を良好に理解するべく、本発明の好ましい実施形態が例示される添付図面及び記述事項が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係るクッション長さ調整器の模式的な図である。
【
図2】本発明に係るクッション長さ調整器の一実施形態の部分破断斜視図であり、クッション拡張部の一部を破線で示す。
【
図3】完全下降位置にあるように示された
図2のクッション長さ調整器の側面部分破断図であり、IV−IV、V−V及びVI−VI断面を示す。
【
図7】
図3に係る側面部分破断図であるが、VII−VII断面を示す。
【
図8】
図7のVII−VII線から見た断面図である。
【
図9】完全上昇位置にあるように示された
図2のクッション長さ調整器の側面部分破断図である。
【
図10】
図10Aは、本発明に係る車両シートの模式的な側面図であり、クッション長さ調整器の部品は示されないが、下降位置にある車両シートクッション拡張部(パドル)を示す。
図10Bは
図10Aの車両シートの模式的な側面図であり、上昇位置にある車両シートクッション拡張部(パドル)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照すると、
図1は、本発明に係るクッション長さ調整器30の一実施形態に係る一定範囲の特徴及び運動を模式的に示す。クッション拡張部(パドル)1は、枢動関節Aを介してクッション部(クッション受け皿)4に関節接続される。支持体3によって、ギヤボックス5がクッション受け皿4に取り付けられる。他の支持体2によって、レール(摺動子案内路)11がクッション受け皿4に取り付けられる。レール11の上では、摺動子12が前後に移動する。摺動子12は、送りねじ7によってレール11沿いに押され又は引かれる。送りねじ7は、ウォームギヤ/ナット6によって作動される。ウォームギヤ/ナット6は、ウォーム10によって回転される。ウォーム/ギヤナット6及びウォームギヤ又はウォーム10は、ギヤボックス5に取り付けられ、かつ、ギヤボックス5の一部である。ギヤボックス5は、ウォーム/ギヤナット6の支承部と協働し、かつ、ウォーム10の支承部と協働する支承台を含み得る。ウォーム10は、モータ9に接続された運動結合器8を有する。モータ9は、システムにおける一次動力駆動源である。摺動子12は、ナイロン製滑り材14で被覆され(
図11)、連結器13の一端を収容する回転関節Bが設けられる。連結器13の他端は、他の回転関節Cを介してパドル1に取り付けられる。関節A、B、Cはそれぞれ、支承関節接続部20、22及び24に基づく接続を与える。
【0014】
パドル1を完全下降位置から上昇位置へ動かすべくモータ9は、送りねじ7を前方に動かす方向に回転する。モータ9がウォーム10を回転させると、ウォームギヤ/ナット6が回転して送りねじ7を摺動子12とともに、レール11沿いに軸方向に押す。連結器13の下側関節Bが前方に押されるので、連結器13の上側関節Cは、パドル1を押し上げ、パドル1を関節Aまわりに回転させ、それに引き続き、クッション受け皿4とパドル1との組み合わせに基づいてクッション長さを拡張する(
図9及び10Bを参照)。モータ9がウォーム10を逆方向に回転させると、摺動子12は後方に動くので、連結器13はパドル1を押し下げ、関節Aまわりにパドル1を回転させる。
【0015】
図2は、部分的に破断されたクッション受け皿4に関節接続されたパドル1を有するクッション長さ調整器30の斜視図を示す。支持体3は、2つの類似部品32R、32Lから形成される。これらはまた、レール11及び他の支持体2も形成する(
図7参照)。2つの部品32R、32Lは、終端片25によって、かつ、ギヤボックス5の一部分又は支持体分27によって接合される(
図6及び8参照)。レール11の2つの部品は、摺動子12を受け入れる中央トラック又は溝を与える。摺動子12は、2つの摺動子部品を有する。2つの摺動子部品はそれぞれ、レール表面に係合する上側及び下側フランジ部品を有する。
図4に示されるように、摺動子12のレール対向表面は、摩擦低減支承配列体を有する。これは、ナイロン製滑り材14の形態のライニングを含む摩擦低減表面を有する。その代わりに摩擦低減表面は、レール11の表面に存在してもよい。摺動子12及びレール11はまた、ボールベアリング又は他の同様の摩擦低減ベアリングを有するように形成された摩擦低減支承配列体を有し得る。摺動子12は、連結器13との枢動接続を与える支承関節22を支持する。
【0016】
図3及び7に見えるように、折り畳み位置において摺動子12は、ギヤボックス5に最も近くなる。折り畳み位置において送りねじ7は、後ろ向き方向に延びる。3つの枢動軸A、B及びCはベアリング20、22及び24によって与えられ、摺動子12がトラック11沿いに前方に動かされるときに、連結器13がパドル1を上昇位置に向けて動かすことを許容する。コンパクトかつ低質量の配列体が、線形トラック配列体を、回転モータ9を使用して駆動することによって得られる。
【0017】
回転モータ9は、ブラケット34によって支持される(
図8参照)。ブラケット34は、ギヤボックス配列体5に接続され、かつ、支持体2、3及びレール11に接続される。ギヤボックス5は、
図6に示されるようにウォームギヤ/ナット6を支持する。ギヤボックス5及びウォームギヤ/ナット6は、送りねじ7を支持する。ギヤボックス5はまた、ウォーム10も支持する。
図8に示されるように、ウォーム10は、駆動シャフトの形態の運動結合器8に接続される。
【0018】
モータ9及び駆動シャフト8が調整器回転駆動部を形成する。ギヤボックス5、ウォームギヤ/ナット6、送りねじ7及びウォーム10が、調整器回転駆動部を摺動子12に接続する伝動部を形成し、摺動子案内路11沿いに摺動子12を動かす。この実施形態において、伝動部5、6、7、10は、モータ9の回転駆動を摺動子の線形動に変換する。駆動シャフト8の回転出力はまた、摺動子が動く方向に対して直角をなす。モータ9は、摺動子12をトラック11沿いに前方及び後方に動かすべく、2つの回転方向に駆動することができる。
【0019】
図2及び
図8は、支持体3の2つの取り付け箇所を具体的に示す。これらは、クッション長さ調整器30をクッション受け皿4の下側にボルト(図示せず)によって固定するための接続開口23を与える。
図9に見ることができるように、支持体2によってクッション長さ調整器30のレール11の前端がクッション受け皿4に接続される。支持体2、3、レール11、並びに支持及びギヤボックス領域5が、堅固な構造配列体によって与えられる。これは、終端片25と協働する右側及び左側部品32R及び32L、並びにギヤボックス支持体27及びギヤボックス5を含む(
図6)。終端片25及びギヤボックス支持体27は、右側及び左側部品32R及び32Lに溶接等によって固定される。モータブラケット34は、ギヤボックス支持体27に溶接等によって固定される。得られた構造体は軽量であり、車両シートによって完全に支持される。すなわち、クッション受け皿4との接続部2及び3によって完全に支持される。
【0020】
図10Aは、本発明に係る車両シート70を模式的に示す。車両シート70は、座部4及びパドル1を含むが、調整器30の特徴部は省略される。車両シート70はまた、バックレスト50も含む。車両シート70は、座部4の上方に配置されてパドル1の表面に接触する発泡体40を含む。発泡体40は、
図10Aに示されるように、折り畳み位置において枢動軸Aのまわりを包み込む。
図10Bは、上昇位置にある車両シート70を示す。
【0021】
本発明の特定の実施形態が、本発明の原理の適用を例示するべく図示かつ詳述されたが、本発明が、かかる原理から逸脱することなく他の方法で実施できることが理解される。